説明

局部洗浄装置

【課題】 ノズルの洗浄を実行したいときに、いつでもその要求に応えることができ、ノズルの清潔性に優れた局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 局部洗浄水が噴出される噴出孔を有し、一定の軌跡上を動くノズルを有する局部洗浄装置において、前記噴出孔への前記局部洗浄水の供給を制御する制御弁を有する局部洗浄水供給手段と、前記軌跡上の所定位置に、前記ノズルを包囲した洗浄部屋を構成する洗浄部屋構成部材と、前記制御弁の上流から分岐し、前記洗浄部屋にノズル洗浄用の洗浄水を供給するノズル洗浄水供給手段と、前記局部洗浄水供給手段およびノズル洗浄水供給手段による洗浄水供給動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする局部洗浄装置である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の局部洗浄装置は、図13に示すように、水道源に接続された止水弁5、ストレーナ6、給水弁となる電磁弁7、流量調節弁8、逆止弁9、温水タンク10、真空破壊弁11およびノズル4で洗浄主水路が構成されている。また、洗浄主水路とは別に電磁弁7と流量調節弁8との間から分岐した絞り12と真空破壊弁13を接続してノズル4付近に吐出口14を設け、この吐出口14からの吐出水がノズル4を洗浄するようにしたノズル洗浄手段である補助水路が設けられている。
【0003】このように構成された局部洗浄装置は、使用者が洗浄操作を行うと、電磁弁7が開放され、水は洗浄水主水路を通じてノズル4から吐水されるとともに、補助水路を通じて吐出口14から吐出してノズル4を洗浄し、ノズル4に付いた汚水等を洗い流し清潔にする。また、使用者が流量調節弁8を開放していくと、温水タンク10にも水圧が印加され、ヒータにより暖められた温水が清潔になったノズル4より噴出し、水量を調節しながら衛生的に肛門部等の洗浄を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の局部洗浄装置では、ノズル4が移動できるように構成されていないため、排便中の排泄物がノズル4に付着し不潔であった。また、仮にノズル4を移動できるように構成したとしても、補助水路は電磁弁7の下流側から分岐しているため、ノズル4の洗浄を実行すると同時にノズル4からも洗浄水を吐水する構成であった。したがって、ノズル4のみ洗浄したいときや、局部洗浄実行前後にノズル4を洗浄したい場合に、その要求に応えることができなかった。
【0005】本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたものであり、ノズルの洗浄を実行したいときに、いつでもその要求に応えることができ、ノズルの清潔性に優れた局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記目的を達成するための請求項1の局部洗浄装置は、局部洗浄水が噴出される噴出孔を有し、一定の軌跡上を動くノズルを有する局部洗浄装置において、前記噴出孔への前記局部洗浄水の供給を制御する制御弁を有する局部洗浄水供給手段と、前記軌跡上の所定位置に、前記ノズルを包囲した洗浄部屋を構成する洗浄部屋構成部材と、前記制御弁の上流から分岐し、前記洗浄部屋構成部材にノズル洗浄用の洗浄水を供給するノズル洗浄水供給手段と、前記局部洗浄水供給手段およびノズル洗浄水供給手段による洗浄水供給動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする局部洗浄装置である。
【0007】請求項1に記載の局部洗浄装置によれば、排便中にノズルを収納位置に収納させておくことにより、排泄物がノズルに付着することを回避できる。また、排泄後にノズルを洗浄位置に伸出させ、局部洗浄水供給手段によりノズルの噴出孔へ局部洗浄水を供給することにより、局部に向かって局部洗浄水を噴出させ、局部を洗浄することができる。
【0008】さらに、洗浄部屋構成部材によりノズルを包囲する洗浄部屋を形成し、制御手段によりノズル洗浄水供給手段が洗浄水供給動作を実行し、洗浄部屋に洗浄水を供給すれば、ノズルを洗浄することができる。しかも、このノズル洗浄水供給手段による洗浄水は、局部洗浄水供給手段の制御弁の上流から分岐したところから供給されるため、局部洗浄水供給手段の制御弁を開放する必要がなく、局部洗浄水がノズルから噴出しない状態で、ノズルを洗浄することができる。
【0009】請求項2の局部洗浄装置は、請求項1に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの移動と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0010】請求項2の局部洗浄装置によれば、制御手段がノズルの移動と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させる。そのため、ノズル移動中に洗浄水がノズルの移動範囲に亘って吐水され、ノズルを洗浄することができる。
【0011】請求項3の局部洗浄装置は、請求項1乃至2に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの伸出と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0012】請求項3に記載の局部洗浄装置によれば、制御手段が前記ノズルの伸出と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させる。そのため、例えば局部洗浄前に予めノズルを濡らしておくことでノズルに汚物が付着することを抑えることができ、使用者は常に清潔なノズルで局部を洗浄することができる。
【0013】請求項4の局部洗浄装置は、請求項3に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの伸出開始から所定時間遅らせて前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を開始させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0014】請求項4に記載の局部洗浄装置によれば、前記ノズルの伸出開始から所定時間遅らせて前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を開始させるため、ノズルの先端に直接ノズル洗浄水が吐水されず、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズルの噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0015】請求項5は、請求項1乃至2に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの後退と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0016】請求項5に記載の局部洗浄装置によれば、制御手段が前記ノズルの後退と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させる。そのため、例えば局部洗浄後にノズルが洗浄され、次回使用者は、その洗浄された清潔なノズルで局部を洗浄することができる。
【0017】請求項6は、請求項5に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの後退終了から所定時間早めて前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を終了させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0018】請求項6に記載の局部洗浄装置によれば、前記ノズルの後退終了から所定時間早めて前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を終了させるため、ノズルの先端に直接ノズル洗浄水が吐水されず、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズルの噴出孔から噴射され、次回使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0019】請求項7の局部洗浄装置は、請求項2乃至6に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、所定の条件が成立したときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置である。
【0020】通常、局部洗浄装置は、配管を通じて給水された洗浄水を加熱して局部に吐水し、その吐水した洗浄水は便器内に排出されるように構成されているが、何らかの原因により配管や便器が破損したり、局部洗浄装置が適正な状態で設置されてなかったりした場合には漏水の原因となる。また、何らかの原因により、洗浄水が適温以上に加熱されることもあり得る。このような異常な状態であるときに、ノズル洗浄水供給手段による洗浄水供給動作を実行すると、漏水しトイレの床を濡らしてしまったり、局部に熱いお湯が吐水されてしまう場合がある。このような事態に備え、請求項7に記載の局部洗浄装置によれば、制御手段が所定の条件が成立したときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止する。そのため、洗浄水供給動作を実行すると、種々の不具合を発生する状態において、それらの不具合を防止することができる。
【0021】請求項8の局部洗浄装置は、請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルを内蔵し、便器に装着される本体と、前記本体が前記便器から取り外されたことを検出する着脱検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記着脱検出手段に基づいて本体が便器から取り外されることが検出されたときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置である。
【0022】請求項8に記載の局部洗浄装置によれば、着脱スイッチにより本体が便器から外されたことが検出された場合には、制御手段がノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止する。そのため、たとえば、本体が便器から外されトイレの床に置かれた場合に、ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を実行し、トイレの床を濡らすといった不具合を防止することができる。
【0023】請求項9は、請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルに備えられ、流路として互いに独立した複数の噴出孔と、前記複数の噴出孔の噴射要求先が切替られたことを検出する切替検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記切替検出手段によって前記複数の噴出孔の使用要求先が切替られたことが検出されたとき、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置である。
【0024】請求項9に記載の局部洗浄装置によれば、ノズルが流路として互いに独立した複数の噴出孔を有するため、局部洗浄水が噴射される噴出孔を適宜切り替えることにより、使用者は複数の洗浄感を味わうことができる。また、切替検出手段により複数の噴出孔の使用要求先が切替られたことが、検出された場合には、制御手段がノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止する。そのため、その切替に伴ってノズルの先端に直接ノズル洗浄水が吐水されず、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0025】請求項10に記載の局部洗浄装置は、請求項1乃至9に記載の局部洗浄装置において、前記局部洗浄水供給手段は、前記局部洗浄水を加熱する温水タンクを備えたことを特徴とする局部洗浄装置である。
【0026】請求項10に記載の局部洗浄装置によれば、局部洗浄水を加熱する温水タンクを備えたので、冬場の寒い時期であっても使用者は温かい水で局部を洗浄することができる。また、ノズル洗浄用の洗浄水は、制御弁の上流から分岐されて供給されたものであり、温水タンクで加熱されたものではないので、使用者は温かい水で長時間、局部を洗浄することができる。
【0027】請求項11は、請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記局部洗浄水供給手段に備えられ、局部洗浄水を加熱する加熱部と、前記局部洗浄水の温度を検出する温水温度検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記温水温度検出手段に基づく局部洗浄水の温度が所定温度以上であることが検出されたときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置である。
【0028】請求項11に記載の局部洗浄装置によれば、加熱部が局部洗浄水を加熱するため、使用者は冬場であっても冷たい水で局部を洗浄しなくて済む。また、温水サーミスタにより、局部洗浄水が所定温度以上であることが検出された場合には、制御手段がノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止する。そのため、洗浄水供給動作が行われないことによって、すなわち局部洗浄水が所定温度以上になったということを報知することになり、誤って適温を超える温水で局部洗浄を実行してしまうといった不具合を防止することができる。
【0029】請求項12は、請求項1乃至11に記載の局部洗浄装置において、前記洗浄部屋構成部材は、前記ノズルが収納位置にあるときに、前記ノズルの少なくとも先端を包囲するよう配設され、前記制御手段は、前記ノズルが収納位置にあるとき、前記局部洗浄水供給手段に局部洗浄水の供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置である。
【0030】請求項12に記載の局部洗浄装置によれば、ノズルが収納位置にあるときには、洗浄部屋構成部材によりノズルの少なくとも先端が包囲され、その状態で局部洗浄水供給手段によってノズルの噴出孔へ局部洗浄水が供給される。そのため、ノズルの噴出孔から噴出された局部洗浄水は、洗浄部屋構成部材に反射して、洗浄部屋構成部材内に飛散しノズル自体に降りかかってくる。したがって、ノズルの噴出孔に詰まったゴミなどはもちろんのこと、ノズル自体を洗浄水できる。
【0031】また、請求項13は、請求項1乃至12に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、局部洗浄水供給手段と前記ノズル洗浄水供給手段とを排他的に実行することを特徴とする局部洗浄装置である。
【0032】請求項13に記載の局部洗浄装置によれば、制御手段によって局部洗浄水供給手段とノズル洗浄水供給手段とが排他的に実行される(つまり、同時に洗浄水の供給動作を行わない)ため、瞬間的な電力負荷を低減することができ、小型で安価な半導体部品を用いて制御手段を設計することができる。
【0033】請求項14に記載の局部洗浄装置は、請求項1乃至13に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルの表面に、フイルムを装着したことを特徴とする局部洗浄装置である。請求項14に記載の局部洗浄装置によれば、ノズルの表面にフィルムが装着されているので、ノズル表面の凹凸がなくなり排泄物が付着しにくく、ノズルを清潔に保つことができる、
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0035】図1は、本発明の局部洗浄装置の水回路を示したものである。図1において、水道源側(上流側)から下流に向かって説明すると、20は給水接続部、22は逆流防止のための逆止弁、24は給水された洗浄水中の異物を除去するストレーナ、26は給水圧の変動によらず下流を一定の圧力に保つ調圧弁、30は主流路電磁弁(請求項1における制御弁に該当する)、32は胴体洗浄電磁弁、34は下流の圧力が上昇した場合にその圧力上昇を抑えるためのリリーフ弁、36は給水された洗浄水を加熱する熱交換器(温水タンク)、38は真空破壊弁、40は流調弁(絞り弁)、42は切替弁、44は伸縮自在であって表面に厚さ0.1mmのPP(ポリプロピレン)製のフィルムを図2(b)の斜線で示す範囲に装着したノズル、46はノズル伸縮駆動モータである。
【0036】これらの機器は、電子制御部35(請求項1でいう制御手段)の出力側に接続されているが、この電子制御部35の入力側には、着座SW(着座スイッチ)37、着脱SW(着脱スイッチ)39、おしり洗浄SW(おしり洗浄スイッチ)41a、やわらか洗浄SW(やわらか洗浄スイッチ)41b、ビデ洗浄SW(ビデ洗浄スイッチ)41c、乾燥SW(乾燥スイッチ)41d、止SW(止スイッチ)41e、ノズル掃除SW(ノズル掃除スイッチ)41f、水量(水勢)調節SW(図示しない)等が接続されている。
【0037】なお、ここで、請求項1でいう局部洗浄水供給手段には、水道源側からノズル44に接続される主流路19が該当する。また、ノズル洗浄水供給手段には、主流路19から分岐し、胴体洗浄電磁弁32を含む副流路31が該当する。
【0038】また、ここで、流調弁(絞り弁)40、切替弁42を説明のため、別々のブロックとしているが、一体で構成することも可能であり、以下の説明では一体として流調切替弁40、42として説明する。この場合、流調切替弁40、42には、1つの流入路に対し3つの流出路を備えており、かつ内蔵する弁は、流入路と流出路の連通面積を回転角度により、選択的に可変かつ止水可能な構成としている。また、弁はステッピングモータの駆動力により回転可能としている。
【0039】図2(a)は、ノズル44の外観を示す斜視図である。図2(a)において、おしり洗浄用噴出孔44aと、やわらか洗浄用噴出孔44bとは肛門に向かって洗浄水を噴射するものであり、ビデ洗浄噴出孔44cは女性のビデに向かって洗浄水を噴射するものである。
【0040】また、洗浄部屋構成部材45は、ガイド47に沿って移動するノズル44の伸縮軌跡上に配設されている。洗浄部屋構成部材45において、副流路31から給水されたノズル洗浄用の洗浄水は、洗浄部屋構成部材45の内側に設けられた給水口(図示なし)から噴射され、一点鎖線の矢印で示すような経路をたどってノズル44の表面を洗浄するのである。
【0041】図3は、ノズル44の伸縮状態を説明するための説明図である。図3において、収納状態にあるノズル44を実線で示し、伸出状態にあるノズル44を破線で示す。また、a、bはそれぞれ人体局部である肛門、ビデの洗浄位置であり、A、Bはそれぞれ肛門a(やわらか洗浄)、ビデb(ビデ洗浄)に対して洗浄水を噴射するためのノズルの伸出位置である。なお、おしり洗浄をするときには、AとBとの中間(便宜上Cとする)となるが、煩雑となるため図示は省略してある。
【0042】また、図3において、矢印で示すように、伸出位置A、B、Cにおいてノズル44を微少ストロークで往復移動させることにより、局部の洗浄範囲を拡大できる。
【0043】さらに、到達する位置を瞬間的に変化させることによって、瞬時に広範囲に亘って局部を洗浄することが可能となる。また、繰り返し位置を変化させることで、瞬時に異なる洗浄感を味わうことができ、単調感をなくすことができる。
【0044】以上の構成において、人体に対して洗浄水を噴射するまでに人体局部洗浄装置の水回路を構成する部位の動作を図4〜図12に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0045】図4は、おしり洗浄を開始して終了するタイミングチャートである。図4に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、おしり洗浄SW41a、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0046】次に、肛門への洗浄水の噴射要求としてのおしりSW41aが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は、対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄終了後(すなわち、主流路電磁弁30をOFF状態とした後)、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出開始に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0047】伸出(胴体洗浄)後、おしり洗浄をするため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0048】洗浄水の止水要求としての止SW41e(又は乾燥SW41d)が操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。
【0049】圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納すると同時に胴体洗浄電磁弁32をON状態とし、ノズル44の表面を洗浄する(=収納(胴体洗浄))。ここで、ノズル44の収納終了よりもやや早く(0.5秒程度)胴体洗浄電磁弁32をOFFする。
【0050】収納(胴体洗浄)後、流調切替弁40、42をSC位置に移動させ、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=後洗浄)。
【0051】後洗浄後、流調切替弁40、42を原点位置に移動させ(=原点合わせ)、さらに、流調切替弁40、42をSC位置に移動させる(=流調移動)。
【0052】本実施の形態によれば、排便中にノズル44を収納位置に収納させておくことにより、排泄物がノズル44に付着することを回避できる。また、排泄後にノズル44を洗浄位置に伸出させ、主流路19により噴出孔へ局部洗浄水を供給すると、局部に向かって局部洗浄水が噴出し局部を洗浄することができる。
【0053】さらに、ノズル44が収納状態の際にノズル先端が対面する位置に、ノズル44を包囲する洗浄部屋として洗浄部屋構成部材45が配設されているため、電子制御部35により副流路31から洗浄部屋構成部材45に洗浄水を供給動作を実行させた場合には、洗浄部屋に洗浄水が供給され、ノズル44を洗浄することができる。
【0054】しかも、この副流路31からの洗浄水は、主流路電磁弁30の上流から分岐したところから供給されるため、主流路電磁弁30を開放する必要がなく、局部洗浄水がノズルの噴出孔から噴出しない状態でノズルを洗浄することができる。
【0055】また、電子制御部35により、ノズル44の移動と同期して副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水が供給される。そのため、ノズル44の先端から根本部(いわゆる胴体部)まで洗浄することができる。
【0056】また、電子制御部35により、ノズル44の伸出と同期して副流路から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水が供給される。そのため、局部洗浄前に予めノズルを濡らしておくことでノズルに汚物が付着することを抑えることができ、使用者はその洗浄された清潔なノズル44で局部を洗浄することができる。
【0057】また、ノズル44の伸出開始から所定時間遅らせて副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水の供給を開始するため、ノズル44の先端に直接洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0058】また、電子制御部35により、ノズル44の後退と同期して副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水の供給を開始する。そのため、局部洗浄後にノズルが洗浄され、次回使用者は、その洗浄された清潔なノズル44で局部を洗浄することができる。
【0059】また、ノズル44の後退終了から所定時間早めて副流路から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水の供給を終了させるため、ノズル44の先端に直接ノズル洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、次回使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0060】なお、図4において、おしり洗浄SW41aの代わりに、やわらか洗浄SW41bが操作された場合、局部洗浄装置の水回路は、おしり洗浄の場合とほぼ同様な動作を実行するが、ノズル44と流調切替弁40、42の動作については、2点鎖線で示すように若干異なる。
【0061】図5は、ビデ洗浄を開始して終了するタイミングチャートである。図5に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、ビデSW41c、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0062】次に、ビデへの洗浄水の噴射要求としてのビデSW41cが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。
【0063】前洗浄終了後(すなわち、主流路電磁弁30をOFF状態とした後)、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水(原点)位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出開始に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり、伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0064】伸出(胴体洗浄)後、ビデ洗浄をするため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0065】洗浄水の止水要求としての止SW41eが操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納すると同時に胴体洗浄電磁弁32をON状態とし、ノズル44の表面を洗浄する(=収納(胴体洗浄))。ここで、ノズル44の収納終了よりもやや早く(0.5秒程度)胴体洗浄電磁弁32をOFFする。
【0066】収納(胴体洗浄)後、流調切替弁40、42をSC位置に移動させ、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=後洗浄)。
【0067】後洗浄後、流調切替弁40、42を原点位置に移動させ(=原点合わせ)、さらに、流調切替弁40、42をSC位置に移動させる(=流調移動)。
【0068】本実施の形態によれば、排便中にノズル44を収納位置に収納させておくことにより、排泄物がノズル44に付着することを回避できる。また、排泄後にノズル44を洗浄位置に伸出させ、主流路19により噴出孔へ局部洗浄水を供給すると、局部に向かって局部洗浄水が噴出し局部を洗浄することができる。
【0069】さらに、ノズル44が収納状態の際にノズル先端が対面する位置に、ノズル44を包囲する洗浄部屋として洗浄部屋構成部材45が配設されているため、電子制御部35により副流路31から洗浄部屋構成部材45に洗浄水を供給動作を実行させた場合には、洗浄部屋に洗浄水が供給されノズル44を洗浄することができる。
【0070】しかも、この副流路31からの洗浄水は、主流路電磁弁30の上流から分岐したところから供給されるため、主流路電磁弁30を開放する必要がなく、局部洗浄水がノズルの噴出孔から噴出し便器から飛び出すことがない。
【0071】また、電子制御部35により、ノズル44の移動と同期して副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水が供給される。そのため、ノズル44の先端から根本部(いわゆる胴体部)まで洗浄することができる。
【0072】また、電子制御部35により、ノズル44の伸出と同期して副流路から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水が供給される。そのため、局部洗浄前に予めノズルを濡らしておくことでノズルに汚物が付着することを抑えることができ、使用者はその洗浄された清潔なノズル44で局部を洗浄することができる。
【0073】また、ノズル44の伸出開始から所定時間遅らせて副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水を供給を開始するため、ノズル44の先端に直接洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0074】また、電子制御部35により、ノズル44の後退と同期して副流路31から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水を供給を開始する。そのため、局部洗浄後にノズルが洗浄され、次回使用者はその洗浄された清潔なノズル44で局部を洗浄することができる。
【0075】また、ノズル44の後退終了から所定時間早めて副流路から洗浄部屋構成部材45に対して洗浄水を供給を終了させるため、ノズル44の先端に直接ノズル洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、次回使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0076】図6は、おしり洗浄またはやわらか洗浄中に、ビデ洗浄を開始するタイミングチャートである。図6R>6に示すように、まず、おしり洗浄(やわらか洗浄)状態では、主流路電磁弁30はON状態(非動作状態)にあり、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44はおしり位置(やわらか位置)、流調切替弁40、42は、設定水勢位置にある。
【0077】この状態において、ビデへの洗浄水の噴射要求としてのビデSW41cが操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。
【0078】圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納するが、冷水吐水防止のため、胴体洗浄電磁弁32はON状態にしない(=収納)。
【0079】その後、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄終了後(すなわち、主流路電磁弁30をOFF状態とした後)、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水(原点)位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出開始に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり、伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0080】伸出(胴体洗浄)後、ビデを洗浄するため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0081】本実施の形態によれば、ノズルの収納時に、電子制御部35が胴体洗浄電磁弁をON状態にしないため、ノズル44の先端に直接洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0082】図7は、ビデ洗浄中に、おしり洗浄またはやわらか洗浄を開始するタイミングチャートである。図7R>7に示すように、まず、ビデ洗浄状態では、主流路電磁弁30はON状態(非動作状態)にあり、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44はビデ位置、流調切替弁40、42は、設定水勢位置にある。
【0083】この状態において、肛門への洗浄水の噴射要求としてのおしりSW41aもしくはやわらかSWbが操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。
【0084】圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納するが、ノズル44の噴出孔から冷水が吐水されることを防止するため、胴体洗浄電磁弁32はON状態にしない(=収納)。その後、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄終了後(すなわち、主流路電磁弁30をOFF状態とした後)、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水(原点)位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり、伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0085】伸出(胴体洗浄)後、肛門を洗浄するため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0086】本実施の形態によれば、ノズルの収納時に、電子制御部35が胴体洗浄電磁弁をON状態にしないため、ノズル44の先端に直接洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44の噴出孔から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0087】図8は、おしり洗浄中にやわらか洗浄を開始し、さらにおしり洗浄を開始するタイミングチャートである。図8に示すように、まず、おしり洗浄状態では、主流路電磁弁30はON状態(非動作状態)にあり、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44はおしり位置、流調切替弁40、42は、設定水勢位置にある。
【0088】この状態において、やわらか洗浄水の噴射要求としてのやわらか洗浄SW41bが操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44をやわらか洗浄位置へ移動するが、ノズル44の噴出孔から冷水が吐水されることを防止するため、胴体洗浄電磁弁32はON状態にしない(=ノズル移動)。
【0089】移動後、人体局部の洗浄するため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。更に、この状態において、おしり洗浄水の噴射要求としてのおしり洗浄SW41aが操作されると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44をおしり洗浄位置へ移動するが、ノズル44の噴出孔から冷水が吐水されることを防止するため、胴体洗浄電磁弁32はON状態にしない(=ノズル移動)。
【0090】移動後、人体局部の洗浄するため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0091】本実施の形態によれば、おしり洗浄とやわらか洗浄の切替に際し、ノズル44の収納動作を行わないため、すばやく洗浄を切り替えることができる。また、ノズル44の移動中に電子制御部35が胴体洗浄電磁弁をON状態にしないため、ノズル44の先端に直接洗浄水が吐水されることがなく、ノズル噴出孔にノズル洗浄水が浸入したり、あるいはノズル洗浄水が表面張力で付着したりすることが回避される。このため、冬場等の寒い時期に、ノズル噴出孔に浸入あるいは付着したノズル洗浄水がノズル44から噴射され、使用者に冷たい洗浄水が噴射されることもない。
【0092】図9は、おしり洗浄もしくはやわらか洗浄中に着脱SWがOFF状態となる例である。図9に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、おしり洗浄SW41a、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0093】次に、肛門への洗浄水の噴射要求としてのおしり洗浄SW41aが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄後、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0094】伸出(胴体洗浄)後、おしり洗浄をするため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0095】この状態で着脱SWがOFF状態になると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42を止水位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納するが、洗浄水の飛散防止のため、胴体洗浄電磁弁32をON状態にしない。(=収納)。
【0096】本実施の形態によれば、着脱SW39により本体が便器から外されたことが検出された場合には、電子制御部35が胴体洗浄電磁弁32の開放を禁止する。そのため、たとえば、本体が便器から外されトイレの床に置かれた場合に、ノズル洗浄水供給手段が洗浄水供給動作を実行し、トイレの床を濡らすといった不具合を防止することができる。
【0097】図10は、ビデ洗浄中に着脱SWがOFF状態となるタイミングチャートである。図10に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、ビデ洗浄SW41c、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0098】次に、ビデへの洗浄水の噴射要求としてのビデSW41cが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄後、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水位置(原点)に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0099】伸出(胴体洗浄)後、ビデ洗浄をするため、主流路電磁弁30をON状態とし、流調切替弁40、42による水路開放を徐々に進行させる(=ソフトスタート)。ソフトスタート後、人体の好みの水勢による局部洗浄をする(=本洗浄)。
【0100】この状態で着脱SWがOFF状態になると、主流路電磁弁30がOFF状態(水路閉鎖状態)となり、洗浄水の噴射が停止するが、その際、ノズル44、流調切替弁40、42はそのままの状態を保持し、熱交換器36に籠もった圧力を開放させる(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42を止水(原点)位置に移動させる(=流調移動)。流調移動完了後、ノズル44を収納位置へ収納するが、洗浄水の飛散防止のため、胴体洗浄電磁弁32をON状態にしない。(=収納)。
【0101】本実施の形態によれば、着脱SW39により本体が便器から外されたことが検出された場合には、電子制御部35が胴体洗浄電磁弁32の開放を禁止する。そのため、たとえば、本体が便器から外されトイレの床に置かれた場合に、ノズル洗浄水供給手段が洗浄水供給動作を実行し、トイレの床を濡らすといった不具合を防止することができる。
【0102】図11は、ノズル掃除を開始してから終了するまでのタイミングチャートである。図11に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、ノズル掃除SW41f、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0103】待機状態において、ノズル掃除SW41fが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄後、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0104】伸出(胴体洗浄)後、主流路電磁弁はOFF状態のままである。(=ノズル掃除)。次に、ノズル掃除SW41fもしくは止SW41e(又は乾燥SW41d)が操作されると、ノズル44を収納位置へ収納すると同時に胴体洗浄電磁弁32をON状態とし、ノズル44の表面を洗浄する(=収納(胴体洗浄))。ここで、ノズル44の収納終了よりもやや早く(0.5秒程度)胴体洗浄電磁弁32をOFFする。
【0105】収納(胴体洗浄)後、流調切替弁40、42をSC位置に移動させ、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=後洗浄)。
【0106】後洗浄後、流調切替弁40、42を原点位置に移動させ(=原点合わせ)、さらに、流調切替弁40、42をSC位置に移動させる(=流調移動)。
【0107】図12は、ノズル掃除中に着脱SWがOFF状態となるタイミングチャートである。図12に示すように、まず、待機状態(着座SWはON状態)では、ノズル掃除SW41f、主流路電磁弁30、胴体洗浄電磁弁32はOFF状態(非動作状態)にあり、ノズル44は収納状態、流調切替弁40、42は、流入路と3つの流出路が全て連通された位置(=SC)にある。
【0108】待機状態において、ノズル掃除SW41fが操作されると、主流路電磁弁30がON状態(水路開放状態)となり、収納状態にあるノズル44の噴出孔から洗浄水が噴射される。この噴射された洗浄水は対面に配設された洗浄部屋構成部材45に反射し、ノズル44を洗浄する(=前洗浄)。前洗浄後、熱交換器38に籠もった圧力を開放する(=圧抜き)。圧抜き後、流調切替弁40、42は止水位置に移動(=流調移動)する。流調移動後、ノズル44が伸出するが、ノズル伸出に少し遅れて(0.3秒程度)胴体洗浄電磁弁32がON状態(水路開放状態)となり伸出中のノズル44の表面を洗浄する(=伸出(胴体洗浄))。
【0109】伸出(胴体洗浄)後、主流路電磁弁はOFF状態のままである。(=ノズル掃除)。この状態で着脱SWがOFF状態になると、ノズル44を収納位置へ収納するが、洗浄水の飛散防止のため、胴体洗浄電磁弁32をON状態にしない。(=収納)。本実施の形態によれば、着脱SW39により本体が便器から外されたことが検出された場合には、電子制御部35が胴体洗浄電磁弁32の開放を禁止する。そのため、たとえば、本体が便器から外されトイレの床に置かれた場合に、ノズル洗浄水供給手段が洗浄水供給動作を実行し、トイレの床を濡らすといった不具合を防止することができる。
【0110】なお、本発明の実施の形態は上記に限定されることなく、たとえば下記のように変更することも可能である。
【0111】(1)図9、図10、図12において、着脱SW39がOFF状態となる例を示したが、これに限らず、熱交換器36の温度を検出する温水サーミスタ(図示しない)が、45℃以上を検出した場合には、ノズル44を収納位置へ収納する際に胴体洗浄電磁弁32をON状態にしないよう構成することができる。この場合、ノズル44の移動中に胴体洗浄電磁弁32が開放されることがなく、したがって洗浄水供給動作が行われないことによって、すなわち熱交換器36内の洗浄水が45℃以上になったことを報知することができ、誤って適温を超える温水で局部洗浄を実行してしまうといった不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 局部洗浄装置の水回路
【図2】 (a)ノズル44の外観を示す斜視図、(b)ノズル44表面のフィルムの装着範囲を説明するための説明図
【図3】 ノズル44の伸縮状態を説明するための説明図
【図4】 おしり洗浄とやわらか洗浄を開始して終了するまでのタイミングチャート
【図5】 ビデ洗浄を開始して終了するまでのタイミングチャート
【図6】 おしり洗浄またはやわらか洗浄中にビデ洗浄を開始するタイミングチャート
【図7】 ビデ洗浄中におしり洗浄またはやわらか洗浄を開始するタイミングチャート
【図8】 おしり洗浄中にやわらか洗浄中を開始し、さらにおしり洗浄を開始するタイミングチャート
【図9】 おしり洗浄もしくはやわらか洗浄中に着脱SWがOFF状態となるタイミングチャート
【図10】 ビデ洗浄中に着脱SWがOFF状態となるタイミングチャート
【図11】 ノズル掃除を開始してから終了するまでのタイミングチャート
【図12】 ノズル掃除中に着脱SWがOFF状態となるタイミングチャート
【図13】 従来の局部洗浄装置の水回路
【符号の説明】
20…給水接続部、22…逆止弁、24…ストレーナ、26…調圧弁、30…主流路電磁弁、32…胴体洗浄電磁弁、34…リリーフ弁、36…熱交換器、38…真空破壊弁、40…流調弁(絞り弁)、42…切替弁、44…ノズル、45…洗浄部屋構成部材
46…ノズル伸縮駆動モータ、47…ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】 局部洗浄水が噴出される噴出孔を有し、一定の軌跡上を動くノズルを有する局部洗浄装置において、前記噴出孔への前記局部洗浄水の供給を制御する制御弁を有する局部洗浄水供給手段と、前記軌跡上の所定位置に、前記ノズルを包囲した洗浄部屋を構成する洗浄部屋構成部材と、前記制御弁の上流から分岐し、前記洗浄部屋構成部材にノズル洗浄用の洗浄水を供給するノズル洗浄水供給手段と、前記局部洗浄水供給手段およびノズル洗浄水供給手段による洗浄水供給動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項2】 請求項1に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの移動と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項3】 請求項1乃至2に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの伸出と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項4】 請求項3に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの伸出開始から所定時間遅らせて前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を開始させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項5】 請求項1乃至2に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの後退と同期して前記ノズル洗浄水供給手段に洗浄水供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項6】 請求項5に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、前記ノズルの後退終了から所定時間早めて前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を終了させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項7】 請求項2乃至6に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、所定の条件が成立したときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項8】 請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルを内蔵し、便器に装着される本体と、前記本体が前記便器から取り外されたことを検出する着脱検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記着脱検出手段に基づいて本体が便器から取り外されたことが検出されたときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項9】 請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルに備えられ、流路として互いに独立した複数の噴出孔と、前記複数の噴出孔の噴射要求先が切替られたことを検出する切替検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記切替検出手段によって前記複数の噴出孔の使用要求先が切替られたことが検出されたとき、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項10】 請求項1乃至9に記載の局部洗浄装置において、前記局部洗浄水供給手段は、前記局部洗浄水を加熱する温水タンクを備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項11】 請求項7に記載の局部洗浄装置において、前記局部洗浄水供給手段に備えられ、局部洗浄水を加熱する加熱部と、前記局部洗浄水の温度を検出する温水温度検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記温水温度検出手段に基づく局部洗浄水の温度が所定温度以上であることが検出されたときに、前記ノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作を禁止することを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項12】 請求項1乃至11に記載の局部洗浄装置において、前記洗浄部屋構成部材は、前記ノズルが収納位置にあるときに、前記ノズルの少なくとも先端を包囲するよう配設され、前記制御手段は、前記ノズルが収納位置にあるとき、前記局部洗浄水供給手段に局部洗浄水の供給動作を実行させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項13】 請求項1乃至12に記載の局部洗浄装置において、前記制御手段は、局部洗浄水供給手段とノズル洗浄水供給手段の洗浄水供給動作とを排他的に実行させることを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項14】 請求項1乃至13に記載の局部洗浄装置において、前記ノズルの表面に、フイルムを装着したことを特徴とする局部洗浄装置。

【図3】
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【図1】
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【図13】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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