説明

居着き防止装置

【課題】簡単な構造でありながらバケット内への居着きの固着及び成長を防止することができると共に、人力による危険な居着き除去作業から作業員を解放し安全性の高い作業環境を提供するが可能な居着き防止装置を提供する。
【解決手段】居着き防止装置は、電磁弁13aを開閉することによってバケット3cの内側面に向かって圧縮空気の噴射及び停止を行うエア噴射ノズル11と、スプロケット3bの回転軸3dと同軸に配置され、バケット3cの移動と連動して回転する複数の検出羽根21を備えた回転盤20と、回転盤20の回転によって回転する検出羽根21の接近を検知するセンサ30と、センサ30によって検知された検知信号に基づいて電磁弁13aの開閉を制御し、それによってバケット3cの位置と圧縮空気の噴射のタイミングを同期させる制御装置40とを備えて構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居着き防止装置に関し、さらに詳しくは、ケーシング内に配置された搬送装置の複数のバケット内に固着する居着きの発生及び成長を防止する居着き防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非鉄金属の精錬、例えば、銅製錬において、操業中に発生する排ガスには亜硫酸ガス(SO)が約7〜12%含まれているため、これを回収することによって硫酸の製造が行われている。製造された硫酸は精製されてそのまま製品として出荷されるものの他、石膏を製造するための原料としても使用される。銅製錬において発生する亜硫酸ガスを使用して石膏を製造する方法については、例えば、特許文献1−3に示されている。
【0003】
石膏の製造は、硫酸と炭酸カルシウムを反応させることによって製造され、その生成反応は、一般に以下のような化学反応式で示される。
CaCO+HSO→CaSO+HO+CO
具体的には、炭酸カルシウムとして石灰石を用い、予め貯蔵タンクに保管されている石灰石を生産量に合わせて適宜抜出し、ボールミルで粉砕してスラリー状にした後、反応工程へ送り硫酸と反応させることで石膏が得られる。この貯蔵タンクからの抜出し方法としては、タンク底部のサークルフィーダから搬送装置であるエプロンバケットコンベアを介してタワー型のボールミルに供給し、粉砕を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−67118号公報
【特許文献2】特開2003−137545号公報
【特許文献3】特開2005−154196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
石灰石を搬送するためのエプロンバケットコンベアを長期間使用しているとバケット内部に炭酸カルシウムの居着きが発生して次第に成長していく。これを放置した場合にはバケットの容量が圧迫され、搬送能力の低下、バケット重量の増加による各装置への負荷が増加し、装置の寿命の悪化につながる。これを防止するために、従来は定期的に作業者が手作業によってバケット内の清掃作業を行っていた。作業の具体的な方法としては、バケットに固着している炭酸カルシウムの居着きをハンマで叩いて打撃による衝撃を加えて除去していた。
【0006】
しかしながら、この方法ではそれぞれ個別のバケットに対して実施する必要があるため、かなりの負担と手間がかかっていた。そのため、この清掃作業を機械的に行わせるべく検討を行ったが、機械式のハンマリングでは(1)バケットとの直接的な接触を求められるため、エプロンバケットコンベア本体の動きを妨げない構造が必要であること、(2)稼動中のバケットに固着している居着き部分を特定し、居着き部分をめがけてピンポイントで確実に打撃する精度が必要であること、(3)バケットに対して繰り返しの打撃を行うことになるため、バケットの変形や故障につながる可能性が大きいこと、(4)移動中のバケットに対する打撃のタイミングの調整が必要であり、タイミングを外した場合、バケットとの予測できない接触が生じ、大きな事故や故障を誘発する可能性があること、などの問題があった。そのため、機械化が容易ではなかったことから、現実的にエプロンバケットコンベアを稼動させながら作業者が人力で居着きをハンマで叩くという危険な作業が行われていた。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上述した問題点を解決し、簡単な構造でありながらバケット内への居着きの固着及び成長を防止することができる居着き防止装置を提供することを目的とする。また、機械的な居着き防止装置を提供することによって、人力による危険な居着き除去作業から作業員を解放し安全性の高い作業環境を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、スプロケットに巻き掛けられた無端状のチェーンによって循環移動する複数のバケットがケーシング内に配置された搬送装置のバケット内に固着する居着きの発生及び成長を防止する居着き防止装置において、電磁弁を開閉することによってバケットの内側面に向かって圧縮空気の噴射及び停止を行うエア噴射ノズルと、スプロケットの回転軸と同軸に配置され、バケットの移動と連動して回転する複数の検出羽根を備えた回転盤と、回転盤の回転によって回転する検出羽根の接近を検知するセンサと、センサによって検知された検知信号に基づいて電磁弁の開閉を制御し、それによってバケットの位置と圧縮空気の噴射のタイミングを同期させる制御装置とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の居着き防止装置において、さらに、タイマ装置を備えて構成され、それによって、稼動時間の調整を可能としたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の居着き防止装置において、エア噴射ノズルから噴射され、バケット内にある内容物を吹き飛ばした圧縮空気をケーシング内から排気するエア排気管を備え、エア排気管にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の居着き防止装置において、エア噴射ノズルは圧縮空気の噴射角度が可変可能とされ、それによってバケット内にある内容物を吹き飛ばすための最適条件を調整可能とされていることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の居着き防止装置において、エア噴射ノズルは、噴射角度を変化させながら圧縮空気の噴射を行うように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る居着き防止装置によれば、バケットの移動と連動して回転する複数の検出羽根を備えた回転盤をスプロケットの回転軸と同軸に配置し、この検出羽根をセンサで検知することとしたので、バケットの移動に合わせてタイミング良く圧縮空気をエア噴射ノズルから噴射させることができるという効果がある。
【0014】
本発明に係る居着き防止装置によれば、バケット内部の滞留物に対してタイミング良く自動的に圧縮空気を吹き付けることで滞留物を吹き飛ばすこととしたので居着きの発生及び成長を容易に防止できると共に、後工程への異物混入や定期的な掃除等の削減を図ることができるという効果がある。また、エア噴射ノズルは圧縮空気の噴射角度を可変可能としたのでバケット内に滞留する内容物を吹き飛ばすための最適条件を調整することができるという効果がある。さらに、エア噴射ノズルは噴射角度を変化させながら圧縮空気の噴射を行うようにしたのでバケット内に滞留する内容物を確実に吹き飛ばすことができるという効果がある。
【0015】
また、本発明に係る居着き防止装置によれば、バケットに対する直接的な打撃ではなく圧縮空気によって居着きの発生及び成長を防止することとしたので高い安全性が確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】石膏の製造設備の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る居着き防止装置の一実施形態の側面図である。
【図3】(a)は回転盤の斜視図、(b)はその正面図である。
【図4】圧縮空気の噴射機構を示す正面図である。
【図5】居着き防止装置の制御機構を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る居着き防止装置の好ましい一実施形態について図面を参照しつつ説明する。はじめに、石膏の製造設備の概要を説明する。図1は石膏の製造設備の概要を示すブロック図である。石膏の原料となる炭酸カルシウムはベルトコンベア1によって搬送され、投入ホッパ2内に収容される。そして、投入ホッパ2から所定量ずつ切り出されて、エプロンバケットコンベア3によってタワーミル4へ運ばれる。エプロンバケットコンベア3は、後述するように、スプロケット3bに巻き掛けられた無端状のチェーン3aによって循環移動する複数のバケット3c、3cがケーシング3e内に内装され(図2参照)、バケット3cに投入された炭酸カルシウムは水平方向から垂直方向へと搬送方向を適宜変更しながらタワーミル4まで運ばれてその内部に投入されるようになっている。タワーミル4には適宜水が加えられてスラリー状とされた炭酸カルシウムはポンプ5により反応槽6へ運ばれる。
【0018】
一方、銅製錬の製造過程で発生する亜硫酸ガスから製造された約98%の硫酸に適宜水を加えて希釈タンク8で約85%に希釈し、さらに希釈タンク8におい約70%に希釈した後、反応槽6内に投入し、炭酸カルシウムと反応させてケーキを得る。その後、脱水、乾燥を経て石膏とする。このような工程を経て製造される石膏の製造設備において、本発明に係る居着き防止装置10は、投入ホッパ2から切り出された炭酸カルシウムを搬送するエプロンバケットコンベア3に取り付けられている。
【0019】
さて、図2に示すのは、本発明に係る居着き防止装置10の一実施形態の側面図である。図示された居着き防止装置10は、概略として、電磁弁13aを備えたエアブラスタ13と、エアブラスタ13からの圧縮空気を噴射するエア噴射ノズル11と、スプロケット3bの回転軸と同軸に配置され、バケット3cの移動と連動して回転する複数の検出羽根21を備えた回転盤20と、検出羽根21の接近を検知するセンサ30と、センサ30によって検知された検知信号に基づいて電磁弁13aの開閉を制御する制御装置40とを備えて構成されている。
【0020】
図2に示すように、エプロンバケットコンベア3のテール側(炭酸カルシウムの供給側)には、図示しない駆動装置によって回転駆動するスプロケット3bにチェーン3aが巻き掛けられており、このチェーン3aに一定間隔でバケット3cが取り付けられている。そして、スプロケット3bの回転軸3dと同軸に複数の検出羽根21を備えた回転盤20が回転可能に取り付けられている。図3に示すように、回転盤20は、円盤状の本体23の円周方向に沿って本体23の表面から90°方向に8枚の検出羽根21が立設するようにして配置されている。そして、回転盤20の近傍には検出羽根21の接近を検知するセンサ30が配置されている。センサ30は、回転盤20の検出羽根21の接近を検知し、その検知信号を後述する制御装置40へ送るようになっている。具体的には、電磁誘導により検出対象となる金属体に発生する過電流を利用し、検出体である検出羽根21の接近による電気的な容量の変化を捉えることによってそれを電気信号に変えて制御装置40に送る。尚、センサはこれに限らず、光電センサ、超音波センサ等を用いることもできる。各検出羽根21、21との間には一定の間隔で隙間が設けられており、この間隔によってバケット3cの接近のタイミングの調整が行われる。また、タイミングの微調整を行うために電気信号に一定のディレイを設けるタイマを付加しても良い。この検出羽根21の幅サイズ、配置位置及び回転軸3dの回転による移動はエプロンバケットコンベア3のバケット3cの移動と対応するようになっている。
【0021】
すなわち、スプロケット3bに巻き掛けられたチェーン3aの移動によってスプロケット3bの外周縁に沿って回転移動するバケット3cと回転盤20の周囲に設けられた検出羽根21を同期して回転させることで、センサ30で検出羽根21の接近を検知することでバケット3cが所定位置に接近してきたことを判断し、エア噴射ノズル11から圧縮空気をバケット3c内に噴射させ、それによってバケット3c内に滞留する炭酸カルシウムの除去を行うことができる。尚、図示されていないが、回転盤20をエキスパンドメタルのような網状部材によって覆うことでその保護及び巻き込み事故などの防止を図ることが好ましい。
【0022】
バケット3cは、側面形状が略六角形状をなし、チェーン3aの連結ピンによって隣接するバケット3c同士が屈曲可能に連結されている。バケット3cの上部一面は開放されており、そこから、バケット3c内へ炭酸カルシウムが投入される。これにより、水平走行時及び垂直走行時のいずれの場合もバケット3cの容積の略半分の容積の炭酸カルシウムを搬送することができるようになっている。
【0023】
このバケット3cの内側に向かって圧縮空気を噴射させるためのエア噴射ノズル11が配置されている。エア噴射ノズル11は、図4に示すように、エアブラスタ13から供給される圧縮空気を送るパイプ11bの先端側に4つの噴射口11aを備えて構成されており、4つの噴射口11aはバケット3cの開口部の幅方向に沿うようにして横一列に配置されていると共に、水平方向に対して約35°斜め下方向に向かって取り付けられている。これにより、エア噴射ノズル11側に向かって移動してくるバケット3cの内部に効率よく圧縮空気を噴射させることが可能となる。
【0024】
エアブラスタ13は、図5に示すように、電磁弁13aを開閉することによってコンプレッサ15からタンク内に供給された圧縮空気を瞬時に吐出し、パイプ11bを介して圧縮空気をエア噴射ノズル11に送る。噴射間隔はバケット3cの移動のタイミングにもよるが、10〜15秒で噴射圧力は0.5MPaであり、1回に約10リットルの圧縮空気を供給する。
【0025】
制御装置40は、センサ30と電気的に接続されており、センサ30によって検知された検知信号に基づいてエアブラスタ13及びコンプレッサ15の動作の制御を行う。制御装置40はいわゆる汎用のコンピュータが備える中央処理装置、メモリなどの記憶装置、入力装置、表示装置、スイッチ類などを有して構成されており、記憶装置に格納されたプログラムによって動作するようになっている。尚、その一般的な構成は公知であるため詳しい説明は省略する。
【0026】
制御装置40は、タイマ機能を備えており、居着き防止装置の作動時間を適宜調整可能とされている。すなわち、石膏製造設備の稼動中の一定の時間だけ居着き防止装置を動作させること、例えば、石膏製造設備が3時間稼動するごとにそのうちの2時間だけ動作させるなど適宜の時間に作動させることが可能となっている。もちろん、フルに稼動させるように設定することもできる。
【0027】
ここで、エア噴射ノズル11を、例えば、上下方向或いはバケット3cの幅方向(左右方向)に揺動可能に取り付けて圧縮空気の噴射角度を可変可能とすることで、バケット3c内に滞留する炭酸カルシウムの残渣を吹き飛ばすための最適条件を適宜調整することができるように構成することもできる。さらに、図示しない駆動装置によってエア噴射ノズルノズル11を上下方向或いは左右方向に可動可能とし、その動きを圧縮空気の噴射と連動させることにより上下方向或いは左右方向に噴射角度を変化させながら圧縮空気をバケット3c内に噴射させることができる。これにより、バケット内に滞留する内容物を確実に吹き飛ばすことができる。
【0028】
一方、エア噴射ノズル11から噴射された圧縮空気はケーシング3e内で噴射されることになるので、噴射された圧縮空気を排気するエア排気管50が設けられている。エア排気管50はケーシング3eの一部を穿設することによって取り付けられており、その途中にはフィルタ51が取り付けられている。エア抜きに際して吹き飛ばされた炭酸カルシウムが外部に拡散することを防止するためである。これにより、エア噴射ノズル11から次々と圧縮空気がケーシング3e内に噴射されても圧縮空気がケーシング3e内の圧力を大気圧下に保持することができる。
【0029】
次に、上述のようにして構成された居着き防止装置の動作について説明する。まず、エプロンバケットコンベア3を動作させて投入ホッパ2内に収容されている炭酸カルシウムを所定量ずつ切り出してエプロンバケットコンベア3のバケット3cに投入を行う。エプロンバケットコンベア3が動作すると、バケット3cがスプロケット3bに巻き掛けられたチェーン3aの移動に伴ってスプロケット3bの外周縁に沿って回転移動する。するとスプロケット3bの回転軸3dと同軸に取り付けられた回転盤20も回転する。回転盤20の周囲に取り付けられた検出羽根21はバケット3cの位置に相対するようにして配置されているので回転盤20の回転によって回転盤20の周囲に設けられた検出羽根21を同期して回転する。
【0030】
回転盤20の回転によって検出羽根21が回転するとその接近をセンサ30が検知する。センサ30が検出羽根21の接近を検知すると検知信号が制御装置40に送られる。送られてきた検知信号に基づいて制御装置40はエアブラスタ13の電磁弁13aを開き、圧縮空気をエア噴射ノズル11へ供給する。これによりエア噴射ノズル11の各噴射口11aから圧縮空気がバケット3c内に噴射され、バケット3c内に滞留する炭酸カルシウムが吹き飛ばされる。これにより、バケット3c内に炭酸カルシウムが付着することが防止され、居着きの成長が防止される。そして、エア噴射ノズル11から噴射された圧縮空気はフィルタ51を介してエア排気管50から外部へ排気される。以下、これを順次繰り替えすることで、各バケット3cへの炭酸カルシウムの居着きが防止される。また、エア噴射ノズル11を揺動可能に取り付けて圧縮空気の噴射角度を可変可能とすることで、バケット3c内に滞留する炭酸カルシウムを確実に吹き飛ばすことができる。
【0031】
このように、本発明に係る居着き防止装置は、直接的な打撃ではなく、バケット3c内部の炭酸カルシウムに対して自動的に圧縮空気を吹き付けることで、容易に居着きの防止を行うことができると共に、回転盤20の検出羽根21の配置によってタイミングの調整も容易に行うことができるので高い安全性が確保できる。また、圧縮空気を使用しているので後工程への異物混入や掃除等の手間がない。さらに、完全な自動化が可能であり作業者の作業負荷が大幅に軽減される。また、取り外しができるので整備が容易で、万一故障した場合にも操業へ影響を与えることがない。
【0032】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
3 エプロンバケットコンベア
3a チェーン
3b スプロケット
3c バケット
3d 回転軸
3e ケーシング
10 居着き防止装置
11 エア噴射ノズル
11a 噴射口
11b パイプ
13 エアブラスタ
13a 電磁弁
15 コンプレッサ
20 回転盤
21 検出羽根
23 本体
30 センサ
40 制御装置
50 エア排気管
51 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプロケットに巻き掛けられた無端状のチェーンによって循環移動する複数のバケットがケーシング内に配置された搬送装置の前記バケット内に固着する居着きの発生及び成長を防止する居着き防止装置において、
電磁弁を開閉することによって前記バケットの内側面に向かって圧縮空気の噴射及び停止を行うエア噴射ノズルと、
前記スプロケットの回転軸と同軸に配置され、前記バケットの移動と連動して回転する複数の検出羽根を備えた回転盤と、
前記回転盤の回転によって回転する前記検出羽根の接近を検知するセンサと、
前記センサによって検知された検知信号に基づいて前記電磁弁の開閉を制御し、それによって前記バケットの位置と圧縮空気の噴射のタイミングを同期させる制御装置と、
を備えて構成されたことを特徴とする居着き防止装置。
【請求項2】
請求項1に記載の居着き防止装置において、
さらに、タイマ装置を備えて構成され、それによって、稼動時間の調整を可能としたことを特徴とする居着き防止装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の居着き防止装置において、
前記エア噴射ノズルから噴射され、前記バケット内にある内容物を吹き飛ばした圧縮空気を前記ケーシング内から排気するエア排気管を備え、
前記エア排気管にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする居着き防止装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の居着き防止装置において、
前記エア噴射ノズルは圧縮空気の噴射角度が可変可能とされ、それによって前記バケット内にある内容物を吹き飛ばすための最適条件を調整可能とされていることを特徴とする居着き防止装置。
【請求項5】
請求項4に記載の居着き防止装置において、
前記エア噴射ノズルは、噴射角度を変化させながら圧縮空気の噴射を行うように構成されていることを特徴とする居着き防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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