説明

屋内外判定システム及び屋内外判定方法

【課題】継続的な測位が可能な端末においても、適切な屋内外判定を行う屋内外判定システムを提供する。
【解決手段】位置情報処理装置20は、位置測位端末10から、位置測位端末10を一意に識別する識別子と、位置測位端末10の位置情報と、位置情報を測位した際の測位方法とを受信する送受信部21と、屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールを保存する屋内外判定ルールデータベース24と、受信された位置情報及び測位方法と、屋内外判定ルールとに基づいて、位置測位端末10の位置が屋内か屋外かを判定する屋内外判定部26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内外判定システム及び屋内外判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザあるいは端末が屋内に位置するか、屋外に位置するかを判定する場合、GPS(Global Positioning System)の衛星からの情報を利用することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この方法では、GPS衛星からの信号が途絶え、緯度・経度の数値(位置情報)が取得できなくなってから特定の時間以上が経過すれば、その区間は屋内であると判定している。又、GPS衛星からの信号による位置情報の記録が特定時間以上できなかった区間は屋内、GPS信号の受信が可能になってから特定時間以上経過した区間は屋外であると判定する方法も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【非特許文献1】Daniel Ashbrook and Thad Starner., “Learning significant locations and predicting user movement with gps.,” In International Symposium on Wearable Computing, Seattle, WA, October 2002.
【特許文献1】特開2003−87361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術にかかる屋内外判定方法は、屋内に入ると測位が不可能となるGPSの特徴を利用した判定方法である。
【0004】
しかしながら、近年では、携帯電話でのGPS衛星を利用した位置測位において、GPS衛星からの信号が取得できない場合には携帯電話基地局からの情報を利用することによって、屋内においても継続的に位置情報を測位することが可能である技術が知られている。このような技術として、例えば、AGPS方式やTDOA方式が挙げられる。そのため、屋内外を問わずに位置情報が測位可能な端末を利用する場合、上記従来技術にかかる屋内外判定方法が適用できないことが考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、継続的な測位が可能な端末においても、適切な屋内外判定を行う屋内外判定システム及び屋内外判定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、(a)端末装置から、端末装置を一意に識別する識別子と、端末装置の位置情報と、位置情報を測位した際の測位方法とを受信する受信部と、(b)屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールを保存する屋内外判定ルール保持部と、(c)受信部によって受信された位置情報及び測位方法と、屋内外判定ルールとに基づいて、端末装置の位置が屋内か屋外かを判定する屋内外判定部とを備える屋内外判定システムであることを要旨とする。
【0007】
第1の特徴に係る屋内外判定システムによると、複数の測位方法を切り替えて継続的に位置測位ができる端末装置においても、屋内外を判定することが可能となり、端末ユーザの訪問場所を適切に抽出することが可能となる。
【0008】
又、第1の特徴に係る屋内外判定システムにおいて、屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と屋内となる測位方法とが記述され、屋内外判定部は、屋内外判定ルールと受信した測位方法とを比較し、屋内外を判定してもよい。
【0009】
この屋内外判定システムによると、測位方法に応じた屋内外の判定を行うことが可能となる。
【0010】
又、第1の特徴に係る屋内外判定システムにおいて、受信部は、端末装置から位置情報の測位誤差を更に受信し、屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と測位誤差の組み合わせと、屋内となる測位方法と測位誤差の組み合わせとが記述され、屋内外判定部は、屋内外判定ルールと受信した情報の測位方法及び測位誤差とを比較し、屋内外を判定してもよい。
【0011】
この屋内外判定システムによると、測定方法に加え測位誤差を考慮した屋内外判定を行うことができ、より精度の高い判定を行うことができる。
【0012】
又、第1の特徴に係る屋内外判定システムは、受信部によって受信された位置情報及び測位方法を保持する位置情報保持部と、予め設定されたタイミングで、屋内外判定部に実行命令を送信する判定処理制御部とを更に備え、屋内外判定部は、判定処理制御部から実行命令を受信した場合、位置情報保持部に保持された位置情報及び測位方法を用いて、屋内外を判定してもよい。
【0013】
この屋内外判定システムによると、過去の情報を参照して屋内外の判定を行うことが可能となる。
【0014】
又、第1の特徴に係る屋内外判定システムにおいて、屋内外判定部は、判定対象とする時刻の過去あるいは未来の履歴を用いて、屋内外を判定してもよい。
【0015】
この屋内外判定システムによると、特定期間内で、一瞬だけ発生した測位方法による誤判定や、系列を利用した判定の修正が可能となる。
【0016】
本発明の第2の特徴は、(a)端末装置から、端末装置を一意に識別する識別子と、端末装置の位置情報と、位置情報を測位した際の測位方法とを受信するステップと、(b)受信された位置情報及び測位方法と、屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールとに基づいて、端末装置の位置が屋内か屋外かを判定するステップとを含む屋内外判定方法であることを要旨とする。
【0017】
第2の特徴に係る屋内外判定方法によると、複数の測位方法を切り替えて継続的に位置測位ができる端末装置においても、屋内外を判定することが可能となり、端末ユーザの訪問場所を適切に抽出することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、継続的な測位が可能な端末においても、適切な屋内外判定を行う屋内外判定システム及び屋内外判定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0020】
(屋内外判定システム)
本実施形態にかかる屋内外判定システムは、位置測位端末によって測位された緯度・経度(以下、「位置情報」という。)を測位方法や測位誤差やユーザを特定する情報とともに記録し、蓄積された測位方法の情報を用いて、位置測位端末の位置が、屋外であるか屋内であるかを判定する。
【0021】
又、本実施形態においては、測位方法として、GPSのみでの測位、GPSと基地局を利用した測位、基地局のみでの測位の3つの方法を挙げて説明する。ここで、GPSのみでの測位とは、GPSのみで十分精度が出る場合を指す。例えば、3つ以上のGPSからの情報を取得できる場合である。又、GPSと基地局とを併用した測位とは、GPSのみでは十分に精度が出ず、基地局からの情報で補う場合を指す。例えば、2個以下のGPSからの情報しか取得できず、基地局からの情報で精度を補う場合である。又、基地局のみでの測位とは、GPSが取得できない場合を指す。従って、それぞれの測位精度は、GPSのみ>GPSと基地局との併用>基地局のみという関係にある。
【0022】
本実施形態に係る屋内外判定システムは、図1に示すように、複数の測位方法を切り替えて継続的に位置情報を測位可能であり、位置情報とともにその測位方法を定期的に自動で取得することのできる位置測位端末10と、取得された情報を記録・分析する位置情報処理装置20と、通信ネットワーク30とを備える。
【0023】
位置測位端末10は、具体的には、GPS測位機能搭載した携帯電話、PDAやコンピュータ等である。位置測位端末10は、GPS300や経度・緯度が明らかになっている基地局200の情報を組み合わせて、自端末の位置を測位する。
【0024】
又、位置情報処理装置20は、具体的には、コンピュータ等である。
【0025】
又、位置測位端末10と位置情報処理装置20とは、通信ネットワーク30を介して通信を行う。通信ネットワーク30としては、例えばインターネットが挙げられ、LAN、WAN、イントラネットなどを用いてもよい。
【0026】
位置測位端末10は、図2に示すように、位置情報取得部11と、送受信部12とを備える。
【0027】
位置情報取得部11は、GPS衛星や基地局情報を利用して、位置測位端末10の経度・緯度、測位を行った時刻、測位誤差、測位方法等の情報を取得する。
【0028】
送受信部12は、位置情報取得部11によって取得された情報と位置測位端末10を一意に識別する識別子(例えば、位置測位端末10の個体製造番号)とを、位置情報処理装置20へ送信する。又、送受信部12は、位置情報処理装置20から、データベースへの格納処理完了情報を受信する。
【0029】
位置情報処理装置20は、図2に示すように、送受信部21と、位置情報格納部22と、位置情報データベース23と、屋内外判定ルールデータベース24と、判定処理制御部25と、屋内外判定部26とを備える。
【0030】
送受信部21は、位置測位端末10が送信した情報を受信する。又、送受信部12は、位置情報処理装置20へ、データベースへの格納処理完了情報を送信する。
【0031】
位置情報格納部22は、位置測位端末10から受信した情報を位置情報データベース23へ格納する。
【0032】
位置情報データベース23は、位置測位端末10から送信された情報を管理する。位置情報データベース23は、例えば、図3に示すように、位置測位端末10から受信した情報をそれぞれ記録する列を保持し、更に、屋内外判定結果を書き込む屋内外の列をそれぞれの行に持つ。
【0033】
屋内外判定ルールデータベース24は、屋内外判定部26において屋内外を判定するために利用する、屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールを保持する。屋内外判定ルールの一例を、図4及び図5に示す。
【0034】
判定処理制御部25は、予め設定されたタイミングで、屋内外判定部26へ実行命令を送信する。このタイミングの例としては、位置情報格納部22が位置情報データベース23に書き込みを行った直後、1日経過後、1ヶ月経過後のような相対的な指定や、毎日の時刻を設定する絶対的な指定が可能である。本実施形態では、相対的に指定されたものとする。
【0035】
屋内外判定部26は、位置情報データベース23から特定の位置測位端末の情報を読み出し、屋内外判定が行われていない位置測位端末10に対して、屋内外の判定を行う。判定には、図4や図5に示す屋内外判定ルールを利用する。図4に示す屋内外判定ルールを利用する場合は、「GPSのみ」の測位方法によって測位されたものは屋外、それ以外の測位方法による測位結果は屋内と判定し、位置情報データベース23の屋内外のカラムに、“屋内”あるいは“屋外”を書き込む。つまり、図3の1行目のデータでは、測位方法が「GPSのみ」であるため、判定結果が“屋外”と記録される。
【0036】
又、屋内外判定ルールには、図5に示すように、屋外となる測位方法と測位誤差の組み合わせと、屋内となる測位方法と測位誤差の組み合わせとが記述されてもよい。例えば、屋内においても窓際や屋外においても軒先にいる場合、必ずしも天空が良好に見えず、図4で設定した測位方法のみでの判定では対応できない場所が存在する。このような場所では、測位精度が高い測位方法でも、測位に利用されたGPSや基地局の位置の偏りがあるため、測位誤差が大きくなることがある。そこで、判定に測位方法と測位誤差の両方を用いることで、そのような場所での判定精度を向上させることができる。例えば、図3に示す位置情報データベースにおいて、User Aの2005-12-14 6:00:05のデータは、測位方法がGPSのみで、測位誤差が10mである。図5では、測位方法がGPSのみの場合は15m未満が屋外と判定されるため、このデータは“屋外”と判定される。又、図3に示す位置情報データベースにおいて、User Bの2005-12-14 6:00:14のデータは、測位方法が基地局のみで、測位誤差が190mである。図5では、測位方法が基地局のみの場合は8m未満が屋外と判定されるため、このデータは“屋内”と判定される。
【0037】
尚、測位誤差の計算機能は、一般的な測位機器に搭載されており、その詳細は、例えば、http://users.erols.com/dlwilson/gps.htm や、「“解説記事(その3)測位計算のはなし”、航空無線、36号、2003年」等に記載されている。
【0038】
又、本実施形態に係る位置情報処理装置20は、処理制御装置(CPU)を有し、上述した位置情報格納部22、判定処理制御部25、屋内外判定部26などをモジュールとして、CPUによって実行させる構成とすることができる。これらのモジュールは、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにおいて、所定のプログラム言語を利用するための専用プログラムを実行することにより実現することができる。
【0039】
又、図示していないが、本実施形態に係る位置情報処理装置20は、位置情報格納処理、判定処理制御処理、屋内外判定処理などをCPUに実行させるためのプログラムを蓄積するプログラム保持部を備えてもよい。プログラム保持部は、例えば、RAM、ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどの記録媒体である。このような記録媒体によれば、プログラムの蓄積、運搬、販売などを容易に行うことができる。
【0040】
(屋内外判定方法)
続いて、本実施形態にかかる屋内外判定システムの処理の手順について、図6及び図7を用いて説明する。
【0041】
まず、図6を参照して、位置測位端末10から位置情報等を取得し、格納する手順について説明する。
【0042】
位置測位端末10の位置情報取得部11は、GPSや基地局を利用して、位置測位端末10の経度・緯度、測定を行った時刻、測位誤差、測位方法の情報を取得する(S101)。次に、位置測位端末10の送受信部12は、位置情報取得部11によって取得された情報と位置測位端末10を一意に識別する識別子とを、位置情報処理装置20へ送信する(S102)。
【0043】
一方、位置情報処理装置20の送受信部21は、位置測位端末10の送受信部12から情報を受信する(S103)。そして、位置情報処理装置20の位置情報格納部22は、位置情報データベース23へ受信した情報を格納する(S104)。そして、位置情報処理装置20の送受信部21は、位置測位端末10へ格納完了情報を送信する(S105)。
【0044】
位置測位端末10の送受信部12は、格納完了情報を受信し(S106)、位置情報取得部11は、次の位置情報取得を行う。
【0045】
次に、図7を参照して、位置測位端末10の位置が屋内か屋外かを判定する手順について説明する。
【0046】
まず、判定処理制御部25は、前回の屋内外判定処理からの経過時間を監視し、経過時間が予め設定された値以上かを検証し、予め設定された値以上になるまで検証を繰り返す(S201)。経過時間が予め設定された値以上であった場合は、判定処理制御部25は、屋内外判定部26へ実行命令を送信する。
【0047】
屋内外判定部26は、屋内外判定が行われていないデータ行を読み出し、データ行の測位方法と屋内外判定ルールとを比較して、位置測位端末10の位置が屋内か屋外かを判定する。そして、判定結果を位置情報データベース23へ書き込む。
【0048】
(作用及び効果)
本実施形態に係る屋内外判定システム及び屋内外判定方法では、送受信部21が、位置測位端末10から、位置測位端末10を一意に識別する識別子と、位置測位端末10の位置情報と、位置情報を測位した際の測位方法とを受信し、屋内外判定ルールデータベース24が屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールを保存し、屋内外判定部26が受信された位置情報及び測位方法と、屋内外判定ルールとに基づいて、位置測位端末10の位置が屋内か屋外かを判定する。このため、複数の測位方法を切り替えて継続的に位置測位ができる端末装置においても、屋内外を判定することが可能となり、端末ユーザの訪問場所を適切に抽出することが可能となる。又、訪問場所を抽出することにより、特定の場所にいる端末に、自動日記(ブログ)サービスや提案型サービスを提供することができる。
【0049】
又、屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と屋内となる測位方法とが記述され、屋内外判定部26は、屋内外判定ルールと受信した測位方法とを比較し、屋内外を判定する。このため、測位方法に応じた屋内外の判定を行うことが可能となる。
【0050】
又、送受信部21は、位置測位端末10から位置情報の測位誤差を受信し、屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と測位誤差の組み合わせと、屋内となる測位方法と測位誤差の組み合わせとが記述されており、屋内外判定部26は、屋内外判定ルールと受信した情報の測位方法及び測位誤差とを比較し、屋内外を判定する。このため、測定方法に加え測位誤差を考慮した屋内外判定を行うことができ、より精度の高い判定を行うことができる。
【0051】
又、本実施形態に係る屋内外判定システム100は、受信された位置情報及び測位方法を保持する位置情報データベース23と、予め設定されたタイミングで、屋内外判定部26に実行命令を送信する判定処理制御部25とを備え、屋内外判定部26は、判定処理制御25から実行命令を受信した場合、位置情報データベース23に保持された位置情報及び測位方法を用いて、屋内外を判定する。このため、過去の情報を参照して屋内外の判定を行うことが可能となる。
【0052】
(変形例)
次に、本実施形態にかかる屋内外判定システムの変形例について説明する。
【0053】
上記実施形態では、その時点の測位方法によって屋内外を判定している。これを過去や未来の位置情報の系列を利用して判定することによって、屋内外の判定精度を向上させることができる。具体的には、判定したいデータの時刻から前後特定期間(例えば、前後10秒間)の複数の測位方法を参照し、精度の低い測位方法で測位された場合の判定結果を採用する。精度が同じになった場合には、現在の測位方法による判定結果を採用する。この方法を利用すると、例えば、図3における2005-12-14 6:00:14のUser Aの判定では、この前後10秒間のデータである、2005-12-14 6:00:10と2005-12-14 6:00:23の測位方法を参照し、“屋内”と判定した測位方法のほうが、精度が低いため、2005-12-14 6:00:14は“屋内”であると判定することができる。又、他の具体例としては、判定したいデータの時刻から前後特定期間(例えば、前後10秒間)の複数の測位方法を参照し、“屋内”あるいは“屋外”の判定において、数が多い方の判定結果を採用する。この方法を利用すると、例えば、図3における2005-12-14 6:00:14のUser Aの判定では、この前後20秒間のデータである、2005-12-14 6:00:05と2005-12-14 6:00:10と2005-12-14 6:00:23の測位方法を参照し、“屋外”と判定した測位方法のほうが、数が多いため、2005-12-14 6:00:14は“屋外”であると判定することができる。
【0054】
このように、屋内外判定部26は、判定対象とする時刻の過去あるいは未来の履歴を用いて、屋内外を判定することができる。このため、特定期間内で、一瞬だけ発生した測位方法による誤判定や、系列を利用した判定の修正が可能となる。
【0055】
又、上記実施形態では、ある1つの時点か特定の区間によって判定を行っている。これを同一の判定結果が継続する期間を算出し、その期間が予め定められた期間未満であれば、判定結果を逆転するという方法である。つまり、期間を60秒と設定すると、屋内の期間が60秒未満の場合は、判定結果を逆転し屋外とし、60秒以上であればそのまま屋内と判定する。
【0056】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0057】
例えば、図2では、位置情報格納部22、位置情報データベース23、屋内外判定ルールデータベース24、判定処理制御部25、屋内外判定部26を1の位置情報処理装置20に備えると説明したが、これらの各構成部を複数の装置に配置しても構わない。その際は、複数の装置間を有線あるいは無線で接続し、情報を送受信することとする。
【0058】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る屋内外システムの構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る位置測位端末及び位置情報処理端末の構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る位置情報データベースの一例である。
【図4】本発明の実施形態に係る屋内外判定ルールの一例である(その1)。
【図5】本発明の実施形態に係る屋内外判定ルールの一例である(その2)。
【図6】本発明の実施形態に係る屋内外判定方法を示すフローチャートである(その1)。
【図7】本発明の実施形態に係る屋内外判定方法を示すフローチャートである(その2)。
【符号の説明】
【0060】
10…送信端末
11…位置情報取得部
12…送受信部
20…位置情報処理装置
21…送受信部
22…位置情報格納部
23…位置情報データベース
24…屋内外判定ルールデータベース
25…判定処理制御部
26…屋内外判定部
30…通信ネットワーク
200…基地局
300…GPS



【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から、該端末装置を一意に識別する識別子と、該端末装置の位置情報と、該位置情報を測位した際の測位方法とを受信する受信部と、
屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールを保存する屋内外判定ルール保持部と、
前記受信部によって受信された位置情報及び測位方法と、前記屋内外判定ルールとに基づいて、前記端末装置の位置が屋内か屋外かを判定する屋内外判定部と
を備えることを特徴とする屋内外判定システム。
【請求項2】
前記屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と屋内となる測位方法とが記述され、
前記屋内外判定部は、該屋内外判定ルールと前記受信した測位方法とを比較し、屋内外を判定することを特徴とする請求項1に記載の屋内外判定システム。
【請求項3】
前記受信部は、前記端末装置から位置情報の測位誤差を更に受信し、
前記屋内外判定ルールには、屋外となる測位方法と測位誤差の組み合わせと、屋内となる測位方法と測位誤差の組み合わせとが記述され、
前記屋内外判定部は、該屋内外判定ルールと前記受信した情報の測位方法及び測位誤差とを比較し、屋内外を判定することを特徴とする請求項1に記載の屋内外判定システム。
【請求項4】
前記受信部によって受信された位置情報及び測位方法を保持する位置情報保持部と、
予め設定されたタイミングで、前記屋内外判定部へ実行命令を送信する判定処理制御部とを更に備え、
前記屋内外判定部は、前記判定処理制御部から実行命令を受信した場合、前記位置情報保持部に保持された位置情報及び測位方法を用いて、屋内外を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋内外判定システム。
【請求項5】
前記屋内外判定部は、判定対象とする時刻の過去あるいは未来の履歴を用いて、屋内外を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の屋内外判定システム。
【請求項6】
端末装置から、該端末装置を一意に識別する識別子と、該端末装置の位置情報と、該位置情報を測位した際の測位方法とを受信するステップと、
前記受信された位置情報及び測位方法と、屋内外を判定する基準を記述した屋内外判定ルールとに基づいて、前記端末装置の位置が屋内か屋外かを判定するステップと
を含むことを特徴とする屋内外判定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−232592(P2007−232592A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55297(P2006−55297)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】