説明

屋内用エポキシ樹脂塗料組成物

【課題】塗料の基本的性能を満足させつつ、低臭性を得る。
【解決手段】液状エポキシ樹脂系の基剤と硬化剤とを含有する無溶剤型屋内用エポキシ樹脂塗料組成物であって、上記基剤は25℃での粘度が100mPa・s以下のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を含有し、上記硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤及び変性脂環式ポリアミン系硬化剤から選ばれた少なくとも1種よりなり、相溶化助剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内用エポキシ樹脂塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂塗料組成物は、耐薬品性に優れていることから、工場等の建物の床、壁或いは天井の塗装に利用されている。例えば、特許文献1には、耐薬品性と耐候性とを同時に満足させるべく、基剤に低粘度の脂肪族及び/又は脂環族ポリエポキシドを含ませることが記載されている。それは、平均エポキシ当量220以下の液状芳香族エポキシ樹脂65〜95重量%と、25℃での粘度が1000mPa・s以下の脂肪族及び/又は脂環族ポリエポキシド35〜5重量%とを含有する基剤と、脂肪族及び/又は脂環族ポリアミンよりなる硬化剤とを主成分とし、有機溶剤の含有量を10質量%以下としたものである。
【0003】
しかし、有機溶剤の使用により、施工時だけでなく、施工後においても、多量のガスが発生する。これに対して、無溶剤型のエポキシ樹脂塗料組成物も知られている。それは、液状エポキシ樹脂(基剤)と、ポリアミン系硬化剤と、反応性希釈剤とを主成分とするものである。
【特許文献1】特開平6−248053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋内用塗料に関しては、溶剤に起因するガスだけでなく、硬化剤や反応性希釈剤に含まれるVOC(揮発性有機化合物)も問題になる。さらに、塗料の基本的性能である、成分同士の相溶性、施工時の平滑・流動性、塗膜の耐衝撃性、可撓性、光沢性も要求される。
【0005】
本発明は、かかる塗料の基本的性能を満足させつつ、高度の低臭性を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために、基剤に低粘度のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を利用し、さらに相溶化助剤を少量含ませるようにした。
【0007】
すなわち、本発明は、液状エポキシ樹脂系の基剤と硬化剤とを含有する無溶剤型の屋内用エポキシ樹脂塗料組成物であって、
上記基剤は、25℃での粘度が100mPa・s以下のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を含有し、
上記硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤及び変性脂環式ポリアミン系硬化剤から選ばれた少なくとも1種よりなり、
上記基材と硬化剤との相溶化を促進する相溶化助剤を含有することを特徴とする。
【0008】
かかる塗料組成物によれば、基剤に配合した低粘度のポリグリコール型液状エポキシ樹脂と相溶化助剤とにより、基剤と硬化剤との相溶性が常温ではもとより、冬期など低温時においても向上し、塗料の調製が容易になる。加えて、塗料の流動性、平滑性が良くなり、施工性が向上する。さらに、硬化後の塗膜は、可撓性が高く、耐衝撃性が得られ、光沢も良好になる。しかも、VOCの放散が効果的に抑制される。
【0009】
ポリグリコール型液状エポキシ樹脂の25℃での好ましい粘度は25mPa・s以上65mPa・s以下である。
【0010】
上記相溶化助剤としては、沸点244.2℃の1,3-オクチレングリコール、沸点390℃のフタル酸ジオクチル、沸点246.8℃のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、沸点290℃のグリセリン又は沸点205.8℃のベンジルアルコールを好ましく採用することができる。これらのうちから選ばれる1種を単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。そのなかでも、ベンジルアルコールが好ましい。これは、ベンジルアルコールが単に硬化剤の粘度を下げる働きをするだけでなく、硬化剤を構成する変性脂肪族ポリアミン又は変性脂環式ポリアミンと液状エポキシ樹脂系基剤との相溶性を効果的に向上させるからであり、しかもベンジルアルコールの蒸気圧が低く(58℃1mmHg)、沸点も高い(200℃以上)からである。
【0011】
当該エポキシ樹脂塗料組成物における上記相溶化助剤の好ましい含有量は1質量%以上2.5質量%以下であり、より好ましい含有量は1質量%以上2質量%以下である。
【0012】
上記基剤は、25℃での粘度が10000mPa・s以上20000mPa・s以下の標準粘度液状エポキシ樹脂と上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂とを含有し、上記標準粘度液状エポキシ樹脂と上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂とを合わせた総量に占める上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂の含有割合は10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
【0013】
これにより、上記相溶性、施工時の平滑・流動性、塗膜の耐衝撃性、可撓性、光沢性が効果的に発揮される。より好ましい含有割合は、10質量%以上20質量%以下である。
【0014】
上記標準粘度液状エポキシ樹脂の25℃での好ましい粘度は、12000mPa・s以上15000mPa・s以下である。
【0015】
上記標準粘度液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は180以上200以下であり、上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は150以上350以下であることが好ましい。
【0016】
上記硬化剤として、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤又は変性脂環式ポリアミン系硬化剤を採用すると、VOCの放散抑制に有利になる。また、当該変性により、作業性が改善される。すなわち、硬化剤の液化が良好になり、基剤との相溶性が高くなるとともに、基剤に対する添加量を多くすることができ、秤量誤差が少なくなる。また、ポットライフ(基剤と硬化剤とを混合してから使用することのできるおおよその時間)が長くなり、また、毒性や皮膚刺激性が少なくなる。
【0017】
上記硬化剤は、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、炭素数2〜6のポリアルキレンポリアミン及び炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族ポリアミンのうちから選ばれる少なくとも1種の脂肪族ポリアミンのアダクト化合物、又はイソホロンジアミン及び1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのうちの少なくとも一方の脂環式ポリアミンのアダクト化合物、又は上記脂肪族ポリアミンのアダクト化合物と上記脂環式ポリアミンのアダクト化合物との混合物を主成分とするものが好ましい。
【0018】
特に、キシリレンジアミン又はイソホロンジアミンのアダクト化合物を主成分とする硬化剤が好ましい。かかる硬化剤は上述のポリグリコール型液状エポキシ樹脂との相性が良く、上記相溶性、施工時の平滑・流動性、塗膜の耐衝撃性、可撓性、艶の確保に有利になるとともに、VOCの放散抑制に有利になる。
【0019】
上記脂肪族ポリアミンのアダクト化合物としては、当該脂肪族ポリアミンにアリールグリシジルエーテルを付加反応させて得られるものが好ましく、上記脂環式ポリアミンのアダクト化合物としては、当該脂環式ポリアミンにn−ブチルグリシジルエーテル又はビスフェノールAジグリシジルエーテルを付加反応させて得られるものが好ましい。
【0020】
上記エポキシ樹脂塗料組成物には、顔料や、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。レベリング剤や消泡剤としては非シリコン系のものが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、屋内用エポキシ樹脂塗料組成物に関し、基剤が、25℃での粘度が100mPa・s以下のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を含有し、上記硬化剤が、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤及び変性脂環式ポリアミン系硬化剤から選ばれた少なくとも1種よりなり且つ少量の相溶化助剤を含有するから、塗料の調製及び施工性、塗膜の可撓性、耐衝撃性など高度の塗料の基本的性能を満たしつつ、VOCの放散を抑制することができ、且つ塗料自体(基剤、硬化剤)の臭気及び施工時の臭気(アミン臭)を著しく低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
<基剤について>
本発明に係る屋内用エポキシ樹脂塗料組成物の基剤は、標準粘度の液状エポキシ樹脂の他、低粘度のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を含有する。また、これら液状エポキシ樹脂の他に、顔料、分散剤、消泡剤、レベリング剤等を必要に応じて添加することができる。
【0024】
標準粘度液状エポキシ樹脂とは、25℃での粘度が10000mPa・s以上20000mPa・s以下、好ましくは12000mPa・s以上15000mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を意味する。そのエポキシ当量としては180以上200以下を目安とすればよい。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等を採用採用することができる。ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを縮重合させて得られるものが好ましい。
【0025】
低粘度のポリグリコール型液状エポキシ樹脂とは、25℃での粘度が100mPa・s以下、好ましくは25mPa・s以上65mPa・s以下のものを意味する。そのエポキシ当量としては150以上350以下、好ましくは250以下を目安とすればよい。ポリグリコールとエピクロルヒドリンとを縮重合させて得られるものが好ましい。
【0026】
標準粘度液状エポキシ樹脂とポリグリコール型液状エポキシ樹脂とを合わせた総量に占めるポリグリコール型液状エポキシ樹脂の含有割合は10質量%以上30質量%以下、好ましくは20質量%以下とすればよい。
【0027】
<硬化剤ついて>
本発明に係る屋内用エポキシ樹脂塗料組成物の硬化剤としては、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤及び変性脂環式ポリアミン系硬化剤から選ばれた少なくとも1種を採用することができ、或いは当該2種を併用することができる。また、これらの硬化剤には未変性アミンが少量含まれている。脂肪族ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなど炭素数2〜6のアルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミンなど炭素数2〜6のポリアルキレンポリアミン、キシリレンジアミンなど炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族ポリアミンを好ましく採用することができる。脂環式ポリアミンとしては、イソホロンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを好ましく採用することができる。
【0028】
上記脂肪族ポリアミン類の変性は、当該ポリアミンに、例えば、アリールグリシジルエーテル(特にフェニルグリシジルエーテル又はトリルグリシジルエーテル)又はアルキルグリシジルエーテルを付加反応させることによって行なうことが好ましい。
【0029】
上記脂環式ポリアミン類の変性は、当該ポリアミンに、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を付加反応させることによって行なうことが好ましい。
【0030】
また、これら硬化剤中の未変性アミンの含有量は、塗膜の硬化性とVOC放散抑制とを両立させる必要があることから、1質量%以上15質量%以下が好ましく、特に7質量以上10質量%以下が好ましい。この未変性アミン含有量を少なくすることは、VOCの放散を抑制する上で有効な手段である。未変性アミン含有量の低減は、上記付加反応を充分に行なうことによって達成することができる。
【0031】
また、本発明において特徴的なことは、これら硬化剤に沸点が高く且つ上記変性脂肪族ポリアミンや変性脂環式ポリアミンと標準粘度液状エポキシ樹脂との相溶性を良好なものにする相溶化助剤が少量含まれていることである。相溶化助剤としては、1,3-オクチレングリコール、フタル酸ジオクチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、グリセリン又はベンジルアルコールが好ましい。その配合量は当該エポキシ樹脂塗料組成物において1質量%以上2.5質量%以下、特に1質量%以上2質量%以下とすることが好ましい。硬化剤における配合量で言えば、4質量%以上11質量%以下、特に5質量%以上10質量%以下が好ましい。
【0032】
<実施例及び比較例>
−実施例1−
次の配合によってエポキシ樹脂塗料を調製した。上記基剤と硬化剤との配合比(質量比)は基剤:硬化剤=78:22である。
【0033】
(基剤)
標準粘度液状エポキシ樹脂 50.0重量部
低粘度ポリグリコール型液状エポキシ樹脂 5.0重量部
分散剤 0.3重量部
沈降防止剤 0.1重量部
着色顔料(酸化チタン白) 8.0重量部
体質顔料(SiO2) 36.0重量部
消泡剤 0.3重量部
レベリング剤 0.3重量部
────────────────────────────────
小計 100.0重量部
(硬化剤)
変性脂肪族ポリアミン系硬化剤 100.0重量部
────────────────────────────────
小計 100.0重量部

上記標準粘度液状エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを縮重合させてなるものであり、そのエポキシ当量は184以上194以下、25℃での粘度は12000以上15000以下である。
【0034】
上記低粘度ポリグリコール型液状エポキシ樹脂は、ポリグリコールとエピクロルヒドリンとを縮重合させてなるものであり、そのエポキシ当量は175以上205以下、25℃での粘度は30以上60以下である。
【0035】
上記変性脂肪族ポリアミン系硬化剤は、メタキシリレンジアミンにフェニルグリシジルエーテルを付加反応させてなる変性脂肪族ポリアミンを主成分とし、分子量500以下の低分子アミン化合物(メタキシレンジアミン及びメタキシレンジアミンモノエポキサイド付加物)1質量%以上15質量%以下、ベンジルアルコール8質量%、促進剤3質量%を含有する。その活性水素当量は101である。
【0036】
当該エポキシ樹脂塗料は基剤と硬化剤との分離がなく、塗料自体及び塗装時の臭気も殆ど感じられず、また、基板(試験片)への塗布も容易であり、また、得られた塗膜には輝度の高い光沢があった。
【0037】
−実施例2−
基剤は実施例1と同じとし、硬化剤として変性脂環式ポリアミンと変性脂肪族ポリアミンとの混合物を主成分とするものを用い、その配合比を基剤:硬化剤=82:18として、エポキシ樹脂塗料を調製した。硬化剤は、具体的には、イソホロンジアミンとメタキシリレンジアミンとの混合物にn−ブチルグリシジルエーテルを付加反応させてなるものを主成分とし、低分子アミン化合物(イソホロンジアミン及びイソホロンジアミンモノエポキサイド付加物)1質量%以上15質量%以下、ベンジルアルコール6質量%を含有する。その活性水素当量は85である。
【0038】
当該エポキシ樹脂塗料は基剤と硬化剤との分離がなく、塗料自体及び塗装時の臭気も殆ど感じられず、また、基板(試験片)への塗布も容易であり、また、得られた塗膜には輝度の高い光沢があった。
【0039】
−実施例3−
基剤は実施例1と同じとし、硬化剤として変性脂環式ポリアミン系硬化剤を用い、その配合比を基剤:硬化剤=83:17として、エポキシ樹脂塗料を調製した。変性脂環式ポリアミン系硬化剤は、イソホロンジアミンにビスフェノールAジグリシジルエーテルを付加反応させてなる変性脂環式ポリアミンを主成分とし、低分子アミン化合物(イソホロンジアミン及びイソホロンジアミンジエポキサイド付加物)1質量%以上15質量%以下、ベンジルアルコール5質量%以上10質量%以下、促進剤3質量%を含有する。その活性水素当量は83である。
【0040】
当該エポキシ樹脂塗料は基剤と硬化剤との分離がなく、塗料自体及び塗装時の臭気も殆ど感じられず、また、基板(試験片)への塗布も容易であり、また、得られた塗膜には輝度の高い光沢があった。
【0041】
−比較例-
基剤に関し、低粘度ポリグリコール型液状エポキシ樹脂に代えて、1.6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを採用し、他は実施例1と同じ配合によってエポキシ樹脂塗料を調製した。
【0042】
しかし、基剤と硬化剤との相溶性が悪く、均質な塗料は得られなかった。また、基板に塗布したところ、得られた塗膜では輝度の高い光沢が得られなかった。
【0043】
上記実施例1〜3及び比較例について、塗料の基本性能を調べた。結果は表1に示す通りである。
【0044】
【表1】

【0045】
<VOC発生量の測定>
上記実施例1、比較例1(無溶剤型エポキシ樹脂塗料)及び比較例2(溶剤型エポキシ樹脂塗料)について、基板表面吸着−加熱脱着法によりVOC発生量を測定した。
【0046】
比較例1の配合は次のとおりであり、基剤と硬化剤との配合比(質量比)は基剤:硬化剤=80:20である。
【0047】
(基剤)
標準粘度液状エポキシ樹脂 50重量部
反応性希釈剤 10重量部
着色顔料(酸化チタン白) 5重量部
体質顔料(SiO2) 35重量部
────────────────────────────────
小計 100重量部
(硬化剤)
変性脂肪族ポリアミン系硬化剤 100重量部
────────────────────────────────
小計 100重量部
【0048】
比較例2の配合は次のとおりであり、基剤と硬化剤との配合比(質量比)は基剤:硬化剤=90:10である。
【0049】
(基剤)
エポキシ樹脂 28重量部
変性剤 5重量部
着色顔料(酸化チタン白) 10重量部
体質顔料(SiO2) 25重量部
溶剤 32重量部
────────────────────────────────
小計 100重量部
(硬化剤)
溶剤含有ケテミン硬化剤 100重量部
────────────────────────────────
小計 100重量部
【0050】
VOC発生量の測定結果は図1に示すとおりである。同図から、本発明に係る屋内用エポキシ樹脂塗料組成物によれば、VOC発生量が少なくなること、特に同じ無溶剤型でも、反応性希釈剤を採用していないことにより、比較例1よりもVOC発生量が少なくなることがわかり、本発明が屋内用エポキシ樹脂塗料として優れていることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例及び比較例1,2に係る塗膜のVOC発生量を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0052】
なし。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状エポキシ樹脂系の基剤と硬化剤とを含有する無溶剤型の屋内用エポキシ樹脂塗料組成物であって、
上記基剤は、25℃での粘度が100mPa・s以下のポリグリコール型液状エポキシ樹脂を含有し、
上記硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤及び変性脂環式ポリアミン系硬化剤から選ばれた少なくとも1種よりなり、
上記基材と硬化剤との相溶化を促進する相溶化助剤を含有することを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項2】
請求項1において、
上記相溶化助剤は、1,3-オクチレングリコール、フタル酸ジオクチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、グリセリン及びベンジルアルコールのうちから選ばれる少なくとも1種であり、
当該エポキシ樹脂塗料組成物における上記相溶化助剤の含有量が2.5質量%以下であることを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記基剤は、25℃での粘度が10000mPa・s以上20000mPa・s以下の標準粘度液状エポキシ樹脂と上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂とを含有し、
上記標準粘度液状エポキシ樹脂と上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂とを合わせた総量に占める上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂の含有割合が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項4】
請求項3において、
上記標準粘度液状エポキシ樹脂のエポキシ当量が180以上200以下であり、
上記ポリグリコール型液状エポキシ樹脂のエポキシ当量が150以上350以下であることを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記硬化剤は、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、炭素数2〜6のポリアルキレンポリアミン及び炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族ポリアミンのうちから選ばれる少なくとも1種の脂肪族ポリアミンのアダクト化合物、又はイソホロンジアミン及び1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのうちの少なくとも一方の脂環式ポリアミンのアダクト化合物、又は上記脂肪族ポリアミンのアダクト化合物と上記脂環式ポリアミンのアダクト化合物との混合物を主成分とすることを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項6】
請求項5において、
上記脂肪族ポリアミンのアダクト化合物は、当該脂肪族ポリアミンにアリールグリシジルエーテルを付加反応させて得られるものであり、
上記脂環式ポリアミンのアダクト化合物は、当該脂環式ポリアミンにn−ブチルグリシジルエーテル又はビスフェノールAジグリシジルエーテルを付加反応させて得られるものであることを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
非シリコン系レベリング剤及び非シリコン系消泡剤を含有することを特徴とする屋内用エポキシ樹脂塗料組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2007−308559(P2007−308559A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138155(P2006−138155)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(506166697)ジャパンカーボライン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】