説明

屋内用テント

【課題】屋内、特に一般家庭の室内において、一人だけが周囲から隔離された空間を簡易に構成でき、その空間内でやすらぎを得ることを容易に実現できる屋内用テントを提供する。
【解決手段】屋内用テント1は、テント本体2と送風手段3とからなる。テント本体2は、中央に単一の開口211を有して環状に形成された下部材21と、下部材21の外周側に封止状態で一体に設けられ、内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能な上部材22とからなる。下部材21及び上部材22は折り畳み可能な膜材からなる。送風手段3はテント本体2内に空気を送風可能である。屋内用テント1は、屋内の床91上に下部材21を載置した状態で、送風手段3によってテント本体2の内部に空気を送風することにより、上部材22が空間を維持できるようにされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内用テントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2に従来のテントが開示されている。これらのテントは、内部が空気によって加圧されることにより、人が入る空間を維持可能な膜材からなるテント本体と、このテント本体内に空気を送風可能な送風手段とを備えている。膜材は折り畳み可能なものである。これらのテントは、送風手段によってテント本体内に空気を送風することにより、空間を維持できるようにされている。
【0003】
これらのテントは、膜材が折り畳み可能なものであるため、任意の場所において短時間に設置され得る他、収納時には小さく折りたたむことができ、持ち運びも容易になっている。また、これらのテントは、設置に際し、膜材の周囲におもりが配置されたり、膜材の周囲をアンカー等によって固定されたりし、これによって屋外に設置された場合でも風に飛ばされないようにされている。
【0004】
【特許文献1】実開昭62−32153号公報
【特許文献2】特許3204391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のテントは、いずれも主に屋外に設置されるものであるため、テント本体における膜材の周囲におもりやアンカー等を必要としており、設置に手間を要する。特に、特許文献2開示のテントは、催事に用いられるものであるため、テント本体内に空気を入れることによって形成される空間が複数人を収納する大きさとされており、構造がより複雑なことから、設置がより面倒になっている。
【0006】
一方、屋内、特に一般家庭の室内においては、人は、マッサージチェア、ソファー、ベッド等の設備を有しており、そのような設備によって自らを癒すことがある。近年のストレス社会においては、屋内においても、一人だけで周囲から隔離された空間に留まり、それによってやすらぎを得たいという願望が強くなってきている。このため、仮に上記従来のテントを用いてそのような願望を実現しようとしても、上記のテントは設置が面倒であり、屋内の設備をその内部に位置させる場合にはその傾向が特に顕著になることから、そのような願望を容易に実現することができない。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、屋内、特に一般家庭の室内において、一人だけが周囲から隔離された空間を簡易に構成でき、その空間内でやすらぎを得ることを容易に実現できる屋内用テントを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の屋内用テントは、中央に単一の開口を有して環状に形成された下部材と、該下部材の外周側に封止状態で一体に設けられ、内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能な上部材とからなり、該下部材及び該上部材が折り畳み可能な膜材からなるテント本体と、
該テント本体内に空気を送風可能な送風手段とを備え、
屋内の床上に該下部材を載置した状態で、該送風手段によって該テント本体の内部に空気を送風することにより、該上部材が該空間を維持できるようにされていることを特徴とする。
【0009】
本発明の屋内用テントは、テント本体の下部材及び上部材が折り畳み可能な膜材からなるため、任意の場所において短時間に設置され得る他、収納時には小さく折りたたむことができ、持ち運びも容易になっている。
【0010】
そして、屋内において、一人だけで周囲から隔離された空間に留まり、それによってやすらぎを得たい場合、この屋内用テントを屋内に設置する。
【0011】
この際、この屋内テントは下部材が中央に単一の開口を有して環状に形成されたものであるため、この屋内用テントを屋内、特に一般家庭の室内に設置する場合、一般家庭の室内に設置されたマッサージチェア、ソファー、ベッド等の設備の上からテント本体を覆い被せるようにして、テント本体を屋内の床上に載置することができる。これにより、ソファー等の設備は下部材が有する開口を単に通過し、そのままテント本体の内部に位置することとなる。
【0012】
そして、屋内の床上に下部材を載置した状態で、送風手段によってテント本体の内部に空気を送風すると、上部材は下部材の外周側に封止状態で一体に設けられた構造であるので、送風手段によってテント本体の内部に送風された空気の圧力はテント本体の外部に対して若干高くなる。このため、テント本体の上部材は一人が入る空間を維持する。なお、余分な送風は床上に載置された下部材と床面との間を通過してテント本体の外部に流出することになり、テント本体の内部の圧力はほぼ一定に保たれる。
【0013】
こうして、屋内用テントを設置した後にソファー等の設備を収容する作業や、ソファー等の設備を避けながら屋内用テントを組み立てる作業等の面倒な作業を要することなく、テント本体が周囲から隔離された空間を確保する。この空間は、やすらぎを得たいという願望を実現するものであるため、一人を収納する大きさがあれば充分である。この空間は、ドーム状、ピラミッド状、かまぼこ状等であり得る。
【0014】
また、こうして、この屋内用テントは、屋内、特に一般家庭の室内に容易に設置される。この際、屋内に設置されることから、テント本体における上部材や下部材の周囲におもりやアンカー等を必要としない。
【0015】
したがって、本発明の屋内用テントは、屋内、特に一般家庭の室内において、一人だけが周囲から隔離された空間を簡易に構成でき、その空間内でやすらぎを得ることを容易に実現できるのである。
【0016】
膜材としては通気性がないもの又は通気性が殆どないものを用いることができ、具体的には、樹脂、ゴム、その他の材料からなるフィルム、シート又は織布若しく不織布等の布帛を採用することができる。また、布帛と樹脂、ゴムその他の材料とを複合させたもの等を採用することもできる。布帛と樹脂、ゴムその他の材料とを複合させたものとは、布帛に樹脂、ゴムその他の材料を含浸させたものや、布帛に樹脂、ゴム、その他の材料からなるフィルム又はシートを貼り合わせたもの等、各種のものを採用することができる。例えば、ターポリン等を膜材として採用することができる。下部材及び上部材折り畳み可能な膜材からなるが、下部材は、上部材よりも重く、形態の保持性が高い膜材からなることが好ましい。この場合、テント本体が送風手段によって加圧された場合でも、テント本体が床上から浮き上がることを抑制できるとともに、下部材が立ち上がってテント本体が変形することを抑制できる。
【0017】
テント本体は空間内への出入口を有することができる。この出入口は、内部の空気の圧力を逃さないように、内部を気密に維持できるものであることが好ましい。
【0018】
本発明の屋内用テントは、通常の屋外用テントと同様にフレームを有するものであることも可能であるが、下部材及び上部材がフレームを有さない構造であることが好ましい。本発明の屋内用テントにおいて、上部材は内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能とされているので、下部材及び上部材がフレームを有さない構造であっても、本発明の作用効果を奏することができる。このようにフレームを有さない場合には、収納時に、膜材からなるテント本体を折り畳むだけでよいので、フレームを分解、収納する手間を省くことができ、収納や持ち運びがさらに容易になるのである。
【0019】
本発明の屋内用テントは、上部材は光を透す透光窓を有し得る。このようにすれば、使用者がこの屋内用テント内に入って休息する場合、空間内に光を採り入れることができる。これにより、圧迫感を緩和することができる。透光窓としては、有色又は無色の完全な透明又は半透明な窓を採用することができる。有色の窓は光の加減で虹色になるものであってもよい。
【0020】
送風手段はテント本体内に空気を送風可能なものである。送風手段は少なくともブロアを有する。この送風手段は、テント本体内に内蔵されてもよく、テント本体に外付けされてもよい。すなわち、本発明の屋内用テントにおいて、送風手段は、ブロアと、このブロアの下流側に接続されてテント本体内に接続されるホースとを有する構成とし得る。このようにすれば、ブロアをホースによってテント本体からできるだけ離して設置することができるため、使用者がこの屋内用テント内に入って休息する場合に、送風手段の運転音がテント本体内に伝わり難くなる。このため、使用者にとって一層静かなやすらぎの空間を得ることが可能となるのである。具体的には、送風手段をテント本体から2m以上離反させることが好ましい。ホースは、容易に撓むように蛇腹が形成されたフレキシブルホースであることが好ましい。また、フレキシブルホースとして、折り畳み可能な上記のような膜材が管状にされたものを採用することもできる。
【0021】
送風手段は、冷風を発生させる冷風発生装置、温風を発生させる温風発生装置、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生装置及び酸素を発生させる酸素供給装置の少なくとも一つを有することが好ましい。冷風発生装置は冷風を発生させることから、送風手段がこれを有すれば、テント本体の空間内に居る人を涼しくすることができる。温風発生装置は温風を発生させることから、送風手段がこれを有すれば、テント本体の空間内に居る人を暖かくすることができる。マイナスイオン発生装置はマイナスイオンを発生させることから、送風手段がこれを有すれば、テント本体の空間内をより癒し効果の高いものにすることができる。酸素供給装置は酸素を発生させることから、送風手段がこれを有すれば、テント本体の空間内に居る人の疲労回復効果を高めることができる。
【0022】
これら冷風発生装置、温風発生装置、マイナスイオン発生装置及び酸素供給装置は室内に設けられたものであってもよい。室内に設けられた冷風発生装置等としては、エアコンディショナを採用することができる。室内のエアコンディショナを本発明に係る冷風発生装置等として採用すれば、そのエアコンディショナを通常のように使用することができるとともに、本発明の屋内用テントの送風手段の一部としても用いることができる。また、室内のエアコンディショナを本発明に係る冷風発生装置等として採用すれば、ブロアを簡易なものとすることができるため、屋内用テントのコストを安価なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例1を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0024】
実施例1の屋内用テント1は、図1〜3に示すように、一般家庭の室内において、板製の床91の上に載置されて使用されるものである。屋内用テント1の内部にはマッサージチェア4が位置しており、使用者100がやすらぎを得ることができるようになっている。まず、この屋内用テント1の構成を説明する。
【0025】
この屋内用テント1は、テント本体2と送風手段3とからなる。テント本体2は、下部材21と上部材22とからなる。
【0026】
下部材21は、内部が少なくとも空気により加圧された状態において、中央に単一の略楕円の開口211を有して環状に形成されたものである。図4に示す通り、この下部材21は、床91に垂直な断面で見て、L字形状をなしている。
【0027】
一方、上部材22は、図1〜3に示すように、内部が少なくとも空気により加圧された状態において、平面視では略楕円の逆椀形状をなしている。図4に示す通り、この上部材22は、下部材21の外周側に封止状態で一体に設けられている。封止部21aは、上部材22の下側周縁と下部材21の外周側とが重ねられた状態で接着されており、気密性が確保されている。こうして、上部材22は、内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能となっている。
【0028】
上部材22は折り畳み可能な膜材からなっている。この膜材は、本実施例では、ナイロンタフタにポリウレタンコーティングを施したものを採用している。このため、この膜材は通気性がなく、折り畳むことができる。また、この膜材からなる上部材22が送風手段3によって空間を維持することを容易にするため、膜材の目付(単位面積当たりの質量)は小さくされている。具体的に、本実施例における膜材の目付は、約85g/m2である。膜材の目付の望ましい範囲としては、通常の屋外用テントに使用される膜材よりも軽いものであることが望ましく、特に100g/m2以下であることが好ましい。このようにすれば、比較的小型の送風手段3を用いても、静かな運転音しか発生しない運転条件により、内部の空間を維持することができる。
【0029】
また、下部材21も折り畳み可能な膜材からなっているが、この下部材21は、上部材22よりも重く、形態の保持性が高い膜材からなっている。この膜材は、本実施例では、軟質プラスチックシートを採用しており、特に、封止部21a付近の断面の形状がL字状に形態保持されるようになっている。このため、テント本体2が送風手段3によって加圧された場合でも、テント本体2が床91上から浮き上がることを抑制できるとともに、下部材21が立ち上がってテント本体2が変形することを抑制できる。
【0030】
テント本体2において、上部材22の側面には出入口23が設けられている。この出入口23の周縁には図示しないファスナが取り付けられており、出入口23がこのファスナによって開閉可能になっている。ファスナは、内部の空気の圧力を逃さないように、内部を気密に維持できるものである。
【0031】
また、テント本体2において、上述の通り、上部材22は内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能とされているので、下部材21及び上部材22がフレームを有さない構造とされている。
【0032】
さらに、テント本体2において、上部材22は透光窓24を有している。本実施例では、使用者100がマッサージチェア4に座った状態で良好な視界が得られるように、上部材22の上面で使用者100の頭部側に透光窓24が設けられている。透光窓24としては、無色透明の塩化ビニル製シートである膜材を採用しているので、他の部分の膜材と一緒に小さく折り畳むことができる。
【0033】
送風手段3はブロア32とフレキシブルホース33とを備えている。ブロア32は家庭用電源によって駆動されるモータとファンとを内蔵したものであり、このブロア32は吸引側に室内に開く吸入口31を有している。ブロア32の吐出側にフレキシブルホース33の一端が接続されており、フレキシブルホース33の他端がテント本体2に接続された送風口34とされている。ブロア32は、室内の壁92に設置されたコンセント35から供給された電力によって運転される。こうして、ブロア32は、吸入口31から空気を吸入し、フレキシブルホース33を経由して、送風口34からテント本体2の内部に空気を送風することができるようになっている。フレキシブルホース33は2m以上の長さを有しており、これによってブロア32は、室内において、テント本体2から離れた壁92の近くに配置されている。また、フレキシブルホース33は、折り畳み可能な膜材が管状に成形されたものであり、収納時には小さく折り畳むことが可能となっている。
【0034】
また、室内の壁92の上方には、エアコンディショナ5が設置されている。本実施例ではエアコンディショナ5は、冷風発生装置、温風発生装置、マイナスイオン発生装置及び酸素供給装置を内蔵するものを採用している。ブロア32はエアコンディショナ5の下方に位置するように置かれており、エアコンディショナ5から排出される冷風、温風、マイナスイオンを含む空気又は酸素を通常より多く含む空気は、吸入口31からブロア32によって吸入され、フレキシブルホース33を経由し、送風口34からテント本体2の内部に送風されることが可能とされている。このため、ブロア32、フレキシブルホース33及びエアコンディショナ5によって送風手段3が構成されている。
【0035】
こうした構成である屋内用テント1は、以下のようにして使用することができる。
【0036】
まず、図5に示すように、屋内用テント1を設置していない室内に、マッサージチェア4が置かれている。使用者100は、室内において、一人だけで周囲から隔離された空間に留まり、それによってやすらぎを得たい場合、小さく折り畳まれていたテント本体2を広げて、マッサージチェア4の上からテント本体2を覆い被せるようにして、テント本体2を室内の床91上に載置する。これにより、マッサージチェア4は下部材21が有する開口211を単に通過し、そのままテント本体2の内部に位置することが可能となっている。
【0037】
そして、図1〜3に示すように、室内の床91上に下部材21を載置した状態で、ブロア32を駆動する。これによってテント本体2の内部に空気を送風すると、上部材22は下部材21の外周側に封止状態で一体に設けられた構造であるので、ブロア32によってテント本体2の内部に送風された空気の圧力をテント本体2の外部に対して若干高くすることができる。このため、テント本体2の上部材22は一人が入る空間を維持することができるのである。なお、ブロア32の送風量は空間を維持できる程度に設定する。余分な送風は床91上に載置された下部材21と床91との間を通過してテント本体2の外部に流出することになり、テント本体2の内部の圧力はほぼ一定に保たれる。
【0038】
こうして、屋内用テント1を設置した後にマッサージチェア4をテント本体2の内部に収容する作業や、マッサージチェア4を避けながら屋内用テント1を組み立てる作業等の面倒な作業を要することがなくなっているのである。
【0039】
また、こうして、屋内用テント1を設置した後にマッサージチェア4を収容する作業や、マッサージチェア4を避けながら屋内用テント1を組み立てる作業等の面倒な作業を要することなく、テント本体1が周囲から隔離された一人を収納する程度の大きさの空間を確保することができているのである。
【0040】
また、この屋内用テント1は、テント本体2の下部材21及び上部材22が折り畳み可能な膜材からなるので、任意の場所において短時間に設置され得る他、収納時には小さく折りたたむことができ、持ち運びも容易になっているのである。
【0041】
さらに、この屋内用テント1は、室内に設置されることから、テント本体2における下部材21や上部材22の周囲におもりやアンカー等を必要としていないのである。
【0042】
したがって、この屋内用テント1は、一般家庭の室内において、一人だけが周囲から隔離された空間を簡易に構成でき、その空間内でやすらぎを得ることを容易に実現できているのである。
【0043】
また、この屋内用テント1は、下部材21及び上部材22がフレームを有さない構造とされているので、収納時にテント本体2を折り畳むだけでよい。このため、フレームを分解、収納する手間を省くことができ、収納や持ち運びがさらに容易になっている。
【0044】
また、この屋内用テント1は、上部材22が光を透す透光窓24を有している。このため、使用者100がこの屋内用テント1内に入って休息する際に、空間内に光を採り入れることができ、圧迫感を緩和することができているのである。
【0045】
さらに、この屋内用テント1において、送風手段3は、ブロア32と、このブロア32の下流側に接続されてテント本体2内に接続されるホース33とを有する構成とされている。このため、ブロア32をテント本体2からできるだけ離して設置することができているため、使用者100がこの屋内用テント2内に入って休息する場合に、ブロア32の運転音がテント本体2内に伝わり難くなっている。このため、使用者100にとって一層静かなやすらぎの空間を得ることが可能となっているのである。
【0046】
また、この屋内用テント1において、送風手段3は、冷風発生装置、温風発生装置、マイナスイオン発生装置及び酸素発生装置としてのエアコンディショナ5を有している。このため、この屋内用テント1は、夏にはエアコンディショナ5によって冷風をテント本体2の空間内に取り入れ、空間内に居る人が涼しく過ごすことが可能である。また、この屋内用テント1は、冬にはエアコンディショナ5によって温風をテント本体2の空間内に取り入れ、空間内に居る人が暖かく過ごすことが可能である。また、この屋内用テント1は、エアコンディショナ5によってマイナスイオンを発生させれば、空間内をより癒し効果の高いものにすることができる。さらに、この屋内用テント1は、エアコンディショナ5によって酸素を発生させれば、空間内に居る人の疲労回復効果を高めることができる。
【0047】
また、この屋内用テント1では、室内のエアコンディショナ5を冷風発生装置等として採用しているため、そのエアコンディショナ5を通常のように使用することができるとともに、送風手段3の一部としても用いることができる。また、室内のエアコンディショナ5を冷風発生装置等として採用していることから、ブロア32が簡易なものとなり、屋内用テント1のコストを安価なものにすることもできている。
【0048】
以上において、本発明を実施例1に即して説明したが、本発明は上記実施例1に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0049】
例えば、テント本体2の形状は、実施例1のような逆椀形状以外であってもよい。例えば、図6に示すように、ピラミッド形状のテント本体2aや、図7に示すように、かまぼこ形状のテント本体2bを採用することも可能である。下部材21の形状もL字形状でなく、図8に示すように、平らな環状であってもよい。この場合、上部材22の下側周縁と下部材21の外周側とが重ねられた封止部21aはテント本体2の外周側に張り出した形状とすることができ、上部材22と下部材21との一体化が容易になる。
【0050】
また、実施例1においては、エアコンディショナ5が冷風発生装置、温風発生装置、マイナスイオン発生装置及び酸素供給装置を兼ねているが、各装置は、単体で室内に設置されていてもよいし、ブロア32と一体にされていてもかまわない。
【0051】
また、実施例1においては、ブロア32は、屋内用テント2の外部に配置され、フレキシブルホース33を経由してテント本体2に接続されているが、ブロア32はテント本体2内に設置されてもよい。この場合には、屋内用テント2の設置面積が小さくなり、小さな部屋の中でも屋内用テント2が設置可能となるとともに、使用者100の近くにブロア32が設置されるので、リモコン等の付属機器がなくても、簡単にブロア32の送風量調整等の操作を実施することができる。また、この場合、テント本体2の下部材21の上にブロア32を配置すれば、テント本体2の位置を固定したり、浮き上がりを防止する重しとすることができる。
【0052】
また、屋内用テント2を板製の床91上に設けず、畳や絨毯の上に設けることもできる。さらに、この屋内用テント2において、テント本体2の中にマッサージチェア4、ソファー、ベッド等を設置することを例としてあげたが、これらに限定されるものではなく、使用者100がくつろぐために使用するものであれば、どのようなものでもかまわない。例えば、座椅子、クッション、座布団、布団、畳、絨毯等の小さなものであってもかまわない。また、これらとともにテレビ、オーディオ機器等を空間内に設けることもできる。なお、座布団や小さな絨毯によって空間からの空気の漏れを防止することも可能である。
【0053】
また、この屋内用テント2において、上部材22を折り畳み可能な膜材から立体縫製する際に、縫い糸として光を蓄えて暗闇で光る糸(例:商品名「蓄光糸」、発売元:バイリーンクリエイト)を用いることが可能である。この場合には、テント本体2の内部を暗くすると、上部材22の立体縫製ラインに沿ってこの縫い糸が発光し、幻想的な空間を得ることができる。
【0054】
また、この屋内用テント2において、透光窓24にフィルム製のマジックミラーを設けることもできる。この場合には、例えば、外から内部を覗くことを防止しつつ、屋内用テント2に近づく人を中の人が確認することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は屋内用テントに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1の屋内用テントの上面図である。
【図2】実施例1の屋内用テントの側面図である。
【図3】実施例1の屋内用テントの断面図である。
【図4】実施例1の屋内用テントの要部拡大断面図である。
【図5】実施例1の屋内用テントの設置する前の室内の状態を示す図である。
【図6】実施例1の屋内用テントに係り、テント本体の変形例の概略斜視図である。
【図7】実施例1の屋内用テントに係り、テント本体の変形例の概略斜視図である。
【図8】変形例の屋内用テントの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…屋内用テント
2…テント本体
3…送風手段
5…エアコンディショナ(冷風発生装置、温風発生装置、マイナスイオン発生装置及び酸素供給装置)
21…下部材
22…上部材
32…ブロア
33…ホース(フレキシブルホース)
211…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に単一の開口を有して環状に形成された下部材と、該下部材の外周側に封止状態で一体に設けられ、内部が少なくとも空気により加圧されることにより、一人が入る空間を維持可能な上部材とからなり、該下部材及び該上部材が折り畳み可能な膜材からなるテント本体と、
該テント本体内に空気を送風可能な送風手段とを備え、
屋内の床上に該下部材を載置した状態で、該送風手段によって該テント本体の内部に空気を送風することにより、該上部材が該空間を維持できるようにされていることを特徴とする屋内用テント。
【請求項2】
前記下部材及び前記上部材はフレームを有さないことを特徴とする請求項1記載の屋内用テント。
【請求項3】
前記上部材は光を透す透光窓を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の屋内用テント。
【請求項4】
前記送風手段は、ブロアと、該ブロアの下流側に接続されて前記テント本体内に接続されるホースとを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の屋内用テント。
【請求項5】
前記送風手段は、冷風を発生させる冷風発生装置、温風を発生させる温風発生装置、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生装置及び酸素を発生させる酸素供給装置の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の屋内用テント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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