説明

屋内空気浄化システム、屋内空気浄化条件決定端末、及び屋内空気浄化プログラム

【課題】 建物の屋内環境に応じた揮発性有機化学物質(VOC)の除去を実現する。
【解決手段】 屋内空気中のVOCの濃度を測定する測定装置10aと、測定装置から入力したVOCの濃度を通信回線を介して屋内空気浄化条件決定端末に送信するユーザ端末10と、VOCごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段,高機能観葉植物によるVOCごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段を備え、ユーザ端末から受信したVOCの濃度と、安全指針記憶手段におけるその安全基準濃度とを比較し、低減すべきVOC濃度の割合を算出し、算出した濃度の割合にもとづいて揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を植物情報記憶手段から抽出するとともに、当該高機能観葉植物の量を計算し、当該高機能観葉植物の種類と量及び施工部の型情報を保有する施工パターンを決定する屋内空気浄化条件決定端末20とを有する屋内空気浄化システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内空気における低減させるべき揮発性化学物質濃度を算出して、その除去能力を有する高機能観葉植物の施工パターンを決定するとともに、施工に必要な費用を負担する寄付者を自動的に募り、さらに寄付者の効果的な表示を行う屋内空気浄化システム、屋内空気浄化条件決定端末、及び屋内空気浄化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の高気密化に伴い、いわゆるシックビル症候群という現象が注目されている。シックビル症候群とは、主に屋内の空気中の揮発性有機化学物質(VOC:Volatile Organic Compounds)により惹き起こされる、アレルギー症状や喘息、目・鼻・喉の炎症、疲労感、頭痛、神経障害その他の症状をいう。
【0003】
このシックビル症候群を惹き起こす揮発性有機化学物質としては、例えば、ホルムアルデヒド、キシレン、トルエン、ベンゼン、トリクロロエチレン、クロロホルム、アンモニア、アルコール、アセトンといった物質が挙げられる。そして、ホルムアルデヒドをはじめとするこれら揮発性有機化学物質は、施工直後の内装材やファクシミリなどの電気製品から発生しやすいことが知られている。
【0004】
このような屋内空気中の揮発性有機化学物質の除去方法として、光触媒などを用いた方法がある。この光触媒を用いた揮発性有機化学物質の除去方法では、光触媒をコーティングした材料を用いて建物を建築したり、あるいは建築済みの建物の壁に光触媒をコーティングするという改修工事を行うことが広く行われている。
しかし、このような光触媒を用いた方法は、建物自体に対する大規模な工事を必要とするものであり、既存の施設をそのまま有効に利用可能とするものではなかった。
【0005】
そこで、屋内空気中の揮発性有機化学物質を効率的に除去可能とすべく、本発明の出願人によりこのような問題を解決し得る高機能観葉植物の寄せ植えが提案されている(特許文献1参照)。すなわち、この発明では、一定の観葉植物には、それぞれ特定の揮発性有機化学物質を除去する能力が見られることから、これらの観葉植物を空気清浄装置として用いた寄せ植えが提案されている。
【0006】
このような高機能観葉植物の寄せ植えを用いて、揮発性有機化学物質を除去すれば、建物における既存のスペースを有効利用でき、改修工事などを行う必要はない。このため、光触媒を用いた従来の方法と比較すると安価に実現することが可能である。
また、このような高機能観葉植物を用いた揮発性有機化学物質の除去方法は、従来の光触媒のような化学物質を用いた除去方法に比べ、より高い安全性を備えていると考えることができる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−290557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの従来の技術では、除去すべき揮発性有機化学物質の濃度などに応じて、適切な対処を行うことができないという問題があった。すなわち、低減すべき揮発性有機化学物質濃度は、建物ごとに個別に異なるものであるが、これに対応させた最適な除去を行うことはできなかった。この点においては、建物を光触媒を用いて改修する場合も、建物に高機能観葉植物の寄せ植えを設置する場合も同様であった。
【0009】
また、いずれの場合も、施工デザインは、建物ごとに別個に実施されるものであり、定型的な施工パターンを自動的に決定するといった概念は存在しなかった。
さらに、除去すべき揮発性有機化学物質の濃度などに応じた適切な施工パターンの決定から寄付者の募集に至るまでの施工の実施に必要な一連の処理を実現する技術は従来存在しなかった。
【0010】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、揮発性有機化学物質の安全指針と屋内空気の揮発性有機化学物質濃度にもとづき低減すべき揮発性有機化学物質の濃度を算出して、その低減を実現可能な高機能観葉植物の種類と量及びその施工パターンを決定するとともに、その施工費用を負担する寄付者を自動的に募り、さらに寄付者を効果的に表彰可能な屋内空気浄化システム、屋内空気浄化条件決定端末、及び屋内空気浄化プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化システムであって、屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置と、測定装置から入力した揮発性化学物質の濃度を通信回線を介して屋内空気浄化条件決定端末に送信するユーザ端末と、揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段,高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段を備え、ユーザ端末から受信した揮発性化学物質の濃度と、安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき揮発性化学物質濃度の割合を算出し、算出した濃度の割合にもとづいて揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を植物情報記憶手段から抽出するとともに、当該高機能観葉植物の量を計算し、この高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する屋内空気浄化条件決定端末とを有する構成としてある。
【0012】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、施設ごとにその屋内における低減すべき揮発性有機化学物質濃度を自動的に把握できるとともに、この揮発性有機化学物質濃度の低減を行うことの可能な高機能観葉植物の種類と量を自動的に特定することもできる。
このため、従来行うことができなかった、低減すべき揮発性有機化学物質濃度に明確に対応付けた高機能観葉植物の植え込みの施工を行うことが可能となる。
【0013】
なお、「高機能観葉植物の種類」とは、例えばスパティフィラムやゴールドポトス、アレカヤシなどといった植物の種類名情報等を意味し、「高機能観葉植物の量」とは、例えば大鉢・2個や中鉢・3個、小鉢・4個といった植物を植え込みする鉢のサイズ情報、及びその鉢の個数情報等の植物量を特定する情報を意味する。
【0014】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末が、施工パターンの決定にあたり、高機能観葉植物の配置形状を特定する配置型情報を施工パターンに含めて決定を行う構成としてある。
【0015】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、予め種々の配置型情報を屋内空気浄化条件決定端末に記憶させておき、必要な高機能観葉植物の種類と量、及び配置型情報を保有する施工パターンを自動的に決定することも可能となる。
このため、従来は各建物ごとにデザインしていた施工パターンを容易に決定することができ、高機能観葉植物の植え込みの施工を適切かつ容易に実現することが可能となる。
なお、「高機能観葉植物の配置の形状」とは、例えばI型、L型、コ型、□型、○型、△型などといった植物を配置する並べ方の形状を意味する。
【0016】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末が、施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき施工パターンを決定する構成としてある。
【0017】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、施工者は、自動的に決定した施工パターンを参照して、これを確認することができるとともに、その内容を修正したい場合には、選択入力を行うことで、容易にその決定内容を変更することができる。
このため、屋内空気浄化システムをより使いやすいものとすることができる。なお、施工パターンの選択は、施工パターンにおける高機能観葉植物の種類、量、配置型のすべてをセットで選択可能とするのみならず、各要素ごとに選択可能なものとすることができることは言うまでもない。
【0018】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末が、高機能観葉植物の種類ごとに施工金額情報を保有する単価記憶手段を備え、施工パターンにおける高機能観葉植物の種類と量、及び施工金額情報にもとづき施工費用を算出する構成としてある。
【0019】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、決定した施工パターンにもとづいて、自動的に施工費用を算出することができる。
このため、低減すべき揮発性有機化学物質濃度の算出から施工費用の算出までの一連の処理をまとめて実行することができる。
【0020】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末が、高機能観葉植物の植え込みの施工費用を負担する寄付者ごとの最大可能寄付金額を保有する寄付者記憶手段を備え、最大可能寄付金額の合計が施工費用以上となるように寄付者記憶手段から寄付候補者を抽出し、抽出した寄付候補者ごとの寄付口数を算出する構成としてある。
【0021】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、高機能観葉植物の植え込みの施工費用を負担する寄付者の候補を予め登録しておくことができ、寄付者を所定の基準にもとづき自動的に抽出して、それぞれの寄付口数を算出することができる。
【0022】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、寄付者記憶手段が寄付者ごとの電子メールアドレスを保有し、屋内空気浄化条件決定端末が、各寄付候補者の電子メールアドレスを寄付者記憶手段から抽出して、寄付候補者ごとに、それぞれ対応する寄付口数を記載した寄付依頼メールを生成し、当該寄付依頼メールを電子メールアドレス宛に送信する構成としてある。
【0023】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、高機能観葉植物の植え込みに必要な施工費用の寄付者の募集を、低減すべき揮発性有機化学物質濃度の算出から一連の処理として、自動的に実行することが可能となる。
【0024】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末に通信回線を介して接続され、寄付者により使用される寄付者端末を備え、屋内空気浄化条件決定端末が、寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、施工費用に満たない場合、施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき施工パターンを、施工費用が寄付金額以下になるように再決定する構成としてある。
【0025】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、寄付者端末から送信されてきた合計寄付金額が、施工費用を下回る場合には、その合計寄付金額に見合う施工パターンを、屋内空気浄化条件決定端末に選択入力することで、施工内容の変更を容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、屋内空気浄化条件決定端末に通信回線を介して接続され、寄付者により使用される寄付者端末を備え、屋内空気浄化条件決定端末が、寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、施工費用に満たない場合、最大可能寄付金額の合計が施工費用以上となるように寄付者記憶手段から寄付候補者を再度抽出して寄付候補者ごとの寄付口数を算出し、寄付依頼メールを生成して各寄付候補者の電子メールアドレス宛に送信し、寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、施工費用に満たない場合、施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき施工パターンを、施工費用が寄付金額の合計以下になるように再決定する構成としてある。
【0027】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、寄付者端末から送信されてきた合計寄付金額が、施工費用を下回る場合には、自動的に再度の寄付を募り、それでも合計寄付金額が、施工費用を下回る場合に、施工内容の見直しを図ることができる。
このため、例えば一回目に募集対象とした寄付者とは異なる寄付者に対して募集を行うことで、寄付金額の増加を期することが可能となる。勿論、このような動作を所定回数繰り返すことも可能である。
【0028】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、高機能観葉植物の植え込みに寄付者表示手段を設け、寄付者に関する情報を当該寄付者表示手段に表示させる構成としてある。
【0029】
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、寄付者にとっては、環境改善に取り組んでいる姿勢を不特定多数の人に積極的にアピールすることができ、企業イメージ等の向上を図ることができる。
なお、寄付者に関する情報としては、例えば企業名や企業のキャッチフレーズ等とすることができる。
【0030】
また、本発明の屋内空気浄化システムは、高機能観葉植物として、少なくとも、ボストンタマシダ、ポットマム、ガーベラ、シンノウヤシ、アオワーネッキー、カマエドレア・ザイフリッツィー、ネフロレピス・オブリテラータ、インドゴムノキ、セイヨウキヅタ、ベンジャミンゴムノキ、スパティフィラム、アレカヤシ、ドラセナ・フラグランス「マッサンゲアナ」・カンノンチク、ブラッサイア・アクティノフィラ、ベニフクリン・センネンボク、ドラセナ「ウォーネッキー」、コヤブラン、デンドロビウム、ディフェンバキア「エキゾチカ・コンパクタ」、チューリップ、フィクス・アリイ、ホマロメナ・バリシー、テーブルヤシ、アザレア、アクラオネマ「シルバー・クイーン」、ナカフオリヅルラン、矮性バナナ、フィロデンドロン・エルベスケンス、ディフェンバキア「カミーラ」、フィロデンドロン・ドメスティクム、ポトス、シマナンヨウスギ、ベゴニア・センパ・フローレンス、マランタ・レウコネウラ「ケルショビアナ」、シッサス・ロンビフォリア「エレン・ダニカ」、クリスマス・カクタス、フィロデンドロン・セロウム、シンゴニウム、ヒメカズラ、アンスリウム、カラテア、ポインセチア、シクラメン、ファレノプシス、エクメア・ファスキアタ、クロトン、サンセベリア・トリファスキアタ、アロエ・ベラ、又は、カランコエのうちの一又は二以上を用いた構成としてある。
【0031】
これらの観葉植物は、揮発性有機化学物質を除去する機能が高い観葉植物として、「B.C.ウォルヴァートン著、「エコ・プラント」平成10年4月10日、主婦の友社刊」に記載されている植物である。
屋内空気浄化システムをこのような構成にすれば、高機能観葉植物として効果の高い最適な観葉植物の植え込みを施工することが可能となる。
【0032】
また、本発明の屋内空気浄化条件決定端末は、屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化条件決定端末であって、揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段と、高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段と、屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置により測定され、当該測定装置を接続するユーザ端末から通信回線を介して送信されてきた揮発性化学物質の濃度を受信する送受信手段と、揮発性化学物質の濃度と、安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき揮発性化学物質濃度の割合を算出する除去能力計算手段と、算出した濃度の割合にもとづいて揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を植物情報記憶手段から抽出する植物種類抽出手段と、抽出された高機能観葉植物の量を計算するとともに、当該高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する施工パターン決定部とを備えた構成としてある。
【0033】
また、本発明の屋内空気浄化プログラムは、屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化プログラムであって、屋内空気浄化条件決定端末を、揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段、高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段、屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置により測定され、当該測定装置を接続するユーザ端末から通信回線を介して送信されてきた揮発性化学物質の濃度を受信する送受信手段、揮発性化学物質の濃度と、安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき揮発性化学物質濃度の割合を算出する除去能力計算手段、算出した濃度の割合にもとづいて揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を植物情報記憶手段から抽出する植物種類抽出手段、抽出された高機能観葉植物の量を計算するとともに、当該高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する施工パターン決定手段として機能させる構成としてある。
【0034】
屋内空気浄化条件決定端末及び屋内空気浄化プログラムをこれらのような構成にすれば、屋内空気浄化条件決定端末に、測定装置から入力した揮発性有機化学物質濃度と、予め登録してある揮発性有機化学物質ごとの安全基準濃度にもとづいて、低減すべき揮発性有機化学物質濃度を算出させることができる。また、算出された低減すべき濃度の割合に応じた適切な植物ボリューム及びその施工パターンを決定することができ、また施工に必要な費用の寄付者を募ることができる。
このため、配置型を含む適切な施工パターンを容易に決定することができるとともに、建物に応じた最適な揮発性有機化学物質の除去を実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、揮発性有機化学物質の安全指針と屋内空気の揮発性有機化学物質濃度にもとづき低減すべき揮発性有機化学物質の濃度を算出でき、その低減を実現可能な高機能観葉植物の種類と量及び配置型を含むその施工パターンを決定することができる。また、施工費用を負担する寄付者を自動的に募ることができるとともに、寄付者を効果的に表彰することもできる。
このため、建物に応じた最適な揮発性有機化学物質の除去を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明に係る屋内空気浄化システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明の屋内空気浄化システムは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。すなわち、屋内空気浄化条件決定端末としてのコンピュータのCPUは、屋内空気浄化プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、屋内空気浄化条件決定端末の動作に必要となる所定の処理、例えば、測定データの受信処理、低減すべきVOC濃度割合の算出処理、VOC濃度割合に見合う植物種類の抽出、及び施工パターンの決定処理等を行わせる。このように、本発明の屋内空気浄化システムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
【0037】
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0038】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態の構成について、図1〜図10を参照して説明する。図1は、本実施形態の屋内空気浄化システムの構成を示すブロック図である。図2は、同システムにおける屋内空気浄化サーバの構成を示すブロック図である。図3は、同システムにおけるマスターファイルの構成を示す図である。図4は、同システムにおけるイベントファイルの構成を示す図である。図5は、同システムにおけるデータ解析部の構成を示すブロック図である。図6は、同システムにおける測定ポイントを説明するための図である。図7は、同システムにおける安全指針を示す図である。図8は、同システムにおける高機能観葉植物の揮発性有機化学物質除去能力を示す図である。図9は、同システムにおける施設部位に対する配置型及び鉢の比率を示す図である。図10は、同システムにおける施工パターン決定画面を示す図である。
【0039】
図1に示すように、本実施形態の屋内空気浄化システムは、ユーザ端末10、測定装置10a、屋内空気浄化条件決定端末20、寄付者端末30(30−1〜30−n)、及び通信回線40を有している。
ユーザ端末10は、屋内における揮発性有機化学物質の濃度を測定する測定装置10aを接続することができ、この測定装置10aから測定データを受信するとともに、受信した測定データを通信回線40を介して屋内空気浄化条件決定端末20に送信する。このユーザ端末10としては、例えばパーソナルコンピュータや、携帯電話機、PHS、PDA等を用いることができる。
【0040】
測定装置10aは、揮発性化学物質の濃度を測定するための装置であり、種々のものを用いることができる。例えば、ホルムアルデヒドや、トルエン、キシレンなどの揮発性有機化学物質それぞれについての空気中濃度を測定可能なものや、各種揮発性有機化学物質の混合濃度(TotalVOC)を測定可能なものを用いることができる。
本発明では、特に厚生労働省により安全指針が定められている各揮発性有機化学物質を測定可能な装置を使用することを想定している。測定対象の揮発性有機化学物質は、測定セルを交換すること等により選択することができ、ユーザ端末10は、受信した測定データ、及び入力された当該測定データに係る揮発性有機化学物質、及び施設、施工部等の識別情報を、通信回線40を介して屋内空気浄化条件決定端末20に送信する。
【0041】
屋内空気浄化条件決定端末20は、測定装置10aにより測定され、ユーザ端末10から通信回線40を介して受信した屋内空気の揮発性有機化学物質濃度と、揮発性有機化学物質の安全指針にもとづき低減すべき揮発性有機化学物質の濃度を算出する。また、算出した揮発性有機化学物質の濃度低減を行うことの可能な高機能観葉植物の種類と量及び配置型を含むその施工パターンを決定する。さらに、施工費用を負担する寄付者を自動的に募るとともに、決定した寄付者、及び施主へのレポートを出力する。この屋内空気浄化条件決定端末20としては、例えばワークステーションやサーバ、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
【0042】
屋内空気浄化条件決定端末20は、図2に示すように、施設マスターDB20−1,VOC安全指針マスターDB20−2,エコ植物マスターDB20−3,施設部位別配置型マスターDB20−4,施工部材単価マスターDB20−5,寄付者マスターDB20−6,測定データDB20−7,施工一次中間モデルDB20−8,施工一次モデルDB20−9,寄付依頼口数DB20−10,寄付依頼確定口数DB20−11,施工最終モデルDB20−12,送受信部20−13,データ解析部20−14,寄付願い通知部20−15,VOC除去能力判定部20−16,再施工パターン決定部20−17,寄付者出力部20−18を備えている。
【0043】
施設マスターDB20−1は、変化する頻度が低い情報を登録しておき、参照して利用可能とするためのマスターファイルの記憶手段であり、揮発性有機化学物質の測定を行う施設についての各種情報を保有する施設情報記憶手段である。この施設マスターDB20−1には、図3(a)に示すように、例えば施設を一意に識別する施設コード,施設の名称,施設の用途,築年数,延面積,施主名,各階のフロア面積,空調方式,メールアドレス,電話番号,住所等の情報を保有させることができる。
【0044】
VOC安全指針マスターDB20−2は、マスターファイルの記憶手段であり、厚生労働省などにより規定される揮発性有機化学物質の安全指針情報を保有する安全指針記憶手段である。このVOC安全指針マスターDB20−2には、図3(b)に示すように、例えば揮発性有機化学物質を一意に識別する物質コード,揮発性有機化学物質の名称,毒性指標としての安全基準値(ppm)等の情報を保有させることができる。
【0045】
エコ植物マスターDB20−3は、マスターファイルの記憶手段であり、高機能観葉植物ごとのVOC除去能力情報を保有する植物情報記憶手段である。このエコ植物マスターDB20−3には、図3(c)に示すように、例えば高機能観葉植物を一意に識別する植物コード,VOC除去能力,特定区分,鉢サイズコード等の情報を保有させることができる。ここで、VOC除去能力とは、例えば1立方メートル当りに大鉢2個分に相当する量の高機能観葉植物を24時間設置した場合に低減される揮発性有機化学物質の濃度を表わすものとすることができる。また、特定区分とは、栽培や管理の容易さ、害虫抵抗力、蒸散作用率等を示す項目であり、鉢サイズコードは、鉢の大,中,小等を識別するためのコードである。
【0046】
また、高機能観葉植物としては、具体的には揮発性有機化学物質を除去する機能が高い観葉植物として、「B.C.ウォルヴァートン著、「エコ・プラント」平成10年4月10日、主婦の友社刊」に記載されている、ボストンタマシダ、ポットマム、ガーベラ、シンノウヤシ、アオワーネッキー、カマエドレア・ザイフリッツィー、ネフロレピス・オブリテラータ、インドゴムノキ、セイヨウキヅタ、ベンジャミンゴムノキ、スパティフィラム、アレカヤシ、ドラセナ・フラグランス「マッサンゲアナ」・カンノンチク、ブラッサイア・アクティノフィラ、ベニフクリン・センネンボク、ドラセナ「ウォーネッキー」、コヤブラン、デンドロビウム、ディフェンバキア「エキゾチカ・コンパクタ」、チューリップ、フィクス・アリイ、ホマロメナ・バリシー、テーブルヤシ、アザレア、アクラオネマ「シルバー・クイーン」、ナカフオリヅルラン、矮性バナナ、フィロデンドロン・エルベスケンス、ディフェンバキア「カミーラ」、フィロデンドロン・ドメスティクム、ポトス、シマナンヨウスギ、ベゴニア・センパ・フローレンス、マランタ・レウコネウラ「ケルショビアナ」、シッサス・ロンビフォリア「エレン・ダニカ」、クリスマス・カクタス、フィロデンドロン・セロウム、シンゴニウム、ヒメカズラ、アンスリウム、カラテア、ポインセチア、シクラメン、ファレノプシス、エクメア・ファスキアタ、クロトン、サンセベリア・トリファスキアタ、アロエ・ベラ、又は、カランコエのうちの一又は二以上を用いることが好ましい。
【0047】
施設部位別配置型マスターDB20−4は、マスターファイル記憶手段であり、揮発性有機化学物質の測定を行う施設における施設部位についての配置型等を保有する施設部位別配置型情報記憶手段である。
この施設部位別配置型マスターDB20−4には、図3(d)に示すように、例えば施設部位を識別するための施設部位コード,夏季や冬季など施設部位の利用される季節が限定される場合などにこれを識別する季節コード,エントランスや密閉空間など施設部位の用途,1Fや2F等施設部位の位置を特定する施工部コード,施設部位の面積,施設部位ごとに鉢の並べ型の形状を特定する配置型,施設部位ごとにサイズの異なる鉢の組合せの割合を特定する鉢合せ情報,施設部位の色を識別するカラーコード等の情報を保有させることができる。ここで、施設部位とは、病院やデパート、ホテル、学校、オフィス等ごとのロビーや廊下、部屋などを特定するものであり、施設部位別配置型マスターDB20−4においては、これらの施設部位ごとに配置型等を記憶させることができる。
【0048】
施工部材単価マスターDB20−5は、マスターファイルの記憶手段であり、施工部材ごとの単価情報を保有する単価記憶手段である。この施工部材単価マスターDB20−5には、図3(e)に示すように、例えば施工部材を識別する施工部材コード,鉢サイズコード,カラーコード,エコド(活性炭配合土:登録商標)配合コード,付帯部材コード,単価等の情報を保有させることができる。ここで、施工部材コードは、例えば植物コードに対応したコードとすることができ、この植物コードに加えて、鉢のサイズや色、エコド(登録商標)の配合割合等にもとづき単価が規定されている。付帯部材とは、例えば植え込みのカバーなどの付随的部材を意味する。
【0049】
寄付者マスターDB20−6は、マスターファイルの記憶手段であり、寄付者に関する情報を保有する寄付者記憶手段である。この寄付者マスターDB20−6には、図3(f)に示すように、例えば寄付者を識別する寄付者コード,個人・法人別コード,名称,住所,電話番号,メールアドレス,最大可能寄付金額,寄付履歴等の情報を保有させることができる。ここで、寄付履歴とは、過去の寄付年月日,寄付金額,寄付対象施設コード等からなる情報とすることができる。
【0050】
測定データDB20−7は、頻繁にデータへの更新が行われるイベントファイルの記憶手段であり、揮発性有機化学物質の測定値を記憶する測定データ記憶手段である。この測定データDB20−7には、図4(g)に示すように、例えば施設コード,施工部コード,物質コード,VOC測定値(ppm),測定平均値(ppm)等の情報を保有させることができる。ここで、物質コードとは、ホルムアルデヒド,トルエン,キシレンといった揮発性有機化学物質を識別するための情報である。VOC測定値とは、それぞれの揮発性有機化学物質の空気中濃度を示す情報である。測定平均値とは、複数の測定ポイントにおけるVOC測定値の平均を示す情報である。測定平均値は、VOC測定値を保有するレコードとは、別個のレコードとして保有させるようにすることができる。
【0051】
施工一次中間モデルDB20−8は、イベントファイルの記憶手段であり、施設ごとの施工パターンを記憶する施工一次中間モデル記憶手段である。この施工一次中間モデルDB20−8には、図4(h)に示すように、例えば施設コード,施工部コード,施工パターン等の情報を保有させることができる。
【0052】
施工一次モデルDB20−9は、イベントファイルの記憶手段であり、施設ごとの施工パターン及び総工事費を記憶する施工一次モデル記憶手段である。この施工一次モデルDB20−9には、図4(i)に示すように、例えば施設コード,施工部コード,施工パターン,総工事費等の情報を保有させることができる。
【0053】
寄付依頼口数DB20−10は、イベントファイルの記憶手段であり、施設ごとの寄付者とその寄付口数を記憶する寄付依頼口数記憶手段である。この寄付依頼口数DB20−10には、図4(j)に示すように、例えば施設コード,寄付者コード,口数等の情報を保有させることができる。
【0054】
寄付依頼確定口数DB20−11は、イベントファイルの記憶手段であり、施設ごとに確定した寄付者とその寄付口数を記憶する寄付依頼確定口数記憶手段である。この寄付依頼確定口数DB20−11には、図4(k)に示すように、例えば施設コード,寄付者コード,口数等の情報を保有させることができる。
【0055】
施工最終モデルDB20−12は、イベントファイルの記憶手段であり、施設ごとに最終決定した施工パターン及び総工事費を記憶する施工最終モデル記憶手段である。この施工最終モデルDB20−12には、図4(l)に示すように、例えば施設コード,施工部コード,施工パターン,総工事費等の情報を保有させることができる。
【0056】
送受信部20−13は、測定装置10aにより測定されたVOC測定データをユーザ端末10から通信回線40を介して受信し、測定データDB20−7に格納する送受信手段である。また、送受信部20−13は、生成された寄付願いを寄付者端末30に送信するとともに、寄付者端末30から引き受け口数データ等を受信して、寄付依頼確定口数DB20−11に登録する。さらに、生成された寄付者への礼状や、寄付者へのVOCレポート、施主へのレポート等をそれぞれの電子メールアドレス宛に送信する。
【0057】
データ解析部20−14は、VOC測定データを解析して、低減すべきVOC濃度を算出するとともに、測定対象である施設に適切な植物の種類と量、及び配置型を含む施工パターンを決定し、施工費用と寄付者口数を算出するデータ解析手段である。
このデータ解析部20−14は、図5に示すように、一次計算部20−14a,施工部底面積取得部20−14b,VOC除去能力計算部20−14c,植物種類抽出部20−14d,施工パターン決定部20−14e,施工費用計算部20−14f,寄付者口数計算部20−14gを備えている。
【0058】
一次計算部20−14aは、入力したVOC測定データについて、揮発性有機化学物質ごとに平均値を算出して測定データDB20−7に格納する一次計算手段である。
また、一次計算部20−14aは、VOCを複数の異なる測定装置10aで測定した場合であって、それぞれの測定値の単位などが異なるために、換算が必要な場合には、これらを統一するための標準化処理を行ってから、平均値を算出することができる。
【0059】
施工部底面積取得部20−14bは、施設マスターから施工部の底面積を取得する施工部底面積取得手段である。このとき、施工部底面積取得部20−14bは、VOC測定データとともに、ユーザ端末10から屋内空気浄化条件決定端末20に送信されてきた施設コード及び施工部情報(本実施形態においては、階を表わすものとしている。)にもとづいて、該当するフロア面積を取得する。
なお、施工部の床面積を施設の空間の容積に換算して、VOCの低減すべき濃度割合の算出に使用するようにすることもできる。このとき、高さを一定の値と想定し、容積は底面積に比例するものとして換算することができる。例えば、高さを一律1mとして、施工部の延面積に掛けることによって、容積を得るようにすることもできる。
【0060】
VOC除去能力計算部20−14cは、測定された揮発性有機化学物質について、その濃度を安全指針にまで引き下げるために必要な濃度の割合を算出するVOC除去能力計算手段である。
この算出方法について、VOCの測定の具体例を用いて図6を参照して説明する。
【0061】
まず、同図に示すように、底面を所定数のブロックに等分し、それぞれのブロックごとに同数の測定ポイントを設定して、揮発性有機化学物質の濃度の測定を行う。例えば、底面が9m四方であれば、これを3m×3mの9ブロックにして、各ブロックごとに9箇所の位置におけるVOCを測定することができる。この場合、平均して1m四方単位で全体で81の測定ポイントにおいて測定することになる。測定する高さとしては、おおよそ平均的な人の膝から顔のあたりの位置とすることが好ましい。
【0062】
そして、一次計算部20−14aにより81の測定ポイントにおけるVOC測定データの平均値が算出される。本実施形態においては、VOCとしてホルムアルデヒドだけを測定するものとし、測定データの平均値が0.2ppmであったとする。
VOC除去能力計算部20−14cは、測定データDB20−7からこの測定データの平均値を取得する。また、VOC安全指針マスターDB20−2からホルムアルデヒドの毒性指標の安全基準値を取得する。本実施形態においては、図7のように、ホルムアルデヒドの安全基準値(許容濃度)は、0.08ppmであったとしている。
【0063】
このとき、VOC除去能力計算部20−14cは、低減すべきVOCの濃度割合として、24時間で低減すべきVOC濃度の割合を算出する。この場合、0.2ppmを0.08ppmまで引き下げる必要があることから、((0.2−0.08)/0.2)×100=60%を、現在の濃度から低減する必要のあるホルムアルデヒドの濃度割合として算出する。
【0064】
植物種類抽出部20−14dは、算出されたVOCの濃度割合を低減する除去能力をもつ植物の種類を、エコ植物マスターDB20−3から抽出する植物種類抽出手段である。
その具体的抽出方法については、種々の方法とすることができるが、例えば、植物種類抽出部20−14dは、ホルムアルデヒドの除去能力が高い植物から順にレコードを抽出するとともに、これを種々の鉢サイズのレコードが抽出されるまで続行する。そして、抽出したレコードのうち、VOC除去能力が算出された数値以上のものから順に優先して選択する。
【0065】
図8は、3m四方に大鉢(口径約30cm)の場合2個、中鉢(口径約25cm)の場合3個、小鉢(口径約15cm)の場合4個を24時間設定した場合における各高機能観葉植物のVOC除去能力を示す図であり、エコ植物マスターDB20−3に記憶されるデータを明示的に表示したものである。
本実施形態の場合、ホルムアルデヒドの除去能力が80%であるスパティフィラム、70%であるゴールドポトス、60%であるアレカヤシが抽出される。また、スパティフィラムに対しては中鉢、ゴールドポトスに対しては中鉢又は小鉢、アレカヤシに対しては大鉢を用いるという情報もエコ植物マスターDB20−3から抽出される。
【0066】
施工パターン決定部20−14eは、施工部に適用する各種配置型等を決定する施工パターン決定手段である。この配置型としては、図9に示すように、各階の廊下には「I型」又は「L型」、大ルームには、「コ型」,「□型」,「L型」,「I型」、ホールには、「コ型」,「□型」,「L型」,「I型」,「○型」,「△型」等の形状が、あらかじめ施設部位別配置型マスターDB20−4における各施設部位ごとの配置型として登録されている。したがって、施工パターン決定部20−14eは、この施工パターンにおける配置型の決定にあたり、施設部位別配置型マスターDB20−4から施設部位ごとの配置型を抽出して用いることができる。
【0067】
また、施工パターン決定部20−14eは、施設部位別配置型マスターDB20−4における鉢組合せ情報から施設部位ごとに対応する鉢の面積当りの個数の割合を取得することができる。
例えば、図9に示すように、廊下には「大鉢100%」、大ルームには「大鉢10%」,「中鉢40%」,「小鉢50%」、ホールには「大鉢30%」,「中鉢50%」,「小鉢20%」などといった情報を取得することができる。なお、特殊とは、同図の例では予め小さなプランターなどが備え付けられているようなケースを示すものであり、「小鉢100%」という情報が設定されている。
【0068】
そして、施工パターン決定部20−14eは、植物種類抽出部20−14dにより抽出された高機能観葉植物の全部又は一部を用いて施工パターンを決定する。
この際、施工パターン決定部20−14eは、大鉢が設定されている施設部位については、植物種類抽出部20−14dにより大鉢を用いるものとして抽出された高機能観葉植物を適用し、同様に中鉢が設定されている施設部位については、中鉢用の高機能観葉植物を、小鉢が設定されている施設部位については、小鉢用の高機能観葉植物を適用する。
【0069】
例えば、図9に示されるように廊下には大鉢が100%用いられるため、図8に示されるようにホルムアルデヒドの除去能力が高くかつ大鉢に用いられる高機能観葉植物として、アレカヤシが適用される。なお、図8には3m四方に2個の大鉢を設置した場合のデータが示されているため、9m四方では、2個×(9/3)=18により、合計18個分のアレカヤシが必要になる。この場合、ホルムアルデヒドの除去能力は、24時間で60%となり、1日で安全指針を満足する揮発性有機化学物質の除去を実現することができる。
【0070】
また、大ルームであれば、図9の例では、大鉢が10%、中鉢が40%、小鉢が50%となっている。このため、植物種類抽出部20−14dは、エコ植物マスターDB20−3の登録情報が図8に示すようなものである場合、大鉢用の植物種類として「アレカヤシ」を、中鉢用の植物種類として「スパティフィラム」を、小鉢用の植物種類として「ゴールドポトス」をそれぞれ抽出する。
【0071】
そして、施工パターン決定部20−14eは、施設部位の底面積が9m四方であって、上記鉢の比率が面積当りの比率である場合、図8の除去能力を得るために必要な3m当りの設置個数を大鉢2個、中鉢3個、小鉢4個とすると、当該大ルームに必要な大鉢の個数として、2個×(9/3)×0.1(10%)=1.8によりおよそ2個と算出する。また、当該大ルームに必要な中鉢の個数として、3個×(9/3)×0.4(40%)=10.8により、およそ11個と算出する。さらに、当該大ルームに必要な小鉢の個数として、4個×(9/3)×0.5(50%)=18により、18個と算出する。
【0072】
したがって、施工パターン決定部20−14eは、「アレカヤシを大鉢で2個、スパティフィラムを中鉢で11個、ゴールドポトスを小鉢で18個」を必要な揮発性有機化学物質の種類及び量として算出する。この場合、ホルムアルデヒドの除去能力は、24時間で、60%×(2個/2個)/(9/3)+80%×(11個/3個)/(9/3)+70%×(18個/4個)/(9/3)=74.259・・・によりおよそ74%となり、1日未満で安全指針を満足する揮発性有機化学物質の除去を実現することができる。
【0073】
その他除去能力を一層60%に近づけるように特定の高機能観葉植物を除去能力のより劣る高機能観葉植物と交換して再計算し、60%以上であることを確認することなどを行うことで自動的に適用する植物を調整可能とすることもできる。
【0074】
また、施工パターン決定部20−14eは、配置型についても、施設部位別配置型マスターDB20−4における情報にもとづいて決定する。例えば、図9の例では、施設部位「廊下」についての配置型として「I型」と「L型」が存在し、この情報が施設部位別配置型マスターDB20−4における配置型に登録されているが、施工パターン決定部20−14eは、このいずれかを適用する配置型として、ランダム又は所定の基準にもとづき決定することができる。
このようにして、施工パターン決定部20−14eは、決定した高機能観葉植物の種類と量、及び配置型を含む施工パターンを、施工一次中間モデルDB20−8に登録する。
【0075】
さらに、施工パターン決定部20−14eは、決定した施工パターンを図10に示すような「施工パターン決定画面」に出力することができる。これによって、どのような施工パターンが決定されたかを確認することが可能となる。
また、同画面において、施工パターンを設定し直せるようにすることも好ましい。これによって、最終的には人の判断によって、最適な施工パターンに適切に調整することが可能となる。
【0076】
例えば、図10においては、植物の種類や個数、配置型を変更することができるようになっている。
施工パターン決定部20−14eは、変更された内容にもとづき除去能力を再計算する。また、本実施形態の場合はホルムアデヒトの60%の濃度低減を目標としているため、これを下回る場合には、警告画面などを表示して確認した後、変更後の施工パターンを施工一次中間モデルDB20−8に格納する。
【0077】
なお、同画面における「決定」ボタンは、選択入力した変更内容を新たな施工パターンとして決定して上記再計算を行うためのコマンドボタンであり、「最適化」ボタンは、施工パターンを設定し直した後に、再び施工パターン決定部20−14eにより自動的に決定された元の施工パターンを再表示させたい場合に押下することで、これを行うことを可能とするコマンドボタンである。「キャンセル」ボタンは、当該画面による処理をキャンセルするためのボタンである。
【0078】
施工費用計算部20−14fは、施工一次中間モデルDB20−8から施工パターンを取得するとともに、施工部材単価マスターDB20−5から施工部材ごとの単価を抽出して合計し、総工事費を算出する施工費用計算手段である。
例えば、施工費用計算部20−14fは、施工パターンにおける植物の種類及び量にもとづいて、それぞれの単価を抽出し、集計するようにすることができる。
【0079】
寄付者口数計算部20−14gは、総工事費と寄付者マスターDB20−6の登録情報にもとづいて、寄付者口数計算を実行する寄付者口数計算手段である。その方法は、特に限定されないが、例えば一口5万円として、総工事費に見合う口数を算出するとともに、寄付者マスターDB20−6から最大可能寄付金額の合計が総工事費を上回るように、寄付者をランダム又は所定の基準に従って抽出し、それぞれの最大可能寄付金額を一口当りの金額で割ることにより、各寄付候補者当りの口数を算出するようにすることができる。
【0080】
寄付願い通知部20−15は、寄付者への寄付依頼メール等を生成して、これを送受信部20−13から通信回線40を介して寄付者端末30に送信する寄付願い通知手段である。
この寄付依頼メールには、それぞれの寄付者への寄付依頼口数を記載する。
【0081】
VOC除去能力判定部20−16は、寄付者からの寄付引き受け口数データにもとづいて、VOC除去能力に不足がないかを判定するVOC除去能力判定手段である。
例えば、VOC除去能力判定部20−16は、寄付願いの送信から一定期間内に、各寄付者端末30から受信した引き受け口数にもとづき寄付金額を算出し、これが総工事費に達しているかどうかを判定する。
そして、寄付金額が総工事費に達している場合、VOC除去能力判定部20−16は、寄付者出力部20−18を起動する。
一方、寄付金額が不足しているため、VOC除去能力が不足すると想定される場合、VOC除去能力判定部20−16は、再施工パターン決定部20−17を起動する。
【0082】
再施工パターン決定部20−17は、施工一次モデルDB20−9から施工パターンを取得して、図10に示すような施工パターン決定画面を表示し、施工パターンの変更を可能とする再施工パターン決定手段である。この施工パターンの変更内容は、決定ボタンの押下により決定されると、施工一次モデルDB20−9に更新登録される。
【0083】
寄付者出力部20−18は、施工一次モデルDB20−9に格納されている施工パターンを含む施工モデルを、最終的に決定された施工モデルとして、施工最終モデルDB20−12に格納する。そして、この施工最終モデルDB20−12に登録された情報にもとづいて、寄付者及び施主へのレポート出力等を実行する寄付者出力手段である。
すなわち、寄付者出力部20−18は、寄付者への礼状を生成するとともに、VOCレポートを生成し、これらを寄付者端末30に送信する。このVOCレポートは、寄付によってどのVOCがどの程度除去可能な施工が行われるのかについて記載されるものであり、VOCごとの除去能力が記載される。
【0084】
また、寄付者出力部20−18は、施主へのレポートを生成して、施主の電子メールアドレス宛にレポートを送信する。このレポートには、寄付者へのVOCレポートの内容に加え、寄付者についての情報(例えば、スポンサー一覧)を付加したものとすることができる。
なお、寄付者及び施主の電子メールアドレスは、それぞれ寄付者マスターDB20−6、施設マスターDB20−1から取得することができる。
【0085】
また、寄付者出力部20−18は、寄付者の名称やキャッチフレーズ等を、高機能観葉植物の植え込みに設けられ、屋内空気浄化条件決定端末20に接続された電子掲示板などの寄付者表示手段に表示することもできる。この電子掲示板の種類は特に限定されないが、例えば有機EL(electroluminescence)を用いた液晶ディスプレイなどを用いることができる。もちろん、このような表示を屋内空気浄化条件決定端末20に接続されない別個の表示板に掲載することも可能である。
【0086】
寄付者端末30は、寄付者により使用される情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機、PHS等を使用することができる。
この寄付者端末30は、屋内空気浄化条件決定端末20から寄付願い通知を受信するとともに、寄付引き受け口数を屋内空気浄化条件決定端末20に送信することができる。また、屋内空気浄化条件決定端末20から寄付者として登録したことを示すメールや、礼状、VOCレポート等を受信することができる。
【0087】
通信回線40は、従来公知の任意好適な公衆回線、商業回線又は専用回線を用いることができる。またユーザ端末10,屋内空気浄化条件決定端末20,寄付者端末30のそれぞれの間においては、同一又は別個の通信回線で構成することができる。
さらに、通信回線40は、ユーザ端末10,屋内空気浄化条件決定端末20,寄付者端末30のそれぞれの間を、無線あるいは有線で接続可能な回線であり、例えば、公衆回線網、専用回線網、インターネット回線網及びイントラネット網により構成することができる。
【0088】
次に、本実施形態の屋内空気浄化システムにおける処理手順について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態の屋内空気浄化システムにおける処理手順を示す動作手順図である。
まず、VOCの測定対象とする施設において、測定装置10aにより、VOCを測定する(ステップ10)。この測定装置10aによるVOCの測定方法としては、特に限定されないが、例えば測定したいガスを吸引(サンプリング)して、測定装置10aにおける測定セルに導入し、吸引したガスに紫外線を照射して電流を検出することにより行うことができる。
【0089】
すなわち、吸引ガスに紫外線を照射すると、ガス中のVOCはその物理的性質(イオン化ポテンシャル)に応じてイオン化され、そのイオンを電極で補足することにより、VOC濃度に比例した検出電流を得ることができる。
この検出電流をデジタルデータに変換し、アダプター又はケーブルを介して携帯電話機などのユーザ端末10に変換したデータを送信する(ステップ11)。
【0090】
測定データを受信したユーザ端末10は、このデータを通信回線40を介して、さらに遠隔地などにあるコンピュータの屋内空気浄化条件決定端末20に転送する(ステップ12)。
【0091】
測定データを受信した屋内空気浄化条件決定端末20は、専用の屋内空気浄化プログラムによって、そのデータ解析を実行する(ステップ13)。
そして、解析結果にもとづいて、予め登録してある寄付者宛に寄付のオファーの電子メールを自動配信する(ステップ14)。
【0092】
これに対して、寄付者は、寄付者端末30により、例えば屋内空気浄化条件決定端末20が提供するWebサイトにおいて表示されている寄付口数をクリック等することで、引き受け口数データを屋内空気浄化条件決定端末20に送信する(ステップ15)。もちろん、オファーメールに対する返信メールにより引き受け口数データを屋内空気浄化条件決定端末20に送信するようにすることもできる。
【0093】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、VOC除去能力を判定する(ステップ16)。すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20は、受信した引き受け口数データにもとづいて、寄付金額が施工費用に達して必要なVOCの除去能力を備えた高機能観葉植物の植え込みを行うことができるかどうかを判定する。
そして、各寄付者端末30から所定期間内に受信した引き受け口数の合計が予定する施工費用に必要な口数に達せず、VOC除去能力が満たされていないと判定された場合には、屋内空気浄化条件決定端末20は、再度施工パターンの決定を行う(ステップ17)。一方、引き受け口数の合計が予定する施工費用に必要な口数に達して、VOC除去能力が満たされていると判定された場合は、再施工パターンの設定は不要であり、もとのままの施工パターンが最終的に用いられる施工パターンとして決定されることとなる。
【0094】
引き受け口数データにもとづいて、新たな施工パターン又はもとのままの施工パターンによる施工が決定すると、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付が決定したことを示す寄付通知を寄付者端末30に送信する(ステップ18)。
また、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者宛に礼状を生成するとともに、VOCの除去能力を表示するVOCレポートを生成して、寄付者端末30に送信する(ステップ19)。また、このとき施主に対しては、VOCの除去能力の表示に加え、寄付者の一覧を表示するレポートを送信する。
さらに、屋内空気浄化条件決定端末20は、電子掲示板を接続している場合に、寄付者の名称やキャッチフレーズなどを電子掲示板上に出力する(ステップ20)。
【0095】
次に、本実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末20の処理手順について、図12及び図13を参照して詳細に説明する。図12は、本実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末20の処理手順(前半)を示すフローチャートであり、図13は、同処理手順(後半)を示すフローチャートである。
【0096】
まず、屋内空気浄化条件決定端末20は、ユーザ端末10から施設のVOC測定データを受信して測定データDB20−7に格納する(ステップ30)。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、ユーザ端末10から施設コード及び施工部コードを合わせて受信し格納する。
また、屋内空気浄化条件決定端末20は、VOC測定データの一次計算を実行する(ステップ31)。すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20は、受信した所定のVOCについてのすべての測定ポイントにおける測定データの平均値を算出して測定データDB20−7に格納する。
【0097】
さらに、屋内空気浄化条件決定端末20は、施設マスターDB20−1から施設の施工部の底面積を取得する(ステップ32)。すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20は、ユーザ端末10から受信した施設コード及び施工部コードにより施設マスターDB20−1を検索して、対応する面積情報を取得する。本実施形態においては、施設マスターDB20−1における「各階のフロア面積」は、施工部ごとの面積情報を保有するものとしており、この項目から施工部に対応する底面積を得ることができる。
【0098】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、VOCの濃度を安全指針にまで引き下げるために必要な低減すべきVOC濃度の割合を算出する(ステップ33)。
このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、測定データDB20−7から測定対象の施設における施工部の測定データの平均値を取得するとともに、VOC安全指針マスターDB20−2から測定対象のVOCの毒性指標の基準値を取得し、これらにもとづいて、上記測定データの平均値を上記基準値にまで引き下げるために必要な上記基準値に対する濃度割合を算出する。
【0099】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、一定の条件下で、算出されたVOC濃度割合を低減することのできる能力をもった高機能観葉植物をエコ植物マスターDB20−3から抽出する(ステップ34)。本実施形態においては、24時間以内に上記VOC濃度割合の低減を行い得る高機能観葉植物を抽出する。
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、抽出された高機能観葉植物(エコ植物)の施設への施工パターンを決定して施工一次中間モデルDB20−8に格納する(ステップ35)。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、施設部位別配置型マスターDB20−4に登録してある配置型及び鉢組合せ情報を抽出して、施工パターンの決定に用いることができる。
【0100】
すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20は、施設部位別配置型マスターDB20−4における配置型から施設部位に対応する配置型としてどのようなものがあるのかを抽出することができる。例えば、「廊下」については「I型」又は「L型」、「大ルーム」については「コ型」、「□型」、「L型」又は「I型」といった情報を抽出する。
同様に、屋内空気浄化条件決定端末20は、施設部位別配置型マスターDB20−4における鉢組合せ情報から施設部位に対応する鉢の組み合わせが、どのようなものであるかを抽出することができる。例えば、「廊下」については「大鉢100%」、「大ルーム」については「大鉢10%,中鉢40%,小鉢50%」といった情報を抽出する。
【0101】
そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、低減すべきVOC濃度割合に応じた高機能観葉植物の施工パターンを決定する。
すなわち、除去対象が「ホルムアルデヒド」であり、施設部位が「廊下」であって、ステップ34において、「スパティフィラム(中鉢)」,「ゴールドポトス(中・小鉢)」,「アレカヤシ(大鉢)」が抽出された場合、「大鉢」に対応する「アレカヤシ」が施工する植物として決定される。
また、このとき屋内空気浄化条件決定端末20は、配置型として「I型」又は「L型」のいずれかをランダムに又は所定の基準で決定する。
【0102】
さらに、鉢数については、施設部位の底面積にもとづき決定する。すなわち、3m四方ごとに、大鉢の場合は2個、中鉢の場合は3個、小鉢の場合は4個の基準で設置する。
したがって、施設部位が「廊下」の場合、その底面積が9m四方であるとすると、施工パターンを、「アレカヤシ・大鉢・18個」,「I型」等と決定することができる。
【0103】
また、施設部位が「大ルーム」などその他の場合についても、同様に施工パターンを決定することができる。施設部位が「大ルーム」の場合は、「大鉢」に「アレカヤシ」、「中鉢」に「スパティフィラム」、「小鉢」に「ゴールドポトス」が適用され、それぞれの除去能力にもとづいて、上述したように、順に「2個」,「11個」,「18個」等と算出することができる。また、配置型として例えば「コ型」を選択することができる。
したがって、施設部位が「大ホール」の場合、その底面積が9m四方であるとすると、施工パターンを、「アレカヤシ・大鉢・2個」,「スパティフィラム・中鉢・11個」,「ゴールドポトス・小鉢・18個」,「コ型」等と決定することができる。
【0104】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、施工費用を算出する(ステップ36)。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、施工一次中間モデルDB20−8から施工パターンを取得して、その植物の種類にもとづき対応する単価を施工部材単価マスターDB20−5から抽出する。
例えば、上述の例で施設部位が「大ホール」の場合、植え込みが行われる植物である「アレカヤシ・大鉢」,「スパティフィラム・中鉢」,「ゴールドポトス・小鉢」の単価、及びこれらに必要な付帯部材等を含めた単価を抽出する。そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、これらにそれぞれの個数を乗算して集計することで、施工費用を算出する。
【0105】
なお、施工部材単価マスターDB20−5において、施工部材コードを施設部材及び配置型に対応させたものとし、これらに加えて鉢サイズ、カラー、エコド配合の有無、付帯部材等ごとに単価を設定可能とするなど、単価の持たせかたについては種々のものとすることが可能である。
屋内空気浄化条件決定端末20は、必要な全ての施工費用を算出すると、これを総工事費として、施工一次モデルDB20−9に格納する。
【0106】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者マスターDB20−6の登録情報と、総工事費にもとづいて、寄付者口数を算出する(ステップ37)。
すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20は、一口当りの所定金額で総工事費を割ることで寄付者口数を算出する。そして、寄付者マスターDB20−6から寄付候補者を、その最大可能寄付金額の合計が総工事費を上回るように、ランダム又は所定の基準で抽出して、それぞれの最大可能寄付金額を一口当りの所定金額で割り、各寄付候補者に対してオファー可能な最大口数を算出する。算出した各寄付者ごとの最大口数は、寄付依頼口数DB20−10に登録する。
【0107】
そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者マスターDB20−6から寄付候補者の電子メールアドレスを抽出して、これらの寄付候補者に対する寄付願い通知を生成し(ステップ38)、寄付願い通知を送信する(ステップ39)。
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者からの引き受け口数データを受信して寄付依頼確定口数DB20−11に登録する(ステップ40)。
【0108】
そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付依頼確定口数DB20−11における寄付結果と、施工一次モデルDB20−9における総工事費にもとづいて、決定した施工パターンによるVOC除去が行えるかどうかを計算することで、VOC除去能力が不足することがないかを判定する(ステップ41)。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者からの引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、総工事費を下回っていないかどうかを判定する。そして、寄付金額の合計が、総工事費を下回る場合、必要なVOC除去能力が満たされないと判定する(ステップ42のNo)。
【0109】
この場合、屋内空気浄化条件決定端末20は、再度施工パターンを決定する(ステップ43)。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、施工一次モデルDB20−9の登録情報にもとづき図10に示すような施工パターン決定画面を表示して、高機能観葉植物の種類や個数、配置型等の変更入力を受けて、施工パターンを再決定し、施工一次モデルDB20−9に登録する。このとき、屋内空気浄化条件決定端末20は、総工事費、トータル除去能力等を再計算する。
一方、寄付金額の合計が、総工事費を下回らない場合、屋内空気浄化条件決定端末20は、必要なVOC除去能力は満たされる判定し(ステップ42のYes)、施工パターンの再決定を行うことなく次のステップに進む。
【0110】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、施工一次モデルDB20−9に登録されている施工パターン等の情報を、最終的に決定した施工パターンとして、施工最終モデルDB20−12に登録する。そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、決定した寄付者についての寄付履歴を寄付者マスターDB20−6に登録し、寄付が決定したことの通知を寄付者の電子メールアドレス宛に送信する(ステップ44)。
そして、寄付者及び施主について、それぞれ対応する所定の処理を実行する(ステップ45)。
【0111】
すなわち、屋内空気浄化条件決定端末20が電子掲示板を接続する場合には、寄付者の名称やキャッチフレーズなどを電子掲示板に出力する(ステップ46)。
また、屋内空気浄化条件決定端末20は、寄付者マスターDB20−6から寄付者の電子メールアドレスを取得するとともに、寄付者への礼状及びVOCレポートを生成して(ステップ47)、これを寄付者の寄付者端末30や電子メールアドレス宛に送信する(ステップ48)。
また、屋内空気浄化条件決定端末20は、施設マスターDB20−1から施主の電子メールアドレスを取得するとともに、施主へのレポートを生成して(ステップ49)、施主の電子メールアドレス宛にレポートを送信する(ステップ50)。
【0112】
以上説明したように、本実施形態の屋内空気浄化システムによれば、施設ごとにその屋内における低減すべき揮発性有機化学物質濃度を自動的に把握できるとともに、この揮発性有機化学物質濃度の低減を行うことの可能な高機能観葉植物の種類と量を自動的に決定することができる。
このため、従来行うことができなかった、除去すべき揮発性有機化学物質量に明確に対応付けた高機能観葉植物の植え込みの施工を行うことが可能となる。
【0113】
また、予め種々の配置型情報を用意しておき、必要な高機能観葉植物の種類と量、及び配置型情報を保有する施工パターンを自動的に決定することができるため、従来は各建物ごとにデザインしていた施工パターンの決定を容易化でき、高機能観葉植物の植え込みの施工を適切かつ容易に実現することが可能となる。
さらに、施工者は、自動的に決定した施工パターンを参照して、これを確認することができるとともに、その内容を修正したい場合には、選択入力を行うことで、容易にその決定内容を変更することができ、屋内空気浄化システムをより使いやすいものとすることが可能である。
【0114】
また、決定した施工パターンにもとづいて、自動的に施工費用を算出でき、高機能観葉植物の植え込みの施工費用を負担する寄付者の候補を予め登録しておくこともできる。そして、低減すべき揮発性有機化学物質濃度の算出から施工費用の算出までの一連の処理をまとめて実行して、寄付者を所定の基準にもとづき自動的に抽出し、それぞれの寄付口数を算出して寄付者の募集を自動的に実行することが可能となる。
【0115】
さらに、寄付者端末から送信されてきた寄付金額の合計が、施工費用を下回る場合には、その寄付金額に見合う施工パターンを、屋内空気浄化条件決定端末20に選択入力することで、施工内容の変更を容易に行うことが可能となる。
また、寄付者の名称等を電子掲示板に出力することで、寄付者は環境改善に取り組んでいる姿勢を不特定多数の人に積極的にアピールすることができ、企業イメージ等の向上を図ることが可能となる。
【0116】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態は、寄付者からの引き受け口数データにもとづくVOC除去能力が一定の水準に達していない場合に、自動的に再度寄付候補者を抽出して、寄付願い通知を送信可能な点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様であり、本実施形態のブロック図等も第一実施形態と同様のものを用いることができる。
【0117】
すなわち、本実施形態においては、VOC除去能力計算部20−14cは、引き受け口数データにもとづいて、寄付により実現できるVOC除去能力が一定の基準値に達するかどうかを判定する。この一定の基準値としては、寄付願い通知による合計口数が100%引き受けられた場合のVOC除去能力とすることも勿論可能である。また、寄付願い通知による合計口数に対する引き受け口数の所定の割合を、達成可能なVOC除去能力の割合と見なし、この割合を上記一定の基準値とすることができる。
【0118】
例えば、上記一定の基準値を、寄付願い通知による合計口数に対する引き受け口数の割合の80%とした場合、寄付願い通知による合計口数が100口であり、引き受け口数が70口である場合には、寄付願い通知による合計口数に対する引き受け口数の割合が70%であるため、VOC除去能力が一定の基準値に達していないものとみなすようにすることができる。
【0119】
この場合、寄付者口数計算部20−14gは、寄付者マスターDB20−6から再度新たに寄付候補者を抽出して、それぞれに対する寄付依頼口数を第一実施形態における場合と同様に算出する。このとき、寄付者口数計算部20−14gに、再度の寄付候補者の抽出において、前回寄付依頼を行わなかった寄付者を優先的に抽出させることが好ましい。
そして、寄付願い通知部20−15は、再度の寄付依頼願いを生成し、寄付者マスターDB20−6における寄付候補者それぞれの電子メールアドレス宛に送信する。
【0120】
次に、本実施形態について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、本実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末20の処理手順(前半)を示すフローチャートであり、図15は、同処理手順(後半)を示すフローチャートである。
まず、屋内空気浄化条件決定端末20がVOC測定データを受信する動作からVOC除去能力の過不足の判定を行うまでの動作(ステップ70〜ステップ82)については、第一実施形態における動作(ステップ30〜ステップ42)と同様である。
【0121】
次に、屋内空気浄化条件決定端末20は、VOC除去能力が一定基準値に達していないと判定した場合(ステップ83のNo)、再度ステップ78からの処理を繰り返す。なお、このステップ83の処理は、例えば1回のみなど実行可能な処理回数を限定することが好ましい。
そして、屋内空気浄化条件決定端末20は、VOC除去能力が一定基準値に達していると判定した場合(ステップ83のYes)、第一実施形態と同様にして、ステップ84以降の処理を実行する。
【0122】
以上説明したように、本実施形態の屋内空気浄化システムによれば、寄付者端末から送信されてきた合計寄付金額が、施工費用を下回る場合には、自動的に再度の寄付を募り、それでも合計寄付金額が、施工費用を下回る場合に、施工内容の見直しを図ることができる。
このため、例えば一回目に募集対象とした寄付者とは異なる寄付者に対して募集を行うことで、寄付金額の増加を期することが可能となる。
【0123】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、各施設部位に対する鉢の比率を同一面積当りの対応個数にもとづくものとして施工パターンを算出しているが、鉢の比率を単純に個数の比率として施工パターンを算出することも可能である。
また、本実施形態における施工パターン決定画面では、高機能観葉植物の種類や量、配置型等を選択入力可能としているが、直接入力可能としたり、その他の項目について変更可能としても勿論かまわない。
さらに、本実施形態におけるデータベース構造や処理ステップの順序等を変更したり、ユーザ端末や測定装置を複数とするなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、屋内空気の浄化を行うことが好ましい各種施設、例えば病院、学校、駅、競技場、劇場、デパートなどの施設において、寄付者を募って高機能観葉植物の植え込みを施工する場合に、好適に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおけるマスターファイルの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおけるイベントファイルの構成を示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおけるデータ解析部の構成を示す図である。
【図6】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける測定ポイントを説明するための図である。
【図7】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける安全指針を示す図である。
【図8】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける高機能観葉植物の揮発性有機化学物質除去能力を示す図である。
【図9】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける施設部位に対する配置型及び鉢の比率を示す図である。
【図10】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける施工パターン決定画面を示す図である。
【図11】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける処理手順を示す動作手順図である。
【図12】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末の処理手順(前半)を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第一実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末の処理手順(後半)を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第二実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末の処理手順(前半)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第二実施形態の屋内空気浄化システムにおける屋内空気浄化条件決定端末の処理手順(後半)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
10 ユーザ端末
10a 測定装置
20 屋内空気浄化条件決定端末
20−1 施設マスターDB
20−2 VOC安全指針マスターDB
20−3 エコ植物マスターDB
20−4 施設部位別配置型マスターDB
20−5 施工部材単価マスターDB
20−6 寄付者マスターDB
20−7 測定データDB
20−8 施工一次中間モデルDB
20−9 施工一次モデルDB
20−10 寄付依頼口数DB
20−11 寄付依頼確定口数DB
20−12 施工最終モデルDB
20−13 送受信部
20−14 データ解析部
20−14a 一次計算部
20−14b 施工部底面積取得部
20−14c VOC除去能力計算部
20−14d 植物種類抽出部
20−14e 施工パターン決定部
20−14f 施工費用計算部
20−14g 寄付者口数計算部
20−15 寄付願い通知部
20−16 VOC除去能力判定部
20−17 再施工パターン決定部
20−18 寄付者出力部
30(30−1〜30−n) 寄付者端末
40 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化システムであって、
屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置と、
前記測定装置から入力した前記揮発性化学物質の濃度を通信回線を介して屋内空気浄化条件決定端末に送信するユーザ端末と、
揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段,高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段を備え、前記ユーザ端末から受信した前記揮発性化学物質の濃度と、前記安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき前記揮発性化学物質濃度の割合を算出し、算出した濃度の割合にもとづいて前記揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を前記植物情報記憶手段から抽出するとともに、当該高機能観葉植物の量を計算し、この高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する前記屋内空気浄化条件決定端末と、を有する
ことを特徴とする屋内空気浄化システム。
【請求項2】
前記屋内空気浄化条件決定端末が、前記施工パターンの決定にあたり、前記高機能観葉植物の配置形状を特定する配置型情報を前記施工パターンに含めて決定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の屋内空気浄化システム。
【請求項3】
前記屋内空気浄化条件決定端末が、前記施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき前記施工パターンを決定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の屋内空気浄化システム。
【請求項4】
前記屋内空気浄化条件決定端末が、前記高機能観葉植物の種類ごとに施工金額情報を保有する単価記憶手段を備え、前記施工パターンにおける高機能観葉植物の種類と量、及び前記施工金額情報にもとづき施工費用を算出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の屋内空気浄化システム。
【請求項5】
前記屋内空気浄化条件決定端末が、高機能観葉植物の植え込みの施工費用を負担する寄付者ごとの最大可能寄付金額を保有する寄付者記憶手段を備え、最大可能寄付金額の合計が前記施工費用以上となるように前記寄付者記憶手段から寄付候補者を抽出し、抽出した寄付候補者ごとの寄付口数を算出する
ことを特徴とする請求項4記載の屋内空気浄化システム。
【請求項6】
前記寄付者記憶手段が前記寄付者ごとの電子メールアドレスを保有し、
前記屋内空気浄化条件決定端末が、各寄付候補者の電子メールアドレスを前記寄付者記憶手段から抽出して、前記寄付候補者ごとに、それぞれ対応する寄付口数を記載した寄付依頼メールを生成し、当該寄付依頼メールを前記電子メールアドレス宛に送信する
ことを特徴とする請求項5記載の屋内空気浄化システム。
【請求項7】
前記屋内空気浄化条件決定端末に通信回線を介して接続され、前記寄付者により使用される寄付者端末を備え、
前記屋内空気浄化条件決定端末が、前記寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、前記施工費用に満たない場合、前記施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき前記施工パターンを、施工費用が寄付金額以下になるように再決定する
ことを特徴とする請求項6記載の屋内空気浄化システム。
【請求項8】
前記屋内空気浄化条件決定端末に通信回線を介して接続され、前記寄付者により使用される寄付者端末を備え、
前記屋内空気浄化条件決定端末が、前記寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、前記施工費用に満たない場合、最大可能寄付金額の合計が前記施工費用以上となるように前記寄付者記憶手段から寄付候補者を再度抽出して寄付候補者ごとの寄付口数を算出し、前記寄付依頼メールを生成して各寄付候補者の電子メールアドレス宛に送信し、前記寄付者端末から受信した寄付引き受け口数にもとづく寄付金額の合計が、前記施工費用に満たない場合、前記施工パターンを選択可能に表示し、入力された選択情報にもとづき前記施工パターンを、施工費用が寄付金額の合計以下になるように再決定する
ことを特徴とする請求項6記載の屋内空気浄化システム。
【請求項9】
前記高機能観葉植物の植え込みに寄付者表示手段を設け、前記寄付者に関する情報を当該寄付者表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の屋内空気浄化システム。
【請求項10】
前記高機能観葉植物として、少なくとも、ボストンタマシダ、ポットマム、ガーベラ、シンノウヤシ、アオワーネッキー、カマエドレア・ザイフリッツィー、ネフロレピス・オブリテラータ、インドゴムノキ、セイヨウキヅタ、ベンジャミンゴムノキ、スパティフィラム、アレカヤシ、ドラセナ・フラグランス「マッサンゲアナ」・カンノンチク、ブラッサイア・アクティノフィラ、ベニフクリン・センネンボク、ドラセナ「ウォーネッキー」、コヤブラン、デンドロビウム、ディフェンバキア「エキゾチカ・コンパクタ」、チューリップ、フィクス・アリイ、ホマロメナ・バリシー、テーブルヤシ、アザレア、アクラオネマ「シルバー・クイーン」、ナカフオリヅルラン、矮性バナナ、フィロデンドロン・エルベスケンス、ディフェンバキア「カミーラ」、フィロデンドロン・ドメスティクム、ポトス、シマナンヨウスギ、ベゴニア・センパ・フローレンス、マランタ・レウコネウラ「ケルショビアナ」、シッサス・ロンビフォリア「エレン・ダニカ」、クリスマス・カクタス、フィロデンドロン・セロウム、シンゴニウム、ヒメカズラ、アンスリウム、カラテア、ポインセチア、シクラメン、ファレノプシス、エクメア・ファスキアタ、クロトン、サンセベリア・トリファスキアタ、アロエ・ベラ、又は、カランコエのうちの一又は二以上を用いた
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の屋内空気浄化システム。
【請求項11】
屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化条件決定端末であって、
揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段と、
高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段と、
屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置により測定され、当該測定装置を接続するユーザ端末から通信回線を介して送信されてきた揮発性化学物質の濃度を受信する送受信手段と、
前記揮発性化学物質の濃度と、前記安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき前記揮発性化学物質濃度の割合を算出する除去能力計算手段と、
算出した濃度の割合にもとづいて前記揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を前記植物情報記憶手段から抽出する植物種類抽出手段と、
前記抽出された高機能観葉植物の量を計算するとともに、当該高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する施工パターン決定部と、を備えた
ことを特徴とする屋内空気浄化条件決定端末。
【請求項12】
屋内空気中の揮発性化学物質を除去する能力の高い高機能観葉植物の植え込みを施工するための屋内空気浄化プログラムであって、
屋内空気浄化条件決定端末を、
揮発性化学物質ごとの安全基準濃度情報を保有する安全指針記憶手段、
高機能観葉植物による揮発性化学物質ごとの除去能力情報を保有する植物情報記憶手段、
屋内空気中の揮発性化学物質の濃度を測定する測定装置により測定され、当該測定装置を接続するユーザ端末から通信回線を介して送信されてきた揮発性化学物質の濃度を受信する送受信手段、
前記揮発性化学物質の濃度と、前記安全指針記憶手段における当該揮発性化学物質の安全基準濃度とを比較して、低減すべき前記揮発性化学物質濃度の割合を算出する除去能力計算手段、
算出した濃度の割合にもとづいて前記揮発性化学物質の除去能力を有する高機能観葉植物の種類を前記植物情報記憶手段から抽出する植物種類抽出手段、
前記抽出された高機能観葉植物の量を計算するとともに、当該高機能観葉植物の種類と量の情報を保有する施工パターンを決定する施工パターン決定手段
として機能させる屋内空気浄化プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−195725(P2006−195725A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6453(P2005−6453)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(598140607)株式会社竹中庭園緑化 (9)