屋外床
【課題】 横樋の高さ位置がずれるのを防止できる屋外床を提供する。
【解決手段】 複数枚の床材2を屋外に連設し、下地板3を最も外側に位置する床材2の外側に配置し、複数の支持部材4を下地板3の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように下地板3の下面3bに設け、固定板5を支持部材4の下に水平方向に配置し、複数のボルト孔25を固定板5に形成し、固定用ボルト26の雄ネジ部26aを固定板5のボルト孔25に下方から挿通して支持部材4の雌ネジ穴24に螺入し、固定用ボルト26の頭部26bを固定板5の下面5bに対して締め付け、長手方向に延びる排水溝27を上部に設けた横樋6を下地板3の長手方向に対して平行となるように下地板3上に固定した。
【解決手段】 複数枚の床材2を屋外に連設し、下地板3を最も外側に位置する床材2の外側に配置し、複数の支持部材4を下地板3の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように下地板3の下面3bに設け、固定板5を支持部材4の下に水平方向に配置し、複数のボルト孔25を固定板5に形成し、固定用ボルト26の雄ネジ部26aを固定板5のボルト孔25に下方から挿通して支持部材4の雌ネジ穴24に螺入し、固定用ボルト26の頭部26bを固定板5の下面5bに対して締め付け、長手方向に延びる排水溝27を上部に設けた横樋6を下地板3の長手方向に対して平行となるように下地板3上に固定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝を有する屋外通路等の屋外床に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、集合住宅等の建物の屋外通路等においては、鉄骨部材で構成された骨組架構の上に、窯業系材料の押出成形品で構成された床材を複数枚敷き詰めると共に、最も外側に位置する床材の上面に建物の周方向(屋外通路の長手方向)に延びる排水溝を形成することが多い。
【0003】
しかし、床材の上面に形成された排水溝は水勾配のないものであるので、雨水が適切に排水されずに排水溝に溜まり、見映えが悪くなることが多いという問題点がある。また、排水溝は床材に直接形成されているので、排水溝に溜まった雨水により床材が劣化することが多いという問題点がある。
【0004】
そこで、建物の周方向に対して直角方向の内側から外側へ突出する複数本の支持梁を建物の外側に設け、支持梁の突端に図11のような前梁51を建物の周方向に架設し、支持梁上に複数枚の床材を敷き詰めて床面を形成し、前梁51の建物側の側面51aに複数個の図11のような支持具52を前梁51の長手方向に略等間隔でかつ下流に位置するほど低い位置となるように取り付け、最も外側に位置する床材の外側縁と前梁51との間に、図11のような長手方向に延びる排水溝53を上部に設けた横樋54を配置し、複数個の支持具52で下地板55を介して横樋54を支持した屋外通路(例えば、特許文献1参照。)等が提案されている。
【特許文献1】特許2003−119876号公報(請求項1、図1等)
【0005】
図11に示すように、この屋外通路における前梁51は、断面がコ字状に形成されており、建物側の側面51aが図示しない支持梁の突端に固定されている。支持具52は、前梁51の建物側の側面51aに2組の固定用ボルト56及び固定用ナット57で固定される矩形状の取付板61と、この取付板61の側縁に直角方向に突設された直角三角形状のリブ板62と、このリブ板62の上縁に取付板61と反対方向へ突出するように設けられた矩形状の固定板63とを備えている。支持具52には、長手方向に延びる開口部55aが上方を向くようにして断面がコ字状の下地板55が架設されている。この下地板55上には、長手方向の両端部71a、71bに上方へ突出する係止片72をそれぞれ設けた係止具71が下地板55の長手方向に対して直角方向にかつ下地板55の長手方向に互いに間隔を開けて載置されている。下地板55及び係止具71は、2組の固定用ボルト73及び固定用ナット74により支持具52の固定板63上に固定されている。横樋54は、長手方向に延びるように下面54bに設けた2つの係止溝75に係止具71の2つの係止片72をそれぞれ係合することにより下地板55上に着脱自在に固定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の屋外通路では、支持具52の取付板61に形成したボルト孔76と前梁51に形成したボルト孔77との少なくともいずれかを上下方向に延びる長孔とすることにより支持具52の高さ位置を調節可能としているが、長孔は上下方向に延びているので、固定用ナット57を締め付けても支持具52の高さ位置、即ち横樋54の高さ位置が下方向へずれるおそれがあるという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、横樋の高さ位置がずれるのを防止できる屋外床を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、建物の周方向に対して直角方向の内側から外側に向かって下る水勾配を付けた複数枚の床材を屋外に連設し、前記建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しかつその傾斜方向に延びる下地板を最も外側に位置する床材の外側に配置し、下方へ突出しかつ下面に開口した雌ネジ穴を有する複数の支持部材を前記下地板の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように前記下地板の下面に設け、固定板を前記支持部材の下に水平方向に配置し、複数のボルト孔を前記固定板に形成し、固定用ボルトの雄ネジ部を前記固定板のボルト孔に下方から挿通して前記支持部材の雌ネジ穴に螺入し、前記固定用ボルトの頭部を前記固定板の下面に対して締め付け、長手方向に延びる排水溝を上部に設けた横樋を前記下地板の長手方向に対して平行となるように前記下地板上に固定したものである。
【0009】
請求項2の発明は、下方へ突出する少なくとも1つの雄ネジ部材を前記下地板の長手方向の下流端近傍の下面に設け、前記雄ネジ部材を前記固定板の下面から下方へ突出するように前記固定板のボルト孔に上方から挿通し、固定用ナットを前記雄ネジ部材に螺合して前記固定板の下面に対して締め付けたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、支持部材を固定板上に載置した状態で固定できるので、支持部材の高さ位置、即ち横樋の高さ位置が下方向へずれるおそれがない。また、排水溝を有する横樋は建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しているので、雨水を適切に排水することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、雄ネジ部材を固定板のボルト孔に挿通するだけで簡単に下地板の位置決めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る屋外通路(屋外床)1は、図1〜図5に示すように、主な構成部材として、複数枚の床材2、下地板3、複数の支持部材4、固定板5、及び横樋6を備えている。なお、屋外床は、本実施形態のような屋外通路1の他、バルコニー床や陸屋根等であってもよい。
【0013】
床材2は、窯業系材料の押出成形品等で構成されて板状に形成されており、図1に示すように、建物7の周方向(図1の紙面に対して直角方向である屋外通路1の長手方向)に対して直角方向(図1の左右方向である屋外通路1の幅方向)の内側から外側に向かって下る水勾配を有するように屋外に連設されている。この床材2は、上記の水勾配を有するようにかつ建物7の周方向に互いに間隔を開けて架設された腕木8上に固定されている。
【0014】
腕木8は、図6に示すように、腕木本体9、内側取付部材10、及び外側取付部材11を備えている。内側取付部材10は、腕木本体9の一端9bに突設された矩形状の連結板10aと、この連結板10aの突端に直角方向に突設された取付板10bとからT字状に形成されている。外側取付部材11は、腕木本体9の他端9cに突設された台形状の連結板11aと、この連結板11aの突端に直角方向に突設された取付板11bとからT字状に形成されている。腕木本体9は、2つのC型鋼9dを有している。C型鋼9dは、断面がC字状に形成されており、内側取付部材10の連結板10a、外側取付部材11の連結板11a、及び図示しない連結プレートを介して背面同士が連結されている。この腕木本体9は、C型鋼9dの長手方向に延びる開口部9aがそれぞれ建物7の周方向を向くように配置されている。内側取付部材10の取付板10bは、図1に示すように、建物7の梁12の外側の端部12aに直角方向に突設したフランジ13に4組の固定用ボルト14及び固定用ナット15により取り付けられている。
【0015】
なお、内側取付部材10は、T字状の他、連結板10aと取付板10bとからL字状に形成してもよい。外側取付部材11も、T字状の他、連結板11aと取付板11bとからL字状に形成してもよい。梁12が建物7の周方向に延びるように配置されている場合は、梁12の外側に設けたフランジ部材に複数組の固定用ボルト14及び固定用ナット15により腕木8を取り付けることができる。
【0016】
また、床材2の支持手段としては、本実施形態のような腕木8の他、梁等の従来公知の技術を採用することができる。床材2を水平方向に配置する場合は、床材2の上部に水勾配を付けておけばよい。固定用ナット15と梁12のフランジ13との間には、図1のように、座金15Aを介在させるのが望ましい。座金15Aは、固定用ナット15に回転自在に固定しておいてもよい。
【0017】
建物7の外側方には、建物7から間隔を開けて柱16が立設されている。図1及び図3〜図5に示すように、柱16の建物7側には突出板17が突設されていると共に、この突出板17の突端には直角方向にフランジ18が突設されている。外側取付部材11の取付板11bは、図3〜図5に示すように、梁19を介して柱16のフランジ18に4組の固定用ボルト20及び固定用ナット21により取り付けられている。なお、固定用ナット21と外側取付部材11の取付板11bとの間には、座金21Aを介在させるのが望ましい。座金21Aは、固定用ナット21に回転自在に固定しておいてもよい。
【0018】
梁19は、縦板22と固定板5と下板23とから断面がコ字状に形成されており、建物7の周方向に延びるようにかつ長手方向に延びる開口部19aが建物7側へ向くように設けられている。縦板22は、柱16のフランジ18と外側取付部材11の取付板11bとの間に介在している。固定板5は、縦板22の上縁に直角方向に突設されている。下板23は、縦板22の下縁に直角方向に突設されている。
【0019】
下地板3は、図7及び図8に示すように、断面がC字状に形成されており、長手方向に延びる開口部3aが上方を向くようにかつ建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜した状態で、最も外側に位置する床材2の外側に配置されている。
【0020】
支持部材4は、図3及び図4に示すように、円筒状に形成されて下面4bに開口した雌ネジ穴24を有しており、下方へ突出するように下地板3の下面3bに設けられている。そして、複数の支持部材4は、図2〜図4に示すように、下地板3の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように設けられている。また、同じ突出長さの例えば2つの支持部材4は、下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて設けられている。同じ突出長さの支持部材4を下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて複数個設ける場合、支持部材4の数は3つ以上であってもよい。ここでいう下流とは、建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜している場合における建物7の周方向の他側をいう。一方、上流とは、建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜している場合における建物7の周方向の一側をいう。
【0021】
この支持部材4は、溶接により下地板3の下面3bに固定されている。下地板3の下面3bに対する支持部材4の固定形式は、溶接の他、支持部材4の上端に突設された雄ネジ部を下地板3に形成された雌ネジ穴に螺着する形式や、下地板3に形成されたボルト孔に固定用ボルトの雄ネジ部を上方から挿通して支持部材4の上面にも開口した雌ネジ穴24に螺着する形式等であってもよい。
【0022】
梁19の固定板5は、支持部材4の下に水平方向に配置されている。この固定板5には、複数のボルト孔25が形成されている。ボルト孔25には、固定用ボルト26の雄ネジ部26aが下方から挿通されている。固定用ボルト26の雄ネジ部26aは、支持部材4の雌ネジ穴24に螺入されている。固定用ボルト26の頭部26bは、固定板5の下面5bに対して締め付けられている。このように、下地板3は、複数の支持部材4を介して固定用ボルト26により梁19の固定板5上に固定されている。
【0023】
なお、固定板5を有する構成部材は、本実施形態のような梁19に限定されるものではなく、図示しないが、屋外の柱16の建物7側に又は柱16の通りに一致するように建物7の周方向に配置した梁の建物7側の側面に複数組の固定用ボルト及び固定用ナットで固定される取付板と、この取付板の側縁に直角方向に突設されたリブ板と、このリブ板の上縁に取付板と反対側の直角方向へ突出するように設けられた固定板とを備えた、既述の支持具52と同様の支持具等であってもよい。このような支持具を採用する場合は、複数の支持具を支持部材4の突設位置に合わせて屋外の梁の長手方向に互いに間隔を開けかつ固定板5が水平方向となるように配置すればよい。固定用ボルト26の頭部26bと固定板5との間には、座金26Aを介在させるのが望ましい。座金26Aは、固定用ボルト26の頭部26bに回転自在に固定しておいてもよい。
【0024】
横樋6は、図3〜図5に示すように、窯業系材料や金属等の強度及び耐久性を有しかつ長尺形状とすることが可能な材料の押出成形品等で構成されて断面がコ字状に形成されており、長手方向に延びる排水溝27を上部に有している。図7に示すように、この横樋6の両側面6a、6bの上縁には、長手方向に延びかつ外側方へ突出する突出部28がそれぞれ設けられている。また、横樋6の両側面6a、6bには、長手方向に延びる係止溝29がそれぞれ設けられている。
【0025】
下地板3上には、図7及び図8に示すように、長手方向の両端部に上方へ突出する係止片31をそれぞれ設けた係止具30が下地板3の長手方向に対して直角方向にかつ下地板3の長手方向に互いに間隔を開けて載置されている。係止具30の両端部は、それぞれリベット32により下地板3上に固定されている。横樋6は、係止溝29に係止具30の係止片31をそれぞれ係合することにより、下地板3の長手方向に対して平行となるように下地板3上に着脱自在に固定されている。係止具30の両端部は、リベット32の他、溶接等によりそれぞれ下地板3上に固定することもできる。なお、本実施形態のように、横樋6を弾性力により上方へ押圧する逆V字状の弾性片33を係止具30に少なくとも1つ(例えば2つ)設けておけば、横樋6のガタツキを防止できるという利点がある。また、横樋6を着脱自在に固定しておけば、必要に応じて横樋6を交換できるという利点がある。
【0026】
ここで、横樋6は、下地板3上にあらかじめ固定しておいてもよいし、下地板3を梁19の固定板5上に複数の支持部材4を介して固定してから下地板3上に固定してもよい。図3〜図5に示すように、横樋6の建物7側の突出部28と最も外側に位置する床材2の外側縁2aとの間や、横樋6の外側の突出部28と屋外の柱16の建物7側に建物7の周方向に配置された横材34等との間は、シーリング材35でシーリングしておくのが望ましい。この場合、シーリング材35の下には、三面接着防止のためのボンドブレーカー(又はバックアップ材)35bを配置しておくのが望ましい。同様に、床材2同士の間も、シーリング材35でシーリングしておくのが望ましい。この場合も、図示しないが、シーリング材35の下には、三面接着防止のためのボンドブレーカー又はバックアップ材を配置しておくのが望ましい。
【0027】
上記のように構成された屋外通路1によれば、支持部材4を固定板5上に載置した状態で固定できるので、支持部材4の高さ位置、即ち横樋6の高さ位置が下方向へずれるおそれがないという利点がある。また、排水溝27を有する横樋6は建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しているので、雨水を適切に排水できるという利点がある。
【0028】
ここで、図2及び図5に示すように、下方へ突出する例えば2つの雄ネジ部材41を下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて下地板3の長手方向の下流端3c近傍の下面3bに設け、雄ネジ部材41を固定板5の下面5bから下方へ突出するように固定板5のボルト孔25に上方から挿通し、固定用ナット42を雄ネジ部材41に螺合して固定板5の下面5bに対して締め付けるようにしておけば、雄ネジ部材41を固定板5のボルト孔25に挿通するだけで簡単に下地板3の位置決めを行えるという利点がある。雄ネジ部材41の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0029】
なお、固定用ナット42と固定板5との間には、座金42Aを介在させるのが望ましい。座金42Aは、固定用ナット42に回転自在に固定しておいてもよい。
【0030】
また、隣接する下地板3の長手方向の上流端3d同士は、図2のように突き合わせることができる。隣接する横樋6の長手方向の上流端6d同士の間は、一定間隔を開けておいてその隙間にシーリング材35を充填するのが望ましい。下地板3の長手方向の下流端3cに対しては、下地板3と同様に構成されて梁19の固定板5上に水平方向に載置された役物下地板43の長手方向の端部43aを突き合わせることができる。横樋6の長手方向の下流端6dと、下地板3上に固定する場合と同様にして役物下地板43上に着脱自在に固定された横樋6の長手方向の端部6eとの間は、一定間隔を開けておいてその隙間にシーリング材35を充填するのが望ましい。役物下地板43上の横樋6の排水溝27には、図2のような鉛直方向に延びるドレイン44の上端を接続することができる。これにより、下地板3上の横樋6の排水溝27を流下する雨水を、役物下地板43上の横樋6の排水溝27を経由してドレイン44内に排水することができる。この場合、ドレイン44は、梁19の固定板5に設けた切欠部5cや梁19の下板23に設けた切欠部23cに挿入すればよい。
【0031】
更に、下方へ突出する例えば2つの雄ネジ部材45を役物下地板43の幅方向に互いに間隔を開けて役物下地板43の長手方向の端部43a近傍の下面43bに設け、雄ネジ部材45を固定板5の下面5bから下方へ突出するように固定板5のボルト孔25に上方から挿通し、固定用ナット46を雄ネジ部材45に螺合して固定板5の下面5bに対して締め付けるようにしておけば、雄ネジ部材45を固定板5のボルト孔25に挿通するだけで簡単に役物下地板43の位置決めを行えるという利点がある。雄ネジ部材45の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。固定用ナット46と固定板5との間には、座金46Aを介在させるのが望ましい。座金46Aは、固定用ナット46に回転自在に固定しておいてもよい。
【0032】
また、支持部材4は、既述のように下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて複数個設けてもよいが、下方へ突出しかつ下地板3の幅方向に延びる図9及び図10のような支持部材84を下地板3の長手方向に互いに間隔を開けて1つずつかつ下流に位置するほど下方への突出長さが小さくなるように設けてもよい。
【0033】
支持部材84は、突出板85、固着板86、取付板87、及び固定用ナット88を備えている。固着板86は、突出板85の上縁に突設されており、下地板3の下面3bに溶接等により固着されている。取付板87は、突出板85の下縁に固着板86と反対方向へ突出するように設けられている。固定用ナット88は、雌ネジ穴89を有しており、取付板87上に溶接等により固着されている。この固定用ナット88の雌ネジ穴89は、取付板87に形成したボルト孔90と連通している。そのため、固定用ナット88の雌ネジ穴89は、支持部材84の下面84bに取付板87のボルト孔90を通じて開口している。
【0034】
梁19の固定板5のボルト孔25には、固定用ボルト26の雄ネジ部26aが下方から挿通されている。固定用ボルト26の雄ネジ部26aは、取付板87のボルト孔90を介して固定用ナット88の雌ネジ穴89に螺入されている。固定用ボルト26の頭部26bは、固定板5の下面5bに対して締め付けられている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明に係る屋外床は、横樋の高さ位置がずれるのを防止するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態に係る屋外通路の幅方向の断面を示す概略説明図。
【図2】建物側から見た下地板を梁の固定板上に複数の支持部材を介して固定する様子を示す一部省略側面図。
【図3】下地板の長手方向の上流端近傍における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図4】下地板の長手方向の上流端と下流端の間における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図5】下地板の長手方向の下流端近傍における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図6】腕木の一部省略正面図。
【図7】横樋を下地板上の係止具から取り外した状態を示す要部拡大概略断面図。
【図8】係止具近傍における下地板の一部を切り欠いた概略平面図。
【図9】他の支持部材を使用した例を示す要部拡大省略断面図。
【図10】図9の右方向から見た要部拡大省略側面図。
【図11】従来技術を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0037】
1 屋外通路(屋外床)
2 床材
3 下地板
3b 下面
3c 下流端
4 支持部材
4b 下面
5 固定板
5b 下面
6 横樋
7 建物
24 雌ネジ穴
25 ボルト孔
26 固定用ボルト
26a 雄ネジ部
26b 頭部
27 排水溝
41 雄ネジ部材
42 固定用ナット
84 支持部材
84b 下面
89 雌ネジ穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝を有する屋外通路等の屋外床に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、集合住宅等の建物の屋外通路等においては、鉄骨部材で構成された骨組架構の上に、窯業系材料の押出成形品で構成された床材を複数枚敷き詰めると共に、最も外側に位置する床材の上面に建物の周方向(屋外通路の長手方向)に延びる排水溝を形成することが多い。
【0003】
しかし、床材の上面に形成された排水溝は水勾配のないものであるので、雨水が適切に排水されずに排水溝に溜まり、見映えが悪くなることが多いという問題点がある。また、排水溝は床材に直接形成されているので、排水溝に溜まった雨水により床材が劣化することが多いという問題点がある。
【0004】
そこで、建物の周方向に対して直角方向の内側から外側へ突出する複数本の支持梁を建物の外側に設け、支持梁の突端に図11のような前梁51を建物の周方向に架設し、支持梁上に複数枚の床材を敷き詰めて床面を形成し、前梁51の建物側の側面51aに複数個の図11のような支持具52を前梁51の長手方向に略等間隔でかつ下流に位置するほど低い位置となるように取り付け、最も外側に位置する床材の外側縁と前梁51との間に、図11のような長手方向に延びる排水溝53を上部に設けた横樋54を配置し、複数個の支持具52で下地板55を介して横樋54を支持した屋外通路(例えば、特許文献1参照。)等が提案されている。
【特許文献1】特許2003−119876号公報(請求項1、図1等)
【0005】
図11に示すように、この屋外通路における前梁51は、断面がコ字状に形成されており、建物側の側面51aが図示しない支持梁の突端に固定されている。支持具52は、前梁51の建物側の側面51aに2組の固定用ボルト56及び固定用ナット57で固定される矩形状の取付板61と、この取付板61の側縁に直角方向に突設された直角三角形状のリブ板62と、このリブ板62の上縁に取付板61と反対方向へ突出するように設けられた矩形状の固定板63とを備えている。支持具52には、長手方向に延びる開口部55aが上方を向くようにして断面がコ字状の下地板55が架設されている。この下地板55上には、長手方向の両端部71a、71bに上方へ突出する係止片72をそれぞれ設けた係止具71が下地板55の長手方向に対して直角方向にかつ下地板55の長手方向に互いに間隔を開けて載置されている。下地板55及び係止具71は、2組の固定用ボルト73及び固定用ナット74により支持具52の固定板63上に固定されている。横樋54は、長手方向に延びるように下面54bに設けた2つの係止溝75に係止具71の2つの係止片72をそれぞれ係合することにより下地板55上に着脱自在に固定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の屋外通路では、支持具52の取付板61に形成したボルト孔76と前梁51に形成したボルト孔77との少なくともいずれかを上下方向に延びる長孔とすることにより支持具52の高さ位置を調節可能としているが、長孔は上下方向に延びているので、固定用ナット57を締め付けても支持具52の高さ位置、即ち横樋54の高さ位置が下方向へずれるおそれがあるという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、横樋の高さ位置がずれるのを防止できる屋外床を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、建物の周方向に対して直角方向の内側から外側に向かって下る水勾配を付けた複数枚の床材を屋外に連設し、前記建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しかつその傾斜方向に延びる下地板を最も外側に位置する床材の外側に配置し、下方へ突出しかつ下面に開口した雌ネジ穴を有する複数の支持部材を前記下地板の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように前記下地板の下面に設け、固定板を前記支持部材の下に水平方向に配置し、複数のボルト孔を前記固定板に形成し、固定用ボルトの雄ネジ部を前記固定板のボルト孔に下方から挿通して前記支持部材の雌ネジ穴に螺入し、前記固定用ボルトの頭部を前記固定板の下面に対して締め付け、長手方向に延びる排水溝を上部に設けた横樋を前記下地板の長手方向に対して平行となるように前記下地板上に固定したものである。
【0009】
請求項2の発明は、下方へ突出する少なくとも1つの雄ネジ部材を前記下地板の長手方向の下流端近傍の下面に設け、前記雄ネジ部材を前記固定板の下面から下方へ突出するように前記固定板のボルト孔に上方から挿通し、固定用ナットを前記雄ネジ部材に螺合して前記固定板の下面に対して締め付けたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、支持部材を固定板上に載置した状態で固定できるので、支持部材の高さ位置、即ち横樋の高さ位置が下方向へずれるおそれがない。また、排水溝を有する横樋は建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しているので、雨水を適切に排水することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、雄ネジ部材を固定板のボルト孔に挿通するだけで簡単に下地板の位置決めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る屋外通路(屋外床)1は、図1〜図5に示すように、主な構成部材として、複数枚の床材2、下地板3、複数の支持部材4、固定板5、及び横樋6を備えている。なお、屋外床は、本実施形態のような屋外通路1の他、バルコニー床や陸屋根等であってもよい。
【0013】
床材2は、窯業系材料の押出成形品等で構成されて板状に形成されており、図1に示すように、建物7の周方向(図1の紙面に対して直角方向である屋外通路1の長手方向)に対して直角方向(図1の左右方向である屋外通路1の幅方向)の内側から外側に向かって下る水勾配を有するように屋外に連設されている。この床材2は、上記の水勾配を有するようにかつ建物7の周方向に互いに間隔を開けて架設された腕木8上に固定されている。
【0014】
腕木8は、図6に示すように、腕木本体9、内側取付部材10、及び外側取付部材11を備えている。内側取付部材10は、腕木本体9の一端9bに突設された矩形状の連結板10aと、この連結板10aの突端に直角方向に突設された取付板10bとからT字状に形成されている。外側取付部材11は、腕木本体9の他端9cに突設された台形状の連結板11aと、この連結板11aの突端に直角方向に突設された取付板11bとからT字状に形成されている。腕木本体9は、2つのC型鋼9dを有している。C型鋼9dは、断面がC字状に形成されており、内側取付部材10の連結板10a、外側取付部材11の連結板11a、及び図示しない連結プレートを介して背面同士が連結されている。この腕木本体9は、C型鋼9dの長手方向に延びる開口部9aがそれぞれ建物7の周方向を向くように配置されている。内側取付部材10の取付板10bは、図1に示すように、建物7の梁12の外側の端部12aに直角方向に突設したフランジ13に4組の固定用ボルト14及び固定用ナット15により取り付けられている。
【0015】
なお、内側取付部材10は、T字状の他、連結板10aと取付板10bとからL字状に形成してもよい。外側取付部材11も、T字状の他、連結板11aと取付板11bとからL字状に形成してもよい。梁12が建物7の周方向に延びるように配置されている場合は、梁12の外側に設けたフランジ部材に複数組の固定用ボルト14及び固定用ナット15により腕木8を取り付けることができる。
【0016】
また、床材2の支持手段としては、本実施形態のような腕木8の他、梁等の従来公知の技術を採用することができる。床材2を水平方向に配置する場合は、床材2の上部に水勾配を付けておけばよい。固定用ナット15と梁12のフランジ13との間には、図1のように、座金15Aを介在させるのが望ましい。座金15Aは、固定用ナット15に回転自在に固定しておいてもよい。
【0017】
建物7の外側方には、建物7から間隔を開けて柱16が立設されている。図1及び図3〜図5に示すように、柱16の建物7側には突出板17が突設されていると共に、この突出板17の突端には直角方向にフランジ18が突設されている。外側取付部材11の取付板11bは、図3〜図5に示すように、梁19を介して柱16のフランジ18に4組の固定用ボルト20及び固定用ナット21により取り付けられている。なお、固定用ナット21と外側取付部材11の取付板11bとの間には、座金21Aを介在させるのが望ましい。座金21Aは、固定用ナット21に回転自在に固定しておいてもよい。
【0018】
梁19は、縦板22と固定板5と下板23とから断面がコ字状に形成されており、建物7の周方向に延びるようにかつ長手方向に延びる開口部19aが建物7側へ向くように設けられている。縦板22は、柱16のフランジ18と外側取付部材11の取付板11bとの間に介在している。固定板5は、縦板22の上縁に直角方向に突設されている。下板23は、縦板22の下縁に直角方向に突設されている。
【0019】
下地板3は、図7及び図8に示すように、断面がC字状に形成されており、長手方向に延びる開口部3aが上方を向くようにかつ建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜した状態で、最も外側に位置する床材2の外側に配置されている。
【0020】
支持部材4は、図3及び図4に示すように、円筒状に形成されて下面4bに開口した雌ネジ穴24を有しており、下方へ突出するように下地板3の下面3bに設けられている。そして、複数の支持部材4は、図2〜図4に示すように、下地板3の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように設けられている。また、同じ突出長さの例えば2つの支持部材4は、下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて設けられている。同じ突出長さの支持部材4を下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて複数個設ける場合、支持部材4の数は3つ以上であってもよい。ここでいう下流とは、建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜している場合における建物7の周方向の他側をいう。一方、上流とは、建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜している場合における建物7の周方向の一側をいう。
【0021】
この支持部材4は、溶接により下地板3の下面3bに固定されている。下地板3の下面3bに対する支持部材4の固定形式は、溶接の他、支持部材4の上端に突設された雄ネジ部を下地板3に形成された雌ネジ穴に螺着する形式や、下地板3に形成されたボルト孔に固定用ボルトの雄ネジ部を上方から挿通して支持部材4の上面にも開口した雌ネジ穴24に螺着する形式等であってもよい。
【0022】
梁19の固定板5は、支持部材4の下に水平方向に配置されている。この固定板5には、複数のボルト孔25が形成されている。ボルト孔25には、固定用ボルト26の雄ネジ部26aが下方から挿通されている。固定用ボルト26の雄ネジ部26aは、支持部材4の雌ネジ穴24に螺入されている。固定用ボルト26の頭部26bは、固定板5の下面5bに対して締め付けられている。このように、下地板3は、複数の支持部材4を介して固定用ボルト26により梁19の固定板5上に固定されている。
【0023】
なお、固定板5を有する構成部材は、本実施形態のような梁19に限定されるものではなく、図示しないが、屋外の柱16の建物7側に又は柱16の通りに一致するように建物7の周方向に配置した梁の建物7側の側面に複数組の固定用ボルト及び固定用ナットで固定される取付板と、この取付板の側縁に直角方向に突設されたリブ板と、このリブ板の上縁に取付板と反対側の直角方向へ突出するように設けられた固定板とを備えた、既述の支持具52と同様の支持具等であってもよい。このような支持具を採用する場合は、複数の支持具を支持部材4の突設位置に合わせて屋外の梁の長手方向に互いに間隔を開けかつ固定板5が水平方向となるように配置すればよい。固定用ボルト26の頭部26bと固定板5との間には、座金26Aを介在させるのが望ましい。座金26Aは、固定用ボルト26の頭部26bに回転自在に固定しておいてもよい。
【0024】
横樋6は、図3〜図5に示すように、窯業系材料や金属等の強度及び耐久性を有しかつ長尺形状とすることが可能な材料の押出成形品等で構成されて断面がコ字状に形成されており、長手方向に延びる排水溝27を上部に有している。図7に示すように、この横樋6の両側面6a、6bの上縁には、長手方向に延びかつ外側方へ突出する突出部28がそれぞれ設けられている。また、横樋6の両側面6a、6bには、長手方向に延びる係止溝29がそれぞれ設けられている。
【0025】
下地板3上には、図7及び図8に示すように、長手方向の両端部に上方へ突出する係止片31をそれぞれ設けた係止具30が下地板3の長手方向に対して直角方向にかつ下地板3の長手方向に互いに間隔を開けて載置されている。係止具30の両端部は、それぞれリベット32により下地板3上に固定されている。横樋6は、係止溝29に係止具30の係止片31をそれぞれ係合することにより、下地板3の長手方向に対して平行となるように下地板3上に着脱自在に固定されている。係止具30の両端部は、リベット32の他、溶接等によりそれぞれ下地板3上に固定することもできる。なお、本実施形態のように、横樋6を弾性力により上方へ押圧する逆V字状の弾性片33を係止具30に少なくとも1つ(例えば2つ)設けておけば、横樋6のガタツキを防止できるという利点がある。また、横樋6を着脱自在に固定しておけば、必要に応じて横樋6を交換できるという利点がある。
【0026】
ここで、横樋6は、下地板3上にあらかじめ固定しておいてもよいし、下地板3を梁19の固定板5上に複数の支持部材4を介して固定してから下地板3上に固定してもよい。図3〜図5に示すように、横樋6の建物7側の突出部28と最も外側に位置する床材2の外側縁2aとの間や、横樋6の外側の突出部28と屋外の柱16の建物7側に建物7の周方向に配置された横材34等との間は、シーリング材35でシーリングしておくのが望ましい。この場合、シーリング材35の下には、三面接着防止のためのボンドブレーカー(又はバックアップ材)35bを配置しておくのが望ましい。同様に、床材2同士の間も、シーリング材35でシーリングしておくのが望ましい。この場合も、図示しないが、シーリング材35の下には、三面接着防止のためのボンドブレーカー又はバックアップ材を配置しておくのが望ましい。
【0027】
上記のように構成された屋外通路1によれば、支持部材4を固定板5上に載置した状態で固定できるので、支持部材4の高さ位置、即ち横樋6の高さ位置が下方向へずれるおそれがないという利点がある。また、排水溝27を有する横樋6は建物7の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しているので、雨水を適切に排水できるという利点がある。
【0028】
ここで、図2及び図5に示すように、下方へ突出する例えば2つの雄ネジ部材41を下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて下地板3の長手方向の下流端3c近傍の下面3bに設け、雄ネジ部材41を固定板5の下面5bから下方へ突出するように固定板5のボルト孔25に上方から挿通し、固定用ナット42を雄ネジ部材41に螺合して固定板5の下面5bに対して締め付けるようにしておけば、雄ネジ部材41を固定板5のボルト孔25に挿通するだけで簡単に下地板3の位置決めを行えるという利点がある。雄ネジ部材41の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0029】
なお、固定用ナット42と固定板5との間には、座金42Aを介在させるのが望ましい。座金42Aは、固定用ナット42に回転自在に固定しておいてもよい。
【0030】
また、隣接する下地板3の長手方向の上流端3d同士は、図2のように突き合わせることができる。隣接する横樋6の長手方向の上流端6d同士の間は、一定間隔を開けておいてその隙間にシーリング材35を充填するのが望ましい。下地板3の長手方向の下流端3cに対しては、下地板3と同様に構成されて梁19の固定板5上に水平方向に載置された役物下地板43の長手方向の端部43aを突き合わせることができる。横樋6の長手方向の下流端6dと、下地板3上に固定する場合と同様にして役物下地板43上に着脱自在に固定された横樋6の長手方向の端部6eとの間は、一定間隔を開けておいてその隙間にシーリング材35を充填するのが望ましい。役物下地板43上の横樋6の排水溝27には、図2のような鉛直方向に延びるドレイン44の上端を接続することができる。これにより、下地板3上の横樋6の排水溝27を流下する雨水を、役物下地板43上の横樋6の排水溝27を経由してドレイン44内に排水することができる。この場合、ドレイン44は、梁19の固定板5に設けた切欠部5cや梁19の下板23に設けた切欠部23cに挿入すればよい。
【0031】
更に、下方へ突出する例えば2つの雄ネジ部材45を役物下地板43の幅方向に互いに間隔を開けて役物下地板43の長手方向の端部43a近傍の下面43bに設け、雄ネジ部材45を固定板5の下面5bから下方へ突出するように固定板5のボルト孔25に上方から挿通し、固定用ナット46を雄ネジ部材45に螺合して固定板5の下面5bに対して締め付けるようにしておけば、雄ネジ部材45を固定板5のボルト孔25に挿通するだけで簡単に役物下地板43の位置決めを行えるという利点がある。雄ネジ部材45の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。固定用ナット46と固定板5との間には、座金46Aを介在させるのが望ましい。座金46Aは、固定用ナット46に回転自在に固定しておいてもよい。
【0032】
また、支持部材4は、既述のように下地板3の幅方向に互いに間隔を開けて複数個設けてもよいが、下方へ突出しかつ下地板3の幅方向に延びる図9及び図10のような支持部材84を下地板3の長手方向に互いに間隔を開けて1つずつかつ下流に位置するほど下方への突出長さが小さくなるように設けてもよい。
【0033】
支持部材84は、突出板85、固着板86、取付板87、及び固定用ナット88を備えている。固着板86は、突出板85の上縁に突設されており、下地板3の下面3bに溶接等により固着されている。取付板87は、突出板85の下縁に固着板86と反対方向へ突出するように設けられている。固定用ナット88は、雌ネジ穴89を有しており、取付板87上に溶接等により固着されている。この固定用ナット88の雌ネジ穴89は、取付板87に形成したボルト孔90と連通している。そのため、固定用ナット88の雌ネジ穴89は、支持部材84の下面84bに取付板87のボルト孔90を通じて開口している。
【0034】
梁19の固定板5のボルト孔25には、固定用ボルト26の雄ネジ部26aが下方から挿通されている。固定用ボルト26の雄ネジ部26aは、取付板87のボルト孔90を介して固定用ナット88の雌ネジ穴89に螺入されている。固定用ボルト26の頭部26bは、固定板5の下面5bに対して締め付けられている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明に係る屋外床は、横樋の高さ位置がずれるのを防止するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態に係る屋外通路の幅方向の断面を示す概略説明図。
【図2】建物側から見た下地板を梁の固定板上に複数の支持部材を介して固定する様子を示す一部省略側面図。
【図3】下地板の長手方向の上流端近傍における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図4】下地板の長手方向の上流端と下流端の間における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図5】下地板の長手方向の下流端近傍における構成部材の配置状態を示す要部拡大概略断面図。
【図6】腕木の一部省略正面図。
【図7】横樋を下地板上の係止具から取り外した状態を示す要部拡大概略断面図。
【図8】係止具近傍における下地板の一部を切り欠いた概略平面図。
【図9】他の支持部材を使用した例を示す要部拡大省略断面図。
【図10】図9の右方向から見た要部拡大省略側面図。
【図11】従来技術を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0037】
1 屋外通路(屋外床)
2 床材
3 下地板
3b 下面
3c 下流端
4 支持部材
4b 下面
5 固定板
5b 下面
6 横樋
7 建物
24 雌ネジ穴
25 ボルト孔
26 固定用ボルト
26a 雄ネジ部
26b 頭部
27 排水溝
41 雄ネジ部材
42 固定用ナット
84 支持部材
84b 下面
89 雌ネジ穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の周方向に対して直角方向の内側から外側に向かって下る水勾配を付けた複数枚の床材を屋外に連設し、
前記建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しかつその傾斜方向に延びる下地板を最も外側に位置する床材の外側に配置し、
下方へ突出しかつ下面に開口した雌ネジ穴を有する複数の支持部材を前記下地板の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように前記下地板の下面に設け、
固定板を前記支持部材の下に水平方向に配置し、
複数のボルト孔を前記固定板に形成し、
固定用ボルトの雄ネジ部を前記固定板のボルト孔に下方から挿通して前記支持部材の雌ネジ穴に螺入し、
前記固定用ボルトの頭部を前記固定板の下面に対して締め付け、
長手方向に延びる排水溝を上部に設けた横樋を前記下地板の長手方向に対して平行となるように前記下地板上に固定したことを特徴とする屋外床。
【請求項2】
下方へ突出する少なくとも1つの雄ネジ部材を前記下地板の長手方向の下流端近傍の下面に設け、
前記雄ネジ部材を前記固定板の下面から下方へ突出するように前記固定板のボルト孔に上方から挿通し、
固定用ナットを前記雄ネジ部材に螺合して前記固定板の下面に対して締め付けた請求項1記載の屋外床。
【請求項1】
建物の周方向に対して直角方向の内側から外側に向かって下る水勾配を付けた複数枚の床材を屋外に連設し、
前記建物の周方向の一側から他側に向かって下るように傾斜しかつその傾斜方向に延びる下地板を最も外側に位置する床材の外側に配置し、
下方へ突出しかつ下面に開口した雌ネジ穴を有する複数の支持部材を前記下地板の長手方向に互いに間隔を開けかつ下流に位置するほど突出長さが小さくなるように前記下地板の下面に設け、
固定板を前記支持部材の下に水平方向に配置し、
複数のボルト孔を前記固定板に形成し、
固定用ボルトの雄ネジ部を前記固定板のボルト孔に下方から挿通して前記支持部材の雌ネジ穴に螺入し、
前記固定用ボルトの頭部を前記固定板の下面に対して締め付け、
長手方向に延びる排水溝を上部に設けた横樋を前記下地板の長手方向に対して平行となるように前記下地板上に固定したことを特徴とする屋外床。
【請求項2】
下方へ突出する少なくとも1つの雄ネジ部材を前記下地板の長手方向の下流端近傍の下面に設け、
前記雄ネジ部材を前記固定板の下面から下方へ突出するように前記固定板のボルト孔に上方から挿通し、
固定用ナットを前記雄ネジ部材に螺合して前記固定板の下面に対して締め付けた請求項1記載の屋外床。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−198095(P2007−198095A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21117(P2006−21117)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
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