説明

屋外用床仕上げ材、及びそれを設置した建物

【課題】第1に、建物側への照り返しを防ぐことができる屋外用床仕上げ材を提供すること、第2に、建物側への照り返しを防ぐことである。
【解決手段】バルコニー床仕上げ材25において、その表面には多数連続して断面三角山状の突状部26が形成されている。つまり、各突状部26は縞状に並んで設けられている。突状部26において、表面側の2つの傾斜面27,28はそれぞれ非対称面となっており、図の左側の傾斜面27はその傾斜が比較的緩く、図の右側の傾斜面28はその傾斜が比較的きついものとなっている。傾斜面27は、入射する太陽光を同入射側又は直上側に反射させる太陽光反射面となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外用床仕上げ材、及びそれを設置した建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物では、建物本体に隣接してバルコニーやテラスなどが設けられることがある。その概要を図7に示す。図7において、建物40では建物本体41に窓部42が設けられ、窓部42の屋外側にバルコニー43が設けられている。かかる構成では、バルコニー43の床面に太陽光が当たると、照り返しによって太陽光が窓部42を介して居室44内に入り、太陽熱により居室44内の天井部45が暖められる。この場合、天井部45が蓄熱材となるため、夏場などにおいては居室44内が夜間まで暑くなってしまい、室内環境が悪いものとなる。また、冷房設備により居室44内を冷やす場合に、余分な冷房エネルギを要するという不都合も生じる。故に、上記の不都合を解消するための対策が望まれている。
【0003】
ちなみに、この種の関連技術として例えば特許文献1がある。同特許文献1のタイル材では、素地表面に凹凸面を形成し、その意匠性を向上させるようにしている。ただし、上記タイル材では建物側への照り返しを防止したりすることはできず、照り返し対策となる技術ではなかった。
【特許文献1】特公平6−47512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、第1に、建物側への照り返しを防ぐことができる屋外用床仕上げ材を提供すること、第2に、建物側への照り返しを防ぐことにより屋内環境を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0006】
本発明の屋外用床仕上げ材(バルコニー床仕上げ材25)は、建物本体(建物本体11)に隣接するバルコニーやテラス等の床仕上げ材として用いられる。そして、屋外用床仕上げ材の特徴な構成として、表面側に2つの傾斜面(傾斜面27,28)を有してなる突状部(突状部26)を多数縞状に設け、前記2つの傾斜面のうち一方を、入射する太陽光を同入射側又は直上側に反射させる太陽光反射面(第1傾斜面27)とした。本構成によれば、屋外用床仕上げ材をバルコニーやテラス等の床仕上げ材として使用する場合に、太陽光の反射方向を入射側又は直上側とすることができるため、建物本体側への照り返しを防ぐことができる。
【0007】
前記突状部の2つの傾斜面を非対称面とし、そのうち太陽光反射面の傾斜角度を小さく、他方の傾斜面の傾斜角度を大きくすると良い。これは、太陽光を直上側に反射させる上で好適な構成である。
【0008】
春分又は秋分の日射角度を基準とし、春分又は秋分時期に太陽光が直上側に反射されるように太陽光反射面の傾斜角度を規定すると良い。この場合、基準とする春分又は秋分時期で建物本体側への照り返しが防止できる。また、春分又は秋分よりも夏寄りの時期は日差しが強いため、特に照り返しが問題となるが、当該時期は春分又は秋分よりも日射角度(太陽高度)が大きくなるため、春分又は秋分時期で建物本体側への照り返しが防止されていれば、春分又は秋分よりも夏寄りの時期でも同様に照り返しが防止できる。
【0009】
ここで、日射角度(太陽高度)が小さいほど、建物本体側への照り返しが生じ易くなる。故に、1年を照り返し防止期間とそれ以外の期間とで分けた場合に、照り返し防止期間内における最小の日射角度(同時刻における日射角度)を基準に、前記太陽光反射面の傾斜角度を規定すると良い。この場合、照り返し防止期間(例えば、春分〜夏至〜秋分の期間)において、確実に建物本体側への照り返しを防止することが可能となる。
【0010】
前記照り返し防止期間内での最小の日射角度をX、水平面に対する前記太陽光反射面の傾斜角度をαとした場合に、同傾斜角度αを、
α≧(90°−X)/2 …(1)
として規定すると良い。図示すると、図6のとおりである。図中、Kが屋外用床仕上げ材の太陽光反射面である。上記のように傾斜角度αを規定することにより、入射する太陽光を同入射側又は直上側に反射させることが可能となる。
【0011】
具体的な数値で言えば、春分又は秋分での日射角度は約55°(東京で正午の日射角度)であり、X=55°として、上記(1)式に当てはめると、傾斜角度α≧17.5°となる。故に、屋外用床仕上げ材の太陽光反射面を、水平面に対して傾斜角度を17.5°以上の角度で形成すると良い。なお、傾斜角度αの最大値は90°、又は太陽光反射面とは逆側の傾斜面の傾斜角度よりも小さい角度である。
【0012】
なお、上記の数値は、東京での日射角度を基準としており、例えば東京よりも緯度が大きい場所では、春分又は秋分での日射角度が小さくなり、逆に東京よりも緯度が小さい場所では、春分又は秋分での日射角度が大きくなる。したがって、使用場所(建物の施工場所)によって、最適な傾斜角度αが変わると考えられる。又は、傾斜角度αが同一であれば、使用場所(建物の施工場所)によって、実際に照り返し防止が可能となる期間が変わると考えられる。
【0013】
また、夏至の日射角度を基準とし、夏至の時に太陽光が直接当たらないように、前記突状部において太陽光反射面とは逆側の傾斜面(第2傾斜面28)の傾斜角度を規定すると良い。この場合、太陽光反射面とは逆側の傾斜面を1年を通じて常に陰面とすることができる。具体的には、夏至での日射角度は約78°(東京で正午の日射角度)であり、太陽光反射面とは逆側の傾斜面の傾斜角度を78°以上にすると良い(実際には、78°〜90°の範囲内の角度とする)。
【0014】
屋外用床仕上げ材の突状部の高さ寸法を1〜5mm程度にすると良い。より望ましくは、同高さ寸法を2〜4mm程度にすると良い。又は、前記多数の突状部の設置間隔(ピッチ寸法)を3〜15mm程度にすると良い。より望ましくは、同設置間隔を5〜12mm程度にすると良い。上記のように突状部の高さ寸法や設置間隔を規定することにより、住宅等の建物で使用する上で、好適なる構成が実現できる。例えば、降雨の後などには、雨水は各突状部の間の底部に溜まる。そのため、屋外用床仕上げ材の上を歩いても足が濡れにくくなる。
【0015】
前記突状部の頂部に面取りが施されていると良い。この場合、屋外用床仕上げ材上を素足で歩いたとしても痛くない構成とすることができる。
【0016】
バルコニーやテラス等を有する建物(建物10)においては、前記太陽光反射面を建物本体とは逆向きにして、バルコニーやテラス等の床面上に屋外用床仕上げ材を設置すると良い。この場合、屋外用床仕上げ材の太陽光反射面が建物本体とは逆向きになっているため、太陽光の照り返しが建物本体側に差し込むことが防止できる。故に、建物において屋内環境を向上させることができる。
【0017】
又は、バルコニーやテラス等を有する建物(建物10)において、前記太陽光反射面を南向きにして、バルコニーやテラス等の床面上に屋外用床仕上げ材を設置すると良い。一般に、バルコニーやテラス等は建物本体の南側に設けられているため、屋外用床仕上げ材の太陽光反射面を南向きにすることで、太陽光の照り返しが建物本体側に差し込むことが防止できる。故に、建物において屋内環境を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、建物の外観構成の一部を示す図である。
【0019】
図1において、建物10は2階建て住宅よりなり、建物本体11の2階部分には窓部(ここでは掃き出し窓)12が設けられている。符号13は2階部分の屋根、符号14は2階屋内側の天井、符号15は居室である。
【0020】
窓部12の屋外側には、建物本体11の南側に張り出すようにしてバルコニー21が設けられている。バルコニー21は、平坦状のバルコニー床22と、バルコニー床22を囲むように設けられた手摺り23とを有している。バルコニー床22上には一面に多数のバルコニー床仕上げ材25が敷設されている。
【0021】
次に、バルコニー床仕上げ材25の詳細について説明する。図2(a)はバルコニー床仕上げ材25を示す斜視図であり、図2(b)はバルコニー床仕上げ材25の断面図である。バルコニー床仕上げ材25は合成樹脂による射出成形品であり、全体として四角板状をなしている。そのサイズは例えば300mm角×厚み20mmである。ただし、同床仕上げ材25を長方形板状としたり、長尺形状としたりすることも可能である。
【0022】
バルコニー床仕上げ材25の表面には、直線状をなす多数の溝が形成されている。この多数の溝は所定ピッチで同一方向に形成されており、この多数の溝により、多数連続して断面三角山状の突状部26が形成されている。つまり、各突状部26は縞状に並んで設けられている。突状部26において、表面側の2つの傾斜面27,28はそれぞれ非対称面となっており、図の左側の傾斜面27はその傾斜が比較的緩く、図の右側の傾斜面28はその傾斜が比較的きついものとなっている。説明の便宜上以下、傾斜面27を「第1傾斜面27」、傾斜面28を「第2傾斜面28」という。第1傾斜面27が「太陽光受光面」に相当する。
【0023】
隣り合う突状部26の間には、各突状部26の延設方向に沿って長板状の脚部29が形成されている。なお、脚部29の設置間隔を拡げた構成(すなわち、脚部29を間引いた構成)、又は脚部29を設けない構成とすることも可能である。
【0024】
建物10においては、各突状部26の第1傾斜面27を南向きとして(逆に言えば、第2傾斜面28を北向きとして)、バルコニー床仕上げ材25がバルコニー床22上に並べて設置される。また換言すれば、バルコニー床仕上げ材25は、各突状部26の第1傾斜面27が建物本体11の逆側を向くようにして設置される。この場合、図3に示すように、太陽光は、バルコニー上のバルコニー床仕上げ材25に対して所定の日射角Xで入射し、各突状部26の第1傾斜面27に当たって反射する。その際、反射光は入射側へ反射するため、建物本体11側への太陽光の照り返しが抑制される(図1参照)。
【0025】
故に、居室15に太陽光が差し込み、その太陽熱により天井14が暖められるといった事態が回避できる。夏期においては、昼間の照り返しにより天井14が蓄熱材となり、その蓄熱により夜間において居室15内が暑くなるといった不都合が解消される。冷房効率の向上にも寄与でき、省エネルギ効果が期待できる。その他、太陽光の照り返しによる眩しさも解消できる。
【0026】
次に、バルコニー床仕上げ材25における突状部26の具体的な寸法について図4を用いて説明する。
【0027】
図4では、突状部26において、水平面に対する第1傾斜面27の傾斜角度をθ1、水平面に対する第2傾斜面28の傾斜角度をθ2としている。この場合、第1傾斜面27の傾斜角度θ1は17.5°〜78°の範囲内で規定され、第2傾斜面28の傾斜角度θ2は78°〜90°の範囲内で規定されるものとしている。以下、その角度範囲の根拠を説明する。
【0028】
要するに、建物本体11側への太陽光の照り返しは、日射角度(太陽高度)が小さいほど生じ易くなる。本実施形態では、春分又は秋分よりも夏寄りの期間を照り返し防止期間とし、当該期間での照り返し防止を図ることとしている。そこで、春分又は秋分の日射角度を基準とし、春分又は秋分時期に太陽光が直上側に反射されるように第1傾斜面27(太陽光反射面)の傾斜角度を規定する。
【0029】
ここで、春分又は秋分の日射角度は約55°(東京で正午の日射角度)であり、日射角度=55°とした場合に、太陽光を直上側に反射させるための第1傾斜面27(太陽光反射面)の傾斜角度θ1は17.5°となる。このとき、傾斜角度θ1≧17.5°とすることにより、太陽光をその入射側又は直上側に反射させることが可能となる。
【0030】
また、1年のうちで最も日射角度(太陽高度)が大きくなるのは夏至の正午であり、その日射角度は約78°である。この場合、第2傾斜面28の傾斜角度θ2を78°以上とすれば、1年中のいずれの季節でも第2傾斜面28に太陽光が直接当たることがなくなる。つまり、第2の傾斜面28は常に陰面となる。また、加工の容易性や強度などを考慮すると、第2傾斜面28の傾斜角度θ2の最大値は90°であり、θ2=78°〜90°とする。
【0031】
なお、第2傾斜面28の傾斜角度θ2を78°〜90°の範囲で規定したことに伴い、第1傾斜面27の傾斜角度θ1の最大値を78°とするのが望ましい。
【0032】
ちなみに、上記の各数値は、東京での日射角度を基準としており、例えば東京よりも緯度が大きい場所では、春分又は秋分での日射角度が小さくなり、逆に東京よりも緯度が小さい場所では、春分又は秋分での日射角度が大きくなる。したがって、使用場所(建物の施工場所)によって、最適な傾斜角度θ1,θ2が変わると考えられる。又は、傾斜角度θ1,θ2が同一であれば、使用場所(建物の施工場所)によって、実際に照り返し防止が可能となる期間が変わると考えられる。
【0033】
また、突状部26の頂部(第1傾斜面27と第2傾斜面28との間の先端頂部)には、面取りが施されている。例えば、面取り寸法はR=0.5mm程度である。この場合、バルコニー床仕上げ材25上を素足で歩いたとしても痛くない構成とすることができる。
【0034】
バルコニー床仕上げ材25の突状部26に関し、その他の具体的数値として、突状部の26高さ寸法(図4の山高さH)を1〜5mm程度にすると良い。より望ましくは、同高さ寸法を2〜4mm程度にすると良い。また、多数の突状部26の設置間隔(図4のピッチ間隔P)を3〜15mm程度にすると良い。より望ましくは、同設置間隔を5〜12mm程度にすると良い。上記のように突状部26の高さ寸法や設置間隔を規定することにより、建物10のバルコニー22に設置する上で、好適なる構成が実現できる。例えば、降雨の後などには、雨水は各突状部26の間の底部に溜まる。そのため、バルコニー床仕上げ材25の上を歩いても足が濡れにくくなるなどのメリットがある。
【0035】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0036】
バルコニー床仕上げ材25において、表面側に2つの傾斜面27,28を有してなる突状部26を多数縞状に設け、そのうち一方の傾斜面27を、入射する太陽光を同入射側又は直上側に反射させる太陽光反射面とした。そして、第1傾斜面27が建物本体11の逆側を向くようにして、バルコニー床仕上げ材25を建物10のバルコニー22に設置した。これにより、太陽光の照り返しが建物本体11側に差し込むことが防止できる。故に、建物10において屋内環境を向上させることができる。
【0037】
春分又は秋分の日射角度を基準とし、春分又は秋分時期に太陽光が直上側に反射されるように太陽光反射面の角度を規定したため(具体的には、図4のθ1を17.5°以上としたため)、所望とする照り返し防止期間(春分〜夏至〜秋分の期間)において建物本体11側への照り返しが防止できる。
【0038】
照り返し防止期間以外の期間(本実施形態では冬期)においては、逆に太陽光の照り返しが許容される。これにより、冬場において、太陽光の照り返しによる居室11の温度上昇効果が期待できる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0040】
上記実施形態では、バルコニー床仕上げ材25の表面に直線状をなす多数の溝を形成し、それにより、同じく直線状の突状部26を形成したが、これを変更する。例えば、図5の(a)に示すように、バルコニー床仕上げ材25の表面に、折れ線状をなす多数の溝を形成し、それにより、同じく折れ線状の突状部を形成しても良い。又は、図5の(b)に示すように、バルコニー床仕上げ材25の表面に、波線状をなす多数の溝を形成し、それにより、同じく波線状の突状部を形成しても良い。上記のように、突状部(溝)を折れ線状、波線状とすることにより、バルコニー床仕上げ材25の強度アップの効果も期待できる。また、強度を確保しつつ、バルコニー床仕上げ材25の肉厚を薄くすることが可能となる。
【0041】
バルコニー床仕上げ材25において、各床仕上げ材25が隣接する側部に、各床仕上げ材25同士を結合するための係止結合部を形成する構成としても良い。係止結合部は、例えば鉤形状又は凹凸状などをなすものとする。これにより、バルコニー床仕上げ材25をバルコニー22に設置した場合の位置ズレ防止等が可能となる。
【0042】
上記実施形態では、バルコニー床仕上げ材25を合成樹脂により射出成形したが、これを変更し、他の製法又は他の材料により作製することも可能である。例えば、バルコニー床仕上げ材を陶磁製、金属製などとする。
【0043】
また、バルコニー床仕上げ材25を長尺シート状とし、必要な長さに切り取って使用できるようにしても良い。この場合、柔軟性を有する合成樹脂材料などによりバルコニー床仕上げ材を作製し、ロール状に巻回しておく。そして、必要量ずつ長さを測って切断し、使用する。
【0044】
上記実施形態では、春分〜夏至〜秋分の期間を照り返し防止期間とし、当該期間において建物本体11側への照り返しが防げるようにバルコニー床仕上げ材25の太陽光反射面(第1傾斜面27)の傾斜角度を規定したが、その照り返し防止期間を適宜変更し、その変更に伴い太陽光反射面(第1傾斜面27)の傾斜角度を変更することも可能である。例えば、夏期のみの照り返し防止を図る場合には、太陽光反射面(第1傾斜面27)の傾斜角度を上記角度(最小角度=17.5°)よりも小さめにする。
【0045】
上記実施形態では、二階建て建物10において二階部分のバルコニーに本発明の屋外用床仕上げ材(バルコニー床仕上げ材25)を設置した事例について説明したが、他の用途にも適用できる。例えば、建物の一階部分に設けたテラスやデッキなどに本発明の屋外用床仕上げ材を設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】建物の外観構成の一部を示す図。
【図2】(a)はバルコニー床仕上げ材を示す斜視図、(b)はバルコニー床仕上げ材の断面図。
【図3】バルコニー床仕上げ材による太陽光反射の様子を示す略図。
【図4】バルコニー床仕上げ材の具体的な寸法等を示す図。
【図5】別の形態におけるバルコニー床仕上げ材を示す図。
【図6】屋外用床仕上げ材の傾斜角度の規定について説明するための略図。
【図7】従来技術における建物のバルコニー部分を示す図。
【符号の説明】
【0047】
10…建物、11…外壁、21…バルコニー、25…バルコニー床仕上げ材、26…突状部、27…第1傾斜面、28…第2傾斜面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物本体に隣接するバルコニーやテラス等の床仕上げ材として用いられる屋外用床仕上げ材であって、
表面側に2つの傾斜面を有してなる突状部を多数縞状に設け、前記2つの傾斜面のうち一方を、入射する太陽光を同入射側又は直上側に反射させる太陽光反射面としたことを特徴とする屋外用床仕上げ材。
【請求項2】
前記突状部の2つの傾斜面を非対称面とし、そのうち太陽光反射面の傾斜角度を小さく、他方の傾斜面の傾斜角度を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項3】
春分又は秋分の日射角度を基準とし、春分又は秋分時期に太陽光が直上側に反射されるように前記太陽光反射面の傾斜角度を規定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項4】
1年を照り返し防止期間とそれ以外の期間とで分けた場合に、照り返し防止期間内における最小の日射角度を基準に、前記太陽光反射面の傾斜角度を規定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項5】
前記照り返し防止期間内での最小の日射角度をX、水平面に対する前記太陽光反射面の傾斜角度をαとした場合に、同傾斜角度αを、
α≧(90°−X)/2
として規定したことを特徴とする請求項4に記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項6】
前記太陽光反射面を、水平面に対して傾斜角度を17.5°以上の角度で形成した請求項1又は2に記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項7】
夏至の日射角度を基準とし、夏至の時に太陽光が直接当たらないように、前記突状部において太陽光反射面とは逆側の傾斜面の傾斜角度を規定したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項8】
前記突状部の高さ寸法を1〜5mm程度にしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項9】
前記多数の突状部の設置間隔を3〜15mm程度にしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項10】
前記突状部の頂部に面取りが施されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材。
【請求項11】
バルコニーやテラス等の床面上に、請求項1乃至10のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材を前記太陽光反射面を建物本体とは逆向きにして設置したことを特徴とする建物。
【請求項12】
バルコニーやテラス等の床面上に、請求項1乃至10のいずれかに記載の屋外用床仕上げ材を前記太陽光反射面を南向きにして設置したことを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−285063(P2007−285063A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116025(P2006−116025)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】