説明

屋外用照明装置

【課題】非常時専用の光源を必要とせず、バッテリ電源の消費電力を節約可能な屋外用照明装置を提供する。
【解決手段】周囲の明るさに応じて光源3を点灯又は消灯する屋外用照明装置100において、商用電源1からの電力供給により光源3を点灯する点灯回路14と、商用電源1の電力を蓄電するバッテリ電源16と、商用電源1の電力供給が停止したときに、バッテリ電源16の蓄電電力により光源3を非常点灯する非常点灯回路18と、周囲の明るさを検出する受光センサ38と、受光センサ38が明るさを検出した場合、蓄電電力による光源3の非常点灯を停止する非常点灯停止部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の明るさに応じて点灯又は消灯する屋外用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周囲が暗くなるとランプ(光源)を点灯し、周囲が明るくなるとランプを消灯する屋外用照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この屋外用照明装置は、商用電源から電力が供給されて点灯する第1のランプとは別に、太陽電池で充電されるバッテリ電源から電力が供給されて点灯する第2のランプを備え、商用電源の停電時に第2のランプを点灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−79201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、常時に点灯する第1のランプとは別に非常時に点灯する第2のランプを必要とするため、部品点数が増加するという問題がある。また、商用電源の停電時に、光源の電力供給をバッテリ電源に切り替える屋外用照明装置が提案されているが、この屋外用照明装置では、光源の電力供給をバッテリ電源に切り替えた場合、周囲の明るさに係わらず光源が点灯されるため、昼間にバッテリ電源の電力が使用されてしまい、夜間に光源を点灯できないおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、非常時専用の光源を必要とせず、バッテリ電源の消費電力を節約可能な屋外用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、周囲の明るさに応じて光源を点灯又は消灯する屋外用照明装置において、商用電源からの電力供給により前記光源を点灯する点灯回路と、前記商用電源の電力を蓄電するバッテリ電源と、前記商用電源の電力供給が停止したときに、前記バッテリ電源の蓄電電力により前記光源を非常点灯する非常点灯回路と、周囲の明るさを検出する受光センサと、前記受光センサが明るさを検出した場合、蓄電電力による前記光源の非常点灯を停止する非常点灯停止部と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記構成において、前記バッテリ電源を充電する太陽電池を備え、夜間は前記バッテリ電源の太陽電池による充電を停止してもよい。
【0007】
上記構成において、前記光源はLEDであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商用電源から光源への電力供給が停止したときに、バッテリ電源の蓄電電力により光源を非常点灯するため、非常時専用の光源を必要としない。
また受光センサが明るさを検出した場合、蓄電電力による光源の非常点灯を停止するため、周囲が明るいときにバッテリ電源の消費電力を節約できる。
日照のあるときに、太陽電池からもバッテリ電源に充電を行うので、非常点灯時の放電持続時間を長く設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る防犯灯の構成を示す回路図である。
【図2】点灯動作を示すフローチャートである。
【図3】太陽電池による充電動作を示すフローチャートである。
【図4】充電停止動作を示すフローチャートである。
【図5】放電停止動作を示すフローチャートである。
【図6】防犯灯の外観構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、屋外用照明装置として、屋外に立設した電柱などの支柱に取り付けられて街路面を照明する防犯灯について例示する。
図1は、本実施の形態に係る防犯灯の構成を示す回路図である。
防犯灯100は、交流の商用電源1に接続され、この商用電源1から電力が供給されると共に、この商用電源1の稼動が停止した場合には、バッテリ電源16から電力が供給される。商用電源1には、点滅器2を介して電源装置10及び光源3が接続される。点滅器2は、周囲の明るさが防犯用の点灯閾値以下となった場合に作動して電源装置10に商用電源1の電源電圧を出力する。電源装置10は、3つの入力端子T1〜T3を備えた3線式に構成されており、この構成により、周囲が明るい時にも(点滅器2の停止の時にも)バッテリ電源16の充電が可能となる。光源3は、1又は複数(本実施の形態では、6つ)のLED4を備えている。
【0011】
一般に、防犯灯には明るさ及び配光の基準が定められており、上記電源装置10は、この基準を満足するようにLED4を点灯させる。係る基準について詳細には、防犯効果が得られる明るさの基準は、歩行者交通量によって異なり、防犯灯としては、少なくとも歩行者交通量の少ない場合の基準値を満たすことが推奨されている。歩行者交通量の少ない場合の明るさの基準は、街路の路面の明るさの平均が3ルクス以上であり、街路の中心軸上で路面からの高さが1.5m(メートル)のところの鉛直面照度が0.5ルクスであり、さらに、4m(メートル)先の歩行者の挙動などが視認可能な程度であることである。
すなわち、上記光源3のLED4は、防犯灯100から4m(メートル)遠方においても歩行者の挙動が十分に視認可能な照度を達成する輝度、及び、配光を有している。このように防犯灯においては遠方にも照射光が到達するため、防災時に点灯させることで経路の誘導効果を生じさせることができる。
【0012】
商用電源1の活性側は、点滅器2の黒線2Aに接続され、点滅器2の赤線2Bから電源装置10の入力端子T1に接続される。また、商用電源1の活性側は、電源装置10の入力端子T2に接続される。商用電源1の接地側は点滅器2の白線2C及び電源装置10の入力端子T3へ接続される。なお、図1中、符号G1、G2は接地である。
電源装置10の入力端子T2,T3には、商用電源1の電源電圧からノイズを除去するとともに突入電流を抑制する入力回路11、ノイズが除去された電源電圧を直流電圧に整流して出力する整流平滑部12、直流電圧を4回路出力するスイッチング電源13が接続される。入力回路11と入力端子T2の間には、商用電源1からの過度の電流入力から回路を保護する保護回路としてのヒューズ71が介挿されている。
【0013】
スイッチング電源13の出力側には、商用電源1からの電力を光源3に供給して光源3を点灯(常時点灯)する点灯回路14が接続されている。点灯回路14は、逆電流を防止するためのダイオード72を介して光源3に接続されるとともに、後述の非常点灯回路18の出力端に接続されている。
点灯回路14と点滅器2の赤線2Bの間は、フォトカプラにより構成されていて、点灯制御部15が点灯回路14に信号により接続される。点灯制御部15は、点灯回路14を制御する回路であり、点滅器2の作動時に点灯回路14を作動する。
【0014】
また、スイッチング電源13の出力側には、スイッチング電源13から出力された直流電圧をバッテリ電源16に印加してバッテリ電源16を充電する充電回路17が接続される。充電回路17には、充電状態をモニタリングするために、LED73が設けられている。スイッチング電源13からの出力電圧がLED73の駆動閾値をこえている間、すなわち、バッテリ電源16が充電されている間、LED73が点灯し、充電が行われていることを報知する。充電回路17は、逆電流を防止するためのダイオード74を介してバッテリ電源16に接続される。
バッテリ電源16は、商用電源1から光源3への電力供給が停止したときに光源3を点灯させるための電力を蓄電する。このバッテリ電源16には、例えばニッケル・カドミウムバッテリやニッケル水素バッテリ等が好適に用いられる。
【0015】
バッテリ電源16には、バッテリ電源16の電力を光源3に供給して光源3を点灯(非常点灯)する非常点灯回路18と、バッテリ電源16の電圧を検出(監視)するバッテリ電圧検出回路20とが接続されている。バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16の電圧が所定の過充電保護電圧以上になると、充電回路17を停止することにより、バッテリ電源16への電力の供給を停止する。この過充電保護電圧は、バッテリ電源16の種類に応じた満充電電圧よりも低い値に設定された電圧である。すなわち、バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16の過充電を防止する過充電防止手段として機能する。
【0016】
具体的には、バッテリ電圧検出回路20は、フォトカプラを構成するダイオード24と、トランジスタ(スイッチ素子)25と、定電圧ダイオード26と、抵抗27〜29とを備えている。トランジスタ25のエミッタ端子はグランドに接続され、コレクタ端子はダイオード24に接続され、ベース端子は定電圧ダイオード26に接続される。定電圧ダイオード26はバッテリ電源16に並列に接続される。
従って、バッテリ電源16の電圧が過充電保護電圧以上になり、定電圧ダイオード26に掛かる電圧がそのツェナー電圧を上回ると、トランジスタ25がオンになり、ダイオード24がオンとなる。ダイオード24がオンになると、バッテリ電圧検出回路20は、充電回路17に信号を出力して充電回路17を停止し、これにより、バッテリ電源16への電力の供給が停止される。
【0017】
電源装置10は、切替制御部19と、この切替制御部19の指示に基づいて、商用電源1とバッテリ電源16との間で選択的に電源を切り替える切替回路30とを備えている。切替制御部19は、整流平滑部12の出力側と、ダイオード75及び抵抗76を介して点灯制御部15の出力側とに接続されるとともに、ダイオード77を介してスイッチング電源13に接続され、当該整流平滑部12及び点灯制御部15の出力電圧を監視し、これらの出力電圧に基づいて、切替回路30に電源の切り替えを指示する。より詳細には、整流平滑部12及び点灯制御部15の出力電圧が所定値以上である間、切替制御部19は、切替回路30に信号を出力し、切替回路30に電源として商用電源1を選択するよう指示する。一方、整流平滑部12及び点灯制御部15の出力電圧が所定値を下回った場合、すなわち、商用電源1からの電力供給が停止等した場合、切替制御部19は、切替回路30への信号の出力を停止し、切替回路30に電源としてバッテリ電源16を選択するよう指示する。
【0018】
切替回路30は、切替制御部19から信号が出力されている間、非常点灯回路18を停止するものであり、具体的には、トランジスタ(スイッチ素子)31と、定電圧ダイオード32と、抵抗33と、サイリスタ34と、フォトカプラを構成して切替制御部19からの信号出力の有無に応じてオン/オフするフォトトランジスタ35と、キャパシタ36と、抵抗37と、周囲の明るさを検出するとオンになる受光センサ38とを備えている。トランジスタ31のエミッタ端子が充電回路17とバッテリ電源16との接続端に接続され、コレクタ端子が非常点灯回路18に接続され、ベース端子が定電圧ダイオード32及び抵抗33を介してサイリスタ34に接続される。サイリスタ34のゲート端子は、フォトトランジスタ35を介してグランドに接続される。フォトトランジスタ35には、キャパシタ36と、抵抗37及び受光センサ38とが並列に接続される。抵抗37は、バッテリ電源16と非常点灯回路18との接続端に接続されてバッテリ電源16の電圧が印加されており、この抵抗37に受光センサ38が直列に接続される。
【0019】
従って、商用電源1の正常時に切替制御部19から信号が出力されフォトトランジスタ35がオンになると、サイリスタ34のゲート端子の電圧が一定値以下になり、トランジスタ31がオフになる。これにより、非常点灯回路18が停止し、商用電源1の電力が光源3に供給されて、光源3の点灯が常時点灯に切り替わる。
一方、商用電源1の停電に伴い切替制御部19からの信号出力が停止してフォトトランジスタ35がオフになると、サイリスタ34がオンになり、トランジスタ31がオンになる。これにより、非常点灯回路18が作動し、バッテリ電源16の電力が光源3に供給されて、光源3の点灯が非常点灯に切り替わる。
【0020】
光源3の非常点灯中、受光センサ38が明るさを検出してオンになると、サイリスタ34のゲート端子の電圧が一定値以下になり、トランジスタ31がオフになる。これにより、非常点灯回路18が停止し、光源3が消灯する。すなわち、切替回路30は、周囲が明るい場合にバッテリ電源16による光源3の非常点灯を停止する非常点灯停止部として機能する。
また、光源3の非常点灯によりバッテリ電源16の放電が進み、バッテリ電源16の電圧が放電遮断電圧を下回り、定電圧ダイオード32に掛かる電圧がそのツェナー電圧以下になると、サイリスタ34の主回路(アノード、カソード間)の電流が保持電流以下となり、トランジスタ31がオフになる。これにより、非常点灯回路18が停止してバッテリ電源16の放電が停止する。放電遮断電圧は、バッテリ電源16が終止電圧を超えて放電する状態、いわゆる過放電状態に至るのを防止する電圧であり、終止電圧を下回らない電圧に設定されている。すなわち、切替回路30は、バッテリ電源16の電圧がバッテリ電源16の過放電を防止する過放電防止手段として機能する。
【0021】
また、電源装置10は、バッテリ電源16を太陽電池5により充電する機能を実現するための回路を備えている。この回路は、太陽電池5が出力した電圧を昇圧する昇圧回路51と、逆電流を防止するためのダイオード52と、昇圧された電圧からノイズを除去するキャパシタ53と、電圧を安定化する定電圧制御回路54と、昼夜判別回路40とを備えて構成されている。定電圧制御回路54は、キャパシタ55を介して昼夜判別回路40に接続されている。
【0022】
昼夜判別回路40は、周囲の明るさにより昼夜を判別し、日照のある昼間のみ太陽電池5によりバッテリ電源16の充電を行い、日照のない夜間には太陽電池5によるバッテリ電源16の充電を停止する。具体的には、昼夜判別回路40は、周囲の明るさを検出するとオンになる受光センサ41と、抵抗42,43と、トランジスタ(スイッチ素子)44と、抵抗45,46と、トランジスタ(スイッチ素子)47とを備えている。受光センサ41は、バッテリ電源16に接続されるとともに、抵抗42を介してトランジスタ47のベース端子に接続される。トランジスタ47のベース端子は抵抗43を介してグランドに接続され、エミッタ端子はグランドに接続され、コレクタ端子は抵抗46に接続される。この抵抗46は、トランジスタ44のベース端子に接続される。トランジスタ44のエミッタ端子は、バッテリ電源16と受光センサ41の接続端に接続され、コレクタ端子は上記キャパシタ55に接続される。
【0023】
従って、周囲が明るく、受光センサ41がオンの場合、トランジスタ44,47が共にオンになり、太陽電池5からバッテリ電源16へ電圧が印加されてバッテリ電源16が充電される。
一方、周囲が暗くなって受光センサ41がオフになると、トランジスタ44,47が共にオフになり、太陽電池5からバッテリ電源16への電圧の印加が遮断されてバッテリ電源16の充電は停止する。
【0024】
図2は、点灯動作を示すフローチャートである。
電源投入に伴って商用電源1から商用電力が入力されると(ステップS1)、切替制御部19により商用電源1の電圧が監視され、当該電圧に基づいて商用電源1が正常か否かが判定される(ステップS2)。
商用電源1が正常である場合(ステップS2:Yes)、防犯灯100は、バッテリ電源16の充電を開始し(ステップS3)、バッテリ電源16の充電が例えば所定時間継続すると(ステップS4)、ステップS2に戻って判定を行う。
【0025】
また、商用電源1が正常である場合(ステップS2:Yes)、点滅器2により周囲の明るさが検出され、昼夜の判定(明るさ判定)が行われる(ステップS5)。そして、防犯灯100は、昼間(明るい)と判定された場合(ステップS5:昼)、光源3の点灯は行わずに消灯したままとし(ステップS6)、夜間(暗い)と判定された場合(ステップS5:夜)、点灯回路14を介して光源3に電力を供給し、当該光源3を点灯させる(常時点灯)(ステップS7)。
【0026】
一方、災害発生等で商用電源1の電力供給に異常が検出され(ステップS2:No)、商用電源1が停電になると(ステップS8)、防犯灯100は、切替回路30が光源3への電力供給を非常点灯回路18に切り替え、そして、受光センサ38により検出された周囲の明るさに基づいて光源3を点灯するか否かが判定される(ステップS9)。
周囲が夜間のように暗い場合(ステップS9:夜)、防犯灯100は、バッテリ電源16に蓄電された電力で光源3を点灯させる(非常点灯)(ステップS10)。このように、商用電源1の状態に応じて、光源3への電力供給を商用電源1とバッテリ電源16との間で切り替えるため、非常時専用の光源を必要としない。
周囲が昼間のように明るい場合(ステップS9:昼)、防犯灯100は、光源3の点灯は行わない(ステップS11)。このように、周囲が明るい場合に、バッテリ電源16による光源3の非常点灯を停止するため、バッテリ電源16の消費電力を節約できる。
【0027】
図3は、太陽電池5による充電動作を示すフローチャートである。
まず、受光センサ41により検出された周囲の明るさに基づいて、太陽電池5が生成した電力をバッテリ電源16に蓄電するか否かが判定される(ステップS11)。
周囲が昼間のように所定値よりも明るい場合(ステップS11:昼)、防犯灯100は、太陽電池5によりバッテリ電源16を充電する(ステップS12)。したがって、災害時等に商用電源1の停電が継続する場合にも、昼間に太陽電池5によりバッテリ電源16が充電されるので、夜間に光源3を点灯できる。
【0028】
一方、周囲が夜間のように所定値よりも暗い場合(ステップS11:夜)、防犯灯100は、太陽電池5によるバッテリ電源16の充電は行わない(ステップS13)。このように、日照のない夜間に太陽電池5によるバッテリ電源16の充電を停止するため、太陽電池5によりバッテリ電源16を充電するための回路(例えば、昇圧回路51や定電圧制御回路54)の夜間の消費電力を節約し、バッテリ電源16の電力の消耗を少なくできる。
【0029】
図4は、充電停止動作を示すフローチャートである。
防犯灯100は、電源投入に伴って商用電源1から商用電力が入力されると(ステップS21)、この商用電力によりバッテリ電源16の充電を開始する(ステップS22)。そして、バッテリ電圧検出回路20によりバッテリ電源16の電圧が監視され、当該電圧に基づいてバッテリ電源16が過充電か否かが判定される(ステップS23)。
バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16が過充電になるまで待機し(ステップS23:No)、バッテリ電源16が過充電になると(ステップS23:Yes)、充電回路17を停止し、バッテリ電源16の充電を停止する(ステップS24)。このように、バッテリ電源16の過充電を防止するため、バッテリ電源16の寿命が長くなり、バッテリ電源16のメンテナンス及びランニングコストが低減する。
【0030】
図5は、放電停止動作を示すフローチャートである。
商用電源1の電源が遮断され(停電)(ステップS31)、非常点灯回路18の動作によりバッテリ電源16の電力が光源3に供給されてバッテリ電源16の放電が開始すると(ステップS32)、切替回路30によりバッテリ電源16の電圧が監視され、当該電圧に基づいてバッテリ電源16が過放電か否かが判定される(ステップS33)。
切替回路30は、バッテリ電源16が過放電になるまで待機し(ステップS33:No)、バッテリ電源16が過放電になると(ステップS33:Yes)、非常点灯回路18を停止してバッテリ電源16の放電を停止する(ステップS34)。このように、バッテリ電源16の過放電を防止するため、バッテリ電源16の寿命が長くなり、バッテリ電源16のメンテナンス及びランニングコストが低減する。
【0031】
図6は、防犯灯100の外観構成の一例を示す斜視図である。
防犯灯100は、屋外に立設した支柱の一例たる電柱6に取り付けられ街路を照明するものであり、本体81を有している。この本体81は、電柱6の外周面に沿った円弧を描くように屈曲し、全体的に底面視略扇型に形成され、その背面側に設けられた金属帯状の取付バンド(図示せず)で電柱6に縛り付けられている。本体81には、点滅器2(図1)、電源装置10(図1)、及び光源3が内蔵されている。
本体81内部は仕切板82により上下に仕切られ、上側の空間に点滅器2及び電源装置10が内蔵され、下側の空間には光源3が配置される。本体81の下面には投光開口83が開口し、この投光開口83から街路面に向けて照射光が照射される。この投光開口83には、下側の空間を覆う光透過性のグローブ84が取り付けられている。
【0032】
光源3は、円弧に沿って配列された第1、第2及び第3LEDユニット3A〜3Cと、これら第1〜第3LEDユニット3A〜3Cを固定するユニット取付部85とを有している。これら第1〜第3LEDユニット3A〜3Cは、それぞれアクリル樹脂などの樹脂材を砲弾型に形成してなるレンズ体90と2つのLED4(図4)とを備えて構成したLED光源91を、高熱伝導性材から形成されたマウント基板92にマウントして構成されており、上記レンズ体90の形状を調整することで配光特性が制御可能に構成されている。
【0033】
かかる光源3においては、両側の第1LEDユニット3A及び第2LEDユニット3Bが街路の進行及び後退方向を照明し、中央の第3LEDユニット3Cが電柱6から街路の横断方向を照明する。これにより、街路に沿った広い範囲が照明される。
また、街路進行方向及び後退方向を照明する第1LEDユニット3A及び第2LEDユニット3Bのそれぞれの配光が狭角配光とされることで、防犯灯100から遠方で十分な輝度を維持可能とされており、また、街路の横断方向を照明する第3LEDユニット3Cの配光を広角配光とすることで防犯灯100の近傍を広く照射することで照度が街路の進行方向と同程度に抑えられている。これにより照射範囲の全体に亘り照度ムラが抑制されている。
【0034】
また、電柱6には、本体81とは別体に太陽電池5が固定されている。この太陽電池5が日照のある昼間に生成した電力は、電源装置10のバッテリ電源16(図1)に充電され、光源3の非常点灯時に使用されることとなる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、商用電源1から光源3への電力供給が停止したときに、バッテリ電源16の蓄電電力により光源3を非常点灯するため、非常時専用の光源を必要としない。
また、受光センサ38が明るさを検出した場合、蓄電電力による光源3の非常点灯を停止するため、周囲が明るいときに光源3を点灯することを防止してバッテリ電源16の消費電力を節約できる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、バッテリ電源16を充電する太陽電池5を備え、夜間はバッテリ電源16の充電を停止する構成とした。この構成により、日照のない夜間に、太陽電池5によりバッテリ電源16を充電するための昇圧回路51や定電圧制御回路54の電力を節約できる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、光源3がLED4であるため、光源3の寿命が長く、消費電力が少ないので、光源3のメンテナンス及びランニングコストを抑えることができる。また、光源3は、寿命(光源3の光量が所定値以下)となっても不点灯とならないので、商用電源1の停電時に暗闇となることを防止できる。さらに、LED4を光源としたため、ランプを光源としランプを覆う反射板を備えた従来の防犯灯に比べて、小型・軽量化が可能になる。
【0038】
上述した実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、非常点灯停止を判定するための受光センサ38と、太陽電池によるバッテリ電源の充電の停止を判定するための受光センサ41とを個別に備えていたが、共通の1つの受光センサを備えてもよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、光源に、防犯灯の基準を満たすような比較的高輝度のLEDを用いたが、光源は高輝度LEDに限定されるものではなく、他の光源であってもよい。この場合、バッテリ電源及びその他の電源装置を光源に適合させればよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、屋外用照明装置として防犯灯を例示したが、これに限らず、例えば非常灯や誘導灯の他、設置基準が規定されない屋外用照明装置にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 商用電源
3 光源
4 LED
5 太陽電池
14 点灯回路
16 バッテリ電源
18 非常点灯回路
30 切替回路(非常点灯停止部)
38 受光センサ
100 防犯灯(屋外用照明装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の明るさに応じて光源を点灯又は消灯する屋外用照明装置において、
商用電源からの電力供給により前記光源を点灯する点灯回路と、
前記商用電源の電力を蓄電するバッテリ電源と、
前記商用電源の電力供給が停止したときに、前記バッテリ電源の蓄電電力により前記光源を非常点灯する非常点灯回路と、
周囲の明るさを検出する受光センサと、
前記受光センサが明るさを検出した場合、蓄電電力による前記光源の非常点灯を停止する非常点灯停止部と、
を備えたことを特徴とする屋外用照明装置。
【請求項2】
前記バッテリ電源を充電する太陽電池を備え、夜間は前記バッテリ電源の太陽電池による充電を停止することを特徴とする請求項1に記載の屋外用照明装置。
【請求項3】
前記光源がLEDであることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋外用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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