説明

屋根上モジュール架台取付金具

【課題】建物の屋根上に載置されるソーラーパネルなどの重量に耐える強度性と、地震や風圧などに耐える安全性と、太陽の日射熱に耐える耐久性と、雨風に耐える防水性を備えた屋根上モジュール架台を載架する取付金具の提供する。
【解決手段】建物Tの屋根に敷設されるルーフ材Rの内側に設けられる内設金具と、ルーフ材の外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具の外設金具に設けられている立設締付金具50を締め付けることによって、屋根上モジュール架台Vを建物の屋根に安全に設置可能とする手段を採る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根上に載置されるソーラーパネルなどの屋根上モジュール架台を載架する取付金具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化現象の要因とされる二酸化炭素の排出量削減が叫ばれる中、二酸化炭素を排出しない自然エネルギーの有効利用の観点から、建物の屋根上の空間を利用した太陽光利用システムが注目を集めている。その具体的な例としては、建築構造物などの屋根上に載置されるソーラーパネルによる自家発電装置や、集熱器とタンク等から構成される太陽熱温水装置であり、これらは一般住宅まで広く普及している。
【0003】
ソーラーパネルによる自家発電装置は、一般的には導入時の初期費用が高額となるが、メーカー間の競争によって、性能向上と低価格化や施工技術の普及も進み、運用と保守の経費は安価であるため、世界的に需要が拡大している現状にある。
【0004】
また、太陽熱温水装置は、太陽光に含まれる赤外線を熱として利用することで水を温める装置であり、パッシブソーラー(建築のデザインの工夫で太陽光エネルギーを利用していくもの)の一種で、太陽光の50%以上を熱として利用でき、既存の再生可能エネルギー利用機器の中ではエネルギー変換効率や費用対効果が最も高く、20年程度の耐久性も確認されている。
【0005】
しかし、ソーラーパネルによる自家発電装置において大きな発電量を確保するためには、多数のソーラーモジュールを屋根上に設置しなければならず、また、太陽熱温水装置では大きな水タンクや集熱器を屋根上に配置しなければならない。これらは規模の拡張性を考慮してモジュール化されていることが多く、モジュールの構成に応じた架台に載置され、係る架台が屋根上に取付金具を介して取り付けられる。
【0006】
従って、係る屋根上モジュール架台取付金具には、自家発電装置や太陽熱湯沸し装置を住宅等の建築物の屋根上に取り付け、これらの重量に対する強度と、地震や風圧による安全性と、太陽の日射熱による耐久性と、風雨による防水性、或いは施工性や美観等まで求められることになる。
【0007】
そこで、従来より、これらの特性を満たそうとする種々の技術が提案されている。例えば、屋根に配置された瓦の上部にその一部を重ね合わせて配列されるソーラーパネル取付瓦であって、上側に重ね合わされる前記ソーラーパネル取付瓦の一部に切欠部を備え、この切欠部は下側に配置される前記瓦の端部位置より深く形成されることを特徴とする「ソーラーパネル取付瓦とソーラーパネル支持装置」(特許文献1参照)が提案されている。
【0008】
しかしながら、上記の「ソーラーパネル取付瓦とソーラーパネル支持装置」(特許文献1)は、取付瓦の一部に切欠部を設ける施工を必要とするもので、さらに防水カバーを取り付ける穴の隙間から雨漏りが発生する可能性があるものであった。
【0009】
また、屋根下地材にプレート部とネジ孔とを有するベースプレートが固定され、ベースプレート上に挿通孔が形成された孔あき瓦が敷設され、支持ボルトが挿通孔に挿通されるとともにネジ孔に螺着され、支持ボルトにラックへ延出するように固定され、支持ボルトの軸線とプレート部上面との第1交点を通る鉛直線とラック取付部上面又はその延長面との第2交点と、支持ボルトの軸線とラック取付部上面又はその延長面との第3交点との距離より、ラック取付部に固定される縦ラックの固定位置と前記第2交点との距離を小さくした「屋根上積載置物用ラック取付構造、ラック取付金具及びラック取付方法」(特許文献2参照)が提案されている。
【0010】
しかしながら、上記の「屋根上積載置物用ラック取付構造、ラック取付金具及びラック取付方法」(特許文献2参照)は、瓦の孔開け作業を必要とするとともに、孔あき瓦の孔部がシーリング材で防水加工されているものの、その孔あき瓦の孔の部分から雨漏りが発生する可能性があるものであった。
【0011】
また、下地材と、該下地材の上面に配設され、該下地材の上面に外囲面を形成する外囲板と、前記外囲面に固定又は係止され、差し込み口を有する取付金具と、前記外囲面上に複数配置されたソーラーパネルなどのパネル状構造物と、前記パネル状構造物の縁部を保持するための係止部と前記差し込み口に挿入される取付水平部とを有する押え板とを備えた「外囲体及び外囲面上にパネル状構造物を取り付ける装置」(特許文献3参照)が提案されている。
【0012】
しかしながら、上記の「外囲体及び外囲面上にパネル状構造物を取り付ける装置」(特許文献3参照)は、取付金具が止着具によって外囲板に直接取り付けられるため、強度性と安全性に問題があると共に、取付金具の取り付け孔から雨漏りが発生する可能性があるものであった。
【0013】
また、下地材と、該下地材の上面に敷設され、該下地材の上面に外囲面を形成する外囲板と、前記外囲面に上方にこれに対して水平に複数並列播位置された長尺状の架台と、前記外囲面に固定又は係止され、長尺状の前記架台を支持するための受部を有する取付金具と、前記架台上に複数配置されたソーラーパネルなどのパネル状構造物と、前記パネル状構造物の縁部を係止する押え部を有し前記架台に保持された押え板とを備えた「外囲体及び外囲面上にパネル状構造物を取り付ける装置」(特許文献4参照)が提案されている。
【0014】
しかしながら、上記の「外囲体及び外囲面上にパネル状構造物を取り付ける装置」(特許文献4参照)は、取り付け金具が止着具によって下地材に直接取り付けられるため、該取付金具の取り付け孔から雨漏りが発生する可能性があるものであった。
【0015】
また、所定勾配の屋根下地材にルーフィング材が敷設され、該ルーフィング材上に桟木が勾配方向と直交する方向に延びて所定間隔で固定された屋根に太陽電池モジュールを取り付ける取付金具であって、締着具挿通孔が形成され、前記ルーフィング材上面に固定される屋根当接片と、該屋根当接片の勾配下流端部から該屋根当接片に対して垂直上方に突設された垂直片と、該垂直片の上端部から勾配下流側に突設された押え板と、該押え板の勾配下流端部から前記屋根当接片に対して垂直上方に突設されるとともに、略L字形状に勾配上流側に折り返され、且つ、略L字形状の入隅側に弾性部材が配設された係止片と、具備する「太陽電池モジュール取付金具、設置構造、及び設置方法」(特許文献5参照)が提案されている。
【0016】
しかしながら、上記の太陽電池モジュール取付金具、設置構造、及び設置方法」(特許文献5参照)は、押え片が締着具によって下地材に直接取り付けられるため、該取付金具の取り付け孔から雨漏りが発生する可能性があるものであった。
【0017】
以上のように従来の屋根上載置物を取付金具のいずれも、瓦やルーフ材に孔や切欠部が設けられてネジや釘などで屋根の下地材に直接取り付けられるため、その孔や切欠部の部分から雨漏りがする可能性があるもので、重量に耐える強度性と、地震や風圧などに耐える安全性と、太陽の日射熱に耐える耐久性と、雨風に耐える防水性を備え、さらにそれらを活用した屋根上載置物の取り付け手段が施工されるものではなかった。
【0018】
そこで、本願出願人は、重量による強度性と、地震や風圧による安全性と、太陽の日射熱による耐久性と、風雨による防水性を備えると共に、建物の屋根の下地材にネジや釘などで取り付けることなく、施工性や美観にも勝れた屋根上モジュールの取付手段はないものかとの着想の下、内設金具と外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具の立設締付金具を締め付けることによって屋根上モジュール架台を建物の屋根に安全に設置することができる屋根上モジュールの取付金具を開発し、本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具の提案に至ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2005-2772号公報
【特許文献2】特開2005-315018号公報
【特許文献3】特開2000-129869号公報
【特許文献4】特開2000-129868号公報
【特許文献5】特開2006-328887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑み、建物の屋根上に載置されるソーラーパネルなどの屋根上モジュール架台を載架する取付金具の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の屋根上モジュール架台取付金具は、ルーフ材の内側に設けられる固定金具から成る内設金具と、ルーフ材の外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる連結金具と基台金具と狭持金具と立設締付金具と、から成る外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具であって、前記固定金具は、屋根下地材の上面に施設されるルーフ材の軒側連結部に内設され、棟側に平板状の基板部と、軒側に断面略コの字状の折曲部を有し、該基板部には屋根下地材に螺合部材を用いて固定するための取付穴を一以上穿設されて成り、前記連結金具は、ルーフ材の棟側端部上面に配設され、全体形状は断面略Jの字状に形成され、棟側の端部には前記ルーフ材の連結部を挟持するための下側挟持用突出部が形成され、軒側の端部には前記基台金具及び前記挟持金具と連設するための連設締結部が形成され、底面部は、前記ルーフ材の上面に設置可能な略平板形状に形成されて成り、前記狭持金具は、前記連結金具の上方に配設され、全体形状は略Lの字状に形成され、棟側の端部には前記ルーフ材の連結部を挟持するための上側挟持用突出部が形成され、軒側の端部には前記連結金具及び前記基台金具と連設するための連設締結部が形成されて成り、立設締付金具は、ルーフ材の連結部と前記固定金具を、螺合により前記挟持金具の上側挟持用突出部と前記連結金具の下側挟持用突出部とで挟持して固定するための締付軸から成り、前記基台金具は、ルーフ材の棟側端部上面に配設され、全体形状は下方向いて開口する断面略コの字状に形成され、棟側の端部には前記連結金具と前記狭持金具を連設するための連設締結部が形成され、軒側の端部にはルーフ材の上面から所定高さ位置に屋根上モジュール架台を設置可能とするための脚部が形成され、棟側の端部と軒側の端部を架け渡す略平面状の上面部には屋根上モジュール架台取付部を有して成り、前記連結金具と前記挟持金具と前記基台金具は、連設締結具で連設され、前記立設締付金具を締め付けることによって、連設される棟側ルーフ材の軒側連結部に内設された前記連結部を固定し、屋根上モジュール架台を複数の前記基台金具の上面部に載架することにより、屋根上モジュール架台を建物の屋根に安全に設置可能となる手段を採る。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具によれば、建物の屋根下地材に取り付けられる固定金具がルーフ材に取付穴を形成していないことから、接続部や隙間に防水シールなどのシーリング材を必要としていないため、耐久性や防水性を長期的に維持できる優れた効果を奏するものである。
【0023】
また、本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具によれば、ルーフ材の内側に設けられる内設金具と、ルーフ材の外側に設けられる外設金具によって間接的に強固に取り付けられるため、強度性と安全性を備えた優れた効果を奏するものである。特に、ルーフ材の内側に設けられる内設金具が屋根下地材に直接木ネジ等で固定される構成を採用しているため、屋根上載置物の自重によって屋根材が軒方向へ引き抜かれるように屋根の傾斜面方向に働く応力に対しても強く、また、屋根上載置物の自重によって屋根の傾斜面と垂直方向に働く荷重については強固な基台金具の底面部で受けるため安全である。
【0024】
また、本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具によれば、建物の新築時にルーフ材の下に平板金具を取り付けておけば、リフォーム時やソーラーパネルなどの後付け工事が容易であると共に、交換や取付け・取り外しの施工性が高い優れた効果を奏するものである。
【0025】
また、本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具によれば、固定金具がルーフ材の内側に設けられて露出していないため、屋根の美観性を維持すると共に、錆や雨水の溜まりを防ぐことできる優れた効果を奏するものである。
【0026】
また、本発明に係る屋根上モジュール架台取付金具によれば、本実施例のソーラーパネルの取付金具として使用する以外に、建物の屋根上に設けられる太陽熱交換湯沸し装置や、屋上看板、屋上テラスなどのエクステリアの取付金具としても使用できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の屋根上モジュール架台取付金具の実施形態を示す拡散分解図である。(実施例1)
【図2】本発明の屋根上モジュール架台取付金具の施工状態を示す説明図である。(実施例2)
【図3】本発明の屋根上モジュール架台取付金具の施工状態を示す断面説明図である。(実施例3)
【図4】本発明の屋根上モジュール架台取付金具の施工完成状態を示す断面説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の屋根上モジュール架台取付金具は、ルーフ材に取付穴を設けることなく、ルーフ材の内側に設けられる内設金具と、ルーフ材の外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具の立設締付金具を締め付けることによって、屋根上モジュール架台を建物の屋根に安全に設置可能とする手段を採ったことを最大の特徴とするもので、以下、実施例を図面を基に説明する。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の屋根上モジュール架台取付金具における実施形態を示す拡散分解図である。図(a)は全体斜視図を示し、図(b)は分解斜視図を示す。本発明の屋根上モジュール架台取付金具1は、建物Tの屋根に敷設されるルーフ材Rの内側に設けられる固定金具10から成る内設金具2と、ルーフ材Rの外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる連結金具20と基台金具40と狭持金具30と立設締付金具50と、から成る外設金具3で構成される。
【0030】
固定金具10は、屋根下地材Sの上面に施設されるルーフ材Rの軒側連結部Raに内設され、棟側Mに平板状の基板部11と、軒側Nに断面略コの字状の折曲部12を有し、該基板部11には屋根下地材Sに螺合部材13を用いて固定するための取付穴14を一以上穿設して形成されている。
【0031】
固定金具10が果たす役割は、螺合部材13を用いて屋根下地材Sに直接固定され、ルーフ材Rに取付穴14が設けられないことによって、強度性と防水性が維持されるものである。
【0032】
連結金具20は、ルーフ材Rの棟側端部Rb上面に配設され、全体形状は断面略Jの字状に形成され、棟側Mの端部にはルーフ材Rの連結部を挟持するための下側挟持用突出部21が形成され、軒側Nの端部には基台金具40及び挟持金具30と連設するための連設締結部22が形成され、底面部23は、ルーフ材Rの上面に設置可能な略平板形状に形成されている。
【0033】
連結金具20が果たす役割は、ルーフ材Rの軒側連結部Raと棟側端部Rbと、固定金具10の断面略コの字状の折曲部12を狭持金具30とで狭持するもので、ビスやボルトなどによって挟持しないため、強度性が維持されるものである。
【0034】
狭持金具30は、連結金具の上方に配設され、全体形状は略Lの字状に形成され、棟側Mの端部にはルーフ材Rの連結部を挟持するための上側挟持用突出部31が形成され、軒側Nの端部には連結金具20及び基台金具40と連設するための連設締結部32が形成され、立設締付金具50を締め付けに合わせて、連結金具20の連設締結部22が仮締めの状態で上下にスライドするものである。
【0035】
狭持金具30が果たす役割は、ルーフ材Rの軒側連結部Raと棟側端部Rbと、固定金具10の断面略コの字状の折曲部12とを、狭持金具30の上側挟持用突出部31と連結金具20の下側挟持用突出部21とで挟み、連設締結部32を貫通している立設締付金具50を締め付けることによって狭持・固定するものである。
【0036】
基台金具40は、ルーフ材Rの棟側端部Rb上面に配設され、全体形状は下方に向いて開口する断面略コの字状に形成され、棟側Mの端部には連結金具20と狭持金具30を連設するための連設締結部41が形成され、軒側Nの端部にはルーフ材Rの上面から所定高さ位置に屋根上モジュール架台Pを設置可能とするための脚部42が形成され、棟側Nの端部と軒側の端部を架け渡す略平面状の上面部43には屋根上モジュール架台取付部44を有して形成されている。
【0037】
基台金具40が果たす役割は、連結金具20と狭持金具30を基台金具40の連設締結部41で連結して外設金具3を形成し、ルーフ材Rの軒側連結部Ra方向から差し込んで固定するもので、ルーフ材Rに取付穴14を設けることなくルーフ材R上に載置すると共に、上面部43に屋根上モジュール架台取付部44を設けて屋根上モジュール架台Vを備えた屋根上モジュールPを連結・固定することができるものである。
【0038】
立設締付金具50は、締付軸51立設締付金具50は、ルーフ材Rの連結部Ra、Rbと固定金具10を、螺合により挟持金具30の上側挟持用突出部31と連結金具20の下側挟持用突出部21とで挟持して固定するための締付軸51から成り、連結金具20と挟持金具30と基台金具40は、連設締結具41で連設され、立設締付金具50を締め付けることによって、連設される棟側ルーフ材Rの軒側連結部Raに内設された連結部を固定し、屋根上モジュール架台44を複数の基台金具40の上面部43に載架することにより、屋根上モジュール架台44を建物Tの屋根に安全に設置可能に形成されている。
【0039】
ルーフ材Rは、軒側Nが軒側連結部Ra、棟側Mが棟側端部Rbで形成され、建物Tの屋根下地材Sに固定金具10並びに押さえ金具15によって固定される。
【0040】
屋根上モジュールPは、底面部にモジュール架台Vを複数設けて、基台金具40の上面部43の屋根上モジュール架台取付部44に取り付けられる。
【実施例2】
【0041】
図2は、本発明の屋根上モジュール架台取付金具における施工状態を示す説明図である。
本発明の屋根上モジュール架台取付金具1は、ルーフ材Rの内側に設けられる内設金具2と、ルーフ材Rの外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる外設金具3で構成される屋根上モジュール架台取付金具1の外設金具3に設けられている立設締付金具50を締め付けることによって、屋根上モジュール架台Vを建物Tの屋根に安全に設置可能とするものである。
【実施例3】
【0042】
図3は、本発明の屋根上モジュール架台取付金具における施工状態を示す断面説明図である。下記に建物の屋根に載置する屋根上モジュール架台取付金具1の取り付け手順を述べる。
(その1)
(1)押え金具15を屋根下地材Sの軒側N先端部に螺合部材13を用いて固定する。
(2)押え金具15の折曲部にルーフ材Rの軒側連結部Raを引っ掛けて、ルーフ材Rを屋根上に敷設する。
(3)ルーフ材Rの棟側端部Rbと上に重なるルーフ材Rの軒側連結部Raを重ねて固定金具10の断面略コの字状の折曲部12に引っ掛け、螺合部材13を用いて固定金具10を屋根下地材Sに固定する。
(4)押え金具15でルーフ材R全体を抑え込んで固定する。(図2参照)
(5)連結金具20と狭持金具30と基台金具40とを組み合わせた外設金具3を準備し、狭持金具30の連設締結部32をやや緩めた状態にしておく。
(6)(2)で施工されたルーフ材Rの軒側連結部Raの下側に(5)で準備した外設金具3を差し込む。
【実施例4】
【0043】
図4は、本発明の屋根上モジュール架台取付金具における施工の完成状態を示す断面説明図である。
(その2)
(7)立設締付金具50のナットを締め込み狭持金具30の上側挟持用突出部31と連結金具20の下側挟持用突出部21とで固定金具10の折曲部12とルーフ材Rの軒側連結部Raと棟側端部Rbを挟み込んで固定する。
(8)狭持金具30の連設締結部32を固定する。
(9)基台金具40の上に屋根上モジュールPの屋根上モジュール架台Vを架設し、基台金具40の屋根上モジュール架台取付部44で固定する。
(10)屋根上モジュール架台Vに屋根上モジュールPを連結・固定する。
【0044】
以上のように本発明の屋根上モジュール架台取付金1は、ルーフ材Rに取付穴14を設けることがない上、施工手段も内設金具2に外設金具3を単に差し込んで締め付けるだけで屋根上モジュール架台取付金具を屋根上に設置することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の屋根上モジュール架台取付金具は、建物の屋根に敷設されるルーフ材の内側に設けられる内設金具と、ルーフ材の外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具の外設金具に設けられている立設締付金具を締め付けることによって、屋根上モジュール架台を建物の屋根に安全に設置することができることから、ソーラーパネル等の熱交換モジュールパネル以外の広告看板などの重量載置物を建物の屋根上に載置することができるもので、本発明における屋根上モジュール架台取付金具の産業上の利用可能性は大とするものと解する。
【符号の説明】
【0046】
1 屋根上モジュール架台取付金具
2 内設金具
3 外設金具
10 固定金具、
11 基板部
12 折曲部、
13 螺合部材
14 取付穴
15 押え金具
20 連結金具
21 下側挟持用突出部
22 連設締結部
23 底面部
30 狭持金具
31 上側挟持用突出部
32 連設締結部
40 基台金具
41 連設締結部
42 脚部
43 上面部
44 架台取付部
50 立設締付金具
51 締付軸
T 建物
M 棟側
N 軒側
S 屋根下地材
R ルーフ材
Ra 軒側連結部
Rb 棟側端部
P 屋根上モジュール
V 屋根上モジュール架台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根に敷設されるルーフ材の内側に設けられる固定金具から成る内設金具と、
ルーフ材の外側に設けられて差し込み自在に組み立てられて設けられる連結金具と基台金具と狭持金具と立設締付金具と、
から成る外設金具で構成される屋根上モジュール架台取付金具であって、
前記固定金具は、屋根下地材の上面に施設されるルーフ材の軒側連結部に内設され、
棟側に平板状の基板部と、
軒側に断面略コの字状の折曲部を有し、
該基板部には屋根下地材に螺合部材を用いて固定するための取付穴を一以上穿設されて成り、
前記連結金具は、
ルーフ材の棟側端部上面に配設され、
全体形状は断面略Jの字状に形成され、
棟側の端部には前記ルーフ材の連結部を挟持するための下側挟持用突出部が形成され、
軒側Nの端部には前記基台金具及び前記挟持金具と連設するための連設締結部が形成され、
底面部は、前記ルーフ材の上面に設置可能な略平板形状に形成されて成り、
前記狭持金具は、
前記連結金具の上方に配設され、
全体形状は略Lの字状に形成され、
棟側の端部には前記ルーフ材の連結部を挟持するための上側挟持用突出部が形成され、
軒側の端部には前記連結金具及び前記基台金具と連設するための連設締結部が形成されて成り、
立設締付金具は、
ルーフ材の連結部と前記固定金具を、螺合により前記挟持金具の上側挟持用突出部と前記連結金具の下側挟持用突出部とで挟持して固定するための締付軸から成り、
前記基台金具は、
ルーフ材の棟側端部上面に配設され、
全体形状は下方に向いて開口する断面略コの字状に形成され、
棟側の端部には前記連結金具と前記狭持金具を連設するための連設締結部が形成され、
軒側の端部にはルーフ材の上面から所定高さ位置に屋根上モジュール架台を設置可能とするための脚部が形成され、
棟側の端部と軒側の端部を架け渡す略平面状の上面部には屋根上モジュール架台取付部を有して成り、
前記連結金具と前記挟持金具と前記基台金具は、連設締結具で連設され、
前記立設締付金具を締め付けることによって、
連設される棟側ルーフ材の軒側連結部に内設された前記連結部を固定し、屋根上モジュール架台を複数の前記基台金具の上面部に載架することにより、
屋根上モジュール架台を建物の屋根に安全に設置可能となることを特徴とする屋根上モジュール架台取付金具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−167424(P2012−167424A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26613(P2011−26613)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【特許番号】特許第4780810号(P4780810)
【特許公報発行日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(592180535)株式会社ビルド (1)
【Fターム(参考)】