説明

屋根型紙容器の充填装置

【課題】コストをかけずに使用時の開封性が向上する屋根型紙容器を提供することを目的とする。
【解決手段】頂部8のシール領域7は、前記一対の側面9aに対して容器内部側10と容器外部側11に形成されるとともに、前記他の対向する一対の側面9bに対して容器内部側10に形成される。前記一対の側面9aの一方の側面9cとこの一方の側面9aに当接する他の対向する一対の側面9bとによって形成される一方の領域15(頂部の一方の領域15)は易開封性の内溶液注出口16である。この易開封性の内溶液注出口16としての領域15(頂部の一方の領域15)は、前記一対の側面9aの他方の側面9dとこの他方の側面9dに当接する他の対向する一対の側面9bとによって形成される他方の領域17(頂部の他方の領域17)よりも、シール領域7の熱風量を減少して熱可塑性樹脂の溶着力を弱くする熱風調整装置18をノズル5に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根型紙容器充填装置に関し、さらに詳しくは飲料その他の内液体を収納する紙容器の易開封性を容易に調節できる屋根型紙容器の充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳やジュース等液体用の屋根型紙容器の頂部は内溶液の漏れ防止のための確実なシール性が求められている。一方、内溶液を飲用する際に容易に開口できるように易開封性の頂部があることも求められている。
【0003】
この相反する機能を満足させるために、図7に示すように、従来の屋根型紙容器66の充填装置における熱風装置60のノズル62、63、64の孔65の径や配置は、詳細図示しないが細調整して決定される。そして、充填機において、屋根型紙容器66がノズル63を囲むようにして矢印の方向に挿入され、屋根型紙容器66の紙基材に被覆された熱可塑性樹脂のシール領域をノズルの孔65から吐出する熱風で溶融し、このシール領域を圧着して屋根型紙容器66の頂部67が形成される。
【0004】
ところが、熱風装置60のノズル62、63、64の孔65の径や配置を詳細に微調整しても、製品(使用する紙容器)によってその開封性にバラツキが生じるという問題があった。
【0005】
そのため、屋根型紙容器66に予め抗ヒートシール剤を塗布してシール性を少し弱めておき開封性を向上させる方法が知られているが、この方法は内溶液を充填する前の段階で抗ヒートシール剤を塗布する必要があるので、工程を追加する必要があるという問題があった。
【0006】
そのため、特許文献1に、熱可塑性樹脂コートした紙基材を加工して頂部を開口しやすくする方法が開示されている。特許文献1によれば、開口側の上部折込側壁の当該領域の熱可塑性樹脂を削り取りシール性を弱めるか、あるいは紙基材をハーフカットして開口するときに引っ張るためのプルタブを形成することにより頂部を開口し易くしている。
【特許文献1】特開平9−193928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記の方法でも、紙基材を加工するための別工程が必要であるという問題があった。そのため、コストが上がるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は紙基材を加工するための別工程が不要で、紙容器のコストが上がることなく、製品によるバラツキをなくし、開封性が向上する屋根型紙容器を提供することを目的とする。
【0009】
これにより、特殊な抗ヒートシール剤が不要になり紙基材のコストダウンができる。充填装置の付加価値が高まる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、紙基材に被覆された熱可塑性樹脂をノズルから吐出する熱風でシール領域を溶融し、このシール領域を圧着して形成される屋根型紙容器の充填装置であって、前記屋根型紙容器の頂部は、4側面の筒状に形成された紙基材の対向する一対の側面を容器内部側に折り込むと共に、他の対向する一対の側面によって挟み込んで形成され、前記頂部のシール領域は、前記一対の側面に対して容器内部側と容器外部側に、前記他の対向する一対の側面に対して容器内部側に形成され、前記一対の側面の一方の側面とこの一方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される一方の領域(頂部の一方の領域)は易開封性の内溶液注出口であり、この易開封性の内溶液注出口としての領域(頂部の一方の領域)は、前記一対の側面の他方の側面とこの他方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される他方の領域(頂部の他方の領域)よりも、シール領域の熱風量を減少して熱可塑性樹脂の溶着力を弱くする熱風調整装置をノズルに設けることを特徴としている。
【0011】
これにより、紙基材を加工するための別工程が不要になる。製品毎にシール領域の熱風量が調整できる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の屋根型紙容器の充填装置であって、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内部側に対して前記ノズルをそれぞれ配置し、前記頂部の一方領域用の前記ノズルに熱風調整装置が設けられることを特徴としている。
【0013】
これにより、紙基材を加工するための別工程が不要になる。製品毎にシール領域の熱風量が調整できる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の紙容器充填装置であって、前記熱風調整装置は、可変オリフィスであることを特徴としている。
【0015】
これにより、製品毎にシール領域の熱風量が調整できる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3に記載の紙容器充填装置であって、前記可変オリフィスはノズル外側から調節可能であることを特徴としている。
【0017】
これにより、製品毎のシール領域の熱風量が容易に調整できる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4に記載の紙容器充填装置であって、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内面側に対してノズルがそれぞれ設けられるともに、前記一対の側面の容器外面側に対してノズルがそれぞれ設けられ、各ノズルが組み込まれるノズル本体内に各ノズルに対する熱風調整のための整流板が設けられることを特徴としている。
【0019】
これにより、各シール領域への熱風量の配分が確実に調整できる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、前記一対の側面の一方の側面とこの一方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される一方の領域(頂部の一方の領域)は易開封性の内溶液注出口であり、この易開封性の内溶液注出口としての領域(頂部の一方の領域)は、前記一対の側面の他方の側面とこの他方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される他方の領域(頂部の他方の領域)よりも、シール領域の熱風量を減少して熱可塑性樹脂の溶着力を弱くする熱風調整装置をノズルに設けられる。
【0021】
このため、紙基材を加工するための別工程を不要になるので、紙容器のコストが上がることがない。製品毎にシール領域の熱風量が調整できるので、製品によるバラツキをなくし、開封性が確実に向上する。
【0022】
請求項2の発明によれば、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内部側に対して前記ノズルをそれぞれ配置し、前記頂部の一方領域用の前記ノズルに熱風調整装置が設けられる。
【0023】
このため、紙基材を加工するための別工程を不要になるので、紙容器のコストが上がることがない。製品毎にシール領域の熱風量が調整できるので、製品によるバラツキをなくし、開封性が確実に向上する。
【0024】
請求項3の発明によれば、前記熱風調整装置は、可変オリフィスである。
【0025】
このため、製品毎にシール領域の熱風量が調整できるので、製品によるバラツキをなくし、開封性が確実に向上する。
【0026】
請求項4の発明によれば、前記可変オリフィスはノズル外側から調節可能である。
【0027】
このため、容易に、製品毎のシール領域の熱風量が調整できるので、製品によるバラツキをなくし、開封性が確実に向上する。
【0028】
請求項5の発明は、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内面側に対してノズルがそれぞれ設けられるともに、前記一対の側面の容器外面側に対してノズルがそれぞれ設けられ、各ノズルが組み込まれるノズル本体内に各ノズルに対する熱風調整のための整流板が設けられる。
【0029】
このため、各シール領域への熱風量の配分が確実に調整できるので、熱風調整装置18による熱風量の微調整の安定度が高まり開封性が確実に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
<屋根型紙容器の充填装置の構成>
以下に、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施形態の屋根型紙容器1の充填装置2は紙基材3に被覆された熱可塑性樹脂4を、ヒーティングエレメント70によって形成された熱風6がノズル5の孔19から吐出してシール領域7を溶融し、このシール領域7を圧着して屋根型紙容器1の頂部8が形成される。
【0032】
前記屋根型紙容器1の頂部8は、4面の側面9が筒状に形成された紙基材3の対向する一対の側面9aを容器内部側10に折り込むと共に、他の対向する一対の側面9bによって挟み込むことで形成される。
【0033】
ここで、前記頂部8のシール領域7は、前記一対の側面9aに対して容器内部側10と容器外部側11に形成されるとともに、前記他の対向する一対の側面9bに対して容器内部側10に形成される。
【0034】
前記一対の側面9aの一方の側面9cとこの一方の側面9aに当接する他の対向する一対の側面9bとによって形成される「頂部の一方の領域15」は易開封性の内溶液注出口16である。
【0035】
そして、この易開封性の内溶液注出口16としての「頂部の一方の領域15」は、前記一対の側面9aの他方の側面9dとこの他方の側面9dに当接する他の対向する一対の側面9bとによって形成される「頂部の他方の領域17」よりも、シール領域7の熱風量を減少して熱可塑性樹脂の溶着力を弱くする熱風調整装置18がノズル5bに設けられる。
【0036】
各ノズル5は一体的に組み込まれ、ノズルフード22にフランジ20を介して着脱自在に取付けることによりノズル本体21が形成される。
【0037】
ノズル本体21内には、組み込まれた各ノズルに熱風を送るための独立の熱風調整のための整流板23が設けられる。ノズル本体21の上部のヒーティングエレメント70とノズル本体21とによって加熱機71が構成される。
【0038】
ここで、屋根型紙容器1の頂部8は、図1に示すように、上方に向かって容器内側に少し倒れ込んでいるが、これは図示しない前工程で予め頂部8に折癖をつけているためである。さらに、図示しないが、紙基材3には容器形成を容易にするための折り目線(クリース)が予め形成される。そして、屋根型紙容器1は紙基材3の両側面に樹脂層が被覆された多重層構造で形成されており、樹脂は例えばポリエチレンのような熱可塑性樹脂4が用いられる。
【0039】
図2、図3に示すように、ノズル5は4組の独立したノズル(5a、5b、5c、5d)が一体的に形成された構造であり、ノズル5aが「頂部の一方の領域」の容器外面側に対応し、ノズル5bが「頂部の一方の領域」の容器内面側に対応し、ノズル5cが「頂部の他方の領域」の容器内面側に対応し、ノズル5dが「頂部の他方の領域」の容器外面側に対応している。
【0040】
ノズル5a、5dは凸形状の底面29とその底面29の周囲から高さHで立ち上がる側面30、32、32、35、35によって形成され、それぞれの面は薄板で形成される。ここで、底面29の凸形状は左右対称の5角形であり、長さSの底辺36の両端31から直角に側辺37が長さTで立ち上がり、さらに側辺37が立ち上がる両角部33から底辺36の垂直二等分線上で底辺36からの高さUの頂点34を結ぶ形状である。
【0041】
ノズル5b、5cは凹形状の底面40とその底面40の周囲から高さHで立ち上がる側面41、42、42、43、43によって形成され、それぞれの面は薄板で形成される。ここで、底面40は左右対称の凹形状の5角形であり、長さMの底辺44の両端45から直角に長さLの側辺46が立ち上がり、さらに側辺46が立ち上がった両角部47から、底辺44の垂直二等分線上で底辺44からの高さNの頂点49を結ぶ形状である。
【0042】
そして、ノズル(5a、5b、5c、5d)は、ノズル5aとノズル5bがそれぞれの凸凹部を距離K隔てて向き合って配置され、ノズル5cとノズル5dもそれぞれの凹凸部を距離K隔てて向き合って配置され、ノズル5bとノズル5cは底辺44に沿って立ち上がる側面41を共有して一体的に形成される。
【0043】
ここで、屋根型紙容器1の頂部8がノズル5bとノズル5cを囲うように挿入される。このとき、頂部8はノズル5aとノズル5bおよびノズル5cとノズル5dの中点位置(凹凸の距離Kの中点)になるように挿入される。
【0044】
同様に、ノズル5bとノズル5cが対向しない側面は、屋根型紙容器1の頂部8がノズル5bとノズル5cに対して(S−M)/2の隙間を持って挿入される。ここで、頂部8は、ノズル5bとノズル5cの周囲に同じ隙間で挿入されるので、(S−M)/2=K/2の関係がある。
【0045】
ノズル5bに設けられる熱風調整装置18は、回転板51が軸52周りに自在に回転し、この回転板51とノズル5bの側面43との隙間Sを変化させることができる可変オリフィスである。
【0046】
この回転板51の形状はノズル5bの底面40と略同形状である。軸52はノズル5bの両側面42を貫通して設けられ、その貫通位置53は側面42の上端部近傍のノズル5c近傍である。
【0047】
そして、回転板51は軸52の端部に設けられたハンドル54によって回転できるので、可変オリフィスとしての開度がノズル外側から自由に調節設定される。ハンドル54には図示しない開度表示盤と開度固定装置が設けられ、所定の開度にて固定することができる。
【0048】
なお、図示しないが孔19の孔径や配置はそれぞれ微調整して最適に決定されている。
【0049】
図4に示すように、熱風調整装置18によって熱風を調整(減少)して、頂部8の容器内部側10の熱可塑性樹脂4を溶融して、易開封性の内溶液注出口16としての「頂部の一方の領域15」のシール領域7a(容器内部側のシール領域)が形成される。ここで、シール領域7b(容器外部側のシール領域)には熱風調整装置18が働かないので、熱風の調整(減少)はできず、常に固定した熱風が吐出される。
【0050】
また、図示しないが「頂部の他方の領域17」における容器内部及び外部側のシール領域も「頂部の一方の領域15」のシール領域7aと同様の領域に形成されるが、「頂部の他方の領域17」には熱風調整装置18が設けられていないので熱風を調整(減少)することはできず、容器に対して常に固定した熱風が吐出される。
【0051】
図5に示すように、本実施形態の屋根型紙容器1の充填装置2は、まず、成形ステーションにて、筒状の紙基材3がコンベヤーラインと90度交わる面内に配設されたマンドレルと呼ばれる紙容器底部の成形用の金型により折り曲げられ、折り曲げられた紙基材3の底部を形成する領域に熱風その他の熱源により紙基材3表面の樹脂が溶融して、紙基材3を折り曲げると同時に加圧することにより底部が圧着形成される。そして、コンベヤーライン上に底部が形成された紙容器72(空容器)として供給される。
【0052】
次に、コンベヤーラインで次工程の充填ステーションに送られた紙容器72(空容器)に内容液を充填した後、さらにコンベヤー上を移動して紙容器72の上部を加熱機71により加熱し、封止ステーションにて紙容器72の上部を封圧機で所望の形状に圧縮して最終形状の頂部8の屋根型紙容器1に形成される。
【0053】
なお、充填ステーションで紙容器72に内溶液を充填開始するまでに、充填ノズルの先端が、紙容器72(空容器)の底部に近接した位置にくるまで紙容器72を上方に持ち上げ、さらに内溶液の充填が開始すると同時に紙容器72が充填されながら下降するようになっている。これは内溶液を充填するときの内溶液の落差を常に最小一定にして内溶液が飛び跳ねることを防止すると共に出来るだけ泡が発生しないようにするためである。
【0054】
<屋根型紙容器の充填装置の作用>
上記の方法で形成された屋根型紙容器1は図6(a)、(b)、(c)に示す手順で開封される。
【0055】
まず、内溶液注出口16としての、頂部8の「頂部の一方の領域15」を指で押し広げる。このとき、側面9cと側面9bで囲まれる凹部63は指が容易に挿入できる空間になっているので、図6(b)に示す状態に「頂部の一方の領域15」を容易に広げることができる。
【0056】
さらに、図6(c)に示すように、側面9cと側面9bが交わる稜線61を絞るようにして矢印P方向に指で押し出す。
【0057】
ここで、上記のように、シール領域7a(容器内部側のシール領域)は熱風調整装置18によって熱風量を減少して形成されているので、稜線61を絞るようにして矢印P方向に容易に押し出すことができて、内溶液注出口16を開口させることができる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、紙基材を加工するための別工程が不要である。そのため、紙容器のコストが上がることがない。製品毎にシール領域の熱風量が調整できるので、製品によるバラツキをなくし、開封性を確実に向上することができる。さらに、開封のためのプルタブや取っ手等も不要なので、コストが上がらない。特殊な抗ヒートシール剤が不要になり紙基材のコストダウンができる。そして、充填装置の付加価値が高まる。
【0059】
熱風調整装置18は回転板51による可変オリフィスであり、その可変オリフィスの設定値は予め使用マニュアルで定めておくことが好ましい。使用マニュアルが備わっていれば充填機起動時に調整が確実かつ容易にできる。
【0060】
ノズル本体内には各ノズルに対する熱風調整のための整流板が設けられるので、各シール領域への熱風量の配分が確実にでき、熱風調整装置18による熱風量の微調整の安定度が高まり開封性が確実に向上する。
【0061】
尚、上述の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということはいうまでもない。
【0062】
たとえば、熱風調整装置18にさらに微妙な調整が必要であれば、回転板51に微調整用の孔を設けてもよい。ノズル本体21内の整流板23は熱風の流れに沿って曲面にしてもよいし、熱風調整のための整流板23の熱風上流端部を抵抗を減少させるため曲面にすれば更に好ましい。
【0063】
熱風調整装置18による熱風の調整が不要の状況では、回転板51を略垂直に位置することにより、熱風調整装置18が備えられていない従来のノズル構成の状態を容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態における屋根型紙容器の充填装置のノズル本体の断面透視図である。
【図2】本発明の実施形態における屋根型紙容器の充填装置のノズルの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における屋根型紙容器の充填装置のノズルの、図1におけるA−A断面図である。
【図4】本発明の実施形態における屋根型紙容器の充填装置による内溶液注出口16のシール領域(7a、7b)を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における屋根型紙容器の充填装置の概略説明図である。
【図6】本発明の実施形態における屋根型紙容器の開封順序の説明図で、(a)は開封前の状態、(b)は一対の側面9aの一方の側面9cを押し広げた状態を示す斜視図、(c)は一方の側面9cを引き出して開封した状態を示す斜視図である。
【図7】従来の屋根型紙容器の充填装置のノズルの斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 屋根型紙容器
2 充填装置
3 紙基材
4 熱可塑性樹脂
5 ノズル
6 熱風
7 シール領域
8 頂部
9 側面
9a 側面
9b 側面
9c 側面
9d 側面
10 容器内部側
11 容器外部側
15 領域(頂部の一方の領域)
16 内溶液注出口
17 領域(頂部の他方の領域)
18 熱風調整装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材に被覆された熱可塑性樹脂をノズルから吐出する熱風でシール領域を溶融し、このシール領域を圧着して形成される屋根型紙容器の充填装置であって、
前記屋根型紙容器の頂部は、4側面の筒状に形成された紙基材の対向する一対の側面を容器内部側に折り込むと共に、他の対向する一対の側面によって挟み込んで形成され、
前記頂部のシール領域は、前記一対の側面に対して容器内部側と容器外部側に、前記他の対向する一対の側面に対して容器内部側に形成され、
前記一対の側面の一方の側面とこの一方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される一方の領域(頂部の一方の領域)は易開封性の内溶液注出口であり、
この易開封性の内溶液注出口としての領域(頂部の一方の領域)は、前記一対の側面の他方の側面とこの他方の側面に当接する他の対向する一対の側面とによって形成される他方の領域(頂部の他方の領域)よりも、シール領域の熱風量を減少して熱可塑性樹脂の溶着力を弱くする熱風調整装置をノズルに設けることを特徴とする屋根型紙容器の充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載の屋根型紙容器の充填装置であって、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内部側に対して前記ノズルをそれぞれ配置し、前記頂部の一方領域用の前記ノズルに熱風調整装置が設けられることを特徴とする屋根型紙容器の充填装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の屋根型紙容器の充填装置であって、前記熱風調整装置は、可変オリフィスであることを特徴とする屋根型紙容器の充填装置。
【請求項4】
請求項3に記載の屋根型紙容器の充填装置であって、前記可変オリフィスはノズル外側から調節可能であることを特徴とする屋根型紙容器の充填装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の屋根型紙容器の充填装置であって、前記頂部の一方の領域と頂部の他方の領域との容器内面側に対してノズルがそれぞれ設けられるともに、前記一対の側面の容器外面側に対してノズルがそれぞれ設けられ、各ノズルが組み込まれるノズル本体内に各ノズルに対する熱風調整のための整流板が設けられることを特徴とする屋根型紙容器の充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−82844(P2006−82844A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269472(P2004−269472)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】