Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
屋根材、および屋根用コーティング液
説明

屋根材、および屋根用コーティング液

【課題】エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材および屋根用コーティング液を提供すること。
【解決手段】基材表面に光触媒層を備えた屋根材であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、前記光触媒性金属酸化物粒子は疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害ガス分解性、降雨・水洗によるセルフクリーニング性等の光触媒機能を有する屋根材に関する。
あるいは、建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材に有害ガス分解性、降雨・水洗によるセルフクリーニング性等の光触媒機能を、コーティング層を形成することにより付与可能な屋根用コーティング液に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタンなどの光触媒が、近年建築物の建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材など多くの用途において利用されている。
屋外用途については、基材表面に光触媒を塗装することにより、光エネルギーを利用してNOx、SOx等の有害物質の分解機能を付与することが可能となる。また層表面を少なくとも光照射時には親水性になるように構成すれば、降雨により付着汚れが洗い流される、セルフクリーニング機能も付与可能となる。
また屋内用途についても、光エネルギーを利用してVOC等の有害物質の分解機能を付与したり、抗菌機能を付与したりすることが可能となる。
【0003】
建築物の建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材などの場合、上記光触媒機能を付与したい基材の表面は、意匠性を持たせるためにエナメル塗装されていたり、エナメル塗装の上にクリア塗装されている場合が多い。
そこに直接光触媒層を形成しようとすると、エナメル塗装面やクリア塗装面は主として有機物で構成されているため、長期的には光触媒層と上記塗装面の界面に存在する光触媒粒子により塗装面が劣化するという問題を生じる。
【0004】
そのために、従来、エナメル塗装面やクリア塗装面と、光触媒層との間に、無機成分の多いバリア層を形成することが行われている(特開2007−167718号公報)。
しかし、バリア層を形成すると、コストアップになるだけでなく、工数がかかり、手軽に光触媒機能を付与できない。
【0005】
そこで、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制しつつ光触媒機能を発揮し、さらに好適には塗布時に異臭や環境汚染がなく、最も好適には基材表面の紫外線による劣化も抑制する、基材に直接塗布して光触媒機能層を形成する、屋根材、あるいは屋根用コーティング液が必要とされる。
【0006】
このような基材に直接1コートで光触媒機能を発揮する光触媒コーティング組成物としては、例えば、シラン変性された光触媒粒子と、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が7〜20mmol/gであるコロイダルシリカと、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1〜20mmol/gである重合体エマルジョン粒子を含んでなる水系有機・無機複合組成物が知られている(特開2008−222887号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−167718号
【特許文献2】特開2008−222887号
【特許文献3】特許3985164号
【特許文献4】特開2004−51644号
【発明の概要】
【0008】
しかしながら、特開2008−222887号公報では、エナメル塗装面やクリア塗装面の紫外線等による劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合に、高度な光触媒分解活性が得られない。
そこで、本発明では、上記事情に鑑み、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材および屋根用コーティング液を提供することを目的とする。
【0009】
すなわち、基材表面に光触媒層を備えた屋根材であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、前記光触媒性金属酸化物粒子は疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根材である。
【0010】
また、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、前記光触媒性金属酸化物粒子は、疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根用コーティング液である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
屋根材
本発明による基材表面に光触媒層を備えた屋根材であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、前記光触媒性金属酸化物粒子は疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根材である。
ここで、界面活性剤は、水分散体の製造過程で添加される乳化剤とは別に添加されるものである。
このような構成にすることにより、エナメル塗装面やクリア塗装面の紫外線等による劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することが可能となる。
ノニオン界面活性剤と光触媒性金属酸化物粒子表面に部分的に存在する疎水性基の存在により、おそらく、光触媒性金属酸化物粒子とシリコーンエマルジョンとの相互作用力を低めることができ、光触媒コーティング液を基材に塗布し乾燥するときの、光触媒性金属酸化物粒子の表面への移動が促進されると考えられる。従って、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、光触媒性金属酸化物粒子を表面に高濃度で集中できるようになり、基材表面の紫外線等による劣化を抑制しつつ高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することが可能となる。
【0012】
本発明の好ましい形態によれば、前記屋根材には、さらに、シリカ粒子が添加されているようにする。
そうすることで膜強度が向上する。
【0013】
前記疎水性基を有する物質は、疎水性基を有するシラン及び/又は疎水性基を有するシリコーンであるようにする。
そのようにすることで、光触媒性金属酸化物粒子表面の被覆、変性の形態を制御しやすくなる。
【0014】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒コーティング液中に含有される硬化性シリコーンエマルジョンの硬化物は、光触媒層中に85質量%以上、好ましくは90質量%以上であるようにする。
ここで、硬化性シリコーンエマルジョンの硬化物の質量は、105℃乾燥時における恒量値にて求められる。
85%以上にすることにより、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
さらに、90%以上にすることにより、5μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒層中に含有される光触媒性金属酸化物粒子は、0を超え5質量%未満であるようにする。
そうすることにより、基材の劣化を抑制できる。
【0016】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒層の膜厚は、2μmをこえ20μm未満、好ましくは5μmをこえ20μm未満であるようにする。
そうすることで、基材への紫外線の影響を低めることができ、紫外線による基材の劣化を有効に抑制できる。
【0017】
本発明の好ましい形態によれば、前記硬化性シリコーンエマルジョンの平均粒径は、前記光触媒性金属酸化物粒子および前記シリカ粒子の平均粒径よりも大きいようにする。
そうすることで、光触媒性金属酸化物粒子の表面への移動が顕著になる。
従って、光触媒性金属酸化物粒子が表面に移動しやすくなり、2μmをこえる厚膜のような表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することがより容易となる。
【0018】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒層は透明であるようにする。
そうすることで、基材がエナメル塗装やクリア塗装の場合、その意匠性を有効に活かしつつ2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することがより容易となる。
【0019】
ここで、「透明」の度合いとしては、波長550nmにおいての光触媒層の直線透過率を70%以上、より好ましくは80%以上確保するとより好ましい。そうすることで下地の色味、意匠を損なうことなく表現することが可能となる。また透明度の高いガラスやプラスチックなどにコーティングしても透明性を損なわずに済む。
【0020】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性金属酸化物粒子としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化セリウムのような金属酸化物の粒子や、これら粒子を複数種複合させた粒子や、これらの粒子を部分的にシリカ、アルミナ等で被覆した粒子や、これら粒子に銅、白金、鉄、パラジウム、銀、金等の金属を複合、あるいはドープした粒子等が好適に利用可能である。
【0021】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性金属酸化物粒子は10nm以上100nm未満の平均粒径を有するのが好ましく、より好ましくは10nm以上60nm以下である。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。
【0022】
粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。この範囲内であると、耐候性、有害ガス分解性、および所望の各種被膜特性(透明性、塗膜強度等)が効率良く発揮される。
【0023】
また、本発明の好ましい態様によれば、光触媒性金属酸化物粒子は3nm以上30nm未満の平均結晶子径を有するのが好ましく、より好ましくは5nm以上20nm以下である。なお、この平均粒径は、粉末X線回折法により得られるX線プロファイルの3強線の積分幅からシェラー式により算出される。
【0024】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性金属酸化物粒子の含有量は、乾燥質量(固形分質量)で、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性金属酸化物粒子および前記シリカ粒子の合計質量に対して0.1質量%を超え15質量%未満、より好ましくは0.5質量%を超え5質量%未満であるようにする。上記範囲とすることで、光触媒の分解機能を有効に発揮するとともに、基材および中間層の耐候性を熱帯等での長期の使用にも耐えうる程度まで向上させることが可能となるとともに、光触媒による基材および中間層の劣化も抑制可能となる。すなわち、光触媒層での紫外線吸収機能および温帯、亜寒帯地方の太陽光照射下での優れた光触媒機能と充分な耐候性を同時に発揮できる。
【0025】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒コーティング液にはノニオン性界面活性剤が、水分散体の製造過程で添加される乳化剤とは別に添加される。
ノニオン性界面活性剤は、光触媒粒子1重量部に対して、10重量部未満、より好ましくは、0.1〜2重量部程度添加されるのが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、HLB値が10〜20の界面活性剤が好ましい。その種類としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウラート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレエート、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ソルビタンラウラート、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、グリセロールステアレート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアルキロールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンステアレート等が好適に利用できる。
【0026】
本発明では、ノニオン界面活性剤の添加を必須とするが、その他の界面活性剤を任意成分として添加してもよい。
このような界面活性剤としては、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアンモニウム塩、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルナトリウム塩、脂肪酸ナトリウムセッケン、脂肪酸カリセッケン、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルサルフェートソーダ塩、アルキルエーテルサルフェートソーダ塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートソーダ塩、アルキルサルフェートTEA塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートTEA塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、アシルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリカルボン酸、オレオイルザルコシン、アミドエーテルサルフェート、ラウロイルザルコシネート、スルホFAエステルナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤が好適に利用可能である。
【0027】
本発明の好ましい形態によれば、シリカ粒子は、好ましくは10nmを超え200nm以下、より好ましくは20nmを超え100nm以下の平均粒径を有する。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。
【0028】
光触媒性金属酸化物粒子を部分的に被覆または変性処理する疎水性基を有する物質としては、例えば、1〜3官能シラン、シリコーン等が好適に利用できる。
疎水性基を有する物質によりされた光触媒性金属酸化物粒子における、被覆または変性処理に用いる物質の量は、光触媒性金属酸化物粒子量に対して0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
【0029】
本発明において用いる疎水性基を有するシランとしては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。また、これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
本発明において用いる疎水性基を有するシリコーンとしては、上記シランの(部分)加水分解・縮合物が好適に利用できる。
【0031】
硬化性シリコーンエマルジョンとは、基材に塗布し乾燥する際に、シリコーンエマルジョン中に存在する官能基により硬化重合反応を生じ、それに伴い硬化膜を生成しうる水分散体をいう。
ここで、硬化反応には、加水分解・縮合反応、光重合反応等が好適に利用できる。
硬化反応が加水分解・縮合反応の場合には、官能基としてアルコキシド基を有し、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を生成する硬化性シリコーンエマルジョンが好適に利用できる。
【0032】
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基の他に、乳化重合による有機架橋部と、水に分散するための表面部分が存在する。
有機架橋部は、ビニル基とビニル基が重合したエチレン架橋部のようなラジカル重合により生成した架橋部が好適に利用できる。ラジカル重合により生成した架橋部であれば、特に炭化水素基に限定されず、種々の変性基の組合せが好適に利用可能である。
表面部分は、例えば、界面活性剤等の乳化剤が固定され水に分散可能に形成されている。
【0033】
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基、有機架橋部以外に珪素原子に結合する有機基が存在してもよい。ここで、有機基としては、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基や、その水素の一部が変性基に置換された有機基が挙げられる。ここで、変性基としては、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、アクリル基、エポキシ基等が好適に利用できる。
【0034】
次に、エマルジョンの乳化剤として使用される界面活性剤について述べる。界面活性剤としては、従来公知のノニオン系、カチオン系、アニオン系各種界面活性剤、及びラジカル重合可能な官能基を含有する反応性乳化剤が適用可能である。更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステルなどのノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩などのアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型などの両性イオン型界面活性剤、特開平8−27347号公報中に記されている分子中にスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン鎖、第4級アンモニウム塩などの基を含有するラジカル重合可能な(メタ)アクリレート、スチレン、マレイン酸エステル化合物などの誘導体を含む各種反応性界面活性剤を示すことができる。
【0035】
これらの界面活性剤は1種又は2種以上を使用してもよい。界面活性剤は、エマルジョン中の樹脂固形分の0.5〜15重量%使用するのが好ましく、特には1〜10重量%使用するのがよい。
【0036】
本発明では光触媒層中にシリカ粒子以外の無機酸化物粒子が含まれていてもよい。無機酸化物粒子は、光触媒粒子と共に層を形成可能な無機酸化物の粒子であれば特に限定されず、あらゆる種類の無機酸化物の粒子が使用可能である。そのような無機酸化物粒子の例としては、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、酸化錫、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、ハフニア等の単一酸化物の粒子;およびチタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の複合酸化物の粒子が挙げられる。
【0037】
本発明の好ましい態様によれば、さらに高い光触媒能を発現するために、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、銅、銀、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属および/またはその金属からなる金属化合物を、添加してもよい。この添加は、前記金属または金属化合物をコーティング液に混合し、溶解または分散させる方法、前記金属または金属化合物を光触媒層や光触媒粒子に担持する方法、などのいずれの方法によっても行うことができる。
【0038】
光触媒層中に、紫外線吸収剤を配合させてもよい。紫外線吸収剤の含有量は、光触媒活性の発現を阻害せずに耐候性を向上できる量であれば制限はないが、例えば、光触媒層に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有させることが好ましい。
【0039】
本発明に使用できる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤を好適に例示することができる。
【0040】
とりわけ、トリアジン系紫外線吸収剤が化学的に安定なため好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤として具体的には、ヒドロキシフェニルトリアジンまたはその誘導体が好適に利用できる。
【0041】
上記ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノン、オクタベンゾン、及び2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノン等の重合性のベンゾフェノン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物などが挙げられる。
【0042】
また、上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル 〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−900)、及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2”−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(チバジャパン(株)製、製品名:CGL−104)等の重合性のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物の他、TINUVIN−384−2(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−99−2(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−109(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−328(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−928(製品名、チバジャパン(株)製)などが挙げられる。
【0043】
また、本発明の光触媒層において、ヒンダードアミン系及び/又はヒンダードフェノール系等の光安定剤を更に含有するものは、上記紫外線吸収剤との相乗効果により、本発明の光触媒層は卓越した耐候性、耐光性を示すため好ましい。
【0044】
特に、本発明の好ましい形態によれば、紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルトリアジン化合物を、光安定剤としてヒンダードアミン化合物を配合させるとよい。そうすることで、光触媒層による380nm未満の短波長の紫外線の吸収性能が安定する。
【0045】
本発明の光触媒層中の光安定剤の含有量は、光触媒活性の発現を阻害せずに耐候性を向上できる量であれば制限はないが、例えば光触媒層に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有させることが好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN−123(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−111FDL(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN292(製品名、チバジャパン(株)製)、及び1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどの重合性のヒンダードアミン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物を挙げることができる。
【0046】
また、ヒンダードフェノール系光安定剤の具体例としては、ビス(3,5−tert−ブチル)−4−ヒドロキシトルエン、TINUVIN−144(製品名、チバジャパン(株)製)等を挙げることができる。
【0047】
光触媒層には、有機防カビ剤が配合されていてもよい。例として、有機窒素硫黄系化合物、ピリチオン系化合物、有機ヨウ素系化合物、トリアジン系化合物、イソチアゾリン系化合物、イミダゾール系化合物、ピリジン系化合物、ニトリル系化合物、チオカーバメート系化合物、チアゾール系化合物、有機よう素化合物、ジスルフィド系化合物が挙げられ、単独もしくは混合物として用いられる。防カビ剤は一般に藻を防ぐ効果も合わせ持つものが多いことから、防カビ剤を添加することによって、カビと藻の両方を抑制することも期待できる。
【0048】
屋根用コーティング液
本発明による屋根用コーティング液は、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、前記光触媒性金属酸化物粒子は、疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根用コーティング液である。
ここで、界面活性剤は、水分散体の製造過程て添加される乳化剤とは別に添加されるものである。
このような構成にすることにより、エナメル塗装面やクリア塗装面の紫外線等による劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することが可能となる。
ノニオン界面活性剤と光触媒性金属酸化物粒子表面に部分的に存在する疎水性基の存在により、おそらく、光触媒性金属酸化物粒子とシリコーンエマルジョンとの相互作用力を低めることができ、光触媒コーティング液を基材に塗布し乾燥するときの、光触媒性金属酸化物粒子の表面への移動が促進されると考えられる。従って、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、光触媒性金属酸化物粒子を表面に高濃度で集中できるようになり、基材表面の紫外線等による劣化を抑制しつつ高度な光触媒分解活性を得ることの可能な屋根材を提供することが可能となる。
【0049】
本発明の好ましい形態によれば、前記屋根材には、さらに、シリカ粒子が添加されているようにする。
そうすることで膜強度が向上する。
【0050】
本発明の好ましい形態によれば、前記疎水性基を有する物質は、疎水性基を有するシラン及び/又は疎水性基を有するシリコーンであるようにする。
そのようにすることで、光触媒性金属酸化物粒子表面の被覆、変性の形態を制御しやすくなる。
【0051】
本発明の好ましい形態によれば、前記屋根用コーティング液中に含有される硬化性シリコーンエマルジョンの硬化物は、前記屋根用コーティング液の乾燥物に対して85質量%以上、好ましくは90質量%以上であるようにする。
ここで、乾燥物の質量は、105℃乾燥時における恒量値にて求められる。
85%以上にすることにより、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
さらに、90%以上にすることにより、5μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
【0052】
本発明の好ましい形態によれば、前記屋根用コーティング液中に含有される光触媒性金属酸化物粒子は、前記屋根用コーティング液の乾燥物に対して0を超え5質量%未満であるようにする。
ここで、乾燥物の質量は、105℃乾燥時における恒量値にて求められる。
そうすることにより、基材の劣化を抑制できる。
【0053】
本発明の好ましい形態によれば、前記硬化性シリコーンエマルジョンの平均粒径は、前記光触媒性金属酸化物粒子の平均粒径よりも大きいようにする。
そうすることで、光触媒性金属酸化物粒子の表面に移動が顕著になる。
従って、シリカ粒子がシリコーンエマルジョンに束縛されずに表面に移動しやすくなり、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることの可能な光触媒コーティング組成物を提供することがより容易となる。
【0054】
屋根用コーティング液には、上記「光触媒金属酸化物粒子」、「界面活性剤」、「硬化性シリコーンエマルジョン」の他、下記に限定されないが、「シリカ粒子」、「シリカ粒子以外の無機酸化物粒子」、「金属または金属化合物」、「紫外線吸収剤」、「光安定剤」、「有機防カビ剤」等を配合させることができる。
尚、「光触媒金属酸化物粒子」、「界面活性剤の配合」、「硬化性シリコーンエマルジョン」に関連する事項、「シリカ粒子」、「シリカ粒子以外の無機酸化物粒子含有」、「金属または金属化合物添加」、「紫外線吸収剤の配合」、「光安定剤の配合」、「防藻剤の配合」については、「屋根材」の項で述べた全ての内容が好適に利用できる。
【0055】
本発明の屋根用コーティング液においては、水に可溶又は水と均一分散可能な沸点が100℃以上の被膜形成助剤を配合することができる。この被膜形成助剤は大部分の水分が気化した後も被膜中に残存し、完全硬化するまで被膜に流動性を付与することにより気化時に荒れた被膜の修復を行い、特に被膜に均一性を付与するものである。良好な被膜を得るためには、非反応性の被膜形成助剤は最終的には硬化被膜から消失することが必要であり、エステル交換反応によりケイ素原子と結合する可能性のある水酸基は含まないことが好ましい。そのため、被膜形成助剤は100℃以上、好ましくは100〜250℃、特に100〜200℃の沸点の有機溶剤であることが好ましい。沸点が高すぎると被膜中に残存しやすくなることがある。具体的には、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソペンチルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のポリオール類、2−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート等のエチレングリコール誘導体、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−メチルエチルアセタート、1−エトキシ−2−メチルエチルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のプロピレングリコール誘導体、3−メトキシブチルアセタート等のブチレングリコール誘導体、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジブチルフタレート等のエステル類等を例示することができる。特に、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、1−エトキシ−2−メチルエチルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のアルキレングリコール誘導体がレベリング性の点から好ましい。これらの有機溶剤は、メタノールやエタノール等の低沸点アルコール類と比較して水溶性に劣るため、エマルジョンの安定性を損なわず、均一な被膜の形成にのみ寄与する。
【0056】
上記被膜形成助剤の添加量は、シリコーン樹脂100重量部に対して0〜20重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。20重量部を超えて添加すると、硬化終了後も被膜中に残存する被膜形成助剤の量が多くなるため、被膜の特性が不十分なものとなることがある。
【0057】
本発明の屋根用コーティング液の溶媒は、主として水である。それにより塗膜形成時に有機物の揮発、蒸発に伴う異臭、環境汚染を有効に防止できる。
【0058】
また、屋根用コーティング液の固形分濃度は特に限定されないが、10〜60質量%とするのが塗布し易い点で好ましい。なお、屋根用コーティング液中の構成成分の分析は、コーティング液を限外ろ過によって粒子成分と濾液に分離し、それぞれを赤外分光分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、蛍光X線分光分析などで分析し、スペクトルを解析することによって評価することができる。
【0059】
なお、上記「屋根材」「屋根用コーティング液」の項で述べた内容は、任意に組合わせることが可能である。
【0060】
屋根材の製造方法
本発明の屋根材は、上記光触媒コーティング液を、基材上に塗布することにより簡単に製造することができる。光触媒層の塗装方法は、前記液剤を刷毛塗り、ローラー、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り、スクリーン印刷等、一般に広く行われている方法を利用できる。コーティング液の基材への塗布後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。
【0061】
基材
本発明に用いる基材は、無機材料、有機材料、複層材料を問わず種々の材料であってよく、その形状も限定されない。材料の観点からみた基材の好ましい例としては、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、木、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの表面に少なくとも一層の被膜を有するものが挙げられる。
特に好適には、表面がエナメル塗装或いはクリア塗装されている基材が本発明の効果を充分に享受できるので最も好ましい。
【実施例】
【0062】
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0063】
実施例1.
3官能性シランで5%表面被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子(平均結晶子径10nm)1.3質量部、3官能性シランで5%表面被覆したシリカ粒子(平均粒径50nm)8.7質量部、メチルフェニルシリコーンエマルジョン90質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル5質量%配合した固形分濃度25質量%の光触媒水性コーティング液を調製し、透明なアクリル基材上に150℃×5分乾燥し、光触媒塗装体を得た。
得られた光触媒塗装体の光触媒層を断面観察したところ、膜厚は約7μmであり、アナターゼ型酸化チタン粒子とシリカ粒子が表面に高濃度に存在する様子が観察された。
また、光触媒塗装体の表面から観察したところ、塗装体を載置していた実験台が透けてみえた。
この光触媒塗装体について、光触媒分解活性を、NOx分解性能を調べることにより確認した。ここで、光触媒によるNOx分解機能は、JISR1701−1「光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒素酸化物の除去性能」の試験法で行った。その結果、ΔNOxが0.5μmolを上回り、良好な結果を示した。
【0064】
実施例2.
3官能性シランで5%表面被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子(平均結晶子径10nm)1.3質量部、3官能性シランで5%表面被覆したシリカ粒子(平均粒径50nm)8.7質量部、メチルフェニルシリコーンエマルジョン90質量部、ポリオキシアルキレンエーテル5質量部配合した固形分濃度25質量%の光触媒水性コーティング液を調製し、透明なアクリル基材上に150℃×5分乾燥し、光触媒塗装体を得た。
得られた光触媒塗装体の光触媒層を断面観察したところ、膜厚は約7μmであり、アナターゼ型酸化チタン粒子とシリカ粒子が表面に高濃度に存在する様子が観察された。
また、光触媒塗装体の表面から観察したところ、塗装体を載置していた実験台が透けてみえた。
この光触媒塗装体について、光触媒分解活性を、NOx分解性能を調べることにより確認した。ここで、光触媒によるNOx分解機能は、JISR1701−1「光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒素酸化物の除去性能」の試験法で行った。その結果、ΔNOxが0.5μmolを上回り、良好な結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材表面に光触媒層を備えた屋根材であって、
前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、
前記光触媒コーティング液は、光触媒性金属酸化物粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、界面活性剤と、水と、を備え、
前記光触媒性金属酸化物粒子は疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、
前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤であることを特徴とする屋根材。
【請求項2】
前記屋根材には、さらに、シリカ粒子が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根材。
【請求項3】
前記疎水性基を有する物質は、疎水性基を有するシラン及び/又は疎水性基を有するシリコーンであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項4】
前記光触媒コーティング液中に含有される硬化性シリコーンエマルジョンの硬化物は、前記光触媒層中に85質量%以上含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項5】
前記光触媒層中に含有される光触媒性金属酸化物粒子は、0を超え5質量%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項6】
前記光触媒層の膜厚は、2μmをこえ20μm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項7】
前記硬化性シリコーンエマルジョンの平均粒径は、前記光触媒性金属酸化物粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項8】
前記光触媒層は透明であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の屋根材。
【請求項9】
光触媒性金属酸化物粒子と、
硬化性シリコーンエマルジョンと、
界面活性剤と、
水と、を備え、
前記光触媒性金属酸化物粒子は、疎水性基を有する物質により部分的に被覆或いは変性処理されており、
前記界面活性剤はノニオン性界面活性剤である
ことを特徴とする屋根用コーティング液。
【請求項10】
前記光触媒コーティング液には、さらに、シリカ粒子が添加されていることを特徴とする請求項9に記載の屋根用コーティング液。
【請求項11】
前記疎水性基を有する物質は、疎水性基を有するシラン及び/又は疎水性基を有するシリコーンであることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の屋根用コーティング液。
【請求項12】
前記屋根用コーティング液中に含有される硬化性シリコーンエマルジョンの硬化物は、前記屋根用コーティング液の乾燥物に対して85質量%以上であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の屋根用コーティング液。
【請求項13】
前記屋根用コーティング液中に含有される光触媒性金属酸化物粒子は、前記屋根用コーティング液の乾燥物に対して0を超え5質量%未満であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の屋根用コーティング液。
【請求項14】
前記硬化性シリコーンエマルジョンの平均粒径は、前記光触媒性金属酸化物粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の屋根用コーティング液。

【公開番号】特開2011−17158(P2011−17158A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161490(P2009−161490)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】