説明

屋根緑化方法及び保守作業方法

【課題】 本発明は波板屋根の形成緑化に伴う、その高所作業の軽減となる手段の提供にある。
【解決手段】 屋根材と当該屋根材と共に使用されるプランターからなり、屋根材は逆台形で一つの側面が外側に逆U字形に折り曲げられ屋根材同士の契合部1を形成し、プランター配設部底面にプランターとの契合部2Aが設けられ、前記プランターはプランター配設部に嵌合し、プランターの底部外側に契合部2Aとの契合部2Bが設けられ、屋根材同士を、契合部1を用いて配設して波板屋根を形成し、プランターの底部にロープとの契合部を設け、波板屋根の波の凹所を2つで対とし凹所1、凹所2とし、凹所1にはプランターを複数ロープで連結して嵌合させ、凹所2は空とし、当該プランターは互いに、かつ個別に取り外し可能とされ、当該ロープは対の凹所1と凹所2とを連絡し、ロープを引くことでプランターを凹所間で移設可能とした屋根緑化物保守作業方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波板屋根の形成と緑化及び緑化物の保守作業技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根を緑化する方法は各種提案されている。特開2002-095348には屋根面に断熱材を敷き設し、その上に植栽装置を配設する方法が開示されている。工場の波板屋根あるいは折板屋根の緑化は、波板の波の頂部を平らな板で渡し、その上に緑化物を固定・配置する方法が特開2009-089616、特開2005-124434などに開示されている。上記方法は強風に対する対策が必要となりその分費用がかさむ。そこで、波板屋根の谷部に緑化用のプランターを配置する方法が特開2000-262152、特開2003-339241などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-095348
【特許文献2】特開2009-089616
【特許文献3】特開2005-124434
【特許文献4】特開2000-262152
【特許文献5】特開2003-339241
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋根の上の緑化後は育成される植物が枯れたりあるいは他の植物に置き換わった場合に取替えが必要となる。あるいは日常の植物の世話が高所作業となるため、専門業者にその世話を依頼するなど、経済的にも問題が生ずる。本発明は波板屋根の形成と緑化及びその緑化物の保守作業を軽減する手段の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1の発明は、屋根材と当該屋根材と共に使用されるプランターからなり、前記屋根材は逆台形で逆台形の内側がプランター配設部とされ、一つの側面が外側に逆U字形に折り曲げられ屋根材同士の契合部1を形成し、プランター配設部底面にプランターとの契合部2Aが設けられ、前記プランターはプランター配設部に嵌合し、プランターの底部外側に前記契合部2Aとの契合部2Bが設けられ、屋根材同士を、契合部1を用いて配設して波板屋根を形成し、波板屋根の凹部であるプランター配設部に複数のプランターを嵌合させた屋根緑化方であり、
本第2の発明は、上記載の屋根緑化方法において、プランターの底部にロープとの契合部を設け、波板屋根の凹所を2つで対としそれぞれ凹所1、凹所2とし、凹所1にはプランターを複数嵌合し、凹所2は空とし、当該プランターは互いにロープで連結され、かつ個別に取り外し可能とされ、当該ロープは対の凹所1と凹所2とを連絡し、ロープを引くことでプランターを凹所1及び凹所2間を移設可能とした屋根緑化方法である。
【発明の効果】
【0006】
本願発明は、逆台形の屋根材を屋根に敷き設して波板屋根を形成し、波板屋根の凹所にプランターとの契合部を設けたため、強風による転倒、剥離が防止できる。また波板屋根の凹所1に、複数のプランターを配置し、ロープで凹所2へ移設可能としたため、プランターごと屋根より足場に下ろして、内容の取替え、水遣り・肥料などの世話をした後再び屋根に戻すため屋根緑化物の保守作業が簡単容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、本発明の波板形状の屋根を形成する屋根材を示す概念図である。
【図2】は、波板屋根の形成方法を示す概念図である。
【図3】は、プランターの概念図である。
【図4】は、波板屋根とプランターによる緑化物の概念図である。
【図5】は、プランターが移動する状態を示す概念図である。
【図6】は、プランターを移動させる手段を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本発明の波板形状の屋根を形成する屋根材は、逆台形状をなし、縦横方向に配設可能となっている。長手方向の一端部は側面が内側に、底面が上側に狭まり、他端部に嵌合可能となっている。
側面の一端は外側に逆U字形に折り曲げられた契合部1を形成し、直線状の他方側面と契合可能となっている。
屋根材の内側底部にはプランターの外面底部と契合するための契合具2Aが設けられている。契合具2Aは、図では2本のT型の突部がレール状に設けられている。
【0009】
屋根材は、図2に示すように屋根上にビスなどを用いて垂木等に固定しながら長さ方向及び横方向に配設して、波板形状の屋根を形成する。波の間の凹部がプランター配設部となりプランターを契合具2Aを用いて契合しながら凹部に嵌合しながら配設する。
【0010】
プランターは、図3に示すように、その断面形状がプランター配設部に嵌合する形状とし、その底部には前記契合部2Aに契合するための契合部2Bが逆T字状に設けられている。さらに底部にはロープが挿入可能な溝又は貫通孔が設けられている。図4に示すように、プランターは波板屋根の凹部であるプランター配設部に嵌合される。
【0011】
図5はプランターを凹所1から凹所2に移動させる概念図である。最初凹所1に配設されているが、ロープを引くことで屋根下端のプランターを足場に下ろし、世話をした後凹所2へ移す。この手順を繰り返し凹所1にあるプランターは全て凹所2へ移動する。
【0012】
図6はプランターを凹所間で移動させる手段を示す概念図である。
ロープを屋根の頂点から滑車などを用いてロープを自由に両端から引けるように2つの凹所に渡るように逆U字状にもしくは環状に設ける。プランターの底部に設けた溝又は貫通孔にロープを挿入する。取り外し可能なピンを用いてプランターをロープに固定する。ピンはプランターの前後に配設してロープに固定しプランター同士が互いに接することが無いようにすることが好ましい。
プランターが連結配置された凹部1側のロープを引くことにより、プランターは屋根の下端に移動してくる。屋根の下に組んだ足場でピンを外してプランターをロープから取り外し必要な世話を行う。世話の済んだプランターは隣接する凹部2に移し、ロープに連結しプランターの両端をピンで固定する。
【0013】
ロープを引くことにより、凹部1に連結配置されたプランターは下方に移動し、同時に凹所2に連結配置されたプランターはその分屋根の上方に向かって移動する。この動作を繰り返すことで、凹部1のプランターは全て凹部2に移る。次回は逆に凹部2に配置されたプランターを凹部1に移動させる手順を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0014】
波板あるいは折り返し屋根の形成及びその緑化に利用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 屋根材
12 契合部1
13 契合部2A
2 プランター
21 契合部2B
22 ロープ孔
3 ロープ
4 滑車
5 足場
6 ピン
7 凹部1
8 凹部2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材と当該屋根材と共に使用されるプランターからなり、前記屋根材は逆台形で逆台形の内側がプランター配設部とされ、一つの側面が外側に逆U字形に折り曲げられ屋根材同士の契合部1を形成し、プランター配設部底面にプランターとの契合部2Aが設けられ、前記プランターはプランター配設部に嵌合し、プランターの底部外側に前記契合部2Aとの契合部2Bが設けられ、屋根材同士を、契合部1を用いて配設して波板屋根を形成し、波板屋根の凹部であるプランター配設部に複数のプランターを嵌合させた屋根緑化方法。
【請求項2】
請求項1記載の屋根緑化方法において、プランターの底部にロープとの契合部を設け、波板屋根の凹所を2つで対としそれぞれ凹所1、凹所2とし、凹所1にはプランターを複数嵌合し、凹所2は空とし、当該プランターは互いにロープで連結され、かつ個別に取り外し可能とされ、当該ロープは対の凹所1と凹所2とを連絡し、ロープを引くことでプランターを凹所1及び凹所2間を移設可能とした保守作業方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−193798(P2011−193798A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64177(P2010−64177)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】