説明

屋根部開閉構造

【課題】安価で軽量、且つ、強風が吹いた場合でも開口部を確実に塞いでおくことのできるビニルハウスの屋根部開閉構造を提供する。
【解決手段】巻取パイプ230により、天窓用シート201を巻取ってビニルハウス100の屋根部120に形成された天窓部130を開放する一方、天窓用シート201を巻戻して天窓部130を被覆して閉鎖可能とし、しかも、天窓用シート201を、屋根部120傾斜面の中途部に設けられたパイプ支持体240の上端面から屋根部120傾斜面側に落下させるまで巻戻した後、巻き戻し方向と同方向に巻取パイプ230を回転させることにより、天窓用シート201を巻取りながらパイプ支持体240に形成された断面略コ字状のパイプ収容部241に移動させて係止し、天窓用シート201の緊張状態を維持しつつ天窓部130を閉鎖可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂性シートに覆われたビニルハウスの屋根部開閉構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業用のビニルハウスは、アルミや鉄鋼製のパイプ材などからなる骨組材を組上げ、骨組材に沿って合成樹脂フィルムからなるシート材を張設して構成されている。従来、かかるビニルハウスの中には、農作物やその他の生育させる植物に応じてハウス内の温度や湿度を適切に調整するため、ビニルハウスの屋根部を開閉可能に構成したものがあった。
【0003】
例えば、特許文献1には、図6に示すように、ビニルハウス600の骨組み材601に係止される枠体501と、当該枠体501、502に回動自在に軸支された扉体503と、当該扉体503を係止する複数のアーム部材504と、当該アーム部材504を上下動させるための滑車装置505とを有し、滑車装置505に掛けられたベルト506を牽引することにより、当該滑車装置505を介してアーム部材504を上下動させ、このアーム部材504の上下動に連動させて扉体503の開閉を行うことができる天窓500が記載されている。
【特許文献1】特開平7−246033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の天窓500は、アルミニウム等の金属板を型押し成型した枠体501、502、扉体503、複数のアーム部材504等、多くの金属部材を必要とし構造も複雑であるため高価なものとなる。しかも、多くの金属部材からなる天窓500は、重量が嵩むため、比較的強度が低いビニルハウスには不向きであった。
【0005】
安価で軽量なビニルハウスの屋根部開閉構造としては、例えば、ビニルハウスの天井に開口部と当該開口部を覆うシート材とを設けて、当該シート材を巻取り或いは巻き戻すことにより開口部の開閉を行ってビニルハウス内を換気する方法が考えられる。しかし、かかる構成とすると、風の強い日などは、開口部を塞いでいたシート材が強風によってずれたりよれたりしてしまうため、ずれた部分から雨水や鳥などがビニルハウス内に入り込み農作物に悪影響を及ぼしたり、或いは、よれた部分に雨水が溜まり、シート材を巻取る際に溜まった水が落下して作業者や農作物が濡れるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、安価で軽量、且つ、強風が吹いた場合でも開口部を確実に塞いでおくことのできるビニルハウスの屋根部開閉構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために、本発明は、樹脂性シートに覆われたビニルハウスの屋根部開閉構造において、山形形状とした前記屋根部傾斜面に、前記ビニルハウス長手方向に沿って開口した天窓部を開閉自在に被覆する天窓用シートと、この天窓用シートの基端を、前記屋根部の頂部から所定間隔離隔した位置で保持するシート保持部を備え、前記ビニルハウスの頂部に前記ビニルハウス長手方向に沿って配設されたシート支持体と、前記天窓用シートの先端に取付けられ、当該天窓用シートを巻取可能とした巻取パイプと、断面略コ字状に形成されたパイプ収容部を有し、前記屋根部傾斜面の中途部に前記シート支持体と略平行に配設されるとともに、前記パイプ収容部の上部に前記巻取パイプを係止するパイプ係止部が形成されたパイプ支持体と、このパイプ支持体及び前記シート支持体間に、前記ビニルハウス長手方向に所定間隔を開けて架け渡された複数のレール部材とを具備し、前記巻取パイプにより、前記天窓用シートを巻取って前記天窓部を開放する一方、前記天窓用シートを巻戻して前記天窓部を被覆して閉鎖可能とし、しかも、前記天窓用シートを前記パイプ支持体の上端面から前記屋根部傾斜面側に落下させるまで巻戻した後、巻き戻し方向と同方向に前記巻取パイプを回転させることにより、前記天窓用シートを巻取りながら前記パイプ支持体の前記パイプ収容部に移動させて係止し、前記天窓用シートの緊張状態を維持しつつ前記天窓部を閉鎖可能とした。
【0008】
(2)また、本発明は、上記(1)に記載の屋根部開閉構造において、前記天窓部は、前記シート支持体及び前記パイプ支持体と前記複数のレール部材とによって複数の開口領域に区画されており、前記複数の開口領域のうち、前記ビニルハウス長手方向両端に位置する前記開口領域は、換気不能に閉塞され、その他の開口領域には、ネット部材が張着されることを特徴とする。
【0009】
(3)また、本発明は、上記(1)又は(2)に記載の屋根部開閉構造において、前記シート保持部は、前記シート支持体頂部の平面部分からなる底壁部と、当該底壁部の前記ビニルハウス長手方向における左右側端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、前記溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記天窓用シートをクランプして保持することを特徴とする。
【0010】
(4)本発明は、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の屋根部開閉構造において、前記パイプ係止部は、前記パイプ収容部の上辺先端部を内側に折曲して形成されることを特徴とする。
【0011】
(5)また、本発明は、上記(3)〜(4)のいずれかに記載の屋根部開閉構造において、前記ネット部材は、前記シート支持体及び前記パイプ支持体にそれぞれ設けられたネット保持部によりその両端を保持されており、前記シート支持体のネット保持部は、前記シート支持体の前記ビニルハウス長手方向における側面上部と前記シート保持部の前記側壁部とに亘る位置に、前記シート保持部の底壁部に対して所定角度傾斜して形成される底壁部と、当該底壁部の前記ビニルハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記ネット部材の基端をクランプして保持し、前記パイプ支持体のネット保持部は、前記パイプ支持体の上辺からなる底壁部と、当該底壁部のハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記ネット部材の先端をクランプして保持することを特徴とする。
【0012】
(6)また、本発明は、上記(3)〜(5)のいずれかに記載の屋根部開閉構造において、前記シート保持部にその基端が保持されるとともに前記ビニルハウスの外周に沿って張設されるハウスバンドの中途部を所定の高さで支持するバンドガイド体を有し、前記バンドガイド体は、一端に前記ハウスバンドを支持する支持部を有し、他端に前記パイプ収容部に設けた係止部に係止される被係止部を有し、前記パイプ収容部に着脱自在に装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来の天窓のように金属板を型押し成型した枠体、扉体、複数のアーム部材等といった多くの金属部材を必要としないので、安価で軽量、且つ、強風が吹いた場合でも開口部を確実に塞いでおくことのできるビニルハウスの屋根部開閉構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態にかかるビニルハウスの屋根部開閉構造は、樹脂性シートに覆われたビニルハウスの屋根部開閉構造であって、山形形状とした屋根部傾斜面に、ビニルハウス長手方向に沿って開口した天窓部を開閉自在に被覆する天窓用シートと、この天窓用シートの基端を、屋根部の頂部から所定間隔離隔した位置で保持するシート保持部を備え、ビニルハウスの頂部にビニルハウス長手方向に沿って配設されたシート支持体と、天窓用シートの先端に取付けられ、当該天窓用シートを巻取可能とした巻取パイプと、断面略コ字状に形成されたパイプ収容部を有し、屋根部傾斜面の中途部にシート支持体と略平行に配設されるとともに、パイプ収容部の上部に巻取パイプを係止するパイプ係止部が形成されたパイプ支持体と、このパイプ支持体及びシート支持体間に、ビニルハウス長手方向に所定間隔を開けて架け渡された複数のレール部材とを具備し、巻取パイプにより、天窓用シートを巻取って天窓部を開放する一方、天窓用シートを巻戻して天窓部を被覆して閉鎖可能とし、しかも、天窓用シートをパイプ支持体の上端面から屋根部傾斜面側に落下させるまで巻戻した後、巻き戻し方向と同方向に巻取パイプを回転させることにより、天窓用シートを巻取りながらパイプ支持体のパイプ収容部に移動させて係止し、天窓用シートの緊張状態を維持しつつ天窓部を閉鎖可能としている。
【0015】
すなわち、この屋根部開閉構造は、シート支持体のシート保持部にその基端が保持された天窓用シートを、当該天窓用シートの先端部に取り付けられた巻取パイプにより巻取り又は巻戻すことにより、ビニルハウスに形成された開口である天窓部の開放及び閉鎖を行って、当該ビニルハウスの通気状態の制御を行うものである。しかも、この屋根部開閉構造は、天窓部を閉鎖する際、天窓用シートをパイプ支持体の上端面からビニルハウスの屋根部傾斜面側に落下させるまで巻戻した後、巻き戻し方向と同方向に巻取パイプを回転させることにより、天窓用シートを巻取りながら断面略コ字状に形成されたパイプ支持体のパイプ収容部に移動させて係止し、天窓用シートの緊張状態を維持しつつ天窓部を閉鎖することとしている。
【0016】
このように、本実施形態にかかる屋根部開閉構造によれば、天窓用シートの緊張状態を維持しつつ天窓部を閉鎖することができるため、強風が吹いた場合であっても、天窓用シートがずれたりよれたりすることがなく、ずれた部分から雨水や鳥などがビニルハウス内に入り込み農作物に悪影響を及ぼしたり、或いは、よれた部分に雨水が溜まり、シート材を巻取る際に溜まった水が落下して作業者や農作物が濡れるおそれがない。また、従来の天窓と比較して、少ない金属部材で構成することができるので、重量を軽減でき、構造も比較的簡単なため、安価に製造することができる。
【0017】
また、本実施形態にかかる屋根部開閉構造において、シート保持部は、シート支持体頂部の平面部分からなる底壁部と、当該底壁部のビニルハウス長手方向における左右側端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、この溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記天窓用シートをクランプして保持するように構成している。
【0018】
かかる構成とすることにより、素材重量を軽減できるためビニルハウスに大きな負荷がかかることなく、天窓用シートの保持状態を確実に維持することができる。また、天窓用シートの保持は、当該天窓用シートを、溝部に着脱可能な弾性係止部材にクランプさせることによりなされるため、当該天窓用シートの着脱を容易に行うことができる。
【0019】
また、ビニルハウスに形成される天窓部は、シート支持体及びパイプ支持体と複数のレール部材とによって複数の開口領域に区画され、複数の開口領域のうち、ビニルハウス長手方向両端に位置する開口領域は換気不能に閉鎖され、その他の開口領域にはネット部材が張着された構成とすることができる。
【0020】
すなわち、本実施形態における天窓部は、シート支持体が設けられたビニルハウスの頂部からパイプ支持体が設けられたビニルハウスの屋根部傾斜面の中途部にかけて形成されており、パイプ支持体及びシート支持体間に架け渡された複数のレール部材により、複数の開口領域がハウス長手方向に沿って形成されている。そして、これら複数の開口領域のうち、ハウス長手方向両端に位置する開口領域、すなわち、天窓用シートの両端部に位置する開口領域には、天窓用シートと同素材のシート材或いはアクリル板等が設けられることにより換気不能に閉塞されており、また、その他の開口領域には、それぞれ網目状のネット部材が張着されている。
【0021】
このように、強風により最もめくれ易い天窓用シートの両端部に位置する開口領域が換気不能に閉塞されるため、ビニルハウス内への雨風の侵入をより確実に防ぐことができる。また、その他の開口領域には、それぞれネット部材が張着されるため、天窓部が開放された状態のときに、当該開口領域からの虫や鳥の侵入を防止することができる。
【0022】
また、本実施形態にかかる屋根部開閉構造は、シート支持体及びパイプ支持体にそれぞれ設けられたネット保持部によってネット部材の両端を保持する構成とすることができる。かかる場合、シート支持体のネット保持部は、シート支持体のビニルハウス長手方向における側面上部とシート保持部の側壁部とに亘る位置に、シート保持部の底壁部に対して所定角度傾斜して形成される底壁部と、当該底壁部のビニルハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、ネット部材の基端をクランプして保持し、パイプ支持体のネット保持部は、パイプ支持体の上辺からなる底壁部と、当該底壁部のハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、ネット部材の先端をクランプして保持する構成とする。
【0023】
このように、シート保持部の近傍及びパイプ支持体の上部にそれぞれネット保持部を形成することで、天窓用シートとネット部材との間隔を狭くすることができるため、天窓用シートとネット部材との間の隙間から雨風が入り込むのを防ぐことができる。また、シート支持体に設けられるネット保持部をシート保持部に対して斜めに傾けて形成することにより、ビニルハウスの頂部という僅かなスペースに設置されるシート支持体上部にシート保持部及びネット保持部の両方を形成することができ、天窓部の開口領域をより広く確保することができる。さらに、斜めに傾けて形成することにより、レール部材との成す角が大きくなるため、シート支持体の側面に沿って垂直に形成した場合と比較してネット部材が溝部から外れにくく、当該ネット部材をより強固に保持することができる。
【0024】
また、本実施形態にかかる屋根部開閉構造において、パイプ係止部は、パイプ収容部の上辺先端部を内側に折曲して形成することができる。
【0025】
すなわち、本実施形態にかかるパイプ係止部は、パイプ収容部の上辺先端部を当該パイプ収容部の内側へ略45度の角度でアールを付けて折曲させ、さらにその先端部に断面略円形の膨大部を設けて形成されている。かかる構成とすることにより、巻取パイプを、天窓用シートを巻取りながらパイプ支持体のパイプ収容部の上部に移動させる際に、当該巻取パイプをパイプ収容部内へと案内して、当該パイプ収容部内に確実に係止させることができる。また、パイプ収容部の上辺先端の折曲部やその先端でエッジが立たないように形成されているため、これらの部分に当接する天窓用シートを傷つけることがない。
【0026】
ここで、巻取パイプによる天窓用シートの巻上げ、巻戻し操作及びパイプ係止部での係止状態の保持は、巻取パイプの一端に装着して使用されるシート巻上げ装置により行うことができる。このシート巻上げ装置は、パイプ状の延長回動部材と、当該の延長回動部材の一端に設けられた、巻取パイプの一端と連結するための連結部と、当該延長回動部材の他端に設けられた、クランク状に形成したハンドル部とを有しており、ハンドル部を回転させることにより、その回転が延長回動部材及び連結部を介して巻取パイプに伝達されて、巻取パイプがパイプ軸回りに回転し、天窓用シートを巻取パイプに巻取りながら巻上げることができ、さらに、その巻上げや巻戻しを、所望位置で簡単にロックするロック機構を設けることができる。
【0027】
また、本実施形態にかかる屋根部開閉構造において、パイプ収容部の下部には、前記シート保持部にその基端を保持されるとともに前記ビニルハウスの外周に沿って張設されるハウスバンドの中途部を所定の高さで支持する断面略L字状のバンドガイド体を備えている。
【0028】
このガイド体は、その一端にハウスバンドを支持する支持部を有し、他端にパイプ収容部に設けた係止部に係止される被係止部を有し、前記パイプ収容部に着脱自在に装着している。
【0029】
すなわち、このガイド体は、前記略コ字状のパイプ収容部の開放端と向き合うように設けられ、前記他端部分を所定長さ折曲して形成された被係止部を、前記パイプ収容部の下部に設けられた断面略逆U字状の係止部に係止することにより、前記パイプ収容部に着脱自在に装着されている。
【0030】
このように、バンドガイド体によってハウスバンドを所定の高さで支持することにより、巻取パイプを巻取ったり巻戻したりする際に、ハウスバンドが巻取パイプに当接して当該巻取り操作や巻戻し操作を阻害するのを防止することができる。
【0031】
以下、本実施形態に係るビニルハウスの屋根部開閉構造について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る屋根部開閉構造の外観図である。
【0032】
図1に示すように、ビニルハウス(以下、「ハウス100」という。)は、複数のハウス構築材101を適宜箇所で所定の緊締具により連結して構築され、その外側をハウス形成用の樹脂性シート110により被覆して形成されている。
【0033】
このハウス100には、その頂部から山形形状とした屋根部120の傾斜面の中途部にかけて、樹脂性シート110が被覆されない開口領域(以下、「天窓部130」と称する。)が、ハウス長手方向に沿って形成されている。そして、ハウス100は、かかる天窓部130の開閉を行う屋根部開閉構造200を備えており、この屋根部開閉構造200により天窓部130の開閉を行ってハウス100の通気状態を制御可能に構成している。
【0034】
なお、図中、符号300は、天窓用シート201のめくれを防止するためにハウス100の屋根部120外周に沿って張設されるハウスバンド300であり、その両端をハウス100屋根部120の軒を構成するハウス構築材101に係止することによりハウス100に張設されている。なお、かかるハウスバンド300の取り付け方法に代えて、ハウス100周りの土中に突き立てられた専用の結着部材に当該ハウスバンド300の両端を結着することにより張設することとしてもよい。
【0035】
この屋根部開閉構造200は、開口した天窓部130を開閉自在に被覆する天窓用シート201と、天窓用シート201の基端を保持するためのシート支持体210と、天窓用シート201の先端に取り付けられ、当該天窓用シート201を巻取可能とした巻取パイプ230と、巻取パイプ230を所定の高さに支持するパイプ支持体240と、このパイプ支持体240及びシート支持体210間に、ハウス長手方向に所定間隔を開けて架け渡された複数のレール部材260と、を有している。
【0036】
また、巻取パイプ230の一端には、作業者が巻取パイプ230を回転させて天窓用シート201の巻取り及び巻き戻しを行うために操作するシート巻取装置231が連結されている。
【0037】
このシート巻取装置231は、所定の長さを有するシャフト233と、このシャフトの一端側(下端側)に設けられ、作業者が回動操作するハンドル232と、シャフト233の他端側(上側)に設けられ、シャフト233の回転力を巻取りパイプ支持体240の回転力に変換するユニバーサルギヤ234とを備えている。なお、このシート巻取装置231は、シャフト233の回転を禁止可能とするロック機構(図示略)を備えている。
【0038】
そして、この屋根部開閉構造200では、天窓用シート201が巻取パイプ230に全て巻取られ、巻取パイプ230がシート支持体210側に位置している状態が天窓部130を開放している状態であり、巻取パイプ230に巻取られた天窓用シート201が巻戻されて、巻取パイプ230がパイプ支持体240側に位置している状態が天窓部130を閉鎖している状態である。
【0039】
すなわち、この屋根部開閉構造では、作業者がシート巻取装置231のハンドル232を回動操作することにより、天窓用シート201が巻取られた巻取パイプ230が、天窓用シート201を巻戻しながらレール部材260上を上方から下方へ回転移動することによって、開放状態の天窓部130を閉鎖するように構成している。
【0040】
また、この屋根部開閉構造200において、天窓部130は、上記複数のレール部材260によって複数の開口領域に区画されており、この複数の開口領域のうち、ハウス長手方向両端に位置する開口領域を、遮蔽シート203によって換気不能に常時閉塞することとしている。このように、強風により最もめくれ易い天窓用シート201の両端部に位置する開口領域が換気不能に閉塞されるため、ハウス100内への雨風の侵入をより確実に防ぐことができる。
【0041】
また、その他の開口領域には、ネット部材202を張設して、天窓部130が開放状態のときに、外部からハウス100内へ害虫や鳥等が侵入できないように構成している。
【0042】
以下、かかる屋根部開閉構造200の構成について、図2〜5を用いてより詳細に説明する。図2は本実施形態に係る屋根部開閉構造200の側面図であり、図3は本実施形態に係るシート支持体210周辺の拡大側面図であり、図4は本実施形態に係るパイプ支持体240周辺の拡大側面図である。
【0043】
図2及び図3に示すように、シート支持体210は、断面略矩形状の中空部材であり、ハウス100の頂部にハウス長手方向に沿って配設されている。なお、このシート支持体210は、当該シート支持体210の下面を、ハウス100の頂部上面に当接させた状態で挟持部材211、212により挟持し、これら挟持部材211、212をボルト213及びナット214を用いて締結することにより、ハウス100の頂部に固定されている。
【0044】
また、このシート支持体210は、その上面に設けられ、天窓用シート201の基端を、屋根部120の頂部よりも所定高さ離隔した上方位置で保持するシート保持部215と、シート保持部215のハウス長手方向における両側に設けられ、ネット部材202或いは遮蔽シート203の基端を保持するネット保持部216と、当該シート支持体210の両側面に設けられレール部材260の一端を支持するレール支持部229とを有している。
【0045】
シート保持部215は、図3に示すように、シート支持体210頂面部分からなる底壁部217と、当該底壁部217のハウス長手方向における左右側端縁を底壁部217に対してそれぞれ略60度の傾斜角度で内側に立ち上げて形成される左右側壁部218、219とからなる溝部220を備えている。
【0046】
この溝部220は、図3に示すように、底壁部217の幅よりも上部の開口幅を狭く形成している。
【0047】
そして、シート保持部215に天窓用シート201を取り付ける場合は、溝部220の開口部側からその内部に天窓用シート201を挿入し、次に天窓用シート201の上から、弾性係止部材として、溝部220の幅に合わせて所定の振り幅で蛇行させた専用のスプリング400を挿入し、溝部220内周面とスプリング400との間に天窓用シート201をクランプして保持する。
【0048】
なお、左右側壁部218、219の先端部分には、底壁部217と略平行となるように溝部220の内方側に向かって突出した係止部221、222が形成されており、スプリング400の溝部220からの抜けを可及的に防止することが可能となっている。
【0049】
ネット保持部216は、シート保持部215のハウス長手方向における両側に設けられ、前述のシート保持部215と同様の構造をしており、天窓用シート201の保持方法と同様の方法でネット部材202の端部を保持するように構成している。
【0050】
具体的に説明すると、このネット保持部216は、シート支持体210のハウス長手方向における側面上部とシート保持部215の側壁部とに亘る位置に、シート保持部215の底壁部217に対して所定角度傾斜して形成される底壁部223と、当該底壁部223のハウス長手方向における左右側端縁を、当該底壁部223に対してそれぞれ略60度の傾斜角度で内側に立ち上げて形成される左右側壁部224、225とからなる溝部226を備えている。
【0051】
この溝部226もシート保持部215の溝部220と同様に、底壁部217の幅よりも開口幅を狭く形成している。
【0052】
このネット保持部216は、溝部226の内周面と、当該溝部226の内部に装着するスプリング400との間に、ネット部材202の一端をクランプして保持するように構成している。
【0053】
すなわち、ネット保持部216へのネット部材202或いは遮蔽シート203の取り付けは、上記シート保持部215の天窓用シート201への取り付けと同様、溝部226内周面とスプリング400との間にネット部材202或いは遮蔽シート203の一端をクランプして保持し、これらがネット保持部216から外れないように固定する。なお、ここで用いるスプリング400は、前述の天窓用シート201をクランプする際に用いたものと同一構造のスプリングである。
【0054】
また、ネット保持部216における左右側壁部224、225の先端部分にもシート保持部215と同様の係止部227、228が形成されており、スプリング400の溝部226からの抜けを可及的に防止することが可能となっている。
【0055】
レール支持部229は、レール部材260の一端を支持するものである。このレール支持部229は、シート支持体210の長手方向左右両側面に屋根部120と平行して鍔状に突設されている。
【0056】
そして、レール部材260は、このレール支持部229と後述のパイプ支持体240に設けられたレール支持部229との間に架設される。なお、架設されたレール部材の両端は、ビスにより、各レール支持部229、244に固定する。
【0057】
このように、本実施形態の屋根部開閉構造200では、シート支持体210が、天窓用シートの一端を保持する機能と、ネット部材202或いは遮蔽シート203の端部を保持する機能と、レール部材260の一端を支持する機能とを兼ね備えているので、当該屋根部開閉構造200の構成部材の重量及び点数を可及的に低減することができる。
【0058】
しかも、この屋根部開閉構造200では、各溝部220、226へスプリング400を挿入するだけで、天窓用シート201、ネット部材202、遮蔽シート203の固定を行うことができるので、簡単な構造でありながら、確実な固定を行うことができる。
【0059】
次に、パイプ支持体240の具体的構造について、図4を参照して説明する。このパイプ支持体240は、図4に示すように、屋根部120の傾斜面の中途部に、ハウス長手方向へシート支持体210と略平行して配設されるものであり、屋根部120を構成するハウス構築材101の所定位置に取り付けた複数の固定具242に装着固定される。
【0060】
このパイプ支持体240は、巻取パイプ230を収容するパイプ収容部241と、ネット部材202の他端を保持するネット保持部243と、レール部材260の他端を支持するレール支持部244と、屋根部120を構成する樹脂性シート110の上端を支持する屋根用シート保持部245と、パイプ収容部241に収容した巻取パイプ230を係止するパイプ係止部246とを備えている。なお、図中の符号258は、巻取パイプ230を係止する際の天窓用シートの張力により、パイプ支持体240がシート支持体210側へ傾くことを防止するために設けられた支持脚である。
【0061】
パイプ収容部241は、当該パイプ支持体240の底面と側面と頂面とにより、屋根部120の軒方向が開放された断面略コ字状の空間を備えており、この空間内に、天窓部130を閉鎖した後の巻取パイプ230を収容可能に構成している。
【0062】
ネット保持部243は、前述のシート保持部215と同様の構造をしており、天窓用シート201の保持方法と同様の方法でネット部材202の端部を保持するように構成している。
【0063】
具体的に説明すると、このネット保持部243は、パイプ支持体240の頂面(断面視における上辺)部分からなる底壁部257と、当該底壁部257のハウス長手方向における左右側端縁を底壁部257に対してそれぞれ略60度の傾斜角度で内側に立ち上げて形成される左右側壁部247、248とからなる溝部249を備えている。
【0064】
この溝部249もシート保持部215の溝部220と同様に、底壁部257の幅よりも開口幅を狭く形成している。
【0065】
このネット保持部243は、溝部220と、当該溝部249の内部に装着するスプリング400との間に、ネット部材202の他端をクランプして保持するように構成している。
【0066】
そして、ネット保持部243へのネット部材202或いは遮蔽シート203の取り付けは、上記シート保持部215の天窓用シート201への取り付けと同様、溝部249内周面とスプリング400との間にネット部材202或いは遮蔽シート203をクランプして保持し、これらがネット保持部243から外れないように固定する。なお、ここで用いるスプリング400は、前述の天窓用シート201をクランプする際に用いたものと同一構造のスプリング400である。
【0067】
また、ネット保持部243における左右側壁部247、248の先端部分にもシート保持部215と同様の係止部250、251が形成されており、スプリング400の溝部249からの抜けを可及的に防止することが可能となっている。
【0068】
レール支持部244は、レール部材260の他端を支持するものである。このレール支持部244は、パイプ支持体240の側面から屋根部120と平行して鍔状に突設されている。そして、レール部材260を架設する際には、当該レール支持部244にレール部材260の他端を載置しビスにより固定する。
【0069】
屋根用シート保持部245は、パイプ支持体240の底面先端に一体形成された溝部252により構成している。
【0070】
この溝部252は、前述のネット保持部243と同様の形状をなしており、ハウス長手方向に伸延する底壁部253と、この底壁部253のハウス長手方向における左右側端縁から当該底壁部253に対してそれぞれ略60度の傾斜角度で内側に立設した左右側壁部254、255とにより構成され、一方の側壁部255の上端とパイプ支持体240の底面先端とが連結されている。なお、パイプ支持体240は、この屋根用シート保持部245を固定具242に装着固定することによって、屋根部120の傾斜面中途部に固定される。
【0071】
そして、この屋根用シート保持部245に樹脂性シート110を取り付ける場合は、溝部252の上方からその内部に樹脂性シート110を挿入し、次に樹脂性シート110の上から、弾性係止部材として、溝部252の幅に合わせて所定の振り幅で蛇行させスプリング400を挿入し、溝部252内周面とスプリング400との間に樹脂性シート110の上端をクランプして保持する。
【0072】
このように、本実施形態の屋根部開閉構造200では、パイプ支持体240が、ネット部材202或いは遮蔽シート203の端部を保持する機能と、レール部材260の他端を支持する機能と、樹脂性シート110を係止する機能とを兼ね備えているので、当該屋根部開閉構造200の構成部材の重量及び点数を可及的に低減することができる。
【0073】
しかも、この屋根部開閉構造200では、各溝部249、252へスプリング400を挿入するだけで、ネット部材202、遮蔽シート203の固定を行うことができるので、簡単な構造でありながら、確実な固定を行うことができる。
【0074】
さらに、本実施形態の屋根部開閉構造200は、前述のようにしてハウス100の外周に沿って張設されたハウスバンド300の中途部を、所定の高さで支持するバンドガイド体280を備えている。
【0075】
このバンドガイド体280は、パイプ支持体240の所定位置に、ハウス長手方向に所定間隔を空けて複数配設され、レール部材260に沿って転がりながら移動する巻取パイプ230と接触しない高さに、ハウスバンド300を支持するものである。
【0076】
図4に示すように、このバンドガイド体280は、断面L字状のガイド支持体281と、このガイド支持体281の一端に取付けられハウスバンド300を下方から支持するガイド282とを備えている。
【0077】
ガイド支持体281は、その他端部を所定長略直角に折曲して形成した被係止部283を備えており、この被係止部283をパイプ収容部241に設けた係止部284に係止することによって、パイプ支持体240に固定するように構成している。また、ガイド支持体281の一端部には、ガイド282を取付け固定するためのビス用孔が形成されている。
【0078】
ガイド282は、ガイド支持体281の一端側を両側から挟持する挟持部285と、この挟持部285の端部に一体形成された断面リング状のガイドパイプ286とを備えている。なお、挟持部285の所定位置にも、当該ガイド282をガイド支持体281の一端に取付け固定するためのビス用孔が形成されている。
【0079】
そして、このガイド282は、挟持部285の間でガイド支持体281の一端側を挟持させた状態で、ビスと蝶ナットによりガイド支持体281の一端側に取り付け固定する。
【0080】
こうして複数配設したバンドガイド体280の各ガイド支持体281のリング内に、ガイドパイプ286を挿入し、このガイドパイプ286又はガイド282により、ハウスバンド300を支持する。
【0081】
このように、本実施形態の200では、ハウスバンド300をハウス100の外周に張設することによって、強風により屋根部120の樹脂性シート110及び天窓用シート201が捲れることを防止しつつ、バンドガイド体280により、ハウスバンド300を所定の高さで支持することができるので、巻取パイプ230を巻取ったり巻戻したりする際に、ハウスバンド300が巻取パイプに接触して当該巻取り操作や巻戻し操作を阻害するのを防止することができる。
【0082】
ここで、以上のように構成した屋根部開閉構造200による天窓部130の開閉動作について、図5を参照して説明する。図5(a)は、天窓部130開放時の屋根部開閉構造200を示す側面説明図であり、図5(b)は、天窓部130閉鎖時の屋根部開閉構造200を示す側面説明図である。
【0083】
図5(a)に示すように、天窓部130が開放状態のときには、巻取パイプ230が天窓用シート201を全て巻取った状態で、レール部材260の一端(上端部)側に保持される。
【0084】
このとき、巻取パイプ230には、図5に示す側面視において、天窓用シート201が当該巻取パイプ230の外周から内周へ向けて時計回りに巻回されて巻取られた状態となっている。
【0085】
そして、天窓部130を閉鎖する場合には、シート巻取装置231のハンドル232を、巻き戻し方向(巻取り方向とは逆方向)に回動操作することによって、巻取パイプ230を図5に示す側面視において反時計回りに回転させながら、レール部材260上を下方へ移動させる。
【0086】
そして、巻取パイプ230をレール部材260の他端(下端)側まで移動させた後、さらに、ハンドル232を巻き戻し方向と同一方向に回動操作することによって、図5(b)に一点鎖線で示すように、巻取パイプ230をパイプ支持体240上端面から屋根部120の傾斜面側へ落下させる。
【0087】
その後、更にハンドルを巻き戻し方向と同一方向に回動操作することによって、巻取パイプ230が図5に示す側面視において反時計回りに回転して天窓用シート201を巻取りながらパイプ収容部241内に収容される。
【0088】
最後に、ハンドル232に対して、巻き戻し方向に回動力を加えることによって、天窓部130を被覆している部分の天窓用シート201に張力を加えて、天窓用シート201の緊張状態を維持しながらシート巻取装置231のロック機構をロックする。
【0089】
その結果、巻取パイプ230は、図5(b)に実線で示すように、パイプ係止部246に係止された位置で保持される。
【0090】
なお、こうして閉鎖した天窓部130を再度開放する場合には、シート巻取装置231のロック機構を解除して、ハンドル232を巻取り方向に回動操作し、天窓部130の開放領域が所望の広さになったときに、再度、シート巻取装置231のロック機構をロックする。
【0091】
このように、本実施形態の屋根部開閉構造200では、天窓部130を閉鎖する際に、巻取パイプ230を巻き戻し方向に回転させ続けるだけで、天窓部130を被覆した天窓用シートに張力を加えて緊張状態を維持しつつ天窓部130を閉鎖することができるので、強風が吹いた場合でも開口部を確実に塞いでおくことができる。
【0092】
しかも、この屋根部開閉構造200は、天窓用シート201により天窓部130の開放及び閉鎖を行うため、従来の金属製の天窓よりも軽量であり、且つ、安価で製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態に係る屋根部開閉構造の外観図である。
【図2】本実施形態に係る屋根部開閉構造の側面図である。
【図3】本実施形態に係るシート支持体周辺の拡大側面図である。
【図4】本実施形態に係るパイプ支持体周辺の拡大側面図である。
【図5】本実施形態に係る屋根部開閉構造による天窓部の開閉動作を示す説明図である。
【図6】従来の天窓構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0094】
100 ビニルハウス
110 樹脂性シート
120 屋根部
130 天窓部
200 屋根部開閉構造
201 天窓用シート
210 シート支持体
211 シート保持部
230 巻取パイプ
231 シート巻取装置
240 パイプ支持体
241 パイプ収容部
260 レール部材
280 バンドガイド体
300 ハウスバンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂性シートに覆われたビニルハウスの屋根部開閉構造において、
山形形状とした前記屋根部傾斜面に、前記ビニルハウス長手方向に沿って開口した天窓部を開閉自在に被覆する天窓用シートと、
この天窓用シートの基端を、前記屋根部の頂部から所定間隔離隔した位置で保持するシート保持部を備え、前記ビニルハウスの頂部に前記ビニルハウス長手方向に沿って配設されたシート支持体と、
前記天窓用シートの先端に取付けられ、当該天窓用シートを巻取可能とした巻取パイプと、
断面略コ字状に形成されたパイプ収容部を有し、前記屋根部傾斜面の中途部に前記シート支持体と略平行に配設されるとともに、前記パイプ収容部の上部に前記巻取パイプを係止するパイプ係止部が形成されたパイプ支持体と、
このパイプ支持体及び前記シート支持体間に、前記ビニルハウス長手方向に所定間隔を開けて架け渡された複数のレール部材と、
を具備し、
前記巻取パイプにより、前記天窓用シートを巻取って前記天窓部を開放する一方、前記天窓用シートを巻戻して前記天窓部を被覆して閉鎖可能とし、
しかも、前記天窓用シートを前記パイプ支持体の上端面から前記屋根部傾斜面側に落下させるまで巻戻した後、巻き戻し方向と同方向に前記巻取パイプを回転させることにより、前記天窓用シートを巻取りながら前記パイプ支持体の前記パイプ収容部に移動させて係止し、前記天窓用シートの緊張状態を維持しつつ前記天窓部を閉鎖可能としたことを特徴とする屋根部開閉構造。
【請求項2】
前記天窓部は、前記シート支持体及び前記パイプ支持体と前記複数のレール部材とによって複数の開口領域に区画されており、
前記複数の開口領域のうち、前記ビニルハウス長手方向両端に位置する前記開口領域は、換気不能に閉塞され、その他の開口領域には、ネット部材が張着されることを特徴とする請求項1に記載の屋根部開閉構造。
【請求項3】
前記シート保持部は、
前記シート支持体頂部の平面部分からなる底壁部と、当該底壁部の前記ビニルハウス長手方向における左右側端縁をそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、前記溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記天窓用シートをクランプして保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根部開閉構造。
【請求項4】
前記パイプ係止部は、前記パイプ収容部の上辺先端部を内側に折曲して形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋根部開閉構造。
【請求項5】
前記ネット部材は、前記シート支持体及び前記パイプ支持体にそれぞれ設けられたネット保持部によりその両端を保持されており、
前記シート支持体のネット保持部は、
前記シート支持体の前記ビニルハウス長手方向における側面上部と前記シート保持部の前記側壁部とに亘る位置に、前記シート保持部の底壁部に対して所定角度傾斜して形成される底壁部と、当該底壁部の前記ビニルハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記ネット部材の基端をクランプして保持し、
前記パイプ支持体のネット保持部は、
前記パイプ支持体の上辺からなる底壁部と、当該底壁部のハウス長手方向における左右側端縁を当該底壁部に対してそれぞれ内側斜め上方に立ち上げて形成される左右側壁部とからなる溝部と、当該溝部の内部に装着する弾性係止部材との間に、前記ネット部材の先端をクランプして保持することを特徴とする請求項3〜4のいずれか1項に記載の屋根部開閉構造。
【請求項6】
前記シート保持部にその基端が保持されるとともに前記ビニルハウスの外周に沿って張設されるハウスバンドの中途部を所定の高さで支持するバンドガイド体を有し、
前記バンドガイド体は、
一端に前記ハウスバンドを支持する支持部を有し、他端に前記パイプ収容部に設けた係止部に係止される被係止部を有し、前記パイプ収容部に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の屋根部開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−136226(P2009−136226A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316943(P2007−316943)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(597088591)佐藤産業株式会社 (30)
【出願人】(503423317)
【出願人】(507403182)
【Fターム(参考)】