説明

展示具

【課題】 展示品を容易に装着でき、しかも展示品のデザインや形状、感触を容易に確かめることができる展示具を提供する。
【解決手段】 ストラップ22が取り付けられた展示品20を吊り下げる展示具10であって、展示位置に設置される台座11と、この台座11から上方に延びる支柱12と、この支柱12の上端から展示品本体21側に突出する支持体13と、この支持体13に設けられる通し穴13aとを備えており、ストラップ22を通し穴13aに通し、支柱12の背面に沿わせ、台座11の底面でフックに掛け止めることにより、展示品本体21を吊り下げるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ストラップが取り付けられたアクセサリー等の展示品を飾るため、各種の展示具が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
図7に示すように、特許文献1に記載の展示具100は、ストラップ101の付いたアクセサリー102を飾るものであり、ストラップ101を栓体103の挿入溝104で挟み、アクセサリー102を透明な筒体105の中に吊り下げるものである。この展示具100によれば、購入者は、透明な筒体105を介してアクセサリー102のデザインを外から見ることができる。
【0004】
ところで、近年、いわゆるストラップ・フィギュアに代表されるストラップ付き商品の需要が高まる中、商品を容易に展示でき、しかも販売効果を高める展示具が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3080594号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したような従来の展示具100においては、ストラップ101を挿入溝104に挟み、アクセサリー102を筒体105に挿入し、さらに栓体103を筒体105に嵌合させる作業が必要であり、アクセサリー102の装着に手間がかかる。また、筒体105を介してアクセサリー102を見るため、照明の状態によっては、アクセサリー102のデザインが分かりにくいことがある。さらに、購入者は、アクセサリー102を直接触ることができないため、アクセサリー102の形状や感触を確認しにくい。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、展示品を容易に装着でき、しかも展示品のデザインや形状、感触を容易に確かめることができる展示具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、展示品本体にストラップを取り付けた展示品を吊り下げる展示具において、台座と、台座から延びる支柱と、展示品吊り下げ時に支柱の端部から展示品本体側に突出する支持体と、支持体に設けられ、ストラップを通す通し穴と、を備える。
【0009】
また、本発明において、支柱の背面に、ストラップを下方に導く断面半円状の通し溝を設けることが好ましい。また、ストラップの先端部を掛け止める掛止体を設けることが好ましい。
【0010】
また、本発明において、ストラップは、環状紐と、環状紐の基端部を保持する保持具と、保持具と展示品本体を連結する連結リングと、を有するものであり、支持体の先端開口に、1対の切欠きを対向させて設け、保持具を通し穴に嵌合させると共に、連結リングを前記1対の切欠きに嵌合させるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ストラップを通し穴に通し、掛止体に掛け止めるだけで、展示品を容易に吊り下げることができ、しかも展示品のデザインや形状、感触を容易に確かめることができる展示具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にかかる実施形態の展示具の斜視図である。
【図2】(A)は図1のA−A線断面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図3】上通し穴の作用を説明する図である。
【図4】切欠きの作用を説明する図である。
【図5】フックの作用を説明する図である。
【図6】展示品が装着された展示具の斜視図である。
【図7】従来の展示具の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明にかかる実施形態の展示具10は、展示品20を展示位置(たとえば、店内の陳列棚など)に飾るものである。展示品20は、いわゆるストラップ・フィギュアであり、模型である展示品本体21と、この展示品本体21に取り付けられるストラップ22とからなる。
【0015】
展示品本体21の上端には、リング23が設けられる。このリング23は、展示品本体21に一体成形されるもの、あるいは、別のリングを介して展示品本体21と連結されるものでもよい。なお、展示品本体21は、フィギュアに格別に限られるものではなく、アクセサリーや玩具など、種類は任意である。
【0016】
ストラップ22は、携帯電話や携帯ゲーム機等に取り付け可能な環状紐25と、この環状紐25の基端部(結び目)26を保持する筒状の保持具27と、この保持具27に貫通して設けられ、リング23と連結する連結リング(いわゆるC環や二重環など)28とからなる。
【0017】
次に、展示具10の構成について説明する。
展示具10は、台座11と、この台座11から上方に延びる支柱12と、この支柱12の上端に展示品本体側(図中、矢印(1))に向けて突出する支持体13とを備える。
【0018】
台座11は、高さの低い円筒形の周壁部11aと、この周壁部11aの上端縁を塞ぐ円板部11bとを有する。この円板部11bの後部上面には、上方に向けて突出する円筒部15が形成される。この円筒部15の内径部は、台座11の底面に開口する下通し穴15aを形成する。
【0019】
支柱12は、半円筒形状であり、下通し穴15aから鉛直上向きに延びる。支柱12の高さは、展示品本体21の高さと同程度、または、それ以上の高さが好適である。
【0020】
支持体13は、円筒形状であり、展示品20を吊り下げ支持するものである。支持体13の内径部は、ストラップ22を通す上通し穴13aを形成する。また、上通し穴13aは、保持具27の外径に合わせた内径に形成されており、上通し穴13aには、保持具27が挿入可能である。また、支持体13の先端開口13bには、1対の切欠き16が設けられる。
【0021】
1対の切欠き16は、支持体13の軸直角方向で且つ鉛直方向において、対向するように配置される。各々の切欠き16は、略半円形状であり、連結リング28の厚みに合わせた幅に形成される。これにより、1対の切欠き16には、連結リング28が嵌合可能である。
【0022】
図2(A)及び(B)に示すように、支柱12の下部は、円筒部15の前半部と連なる。また、半円筒状の支柱12の背面は、横断面半円状の通し溝17を形成する。この通し溝17は、下通し穴15aから支持体13の基端開口13cに延びる。
【0023】
円板部11bの底面には、展示品本体側(図1中、矢印(1))に向けて突出する略L字状のフック(掛止体)18が設けられる。このフック18の位置や形状は、ストラップや展示品本体の仕様に応じて任意に設定可能である。
【0024】
なお、展示具10は、台座11、支柱12、支持体13、円筒部15、フック18の構成要素を一体成形したもの他、少なくとも1要素を別体で構成し、この別体の部品を他の部品に組付けたものでもよい。また、台座11、支柱12、支持体13、円筒部15、フック18の各々についても、一体成形品、あるいは、複数の部品からなる組立品のいずれでもよい。また、展示具10の構成要素の材質は、合成樹脂材料、ゴム材料、金属材料等の中から任意に選択可能である。
【0025】
以上、説明した本発明にかかる実施形態の展示具10の作用・効果を図3〜図6に基づいて説明する。
【0026】
図3に示すように、環状紐25の先端部25aを上通し穴13aに通し、保持具27を先端開口13bに引寄せる(図中、矢印(2))。次に、図4に示すように、保持具27を上通し穴13aに嵌合させると共に、連結リング28の上下2箇所を1対の切欠き16に嵌合させる。このとき、展示品本体21の正面21aは購入者側に向く。
【0027】
次に、環状紐25を通し溝17に沿わせながら、下方に導く(図中、矢印(3))。そして、図5に示すように、環状紐25の先端部25aを下通し穴15aに通して台座11の底面まで引いた後、フック18に掛け止める(図中、矢印(4))。すると、図6に示すように、正面21aを購入者側に向けた姿勢で、展示品20が支持体13の先端から吊り下がる。なお、展示品本体21は、台座11から浮かせてもよいし、台座11に載せるようにしてもよい。
【0028】
以上のように作用する展示具10によれば、環状紐25を引いて、フック18掛け止めるだけで、展示品20が支持体13から吊り下げ支持される。したがって、展示品20を容易に装着することができ、展示の作業性が従来に比べて格段に良くなる。また、透明な筒体を通して展示品を見る従来の構成に比べ、展示品本体21のデザインを容易に確かめることができる。また、購入者は、展示品本体21に直接触れることができるので、展示品本体21の形状や感触を容易に確かめることができる。
【0029】
さらに、環状紐25が支持体13及び支柱12の背面に隠れるので、展示品20の見栄えも良くなる。
【0030】
加えて、切欠き16に連結リング28を嵌めることにより、展示品本体21の向きを一定にすることができる。すなわち、切欠き16が連結リング28の動きを阻止するため、展示品本体21が鉛直線周り(図6中、矢印(5))に回転しない。結果、正面21aを常に購入者側に向かせて展示品本体21を吊り下げることができる。
【0031】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
【0032】
たとえば、本実施形態において、1対の切欠きは、鉛直方向に対向させて配置した。しかし、本発明において、1対の切欠きは、展示品本体や連結リング、ストラップの構成に応じて、非鉛直方向に対向させてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 展示具
11 台座
12 支柱
13 支持体
13a 上通し穴(通し穴)
13b 先端開口
16 切欠き
17 通し溝
18 フック(掛止体)
20 展示品
21 展示品本体
22 ストラップ
25 環状紐
25a 先端部
26 基端部
27 保持具
28 連結リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示品本体にストラップを取り付けた展示品を吊り下げる展示具において、
台座と、
前記台座から延びる支柱と、
展示品吊り下げ時に前記支柱の端部から前記展示品本体側に突出する支持体と、
前記支持体に設けられ、前記ストラップを通す通し穴と、を備える展示具。
【請求項2】
請求項1において、
前記支柱の背面に、前記ストラップを下方に導く断面半円状の通し溝が設けられた展示具。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記通し穴に通した前記ストラップを掛け止める掛止体を備える展示具。
【請求項4】
請求項3において、
前記掛止体は、前記台座の底面に設けられる展示具。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記ストラップは、環状紐と、前記環状紐の基端部を保持する保持具と、前記保持具と前記展示品本体を連結する連結リングと、を有するものであり、
前記支持体の先端開口に、1対の切欠きを対向させて設け、
前記保持具を前記通し穴に嵌合させると共に、前記連結リングを前記1対の切欠きに嵌合させるようにした展示具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−52017(P2013−52017A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190539(P2011−190539)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)