説明

展示見本のラベル保持体

【課題】この発明は、自動販売機が販売する様々な商品に応じて、曲率半径が異なる複数種の表示ラベルを一つのラベル保持体で保持することができる展示見本のラベル保持体の提供を目的とする。
【解決手段】展示見本1を構成するラベル支持枠2の軸芯Xを中心として、上側保持部2Aの保持壁2Daと下側保持部2Bの保持壁2Dbとを、自動販売機Aが販売する商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが保持される径に拡縮調節する。これにより、曲率半径が異なる表示ラベルC又はDを一つのラベル保持体2で保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型、袋型等の商品を販売する自動販売機において、その商品の選択や宣伝を目的とするために陳列される展示見本のラベル保持体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記展示見本としては、例えば表面に販売商品が表示された弾性シート状の商品表示体と、商品表示体を保持する表示体支持部材とを有するとともに、表示体支持部材は、商品見本展示用ステージ上に、向きを180度変更可能に設置される底板部と枠状部を備え、枠状部の前面及び背面に、商品表示体の両縁を係止する左右1対の商品表示体係止部をそれぞれ備え、表示体支持部材の前面及び背面に大きさの異なった商品表示体が着脱自在に取り付けられる特許文献1の自動販売機用商品見本がある。
【0003】
しかし、特許文献1は、表示体支持部材の前面及び背面に取り付けられる商品表示体のサイズが予め定められており、予め定められたサイズ以外の商品表示体を保持することができない。また、前記サイズ以外の商品表示体を取り付けるには、表示体支持部材を、曲率半径が大きい商品表示体の保持が許容される大きさに形成された表示体支持部材に交換するか、曲率半径が小さい商品表示体が保持される表示体支持部材に取り替えなければならず、表示体支持部材の取り替え作業に手間及び時間が掛かる。また、商品表示体のサイズ数に対応して、商品見本の保管数及び取扱い数が増えるだけでなく、商品見本の製作に要するコストが高くなるという問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−187309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、曲率半径が異なる複数種の表示ラベルを保持する際に用いることができる展示見本のラベル保持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、自動販売機の見本陳列部に陳列され、該自動販売機が販売する商品と酷似する表示内容が印刷された表示ラベルを保持する展示見本のラベル保持体であって、前記ラベル保持体の上端に、前記表示ラベルの上縁部が保持される上側保持部を形成し、前記ラベル保持体の下端に、前記表示ラベルの下縁部が保持される下側保持部を形成し、前記上側保持部及び前記下側保持部の周縁部に、前記商品と対応する曲率半径に表示ラベルを矯正する保持壁をそれぞれ形成し、前記保持壁を、前記表示ラベルの曲率半径に応じて、該表示ラベルの上下縁部が保持される曲率半径に拡縮自在に設けた展示見本のラベル保持体であることを特徴とする。
【0007】
この発明の態様として、前記上側保持部及び前記下側保持部の一側縁部に、前記表示ラベルが保持される保持壁の一端を連設し、前記上側保持部及び前記下側保持部の他側縁部に、前記保持壁の他端が挿入される挿入部を形成し、前記挿入部に対する保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節自在に設け、該保持壁が前記表示ラベルを保持する曲率半径に拡縮調節することができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記上側保持部及び前記下側保持部の両側縁部に、前記保持壁の両端が挿入される挿入部をそれぞれ形成し、前記挿入部に対する保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節自在に設け、前記保持壁が前記表示ラベルを保持する曲率半径に拡縮調節することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記挿入部に、該挿入部に挿入された保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節する挿入長さ調節手段を設けることができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記ラベル保持体を、前記上側保持部が形成された上側枠体と、前記下側保持部が形成された下側枠体とで構成し、前記上側保持部の下面側後縁部に対し下方に向けて垂直に形成された上側支持板と、前記下側保持部の上面側後縁部に対し上方に向けて垂直に形成された下側支持板とを上下動自在に連結し、前記上側枠体と下側枠体とを、前記表示ラベルの上下縁部が保持される高さに上下伸縮自在に設けることができる。
【0011】
前記展示見本は、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型、袋型等の自動販売機が販売する商品と酷似する外観及び意匠に形成することができる。
【0012】
ラベル保持体は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等のプラスチック、或いは、例えば金属や木、ガラス、セラミックス等の材質で形成することができる。
【0013】
表示ラベルは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成することができる。また、表示ラベルの表面には、自動販売機が販売する商品と酷似する表示内容(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)が印刷されている。
【0014】
挿入長さ調節手段は、例えば溝部と突起、或いは、保持壁を締付け固定するネジ、或いは、保持壁の凹部に係合される球体、爪体等で構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、ラベル保持体を構成する上側保持部の保持壁と下側保持部の保持壁とを、自動販売機が販売する商品と対応する曲率半径の表示ラベルが保持される径に拡縮調節するので、曲率半径が異なる複数種の表示ラベルを一つのラベル保持体で保持することができる。また、一つのラベル保持体を共通して使用するので、展示見本の保管数及び取扱い数が少なくなり、展示見本の製作に要するコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】展示見本が陳列された自動販売機を示す正面図。
【図2】曲率半径が大きい表示ラベルの保持状態を示す斜視図。
【図3】図2の展示見本のA−A線矢視断面図及びB−B線矢視断面図。
【図4】曲率半径が小さい表示ラベルの保持状態を示す斜視図。
【図5】図4の展示見本のC−C線矢視断面図及びD−D線矢視断面図。
【図6】展示見本の取り付け状態を示す縦断側面図。
【図7】展示見本の取り付け構造を示す底面側斜視図。
【図8】展示見本の他の取り付け構造を示す底面側斜視図。
【図9】展示見本のその他の取り付け構造を示す底面側斜視図。
【図10】伸縮機能を備えた展示見本の他の例を示す斜視図。
【図11】図10の展示見本の取り付け状態を示す縦断側面図。
【図12】上下の保持壁が左右均等に拡縮調節される展示見本のその他の例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態である展示見本1が陳列された自動販売機Aを示す正面図、図2は、曲率半径が大きい表示ラベルCの保持状態を示す斜視図、図3は、図2の展示見本1のA−A線矢視断面図及びB−B線矢視断面図、図4は、曲率半径が小さい表示ラベルDの保持状態を示す斜視図、図5は、図4の展示見本1のC−C線矢視断面図及びD−D線矢視断面図、図6は、展示見本1の取り付け状態を示す縦断側面図、図7は、展示見本1の取り付け構造を示す底面側斜視図である。
【0018】
実施例の展示見本1は、図1に示すように、自動販売機Aの前面に設けられた見本陳列部Aa内の陳列面Abに陳列される。また、見本陳列部Aaの陳列面Abには、展示見本1の陳列数と対応して、平面から見て丸形状の開口部Acが所定間隔に隔てて複数形成されている。また、陳列面Abの下方には、蛍光灯或いは発光ダイオードからなる光源Bが開口部Acと対向して配設されている(図6参照)。
【0019】
開口部Acは、後述する筒状部26の差込み及び抜取りが許容される孔径に形成されている。また、開口部Acの前後縁部には、後述する一対の係止部27の挿通が許容される一対の切欠き部Adが形成されている。また、開口部Acの左右縁部には、後述する凸部28の係合が許容される凹部Aeが形成されている。
【0020】
展示見本1は、図2〜図7に示すように、見本陳列部Aaの陳列面Abに対し起立した状態に取り付けられるラベル保持体2と、ラベル保持体2の前面側に保持される商品と酷似する表示内容が印刷された表示ラベルC又はDとで構成されている。
また、ラベル保持体2と、表示ラベルC又はDは、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等のプラスチックで形成されている。
【0021】
ラベル保持体2は、缶型の商品の上部(プルトップ側)と対応する大きさ及び形状に形成された上側保持部2Aの下面側後縁部と、該商品の下部(底部側)と酷似する大きさ及び形状に形成された下側保持部2Bの上面側後縁部とを、半円筒状又は円弧状の水平断面形状に形成された支持板2Cで一体的に連結して、上端側及び前面側を開口した枠形状に形成されている。
なお、支持板2Cの前面側上端部に、例えば蓋、天板等からなる上側保持部2Aを連設して、ラベル保持体2の上端側開口部を閉塞或いは覆ってもよい。
【0022】
支持板2Cの上端側右側縁部には、上側保持部2Aの下面側周縁部に沿って、表示ラベルC又はDの上縁部が所定の曲率半径に湾曲した状態に保持される帯状の保持壁2Daが可撓変形自在に連設されている。
支持板2Cの上端側左側縁部には、保持壁2Daの遊端側が支持板2Cの内側壁面に沿って周方向に挿入される環状の挿入部2Caが形成されている。
【0023】
保持壁2Daの遊端側上下面には、挿入部2Caの上下内面に形成された一対の突起2Ebが係止される溝部2Eaが幅方向に形成されている。
支持板2Cの下端側右側縁部には、下側保持部2Bの上面側周縁部に沿って、表示ラベルC又はDの下縁部が所定の曲率半径に湾曲した状態に保持される帯状の保持壁2Dbが可撓変形自在に連設されている。
【0024】
支持板2Cの下端側左側縁部には、保持壁2Dbの遊端側が支持板2Cの内側壁面に沿って周方向に挿入される環状の挿入部2Cbが形成されている。
【0025】
保持壁2Dbの遊端側上下面には、挿入部2Cbの上下内面に形成された一対の突起2Ebが係止される溝部2Eaが幅方向に形成されている。
【0026】
つまり、挿入部2Ca,2Cbに保持壁2Da,2Dbの遊端側を挿入した際、挿入部2Ca,2Cbに挿入された保持壁2Da,2Dbを長手方向へ前後動する。また、突起2Ebに係止される溝部2Eaの位置を長手方向へ段階的に変位させて、挿入部2Ca,2Cbに対する保持壁2Da,2Dbの挿入長さを長手方向に可変調節する。
これにより、保持壁2Da,2Dbが、商品と対応する曲率半径に湾曲された表示ラベルC又はDに応じて、該表示ラベルC又はDの上縁部及び下縁部が保持される曲率半径に拡縮される。
【0027】
曲率半径が大きい表示ラベルCを保持する際は、保持壁2Da,2Dbの遊端側を、挿入部2Ca,2Cbに対する挿入寸法が短くなる方向に引き出し操作する。また、保持壁2Da,2Dbを、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として拡径方向(図中矢印で示す方向)へ可撓変形させ、曲率半径が大きい表示ラベルCの上下縁部が保持される曲率半径に拡径調節する(図3のa,b参照)。
【0028】
この後、曲率半径が大きい表示ラベルCを筒状に変形したまま保持壁2Da,2Dbの内側に挿入する。表示ラベルCの変形を解除すると、ラベル自体の復元力により、表示ラベルCの上縁部が保持壁2Daの内側壁面に押し付けられ、表示ラベルCの下縁部が保持壁2Dbの内側壁面に押し付けられる。
これにより、表示ラベルCが、拡径調節された保持壁2Da,2Dbによって大きな商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に矯正或いは保持される(図2の仮想線参照)。
【0029】
曲率半径が小さい表示ラベルDを保持する際は、保持壁2Da,2Dbの遊端側を、挿入部2Ca,2Cbに対する挿入寸法が長くなる方向に押し込み操作する。また、保持壁2Da,2Dbを、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として縮径方向(図中矢印で示す方向)へ可撓変形させ、曲率半径が小さい表示ラベルDの上下縁部が保持される曲率半径に縮径調節する(図5のc,d参照)。
【0030】
この後、曲率半径が小さい表示ラベルDを筒状に変形したまま保持壁2Da,2Dbの内側に挿入する。表示ラベルDの変形を解除すると、ラベル自体の復元力により、表示ラベルDの上縁部が保持壁2Daの内側壁面に押し付けられ、表示ラベルDの下縁部が保持壁2Dbの内側壁面に押し付けられる。
これにより、表示ラベルDが、縮径調節された保持壁2Da,2Dbによって小さな商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に矯正或いは保持される(図4の仮想線参照)。
【0031】
支持板2Cの両側縁部には、上側保持部2Aと下側保持部2Bとで表示ラベルC又はDを所定の曲率半径に湾曲した状態に保持した際に、該表示ラベルC又はDの両側縁部が係止される係止部2Fが形成されている。
【0032】
つまり、上側保持部2Aと下側保持部2Bとの間に、表示ラベルC又はDを所定の曲率半径より小径に湾曲して挿入すると、表示ラベルC又はDの両側縁部が、該ラベル自体の復元力により外側へ広がろうとするが、支持板2Cの両側縁部に形成された係止部2Fに係止される。これにより、表示ラベルC又はDが、商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に矯正或いは保持される。
【0033】
支持板2Cの両側縁部より内側の壁面には、上側保持部2Aと下側保持部2Bとで保持された表示ラベルC又はDの両側端部が当接される突起2Gが形成されている。
【0034】
つまり、上側保持部2Aと下側保持部2Bとの間に挿入された表示ラベルC又はDの両側端部が、支持板2Cの両側縁部より内側に形成された左右の突起2Gに当接される。また、表示ラベルC又はDの上縁部及び下縁部が、上側保持部2Aの保持壁2Da及び下側保持部2Bの保持壁2Dbの内側壁面に沿って押し付けられた状態に規制される。
これにより、表示ラベルC又はDの両側端部が支持板2Cの突起2Gより内側へ押し込まれることがなく、表示ラベルC又はDの前面側がラベル保持体2の前面側開口部に露出される位置に規制される。
なお、保持壁2Da,2Dbに、表示ラベルC又はDの上縁部及び下縁部が係止される溝部や凹部等を形成してもよい。
【0035】
下側保持部2Bの底面中央部には、図6、図7に示すように、前記陳列面Ab下方の光源Bから投光される光を導光するための採光窓25が開口されている。
【0036】
採光窓25の下面側周縁部には、前記開口部Acの孔径と略同径で、該開口部Acより下方に突出される筒状部26が形成されている。また、筒状部26は、前記開口部Acに対する差込みが許容される外径に形成され、ラベル保持体2が起立した状態に支持される長さに形成されている。
【0037】
前記開口部Acより下方に突出される筒状部26の左右縁部には、該開口部Acの下面側周縁部に係止される一対の係止部27が形成されている。また、一対の係止部27は、前記開口部Acの前後縁部に形成された一対の切欠き部Adと対向する位置に配置され、該切欠き部Adの通過が許容される大きさ及び形状に形成されている。なお、一対の係止部27は、ラベル保持体2を正面から見て左右に配置されている。
【0038】
係止部27の上位側には、開口部Acの内周縁部に対し径方向に圧接される凸部28が形成されている。また、凸部28は、開口部Acの両側縁部に形成された凹部Aeに対し係止される位置に形成されている。
凸部28は、平面から見て滑らかな半円形状(又は半楕円形状)に形成され、該凹部Aeに対し係合が許容される大きさ及び形状に形成されている。
【0039】
表示ラベルC,Dは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートからなる図2に示す曲率半径が大きい表示ラベルCと、図4に示す曲率半径が小さい表示ラベルDとで構成されている。
また、表示ラベルC,Dは、自動販売機Aが販売する缶型の商品と対応する曲率半径に湾曲可能な厚みに形成されている。また、表示ラベルC,Dの表面には、缶型の商品と酷似する表示内容(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)が印刷されている。
【0040】
曲率半径が大きい表示ラベルCは、例えば280ml、350ml、500mlの大きさに形成された3種類のラベルとで構成されている。また、曲率半径が小さい表示ラベルDは、例えば160ml、190ml、250mlの大きさに形成された3種類のラベルで構成されている。
つまり、複数種類の表示ラベルC,Dの中から、自動販売機Aが販売する缶型の商品と対応する大きさの表示ラベルC又はDを選択し、その選択した表示ラベルC又はDの保持が許容される大きさに拡縮調節されたラベル保持体2で保持する。
【0041】
次に、表示ラベルC又はDが保持された展示見本1を、見本陳列部Aaの陳列面Abに陳列する際の取り付け方法を説明する。
先ず、ラベル保持体2の筒状部26に形成された一対の係止部27と、陳列面Abの開口部Acに形成された一対の切欠き部Adを一致させて、ラベル保持体2の筒状部26を陳列面Abの開口部Acに対し上方から垂直に差込む(図7参照)。
【0042】
次に、展示見本1を、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として、該ラベル保持体2の前面側に保持された表示ラベルC又はDが正面向きとなるように水平方向へ回転させる。
また、筒状部26の一対の係止部27を、開口部Acの下面側周縁部に係止して抜止めするとともに、係止部27の凸部28と開口部Acの凹部Aeを互いに係合して回り止めする。
【0043】
つまり、展示見本1が、見本陳列部Aaの陳列面Abに対し起立した状態に取り付けられ、ラベル保持体2の前面側に保持された表示ラベルC又はDが正面向きとなる位置に回転停止される(図6参照)。
これにより、図1に示す上段側の見本陳列部Aaに、曲率半径が異なる同一高さの展示見本1を複数陳列することができる。
【0044】
以上のように、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として、上側保持部2Aの保持壁2Daと下側保持部2Bの保持壁2Dbとを、自動販売機Aが販売する様々な商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが保持される径に拡縮調節するので、曲率半径が異なる表示ラベルC又はDを一つのラベル保持体2で保持することができる。また、一つのラベル保持体2を共通して使用するので、展示見本1の保管数及び取扱い数が少なくなり、展示見本1の製作に要するコストの低減を図ることができる。
【0045】
図8は、展示見本1の他の取り付け構造を示す底面側斜視図である。
本例の取り付け構造は、ラベル保持体2を後方へ傾けて、採光窓25の下面側後縁部に形成された係止爪30を、陳列部Aaの陳列面Abに形成した開口部Acの後側内周縁部に係止する。また、ラベル保持体2を起立角度に復帰させて、採光窓25の下面側前縁部に形成された係止爪31を、開口部Acの前側内周縁部に係止する。
【0046】
さらに、係止爪31の両側部に形成された円弧状の係止片32を、開口部Acの内周縁部に係止する。また、採光窓25の下面側両側部に形成された軸状の凸部33を、開口部Acの両側縁部に形成された凹部Aeに係合して回り止めする。
これにより、展示見本1を、自動販売機Aが販売する商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが正面向きとなるように取り付けることができ、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0047】
図9は、展示見本1のその他の取り付け構造を示す底面側斜視図である。
本例の取り付け構造は、陳列面Abに形成された開口部Acに、ラベル保持体2の下側枠体4に形成された筒状部26を差込み、開口部Acの前後縁部に形成された切欠き部Adに、筒状部26の前後縁部に形成された一対の係止部36を挿入する。また、開口部Acの内周縁部に、係止部36の近傍に形成された支持片37を当接して筒状部26中心に向けて変位又は可撓させる。
【0048】
次に、ラベル保持体2を矢印方向へ水平回動して、開口部Acの下面側周縁部に係止部36を係止し、支持片37を該支持片37自体の復元力により切欠き部Adに係止する。また、筒状部26の左右縁部に形成された凸部28を、開口部Acの凹部Aeに係合して回り止めする。
これにより、展示見本1を、自動販売機Aが販売する商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが正面向きとなるように取り付けることができ、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0049】
図10、図11は、表示ラベルC又はDの高さ(又は長さ)に応じてラベル保持体2が伸縮調節される展示見本1の他の例を示す斜視図である。
本例の展示見本1は、ラベル保持体2の上側保持部2Aと下側保持部2Bとが上下分割され、上側保持部2Aと下側保持部2Bとを連結する支持板2Cが、上側支持板3Bと下側支持板4Bとに上下分割されている。また、上側保持部2Aは、缶型の商品の上部(プルトップ側)と酷似するとともに、ラベル保持体2の上端側が覆われる大きさ及び形状に形成されている。
【0050】
上側支持板3Bは、上側保持部2Aの下面中央部に対し下方に向けて垂下されている。また、下側支持板4Bは、下側保持部2Bの上面中央部に対し上方に向けて起立されている。さらに、上側支持板3Bと下側支持板4Bは、上側支持板3Bの前面に下側支持板4Bの後面を重ね合わせて上下動自在に連結されている。
【0051】
上側支持板3Bの上端側右側縁部には、前記保持壁2Daの一端が連設されている。また、上側支持板3Bの上端側左側縁部には、前記保持壁2Daの他端を挿入する前記挿入部2Caが形成されている。
【0052】
一方、下側支持板4Bの下端側右側縁部には、前記保持壁2Dbの一端が連設されている。また、下側支持板4Bの下端側左側縁部には、前記保持壁2Dbの他端を挿入する挿入部2Cbが形成されている。
【0053】
上側支持板3Bの前面側中央下端部には、後述する下側支持板4Bの案内孔4Cに対し上下動自在に係合される平面から見てT字状の係止体3Cが設けられている。
【0054】
係止体3Cは、上側支持板3Bの前面側で中央下端部に突設された支持部3Caと、該支持部3Caの突出側端部に形成された係止片3Cbとで構成されている。
支持部3Caは、後述する案内孔4Cの横幅より幅狭に形成され、案内孔4Cに対し前後方向(又は厚み方向)に貫通する長さに形成されている。
【0055】
係止片3Cbは、案内孔4Cの横幅より幅広に形成され、案内孔4Cの長手方向と直交して支持部3Caの突出側端部に形成されている。
係止片3Cbの両端には、案内孔4Cの前面側両側縁部に形成された一対の溝部4Cbに対し係合される突起3Ccが形成されている。
【0056】
一方、下側支持板4Bの前面側中央部には、前記係止体3Cが上下動自在に係合される正面から見て縦長矩形の案内孔4Cが形成されている。
案内孔4Cの上端側には、前記係止体3Cが前後方向(又は厚み方向)に差し込み及び抜き取りされる開口部4Caが開口されている。
開口部4Caは、下側支持板4Bの前面側中央上部に配置されており、前記係止体3Cの係止片3Cbが前後方向(又は厚み方向)に差し込み及び抜き取りが許容される大きさ及び形状に形成されている。
【0057】
案内孔4Cは、下側支持板4Bの長手方向と平行して上下方向に形成され、下側支持板4Bの上端側縁部及び下端側縁部に至る長さに形成されている。また、案内孔4Cは、前述した係止体3Cの支持部3Caの横幅より幅広に形成され、係止片3Cbの両端を結ぶ全長より幅狭に形成されている。
案内孔4Cの前面側両側縁部には、前記係止片3Cbの突起3Ccが係合される一対の溝部4Cbが該案内孔4Cに沿って所定間隔に隔てて複数形成されている。
【0058】
一対の溝部4Cbは、自動販売機Aが販売する商品の容量サイズ(例えば160ml、190ml、250ml、280ml、350ml、500ml等)に対応して、案内孔4Cの両側縁部に沿って上下方向に複数配列されている。実施例では、160ml、280ml、190ml、350ml、250ml、500mlの順に、案内孔4Cの下端側から上端側に向けて配列されている。
【0059】
つまり、係止片3Cbの突起3Ccを案内孔4Cの溝部4Cbに係合することにより、上側枠体3と下側枠体4からなるラベル保持体2が、前記商品と対応する高さ(又は長さ)に規制される。
【0060】
次に、ラベル保持体2を、高さ(又は長さ)が異なる様々な商品と対応するサイズに伸縮調節する場合、上側枠体3の上側支持板3Bと、下側枠体4の下側支持板4Bを前後方向に対向して、上側支持板3Bの係止体3Cが、下側支持板4Bの開口部4Caと対向するように位置させる。この後、上側支持板3Bと下側支持板4Bを前後に重ね合せて、上側支持板3Bの係止体3Cを、下側支持板4Bの開口部4Caに挿入する。
【0061】
上側枠体3及び下側枠体4のいずれか一方又は両方を上下方向(又はラベル保持体2の長さ方向)に相対移動させ、係止体3Cの支持部3Caを、開口部4Caに接続された案内孔4Cの上側又は下側に挿入して、上側枠体3と下側枠体4を一体的に組み付ける。
【0062】
この後、係止体3Cの係止片3Cbに形成された一対の突起3Ccを、案内孔4Cの両側縁部に形成された一対の溝部4Cbに係合する。つまり、上側枠体3の上側支持板3Bと下側枠体4の下側支持板4Bとのスライド位置が規制され、ラベル保持体2が、表示ラベルC又はDと対応する高さ(又は長さ)に規制される(図10、図11参照)。
【0063】
つまり、高さ(又は長さ)が異なる表示ラベルC又はDを一つのラベル保持体2で保持することができ、図1に示す下段側の見本陳列部Aaに、高さ(又は長さ)が異なる展示見本1を複数陳列することができる。
【0064】
また、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として、上側保持部2Aの保持壁2Daと下側保持部2Bの保持壁2Dbとを、自動販売機Aが販売する様々な商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが保持される径に拡縮調節すれば、曲率半径が異なる表示ラベルC又はDを一つのラベル保持体2で保持することができる。
これにより、図1に示す下段側の見本陳列部Aaに、高さ(又は長さ)及び曲率半径が異なる展示見本1を複数陳列することができるとともに、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0065】
図12は、上側保持部2Aの保持壁2Daと下側保持部2Bの保持壁2Dbとが左右均等に拡縮調節される展示見本1のその他の例を示す斜視図である。
【0066】
本例の展示見本1は、上側支持板3Bの上端側左右縁部に、前記保持壁2Daの両端を挿入する挿入部2Ca,2Caが形成されている。
また、下側支持板4Bの下端側左右縁部に、前記保持壁2Dbの両端を挿入する挿入部2Cb,2Cbが形成されている。
【0067】
つまり、挿入部2Ca,2Caに挿入された保持壁2Daの両端挿入位置と、挿入部2Cb,2Cbに挿入された保持壁2Dbの両端挿入位置とを長手方向へ段階的に変位させ、挿入部2Ca,2Cbに対する保持壁2Da,2Dbの挿入長さを長手方向に可変調節する。
【0068】
また、保持壁2Da,2Dbを、ラベル支持枠2の軸芯Xを中心として、自動販売機Aが販売する商品と対応する曲率半径の表示ラベルC又はDが保持される径に拡縮調節する。
【0069】
これにより、曲率半径が異なる表示ラベルC又はDを、自動販売機Aが販売する商品と酷似する曲率半径に保持することができ、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0070】
なお、前記支持板2Cの上端側左右縁部に形成された挿入部2Ca,2Caに前記保持壁2Daの両端を挿入し、支持板2Cの下端側左右縁部に形成された挿入部2Cb,2Cbに前記保持壁2Dbの両端を挿入して、保持壁2Da,2Dbを左右均等に拡縮調節自在に設けてもよい。
【0071】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の挿入長さ調節手段は、実施例の溝部2Eaと突起2Ebに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0072】
前記溝部2Ea及び突起2Ebに代わる挿入長さ調節手段として、例えば挿入部2Ca,2Cbに挿入された保持壁2Da,2Dbの端部を、挿入部2Ca,2Cbに取り付けられたネジで締付け固定してもよい。
【0073】
また、保持壁2Da,2Dbの端部に沿って複数形成された一つの凹部に、挿入部2Ca,2Cbに取り付けられた球体や爪体を係合する等して、保持壁2Da,2Dbの端部を、挿入部2Ca,2Cbに対し所望する長さ挿入された位置に固定してもよい。
【符号の説明】
【0074】
A…自動販売機
Aa…見本陳列部
Ab…陳列面
Ac…開口部
Ad…切欠き部
Ae…凹部
C,D…表示ラベル
1…展示見本
2…ラベル保持体
2A…上側保持部
2B…下側保持部
2C…支持板
2Ca,2Cb…挿入部
2Da,2Db…保持壁
2Ea…溝部
2Eb…突起
3B…上側支持板
4B…下側支持板
3C…係止体
3Cc…突起
4C…案内孔
4Ca…開口部
4Cb…溝部
25…採光窓
26…筒状部
27…係止部
28…凸部
30…係止爪
31…係止爪
32…係止片
33…凸部
36…係止部
37…支持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の見本陳列部に陳列され、該自動販売機が販売する商品と酷似する表示内容が印刷された表示ラベルを保持する展示見本のラベル保持体であって、
前記ラベル保持体の上端に、前記表示ラベルの上縁部が保持される上側保持部を形成し、
前記ラベル保持体の下端に、前記表示ラベルの下縁部が保持される下側保持部を形成し、
前記上側保持部及び前記下側保持部の周縁部に、前記商品と対応する曲率半径に表示ラベルを矯正する保持壁をそれぞれ形成し、
前記保持壁を、前記表示ラベルの曲率半径に応じて、該表示ラベルの上下縁部が保持される曲率半径に拡縮自在に設けた
展示見本のラベル保持体。
【請求項2】
前記上側保持部及び前記下側保持部の一側縁部に、前記表示ラベルが保持される保持壁の一端を連設し、
前記上側保持部及び前記下側保持部の他側縁部に、前記保持壁の他端が挿入される挿入部を形成し、
前記挿入部に対する保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節自在に設け、該保持壁が前記表示ラベルを保持する曲率半径に拡縮調節される
請求項1に記載の展示見本のラベル保持体。
【請求項3】
前記上側保持部及び前記下側保持部の両側縁部に、前記保持壁の両端が挿入される挿入部をそれぞれ形成し、
前記挿入部に対する保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節自在に設け、前記保持壁が前記表示ラベルを保持する曲率半径に拡縮調節される
請求項1に記載の展示見本のラベル保持体。
【請求項4】
前記挿入部に、該挿入部に挿入された保持壁の挿入長さを長手方向に可変調節する挿入長さ調節手段を設けた
請求項2又は3に記載の展示見本のラベル保持体。
【請求項5】
前記ラベル保持体を、前記上側保持部が形成された上側枠体と、前記下側保持部が形成された下側枠体とで構成し、
前記上側保持部の下面側後縁部に対し下方に向けて垂直に形成された上側支持板と、前記下側保持部の上面側後縁部に対し上方に向けて垂直に形成された下側支持板とを上下動自在に連結し、
前記上側枠体と下側枠体とを、前記表示ラベルの上下縁部が保持される高さに上下伸縮自在に設けた
請求項1〜4のいずれか一つに記載の展示見本のラベル保持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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