説明

属性情報管理サーバ、属性情報管理方法および属性情報管理システム

【課題】多数のユーザについての個人の属性情報を、時間や手間をかけることなく、適切に維持、管理して、正確な情報として利用できるようにする。
【解決手段】 ユーザDB106は、ユーザ毎に個人の属性情報を記憶保持する。接続端子101及び通信I/F102を通じて携帯通信端末からのプローブ情報を順次に受信し、これをプローブ情報ファイルに蓄積する。属性情報変化推測部107は、プローブ情報ファイルに蓄積されたプローブ情報をユーザ毎に解析し、ユーザDB106に記憶保持されている属性情報に変化が生じたか否かを推測する。属性情報に変化が生じたと推測されるユーザに対して、属性情報確認更新部109が当該変化の有無を問い合わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報通信分野に属し、例えば、携帯電話端末などの携帯通信端末から送信される現在位置情報を含むプローブ情報を利用して、当該携帯通信端末のユーザの属性情報を維持、管理する装置、方法、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)モジュールが搭載され、自己の現在位置の測位が可能な携帯電話端末が種々提供されるようになってきている。これに伴い、後に記す特許文献1に開示されているように、携帯電話端末で測位されるユーザの現在位置と当該ユーザの属性情報とに応じて、当該ユーザに応じた案内情報等を提供するサービスなどが提供されるようになってきている。例えば、ユーザが渋谷駅付近にいる場合に、渋谷駅付近の店舗などの案内情報などが自動的に当該ユーザの携帯通信端末に提供されるといったサービスが行われている。
【0003】
そして、当該特許文献1に記載の発明の場合、ユーザ毎に個人の属性情報を事前に登録しておくことが重要である。個人の属性情報が無ければ、例えば、未成年者に酒類の提供がメインの店舗情報を提供するといった的外れな情報の提供を行ってしまう可能性が生じるからである。しかし、ユーザ毎に個人の属性情報を事前に整備するためには、まず、各ユーザから正確な属性情報の提供を受け、これをデータベース化しなければならず、煩雑な作業が必須となる。
【0004】
そこで、後に記す特許文献2には、特別な作業を行うことなく、ユーザの属性情報を特定して蓄積できるようにする発明が開示されている。当該特許文献2に記載の発明は、携帯電話端末から所定のタイミング毎に、当該携帯電話端末の現在位置情報を含むプローブ情報の提供を受けて、当該プローブ情報を解析することにより、ユーザの属性情報を特定し、これを蓄積するものである。
【0005】
なお、ユーザの属性情報は、氏名、生年月日、電話番号、電子メールアドレス等の固定的な情報の他、現住所、家族構成、職業等(種々の職業や学生などの区別)、勤務先(勤務先や通学先の所在地)、収入、趣味、立寄り先、その他の情報等の非固定的な情報を含む。そして、属性情報の内、固定的な情報は例えば電話会社との契約時などにおいては必ず必要になる情報あるために、その収集及び登録は比較的に簡単に行うことができる。
【0006】
しかし、非固定的な情報は、電話会社との契約時などにおいて必須の情報でないものもあり、また、その内容もユーザ毎に多岐にわたるため、その収集や登録には手間がかかるのである。しかし、特許文献2に記載の発明を用いることにより、属性情報の内の非固定的な属性情報についても、データベース化するに際して、携帯電話端末のユーザ側においても、また、個人の属性情報を管理する電話会社側においても、煩雑な作業を行う必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−034743号公報
【特許文献2】特開2010−237832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献2に記載の発明は、煩雑な作業を行うことなく、当該携帯電話端末のユーザの属性情報を特定し、蓄積することができるので、非常に有効である。しかし、真に正確な属性情報を特定して蓄積し、これを適切に維持、管理することは難しい。例えば、順次に提供される携帯電話端末からのプローブ情報を所定期間分解析することにより、夜間から翌日の朝にかけて滞在している場所を特定できたとする。この場合、滞在場所等を考慮したとしても、その場所が自宅なのか、出張や旅行の滞在先なのかを適切に判別することができない場合がある。
【0009】
また、複数のユーザのプローブ情報を所定期間分解析することにより、夜間に同じ場所(例えば、同じ戸建住宅)に滞在する人が増えたことを検出したとする。この場合、例えば、結婚などにより同居の家族が増えたのか、友人や知人が何かの用事で比較的に長期に渡って泊まりにきているのかを判別することなども難しい。このように、携帯電話端末からのプローブ情報を解析することにより、当該携帯電話端末のユーザの属性情報を検出できたとしても、その属性情報が真に正しいか否かまでは判別することはできない。また、属性情報の内、上述した非固定的な情報については、いつ変わるか分からないために、属性情報を適切に維持、管理することも難しい。
【0010】
また、別の観点から個人の属性情報の利用について考える。ユーザの氏名、住所、年齢、性別といった種々の属性情報については、全てを絶対に秘匿したいと考えているユーザばかりではなく、何らかのメリットがあれば、ある程度までは公開しても差し支えないと考えているユーザも多い。近年、個人の属性情報を予め登録しておき、アンケートに回答したり、キャンペーンに参加したりすることにより、ポイントの提供を受けて貯め、貯めたポイントを現金や景品に交換できるという仕組みを有するサイトは相当数存在している。
【0011】
ところが、企業等が市場調査や商品広告のために必要とする個人の属性情報は、信頼性の高い情報である。このため、ユーザが公開することを承認している個人の属性情報があっても、それが適切に更新され、正確なものでない限り、企業等にとっては余り意味の無い情報となってしまう。上述したポイント提供サイトのように、個人の属性情報を集めても、これを適切に更新する方法が存在しないのが現状である。また、従来の電話や訪問などにより個人の属性情報を調査する方法では、時間や経費がかかり、調査結果はその時しか使えないこともあり、安定して継続的に、正確な個人の属性情報を得たいとする要求もある。
【0012】
以上の点に鑑み、この発明は、多数のユーザについての個人の属性情報を、時間や手間をかけることなく、適切に維持、管理して、正確な情報として利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の属性情報管理サーバは、
ユーザ毎に個人の属性情報を記憶保持する属性情報保持手段と、
ユーザの携帯通信端末から所定のタイミング毎に送信される情報であって、ユーザの識別が可能な識別情報と現在位置情報とを含むプローブ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたプローブ情報をユーザ毎に蓄積するプローブ情報蓄積手段と、
前記プローブ情報蓄積手段に蓄積された前記プローブ情報をユーザ毎に解析し、前記属性情報保持手段に保持されている当該ユーザの属性情報に変化が生じたか否かを推測する推測手段と、
前記推測手段で前記属性情報に変化が生じたと推測されたユーザに対して、当該属性情報の変化の有無の問い合わせを行う問い合わせ手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
この請求項1に記載の発明の属性情報管理サーバによれば、属性情報保持手段には、ユーザ毎に個人の属性情報が予め記憶保持される。受信手段により、携帯通信端末からのユーザを識別することが可能な識別情報と現在位置情報とを含むプローブ情報が順次に受信され、これがプローブ情報蓄積手段に蓄積される。そして、推測手段により、プローブ情報蓄積手段に蓄積されたプローブ情報がユーザ毎に解析されて、属性情報保持手段に保持されている当該ユーザの属性情報に変化が生じたか否かが推測される。
【0015】
推測手段により、属性情報に変化が生じたと推測された場合、変化が生じたと推測される属性情報のユーザに対して、問い合わせ手段を通じて、属性情報が変化したか否かの問い合わせが行われる。すなわち、属性情報が恒久的に変化したのか(本当に変化したのか)、それとも例えば一時的な変化であって、恒久的な変化ではないのか(実際には変化していないのか)が、ユーザに対して直接に問い合わせられる。
【0016】
このように、属性情報保持手段に保持される各ユーザの属性情報については、各ユーザのプローブ情報を解析することにより変化の有無が推測される。そして、属性情報が変化したと推測される場合には、当該属性情報のユーザに対して直接に属性情報の変化の有無を問い合わせることができるので、その結果に基づいて属性情報を適切に更新し、正確性を維持するなどのことができるようにされる。すなわち、属性情報保持手段に保持(登録)されている各ユーザの個人の属性情報が、時間や手間をかけることなく、適切に維持、管理され、正確な情報として利用できるように整えられる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、多数のユーザについての個人の属性情報を、時間や手間をかけることなく、適切に維持、管理して、正確な情報として利用できるように整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態の属性情報管理システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】実施の形態の携帯通信端末4の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】実施の形態のサーバ装置1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】プローブ情報ファイル103に格納される格納データ(プローブ情報)の例を説明するための図である。
【図5】ユーザDB106の登録データの例を説明するための図である。
【図6】属性情報変化推測部107で行われるユーザの移動経路の把握について説明するための図である。
【図7】変化情報保持部108に保持されるデータの例を説明するための図である。
【図8】属性情報変化推測部107で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】属性情報確認更新部109で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】属性情報確認更新部109で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】属性情報確認更新部109により属性情報の変更確認のためにユーザに送信される電子メールの例を説明するための図である。
【図12】属性情報確認更新部109により属性情報の変更確認のためにユーザに提供されるWebページの例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照しながらこの発明の装置、方法、システムの一実施の形態について説明する。
【0020】
[システムの全体構成]
図1は、この実施の形態の属性情報管理システムの概略構成を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の属性情報管理システムの基本的な構成は、サーバ装置1と携帯通信端末4(1)、4(2)、…とが、ネットワーク2を介して接続されたものである。さらに、ネットワーク2に接続される位置管理サーバ6が提供する情報が利用可能な構成になっている。
【0021】
サーバ装置1は、携帯通信端末4(1)、4(2)、…の各ユーザの属性情報を記憶保持し、これを携帯通信端末4(1)、4(2)、…から送信されるプローブ情報を利用して、適切に維持、管理する属性情報管理サーバとしての機能を実現する。すなわち、サーバ装置1は、この発明の装置、方法が適用されて実現されたものである。
【0022】
ネットワーク2は、種々の広域通信ネットワークを含むものである。ネットワーク2は、IP(Internet Protocol)網、公衆交換電話網(PSTN(Public Switched Telephone Network))、デジタル回線網(ISDN(Integrated Services Digital Network))などを含むものである。また、ネットワーク2は、図1に示すように、多数の基地局3(1)、3(2)、3IN(1)、…を含む携帯電話網や、wifiなどと呼ばれる無線LAN(Local Area Network)、wimaxなどと呼ばれる高速無線通信規格に準じた無線通信網などをも含むものである。
【0023】
携帯通信端末4(1)、4(2)、…としては、例えば、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット端末あるいはパッド型端末などと呼ばれる情報端末など、通信機能を備えた種々のものが提供されている。この実施の形態において、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、種々の携帯通信端末の中でも普及率の高い携帯電話端末であるものとして説明する。
【0024】
携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、GPS機能を備え、少なくとも3個以上の人工衛星からの信号を受信して演算処理を行うことにより、自機の現在位置を測位することができるものである。また、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれのGPS機能は、いわゆるディファレンシャルGPSと呼ばれる技術を用い、高精度に自機の現在位置を測位することができるものである。
【0025】
なお、ディファレンシャルGPSは、位置の分かっている携帯電話端末網の基地局において、GPSによる測位を行い、当該基地局の実際の位置とGPSを用いて測位した位置とのずれを示す信号を生成して送信する。この基地局からの信号を各携帯通信端末4(1)、4(2)、…が受信し、各携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれにおいて、GPS機能により測位した自機の現在位置を補正することにより、より正確に自機の現在位置を測位できるようにするものである。
【0026】
そして、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、所定のタイミング毎に、プローブ情報を生成し、これをサーバ装置1に送信する機能を備える。当該プローブ情報は、少なくとも、自機を使用するユーザを識別することが可能な識別情報であるユーザIDと、現在時刻情報と、GPS機能を用いて測位して得た現在位置情報とを含むものである。
【0027】
なお、ユーザIDは、例えば、携帯通信端末4(1)、4(2)、…等の購入時などにおいて設定されるものを用いることができる。この他、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれに割り当てられている電話番号やSIMカード(Subscriber Identity Module Card)の固有IDを用いたりするなどのことが可能である。すなわち、ユーザIDは、携帯通信端末4(1)、4(2)、…等のそれぞれを利用するユーザを一意に特定することができる情報であればよい。
【0028】
そして、プローブ情報は、集計して統計情報として用いたり、端末を所持する個々人または団体、企業への位置情報提供サービスなどに用いられたりするものである。この実施の形態の属性情報管理システムにおいてプローブ情報は、詳しくは後述するが、サーバ装置1に記憶保持される携帯通信端末4(1)、4(2)、…のユーザについての属性情報の変化を検出するために用いられる。
【0029】
なお、図1において、GPS衛星5(1)、5(2)、…は、地球周回軌道上に配備され、現在位置測位のためのいわゆるGPS信号を送信する約30基の人工衛星の一部を示したものである。また、図1において、基地局3(1)、3(2)、…のそれぞれは、屋外に設置された携帯電話網の基地局である。また、屋外の基地局からの電波の届き難い屋内においても携帯電話端末の利用を可能にするため、例えば店舗などの種々の施設の屋内にも、図1において、基地局3IN(1)が示すように、携帯電話網に接続された小規模な基地局が設置されている場合もある。
【0030】
また、位置管理サーバ6は、電話会社側に設けられ、各基地局の番号、各基地局の設置位置の緯度および経度などを管理すると共に、基地局から送られてくる携帯電話端末の端末識別情報や当該携帯電話端末からの電波の受信電界強度の情報から、携帯電話端末の位置を三角測量の手法を用いて算出して管理する機能を備える。また、位置管理サーバ6は、算出した携帯電話端末の位置情報を当該携帯電話端末に送るなどの機能をも備える。
【0031】
これにより、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、GPS機能による現在位置の測位ができない場合であっても、位置管理サーバ6の機能により、自機の現在位置を把握することもできる。また、サーバ装置1が、位置管理サーバ6からの情報の提供を受けることによって、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれの現在位置を特定することもできる。
【0032】
そして、この実施の形態の属性情報管理システムにおいては、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、所定のタイミング毎に、プローブ情報を生成し、これをサーバ装置1に対して送信する。この実施の形態において、プローブ情報は、上述もしたように、少なくとも、携帯通信端末のユーザを識別することが可能な識別情報と、現在時刻情報と、GPS機能を用いて測位して得た現在位置情報とを含むものである。
【0033】
一方、サーバ装置1は、携帯通信端末4(1)、4(2)、…の各ユーザの属性情報を記憶保持している。各ユーザの属性情報は、詳しくは後述もするが、ユーザID、氏名、性別、生年月日などの固定的な情報の他、現住所、勤務先、家族構成、趣味などの変化する可能性のある非固定的な情報をも含んでいる。そして、サーバ装置1は、携帯通信端末4(1)、4(2)、…から順次に送信されてくるプローブ情報を受信して、ユーザ毎に蓄積する。
【0034】
サーバ装置1は、所定のタイミング毎に、蓄積した所定期間分のプローブ情報をユーザ毎に解析して、ユーザの移動経路等を把握し、当該ユーザの非固定的な属性情報に変化が生じたか否かを推測する。例えば、携帯通信端末4(1)等のユーザの夜間の滞在場所が変わった場合には、現住所が変わった可能性があると推測でき、朝に出かける先が変われば、勤務先が変わった可能性があると推測できる。
【0035】
もちろん、1日、2日の変化だけでは、属性情報に変化が生じた推測するのは早計である。このため、属性情報の変化が一定期間以上継続したことを確認したり、後述する地図情報やPOI(Point Of Interest)情報を参照したりすることにより、より正確な推測を可能にしている。なお、地図情報やPOI情報を考慮することにより、自宅と勤務先とを区別したり、旅行先や訪問先を区別したりすることもできる。
【0036】
このようにして、サーバ装置1では、記憶保持している携帯通信端末4(1)、4(2)、…等のユーザの属性情報に変化が生じたことが推測できた場合に、当該推測が正しいか否か、すなわち、本当に属性情報に変化が生じたか否かを当該ユーザに問い合わせる。これにより、サーバ装置1に記憶保持される属性情報に変化が生じたことの推測を契機として、その変化が真に発生した変化か否かをユーザ自身に問い合わせを行うことにより確認する。そして、属性情報に発生した変化が、真に発生した変化であるとの確証が得られた場合に、サーバ装置1が記憶保持している属性情報を更新する。これにより、サーバ装置1では、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれのユーザの属性情報を、適切に維持、管理し、記憶保持しているユーザの属性情報の正確性を担保している。
【0037】
なお、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、GPS衛星5(1)、5(2)、…等からのGPS信号が受信できない場合であっても、上述した位置管理サーバ6の機能により、自機の現在位置をほぼ正確に把握することができる。また、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれから送信されるプローブ情報には、経由してきた基地局の基地局IDが付加されている。
【0038】
このため、当該基地局IDにより例えば位置管理サーバ6により特定される基地局が、図1に示した屋内基地局3IN(1)などである場合には、当該プローブ情報を送信してきた携帯通信端末は、当該屋内基地局3IN(1)が設置された施設内に位置していると特定することもできる。この場合の基地局IDに基づく基地局の位置の問い合わせは、サーバ装置1から位置管理サーバ6に対して行うことができる。
【0039】
このように、携帯通信端末4(1)、4(2)、…の現在位置は、GPS機能によってのみ測位できるものではない。携帯通信端末4(1)、4(2)、…の現在位置は、位置管理サーバ6の機能を利用することにより、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれにおいて、あるいは、サーバ装置1側において特定することができる。
【0040】
なお、この実施の形態において、携帯通信端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、基本的な構成は同じである。このため、以下においては特に区別して示す場合を除き、携帯通信端末4(1)、4(2)、…を総称して、携帯通信端末4という。また、以下においては、基地局3(1)、3(2)、…を総称して基地局3という。また、施設の屋内に設置される基地局3IN(1)、…を総称して、屋内基地局3INという。そして、以下では、まず、プローブ情報を生成してサーバ装置1に送信する携帯通信端末4の構成例を説明した後に、サーバ装置1の構成例とサーバ装置1において行われる処理の詳細について説明する。
【0041】
[携帯通信端末4の構成例]
この実施の形態の属性情報管理システムで用いられる携帯通信端末4の構成例について説明する。図2は、この実施の形態の携帯通信端末4の構成例を説明するためのブロック図である。上述もしたように、この実施の形態の属性情報管理システムで用いられる携帯通信端末4は携帯電話端末として構成されたものである。
【0042】
図2に示すように、この実施の形態の携帯通信端末4は、ネットワーク2を通じて通信を行う部分として、送受信アンテナ401、送受信処理部402、受話器(スピーカ)403、送話器(マイクロホン)404を備えている。また、ユーザインターフェースを提供する部分として、キー操作部411、表示制御部412、表示部413、音声処理部414、スピーカ415を備えている。
【0043】
表示部413は、例えば、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)やLCD(Liquid Crystal Display)等のいわゆる薄型の表示素子が用いられている。また、音声処理部414とスピーカ415とは、着信音や警告音、その他の音声メッセージ等を出力するものである。また、図示しないが、携帯通信端末4は、バイブレータを備え、例えば、着信時に振動を発生させ、着信をユーザに通知するなどのこともできるようになっている。
【0044】
また、携帯通信端末4は、各部を制御する制御部420を備えている。制御部420は、CPU(Central Processing Unit)421、ROM(Read Only Memory)422、RAM(Random Access Memory)423、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)424が、CPUバス425を通じて接続されて形成されたコンピュータ装置である。CPU421は、ROM422やEEPROM424に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM422は、CPU421において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0045】
また、RAM423は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられる。また、EEPROM424は、いわゆる不揮発性メモリであり、携帯通信端末4の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM424には、例えば、機能追加のための新たなプログラム、種々の設定パラメータ、電話帳データ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0046】
さらに、携帯通信端末4は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する時計回路431を備えると共に、外部入出力端子432、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)433を備えている。また、携帯通信端末4は、GPS部434とGPSアンテナ435とを備えている。これらGPS部434とGPSアンテナ435とにより、上述もしたように、複数の人工衛星からのGPS信号(測位情報)を受信して演算処理することにより、自機の現在位置を正確に検出(測位)することができるようになっている。
【0047】
そして、携帯通信端末4は、プローブ情報生成部436を備えている。この実施の形態において、プローブ情報生成部436は、所定のタイミング毎に、時計回路431からの現在時刻情報、GPS部434からの現在位置情報、上述した位置管理サーバ6から提供される現在位置情報を含むプローブ情報を生成する。現在時刻情報は、現在年月日及び現在時刻からなるものである。また、現在位置情報は、緯度、経度からなるものである。プローブ情報生成部436で生成されたプローブ情報は、後述する制御部420及び送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、サーバ装置1に送信される。
【0048】
このような構成を有する携帯通信端末4は、制御部420の制御により、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、ネットワーク2に情報を送出したり、ネットワーク2を通じて送信されてくる自機宛の情報を受信したりすることにより、種々の通信処理を行うことができるようになっている。
【0049】
また、携帯通信端末4は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどを登録するようにしたメニューを備えている。当該メニューは、例えば、キー操作部411に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、制御部420が表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示することができる。そして、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの当該メニューに含まれる項目の選択入力を受け付け、ユーザによって選択された項目に対応するプログラムを実行することができるようになっている。
【0050】
また、携帯通信端末4において実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどを登録するようにした当該メニューには、プローブ情報の送信を実行するための項目も設けられている。したがって、当該メニューのプローブ情報の送信を実行するための項目を選択することによって、携帯通信端末4のユーザは、所定のタイミング毎にプローブ情報を生成して送信する処理を開始させることができる。
【0051】
なお、プローブ情報の生成及び送信のタイミングは、例えば、30秒毎、1分毎、…のように、適宜のタイミングで行うことが可能である。しかし、立寄り先などを正確に把握できるようにするためには、あまり長い間隔のタイミングであることは好ましくない。この実施の形態の携帯通信端末4においては、例えば、1分毎、3分毎などのタイミングでプローブ情報の生成及び送信を行う。
【0052】
[サーバ装置1の構成例]
次に、この実施の形態のサーバ装置1の構成例について説明する。この実施の形態のサーバ装置1は、携帯通信端末4のユーザの属性情報を記憶保持すると共に、上述した携帯通信端末4からのプローブ情報を受信して利用することにより、ユーザの属性情報を適切に維持、管理する属性情報管理サーバとしての機能を実現するものである。図3は、この実施の形態のサーバ装置1の構成例を説明するためのブロック図である。
【0053】
図3に示すように、サーバ装置1は、ネットワーク2への接続端子101、通信I/F102、プローブ情報ファイル103を備える。また、サーバ装置1は、地図データベース(以下、地図DBと略称する。)104と、POIデータベース(以下、POIDBと略称する。)105と、ユーザデータベース(以下、ユーザDBと略称する。)106とを備える。さらに、サーバ装置1は、属性情報変化推測部107と、変化情報保持部108と、属性情報確認更新部109と、属性情報提供部110と、制御部120と、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略称する。)130とを備える。
【0054】
制御部120は、サーバ装置1の各部を制御するものであり、図3に示すように、CPU121、ROM122、RAM123、EEPROM124が、CPUバス125を通じて接続されて構成されたコンピュータ装置である。CPU121は、ROM122やEEPROM124に記憶されているBIOS(Basic Input/Output System)などのいわゆるファームウェアや後述するHDD130に記憶されているアプリケーションソフトウェアを読み出して実行する。そして、CPU121は、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。
【0055】
ROM122は、CPU121によって実行される種々のファームウェアや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。RAM123は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。具体的に、EEPROM124は、BIOS等のファームウェア、各種設定パラメータなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0056】
HDD130は、記録媒体としてハードディスクを備え、制御部120の制御に応じて、当該ハードディスクに対して、書き込み/読み出しを行う。HDD130のハードディスクは、例えば、種々のアプリケーションプログラムや種々の処理により得られたデータ等を記憶保持する。
【0057】
接続端子101は、ネットワーク2との接続端部を形成するものである。この接続端子101に対して、ネットワーク2からの通信線路が接続される。通信I/F102は、ネットワーク2を通じて送信されてくる自機宛の種々の情報を受信し、これを自機において処理可能な形式の情報に変換して制御部120に供給する。また、通信I/F102は、制御部120を通じて供給される送信用の種々の情報を、ネットワーク2に送出する形式の信号に変換して、これをネットワーク2に送出する。
【0058】
プローブ情報ファイル103は、接続端子101及び通信I/F102を通じて受信した、多数のユーザの携帯通信端末4からのプローブ情報を蓄積するものである。図4は、プローブ情報ファイル103に格納される格納データ(プローブ情報)の例を説明するための図である。
【0059】
図4に示すように、この実施の形態のプローブ情報ファイル103は、ユーザID毎(ユーザ別)に、日時情報、測位位置情報、提供位置情報からなるプローブ情報を蓄積する構成になっている。ユーザIDは、送信されてくるプローブ情報に含まれるものと同じものであり、上述もしたように、携帯通信端末4を利用するユーザを一意に特定することができる情報である。また、日時情報、測位位置情報、提供位置情報のそれぞれは、プローブ情報に含まれる情報であるが、この内、測位位置情報は、携帯通信端末4のGPS機能により測位された現在位置情報であり、提供位置情報は、上述した位置管理サーバ6から携帯通信端末4が提供を受けた現在位置情報である。
【0060】
そして、図4に示したプローブ情報ファイルの蓄積データの例は、ユーザIDが「00001」であるユーザについての例である。この例の場合、ユーザIDが「00001」であるユーザが2011年6月10日の14時10分20秒にいた位置(緯度、経度)は、測位位置情報では(X11、Y11)であり、提供位置情報では(X21、Y21)であることが示されている。
【0061】
また、ユーザIDが「00001」であるユーザが2011年6月10日の14時11分20秒にいた位置(緯度、経度)は、測位位置情報では把握されず、提供位置情報では(X22、Y22)であることが示されている。同様に、ユーザIDが「00001」であるユーザが2011年6月10日の15時20分20秒にいた位置(緯度、経度)は、測位位置情報では把握されず、提供位置情報では(X22、Y22)であることが示されている。
【0062】
したがって、ユーザIDが「00001」であるユーザは、2011年6月10日の14時10分20秒の時点では、GPS機能により測位された位置にいたことが分かる。そして、少なくとも、2011年6月10日の14時11分20秒以降の時点においては、GPS機能により現在位置が測位できない位置であるが、位置管理サーバ6の機能により特定できた位置にいることが認識できる。このようにして、携帯通信端末4のユーザの所在は、プローブ情報により正確に把握することができるようにされる。
【0063】
なお、測位位置情報が示す位置と、提供位置情報とが示す位置とは、通常はほぼ同じ位置となるが、完全に同じではなく、若干の誤差を含む場合もある。このように、プローブ情報ファイル103は、携帯通信端末4のユーザ毎に、携帯通信端末4から送信されてくるプローブ情報をプローブ情報に含まれる現在時刻情報に応じた時系列順に蓄積するものである。
【0064】
地図DB104は、この実施の形態においては、日本国内の詳細な地図情報を記憶保持するものである。当該地図情報は、山、川、街、道路、鉄道路線、各種店舗、病院、医院、学校、警察署、消防署、神社仏閣、行政界などの種々のランドマーク、施設、行政区域などの位置や大きさなどを正確に表すことができるようにされたものである。そして、地図DB104は、日本全国の地図を描画するための例えばベクトルデータやラスタデータ等の地図データ(地図用の描画データ)を緯度・経度情報に対応付けて記憶保持する。また、地図DB104は、地図上に表示する注記データについても、緯度・経度情報に対応付けて記憶保持する。
【0065】
POIDB105は、例えば、大学、高校、中学校、小学校、店舗、会社などの種々の施設、さらには、山、川、道路などの種々の場所などのいわゆる拠点についての種々の情報を記憶保持する。具体的には、その特定の場所(POI)の緯度・経度、名称、住所、ジャンル、メッシュコードなどの情報が蓄積される。したがって、POIDB105のPOI情報により、目的とする緯度・経度により特定させる場所は、どのような場所か、どのような施設があるか等を詳細に把握することができる。
【0066】
ユーザDB106は、当該サーバ装置1に対してプローブ情報を送信する携帯通信端末4のユーザについての種々の属性情報(ユーザ情報)を記憶保持するものである。図5は、ユーザDB106に記憶保持される属性情報の例を説明するための図である。図5に示すように、この実施の形態において、ユーザDB106には、ユーザID、属性情報の開示範囲、氏名、性別、生年月日、電話番号、電子メールアドレス、現住所、住居形態、家族構成、職業等、勤務地等、収入、趣味、立寄り先、その他からなるデータが登録される。
【0067】
ユーザIDは、図4のプローブ情報ファイル103で用いられるユーザIDと同じものである。ユーザID以外の情報は、基本的には、携帯通信端末4の購入時などにおいて、ユーザによって登録される。ここで、属性情報の開示範囲は、当該属性情報を他の者にどこまで開示してよいかを示す情報であり、「全部開示不可」、「全部開示可」、「氏名、電話番号、現住所の開示不可」などのように開示範囲が示される。もちろん、開示を許可しない情報と開示を許可する情報とを個別に指定して登録することもできる。
【0068】
なお、属性情報の開示範囲に応じて、ユーザには例えば毎月ポイントが付与され、携帯通信端末4の通信料金の支払や景品等の交換などに利用することができる。このように、属性情報の開示範囲に応じたポイントの付与は、ユーザが可能な範囲で自己の属性情報の開示を行うようにするためのインセンティブとなる。
【0069】
ユーザDB106に登録される、氏名、性別、生年月日、電話番号、電子メールアドレスは、基本的には変わることのない固定情報である。しかし、電話番号や電子メールアドレスは、ユーザの希望に応じて変更可能であり、その場合にはユーザからの要求等に応じて変更することができる。
【0070】
ユーザDB106に登録される、現住所、住居形態、家族構成、職業等、勤務地等、収入、趣味、立寄り先、その他の各情報もまた、最初はユーザによって登録することができる。しかし、これらの属性情報は変わる可能性のある非固定情報である。このため、ユーザDB106の非固定情報については、サーバ装置1において、携帯通信端末4から送信されるプローブ情報を所定期間分収集して解析することにより変化が生じたか否かを推測する対象となる。
【0071】
なお、現住所、住居形態、家族構成、職業等、勤務地等、収入、趣味、立寄り先、その他の各情報の全部を最初にユーザが登録する必要は無い。登録されていない属性情報については、後述するように、プローブ情報ファイル103に蓄積されるプローブ情報をユーザ毎に解析することにより推測し、ユーザの確認を得て更新することもできる。また、ユーザDB106に登録されるユーザの属性情報の内、現住所や勤務地は住所情報だけでなく、その住所地の緯度・経度をも持つことができる。当該緯度・経度は、住所情報に基づいて、地図DB104を参照することにより得ることができる。
【0072】
そして、サーバ装置1の属性情報変化推測部107と属性情報確認更新部109とが協働して、ユーザDB106に登録されているユーザの属性情報を適切に維持、管理する機能を実現する。これら属性情報変化推測部107と属性情報確認更新部109との機能について具体的に説明する。
【0073】
属性情報変化推測部107は、プローブ情報ファイル103に蓄積された所定期間分のプローブ情報をユーザ毎に解析することにより、ユーザDB106に登録されたユーザの属性情報に変化が生じたか否かを推測する処理を行う。この場合、属性情報変化推測部107は、まず、プローブ情報ファイル103に蓄積されている所定期間分のプローブ情報をユーザ毎に解析し、各ユーザの各日の移動経路(行動軌跡)を把握する。
【0074】
図6は、属性情報変化推測部107で行われるユーザの移動経路の把握について説明するための図である。図6は、具体的に、ユーザIDが「00001」であるユーザの2011年6月9日の18時20分から2011年6月10日の18時10分までの把握した移動経路を示している。
【0075】
なお、図6において、日付は、図4に示したプローブ情報の日時情報の日付(年月日)に対応し、時刻は同じくプローブ情報の日時情報の時刻情報に対応している。また、図6において、(緯度、経度)で示される(X1、Y1)、(X2、Y2)等の位置は、プローブ情報の測位位置情報または提供位置情報に対応している。例えば、プローブ情報に測位位置情報が存在する場合には、これが用いられ、測位位置情報が存在しない場合には、提供位置情報が用いられるようにされる。これにより、プローブ情報の信頼性が保たれる。
【0076】
すなわち、属性情報変化推測部107は、まず、所定期間分のプローブ情報をユーザ毎であって、時系列順にソートし、重複するプローブ情報を整理すると共に、移動開始位置、移動終了位置を特定するようにして、図6に示すように、ユーザの立寄り先と立寄り先での滞在時間、移動区間と移動手段とを特定する。
【0077】
図6に示した例の場合、ユーザIDが「00001」であるユーザは、6月9日の18時20分から翌10日の7時30分までは、位置(X1、Y1)に滞在している。一般に夜間から翌朝にかけての立寄り先(滞在場所)は自宅である場合が多い。そして、2011年6月10日の7時31分から7時44分までプローブ情報の現在位置が変化し、7時45に位置(X2、Y2)に到達し、7時50分まで位置(X2、Y2)に滞在している。
【0078】
この場合、凡そ7時31分における現在位置が変化開始位置であり、7時44分における現在位置が変化終了位置である。この変化開始位置から変化終了位置までの区間が移動区間である。そして、7時45分から7時50分まで滞在していた位置(X2、Y2)が最初の立寄り先である。
【0079】
そして、現在位置の変化開始位置から変化終了位置までの移動距離は、該当部分のプローブ情報の現在位置(緯度、経度)のそれぞれを地図DB104の地図情報上にプロットすることにより把握できる。そして、当該把握した移動距離を移動するのにかかった時間で割り算することによりその移動区間の移動速度が分かる。この算出した移動速度に応じて移動手段が判別できる。
【0080】
すなわち、算出した移動速度が、例えば、時速5km未満であれば移動手段は徒歩であり、時速5km以上かつ時速30km未満であれば移動手段は自転車であると判別することができる。また、移動速度が時速30km以上であって、把握した移動経路が鉄道軌道上を通ることもなく、把握した移動状態がバス停で停止することもない場合には、移動手段は自動車であると判別することができる。
【0081】
また、移動速度が時速30km以上であって、把握した移動経路が鉄道軌道上を通っている場合には、移動手段は電車であると判別することができる。また、移動速度が時速30km以上であって、把握した移動状態がバス停で停止する態様(パターン)になっている場合には、移動手段はバスであると判別することができる。
【0082】
なお、移動経路が道路か鉄道軌道上かは、プローブ情報の現在位置に基づいて、地図DB104の地図情報を参照することにより把握することができる。また、移動経路が道路上である場合に、移動手段が自動車かバスかの区別は、移動速度の変化点を地図DB104の地図情報やPOIDB105のPOI情報に基づいて確認し、当該変化点がバス停であるか否かに応じて区別することができる。
【0083】
そして、図6に示した例の場合、位置(X1、Y1)〜位置(X2、Y2)への移動は、徒歩によるものであることが把握されている。また、位置(X2、Y2)で特定される場所を、地図DB104の地図情報やPOIDB105のPOI情報を参照することにより、その場所がどのような場所かを特定することができる。図6に示した例の場合、位置(X2、Y2)で示される場所は、保育園であることが特定されている。
【0084】
同様にして、プローブ情報の解析を地図DB104やPOIDB105をも用いて行うことにより、図6に示すように、ユーザIDが「00001」であるユーザの移動経路が分かる。すなわち、図6に示す例の場合、ユーザIDが「00001」であるユーザは、7時51分から7時59分まで徒歩で移動し、8時00分には位置(X3、Y3)である○○駅に到着し、8時05分まで○○駅に滞在している。そして、8時06分から8時19分まで電車で移動し、8時20分には位置(X4、Y4)である△△駅に到着して、8時21分から8時30分まで徒歩で移動し、8時30分には位置(X5、Y5)である□□株式会社に到着している。
【0085】
そして、17時05分まで□□株式会社に滞在し、17時06分から17時15分まで徒歩で移動して、17時16分には位置(X4、Y4)である△△駅に到着し、17時19分まで△△駅に滞在している。そして、17時20分から17時34分まで電車で移動し、17時35分には位置(X3、Y3)である○○駅に到着し、17時36分には徒歩で移動を開始しており、17時47分には位置(X2、Y2)である保育園に到着している。この後、当該ユーザは、17時51分には徒歩で移動を開始し、18時10分には位置(X1、Y1)である場所(自宅)に到着している。
【0086】
このような解析を、属性情報変化推測部107は、例えば、10日分、20日分、1か月分といった所定期間分のプローブ情報を用いて、ユーザ別、日にち別に行う。そして、(1)立寄り先、(2)立寄り先の種別(住宅、保育園、会社などの区別)、(3)立寄り先での滞在時間等を考慮し、自宅、勤務先、家族構成の一部等を推測することができる。
【0087】
そして、図6に示したような移動経路での移動が例えば1ヶ月程度続けば、位置(X1、Y1)で示される場所が自宅(現住所)であると推測できる。現住所に対応するPOI情報が存在する場合には、その場所がマンションなのか、アパートなのか、戸建住宅なのかを判別することができる。また、勤務先は位置(X5、Y5)で示される□□株式会社であることが推測できる。
【0088】
また、勤務先のPOI情報等に基づいて、会社員、公務員、教員などといった職業等の推測も可能となる。また、勤務先、勤務地、勤務時間、ユーザの年齢や性別といった情報を考慮すると共に、Web上に公開されている給与等に関する情報等をも考慮することにより、凡その月収などの収入に関する情報についても推測できる。この他、朝と夕方に保育園に立寄っていることから保育園に通う子供がいると推測できる。また、移動には、徒歩と電車を用いていること、電車での移動区間は、○○駅から△△駅であることも推測できる。
【0089】
なお、図6を用いて説明した例は一例であり、属性情報変化推測部107は、上述したように、ユーザの移動経路を把握していくことにより、ユーザの属性情報についての種々の推測が可能になる。例えば、定期的に小学校が立寄り先になっている場合には、小学生の子供がいると推測できる。
【0090】
また、サッカーの試合が行われている競技場(サッカー場)に立寄るようになった場合には、サッカー観戦が趣味になったと推測できる。ユーザが立寄った場所が競技場であることは、上述もしたように、地図DB104やPOIDB105を参照することにより分かる。また、ユーザがその場所に滞在しているときにサッカーの試合が行われていたか否かは、インターネット上に開示されているサッカーの試合に関するWebページの情報を参照することにより分かる。そして、サッカーの試合が行われている競技場に立寄る頻度に応じて、サッカー観戦に関する熱心度も推測することができる。
【0091】
同様に、川や海などのつりが行える場所によく立寄るようになった場合には、つりが趣味になり、立寄る頻度や滞在時間に基づいて、その熱心度も推測することができる。また、ゴルフ場、ゴルフ練習場、ゴルフショップによく立寄るようになった場合には、ゴルフが趣味になり、立寄る頻度や滞在時間に基づいて、その熱心度をも推測することができる。
【0092】
また、ユーザが、結婚式場に立寄るようになった場合には、当該ユーザは結婚が近いと推測できるし、そのユーザの自宅(現住所)であると推測される場所が、他のユーザの自宅(現住所)であると推測される場所と一致するようになった場合、当該ユーザは、当該他のユーザと結婚した(同居した)と推測できる。この場合、当該ユーザと当該他のユーザの家族構成に変化が生じたと推測できる。さらに、当該ユーザが産婦人科病院に通うようになった場合には、出産が近いと推測できる。この後、当該ユーザが産婦人科病院に一定期間滞在(入院)した後、ベビー用品店など乳児に係わる施設などが立寄り先になった場合には、子供が誕生した、すなわち、家族構成に変化が生じた推測することができる。
【0093】
また、近年においては、携帯電話端末の普及率は高く、小学校の高学年位になると自分専用の携帯電話端末を持つ子供も増えてきている。中学生、高校生になると、さらに自分専用の携帯電話端末を持つ子供も多くなる。このため、プローブ情報をユーザ毎に解析するだけでなく、各ユーザについての解析結果との共通点のマージ処理をも行うことによって、家族構成についての変化についても精度よく推測することができる。
【0094】
そして、属性情報変化推測部107は、所定期間分のプローブ情報をユーザ毎に解析することにより、自宅(現住所)、住居形態、家族構成、職業等、勤務先、収入、趣味、立寄り先、その他の種々の情報の推測ができたとする。この場合、属性情報変化推測部107は、ユーザ毎に、推測結果と、ユーザDB106の該当する属性情報とを比較し、変化が生じているか否かを推測する。
【0095】
属性情報変化推測部107において、ユーザの属性情報が変化したことが推測できたとする。この場合、属性情報変化推測部107は、その変化の推測内容を変化情報保持部108に記録すると共に、属性情報が変化したと推測されるユーザとその推測の内容を属性情報確認更新部109に通知する。
【0096】
図7は、変化情報保持部108に保持されるデータの例を説明するための図である。図7に示すように、変化情報保持部108には、ユーザDB106の属性情報に変化が生じたと推測できるユーザのユーザID、変化したことが推測される属性情報の項目(変化推測項目)と変化後の内容、当該推測が行われた年月日(推測年月日)が記録される。なお、図7に示した例の場合、各情報は2011年7月1日の推測結果であることが示されている。
【0097】
そして、図7に示す例の場合には、ユーザIDが「00001」であるユーザが、夜間から翌朝まで滞在する立寄り先に変化が生じたことを検出したために、「現住所」が(埼玉県さいたま市…)に変化したのではないかと推測したことを示す情報が保持されている。また、ユーザIDが「00008」であるユーザが、朝に自宅から出かける先に変化が生じたことを検出したために、「勤務地」が(東京都新宿区…)に変化したのではないかと推測したことを示す情報が保持されている。また、ユーザIDが「00112」であるユーザが、上述もしたように、産婦人科病院での一定期間の滞在、ベビー用品店が立寄り先になったこと等に基づき、出産により子供が増え、「家族構成」が変化したのではないかと推測したことを示す情報が保持されている。
【0098】
また、ユーザIDが「00020」であるユーザが、ゴルフ場、ゴルフ練習場、ゴルフショップなどを立寄り先とするようになったために、「趣味」にゴルフが加わったのではないかと推測したことを示す情報が保持されている。また、ユーザIDが「00035」であるユーザの自宅(現住所)と同じ場所に、夜間から翌朝にかけて滞在する他のユーザが確認できたために、「家族構成」が変化した(同居の家族が増えた)のではないかと推測したことを示す情報が保持されている。
【0099】
図7に示したように、変化情報保持部108に保持される推測結果と同様の情報が、属性情報確認更新部109にも通知される。そのため、属性情報確認更新部109は、属性情報に変化が生じたと推測されるユーザに対して、当該変化について確認を取るようにするための所定のWebページへのアクセスを促す電子メールを送信する。
【0100】
そして、ユーザが当該電子メールにより指示されたWebページにアクセスしてきて、確認入力を行い、当該確認入力が、属性情報に変化が生じたことの推測結果が正しいことの確証が取れたとする。この場合、属性情報確認更新部109は、ユーザDB106に保持されている当該ユーザの登録情報の内、変化した属性情報を変化後の属性情報に変更する更新処理を実行する。このようにして、ユーザDB106の属性情報が、適切に維持、管理される。これにより、ユーザDB106に登録されている各ユーザの属性情報を信頼性の高い情報として、上述した情報提供時に利用したり、開示がユーザによって許可されている属性情報については、企業等に提供したりすることができる。
【0101】
そして、属性情報提供部110が、契約している企業等からの要求に応じて、属性情報の開示を承認しているユーザの属性情報であって、要求された条件に合致するユーザの属性情報を提供する処理を行う。ユーザの属性情報は、上述したように、常に正確な状態に維持、管理されるので、企業等は信頼性の高いユーザの属性情報を手軽に取得することができる。
【0102】
[属性情報変化推測部107の処理のまとめ]
次に、この実施の形態のサーバ装置1の属性情報変化推測部107において行われる処理について、図8のフローチャートを参照しながらまとめる。図8は、属性情報変化推測部107で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【0103】
属性情報変化推測部107は、例えば、1ヶ月毎などの所定のタイミングで、図8に示す処理を実行する。そして、属性情報変化推測部107は、まず、ユーザ別に、所定の期間分(例えば、直近の過去1ヶ月分)のプローブ情報を抽出する(ステップS101)。そして、属性情報変化推測部107は、抽出したプローブ情報に基づいて、分析対象のユーザのユーザIDを特定する(ステップS102)。
【0104】
そして、ユーザIDを特定したユーザの所定期間分のプローブ情報に基づいて、図6を用いて説明したように、当該所定期間における当該ユーザの移動経路(行動パターン)を特定する(ステップS103)。なお、このステップS103の処理においては、必要に応じて、地図DB104、POIDB105が参照される。この後、属性情報変化推測部107は、ステップS103の特定結果に基づいて、当該ユーザの立寄り場所、立寄り時刻、当該立寄り場所についての滞在時間、各立寄り場所への立寄り周期等を把握し、これに基づき、現住所、職業等、勤務地等、収入、趣味、子供有無等を把握する(ステップS104)。
【0105】
上述もしたように、引越しにより現住所が変わった場合や就職や転職、進学等により職業等や勤務地等が変わった場合には、プローブ情報に応じてユーザの行動軌跡を解析することにより、それらの変化後の状態を検出することができる。また、特定した立寄り先に基づいて、勤務先やアルバイト先を特定すると共に、ユーザの年齢や勤務時間(滞在時間)、インターネット上に開示されている当該勤務先やアルバイト先の賃金情報、一般的な賃金相場の情報等に基づいて、大まかにユーザの収入を推測することも出来る。
【0106】
また、特定した立寄り先や休日の外出先に基づいて、趣味を特定することもできるし、特定した立寄り先に基づいて、保育園や幼稚園などに毎日ほぼ決まった時間に立寄っている場合には、子供がいることが分かるなど、種々の解析が可能となる。このように、どのような場所が立寄り先か、立寄る頻度はどの位か、同伴者はいるか等の情報に基づいて、種々の属性情報の判別が可能となる。このような判別は、ステップS104における処理においてパターン化しておき、当該パターンに基づいて判別することができる。
【0107】
さらに、属性情報変化推測部107は、ステップS104において、現住所として特定した場所を立寄り先とする他のユーザの有無を確認し、同居の家族を把握する(ステップS105)すなわち、特定した現住所に、長時間にわたって立寄る他のユーザが存在する場合には、当該他のユーザはステップS102で特定したユーザIDのユーザの家族であると判別することができる。
【0108】
そして、属性情報変化推測部107は、ステップS102で特定したユーザIDに基づいて、ユーザDB106の属性情報(登録情報)を参照し、ステップS104、ステップS105での推定結果に基づいて、ユーザDBの属性情報が変化しているか否かを確認する(ステップS106)。すなわち、ステップS106では、ステップS104、ステップS105で把握した情報と、ユーザDB106の属性情報とで異なっている場合には、当該ユーザの属性情報に変化ありと推測する。
【0109】
そして、属性情報変化推測部107は、ステップS106での確認結果が、属性情報に変化があることを示すものであるか否かを判別する(ステップS107)。ステップS107の判別処理において、変化あることを示すものであると判別したときには、属性情報変化推測部107は、属性情報確認更新部109に対して、属性情報の変化が推測されるユーザのユーザIDと、変化後の属性情報と、推測処理日とを通知すると共に、当該通知内容を変化情報保持部108に格納する(ステップS108)。
【0110】
ステップS107の判別処理において、属性情報に変化なしと判別した場合と、ステップS108の処理の後においては、属性情報変化推測部107は、抽出したプローブ情報をユーザ毎にすべて処理したか否かを判別する(ステップS109)。ステップS109の判別処理において、抽出したプローブ情報をユーザ毎にすべて処理していないと判別したときには、ステップS102からの処理を繰り返し、次のユーザについてのプローブ情報の解析処理を行う。ステップS109の判別処理において、抽出したプローブ情報をユーザ毎にすべて処理したと判別したときには、この図8に示す処理を終了する。
【0111】
このように、属性情報変化推測部107は、プローブ情報を解析することにより、ユーザDB106に登録されている属性情報に変化が生じたことを推測した場合に、これを属性情報確認更新部109に通知すると共に、推測結果を図7に示した態様で、変化情報保持部108に格納することができる。
【0112】
[属性情報確認更新部109の処理のまとめ]
次に、この実施の形態のサーバ装置1の属性情報確認更新部109において行われる処理について、図9、図10のフローチャートを参照しながらまとめる。図9、図10は、属性情報確認更新部109で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【0113】
属性情報確認更新部109は、図9に示す処理を常時実行し、属性情報変化推測部107からの属性情報に変化が生じことを推測したことを示す通知(変化通知)を受け付けるようにし、当該変化通知を受け付けたか否かを判別する(ステップS201)。変化通知を受け付けていないと判別したときには、ステップS201からの処理を繰り返し、変化通知の到来を待つ。
【0114】
ステップS201の判別処理において、変化通知を受け付けたと判別したときには、属性情報確認更新部109は、属性情報が変化したと推測されるユーザに対して、所定のWebページにアクセスすることを促す電子メールを作成する(ステップS202)。図11は、当該電子メールの一例を説明するための図である。図11に示すように、この例の当該電子メールは、属性情報の変更確認のために所定のWebページにアクセスすることを要請する文面と、アクセス先を示すURL(Uniform Resource Locator)と、確認に協力するとポイントが付与されることを通知する文面とが含まれる。ここで、当該電子メールに含まれるURLにより特定されるWebページは、属性情報確認更新部109の機能によりサーバ装置1が提供するものである。
【0115】
そして、属性情報確認更新部109は、ステップS202で作成した電子メールを、ユーザDB106に登録されている属性情報が変化したと推測される当該ユーザの電子メールアドレスを宛先として送信する(ステップS203)。当該電子メールは、制御部120、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、ネットワーク2上に設けられた当該ユーザのメールボックスに送信される。この後、属性情報確認更新部109は、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0116】
このようにして、サーバ装置1から送信された当該電子メールは、ユーザの携帯通信端末4により受信され、当該携帯通信端末4の表示部413の表示画面413Gに表示され、ユーザに提供される。そして、ユーザは、当該電子メール内に表示されたURLを選択する操作を行うと、当該ULRにより特定されるWebページにアクセスすることができる。
【0117】
そして、属性情報確認更新部109は、図10に示す処理についても常時実行し、上述した電子メールを通じてユーザに要求した所定のWebページへのアクセス要求を受信したか否かを判別する(ステップS301)。所定のWebページへのアクセス要求は、接続端子101、通信I/F102を通じて制御部120により受信され、当該アクセス要求を受信したことは、制御部120を通じて属性情報確認更新部109に通知される。そして、属性情報確認更新部109は、所定のWebページへのアクセス要求を受信していないと判別したときには、ステップS301からの処理を繰り返し、ユーザから所定のWebページへのアクセス要求の到来を待つ。
【0118】
ステップS301の判別処理において、ユーザから所定のWebページへのアクセスを受信したと判別したときには、属性情報確認更新部109は、アクセス元のユーザに対して、所定のWebページを提供し、属性情報の確認入力を要求する(ステップS302)。この場合、ユーザからの所定のWebページへのアクセス要求に、例えば、当該ユーザを特定するユーザIDをも含めて送信できるようにしておく。
【0119】
これにより、属性情報確認更新部109は、当該ユーザのユーザIDに基づいて、変化情報保持部108の情報を参照し、そのユーザのどの属性情報の変化を推測したかを把握する。そして、属性情報確認更新部109は、そのユーザに応じたWebページを構成し、当該Webページをユーザに提供する。図12は、ユーザに提供する所定のWebページの一例について説明するための図である。この図12に示す例は、現住所の変化が推測されるユーザに対して提供するWebページの例である。
【0120】
図12に示すように、当該Webページには、属性情報の変更確認のためのWebページであることを示す文面と、変化が推測される属性情報があることを示す文面と、当該変化があることが推測される属性情報の変化の有無を確認するためのチェック欄とが設けられている。さらに、属性情報の変化理由を記載できるエリアも設けられている。したがって、変化が推測される属性情報があることを示す文面は、「最近、勤務地が変わられましたか。」、「最近、お子様が誕生されましたか。」、「最近、ゴルフを始められましたか。」などのように適宜変えることができるようにされる。
【0121】
このようなWebページが、アクセス元のユーザの携帯通信端末4に提供され、表示部413の表示画面413Gに表示され、ユーザに提供される。そして、ユーザは、表示されたチェック欄にチェックを入力し、必要に応じて理由を記載して、「送信」アイコンを選択するなどの送信操作を行うことによって、属性情報の推測された変化が正しいか、正しくないかを示す情報をサーバ装置1に送信することができる。なお、間違った入力を行ったときには、送信前に「BS」アイコンを選択するなどの訂正操作を行うことにより、訂正入力を行うこともできるようにされる。
【0122】
そして、属性情報確認更新部109では、当該Webページを通じてユーザからの確認入力を受け付け、当該確認入力が属性情報の変化を肯定するものであるか否か、換言すれば、属性情報の更新が必要か(更新OKか)否かを判別する(ステップS303)。ステップS303の判別処理において、属性情報の更新が必要であると判別したときには、属性情報確認更新部109は、ユーザDB106に登録されている当該ユーザの変化したことが推測された属性情報を、変化後の属性情報に更新する(ステップS304)。変化後の属性情報は、上述もしたように、変化情報保持部108に保持されている。
【0123】
ステップS303の判別処理において、属性情報の更新は必要ない(属性情報は変化していない)と判別した場合と、ステップS304の処理の後においては、ステップS301からの処理が繰り返す。
【0124】
このように、属性情報確認更新部109は、電子メールと所定のWebページを用いることにより、属性情報に変化が生じたことが推測されたユーザに対して、当該変化の推測が正しいか否か(変化が本当に生じているか否か)を確認することできる。そして、当該変化の推測が正しいと確証が取れた場合に、ユーザDB106の該当ユーザの属性情報を、推測した変化後の情報に更新することができる。
【0125】
[実施の形態の効果]
上述したように、サーバ装置1は、携帯通信端末4のユーザの属性情報を記憶保持するが、ユーザの属性情報に変化が生じた場合であっても、当該ユーザに対して属性情報の変更の申告を義務付ける必要はない。サーバ装置1は、各携帯通信端末4からのプローブ情報を収集して解析することにより、各ユーザの属性情報を推測することができる。
【0126】
そして、サーバ装置1が記憶保持している属性情報に変化が生じたことが推測できた場合には、その推測が正しいか否かを実際にユーザに確認し、正しいことの確証か取れた場合に、サーバ装置1が記憶保持する属性情報を新たな情報に更新することができる。したがって、携帯通信端末4のユーザも、また、サーバ装置1側のオペレータ等の手を煩わせることなく、サーバ装置1に記憶保持されているユーザの属性情報を、適切に維持、管理することができる。
【0127】
そして、ユーザが属性情報の公開を許諾している場合には、正確で信頼性の高いユーザの属性情報を企業等の属性情報を必要とする第三者に提供することができる。これにより、企業などは、ユーザの属性情報を入手するために、コストや時間をかけることなく、目的とする高品質のユーザの属性情報を入手することが可能になる。
【0128】
また、ユーザの属性情報の公開を許諾したユーザに対しては、属性情報の許諾の範囲に応じて、通信料金の決済や現金や景品との交換に利用できるポイントなどを付与することにより、ユーザが自己の属性情報を公開することに対するメリットを付与することができる。
【0129】
[変形例]
なお、上述した実施の形態においては、サーバ装置1が地図DB104、POIDB105を備えるものとして説明したが、これに限るものではない。地図DB104やPOIDB105は、ネットワーク2上の他のサーバ装置に用意されているものを、サーバ装置1が利用する態様とすることもできる。
【0130】
また、サーバ装置1において記憶保持されるユーザの属性情報のそれぞれについて、その信憑性の評価レベル(評価値)を設定することもできる。例えば、記憶保持されている属性情報とプローブ情報を解析することにより推測される属性情報とに差異がない場合には、その属性情報の信憑性レベルを高く設定する。また、上述したように、記憶保持されている属性情報に変化が生じたと推測され、これをユーザに確認した場合であって、当該確認に対してユーザからの応答があり属性情報の正確性を維持できた場合には、当該属性情報の信憑性レベルを高く設定する。逆に、確認に対するユーザからの応答がない場合には、その属性情報の信憑性レベルを低く設定する。このようにすれば、属性情報のそれぞれについて、正確なものと、正確性に欠けるものとを適切に区別し、企業等に質の高い属性情報を用いたエリアマーケッティング情報等を提供することができる。
【0131】
また、上述した実施の形態では、属性情報の変化の確認を行う場合に、どの属性情報が変化したのかを示して、変化の有無を問い合わせるようにしたが、これに限るものではない。例えば、現住所や勤務先が変わった場合には、推測して得た新たな現住所や勤務先を示し、それが正しいか否かの確認を求めるようにしてもよい。すなわち、推測した変化後の属性情報の内容をユーザに示し、それが正しいか否かをユーザに確認する態様とすることもできる。
【0132】
また、上述した実施の形態においては、属性情報の変化の確認を、確認のための所定のWebページへアクセスすることを要求する電子メールを送信することにより行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、属性情報の変化の確認を求める電子メールをユーザに送信し、当該電子メールに対する返信をユーザに対して要求するようにしてもよい。サーバ装置1では、返信されてきた電子メールの内容を確認し、属性情報の変化が正しいとする内容の返信メールが確認できた場合に、その返信メールを送信してきたユーザの属性情報を更新すればよい。
【0133】
また、属性情報が変化したことを推測した場合に、変化が推測されたユーザのユーザID、変化の内容、ユーザの電話番号などからなる一覧リストを作成する。そして、当該一覧リストに基づいて、サーバ装置1側のオペレータが該当ユーザに対して直接に電話を掛けて確認する。当該電話により変化の確証が得られた場合に、オペレータからの指示入力に応じて、サーバ装置1において、ユーザDB106の当該ユーザの属性情報を更新するように構成することも可能である。なお、このように、オペレータを介在させる確認は、上述した実施の形態の場合に、ユーザからの確認のための所定のWebページに対するアクセスがない場合や、変化の内容が複雑で直接に確認した方が好ましい場合などに用いるようにしてもよい。
【0134】
また、上述した実施の形態におけるユーザの属性情報の変化の推測は一例であり、携帯通信端末4からのプローブ情報を用いることにより、ユーザの種々の属性情報の推測が可能である。例えば、ユーザやその家族がライフサイクル(乳児、幼児、児童、少年、青年、中年、壮年、老年等)のどの段階にあるのかを推測することができる。また、ユーザやその家族がライフステージ(保育、就学、就職、独身、恋愛、結婚、育児、教育、子離れ、隠居、晩年等)のどの段階のあるのかを推測することができる。
【0135】
また、ライフスタイル(趣味嗜好、行動範囲、家族形態、扶養家族、参加している団体やサークルや地域活動等)を推測することができる。また、性別、年齢、学歴、資格、職業、収入、可処分所得、資産、住居形態などのライフベースについても推測可能である。これら、ライフサイクル、ライフステージ、ライフスタイル、ライフベースに属するユーザの種々の属性についても、ユーザが携帯する携帯通信端末4からのプローブ情報を収集して、ユーザの行動軌跡に基づく行動パターンや当該ユーザと共に行動する他のユーザの存在等を総合的に勘案して推測することができる。
【0136】
より具体的には、上述したユーザについての属性情報のそれぞれについて、ユーザがどのような行動をとった場合に、その属性情報に該当することになったと推測できるかの基準情報を多数整えておく。そして、サーバ装置1の属性情報変化推測部107は、プローブ情報を解析することにより、携帯通信端末を持つユーザが、いつ、どこへ、どの位の時間、誰といったか、行った先でどのようなイベントが行われていたかなどの情報を取得する。そして、属性情報変化推測部107は、当該取得した情報と、上述した基準情報との一致、あるいは、一致の度合いに応じて、その属性情報に該当することになったか否かを推測(判別)判別する。
【0137】
したがって、上述した基準情報を整備することにより、推測した収入から可処分所得を推測することができる。また、POI情報や一緒にいる他のユーザの属性情報などを利用して、現住所は持ち家か賃貸か、取引銀行はどこか、証券会社との取引はあるかといった資産に関する情報を推測したりすることもできる。また、仮にユーザの性別が不明だった場合に、立寄り先などから性別を推測することもできるし、同窓会やセミナーや講習会などへの参加の状況に応じて、学歴や保持している資格などについても把握できる。
【0138】
このため、サーバ装置1が備える地図DB104やPOIDB105だけに限らず、ネットワーク2上に存在する例えば、イベントDBや種々のWebページなどの情報をも参照し、ユーザの立寄り先で何が行われていたかの情報をも考慮する。このようにして、プローブ情報を利用することにより、ユーザの種々の属性情報についての詳細な推測が可能となる。
【0139】
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、サーバ装置1のユーザDB106が、属性情報保持手段としての機能を実現し、接続端子101及び通信I/F102が主に受信手段、応答受信手段としての機能を実現している。また、サーバ装置1のプローブ情報ファイル103がプローブ情報蓄積手段としての機能を実現し、属性情報変化推測部107が推測手段としての機能を実現し、属性情報確認更新手段109が、問合せ手段及び更新手段としての機能を実現している。
【符号の説明】
【0140】
1…サーバ装置、101…接続端子、102…通信I/F、103…プローブ情報ファイル、104…地図DB、105…POIDB、106…ユーザDB、107…属性情報変化推測部、108…変化情報保持部、109…属性情報確認更新部、110…属性情報提供部、120…制御部、2…ネットワーク、3…基地局、4…携帯通信端末、401…送受信アンテナ、402…送受信処理部、403…受話器(スピーカ)、404…送話器(マイクロホン)、411…キー操作部、412…表示制御、413…表示部、414…音声処理部、415…スピーカ、420…制御部、421…CPU、422…ROM、423…RAM、424…EEPROM、425…CPUバス、431…時計回路、432…外部入出力端子、433…外部I/F、434…GPS部、435…GPSアンテナ、5…GPS衛星、6…位置管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に個人の属性情報を記憶保持する属性情報保持手段と、
ユーザの携帯通信端末から所定のタイミング毎に送信される情報であって、ユーザの識別が可能な識別情報と現在位置情報とを含むプローブ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたプローブ情報をユーザ毎に蓄積するプローブ情報蓄積手段と、
前記プローブ情報蓄積手段に蓄積された前記プローブ情報をユーザ毎に解析し、前記属性情報保持手段に保持されている当該ユーザの属性情報に変化が生じたか否かを推測する推測手段と、
前記推測手段で前記属性情報に変化が生じたと推測されたユーザに対して、当該属性情報の変化の有無の問い合わせを行う問い合わせ手段と
を備えることを特徴とする属性情報管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の属性情報管理サーバであって、
属性情報の変化の有無を示す情報を含む、前記問い合わせに対する応答を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段により受信された前記応答に含まれる前記属性情報の変化の有無を示す情報が、変化有りを示すものである場合に、当該ユーザの属性情報を変化後の属性情報に更新する更新手段と
を備えることを特徴とする属性情報管理サーバ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の属性情報管理サーバであって、
前記属性情報は、ユーザの現住所、職業、勤務先、収入、家族構成、趣味、立寄り先等の変化する可能性の有るユーザに関する情報であることを特徴とする属性情報管理サーバ。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の属性情報管理サーバであって、
前記推測手段は、地図情報とPOI(Point Of Interest)情報の一方あるいは両方を考慮して、前記プローブ情報を解析することにより、ユーザの移動経路を把握することが可能であることを特徴とする属性情報管理サーバ。
【請求項5】
ユーザ毎に個人の属性情報を属性情報保持手段に予め登録する属性情報登録工程と、
ユーザの携帯通信端末から所定のタイミング毎に送信される情報であって、ユーザの識別が可能な識別情報と現在位置情報とを含むプローブ情報を、受信手段が受信する受信工程と、
前記受信工程において受信したプローブ情報をユーザ毎にプローブ情報蓄積手段に蓄積するプローブ情報蓄積工程と、
前記プローブ情報蓄積工程において前記プローブ情報蓄積手段に蓄積した前記プローブ情報を、推測手段がユーザ毎に解析し、前記属性情報保持手段に保持されている当該ユーザの属性情報に変化が生じたか否かを推測する推測工程と、
前記推測工程において前記属性情報に変化が生じたことを推測したユーザに対して、問い合わせ手段が当該属性情報の変化の有無の問い合わせを行う問い合わせ工程と
を有することを特徴とする属性情報管理方法。
【請求項6】
プローブ情報を送信する携帯通信端末と、プローブ情報を受信するサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される属性情報管理システムであって、
前記携帯通信端末は、
所定のタイミング毎に、ユーザを識別可能な識別情報と現在位置情報とを含むプローブ情報プローブ情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された前記プローブ情報を、所定のサーバ装置に送信する送信手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
ユーザ毎に個人の属性情報を記憶保持する属性情報保持手段と、
前記携帯通信端末から所定のタイミング毎に送信される前記プローブ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたプローブ情報をユーザ毎に蓄積するプローブ情報蓄積手段と、
前記プローブ情報蓄積手段に蓄積された前記プローブ情報をユーザ毎に解析し、前記属性情報保持手段に保持されている当該ユーザの属性情報に変化が生じたか否かを推測する推測手段と、
前記推測手段で前記属性情報に変化が生じたと推測されたユーザに対して、当該属性情報の変化の有無の問い合わせを行う問い合わせ手段と
を備えることを特徴とする属性情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−61828(P2013−61828A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200215(P2011−200215)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)