説明

層別地盤変位計

【課題】地盤各層の変位を精度良く計測可能であり、かつその設置を容易にかつ低コストで行い得る有効適切な層別地盤変位計を提供する。
【解決手段】複数のロッド3を変位センサー4を介して軸方向に相対変位可能に連結した一連のロッド連結体5を地盤1に形成したボーリング孔2内に挿入し、各ロッドをそれぞれ計測対象の各層に対してアンカー6により相対変位不能に固定し他の層に対して上下方向に相対変位可能な状態で配置する。変位センサーは一方のロッドに対して固定された磁性ロッド11と他方のロッドに対して固定された検出マグネット12を備え、検出マグネットが磁性ロッドに対して軸方向に相対変位した際に生じる磁場変化からその相対変位量を磁気的に検出する磁歪式直線変位センサーからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤変位を計測するための地盤変位計に関わり、特に地盤を構成している複数の層の沈下量を各層ごとに計測するための層別地盤変位計に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の地盤変位計としては特許文献1に示されるものが周知である。これは、一端に差動トランスによる電気式変位計および地層固定手段が設けられ他端にセンサー部が設けられた複数のロッドどうしを上下動自在に連結した構成のもので、地盤に形成したボーリング孔内に配置して各ロッドを計測対象の層に対して固定することにより、各層間の相対変位を各ロッドを介して電気式変位計により計測するようにしたものである。
【0003】
また、特許文献2や特許文献3には、磁歪式変位センサーにより地中の各層の変位を計測する装置についての開示がある。これは、ケーブル状センサーとしての磁歪線を各層に挿通状態で設置するとともに、各層に永久磁石を有する計測ターゲットをアンカーにより固定して、磁歪線に対する各計測ターゲットの相対変位を磁気的に計測するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64−4号公報
【特許文献2】特開2001−91313号公報
【特許文献3】特許第3702461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される地盤変位計は、電気式変位計として差動トランス式変位計を用いていることから、その測定レンジは50mm程度が限界であり、したがってそれを超えるような大きな変位を計測することはできない。
また、差動トランスによる電気式変位計は小形化に限界があってそれを地盤中に設置するためには少なくとも150mm以上のボーリング孔が必要であり、そのような大径のボーリング孔を削孔するために多大の手間とコストを必要とする。
【0006】
また、特許文献2,3に示される装置は、磁歪式センサーを用いることから差動トランスによる電気式変位計による場合に比較して測定レンジを大きくすることは可能であり、また小形化を図ることも可能ではあるが、地盤に対する設置作業が必ずしも容易ではなく、特に計測ターゲットを各層に対して固定するためには特許文献3に示されるように複雑な機構と操作を必要とするし、各計測ターゲットをそれぞれの設置位置に対して精度良く位置決めして固定することも容易ではない。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は地盤各層の変位を精度良く計測可能であり、かつその設置を容易にかつ低コストで行い得る有効適切な層別地盤変位計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、地盤を構成している複数の層の変位量を各層ごとに計測するための層別地盤変位計であって、計測対象の各層に対応する複数のロッドを軸方向に相対変位可能に連結するとともに双方のロッド間に変位センサーを介装してなる一連のロッド連結体を主体として構成され、該ロッド連結体を地盤に形成したボーリング孔内に挿入して前記各ロッドをそれぞれ計測対象の各層に対してアンカーにより相対変位不能に固定するとともに他の層に対して上下方向に相対変位可能な状態で配置することにより、各層間に生じる上下方向の相対変位を前記各ロッドを介して前記各変位センサーにより計測可能に構成してなり、前記変位センサーは、該変位センサーが介装されている双方のロッドのうちの一方のロッドに対して固定された磁性ロッドと、他方のロッドに対して固定されて前記磁性ロッドに対して軸方向に相対変位可能に配置された検出マグネットを備えて、前記検出マグネットが前記磁性ロッドに対して軸方向に相対変位した際に生じる磁場変化からその相対変位量を磁気的に検出する磁歪式直線変位センサーからなることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の層別地盤変位計であって、前記変位センサーにおける前記検出マグネットは環状とされて前記他方のロッドの先端部に固定されているとともに、前記変位センサーにおける前記磁性ロッドの一端部には検出部が設けられて、該検出部が水密性を有する耐圧容器内に収容されて前記一方のロッド内に固定されることにより、前記磁性ロッドの他端部が前記耐圧容器から延出して前記検出マグネットの内側を挿通して前記他方のロッドの先端部よりその内部に挿入されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の層別地盤変位計であって、前記ロッド連結体が挿入される前記ボーリング孔は、前記地盤に対するボーリング調査のために形成された地盤調査用ボーリング孔であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の層別地盤変位計であって、前記ボーリング孔とその内部に挿入された前記ロッド連結体との間に、エタノール・ベントナイトスラリーからなるグラウト材の充填により充填層が形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の層別地盤変位計は地盤各層の変位を検出するための変位センサーとして磁歪式直線変位センサーを用いたので、測定レンジを大きくとることができるとともに十分な小形化を実現できる。したがって本発明の層別地盤変位計は、各層が大きく沈下することが想定されるような地盤に対しても支障なく適用可能であるし、これを設置するためのボーリング孔の所要径は80mm程度で十分であってたとえば地盤調査用ボーリング孔をそのまま転用することも可能であり、また一連のロッド連結体を単にボーリング孔内に配置して固定するだけで良いのでその設置を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の層別地盤変位計の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同、設置手順を示す図(ボーリング孔の削孔工程)である。
【図3】同、設置手順を示す図(ボーリング孔内へのロッド連結体の挿入工程)である。
【図4】同、設置手順を示す図(ボーリング孔内へのロッド連結体の固定工程)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に本発明の実施形態である層別地盤変位計の概略構成を示す。
本実施形態の層別地盤変位計は、図1に模式的に示しているように、表層1aとその下層の中間層1bとさらにその下層の深層1cからなる地盤1を対象として、深層1cに対する中間層1bおよび表層1aの変位量(特に沈下量)を層別に計測するためにその地盤1に形成されたボーリング孔2内に設置されるものである。
【0015】
本実施形態の層別地盤変位計は、地盤1を構成している上記各層に対応する複数のロッド3(3a、3b、3c)を変位センサー4(4a、4b)を介して連結した一連のロッド連結体5を主体として構成され、それがアンカー6(上部アンカー6a、中間部アンカー6b、下部アンカー6c)によりボーリング孔2内に固定されて設置されるものである。
図示例の場合は計測対象が表層1aおよび中間層1bであることから、表層1aに対応する上部ロッド3aと、中間層1bに対応する中間部ロッド3bを有するとともに、さらに不動点としての深層1cに対応する下部ロッド3cの計3本のロッド3を有しており、それらロッド3の端部どうしを互いに嵌合させて軸方向に相対変位可能な状態で連結して一連のロッド連結体5を構成したうえで、上部ロッド3aと中間部ロッド3bとの間に中間層1bに対する表層1aの相対変位を計測するための上部変位センサー4aを介装し、中間部ロッド3bと下部ロッド3cとの間に深層1cに対する中間層1bの相対変位を計測するための下部変位センサー4bを介装している。
【0016】
そして、深層1cに達するように削孔したボーリング孔2内に上記のロッド連結体5の全体を挿入して、下部ロッド3cをその先端部に設けた下部アンカー6cによりボーリング孔2の底部に対して(つまり深層1cに対して)セメントスラリーにより固着して固定し、中間部ロッド3bをその途中に設けた中間部アンカー6bにより中間層1bに対して固定し、上部ロッド3aをその途中に設けた上部アンカー6aにより表層1aに対して固定することにより、このロッド連結体5の全体をボーリング孔2内に設置している。
【0017】
なお、上部ロッド3aおよび中間部ロッド3bに設けている上部アンカー6aおよび中間部アンカー6bとしては渦巻き状の板ばねの形式のものが好適に採用可能であり、ボーリング孔2への挿入時にはそれを小さく巻き取った状態で内側に縮退させておき、挿入後に地表部からの操作により周囲に展開して孔壁に突っ張らせることで、上部ロッド3aおよび中間部ロッド3bをそれぞれボーリング孔2内に安定に保持することが可能である。
【0018】
各ロッド3を相対変位可能に連結したロッド連結体5を上記のようにしてボーリング孔2内に設置することにより、下部ロッド3cは深層1cに対して相対変位不能に固定されるとともにその下部ロッド3cに対する中間層1bの相対変位は許容され、中間部ロッド3bは中間層1bに対して相対変位不能に固定されるとともにその中間部ロッド3bに対する表層1aおよび深層1cの相対変位は許容され、上部ロッド3aは表層1aに対して相対変位不能に固定されるとともにその上部ロッド3aに対する中間層1bの相対変位は許容され、これにより深層1cに対する中間層1bの相対変位、および中間層1bに対する表層1aの相対変位を、それぞれ下部変位センサー4bおよび上部変位センサー4aにより層別に計測可能となっている。
【0019】
すなわち、深層1cに対して中間層1bに変位が生じた際には、その中間層1bに対して固定されている中間部ロッド3bが中間層1bとともに変位して下部ロッド3cに対する相対変位が生じ、それにより中間部ロッド3bと下部ロッド3cとの間に介装されている下部変位センサー4bにより中間層1bの変位量が計測される。
同様に、中間層1bに対して表層1aに変位が生じた際には、その表層1aに対して固定されている上部ロッド3aが表層1aとともに変位して中間部ロッド3bに対する相対変位が生じ、それにより上部ロッド3aと中間部ロッド3bとの間に介装されている上部変位センサー4aにより表層1aの変位量が計測される。
【0020】
そして、特に本実施形態では、中間層1bおよび表層1aの変位を高精度で計測し、かつその測定レンジを大きくして大変位も計測可能とするべく、変位センサー4として磁歪式直線変位センサーを採用している。
磁歪式直線変位センサーは特許文献2,3に示される磁歪式センサーと同様の原理によるものであるが、本実施形態における変位センサー4(上部変位センサー4aおよび下部変位センサー4b)は検出部10から延出させた磁性ロッド11に対して環状の検出マグネット12を軸方向に相対変位可能に装着した構成とされて、それらを上部ロッド3aと中間部ロッド3bの間、および中間部ロッド3bと下部ロッド3cとの間にそれぞれ介装している。
【0021】
具体的には、上部ロッド3aと中間部ロッド3bとの間に介装される上部変位センサー4aは、上部ロッド3aの下端部を拡径して設けた耐圧容器13内に検出部10を収納してその下方に磁性ロッド11を延出させるとともに、検出マグネット12を中間部ロッド3bの先端(上端)に固定していて、磁性ロッド11がその検出マグネット12の内側を挿通して中間部ロッド3bの内部に挿入されている。
これにより、中間層1bと表層1aとの間で相対変位が生じた際には、その相対変位が中間部ロッド3bと上部ロッド3aを介して上部変位センサー4aに伝達されて磁性ロッド11と検出マグネット12との間で相対変位が生じ、それによる磁場変化が検出部10により検出されてケーブル14を介して地表部に設置されている演算装置(図示せず)に伝送されて処理され、それにより磁性ロッド11に対する検出マグネット12の相対位置すなわち中間層1bと表層1aとの相対変位量を高精度で計測可能とされている。
また、中間部ロッド3bと下部ロッド3cとの間に介装されている下部変位センサー4bも上部変位センサー4aと同様に構成されて同様の形態で設置されており、その下部変位センサー4bにより深層1cに対する中間層1bの相対変位量が高精度で計測可能とされている。
【0022】
なお、各層の変位を変位センサー4に確実に伝達して測定精度を確保し、かつ装置全体に対する止水性を確保するためには、ボーリング孔2とその内部に挿入されたロッド連結体5との間に適宜のグラウト材を充填して充填層20を形成することが好ましく、特にグラウト材としてエタノール・ベントナイトスラリーを用いることが好ましい。従来のこの種の装置においては一般にカオリン粘土・セメント・水を攪拌混合したスラリーを充填材として用いることが通常であるが、そのような充填材は地盤変位に対する追随性および止水性が必ずしも十分ではないので好ましくない。
また、ロッド3間の相対変位を許容しつつロッド連結体5の内部への地下水およびグラウト材の浸入を防止するために、ロッド3どうしの連結部(上段側のロッド3の下端部と下段側のロッド3の上端部との嵌合部の周囲)には可撓性を有するチューブ21を装着しておくと良い。
さらに、計測に当たってはロッド連結体5内への地下水の浸水を防止するために各ロッド3内に清水を注水すると良く、そのためには図1に示しているように上部ロッド3aの上部を拡径してそこでの水位を維持することにより所定静水圧を保持すると良い。
【0023】
以上のように、本実施形態の層別地盤変位計は変位センサー4として磁歪式直線変位センサーを用いたことにより、特許文献1に示した従来の層別地盤変位計に比べて測定レンジを大きくとることができ、かつ十分なる小形化を実現し得るものである。
すなわち、上述したように特許文献1に示される従来の層別地盤変位計は差動トランスによる電気式変位計によるものであることからその測定レンジは50mm程度が限界であるのに対し、本実施形態において採用した磁歪式直線センサーの測定レンジは250mm程度とすることができ、したがって本実施形態の層別地盤変位計は各層が大きく沈下することが想定されるような地盤に対しても支障なく適用可能であり、様々な地盤を対象としてその層別変位を確実に計測可能である。
【0024】
また、従来の層別地盤変位計は差動トランスによる電気式変位計を用いているために小形化が困難であって、それを設置するためのボーリング孔の所要径は少なくとも150mm以上とする必要があったのに対し、磁歪式直線センサーは内径が60mm程度のロッド3内に組み込めるような十分な小形化が可能であり、したがって本実施形態の層別地盤変位計を設置するためのボーリング孔2の所要径は80mm程度で十分である。
そのため、大径のボーリング孔を削孔する必要のある従来の層別地盤変位計による場合に比べてボーリング孔2を削孔するために要する手間とコストを十分に削減することが可能であるし、さらには地盤調査のために別途施工された地盤調査用ボーリング孔(通常は88mmφとされる)をそのまま転用してその内部に本実施形態の層別地盤変位計を設置することも可能であり、その場合は層別地盤変位計を設置するための格別のボーリング孔2の施工を省略することが可能であるし、地盤調査用ボーリング孔を埋め戻す手間と費用も削減できるので極めて合理的である。
【0025】
さらに、特許文献2,3に示される装置は計測ターゲットを精度良く位置決めして設置することが容易ではないのに対し、本実施形態では各ロッド3間に変位センサー4を介装していることから、一連のロッド連結体5を地表部において組み立てつつボーリング孔2内に挿入していくことのみで容易に設置可能であるし、各検出マグネット12も自ずと精度良く位置決めすることが可能である。
【0026】
図2〜図4に本実施形態の層別地盤変位計を設置するための作業手順を示す。
まず、図2に示すように適宜の削孔機30によりボーリング孔2を削孔する。その際、ボーリング孔2の内径は80mm程度で十分であり、孔内にベントナイト泥水を満たして孔壁を保護しつつ削孔を行えば良い。
勿論、上述したようにボーリングマシンにより形成した88mmφ程度の地盤調査用ボーリング孔を利用してその内部に層別地盤変位計を設置する場合には、図2に示すような格別の削孔工程は省略可能である。
【0027】
上記のボーリング孔2を削孔した後、図3に示すようにそのボーリング孔2内に(あるいは既に形成されている地盤調査用ボーリング孔を利用する場合には、その地盤調査用ボーリング孔内に)、各ロッド3を順次連結してロッド連結体3を組み立てつつ挿入していく。その際、上部アンカー6a、中間部アンカー6bは巻き取った状態で内側に縮退させておく。
そして、一連のロッド連結体5をボーリング孔2内に配置したら、図4に示すように下部ロッド3cの先端に設けた下部アンカー6cを孔底部に対してセメントスラリーにより固着して固定するとともに、中間部アンカー6b、上部アンカー6aをそれぞれ展開して孔壁に突っ張らせることでロッド連結体5を孔内に保持する。
しかる後に、ロッド連結体5の外側にエタノール・ベントナイトスラリーからなるグラウト材を充填して充填層20(図1参照)を形成すれば完成となる。
【0028】
以上で本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、地盤各層の変位を磁歪式直線変位センサーからなる変位センサーにより層別に検出する構成とする限りにおいて、各部の具体的な構成については適宜の設計的変更や応用が可能である。
たとえば、上記実施形態は表層1aと中間層1bの2層を対象としてそれらの変位を層別に計測するものとしたが、3層以上の多数の層を対象とすることも勿論可能であり、その場合は計測対象のそれぞれの層に対応するロッドを備え、かつ各ロッド間に各層に対応する変位センサーをそれぞれ備えた構成とすれば良いことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1 地盤
1a 表層
1b 中間層
1c 深層
2 ボーリング孔
3 ロッド
3a 上部ロッド
3b 中間部ロッド
3c 下部ロッド
4 変位センサー
4a 上部変位センサー
4b 下部変位センサー
5 ロッド連結体
6 アンカー
6a 上部アンカー
6b 中間部アンカー
6c 下部アンカー
10 検出部
11 磁性ロッド
12 検出マグネット
13 耐圧容器
14 ケーブル
20 充填層
21 チューブ
30 削孔機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を構成している複数の層の変位量を各層ごとに計測するための層別地盤変位計であって、
計測対象の各層に対応する複数のロッドを軸方向に相対変位可能に連結するとともに双方のロッド間に変位センサーを介装してなる一連のロッド連結体を主体として構成され、該ロッド連結体を地盤に形成したボーリング孔内に挿入して前記各ロッドをそれぞれ計測対象の各層に対してアンカーにより相対変位不能に固定するとともに他の層に対して上下方向に相対変位可能な状態で配置することにより、各層間に生じる上下方向の相対変位を前記各ロッドを介して前記各変位センサーにより計測可能に構成してなり、
前記変位センサーは、該変位センサーが介装されている双方のロッドのうちの一方のロッドに対して固定された磁性ロッドと、他方のロッドに対して固定されて前記磁性ロッドに対して軸方向に相対変位可能に配置された検出マグネットを備えて、前記検出マグネットが前記磁性ロッドに対して軸方向に相対変位した際に生じる磁場変化からその相対変位量を磁気的に検出する磁歪式直線変位センサーからなることを特徴とする層別地盤変位計。
【請求項2】
請求項1記載の層別地盤変位計であって、
前記変位センサーにおける前記検出マグネットは環状とされて前記他方のロッドの先端部に固定されているとともに、
前記変位センサーにおける前記磁性ロッドの一端部には検出部が設けられて、該検出部が水密性を有する耐圧容器内に収容されて前記一方のロッド内に固定されることにより、前記磁性ロッドの他端部が前記耐圧容器から延出して前記検出マグネットの内側を挿通して前記他方のロッドの先端部よりその内部に挿入されていることを特徴とする層別地盤変位計。
【請求項3】
請求項1または2記載の層別地盤変位計であって、
前記ロッド連結体が挿入される前記ボーリング孔は、前記地盤に対するボーリング調査のために形成された地盤調査用ボーリング孔であることを特徴とする層別地盤変位計。
【請求項4】
請求項1,2または3記載の層別地盤変位計であって、
前記ボーリング孔とその内部に挿入された前記ロッド連結体との間に、エタノール・ベントナイトスラリーからなるグラウト材の充填により充填層が形成されてなることを特徴とする層別地盤変位計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−57614(P2013−57614A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196857(P2011−196857)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(591026528)株式会社自動制御技術研究所 (1)
【Fターム(参考)】