説明

層構造体製造用の部品、装置及び製造方法

【課題】熱応力の大きな変化に対し高い抵抗力を有し、とりわけ複数の層を備えるべき断熱層を有する部品、とりわけガスタービン翼の提供。
【解決手段】基部本体1、とりわけ少なくとも1つのニッケル基及び/又はコバルト基合金を含む金属基部本体、及び前記基部本体1上に直接配置される層構造体も含む部品、且つ関連する被覆装置及び方法にも関する。この層構造体は、接合促進層2、及び同様にTGO層3、とりわけ低成長アルミニウム酸化物層4及び/又はクロム酸化物層、並びにTGO層の上に直接配置される少なくとも1つの酸化物セラミック層及び酸化物セラミック層4の上に配置されるAパイロクロリンのカバー層5を含む、前記接合促進層上に配置される断熱層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、例えばガスタービン翼などの高温に曝される部品用の多層断熱層を含む層構造体の製造方法に関するものであり、また、熱伝導率の低減された新規な材料及び層構造体が使用される関連する装置にも係るものである。
【0002】
本発明は、とりわけ、層構造体で基部本体を被覆するための部品、被覆装置及び方法に関するものである。この方法は、反応性ガス・スパッタリングという術語によっても知られているPVD法、とりわけHS−PVD法を含むことが好ましい。
【背景技術】
【0003】
層構造体は、従来技術では欧州特許第1591550号明細書によって開示されている。それは、基板、接合促進層、TGO層、イットリウム(部分)安定化酸化ジルコニウム層を含み、さらに、酸化ジルコニウム基セラミック材料及びLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、In、Y、Mo、Cの群からの少なくとも1つの元素、及び希土類の酸化物から作られるカバー層も含む。
【0004】
異なる研究プロジェクトによれば、欧州特許第848077号明細書、米国特許第6231991号明細書、欧州特許第1577499号明細書、米国特許第6110604号明細書、米国特許第6376015号明細書の開示による熱伝導率低減のため使用される材料が、原則として、適切な接合促進を確実にするために多層として施されるべきであることを示されてきた。
【0005】
さらに、米国特許第6110604号明細書では、中間層を追加することにより良好な熱反射挙動を有することが見出された。これらの中間層は部分的に原子格子空孔が蓄積して、それによって中空の空洞が形成されている。
【0006】
金属間接合促進カバーを有する断熱層構造体は、米国特許第5238752号明細書から知られている。この断熱層構造体は、金属基部本体に、とりわけ航空機エンジン翼用のNi又はCo超合金に付着される。とりわけニッケル・アルミナイド又は白金・アルミナイドから作られる金属間接合促進層は、この金属基部本体上に直接付着される。アルミニウム酸化物の薄いセラミック層がこの接合促進層と結合し、その上に実際の断熱層、とりわけイットリウム酸化物によって安定化されるジルコニウム酸化物が付着される。ジルコニウム酸化物からなるこのセラミック断熱層は棒状構造を有し、この棒状の柱は基部本体の表面に対しほぼ垂直に向いている。このようにして、熱的繰り返しに耐える能力の改善を保証できる。この断熱層は、電子ビームPVD法(物理的蒸着法)を使用して基部本体上に被着される。そこでは、ジルコニウム酸化物及びイットリウム酸化物が電子ビーム砲によって金属酸化物本体から気化される。この方法は、基部本体を約950°〜1000°Cの温度に予熱する装置内で行われる。被覆工程の間、この基部本体は、金属酸化物のビームの中で回転される。この柱状結晶粒構造及びその特性の詳細は、米国特許第5238752号明細書から推論できず、又はそこで開示されている方法を使用して具体的に確立することもできない。柱状結晶粒構造を有するセラミック被覆の製造のための電子ビームPVD法は、さらに米国特許第5087477号明細書及び米国特許第5262245号明細書に開示され、そこでは基部本体上へのジルコニウム酸化物の被着は、酸素富化真空雰囲気中で行われる。
【0007】
ガスタービン翼に断熱層構造体を付着させるための別の方法及び例は、米国特許第5514482号明細書及び米国特許第4405659号明細書に開示されている。米国特許第4405659号明細書によれば、電子ビームPVD法を使用して層厚さ約125μmを示し且つ柱状構造を有する、イットリウム酸化物により部分的に安定化されたジルコニウム酸化物の断熱層を付着することは可能なはずである。柱の平均横断面積は6.5μmの大きさ程度になるはずである。しかしながら、この電子ビームPVD法は、とりわけ溶融プールの制御のために高真空範囲での操作が必須であるという要求、および、とりわけ電子ビームそれ自体の挙動による相当に複雑な工程を伴っている。
【0008】
接着層及び断熱層を有する複合構造による金属部品、とりわけ超合金から作られるガスタービン翼の被覆は、同様に国際公開第93/18199号パンフレットに開示されている。この断熱層の付着は、ここではEB−PVD法を使用して行われるが、溶融プール手順に起因するかなりの手続きの複雑さ、高真空環境及び電子ビームの案内などの、この方法の全ての欠点不利益が示されている。
【0009】
「反応ガス・スパッタリング用の方法及び装置」が東ドイツ国第294511AS号明細書(DD294511AS)に開示されている。ここに開示される方法によれば、不活性ガス、とりわけアルゴンが、アルゴン原子のイオン化が起きるように中央に陽極の配置された中空の陰極を通して供給される。これらは陰極に衝突し、それによって陰極材料が中空陰極の内部に入り、不活性ガスの流れによってそこから出て運ばれる。この陰極材料は純金属であり、この金属、とりわけジルコニウムの完全な酸化が起きるように、酸素が中空陰極の外側に供給される。したがって、供給される酸素の分圧は10−4Pa程度である。被覆すべき半導体の環境の全動圧は、約13Pa〜24Paになる。被着速度は、基板が約400°Cの温度を有するとき、約15nm/分になる。この中空陰極は、純度99.7%のジルコニウムの円筒状チューブとして形成される。この被着速度は、単層の被覆加工に必要とされる時間長さのために大きな表面の被覆が経済的ではなく、そのため、工業的使用にとって興味のある範囲にはない。
【0010】
より広い被覆表面及びより大きな被覆速度を達成するための中空陰極の代替の構成は、T.Jung及びA.Westphalによる、Surface and coating Technology,59,1993年の論文「High rated deposition of Alumina films by reactive gas flow sputtering(反応性ガススパッタリングによるアルミナ膜の高速被着)」の第171頁〜176頁に開示されている(ドイツ国出願公開第4235953号明細書はこれに対応している)。特定される中空陰極は、ジルコニウムから作られるプレートがハウジング内で互いに隣り合って配置されるという意味で直線になるように組み立てられる。不活性ガスの流れは、不活性ガス原子のプラズマが隣接するプレート間に形成されるように、いずれの場合にも2枚の隣接するプレート間を通り供給されることができる。さらに、このプレートは冷却システム、とりわけ冷却通路を有することができる。シリコン、ステンレス鋼及びガラスから作られた試験体がこの中空陰極で被覆され、このアルミニウム酸化物の強度が200°Cまでの温度でテストされた。この2つの掲げた論文は、結晶寸法及び向きに関する酸化物層の構造特性についていかなる表明も含んでいない。
【0011】
上記で掲げた開示に記載された全てのこれらの開発に共通するのは、これらの層は理想的には単一の真空チャンバ内で次から次に被着されるので、利用可能な材料及び層間の汚染物のない且つ/又は欠陥のない中間層に関する工程管理の複雑さが相当に増加するということである。
【0012】
この理由のため、経済的に実行可能なレベルで、材料の組合せの最も広く考え得る選択をそのままで被着させることを利用できるようにするための方法及び装置が必要とされている。
【0013】
さらに、この被覆工程はより短い時間で完了させるべきであり、より大きな層形成速度が可能な方法を使用することが必要になる。
【0014】
この目的は、ガスタービン部品上にセラミック層を形成するための、PCT/DE97/02152から知られているガス流れPVD技術の開発にさらに繋がる。そこに開示される方法に関する問題点は、単一断熱層の制約である。同じ文献中に開示されるイットリウム酸化物によって部分的に安定化されたジルコニウム酸化物などの単一の材料から作られる単一の断熱層の使用のため、この方法で被覆される部品は、高温度範囲での多くの使用に対し、不十分な低減された熱伝達率しか有さない。さらに、単一の断熱層を使用する場合は、輻射による伝熱が熱伝達全体の比較的大きな部分を占めるということを排除できない。欧州特許出願公開第1273680号明細書によれば、とりわけセラミック材料はとりわけ高温で熱放射に関して半透明であり、その結果、部品は、冷却によって消散させることのできない、或いは不十分にしか消散させることのできない過剰な熱を動作中に輻射により吸収することになる。さらに組立て上の理由から、部品の基板部分を冷却することが構造上の理由から常に可能とは限らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
熱応力の大きな変化に対し高い抵抗力を有し、とりわけ複数の層を備えるべき断熱層を有する部品、とりわけガスタービン翼を開示することが本発明の目的である。本発明の別の目的は、断熱層の異なる層を任意の順番で、複数の原料を使用して単一のシステムで被着させることのできる、対応するセラミック断熱層を有するそのような部品の製造のための装置及び方法を開示することでもある。
【0016】
本発明の別の目的は、とりわけ接合促進層の形成のための層を含む、陰極構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、基部本体、とりわけ少なくとも1つのニッケル基及び/又はコバルト基合金を含む金属基部本体、及びこの基部本体上に直接配置される層構造体をも含む部品が得られることによって満たされる。この層構造体は、接合促進層、及び前記接合促進層上に配置される断熱層も含む。この断熱層は、TGO層(熱成長酸化物層(thermally grown oxide layer))、とりわけTGO層の上に直接配置される低速成長アルミニウム酸化物層及び/又はクロム酸化物層、並びにAパイロクロリンから作られるカバー層を含み、ここで、Aはランタン系列のとりわけガドリニウム(Gd)基の元素を含むことが好ましく、Eはジルコニウムであり、とりわけランタン・ジルコン酸塩及び/又はペロブスカイト相であることが好ましい。したがって、基部本体として少なくとも1つの基板が準備され、被覆チャンバ内に配置され、このチャンバは、少なくとも1つ真空発生装置及び被覆すべき基板を受けるための装置も含み、複数の層を製造するのに適した1つの供給源及び/又は複数の供給源が被覆チャンバ内に配置され、および/又は前記供給源は断熱被覆の複数の層の製造を容易にするための手段を有し、その手段によって断熱被覆の複数の層の付着が被覆チャンバ内のその場所で可能になる。本発明による部品、とりわけガスタービン翼は、基部本体、接合促進層、TGO層、及びその上に配置される、セラミック柱を伴う柱状構造を有する酸化物セラミック層を含むセラミック断熱層を有し、このセラミック柱は基部本体の表面に向かって実質的に垂直に向いている。カバー層が、好ましくは反応性ガス・スパッタリング法を使用してこの酸化物セラミック層の上に付着される。
【0018】
この部品は、基部本体上の層構造体の製造のための被覆装置で製造され、この目的のためにとりわけ真空下で行われる層構造体で基部本体を被覆するための方法が使用される。真空圧力、酸素分圧及び不活性ガスの容積流量などのこの方法のパラメータは、上記で指定された柱状構造が生じるように選択される。酸化物セラミック層及びカバー層の層厚さは、合計で50μm〜2mm、とりわけ100μm〜500μmになる。とりわけ基部本体上の酸化物セラミック層の寿命延長及び接着に関して、酸化物セラミック層の金属接着層への化学的接合を生じさせることがさらに有利である。これは、例えば、アルミニウム酸化物の薄い層、とりわけAlによって達成される。3元系Al−Zr−O化合物又はAl−O−N化合物から作られる層が接合促進層として同様に適している。3元Al−Zr−O化合物、例えば、AlZrOは、ジルコニウム酸化物を含有する酸化物セラミック層に接合するのに好ましく適している。マグネシウム・ジルコニウム酸化物スピネルを含有する他の酸化物セラミック層では、別のスピネルを対応して使用できる。アルミニウム窒化物又はアルミニウム窒化物とアルミニウム酸化物の化合物(混合層)とから作られる層も適している。
【0019】
この部品の有利な設計では、この酸化物セラミック層は、ジルコニウム酸化物層、とりわけ傾斜ジルコニウム酸化物層を含み、および/又は、とりわけYなどのとりわけイットリウム酸化物、及び/又はとりわけZrOなどのジルコニウム酸化物、とりわけHfOなどのハフニウム酸化物、又は2つの成分の混合酸化物などのYなどのイットリウム酸化物によって部分的に安定化されて存在する安定化剤を含有する。この酸化物セラミック層は、金属セラミック物質、とりわけZrOなどのジルコニウム酸化物を有することが好ましい。この金属酸化物は、高温での相変態を避けるために安定化剤と共に、例えばイットリウム酸化物、とりわけYで製造することが好ましい。このジルコニウム酸化物は、重量%で3%〜12%の、とりわけ重量%で8%のイットリウム酸化物を加えることが好ましい。傾斜ジルコニウム酸化物層では、ジルコニウム酸化物は局所領域で異なった濃度で存在する。これらの局所領域は中間層に対応することができるが、1つの層内に共存する異なる構造を示すこともできる。この種の傾斜層は、この種の傾斜層が断熱全体に対して相当な貢献をする、すなわち断熱効果の増加に繋がるように、熱輻射に対するジルコニウム酸化物の半透明性をさらに低減させるのに役立つ。
【0020】
この部品の有利な実施例では、接合促進層は、金属又は金属間接合促進層として形成され、それはとりわけMCrAlY合金を含有し、ここでとりわけMは鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)のうちの少なくとも1つの元素を示し、および/又は接合促進層(2)は、希土類、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)元素のうちの少なくとも1つ、及び/又は金属アルミナイドを含み、金属アルミナイドはNiAl、CoAl、TiAl、NiCrAl、CoCrAl、さらにPtMAlであり、ここでMがFe、Ni、Co、Cr元素又はこれらの組合せであり、とりわけPtNiAl、PtNiCrAlである。金属接着層は、とりわけニッケル基合金又は高度に熱的に応力を加え得る部品の製造に適した他の合金から作られる金属基部本体へのセラミック断熱層の良好な結合のために基部本体に付着される。この層の厚さに関しては、米国特許第5238752号明細書、米国特許第4321310号明細書及び米国特許第4321311号明細書にも注目すべきである。この金属接着層は、MCrAlYタイプの合金からなることが好ましく、ここでMは鉄、コバルト又はニッケルのうちの1つ又は複数の元素を示し、Crはクロム、Alはアルミニウム、且つYはイットリウム又は希土類元素のうちの1つを意味する。金属間化合物は、とりわけニッケル・アルミナイド又は白金(プラチナ)アルミナイドから作られたものは、同様に接着層として適している。
【0021】
この部品の有利な一具体例では、5〜50μmの範囲の厚さを有利に有し、且つ好ましくは5〜50μmの範囲の厚さを有する第1のカバー層も有する第1の酸化物セラミック層が設けられる。さらに、別の酸化物セラミック層及び/又はカバー層の少なくとも1つの別の層系列が設けられる。複数の層系列を使用すると、接合促進が単一の層に比較して改善されるので、熱伝導の低減のために上記で述べた材料に対して有利である。
【0022】
この部品の有利な一具体例では、この酸化物セラミック層は、2.5μmよりも下の、とりわけ0.5μm〜2.0μmの範囲の柱直径を有するセラミック柱を有する。とりわけ金属基部本体の熱保護は、酸化物セラミック層によって保証される。しかしながら、既知のセラミック構造は依然として周期的な熱応力を受け易く、ばらばらになったり、接着が取れ易くなる可能性がある。交互する温度負荷に対する抵抗力は、今日までに達成された直径よりも小さな直径のセラミック柱を有する微細構造によって明らかに増加する。2.5μmよりも下の、とりわけ0.5μm〜2.0μmの平均柱直径を有するセラミック柱の微細構造は、それが基部本体の表面に対してほぼ垂直に整列していること、及び微細な円柱状構造に起因して、高い伸張許容値及び高い周期的負荷許容値を有する。このようにすると、とりわけ金属基部本体、及びセラミック断熱層の熱膨張率の相違は、良好にバランスがとられる。これらのような小さな柱直径は、高温用に開発された反応性ガスフロースパッタリング法によって達成される。
【0023】
この部品の有利な一具体例では、この酸化物セラミック層は2.5μm〜50μmの範囲の柱直径を有する柱を有する。2.5μmよりも下の平均柱直径の微細柱構造を有する酸化物セラミック層は、1000℃を超える周期的な温度応力に曝されるガスタービン部品の熱保護用にとりわけ適している。これには、何よりもガスタービン翼、及びガスタービンの燃焼チャンバ領域の部品、とりわけ熱遮蔽体として形成される表面も含まれる。これは、発電所で使用するための固定ガスタービン、及び航空機用エンジン用にも有効である。言うまでもなく、本発明による断熱層は、高い熱負荷に曝される他の部品にも適している。
【0024】
こうした理由により、有利な具体例によるこの部品は、とりわけガスタービンの案内静翼又はロータ翼などのタービン翼として、又は高温ガスによって加圧されるガスタービンの部品、とりわけ熱遮蔽体として形成される。
【0025】
本発明の目的は、基部本体を上記で説明した層構造体で被覆するための被覆装置が、
a)真空気密に閉じることのできるチャンバ内で基部本体(1)を位置決めするための保持装置(11)と、
b)前記チャンバ内に真空を発生させるための真空発生装置と、
c)利用可能な被覆可能層材料を作るための少なくとも1つの供給源であって、とりわけ中空陰極構造体(12)として形成される供給源と、
d)前記基部本体(1)を昇温させるための追加の別個の加熱装置(16)とを含むことで満たされる。
【0026】
この供給源は、層材料が不活性ガスの流れによって供給源から部品に輸送できるように配置される。この結果、基部本体上に層構造体を製造するための被覆装置を対象とするこの目的は、真空チャンバ内に基部本体を位置決めするための保持装置を含む装置によって満たされる。例えば、不活性ガスが貫流することのできる中空陰極などの供給源が、この真空チャンバ内に配置される。この陰極構造体は、陰極材料及び陽極、保持装置に面するガス出口開口部及び不活性ガス用のガス入口開口部、並びに追加の、基部本体を加熱するための別個の加熱装置を含む。陰極構造体内に流れ込む、例えばアルゴンなどの不活性ガスは、そこでイオン化される。不活性ガス原子は陰極の表面に衝突し、それによって陰極材料がスパッタされる。スパッタされた陰極材料は、不活性ガスと共に基部本体又は基板の方向に陰極構造体を離れる。陰極構造体を離れてから基板に衝突するまでの間に不活性ガスのこの流れは、酸素の流れと接触することができ、スパッタされた陰極材料が、流れの中で、又は基板衝突の際に酸化される。とりわけジルコニウムの、且つ必要な場合加えられたイットリウムの酸化のために、酸化剤供給部が装置内で中空陰極の外側に設けられ、それによって対応する量の酸素を供給できる。金属イオン、金属原子及び/又は金属クラスタとして存在するスパッタされたジルコニウム及びイットリウム微粒子は、不活性ガス、とりわけアルゴンのガス流れによって中空陰極構造体から外へ輸送される。これらは中空陰極の外側の調整された酸素反応雰囲気中で完全に酸化される。これは、不活性ガスの流れと関連して酸素の中空陰極内への浸透を大部分回避できるような方法で、酸化剤供給部による酸素供給を使用して行われる。酸化された金属微粒子は、基部本体上に金属酸化物セラミック断熱層として析出する。この酸化は、基部本体表面上への析出の直後起きる場合もあり得る。有利な一具体例では、この陰極構造体は中空陰極構造体として形成され、中空本体は中空本体の内部に付着される陰極材料の担体としての役目を果たす。別の具体例では、この陰極構造体は、陰極材料を構成し又は陰極材料上に製造される少なくとも1つの板形状の要素を含む。
【0027】
この被覆装置の有利な一具体例では、陰極構造体を不活性ガスが貫流することができる。陰極構造体は、陰極材料、とりわけイットリウムなどの安定化剤金属を含有できるジルコニウムから作られる合金を含有し、酸化物セラミック層内のその安定化剤金属の割合は、ジルコニウム酸化物の割合の重量%で3%〜12%、とりわけ3%〜8%の範囲で調整できるように決められる。酸化剤供給部が陰極構造体の外側に陰極材料の酸化のために設けられる。供給源は、陽極、保持装置に面するガス出口開口部及び不活性ガス用のガス入口開口部も含む。とりわけ円形又は長方形の横断面を有する中空本体として設計される陰極構造体では、陰極と陽極との間に直流電圧が生成されることによってグロー放電が発生する。陽極は、例えば棒形状に設計して陰極内に配置され、又はとりわけ陰極を取り囲むハウジングとして設計して外側に配置できる。どちらの場合でも、陰極内で発生するプラズマに起因して、連続的なイオン化が保持されるような大きな電圧降下がプラズマと陰極との間に存在する。このようにすると、ガス入口開口部を通り入る不活性ガスは、中空陰極の内側でイオン化される。このイオン化された不活性ガス原子は、陰極に、擬似イオン爆撃対象になるように接続されている中空陰極の金属表面を叩き、金属表面の少なくとも部分的なスパッタリングに繋がる。この陰極材料は、ジルコニウム原子又はジルコニウム原子クラスタが陰極材料から叩き出される、ジルコニウムから作られる合金を備えることが好ましい。基部本体上に続いて被着される酸化ジルコニウムの所望の安定化に応じて、イットリウムなどの安定化剤金属が陰極材料に混合され、又はそれと合金化される。したがって、この陰極材料は、金属ジルコニウム及びイットリウムのあらかじめ定められた表面比率又は容積比率を有する。
【0028】
この被覆装置の有利な一具体例では、この陰極材料は、とりわけイットリウムなどの安定化剤金属を含むジルコニウムの合金を含有し、酸化物セラミック層内でこの安定化金属酸化物の割合が、ジルコニウム酸化物の割合の重量%で3.0%〜12.0%の範囲に、とりわけ3.0%〜8.0%の範囲に調整可能であるように決められる。ジルコニウムの酸化のために酸化剤供給部を陰極構造体の外側に設けることができる。
【0029】
カバー層の製造のためのこの被覆装置の有利な一具体例では、とりわけカバー層の組成に調整された組成を有する陰極材料が使用される。第1の有利な具体例によれば、この陰極材料は、ランタニド、とりわけガドリニウム及び/又はランタン、及び/又はとりわけイットリウムなどの安定化金属を有するジルコニウムを含有し、この割合比率は、パイロクロリン又はペロブスカイトの成分に設定できるように決められる。
【0030】
第2の有利な具体例によれば、この陰極材料は、ランタニド、とりわけガドリニウム及び/又はランタン、及び/又はとりわけイットリウムなどの安定化金属を有するジルコニウムを含有し、この割合比率は、前記酸化物セラミック・カバー層内で安定化酸化物、とりわけYの添加を有するパイロクロリン及び/又はペロブスカイトの成分に設定できるように決められる。
【0031】
この陰極材料は、電極上の層内又は電極のいずれにも付着させることができ、陰極の陰極材料によって、部品上に1つ又は複数の層、とりわけ酸化物セラミック層、及びカバー層、及び/又は酸化物セラミック・カバー層としてやはり作用することのできる傾斜ジルコニウム層を生じさせることができる。
【0032】
別法として、陰極材料を有する陰極は、各々上記で掲げられた具体例のうちの1つに従って使用できる。次いでこの陰極は、陰極が各層に対して、又は異なる層の組合せに対してその都度適切な陰極材料で使用されるように、被覆手順の過程で変更される。
【0033】
この被覆装置の有利な一具体例では、加熱装置は、基部本体を800℃を超えて、とりわけ約950℃〜1050℃に昇温するように設計される。所望の柱状構造を達成するために、この被覆装置内部の圧力及び温度も、とりわけ基部本体の温度に対応して、調整が行われる。これは加熱装置を使用して、800℃を超える、とりわけ約950℃から1050℃の温度に加熱される。
【0034】
この被覆装置の有利な一具体例では、真空ポンプ装置が、真空密閉可能なチャンバ内に1mbarよりも下の、とりわけ0.3mbar〜0.9mbarの真空を発生させるために設けられる。不活性ガス(プラズマ源)のイオン化のための作用雰囲気及び被覆される部品の分離は、高速ガスフロースパッタリング法を実施するためのこの被覆装置によって達成される。ガスフロースパッタリング法を使用して、100μm/時間までの且つそれ以上の非常に高い被着速度を達成でき、それにより、この方法の使用が工業的な規模で可能になる。従来型のPVD法、とりわけ電子ビームPVD法と比較して、残留ガス圧力(真空圧力、真空システムの所要ポンプ・レベル)、作動圧力及び同様に残りの作用ガスに対する反応ガス(酸素)の比率などの、パラメータ値の別の範囲が与えられる。この方法を実行するための被覆される部品のところの雰囲気は、10−3mbarの残留ガス圧力とでき、残留圧力の上限は10−2mbarの程度にできる。部品のところの、とりわけ被覆装置の主チャンバの領域内での作動圧力は、0.2〜0.9mbarの程度にできる。存在している状態の下ではプラズマ・ガスとして存在するイオン化された不活性ガス、とりわけアルゴンに対する反応ガス(酸素)の比率は、0.01〜0.04の範囲にできる。プラズマ源の雰囲気は、部品の雰囲気から実質的に分離され、部品のところの残留ガス圧力の大きさの程度の残留ガス圧力を有する。ガス流れの作動圧力は、部品のところの作動圧力よりも約0.02mbar高くすることができる。部品のところ、すなわち被覆システムの主チャンバ内の作動圧力は、供給源から出るガスの流れによって必然的に決まる。その結果として、主チャンバと比較して超過圧力が陰極構造体内に存在する。イオン化された不活性ガス(プラズマ・ガス)に対する残留ガス、とりわけ酸素の割合は、1%よりも下であることが好ましい。このようにすると、上記で説明した実施例では中空陰極構造体であるイオン化源は、不安定な動作状態を伴う被覆源(中空陰極)の酸化が全く起きないので、直流電圧動作で駆動することができる。このようにすると、グロー放電の発生が回避され、陰極材料の酸化に起因する光アーク・プラズマ(light arc plasma)の生成も回避される。PVD法、とりわけ電子ビームPVD法を実施するための既知の装置と比較すると、この結果、かなりのより高い残留圧力が可能であり、これは結果として簡易な、より経済的な真空システムになる。柱状断熱層を達成するための既知のプラントの残留ガス圧力は、10−6〜10−5mbarの範囲である。従来型のプロセスでは、作動圧力は、技術的に意味のある上限が0.1mbarよりも小さい10−3〜10−2mbarの範囲であり、したがって、この反応ガス・スパッタリング法で可能な作動圧力よりも明らかに下である。さらに、既知のPVD法では、アルゴン、ヘリウム等などの別の作用ガスに対して10:1以上の高比率の反応ガス(酸素)が必要である。本発明による装置では、且つ本発明による方法では、相当により低い比率しか必要でなく、したがって、作用ガス及び反応ガス用の供給装置は、相当により簡単且つ安価に実施できる。既知のPVD法では、被覆源はそれ以上分離されることなく主チャンバ内に存在し、したがって、保護なしで酸化に曝される。本発明による装置は、このように、高周波発電機又はリアルタイム調節の直流電圧発生器なしで稼動させることができる。これに関連して、均一な加熱、とりわけ基部本体の体積加熱、が存在するように、加熱装置を形成することが好ましい。高い質量濃縮及び大きな部分的体積を有する基部本体上の箇所のところでさえ、基部本体全体に対して均一な成長開始温度に到達させられる。被覆装置の内側の真空(作動圧力)は、1mbarよりも小さく、とりわけ例えば0.5mbarなどの、0.3mbar〜0.9mbarの範囲にあることが好ましい。例えば、ルーツ・ポンプ型式の、単純な設計を有することのできる真空ポンプ装置が、所望の真空に設定するように設けられる。高真空に到達させるためにロータリー・ゲート粗ポンプ及び拡散ポンプも設けなければならない従来型の電子ビームPVD法と比較して、このガスフロースパッタリング法の真空ポンプ装置は、相当により簡単に作ることができる。
【0035】
この被覆装置の有利な一具体例では、保持装置は、移動可能にとりわけ回転可能にジャーナル支承され、それにより、ガス出口開口部に対して、基部本体が、連続して前後に動く移動及び/又は回転ができるようになる。部品のこの被覆装置はとりわけ、例えばタービン翼などの部品の回転軸の周りに配置される複数の供給源によって区別される。それらはシャッター又はプラズマなしのガスの流れによって汚染から保護され、そこではプラズマを交互に発生させることができる。勿論、原則として層のうちの1つを複数の供給源からの同時の被覆による混合物として達成することも可能である。別法として勿論、各々が1つの供給源を有する別個の真空チャンバ間に装填することも行われる。この変形形態は、とりわけ金属ボンディングコート(bondcoat)層として形成できる接合促進層を含む層構造体全体を被覆装置内で生じさせるべき場合、及び汚染の理由で金属含有物を伴う層のための真空動作と酸素供給を伴う真空内の反応動作間の徹底した分離が行われるべき場合に考え得る。この金属ボンディングコート層は、MCrAlY、NiAl、PtNiAl、TiAlの群及びこれらの組合せから構成できる。しかしながら、適切な超合金上のセラミックの直接被覆も行うことができる。EB−PVD断熱層から知られている、いわゆるTBC層(熱遮蔽コーティング(thermal barrier coating))などの、TGO(熱成長酸化物(thermally grown oxide))の反応生成も行わせることができる。保持装置は、部品、とりわけガスタービン翼のできるだけ均一な被覆を達成するために、ガス出口開口部に対する基部本体の移動のために形成される。この保持装置は、それによってその長手方向軸線の周りの部品の連続回転を行わせる回転機構を含むことが好ましい。
【0036】
したがってこの目的は、不活性ガスが実質的に無酸素雰囲気内でイオン化され、このイオン化された不活性ガスが陰極構造体と接触させられ、そこで陰極材料から、とりわけ金属及び/又はセラミック陰極材料から、原子及び/又は原子群が放出され、その際陰極材料から放出された原子及び/又は原子群は、不活性ガスと共に基部本体(1)の方向に運搬され、基部本体に到達する前に基部本体上に被着される金属酸化物及び/又はセラミック化合物が形成するように、或いは金属及び/又はセラミック化合物が基部本体上に被着されるように、或いは金属又はセラミック化合物が被着され、基部本体上で衝突する酸素によって金属酸化物又は酸化物セラミック化合物に酸化されるようにそれらに酸素が付加され、そこでは基部本体はあらかじめ定められた核生成温度800℃を超える、とりわけ950℃〜1050℃の範囲に昇温される、真空状態下で上記で説明した層構造体で基部本体を被覆するための方法が使用されることによって満たされる。
【0037】
真空下で断熱層によって基部本体を被覆するための上記で説明した方法では、不活性ガスが実質的に無酸素雰囲気内でイオン化される。これは、例えば、不活性ガスが中空陰極を介して供給され、この中でイオン化されることによって行われる。不活性ガスのこのイオン化された原子は、金属陰極材料から金属原子又は金属クラスタを取り除き、それらは中空陰極から外へ不活性ガスによって運搬され、中空陰極の外側で酸素によって金属酸化物に酸化される。金属が基部本体上に被着され、そこで衝突酸素によって酸化されることも同様に可能である。金属酸化物は、別の加熱装置によってあらかじめ定められた核生成及び凝縮温度に加熱された基部本体上に被着される。このようにすると、細い柱状微細構造を有する断熱層が金属酸化物から基部本体上に製造され、この平均柱直径は、2.5μmよりも下、とりわけ0.5μm〜2.0μmの範囲にできる。この断熱層は、交互する熱機械的負荷に対してとりわけ良好な抵抗力を有し、高温ガスで負荷を掛けられるタービン翼及び断熱部品などのガスタービン・プラントの部品でとりわけ有利である。
【0038】
既知の電子ビームPVD法とは対照的に、純金属又は主金属の合金及び少なくとも1つの安定化剤金属が、この酸化物セラミック層の製造のために陰極材料として使用される。イットリウム酸化物で部分的に安定化されたジルコニウム酸化物の断熱層が生じるような量及び分布でイットリウムがジルコニウムに加えられる。このイットリウムを有するジルコニウムから作られる合金はこれにとりわけ好ましく適している。言うまでもなく、マグネシウム・ジルコニウム酸化物スピネルなどの、熱的抵抗力の大きい金属酸化物を形成できる他の金属も陰極材料として適している。例えば既知の電子ビームPVD法で使用されるような、金属酸化物から作られる本体の代わりに金属陰極を使用することは、製造される断熱層がかなりより微細に構造化されるという利点を有する。さらに、陰極材料から放出される金属スパッタリング材料の完全反応酸化プロセスによって、不均一な空隙又は異物作用などのセラミック本体内の欠陥に起因する、電子ビームPVD法で起きる可能性のある層欠陥の発生が回避される。さらに、セラミック本体と比較して、この陰極材料はより簡単に且つ最高の純度で製造できる。
【0039】
金属酸化物の断熱層の結合は、断熱層と接合層の間の、例えばMCrAlYの種類の金属合金から作られる均一に成長するアルミニウム酸化物反応層(促進層)の形成を介して行われる。さらに、不活性ガスが貫流する中空陰極構造体を使用する反応ガス・スパッタリング法は、比較的粗い真空中で基部本体上に金属酸化物の十分な被着を伴って行うことができる利点を有する。複雑な電子ビーム偏位及び焦点化機能を伴う既知の電子ビームPVD法と比較すると、この説明した方法は、成長開始温度、真空圧力、酸素分圧、不活性ガスの容積流、中空陰極放電の電力などのプロセス要因の単純な調整又は制御によって区別される。2.5μmより下の平均柱直径を有する構造に到達するのに必要なプロセス因子の計算は、例えば、J.A.ThorntonによるJournal of Vacuum Science Technology,第11巻,1974年,第666頁〜670頁に開示されている層構造のPVD形成用のThornton線図を使用して行われる。基板温度、真空チャンバ・ガス圧力、及び位置変更プロセスの変化の活性化のための層エネルギ容量に基づいた層構造の形成がこれに開示されている。陽極は、ガス入口領域に配置される場合はどんな被覆又は酸化にも曝されないので、摩耗しないか又は陰極材料よりもずっと遅く摩耗するかのいずれかである。とりわけ陽極は中空陰極の内側に配置されるので、したがって、電子又はイオンによる直接爆撃に曝されないため、陽極又は陰極材料などの摩耗部品は小さいままにすることができる。さらに、この陽極は高純度で製造できる。
【0040】
上記で説明した方法によれば、とりわけ反応ガスフロースパッタリング法(HS−PVD)は、真空アーク蒸着法及び/又は中空陰極蒸着法及び/又は低電圧アーク蒸着法及び/又は電子ビーム蒸着法及び/又は、とりわけHF−PVD及び/又はDC−PVD法及び/又はAPS及び/又はLPPS及び/又はTF−LPPS及び/又はVPSなどのPVD法と組み合わせて使用される。
【0041】
PVD(物理蒸着)法は、気相からの被着によって層材料が基板に施工される方法である。この装置で、気相の生成は、蒸着法として真空アーク蒸着法、中空陰極蒸着法、低電圧アーク蒸着法又は電子ビーム蒸着法を含む以下の方法のうちの1つに従って、或いは好ましく使用されるべきHS−PVD法が考慮されるべき反応スパッタリング法としてDC又はHF放電を使用してB.Rother及びJ.Vetter,Leipig,Dt.Verlag Fur Grundstoffindustrie,1992による本、「Plasmabeshuchtungsverfahren und Hartstoff−schichten」(プラズマ被覆方法および硬質材料層)に説明されているように起こる。真空アーク蒸着法では、反応性気化は真空アーク気化器を使用して行われる。陰極材料の蒸気中での真空アーク放電によって、この陰極材料はイオン化され、ガス・チャンバ内に入りそこで被覆されるべき基板上に衝突する。中空陰極気化器(hollow cathode vaporiser)(HKB)では、強力な電子ビームが陰極材料を加熱するためのエネルギ源として役目を果たし、いわゆる擬似中性プラズマ、すなわち各々が同じ電荷密度を有する電子とイオンの混合物が生じる。このプラズマは、気化させるべき被覆材料を含有する外皮で覆われる陽極上に導かれる。この気化した被覆材料は陽極から基板上に導かれる。低電圧アーク気化器では、放電は作用ガスのイオン化電圧より下の燃焼電圧(burning voltage)を有する作用ガス中で行われる。陰極はグロー陰極として形成され、放電通路に沿った熱放出による電子エミッターとして作用する。この方法によって発生する電荷担体は、丁度それらが蒸着プロセス用の電子として使用できるように、スパッタリング法ではイオンとして使用することができる。被覆のための金属蒸気発生のための別の方法は、電子ビーム蒸着法であり、電子ビームは気相放出表面に向かって導かれる。既に数回述べた電子ビームPVD(EB−PVD)法は、これによって理解される。
【0042】
このスパッタリング法では、蒸発原理と異なって液相から自由な微粒子は生じない。したがって、スパッタされる微粒子のエネルギ及びエネルギ分布は、気化される微粒子の対応する値と異なる。固体材料表面を出た後、スパッタされる原子は蒸発微粒子の10〜100倍の運動エネルギを有することができる。蒸発原理と異なる固体材料スパッタリング法の本質的な利点は、合金又は多成分材料もスパッタリングさせ、且つ特定の前提条件の下で層としてそれらを再度被着させる可能性にある。DCスパッタリング法はとりわけ電気的導電性の微粒子のスパッタリングに適している。陰極がターゲットとして役目を果たし、同時にグロー放電を維持するための陰電極になる。基板はもう1つの電極上に配置される。3極スパッタリング法は、追加の電極を使用することによってイオン化される電極の数が増加する変形形態であると見なされる。電場を磁場と重ね合わせることによってイオン化可能性は増加し、それによってターゲット及び基板と独立したプラズマ発生器を得ることができる。ターゲット上に配置される材料はターゲット上に、換言すれば供給源上にプラズマのイオンを加速することによってスパッタリングされる。磁場案内の最適化によって、高速スパッタリング法(HS−PVD)の形態に到達する。HFスパッタリング法は、ターゲットの電気的非導電性微粒子用に使用され、HFは高周波装置を意味する。負の半波中のイオンに対して正の半波中に異なる移動度の電子を利用することによって、高周波放射を使用して電圧ポテンシャルが電極のところに発生させられる。反応性スパッタリング法は、反応成分が不活性ガスに加えられる1つの別の変形形態である。
【0043】
欧州特許出願公開第1260602号明細書又は国際公開第03/087422号パンフレットによるTF−LPPS(薄膜低圧プラズマ溶射(thin film low pressure plasma spraying))と本明細書で開示した多層構造体の生成のための方法を組み合わせた方法も、代替として考え得る。LPPS薄膜プロセスを使用して、従来型のLPPSプラズマ・スプレー法が方法的に改変される。被覆材料は供給ガスによってプラズマ内に粉体形態で注入される。プラズマの強度の空間的な拡張が粉体ビームの「ピンぼけ(defocusing)」に繋がる。この装置では、プラズマの高エンタルピに起因して粉体は雲のように拡散し、溶融し且つ同様に部分的に又は完全に気化する。この被覆材料は基板の広く延びる表面に均一に分布した形態で到達する。層厚さが10μmよりも小さい薄い層が被着し、それは均一分布の結果、厚い被膜を形成する。この薄い層を多数回付着させることによって、特別な特性を有するより厚い被覆を意図的に製造できる。
【0044】
この種の被覆は、機能層として使用できる。原則として様々な部分層を含む機能層は、基板を形成する基部本体上に付着させることができる。例えば、高プロセス温度で動作するガスタービン(固定ガスタービン又は航空機エンジン)用の翼は、基板が高温ガス腐食に対し抵抗性を有するように、第1の層又は複数の層の部分層で被覆される。第1の部分層に対し付着されるセラミック材料から作られる第2の被覆は、断熱層を形成する。この種の断熱層構造体の層構造体を生成させるための方法は、欧州特許公開第1260602号明細書に開示されており、そこでは複数の個々の層(遮蔽層、保護層、断熱層及び/又は平滑化層)は、1つの動作周期で制御可能なプロセス・パラメータの調整量を変更することによって付着させることができる。このプロセス・パラメータは、圧力及び同様にプラズマのエンタルピ、プロセス・ガスの成分及びその被覆材料の成分及び同様にその適用形態である。
【実施例】
【0045】
部品、及び基部本体上に層構造体を製造するための装置及び方法を、図面を使用して説明する実施例によってさらに説明する。
【0046】
反応性ガスフロースパッタリング法を実施するための被覆装置15の原理を示すレイアウトを概略的に且つノンスケールで図1に示す。この被覆装置15は、真空ポンプ装置20を使用して1mbarよりも下の、とりわけ約0.5mbarの真空を生じさせることのできるチャンバ19を有する。丸い円筒状横断面の中空陰極構造体12がチャンバ19の内側に配置される。長手方向軸線に沿って位置合わせされる複数のそのような円筒状中空陰極、又は長方形の横断面を有する直線中空陰極が、大きな部品の被覆のために使用できる。直流電圧供給部21を介して中空陰極12に接続される棒状の陽極14が中空陰極12の内部に配置される。この直流電圧供給部21は、約2Aの放電電流を導く、例えば400V〜800Vの直流電圧を発生させる。この中空陰極12は、中空円筒として形成される、又は例えば中空陰極構造体12の内部壁を満たす個々のプレートから作られる陰極材料13を有する。この中空陰極12は、ガス入口開口部15を有する外側ハウジングを有し、ガス入口開口部15は、図示しないガス供給部に接続され、それを介して不活性ガス22、とりわけアルゴンが中空陰極12内に供給される。外側ハウジング23は、不活性ガスの流れを案内し、反応ガスが中空陰極12内に入ることを阻止し、且つスパッタリングすべきでない陰極電位にある表面、とりわけ図示しない陰極材料13の冷却プレートを遮る役目を果たす。中空陰極12は、ガス入口開口部15の反対側にあるガス出口開口部18を有し、不活性ガス22は陰極材料13と陽極14との間の領域を通って貫流した後そこから外へ流れ出る。酸化剤供給部17が、ガス出口開口部18の測地学的に上方に入口領域を有して配置され、それを通して酸素をハウジング23内に供給できる。この酸化剤供給部17の側地学的に上方に、部品すなわち基部本体1、とりわけガスタービン翼が保持装置11内に保持される。この保持装置11は、追加の電圧供給部を介して中空陰極12に電気的に接続可能である。中空陰極12と保持装置11、すなわち部品1との間に加えることができる直流電圧は、イオン化されたガス原子を使用して部品1の表面清掃の効果をもたらす。この保持装置11は、より詳細に図示されないが、それを使用して部品1のその長手方向軸線周りで連続回転させる駆動装置を有することが望ましい。部品1の側地学的に上方に、加熱装置16が熱輻射及び/又は熱対流を介して部品を加熱するために配置される。この加熱装置16は勿論、要求に応じて部品1のそばで同じ測地学的レベルのところに配置することもできる。構成詳細の全ては、同様に逆にした測地学的配置で、又は水平な配置で配置できる。
【0047】
図2又は図3に示す層構造体の付着のために、部品1は800℃を超える温度に加熱されることが好ましい。不活性ガス22は、ガス入口開口部15を介し中空ガス陰極12内に供給される。これは中空陰極12内に広がる電圧差に起因するグロー放電の形態でイオン化され、イオン化されたガス原子は陰極材料13に衝突する。これは安定化金属、例えばイットリウム、が所定の容積分布で混合されたジルコニウムなどの純金属であることが好ましい。金属原子及び/又は金属クラスタは、イオン化された不活性ガス原子によって陰極材料13から放出され、不活性ガス22の流れの中で部品1の方向に輸送される。金属原子の完全な酸化、とりわけジルコニウム酸化物及びイットリウム酸化物への酸化は、酸化剤供給部17を介して供給される酸素を使用して行われる。部品1への接続通路が開いているとき、これらは部品1の基部本体2上に部分安定化金属酸化物セラミック断熱層4の形態で析出する。部品1の均一な被覆は、部品1をその長手方向軸線25の周りで回転させることによって生じる。金属酸化物の基部本体1上への熱的に安定な化学結合は、基部本体1に付着された、前述の材料のうちの1つから作られる金属接合促進層2によって、且つその上に成長する前述の材料のうちの1つのTGO層2によって生じる。
【0048】
この金属酸化物の被着は、微細構造の柱状構造を有する断熱層の形態で起きる。形成されたセラミック柱は、大部分は基部本体1の表面に対して垂直に整列しており、平均で5μmよりも下の、とりわけ実験を用いて示すことが可能であるとおり、0.5μm〜3.0μmの柱直径を有する。1000℃を超えるまでの温度差を伴う交互する熱的負荷に対するこの断熱層4のとりわけ高い抵抗性は、小さな柱直径を有するこの微細構造柱状構造によって達成される。
【0049】
カバー層5がこの断熱層に続いて、酸化物セラミック層として形成される。
【0050】
このように、本発明は、簡単に制御可能な且つ調整可能な方法によって金属基部本体上に熱的に安定な断熱層が被着されるという事実によって区別される。1つ又は複数の中間層を介して熱機械的に安定な方法で金属基部本体上に結合されるこの断熱層は、5.0μmより下の平均柱直径を有する微細構造の柱状構造を有する。何よりも、交互の熱的負荷に対するこの断熱層の高い抵抗性がこの方法で達成され、その結果、高温ガスに曝されるガスタービン・プラントの部品、とりわけガスタービン翼及び燃焼チャンバ・ライニングなどの熱的に高度に応力の掛かる部品への使用にとりわけ適している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1a】断熱層被覆のための装置内に配置される部品を上から見た図。
【図1b】断熱層被覆のための装置内に配置される部品の側面図。
【図2】第1の実施例による部品の長手方向断面図。
【図3】別の実施例による部品の長手方向断面図。
【符号の説明】
【0052】
1 基部本体
2 接合促進層
3 TGO層
4 酸化物セラミック層
5 カバー層
6 ジルコニウム酸化物層
10 被覆装置
11 保持装置
12 陰極構造体
13 陰極材料
15 ガス入口開口部
16 加熱装置
17 酸化剤供給部
18 ガス出口開口部
20 真空ポンプ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのニッケル基合金及び/又はコバルト基合金を含む基部本体(1)、とりわけ金属基部本体と、前記基部本体(1)上に直接配置される層構造体とを含む部品において、該層構造体が、
接合促進層(2)と、
前記接合促進層(2)上に配置されるTGO層(3)、とりわけ低速で成長したアルミニウム酸化物層及び/又はクロム酸化物層と、
前記TGO層上に直接配置される少なくとも1つの酸化物セラミック層(4)と、
前記酸化物セラミック層(4)上に配置されるAパイロクロリンから作られるカバー層(5)であって、ここで、Aは好ましくはランタニド、とりわけガドリニウムを含み、Eは好ましくはジルコニウムであり、とりわけランタン・ジルコン酸塩及び/又はペロブスカイト相であるカバー層(5)とを含み、
前記酸化物セラミック層(4)及びカバー層(5)の層厚さが合計で50μm〜2mm、とりわけ合計で100μm〜500μmであることを特徴とする部品。
【請求項2】
前記酸化物セラミック層(4)が、ジルコニウム酸化物層、とりわけ傾斜ジルコニウム酸化物層(6)を含み、および/又は
前記酸化物セラミック層(4)が、とりわけイットリウム酸化物及び/又はイットリウム酸化物によって部分的に安定化された形態で存在するジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、又は前記2つの成分の混合酸化物などの安定化剤を含有する、請求項1に記載された部品。
【請求項3】
前記接合促進層(2)が、とりわけMCrAlY合金を含む金属又は金属間接合促進層として形成され、ここで、Mが鉄、コバルト、ニッケルのうちの少なくとも1つの元素を表し、Crはクロムを表し、Alはアルミニウムを表し、Yはイットリウムを表し、および/又は
前記接合促進層(2)が、希土類、ハフニウム、タンタル、シリコンのうちの少なくとも1つの元素、及び/又は、金属アルミナイドを含み、ここで、金属アルミナイドがNiAl、CoAl、TiAl、NiCrAl、CoCrAlであり、PtMAlでもあり、ここでMはFe、Ni、Co、Crの元素又はそれらの組合せを含み、とりわけPtNiAl、PtNiCrAlである、請求項1または請求項2に記載された部品。
【請求項4】
好ましくは5〜50μmの範囲の厚さを有する第1の酸化物セラミック層(4)が設けられ、好ましくは5〜50μmの範囲の厚さを有する第1のカバー層も設けられ、別の酸化物セラミック層(4)及び/又は別のカバー層(5)のうちの少なくとも1つの別の層系列も設けられる、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された部品。
【請求項5】
前記酸化物セラミック層(4)が2.5μmよりも小さい、とりわけ0.5μm〜2.0μmの柱直径を有するセラミック柱(5)を有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された部品。
【請求項6】
前記酸化物セラミック層(4)が2.5μm〜50μmの範囲の柱直径を有するセラミック柱(5)を有する、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された部品。
【請求項7】
前記部品が、とりわけガスタービンの案内静翼又はロータ翼などのタービン翼として、或いは高温ガスが作用するガスタービンの部品、とりわけ遮熱材として形成される、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された部品。
【請求項8】
請求項1に記載された層構造体で基部本体(1)を被覆するための被覆装置(10)であって、
a)密閉可能なチャンバ内で基部本体(1)を位置決めするための保持装置(11)と、
b)前記チャンバ内に真空を発生させるための真空発生装置と、
c)利用可能な被覆可能層材料を作るための少なくとも1つの供給源であって、とりわけ陰極構造体(12)として形成される供給源と、
d)前記基部本体(1)の昇温のための追加の別個の加熱装置(16)とを含む、被覆装置(10)において、
不活性ガス流れを使用して層材料が前記供給源から前記部品まで輸送されることができるように、前記供給源が配置および設計されていることを特徴とする被覆装置(10)。
【請求項9】
前記陰極構造体(12)を不活性ガスが貫流することができ、
陰極材料(13)はスパッタされることができ、該陰極材料はジルコニウム、及びとりわけ例えばイットリウムなどの安定化金属からも作られる合金を含有し、
前記安定化金属の割合は、前記酸化物セラミック層(4)内で安定化金属酸化物の割合がジルコニウム酸化物の割合の重量%で3.0%〜12.0%の範囲に、とりわけ3.0%〜8.0%の範囲に調整可能であるように決められ、
前記陰極構造体(12)の外側に前記スパッタされた陰極材料の酸化のための酸化剤供給部(17)が設けられ、前記供給源が、陽極(14)と、前記保持装置(11)に面するガス出口開口部(18)と、不活性ガス用のガス入口開口部(15)とを有する、請求項8に記載された被覆装置。
【請求項10】
前記陰極材料(13)が、とりわけイットリウムなどの安定化金属を有するジルコニウムの合金を含有し、
前記安定化金属の割合が、前記酸化物セラミック層(4)内で安定化金属酸化物の割合がジルコニウム酸化物の割合の重量%で3.0%〜12.0%の範囲に、とりわけ3.0%〜8.0%の範囲に調整可能であるように決められ、
前記中空陰極構造体(12)の外側に前記ジルコニウムの酸化のための酸化剤供給部(17)が設けられている、請求項8又は請求項9に記載された被覆装置(10)。
【請求項11】
前記陰極材料が、ランタニド、とりわけガドリニウム及び/又はランタン、及び/又はジルコニウムを含有し、この割合比率が、パイロクロリン及び/又はペロブスカイトの成分が前記酸化物セラミック・カバー層(5)内に設定できるように決められる、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載された被覆装置。
【請求項12】
前記陰極材料がランタニド、とりわけガドリニウム及び/又はランタン、及び/又はとりわけイットリウムなどの安定化金属を有するジルコニウムを含有し、この割合比率が、安定化酸化物、とりわけYの添加を有するパイロクロリン又はペロブスカイトの成分が前記酸化物セラミック・カバー層(5)内で設定できるように決められる、請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載された被覆装置(10)。
【請求項13】
前記加熱装置(16)が、前記基部本体(1)を、800℃を超えて、とりわけ約950℃〜約1050℃に昇温するように設計される、請求項8から請求項12までのいずれか1項に記載された被覆装置(10)。
【請求項14】
真空ポンプ装置(20)が、真空密閉されるロック可能なチャンバ内に1mbarよりも下の、とりわけ0.3mbar〜0.9mbarの真空を発生させるために設けられる、請求項8から請求項13までのいずれか1項に記載された被覆装置(10)。
【請求項15】
前記保持装置(11)が、移動可能に、とりわけ回転可能に支持され、それにより、ガス出口開口部(18)に対する前記基部本体(1)の連続した前後移動及び/又は回転が可能になっている、請求項8から請求項14までのいずれか1項に記載された被覆装置(10)。
【請求項16】
真空状態下で請求項1に記載された層構造体で基部本体(1)を被覆する方法において、
不活性ガスが実質的に無酸素雰囲気中でイオン化され、前記不活性ガスが陰極材料と接触させられ、
イオン化された不活性ガスが、陰極材料、とりわけ金属及び/又はセラミック陰極材料から原子及び/又は原子群を放出させ、
その後、前記陰極材料から放出された前記原子及び/又は原子群が、前記不活性ガスと共に前記基部本体(1)の方向に運ばれ、金属及び/又はセラミック化合物が前記基部本体(1)上に被着され、前記基部本体(1)が800℃を超える、とりわけ950℃〜1050℃の範囲の予め定められた核生成温度まで昇温される、被覆方法。
【請求項17】
前記基部本体(1)に到達する前に前記原子及び/又は原子群に酸素が加えられて、前記基部本体(1)上に被着される金属酸化物及び/又は酸化物セラミック化合物が形成され、前記基部本体(1)上に被着され、又は
金属及び/又はセラミック化合物が前記基部本体(1)上に被着され、前記基部本体上で入射した酸素によって金属酸化物又は酸化物セラミック化合物に酸化される、請求項16に記載された被覆方法。
【請求項18】
とりわけ、反応ガスフロースパッタリング法及び/又は真空アーク蒸着法及び/又は中空陰極蒸着法及び/又は低電圧アーク蒸着法及び/又は電子ビーム蒸着法及び/又は、とりわけHF−PVD及び/又はDC−PCD法及び/又はAPS及び/又はLPPS及び/又はTF−LPPS及び/又はVSP法などのPVD法と組み合わせた反応ガスフロースパッタリング法が使用される、請求項16に記載された被覆方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−217795(P2007−217795A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34234(P2007−34234)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(500063790)ズルツァー・メットコ・アクチェンゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】Sulzer Metco AG
【Fターム(参考)】