説明

層高レベル検知装置及び工業炉

【課題】工業炉内の熱の影響を抑えると共に、ダスト等が付着することによる検知精度への影響を抑えることのできる層高レベル検知装置及び工業炉を提供する。
【解決手段】工業炉内の層高レベルをマイクロ波を用いて検知する層高レベル検知装置において、炉1内にマイクロ波を発信する発信部と、反射マイクロ波を受信する受信部と、を有するマイクロ波レベル検知計32と、前記発信部及び受信部を炉内空間から隔てるセラミック系繊維フィルタ35と、前記セラミック系繊維フィルタにパルスガスを供給するガス供給装置5と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層高レベル検知装置及び工業炉に関し、特に、工業炉内の層高レベルをマイクロ波を用いて検知する層高レベル検知装置及び前記層高レベル検知装置を備えた工業炉に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用に使用される炉(工業炉)の一つとして、例えば一般廃棄物や産業廃棄物などの廃棄物を処理するために、廃棄物をガス化溶融して処理する廃棄物溶融炉がある。廃棄物溶融炉には、炉内における廃棄物の量を把握するための層高レベル検知装置が設けられており、この装置で検知する層高状況に応じて操業を行っている。
【0003】
マイクロ波を利用したレベル検知計は、技術分野を問わず広く採用されている非接触式のレベル検知計である。しかし、廃棄物溶融炉にそのまま設置すると、炉内を上昇する高温ガスの熱によって損傷等が起こり易いので、熱の影響を抑えるための保護対策が必要である。また、前記ガスに同伴するダスト,油分,水分など(以下、「ダスト等」と称する)が付着することによる検知精度への影響を抑えるための対策も必要である。
【0004】
特許文献1には、図3及び図4に示すように、廃棄物溶融炉1のシャフトの上部に設けられる層高レベル検知装置2が開示されている。この特許文献1に開示されている層高レベル検知装置2は、廃棄物溶融炉1に固定配置される筒状体21の上部にマイクロ波レベル検知計22を設け、マイクロ波を送受信するアンテナ23を筒状体21の内部に収容した構造である。そして、高温ガスやダスト等の影響を抑える保護対策として、筒状体21の下部に通気性を有する多孔質セラミック板24を設けると共に、多孔質セラミック板24で仕切られた筒状体21の内部領域が炉内圧よりも高圧となるようにパージガスを吹き込む構成である。
【0005】
しかしながら、筒状体21のパージを行っても、多孔質セラミック板24の炉内側表面にダスト等が付着することを完全に防止することは難しい。ダスト等が多孔質セラミック板24の表面に付着すると、このダスト等にマイクロ波が反射して、安定した検知が行えない場合がある。そのため、多孔質セラミック板24を取り替えるか、或いは付着したダスト等を取り除く清掃作業が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3817086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すなわち、本発明は、一例として挙げた上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、工業炉内の熱の影響を抑えると共に、ダスト等が付着することによる検知精度への影響を抑えることのできる層高レベル検知装置及び工業炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る層高レベル検知装置は、工業炉内の層高レベルをマイクロ波を用いて検知する層高レベル検知装置において、炉内にマイクロ波を発信する発信部と、反射マイクロ波を受信する受信部と、を有するマイクロ波レベル検知計と、前記発信部及び受信部を炉内空間から隔てるセラミック系繊維フィルタと、前記セラミック系繊維フィルタにパルスガスを供給するガス供給装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
好ましい一例として、前記層高レベル検知装置は、マイクロ波を発信及び/又は受信するアンテナが収容される第1の筒状体と、前記第1の筒状体の下部に連結され、前記パルスガスの導入口と、パージガスの導入口を有する第2の筒状体と、を備えており、前記セラミック系繊維フィルタは、前記第2の筒状体の下面開口部を覆うように配置することができる。
【0010】
他の好ましい一例として、マイクロ波を発信及び/又は受信するアンテナを、例えばコーン形状,お椀形状,円筒或いは矩形状などに形成し、このアンテナの内部空間の全部又は一部が炉内空間から隔てられるようにセラミック系繊維フィルタを配置することができる。この場合、例えばマイクロ波を発信及び/又は受信するアンテナの先端開口部を覆うように配置することができる。そして、炉内空間と隔てられたアンテナの内部空間に、前記ガス供給装置からのパルスガスと、パージガスの両方を供給することが好ましい。
【0011】
さらに、ガス供給装置は、炉内空間と隔てられたアンテナの内部空間にパージガスを供給する装置を兼用しており、少なくとも炉内圧力よりも高い圧力でパージガスを連続供給すると共に、間欠的にガスの圧力及び/又は流量を変動させてパルスガスを発生させるパルスガスバルブをさらに有する構成であることが好ましい。
【0012】
前記セラミック系繊維フィルタとしては、比抵抗が10(ohm−cm)以上、とりわけ10(ohm−cm)以上のものが好ましく、且つ、耐熱温度が300℃以上のものが好ましい。そのようなセラミック系繊維フィルタとしては、例えばシリコン、チタン又はジルコニウム、炭素、酸素からなるセラミックス連続繊維で形成された布状のフィルタを一例として挙げることができる。
【0013】
本発明の工業炉は、上記した層高レベル検知装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マイクロ波レベル検知計の発信器及び受信器を炉内空間から隔てるように耐熱性を有するセラミック系繊維フィルタを配置し、このセラミック系繊維フィルタにパルスガスを供給する構成としたことにより、内外面の内圧差やパルス圧力によるセラミック系繊維フィルタの変形能によって、表面に付着したダスト等を自動的に払い落すことが可能となる。その結果、ダスト等が付着することによる検知精度への影響も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に従う層高レベル検知装置を示す。
【図2】本発明の第2実施形態に従う層高レベル検知装置を示す。
【図3】従来の層高レベル検知装置を示す。
【図4】層高レベル検知装置を廃棄物溶融炉の上部に配置した一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態による層高レベル検知装置について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の好ましい実施形態に従う層高レベル検知装置3を、例えば図4に示したように廃棄物溶融炉1の上部に配置した例である。図1に示すように、層高レベル検知装置3は、炉本体の上部に形成されたノズル10に、仕切り弁4などの開閉装置を介して脱着可能に連結されたアンテナ収容体としての第1の筒状体31Aと、パージガス及びパルスガスが導入される導入口を有する第2の筒状体31Bを備えている。マイクロ波レベル検知計(本体)32は、第1の筒状体31Aの上部側にフランジ33によって脱着可能に設けられている。一方、マイクロ波レベル検知計32のアンテナ34は、第1の筒状体31Aの内部に収容されている。本実施形態の構成においては、マイクロ波を送受信するアンテナ34が、マイクロ波の発信部と受信部に相当する。
【0018】
なお、仕切り弁4は、例えばマイクロ波レベル検知計の保守作業を行う際にハンドル41によって開閉するものであり、通常は弁を開いた状態にしている。また、図1では、マイクロ波レベル検知計や仕切り弁を脱着可能にする構造としてフランジとボルト・ナットを用いているが、これに限定されることはない。
【0019】
マイクロ波レベル検知計(本体)32は、マイクロ波を発生してアンテナ34に伝送する発信器、炉内にある廃棄物群の上面(すなわち、層高レベル)に反射したマイクロ波をアンテナ34から受信する受信器、及び発信及び受信したマイクロ波から例えば減衰量に基づいて層高レベルを演算により求める演算器(例えば、演算回路など)を有する。但し、例えば廃棄物溶融炉1の全体動作を制御する制御部で層高レベルを求める構成とすることで、マイクロ波レベル検知計(本体)32から演算器を省略することもできる。
【0020】
アンテナ34は、例えば先端に向かうにつれて径が拡大するコーン形状に形成されている。このとき、図1に示されるように、アンテナ34の先端の外径が第1の筒状体31Aの内径と略同一になるように設定することが好ましい。さらに、アンテナ34の先端と第1の筒状体31Aとの隙間をなくすためのシール部材を設けるようにしてもよい。
【0021】
第2の筒状体31Bの下面側には、当該筒状体31Bの内部空間と炉内空間とを仕切るセラミック系繊維フィルタ35が設けられている。すなわち、セラミック系繊維フィルタ35によって、アンテナ34が炉内空間から隔てられた構造となっている。セラミック系繊維フィルタ35は、一例として、第2の筒状体31Bのフランジと仕切り弁4のフランジによる挟み込みによって固定することができる。セラミック系繊維フィルタ35は、例えばシリコン,チタン又はジルコニウム,炭素,酸素から成るセラミックス連続繊維で形成された布状であることが好ましい。
【0022】
セラミック系繊維フィルタ35の場合、比抵抗は10(ohm−cm)以上、とりわけ10(ohm−cm)以上であることが望ましい。比抵抗が10(ohm−cm)よりも低い場合、当該繊維フィルタ35を通過するマイクロ波が反射してしまい、検知精度が低下することがあるからである。比抵抗が10(ohm−cm)以上あればこの反射を防止することができるが、とりわけ比抵抗が10(ohm−cm)以上であれば反射を極小化することができる。さらに、炉内を上昇する高温ガスの影響を抑えるために、耐熱温度が300℃以上の耐熱性を有するものを用いることが好ましい。
【0023】
さらに、本実施形態に従う層高レベル検知装置3は、セラミック系繊維フィルタ35によって炉内空間と隔てられた第2の筒状体31Bの内部空間に、パージガス及びパルスガスをそれぞれ供給するガス供給装置5を備えている。パージガスの供給系統は、例えば窒素ガス等の不活性ガスの供給源(不図示)と接続されたガス供給管51を通じて連続パージを行う。一方、パルスガスの供給系統は、例えば窒素ガス等の不活性ガスの供給源(不図示)と接続されたガス供給管52に、パルスガスを発生させるためのパルスガスバルブ53及びブラスタタンク54が連結された構成である。
【0024】
パージガスの供給系統は、アンテナ34の内部空間が炉内圧力よりも高い圧力でパージされるように不活性ガスを連続供給する。一方、パルスガスの供給系統は、時折、間欠的にパルスガスを発生するように動作が制御される。例えば、パルスガスバルブ53の弁体を開閉させることによって、ガスの圧力及び/又は流量を変動させてパルスガスを発生させることができる。この場合、バルブ自体の種類や形状等は限定されることはなく、自動で開閉動作を制御可能な一般的なバルブを用いることができる。さらに、開閉動作は、例えば現場に配置される制御盤によって自動又は手動で制御される。これに限られず、廃棄物溶融炉1の全体動作を制御する制御部で行うこともできる。制御部は、例えばCPUを有するコンピュータによって構成することができ、パルスガスを発生させるタイミングなどの情報をメモリ等に格納しておくこともできる。
【0025】
前記パルスガスを発生させるタイミングとしては、例えば予め決めた所定の周期(例えば、1時間毎など)で定期的に発生させるようにしてもよく、或いは検知信号の乱れ(ノイズなど)が予め決めた閾値以上になったときに発生させるようにしてもよい。さらには、これら両方を組み合わせた制御を行ってもよい。
【0026】
ガス供給装置5は、上記したように、パルスガスの供給系統と、パージガスの供給系統を別々にした2系統で構成することが好ましい。しかしながら、これに限定されることはなく、一系統で構成してもよい。
【0027】
上述の構成を有する本実施形態の層高レベル検知装置3においては、マイクロ波を送受信して廃棄物の層高レベルを検知すると共に、少なくともアンテナ34の内部空間が炉内圧力よりも高い圧力となるように不活性ガスを供給してパージする。パージされたガスは、セラミック系繊維フィルタ35の繊維の隙間を通じて、概ね面内均一に炉内に向かって流出する。従って、この流出分を補ってアンテナ34の内部空間が一定の圧力で維持されるように、ガス供給装置5はパージガスを連続して供給する。
【0028】
パージガスを供給することによって、セラミック繊維フィルタ35の表面にダスト等が付着することを防止することができる。しかしながら、背景技術の欄にも記載したように、ダスト等の付着を完全に防止することは困難であり、炉の運転条件や稼働時間などによってダスト・タール等が付着する場合がある。そこで、本実施形態においては、間欠的にパルスガスを発生させてセラミック系繊維フィルタ35に供給するようにする。従来のような硬質のセラミック板(24)とは異なり、セラミック系繊維フィルタ35は内外面の内圧差やパルス圧力による変形能を有するため、表面に付着していたダスト等を払い落すことが可能となる。しかも、パルス方式にすることによってマイクロ波のノイズとなることが防止される。
【0029】
以上のように、本実施形態に従う層高レベル検知装置3によれば、マイクロ波を送受信するアンテナ34を炉内空間から隔てる部材に耐熱性を有するセラミック系繊維フィルタ35を採用し、且つ、セラミック系繊維フィルタ35にパルスガスを供給するガス供給装置5を備えた構成としたことにより、内外面の内圧差やパルス圧力による変形能によって表面に付着したダスト等を自動的に払い落すことが可能となる。その結果、熱の影響を抑制することができ、且つ、ダスト等が付着することによる検知精度への影響も抑制することができる。従って、長期に渡って安定した層高レベルの検知を行うことが可能となる。
【0030】
このように、本実施形態に従う層高レベル検知装置3は、ダスト等を自動で払い落すことができるので、当該繊維フィルタ35の交換や清掃などの保守作業を行う周期を格段に伸ばすことが可能となり、その分において作業員の負担などを軽減させることできる。
【0031】
さらに、本実施形態によれば、連続パージガス及びパルスガスが供給される導入口を有する第2の筒状体31Bを設けた構成としたことにより、導入口の口径を大きくしてブラスタ効果を高めることができ、ダスト等の払い落し効果を高めることができる。なお、本実施形態では第1の筒状体31Aと第2の筒状体を備えた構成としたが、これに限定されることはなく、一つの筒状体で構成してもよい。
【0032】
(第2実施形態)
本実施形態は、図2に示すように、セラミック系繊維フィルタ35の配置位置をアンテナ34の先端にした第1実施形態の変形例である。従って、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
本実施形態のセラミック系繊維フィルタ35は、アンテナ34の先端開口部を覆うように設けられている。これにより、アンテナ34の内部空間と炉内空間とがセラミック系繊維フィルタ35によって隔てられた構造となっている。セラミック系繊維フィルタ35は、一例として、アンテナ34の先端に設けたフランジ(不図示)による挟み込みによって固定することができる。
【0034】
ガス供給装置5は、セラミック系繊維フィルタ35によって炉内空間と隔てられたアンテナ34の内部空間にパージガス及びパルスガスを供給する。そのため、第2の筒状体31Bが省略され、アンテナ内部空間まで連通するガス供給路55が第1の筒状体31Aの上部に位置するフランジ33の内部に形成されている。
【0035】
上述の第2実施形態においても、セラミック系繊維フィルタ35は内外面の内圧差やパルス圧力による変形能を有するため、表面に付着していたダスト等を払い落すことが可能であり、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】
さらに、セラミック系繊維フィルタ35を採用したことにより、当該繊維フィルタ35をアンテナ34に容易に取り付けることが可能であり、これによりマイクロ波レベル検知計と一体的に当該繊維フィルタの取り付け及び取り外しを行える利点がある。但し、セラミック系繊維フィルタ35の設置場所がアンテナ34のみに限定されることはなく、例えば図1と図2の両方に設置するようにしてもよい。
【0037】
さらに、セラミック系繊維フィルタ35をアンテナ34の前面に配置するようにしたことによって、パージする範囲(すなわち、容積)を小さくすることができ、さらにアンテナ34の内部からのパージによって当該繊維フィルタ35の表面を均一にパージすることが可能である。
【0038】
なお、上述の実施形態ではコーン形状のアンテナ34を一例として示したが、この形状に限定されることはなく、例えばお椀形状、円筒状、矩形状などの形状であってもよい。この場合、アンテナ34を収容する筒状体(すなわち、アンテナ収容体)の形状も、アンテナの形状に適合する形状とすることができる。
【0039】
さらに、層高レベル検知装置3を設置位置は、図4に示したような炉の上部に限定されることはなく、炉の側面などに設置してもよい。この場合、例えばマイクロ波の発信用と受信用の2つのアンテナを、炉の側面の互いに対向する位置に配置するようにしてもよい。さらに、必ずしも演算等によって層高レベルを求めることまで行わなくともよく、例えば廃棄物が予め決めた一定の高さまで堆積しているか否かを検知するだけでもよい。
【0040】
さらに、上述の層高レベル検知装置が設置されるのは廃棄物溶融炉に限定されることはなく、公知の種々の工業炉に設置されて、炉内の投入物などの層高レベルを検知可能であることは言うまでもない。
【0041】
以上のように、工業炉内の層高レベルをマイクロ波を用いて検知する層高レベル検知装置において、炉内にマイクロ波を発信する発信部と、反射マイクロ波を受信する受信部と、を有するマイクロ波レベル検知計と、前記発信部及び受信部を炉内空間から隔てるセラミック系繊維フィルタと、前記セラミック系繊維フィルタにパルスガスを供給するガス供給装置と、を備えた構成とすることにより、炉内の熱の影響を抑えると共に、ダスト等が付着することによる検知精度への影響を抑えることができる。
【0042】
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0043】
1 廃棄物溶融炉
3 層高レベル検知装置
31A 第1の筒状体(アンテナ収容体)
31B 第2の筒状体
32 マイクロ波レベル検知計
34 アンテナ
35 セラミック系繊維フィルタ
5 ガス供給装置
53 パルスガスバルブ
54 ブラスタタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業炉内の層高レベルをマイクロ波を用いて検知する層高レベル検知装置において、
炉内にマイクロ波を発信する発信部と、反射マイクロ波を受信する受信部と、を有するマイクロ波レベル検知計と、
前記発信部及び受信部を炉内空間から隔てるセラミック系繊維フィルタと、
前記セラミック系繊維フィルタにパルスガスを供給するガス供給装置と、を備えたことを特徴とする層高レベル検知装置。
【請求項2】
前記セラミック系繊維フィルタは、前記マイクロ波を発信及び/又は受信するアンテナの内部空間を炉内空間から隔てる位置に設置していることを特徴とする請求項1に記載の層高レベル検知装置。
【請求項3】
前記アンテナが収容される第1の筒状体と、
前記第1の筒状体の下部に連結され、前記パルスガスの導入口と、パージガスの導入口を有する第2の筒状体と、を備え、
前記セラミック系繊維フィルタは、前記第2の筒状体の下面開口部を覆うように配置していることを特徴とする請求項2に記載の層高レベル検知装置。
【請求項4】
前記セラミック系繊維フィルタは、前記マイクロ波を発信及び/又は受信するアンテナの先端開口部を覆うように配置していることを特徴とする請求項2に記載の層高レベル検知装置。
【請求項5】
前記ガス供給装置は、前記セラミック系繊維フィルタによって炉内空間と隔てたアンテナ内部空間に、前記パルスガスを供給するパルスガス供給路と、パージガスを供給するパージガス供給路を有することを特徴とする請求項4に記載の層高レベル検知装置。
【請求項6】
前記ガス供給装置は、間欠的にガスの圧力及び/又は流量を変動させてパルスガスを発生させるパルスガスバルブをさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の層高レベル検知装置。
【請求項7】
前記セラミック系繊維フィルタは、比抵抗が10(ohm−cm)以上、耐熱温度が300℃以上のものを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の層高レベル検知装置。
【請求項8】
前記セラミック系繊維フィルタは、シリコン、チタン又はジルコニウム、炭素、酸素からなるセラミックス連続繊維で形成された布状のフィルタであることを特徴とする請求項7に記載の層高レベル検知装置。
【請求項9】
前記請求項1〜8のいずれか1項に記載した層高レベル検知装置を有することを特徴とする工業炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−21910(P2011−21910A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164942(P2009−164942)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】