説明

履修支援装置

【課題】講義等を実施する場合において、単位等の取得のために受講すべき講義を受講者に対して報知することのできる技術を提供する。
【解決手段】サーバ装置1の講義要素データベースには、1又は複数の講義要素で構成される講義について、各講義に含まれる講義要素を示す講義要素データの集合が、講義を識別する講義IDに対応付けて記憶されている。また、科目データベースには、科目の単位取得に必要な講義要素を示す講義要素データの集合が、科目を識別する科目IDに対応付けて記憶されている。サーバ装置1の制御部は、取得した科目IDに対応する講義要素データを科目データベースから読み出し、講義要素データベースを参照して、少なくとも読み出した講義要素データの示す講義要素が全て含まれるような講義の集合を講義グループとして1又は複数生成する。制御部は、生成した講義グループを示すデータを端末2に配信することによって受講者に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履修支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを介して講義を行うシステムが知られている。このようなシステムにおいては、複数の講義を受講することによって単位を取得したり、また、複数の単位を取得することによって学士資格等の各種の資格を得たりすることができるものもある。このようなシステムによれば、受講者は、決められた時間や決められたカリキュラムに縛られることなく、自身の都合のよい時間に、所望する講義を受講することができる。また、特許文献1には、ネットワークを用いた講義システムにおいて、ダイビング講習過程の中で、ダイバとしての基礎知識の取得を目的とする講義過程において十分かつ必要な講義学習を実現するためのダイビング講習システムが提案されている。
【特許文献1】特開2002−341739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、講義システムによって提供される講義の数が多い場合には、或る科目の単位や資格等を取得するための講義の組み合わせとして、複数の組み合わせが認められる場合があり得る。このような場合、受講者は、自身が所望する科目の単位や資格等を取得するためにどのような組み合わせで講義を受講すればよいかを、受講者自身で思索する必要がある。講義や科目の数が多くなればなるほど、その組み合わせの数は多くなるから、受講者が単位取得のために思索すべき内容はより複雑なものとなる。
本発明は上述した背景の下になされたものであり、講義等(講義及びこれに類するもの)を実施する場合において、単位等の取得のために受講すべき講義を受講者に対して報知することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、1又は複数の講義要素で構成される講義について、各講義に含まれる講義要素を示す講義要素データの集合を、前記講義を識別する講義識別データに対応付けて記憶する講義データ記憶手段と、科目の単位取得に必要な講義要素を示す講義要素データの集合を、前記科目を識別する科目識別データに対応付けて記憶する科目データ記憶手段と、科目を示す科目データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された科目データに対応する講義要素データを前記科目データ記憶手段から読み出し、前記講義データ記憶手段を参照して、少なくとも該読み出した講義要素データの示す講義要素が含まれるような講義の集合を講義グループとして1又は複数生成する講義グループ生成手段と、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを示す講義グループデータを出力する講義グループデータ出力手段とを具備することを特徴とする。
【0005】
本発明の好ましい態様において、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを解析し、解析結果に応じて該生成された講義グループを順位付けする順位付け手段と、前記順位付け手段による順位付け結果を示す順位付けデータを出力する順位付けデータ出力手段とを具備してもよい。
【0006】
本発明の更に好ましい態様において、前記講義の受講履歴と該講義の属性を示す受講履歴データを記憶する受講履歴データ記憶手段を具備し、前記講義データ記憶手段は、前記講義要素データの集合を、講義の属性を示す属性タグが付与された講義識別データに対応付けて記憶し、前記順位付け手段は、前記受講履歴データ記憶手段に記憶された受講履歴データの示す講義を属性毎に統計し、統計結果に応じて前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを順位付けしてもよい。
【0007】
本発明の別の好ましい態様において、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループのそれぞれについて、所定のアルゴリズムに基づいて受講効率を算出する受講効率算出手段を具備し、前記順位付け手段は、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを、前記受講効率算出手段により算出された受講効率に従って順位付けしてもよい。
【0008】
本発明の別の好ましい態様において、受講者の講義毎の到達度を示す到達度データを取得する到達度データ取得手段を具備し、前記順位付け手段は、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを、前記到達度データ取得手段により取得された到達度データに基づいて順位付けしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、講義等を実施する場合において、単位等の取得のために受講すべき講義を受講者に対して報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<A:構成>
図1は、本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図である。図において、サーバ装置1は、端末2に対して講義を表す講義データを配信するとともに、複数の講義をどのように組み合わせて受講すれば科目等の単位を取得できるかを算出する装置である。端末2は、サーバ装置1と相互に通信可能な装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。なお、端末2としては、パーソナルコンピュータに限定することなく、後述する動作を実行可能な種々の通信装置を採用し得る。端末2は、本システムにおいて講義を受講するユーザが使用する通信装置である。端末2を使用するユーザのことを、以下では「受講者」という。受講者は、本システムにおいては複数であり、各々の端末2を用いて講義を受講する。ネットワーク3は、サーバ装置1及び端末2を通信可能にするネットワークであり、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)である。なお、ネットワーク3は、サーバ装置1及び端末2を通信可能にするものであれば、その具体的な形態を問わず、例えば、いわゆるPeer to Peer型のネットワークであってもよい。また、ネットワーク3は、有線であっても無線であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0011】
受講者は、端末2を用いてサーバ装置1にアクセスし、サーバ装置1からの講義データの配信を受けることによって講義を受講する。図2は、講義の内容の一例を示す図である。図2に例示するように、このシステムにおいては各種の講義が設けられており、受講者は、これらの複数の講義の中から、自身が所望する講義を選択して受講することができる。
【0012】
このシステムでは、各科目のそれぞれに予め設定された講義要素を含む講義を受講することによって、その科目の単位を取得することができる。以下の説明では、説明の便宜上、科目の単位等を取得するための講義要素(各科目に予め設定された講義要素)が全てふくまれる講義の集合を、「講義グループ」と称して説明する。
【0013】
次に、サーバ装置1の構成について説明する。図3は、サーバ装置1の構成を示すブロック図である。図において、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置やメモリを備え、予め記憶されたプログラムを実行することによってサーバ装置1の動作を制御する。通信部12は、ネットワーク3を介したデータの送受信を可能にするインタフェースであり、制御部11により供給されたデータをネットワーク3を介して送信するとともに、ネットワーク3を介して受信したデータを制御部11に供給する。情報入力部13は、各種のデータを入力するためのインタフェースである。本実施形態の情報入力部13は、音声を入力するためのマイクロホンと、文字等を入力するためのキーボードやマウスとを備える。情報出力部14は、データを出力するためのインタフェースである。本実施形態の情報出力部14は、放音するスピーカと、文字等を含む画像を表示する表示装置とを備える。なお、情報出力部14が表示する画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。記憶部15は、制御部11が参照するデータを記憶する記憶手段であり、例えばハードディスクである。なお、記憶部15は、光ディスク(DVD等)のように、サーバ装置1と別体に構成されたものであってもよく、また、ネットワー接続されたリモートストレージ装置であってもよい。
【0014】
記憶部15には、図示のように、講義データベースDB1と、講義要素データベースDB2と、科目データベースDB3と、受講者データベースDB4とが記憶されている。講義データベースDB1には、受講者が視聴する講義を表す講義データが記憶されている。本実施形態の講義データは、予め録画及び録音されたデータである。
【0015】
講義要素データベースDB2には、1又は複数の講義要素で構成される講義について、各講義に含まれる講義要素を示す講義要素データの集合が、講義を識別する識別データに対応付けて記憶されている。図4は、講義要素データベースDB2の内容の一例を示す図である。図示のように、このデータベースは、「講義ID」と「講義要素」との各項目が互いに関連付けて構成される。これらの項目のうち、「講義ID」の項目には、講義を識別する講義IDが記憶される。「講義要素」の項目には、その講義に含まれる講義要素を示す講義要素データの集合が記憶される。図4に例示するように、各講義は、複数の講義要素が組み合わされて構成されている。図4に示す例においては、「講義ID」が「a1」の講義には、「1−1」,「1−2」,「1−3」,「1−4」,「1−5」,「1−8」の複数の講義要素が含まれていることが示されている。
【0016】
次に、科目データベースDB3には、科目の単位取得に必要な講義要素を示す講義要素データの集合が、科目を識別する科目識別データに対応付けて記憶される。
図5は、科目データベースDB3の内容の一例を示す図である。図示のように、このデータベースは、「科目ID」と「講義要素」との各項目が互いに関連付けて構成されている。これらの項目のうち、「科目ID」の項目には、科目を識別する科目ID(科目識別データ)が格納される。「講義要素」の項目には、その科目の単位を取得するために受講が必須となる講義要素を示す講義要素データが1又は複数記憶される。例えば、図5に示す例においては、「科目ID」が「科目01」の科目については、「1−2」,「1−4」,「1−8」,「1−11」,「1−12」の複数の講義要素を受講する必要があることが示されている。
【0017】
サーバ装置1は、講義要素データベースDB2と科目データベースDB3とを参照して、各科目のそれぞれについて、その科目の単位を取得するために受講すべき講義の集合(講義グループ)を1又は複数生成する。なお、この講義グループの生成処理については後述するため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0018】
次に、記憶部15の受講者データベースDB4には、受講者毎の受講履歴や単位取得予定の科目を示すデータが記憶されている。図6は、受講者データベースDB4の内容の一例を示す図である。図示のように、このデータベースは、「受講者ID」と「受講履歴」と「履修予定科目」との各項目が互いに関連付けて構成されている。これらの項目のうち、「受講者ID」の項目には、受講者を識別する受講者ID(受講者識別データ)が格納される。「受講履歴」の項目には、その受講者が受講済みの講義を示す講義識別データが格納される。サーバ装置1の制御部11は、講義を配信する毎に、配信先の受講者を示す受講者IDに対応する受講履歴の項目に、配信した講義を示す講義識別データを登録する。これにより、受講者データベースDB4には、受講者毎の受講履歴が蓄積されていく。以下の説明では、「受講履歴」の項目に記憶される講義識別データの群を、「受講履歴データ」と称して説明する。「履修予定科目」の項目には、受講者が単位の取得を予定している科目の科目ID(科目識別情報)が格納される。受講者は、端末2を用いて、この受講者データベースDB4に、自身が単位の取得を希望する科目を登録することができる。
【0019】
ここで、受講者データベースDB4に登録される講義識別データの内容の一例について、図面を参照しつつ説明する。図7は、講義識別データの内容の一例を示す図である。同図に示す例においては、講義識別データは、講義を識別する講義IDに、講義の属性を示すタグが1又は複数付与されて構成されている。同図に示す例においては、講義識別データは、講師を識別する「講師タグ」、指導方法(講義、討論、等)を識別する「指導方法タグ」、講義の時間長を示す「時間タグ」、及び講義の料金を示す「料金タグ」が、講義を識別する講義IDに付与されて構成されている。なお、この実施形態では、上述の「講師タグ」、「指導方法タグ」、「時間タグ」、「料金タグ」の4種類のタグを用いるが、タグの種類はこれに限らず、例えば、講義の難易度レベルを示す「レベルタグ」や、どの言語(日本語、英語、等)による講義かを示す「言語タグ」等、講義の属性を示すものであればよく、種々のものを用いることができる。
【0020】
次に、端末2の構成について図面を参照しつつ説明する。図8は、端末2の構成を示すブロック図である。図において、制御部21,通信部22,情報入力部23及び情報出力部24の機能はそれぞれ、サーバ装置1の制御部11,通信部12,情報入力部13及び情報出力部14の機能とほぼ同様であり、説明を省略する。要するに、端末2は、記憶部25を除き、サーバ装置1と同様の構成である。記憶部25は制御部21が参照するデータを記憶する記憶手段であり、例えばハードディスクである。
【0021】
<B:動作>
次に、本実施形態の動作について説明する。
<B−1:講義グループ生成動作>
図9は、サーバ装置1が行う講義グループ生成処理の流れを示すフローチャートである。サーバ装置1は、予め定められたタイミング(例えば、1ヶ月毎、1週間毎、等)で、講義グループ生成処理を実行する。なお、講義グループ生成処理を実行するタイミングはこれに限らず、例えば、受講者からの問い合わせ、すなわち端末2から問い合わせを示す要求データをサーバ装置1が受信したタイミングで実行するようにしてもよく、サーバ装置1の設計等に応じて適宜変更可能である。
【0022】
まず、サーバ装置1は、受講者データベースDB4を参照して、受講者IDを取得するとともに、その受講者IDが割り当てられた受講者が単位取得を所望している科目を示す科目IDを取得する(ステップS1)。なお、この動作例では、受講者データベースDB4から受講者IDと科目IDとを取得するようにしたが、受講者IDと科目IDとの取得の態様はこれに限らず、例えば、サーバ装置1が、端末2から、受講者IDと科目IDとを含む照合要求データを受信することによって、受講者IDと科目IDとを取得するようにしてもよく、制御部11が科目IDを取得する態様であればどのようなものであってもよい。
【0023】
受講者IDと科目IDとを取得すると、制御部11は、取得した科目IDに対応する講義要素データを科目データベースDB3から読み出し、講義要素データベースDB2を参照して、少なくとも読み出した講義要素データの示す講義要素が全て含まれるような講義の集合を、講義グループとして1又は複数生成する(ステップS2)。
【0024】
ここで、講義グループの生成処理の具体的な処理の内容の一例について、図面を参照しつつ説明する。制御部11は、まず、取得した科目IDに対応する講義要素データを科目データベースDB3から読み出す。例えば、図5に示す例において、取得した科目IDが「科目01」である場合には、「1−2」,「1−4」,「1−8」,「1−11」,「1−12」の5つの講義要素が読み出される。次いで、制御部11は、読み出した講義要素のそれぞれについて、講義要素データベースDB2を参照して、その講義要素を含む講義を講義要素毎に抽出する。
【0025】
図10は、講義要素毎に抽出された講義の一例を示す図である。同図に示す例においては、「1−2」,「1−4」,「1−8」,「1−11」,「1−12」の5つの講義要素の受講が必須である科目の場合の例を示している。この場合、「1−2」の講義要素を含む講義として、「a1」,「a3」,「a9」の3つの講義が抽出される。同様に、「1−4」の講義要素を含む講義として、「a1」,「a4」の2つの講義が抽出される。他の講義要素についても同様にしてその講義要素を含む講義が抽出される。なお、本実施形態では、制御部11が講義要素毎にその講義を含む講義を抽出したが、これに代えて、講義要素とその講義要素を含む講義との対応関係を示す、図10に例示するようなテーブルを記憶部15の所定の記憶領域に予め記憶させておくようにしてもよい。
【0026】
次いで、制御部11は、講義要素毎にその講義要素を含む講義を選択し、選択した講義の集合を示す講義グループを生成する。例えば、図10に示す例においては、講義要素「1−2」を含む講義は3つあるから、講義要素「1−2」を含む講義の選択パターンは3通りとなる。また、講義要素「1−4」を含む講義は2つあるから、講義要素「1−4」を含む講義の選択パターンは2通りとなる。同様にして、講義要素のそれぞれについてその講義要素に対応する講義を選択することにより、図10に示す例においては、36(3×2×2×1×3)通りの講義グループが生成される。
【0027】
図11は、制御部11によって生成される講義グループの一例を示す図である。同図に例示するように、このテーブルは、「グループID」と「講義」との各項目が互いに関連付けて記憶されている。これらの項目のうち、グループIDの項目には、講義グループを識別するグループID(識別情報)が記憶されている。「講義」の項目には、その講義グループに含まれる講義識別データの群が記憶される。これらの講義グループには、その科目について受講が必須となる講義要素が全て含まれているから、受講者は、これらの講義グループの中のいずれかの組み合わせで講義を受講することで、その科目の単位を取得することができる。
【0028】
なお、本実施形態では上述の処理によって講義グループを生成するが、制御部11が行う講義グループ生成処理はこれに限らず、他のアルゴリズムに従って講義グループを生成するようにしてもよく、サーバ装置1の設計等に応じて適宜変更可能である。要は、制御部11が、講義要素データベースDB2及び科目データベースDB3を参照して、その科目の単位を取得するための講義グループを生成する処理であればどのようなものであってもよい。
【0029】
図9の説明に戻る。次いで、サーバ装置1は、生成した講義グループを予め定められた条件に従ってソートする(順位付けを行う)(ステップS3)。この実施形態では、サーバ装置1は、取得した受講者IDに対応する受講履歴データを受講者データベースDB4から読み出し、読み出した受講履歴データに含まれる講義識別データの「講義タグ」や「指導方法タグ」を参照してタグ毎に統計を取り、受講数の多い属性を特定する。次いで、制御部11は、講義グループに含まれる講義識別データのタグを参照して、生成した講義グループを、特定された属性と一致する講義の数が多い順に並び替える。
【0030】
次いで、制御部11は、順位付けされた講義グループを示すデータ(以下「ソートデータ」)を、端末2に送信することによって受講者に報知する(ステップS4)。端末2は、サーバ装置1から送信されてくるソートデータの示す順位付けされた講義グループを、情報出力部24の表示装置に表示することによって受講者に報知する。
【0031】
図12は、端末2の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、表示装置には、複数の講義グループがソートされた順に表示される。受講者は、この画面をみることで、どの講義をどのような組み合わせで受講すれば単位を取得することができるかを確認することができる。
【0032】
図12に示す画面において、受講者が、情報入力部23を操作して、複数の講義グループを料金順や時間順にソートできるようにしてもよい。この場合は、まず、受講者は、情報入力部23を用いて、講義グループを料金順(又は時間順)にソートするための操作を行う。この操作は、例えば、図12の画面Gに表示されたテキストT1,T2をクリックするようにしてもよい。受講者によって操作が行われると、情報入力部23は、操作された内容に応じた操作信号を出力し、制御部11は、情報入力部23から供給される信号に応じて、講義グループを料金順(又は時間順)にソートする旨を示す要求データを、サーバ装置1に送信する。サーバ装置1の制御部11は、端末2から要求データを受信すると、生成した講義グループのそれぞれについて、所定のアルゴリズムに基づいて受講効率(料金、時間等)を算出する。具体的には、例えば、制御部11は、複数の講義グループのそれぞれについて、講義グループに含まれる講義識別データの料金タグ(又は時間タグ)を参照して、料金(又は時間)の統計を取る。次いで、制御部11は、算出した受講効率に基づいて講義グループを並び替える。この実施形態では、制御部11は、統計結果の昇順(又は降順)に講義グループを並び替える。次いで、制御部11は、並び替えた内容を示すデータを端末2に送信する。端末2は、サーバ装置1から受信するデータに応じて表示装置の表示を更新する。これにより、表示装置には、料金順(又は時間順)に並びかえられた講義グループの一覧が表示される。受講者は、表示装置に表示される画面を参照することで、それぞれの講義グループの受講効率を比較することができる。
【0033】
<B−2:講義動作>
次に、本システムの講義動作について説明する。受講者は、自身の端末を操作して、自身に割り当てられた受講者IDと、受講したい講義の講義IDとを含む配信要求データを、ネットワーク3を介してサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、端末2から配信要求データを受信すると、受信した配信要求データの示す講義を表す講義データを、その端末2に対して配信する。端末2は、サーバ装置1から配信されてくる講義データを情報出力部24に出力する。すなわち、端末2は、講義データの表す音声をスピーカから放音するとともに、講義データの表す画像を表示装置に表示する。受講者は、端末2から放音される音声や画像を聴取することで、講義を受講する。
【0034】
講義データの配信を終えると、サーバ装置1は、配信した講義を示す講義識別データを、受講履歴として、受講者データベースDB4に登録する。このように、サーバ装置1は、講義が受講される毎に、受講された講義を示す講義識別データを、配信要求を受けた受講者IDに対応付けて、受講者データベースDB4に登録する。これにより、受講者データベースDB4には、受講者毎に受講履歴が蓄積される。
【0035】
ところで、ある科目の単位を取得するためにどの講義をどのようなパターンで受講すればよいかを、受講者自身が確認する作業は、科目や講義の数が多いほどその作業は煩雑なものとなる。これに対し本実施形態では、サーバ装置1が、ある科目の単位取得に必要な講義の講義グループを特定して受講者に報知するから、これにより、受講者は、その科目の単位を取得するために、どの講義を受講すればよいかを認識することができる。
【0036】
また、本実施形態では、サーバ装置1が、受講者の受講履歴を参照して講義グループの順位付けを行い、その結果を受講者に報知するから、これにより、受講者は、自身の嗜好にあった講義グループを把握し易くなる。
【0037】
また、本実施形態によれば、サーバ装置1が、受講効率(受講時間、受講費用、等)の順に講義グループをソートするから、これにより、受講者は、複数の講義グループの間で受講効率を容易に比較することができる。
【0038】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、制御部11が、生成した講義グループを予め定められた条件に従ってソートし、ソートした順に表示させるようにしたが、講義グループを必ずしもソートする必要はなく、生成した講義グループを一覧として表示させるようにしてもよい。
【0039】
また、ソートするに限らず、制御部11が、受講履歴データを受講者毎に解析し、解析結果に応じて、生成した講義グループから予め定められた条件を満たすものを1又は複数選択し、選択した講義グループを表示させるようにしてもよい。具体的には、例えば、制御部11が、受講履歴データに含まれる講義識別データの「講師タグ」や「指導方法タグ」を参照して、タグ毎に統計を取り、受講履歴のなかで受講数の多い属性を特定する。次いで、制御部11は、講義グループに含まれる講義識別データのタグを参照して、生成された講義グループから、特定した属性と一致する講義の数が予め定められた条件を満たす(例えば、講義の数の多い順で上位5つ、講義の数が所定数以上、等)ものを1又は複数選択し、選択した講義グループを端末2に送信することによって受講者に報知する。
【0040】
例えば、或る受講者が、特定の講師や特定の指導方法の講義を多く受講している場合において、講師や指導方法が同じである講義をその受講者に提示してあげることにより、受講者の嗜好にあった講義を提示することができる。
【0041】
また、例えば、或る受講者が、特定の項目の講義をあまり受講していない場合においては、その項目を含む講義をその受講者に提示してあげることにより、受講者が苦手な項目の講義を提示し、苦手項目の克服を支援することができる。
【0042】
また、講義グループの選択の態様はこれに限らず、例えば、制御部11が、生成した講義グループのそれぞれについて、所定のアルゴリズムに基づいて受講効率を算出し、生成した講義グループから、算出した受講効率が予め定められた条件を満たすものを選択するようにしてもよい。具体的には、例えば、制御部11が、生成した講義グループのそれぞれについて、それぞれの講義グループに含まれる講義識別データの「時間タグ」(又は「料金タグ」)を参照して時間の合計(又は料金の合計)を算出し、算出結果が予め定められた条件を満たす(例えば、少ない順で上位5つ、料金が所定量以下、等)ものを選択するようにしてもよい。
【0043】
(2)また、講義グループの選択の態様はこれに限らず、例えば、制御部11が、受講者の講義毎の到達度を示す到達度データを取得し、生成した講義グループのなかから、取得した到達度データに基づいて講義グループを1又は複数選択するようにしてもよい。具体的には、例えば、受講者データベースDB4に、講義の到達レベルを示す到達度データを講義毎に記憶するようにし、制御部11が、記憶された到達度データに基づいて講義グループを1又は複数選択するようにしてもよい。この選択は、具体的には、例えば、到達度の低い項目を含む講義グループを選択するようにしてもよい。このようにすることで、苦手項目の克服を支援することができる。
【0044】
この場合、到達度データの取得の態様としては、例えば、サーバ装置1の管理者が情報入力部13を用いて手入力し、制御部11が入力される到達度データを取得するようにしてもよく、また、例えば、ネットワークを用いて試験を行い、サーバ装置1が端末2から到達度データを受信するようにしてもよく、要は、サーバ装置1の制御部11が到達度データを取得するものであればどのようなものであってもよい。
【0045】
(3)また、上述の実施形態において、制御部11が、受講済みの講義の到達レベルを判定し、レベルが低い講義については、復習に有効な講義を受講者に示して復習を促すようにしてもよい。この場合は、例えば、受講者データベースDB4に、講義の到達レベルを示す到達度データを講義毎に記憶するようにし、制御部11が、記憶された到達度データの示す到達レベルが予め定められた閾値以下であるか否かを判定する。制御部11は、到達レベルが閾値以下であると判定された講義(以下「未到達レベル講義」)がある場合には、未到達レベル講義の属性に対応する講義を生成した講義グループから選定し、選定結果を示すデータを端末2に送信することによって受講者に報知するようにしてもよい。
【0046】
(4)上述の実施形態では、サーバ装置1が、ひとつの科目について講義グループを生成したが、科目の数は1に限らず、複数の科目を組み合わせて指定するようにしてもよい。この場合は、例えば、受講者が、端末2の情報入力部23を用いて複数の科目を指定する操作を行い、端末2は、指定された複数の科目を示す科目IDをサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、端末2から科目IDを受信すると、受信した科目IDの示す複数の科目の単位取得に必要な講義群を、科目データベースDB3と講義要素データベースDB2とを参照して特定する。
【0047】
科目や講義の数が多いほど、単位取得のために受講が必要な講義の組み合わせは複雑なものとなり、受講すべき講義群を、受講者自身が特定することは、科目や講義の数が多いほど煩雑なものとなる。これに対し本態様によれば、受講者が履修したい科目の数が多い場合であっても、サーバ装置1が履修すべき講義群を講義グループとして特定し、受講者に報知するから、これにより、受講者は、煩雑な作業を行うことなく、自身が受講すべき講義群を把握することができる。
【0048】
(5)上述の実施形態では、制御部11は、各科目に予め設定された講義要素が全て含まれる講義の集合を講義グループとして生成するようにしたが、これに限らず、制御部11が、各科目に予め設定された講義要素の一部が含まれる講義の集合を講義グループとして生成するようにしてもよい。この場合は、例えば、講義識別データに講義の重要度を示すタグを付与しておき、制御部11が、付与されたタグを参照して、重要度が所定の条件を満たす講義要素を抽出し、抽出した講義要素を含む講義の群を講義グループとして生成するようにしてもよい。
【0049】
(6)上述の実施形態では、講義グループを表示装置に表示させることによって受講者に報知したが、報知の態様はこれに限らず、例えば、音声メッセージを出力することによって報知してもよく、また、生成された講義グループを示すデータを電子メール形式で受講者のメール端末に送信するといった形態であってもよい。また、講義グループを示す情報を記憶媒体に出力して記憶させるようにしてもよく、この場合、受講者はコンピュータを用いてこの記録媒体から情報を読み出させることで、それらを参照することができる。また、講義グループを所定の用紙に印刷出力してもよい。要は受講者に対して何らかの手段でメッセージ乃至情報を伝えられるように、講義グループを示す情報を出力するものであればよい。
【0050】
(7)上述の実施形態において、通信ネットワークで接続された2以上の装置が上記実施形態のサーバ装置1に係る機能を分担するようにし、それら複数の装置を備えるシステムが同実施形態のサーバ装置1を実現するようにしてもよい。例えば、図13に示すように、講義データを配信する講義配信装置1aと、科目データベースDB3や講義要素データベースDB2を備え、それらデータベースを参照して科目毎の講義グループを生成する履修支援装置1bとが別体として構成されていてもよい。この場合は、例えば、講義配信装置1aが、講義データを端末2に対して配信し、履修支援装置1bが、科目データベースDB3と講義要素データベースDB2とを参照して講義グループを生成し、生成した講義グループを端末2に送信するようにすればよい。
【0051】
(8)上述した実施形態におけるサーバ装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でサーバ装置1にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】ネットワーク講義システムの構成の一例を示す図である。
【図2】講義の内容の一例を示す図である。
【図3】サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】講義要素データベースの内容の一例を示す図である。
【図5】科目データベースの内容の一例を示す図である。
【図6】受講者データベースの内容の一例を示す図である。
【図7】講義識別データの内容の一例を示す図である。
【図8】端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】サーバ装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】講義要素毎に抽出される講義の一例を示す図である。
【図11】講義グループの内容の一例を示す図である。
【図12】表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【図13】ネットワーク講義システムの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1…サーバ装置、2…端末、3…ネットワーク、11,21…制御部、12,22…通信部、13,23…情報入力部、14,24…情報出力部、15,25…記憶部、DB1…講義データベース、DB2…講義要素データベース、DB3…科目データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の講義要素で構成される講義について、各講義に含まれる講義要素を示す講義要素データの集合を、前記講義を識別する講義識別データに対応付けて記憶する講義データ記憶手段と、
科目の単位取得に必要な講義要素を示す講義要素データの集合を、前記科目を識別する科目識別データに対応付けて記憶する科目データ記憶手段と、
科目を示す科目データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された科目データに対応する講義要素データを前記科目データ記憶手段から読み出し、前記講義データ記憶手段を参照して、少なくとも該読み出した講義要素データの示す講義要素が含まれるような講義の集合を講義グループとして1又は複数生成する講義グループ生成手段と、
前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを示す講義グループデータを出力する講義グループデータ出力手段と
を具備することを特徴とする履修支援装置。
【請求項2】
前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを解析し、解析結果に応じて該生成された講義グループを順位付けする順位付け手段と、
前記順位付け手段による順位付け結果を示す順位付けデータを出力する順位付けデータ出力手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の履修支援装置。
【請求項3】
前記講義の受講履歴と該講義の属性を示す受講履歴データを記憶する受講履歴データ記憶手段
を具備し、
前記講義データ記憶手段は、前記講義要素データの集合を、講義の属性を示す属性タグが付与された講義識別データに対応付けて記憶し、
前記順位付け手段は、前記受講履歴データ記憶手段に記憶された受講履歴データの示す講義を属性毎に統計し、統計結果に応じて前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを順位付けする
ことを特徴とする請求項2に記載の履修支援装置。
【請求項4】
前記講義グループ生成手段により生成された講義グループのそれぞれについて、所定のアルゴリズムに基づいて受講効率を算出する受講効率算出手段
を具備し、
前記順位付け手段は、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを、前記受講効率算出手段により算出された受講効率に従って順位付けする
ことを特徴とする請求項2に記載の履修支援装置。
【請求項5】
受講者の講義毎の到達度を示す到達度データを取得する到達度データ取得手段
を具備し、
前記順位付け手段は、前記講義グループ生成手段により生成された講義グループを、前記到達度データ取得手段により取得された到達度データに基づいて順位付けする
ことを特徴とする請求項2に記載の履修支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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