説明

履歴管理装置および方法

【課題】短い処理時間で正確な在室状況を再現する。
【解決手段】在室状況更新部16で、最新在室状況を記録在室状況として記憶部14へ保存しておき、在室調査の対象となる調査日時における在室状況を再現する場合には、情報取得部17で、調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、記憶部14から取得し、在室状況再現部18で、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各再現用履歴情報に記録されている入退室に基づいて在室状況を順次更新することにより、調査日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理技術に関し、特に入退室の履歴情報に基づいて過去の在室状況を再現する履歴管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設や建物では、特定の管理区域について部外者に対するセキュリティが必要な場合、入退室管理システムを用いて各部屋における利用者の入退室を厳重に管理するものとなっている。例えば、特定の部屋の出入口にリーダと電気錠を設け、ユーザが所持するIDカードからリーダで読み取ったユーザ識別情報に基づき、予め記憶部に保存されている入退室判定情報を参照して、入退室の可否を判定して電気錠を制御するものとなっている。
【0003】
このような入退室管理システムでは、IDカードを各部屋に設置されたリーダにセットして入退室する際に、IDカードと操作端末に設定されている情報に基づいて、入退室に関する履歴情報を記録する機能が設けられている(例えば、特許文献1など参照)。この履歴情報としては、例えば、入退室が行われた日時、入退室した人の個人情報、操作ステータス(入室・退室)が記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−172895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の入退室管理システムでは、所望の日時から現時点までに記録したすべての履歴情報を検証すれば、過去に遡って、所望の検査日時に誰がどの部屋に在室していたかを示す在室状況や、所望の検査期間に特定の部屋に対して誰が入室したかを示す入室状況などの再現情報を生成することができる。
【0006】
通常、このような再現情報を生成する場合、現時点から所望の日時までの期間における膨大なデータ量を検証する必要があるため、極めて大きな処理時間が発生する。したがって、ビル建物のような多くの部屋と人を管理するような入退室管理システムでは、ある時点を基点として、その前後の履歴情報から所望の日時における在室状況を再現する再現処理方法が用いられる。これにより、履歴情報のうち検証が必要なデータ量を大幅に削減でき、処理時間を短縮することができる。
【0007】
しかしながら、このような再現情報の生成方法では、基点においてすべての部屋に誰も在室していないという前提を用いることになるため、得られた在室状況や入室状況などの再現情報には曖昧さを含むという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、短い処理時間で正確な再現情報を生成できる履歴管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる履歴管理装置は、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理部と、履歴情報に基づいて各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した最新在室状況を記録在室状況として記憶部へ保存する在室状況更新部と、記録在室状況のうち在室調査の対象となる調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、履歴情報のうち基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、記憶部から取得する情報取得部と、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて在室状況を順次更新することにより、調査日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成する在室状況再現部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる他の履歴管理装置は、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理部と、履歴情報に基づいて各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した最新在室状況を記録在室状況として記憶部へ保存する在室状況更新部と、記録在室状況のうち在室調査の対象となる第1の調査期間の開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、履歴情報のうち基点在室状況が更新された基点日時から第1の調査期間の開始日時までの第1の再現期間における履歴情報からなる第1の再現用履歴情報と、履歴情報のうち第1の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第1の集計用履歴情報とを、記憶部から取得する情報取得部と、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各第1の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて在室状況を順次更新することにより、第1の調査日時の開始日時における各利用者の在室状況を示す第1の再現在室状況を生成する在室状況再現部と、各第1の集計用履歴情報に記録されている、在室調査の対象となる対象部屋への入室者に関する情報に基づいて第1の再現在室状況を順次更新することにより、第1の調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第1の入室状況を生成する入室状況生成部とを備えている。
【0010】
この際、情報取得部で、在室調査の対象として第1の調査期間から不連続で第2の調査期間が指定されている場合、履歴情報のうち第1の調査期間の終了日時から第2の調査期間の開始日時までの第2の再現期間における履歴情報からなる第2の再現用履歴情報と、履歴情報のうち第2の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第2の集計用履歴情報とを、記憶部から取得し、在室状況再現部で、各第2の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて第1の入室状況を順次更新することにより、第2の調査期間の開始日時における各利用者の在室状況を示す第2の再現在室状況を生成し、入室状況生成部で、各第2の集計用履歴情報に記録されている対象部屋への入室者に関する情報に基づいて第2の再現在室状況を順次更新することにより、第1および第2の調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第2の入室状況を生成するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明にかかる履歴管理方法は、履歴管理部が、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理ステップと、在室状況更新部が、履歴情報に基づいて各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した最新在室状況を記録在室状況として記憶部へ保存する在室状況更新ステップと、情報取得部が、記録在室状況のうち在室調査の対象となる調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、履歴情報のうち基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、記憶部から取得する情報取得ステップと、在室状況再現部が、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて在室状況を順次更新することにより、調査日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成する在室状況再現ステップとを備えている。
【0012】
また、本発明にかかる他の履歴管理方法は、履歴管理部が、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理ステップと、在室状況更新部が、履歴情報に基づいて各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した最新在室状況を記録在室状況として記憶部へ保存する在室状況更新ステップと、情報取得部が、記録在室状況のうち在室調査の対象となる第1の調査期間の開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、履歴情報のうち基点在室状況が更新された基点日時から第1の調査期間の開始日時までの第1の再現期間における履歴情報からなる第1の再現用履歴情報と、履歴情報のうち第1の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第1の集計用履歴情報とを、記憶部から取得する情報取得ステップと、在室状況再現部が、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各第1の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて在室状況を順次更新することにより、第1の調査日時の開始日時における各利用者の在室状況を示す第1の再現在室状況を生成する在室状況再現ステップと、入室状況生成部が、各第1の集計用履歴情報に記録されている、在室調査の対象となる対象部屋への入室者に関する情報に基づいて第1の再現在室状況を順次更新することにより、第1の調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第1の入室状況を生成する入室状況生成ステップと備えている。
【0013】
この際、情報取得ステップに、在室調査の対象として第1の調査期間から不連続で第2の調査期間が指定されている場合、履歴情報のうち第1の調査期間の終了日時から第2の調査期間の開始日時までの第2の再現期間における履歴情報からなる第2の再現用履歴情報と、履歴情報のうち第2の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第2の集計用履歴情報とを、記憶部から取得するステップを含み、在室状況再現ステップに、各第2の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて第1の入室状況を順次更新することにより、第2の調査期間の開始日時における各利用者の在室状況を示す第2の再現在室状況を生成するステップを含み、入室状況生成ステップに、各第2の集計用履歴情報に記録されている対象部屋への入室者に関する情報に基づいて第2の再現在室状況を順次更新することにより、第1および第2の調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第2の入室状況を生成するステップを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、過去の調査日時における在室状況を再現する際、実際の記録在室状況を基点在室状況として用いることができる。このため、履歴情報に基づいて再現情報を生成する際、従来のように、ある基点においてすべての部屋に誰も在室していないという前提を用いる必要がなくなる。したがって、再現された在室状況などの再現情報に曖昧さを含まなくなり、短い処理時間で極めて正確な再現情報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】履歴情報の構成例である。
【図3】行先判定テーブルの構成例である。
【図4】在室状況の構成例である。
【図5】第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況更新処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況再現処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況再現動作を示す説明図である。
【図8】第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】入室状況の構成例である。
【図10】第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理(続き)を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成動作を示す説明図である。
【図13】第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理(続き)を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる履歴管理装置について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の構成を示すブロック図である。
履歴管理装置10は、全体としてサーバー装置などの情報処理装置からなり、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理システム1で用いられて、入退室に関する履歴情報を保存して管理する機能を有している。
【0017】
リーダ21は、カードリーダなどの情報読取装置からなり、入退室を管理する部屋Rの出入口に設けられて、部屋Rを出入りする利用者のIDカード23からユーザ識別情報を取得する機能と、制御バスBSを介して入退室管理装置20へユーザ識別情報を送信する機能とを有する。
電気錠22は、部屋Rの出入口のドアに設けられた電気式の錠前からなり、制御バスBSを介して入退室管理装置20からの錠制御指示を受信する機能と、受信した錠制御指示に基づいて当該ドアの施錠や解錠を行う機能とを有している。
【0018】
入退室管理装置20は、全体としてコンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御するコントローラなどの機器制御装置からなり、制御バスBSを介して各部屋Rのリーダ21や電気錠22とデータ通信可能に接続されている。
この入退室管理装置20は、各部屋Rのリーダ21から制御バスBSを介して受信したユーザ識別情報に対して、入退室判定情報に基づき当該部屋Rへの入退室可否を判定する機能と、この判定結果に基づく錠制御指示を当該部屋Rの電気錠22へ制御バスBSを介して送信する機能とを有している。
【0019】
また、入退室管理装置20は、通信回線Lを介して履歴管理装置10とデータ通信を行う機能と、入退室管理装置20で判定した部屋Rにおける利用者の入退室ごとに、その入退室に関する日時と、部屋および利用者の情報とを含む履歴情報を、履歴管理装置10へ通知する機能とを有している。
【0020】
本実施の形態は、履歴管理装置10において、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置20から通知された、入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存し、これら履歴情報に基づいて各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した最新在室状況を記録在室状況として当該更新日時とともに記憶部へ保存し、記録在室状況のうち在室調査の対象となる調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、履歴情報のうち基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、記憶部から取得し、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて在室状況を順次更新することにより、調査日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成するようにしたものである。
【0021】
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の構成について詳細に説明する。
履歴管理装置10には、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、履歴管理部15、在室状況更新部16、情報取得部17、および在室状況再現部18が設けられており、内部バスを介して相互にデータやり取り可能に接続されている。
【0022】
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、通信回線Lを介して入退室管理装置20などの外部装置との間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して各機能部へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、各機能部から出力された情報を画面表示する機能を有している。
【0023】
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部14で記憶する主な処理情報として、履歴情報、行先判定テーブル、および在室状況がある。
【0024】
図2は、履歴情報の構成例である。履歴情報は、入退室管理装置20で処理された入退室ごとに通知された情報を順次保存したものである。ここでは、入退室管理装置20で処理された入退室ごとに、入退室があった日時、入退室した利用者、入退室操作が行われたリーダを示すリーダID、および入退/退室の区別を示す状況が組として登録されている。
【0025】
図3は、行先判定テーブルの構成例である。行先判定テーブルは、履歴情報に含まれるリーダIDから、当該入退室における入室元や入室先の部屋を特定するためのテーブルである。ここでは、各部屋の出入口に設置されたリーダを識別するリーダIDごとに、当該リーダを操作して利用者が入退室した際における、入室元部屋および入室先部屋が組として登録されている。
【0026】
図4は、在室状況の構成例である。在室状況は、履歴情報から生成した、各利用者が在室している部屋を示す情報である。ここでは、利用者ごとに在室部屋と入室日時が組として登録されている。この在室状況には、各利用者の最新の在室状況を示す最新在室状況と、この最新在室状況を一定周期などの保存タイミングごとに順次保存した記録在室状況とがある。
【0027】
履歴管理部15は、通信回線Lを介して通信I/F部11で受信した、入退室管理装置20からの履歴情報を、記憶部14へ順次保存する機能を有している。
在室状況更新部16は、入退室管理装置20から通知された履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新する機能と、保存タイミングの到来に応じて在室状況を記録在室状況(スナップショット)としてその更新日時とともに記憶部14へ保存する機能とを有している。
【0028】
情報取得部17は、任意の調査日時における各利用者の在室状況を再現する際、記憶部14に保存されている記録在室状況のうち、記録在室状況の更新日時に基づいて、入力された在室調査の対象となる調査日時以前に更新した記録在室状況であって、調査日時から直近に記録した記録在室状況からなる基点在室状況を、記憶部14から取得する機能と、記憶部14に保存されている履歴情報のうち、履歴情報に記録されている入退室の日時に基づいて、基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における入退室を示す履歴情報からなる再現用履歴情報を記憶部14から取得する機能とを有している。
【0029】
在室状況再現部18は、情報取得部17で取得された基点在室状況を、再現する調査日時の在室状況の初期の在室状況とすることにより、再現在室状況を基点在室状況で初期化する機能と、同じく情報取得部17で取得された各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報と記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、初期化した在室状況を順次更新することにより、調査日時における在室状況を示す再現在室状況を生成する機能とを有している。
【0030】
履歴管理装置10における各機能部のうち、履歴管理部15、在室状況更新部16、情報取得部17、および在室状況再現部18は、記憶部14のプログラムで動作するCPUなどのマイクロプロセッサからなる演算処理部で実現されている。
【0031】
[第1の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の動作について説明する。ここでは、履歴管理装置10における主な動作として、在室状況更新動作と在室状況再現動作について、それぞれ個別に説明する。
【0032】
[在室状況更新動作]
まず、図5を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の在室状況更新動作について説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況更新処理を示すフローチャートである。
【0033】
履歴管理装置10の在室状況更新部16は、通信I/F部11により、入退室管理装置20から新たな履歴情報を受け取った場合(ステップ100:YES)、その履歴情報に含まれる、入退室に関する部屋を特定する情報に基づいて、利用者の新たな在室場所を特定する(ステップ101)。
【0034】
前述した図2の履歴情報には、入退室に関する部屋を特定する情報として、入退室操作が行われたリーダのリーダIDが含まれている。このリーダIDは各リーダに固有の識別情報であり、このリーダIDに基づいて、図3に示した行先判断テーブルを参照すれば、当該リーダを操作して入退室する場合の入室元および入室先となる部屋を特定することができる。したがって、例えば履歴情報に含まれているリーダIDが「リーダ1」である場合、図3の行先判断テーブルから、その利用者の移動先、すなわち新たな在室場所が「会議室A」であることが特定できる。
【0035】
次に、在室状況更新部16は、記憶部14の最新在室状況のうち、履歴情報に含まれる利用者に関する在室部屋と入室日時を、前述のようにして特定した新たな在室部屋と履歴情報に含まれる入退室日時により更新し(ステップ102)、ステップ100へ戻る。
【0036】
一方、在室状況の保存タイミングが到来した場合(ステップ103:YES)、在室状況更新部16は、記憶部14の最新在室状況を記録在室状況として、その最終更新日時とともに記憶部14へ保存し(ステップ104)、ステップ100へ戻る。保存タイミングとしては、特定の時刻情報で設定してもよく、保存周期で設定してもよい。
【0037】
[在室状況再現動作]
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の在室状況再現動作について説明する。図6は、第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況再現処理を示すフローチャートである。
記憶部14に保存している履歴情報に基づいて、過去の任意の調査日時における各利用者の在室状況を再現する場合、履歴管理装置10において、図6に示すような在室状況再現処理が実行される。
【0038】
まず、操作入力部12は、オペレータにより操作入力された在室調査の対象となる調査日時を取得する(ステップ110)。
続いて、情報取得部17は、記憶部14に保存されている記録在室状況のうち、調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況を、記憶部14から取得し(ステップ111)、記憶部14に保存されている履歴情報のうち、基点在室状況の日時から調査日時までの再現期間における入退室に関する履歴情報からなる再現用履歴情報を、記憶部14から取得する(ステップ112)。
【0039】
次に、在室状況再現部18は、情報取得部17で取得した基点在室状況を各利用者の初期の在室状況とすることにより、基点在室状況で在室状況を初期化する(ステップ113)。
この後、在室状況再現部18は、再現用履歴情報のうちから未処理の履歴情報を時系列順に1つ選択する(ステップ114)。
【0040】
続いて、在室状況再現部18は、選択履歴情報に記録されている、入退室操作が行われたリーダのリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、利用者の新たな在室場所を特定し(ステップ115)、再現在室状況のうち、当該利用者に関する在室場所と入室日時とを、特定した新たな在室場所と選択履歴情報に含まれる入退室日時とにより更新する(ステップ116)。
【0041】
この後、再現用履歴情報のうち未処理の履歴情報がまだある場合(ステップ117:YES)、在室状況再現部18は、ステップ114へ戻って次の履歴情報による再現在室状況の更新処理を繰り返す。
一方、再現用履歴情報のすべての履歴情報の処理が終了した場合(ステップ117:NO)、一連の在室状況再現処理を終了する。
【0042】
図7は、第1の実施の形態にかかる履歴管理装置の在室状況再現動作を示す説明図である。前述した在室状況再現処理の全体的な動作は、図7のようになる。
図7において、日時Tは現在日時であり、日時TXが在室状況を再現したい調査日時である。
【0043】
記憶部14には、記録在室状況31が一定期間tsごとに保存されており、これら記録在室状況31のうち、調査日時TX以前に更新した直近の記録在室状況が、基点在室状況31Pとして記憶部14から取得される。
また、記憶部14の履歴情報32のうち、基点在室状況31Pが更新された日時である基点日時TPから調査日時TXまでの再現期間tpにおける履歴情報が、再現用履歴情報33として記憶部14から取得される。
【0044】
この後、再現在室状況35が基点在室状況31Pにより初期化され、初期化された再現在室状況35Pが、再現用履歴情報33に含まれる各履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、調査日時TXにおいて各利用者が在室している部屋を示す、図4に示したような、再現在室状況35Aが生成されることになる。
【0045】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、在室状況更新部16で、最新在室状況を記録在室状況として記憶部14へ保存しておき、在室調査の対象となる調査日時における在室状況を再現する場合には、情報取得部17で、調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、基点在室状況が更新された基点日時から調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、記憶部14から取得し、在室状況再現部18で、基点在室状況を初期の在室状況とした後、各再現用履歴情報に記録されている入退室に基づいて在室状況を順次更新することにより、調査日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成するようにしたものである。
【0046】
これにより、過去の調査日時における在室状況を再現する際、実際の記録在室状況を基点在室状況として用いることができる。このため、履歴情報に基づいて再現情報を生成する際、従来のように、ある基点においてすべての部屋に誰も在室していないという前提を用いる必要がなくなる。したがって、再現された在室状況などの再現情報に曖昧さを含まなくなり、短い処理時間で極めて正確な再現情報を生成することが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態では、在室調査において、すべての利用者あるいはすべての部屋の在室状況を再現する場合を例として説明したが、在室調査において、対象部屋の在室状況のみを再現すればよい場合もある。このような場合には、調査日時と同様にしてオペレータにより操作入力された対象部屋に関する履歴情報のみに基づいて、再現在室状況を生成すればよい。これにより、在室調査における処理データ量を削減でき、在室調査に要する処理所要時間を短縮することができる。
【0048】
具体的には、前述した図6のステップ116において、選択履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて、入退室した利用者の在室場所と入室日時を更新する際、少なくとも当該利用者が対象部屋について入室あるいは退室した場合にのみ、その在室場所と入室日時を更新すればよい。
例えば、ステップ115の後、選択履歴情報に記録されている入退室の入出元あるいは入室先が対象部屋と一致するか否かを判定し、一致した場合にのみステップ116を実行して在室場所と入室日時を更新すればよい。この場合、入出元としては、在室状況から取得した、更新の対象となる利用者の更新前の在室場所を用いてもよい。
【0049】
また、このように図6のステップ114〜117の処理ループ内で更新要否を判定するのではなく、情報取得部17により、再現用履歴情報を記憶部14から取得する際、入出元あるいは入室先が対象部屋と一致する履歴情報のみを予め選択して取得してもよい。これにより、上記処理ループ内で更新要否を判定する必要がなくなる。
【0050】
[第2の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる履歴管理装置10について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の構成を示すブロック図であり、前述の図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0051】
第1の実施の形態では、過去の任意の調査時点における在室状況を再現する場合を例として説明した。本実施の形態では、このような第1の実施の形態を用いて再現した、過去の任意の調査期間の開始日時における在室状況に基づいて、当該調査期間において、対象部屋へ入室した入室者の入室状況を生成する場合について説明する。
【0052】
第1の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10には、入室状況生成部19が追加されている。
入室状況生成部19は、情報取得部17で取得した集計用履歴情報(第1の集計用履歴情報)に記録されている対象部屋への入室者に関する情報に基づいて、在室状況再現部18で生成された再現在室状況(第1の再現在室状況)を順次更新することにより、調査期間(第1の調査期間)に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む入室状況(第1の入室状況)を生成する機能と、生成した入室状況のうちから対象部屋へ入室した利用者のみに関する選択入室状況を生成する機能とを有している。
【0053】
図9は、入室状況の構成例である。ここでは、利用者ごとに、在室部屋、入室日時、および登録判定フラグが組として登録されている。登録判定フラグは、調査期間における対象部屋への入室有無を示すフラグである。この登録判定フラグがONの利用者は、調査期間において対象部屋へ入室していること示しており、在室部屋として対象部屋が記録されており、入室日時として調査期間のうち対象部屋へ最初に入室した日時が記録されている。一方、登録判定フラグがOFFの利用者は、調査期間において対象部屋へ入室していないことを示しており、在室部屋として調査期間の開始日時に在室していた部屋が記録されており、入室日時として当該部屋へ入室した日時が記録されている。
【0054】
一般的には、入退室管理システムにおいて実際に用いられる入室状況には、利用者ごとに、調査期間における対象部屋への入室有無を示す登録判定フラグなどの情報が、少なくとも記録されていればよい。本実施の形態では、これに加えて、利用者が調査期間のうち最初に対象部屋へ入室した最初入室日時も記録する場合を例として説明する。なお、入室状況の内容については、登録判定フラグや最初入室日時に限定されるものではなく、最初入室日時以降に再度対象部屋へ入室した入室日時や対象部屋から退出した退出日時などの情報を含めても良い。
【0055】
また、情報取得部17は、記録在室状況のうち入力された調査期間(第1の調査期間)の開始日時以前に更新した基点在室状況であって、その開始日時から直近に記録した記録在室状況からなる基点在室状況を記憶部14から取得する機能と、履歴情報のうち基点在室状況の日時から調査期間の開始日時までの再現期間(第1の再現期間)における履歴情報からなる再現用履歴情報(第1の再現用履歴情報)を記憶部14から取得する機能と、履歴情報のうち調査期間の開始日時から終了日時までの調査期間(第1の調査期間)における履歴情報からなる集計用履歴情報(第1の集計用履歴情報)を記憶部14から取得する機能とを有している。
【0056】
また、在室状況再現部18は、情報取得部17で取得した基点在室状況を初期の在室状況とすることにより、基点在室状況で在室状況を初期化する機能と、各再現用履歴情報(第1の再現用履歴情報)に記録されている入退室に関する情報と記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて在室状況を順次更新することにより、調査期間の開始日時における各利用者の在室状況を示す再現在室状況(第1の再現在室状況)を生成する機能とを有している。
本実施の形態にかかる履歴管理装置10のうち、これら以外の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0057】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の入室状況生成動作について説明する。図10は、第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理を示すフローチャートである。図11は、第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理(続き)を示すフローチャートである。
記憶部14に保存している履歴情報に基づいて、過去の任意の調査期間における対象部屋へ入室した利用者の入室状況を再生する場合、履歴管理装置10において、図10および図11に示すような入室状況生成処理が実行される。
【0058】
まず、操作入力部12は、オペレータにより操作入力された調査期間と調査対象となる対象部屋とを取得する(ステップ200)。
続いて、情報取得部17は、記憶部14に保存されている記録在室状況のうち、調査期間開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況を、記憶部14から取得し(ステップ201)、記憶部14に保存されている履歴情報のうち、基点在室状況の日時から調査期間の開始日時までの再現期間における入退室に関する履歴情報からなる再現用履歴情報と、調査期間の開始日時から終了日時までの調査期間における入退室に関する履歴情報からなる集計用履歴情報とを、記憶部14から取得する(ステップ202)。
【0059】
次に、在室状況再現部18は、情報取得部17で取得した基点在室状況を各利用者の初期の在室状況とすることにより、基点在室状況で在室状況を初期化するとともに(ステップ203)、各利用者の登録判定フラグをOFFで初期化する(ステップ204)。
この後、在室状況再現部18は、再現用履歴情報のうちから未処理の履歴情報を時系列順に1つ選択する(ステップ205)。
【0060】
続いて、在室状況再現部18は、選択履歴情報に記録されている、入退室操作が行われたリーダのリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、利用者の新たな在室場所を特定し(ステップ206)、再現在室状況のうち、選択履歴情報に記録されている利用者に関する在室場所と入室日時を、特定した新たな在室場所と選択履歴情報に含まれる入退室日時とにより更新する(ステップ207)、
【0061】
この後、再現用履歴情報のうち未処理の履歴情報がまだある場合(ステップ208:YES)、在室状況再現部18は、ステップ204へ戻って次の履歴情報による再現在室状況の更新処理を繰り返す。
一方、再現用履歴情報のすべての履歴情報の処理が終了した場合(ステップ208:NO)、入室状況生成部19は、在室状況再現部18で得られた再現在室状況のうち対象部屋に在室している各利用者の登録判定フラグをONに設定する(ステップ209)。
【0062】
続いて、入室状況生成部19は、集計用履歴情報のうちから未処理の履歴情報を時系列順に1つ選択し(ステップ210)、選択履歴情報に記録されている、入退室操作が行われたリーダのリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、利用者の新たな在室場所を特定し(ステップ211)、新たな在室場所が対象部屋と一致するかどうか確認する(ステップ212)。
【0063】
ここで、新たな在室場所が対象部屋と一致する場合(ステップ212:YES)、入室状況生成部19は、当該利用者の登録判定フラグを確認して入室状況に登録済みか否か判定し(ステップ213)、登録判定フラグがOFFで未登録である場合(ステップ213:YES)、入室状況のうち当該利用者の在室場所および入室日時を更新するとともに(ステップ214)、当該利用者の登録判定フラグをONに設定した後(ステップ215)、後述のステップ216へ移行する。
なお、新たな在室場所が対象部屋と一致しない場合(ステップ212:NO)、あるいは当該利用者の登録判定フラグがONで入室状況に登録済みの場合(ステップ213:NO)、入室状況を更新せずに、後述のステップ216へ移行する。
【0064】
この後、集計用履歴情報のうち未処理の履歴情報がまだある場合(ステップ216:YES)、入室状況生成部19は、ステップ210へ戻って次の履歴情報による入室状況の更新処理を繰り返す。
一方、集計用履歴情報のすべての履歴情報の処理が終了した場合(ステップ216:NO)、入室状況生成部19は、ステップ210〜216で得られた入室状況を記憶部14へ保存するとともに、この入室状況のうちから登録判定フラグがONの利用者に関する選択入室状況を生成して記憶部14へ保存し(ステップ217)、一連の入室状況生成処理を終了する。
【0065】
図12は、第2の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成動作を示す説明図である。前述した入室状況生成処理の全体的な動作は、図12のようになる。
図12において、日時Tは現在日時であり、日時TXが入室状況を生成したい調査期間tcの開始日時であり、日時TYが調査期間tcの終了日時である。
【0066】
記憶部14には、記録在室状況31が一定期間tsごとに保存されており、これら記録在室状況31のうち、調査開始日時TX以前に更新した直近の記録在室状況が、基点在室状況31Pとして記憶部14から取得される。
【0067】
また、記憶部14の履歴情報32のうち、基点在室状況31Pが更新された日時である基点日時TPから調査開始日時TXまでの再現期間tpにおける履歴情報が、再現用履歴情報33として記憶部14から取得され、調査開始日時TXから調査終了日時TYまでの調査期間tcにおける履歴情報が集計用履歴情報34として取得される。
【0068】
この後、再現在室状況35が基点在室状況31Pにより初期化され、初期化された再現在室状況35Pが、再現用履歴情報33に含まれる各履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、調査開始日時TXにおいて各利用者が在室している部屋を示す、図4に示したような、再現在室状況35Aが再現されることになる。
【0069】
次に、再現在室状況35Aが、集計用履歴情報34に含まれる各履歴情報のうち、対象部屋への入室を示す履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、図9に示したような、調査期間tcにおいて対象部屋に入室した利用者の入室状況を含む入室状況36Aが生成される。
この際、得られた入室状況36Aには、対象部屋に入室していない利用者の調査期間tc以前における入室状況も含まれている。したがって、登録判定フラグがONであり、対象部屋に入室した利用者のみに関する入室状況を、入室状況36Aのうちから選択することにより選択入室状況36Sを生成してもよい。
【0070】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、前述した第1の実施の形態と同様にして再現した、過去の任意の調査期間の開始日時における再現在室状況により、入室状況生成部19で入室状況を初期化し、情報取得部17により記憶部14から取得した、調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる集計用履歴情報に記録されている対象部屋への入室者に関する情報に基づいて、入室状況生成部19で入室状況を更新することにより、調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を生成するようにしたものである。
【0071】
これにより、過去の調査期間における入室状況を生成する際、実際の記録在室状況を基点在室状況として用いることができる。このため、従来のように、ある基点においてすべての部屋に誰も在室していないという前提を用いる必要がなくなる。したがって、生成された入室状況に曖昧さを含まなくなり、短い処理時間で極めて正確な入室状況を生成することが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態では、在室状況を再現する際、すべての利用者あるいはすべての部屋の在室状況を再現する場合を例として説明したが、実際には、この在室状況のうちの対象部屋に関する在室状況のみを、その後の入室状況の生成処理で用いている。したがって、対象部屋に関する履歴情報のみに基づいて、再現在室状況を生成するようにしてもよい。これにより、在室調査における処理データ量を削減でき、在室調査に要する処理所要時間を短縮することができる。なお、対象部屋のみの在室状況を生成する具体例については、第1の実施の形態で説明した方法を利用すればよい。
【0073】
また、本実施の形態では、入室状況を生成するための履歴情報として調査期間におけるすべての履歴情報を集計用履歴情報として取得しているが、実際には集計用履歴情報のうち対象部屋に関する履歴のみあればよい。したがって、情報取得部17において、記憶部14から集計用履歴情報を取得する際、調査期間における履歴情報のうちから、行先判断テーブルに基づいて、対象部屋に関する履歴情報のみを選択して取得するようにしてもよい。これにより、入室状況の生成における処理データ量を削減でき、入室状況の生成処理所要時間を短縮することができる。
【0074】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる履歴管理装置10について説明する。
第2の実施の形態では、1つの調査期間において、対象部屋へ入室した入室者の入室状況を生成する場合について説明した。本実施の形態では、時間的に不連続な複数の調査期間において、対象部屋へ入室した入室者の入室状況を生成する場合について説明する。
ここでは、在室調査の対象として第1の調査期間から不連続で第2の調査期間が指定されている場合を例として説明する。なお、本実施の形態にかかる履歴管理装置10は、第2の実施の形態と同様の構成に対して、次のような構成をさらに備えているものとする。
【0075】
情報取得部17は、履歴情報のうち第1の調査期間の終了日時から第2の調査期間の開始日時までの第2の再現期間における履歴情報からなる第2の再現用履歴情報を、記憶部14から取得する機能と、履歴情報のうち第2の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第2の集計用履歴情報とを、記憶部14から取得する機能とを有している。
【0076】
在室状況再現部18は、各第2の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて第1の入室状況を順次更新することにより、第2の調査期間の開始日時における各利用者の在室状況を示す第2の再現在室状況を生成する機能を有している。
【0077】
入室状況生成部19は、在室状況再現部18で生成した第2の再現在室状況のうち対象部屋に在室している利用者を初期の入室状況とする機能と、各第2の集計用履歴情報に記録されている対象部屋への入室者に関する情報に基づいて第1の入室状況を順次更新することにより、第1および第2の調査期間に対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第2の入室状況を生成する機能と、生成した入室状況のうちから対象部屋へ入室した利用者のみに関する選択入室状況を生成する機能とを有している。
【0078】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図13および図14を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理装置10の入室状況生成動作について説明する。図13は、第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理を示すフローチャートである。図14は、第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成処理(続き)を示すフローチャートである。
記憶部14に保存している履歴情報に基づいて、過去の任意の調査期間における対象部屋へ入室した利用者の入室状況を再生する場合、履歴管理装置10において、図13および図14に示すような入室状況生成処理が実行される。
【0079】
まず、操作入力部12は、オペレータにより操作入力された第1および第2の調査期間と調査対象となる対象部屋とを取得する(ステップ300)。
続いて、情報取得部17は、記憶部14に保存されている記録在室状況のうち、各調査期間の最初に位置する第1の調査期間の開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況を、記憶部14から取得し(ステップ301)、この基点在室状況を各利用者の初期の在室状況とすることにより、基点在室状況で在室状況を初期化する(ステップ302)。
【0080】
次に、入室状況生成部19は、利用者ごとに割り当てた登録判定フラグをOFFで初期化する(ステップ303)。登録判定フラグは、当該利用者が入室状況にすでに登録されているか否かを判定するためのフラグ情報であり、記憶部14に保存される。
【0081】
この後、入室状況生成部19は、複数の調査期間のうちから、時系列順で未処理の調査期間を1つ選択する(ステップ310)。
情報取得部17は、記憶部14に保存されている履歴情報のうち、選択調査期間に対応する再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報と、選択調査期間の開始日時から終了日時までの調査期間における入退室に関する履歴情報からなる集計用履歴情報とを、記憶部14から取得する(ステップ311)。
【0082】
選択調査期間が最初の調査期間(第1の調査期間)である場合には、基点在室状況の日時から調査期間の開始日時までが再現期間(第1の再現期間)となる。また、選択調査期間が2つ目以降の調査期間(第2の調査期間)である場合には、当該選択調査期間の直前に位置する調査期間の終了日時から選択調査期間の開始日時までが再現期間(第2の再現期間)となる。
【0083】
次に、在室状況再現部18は、再現用履歴情報のうちから未処理の履歴情報を時系列順に1つ選択して(ステップ312)、選択履歴情報に記録されている、入退室操作が行われたリーダのリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、利用者の新たな在室場所を特定し(ステップ313)、当該利用者の登録判定フラグを参照して、当該利用者が入室状況に登録済みか否か判定する(ステップ314)。
【0084】
ここで、登録判定フラグがOFFで当該利用者が入室状況に登録されていない場合(ステップ314:YES)、在室状況再現部18は、再現在室状況のうち、利用者に関する在室場所と入室日時を、特定した新たな在室場所と選択履歴情報に含まれる入退室日時とにより更新する(ステップ315)。
一方、登録判定フラグがONで当該利用者が入室状況に登録されている場合(ステップ314:NO)、入室状況へ登録せずに、後述のステップ316へ移行する。
【0085】
この後、再現用履歴情報のうち未処理の履歴情報がまだある場合(ステップ316:YES)、在室状況再現部18は、ステップ312へ戻って次の履歴情報による再現在室状況の更新処理を繰り返す。
一方、再現用履歴情報のすべての履歴情報の処理が終了した場合(ステップ316:NO)、入室状況生成部19は、得られた入室状況のうち在室部屋が対象部屋と一致するすべての利用者の登録判定フラグを登録済みに設定する(ステップ317)。
【0086】
続いて、入室状況生成部19は、集計用履歴情報のうちから未処理の履歴情報を時系列順に1つ選択し(ステップ320)、選択履歴情報に記録されている、入退室操作が行われたリーダのリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとに基づいて、利用者の新たな在室場所を特定し(ステップ321)、新たな在室場所が対象部屋と一致するかどうか確認する(ステップ322)。
【0087】
ここで、新たな在室場所が対象部屋と一致する場合(ステップ322:YES)、入室状況生成部19は、当該利用者の登録判定フラグを参照して、当該利用者が入室状況に登録済みか否か判定し(ステップ323)、登録判定フラグがOFFで未登録である場合(ステップ323:YES)、入室状況のうち当該利用者の在室場所および入室日時を更新するとともに(ステップ324)、当該利用者の登録判定フラグをONに設定した後(ステップ325)、後述のステップ326へ移行する。
【0088】
なお、新たな在室場所が対象部屋と一致しない場合(ステップ322:NO)、あるいは当該利用者の登録判定フラグがONで入室状況に登録済みの場合(ステップ323:NO)、入室状況を更新せずに、後述のステップ326へ移行する。
この後、集計用履歴情報のうち未処理の履歴情報がまだある場合(ステップ326:YES)、入室状況生成部19は、ステップ320へ戻って次の履歴情報による入室状況の更新処理を繰り返す。
【0089】
一方、集計用履歴情報のすべての履歴情報の処理が終了した場合(ステップ326:NO)、入室状況生成部19は、ステップ320〜326の処理により得られた入室状況を、これまでの各調査期間における入室状況として記憶部14へ保存し、未処理の調査期間がまだある場合(ステップ330:YES)、図13のステップ310へ戻って、次の調査期間における入室状況の生成処理を繰り返す。
【0090】
また、すべての調査期間の処理が終了した場合(ステップ330:NO)、記憶部14に保存されている入室状況のうちから登録判定フラグがONの利用者に関する選択入室状況を生成して記憶部14へ保存し(ステップ331)、一連の入室状況生成処理を終了する。
【0091】
図15は、第3の実施の形態にかかる履歴管理装置の入室状況生成動作を示す説明図である。前述した入室状況生成処理の全体的な動作は、図15のようになる。
図15において、日時Tは現在日時であり、日時TXAが入室状況を生成したい第1の調査期間tcAの開始日時であり、日時TYAが調査期間tcAの終了日時である。また、日時TXBが入室状況を生成したい第2の調査期間tcBの開始日時であり、日時TYBが調査期間tcBの終了日時である。
【0092】
記憶部14には、記録在室状況31が一定期間tsごとに保存されており、これら記録在室状況31のうち、最初の調査期間tcAの調査開始日時TXA以前に更新した直近の記録在室状況が、基点在室状況31Pとして記憶部14から取得される。
【0093】
この後、第1の調査期間tcAにおける入室状況の生成処理が開始される。
まず、記憶部14の履歴情報32のうち、基点在室状況31Pが更新された日時である基点日時TPから調査開始日時TXAまでの第1の再現期間tpAにおける履歴情報が、第1の再現用履歴情報33Aとして記憶部14から取得され、調査開始日時TXAから調査終了日時TYAまでの調査期間tcAにおける履歴情報が第1の集計用履歴情報34Aとして取得される。
【0094】
この後、再現在室状況35が基点在室状況31Pにより初期化され、初期化された再現在室状況35Pが、再現用履歴情報33Aに含まれる各履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、図4に示したような、調査開始日時TXAにおいて各利用者が在室している部屋を示す、第1の再現在室状況35Aが再現されることになる。
【0095】
次に、再現在室状況35Aが、集計用履歴情報34Aに含まれる各履歴情報のうち、対象部屋への入室を示す履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、図9に示したような、調査期間tcAにおいて対象部屋に入室した利用者の入室状況を含む第1の入室状況36Aが生成される。
【0096】
続いて、第2の調査期間tcBにおける入室状況の生成処理が開始される。
まず、記憶部14の履歴情報32のうち、直前の調査期間tcAの調査終了日時TYAから調査開始日時TXBまでの第2の再現期間tpBにおける履歴情報が、第2の再現用履歴情報33Bとして記憶部14から取得され、調査開始日時TXBから調査終了日時TYBまでの調査期間tcBにおける履歴情報が第2の集計用履歴情報34Bとして取得される。
【0097】
この後、第1の入室状況36Aが、再現用履歴情報33Bに含まれる各履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、調査開始日時TXBにおいて各利用者が在室している部屋を示す、図4に示したような、第2の再現在室状況35Bが再現されることになる。
【0098】
次に、第2の再現在室状況35Bが、集計用履歴情報34Bに含まれる各履歴情報のうち、対象部屋への入室を示す履歴情報と記憶部14の行先判断テーブルとにより順次更新される。これにより、図9に示したような、調査期間tcAおよび調査期間tcBにおいて対象部屋に入室した利用者の入室状況を含む、第2の入室状況36Bが生成される。
この際、得られた入室状況36Bには、対象部屋に入室していない利用者の調査期間tcB以前における入室状況も含まれている。したがって、登録判定フラグがONであり、対象部屋に入室した利用者のみに関する入室状況を、入室状況36Bのうちから選択することにより選択入室状況36Sを生成してもよい。
【0099】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、第2の実施の形態で説明した入室状況の生成処理を、調査期間ごとに繰り返し実行し、2つ目以降の調査期間(第2の調査期間)については、直前の調査期間での入室状況生成処理で得られた入室状況を、新たな再現用履歴情報の初期値として用いるようにしたので、時間的に不連続な複数の調査期間が指定された場合でも、調査期間における対象部屋へ入室した入室者の入室状況を容易に生成することができる。
【0100】
また、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、在室状況を再現する際、すべての利用者あるいはすべての部屋の在室状況を再現する場合を例として説明したが、実際には、この在室状況のうちの対象部屋に関する在室状況のみを、その後の入室状況の生成処理で用いている。したがって、対象部屋に関する履歴情報のみに基づいて、再現在室状況を生成するようにしてもよい。これにより、在室調査における処理データ量を削減でき、在室調査に要する処理所要時間を短縮することができる。なお、対象部屋のみの在室状況を生成する具体例については、第1の実施の形態で説明した方法を利用すればよい。
【0101】
また、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、入室状況を生成するための履歴情報として調査期間におけるすべての履歴情報を集計用履歴情報として取得しているが、実際には集計用履歴情報のうち対象部屋に関する履歴のみあればよい。したがって、情報取得部17において、記憶部14から集計用履歴情報を取得する際、調査期間における履歴情報のうちから、行先判断テーブルに基づいて、対象部屋に関する履歴情報のみを選択して取得するようにしてもよい。これにより、入室状況の生成における処理データ量を削減でき、入室状況の生成処理所要時間を短縮することができる。
【0102】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0103】
また、各実施の形態では、入退室における利用者の新たな在室場所を特定する際、履歴情報に含まれるリーダIDと記憶部14の行先判断テーブルとから得られた移動先部屋を、利用者の新たな在室場所として特定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入退室管理装置20から受け取った履歴情報に移動先の部屋を示す部屋名や部屋IDなどの移動先部屋情報が含まれている場合には、その移動先部屋情報をそのまま用いればよい。
【0104】
また、各実施の形態では、在室状況や入室状況を生成する場合、利用者の新たな在室場所を、部屋名で特定して処理する場合を例として説明したが、利用者の新たな在室場所を示す情報としては、部屋名に限定されるものではない。例えば、部屋名に代えて各部屋に個別に割り当てた部屋IDを用いてもよく、さらにはリーダIDそのものを用いてもよい。これらIDを用いた場合には、得られた再現在室状況や入室状況を最終的にオペレータへ画面表示する際、あるいは外部装置へデータとして出力する際に、行先判断テーブルで変換して出力すればよい。
【符号の説明】
【0105】
1…入退室管理システム、10…履歴管理装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、15…履歴管理部、16…在室状況更新部、17…情報取得部、18…在室状況再現部、19…入室状況生成部、20…入退室管理装置、21…リーダ、22…電気錠、23…IDカード、31…記録在室状況、31P…基点在室状況、32…履歴情報、33…再現用履歴情報、33A…再現用履歴情報(第1の再現用履歴情報)、33B…再現用履歴情報(第2の再現用履歴情報)、34…集計用履歴情報、34A…集計用履歴情報(第1の集計用履歴情報)、34B…集計用履歴情報(第2の集計用履歴情報)、35…再現在室状況、35P…基点在室状況、35A…基点在室状況(第1の基点在室状況)、35B…基点在室状況(第2の基点在室状況)、36…入室状況、36A…入室状況(第1の入室状況)、36B…入室状況(第2の入室状況)、36S…全入室状況、L…通信回線、BS…制御バス、R…部屋、TP…基点日時、TX,TXA,TXB…開始日時、TY,TYA,TYB…終了日時、tp…再現期間、tpA…再現期間(第1の再現期間)、tpB…再現期間(第2の再現期間)、tc…調査期間、tcA…調査期間(第1の調査期間)、tcB…調査期間(第2の調査期間)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、前記入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、前記入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理部と、
前記履歴情報に基づいて前記各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した前記最新在室状況を記録在室状況として前記記憶部へ保存する在室状況更新部と、
前記記録在室状況のうち前記在室調査の対象となる調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、前記履歴情報のうち前記基点在室状況が更新された基点日時から前記調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、前記記憶部から取得する情報取得部と、
前記基点在室状況を初期の在室状況とした後、前記各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記在室状況を順次更新することにより、前記調査日時における前記各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成する在室状況再現部と
を備えることを特徴とする履歴管理装置。
【請求項2】
各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、前記入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、前記入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理部と、
前記履歴情報に基づいて前記各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した前記最新在室状況を記録在室状況として前記記憶部へ保存する在室状況更新部と、
前記記録在室状況のうち前記在室調査の対象となる第1の調査期間の開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、前記履歴情報のうち前記基点在室状況が更新された基点日時から前記第1の調査期間の開始日時までの第1の再現期間における履歴情報からなる第1の再現用履歴情報と、前記履歴情報のうち前記第1の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第1の集計用履歴情報とを、前記記憶部から取得する情報取得部と、
前記基点在室状況を初期の在室状況とした後、前記各第1の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記在室状況を順次更新することにより、前記第1の調査日時の開始日時における前記各利用者の在室状況を示す第1の再現在室状況を生成する在室状況再現部と、
前記各第1の集計用履歴情報に記録されている、前記在室調査の対象となる対象部屋への入室者に関する情報に基づいて前記第1の再現在室状況を順次更新することにより、前記第1の調査期間に前記対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第1の入室状況を生成する入室状況生成部と
を備えることを特徴とする履歴管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の履歴管理装置において、
前記情報取得部は、前記在室調査の対象として前記第1の調査期間から不連続で第2の調査期間が指定されている場合、前記履歴情報のうち前記第1の調査期間の終了日時から前記第2の調査期間の開始日時までの第2の再現期間における履歴情報からなる第2の再現用履歴情報と、前記履歴情報のうち前記第2の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第2の集計用履歴情報とを、前記記憶部から取得し、
前記在室状況再現部は、前記各第2の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記第1の入室状況を順次更新することにより、前記第2の調査期間の開始日時における前記各利用者の在室状況を示す第2の再現在室状況を生成し、
前記入室状況生成部は、前記各第2の集計用履歴情報に記録されている前記対象部屋への入室者に関する情報に基づいて前記第2の再現在室状況を順次更新することにより、前記第1および第2の調査期間に前記対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第2の入室状況を生成する
ことを特徴とする履歴管理装置。
【請求項4】
履歴管理部が、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、前記入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、前記入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理ステップと、
在室状況更新部が、前記履歴情報に基づいて前記各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した前記最新在室状況を記録在室状況として前記記憶部へ保存する在室状況更新ステップと、
情報取得部が、前記記録在室状況のうち前記在室調査の対象となる調査日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、前記履歴情報のうち前記基点在室状況が更新された基点日時から前記調査日時までの再現期間における履歴情報からなる再現用履歴情報とを、前記記憶部から取得する情報取得ステップと、
在室状況再現部が、前記基点在室状況を初期の在室状況とした後、前記各再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記在室状況を順次更新することにより、前記調査日時における前記各利用者の在室状況を示す再現在室状況を生成する在室状況再現ステップと
を備えることを特徴とする履歴管理方法。
【請求項5】
履歴管理部が、各部屋における利用者の入退室を管理する入退室管理装置から通知された、前記入退室に関する日時、部屋、および利用者のそれぞれを特定する情報を、前記入退室の履歴情報として記憶部へ順次保存する履歴管理ステップと、
在室状況更新部が、前記履歴情報に基づいて前記各利用者が在室している最新の部屋を示す最新在室状況を順次更新し、更新した前記最新在室状況を記録在室状況として前記記憶部へ保存する在室状況更新ステップと、
情報取得部が、前記記録在室状況のうち前記在室調査の対象となる第1の調査期間の開始日時以前に更新した直近の記録在室状況からなる基点在室状況と、前記履歴情報のうち前記基点在室状況が更新された基点日時から前記第1の調査期間の開始日時までの第1の再現期間における履歴情報からなる第1の再現用履歴情報と、前記履歴情報のうち前記第1の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第1の集計用履歴情報とを、前記記憶部から取得する情報取得ステップと、
在室状況再現部が、前記基点在室状況を初期の在室状況とした後、前記各第1の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記在室状況を順次更新することにより、前記第1の調査日時の開始日時における前記各利用者の在室状況を示す第1の再現在室状況を生成する在室状況再現ステップと、
入室状況生成部が、前記各第1の集計用履歴情報に記録されている、前記在室調査の対象となる対象部屋への入室者に関する情報に基づいて前記第1の再現在室状況を順次更新することにより、前記第1の調査期間に前記対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第1の入室状況を生成する入室状況生成ステップと
を備えることを特徴とする履歴管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の履歴管理方法において、
前記情報取得ステップは、前記在室調査の対象として前記第1の調査期間から不連続で第2の調査期間が指定されている場合、前記履歴情報のうち前記第1の調査期間の終了日時から前記第2の調査期間の開始日時までの第2の再現期間における履歴情報からなる第2の再現用履歴情報と、前記履歴情報のうち前記第2の調査期間の開始日時から終了日時までの期間における履歴情報からなる第2の集計用履歴情報とを、前記記憶部から取得するステップを含み、
前記在室状況再現ステップは、前記各第2の再現用履歴情報に記録されている入退室に関する情報に基づいて前記第1の入室状況を順次更新することにより、前記第2の調査期間の開始日時における前記各利用者の在室状況を示す第2の再現在室状況を生成するステップを含み、
前記入室状況生成ステップは、前記各第2の集計用履歴情報に記録されている前記対象部屋への入室者に関する情報に基づいて前記第2の再現在室状況を順次更新することにより、前記第1および第2の調査期間に前記対象部屋へ入室した利用者の入室状況を含む第2の入室状況を生成するステップを含む
ことを特徴とする履歴管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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