履物用のソール、ソール組立体、及び靴
【課題】ソール構造が、ソールの支持/緩衝特性を変えるために異なる向きにソールに装着可能であるクッションインサートを提供すること。
【解決手段】ソール構造10は、クッションインサートを異なる向きに収容するように構成される受け部を画定するミッドソール12とする。クッションインサート及び受け部は、クッションインサートが受け部内に装着されると嵌まり合う複数の丸い突出部を含み、丸い突出部のサイズ及び形状は、異なる領域が異なる支持/緩衝特性を与えるようにする。ソールは、ソールの対応する区別ヒール部分を保持する受け部を有するアウトソールを有する浅い履物に挿入する。又、屈曲可能又は枢動可能であるアウトソール部分を有する靴構造に含め、開口を画定するアウトソールを有する靴構造に、開口を通してクッションインサートにアクセスしてこれを操作する。クッションインサートは、深さが変わる少なくとも1つの溝路を作る。
【解決手段】ソール構造10は、クッションインサートを異なる向きに収容するように構成される受け部を画定するミッドソール12とする。クッションインサート及び受け部は、クッションインサートが受け部内に装着されると嵌まり合う複数の丸い突出部を含み、丸い突出部のサイズ及び形状は、異なる領域が異なる支持/緩衝特性を与えるようにする。ソールは、ソールの対応する区別ヒール部分を保持する受け部を有するアウトソールを有する浅い履物に挿入する。又、屈曲可能又は枢動可能であるアウトソール部分を有する靴構造に含め、開口を画定するアウトソールを有する靴構造に、開口を通してクッションインサートにアクセスしてこれを操作する。クッションインサートは、深さが変わる少なくとも1つの溝路を作る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物ソールに関し、より詳細には、調節可能な履物ソール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2007年5月22日に出願された米国仮特許出願第60/939,383号と、2007年9月14日に出願された米国特許出願第11/855,622号と、2008年1月30日に出願された米国特許出願第12/022,369号との米国特許法第119条(e)項の下での優先権の利益を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
履物の設計及び製造は、履物に対するニーズが人によってそれぞれ異なることにより複雑になる。例えば、硬めで曲がり難いソールを好む人もいれば、軟らかめでクッションの効いたソールを好む人もいる。一部の人々にとってこれは単に美的欲求に過ぎないが、人によっては、足の形、骨格配置、及び他の解剖学的問題に関連する要因のような身体的要因に起因する場合がある。解剖学的問題によって、回内(歩行時に足が内側に傾く)の傾向に悩まされる人と、これとは逆の回外(歩行時に足が外側に傾く)の傾向に悩まされる人とがいる。これらの問題に対処する1つの方法は、望ましくない動きに対する抵抗を高めるためにソールの選択領域を強化することである。例えば、回外は、デュアルデンシティミッドソールの内側に沿って高密度領域を提供することによって対処することができる。同様に、回内は、デュアルデンシティミッドソールの外側に沿って高密度領域を提供することによって対処することができる。
【0004】
異なる消費者のニーズに対処するために、カスタマイズ可能なソール構造を有する様々な履物製品が開発されてきた。例えば、従来の製品の1つでは、ソールが、様々な異なるクッションインサートの1つを収容するようになっている空隙を画定している。この製品では、異なる緩衝/支持ニーズを満たす異なるクッションインサートが着用者に提供される。着用者は、適当なクッションインサートを空隙内に挿入することによってソールをカスタマイズする。クッションインサートは、将来、ソールの特性を変えるために所望に応じて代替のインサートと交換することができる。この解決手段は、ある程度のカスタマイズを行うことができるようにするが、複数のインサートの製造及び供給を必要とする。これは、製造及び組み立ての費用を増加する可能性がある。さらに、将来の調節を可能にするために、消費者が種々のインサートを保存及び保管する必要がある。さらに、調節設定の数は、靴に供給されるインサートの数に対応するため、このタイプのソール構造の調節性は比較的限られる。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、ソールに異なる支持/緩衝特性を与えるために異なる向き(orientations)にソールに位置決めすることのできる調節可能なクッションインサートを有するソールを提供する。一つの実施の形態では、ソールは、クッションインサートを収容するようになっている受け部(receptacle)を含む。この実施の形態では、受け部及びクッションインサートのうちの少なくとも一方が、クッションインサートを受け部内に異なる向きに位置決めすることでソールの支持/緩衝特性が変わるように構成される。
【0006】
一つの実施の形態では、調節可能なクッションインサートは、実質的にディスク形状である。この実施の形態では、クッションインサートは、相補的なディスク形状の受け部内に同軸状に設けてもよい。クッションインサート及び受け部の合わせ面は、丸い突出部(lobes)、輪郭、隆起、及び起伏のような、クッションインサートを受け部内に設けたときに嵌まり合う複数の突起を含んでもよい。丸い突出部は、規則的な角度断面(angular sections)を通って波打つ一連の波であってもよい。丸い突出部の1つ又は複数は、ソールの支持/緩衝特性に区別をつけるために切断されるか又は他の方法で変えてもよい。一つの実施の形態では、丸い突出部は、傾斜平面に沿って切断される。
【0007】
クッションインサートは、異なる緩衝特性又は支持特性を与えるために異なる角度向きで受け部内に選択的に設けてもよい。ディスクの実施の形態では、丸い突出部の特性は、角度向きを変えることでソール構造の支持/緩衝特性が変わるように、クッションインサートの範囲のあたりで変わってもよい。
【0008】
一つの実施の形態では、クッションインサートは、ミッドソールの対応する支柱の上方に嵌まるように構成される中央貫通孔又はボアを画定してもよい。クッションインサートは、支柱の上方に回転可能に嵌まってもよい。その結果、ソール構造は、単に支柱を中心としてクッションインサートを回転させることによって調節することができる。
【0009】
一つの実施の形態では、クッションインサートは、「回外」、「回内」、「硬め(firm)」、「標準(regular)」の設定を含む少なくとも4つの位置間で調節可能である。ディスクの実施の形態では、消費者は、標準緩衝若しくは硬め緩衝を提供するか、又は回外若しくは回内に対処するために、クッションインサートを回転させてソール構造を調節することができる。
【0010】
一つの実施の形態では、ソールは、ソールを保持するために対応する受け部を備えるアウトソールを有するローファー又は他のタイプの浅い履物に、挿入されるようになっている。この実施の形態では、ソールは、アウトソールのヒールの受け部に嵌まり込むように構成される区別ヒール部分(differentiated heel portion)を含んでもよい。クッションインサートは、受け部内に収容される場所で、区別ヒール部分に取り外し可能且つ調節可能に取り付けることができる。
【0011】
別の実施の形態では、ソールは、ソールを収容するようになっているアウトソールを有する靴構造に含まれる。この実施の形態では、アウトソールの一部が、クッションインサートへのアクセスを提供するように屈曲、枢動、又は他の方法で選択的に移動させられるようになっていることで、クッションインサートを取り外して異なる構成で置き換えて支持特性を変えることができる。一つの実施の形態は、アウトソールのヒール領域は、調節のためにクッションインサートを露出させるように靴から離れて下方に屈曲するようになっている。
【0012】
さらに別の実施の形態では、クッションインサートは、少なくとも1つの溝路を画定し、その深さは、クッションインサートの異なる領域に異なる緩衝特性を与えるようにクッションインサートのまわりで変わる。クッションインサートは、異なる支持/緩衝特性を与えるために、様々な異なる向きにソールに取り外し可能に嵌まることができる。
【0013】
別の実施の形態では、ソールは、ソールを収容及び支持するようになっているアウトソールを有する靴構造に組み込まれる。アウトソールは、開口を画定し、これを通してクッションインサートにアクセスして、異なる支持/緩衝特性を与えるためにクッションインサートの向きを変えるように操作することができる。この実施の形態では、アウトソールは、クッションインサートへのアクセスを提供する開口を画定する側壁を含んでもよい。クッションインサートには、ソール内の所定位置にある間のクッションインサートの調節を容易にする輪郭を設けてもよい。
【0014】
本発明は、ソールを異なる着用者のニーズに合うように容易に適合させることのできる単純で効果的な構造を提供する。ディスク形状のクッションインサートを含むようなこれらの実施の形態では、ソールは、受け部内でクッションインサートを単に回転させることによって調節することができる。例えば、クッションインサートを単に回転させるだけで、ソールを標準支持若しくは硬め支持間で調節すること、又は回内若しくは回外に対処させることができる。1つのクッションインサートの向きを変えることによってソールを調節できるため、費用を増加させる必要がなく、紛失又は置き替え違いの可能性がある一群の異なるインサートを着用者に供給する必要がない。さらに、着用者が将来行われる可能性のある調節のために未使用の調節可能インサートを保存及び保管する必要がない。一足の靴で片足に8つの異なる向きを有するクッションインサートが組み込まれていれば、64種類の異なる調節の組み合わせが着用者に与えられる。区別ヒールを用いる実施の形態は、アウトソールによって占められることの多い空間内にクッションインサートを収容することができるため、ローファー及び他の浅い履物での本発明の使用を容易にする。クッションインサートの調節は、クッションインサートがアウトソールの操作(例えば屈曲又は枢動)によってアクセス可能であるような実施の形態で容易にされ得る。クッションインサートの変化が可変深さの溝路によって達成されるような実施の形態では、クッションインサートの上面は平面状のままであり得る。これは、クッションインサートに起伏を組み込んだ実施の形態とは異なり、クッションインサート及び相手方のソール部品の輪郭同士が一致することが望ましくないため、クッションインサートに無限の調節性を与えることができる。さらに、クッションインサートで平面状の合わせ面を用いることで、それと接するソール部品の製造を容易にするとともにクッションインサートの汎用性を高めることができる。さらに、クッションインサートが周囲のソール部品(例えばアウトソール)の開口を通してアクセス可能であるような実施の形態では、着用者が履物製品を履いたままでアウトソール又は他のソール部品のどの部分も操作することなくクッションインサートを調節することができるため、クッションインサートの調節を単純化することができる。
【0015】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、現行の実施形態の詳細な説明及び図面を参照することによって容易に理解及び認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一つの実施形態によるソール構造を、図1〜図11bに全体的に10で示す。図示された実施形態は、概して、ミッドソール12と、クッションインサート14と、ヒールウェッジ16とを含んでいる。ミッドソール12は、クッションインサート14を収容するようになっている受け部18を画定している。ヒールウェッジ16は、ミッドソール12/クッションインサート14の組み合わせの下方に位置決めされている。クッションインサート14の上面20は、複数の丸い突出部24を含み、受け部18の底面22は、複数の丸い突出部26を含んでいる。丸い突出部24及び26は、異なる支持/緩衝特性を与えるように異なる形状であってもよい。丸い突出部24及び26は、クッションインサート14が受け部18内に設けられると嵌まり合う。これらの部品は、基本的にいかなる履物製品の中に着座させることもできる。開示の目的で、本発明はミッドソール構造に関連して説明される。しかしながら、本発明は、アウトソール、インソール、又はヒールウェッジのような他のソール部品に組み込まれてもよい。ミッドソール構造では、ソール構造10は通常、(図示しない)アウトソールの空隙の上方に配置されるか又は中に着座させられる。さらに、本発明は、ヒール領域に位置決めされるクッションインサートに関連して説明される。前足部又はこの構造によって与えられるタイプの調節性が望まれ得る他の場所のように、ソールの他の領域にクッションインサートを代替的又は付加的に位置決めしてもよい。
【0017】
本発明は、寸法、符号、及び他の注釈を含む一連の図に関連して説明される。図に含まれる寸法、符号、及び他の注釈は例示であり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0018】
本発明は、主に、右の靴に組み込まれるように構成されるソール構造10に関連して説明する。左の靴用のソール構造は、説明される右のソール構造10の鏡像である。したがって、左のクッションインサートは、右のクッションインサート14の鏡像である。例えば、図28は、本発明の代替的な実施形態の左の組立体及び右の組立体を示している。
【0019】
図1〜図11の実施形態では、ミッドソール12は、ソールの主緩衝体を提供する。この実施形態のミッドソール12は、履物製品の一般的形状に従う全長ミッドソールであり、アウトソール又は他の下にあるソール部品の上方でアッパーに嵌まるように構成されている(図1及び図2を参照)。この実施形態のミッドソール12は、アウトソールと基本的に同一範囲に延びる単一の一体構造であるが、別個の部品群でであってもよく、又はソールの1つ又は複数の選択部分のみに延びるように構成される部分的なミッドソールであってもよい。図示された実施形態を再び参照すると、ミッドソール12は、前足部領域30と、アーチ領域32と、ヒール領域34とを含んでいる。前足部領域30は、着用者の前足部を支持するように構成されている。アーチ領域32は、アーチ支持を与えるような形状であってもよい。図示されていないが、ミッドソール12のアーチ領域32の輪郭が所望のレベルのアーチ支持を与えるのに十分でない場合、ミッドソールのアーチ領域32に、シャンク又は実質的に硬いアーチ支持体を加えてもよい。所望であれば、別個のシャンクをミッドソール12とアウトソール又は他の場所との間でソール構造に組み込んでもよい。ヒール領域34は、クッションインサート14を収容するように構成される受け部18を画定している。この実施形態は、ヒール領域に1つの受け部18を示しているが、受け部18は、前足部領域の他の位置に位置付けてもよく、ミッドソール12は、複数のクッションインサートを収容するように構成される複数の受け部を画定している。例えば、別個のクッションインサートをヒール領域及び前足部領域に位置付けて、ソールの両方の領域に調節性を与えてもよい。図示された実施形態では、受け部18は、中央支柱36を有する実質的にディスク形状の空隙である(図2、図4a、及び図4bを参照)。中央支柱36は、より詳細に後述するように、クッションインサート14を収容するように構成されている。中央支柱36のサイズ、形状、及び構成は、ソール構造10の特性を変えるように、用途ごとに変えてもよい。例えば、ヒール領域の中央に与えられる支持量を制御するために、中央支柱36の直径を増減してもよい。中央支柱36はオプションであり、中央支柱36が設けられていない場合、クッションインサート14は、ディスク形状の空隙に単に嵌まり得る。
【0020】
受け部18は、クッションインサート14と係合するように構成される境界面40を含んでいる(図3a、図3b、図4a、及び図4bを参照)。境界面40は、クッションインサート14に向かって延びる複数の丸い突出部26を含んでもよい。丸い突出部26は、受け部18の角度断面と一致する規則的な波のパターンで境界面40のまわりに位置決めされてもよい。図示された実施形態では、受け部18は、境界面40の中央の周りに規則的な反復パターンで配置される8つの丸い突出部26を含んでいる。図示された実施形態の丸い突出部26は、平滑な連続した湾曲輪郭によって形成され、「丸い突出部」という用語は、このような輪郭が湾曲しているか、平滑であるか、又は互いに連続して延びているかに関係なく、基本的に任意の輪郭を指すように広義に用いられる。受け部の境界面40は、TPU又はより硬質のEVAの薄層のような支持層42を含んでもよい。支持層42の硬度は、所望に応じて用途ごとに変えてもよい。しかしながら、図示された実施形態では、支持層42は、アスカーA型で約80〜90の範囲のデュロメータ硬度を有し得る。支持層42は、ミッドソール12に固定してもよい。例えば、支持層42は、ミッドソール12に現場成形してもよい。別の例として、支持層42は、境界面40に接着剤又は他の接着方法で固定してもよい。任意の支持層42のサイズ、形状、及び構成は、構造的完全性を維持しつつ所望のレベルの緩衝/支持を与えるために用途ごとに変えてもよい。さらに、支持層42の特性は、ソールの特性に領域的変化を与えるために、領域ごとに変えてもよい。
【0021】
ミッドソール12は、所望の緩衝/支持特性を与えることが可能な基本的にいかなる材料又は材料の組み合わせから製造されてもよい。一つの実施形態では、ミッドソール12は、所望の硬度/弾力性を有するポリウレタン又はEVAから製造される。ミッドソール12の硬度は、所望に応じて用途ごとに変えてもよい。しかしながら、図示された実施形態では、ミッドソール12は、アスカーC型で約65〜70の範囲のデュロメータ硬度を有する単一材料から製造されている。ミッドソール12は、基本的に従来の成形技術及び装置を用いて製造され得る。ミッドソール12は、成形プロセス中に、受け部18が形成される単一の一体ユニットとして射出成形することができる。ミッドソール12は、代替的に、予備製造(例えば予備成形)されてから受け部18を形成するように、打ち抜き又は他の方法で加工してもよい。ミッドソール12は、代替的に、例えば別個のヒール部分及び前足部分を有する複数の複合部品から製造されてもよい。別個の部品は、圧縮成形又は接着剤の使用等によって、製造中に組み合わせてもよい。
【0022】
クッションインサート14は、様々な異なる向きに受け部に取り外し可能に嵌まるように構成されている(図5〜図8を参照)。図示された実施形態では、クッションインサート14は、実質的にディスク形状であり、受け部18内に着座するように構成されている(図2、図4a、及び図4bを参照)。次に図9b、図10a、及び図10bを参照すると、クッションインサート14は、中央支柱36の上方に嵌まるようになっている中央孔44を画定している。中央孔44及び中央支柱36は、クッションインサート14を受け部18内に位置合わせ及び/又は保持するのを助けるのに役立ち得る。しかしながら、中央支柱36及び中央孔44は、省いてもよく、又は他の構成をとってもよい。例えば、中央孔44及び中央支柱36は、互いにスナップ嵌めされるように構成してもよい。図示されていないが、中央支柱36は、(図示しない)ヘッドを含んでもよく、中央孔44は、クッションインサート14が受け部18内に装着されたときに、中央支柱36のヘッドを収容するための(図示しない)拡大空間を画定してもよい。別の例として、中央支柱36及び中央孔44は、クッションインサート14が選択向きでのみ受け部18に嵌まるような形状であってもよい。この代替的な実施形態では、2つの部品のうちの一方はキーを含んでもよく、他方は、クッションインサート14が許容可能な向きの1つにあるときにのみ、キーを受け入れる複数のスロットを含んでもよい。
【0023】
クッションインサート14の境界面46は、受け部18の丸い突出部26と嵌まり合うように構成された複数の丸い突出部24を含んでいる。丸い突出部24の1つ又は複数は、残りの丸い突出部24とはサイズ、形状、又は他の特性が異なるため、クッションインサート14を位置決めし直すことで、丸い突出部24を位置決めし直し、したがってソール構造10の支持/緩衝特性が変わる。図示された実施形態では、丸い突出部24及び26は、クッションインサート14の丸い突出部24が調節性を与えるために意図的に切断されている領域でのみ空間が生じるように、互いに密接に嵌まり合うような形状である。おそらく図11aに最もよく示されているように、図示された実施形態の丸い突出部24は、クッションインサート14の片側における全高さの丸い突出部24から反対側における実質的に高さを減らした丸い突出部24まで均一なテーパを与えるように選択された向きに丸い突出部24を延びる1つの共通平面によって切断されている。異なる用途では、切断平面は、所望の緩衝特性を与えるように適宜代替的な向きに配置してもよい。さらに、丸い突出部24は、1つの共通平面によって切断される必要はなく、代替的に、クッションインサートの調節範囲を通して所望の緩衝/支持特性を与えるように、所望に応じて切断又は他の方法で変えてもよい。
【0024】
図示された実施形態は、切断された丸い突出部を開示しているが、クッションインサート14の調節性範囲を通して所望の支持/緩衝を与えるように、サイズ、形状、構成、及び材料のようなクッションインサート14又は丸い突出部24の基本的に任意の特性を変えることによって、調節性を与えることができる。例えば、丸い突出部は、異なる硬度の材料から製造してもよい。このタイプの一つの実施形態では、クッションインサートは、異なる材料から製造された丸い突出部から形成してもよい。製造プロセスは様々であり得るが、クッションインサートの異なる材料は、互いに接着してもよく、マルチショット(multiple shots)を用いて一体成形してもよく、又は圧縮成形してもよい。別の例として、丸い突出部に所望の特性を与えるために、(図示しない)支持層を丸い突出部の1つ又は複数の上方に位置決めしてもよい。図示されていないが、支持層は、受け部18の支持層42と同様であってもよい。選択された丸い突出部の上方に設けられる支持層が硬いほど、硬さが増す。選択された丸い突出部の上方の支持層が薄いほど(又は支持層がないことで)、選択領域の硬さが減る。支持層の厚さの変化を用いて、丸い突出部の特性に所望の変化を与えることができる。
【0025】
調節性を与えるためにクッションインサート14の個々の丸い突出部24を変えることに加えて、ミッドソール12及びクッションインサート14の輪郭及び他の特性を用途ごとに変えてもよい。例えば、丸い突出部24及び26のサイズ、形状、及び構成の変化だけでなく、ミッドソール12、クッションインサート14、及び/又は支持層42の厚さ又は材料の変化を用いて、調節性との関連なしに支持/緩衝特性を制御することができる。図示された実施形態では、丸い突出部24及び26は、境界面のまわりに延びる連続曲線に従って滑らかに1つの丸い突出部から次の丸い突出部へと移行する。端部から見ると、曲線はほぼ正弦曲線である。所望であれば、一方又は両方の部品の丸い突出部間に空間を設けてもよい。また、クッションインサートにおいて1つ又は複数の丸い突出部24及び26を省いて、硬度が低い領域を設けてもよい。別の例として、丸い突出部24及び26は、曲線プロファイルではなく、三角形、矩形、又は正方形等の異なる形状を有していてもよい。さらに、嵌まり合う丸い突出部24及び26の形状は、図示のように対応している必要はない。例えば、三角形の丸い突出部又は正方形の丸い突出部が湾曲空隙又は他の不整合空隙形状に嵌まってもよい。
【0026】
ミッドソール12及びクッションインサート14は、クッションインサート14の調節を助けるグラフィック、印刷物、又は他の記号を含んでもよい。例えば、図2に示されるように、ミッドソール12に位置合わせインジケータ98(この場合は1つの矢印)を設けてもよく、クッションインサート14にクッションインサート14の許容可能な向きを示す複数の同様の位置合わせインジケータ96(この場合は複数の矢印)を設けてもよい。クッションインサート14は、位置合わせインジケータ96及び98と協働してクッションインサート14の向きの結果を視覚的に示す文章又は記号を含んでいてもよい。例えば、「回内(P)」、「回外(S)」、「標準(R)」、及び「硬め(F)」という言葉が、適当な位置合わせインジケータ96に隣接してインサートに印刷されてもよい(図29a〜図30bを参照)。図5〜図8は、クッションインサート14をそれぞれ「回内」、「回外」、「硬め」、及び「標準」の状態で示している。
【0027】
図示された実施形態では、ソール構造10は、ソールのヒール領域を付加的に緩衝し上昇させるヒールウェッジ16を含んでいる(図3b、図4a〜図4cを参照)。ヒールウェッジ16は、ヒール領域でミッドソール12及びクッションインサート14の下面を収容及び支持するためのカップ形状面を提供するような形状であってもよい。ヒールウェッジ16は、オプションの部品であり、例えば、下側のアウトソールのような他のソール部品によって十分なヒールの緩衝及び上昇が与えられる場合は省くことができる。図示された実施形態では、ヒールウェッジ16は、アウトソール及び他のソール部品とは別個に製造される。所望であれば、ヒールウェッジ16は、ミッドソール12及びクッションインサート14の下にあるアウトソール又は他のソール部品に一体化してもよい。
【0028】
ミッドソール12、クッションインサート14、及びヒールウェッジ16は、基本的にいかなる履物構造に組み込むこともできる。図1〜図11の組立体は、例えば履き口を通して組立体をアッパー内に落とし、アウトソールの上方に位置決めすることによって、履物製品に取り外し可能に嵌めることができる。ヒールウェッジ16は、ミッドソール12及びクッションインサート14が取り外し可能である場合でも、履物製品に永久的に固定することができる。代替的に、組立体(クッションインサート14を除く)は、例えばミッドソール12及びヒールウェッジ16を所定位置に接着することによって、ソール構造に永久的に一体化することができる。クッションインサート14は絶対に取り外し可能である必要はないが、ユーザがクッションインサート14を或る向きから次の向きへ調節することが可能であるべきである。例えば、クッションインサート14は、取り外さないで或る向きから次の向きへ回転させることができれば、取り外し可能である必要はない。
【0029】
図1〜図11に示したものと同様の実施形態のミッドソール及びクッションインサートの複数の図面を、図18a〜図18eに示す。図1〜図11の実施形態と同様であるが、この実施形態は、特に支持層42を含んでいない。さらに、クッションインサートの丸い突出部は、図1〜図11の実施形態のような平面によって切断されるのではなく、高さが変わっている。これらの図面には、図1〜図11に関連して用いた参照符号に対応する参照符号が記されている。図18a〜図18eは、ミッドソール12に設けられたクッションインサート14を示している。図から分かるように、クッションインサート14は中央支柱36の上に嵌められている。図18aは、クッションインサートが第1の位置にあるプロトタイプのヒール領域の右側を示している。図18bは、クッションインサートが第2の位置にあるプロトタイプのヒール領域の右側を示している。図18cは、クッションインサート14が第1の位置にある後部からのプロトタイプのヒール領域を示している。図18iは、クッションインサート14を取り外したミッドソール12のヒール部分を示している。図18kは、クッションインサートの底部を示している。
【0030】
代替的な実施形態を図12〜図17に示す。この代替的な実施形態では、ソール構造210は、クッションインサート214がミッドソール212の上面からアクセス可能であるように構成されている(図12を参照)。図15に示されるように、この実施形態のソール構造210は、概して、ミッドソール212と、クッションインサート214と、ヒールウェッジ216とを含んでいる。ミッドソール212は、上述のミッドソール12と概ね同一である。しかしながら、クッションインサート214がミッドソール212に上から挿入されるように受け部218が上向きに開いていることにより、ミッドソール212を靴から取り外すことなくクッションインサート214の調節が容易になる。さらに、この実施形態の中央支柱236は、クッションインサート214を貫通しないように構成されている。逆に、クッションインサート214は、境界面246からクッションインサート214内に延びる中央ボア244を画定している。中央支柱236は、(図示しない)ヘッドを含んでもよく、中央ボア244は、クッションインサート214を中央支柱236にスナップ嵌めすることを可能にする対応する(図示しない)拡大空隙を画定してもよい。ヒールウェッジ216は、上述のヒールウェッジ16と基本的に同一である。ヒールウェッジ216は、所望であれば、ミッドソール212に直接組み込んでもよい。
【0031】
この代替的な実施形態は、オプションの中敷300も含んでもよい(図13及び図14を参照)。中敷300の設計及び構成は、用途ごとに変わり得る。例えば、中敷は、従来の積層構造(例えば、複数の異なる層から組み立てられる)であってもよく、又は従来の一体構造であってもよい。図示された実施形態では、中敷300は、積層構造であり、概してクッション層304及びカバー層306を含んでいる。この実施形態のクッション層304は、EVA、ポリウレタン、又はゲルのような基本的に任意の緩衝材料から製造してもよい。この実施形態のカバー層306は、綿、毛、及びポリプロピレンブレンドのような、柔軟だが耐久性のある布又は織物材料から製造され得る。所望であれば、中敷300は、抗菌、防臭、及び/又は他の機能処理で処理してもよい。図示されるように、中敷300は、中敷300が靴に装着されたときにクッションインサート214が見えるようにする窓302を含んでもよい。窓302は、単に中敷300に開いた開口であってもよく、又は透明若しくは半透明材料を充填してもよい。図12〜図17及び図20〜図28の実施形態のみに関連して図示されているが、基本的にいかなる構造もオプションの中敷を含むことができる。クッションインサートがミッドソールの下面に嵌められる用途では、中敷に窓はなくてもよい。
【0032】
本発明は、限定はされないが、靴、ブーツ、サンダル、スリッパ、及び運動靴を含む基本的にいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。さらに、本発明は、基本的にいかなる履物構造にも組み込むことができる。例えば、ソール構造は、ダイレクトアタッチ、ウェルト、接着、ストローベル、カリフォルニア、オパンカ、ラスティング、スリップラスティング、及び他の履物構造に組み込むことができる。ソール構造全体を、アウトソール、ミッドソール、又は他のソール部品の空隙に取り外し可能に嵌めることができる。代替的に、ミッドソール及びヒールウェッジのような本発明の選択部品を、ソールの残りの部分に固定することができる。この代替形態では、クッションインサートは取り外し可能(又は少なくとも受け部内で調節可能)でもよい。オプションの中敷がソール構造に含まれる場合、クッションインサートへのアクセスを提供するのに取り外しが必要であれば、中敷は通常取り外し可能になる。
【0033】
図12〜図17に示されるものと同様の実施形態のミッドソール及びクッションインサートの複数の図面を、図19a〜図19dに示す。図12〜図17の実施形態と同様であるが、この実施形態は、特に支持層242を含まない。さらに、クッションインサートの丸い突出部は、図12〜図17の実施形態のように、平面によって切断されるのではなく高さ/形状が変わっている。これらの図面には、図12〜図17に関連して用いた参照符号に対応する参照符号が記されている。図19aは、ミッドソール212に装着されたクッションインサート214を示すプロトタイプの上部を示している。図19bは、クッションインサート214を取り外したミッドソール212のヒール領域を示している。図19cは、クッションインサートの上部を示している。図19dは、クッションインサートの底部を示している。
【0034】
第2の代替的なソール構造410を、図20〜図28に示す。この実施形態は、説明される場合を除いて、図12〜図17の実施形態とほぼ同一である。図示されるように、この実施形態は、ミッドソール412の上面に装着されるクッションインサート414を含んでいる。クッションインサート414は、主にミッドソール412の対応する位置合わせ孔444に嵌まるように構成された支柱436を含むという点で、クッションインサート214とは異なっている(図23及び図27を参照)。所望であれば、位置合わせ孔444は、図21に示されるように、支柱436がミッドソール412の底部から見えるようにミッドソール412を貫通し得る。代替的に、位置合わせ孔444は、ミッドソール412に開いているが貫通していない(図示しない)より浅い孔で置き換えてもよい。右側のクッションインサート414aを図25a及び図26aに、左側のクッションインサート414bを図25b及び図26bに示す。図示されるように、右側のクッションインサート414a及び左側のクッションインサート414bは、基本的に互いの鏡像である。次に図22〜図24を参照すると、ヒールウェッジ416、ミッドソール412、クッションインサート414、及び中敷300は、図12〜図17に示される代替的な実施形態と基本的に同じ方法で組み立てられる。図28は、左側及び右側の履物製品に装着されたソール構造を示している。この図では、クッションインサート414a及び414bは、「回内」位置で装着されている。
【0035】
第3の代替的なソール構造510を、図31〜図34に示す。この代替的な実施形態は、限定はしないが、ローファー及び他の浅い履物構造で用いるためのものである。図示された実施形態では、ソール構造510は、クッションインサート514を有するソール部品すなわちミッドソール512を含み、これらは、詳細に上述したミッドソール12、212、及び412、並びにクッションインサート14、214、及び414とほぼ同様であってもよい。ミッドソール512は、区別ヒール部分512aを含み、これは、ヒール部分512aを収容するための対応する受け部550を有するローファー516又は他のタイプの履物に入れられる、すなわち挿入されるようになっている。この実施形態では、区別ヒール部分512aは、ミッドソール512のアーチ領域515からヒール領域517への大きな遷移部513を特徴としている(図32を参照)。遷移部513は、ヒール部分512aを受け部550に落とし込むことを可能にする。
【0036】
本発明は、広範囲の履物様式での使用に適しているが、ローファー516に関連して説明される。ローファー516は、別段の記載がない限りほぼ従来通りのものである。図示された実施形態では、ローファー516は、ミッドソール512の下面と係合してこれを支持するようになっているアッパー546及びアウトソール548を含んでいる(図31を参照)。ローファー516のヒール領域534において、アウトソール548は、ローファーのヒール領域534を付加的に上昇させるヒール548aを形成する。ヒール548aは、実質的に中空であり、ミッドソール512のヒール部分512aを収容するのに十分なサイズ及び形状の受け部550を画定している。図示された実施形態では、受け部550は、アウトソール548の上面に画定されたカップ形状の空隙又は開口として形成されている。
【0037】
図31に示されるように、ミッドソール512は、アウトソール548と噛み合い係合するように形成されている。具体的には、ミッドソール512のヒール部分512aが、ミッドソール512のヒール領域においてアウトソール548の受け部550に対応する突出部又は延長部として形成されることで、ミッドソール512がローファー516内に落とされて、すなわち挿入されて、適切な向きにアウトソール548と容易に係合することができる。受け部550内で得られるヒール部分512aの構成により、ソールの全厚さを減らすことができ、ミッドソール512がローファー516内で摺動するか又は他の形でずれる可能性を減らすことができる。図示された実施形態では、ヒール部分512aは、ミッドソール512と一体形成されている。しかしながら、ヒール部分512aは、ミッドソール512とは別個に製造されて後で取り付けられてもよい。
【0038】
場合によっては、ミッドソール512は、特に靴構造510の支持特性を変えることができる少なくとも1つの輪郭面を含んでもよい。例えば、ミッドソール512は、図34に示される凹部552のような、ミッドソール512の可撓性を高めることのできる球状の窪み又は突出部又は凹部552をその底面に画定してもよい。
【0039】
上述のように、ミッドソール512及びクッションインサート514は、本明細書で説明した実施形態と他の点ではほぼ同様であるため、クッションインサートを移動させることで様々な支持特性を提供し得る。図示された実施形態では、ミッドソール512は、クッションインサート514を収容する受け部をその底面に含んでいる(図33を参照)。受け部の底面は複数の丸い突出部526を含み、クッションインサート514の上面は複数の丸い突出部524を含んでいる。丸い突出部524及び526は、クッションインサート514が受け部内に装着されると嵌まり合う。上述の丸い突出部24及び26のように、丸い突出部524及び526は、異なる支持/緩衝特性を与えるように異なる形状又は高さであってもよい。図示された実施形態では、クッションインサート514は、ヒール部分516のミッドソール512のヒール領域に位置付けられている。しかしながら、クッションインサート514又は付加的なクッションインサートを、ミッドソール512の他の場所に位置決めしてもよい。
【0040】
この実施形態では、靴構造510は、クッションインサート514と相手方のソール部品(例えばミッドソール512)との位置合わせを容易にして維持するための構造を含んでもよい。図33及び図34に示されるように、クッションインサート514は、ミッドソール512の対応する位置合わせ孔544に嵌められるように構成される支柱536を含んでいる。支柱536及び位置合わせ孔544は、上記実施形態で説明した支柱及び位置合わせ孔と概ね同一であってもよい。例えば、位置合わせ孔544は、支柱536がミッドソール512の底部から見えるように、ミッドソール512を貫通してもよい。代替的に、位置合わせ孔544は、ミッドソール512に開いているが貫通していない(図示しない)より浅い孔で置き換えてもよい。位置合わせ構造が望まれる実施形態では、これらの代替的な位置合わせ構造を、適当な位置合わせを行うことが可能な基本的に任意の構造で置き換えてもよい。
【0041】
第4の代替的な実施形態では、調節(及び他の目的)用のクッションインサート614へのアクセスが周囲のソール部品の操作によって達成される構造が提供されている。図35〜図39に示される実施形態では、クッションインサート614は、アウトソール648のヒール部分をミッドソール612から離れて屈曲又は枢動させることによって、アクセス可能になる。図示されるように、靴構造610は、ミッドソール612及びクッションインサート614を含み、これらは、詳細に上述したミッドソール12及びクッションインサート14とほぼ同様であり得る。靴構造610は、ミッドソール612を収容及び支持するようになっているアッパー646及びアウトソール648を含んでいる。アウトソール648の部分648aが、クッションインサート614を露出させるようにミッドソール612から離れて屈曲又は枢動させられるようになっているため、クッションインサート614の取り外し、交換、又は調節を行ってクッションインサート614が与える支持特性を変えることができる(図35〜図38を参照)。
【0042】
図示された実施形態では、ミッドソール612は、クッションインサート614を収容するようになっている受け部を底面に画定している。図示された実施形態では、受け部の底面は、複数の丸い突出部626を含み、クッションインサート614の上面は、複数の対応する又は嵌まり合う丸い突出部624を含んでいる(図37及び図39を参照)。丸い突出部624及び626は、異なる支持/緩衝特性を与えるように形状又はサイズを変えることができる。その結果、クッションインサート614を取り外し、回転させ、ミッドソール612の受け部内に入れ直すことで、異なる支持特性を与えることができる。図37及び図38に示されるように、クッションインサート614は、ミッドソール612の対応する位置合わせ孔644に嵌まるように構成される支柱636を含み、これらは、上述の支柱36及び位置合わせ孔44とほぼ同様又は同一であり得る。位置合わせ構造が望まれる実施形態では、支柱636及び位置合わせ孔644を、適当な位置合わせを行うことが可能な基本的に任意の構造で置き換えてもよい。
【0043】
アウトソール648の部分648aは、クッションインサート614がミッドソール612の受け部に挿入されると、クッションインサート614の底面と係合してこれを支持するようになっている。例えば、靴構造610の前足部領域におけるアウトソール648のように、アウトソールは概して、クッションインサート614を覆ってクッションインサート614へのアクセスを遮断する。しかしながら、図36及び図37に示されるように、アウトソール648の部分648aは、ミッドソール612から離れて屈曲又は枢動してクッションインサート614へのアクセスを提供する。アウトソール部分648aが枢動して開くと、ミッドソール612の全体を靴構造610から取り外すことも着用者が靴を脱ぐこともなく、クッションインサート614を取り外し、回転させ、ミッドソール612に入れ直すことができる。図示された実施形態では、クッションインサート614を覆うか又は支持するアウトソール部分648aのみが枢動するようになっている。代替的に、アウトソール648の全体がミッドソール612から離れて枢動又は他の方法で移動してもよい。
【0044】
クッションインサート614がミッドソール612の受け部の所望の位置に挿入されると、部分648aは、ミッドソール612に向かって閉じた非枢動位置に枢動する。アウトソール部分648aは、例えば、アッパー646又はミッドソール612において非枢動位置で保持されるようになっている。図示された実施形態では、アウトソール部分648aは、アッパー646において保持されるようになっている延長部656を含んでいる。延長部656は、靴紐孔662と一致するようになっている孔660を含むため、延長部656、したがってアウトソール部分648aを、靴紐によってアッパー646に縛り付けることができる。この特定の保持構造は例示に過ぎない。保持が望まれる場合、上記構造を、スナップ又は面ファスナ(例えばVelcro(登録商標))のような、アウトソールを閉位置に保持することが可能な基本的に任意の機構で置き換えることができる。
【0045】
場合によっては、アウトソール部分648a又は延長部656は、開口658を含んでもよく、これを通して、アウトソール部分648aが非枢動位置にあるときに、クッションインサート614を見ることができる(図35を参照)。そのような実施形態では、クッションインサート614の位置及び/又は得られる支持特性のインジケータが、クッションインサート614の外面に印刷されていてもよく、開口658を通して見ることができてもよい。したがって、ユーザは、アウトソール部分648aを開く必要も枢動させる必要もなく、クッションインサート614の位置が分かる。
【0046】
第5の代替的な実施形態では、ソール構造710が、ミッドソール712と、図40に示されるクッションインサート714a及び714bのような少なくとも1つのクッションインサートとを含んでいる。クッションインサート714a及び714bは、少なくとも1つの溝路を含み、その深さは、クッションインサートについて変わる。クッションインサート714a及び714bは、異なる支持/緩衝特性を与えるために、異なる向きにミッドソール712の各受け部に取り外し可能に嵌まるように構成されている。図示された実施形態のほぼ平面状の合わせ面の場合、クッションインサート714a及び714bは、クッションインサートの丸い突出部及び合わせ面の位置合わせに関係なく、基本的にいかなる向きにも回転させることができる。
【0047】
図40及び図41に示されるように、ミッドソール712は、クッションインサート714a及び714bをそれぞれ収容するようになっている2つの受け部718a及び718bを画定している。受け部718aは、ミッドソール712のヒール領域に位置付けられ、受け部718bは、ミッドソール712の前足部領域に位置付けられている。しかしながら、クッションインサートは、代替的又は付加的に、この構造が提供するタイプの調節性が望まれ得るソールの他の領域に位置決めされてもよい。図示された実施形態では、受け部718a及び718bは、ミッドソール712の底面の開口又は空隙として画定されるため、ミッドソール712は、上述のミッドソール12と同様であり得る。しかしながら、受け部718a及び718bは、上記のミッドソール212及び412と同様に、ミッドソール712の上面に形成することもできる。
【0048】
図示された実施形態では、クッションインサート714a及び714bのそれぞれの上面は、3つの溝路764、766、及び768を全体的に画定し、これらはそれぞれ、クッションインサートに沿って異なる点で深さが変わっている(図42及び図45〜図47を参照)。クッションインサート714a及び714bの支持特性は、溝路の深さに応じて主に決まるため、クッションインサート714a及び714b、したがって溝路を再位置決めすることで、クッションインサートの支持/緩衝特性が変わる。図45に示されるように、図示された実施形態の溝路764、766、及び768は、クッションインサート714a及び714bの片側における全深さBの溝路からクッションインサートの反対側の実質的により浅い深さAの溝路まで均一なテーパを提供するように選択された向きで溝路を通って延びる1つの共通平面又は軸770a及び770bによって切断されている。図46に示されるように、図45に示される断面に対して垂直な線に沿ったクッションインサート714a及び714bの断面が、クッションインサートの幅にわたって均一な深さを有する溝路を示している。異なる用途では、切断平面は、所望の緩衝特性を与えるように適宜代替的な向きに配置され得る。さらに、溝路764、766、及び768は、(図45及び図46に示されるように)1つの共通平面によって切断される必要はなく、代替的に、クッションインサートの調節範囲を通して所望の緩衝/支持特性を与えるように、所望に応じた角度断面を通って切断するか又は他の方法で変えることができる。図示された実施形態は、切断された溝路を開示しているが、クッションインサートの調節性範囲を通して所望の支持/緩衝を与えるように、サイズ、形状、構成、及び材料のようなクッションインサート714a及び714b又は溝路764、766、及び768の他の特性を変えることによって、調節性を与えることができる。
【0049】
場合によっては、受け部内でのクッションインサートの位置合わせ及び/又は保持を助けるために、クッションインサート714a及び714bは、中央支柱736a及び736bの上方に嵌まるようになっている中央孔744a及び744bをそれぞれ画定し得る(図40及び図41を参照)。この第5の代替的な実施形態の中央孔及び中央支柱は、詳細に上述した実施形態の中央孔及び中央支柱とほぼ同様又は同一であり得る。代替的又は付加的に、受け部は、クッションインサート714aの位置合わせを容易にするクッションインサートの溝に対応する延長部又はリブを含んでもよい。例えば、受け部718aは、クッションインサート714aの溝739aに嵌まるようになっているリブ738aを含んでもよい(図41を参照)。
【0050】
ユーザがクッションインサート714a及び714bの正確な向きを達成するのを助けるために、クッションインサートの底面は、グラフィック、印刷物、又は他の位置合わせインジケータを含んでいてもよい。例えば、図43に示されるように、クッションインサート714a及び714bには、クッションインサートの許容可能な向きを示す複数の矢印が設けられている。場合によっては、クッションインサートは、位置合わせインジケータと協働してクッションインサートの向きの結果を視覚的に示す文章又は記号を含んでいてもよい。例えば、「回内」、「回外」、「標準」、及び「硬め」という言葉が、適当な(図示しない)位置合わせインジケータに隣接してクッションインサートに印刷されてもよい。
【0051】
図49〜図56に示される第6の代替的な実施形態では、ミッドソール812及びクッションインサート814a又は814bを有する靴構造810が示されている。靴構造810は、ミッドソール812を収容及び支持するようになっているアッパー846及びアウトソール848を含んでいる。アウトソール848は、開口871を含み、これを通してクッションインサート814a又は814bにアクセスして、異なる支持/緩衝特性を与えるためにクッションインサートの向きを変えるように操作することができる。
【0052】
ミッドソール812は、上記実施形態で説明したミッドソール12、212、412、512、612、及び712のいずれかとほぼ同様であり得る。図示された実施形態では、ミッドソール812は、クッションインサート814a又は814bを収容するための受け部をその底面に含んでいる(図50を参照)。
【0053】
この実施形態のクッションインサートは、ミッドソール812の受け部内に位置決めされたまま、ミッドソール812に関して移動するようになっている。例えば、クッションインサートには、受け部の底面と係合しない上面が形成され得る。図示された実施形態の1つでは、クッションインサート814aは、詳細に上述したクッションインサート714とほぼ同様である(図51及び図52を参照)。具体的には、クッションインサート814aは、3つの溝路864、866、及び868を含み、溝路の深さはクッションインサートの異なる点で変わる。図49に示されるように、溝路864、866、及び868は、溝路を通って延びる共通の平面又は軸870aによって切断されている。クッションインサート714に関して上述したように、溝路864、866、及び868の深さが異なることで、所望の緩衝/支持特性を与えるようにクッションインサート814aを選択的に位置決めすることができる。
【0054】
図53及び図54に示されるように、代替的なクッションインサート814bは、様々なレベルの支持を与える異なる硬度及び/又は密度又は他の材料特性をそれぞれが有する少なくとも2つの異なる材料から形成されている。しかしながら、便宜上、これらの材料を含む層を、本明細書では「硬質層(harder layer)」874及び「軟質層(softer layer)」876と呼ぶことにする。図示された実施形態では、硬質層874は、ディスク形状のクッションインサート814bの半径方向外側領域及び下面を形成している。軟質層876は、クッションインサート814bの残りの部分を形成し、軟質層874の深さはクッションインサートについて変わる。図54に示されるように、軟質層874の深さは、クッションインサートを硬質層874の領域及び軟質層876の領域に分割する共通の平面又は軸870bによって切断され得る。図示された実施形態では、軸870bは、クッションインサートの片側における軟質層876の浅い深さからクッションインサートの反対側におけるより深い深さまで均一なテーパを提供するように選択された向きに位置決めされている。軟質層876の深さが異なることで、所望の緩衝/支持特性を与えるように、クッションインサート814bを選択的に位置決めすることができる。硬質層874及び軟質層876が平面に沿って合わさるクッションインサート814bに関連して説明したが、合わせ面は、所望の緩衝特性を与えるように輪郭付けしてもよい。例えば、硬質層874及び軟質層876は、上述のミッドソール12及びインサート14の丸い突出部と同様の噛合う丸い突出部を含んでいてもよい。任意の適当な製造プロセスを用いて、クッションインサート814bの2つの材料構成を達成することができる。例えば、クッションインサート814bの異なる層を、別個に製造して互いに接着してもよく、マルチショットを用いて一体成形してもよく、又は圧縮成形してもよい。図示された実施形態では固定されているが、所望であれば、2つの層は別個のままであってもよい。これにより、ユーザが2つの層を別個に交換することが可能になる。所望であれば、交換層に異なる緩衝特性を与え、したがって、靴構造810をさらに調整するための機構を提供することができる。クッションインサート814bは、2つの層を有することが示されているが、所望であれば2つ以上の層を含んでいてもよい。
【0055】
したがって、靴構造810は、クッションインサート814a及び814bのいずれかを含むことができ、これらはそれぞれ、ミッドソール812又はアウトソール848を靴構造810から取り外すことなく、ミッドソール812の受け部内で選択的に回転させるようになっている。受け部内でのクッションインサート814a及び814bの回転を容易にするために、アウトソール848に少なくとも1つの開口871が位置決めされて、クッションインサート814a又は814bの外面へのアクセスを提供する。図55及び図56に示されるように、アウトソール848は、靴構造810の各側に開口871を含むため、いずれかの開口を通してクッションインサート814a又は814bにアクセスして選択的に回転させることができる。図示された実施形態では、開口871は、ユーザの指がクッションインサートと係合することを可能にするようなサイズである。
【0056】
場合によっては、クッションインサート814a又は814bの回転をさらに助けるために、クッションインサート814a及び814は、その半径方向外面に、ノッチ、溝、又は窪み872を画定してもよい(図51、図53、及び図56を参照)。窪み872は、ユーザの指を受け止めるように形成されるため、クッションインサート814a又は814bを把持して回転させ易くすることができる。窪み872は、クッションインサート814a又は814bの半径方向面について等間隔に離間し得るため、クッションインサート814a又は814bの全調節性範囲を通して、開口871を通して少なくとも1つの窪みにアクセス可能である。
【0057】
ミッドソール812の受け部内でクッションインサート814a又は814bの位置を維持するのを助けるために、クッションインサート814a及び814bは、中央支柱836の上方に嵌まるようになっている中央孔844a及び844bをそれぞれ画定し得る(図50及び図55を参照)。そのような構成では、クッションインサート814a及び814bは、中央支柱836を中心として回転するようになっている。中央孔844a及び844b並びに中央支柱836は、上述の実施形態の中央孔及び中央支柱と他の点ではほぼ同様であり得る。
【0058】
図示された実施形態は、広範囲の調節性を提供するが、交換可能なクッションインサートのセットを提供することによって、さらに大きな範囲を提供することができる。例えば、各対が異なる緩衝(例えば硬度)特性を有する2対のクッションインサートを有する履物製品を販売してもよい。例えば、1つのクッションインサートのセットは、アスカーC型で約35〜40の範囲のデュロメータ硬度を有することができ、第2のクッションインサートのセットは、アスカーA型で約30〜40の範囲のデュロメータ硬度を有することができる。本発明の精神から逸脱せずに、異なる硬度を有する他のクッションインサートを製造することもできる。異なる対の特性は、異なる対の厚さ、形状、又は材料を変えること等によって、基本的にいかなる方法で変えることもできる。図11bは、クッションインサート14よりも厚い厚さを有するクッションインサート14’の図である。使用時には、クッションインサート14の代わりにクッションインサート14’を装着して、付加的な緩衝を提供することができる。
【0059】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるものとする。例えば、冠詞「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(その)」、又は「said(前記)」を用いて単数形で構成要件に言及している場合でも、その要件を単数に限定するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一つの実施形態によるソール構造の上面図である。
【図2】ソール構造の底面図である。
【図3a】回外位置にあるクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図3b】回内位置にあるクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図4a】クッションインサートが回外位置にある、図1の線IV−IVに沿ったソール構造の断面図である。
【図4b】クッションインサートが回内位置にあり、支持層が取り外されている、図1の線IV−IVに沿ったソール構造の断面図である。
【図4c】ソール構造の後部の部分断面図である。
【図5】クッションインサートを「回内」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図6】クッションインサートを「回外」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図7】クッションインサートを「硬め」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図8】クッションインサートを「標準」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図9a】クッションインサートの上面図である。
【図9b】クッションインサートの底面図である。
【図10a】図9aの線Xa−Xaに沿ったクッションインサートの断面図である。
【図10b】図9bの線Xb−Xbに沿ったクッションインサートの断面図である。
【図11a】互いに隣接する左側及び右側のクッションインサートを示す正面図である。
【図11b】図11aの左側クッションインサートよりも厚い厚さの代替的な左側のクッションインサートの正面図である。
【図12】本発明の代替的な実施形態によるソール構造の上面図である。
【図13】代替的なソール構造の中敷の上面図である。
【図14】図12の線XIV−XIVに沿った代替的なソール構造の断面図である。
【図15】図12の線XV−XVに沿った代替的なソール構造の部分断面図である。
【図16】ヒールウェッジの側面図である。
【図17】クッションインサートの上面図である。
【図18a】回外位置にある図1〜図11bのクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図18b】回内位置にある図1〜図11bのクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図18c】図1〜図11bのクッションインサートを「回内」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図18d】図1〜図11bのクッションインサートが入れられる受け部を示す、ソール構造の上面図である。
【図18e】図1〜図11bのクッションインサートの底面図である。
【図19a】図12〜図17に示す実施形態によるソール構造の上面図である。
【図19b】クッションインサートが入れられる受け部の上面図である。
【図19c】図12〜図17に示すクッションインサートの上面図である。
【図19d】図12〜図17に示すクッションインサートの底面図である。
【図20】第2の代替的な実施形態のソール構造の上面図である。
【図21】第2の代替的な実施形態のソール構造の底面図である。
【図22】第2の代替的な実施形態のソール構造の右側面図である。
【図23】図20の線XXIII−XXIIIに沿った第2の代替的な実施形態のソール構造の右側断面図である。
【図24】図20の線XXIV−XXIVに沿った第2の代替的な実施形態のソール構造の背面断面図である。
【図25a】第2の代替的な実施形態の右側のクッションインサートの上面図である。
【図25b】第2の代替的な実施形態の左側のクッションインサートの上面図である。
【図26a】第2の代替的な実施形態の右側のクッションインサートの右側面図である。
【図26b】第2の代替的な実施形態の左側のクッションインサートの右側面図である。
【図27】図25aの線XXVII−XXVIIに沿った右側のクッションインサートの断面図である。
【図28】互いに隣接する左側及び右側のソール構造を示す断面図である。
【図29a】クッションインサートを回内位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図29b】クッションインサートを硬め位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図30a】クッションインサートを回外位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図30b】クッションインサートを標準位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図31】第3の代替的な実施形態の靴構造の側断面図である。
【図32】第3の代替的な実施形態のソールの側面図である。
【図33】ソールの後部斜視図である。
【図34】ソールの底面斜視図である。
【図35】第4の代替的な実施形態の靴構造の側面図である。
【図36】アウトソールを部分的に開位置に枢動させて示す、第4の代替的な実施形態の側面図である。
【図37】アウトソールを開位置に枢動させ、クッションインサートをソールから取り外して示す、第4の代替的な実施形態の側面図である。
【図38】線X−Xに沿った第4の代替的な実施形態の背面断面図である。
【図39】クッションインサートの底面斜視図である。
【図40】第5の代替的な実施形態のソール構造の底面斜視図である。
【図41】クッションインサートを取り外して示す、第5の代替的な実施形態の底面斜視図である。
【図42】第5の代替的な実施形態のクッションインサートの上面図である。
【図43】クッションインサートの底面図である。
【図44】クッションインサートの側面図である。
【図45】線Y−Yに沿ったクッションインサートの側断面図である。
【図46】線Z−Zに沿ったクッションインサートの側断面図である。
【図47】クッションインサートの斜視図である。
【図48】第5の代替的な実施形態の背面図である。
【図49】第6の代替的な実施形態のソール構造を有する靴の側面図である。
【図50】第6の代替的な実施形態の側断面図である。
【図51】第6の代替的な実施形態によるクッションインサートの上面図である。
【図52】線YY−YYに沿った図51のクッションインサートの側断面図である。
【図53】第6の代替的な実施形態による代替的なクッションインサートの上面図である。
【図54】線ZZ−ZZに沿った図53の代替的なクッションインサートの側断面図である。
【図55】線XX−XXに沿ったソール構造及びクッションインサートの背面断面図である。
【図56】第6の代替的な実施形態のソール構造及びクッションインサートの底面断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物ソールに関し、より詳細には、調節可能な履物ソール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2007年5月22日に出願された米国仮特許出願第60/939,383号と、2007年9月14日に出願された米国特許出願第11/855,622号と、2008年1月30日に出願された米国特許出願第12/022,369号との米国特許法第119条(e)項の下での優先権の利益を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
履物の設計及び製造は、履物に対するニーズが人によってそれぞれ異なることにより複雑になる。例えば、硬めで曲がり難いソールを好む人もいれば、軟らかめでクッションの効いたソールを好む人もいる。一部の人々にとってこれは単に美的欲求に過ぎないが、人によっては、足の形、骨格配置、及び他の解剖学的問題に関連する要因のような身体的要因に起因する場合がある。解剖学的問題によって、回内(歩行時に足が内側に傾く)の傾向に悩まされる人と、これとは逆の回外(歩行時に足が外側に傾く)の傾向に悩まされる人とがいる。これらの問題に対処する1つの方法は、望ましくない動きに対する抵抗を高めるためにソールの選択領域を強化することである。例えば、回外は、デュアルデンシティミッドソールの内側に沿って高密度領域を提供することによって対処することができる。同様に、回内は、デュアルデンシティミッドソールの外側に沿って高密度領域を提供することによって対処することができる。
【0004】
異なる消費者のニーズに対処するために、カスタマイズ可能なソール構造を有する様々な履物製品が開発されてきた。例えば、従来の製品の1つでは、ソールが、様々な異なるクッションインサートの1つを収容するようになっている空隙を画定している。この製品では、異なる緩衝/支持ニーズを満たす異なるクッションインサートが着用者に提供される。着用者は、適当なクッションインサートを空隙内に挿入することによってソールをカスタマイズする。クッションインサートは、将来、ソールの特性を変えるために所望に応じて代替のインサートと交換することができる。この解決手段は、ある程度のカスタマイズを行うことができるようにするが、複数のインサートの製造及び供給を必要とする。これは、製造及び組み立ての費用を増加する可能性がある。さらに、将来の調節を可能にするために、消費者が種々のインサートを保存及び保管する必要がある。さらに、調節設定の数は、靴に供給されるインサートの数に対応するため、このタイプのソール構造の調節性は比較的限られる。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、ソールに異なる支持/緩衝特性を与えるために異なる向き(orientations)にソールに位置決めすることのできる調節可能なクッションインサートを有するソールを提供する。一つの実施の形態では、ソールは、クッションインサートを収容するようになっている受け部(receptacle)を含む。この実施の形態では、受け部及びクッションインサートのうちの少なくとも一方が、クッションインサートを受け部内に異なる向きに位置決めすることでソールの支持/緩衝特性が変わるように構成される。
【0006】
一つの実施の形態では、調節可能なクッションインサートは、実質的にディスク形状である。この実施の形態では、クッションインサートは、相補的なディスク形状の受け部内に同軸状に設けてもよい。クッションインサート及び受け部の合わせ面は、丸い突出部(lobes)、輪郭、隆起、及び起伏のような、クッションインサートを受け部内に設けたときに嵌まり合う複数の突起を含んでもよい。丸い突出部は、規則的な角度断面(angular sections)を通って波打つ一連の波であってもよい。丸い突出部の1つ又は複数は、ソールの支持/緩衝特性に区別をつけるために切断されるか又は他の方法で変えてもよい。一つの実施の形態では、丸い突出部は、傾斜平面に沿って切断される。
【0007】
クッションインサートは、異なる緩衝特性又は支持特性を与えるために異なる角度向きで受け部内に選択的に設けてもよい。ディスクの実施の形態では、丸い突出部の特性は、角度向きを変えることでソール構造の支持/緩衝特性が変わるように、クッションインサートの範囲のあたりで変わってもよい。
【0008】
一つの実施の形態では、クッションインサートは、ミッドソールの対応する支柱の上方に嵌まるように構成される中央貫通孔又はボアを画定してもよい。クッションインサートは、支柱の上方に回転可能に嵌まってもよい。その結果、ソール構造は、単に支柱を中心としてクッションインサートを回転させることによって調節することができる。
【0009】
一つの実施の形態では、クッションインサートは、「回外」、「回内」、「硬め(firm)」、「標準(regular)」の設定を含む少なくとも4つの位置間で調節可能である。ディスクの実施の形態では、消費者は、標準緩衝若しくは硬め緩衝を提供するか、又は回外若しくは回内に対処するために、クッションインサートを回転させてソール構造を調節することができる。
【0010】
一つの実施の形態では、ソールは、ソールを保持するために対応する受け部を備えるアウトソールを有するローファー又は他のタイプの浅い履物に、挿入されるようになっている。この実施の形態では、ソールは、アウトソールのヒールの受け部に嵌まり込むように構成される区別ヒール部分(differentiated heel portion)を含んでもよい。クッションインサートは、受け部内に収容される場所で、区別ヒール部分に取り外し可能且つ調節可能に取り付けることができる。
【0011】
別の実施の形態では、ソールは、ソールを収容するようになっているアウトソールを有する靴構造に含まれる。この実施の形態では、アウトソールの一部が、クッションインサートへのアクセスを提供するように屈曲、枢動、又は他の方法で選択的に移動させられるようになっていることで、クッションインサートを取り外して異なる構成で置き換えて支持特性を変えることができる。一つの実施の形態は、アウトソールのヒール領域は、調節のためにクッションインサートを露出させるように靴から離れて下方に屈曲するようになっている。
【0012】
さらに別の実施の形態では、クッションインサートは、少なくとも1つの溝路を画定し、その深さは、クッションインサートの異なる領域に異なる緩衝特性を与えるようにクッションインサートのまわりで変わる。クッションインサートは、異なる支持/緩衝特性を与えるために、様々な異なる向きにソールに取り外し可能に嵌まることができる。
【0013】
別の実施の形態では、ソールは、ソールを収容及び支持するようになっているアウトソールを有する靴構造に組み込まれる。アウトソールは、開口を画定し、これを通してクッションインサートにアクセスして、異なる支持/緩衝特性を与えるためにクッションインサートの向きを変えるように操作することができる。この実施の形態では、アウトソールは、クッションインサートへのアクセスを提供する開口を画定する側壁を含んでもよい。クッションインサートには、ソール内の所定位置にある間のクッションインサートの調節を容易にする輪郭を設けてもよい。
【0014】
本発明は、ソールを異なる着用者のニーズに合うように容易に適合させることのできる単純で効果的な構造を提供する。ディスク形状のクッションインサートを含むようなこれらの実施の形態では、ソールは、受け部内でクッションインサートを単に回転させることによって調節することができる。例えば、クッションインサートを単に回転させるだけで、ソールを標準支持若しくは硬め支持間で調節すること、又は回内若しくは回外に対処させることができる。1つのクッションインサートの向きを変えることによってソールを調節できるため、費用を増加させる必要がなく、紛失又は置き替え違いの可能性がある一群の異なるインサートを着用者に供給する必要がない。さらに、着用者が将来行われる可能性のある調節のために未使用の調節可能インサートを保存及び保管する必要がない。一足の靴で片足に8つの異なる向きを有するクッションインサートが組み込まれていれば、64種類の異なる調節の組み合わせが着用者に与えられる。区別ヒールを用いる実施の形態は、アウトソールによって占められることの多い空間内にクッションインサートを収容することができるため、ローファー及び他の浅い履物での本発明の使用を容易にする。クッションインサートの調節は、クッションインサートがアウトソールの操作(例えば屈曲又は枢動)によってアクセス可能であるような実施の形態で容易にされ得る。クッションインサートの変化が可変深さの溝路によって達成されるような実施の形態では、クッションインサートの上面は平面状のままであり得る。これは、クッションインサートに起伏を組み込んだ実施の形態とは異なり、クッションインサート及び相手方のソール部品の輪郭同士が一致することが望ましくないため、クッションインサートに無限の調節性を与えることができる。さらに、クッションインサートで平面状の合わせ面を用いることで、それと接するソール部品の製造を容易にするとともにクッションインサートの汎用性を高めることができる。さらに、クッションインサートが周囲のソール部品(例えばアウトソール)の開口を通してアクセス可能であるような実施の形態では、着用者が履物製品を履いたままでアウトソール又は他のソール部品のどの部分も操作することなくクッションインサートを調節することができるため、クッションインサートの調節を単純化することができる。
【0015】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、現行の実施形態の詳細な説明及び図面を参照することによって容易に理解及び認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一つの実施形態によるソール構造を、図1〜図11bに全体的に10で示す。図示された実施形態は、概して、ミッドソール12と、クッションインサート14と、ヒールウェッジ16とを含んでいる。ミッドソール12は、クッションインサート14を収容するようになっている受け部18を画定している。ヒールウェッジ16は、ミッドソール12/クッションインサート14の組み合わせの下方に位置決めされている。クッションインサート14の上面20は、複数の丸い突出部24を含み、受け部18の底面22は、複数の丸い突出部26を含んでいる。丸い突出部24及び26は、異なる支持/緩衝特性を与えるように異なる形状であってもよい。丸い突出部24及び26は、クッションインサート14が受け部18内に設けられると嵌まり合う。これらの部品は、基本的にいかなる履物製品の中に着座させることもできる。開示の目的で、本発明はミッドソール構造に関連して説明される。しかしながら、本発明は、アウトソール、インソール、又はヒールウェッジのような他のソール部品に組み込まれてもよい。ミッドソール構造では、ソール構造10は通常、(図示しない)アウトソールの空隙の上方に配置されるか又は中に着座させられる。さらに、本発明は、ヒール領域に位置決めされるクッションインサートに関連して説明される。前足部又はこの構造によって与えられるタイプの調節性が望まれ得る他の場所のように、ソールの他の領域にクッションインサートを代替的又は付加的に位置決めしてもよい。
【0017】
本発明は、寸法、符号、及び他の注釈を含む一連の図に関連して説明される。図に含まれる寸法、符号、及び他の注釈は例示であり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0018】
本発明は、主に、右の靴に組み込まれるように構成されるソール構造10に関連して説明する。左の靴用のソール構造は、説明される右のソール構造10の鏡像である。したがって、左のクッションインサートは、右のクッションインサート14の鏡像である。例えば、図28は、本発明の代替的な実施形態の左の組立体及び右の組立体を示している。
【0019】
図1〜図11の実施形態では、ミッドソール12は、ソールの主緩衝体を提供する。この実施形態のミッドソール12は、履物製品の一般的形状に従う全長ミッドソールであり、アウトソール又は他の下にあるソール部品の上方でアッパーに嵌まるように構成されている(図1及び図2を参照)。この実施形態のミッドソール12は、アウトソールと基本的に同一範囲に延びる単一の一体構造であるが、別個の部品群でであってもよく、又はソールの1つ又は複数の選択部分のみに延びるように構成される部分的なミッドソールであってもよい。図示された実施形態を再び参照すると、ミッドソール12は、前足部領域30と、アーチ領域32と、ヒール領域34とを含んでいる。前足部領域30は、着用者の前足部を支持するように構成されている。アーチ領域32は、アーチ支持を与えるような形状であってもよい。図示されていないが、ミッドソール12のアーチ領域32の輪郭が所望のレベルのアーチ支持を与えるのに十分でない場合、ミッドソールのアーチ領域32に、シャンク又は実質的に硬いアーチ支持体を加えてもよい。所望であれば、別個のシャンクをミッドソール12とアウトソール又は他の場所との間でソール構造に組み込んでもよい。ヒール領域34は、クッションインサート14を収容するように構成される受け部18を画定している。この実施形態は、ヒール領域に1つの受け部18を示しているが、受け部18は、前足部領域の他の位置に位置付けてもよく、ミッドソール12は、複数のクッションインサートを収容するように構成される複数の受け部を画定している。例えば、別個のクッションインサートをヒール領域及び前足部領域に位置付けて、ソールの両方の領域に調節性を与えてもよい。図示された実施形態では、受け部18は、中央支柱36を有する実質的にディスク形状の空隙である(図2、図4a、及び図4bを参照)。中央支柱36は、より詳細に後述するように、クッションインサート14を収容するように構成されている。中央支柱36のサイズ、形状、及び構成は、ソール構造10の特性を変えるように、用途ごとに変えてもよい。例えば、ヒール領域の中央に与えられる支持量を制御するために、中央支柱36の直径を増減してもよい。中央支柱36はオプションであり、中央支柱36が設けられていない場合、クッションインサート14は、ディスク形状の空隙に単に嵌まり得る。
【0020】
受け部18は、クッションインサート14と係合するように構成される境界面40を含んでいる(図3a、図3b、図4a、及び図4bを参照)。境界面40は、クッションインサート14に向かって延びる複数の丸い突出部26を含んでもよい。丸い突出部26は、受け部18の角度断面と一致する規則的な波のパターンで境界面40のまわりに位置決めされてもよい。図示された実施形態では、受け部18は、境界面40の中央の周りに規則的な反復パターンで配置される8つの丸い突出部26を含んでいる。図示された実施形態の丸い突出部26は、平滑な連続した湾曲輪郭によって形成され、「丸い突出部」という用語は、このような輪郭が湾曲しているか、平滑であるか、又は互いに連続して延びているかに関係なく、基本的に任意の輪郭を指すように広義に用いられる。受け部の境界面40は、TPU又はより硬質のEVAの薄層のような支持層42を含んでもよい。支持層42の硬度は、所望に応じて用途ごとに変えてもよい。しかしながら、図示された実施形態では、支持層42は、アスカーA型で約80〜90の範囲のデュロメータ硬度を有し得る。支持層42は、ミッドソール12に固定してもよい。例えば、支持層42は、ミッドソール12に現場成形してもよい。別の例として、支持層42は、境界面40に接着剤又は他の接着方法で固定してもよい。任意の支持層42のサイズ、形状、及び構成は、構造的完全性を維持しつつ所望のレベルの緩衝/支持を与えるために用途ごとに変えてもよい。さらに、支持層42の特性は、ソールの特性に領域的変化を与えるために、領域ごとに変えてもよい。
【0021】
ミッドソール12は、所望の緩衝/支持特性を与えることが可能な基本的にいかなる材料又は材料の組み合わせから製造されてもよい。一つの実施形態では、ミッドソール12は、所望の硬度/弾力性を有するポリウレタン又はEVAから製造される。ミッドソール12の硬度は、所望に応じて用途ごとに変えてもよい。しかしながら、図示された実施形態では、ミッドソール12は、アスカーC型で約65〜70の範囲のデュロメータ硬度を有する単一材料から製造されている。ミッドソール12は、基本的に従来の成形技術及び装置を用いて製造され得る。ミッドソール12は、成形プロセス中に、受け部18が形成される単一の一体ユニットとして射出成形することができる。ミッドソール12は、代替的に、予備製造(例えば予備成形)されてから受け部18を形成するように、打ち抜き又は他の方法で加工してもよい。ミッドソール12は、代替的に、例えば別個のヒール部分及び前足部分を有する複数の複合部品から製造されてもよい。別個の部品は、圧縮成形又は接着剤の使用等によって、製造中に組み合わせてもよい。
【0022】
クッションインサート14は、様々な異なる向きに受け部に取り外し可能に嵌まるように構成されている(図5〜図8を参照)。図示された実施形態では、クッションインサート14は、実質的にディスク形状であり、受け部18内に着座するように構成されている(図2、図4a、及び図4bを参照)。次に図9b、図10a、及び図10bを参照すると、クッションインサート14は、中央支柱36の上方に嵌まるようになっている中央孔44を画定している。中央孔44及び中央支柱36は、クッションインサート14を受け部18内に位置合わせ及び/又は保持するのを助けるのに役立ち得る。しかしながら、中央支柱36及び中央孔44は、省いてもよく、又は他の構成をとってもよい。例えば、中央孔44及び中央支柱36は、互いにスナップ嵌めされるように構成してもよい。図示されていないが、中央支柱36は、(図示しない)ヘッドを含んでもよく、中央孔44は、クッションインサート14が受け部18内に装着されたときに、中央支柱36のヘッドを収容するための(図示しない)拡大空間を画定してもよい。別の例として、中央支柱36及び中央孔44は、クッションインサート14が選択向きでのみ受け部18に嵌まるような形状であってもよい。この代替的な実施形態では、2つの部品のうちの一方はキーを含んでもよく、他方は、クッションインサート14が許容可能な向きの1つにあるときにのみ、キーを受け入れる複数のスロットを含んでもよい。
【0023】
クッションインサート14の境界面46は、受け部18の丸い突出部26と嵌まり合うように構成された複数の丸い突出部24を含んでいる。丸い突出部24の1つ又は複数は、残りの丸い突出部24とはサイズ、形状、又は他の特性が異なるため、クッションインサート14を位置決めし直すことで、丸い突出部24を位置決めし直し、したがってソール構造10の支持/緩衝特性が変わる。図示された実施形態では、丸い突出部24及び26は、クッションインサート14の丸い突出部24が調節性を与えるために意図的に切断されている領域でのみ空間が生じるように、互いに密接に嵌まり合うような形状である。おそらく図11aに最もよく示されているように、図示された実施形態の丸い突出部24は、クッションインサート14の片側における全高さの丸い突出部24から反対側における実質的に高さを減らした丸い突出部24まで均一なテーパを与えるように選択された向きに丸い突出部24を延びる1つの共通平面によって切断されている。異なる用途では、切断平面は、所望の緩衝特性を与えるように適宜代替的な向きに配置してもよい。さらに、丸い突出部24は、1つの共通平面によって切断される必要はなく、代替的に、クッションインサートの調節範囲を通して所望の緩衝/支持特性を与えるように、所望に応じて切断又は他の方法で変えてもよい。
【0024】
図示された実施形態は、切断された丸い突出部を開示しているが、クッションインサート14の調節性範囲を通して所望の支持/緩衝を与えるように、サイズ、形状、構成、及び材料のようなクッションインサート14又は丸い突出部24の基本的に任意の特性を変えることによって、調節性を与えることができる。例えば、丸い突出部は、異なる硬度の材料から製造してもよい。このタイプの一つの実施形態では、クッションインサートは、異なる材料から製造された丸い突出部から形成してもよい。製造プロセスは様々であり得るが、クッションインサートの異なる材料は、互いに接着してもよく、マルチショット(multiple shots)を用いて一体成形してもよく、又は圧縮成形してもよい。別の例として、丸い突出部に所望の特性を与えるために、(図示しない)支持層を丸い突出部の1つ又は複数の上方に位置決めしてもよい。図示されていないが、支持層は、受け部18の支持層42と同様であってもよい。選択された丸い突出部の上方に設けられる支持層が硬いほど、硬さが増す。選択された丸い突出部の上方の支持層が薄いほど(又は支持層がないことで)、選択領域の硬さが減る。支持層の厚さの変化を用いて、丸い突出部の特性に所望の変化を与えることができる。
【0025】
調節性を与えるためにクッションインサート14の個々の丸い突出部24を変えることに加えて、ミッドソール12及びクッションインサート14の輪郭及び他の特性を用途ごとに変えてもよい。例えば、丸い突出部24及び26のサイズ、形状、及び構成の変化だけでなく、ミッドソール12、クッションインサート14、及び/又は支持層42の厚さ又は材料の変化を用いて、調節性との関連なしに支持/緩衝特性を制御することができる。図示された実施形態では、丸い突出部24及び26は、境界面のまわりに延びる連続曲線に従って滑らかに1つの丸い突出部から次の丸い突出部へと移行する。端部から見ると、曲線はほぼ正弦曲線である。所望であれば、一方又は両方の部品の丸い突出部間に空間を設けてもよい。また、クッションインサートにおいて1つ又は複数の丸い突出部24及び26を省いて、硬度が低い領域を設けてもよい。別の例として、丸い突出部24及び26は、曲線プロファイルではなく、三角形、矩形、又は正方形等の異なる形状を有していてもよい。さらに、嵌まり合う丸い突出部24及び26の形状は、図示のように対応している必要はない。例えば、三角形の丸い突出部又は正方形の丸い突出部が湾曲空隙又は他の不整合空隙形状に嵌まってもよい。
【0026】
ミッドソール12及びクッションインサート14は、クッションインサート14の調節を助けるグラフィック、印刷物、又は他の記号を含んでもよい。例えば、図2に示されるように、ミッドソール12に位置合わせインジケータ98(この場合は1つの矢印)を設けてもよく、クッションインサート14にクッションインサート14の許容可能な向きを示す複数の同様の位置合わせインジケータ96(この場合は複数の矢印)を設けてもよい。クッションインサート14は、位置合わせインジケータ96及び98と協働してクッションインサート14の向きの結果を視覚的に示す文章又は記号を含んでいてもよい。例えば、「回内(P)」、「回外(S)」、「標準(R)」、及び「硬め(F)」という言葉が、適当な位置合わせインジケータ96に隣接してインサートに印刷されてもよい(図29a〜図30bを参照)。図5〜図8は、クッションインサート14をそれぞれ「回内」、「回外」、「硬め」、及び「標準」の状態で示している。
【0027】
図示された実施形態では、ソール構造10は、ソールのヒール領域を付加的に緩衝し上昇させるヒールウェッジ16を含んでいる(図3b、図4a〜図4cを参照)。ヒールウェッジ16は、ヒール領域でミッドソール12及びクッションインサート14の下面を収容及び支持するためのカップ形状面を提供するような形状であってもよい。ヒールウェッジ16は、オプションの部品であり、例えば、下側のアウトソールのような他のソール部品によって十分なヒールの緩衝及び上昇が与えられる場合は省くことができる。図示された実施形態では、ヒールウェッジ16は、アウトソール及び他のソール部品とは別個に製造される。所望であれば、ヒールウェッジ16は、ミッドソール12及びクッションインサート14の下にあるアウトソール又は他のソール部品に一体化してもよい。
【0028】
ミッドソール12、クッションインサート14、及びヒールウェッジ16は、基本的にいかなる履物構造に組み込むこともできる。図1〜図11の組立体は、例えば履き口を通して組立体をアッパー内に落とし、アウトソールの上方に位置決めすることによって、履物製品に取り外し可能に嵌めることができる。ヒールウェッジ16は、ミッドソール12及びクッションインサート14が取り外し可能である場合でも、履物製品に永久的に固定することができる。代替的に、組立体(クッションインサート14を除く)は、例えばミッドソール12及びヒールウェッジ16を所定位置に接着することによって、ソール構造に永久的に一体化することができる。クッションインサート14は絶対に取り外し可能である必要はないが、ユーザがクッションインサート14を或る向きから次の向きへ調節することが可能であるべきである。例えば、クッションインサート14は、取り外さないで或る向きから次の向きへ回転させることができれば、取り外し可能である必要はない。
【0029】
図1〜図11に示したものと同様の実施形態のミッドソール及びクッションインサートの複数の図面を、図18a〜図18eに示す。図1〜図11の実施形態と同様であるが、この実施形態は、特に支持層42を含んでいない。さらに、クッションインサートの丸い突出部は、図1〜図11の実施形態のような平面によって切断されるのではなく、高さが変わっている。これらの図面には、図1〜図11に関連して用いた参照符号に対応する参照符号が記されている。図18a〜図18eは、ミッドソール12に設けられたクッションインサート14を示している。図から分かるように、クッションインサート14は中央支柱36の上に嵌められている。図18aは、クッションインサートが第1の位置にあるプロトタイプのヒール領域の右側を示している。図18bは、クッションインサートが第2の位置にあるプロトタイプのヒール領域の右側を示している。図18cは、クッションインサート14が第1の位置にある後部からのプロトタイプのヒール領域を示している。図18iは、クッションインサート14を取り外したミッドソール12のヒール部分を示している。図18kは、クッションインサートの底部を示している。
【0030】
代替的な実施形態を図12〜図17に示す。この代替的な実施形態では、ソール構造210は、クッションインサート214がミッドソール212の上面からアクセス可能であるように構成されている(図12を参照)。図15に示されるように、この実施形態のソール構造210は、概して、ミッドソール212と、クッションインサート214と、ヒールウェッジ216とを含んでいる。ミッドソール212は、上述のミッドソール12と概ね同一である。しかしながら、クッションインサート214がミッドソール212に上から挿入されるように受け部218が上向きに開いていることにより、ミッドソール212を靴から取り外すことなくクッションインサート214の調節が容易になる。さらに、この実施形態の中央支柱236は、クッションインサート214を貫通しないように構成されている。逆に、クッションインサート214は、境界面246からクッションインサート214内に延びる中央ボア244を画定している。中央支柱236は、(図示しない)ヘッドを含んでもよく、中央ボア244は、クッションインサート214を中央支柱236にスナップ嵌めすることを可能にする対応する(図示しない)拡大空隙を画定してもよい。ヒールウェッジ216は、上述のヒールウェッジ16と基本的に同一である。ヒールウェッジ216は、所望であれば、ミッドソール212に直接組み込んでもよい。
【0031】
この代替的な実施形態は、オプションの中敷300も含んでもよい(図13及び図14を参照)。中敷300の設計及び構成は、用途ごとに変わり得る。例えば、中敷は、従来の積層構造(例えば、複数の異なる層から組み立てられる)であってもよく、又は従来の一体構造であってもよい。図示された実施形態では、中敷300は、積層構造であり、概してクッション層304及びカバー層306を含んでいる。この実施形態のクッション層304は、EVA、ポリウレタン、又はゲルのような基本的に任意の緩衝材料から製造してもよい。この実施形態のカバー層306は、綿、毛、及びポリプロピレンブレンドのような、柔軟だが耐久性のある布又は織物材料から製造され得る。所望であれば、中敷300は、抗菌、防臭、及び/又は他の機能処理で処理してもよい。図示されるように、中敷300は、中敷300が靴に装着されたときにクッションインサート214が見えるようにする窓302を含んでもよい。窓302は、単に中敷300に開いた開口であってもよく、又は透明若しくは半透明材料を充填してもよい。図12〜図17及び図20〜図28の実施形態のみに関連して図示されているが、基本的にいかなる構造もオプションの中敷を含むことができる。クッションインサートがミッドソールの下面に嵌められる用途では、中敷に窓はなくてもよい。
【0032】
本発明は、限定はされないが、靴、ブーツ、サンダル、スリッパ、及び運動靴を含む基本的にいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。さらに、本発明は、基本的にいかなる履物構造にも組み込むことができる。例えば、ソール構造は、ダイレクトアタッチ、ウェルト、接着、ストローベル、カリフォルニア、オパンカ、ラスティング、スリップラスティング、及び他の履物構造に組み込むことができる。ソール構造全体を、アウトソール、ミッドソール、又は他のソール部品の空隙に取り外し可能に嵌めることができる。代替的に、ミッドソール及びヒールウェッジのような本発明の選択部品を、ソールの残りの部分に固定することができる。この代替形態では、クッションインサートは取り外し可能(又は少なくとも受け部内で調節可能)でもよい。オプションの中敷がソール構造に含まれる場合、クッションインサートへのアクセスを提供するのに取り外しが必要であれば、中敷は通常取り外し可能になる。
【0033】
図12〜図17に示されるものと同様の実施形態のミッドソール及びクッションインサートの複数の図面を、図19a〜図19dに示す。図12〜図17の実施形態と同様であるが、この実施形態は、特に支持層242を含まない。さらに、クッションインサートの丸い突出部は、図12〜図17の実施形態のように、平面によって切断されるのではなく高さ/形状が変わっている。これらの図面には、図12〜図17に関連して用いた参照符号に対応する参照符号が記されている。図19aは、ミッドソール212に装着されたクッションインサート214を示すプロトタイプの上部を示している。図19bは、クッションインサート214を取り外したミッドソール212のヒール領域を示している。図19cは、クッションインサートの上部を示している。図19dは、クッションインサートの底部を示している。
【0034】
第2の代替的なソール構造410を、図20〜図28に示す。この実施形態は、説明される場合を除いて、図12〜図17の実施形態とほぼ同一である。図示されるように、この実施形態は、ミッドソール412の上面に装着されるクッションインサート414を含んでいる。クッションインサート414は、主にミッドソール412の対応する位置合わせ孔444に嵌まるように構成された支柱436を含むという点で、クッションインサート214とは異なっている(図23及び図27を参照)。所望であれば、位置合わせ孔444は、図21に示されるように、支柱436がミッドソール412の底部から見えるようにミッドソール412を貫通し得る。代替的に、位置合わせ孔444は、ミッドソール412に開いているが貫通していない(図示しない)より浅い孔で置き換えてもよい。右側のクッションインサート414aを図25a及び図26aに、左側のクッションインサート414bを図25b及び図26bに示す。図示されるように、右側のクッションインサート414a及び左側のクッションインサート414bは、基本的に互いの鏡像である。次に図22〜図24を参照すると、ヒールウェッジ416、ミッドソール412、クッションインサート414、及び中敷300は、図12〜図17に示される代替的な実施形態と基本的に同じ方法で組み立てられる。図28は、左側及び右側の履物製品に装着されたソール構造を示している。この図では、クッションインサート414a及び414bは、「回内」位置で装着されている。
【0035】
第3の代替的なソール構造510を、図31〜図34に示す。この代替的な実施形態は、限定はしないが、ローファー及び他の浅い履物構造で用いるためのものである。図示された実施形態では、ソール構造510は、クッションインサート514を有するソール部品すなわちミッドソール512を含み、これらは、詳細に上述したミッドソール12、212、及び412、並びにクッションインサート14、214、及び414とほぼ同様であってもよい。ミッドソール512は、区別ヒール部分512aを含み、これは、ヒール部分512aを収容するための対応する受け部550を有するローファー516又は他のタイプの履物に入れられる、すなわち挿入されるようになっている。この実施形態では、区別ヒール部分512aは、ミッドソール512のアーチ領域515からヒール領域517への大きな遷移部513を特徴としている(図32を参照)。遷移部513は、ヒール部分512aを受け部550に落とし込むことを可能にする。
【0036】
本発明は、広範囲の履物様式での使用に適しているが、ローファー516に関連して説明される。ローファー516は、別段の記載がない限りほぼ従来通りのものである。図示された実施形態では、ローファー516は、ミッドソール512の下面と係合してこれを支持するようになっているアッパー546及びアウトソール548を含んでいる(図31を参照)。ローファー516のヒール領域534において、アウトソール548は、ローファーのヒール領域534を付加的に上昇させるヒール548aを形成する。ヒール548aは、実質的に中空であり、ミッドソール512のヒール部分512aを収容するのに十分なサイズ及び形状の受け部550を画定している。図示された実施形態では、受け部550は、アウトソール548の上面に画定されたカップ形状の空隙又は開口として形成されている。
【0037】
図31に示されるように、ミッドソール512は、アウトソール548と噛み合い係合するように形成されている。具体的には、ミッドソール512のヒール部分512aが、ミッドソール512のヒール領域においてアウトソール548の受け部550に対応する突出部又は延長部として形成されることで、ミッドソール512がローファー516内に落とされて、すなわち挿入されて、適切な向きにアウトソール548と容易に係合することができる。受け部550内で得られるヒール部分512aの構成により、ソールの全厚さを減らすことができ、ミッドソール512がローファー516内で摺動するか又は他の形でずれる可能性を減らすことができる。図示された実施形態では、ヒール部分512aは、ミッドソール512と一体形成されている。しかしながら、ヒール部分512aは、ミッドソール512とは別個に製造されて後で取り付けられてもよい。
【0038】
場合によっては、ミッドソール512は、特に靴構造510の支持特性を変えることができる少なくとも1つの輪郭面を含んでもよい。例えば、ミッドソール512は、図34に示される凹部552のような、ミッドソール512の可撓性を高めることのできる球状の窪み又は突出部又は凹部552をその底面に画定してもよい。
【0039】
上述のように、ミッドソール512及びクッションインサート514は、本明細書で説明した実施形態と他の点ではほぼ同様であるため、クッションインサートを移動させることで様々な支持特性を提供し得る。図示された実施形態では、ミッドソール512は、クッションインサート514を収容する受け部をその底面に含んでいる(図33を参照)。受け部の底面は複数の丸い突出部526を含み、クッションインサート514の上面は複数の丸い突出部524を含んでいる。丸い突出部524及び526は、クッションインサート514が受け部内に装着されると嵌まり合う。上述の丸い突出部24及び26のように、丸い突出部524及び526は、異なる支持/緩衝特性を与えるように異なる形状又は高さであってもよい。図示された実施形態では、クッションインサート514は、ヒール部分516のミッドソール512のヒール領域に位置付けられている。しかしながら、クッションインサート514又は付加的なクッションインサートを、ミッドソール512の他の場所に位置決めしてもよい。
【0040】
この実施形態では、靴構造510は、クッションインサート514と相手方のソール部品(例えばミッドソール512)との位置合わせを容易にして維持するための構造を含んでもよい。図33及び図34に示されるように、クッションインサート514は、ミッドソール512の対応する位置合わせ孔544に嵌められるように構成される支柱536を含んでいる。支柱536及び位置合わせ孔544は、上記実施形態で説明した支柱及び位置合わせ孔と概ね同一であってもよい。例えば、位置合わせ孔544は、支柱536がミッドソール512の底部から見えるように、ミッドソール512を貫通してもよい。代替的に、位置合わせ孔544は、ミッドソール512に開いているが貫通していない(図示しない)より浅い孔で置き換えてもよい。位置合わせ構造が望まれる実施形態では、これらの代替的な位置合わせ構造を、適当な位置合わせを行うことが可能な基本的に任意の構造で置き換えてもよい。
【0041】
第4の代替的な実施形態では、調節(及び他の目的)用のクッションインサート614へのアクセスが周囲のソール部品の操作によって達成される構造が提供されている。図35〜図39に示される実施形態では、クッションインサート614は、アウトソール648のヒール部分をミッドソール612から離れて屈曲又は枢動させることによって、アクセス可能になる。図示されるように、靴構造610は、ミッドソール612及びクッションインサート614を含み、これらは、詳細に上述したミッドソール12及びクッションインサート14とほぼ同様であり得る。靴構造610は、ミッドソール612を収容及び支持するようになっているアッパー646及びアウトソール648を含んでいる。アウトソール648の部分648aが、クッションインサート614を露出させるようにミッドソール612から離れて屈曲又は枢動させられるようになっているため、クッションインサート614の取り外し、交換、又は調節を行ってクッションインサート614が与える支持特性を変えることができる(図35〜図38を参照)。
【0042】
図示された実施形態では、ミッドソール612は、クッションインサート614を収容するようになっている受け部を底面に画定している。図示された実施形態では、受け部の底面は、複数の丸い突出部626を含み、クッションインサート614の上面は、複数の対応する又は嵌まり合う丸い突出部624を含んでいる(図37及び図39を参照)。丸い突出部624及び626は、異なる支持/緩衝特性を与えるように形状又はサイズを変えることができる。その結果、クッションインサート614を取り外し、回転させ、ミッドソール612の受け部内に入れ直すことで、異なる支持特性を与えることができる。図37及び図38に示されるように、クッションインサート614は、ミッドソール612の対応する位置合わせ孔644に嵌まるように構成される支柱636を含み、これらは、上述の支柱36及び位置合わせ孔44とほぼ同様又は同一であり得る。位置合わせ構造が望まれる実施形態では、支柱636及び位置合わせ孔644を、適当な位置合わせを行うことが可能な基本的に任意の構造で置き換えてもよい。
【0043】
アウトソール648の部分648aは、クッションインサート614がミッドソール612の受け部に挿入されると、クッションインサート614の底面と係合してこれを支持するようになっている。例えば、靴構造610の前足部領域におけるアウトソール648のように、アウトソールは概して、クッションインサート614を覆ってクッションインサート614へのアクセスを遮断する。しかしながら、図36及び図37に示されるように、アウトソール648の部分648aは、ミッドソール612から離れて屈曲又は枢動してクッションインサート614へのアクセスを提供する。アウトソール部分648aが枢動して開くと、ミッドソール612の全体を靴構造610から取り外すことも着用者が靴を脱ぐこともなく、クッションインサート614を取り外し、回転させ、ミッドソール612に入れ直すことができる。図示された実施形態では、クッションインサート614を覆うか又は支持するアウトソール部分648aのみが枢動するようになっている。代替的に、アウトソール648の全体がミッドソール612から離れて枢動又は他の方法で移動してもよい。
【0044】
クッションインサート614がミッドソール612の受け部の所望の位置に挿入されると、部分648aは、ミッドソール612に向かって閉じた非枢動位置に枢動する。アウトソール部分648aは、例えば、アッパー646又はミッドソール612において非枢動位置で保持されるようになっている。図示された実施形態では、アウトソール部分648aは、アッパー646において保持されるようになっている延長部656を含んでいる。延長部656は、靴紐孔662と一致するようになっている孔660を含むため、延長部656、したがってアウトソール部分648aを、靴紐によってアッパー646に縛り付けることができる。この特定の保持構造は例示に過ぎない。保持が望まれる場合、上記構造を、スナップ又は面ファスナ(例えばVelcro(登録商標))のような、アウトソールを閉位置に保持することが可能な基本的に任意の機構で置き換えることができる。
【0045】
場合によっては、アウトソール部分648a又は延長部656は、開口658を含んでもよく、これを通して、アウトソール部分648aが非枢動位置にあるときに、クッションインサート614を見ることができる(図35を参照)。そのような実施形態では、クッションインサート614の位置及び/又は得られる支持特性のインジケータが、クッションインサート614の外面に印刷されていてもよく、開口658を通して見ることができてもよい。したがって、ユーザは、アウトソール部分648aを開く必要も枢動させる必要もなく、クッションインサート614の位置が分かる。
【0046】
第5の代替的な実施形態では、ソール構造710が、ミッドソール712と、図40に示されるクッションインサート714a及び714bのような少なくとも1つのクッションインサートとを含んでいる。クッションインサート714a及び714bは、少なくとも1つの溝路を含み、その深さは、クッションインサートについて変わる。クッションインサート714a及び714bは、異なる支持/緩衝特性を与えるために、異なる向きにミッドソール712の各受け部に取り外し可能に嵌まるように構成されている。図示された実施形態のほぼ平面状の合わせ面の場合、クッションインサート714a及び714bは、クッションインサートの丸い突出部及び合わせ面の位置合わせに関係なく、基本的にいかなる向きにも回転させることができる。
【0047】
図40及び図41に示されるように、ミッドソール712は、クッションインサート714a及び714bをそれぞれ収容するようになっている2つの受け部718a及び718bを画定している。受け部718aは、ミッドソール712のヒール領域に位置付けられ、受け部718bは、ミッドソール712の前足部領域に位置付けられている。しかしながら、クッションインサートは、代替的又は付加的に、この構造が提供するタイプの調節性が望まれ得るソールの他の領域に位置決めされてもよい。図示された実施形態では、受け部718a及び718bは、ミッドソール712の底面の開口又は空隙として画定されるため、ミッドソール712は、上述のミッドソール12と同様であり得る。しかしながら、受け部718a及び718bは、上記のミッドソール212及び412と同様に、ミッドソール712の上面に形成することもできる。
【0048】
図示された実施形態では、クッションインサート714a及び714bのそれぞれの上面は、3つの溝路764、766、及び768を全体的に画定し、これらはそれぞれ、クッションインサートに沿って異なる点で深さが変わっている(図42及び図45〜図47を参照)。クッションインサート714a及び714bの支持特性は、溝路の深さに応じて主に決まるため、クッションインサート714a及び714b、したがって溝路を再位置決めすることで、クッションインサートの支持/緩衝特性が変わる。図45に示されるように、図示された実施形態の溝路764、766、及び768は、クッションインサート714a及び714bの片側における全深さBの溝路からクッションインサートの反対側の実質的により浅い深さAの溝路まで均一なテーパを提供するように選択された向きで溝路を通って延びる1つの共通平面又は軸770a及び770bによって切断されている。図46に示されるように、図45に示される断面に対して垂直な線に沿ったクッションインサート714a及び714bの断面が、クッションインサートの幅にわたって均一な深さを有する溝路を示している。異なる用途では、切断平面は、所望の緩衝特性を与えるように適宜代替的な向きに配置され得る。さらに、溝路764、766、及び768は、(図45及び図46に示されるように)1つの共通平面によって切断される必要はなく、代替的に、クッションインサートの調節範囲を通して所望の緩衝/支持特性を与えるように、所望に応じた角度断面を通って切断するか又は他の方法で変えることができる。図示された実施形態は、切断された溝路を開示しているが、クッションインサートの調節性範囲を通して所望の支持/緩衝を与えるように、サイズ、形状、構成、及び材料のようなクッションインサート714a及び714b又は溝路764、766、及び768の他の特性を変えることによって、調節性を与えることができる。
【0049】
場合によっては、受け部内でのクッションインサートの位置合わせ及び/又は保持を助けるために、クッションインサート714a及び714bは、中央支柱736a及び736bの上方に嵌まるようになっている中央孔744a及び744bをそれぞれ画定し得る(図40及び図41を参照)。この第5の代替的な実施形態の中央孔及び中央支柱は、詳細に上述した実施形態の中央孔及び中央支柱とほぼ同様又は同一であり得る。代替的又は付加的に、受け部は、クッションインサート714aの位置合わせを容易にするクッションインサートの溝に対応する延長部又はリブを含んでもよい。例えば、受け部718aは、クッションインサート714aの溝739aに嵌まるようになっているリブ738aを含んでもよい(図41を参照)。
【0050】
ユーザがクッションインサート714a及び714bの正確な向きを達成するのを助けるために、クッションインサートの底面は、グラフィック、印刷物、又は他の位置合わせインジケータを含んでいてもよい。例えば、図43に示されるように、クッションインサート714a及び714bには、クッションインサートの許容可能な向きを示す複数の矢印が設けられている。場合によっては、クッションインサートは、位置合わせインジケータと協働してクッションインサートの向きの結果を視覚的に示す文章又は記号を含んでいてもよい。例えば、「回内」、「回外」、「標準」、及び「硬め」という言葉が、適当な(図示しない)位置合わせインジケータに隣接してクッションインサートに印刷されてもよい。
【0051】
図49〜図56に示される第6の代替的な実施形態では、ミッドソール812及びクッションインサート814a又は814bを有する靴構造810が示されている。靴構造810は、ミッドソール812を収容及び支持するようになっているアッパー846及びアウトソール848を含んでいる。アウトソール848は、開口871を含み、これを通してクッションインサート814a又は814bにアクセスして、異なる支持/緩衝特性を与えるためにクッションインサートの向きを変えるように操作することができる。
【0052】
ミッドソール812は、上記実施形態で説明したミッドソール12、212、412、512、612、及び712のいずれかとほぼ同様であり得る。図示された実施形態では、ミッドソール812は、クッションインサート814a又は814bを収容するための受け部をその底面に含んでいる(図50を参照)。
【0053】
この実施形態のクッションインサートは、ミッドソール812の受け部内に位置決めされたまま、ミッドソール812に関して移動するようになっている。例えば、クッションインサートには、受け部の底面と係合しない上面が形成され得る。図示された実施形態の1つでは、クッションインサート814aは、詳細に上述したクッションインサート714とほぼ同様である(図51及び図52を参照)。具体的には、クッションインサート814aは、3つの溝路864、866、及び868を含み、溝路の深さはクッションインサートの異なる点で変わる。図49に示されるように、溝路864、866、及び868は、溝路を通って延びる共通の平面又は軸870aによって切断されている。クッションインサート714に関して上述したように、溝路864、866、及び868の深さが異なることで、所望の緩衝/支持特性を与えるようにクッションインサート814aを選択的に位置決めすることができる。
【0054】
図53及び図54に示されるように、代替的なクッションインサート814bは、様々なレベルの支持を与える異なる硬度及び/又は密度又は他の材料特性をそれぞれが有する少なくとも2つの異なる材料から形成されている。しかしながら、便宜上、これらの材料を含む層を、本明細書では「硬質層(harder layer)」874及び「軟質層(softer layer)」876と呼ぶことにする。図示された実施形態では、硬質層874は、ディスク形状のクッションインサート814bの半径方向外側領域及び下面を形成している。軟質層876は、クッションインサート814bの残りの部分を形成し、軟質層874の深さはクッションインサートについて変わる。図54に示されるように、軟質層874の深さは、クッションインサートを硬質層874の領域及び軟質層876の領域に分割する共通の平面又は軸870bによって切断され得る。図示された実施形態では、軸870bは、クッションインサートの片側における軟質層876の浅い深さからクッションインサートの反対側におけるより深い深さまで均一なテーパを提供するように選択された向きに位置決めされている。軟質層876の深さが異なることで、所望の緩衝/支持特性を与えるように、クッションインサート814bを選択的に位置決めすることができる。硬質層874及び軟質層876が平面に沿って合わさるクッションインサート814bに関連して説明したが、合わせ面は、所望の緩衝特性を与えるように輪郭付けしてもよい。例えば、硬質層874及び軟質層876は、上述のミッドソール12及びインサート14の丸い突出部と同様の噛合う丸い突出部を含んでいてもよい。任意の適当な製造プロセスを用いて、クッションインサート814bの2つの材料構成を達成することができる。例えば、クッションインサート814bの異なる層を、別個に製造して互いに接着してもよく、マルチショットを用いて一体成形してもよく、又は圧縮成形してもよい。図示された実施形態では固定されているが、所望であれば、2つの層は別個のままであってもよい。これにより、ユーザが2つの層を別個に交換することが可能になる。所望であれば、交換層に異なる緩衝特性を与え、したがって、靴構造810をさらに調整するための機構を提供することができる。クッションインサート814bは、2つの層を有することが示されているが、所望であれば2つ以上の層を含んでいてもよい。
【0055】
したがって、靴構造810は、クッションインサート814a及び814bのいずれかを含むことができ、これらはそれぞれ、ミッドソール812又はアウトソール848を靴構造810から取り外すことなく、ミッドソール812の受け部内で選択的に回転させるようになっている。受け部内でのクッションインサート814a及び814bの回転を容易にするために、アウトソール848に少なくとも1つの開口871が位置決めされて、クッションインサート814a又は814bの外面へのアクセスを提供する。図55及び図56に示されるように、アウトソール848は、靴構造810の各側に開口871を含むため、いずれかの開口を通してクッションインサート814a又は814bにアクセスして選択的に回転させることができる。図示された実施形態では、開口871は、ユーザの指がクッションインサートと係合することを可能にするようなサイズである。
【0056】
場合によっては、クッションインサート814a又は814bの回転をさらに助けるために、クッションインサート814a及び814は、その半径方向外面に、ノッチ、溝、又は窪み872を画定してもよい(図51、図53、及び図56を参照)。窪み872は、ユーザの指を受け止めるように形成されるため、クッションインサート814a又は814bを把持して回転させ易くすることができる。窪み872は、クッションインサート814a又は814bの半径方向面について等間隔に離間し得るため、クッションインサート814a又は814bの全調節性範囲を通して、開口871を通して少なくとも1つの窪みにアクセス可能である。
【0057】
ミッドソール812の受け部内でクッションインサート814a又は814bの位置を維持するのを助けるために、クッションインサート814a及び814bは、中央支柱836の上方に嵌まるようになっている中央孔844a及び844bをそれぞれ画定し得る(図50及び図55を参照)。そのような構成では、クッションインサート814a及び814bは、中央支柱836を中心として回転するようになっている。中央孔844a及び844b並びに中央支柱836は、上述の実施形態の中央孔及び中央支柱と他の点ではほぼ同様であり得る。
【0058】
図示された実施形態は、広範囲の調節性を提供するが、交換可能なクッションインサートのセットを提供することによって、さらに大きな範囲を提供することができる。例えば、各対が異なる緩衝(例えば硬度)特性を有する2対のクッションインサートを有する履物製品を販売してもよい。例えば、1つのクッションインサートのセットは、アスカーC型で約35〜40の範囲のデュロメータ硬度を有することができ、第2のクッションインサートのセットは、アスカーA型で約30〜40の範囲のデュロメータ硬度を有することができる。本発明の精神から逸脱せずに、異なる硬度を有する他のクッションインサートを製造することもできる。異なる対の特性は、異なる対の厚さ、形状、又は材料を変えること等によって、基本的にいかなる方法で変えることもできる。図11bは、クッションインサート14よりも厚い厚さを有するクッションインサート14’の図である。使用時には、クッションインサート14の代わりにクッションインサート14’を装着して、付加的な緩衝を提供することができる。
【0059】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるものとする。例えば、冠詞「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(その)」、又は「said(前記)」を用いて単数形で構成要件に言及している場合でも、その要件を単数に限定するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一つの実施形態によるソール構造の上面図である。
【図2】ソール構造の底面図である。
【図3a】回外位置にあるクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図3b】回内位置にあるクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図4a】クッションインサートが回外位置にある、図1の線IV−IVに沿ったソール構造の断面図である。
【図4b】クッションインサートが回内位置にあり、支持層が取り外されている、図1の線IV−IVに沿ったソール構造の断面図である。
【図4c】ソール構造の後部の部分断面図である。
【図5】クッションインサートを「回内」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図6】クッションインサートを「回外」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図7】クッションインサートを「硬め」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図8】クッションインサートを「標準」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図9a】クッションインサートの上面図である。
【図9b】クッションインサートの底面図である。
【図10a】図9aの線Xa−Xaに沿ったクッションインサートの断面図である。
【図10b】図9bの線Xb−Xbに沿ったクッションインサートの断面図である。
【図11a】互いに隣接する左側及び右側のクッションインサートを示す正面図である。
【図11b】図11aの左側クッションインサートよりも厚い厚さの代替的な左側のクッションインサートの正面図である。
【図12】本発明の代替的な実施形態によるソール構造の上面図である。
【図13】代替的なソール構造の中敷の上面図である。
【図14】図12の線XIV−XIVに沿った代替的なソール構造の断面図である。
【図15】図12の線XV−XVに沿った代替的なソール構造の部分断面図である。
【図16】ヒールウェッジの側面図である。
【図17】クッションインサートの上面図である。
【図18a】回外位置にある図1〜図11bのクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図18b】回内位置にある図1〜図11bのクッションインサート及びヒールウェッジを断面で示す、ソール構造の側面図である。
【図18c】図1〜図11bのクッションインサートを「回内」位置で示す、ソール構造の背面図である。
【図18d】図1〜図11bのクッションインサートが入れられる受け部を示す、ソール構造の上面図である。
【図18e】図1〜図11bのクッションインサートの底面図である。
【図19a】図12〜図17に示す実施形態によるソール構造の上面図である。
【図19b】クッションインサートが入れられる受け部の上面図である。
【図19c】図12〜図17に示すクッションインサートの上面図である。
【図19d】図12〜図17に示すクッションインサートの底面図である。
【図20】第2の代替的な実施形態のソール構造の上面図である。
【図21】第2の代替的な実施形態のソール構造の底面図である。
【図22】第2の代替的な実施形態のソール構造の右側面図である。
【図23】図20の線XXIII−XXIIIに沿った第2の代替的な実施形態のソール構造の右側断面図である。
【図24】図20の線XXIV−XXIVに沿った第2の代替的な実施形態のソール構造の背面断面図である。
【図25a】第2の代替的な実施形態の右側のクッションインサートの上面図である。
【図25b】第2の代替的な実施形態の左側のクッションインサートの上面図である。
【図26a】第2の代替的な実施形態の右側のクッションインサートの右側面図である。
【図26b】第2の代替的な実施形態の左側のクッションインサートの右側面図である。
【図27】図25aの線XXVII−XXVIIに沿った右側のクッションインサートの断面図である。
【図28】互いに隣接する左側及び右側のソール構造を示す断面図である。
【図29a】クッションインサートを回内位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図29b】クッションインサートを硬め位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図30a】クッションインサートを回外位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図30b】クッションインサートを標準位置で示す、ソール構造の底面図である。
【図31】第3の代替的な実施形態の靴構造の側断面図である。
【図32】第3の代替的な実施形態のソールの側面図である。
【図33】ソールの後部斜視図である。
【図34】ソールの底面斜視図である。
【図35】第4の代替的な実施形態の靴構造の側面図である。
【図36】アウトソールを部分的に開位置に枢動させて示す、第4の代替的な実施形態の側面図である。
【図37】アウトソールを開位置に枢動させ、クッションインサートをソールから取り外して示す、第4の代替的な実施形態の側面図である。
【図38】線X−Xに沿った第4の代替的な実施形態の背面断面図である。
【図39】クッションインサートの底面斜視図である。
【図40】第5の代替的な実施形態のソール構造の底面斜視図である。
【図41】クッションインサートを取り外して示す、第5の代替的な実施形態の底面斜視図である。
【図42】第5の代替的な実施形態のクッションインサートの上面図である。
【図43】クッションインサートの底面図である。
【図44】クッションインサートの側面図である。
【図45】線Y−Yに沿ったクッションインサートの側断面図である。
【図46】線Z−Zに沿ったクッションインサートの側断面図である。
【図47】クッションインサートの斜視図である。
【図48】第5の代替的な実施形態の背面図である。
【図49】第6の代替的な実施形態のソール構造を有する靴の側面図である。
【図50】第6の代替的な実施形態の側断面図である。
【図51】第6の代替的な実施形態によるクッションインサートの上面図である。
【図52】線YY−YYに沿った図51のクッションインサートの側断面図である。
【図53】第6の代替的な実施形態による代替的なクッションインサートの上面図である。
【図54】線ZZ−ZZに沿った図53の代替的なクッションインサートの側断面図である。
【図55】線XX−XXに沿ったソール構造及びクッションインサートの背面断面図である。
【図56】第6の代替的な実施形態のソール構造及びクッションインサートの底面断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物用のソールであって、
少なくとも1つの受け部を含むソール部品と、
前記受け部内に嵌まる調節可能なクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記ソールに異なる特性を与える少なくとも2つの異なる向きで前記受け部に嵌まることが可能であることにより、前記ソールの前記特性の調節が、前記クッションインサートを前記向きの所望の1つの向きで前記受け部に選択的に嵌めることによって行われ得るソール。
【請求項2】
前記ソール部品は、インソールと、ミッドソールと、ヒールウェッジと、アウトソールとのうちの少なくとも1つとしてさらに画定される、請求項1に記載のソール。
【請求項3】
前記受け部は実質的に円形状である、請求項1に記載のソール。
【請求項4】
前記受け部は境界面を含み、
前記クッションインサートは境界面を含み、
前記受け部の境界面は、前記クッションインサートの境界面と係合するように延びる突起を有する、請求項1に記載のソール。
【請求項5】
前記受け部は境界面を含み、
前記クッションインサートは境界面を含み、
前記クッションインサートの境界面は、前記受け部の境界面と係合するための突起を有する、請求項1に記載のソール。
【請求項6】
前記クッションインサートの境界面は、前記受け部の境界面上の前記突起と噛み合い係合する突起を有する、請求項4に記載のソール。
【請求項7】
前記突起の少なくとも1つは、サイズ、形状、及び硬度の少なくとも1つが少なくとも1つの他の突起とは異なる、請求項6に記載のソール。
【請求項8】
前記クッションインサート及び前記受け部の前記突起は、基本的に、起伏と、隆起と、丸い突出部とから成る群から選択される、請求項7に記載のソール。
【請求項9】
前記クッションインサートの境界面と前記ソール部品の境界面との間に配置される支持層をさらに含む、請求項6に記載のソール。
【請求項10】
前記支持層は、前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方に取り付けられる、請求項9に記載のソール。
【請求項11】
前記受け部は、前記ソール部品の上面内に形成される、請求項1に記載のソール。
【請求項12】
前記クッションインサートは、実質的にディスク形状であると共に軸を含み、
前記クッションインサートは、前記軸を中心とした回転によって、第1の向きと第2の向きとの間で可動である、請求項1に記載のソール。
【請求項13】
前記受け部は、前記クッションインサートを前記受け部内で前記異なる向きの両方の向きに位置合わせするための位置合わせ手段をさらに含む、請求項1に記載のソール。
【請求項14】
前記位置合わせ手段は、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方にある開口と、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの他方から延びる支柱と
を含み、
該支柱は、前記受け部内で前記クッションインサートを位置合わせさせるために前記開口に嵌まる、請求項13に記載のソール。
【請求項15】
前記受け部は、前記ソールの底面内に形成される、請求項1に記載のソール。
【請求項16】
前記ソール部品はヒール領域を含み、前記受け部が前記ヒール領域に位置付けられる、請求項1に記載のソール。
【請求項17】
前記クッションインサートの突起及び前記ソール部品の突起のうちの少なくとも一方は、前記軸を中心に延びる複数の波状起伏を含む、請求項12に記載のソール。
【請求項18】
前記クッションインサートの突起及び前記ソール部品の突起のうちの少なくとも一方は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の波状起伏を含む、請求項12に記載のソール。
【請求項19】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールと
を備え、
該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって、前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能である靴。
【請求項20】
前記ソール部品は、前記クッションインサートと係合する受け部を含み、該受け部は、複数の突起を有する境界面を含み、前記クッションインサートは、前記受け部の境界面の前記複数の突起と噛み合い係合する複数の突起を有する境界面を含む、請求項19に記載の靴。
【請求項21】
前記受け部は軸を含み、前記受け部の突起は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の起伏を含む、請求項20に記載の靴。
【請求項22】
前記クッションインサートは軸を含み、前記クッションインサートの突起は、前記軸を中心に延びる複数の起伏を含む、請求項21に記載の靴。
【請求項23】
前記クッションインサートの起伏の少なくとも1つは、サイズ、形状、又は硬度が前記クッションインサートの起伏の少なくとも1つの他の起伏とは異なることにより、前記クッションインサートを前記受け部内で前記軸を中心に回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項22に記載の靴。
【請求項24】
前記クッションインサートは、少なくとも回外の向きと回内の向きとの間で前記受け部に関して可動である、請求項23に記載の靴。
【請求項25】
前記クッションインサートは、少なくとも、回外に関連する問題に対処するための回外の向きと、回内に関連する問題に対処するための回内の向きと、標準の向きと、硬めの向きとの間で前記受け部に関して可動である、請求項23に記載の靴。
【請求項26】
前記ソールは、前記クッションインサートと前記ソール部品との間に配置される支持層を含み、
該支持層は、前記クッションインサートの起伏及び前記受け部の起伏に形状が対応する、請求項23に記載の靴。
【請求項27】
前記ソールは、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方にある開口と、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの他方から延びる支柱と
を含み、
該支柱は、前記ソール部品に関して前記クッションインサートを位置合わせさせるために前記開口に嵌まる、請求項23に記載の靴。
【請求項28】
ソール組立体であって、
空洞を画定するミッドソールであって、該空洞は、軸及び該軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の突起を有する境界面を有するミッドソールと、
前記空洞に嵌まるクッションインサートであって、実質的にディスク形状であると共に軸を有するクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記空洞の前記境界面と係合する境界面を有し、前記クッションインサートの前記境界面は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の突起を有し、前記クッションインサートの突起は、前記空洞の突起と噛み合い、前記クッションインサートは、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの互いに噛み合う突起を選択的に変えるために前記空洞に対して可動であり、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの少なくとも1つは、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの少なくとも1つの他の突起とは異なることにより、前記クッションインサートを前記空洞内で回転させると前記ソール組立体の特性が変わるソール組立体。
【請求項29】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールと
を備え、
該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であり、
前記ソール部品は区別ヒールを含む靴。
【請求項30】
前記ソール部品を支持するアウトソールを含み、
該アウトソールは、前記区別ヒールを収容する受け部を含む、請求項29に記載の靴。
【請求項31】
前記ソール部品はヒール領域を含み、前記区別ヒール及び前記クッションインサートは、前記ヒール領域に位置する、請求項30に記載の靴。
【請求項32】
前記クッションインサートは、実質的にディスク形状であると共に軸を含み、該軸を中心とした回転によって前記第1の向きと前記第2の向きとの間で可動である、請求項30に記載の靴。
【請求項33】
履物用のソールであって、
少なくとも1つの受け部を含むソール部品と、
前記受け部内に嵌まる調節可能なクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記ソールに異なる特性を与える少なくとも2つの異なる向きに前記受け部に嵌まることが可能であることにより、前記ソールの前記特性の調節が、前記クッションインサートを前記少なくとも2つの向きのうちの所望の1つの向きに前記受け部に選択的に嵌めることによって行うことができ、
前記クッションインサートは、少なくとも1つの溝路を画定するソール。
【請求項34】
前記クッションインサートは軸を含み、前記少なくとも1つの溝路は、前記軸を中心に深さが変わることにより、前記クッションインサートを前記受け部内で前記軸を中心に回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項33に記載のソール。
【請求項35】
前記少なくとも1つの溝路は、前記軸を中心に角度断面を通して深さが変わる、請求項34に記載のソール。
【請求項36】
前記溝路の深さは、前記クッションインサートの片側における第1の深さから該クッションインサートの反対側におけるより浅い深さまで均一に漸減する、請求項35に記載のソール。
【請求項37】
前記受け部は、前記クッションインサートを前記受け部内で前記異なる向きの両方に位置合わせするための位置合わせ手段をさらに含む、請求項35に記載のソール。
【請求項38】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールであって、該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記クッションインサートは、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であるソールと、
前記ソール部品の少なくとも一部を覆うアウトソールであって、該アウトソールの少なくとも一部が、前記ソール部品の少なくとも一部を覆う閉位置と前記受け部内の前記クッションインサートを露出させる開位置との間で可動であるアウトソールと
を備える靴。
【請求項39】
前記アウトソールの前記一部は、前記閉位置に保持されるようになっている、請求項38に記載の靴。
【請求項40】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールであって、該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記クッションインサートは、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記インサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であるソールと、
開口を有することにより、前記クッションインサートを移動させるために該クッションインサートの一部に前記開口を通してアクセス可能であるアウトソールと
を備える靴。
【請求項41】
前記ソール部品は、前記クッションインサートを収容する少なくとも1つの受け部を含み、前記クッションインサートは、前記受け部内で前記第1の向きと前記第2の向きとの間で可動である、請求項40に記載の靴。
【請求項42】
前記クッションインサートを回転させるために、前記クッションインサートの半径方向外面に前記アウトソールの前記開口を通してアクセス可能であるようにする、請求項40に記載の靴。
【請求項43】
前記クッションインサートは、前記半径方向外面に複数の窪みを含む、請求項42に記載の靴。
【請求項44】
前記クッションインサートは少なくとも1つの溝路を画定する、請求項41に記載の靴。
【請求項45】
前記クッションインサートは軸を含み、前記少なくとも1つの溝路は前記軸を中心に深さが変わることにより、前記軸を中心に前記クッションインサートを回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項44に記載の靴。
【請求項46】
前記クッションインサートは、異なる硬度を有する少なくとも2つの材料から形成される、請求項41に記載の靴。
【請求項47】
前記クッションインサートは軸を含み、前記硬度が低い方の材料の深さが前記軸を中心に変わることにより、該軸を中心に前記クッションインサートを回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項46に記載の靴。
【請求項48】
前記2つの材料の比例した厚さは、前記クッションインサートの異なる領域に異なる緩衝特性を与えるように変わる、請求項46に記載の靴。
【請求項1】
履物用のソールであって、
少なくとも1つの受け部を含むソール部品と、
前記受け部内に嵌まる調節可能なクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記ソールに異なる特性を与える少なくとも2つの異なる向きで前記受け部に嵌まることが可能であることにより、前記ソールの前記特性の調節が、前記クッションインサートを前記向きの所望の1つの向きで前記受け部に選択的に嵌めることによって行われ得るソール。
【請求項2】
前記ソール部品は、インソールと、ミッドソールと、ヒールウェッジと、アウトソールとのうちの少なくとも1つとしてさらに画定される、請求項1に記載のソール。
【請求項3】
前記受け部は実質的に円形状である、請求項1に記載のソール。
【請求項4】
前記受け部は境界面を含み、
前記クッションインサートは境界面を含み、
前記受け部の境界面は、前記クッションインサートの境界面と係合するように延びる突起を有する、請求項1に記載のソール。
【請求項5】
前記受け部は境界面を含み、
前記クッションインサートは境界面を含み、
前記クッションインサートの境界面は、前記受け部の境界面と係合するための突起を有する、請求項1に記載のソール。
【請求項6】
前記クッションインサートの境界面は、前記受け部の境界面上の前記突起と噛み合い係合する突起を有する、請求項4に記載のソール。
【請求項7】
前記突起の少なくとも1つは、サイズ、形状、及び硬度の少なくとも1つが少なくとも1つの他の突起とは異なる、請求項6に記載のソール。
【請求項8】
前記クッションインサート及び前記受け部の前記突起は、基本的に、起伏と、隆起と、丸い突出部とから成る群から選択される、請求項7に記載のソール。
【請求項9】
前記クッションインサートの境界面と前記ソール部品の境界面との間に配置される支持層をさらに含む、請求項6に記載のソール。
【請求項10】
前記支持層は、前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方に取り付けられる、請求項9に記載のソール。
【請求項11】
前記受け部は、前記ソール部品の上面内に形成される、請求項1に記載のソール。
【請求項12】
前記クッションインサートは、実質的にディスク形状であると共に軸を含み、
前記クッションインサートは、前記軸を中心とした回転によって、第1の向きと第2の向きとの間で可動である、請求項1に記載のソール。
【請求項13】
前記受け部は、前記クッションインサートを前記受け部内で前記異なる向きの両方の向きに位置合わせするための位置合わせ手段をさらに含む、請求項1に記載のソール。
【請求項14】
前記位置合わせ手段は、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方にある開口と、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの他方から延びる支柱と
を含み、
該支柱は、前記受け部内で前記クッションインサートを位置合わせさせるために前記開口に嵌まる、請求項13に記載のソール。
【請求項15】
前記受け部は、前記ソールの底面内に形成される、請求項1に記載のソール。
【請求項16】
前記ソール部品はヒール領域を含み、前記受け部が前記ヒール領域に位置付けられる、請求項1に記載のソール。
【請求項17】
前記クッションインサートの突起及び前記ソール部品の突起のうちの少なくとも一方は、前記軸を中心に延びる複数の波状起伏を含む、請求項12に記載のソール。
【請求項18】
前記クッションインサートの突起及び前記ソール部品の突起のうちの少なくとも一方は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の波状起伏を含む、請求項12に記載のソール。
【請求項19】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールと
を備え、
該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって、前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能である靴。
【請求項20】
前記ソール部品は、前記クッションインサートと係合する受け部を含み、該受け部は、複数の突起を有する境界面を含み、前記クッションインサートは、前記受け部の境界面の前記複数の突起と噛み合い係合する複数の突起を有する境界面を含む、請求項19に記載の靴。
【請求項21】
前記受け部は軸を含み、前記受け部の突起は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の起伏を含む、請求項20に記載の靴。
【請求項22】
前記クッションインサートは軸を含み、前記クッションインサートの突起は、前記軸を中心に延びる複数の起伏を含む、請求項21に記載の靴。
【請求項23】
前記クッションインサートの起伏の少なくとも1つは、サイズ、形状、又は硬度が前記クッションインサートの起伏の少なくとも1つの他の起伏とは異なることにより、前記クッションインサートを前記受け部内で前記軸を中心に回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項22に記載の靴。
【請求項24】
前記クッションインサートは、少なくとも回外の向きと回内の向きとの間で前記受け部に関して可動である、請求項23に記載の靴。
【請求項25】
前記クッションインサートは、少なくとも、回外に関連する問題に対処するための回外の向きと、回内に関連する問題に対処するための回内の向きと、標準の向きと、硬めの向きとの間で前記受け部に関して可動である、請求項23に記載の靴。
【請求項26】
前記ソールは、前記クッションインサートと前記ソール部品との間に配置される支持層を含み、
該支持層は、前記クッションインサートの起伏及び前記受け部の起伏に形状が対応する、請求項23に記載の靴。
【請求項27】
前記ソールは、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの少なくとも一方にある開口と、
前記クッションインサート及び前記ソール部品のうちの他方から延びる支柱と
を含み、
該支柱は、前記ソール部品に関して前記クッションインサートを位置合わせさせるために前記開口に嵌まる、請求項23に記載の靴。
【請求項28】
ソール組立体であって、
空洞を画定するミッドソールであって、該空洞は、軸及び該軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の突起を有する境界面を有するミッドソールと、
前記空洞に嵌まるクッションインサートであって、実質的にディスク形状であると共に軸を有するクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記空洞の前記境界面と係合する境界面を有し、前記クッションインサートの前記境界面は、前記軸を中心に規則的な角度断面を通って延びる複数の突起を有し、前記クッションインサートの突起は、前記空洞の突起と噛み合い、前記クッションインサートは、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの互いに噛み合う突起を選択的に変えるために前記空洞に対して可動であり、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの少なくとも1つは、前記空洞の突起及び前記クッションインサートの突起のうちの少なくとも1つの他の突起とは異なることにより、前記クッションインサートを前記空洞内で回転させると前記ソール組立体の特性が変わるソール組立体。
【請求項29】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールと
を備え、
該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であり、
前記ソール部品は区別ヒールを含む靴。
【請求項30】
前記ソール部品を支持するアウトソールを含み、
該アウトソールは、前記区別ヒールを収容する受け部を含む、請求項29に記載の靴。
【請求項31】
前記ソール部品はヒール領域を含み、前記区別ヒール及び前記クッションインサートは、前記ヒール領域に位置する、請求項30に記載の靴。
【請求項32】
前記クッションインサートは、実質的にディスク形状であると共に軸を含み、該軸を中心とした回転によって前記第1の向きと前記第2の向きとの間で可動である、請求項30に記載の靴。
【請求項33】
履物用のソールであって、
少なくとも1つの受け部を含むソール部品と、
前記受け部内に嵌まる調節可能なクッションインサートと
を備え、
該クッションインサートは、前記ソールに異なる特性を与える少なくとも2つの異なる向きに前記受け部に嵌まることが可能であることにより、前記ソールの前記特性の調節が、前記クッションインサートを前記少なくとも2つの向きのうちの所望の1つの向きに前記受け部に選択的に嵌めることによって行うことができ、
前記クッションインサートは、少なくとも1つの溝路を画定するソール。
【請求項34】
前記クッションインサートは軸を含み、前記少なくとも1つの溝路は、前記軸を中心に深さが変わることにより、前記クッションインサートを前記受け部内で前記軸を中心に回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項33に記載のソール。
【請求項35】
前記少なくとも1つの溝路は、前記軸を中心に角度断面を通して深さが変わる、請求項34に記載のソール。
【請求項36】
前記溝路の深さは、前記クッションインサートの片側における第1の深さから該クッションインサートの反対側におけるより浅い深さまで均一に漸減する、請求項35に記載のソール。
【請求項37】
前記受け部は、前記クッションインサートを前記受け部内で前記異なる向きの両方に位置合わせするための位置合わせ手段をさらに含む、請求項35に記載のソール。
【請求項38】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールであって、該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記クッションインサートは、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記クッションインサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であるソールと、
前記ソール部品の少なくとも一部を覆うアウトソールであって、該アウトソールの少なくとも一部が、前記ソール部品の少なくとも一部を覆う閉位置と前記受け部内の前記クッションインサートを露出させる開位置との間で可動であるアウトソールと
を備える靴。
【請求項39】
前記アウトソールの前記一部は、前記閉位置に保持されるようになっている、請求項38に記載の靴。
【請求項40】
アッパーと、
該アッパーに固定されるソールであって、該ソールは、ソール部品及び該ソール部品と嵌まり合うクッションインサートを含み、該クッションインサートは、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で前記ソール部品に関して調節可能であり、前記クッションインサートは、前記第1の向きにあるときに前記ソールに第1の特性を与え、前記第2の向きにあるときに前記ソールに前記第1の特性とは異なる第2の特性を与えることにより、前記ソールは、前記ソール部品に関する前記インサートの移動によって前記第1の特性と前記第2の特性との間で容易に調節可能であるソールと、
開口を有することにより、前記クッションインサートを移動させるために該クッションインサートの一部に前記開口を通してアクセス可能であるアウトソールと
を備える靴。
【請求項41】
前記ソール部品は、前記クッションインサートを収容する少なくとも1つの受け部を含み、前記クッションインサートは、前記受け部内で前記第1の向きと前記第2の向きとの間で可動である、請求項40に記載の靴。
【請求項42】
前記クッションインサートを回転させるために、前記クッションインサートの半径方向外面に前記アウトソールの前記開口を通してアクセス可能であるようにする、請求項40に記載の靴。
【請求項43】
前記クッションインサートは、前記半径方向外面に複数の窪みを含む、請求項42に記載の靴。
【請求項44】
前記クッションインサートは少なくとも1つの溝路を画定する、請求項41に記載の靴。
【請求項45】
前記クッションインサートは軸を含み、前記少なくとも1つの溝路は前記軸を中心に深さが変わることにより、前記軸を中心に前記クッションインサートを回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項44に記載の靴。
【請求項46】
前記クッションインサートは、異なる硬度を有する少なくとも2つの材料から形成される、請求項41に記載の靴。
【請求項47】
前記クッションインサートは軸を含み、前記硬度が低い方の材料の深さが前記軸を中心に変わることにより、該軸を中心に前記クッションインサートを回転させることで前記ソールの特性が変わる、請求項46に記載の靴。
【請求項48】
前記2つの材料の比例した厚さは、前記クッションインサートの異なる領域に異なる緩衝特性を与えるように変わる、請求項46に記載の靴。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図26a】
【図26b】
【図27】
【図28】
【図29a】
【図29b】
【図30a】
【図30b】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図26a】
【図26b】
【図27】
【図28】
【図29a】
【図29b】
【図30a】
【図30b】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【公開番号】特開2009−22738(P2009−22738A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−128825(P2008−128825)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128825(P2008−128825)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]