履物用シール及び履物
【課題】履物の両足部の側面の擦れる部分に貼着することにより、転倒等の事故が防止される履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物を提供する。
【解決手段】革表面にエナメル塗料を塗布してなるエナメル靴である靴１の右足部１１の、左足部１２と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール４、２がそれぞれ貼着されている。靴１の左足部１２の、右足部１１と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール５、３がそれぞれ貼着されている。シール２，３，４，５により右足部１１と左足部１２との擦れ合う部分の摩擦が低減される。
【解決手段】革表面にエナメル塗料を塗布してなるエナメル靴である靴１の右足部１１の、左足部１２と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール４、２がそれぞれ貼着されている。靴１の左足部１２の、右足部１１と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール５、３がそれぞれ貼着されている。シール２，３，４，５により右足部１１と左足部１２との擦れ合う部分の摩擦が低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、履物の両足の擦れる部分等に貼付され、該部分の摩擦を低減し、また、履物に意匠性を付与する履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物に関する。
【背景技術】
【０００２】
天然樹脂又は合成樹脂等を乾性油と共に加熱融合し、乾燥剤を加えて溶剤で希釈した油ワニスをゴム揮発油で希釈したエナメル塗料を革表面に塗布してなるエナメル靴は、正装等した場合によく着用されている。
しかし、エナメル塗料を用いて形成された塗膜は摩擦し易く、歩行中に両足の擦れる部分で摩擦してユーザが転倒し、膝を打つ等して大けがをすることがある。
【０００３】
特許文献１には、スリッパ、サンダル及び靴下等の履物の底部の先端部分又はかかと部分に滑り材を貼着する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００９−０３９４９６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１の発明は、履物の底部に滑り材を貼着するものであり、履物の両足部の側面同士の摩擦を低減するものではない。また、前記側面に前記滑り材を貼着した場合、履物の美観を損ねるという問題がある。
他方、靴等の履物は高価であり、服に合わせて、該服と同色の模様等を設けてアクセントを付ける等し、履き回すことが求められている。
【０００６】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、履物の両足部の側面の擦れる部分に貼着することにより、摩擦が低減されて転倒等の事故が防止される履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物を提供することを目的とする。
【０００７】
また、本発明は、貼着することにより、意匠性を付与することができる履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明に係る履物用シールは、履物に貼着される履物用シールであって、剥離自在に構成してあることを特徴とする。
【０００９】
本発明においては、履物の両足部が擦れる部分に貼着することにより摩擦を低減したり、傷みやすい部分に貼着して保護したり、アクセントを付けたい部分に貼着して意匠性を付与したりすることができる。そして、不要の場合には履物から取り外すことができる。
【００１０】
第２発明に係る履物用シールは、第１発明において、表面が低摩擦性を有し、履物の両足が擦れる部分に貼着されるように構成してあることを特徴とする。
【００１１】
本発明においては、履物の両足が擦れる部分の摩擦が低減され、けが等の事故が防止される。
【００１２】
第３発明に係る履物用シールは、第１又は第２発明において、周縁部に切り込みを形成してあることを特徴とする。
【００１３】
本発明においては、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００１４】
第４発明に係る履物用シールは、第１又は第２発明において、履物の面に沿うように曲面状をなすことを特徴とする。
【００１５】
本発明においては、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００１６】
第５発明に係る履物用シールは、第１乃至第４発明において、光透過性を有し、表面に印写部を形成してあることを特徴とする。
【００１７】
ここで、印写とは、インクジェット印刷等の印刷、ペイント等により文字、記号、図形、模様等を記録することをいう。
本発明においては、服に合わせて、該服と同色の模様等を有する履物用シールを履物に貼着することで、履物を服に調和させたり、履物が有する雰囲気を変えたり、アクセントを付けて独自のファッションを楽しんだりすることができ、同一の履物を履き回すことができる。そして、履物用シールは透明性を有するので、履物に貼着した場合、シールの外縁部が目立たず、履物の外観品位が良好である。
【００１８】
第６発明に係る履物は、第１乃至第５発明のいずれかの履物用シールを貼着してなることを特徴とする。
【００１９】
本発明においては、上述の履物用シールを履物の両足の側面の擦れる部分に貼着した場合、転倒等の事故が防止される。また、意匠性が付与される。
【００２０】
第７発明に係る履物は、エナメル塗料を用いて塗膜を形成してあることを特徴とする。
【００２１】
本発明においては、エナメル塗料により形成され、両足が擦れた場合に摩擦が生じやすい塗膜上に貼着されるので、事故等が確実に防止される。
【発明の効果】
【００２２】
本発明によれば、履物の両足部の側面の擦れる部分に貼着することにより、転倒等の事故が防止される。
また、本発明によれば、貼着することにより、意匠性が付与される。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の実施の形態１に係る靴を示す斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係るシールを示す平面図である。
【図３】本発明の実施の形態１に係るシールに剥離材を貼り合わせてなるシートを示す断面図である。
【図４】本発明の実施の形態１に係るシールを示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態２に係る靴の右足部を示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態２に係るシートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１に係る靴１を示す斜視図である。
靴１は、革表面にエナメル塗料を塗布してなるエナメル靴である。
靴１の右足部１１の、左足部１２と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、本発明の実施の形態１に係るシール（履物用シール）４、及び２がそれぞれ貼着されている。
靴１の左足部１２の、右足部１１と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール５、及び３がそれぞれ貼着されている。
【００２５】
図２（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、それぞれシール２，３，４，５を示す平面図である。
シール２とシール３、シール４とシール５とはそれぞれ線対称な形状を有している。シール２，３，４，５は、右足部１１、左足部１２の側面に沿って貼着できるように、略台形状をなしている。
そして、シール２，３，４，５の外縁部には、それぞれ切り込み２ａ，２ａ，…、３ａ，３ａ，…、４ａ，４ａ，…、５ａ，５ａ，…が設けられており、シール２，３，４，５を靴１に貼着する場合及び靴１の着用時に、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持されるように構成されている。
【００２６】
図３は、シール２に剥離材を貼り合わせてなるシート２５を示す断面図である。
シート２５は、剥離材２１と、基材２２とを粘着剤２３により貼り合わせてなる。基材２２と粘着剤２３とからシール２が構成される。剥離材２１は、表面に、貼着剤２３により基材２２を貼着させることができるものであれば特に限定されず、例えば紙、繊維、合成樹脂、金属、これらの複合体等から構成される。これらの中では、シリコン加工等の表面処理を施した剥離紙がより好ましい。
【００２７】
基材２２は、表面が低摩擦性を有するものであれば特に限定されず、例えば紙、合成樹脂、これらの複合体等から構成される。合成樹脂の具体例としては、透明性を有するポリエステルフィルム等が挙げられる。
【００２８】
粘着剤２３としては例えばアクリル樹脂系粘着剤が挙げられ、縦横に溝２３ａ，２３ａが形成された状態で基材２２の裏面に塗布されている。シール２は、粘着剤２３により靴１に貼着したり剥離したりすることが自在であるように構成されている。
シート２５の例として、エーワン株式会社の「インクジェットプリンタラベル（品番２９２８９）」、ハート株式会社の「インクジェットぴったんこシート」が挙げられる。「インクジェットぴったんこシート」の場合、基材２２はインクジェット用受像層とポリエステルフィルムとからなり、基材２２の裏面には吸着層が形成されている。
【００２９】
シート２５は、基材２２に切り込み２ａ，２ａ，…が設けられた状態で、最初から上述の台形形状に切り抜かれていてもよく、ユーザが矩形のシートから切り抜くことにしてもよい。
他のシール３，４，５も同様の構成を有し、シートが最初から台形形状を有していてもよく、ユーザが矩形のシートから切り抜くことにしてもよい。
ユーザはシートからシールを剥離し、靴１に貼着して靴１を着用する。
【００３０】
本実施の形態においては、靴１にエナメル塗料により塗膜が形成されており、右足部１１と左足部１２とが擦れ合って摩擦が生じる部分に、表面が低摩擦性を有するシール２，３，４，５が貼着されているので、右足部１１と左足部１２とが擦れた場合に摩擦が生じて歩行が妨げられ、転倒等の事故が生じるのが防止されている。
そして、シール２，３，４，５は剥離自在であるので、長時間歩行しない場合等においては、ユーザにより剥がされ得る。
また、シール２，３，４，５は透明性を有するので、靴１に貼着した場合、シール２，３，４，５の外縁部が目立たず、靴１の外観品位は良好である。
【００３１】
なお、本実施の形態においては、シール２，３，４，５の外縁部に、それぞれ切り込み２ａ，２ａ，…、３ａ，３ａ，…、４ａ，４ａ，…、５ａ，５ａ，…が設けられている場合につき説明しているがこれに限定されるものではない。
靴１の側面に沿って貼着できるように、シール２，３，４，５に曲げ加工を施すことにしてもよい。図４（ａ）はシール２を示す斜視図、（ｂ）はシール５を示す斜視図である。シール３及び４も同様に曲げ加工が施され得る。曲げ加工が施されたシール２，３，４，５は、靴１に貼着する場合及び靴１の着用時に、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００３２】
また、シール２，３，４，５の外縁部に粘着剤が塗布されていないつまみ部を突設することにしてもよい。つまみ部を引っ張ることにより、容易にシール２，３，４，５を剥がすことができる。
【００３３】
そして、シール２，３，４，５の形状、大きさ、及び靴１に貼着する部分、並びにシールの個数は本実施の形態において説明した場合に限定されるものではない。また、シール２，３，４，５は透明性を有する場合には限定されず、着色されていてもよく、表面の一部に印写により印写部が形成されていてもよい。
さらに、シール２，３，４，５は所定の形状に切り抜かれ、ユーザが靴１に貼着して着用する場合には限定されず、シール２，３，４，５が靴１に貼着された状態で販売されるものであってもよい。
【００３４】
実施の形態２．
図５は、本発明の実施の形態２に係る靴８を示す斜視図である。
靴８の右足部の爪先側の内側側面には、実施の形態１に係るシール４が貼着されている。
【００３５】
そして、爪先の平面には、菱形状をなすシール６が貼着されている。シール６の表面には、水玉状をなし、黄，オレンジの２種類の色を有する印写部６１，６１，…が印写により記録されている。シール６は、シール４と同様に、基材の裏面に粘着剤を塗布してなる。基材は、表面に印写することができるものであれば特に限定されず、例えば紙、合成樹脂、これらの複合体等から構成される。合成樹脂の具体例としては、透明性を有するポリエステルフィルム等が挙げられる。
シール６は、剥離材が貼り合わされたシートから菱形状に切り抜かれて用いられる。シートの一例としては、サンワサプライ株式会社の「耐水透明フィルム（品番：ＬＢ−ＥＪＦ０７）」が挙げられる。
【００３６】
靴８に貼着するシールは、下記のシート７から選択することもできる。
図６は、シート７を示す平面図である。
シート７は、種々の形状及び色を有する模様が印写により表面に形成されたシール７１，７２，７３，７４，７５，７６，７７，７８を台紙７０に貼着してなる。ユーザはシート７から適宜のシールを選択し、適宜の大きさ、形状に切り抜いて、靴の適宜の部分に貼着することができる。
【００３７】
本実施の形態においては、靴８に、服に合わせて服と同色の模様等を有するシールを貼着することで、靴８を服に調和させたり、靴８が有する雰囲気を変えたり、アクセントを付けて独自のファッションを楽しんだりすることができ、靴８を履き回すことができる。 また、シールは靴８の傷みやすい部分に貼着することにしてもよい。
【００３８】
なお、本実施の形態においては、印写部６１が付されたシール６を用いる場合、及びシート７から適宜の模様を有するシールを選択し、適宜の大きさ、形状に切り抜いて用いる場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ユーザが、印写されていないシート表面に所望の模様等をインクジェット印刷等により印刷した後、適宜の大きさ、形状に切り抜き、シールとして用いることにしてもよい。この場合、印刷する模様等のデータは、靴８又はシートに付加されたＣＤ−ＲＯＭから読み出すことにしてもよく、インターネットを介して取得することにしてもよい。
【００３９】
そして、前記実施の形態１及び２においては、本発明の履物として靴１及び８を適用した場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、サンダル等の他の履物にも適用することができる。
また、シール上に他のシールを貼着することにしてもよい。
【符号の説明】
【００４０】
１、８ 靴
１１ 右足部
１２ 左足部
２、３、４、５、６、７１、７２、７３、７４、７５、７６、７７、７８ シール
２ａ、３ａ、４ａ、５ａ 切り込み
２１ 剥離材
２２ 基材
２３ 粘着剤
２３ａ 溝
７、２５ シート
６１ 印写部
７０ 台紙
【技術分野】
【０００１】
本発明は、履物の両足の擦れる部分等に貼付され、該部分の摩擦を低減し、また、履物に意匠性を付与する履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物に関する。
【背景技術】
【０００２】
天然樹脂又は合成樹脂等を乾性油と共に加熱融合し、乾燥剤を加えて溶剤で希釈した油ワニスをゴム揮発油で希釈したエナメル塗料を革表面に塗布してなるエナメル靴は、正装等した場合によく着用されている。
しかし、エナメル塗料を用いて形成された塗膜は摩擦し易く、歩行中に両足の擦れる部分で摩擦してユーザが転倒し、膝を打つ等して大けがをすることがある。
【０００３】
特許文献１には、スリッパ、サンダル及び靴下等の履物の底部の先端部分又はかかと部分に滑り材を貼着する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００９−０３９４９６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１の発明は、履物の底部に滑り材を貼着するものであり、履物の両足部の側面同士の摩擦を低減するものではない。また、前記側面に前記滑り材を貼着した場合、履物の美観を損ねるという問題がある。
他方、靴等の履物は高価であり、服に合わせて、該服と同色の模様等を設けてアクセントを付ける等し、履き回すことが求められている。
【０００６】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、履物の両足部の側面の擦れる部分に貼着することにより、摩擦が低減されて転倒等の事故が防止される履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物を提供することを目的とする。
【０００７】
また、本発明は、貼着することにより、意匠性を付与することができる履物用シール、及び該履物用シールを貼着した履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明に係る履物用シールは、履物に貼着される履物用シールであって、剥離自在に構成してあることを特徴とする。
【０００９】
本発明においては、履物の両足部が擦れる部分に貼着することにより摩擦を低減したり、傷みやすい部分に貼着して保護したり、アクセントを付けたい部分に貼着して意匠性を付与したりすることができる。そして、不要の場合には履物から取り外すことができる。
【００１０】
第２発明に係る履物用シールは、第１発明において、表面が低摩擦性を有し、履物の両足が擦れる部分に貼着されるように構成してあることを特徴とする。
【００１１】
本発明においては、履物の両足が擦れる部分の摩擦が低減され、けが等の事故が防止される。
【００１２】
第３発明に係る履物用シールは、第１又は第２発明において、周縁部に切り込みを形成してあることを特徴とする。
【００１３】
本発明においては、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００１４】
第４発明に係る履物用シールは、第１又は第２発明において、履物の面に沿うように曲面状をなすことを特徴とする。
【００１５】
本発明においては、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００１６】
第５発明に係る履物用シールは、第１乃至第４発明において、光透過性を有し、表面に印写部を形成してあることを特徴とする。
【００１７】
ここで、印写とは、インクジェット印刷等の印刷、ペイント等により文字、記号、図形、模様等を記録することをいう。
本発明においては、服に合わせて、該服と同色の模様等を有する履物用シールを履物に貼着することで、履物を服に調和させたり、履物が有する雰囲気を変えたり、アクセントを付けて独自のファッションを楽しんだりすることができ、同一の履物を履き回すことができる。そして、履物用シールは透明性を有するので、履物に貼着した場合、シールの外縁部が目立たず、履物の外観品位が良好である。
【００１８】
第６発明に係る履物は、第１乃至第５発明のいずれかの履物用シールを貼着してなることを特徴とする。
【００１９】
本発明においては、上述の履物用シールを履物の両足の側面の擦れる部分に貼着した場合、転倒等の事故が防止される。また、意匠性が付与される。
【００２０】
第７発明に係る履物は、エナメル塗料を用いて塗膜を形成してあることを特徴とする。
【００２１】
本発明においては、エナメル塗料により形成され、両足が擦れた場合に摩擦が生じやすい塗膜上に貼着されるので、事故等が確実に防止される。
【発明の効果】
【００２２】
本発明によれば、履物の両足部の側面の擦れる部分に貼着することにより、転倒等の事故が防止される。
また、本発明によれば、貼着することにより、意匠性が付与される。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の実施の形態１に係る靴を示す斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係るシールを示す平面図である。
【図３】本発明の実施の形態１に係るシールに剥離材を貼り合わせてなるシートを示す断面図である。
【図４】本発明の実施の形態１に係るシールを示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態２に係る靴の右足部を示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態２に係るシートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１に係る靴１を示す斜視図である。
靴１は、革表面にエナメル塗料を塗布してなるエナメル靴である。
靴１の右足部１１の、左足部１２と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、本発明の実施の形態１に係るシール（履物用シール）４、及び２がそれぞれ貼着されている。
靴１の左足部１２の、右足部１１と擦れ合う部分である爪先の内側側面、及び踵の内側側面には、シール５、及び３がそれぞれ貼着されている。
【００２５】
図２（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、それぞれシール２，３，４，５を示す平面図である。
シール２とシール３、シール４とシール５とはそれぞれ線対称な形状を有している。シール２，３，４，５は、右足部１１、左足部１２の側面に沿って貼着できるように、略台形状をなしている。
そして、シール２，３，４，５の外縁部には、それぞれ切り込み２ａ，２ａ，…、３ａ，３ａ，…、４ａ，４ａ，…、５ａ，５ａ，…が設けられており、シール２，３，４，５を靴１に貼着する場合及び靴１の着用時に、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持されるように構成されている。
【００２６】
図３は、シール２に剥離材を貼り合わせてなるシート２５を示す断面図である。
シート２５は、剥離材２１と、基材２２とを粘着剤２３により貼り合わせてなる。基材２２と粘着剤２３とからシール２が構成される。剥離材２１は、表面に、貼着剤２３により基材２２を貼着させることができるものであれば特に限定されず、例えば紙、繊維、合成樹脂、金属、これらの複合体等から構成される。これらの中では、シリコン加工等の表面処理を施した剥離紙がより好ましい。
【００２７】
基材２２は、表面が低摩擦性を有するものであれば特に限定されず、例えば紙、合成樹脂、これらの複合体等から構成される。合成樹脂の具体例としては、透明性を有するポリエステルフィルム等が挙げられる。
【００２８】
粘着剤２３としては例えばアクリル樹脂系粘着剤が挙げられ、縦横に溝２３ａ，２３ａが形成された状態で基材２２の裏面に塗布されている。シール２は、粘着剤２３により靴１に貼着したり剥離したりすることが自在であるように構成されている。
シート２５の例として、エーワン株式会社の「インクジェットプリンタラベル（品番２９２８９）」、ハート株式会社の「インクジェットぴったんこシート」が挙げられる。「インクジェットぴったんこシート」の場合、基材２２はインクジェット用受像層とポリエステルフィルムとからなり、基材２２の裏面には吸着層が形成されている。
【００２９】
シート２５は、基材２２に切り込み２ａ，２ａ，…が設けられた状態で、最初から上述の台形形状に切り抜かれていてもよく、ユーザが矩形のシートから切り抜くことにしてもよい。
他のシール３，４，５も同様の構成を有し、シートが最初から台形形状を有していてもよく、ユーザが矩形のシートから切り抜くことにしてもよい。
ユーザはシートからシールを剥離し、靴１に貼着して靴１を着用する。
【００３０】
本実施の形態においては、靴１にエナメル塗料により塗膜が形成されており、右足部１１と左足部１２とが擦れ合って摩擦が生じる部分に、表面が低摩擦性を有するシール２，３，４，５が貼着されているので、右足部１１と左足部１２とが擦れた場合に摩擦が生じて歩行が妨げられ、転倒等の事故が生じるのが防止されている。
そして、シール２，３，４，５は剥離自在であるので、長時間歩行しない場合等においては、ユーザにより剥がされ得る。
また、シール２，３，４，５は透明性を有するので、靴１に貼着した場合、シール２，３，４，５の外縁部が目立たず、靴１の外観品位は良好である。
【００３１】
なお、本実施の形態においては、シール２，３，４，５の外縁部に、それぞれ切り込み２ａ，２ａ，…、３ａ，３ａ，…、４ａ，４ａ，…、５ａ，５ａ，…が設けられている場合につき説明しているがこれに限定されるものではない。
靴１の側面に沿って貼着できるように、シール２，３，４，５に曲げ加工を施すことにしてもよい。図４（ａ）はシール２を示す斜視図、（ｂ）はシール５を示す斜視図である。シール３及び４も同様に曲げ加工が施され得る。曲げ加工が施されたシール２，３，４，５は、靴１に貼着する場合及び靴１の着用時に、浮き及び剥がれが生じるのが防止され、良好な外観品位が保持される。
【００３２】
また、シール２，３，４，５の外縁部に粘着剤が塗布されていないつまみ部を突設することにしてもよい。つまみ部を引っ張ることにより、容易にシール２，３，４，５を剥がすことができる。
【００３３】
そして、シール２，３，４，５の形状、大きさ、及び靴１に貼着する部分、並びにシールの個数は本実施の形態において説明した場合に限定されるものではない。また、シール２，３，４，５は透明性を有する場合には限定されず、着色されていてもよく、表面の一部に印写により印写部が形成されていてもよい。
さらに、シール２，３，４，５は所定の形状に切り抜かれ、ユーザが靴１に貼着して着用する場合には限定されず、シール２，３，４，５が靴１に貼着された状態で販売されるものであってもよい。
【００３４】
実施の形態２．
図５は、本発明の実施の形態２に係る靴８を示す斜視図である。
靴８の右足部の爪先側の内側側面には、実施の形態１に係るシール４が貼着されている。
【００３５】
そして、爪先の平面には、菱形状をなすシール６が貼着されている。シール６の表面には、水玉状をなし、黄，オレンジの２種類の色を有する印写部６１，６１，…が印写により記録されている。シール６は、シール４と同様に、基材の裏面に粘着剤を塗布してなる。基材は、表面に印写することができるものであれば特に限定されず、例えば紙、合成樹脂、これらの複合体等から構成される。合成樹脂の具体例としては、透明性を有するポリエステルフィルム等が挙げられる。
シール６は、剥離材が貼り合わされたシートから菱形状に切り抜かれて用いられる。シートの一例としては、サンワサプライ株式会社の「耐水透明フィルム（品番：ＬＢ−ＥＪＦ０７）」が挙げられる。
【００３６】
靴８に貼着するシールは、下記のシート７から選択することもできる。
図６は、シート７を示す平面図である。
シート７は、種々の形状及び色を有する模様が印写により表面に形成されたシール７１，７２，７３，７４，７５，７６，７７，７８を台紙７０に貼着してなる。ユーザはシート７から適宜のシールを選択し、適宜の大きさ、形状に切り抜いて、靴の適宜の部分に貼着することができる。
【００３７】
本実施の形態においては、靴８に、服に合わせて服と同色の模様等を有するシールを貼着することで、靴８を服に調和させたり、靴８が有する雰囲気を変えたり、アクセントを付けて独自のファッションを楽しんだりすることができ、靴８を履き回すことができる。 また、シールは靴８の傷みやすい部分に貼着することにしてもよい。
【００３８】
なお、本実施の形態においては、印写部６１が付されたシール６を用いる場合、及びシート７から適宜の模様を有するシールを選択し、適宜の大きさ、形状に切り抜いて用いる場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ユーザが、印写されていないシート表面に所望の模様等をインクジェット印刷等により印刷した後、適宜の大きさ、形状に切り抜き、シールとして用いることにしてもよい。この場合、印刷する模様等のデータは、靴８又はシートに付加されたＣＤ−ＲＯＭから読み出すことにしてもよく、インターネットを介して取得することにしてもよい。
【００３９】
そして、前記実施の形態１及び２においては、本発明の履物として靴１及び８を適用した場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、サンダル等の他の履物にも適用することができる。
また、シール上に他のシールを貼着することにしてもよい。
【符号の説明】
【００４０】
１、８ 靴
１１ 右足部
１２ 左足部
２、３、４、５、６、７１、７２、７３、７４、７５、７６、７７、７８ シール
２ａ、３ａ、４ａ、５ａ 切り込み
２１ 剥離材
２２ 基材
２３ 粘着剤
２３ａ 溝
７、２５ シート
６１ 印写部
７０ 台紙
【特許請求の範囲】
【請求項１】
履物に貼着される履物用シールであって、
剥離自在に構成してあることを特徴とする履物用シール。
【請求項２】
表面が低摩擦性を有し、履物の両足が擦れる部分に貼着されるように構成してあることを特徴とする請求項１に記載の履物用シール。
【請求項３】
周縁部に切り込みを形成してあることを特徴とする請求項１又は２に記載の履物用シール。
【請求項４】
履物の面に沿うように曲面状をなすことを特徴とする請求項１又は２に記載の履物用シール。
【請求項５】
光透過性を有し、表面に印写部を形成してあることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の履物用シール。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれかに記載の履物用シールを貼着してなることを特徴とする履物。
【請求項７】
エナメル塗料を用いて塗膜を形成してあることを特徴とする請求項６に記載の履物。
【請求項１】
履物に貼着される履物用シールであって、
剥離自在に構成してあることを特徴とする履物用シール。
【請求項２】
表面が低摩擦性を有し、履物の両足が擦れる部分に貼着されるように構成してあることを特徴とする請求項１に記載の履物用シール。
【請求項３】
周縁部に切り込みを形成してあることを特徴とする請求項１又は２に記載の履物用シール。
【請求項４】
履物の面に沿うように曲面状をなすことを特徴とする請求項１又は２に記載の履物用シール。
【請求項５】
光透過性を有し、表面に印写部を形成してあることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の履物用シール。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれかに記載の履物用シールを貼着してなることを特徴とする履物。
【請求項７】
エナメル塗料を用いて塗膜を形成してあることを特徴とする請求項６に記載の履物。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−３６５６１（Ｐ２０１１−３６５６１Ａ）
【公開日】平成２３年２月２４日（２０１１．２．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１８８６５３（Ｐ２００９−１８８６５３）
【出願日】平成２１年８月１７日（２００９．８．１７）
【出願人】（５０９２３１２１５）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年２月２４日（２０１１．２．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年８月１７日（２００９．８．１７）
【出願人】（５０９２３１２１５）
【Ｆターム（参考）】
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