説明

履物用中敷

【課題】この発明は、履物内に敷設して使用者の好みに応じた適度な刺激を足裏に与えて足裏マッサージ効果を得ることができる履物用中敷100を提供することを目的とする。
【解決手段】履物の中に敷設されるシート部101と、該シート部の底部に設けられた複数の突起部102と調整用突起103や調整用突起403を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば履物の中敷に用いるような履物用中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
履物用中敷(インソール)として、長時間着用すると履物内が蒸れて臭いが出易い革靴などの防臭や通気性向上を目的としたものや、膝などへの負担軽減を目的としてクッション性を追求したものなど様々な機能を有する製品が提供されている。
【0003】
このうち、足裏のマッサージ効果を謳う履物用中敷も提案されている。従来より、体の各器官とつながる神経が集中している足裏を何らかの手段で刺激して健康促進を図る健康法が知られている。例えば、青竹踏みや足ツボマッサージなどが知られているが、足裏のマッサージ効果を謳う履物用中敷は、履物用中敷の足裏側に設けた様々な形状の凸部で足裏を刺激することで同様の効果を狙ったものである(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、足裏のマッサージ効果を謳う履物用中敷は、足裏側に設けた凸部が直接足裏に刺激を与えていることから、使用者によっては足裏への刺激が強すぎたり、不快と感じるなどの問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−007207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題点に鑑み、履物内に敷設して使用者の好みに応じた適度な刺激を足裏に与えて足裏マッサージ効果を得ることができる履物用中敷を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、履物の中に敷設されるシート部と、該シート部の底部に設けられた複数の凸部を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明により、凸部による刺激は、シート部を介することで緩和して足裏に伝えられる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記シート部は、柔軟性のある樹脂部材で形成される。
【0010】
これにより、シート部は、シート部の厚み方向にかかる荷重に対して柔軟に変形することができる。また、後述する足裏に刺激を与える凸部とシート部の柔軟性により、シート部の足裏側平面には緩やかな凹凸が形成され、足裏には緩和された凸部の刺激が与えられる。
【0011】
この発明の態様として、前記凸部は、弾性力のある樹脂部材で形成される。
【0012】
これにより、凸部は、シート部の厚み方向にかかる荷重に対して弾性的に変形することができる。また、凸部と素材の弾性力により、使用者は、足裏への刺激を得ることができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記凸部は、金属または磁石で形成される。
【0014】
これにより、凸部は、足裏に対して樹脂部材よりも強い刺激を与えることができる。また、凸部に磁石を使用した場合、使用者は、凸部による足裏への刺激だけでなく磁石による磁気効果も得ることができる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記凸部は、前記シート部と別部品で構成し、前記シート部に前記凸部の着脱を行う着脱部を備えることができる。
【0016】
これにより、使用者は、異なる厚みの凸部を自由に組合せて好みに応じた刺激を得ることができる。また、使用者は、刺激を得たい任意の位置にだけ凸部を設けることもできる。
【発明の効果】
【0017】
この発明により、履物内に敷設して使用者の好みに応じた適度な刺激を足裏に与えて足裏マッサージ効果を得ることができる履物用中敷を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】履物用中敷の外観を示す履物底部側からの斜視図である。
【図2】図1のA−A部分を示す部分断面図である。
【図3】図2の押圧時の状態を示す部分断面図である。
【図4】足裏反射区が描画された履物用中敷の外観を示す履物底部側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、履物用中敷の外観を示す履物底部側からの斜視図であり、図2は、図1のA−A部分を示す部分断面図であり、図3は、図2の押圧時の状態を示す部分断面図であり、図4は、足裏反射区が描画された履物用中敷の外観を示す履物底部側からの斜視図である。
【0021】
図1に示すように、履物用中敷100は、履物の中に敷設される一様な厚みを持つシート部101と、シート部101の履物底部側平面に設けられた突起部102と、突起部102に嵌入して突起の高さを調整する調整用突起103と、シート部101の足裏側平面に接着固定された不織布104とで構成される。
【0022】
シート部101は、履物の中にはみ出さずに敷設できる大きさで、足裏の輪郭形状に形成されている。
【0023】
突起部102は、シート部101と一体形成された一様な高さの円柱状突起で、シート部101の履物底部側平面に等間隔で複数設けられている。また、突起部102の中央には、調整用突起103との着脱部として厚み方向に凹部102aを設けている。
【0024】
調整用突起103は、突起部102と同径の円柱である。また、突起部102と接する面には、突起部102の凹部102aと嵌合する凸部103aを厚み方向に設けている。
【0025】
図2に示すように、突起部102の凹部102aに調整用突起103の凸部103aが嵌合している。凹部102aの側面102bおよび凸部103aの側面103bは、緩やかなテーパー状となっている。
【0026】
突起部102の凹部102aと調整用突起103の凸部103aが嵌合すると、両側面の摩擦抵抗により調整用突起103は、突起部102の凹部102aから容易に抜け落ちないようになる。これにより、履物に敷設する際や歩行中に調整用突起103が、突起部102から脱落するのを防止することができる。
【0027】
図3に示すように、履物用中敷100を履物の中に敷設して足Fの裏側によって矢印Yに示す履物底部T側へ押圧されると、履物用中敷100は、履物底部Tと足Fの裏側に沿うように変形する。
【0028】
このとき、シート部101と履物底部Tとの間には、突起部102や調整用突起103による凸凹が構成される。また、突起部102や調整用突起103は、押圧に対して素材の弾性力により厚み方向に弾性的に変形する。シート部101と履物底部Tの間に構成された凸凹と素材の弾性力により、使用者は、足Fの裏側に刺激を得ることができる。
【0029】
しかし、足Fの裏側への刺激は、直接足Fの裏側に伝わるのではなくシート部101の厚みを介して緩和して伝わることとなる。また、押圧に対してシート部101は、突起部102と調整用突起103の高低差に追従して柔軟に変形している。これにより、シート部101の足Fの裏側と接する面には、緩やかな凹凸を持つ曲面が形成される。
【0030】
このように、突起部102や調整用突起103からなる凸凹は、シート部101により緩やかな凹凸となり、その刺激は、緩和されて足Fの裏側に伝わることとなる。また、突起の高さ調整することができる調整用突起103を備えたことにより、使用者は、好みに応じた適度な刺激を足Fの裏側に得ることができる。
【0031】
実施例では、使用者が直接樹脂部材に触れることなく素足でも履き心地を得られるよう、シート部101の足Fの裏側と接する平面に不織布を接着固定しているが、不織布以外に畳素材などを用いてもよい。
【0032】
調整用突起103は、刺激を調整するために数種類の厚みを使い分けて突起の高さを調整することができる。あるいは履物底部T側の面に凹部を設けて調整用突起103を複数段に重ねて調整することができるようにしてもよい。また、調整用突起103は、全ての突起部102に嵌入してもよいし、より強い刺激を得たい一部の突起部102のみ嵌入してもよい。これにより、使用者は、刺激の強さ、位置を好みに応じて自由に設定して使用することができる。
【0033】
また、シート部101は、柔軟性のある樹脂部材で形成されているが、より柔軟性を得たい場合や通気性を向上させたい場合は、シート部101の平面に貫通穴を設けてもよい。
【0034】
なお、履物用中敷100は、突起部102のある面を履物底部T側にして使用することが前提ではあるが、使用者がより強い刺激を得たい場合は、左右を入れ替えて突起部102のある面を足Fと接する面として使用することもできる。
【0035】
また、図4に示すように、履物用中敷400は、調整用突起403と、一様な厚さで履物底部側平面に調整用突起403を嵌入する複数の凹部402を設けたシート部401とで構成してもよい。さらに、シート部401の履物底部側平面には、足ツボ位置を示す足裏反射区404が描画されており、使用者が足裏反射区404と自身の体調とを照し合せて調整用突起403を任意の位置に嵌入することができる履物用中敷400としても使用することができる。
【0036】
また、調整用突起403を樹脂部材ではなく金属で構成しより強い刺激が得られるようにしたり、あるいは磁石で構成し磁気効果が得られるようにしてもよい。
【0037】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の凸部は、実施形態の突起部102、調整用突起103、403に対応し、
以下同様に、
着脱部は、凹部102a、402に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、履物の中に敷設してマッサージ効果を得るような履物用中敷に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
100,400・・・履物用中敷
101,401・・・シート部
102・・・突起部
102a,402・・・凹部
103,403・・・調整用突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の中に敷設されるシート部と、
該シート部の底部に設けられた複数の凸部を備えた
履物用中敷。
【請求項2】
前記シート部は、
柔軟性のある樹脂部材で形成された、
請求項1に記載の履物用中敷。
【請求項3】
前記凸部は、
弾性力のある樹脂部材で形成された、
請求項1または2に記載の履物用中敷。
【請求項4】
前記凸部は、
金属または磁石で形成された
請求項1または2に記載の履物用中敷。
【請求項5】
前記凸部は、
前記シート部と別部品で構成し、
前記シート部に前記凸部の着脱を行う着脱部を備えた
請求項1から4のいずれかに1つに記載の履物用中敷。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239918(P2011−239918A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114092(P2010−114092)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(393022687)
【Fターム(参考)】