履物製品のインサート
【課題】寿命が長く、製造が比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールの提供。
【解決手段】複数の足前部支持チューブを備えるインサートを有する、履物製品のソールが、当該ソールの足前部領域のソールの支持特性を制御するように構成される。一実施の形態では、足前部支持チューブはそれぞれ、ベースと、当該ベースから延びる壁とを有する。壁はベースよりも低いデュロメータ値を有する材料から形成される。別の実施の形態では、足前部支持チューブは、上記インサートの外側に延びるにつれて当該足前部支持チューブの少なくとも2つが広がるように放射状パターンで配置される。
【解決手段】複数の足前部支持チューブを備えるインサートを有する、履物製品のソールが、当該ソールの足前部領域のソールの支持特性を制御するように構成される。一実施の形態では、足前部支持チューブはそれぞれ、ベースと、当該ベースから延びる壁とを有する。壁はベースよりも低いデュロメータ値を有する材料から形成される。別の実施の形態では、足前部支持チューブは、上記インサートの外側に延びるにつれて当該足前部支持チューブの少なくとも2つが広がるように放射状パターンで配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、より詳細には、履物製品のソール構造に関する。
【0002】
本願は、2005年6月2日に出願された米国特許出願第11/143,063号の一部係属出願である。
【背景技術】
【0003】
より快適性のある履物を提供するための努力が続けられている。ランニングシューズ、及び他の履物は、過去20年間にわたって技術の著しい進歩を遂げている。技術的な進歩の多くはミッドソールに見られる。ほとんどの履物では、ミッドソールはソールの「懸架システム」として機能し、これにより、多くの場合、着用者の足に対し保護緩衝及び安定したプラットフォームの双方が与えられる。ミッドソールの特性の変化により、靴の性能に劇的な影響を与えることができる。高性能を提供するためには、領域ごとのソールの支持特性を変えることが望ましい場合が多い。例えば、踵では材料密度を高くし、足前部では材料密度を低くすることが望ましいであろう。踵の材料密度が高いことにより、踵が着地したときの支持力が増し、足前部にかかるより小さい負荷に対しては、材料密度が低いことにより、適した緩衝及び支持がもたらされる。足に可変の支持力を与える広範なソールが開発されてきている。用途によっては、可変の支持力は、足前部には、より柔軟なEVA発泡体、踵にはより剛性なEVA発泡体といったように種々の材料からミッドソールの各種領域を形成することによって与えられる。他の用途では、ソールには、所望の全体の支持プロファイルをソールに与えるように構成され得る支持プレートが設けられる。従来の一様なソール構造に比して顕著な改善が見られているが、製造が廉価であるとともに広範に調整可能な調節性の高いソール構成が依然として必要とされている。
【0004】
同時に、履物ソールの寿命を延ばす努力も続けられている。従来の履物では、ミッドソール(及び他のソール部品)は、比較的短期間でその性能が失われ始めるであろう。ソール材料の劣化により、踵等、特に、強い衝撃が繰り返される領域では、経時につれてソールの弾性が失われる可能性がある。劣化の割合はソールごとに様々であろうが、主として、ソール材料の特定の特性及びソールにかかる負荷のタイプに応じて決まる。例えば、EVA等の従来の独立気泡体及び連続気泡体は、比較的短い使用期間で材料が自然に破損するため、寿命が比較的短い。従来の発泡材料はまた、温度変化を受け易く、発泡体の弾性が著しく変わる可能性がある。例えば、ソールは、低温で著しく剛性になるとともに高温で著しく柔軟になるであろう。結果として、温度は、従来の発泡材料から製造されるソールの支持特性に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、寿命が長く、製造が比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題は、所望の支持プロファイルを与えるように調節される複数の支持チューブを備えるインサートを有するソールを提供する本発明により克服される。各支持チューブは、所望の支持特性を与えるように選択された向きを有する内部ウェブを含み得る。支持チューブごとにウェブの向きを変えることにより、ソールの支持プロファイル全体を制御することができる。
【0007】
一実施の形態では、支持層は、アウトソールとミッドソールとの間に配置される。所望であれば、ソールは、アウトソールとインサートとの間の踵領域内に配置されるヒールウェッジをさらに有していてもよい。ヒールウェッジは、ミッドソール材料よりも剛性である材料から製造され得る。結果として、ヒールウェッジは、ソールの踵領域内にさらなる支持を与え得る。
【0008】
別の実施の形態では、インサートは、ソールの内側(すなわちインナー)に複数の支持チューブを有するとともにソールの外側(すなわちアウター)に複数の支持チューブを有し得る。内部ウェブは、ソールの内側の垂直方向の支持を高めるように、ソールの内側に沿ってより垂直な向きとなっていくように位置することができる。所望であれば、ウェブの向きをチューブごとに変えてもよい。例えば、ウェブは、踵の後側へかけて徐々に垂直方向の支持を与えるように、前方から後方へ徐々に垂直方向に向けられてもよい。内側の支持チューブは、ストラットによって外側の支持チューブに接続され得る。ストラットは、踵を固有に中心付けることができるように窪んでいてもよい。
【0009】
さらに別の実施の形態では、支持チューブは、インサートの踵領域の少なくとも一部分に位置し、インサートは、ソールのアーチ(土踏まず部)領域内に延在するアーチ部を有する。インサートのアーチ部は、ゲイターストラップ(gaiter strap)を嵌入する構造を与えるように互いに離間した2つの層を有し得る。下方の層は、ゲイターストラップを着地に関連した損傷から保護するのに役立つ。所望であれば、インサートはさらに、ソールの足前部領域の少なくとも一部に延びる足前部延出部を有することができる。足前部延出部は、足前部領域の内側のみに沿って延出し、そのため、内側に沿ってより剛性なソールを提供することができる。足前部延出部は、所望に応じて、足前部の異なる領域に延出してもよく、又は足前部領域全体を覆ってもよい。
【0010】
本発明の別の実施の形態では、インサートは複数の前部支持チューブを有する。一実施の形態では、前部支持チューブは足前部領域に位置し、足前部領域のソールの内側から外側にわたって延びている。前部支持チューブは、ソールの外縁に近づくにつれて広がるように放射状パターンで配置されてもよい。別の実施の形態では、前部支持チューブは、ベースを形成する第1の材料と、ベースから上方に延びるとともに第1の材料よりも低いデュロメータ値を有する第2の材料とから形成される。
【0011】
本発明は、所望の支持プロファイルを与えるように容易に調節することができる特有の履物ソールを提供する。インサートは、TPU、又は、従来の発泡材料ほど急速には劣化せず、したがってミッドソールの緩衝寿命を延ばす他の比較的耐久性のある材料から製造されることができる。支持プロファイルは、ソールの内側及び外側間で様々であり得る。例えば、ソールの内側の支持チューブは、靴の後側にいくほど徐々に垂直方向の剛性が高まっていくように調節することができ、それにより、オーバープロネーションの問題に対処する。インサートは製造が比較的廉価であり、その支持特性は、特に、支持チューブ及びウェブの性質及び向きを制御することによって容易に調整することができる。インサートは、ヒールウェッジと組み合わされることで、その支持プロファイルの制御をさらに高めることができる。インサートのアーチ部は、ソールのアーチ領域の支持プロファイルの制御を行うように調節することができる。ゲイタースロットがアーチ部に組み込まれることで、ゲイターストラップを尚早な摩耗から保護することができる。ソールの足前部領域の支持プロファイルは、足前部延出部の使用により制御することができる。ストラットは、設けられる場合は踵の着地の際に足を中心付けるようにするのに役立つ。前部支持チューブは足前部領域での制御された緩衝を可能にし、効率的なトーオフを得るために適当な位置合わせで配置されることができる。
【0012】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、好適な実施の形態の詳細な説明及び図面を参照することにより容易に理解され評価されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に従って製造される履物ソールが図1に全体として10で示されている。履物ソール10は概して、アウトソール12と、ヒールウェッジ14と、インサート16と、ミッドソール18とを有する。ソール10は、図2に示す靴200等の履物製品に組み込むことができる。靴200は、ソール10に固着されるアッパー202を有している。靴200はまた、ソール10の頂部のアッパー202に取り外し可能に嵌め込まれるフットベッド(図示せず)も有している。インサート16は、ソール10の支持プロファイルを制御するように構成される内部ウェブ48a〜48jを有する支持チューブ46a〜46jを有している。本発明は、従来の標準の高さのランニングシューズ又はトレイルランニングシューズ200に関して説明するが、このタイプの靴での使用に限定されない。本発明は、ほぼいかなるタイプのソールでの使用にも十分に適し、また、ほぼいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。履物ソール10は、固着、スティッチ縫合、ウェルト付け、及び直接取付の構成が挙げられるがこれらに限定されない本質的に任意の取付構成を用いて、アッパー(図示せず)に固着されることが意図される。履物ソール10は、所望に応じて、シャンク又は他の従来のソール部品も有することができる。
【0014】
本発明の開示を容易にするために、踵領域、アーチ領域、及び足前部領域等の足の様々な一般的な領域の参照を行う。これらの語は、各種ソール部品の位置に言及するのに用いる際、足の対応部分よりも概ね下(必ずしも真下ではない)に位置するソールの領域を含むものと解釈されるべきである。概ねの参照のみのために、踵領域は、仮想線A1(図2を参照)の後ろ(ソール10の踵の後部側)の領域として概ね画定され、アーチ領域は、仮想線A1及びA2間の領域として概ね画定され、足前部領域は、仮想線A2の前(ソール10のつま先側)の領域として概ね画定される。しかしながら、踵領域と、アーチ領域と、足前部領域との境界は厳密ではなく、これらの語は曖昧に解釈されるべきであり、大いに融通性があるものと理解されたい。
【0015】
この実施の形態では、アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10に主要な着用面を画定する。アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10の底面に固着され、耐久性がある滑り止め着用面(図2を参照)を提供する。アウトソール12のデザイン構造及び構成は、用途ごとに様々であり得る。しかしながら、図示の実施の形態では、アウトソール12は、主体部20及び踵部22を有する2部構成アウトソールである(図1及び図12を参照)。この実施の形態の主体部20は、ヒールウェッジ14、インサート16、及びミッドソール18の部分にわたって延びている。主体部20は、固着されるか、又は、一般的な従来の技法及び装置を用いて各種ソール部品14、16、及び18の底面に固着される。踵部22は、踵の後ろに位置し、一般的な従来の技法及び装置を用いてヒールウェッジ14の裏面に固着される。主体部20及び踵部22の分離により、アウトソール12は踵に或る程度の関節的な接合が与えられる。各部20及び22の下面は、複数のラグ又は他のトラクション要素を有し、これらは、参照符号24で図面に概略的に示されている。トラクション要素24のデザイン及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アウトソール12は、天然ゴム及び合成ゴム、レザー、PVC、EVA、及びポリウレタン等の広範の従来のソール材料から製造され得る。
【0016】
上述のように、ソール10は、アウトソール12の踵領域の上に配置されるヒールウェッジ14を有している(図1及び図2を参照)。ヒールウェッジ14は、より詳細に以下に説明するように、インサート16に弾性の圧縮性プラットフォームを提供する。ここで図9を参照すると、ヒールウェッジ14は、インサート16の底面30の形状と相補を成すような外郭をした上面26と、アウトソール12の上面34の形状と相補を成すような外郭をした下面32とを有するほぼ楔形の形状である。より具体的には、図示の実施の形態の上面26は、支持チューブ46a〜46jを有する形状に対応する複数のチューブ凹部38a〜38jを有する。チューブ凹部38a〜38jは、組み立てられたソール10において支持チューブ46a〜46jをぴったりと嵌入される。ヒールウェッジ14は、EVA及びポリウレタン等の広範のソール材料から製造することができる。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14には、アウトソール12の踵領域の対応する材料のない箇所と位置合わされる中央開口80が画成されている。特に、開口80は、ミッドソール18及びインサート16の一部が見えるようにする。おそらく図11に最もよく示すように、ヒールウェッジ14は裏面88に、小さなリッジ86(特に、アウトソール12の部分を配置するガイドとなる)の構成を有し得る。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14は、ソール10の踵領域のみに延在し、ほぼ楔形の形状である。ヒールウェッジ14は、ソールの異なる領域に延在していてもよく、例えば、アーチ領域内に延在するか、又はソール全体と同一の広がりを有していてもよい。ヒールウェッジ14は、必ずしも楔形状である必要はなく、所望に応じて異なる厚さの構成をとってもよい。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14は、アスカーC型(Asker C Scale)で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ヒールウェッジ14の材料のタイプ及び密度は、用途ごとに異なっていてもよい。所望であれば、ヒールウェッジ14の密度は、ヒールウェッジ14内の領域ごとに異なっていてもよい。
【0017】
インサート16は、アウトソール12及びヒールウェッジ14の上に配置され、ソール10に調節性の高い支持プロファイルを与える(図1及び図2を参照)。ここで、図6、図8A及び図8Bを参照すると、インサート16は、踵部40、アーチ部42、及び足前部延出部44を含んでいる。踵部40は、その名が示唆するように、ソール10の踵領域の少なくとも一部に延在し、複数の支持チューブ46a〜46jを含む。図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは、概ね側方の向きに延びている。インサート16は、踵領域の外側の周縁部に延びる第1の複数の支持チューブ46a〜46e(外側支持チューブ)、及び踵領域の内側の周縁部に延びる第2の複数の支持チューブ46f〜46j(内側支持チューブ)を含み得る。内側支持チューブ46f〜46j及び外側支持チューブ46a〜46eは、これら支持チューブ46a〜46jがソール10の中央領域内には延在しないように離間し得る。支持チューブ46a〜46jが中央領域にないことにより、ソール10の着用者の足を中心付けるのに役立つ比較的柔軟な中央部がもたらされ得る。別個の内側支持チューブ及び外側支持チューブの使用は厳密には必要とされず、用途によっては、支持チューブは、片側だけに位置していてもよく、又はソール10の両端にわたって延びていてもよい。図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは横断面がほぼ環状である。支持チューブ46a〜46jは代替的に、楕円、正方形、矩形、及び三角形等の他の横断面形状(規則的及び不規則的の双方を含む)を有していてもよい。各支持チューブ46a〜46jの特性は、種々の負荷に対する特定の対応を制御するように様々であり得る。例えば、支持チューブ46a〜46jの数、形状、直径、長さ、及び肉厚は、ソール10の支持特性を調節するように様々であり得る。各支持チューブ46a〜46jはまた、チューブ46a〜46jの支持特性に影響を及ぼす内部ウェブ48a〜jを有することができる。図示の実施の形態(支持チューブ46a〜46jは横断面がほぼ環状である)では、ウェブ48a〜48jは弦状(chords)であり、より詳細には、支持チューブ46a〜46jの直径に沿って延びている。しかしながら、各ウェブ48a〜48jの特性は、支持特性への影響を制御するように様々であり得る。例えば、ウェブ48a〜48jの数、向き、位置、長さ、及び厚みは様々とすることができる。図示の実施の形態では、外側支持チューブ46a〜46eはそれぞれ、ほぼインサート16の長さに従って概ね水平方向に延びるウェブ48a〜48eを有する。したがって、ウェブ48a〜48eは、外側支持チューブ46a〜46eの垂直方向の剛性にはほとんど影響を与えない。図示の実施の形態では、内側支持チューブ46f〜46jのウェブ48f〜48jの向きは前方から後方にかけて様々である。より具体的には、内側ウェブ48f〜48jは、図2及び図8Aに見ることができるように、踵領域の後方にいくほどより垂直な向きに位置する。結果として、内側支持チューブ46f〜46jは、踵領域の後方にいくほど垂直方向の圧縮に対する耐性がより高まる。図示の実施の形態では、ウェブ48a〜48jは支持チューブ46a〜46jと一体形成される。しかしながら、この一体形成は、厳密に必要ではなく、代替的に、ウェブ48a〜48jは、例えば支持チューブ46a〜46jに嵌め込まれるインサートとして別個に製造されてもよい。
【0018】
インサート16はまた、ソール10の片側の支持チューブ46a〜46eを対向側の支持チューブ46f〜46jとつなぐ複数のストラット38a〜dを有し得る。ストラット38a〜38dの特性は、ソール10の支持特性を制御するように様々であり得る。例えば、ストラット38a〜38dの数、幅、厚さ、及び形状の変化は、インサート16の支持特性に影響を及ぼす。図示のように、この実施の形態のストラット38a〜38cは、ミッドソール18の裏面の凸状構造に対応するようにほぼ凹状である。この実施の形態では、ストラット38a〜38cは主として凹部64及びプラグ62に対応するように凹状である。
【0019】
図示の実施の形態のアーチ部42は、踵部40と一体形となっているとともに踵部40から延びている。代替的に、アーチ部42は別個の部材であってもよい。アーチ部42は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング50a、50bを含む。ウイング50a、50bは、ミッドソール18に固着されるか又は他の方法で固着され得る。使用の際、ウイング50a、50bは、ミッドソール18のアーチ領域内での支持を高める。アーチ部42はまた、ゲイターのストラップを嵌め入れるスロット52も画定し得る。図示の実施の形態のアーチ部42は、協働してスロット52を画定する一対の離間層54a、54bを有する。層54a、54bのサイズ、形状、及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アーチ部42は、任意選択であり、所望であればなくともよい。
【0020】
図示の実施の形態の足前部延出部44は、アーチ部42と一体であるとともにアーチ部42から延びている。代替的に、足前部延出部44は別個の部品であってもよい。足前部延出部44は、(図示の実施の形態に示すように)ソール10の内側の周縁部のみに沿って延出する。しかしながら、足前部延出部44は、所望であれば、足前部領域の本質的に任意の部分又は足前部領域全体にわたって延出するように設計されてもよい。足前部延出部44には、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット56a〜56cが画成され得る。足前部部延出部44は、任意選択であるとともに、所望に応じて用途によってはなくてもよい。
【0021】
インサート16は、種々の従来の材料から製造され得るが、一般には、ヒールウェッジ14及び/又はミッドソール18よりも剛性である材料から製造される。例えば、インサート16は、TPU、TPR、又はPVCから射出成形され得る。インサート16は、ナイロン、ゴム、合成ゴム、又はシリコーン等の他の材料から製造され得るが、これらの代替的な材料のいずれかが用いられるのであれば、インサート16は射出成形では製造されない可能性が高い。所望であれば、インサート16は、異なる材料群から製造されてもよい。例えば、アーチ部42は、踵部40よりも剛性の材料から製造することもできる。
【0022】
図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは、ソール10の踵領域内にのみ延びる。代替的な実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは付加的に(又は代替的に)、ソールのアーチ領域及び/又は足前部領域内に延びる。支持チューブ46a〜46jのサイズ、構成、レイアウト、及び他の特性は、領域ごと且つ用途ごとに様々であり得る。
【0023】
ミッドソール18は、インサート16とアッパー202との間に配置され、弾性の圧縮性足プラットフォーム(図1及び図2を参照)を与えるように設計される。ミッドソール18は足を支持するとともに従来の履物へ組み込まれるように設計されているため、概ね足の形状である。しかしながら、ミッドソール18は、所望に応じて、種々の代替的なソールデザインに対応するように他の形状をとってもよい。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、アスカーC型で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ミッドソール18の材料の材料タイプ及び密度は用途ごとに変わり得る。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、単一品の一体構造であるが、代替的に、協働して足を支持するひとまとまりの別個の要素を含んでいてもよい。例えば、代替的な一実施の形態では、ミッドソール18は、比較的柔軟な(軟質の)材料から製造される足前部領域、及びより剛性(硬質)の材料から製造される踵領域を有し得る。ミッドソール18は、着用者の足を支持するように設計される概ね平滑な上面60(図4を参照)を有する。上面60は、所望であれば外郭を有していてもよい。例えば、ミッドソール18の上面60は、例えば上面60に凹状踵領域、隆起状アーチ領域、又は本質的に任意の他の所望の形状を与えることによって、着用者の足の自然な外郭に合致するような外郭とされ得る。図示の実施の形態のミッドソール18は、ミッドソール18の周縁の周りに上向きに延びる外周リップ68を有する。ミッドソール18は、着用者の足の裏側と直に当接してもよい。しかしながら、ほとんどの用途では、さらなる部品(図示せず)がミッドソール18の上のソール10に組み込まれるであろう。例えば、インソール(図示せず)、中敷(図示せず)、フットベッド(図示せず)又は他のソール要素がミッドソール18の上のソール10に組み込まれてもよい。このさらなる部品は、靴200のソール10の上部に取り外し可能に嵌め込まれる。
【0024】
図示の実施の形態では、ミッドソール18は、踵領域の対応する凹部64に嵌め込まれる円盤状のプラグ62を有する(図1を参照)。プラグ62は、独立気泡体等の比較的柔軟なクッション材料から製造される。図示の実施の形態では、プラグ62は、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有する材料から製造される。結果として、プラグ62と凹部64を組み合わせることは、ソール10の踵に足を中心付けるのに役立つ。プラグ62及び凹部64のサイズ、形状、及び構成は、用途ごとに様々であり得る。例えば、プラグ62と凹部64を組み合わせることは、対応する領域の圧縮に対する抵抗を低減する1つ又は複数の穿孔又はカットアウトで代替してもよい。この実施の形態では、凹部64は、ストラットの凸状領域と垂直に位置合わせされるが、このことは厳密に必要ではない。
【0025】
ミッドソール18は、図示の実施の形態に示すように通気が与えられるように構成され得る。この実施の形態では、ミッドソール18は、ミッドソール18の側壁に複数の通気穴70、及びミッドソール18の上面60に一連の通気路72が画成されている(図4を参照)。通気路72は、通気穴70と流通して、空気及び湿分がミッドソール18を通るようにする(図3を参照)。ここでも同様に、このことは任意選択であり、本発明は、所望に応じて通気性のないミッドソールに組み込むこともできる。
【0026】
再び図4を参照すると、ミッドソール18は、ミッドソール18が屈曲しやすくなるように複数の屈曲溝74a〜74cも有し得る。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、ソール10の足前部領域にわたってほぼ横方向に延びる屈曲溝74a〜74cを有する。所望に応じて、屈曲溝74a〜74cはなくてもよく、又は屈曲性を高めるよう意図される他の構造で代替してもよい。例えば、屈曲溝74a〜74cは、パッド(図示せず)で充填されたミッドソール18の頂面にある比較的浅い凹部(図示せず)で代替してもよい。パッドは、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有し得る。パッドは、凹部内に固着され得る。
【0027】
ミッドソール18の裏面66は、アウトソール12、ヒールウェッジ14、及びインサート16の形状と相補を成すような外郭を有し得る(図5を参照)。図示の実施の形態では、ミッドソール18の裏面66は、インサート16の支持チューブ46a〜46jをぴったりと嵌め入れるようになっている複数の支持チューブ凹部78を画成するような外郭を有し得る。所望であれば、インサート16をミッドソール18に嵌め入れるか又は差し込むことができるように、インサート凹部76が裏面66に画成され得る。例えば、ミッドソール18には、インサート16のストラット38a〜38dを嵌め入れるようになっている複数のストラット凹部82が画成され得る。凹部76はまた、アーチ部42(ウイング50a、50bを含む)及び足前部延出部44の長さにわたって延在してもよい。代替的に(又は付加的に)、インサート16の全て又は一部を嵌め入れるために凹部(図示せず)をアウトソール12の頂面に形成してもよい。
【0028】
ミッドソール18及びヒールウェッジ14は、図示の実施の形態では別個の部品である。しかしながら、本発明はミッドソール及びヒールウェッジが一体である用途にも及ぶ。例えば、代替的な一実施の形態では、適切な材料(例えばEVA発泡体)がインサートの周りの金型に射出又は注入されて、単一品のミッドソール/ヒールウェッジの組み合わせ体にインサートを埋め込むことができる。
【0029】
[代替的な実施の形態]
本発明の履物ソールの代替的な一実施の形態が、図13〜図17に全体を100で示されている。この実施の形態では、インサート160は、複数の足前部支持チューブ510a〜510eを有する。記載した第1の実施の形態と同様に、インサート160がアウトソール120及びヒールウェッジ140の上に置かれ、調節性の高い支持プロファイルをソールの足前部領域に与える。ここで、図14〜図17を参照すると、インサート160は、踵部400、アーチ部420、及び足前部部440を含み得る。踵部400は、第1の実施の形態に関して説明した踵部40とほぼ同じであるため、ここで再び詳細には説明しない。踵部400に関して、内部ウェブを有する支持チューブ460a〜460j、及びストラット380a〜380dを有し得ることを述べれば十分である。同様に、アーチ部420は、第1の実施の形態に関して説明したアーチ部42とほぼ同じである。アーチ部420は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング500a、500bを含む。ウイング500a、500bは、中に貫通する複数の穴502を有する。アーチ部420はまた、図示のように、ゲイターのストラップを嵌め入れるスロット520も画定し得る。スロット520は、第1の層540a及び第2の層540bによって形成される。スロット520は、図示のように形状を楕円とすることができるが、様々な形状を有してもよい。アーチ部420及び踵部400は双方とも任意選択であり、所望であればなくともよい。
【0030】
図示の実施の形態では、代替的な実施の形態の足前部部440は、アーチ部420と一体であるとともにアーチ部420から延びている。足前部部440は、踵部400及び/又はアーチ部420がない場合、代替的に別個の部品であるか、又は唯一の部品であってもよい。複数の足前部支持チューブ510a〜510eが、足前部部に、又はアーチ領域の前部の少なくとも一部分に設けられる。図示の実施の形態では、足前部支持チューブのうち中央の3つの510b〜510dがインサート160を横方向にわたって延びおり、足前部支持チューブのうち外縁の2つの510a及び510eは、インサート160の外側からインサート160の一部に延び、閉端530の或る地点まで先細りになっている。機能上、これら2つの支持チューブ510a及び510eは、開端におけるよりも閉端における方が硬い。足前部支持チューブは、靴100の内側への効率的なトーオフ(toe-off)が可能となるように放射配置に位置し得る。図示のように、足前部支持チューブ510c及び510dは、インサート160の内側から外側に拡張する際に広がるように放射配置で位置する。代替的に、足前部支持チューブ510a〜510eの3つ以上は、放射状に配置されてもよく又は別の配置であってもよい。
【0031】
図16及び図17に示すように、一実施の形態では、足前部支持チューブ510a〜510eはそれぞれ、ほぼ平坦なベース550a〜550eと、ベース550a〜550eから上方に延びるとともにチューブを形成するほぼ半円状の壁570a〜570eとを有する。代替的に、上方に延びる壁570a〜570eは様々な形状を有する。これらの壁は、図示のように中空であってもよく、又はEVA等の支持材料で充填されていてもよい。別の実施の形態では、ベースは種々の形状を有してもよく、例えば、丸チューブを形成するように半円状をしていてもよい。さらに別の実施の形態では、壁はベースから下方に延びていてもよく、又はベースから上方及び下方の双方に延びていてもよい。
【0032】
各足前部支持チューブ510のベース550a〜550eは、互いに一体接続されていてもよく、また、例えばインサート160の足前部延長部としてアーチ部420に一体接続されていてもよい。図示のように、ベース550a〜550eは互いに一体接続されて、アーチ部420から延びるウェブ590を形成する。ウェブ590は、最前の足前部支持チューブ510aのちょうど前でカットされる。しかしながら、ウェブ590は、所望に応じて、足前部領域のほぼどの部分にも、又は足前部領域全体にわたって延びるように設計されてもよい。代替的に、ベース及び足前部支持チューブの1つ又は複数は別個のセクションであってもよい。図示のように、ウェブ590はさらに、上方に延びる壁570a〜570eのそれぞれの外縁部を一体的に含む。図14及び図16を参照すると、第1のループセット610a〜610eは、インサート160の外側の足前部支持チューブ510a〜510eの第1の外縁部を形成するようにウェブ590から上方に延びている。第2のループセット630a〜630cは、インサート160の内側の足前部支持チューブ510a〜510eの第2の外縁部を形成するようにウェブ590から上方に延びている。ウェブ590は、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット560をさらに画定し得る。第1の実施の形態におけるように、インサート160は様々な従来の方法によってアウトソール120に取り付けられることができる。
【0033】
足前部支持チューブ510a〜510eを有するインサート160は、様々な従来の材料から製造することができるが、典型的には、ヒールウェッジ140及び/又はミッドソール(図示せず)よりも硬い材料から製造される。例えば、インサート160は、TPU、TPR、PVC、又は他の射出成形ポリマーから射出成形されてもよい。インサート160は、ナイロン、ゴム、合成ゴム又はシリコーン等、他の材料から製造されてもよいが、これらの代替的な材料のいずれかが用いられるのであれば、インサート160は射出成形では製造されない可能性が高い。所望であれば、インサート160は、異なる材料の群から製造されてもよい。例えば、アーチ部420は、踵部400よりも剛性の材料から製造されてもよい。
【0034】
図16を参照すると、一実施の形態では、足前部支持チューブ510a〜510eが2つの異なる材料から形成される。ベース部550a〜550e及び第1のループセット610a〜610e及び第2のループセット630a〜630cを有するウェブ590は、第1の材料から形成される。上方に延びる壁570a〜570eは第2の材料から形成される。図示の実施の形態では、上方に延びる壁570a〜570eが上方ウェブ650と一緒に接続され、第2の材料の単片から形成され得るようになっている。図示のように、上方に延びる壁570a〜570e以外のインサート160の全ては第1の材料から形成される。第2の材料は通常、第1の材料よりも軟らかいため、足前部支持チューブ510a〜510eは、所望レベルのクッション性及び支持性を与える。一実施の形態では、第1の材料は硬度85(ShoreA)のデュロメータ値を有し、第2の材料は硬度65(ShoreA)のデュロメータ値を有する。別の実施の形態では、第1の材料は、第2の材料より約10〜30高い硬度(ShoreA)であるが、この範囲は様々であってもよく、代替的には、第1の材料は第2の材料よりも軟らかくてもよい。所望に応じて、足前部支持チューブは3つ以上の材料から形成されてもよく、例えば、壁570a〜570eはそれぞれ、インサート160の支持性及びクッション性をよりいっそう厳密に制御するために、異なるデュロメータ値を有する異なる材料から形成されてもよい。第2の材料は第1の材料に、固着、接着剤、又は一方の材料又は双方の材料を加熱することによって結合することよる等、従来の様々な方法で接着してもよい。
【0035】
この実施の形態では、図示はしないが、ミッドソールは、第1の実施の形態のミッドソール18と同様である。ミッドソールの下面は、第1の実施の形態におけるように、足前部支持チューブ510a〜510eを含めた、アウトソール120、ヒールウェッジ140、及びインサート160の形状と相補を成すような外郭を有していてもよく、かかるミッドソールは、支持チューブ460a〜460j及びインサート160の足前部支持チューブ510a〜510eをしっかり嵌めるようになっている複数の支持チューブ凹部を画定するような外郭を有する。ミッドソールは、第1の実施の形態のプラグ62と同様のプラグを有し得る。ヒールウェッジ140もまた、第1の実施の形態のヒールウェッジと同様であるため、詳細には説明しない。第1の実施の形態におけるように、ヒールウェッジはチューブ凹部360、中央開口800を有し得る。
【0036】
上記の説明には、図示の実施の形態のソール10の各種部品に対して或る近似のデュロメータ値が示されているが、言及された値は例示にすぎず、本発明は具体的に言及したデュロメータ値を有するソール構造に限定されない。これとは反対に、本発明は、異なる圧縮率の値を有するソール部品に及ぶものと広く解釈されるべきである。
【0037】
上記の説明は、本発明の現在の実施の形態の説明である。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態によるソールの分解斜視図である。
【図2】靴の内側立面図である。
【図3】ミッドソールの側部立面図である。
【図4】ミッドソールの上面図である。
【図5】ミッドソールの底面図である。
【図6】インサートの上面図である。
【図7】インサートの底面図である。
【図8A】インサートの右側(内側)立面図である。
【図8B】インサートの左側(外側)立面図である。
【図9】ヒールウェッジの側部立面図である。
【図10】インサート及びミッドソールの底面図である。
【図11】インサート、ミッドソール、及びヒールウェッジの底面図である。
【図12】靴の底面図である。
【図13】本発明の別の態様によるソールの分解斜視図である。
【図14】第2の実施の形態によるインサートの上面図である。
【図15】第2の実施の形態によるインサートの内側側面図である。
【図16】第2の実施の形態によるインサートの分解斜視図である。
【図17】第2の実施の形態によるインサートの外側側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、より詳細には、履物製品のソール構造に関する。
【0002】
本願は、2005年6月2日に出願された米国特許出願第11/143,063号の一部係属出願である。
【背景技術】
【0003】
より快適性のある履物を提供するための努力が続けられている。ランニングシューズ、及び他の履物は、過去20年間にわたって技術の著しい進歩を遂げている。技術的な進歩の多くはミッドソールに見られる。ほとんどの履物では、ミッドソールはソールの「懸架システム」として機能し、これにより、多くの場合、着用者の足に対し保護緩衝及び安定したプラットフォームの双方が与えられる。ミッドソールの特性の変化により、靴の性能に劇的な影響を与えることができる。高性能を提供するためには、領域ごとのソールの支持特性を変えることが望ましい場合が多い。例えば、踵では材料密度を高くし、足前部では材料密度を低くすることが望ましいであろう。踵の材料密度が高いことにより、踵が着地したときの支持力が増し、足前部にかかるより小さい負荷に対しては、材料密度が低いことにより、適した緩衝及び支持がもたらされる。足に可変の支持力を与える広範なソールが開発されてきている。用途によっては、可変の支持力は、足前部には、より柔軟なEVA発泡体、踵にはより剛性なEVA発泡体といったように種々の材料からミッドソールの各種領域を形成することによって与えられる。他の用途では、ソールには、所望の全体の支持プロファイルをソールに与えるように構成され得る支持プレートが設けられる。従来の一様なソール構造に比して顕著な改善が見られているが、製造が廉価であるとともに広範に調整可能な調節性の高いソール構成が依然として必要とされている。
【0004】
同時に、履物ソールの寿命を延ばす努力も続けられている。従来の履物では、ミッドソール(及び他のソール部品)は、比較的短期間でその性能が失われ始めるであろう。ソール材料の劣化により、踵等、特に、強い衝撃が繰り返される領域では、経時につれてソールの弾性が失われる可能性がある。劣化の割合はソールごとに様々であろうが、主として、ソール材料の特定の特性及びソールにかかる負荷のタイプに応じて決まる。例えば、EVA等の従来の独立気泡体及び連続気泡体は、比較的短い使用期間で材料が自然に破損するため、寿命が比較的短い。従来の発泡材料はまた、温度変化を受け易く、発泡体の弾性が著しく変わる可能性がある。例えば、ソールは、低温で著しく剛性になるとともに高温で著しく柔軟になるであろう。結果として、温度は、従来の発泡材料から製造されるソールの支持特性に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、寿命が長く、製造が比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題は、所望の支持プロファイルを与えるように調節される複数の支持チューブを備えるインサートを有するソールを提供する本発明により克服される。各支持チューブは、所望の支持特性を与えるように選択された向きを有する内部ウェブを含み得る。支持チューブごとにウェブの向きを変えることにより、ソールの支持プロファイル全体を制御することができる。
【0007】
一実施の形態では、支持層は、アウトソールとミッドソールとの間に配置される。所望であれば、ソールは、アウトソールとインサートとの間の踵領域内に配置されるヒールウェッジをさらに有していてもよい。ヒールウェッジは、ミッドソール材料よりも剛性である材料から製造され得る。結果として、ヒールウェッジは、ソールの踵領域内にさらなる支持を与え得る。
【0008】
別の実施の形態では、インサートは、ソールの内側(すなわちインナー)に複数の支持チューブを有するとともにソールの外側(すなわちアウター)に複数の支持チューブを有し得る。内部ウェブは、ソールの内側の垂直方向の支持を高めるように、ソールの内側に沿ってより垂直な向きとなっていくように位置することができる。所望であれば、ウェブの向きをチューブごとに変えてもよい。例えば、ウェブは、踵の後側へかけて徐々に垂直方向の支持を与えるように、前方から後方へ徐々に垂直方向に向けられてもよい。内側の支持チューブは、ストラットによって外側の支持チューブに接続され得る。ストラットは、踵を固有に中心付けることができるように窪んでいてもよい。
【0009】
さらに別の実施の形態では、支持チューブは、インサートの踵領域の少なくとも一部分に位置し、インサートは、ソールのアーチ(土踏まず部)領域内に延在するアーチ部を有する。インサートのアーチ部は、ゲイターストラップ(gaiter strap)を嵌入する構造を与えるように互いに離間した2つの層を有し得る。下方の層は、ゲイターストラップを着地に関連した損傷から保護するのに役立つ。所望であれば、インサートはさらに、ソールの足前部領域の少なくとも一部に延びる足前部延出部を有することができる。足前部延出部は、足前部領域の内側のみに沿って延出し、そのため、内側に沿ってより剛性なソールを提供することができる。足前部延出部は、所望に応じて、足前部の異なる領域に延出してもよく、又は足前部領域全体を覆ってもよい。
【0010】
本発明の別の実施の形態では、インサートは複数の前部支持チューブを有する。一実施の形態では、前部支持チューブは足前部領域に位置し、足前部領域のソールの内側から外側にわたって延びている。前部支持チューブは、ソールの外縁に近づくにつれて広がるように放射状パターンで配置されてもよい。別の実施の形態では、前部支持チューブは、ベースを形成する第1の材料と、ベースから上方に延びるとともに第1の材料よりも低いデュロメータ値を有する第2の材料とから形成される。
【0011】
本発明は、所望の支持プロファイルを与えるように容易に調節することができる特有の履物ソールを提供する。インサートは、TPU、又は、従来の発泡材料ほど急速には劣化せず、したがってミッドソールの緩衝寿命を延ばす他の比較的耐久性のある材料から製造されることができる。支持プロファイルは、ソールの内側及び外側間で様々であり得る。例えば、ソールの内側の支持チューブは、靴の後側にいくほど徐々に垂直方向の剛性が高まっていくように調節することができ、それにより、オーバープロネーションの問題に対処する。インサートは製造が比較的廉価であり、その支持特性は、特に、支持チューブ及びウェブの性質及び向きを制御することによって容易に調整することができる。インサートは、ヒールウェッジと組み合わされることで、その支持プロファイルの制御をさらに高めることができる。インサートのアーチ部は、ソールのアーチ領域の支持プロファイルの制御を行うように調節することができる。ゲイタースロットがアーチ部に組み込まれることで、ゲイターストラップを尚早な摩耗から保護することができる。ソールの足前部領域の支持プロファイルは、足前部延出部の使用により制御することができる。ストラットは、設けられる場合は踵の着地の際に足を中心付けるようにするのに役立つ。前部支持チューブは足前部領域での制御された緩衝を可能にし、効率的なトーオフを得るために適当な位置合わせで配置されることができる。
【0012】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、好適な実施の形態の詳細な説明及び図面を参照することにより容易に理解され評価されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に従って製造される履物ソールが図1に全体として10で示されている。履物ソール10は概して、アウトソール12と、ヒールウェッジ14と、インサート16と、ミッドソール18とを有する。ソール10は、図2に示す靴200等の履物製品に組み込むことができる。靴200は、ソール10に固着されるアッパー202を有している。靴200はまた、ソール10の頂部のアッパー202に取り外し可能に嵌め込まれるフットベッド(図示せず)も有している。インサート16は、ソール10の支持プロファイルを制御するように構成される内部ウェブ48a〜48jを有する支持チューブ46a〜46jを有している。本発明は、従来の標準の高さのランニングシューズ又はトレイルランニングシューズ200に関して説明するが、このタイプの靴での使用に限定されない。本発明は、ほぼいかなるタイプのソールでの使用にも十分に適し、また、ほぼいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。履物ソール10は、固着、スティッチ縫合、ウェルト付け、及び直接取付の構成が挙げられるがこれらに限定されない本質的に任意の取付構成を用いて、アッパー(図示せず)に固着されることが意図される。履物ソール10は、所望に応じて、シャンク又は他の従来のソール部品も有することができる。
【0014】
本発明の開示を容易にするために、踵領域、アーチ領域、及び足前部領域等の足の様々な一般的な領域の参照を行う。これらの語は、各種ソール部品の位置に言及するのに用いる際、足の対応部分よりも概ね下(必ずしも真下ではない)に位置するソールの領域を含むものと解釈されるべきである。概ねの参照のみのために、踵領域は、仮想線A1(図2を参照)の後ろ(ソール10の踵の後部側)の領域として概ね画定され、アーチ領域は、仮想線A1及びA2間の領域として概ね画定され、足前部領域は、仮想線A2の前(ソール10のつま先側)の領域として概ね画定される。しかしながら、踵領域と、アーチ領域と、足前部領域との境界は厳密ではなく、これらの語は曖昧に解釈されるべきであり、大いに融通性があるものと理解されたい。
【0015】
この実施の形態では、アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10に主要な着用面を画定する。アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10の底面に固着され、耐久性がある滑り止め着用面(図2を参照)を提供する。アウトソール12のデザイン構造及び構成は、用途ごとに様々であり得る。しかしながら、図示の実施の形態では、アウトソール12は、主体部20及び踵部22を有する2部構成アウトソールである(図1及び図12を参照)。この実施の形態の主体部20は、ヒールウェッジ14、インサート16、及びミッドソール18の部分にわたって延びている。主体部20は、固着されるか、又は、一般的な従来の技法及び装置を用いて各種ソール部品14、16、及び18の底面に固着される。踵部22は、踵の後ろに位置し、一般的な従来の技法及び装置を用いてヒールウェッジ14の裏面に固着される。主体部20及び踵部22の分離により、アウトソール12は踵に或る程度の関節的な接合が与えられる。各部20及び22の下面は、複数のラグ又は他のトラクション要素を有し、これらは、参照符号24で図面に概略的に示されている。トラクション要素24のデザイン及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アウトソール12は、天然ゴム及び合成ゴム、レザー、PVC、EVA、及びポリウレタン等の広範の従来のソール材料から製造され得る。
【0016】
上述のように、ソール10は、アウトソール12の踵領域の上に配置されるヒールウェッジ14を有している(図1及び図2を参照)。ヒールウェッジ14は、より詳細に以下に説明するように、インサート16に弾性の圧縮性プラットフォームを提供する。ここで図9を参照すると、ヒールウェッジ14は、インサート16の底面30の形状と相補を成すような外郭をした上面26と、アウトソール12の上面34の形状と相補を成すような外郭をした下面32とを有するほぼ楔形の形状である。より具体的には、図示の実施の形態の上面26は、支持チューブ46a〜46jを有する形状に対応する複数のチューブ凹部38a〜38jを有する。チューブ凹部38a〜38jは、組み立てられたソール10において支持チューブ46a〜46jをぴったりと嵌入される。ヒールウェッジ14は、EVA及びポリウレタン等の広範のソール材料から製造することができる。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14には、アウトソール12の踵領域の対応する材料のない箇所と位置合わされる中央開口80が画成されている。特に、開口80は、ミッドソール18及びインサート16の一部が見えるようにする。おそらく図11に最もよく示すように、ヒールウェッジ14は裏面88に、小さなリッジ86(特に、アウトソール12の部分を配置するガイドとなる)の構成を有し得る。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14は、ソール10の踵領域のみに延在し、ほぼ楔形の形状である。ヒールウェッジ14は、ソールの異なる領域に延在していてもよく、例えば、アーチ領域内に延在するか、又はソール全体と同一の広がりを有していてもよい。ヒールウェッジ14は、必ずしも楔形状である必要はなく、所望に応じて異なる厚さの構成をとってもよい。図示の実施の形態では、ヒールウェッジ14は、アスカーC型(Asker C Scale)で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ヒールウェッジ14の材料のタイプ及び密度は、用途ごとに異なっていてもよい。所望であれば、ヒールウェッジ14の密度は、ヒールウェッジ14内の領域ごとに異なっていてもよい。
【0017】
インサート16は、アウトソール12及びヒールウェッジ14の上に配置され、ソール10に調節性の高い支持プロファイルを与える(図1及び図2を参照)。ここで、図6、図8A及び図8Bを参照すると、インサート16は、踵部40、アーチ部42、及び足前部延出部44を含んでいる。踵部40は、その名が示唆するように、ソール10の踵領域の少なくとも一部に延在し、複数の支持チューブ46a〜46jを含む。図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは、概ね側方の向きに延びている。インサート16は、踵領域の外側の周縁部に延びる第1の複数の支持チューブ46a〜46e(外側支持チューブ)、及び踵領域の内側の周縁部に延びる第2の複数の支持チューブ46f〜46j(内側支持チューブ)を含み得る。内側支持チューブ46f〜46j及び外側支持チューブ46a〜46eは、これら支持チューブ46a〜46jがソール10の中央領域内には延在しないように離間し得る。支持チューブ46a〜46jが中央領域にないことにより、ソール10の着用者の足を中心付けるのに役立つ比較的柔軟な中央部がもたらされ得る。別個の内側支持チューブ及び外側支持チューブの使用は厳密には必要とされず、用途によっては、支持チューブは、片側だけに位置していてもよく、又はソール10の両端にわたって延びていてもよい。図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは横断面がほぼ環状である。支持チューブ46a〜46jは代替的に、楕円、正方形、矩形、及び三角形等の他の横断面形状(規則的及び不規則的の双方を含む)を有していてもよい。各支持チューブ46a〜46jの特性は、種々の負荷に対する特定の対応を制御するように様々であり得る。例えば、支持チューブ46a〜46jの数、形状、直径、長さ、及び肉厚は、ソール10の支持特性を調節するように様々であり得る。各支持チューブ46a〜46jはまた、チューブ46a〜46jの支持特性に影響を及ぼす内部ウェブ48a〜jを有することができる。図示の実施の形態(支持チューブ46a〜46jは横断面がほぼ環状である)では、ウェブ48a〜48jは弦状(chords)であり、より詳細には、支持チューブ46a〜46jの直径に沿って延びている。しかしながら、各ウェブ48a〜48jの特性は、支持特性への影響を制御するように様々であり得る。例えば、ウェブ48a〜48jの数、向き、位置、長さ、及び厚みは様々とすることができる。図示の実施の形態では、外側支持チューブ46a〜46eはそれぞれ、ほぼインサート16の長さに従って概ね水平方向に延びるウェブ48a〜48eを有する。したがって、ウェブ48a〜48eは、外側支持チューブ46a〜46eの垂直方向の剛性にはほとんど影響を与えない。図示の実施の形態では、内側支持チューブ46f〜46jのウェブ48f〜48jの向きは前方から後方にかけて様々である。より具体的には、内側ウェブ48f〜48jは、図2及び図8Aに見ることができるように、踵領域の後方にいくほどより垂直な向きに位置する。結果として、内側支持チューブ46f〜46jは、踵領域の後方にいくほど垂直方向の圧縮に対する耐性がより高まる。図示の実施の形態では、ウェブ48a〜48jは支持チューブ46a〜46jと一体形成される。しかしながら、この一体形成は、厳密に必要ではなく、代替的に、ウェブ48a〜48jは、例えば支持チューブ46a〜46jに嵌め込まれるインサートとして別個に製造されてもよい。
【0018】
インサート16はまた、ソール10の片側の支持チューブ46a〜46eを対向側の支持チューブ46f〜46jとつなぐ複数のストラット38a〜dを有し得る。ストラット38a〜38dの特性は、ソール10の支持特性を制御するように様々であり得る。例えば、ストラット38a〜38dの数、幅、厚さ、及び形状の変化は、インサート16の支持特性に影響を及ぼす。図示のように、この実施の形態のストラット38a〜38cは、ミッドソール18の裏面の凸状構造に対応するようにほぼ凹状である。この実施の形態では、ストラット38a〜38cは主として凹部64及びプラグ62に対応するように凹状である。
【0019】
図示の実施の形態のアーチ部42は、踵部40と一体形となっているとともに踵部40から延びている。代替的に、アーチ部42は別個の部材であってもよい。アーチ部42は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング50a、50bを含む。ウイング50a、50bは、ミッドソール18に固着されるか又は他の方法で固着され得る。使用の際、ウイング50a、50bは、ミッドソール18のアーチ領域内での支持を高める。アーチ部42はまた、ゲイターのストラップを嵌め入れるスロット52も画定し得る。図示の実施の形態のアーチ部42は、協働してスロット52を画定する一対の離間層54a、54bを有する。層54a、54bのサイズ、形状、及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アーチ部42は、任意選択であり、所望であればなくともよい。
【0020】
図示の実施の形態の足前部延出部44は、アーチ部42と一体であるとともにアーチ部42から延びている。代替的に、足前部延出部44は別個の部品であってもよい。足前部延出部44は、(図示の実施の形態に示すように)ソール10の内側の周縁部のみに沿って延出する。しかしながら、足前部延出部44は、所望であれば、足前部領域の本質的に任意の部分又は足前部領域全体にわたって延出するように設計されてもよい。足前部延出部44には、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット56a〜56cが画成され得る。足前部部延出部44は、任意選択であるとともに、所望に応じて用途によってはなくてもよい。
【0021】
インサート16は、種々の従来の材料から製造され得るが、一般には、ヒールウェッジ14及び/又はミッドソール18よりも剛性である材料から製造される。例えば、インサート16は、TPU、TPR、又はPVCから射出成形され得る。インサート16は、ナイロン、ゴム、合成ゴム、又はシリコーン等の他の材料から製造され得るが、これらの代替的な材料のいずれかが用いられるのであれば、インサート16は射出成形では製造されない可能性が高い。所望であれば、インサート16は、異なる材料群から製造されてもよい。例えば、アーチ部42は、踵部40よりも剛性の材料から製造することもできる。
【0022】
図示の実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは、ソール10の踵領域内にのみ延びる。代替的な実施の形態では、支持チューブ46a〜46jは付加的に(又は代替的に)、ソールのアーチ領域及び/又は足前部領域内に延びる。支持チューブ46a〜46jのサイズ、構成、レイアウト、及び他の特性は、領域ごと且つ用途ごとに様々であり得る。
【0023】
ミッドソール18は、インサート16とアッパー202との間に配置され、弾性の圧縮性足プラットフォーム(図1及び図2を参照)を与えるように設計される。ミッドソール18は足を支持するとともに従来の履物へ組み込まれるように設計されているため、概ね足の形状である。しかしながら、ミッドソール18は、所望に応じて、種々の代替的なソールデザインに対応するように他の形状をとってもよい。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、アスカーC型で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ミッドソール18の材料の材料タイプ及び密度は用途ごとに変わり得る。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、単一品の一体構造であるが、代替的に、協働して足を支持するひとまとまりの別個の要素を含んでいてもよい。例えば、代替的な一実施の形態では、ミッドソール18は、比較的柔軟な(軟質の)材料から製造される足前部領域、及びより剛性(硬質)の材料から製造される踵領域を有し得る。ミッドソール18は、着用者の足を支持するように設計される概ね平滑な上面60(図4を参照)を有する。上面60は、所望であれば外郭を有していてもよい。例えば、ミッドソール18の上面60は、例えば上面60に凹状踵領域、隆起状アーチ領域、又は本質的に任意の他の所望の形状を与えることによって、着用者の足の自然な外郭に合致するような外郭とされ得る。図示の実施の形態のミッドソール18は、ミッドソール18の周縁の周りに上向きに延びる外周リップ68を有する。ミッドソール18は、着用者の足の裏側と直に当接してもよい。しかしながら、ほとんどの用途では、さらなる部品(図示せず)がミッドソール18の上のソール10に組み込まれるであろう。例えば、インソール(図示せず)、中敷(図示せず)、フットベッド(図示せず)又は他のソール要素がミッドソール18の上のソール10に組み込まれてもよい。このさらなる部品は、靴200のソール10の上部に取り外し可能に嵌め込まれる。
【0024】
図示の実施の形態では、ミッドソール18は、踵領域の対応する凹部64に嵌め込まれる円盤状のプラグ62を有する(図1を参照)。プラグ62は、独立気泡体等の比較的柔軟なクッション材料から製造される。図示の実施の形態では、プラグ62は、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有する材料から製造される。結果として、プラグ62と凹部64を組み合わせることは、ソール10の踵に足を中心付けるのに役立つ。プラグ62及び凹部64のサイズ、形状、及び構成は、用途ごとに様々であり得る。例えば、プラグ62と凹部64を組み合わせることは、対応する領域の圧縮に対する抵抗を低減する1つ又は複数の穿孔又はカットアウトで代替してもよい。この実施の形態では、凹部64は、ストラットの凸状領域と垂直に位置合わせされるが、このことは厳密に必要ではない。
【0025】
ミッドソール18は、図示の実施の形態に示すように通気が与えられるように構成され得る。この実施の形態では、ミッドソール18は、ミッドソール18の側壁に複数の通気穴70、及びミッドソール18の上面60に一連の通気路72が画成されている(図4を参照)。通気路72は、通気穴70と流通して、空気及び湿分がミッドソール18を通るようにする(図3を参照)。ここでも同様に、このことは任意選択であり、本発明は、所望に応じて通気性のないミッドソールに組み込むこともできる。
【0026】
再び図4を参照すると、ミッドソール18は、ミッドソール18が屈曲しやすくなるように複数の屈曲溝74a〜74cも有し得る。図示の実施の形態では、ミッドソール18は、ソール10の足前部領域にわたってほぼ横方向に延びる屈曲溝74a〜74cを有する。所望に応じて、屈曲溝74a〜74cはなくてもよく、又は屈曲性を高めるよう意図される他の構造で代替してもよい。例えば、屈曲溝74a〜74cは、パッド(図示せず)で充填されたミッドソール18の頂面にある比較的浅い凹部(図示せず)で代替してもよい。パッドは、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有し得る。パッドは、凹部内に固着され得る。
【0027】
ミッドソール18の裏面66は、アウトソール12、ヒールウェッジ14、及びインサート16の形状と相補を成すような外郭を有し得る(図5を参照)。図示の実施の形態では、ミッドソール18の裏面66は、インサート16の支持チューブ46a〜46jをぴったりと嵌め入れるようになっている複数の支持チューブ凹部78を画成するような外郭を有し得る。所望であれば、インサート16をミッドソール18に嵌め入れるか又は差し込むことができるように、インサート凹部76が裏面66に画成され得る。例えば、ミッドソール18には、インサート16のストラット38a〜38dを嵌め入れるようになっている複数のストラット凹部82が画成され得る。凹部76はまた、アーチ部42(ウイング50a、50bを含む)及び足前部延出部44の長さにわたって延在してもよい。代替的に(又は付加的に)、インサート16の全て又は一部を嵌め入れるために凹部(図示せず)をアウトソール12の頂面に形成してもよい。
【0028】
ミッドソール18及びヒールウェッジ14は、図示の実施の形態では別個の部品である。しかしながら、本発明はミッドソール及びヒールウェッジが一体である用途にも及ぶ。例えば、代替的な一実施の形態では、適切な材料(例えばEVA発泡体)がインサートの周りの金型に射出又は注入されて、単一品のミッドソール/ヒールウェッジの組み合わせ体にインサートを埋め込むことができる。
【0029】
[代替的な実施の形態]
本発明の履物ソールの代替的な一実施の形態が、図13〜図17に全体を100で示されている。この実施の形態では、インサート160は、複数の足前部支持チューブ510a〜510eを有する。記載した第1の実施の形態と同様に、インサート160がアウトソール120及びヒールウェッジ140の上に置かれ、調節性の高い支持プロファイルをソールの足前部領域に与える。ここで、図14〜図17を参照すると、インサート160は、踵部400、アーチ部420、及び足前部部440を含み得る。踵部400は、第1の実施の形態に関して説明した踵部40とほぼ同じであるため、ここで再び詳細には説明しない。踵部400に関して、内部ウェブを有する支持チューブ460a〜460j、及びストラット380a〜380dを有し得ることを述べれば十分である。同様に、アーチ部420は、第1の実施の形態に関して説明したアーチ部42とほぼ同じである。アーチ部420は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング500a、500bを含む。ウイング500a、500bは、中に貫通する複数の穴502を有する。アーチ部420はまた、図示のように、ゲイターのストラップを嵌め入れるスロット520も画定し得る。スロット520は、第1の層540a及び第2の層540bによって形成される。スロット520は、図示のように形状を楕円とすることができるが、様々な形状を有してもよい。アーチ部420及び踵部400は双方とも任意選択であり、所望であればなくともよい。
【0030】
図示の実施の形態では、代替的な実施の形態の足前部部440は、アーチ部420と一体であるとともにアーチ部420から延びている。足前部部440は、踵部400及び/又はアーチ部420がない場合、代替的に別個の部品であるか、又は唯一の部品であってもよい。複数の足前部支持チューブ510a〜510eが、足前部部に、又はアーチ領域の前部の少なくとも一部分に設けられる。図示の実施の形態では、足前部支持チューブのうち中央の3つの510b〜510dがインサート160を横方向にわたって延びおり、足前部支持チューブのうち外縁の2つの510a及び510eは、インサート160の外側からインサート160の一部に延び、閉端530の或る地点まで先細りになっている。機能上、これら2つの支持チューブ510a及び510eは、開端におけるよりも閉端における方が硬い。足前部支持チューブは、靴100の内側への効率的なトーオフ(toe-off)が可能となるように放射配置に位置し得る。図示のように、足前部支持チューブ510c及び510dは、インサート160の内側から外側に拡張する際に広がるように放射配置で位置する。代替的に、足前部支持チューブ510a〜510eの3つ以上は、放射状に配置されてもよく又は別の配置であってもよい。
【0031】
図16及び図17に示すように、一実施の形態では、足前部支持チューブ510a〜510eはそれぞれ、ほぼ平坦なベース550a〜550eと、ベース550a〜550eから上方に延びるとともにチューブを形成するほぼ半円状の壁570a〜570eとを有する。代替的に、上方に延びる壁570a〜570eは様々な形状を有する。これらの壁は、図示のように中空であってもよく、又はEVA等の支持材料で充填されていてもよい。別の実施の形態では、ベースは種々の形状を有してもよく、例えば、丸チューブを形成するように半円状をしていてもよい。さらに別の実施の形態では、壁はベースから下方に延びていてもよく、又はベースから上方及び下方の双方に延びていてもよい。
【0032】
各足前部支持チューブ510のベース550a〜550eは、互いに一体接続されていてもよく、また、例えばインサート160の足前部延長部としてアーチ部420に一体接続されていてもよい。図示のように、ベース550a〜550eは互いに一体接続されて、アーチ部420から延びるウェブ590を形成する。ウェブ590は、最前の足前部支持チューブ510aのちょうど前でカットされる。しかしながら、ウェブ590は、所望に応じて、足前部領域のほぼどの部分にも、又は足前部領域全体にわたって延びるように設計されてもよい。代替的に、ベース及び足前部支持チューブの1つ又は複数は別個のセクションであってもよい。図示のように、ウェブ590はさらに、上方に延びる壁570a〜570eのそれぞれの外縁部を一体的に含む。図14及び図16を参照すると、第1のループセット610a〜610eは、インサート160の外側の足前部支持チューブ510a〜510eの第1の外縁部を形成するようにウェブ590から上方に延びている。第2のループセット630a〜630cは、インサート160の内側の足前部支持チューブ510a〜510eの第2の外縁部を形成するようにウェブ590から上方に延びている。ウェブ590は、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット560をさらに画定し得る。第1の実施の形態におけるように、インサート160は様々な従来の方法によってアウトソール120に取り付けられることができる。
【0033】
足前部支持チューブ510a〜510eを有するインサート160は、様々な従来の材料から製造することができるが、典型的には、ヒールウェッジ140及び/又はミッドソール(図示せず)よりも硬い材料から製造される。例えば、インサート160は、TPU、TPR、PVC、又は他の射出成形ポリマーから射出成形されてもよい。インサート160は、ナイロン、ゴム、合成ゴム又はシリコーン等、他の材料から製造されてもよいが、これらの代替的な材料のいずれかが用いられるのであれば、インサート160は射出成形では製造されない可能性が高い。所望であれば、インサート160は、異なる材料の群から製造されてもよい。例えば、アーチ部420は、踵部400よりも剛性の材料から製造されてもよい。
【0034】
図16を参照すると、一実施の形態では、足前部支持チューブ510a〜510eが2つの異なる材料から形成される。ベース部550a〜550e及び第1のループセット610a〜610e及び第2のループセット630a〜630cを有するウェブ590は、第1の材料から形成される。上方に延びる壁570a〜570eは第2の材料から形成される。図示の実施の形態では、上方に延びる壁570a〜570eが上方ウェブ650と一緒に接続され、第2の材料の単片から形成され得るようになっている。図示のように、上方に延びる壁570a〜570e以外のインサート160の全ては第1の材料から形成される。第2の材料は通常、第1の材料よりも軟らかいため、足前部支持チューブ510a〜510eは、所望レベルのクッション性及び支持性を与える。一実施の形態では、第1の材料は硬度85(ShoreA)のデュロメータ値を有し、第2の材料は硬度65(ShoreA)のデュロメータ値を有する。別の実施の形態では、第1の材料は、第2の材料より約10〜30高い硬度(ShoreA)であるが、この範囲は様々であってもよく、代替的には、第1の材料は第2の材料よりも軟らかくてもよい。所望に応じて、足前部支持チューブは3つ以上の材料から形成されてもよく、例えば、壁570a〜570eはそれぞれ、インサート160の支持性及びクッション性をよりいっそう厳密に制御するために、異なるデュロメータ値を有する異なる材料から形成されてもよい。第2の材料は第1の材料に、固着、接着剤、又は一方の材料又は双方の材料を加熱することによって結合することよる等、従来の様々な方法で接着してもよい。
【0035】
この実施の形態では、図示はしないが、ミッドソールは、第1の実施の形態のミッドソール18と同様である。ミッドソールの下面は、第1の実施の形態におけるように、足前部支持チューブ510a〜510eを含めた、アウトソール120、ヒールウェッジ140、及びインサート160の形状と相補を成すような外郭を有していてもよく、かかるミッドソールは、支持チューブ460a〜460j及びインサート160の足前部支持チューブ510a〜510eをしっかり嵌めるようになっている複数の支持チューブ凹部を画定するような外郭を有する。ミッドソールは、第1の実施の形態のプラグ62と同様のプラグを有し得る。ヒールウェッジ140もまた、第1の実施の形態のヒールウェッジと同様であるため、詳細には説明しない。第1の実施の形態におけるように、ヒールウェッジはチューブ凹部360、中央開口800を有し得る。
【0036】
上記の説明には、図示の実施の形態のソール10の各種部品に対して或る近似のデュロメータ値が示されているが、言及された値は例示にすぎず、本発明は具体的に言及したデュロメータ値を有するソール構造に限定されない。これとは反対に、本発明は、異なる圧縮率の値を有するソール部品に及ぶものと広く解釈されるべきである。
【0037】
上記の説明は、本発明の現在の実施の形態の説明である。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態によるソールの分解斜視図である。
【図2】靴の内側立面図である。
【図3】ミッドソールの側部立面図である。
【図4】ミッドソールの上面図である。
【図5】ミッドソールの底面図である。
【図6】インサートの上面図である。
【図7】インサートの底面図である。
【図8A】インサートの右側(内側)立面図である。
【図8B】インサートの左側(外側)立面図である。
【図9】ヒールウェッジの側部立面図である。
【図10】インサート及びミッドソールの底面図である。
【図11】インサート、ミッドソール、及びヒールウェッジの底面図である。
【図12】靴の底面図である。
【図13】本発明の別の態様によるソールの分解斜視図である。
【図14】第2の実施の形態によるインサートの上面図である。
【図15】第2の実施の形態によるインサートの内側側面図である。
【図16】第2の実施の形態によるインサートの分解斜視図である。
【図17】第2の実施の形態によるインサートの外側側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれベースと該ベースから延びる壁とを画定する複数の弾性の圧縮性前部支持チューブを備え、前記ベースは第1の材料から形成され、前記壁の少なくとも一部は前記第1の材料よりも軟らかい第2の材料から形成されることを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項2】
前記インサートは外側部及び内側部を有し、前記前部支持チューブの少なくとも2つは、前記内側部から前記外側部に延びるにつれて広がるように放射状に配置される請求項1に記載のインサート。
【請求項3】
足前部を有し、該足前部に前記前部支持チューブが位置する請求項2に記載のインサート。
【請求項4】
前記支持チューブのそれぞれの前記ベースは、足前部ウェブを形成するように接続され、該足前部ウェブは前記第1の材料から形成される請求項1に記載のインサート。
【請求項5】
アーチ部及び踵部を有し、該踵部は、それぞれが内隙を画定する複数の弾性の圧縮性後部支持チューブと、それぞれが対応する前記後部支持チューブ内に配置されるとともに所定の方向に延びる複数のウェブとを有し、該ウェブのそれぞれの前記所定の方向は、前記インサートに支持プロファイルを与えるように予め選択される請求項1に記載のインサート。
【請求項6】
前記アーチ部は、ゲイターストラップを嵌め入れるスロットを画定する請求項5に記載のインサート。
【請求項7】
それぞれの前記前部支持チューブは第1の端及び第2の端を有し、これら第1の端及び第2の端の少なくとも一方は開放されている請求項1に記載のインサート。
【請求項8】
少なくとも1つの前記前部支持チューブの前記第1の端及び前記第2の端の少なくとも一方は閉じている請求項7に記載のインサート。
【請求項9】
それぞれの前記前部支持チューブの前記第1の端及び前記第2の端の少なくとも一方は、ほぼ閉端なベースと、該ベースから延びるほぼ半円状の壁とを有する請求項7に記載のインサート。
【請求項10】
前記複数の前部支持チューブは、少なくとも1つの中央支持チューブと、該少なくとも1つの中央支持チューブの対向する両側に位置する少なくとも2つの外縁支持チューブとを有し、前記少なくとも1つの中央支持チューブは、前記インサートの幅方向の長さにわたって延び、前記外縁支持チューブは、前記インサートの外側部から該インサートの一部にまでしか延びていない請求項1に記載のインサート。
【請求項11】
履物製品のインサートであって、前記履物製品は足前部領域を有し、前記インサートは外側部及び内側部を有し、
前記履物製品の前記足前部領域に位置するとともに前記インサートの少なくとも一部にわたって横方向に延びる複数の弾性の圧縮性前部支持チューブを備え、
該前部支持チューブの少なくとも2つは、前記インサートの前記外側部に延びるにつれて広がるように放射状に配置されることを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項12】
前記複数の前部支持チューブは、少なくとも1つの中央前部支持チューブと、少なくとも1つの外縁前部支持チューブとを有し、前記中央前部支持チューブは、ほぼ前記インサートにわたって延び、前記外縁前部支持チューブは、前記インサートの一部にのみ延びている請求項11に記載のインサート。
【請求項13】
前記前部支持チューブの少なくとも1つは、半円状の断面を有する請求項12に記載のインサート。
【請求項14】
前記少なくとも1つの外縁前部支持チューブは、前記インサートの前記外側部に隣接する開端から前記インサートの一部における閉端に延びる請求項12に記載のインサート。
【請求項15】
前記少なくとも1つの外縁前部支持チューブは、前記閉端に向かって先細りになっている請求項12に記載のインサート。
【請求項16】
それぞれの前記前部支持チューブは、ベースと該ベースから延びる壁とを有し、該ベースは第1の材料から形成され、該壁の少なくとも一部は、該第1の材料よりも軟らかい第2の材料から形成される請求項11に記載のインサート。
【請求項17】
前記第1の材料は、前記第2の材料のShoreAデュロメータ値よりも約10〜30度高いShoreAデュロメータ値を有する請求項16に記載のインサート。
【請求項18】
それぞれベースと該ベースから延びる壁とを有する複数の前部支持チューブを備え、前記ベースは第1の材料から成り、前記壁は第2の材料から成り、前記第1の材料は前記第2の材料よりも高いデュロメータ値を有し、前記前部支持チューブは横方向に延び、該前部支持チューブの少なくとも2つが外側に延びるにつれて広がるようにほぼ放射状パターンで配置される足前部と、
前記足前部と一体的であってゲイターのストラップを嵌め入れるスロットを画定するアーチ部と、
それぞれ所定の方向に延びる内部ウェブを有する複数の後部支持チューブを有し且つ少なくとも1つのウェブの前記所定の方向は少なくとも1つの他のウェブの前記所定の方向とは異なる踵部と
を含むことを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項19】
前記複数の後部支持チューブは、前記インサートの内側に配置される複数の内側後部支持チューブと、前記インサートの外側に配置される複数の外側後部支持チューブとを有する請求項18に記載のインサート。
【請求項20】
アウトソールと、
該アウトソールの少なくとも前記踵領域上に配置されるとともに該アウトソールに接続されるヒールウェッジと
をさらに備え、
前記インサートは、前記ヒールウェッジの上に配置されるとともに該ヒールウェッジに接続される請求項18に記載のインサート。
【請求項1】
それぞれベースと該ベースから延びる壁とを画定する複数の弾性の圧縮性前部支持チューブを備え、前記ベースは第1の材料から形成され、前記壁の少なくとも一部は前記第1の材料よりも軟らかい第2の材料から形成されることを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項2】
前記インサートは外側部及び内側部を有し、前記前部支持チューブの少なくとも2つは、前記内側部から前記外側部に延びるにつれて広がるように放射状に配置される請求項1に記載のインサート。
【請求項3】
足前部を有し、該足前部に前記前部支持チューブが位置する請求項2に記載のインサート。
【請求項4】
前記支持チューブのそれぞれの前記ベースは、足前部ウェブを形成するように接続され、該足前部ウェブは前記第1の材料から形成される請求項1に記載のインサート。
【請求項5】
アーチ部及び踵部を有し、該踵部は、それぞれが内隙を画定する複数の弾性の圧縮性後部支持チューブと、それぞれが対応する前記後部支持チューブ内に配置されるとともに所定の方向に延びる複数のウェブとを有し、該ウェブのそれぞれの前記所定の方向は、前記インサートに支持プロファイルを与えるように予め選択される請求項1に記載のインサート。
【請求項6】
前記アーチ部は、ゲイターストラップを嵌め入れるスロットを画定する請求項5に記載のインサート。
【請求項7】
それぞれの前記前部支持チューブは第1の端及び第2の端を有し、これら第1の端及び第2の端の少なくとも一方は開放されている請求項1に記載のインサート。
【請求項8】
少なくとも1つの前記前部支持チューブの前記第1の端及び前記第2の端の少なくとも一方は閉じている請求項7に記載のインサート。
【請求項9】
それぞれの前記前部支持チューブの前記第1の端及び前記第2の端の少なくとも一方は、ほぼ閉端なベースと、該ベースから延びるほぼ半円状の壁とを有する請求項7に記載のインサート。
【請求項10】
前記複数の前部支持チューブは、少なくとも1つの中央支持チューブと、該少なくとも1つの中央支持チューブの対向する両側に位置する少なくとも2つの外縁支持チューブとを有し、前記少なくとも1つの中央支持チューブは、前記インサートの幅方向の長さにわたって延び、前記外縁支持チューブは、前記インサートの外側部から該インサートの一部にまでしか延びていない請求項1に記載のインサート。
【請求項11】
履物製品のインサートであって、前記履物製品は足前部領域を有し、前記インサートは外側部及び内側部を有し、
前記履物製品の前記足前部領域に位置するとともに前記インサートの少なくとも一部にわたって横方向に延びる複数の弾性の圧縮性前部支持チューブを備え、
該前部支持チューブの少なくとも2つは、前記インサートの前記外側部に延びるにつれて広がるように放射状に配置されることを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項12】
前記複数の前部支持チューブは、少なくとも1つの中央前部支持チューブと、少なくとも1つの外縁前部支持チューブとを有し、前記中央前部支持チューブは、ほぼ前記インサートにわたって延び、前記外縁前部支持チューブは、前記インサートの一部にのみ延びている請求項11に記載のインサート。
【請求項13】
前記前部支持チューブの少なくとも1つは、半円状の断面を有する請求項12に記載のインサート。
【請求項14】
前記少なくとも1つの外縁前部支持チューブは、前記インサートの前記外側部に隣接する開端から前記インサートの一部における閉端に延びる請求項12に記載のインサート。
【請求項15】
前記少なくとも1つの外縁前部支持チューブは、前記閉端に向かって先細りになっている請求項12に記載のインサート。
【請求項16】
それぞれの前記前部支持チューブは、ベースと該ベースから延びる壁とを有し、該ベースは第1の材料から形成され、該壁の少なくとも一部は、該第1の材料よりも軟らかい第2の材料から形成される請求項11に記載のインサート。
【請求項17】
前記第1の材料は、前記第2の材料のShoreAデュロメータ値よりも約10〜30度高いShoreAデュロメータ値を有する請求項16に記載のインサート。
【請求項18】
それぞれベースと該ベースから延びる壁とを有する複数の前部支持チューブを備え、前記ベースは第1の材料から成り、前記壁は第2の材料から成り、前記第1の材料は前記第2の材料よりも高いデュロメータ値を有し、前記前部支持チューブは横方向に延び、該前部支持チューブの少なくとも2つが外側に延びるにつれて広がるようにほぼ放射状パターンで配置される足前部と、
前記足前部と一体的であってゲイターのストラップを嵌め入れるスロットを画定するアーチ部と、
それぞれ所定の方向に延びる内部ウェブを有する複数の後部支持チューブを有し且つ少なくとも1つのウェブの前記所定の方向は少なくとも1つの他のウェブの前記所定の方向とは異なる踵部と
を含むことを特徴とする履物製品のインサート。
【請求項19】
前記複数の後部支持チューブは、前記インサートの内側に配置される複数の内側後部支持チューブと、前記インサートの外側に配置される複数の外側後部支持チューブとを有する請求項18に記載のインサート。
【請求項20】
アウトソールと、
該アウトソールの少なくとも前記踵領域上に配置されるとともに該アウトソールに接続されるヒールウェッジと
をさらに備え、
前記インサートは、前記ヒールウェッジの上に配置されるとともに該ヒールウェッジに接続される請求項18に記載のインサート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−307383(P2007−307383A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133366(P2007−133366)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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