山形状の遊戯具
【課題】 本発明は、幼児や学童が安心して登り降りして遊ぶことができる堅固な山形状の遊戯具を提供する。
【解決手段】 ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結し、順次上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴としている。
【解決手段】 ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結し、順次上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼稚園、小学校の運動場等に設置し、幼児や学童が登り降りして遊ぶ山形状の遊戯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実公平5−42848号公報には、棒状体の先端を、内部空間と開口部を有する球形状の連結具を用いて小三角錐を形成し、更に上記連結具を用いて複数の小三角錐を連接することにより、三角錐形状に構成した遊戯具が開示されている。
【0003】
上記三角錐形状の遊戯具は、地面から頂点に及ぶ三角形状の側面が70.5度と急斜面のため、幼児や低学年の学童が登るには危険性が高く、また地面に接する台枠が三角形状のため、その片面に大勢の子供が登るときは揺動し、子供に不安感を抱かせる虞がある。しかもこの場合の連結具は、球形体の外側面に棒状体の端面を当接させ、その端面に穿設したボルトの挿入孔に、球形体内から外側に貫通させたボルトの先端を指及び工具で回転させ螺合させることにより、各棒状体を連結するものであるから、組立てや保守作業が極めて困難である。しかも大勢の子供がよじ登り、棒状体に大きな振動や荷重が加わるときは、ボルトが変形したり締結に緩みを生ずる虞がある。
【特許文献1】実公平5−42848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、幼児や学童が安心して登り降りして遊ぶことができる堅固な山形状の遊戯具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る請求項1の山形状の遊戯具は、ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴としている。
【0006】
この請求項1の山形状の遊戯具は、水平杆を一辺とする正方形の複数のユニット枠により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠上に、水平杆と同一長さの4本の傾斜杆を用いて複数の下段の正四角錐躯体を形成する。形成された複数の正四角錐躯体上に、同様に同一長さの水平杆及び傾斜杆を用いて順次、数段の正四角錐躯体を形成するのである。
【0007】
前記台枠を構成する水平枠の個数及び配列により、正四角錐躯体の積層段数は異なり、高さ及び形状が違った山形状の遊戯具が形成される。上記水平杆及び傾斜杆は、同一長さのものを使用する。また水平杆と傾斜杆が木材の場合は、請求項2の発明に係る連結具を使用するのが最も好ましいが、両杆が金属パイプとか硬質プラスチックパイプの場合は、2方向とか3方向の管継手を使用することも可能である。
【0008】
請求項2の発明に係る山形状の遊戯具は、請求項1記載の山形状の遊戯具において、水平杆と傾斜杆の端部及び傾斜杆同士の端部に、第一連結金具における正三角形の2辺に曲成した固定翼片をボルト締めして上記の両杆を60度の角度で連結し、1本の水平杆と2本の傾斜杆の端部に、第二連結金具における正三角片の各辺に曲成した3枚の固定翼片をボルト締めして互いに60度の角度で連結したことを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の発明における第一連結金具は、正三角片の一辺を水平杆又は傾斜杆の軸心方向と一致させ、その辺に連設された固定翼片を水平杆又は傾斜杆杆の端部にボルトで固定し、正三角片の他辺を傾斜杆の軸心方向と一致させ、その辺に連設された固定翼片を傾斜杆の端部にボルトで固定すると、2本の杆が60度の角度で連結される。また第二連結金具は、正三角片の各辺を1本の水平杆と2本の傾斜杆との軸心方向に夫々直交させて、各固定翼片を夫々の杆の端部にボルトで固定すると、3本の杆は夫々60度の角度を保って連結される。
【0010】
このように、第一連結金具及び第二連結金具により、同一長さの多数本の水平杆と傾斜杆を連結して複数の正四角錐躯体を並設し、更にその上に1段又は数段の正四角錐躯体を形成すれば、堅固な山形状の遊戯具が構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る請求項1の山形状の遊戯具は、正四角錐形状のため地面からの側面の傾斜角度は54.7度であり、正三角錐形状のものと比較して傾斜角度が緩やかで安定性が高く、揺動する虞がないので、幼児や低学年の子供も容易に、且つ安心して登り降りすることができる。しかも三角側面が四個所のため、一度に大勢の子供達が登り降りすることができる。また台枠を構成するユニット枠の個数及び配列により、正四角錐躯体の積層段数は変わり、高さ及び形状が違った山形状の遊戯具を構成することができる。
【0012】
請求項2の山形状の遊戯具は、請求項1記載の発明の効果に加え、第一連結金具と第二連結金具により、各水平杆及び傾斜杆を60度の角度で容易に且つ堅固に連結することができる。しかも第一、第二連結金具の各杆へのボルト締めは、固定翼片間の広い空間を利用して行うため、組立作業が容易であり、分解或いは保守も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図15に従って、本発明に係る発明の実施形態を詳述する。図1は山形状の遊戯具の斜視図、図2は同上平面図、図3は同上側面図である。図4は組立て状態を示す斜視図であり、図5〜図9は山形状の遊戯具における連結部分を示す拡大図である、図10は第一連結金具の正面図、図11は同上平面図、図12は図10に示すX−X断面図である。図13は第二連結金具の正面図、図14は同上平面図、図15は図13に示すY−Y断面図である。
【0014】
図中の符号1は木製の水平杆であり、2は木製の傾斜杆である。この水平杆1と傾斜杆2は同一長さであり、丸棒の上下に平坦面1a、2aを形成し、両端部にボルトの挿入孔3を穿設している。
【0015】
符号Aは正四角錐に構成された山形状の遊戯具である。この遊戯具Aは、先ず地表面に上記水平杆1を田の字形に配設しての4個のユニット枠より成る台枠4を形成し、その各ユニット枠4aと、各ユニット枠4aの四隅に下端を連結し、上端を結束状態で連結した4本の傾斜杆2とにより、下段の4個の正四角錐躯体A1を形成する。この4個の正四角錐躯体A1の上端に水平杆1を架設して上枠5を形成し、その上枠5の四隅に夫々傾斜杆2の下端を連結し、上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体A2を形成している。
【0016】
上記水平杆1及び傾斜杆2は、第一連結金具B及び第2連結金具Cにより連結される。この第一連結金具Bは、図10〜図12に示すように正三角片6と、その2辺より54.7度の角度で屈曲して形成した一対の固定翼片7とより成り、正三角片6の中央にはネジ孔8を、固定翼片7の中央にはボルトの挿入孔9を夫々穿設している。第二連結金具Cは、図13〜図15に示すように正三角片10と、その3辺より54.7度の角度で屈曲して形成した四角形の固定翼片11とより成り、正三角片10の中央にはネジ孔12を、固定翼片11の中央にはボルトの挿入孔13を夫々穿設している。また第2連結金具Cの固定翼片11同士は、正三角形の連結片14により連結されている。
【0017】
符号15は第一連結金具Bのプラスチックカバーであり、図1〜図3に示すように、その外壁面は連結された水平杆1と傾斜杆2及び傾斜杆2と傾斜杆2の端部に馴染み、且つ左右両固定翼片7間の空間Sを被覆する形状を成している。また中央にはネジ16の挿入孔を設けている。
【0018】
符号17は第二連結金具Cのプラスチックカバーであり、その外壁面は連結された1本のユニット杆1と2本のユニット杆2の端部に馴染み、且つ第二連結金具Cの3枚の固定翼片11及び連結片14間の空間Sを被覆する形状を成している。また中央にはネジ16の挿入孔を設けている。尚、符号18は適宜の正四角錐躯体A1に張設したネットである。
【0019】
上記実施形態の遊戯具は、図1、図4に示すように、地表面に水平杆1を桝目状に配置して、田の字型の台枠3を構成し、その外周の8本の水平杆1における平坦面1aの両端に、夫々第一連結金具Bの一方の固定翼片7を重ね、挿入孔3及び9を合致させてボルト19で固定する。この場合、正三角片5の一辺を水平杆1の軸心に平行させて固定する。
一方、台枠3の内側に十字型に配置された4本の水平杆1における平坦面1aの両端に、第二連結金具Cの1枚の固定翼片11をボルト19により固定する。この場合、正三角片9の一辺を水平杆1の軸心に直交させて固定する。
【0020】
次に、図5に示すように固定翼片6と固定翼片6との間、図6に示すように固定翼片7と固定翼片11との間、及び図7に示すように固定翼片11と固定翼片11との間に夫々傾斜杆2の下端を挿入し、この傾斜杆2の平坦面2aと各固定翼片7、11をボルト19で締結する。そして各傾斜杆2の上端を、図8に示すように結束状態に突き合わせ、外側位置の傾斜杆2と傾斜杆2の平坦面2aは第一連結金具Bを用い、内側位置の傾斜杆2と傾斜杆2の平坦面2aは第二連結金具Cを用いて、前記と同様にボルト締めすると、田の字型の台枠3上に4個の下段の正四角錐躯体A1が形成される。
【0021】
上記正四角錐躯体A1の上端内側に水平に突出している第二連結金具Cの固定翼片11上に、図8に鎖線で示すように水平杆1を架設し、この水平杆1の端部に重ねた第一連結金具Bの一方の固定翼片7を重ね、この固定翼片7と水平杆1と固定翼片11をボルト19で固定すると、上枠4が形成される。前記図5の場合と同様に上枠5の四隅に傾斜杆2を第一連結金具Bにより連結した後、図9に示すように、4本の傾斜杆2の上端を第一連結金具Bで連結すれば、上段の正四角錐躯体A2が形成され、図1〜図3に示す山形状の遊戯具が構成される。
【0022】
このように、上記実施形態における山形状の遊戯具は、水平杆1及び傾斜杆2の長さが同一であり、両端の定位置に穿設したボルト19の挿入孔3に、第一連結金具Bの固定翼片7に穿設した挿入孔9,及び第二連結金具Cの固定翼片11に穿設した挿入孔13を合致させてボルト締めすることにより、容易に組み立てることができる。また図16に示すように、台枠3におけるユニット枠3aの数を増やすときは、正四角錐躯体A1,A2,A3が形成され、大きさの異なる遊戯具が構成される。更に図17、図18に示すように、桝目状の台枠3の形状を変えることにより、変形した山形状の遊戯具が構成される。また図16〜図18に示すように、正四角錐躯体A1,A2の適宜箇所にネット18を張設することにより、子供達が一層楽しく遊ぶことができる。
【0023】
尚、第一連結金具B、第二連結金具Cにプラスチックカバー15,17を被せ、挿入孔に差込んだネジ16の先端を正三角片6,10のネジ孔8,12に螺合すれば、第一連結金具B、第二連結金具Cは被覆され、空間Sが密閉される。そのため、子供達が上記連結金具に触れて手足を傷付けるとか、衣服を引っ掛けて破ってしまう虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る山形状の遊戯具の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上実施の形態の平面図である。
【図3】同上実施の形態の正面図である。
【図4】同上実施の形態における組立て状態を示す斜視図である。
【図5】同上実施の形態において、直角に付き合わせた2本の水平杆と傾斜杆の下端の連結状態を示す一部縦断平面図である。
【図6】同上実施の形態において、直線状に付き合わせた2本に水平杆と2本の傾斜杆の下端の連結状態を示す平面図である。
【図7】同上実施の形態において、十字状に付き合わせた4本の水平杆と4本の傾斜杆の下端の連結状態を示す平面図である。
【図8】同上実施の形態において、下段の正四角錐躯体における4本の傾斜杆の上端の連結状態を示す平面図である。
【図9】同上実施の形態において、上段の正四角錐躯体における4本の傾斜杆の上端の連結状態を示す平面図である。
【図10】同上実施の形態における第一連結金具の正面図である。
【図11】同上平面図である。
【図12】図10におけるX−X線の縦断面図である。
【図13】同上実施の形態における第二連結金具の正面図である。
【図14】同上平面図である。
【図15】図13におけるY−Y線の縦断面図である。
【図16】別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【図17】更に別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【図18】更に別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
A 遊戯具
A1 下段の正四角錐躯体
A2 上段の正四角錐躯体
B 第一連結金具
C 第二連結金具
1 水平杆
2 傾斜杆
3 挿入孔
4 台 枠
4a ユニット枠
5 上 枠
6 第一連結金具の正三角片
7 第一連結金具の固定翼片
8 ネジ孔
9 ボルトの挿入孔
10 第二連結金具の正三角片
11 第二連結金具の固定翼片
12 ネジ孔
13 ボルトの挿入孔
14 連結片
15 第一連結金具のプラスチックカバー
16 ネ ジ
17 第二連結金具のプラスチックカバー
18 ネット
19 ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼稚園、小学校の運動場等に設置し、幼児や学童が登り降りして遊ぶ山形状の遊戯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実公平5−42848号公報には、棒状体の先端を、内部空間と開口部を有する球形状の連結具を用いて小三角錐を形成し、更に上記連結具を用いて複数の小三角錐を連接することにより、三角錐形状に構成した遊戯具が開示されている。
【0003】
上記三角錐形状の遊戯具は、地面から頂点に及ぶ三角形状の側面が70.5度と急斜面のため、幼児や低学年の学童が登るには危険性が高く、また地面に接する台枠が三角形状のため、その片面に大勢の子供が登るときは揺動し、子供に不安感を抱かせる虞がある。しかもこの場合の連結具は、球形体の外側面に棒状体の端面を当接させ、その端面に穿設したボルトの挿入孔に、球形体内から外側に貫通させたボルトの先端を指及び工具で回転させ螺合させることにより、各棒状体を連結するものであるから、組立てや保守作業が極めて困難である。しかも大勢の子供がよじ登り、棒状体に大きな振動や荷重が加わるときは、ボルトが変形したり締結に緩みを生ずる虞がある。
【特許文献1】実公平5−42848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、幼児や学童が安心して登り降りして遊ぶことができる堅固な山形状の遊戯具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る請求項1の山形状の遊戯具は、ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴としている。
【0006】
この請求項1の山形状の遊戯具は、水平杆を一辺とする正方形の複数のユニット枠により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠上に、水平杆と同一長さの4本の傾斜杆を用いて複数の下段の正四角錐躯体を形成する。形成された複数の正四角錐躯体上に、同様に同一長さの水平杆及び傾斜杆を用いて順次、数段の正四角錐躯体を形成するのである。
【0007】
前記台枠を構成する水平枠の個数及び配列により、正四角錐躯体の積層段数は異なり、高さ及び形状が違った山形状の遊戯具が形成される。上記水平杆及び傾斜杆は、同一長さのものを使用する。また水平杆と傾斜杆が木材の場合は、請求項2の発明に係る連結具を使用するのが最も好ましいが、両杆が金属パイプとか硬質プラスチックパイプの場合は、2方向とか3方向の管継手を使用することも可能である。
【0008】
請求項2の発明に係る山形状の遊戯具は、請求項1記載の山形状の遊戯具において、水平杆と傾斜杆の端部及び傾斜杆同士の端部に、第一連結金具における正三角形の2辺に曲成した固定翼片をボルト締めして上記の両杆を60度の角度で連結し、1本の水平杆と2本の傾斜杆の端部に、第二連結金具における正三角片の各辺に曲成した3枚の固定翼片をボルト締めして互いに60度の角度で連結したことを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の発明における第一連結金具は、正三角片の一辺を水平杆又は傾斜杆の軸心方向と一致させ、その辺に連設された固定翼片を水平杆又は傾斜杆杆の端部にボルトで固定し、正三角片の他辺を傾斜杆の軸心方向と一致させ、その辺に連設された固定翼片を傾斜杆の端部にボルトで固定すると、2本の杆が60度の角度で連結される。また第二連結金具は、正三角片の各辺を1本の水平杆と2本の傾斜杆との軸心方向に夫々直交させて、各固定翼片を夫々の杆の端部にボルトで固定すると、3本の杆は夫々60度の角度を保って連結される。
【0010】
このように、第一連結金具及び第二連結金具により、同一長さの多数本の水平杆と傾斜杆を連結して複数の正四角錐躯体を並設し、更にその上に1段又は数段の正四角錐躯体を形成すれば、堅固な山形状の遊戯具が構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る請求項1の山形状の遊戯具は、正四角錐形状のため地面からの側面の傾斜角度は54.7度であり、正三角錐形状のものと比較して傾斜角度が緩やかで安定性が高く、揺動する虞がないので、幼児や低学年の子供も容易に、且つ安心して登り降りすることができる。しかも三角側面が四個所のため、一度に大勢の子供達が登り降りすることができる。また台枠を構成するユニット枠の個数及び配列により、正四角錐躯体の積層段数は変わり、高さ及び形状が違った山形状の遊戯具を構成することができる。
【0012】
請求項2の山形状の遊戯具は、請求項1記載の発明の効果に加え、第一連結金具と第二連結金具により、各水平杆及び傾斜杆を60度の角度で容易に且つ堅固に連結することができる。しかも第一、第二連結金具の各杆へのボルト締めは、固定翼片間の広い空間を利用して行うため、組立作業が容易であり、分解或いは保守も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図15に従って、本発明に係る発明の実施形態を詳述する。図1は山形状の遊戯具の斜視図、図2は同上平面図、図3は同上側面図である。図4は組立て状態を示す斜視図であり、図5〜図9は山形状の遊戯具における連結部分を示す拡大図である、図10は第一連結金具の正面図、図11は同上平面図、図12は図10に示すX−X断面図である。図13は第二連結金具の正面図、図14は同上平面図、図15は図13に示すY−Y断面図である。
【0014】
図中の符号1は木製の水平杆であり、2は木製の傾斜杆である。この水平杆1と傾斜杆2は同一長さであり、丸棒の上下に平坦面1a、2aを形成し、両端部にボルトの挿入孔3を穿設している。
【0015】
符号Aは正四角錐に構成された山形状の遊戯具である。この遊戯具Aは、先ず地表面に上記水平杆1を田の字形に配設しての4個のユニット枠より成る台枠4を形成し、その各ユニット枠4aと、各ユニット枠4aの四隅に下端を連結し、上端を結束状態で連結した4本の傾斜杆2とにより、下段の4個の正四角錐躯体A1を形成する。この4個の正四角錐躯体A1の上端に水平杆1を架設して上枠5を形成し、その上枠5の四隅に夫々傾斜杆2の下端を連結し、上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体A2を形成している。
【0016】
上記水平杆1及び傾斜杆2は、第一連結金具B及び第2連結金具Cにより連結される。この第一連結金具Bは、図10〜図12に示すように正三角片6と、その2辺より54.7度の角度で屈曲して形成した一対の固定翼片7とより成り、正三角片6の中央にはネジ孔8を、固定翼片7の中央にはボルトの挿入孔9を夫々穿設している。第二連結金具Cは、図13〜図15に示すように正三角片10と、その3辺より54.7度の角度で屈曲して形成した四角形の固定翼片11とより成り、正三角片10の中央にはネジ孔12を、固定翼片11の中央にはボルトの挿入孔13を夫々穿設している。また第2連結金具Cの固定翼片11同士は、正三角形の連結片14により連結されている。
【0017】
符号15は第一連結金具Bのプラスチックカバーであり、図1〜図3に示すように、その外壁面は連結された水平杆1と傾斜杆2及び傾斜杆2と傾斜杆2の端部に馴染み、且つ左右両固定翼片7間の空間Sを被覆する形状を成している。また中央にはネジ16の挿入孔を設けている。
【0018】
符号17は第二連結金具Cのプラスチックカバーであり、その外壁面は連結された1本のユニット杆1と2本のユニット杆2の端部に馴染み、且つ第二連結金具Cの3枚の固定翼片11及び連結片14間の空間Sを被覆する形状を成している。また中央にはネジ16の挿入孔を設けている。尚、符号18は適宜の正四角錐躯体A1に張設したネットである。
【0019】
上記実施形態の遊戯具は、図1、図4に示すように、地表面に水平杆1を桝目状に配置して、田の字型の台枠3を構成し、その外周の8本の水平杆1における平坦面1aの両端に、夫々第一連結金具Bの一方の固定翼片7を重ね、挿入孔3及び9を合致させてボルト19で固定する。この場合、正三角片5の一辺を水平杆1の軸心に平行させて固定する。
一方、台枠3の内側に十字型に配置された4本の水平杆1における平坦面1aの両端に、第二連結金具Cの1枚の固定翼片11をボルト19により固定する。この場合、正三角片9の一辺を水平杆1の軸心に直交させて固定する。
【0020】
次に、図5に示すように固定翼片6と固定翼片6との間、図6に示すように固定翼片7と固定翼片11との間、及び図7に示すように固定翼片11と固定翼片11との間に夫々傾斜杆2の下端を挿入し、この傾斜杆2の平坦面2aと各固定翼片7、11をボルト19で締結する。そして各傾斜杆2の上端を、図8に示すように結束状態に突き合わせ、外側位置の傾斜杆2と傾斜杆2の平坦面2aは第一連結金具Bを用い、内側位置の傾斜杆2と傾斜杆2の平坦面2aは第二連結金具Cを用いて、前記と同様にボルト締めすると、田の字型の台枠3上に4個の下段の正四角錐躯体A1が形成される。
【0021】
上記正四角錐躯体A1の上端内側に水平に突出している第二連結金具Cの固定翼片11上に、図8に鎖線で示すように水平杆1を架設し、この水平杆1の端部に重ねた第一連結金具Bの一方の固定翼片7を重ね、この固定翼片7と水平杆1と固定翼片11をボルト19で固定すると、上枠4が形成される。前記図5の場合と同様に上枠5の四隅に傾斜杆2を第一連結金具Bにより連結した後、図9に示すように、4本の傾斜杆2の上端を第一連結金具Bで連結すれば、上段の正四角錐躯体A2が形成され、図1〜図3に示す山形状の遊戯具が構成される。
【0022】
このように、上記実施形態における山形状の遊戯具は、水平杆1及び傾斜杆2の長さが同一であり、両端の定位置に穿設したボルト19の挿入孔3に、第一連結金具Bの固定翼片7に穿設した挿入孔9,及び第二連結金具Cの固定翼片11に穿設した挿入孔13を合致させてボルト締めすることにより、容易に組み立てることができる。また図16に示すように、台枠3におけるユニット枠3aの数を増やすときは、正四角錐躯体A1,A2,A3が形成され、大きさの異なる遊戯具が構成される。更に図17、図18に示すように、桝目状の台枠3の形状を変えることにより、変形した山形状の遊戯具が構成される。また図16〜図18に示すように、正四角錐躯体A1,A2の適宜箇所にネット18を張設することにより、子供達が一層楽しく遊ぶことができる。
【0023】
尚、第一連結金具B、第二連結金具Cにプラスチックカバー15,17を被せ、挿入孔に差込んだネジ16の先端を正三角片6,10のネジ孔8,12に螺合すれば、第一連結金具B、第二連結金具Cは被覆され、空間Sが密閉される。そのため、子供達が上記連結金具に触れて手足を傷付けるとか、衣服を引っ掛けて破ってしまう虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る山形状の遊戯具の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上実施の形態の平面図である。
【図3】同上実施の形態の正面図である。
【図4】同上実施の形態における組立て状態を示す斜視図である。
【図5】同上実施の形態において、直角に付き合わせた2本の水平杆と傾斜杆の下端の連結状態を示す一部縦断平面図である。
【図6】同上実施の形態において、直線状に付き合わせた2本に水平杆と2本の傾斜杆の下端の連結状態を示す平面図である。
【図7】同上実施の形態において、十字状に付き合わせた4本の水平杆と4本の傾斜杆の下端の連結状態を示す平面図である。
【図8】同上実施の形態において、下段の正四角錐躯体における4本の傾斜杆の上端の連結状態を示す平面図である。
【図9】同上実施の形態において、上段の正四角錐躯体における4本の傾斜杆の上端の連結状態を示す平面図である。
【図10】同上実施の形態における第一連結金具の正面図である。
【図11】同上平面図である。
【図12】図10におけるX−X線の縦断面図である。
【図13】同上実施の形態における第二連結金具の正面図である。
【図14】同上平面図である。
【図15】図13におけるY−Y線の縦断面図である。
【図16】別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【図17】更に別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【図18】更に別の実施の形態における山形状の遊戯具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
A 遊戯具
A1 下段の正四角錐躯体
A2 上段の正四角錐躯体
B 第一連結金具
C 第二連結金具
1 水平杆
2 傾斜杆
3 挿入孔
4 台 枠
4a ユニット枠
5 上 枠
6 第一連結金具の正三角片
7 第一連結金具の固定翼片
8 ネジ孔
9 ボルトの挿入孔
10 第二連結金具の正三角片
11 第二連結金具の固定翼片
12 ネジ孔
13 ボルトの挿入孔
14 連結片
15 第一連結金具のプラスチックカバー
16 ネ ジ
17 第二連結金具のプラスチックカバー
18 ネット
19 ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴とする山形状の遊戯具。
【請求項2】
請求項1記載の山形状の遊戯具において、水平杆と傾斜杆の端部及び傾斜杆同士の端部に、第一連結金具における正三角形の2辺に曲成した固定翼片をボルト締めして上記の両杆を60度の角度で連結し、1本の水平杆と2本の傾斜杆の端部に、第二連結金具における正三角片の各辺に曲成した3枚の固定翼片をボルト締めして互いに60度の角度で連結したことを特徴とする山形状の遊戯具。
【請求項1】
ユニット枠の一辺を成す多数の水平杆により桝目状の台枠を形成し、各ユニット枠の四隅に水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を夫々連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して、下端が連接された複数の下段の正四角錐躯体を形成し、該下段の各正四角錐躯体の上端に、上記水平杆と同一長さの水平杆を架設し連結して上枠を形成し、この上枠の四隅に上記水平杆と同一長さの4本の傾斜杆の下端を連結すると共に、その上端を結束した状態で連結して上段の正四角錐躯体を形成したことを特徴とする山形状の遊戯具。
【請求項2】
請求項1記載の山形状の遊戯具において、水平杆と傾斜杆の端部及び傾斜杆同士の端部に、第一連結金具における正三角形の2辺に曲成した固定翼片をボルト締めして上記の両杆を60度の角度で連結し、1本の水平杆と2本の傾斜杆の端部に、第二連結金具における正三角片の各辺に曲成した3枚の固定翼片をボルト締めして互いに60度の角度で連結したことを特徴とする山形状の遊戯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−110092(P2008−110092A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295215(P2006−295215)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000134800)株式会社ナナミ (16)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000134800)株式会社ナナミ (16)
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