説明

岩盤内へのモニタリング計器の設置方法

【課題】弱層部を有する岩盤に対してモニタリング計器を容易にかつモニタリングに影響が及ぶことのない状態で設置する。
【解決手段】岩盤に形成した孔3内に、各種センサーを長尺の支持管体2に装着した構成のモニタリング計器1を設置するに際し、孔を形成した後、孔内にケーシング管7を挿入し、ケーシング管内にモニタリング計器を挿入した後、ケーシング管を孔内より抜去してモニタリング計器を孔内に残置し、孔内の要所にグラウト材を充填し固化させる。支持管体の少なくとも先端部に膨張収縮可能なパッカー4aを備えておき、ケーシング管を抜去するに先立ってそのパッカーを膨張させてモニタリング計器を孔壁に対して保持せしめる。支持管体の要所にモニタリング計器をケーシング管内の中心部に保持するとともにケーシング管とモニタリング計器との相対移動を案内するスペーサー8を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下空洞周辺の岩盤の挙動を監視するために各種センサーを備えた長尺のモニタリング計器を岩盤内に設置するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
岩盤内に石油地下備蓄空洞やトンネルなどの大規模な地下空洞を施工するに際しては、掘削時や掘削後の空洞周辺岩盤の力学的な挙動や水理挙動をモニタリングする必要があり、そのため地下空洞周辺に間隙水圧計や加速度計、光ファイバによる歪センサー等の各種のセンサーを設置して、空洞の健全性や安全管理を行うことが考えられる。
【0003】
それらのセンサーを岩盤内に設置するためには、通常、所定位置にボーリング孔を削孔して孔内からその周辺の岩盤を検層し、所望位置にセンサーを配置した後にセメントミルク等のグラウト材を充填してセンサーを孔内に埋設し固定するという手法によることが通常であり、そのような手法により光ファイバセンサーを岩盤内に敷設するための方法が特許文献1により提案されている。
【特許文献1】特開2002−156215
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施工するべき地下空洞の周辺岩盤に破砕帯や粘土化帯などの弱層部が存在していて、センサーを設置するためのボーリングをそれらの弱層部を貫いて掘削する場合には、弱層部におけるジャーミングによりボーリングが困難であったり、あるいは削孔後に孔壁が崩壊してセンサーの設置が困難になる場合もある。
【0005】
そのような場合には、弱層部区間を削孔した直後にそこにセメントミルク等を充填して埋め戻すことによって孔壁を保護し、そのうえで埋め戻し部を改めて削孔するという手法がとられることが一般的であるが、そのような削孔作業は二度手間となって効率的ではないばかりでなく、センサーを設置した孔壁がセメント壁により保護されて自然状態と異なるものとなることから、検層時およびその後のモニタリングの結果に影響が及ぶことが想定され、好ましくない。
【0006】
なお、特許文献1には、孔壁が自立しない場合には鋼管などによるさや管を打ち込んでさや管の内部にセンサーを設置することも記載されているが、その場合も岩盤に対するモニタリングがさや管を介しての間接的なものとなるので、孔壁をセメント壁により保護する場合と事情は同じである。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は弱層部を有する岩盤に対してモニタリング計器を容易に設置でき、かつモニタリングに影響が及ぶことのない状態でモニタリング計器を合理的に設置し得る有効適切な設置方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のモニタリング計器の設置方法は、岩盤に形成した孔内に、該岩盤の挙動を監視するための各種センサーを長尺の支持管体に装着した構成のモニタリング計器を設置するに際して、前記孔にケーシング管を挿入し、該ケーシング管内にモニタリング計器を挿入した後、前記ケーシング管を孔内より抜去してモニタリング計器を孔内に残置し、前記孔内の要所にグラウト材を充填し固化させることによって前記支持管体を孔内に固定することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、モニタリング計器における支持管体の少なくとも先端部に膨張収縮可能なパッカーを備えておき、該パッカーを収縮させた状態で前記モニタリング計器をケーシング管内に挿入して前記パッカーをケーシング管の先端よりさらに前方の孔内先端部に位置せしめ、該パッカーをその位置で膨張させて孔壁に押圧せしめることによってモニタリング計器を孔壁に対して保持せしめ、しかる後に前記ケーシングを抜去することが好適である。
【0010】
また、本発明においては、モニタリング計器における支持管体の要所にスペーサーを取り付けておいて、該スペーサーにより前記モニタリング計器をケーシング管内の中心部に保持するとともに、ケーシング管内へのモニタリング計器の挿入時と該ケーシング管の抜去時におけるケーシング管とモニタリング計器との相対移動を前記スペーサーにより案内することが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、孔の形成後にケーシング管を挿入し、あるいはケーシング管を挿入しながら孔を形成することにより、孔壁が自立し得ない場合であっても孔壁の崩壊を有効に防止することができる。また、ケーシング管へのモニタリング計器の挿入を容易に行い得ることはもとより、最終的にはケーシング管を抜去することにより、従来のようにケーシング管を残置したりあるいは孔壁をセメント壁による保護する場合のようにモニタリングが間接的になることもなく、測定結果への影響を回避することができる。
【0012】
特に、ケーシング管を抜去するに際して、予めモニタリング計器の先端部をパッカーにより孔壁に対して保持することにより、ケーシングの抜去に伴ってモニタリング計器が位置ずれを生じることもなく、したがって信頼性の高い計測を行うことが可能である。
【0013】
また、モニタリング計器にスペーサーを設けることによりモニタリング計器を常にケーシング管内の中心部に保持でき、したがってケーシング管へのモニタリング計器の挿入の際やケーシング管を抜去する際にもそれらが接触してモニタリング計器が損傷を受けるようなことを未然に防止できるし、モニタリング計器の挿入やケーシング管の抜去をスムーズに行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜図6を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず、本実施形態の設置方法により岩盤内に設置するべきモニタリング計器の概略構成について図1を参照して説明する。
このモニタリング計器1は、長尺の支持管体2の要所に複数のセンサーを装着したもので、岩盤内に形成された孔3内にその全体が設置されて孔3の周囲の岩盤の挙動をモニタリングするためのものである。
【0015】
本実施形態におけるモニタリング計器1は、図示例のように、先端部に水圧計測部1Aが設定され、その基部側(孔口側)に隣接して加速度計測部1Bが設定され、さらに支持管体2の全長にわたって歪センサーとしての光ファイバセンサー1Cが取り付けられたものとされている。
すなわち、支持管体2としては長尺の塩ビ管が採用され、この支持管体2の先端部は有孔管とされてその前後の位置には水圧計測区間を区画設定するためのパッカー4が装着されており、それらパッカー4間の支持管体2内には間隙水圧センサーが収納されていて、これらパッカー4間が水圧計測部1Aとされている。
水圧計測部1Aの基部側に隣接している支持管体2内には高感度加速度計が収納されていてそこが加速度計測部1Bとされ、その前後にもパッカー4が装着されて加速度計測区間が設定され、これらパッカー4間には図1(c)に示すようにセメントモルタル等のグラウト材5が充填され、そのグラウト材5が固化することによってグラウト材5を介して加速度計測部1B全体が周囲岩盤に対して一体に固定されるようになっている。
【0016】
なお、上記のパッカー4としては弾性的に膨張収縮可能な袋体としての周知のゴムパッカーが好適に採用可能である。
また、図示例のモニタリング計器1では、水圧計測部の基端側に設置されて水圧計測区間を設定しているパッカー4と、加速度計測部1Bの前部側に設置されて加速度計測区間を設定しているパッカー4とは両者を兼用する共通のものとされている。つまり、支持管体2の先端部に間隔をおいて3つのパッカー4が装着され、それらのパッカー4間に水圧計測部1Aと加速度計測部1Bとが隣接して設定されたものとなっている。
【0017】
さらに、支持管体2の全長にわたってその周面には歪センサーとしての4本の光ファイバセンサー1Cが等間隔で装着されている。光ファイバセンサー1Cは、図1(b),(c)に示すように支持管体2の中心軸線を挟んで対向配置された2本ずつが対となって、互いに直交する2方向(たとえば空洞の軸方向と断面方向)の歪を計測するためのものであり、このモニタリング計器1を設置するに際してはそれら光ファイバセンサー1Cの位置を計測するべき方向に対して厳密に合致させた状態で配置されるものである。
【0018】
上記のモニタリング計器1を岩盤内に設置するに際して、岩盤に弱層部としての破砕帯や粘土化帯が存在している場合には、上述したようにこのモニタリング計器1を設置するべき孔3を容易に形成できなかったり、あるいは孔壁が崩壊してその内部へのモニタリング計器1の設置となる場合があることから、本実施形態では図2〜図6に示す手順によりモニタリング計器1を設置する。
【0019】
まず、図2に示すように岩盤内に弱層部6を貫くボーリングを実施して孔3を形成し、その内部にケーシング管7を挿入する。
孔3の形成に際して孔壁が支障なく自立する場合には、通常のボーリングを実施した後、孔3周辺の岩盤に対する検層を行い、検層後に孔3内にケーシング管7を挿入すれば良い。孔壁が安定に自立し得ないような場合には、ケーシング管7を打ち込みつつその内部を削孔して孔3の形成とケーシング管7の挿入を同時に行い、周囲岩盤に対する検層はケーシング管7を短時間だけ引き抜いて孔壁を露出させた状態で行うと良い。
いずれにしても、図示しているように孔3はその先端が弱層部6を超えてその前方位置にまで達するように形成するとともに、ケーシング管7はその先端が弱層部6を超える位置まで挿入するに留めて、孔3の先端部にはケーシング管7の先端部との間に若干の余長部3aを確保しておく。
【0020】
次に、図3に示すように上記のモニタリング計器1をケーシング管7内に挿入する。その際、各パッカー4は収縮させておくとともに、支持管体2の要所にはスペーサー8を所定間隔で取り付けておくと良い。
スペーサー8はモニタリング計器1をケーシング管7内の中心部に常に保持しつつその挿入を案内するためのもので、たとえば図3(c)に示すように支持管体2の周囲に放射状に突出してその先端がケーシング管7の内面に当接する構成のもの、あるいは支持管体2の外周にフランジのように一体に形成した環状のものが好適に採用可能である。そのようなスペーサー8を所定間隔で装着することにより、モニタリング計器1を挿入する際にパッカー4や支持管体2がケーシング管7の内面に接触して損傷を受けることを未然に防止でき、かつモニタリング計器1の全体をスムーズに挿入することが可能である。
【0021】
図4に示すように、モニタリング計器1をその先端部がケーシング管7の先端よりもさらに前方に位置するまで挿入し、少なくともモニタリング計器1の先端部に装着されているパッカー4(4a)を孔3の先端部に確保されている余長部3aに配置する。そして、ケーシング管7内におけるモニタリング計器1の位置を調整し、特に光ファイバセンサー1Cの位置をそれらの測定方向に対して厳密に合致するようにモニタリング計器1の向きを調整し、しかる後に余長部3aに配置しているパッカー4aを膨張させて孔壁に押圧せしめることにより、そのパッカー4aによってモニタリング計器1全体を孔壁に対して強固に保持し、これによりケーシング管7の抜去時におけるモニタリング計器1の位置ずれを防止する。つまり、そのパッカー4aをモニタリング計器1の位置ずれを防止するための保持手段として利用する。
【0022】
上記のようにモニタリング計器1全体をパッカー4aにより孔壁に対して保持した状態で、ケーシング管7を徐々に抜去していき、図5に示すようにケーシング管7の先端が次のパッカー4の位置を超えたらそのパッカー4も膨張させることにより、支持管体2の中間部もパッカー4によって孔壁に対して保持していく。
このように、各パッカー4によりモニタリング計器1を保持しながらケーシング管7を抜去することにより、ケーシング管7の抜去に伴ってモニタリング計器1の位置がずれてしまうことがないし、ケーシング管7を回転させながら抜去してもそれに追随してモニタリング計器1が回転してしまうようなこともないから、モニタリング計器1の向きが不用意にずれてしまうことがない。
なお、ケーシング管7の抜去の際にもモニタリング計器1はスペーサー8によってケーシング管7内の中心位置に常に保持されてそれらの接触は防止されるし、モニタリング計器1に対するケーシング管7の相対移動はスペーサー8によって案内されてスムーズに抜去することが可能である。
【0023】
図6に示すようにケーシング管7の全体を抜去し、全てのパッカー4を膨張させた後、加速度計測部1Bやその他の必要箇所にグラウト材5を充填し、それが固化すればモニタリング計器1は孔壁に対して安定かつ強固に固定され、以上によりモニタリング計器1の設置作業が完了する。
なお、モニタリング計器1における計測用ケーブルは孔口の位置まで配線するに留めておき、ケーシング管7を抜去した後にそのケーブルを延長してデータ収録装置に接続すれば良い。
また、上記のようにモニタリング計器1の中間部に設置したパッカー4をケーシング管7の抜去に伴ってそれが通過した時点で順次膨張させていくことにより、それらのパッカー4もモニタリング計器1の保持手段として利用することが好ましいが、モニタリング計器1の先端部のパッカー4aのみでモニタリング計器1全体を安定に保持可能な場合には他のパッカー4までも保持手段として利用することはなく、その場合にはそれらパッカー4はケーシング管7を完全に抜去してから適宜の時点で改めて膨張させれば良い。
【0024】
以上の方法によれば、孔3の形成後にケーシング管7を挿入し、あるいはケーシング管7を挿入しながら孔3を形成するので、孔壁が自立し得ない場合であっても孔壁の崩壊を有効に防止でき、孔3を支障なく容易に形成することができる。
そして、ケーシング管7へのモニタリング計器1の挿入は自ずと容易に行い得ることはもとより、最終的にはケーシング管7を抜去してしまうので、従来のようにケーシング管7をそのまま残置したり、あるいは孔壁をセメント壁によって保護する場合のようにモニタリングが間接的になることもなく、測定結果への影響を回避することができる。
【0025】
特に、ケーシング管7を抜去する際にはモニタリング計器1の少なくとも先端部をパッカー4により孔壁に対して保持するので、ケーシング管7の抜去に伴ってモニタリング計器1が位置ずれを生じることもなく、したがって信頼性の高い計測を行うことが可能であり、特に光ファイバセンサー1Cによる所望方向の歪み測定を高精度で行うことが可能である。
【0026】
また、モニタリング計器1にスペーサー8を設けることにより、そのスペーサー8によってモニタリング計器1は常にケーシング管7内の中心部に保持され、したがってケーシング管7へのモニタリング計器1の挿入の際やケーシング管7を抜去する際にもそれらが接触してモニタリング計器1が損傷を受けるようなことを未然に防止できるし、モニタリング計器1の挿入やケーシング管7の抜去をスペーサー8により案内してスムーズに行うことが可能である。
【0027】
なお、上記実施形態ではモニタリング計器1を間隙水圧と加速度と歪とを計測するものとしてそのためのセンサー類を備えたものを例示したが、モニタリング計器1の構成はモニタリングするべき対象項目に応じて適宜設定すれば良いし、それに応じてモニタリング計器1の全長や支持管体2の径寸法、パッカー4の装着位置、モニタリング計器1を設置するべき孔3の孔径やケーシング管7の口径、その他の諸元は任意に設定すれば良い。いずれにしてもこの種のモニタリング計器1は鉛直方向や水平方向はもとより任意の斜め方向に設置可能であることは言うまでもない。
【0028】
また、上記実施形態ではモニタリング計器1の先端部を水圧計測部1Aとしている関係上、支持管体2の先端部に水圧計測部1Aを設定するためのパッカー4(4a)が自ずと装着されるので、そのパッカー4aをケーシング管7の抜去の際のモニタリング計器1の保持手段として利用したが、モニタリング計器1の構成によっては支持管体2の先端部にパッカー4を必要としない場合もあるので、その場合にはモニタリング計器1を保持するための専用のパッカー4をそこに装着すれば良い。
勿論、モニタリング計器1を保持するためのパッカー4は支持管体2の先端部に設置するのみならず、必要であれば支持管体2の中間部にも所定間隔で設ければ良い。
【0029】
また、上記実施形態のように支持管体2にスペーサー8を設けることが好ましいが、そのスペーサー8の構成や設置間隔は任意であることは言うに及ばず、ケーシング管7内へのモニタリング計器1の挿入時やケーシング管7の抜去時にそれらが接触して損傷するような懸念がなければ、またモニタリング計器1の挿入やケーシング管7の抜去を支障なくスムーズに行い得る場合には、スペーサー8は必ずしも設けることはなく省略することも可能である。
【0030】
さらになお、上記実施形態ではモニタリング計器1が厳密な位置決めを必要とする光ファイバセンサー1Cを備えている関係上、ケーシング管7の抜去時におけるモニタリング計器1の位置ずれを確実に防止するためにパッカー4を膨張させてそれによりモニタリング計器1を保持するようにしたのであり、そのようにすることが好ましく現実的であるが、本発明は必ずしもそうすることに限るものでもなく、モニタリング計器1に厳密な位置決め精度が要求されないような場合、あるいはケーシング管7の抜去の際にパッカー4による保持を敢えてせずともさしたる位置ずれが生じないことが期待できるような場合には、パッカー4による保持を省略してケーシング管7を単にそのまま抜去することも不可能ではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の設置方法により設置するモニタリング計器の一構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態である設置方法の工程を示すもので、岩盤に形成した孔内にケーシング管を挿入した状態を示す図である。
【図3】同、ケーシング管内にモニタリング計器を挿入しつつある状態を示す図である。
【図4】同、ケーシング管内にモニタリング計器を挿入してパッカーにより保持したた状態を示す図である。
【図5】同、ケーシング管を抜去しつつある状態を示す図である。
【図6】同、設置完了状態を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 モニタリング計器
1A 水圧計測部
1B 加速度計測部
1C 光ファイバセンサー(歪センサー)
2 支持管体
3 孔
3a 余長部
4,4a パッカー
5 グラウト材
6 弱層部
7 ケーシング管
8 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩盤に形成した孔内に、該岩盤の挙動を監視するための各種センサーを長尺の支持管体に装着した構成のモニタリング計器を設置するに際して、前記孔にケーシング管を挿入し、該ケーシング管内にモニタリング計器を挿入した後、前記ケーシング管を孔内より抜去してモニタリング計器を孔内に残置し、前記孔内の要所にグラウト材を充填し固化させることによって前記支持管体を孔内に固定することを特徴とする岩盤内へのモニタリング計器の設置方法。
【請求項2】
請求項1記載の岩盤内へのモニタリング計器の設置方法であって、
モニタリング計器における支持管体の少なくとも先端部に膨張収縮可能なパッカーを備えておき、該パッカーを収縮させた状態で前記モニタリング計器をケーシング管内に挿入して前記パッカーをケーシング管の先端よりさらに前方の孔内先端部に位置せしめ、該パッカーをその位置で膨張させて孔壁に押圧せしめることによってモニタリング計器を孔壁に対して保持せしめ、しかる後に前記ケーシングを抜去することを特徴とする岩盤内へのモニタリング計器の設置方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の岩盤内へのモニタリング計器の設置方法であって、
モニタリング計器における支持管体の要所にスペーサーを取り付けておいて、該スペーサーにより前記モニタリング計器をケーシング管内の中心部に保持するとともに、ケーシング管内へのモニタリング計器の挿入時と該ケーシング管の抜去時におけるケーシング管とモニタリング計器との相対移動を前記スペーサーにより案内することを特徴とする岩盤内へのモニタリング計器の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−109394(P2009−109394A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283235(P2007−283235)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】