説明

島交流式玉移送装置

【目的】 2種類のパチンコ玉を混在させることなく個々に循環使用するシステムを低コストで実現できる島交流式玉移送装置を提供する。
【解決手段】 第一のブロックを構成する主パチンコ島台A2と、第二のブロックを構成する主パチンコ島台A3との間に配置されるベースタンクBの玉貯留空間33内に仕切板34を設けることで、当該玉貯留空間33を、第一のブロックで使用される銀玉を貯留する銀玉貯留空間33bと、第二のブロックで使用される金玉を貯留する金玉貯留空間33aとに分割する。これにより、既存の島交流式玉移送装置に対して大掛かりな改造を施すことなく、既存のベースタンクBに仕切板34を設けるという簡単な改造を施すだけで、2種類のパチンコ玉(金玉と銀玉)を混在させることなく個々に循環使用する島交流式玉移送装置を低コストで実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多量のパチンコ玉を貯留するベースタンクとの間でパチンコ玉のやり取りを行う主パチンコ島台と、該主パチンコ島台との間でパチンコ玉のやり取りを行う従パチンコ島台と、から構成される島台ブロックを、前記ベースタンクを挟んで複数配置し、その複数の島台ブロックの各島台ブロックにおける前記ベースタンクと主パチンコ島台と従パチンコ島台との間で相互にパチンコ玉のやり取りを行う島交流式玉移送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のパチンコ島台を1つの島台ブロックとして各上部タンク間に交流樋を差し渡すことで、各パチンコ島台間でパチンコ玉のやり取りを行うようにした島交流方式という玉移送装置が知られている。このような島交流式玉移送装置においては、本出願人が先に提案した特許文献1に開示されるように、多量のパチンコ玉を貯留するベースタンクを設けると共に、ベースタンクに隣接して該ベースタンクとの間でパチンコ玉のやり取りを行う主パチンコ島台と、該主パチンコ島台との間でパチンコ玉のやり取りを行う従パチンコ島台と、から島台ブロックを構成するものがある。この構成では、主パチンコ島台又は従パチンコ島台でパチンコ玉が不足気味の場合は、ベースタンク内のパチンコ玉を主パチンコ島台乃至従パチンコ島台に供給する一方、主パチンコ島台又は従パチンコ島台でパチンコ玉が溢れ気味の場合は、主パチンコ島台又は従パチンコ島台で溢れたパチンコ玉をベースタンクに返却することで、主パチンコ島台及び従パチンコ島台に貯留されるパチンコ玉の玉量を常に過不足のない状態に維持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−42235号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年においては、遊技者側のニーズに応じて、貸玉料金が4円/個となる通常遊技での営業形態に加え、貸玉料金が1円/個となる遊技(俗に、「イチパチ遊技」と称されている。)での営業形態をとる遊技場が徐々に増えつつある。通常遊技及びイチパチ遊技の2種類の営業形態をとる遊技場では、各営業形態毎で異なるパチンコ玉の価値が一目で区別できるように、パチンコ玉の色を異ならせるような対策をとっている。具体的には、貸玉料金が4円/個となる通常遊技用のパチンコ島台では、金色のパチンコ玉(以下、これを「金玉」ともいう)を使用する一方、貸玉料金が1円/個となるイチパチ遊技用のパチンコ島台では、銀色のパチンコ玉(以下、これを「銀玉」ともいう)を使用する。なお、2種類の異なるパチンコ玉を使用する場合、島台単位で1種類のパチンコ玉を循環使用する構成から、1つのパチンコ島台に設置される複数のパチンコ機は、必然的に営業形態が通常遊技又はイチパチ遊技のいずれか一方に統一される。
【0005】
ところで、上記した2種類の異なるパチンコ玉を使用することを前提として島交流式玉移送装置を採用しようとすると、2種類の異なるパチンコ玉(金玉と銀玉)が混在しないようにする必要があり、従来の島交流式玉移送装置をそのまま用いることはできない。例えば、図9(A)に示す従来の島交流式玉移送装置では、複数列設されたパチンコ島台C1〜C7のうち、パチンコ島台C2,C3間とパチンコ島台C6,C7間とにそれぞれベースタンクT1,T2を配置することで、パチンコ島台C2,C3,C6,C7をそれぞれベースタンクT1,T2に隣接された主パチンコ島台とする一方、ベースタンクT1,T2に隣接されないパチンコ島台C1,C4,C5をそれぞれ従パチンコ島台とする。そして、主パチンコ島台C2と従パチンコ島台C1とで一つの島台ブロックを構成し、同様に、主パチンコ島台C3と従パチンコ島台C4とで、主パチンコ島台C6と従パチンコ島台C5とで、それぞれ一つの島台ブロックを構成していると共に、ベースタンクT1と一つの島台ブロックC2,C1との間、ベースタンクT1と他の一つの島台ブロックC3,C4との間、ベースタンクT2とさらに他の一つの島台ブロックC6,C5との間、隣り合う島台ブロックC3,C4と島台ブロックC6,C5のうちの従パチンコ島台C4とC5との間、にそれぞれパチンコ玉搬送用の樋を設けることで、パチンコ玉を各パチンコ島台C1〜C7間で移送循環使用する。このように従来の島交流式玉移送装置では、すべてのパチンコ島台C1〜C7でパチンコ玉が移送循環使用されているが、これは同質のパチンコ玉を使用しているから採用できる構成である。
【0006】
図9(A)に示す構成において、パチンコ島台C1,C2をイチパチ遊技用のパチンコ島台、言い換えれば銀玉を使用するパチンコ島台とする一方、パチンコ島台C3〜C7を通常遊技用のパチンコ島台、言い換えれば金玉を使用するパチンコ島台として上記した従来の島交流式玉移送装置をそのまま採用すると、一つの島台ブロックを構成するパチンコ島台C1,C2で使用される銀玉がベースタンクT1に返却される場合と、他の一つの島台ブロックを構成するパチンコ島台C3,C4で使用される金玉がベースタンクT1に返却される場合とが生じてしまい、ベースタンクT1内に金玉と銀玉とが混在してしまう。また、ベースタンクT2についても、ベースタンクT1内に混在した銀玉がパチンコ島台C3側に供給されてしまい、その後、パチンコ島台C4〜C6を介してベースタンクT2内に返却されることで、金玉と銀玉とが混在してしまう。
【0007】
そこで、図9(B)に示すように、イチパチ遊技用(銀玉コーナー)の主パチンコ島台となるパチンコ島台C2と、通常遊技用(金玉コーナー)の主パチンコ島台となるパチンコ島台C3との間に、金玉貯留専用のベースタンクKと銀玉貯留専用のベースタンクGとを個別に設け、パチンコ島台C6,C7間に設けられたベースタンクT2を金玉貯留専用に用いることで、各ベースタンクK,G,T2内での金玉と銀玉との混在を回避することができる。この場合、パチンコ島台C1,C2で使用される銀玉は、必ず銀玉貯留専用のベースタンクGに返却され、銀玉貯留専用のベースタンクGからは、銀玉コーナーの主パチンコ島台C2にのみ供給されるようにする一方、パチンコ島台C3,C4で使用される金玉は、必ず金玉貯留専用のベースタンクKに返却され、金玉貯留専用のベースタンクKからは、金玉コーナーの主パチンコ島台C3にのみ供給されるようにする。
【0008】
しかしながら、上記したような図9(B)に示す構成では、図9(A)に示す従来(既存)の島交流式玉移送装置に対して大掛かりな改造を施す必要があり、莫大な改造費用が掛かってしまうという問題が生じる。具体的な改造内容としては、ベースタンクT1に換えて新たな玉搬送経路を有する2台のベースタンクK,Gを設置する必要がある。既存のベースタンクT1は、隣接する主パチンコ島台C2,C3にそれぞれパチンコ玉を供給するため、各パチンコ島台C2,C3に向けてパチンコ玉を搬送する樋部が底面部分に設けられているが、新たに設置するベースタンクK,Gの底面には、隣接する主パチンコ島台C2,C3の一方にのみパチンコ玉を搬送する樋部を設ける必要があり、ベースタンク自体の設計を大幅に変更しなければならない。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、2種類のパチンコ玉を混在させることなく個々に循環使用するシステムを低コストで実現できる島交流式玉移送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、多量のパチンコ玉を貯留するベースタンクとの間でパチンコ玉のやり取りを行う主パチンコ島台と、該主パチンコ島台との間でパチンコ玉のやり取りを行う従パチンコ島台と、から構成される島台ブロックを、前記ベースタンクを挟んで複数配置し、その複数の島台ブロックの各島台ブロックにおける前記ベースタンクと主パチンコ島台と従パチンコ島台との間で相互にパチンコ玉のやり取りを行う島交流式玉移送装置において、前記ベースタンクは、前記複数の島台ブロックのうち第一の島台ブロックを構成する第一の主パチンコ島台と、第二の島台ブロックを構成する第二の主パチンコ島台との間に配置されると共に、当該ベースタンクの玉貯留空間内には、該玉貯留空間を、前記第一の島台ブロックで使用される第一のパチンコ玉を貯留する第一の玉貯留空間と、前記第二の島台ブロックで使用される第二のパチンコ玉を貯留する第二の玉貯留空間と、に分割する仕切板が設けられ、前記第一の主パチンコ島台は、前記第一の玉貯留空間から第一の流入樋を介して前記第一のパチンコ玉を受け入れる第一の下部タンクと、該第一の下部タンクから自島内の第一の玉揚送装置で揚送された第一のパチンコ玉を貯留する第一の上部タンクと、該第一の上部タンクに貯留された第一のパチンコ玉を自島内に設置されるパチンコ機に補給する第一の補給樋と、前記第一の上部タンクに貯留された第一のパチンコ玉を前記第一の島台ブロックを構成する第一の従パチンコ島台に供給する第一の供給樋と、前記第一の上部タンクで溢れた第一のパチンコ玉を前記ベースタンクの前記第一の玉貯留空間に返却する第一の返却樋と、を備え、前記第二の主パチンコ島台は、前記第二の玉貯留空間から第二の流入樋を介して前記第二のパチンコ玉を受け入れる第二の下部タンクと、該第二の下部タンクから自島内の第二の玉揚送装置で揚送された第二のパチンコ玉を貯留する第二の上部タンクと、該第二の上部タンクに貯留された第二のパチンコ玉を自島内に設置されるパチンコ機に補給する第二の補給樋と、前記第二の上部タンクに貯留された第二のパチンコ玉を前記第二の島台ブロックを構成する第二の従パチンコ島台に供給する第二の供給樋と、前記第二の上部タンクで溢れた第二のパチンコ玉を前記ベースタンクの前記第二の玉貯留空間に返却する第二の返却樋と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明においては、前記ベースタンクの前記第一の玉貯留空間内には、前記第一のパチンコ玉が所定の貯留量以上に貯留された場合、当該所定の貯留量を上回る分の貯留量の前記第一のパチンコ玉による圧力を受け止めて該圧力が前記仕切板にかからないようにする第一の圧抜板が設けられる一方、前記ベースタンクの前記第二の玉貯留空間内には、前記第二のパチンコ玉が前記所定の貯留量以上に貯留された場合、当該所定の貯留量を上回る分の貯留量の前記第二のパチンコ玉による圧力を受け止めて該圧力が前記仕切板にかからないようにする第二の圧抜板が設けられていることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項3の発明においては、前記ベースタンクは、前記玉貯留空間が直方体状に形成されると共に、該玉貯留空間の底面が当該ベースタンクの長手方向の両端からそれぞれ中央に向って下り傾斜して形成され、その中央傾斜底面には、前記第一の流入樋と連通する第一の樋部と前記第二の流入樋と連通する第二の樋部とが凹状に形成され、前記仕切板は、前記ベースタンクの長手方向のほぼ中央に当該ベースタンクの長手方向と直交するように配置されることで、前記直方体状の玉貯留空間と前記第一の樋部と前記第二の樋部とを、前記第一の樋部が連通する前記第一の玉貯留空間と、前記第二の樋部が連通する前記第二の玉貯留空間とに左右2分割することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明においては、第一の島台ブロックを構成する第一の主パチンコ島台と、第二の島台ブロックを構成する第二の主パチンコ島台との間に配置されるベースタンクの玉貯留空間内に仕切板を設けることで、当該玉貯留空間を、第一の島台ブロックで使用される第一のパチンコ玉を貯留する第一の玉貯留空間と、第二の島台ブロックで使用される第二のパチンコ玉を貯留する第二の玉貯留空間とに分割する。そして、第一の玉貯留空間に貯留された第一のパチンコ玉は、第一の流入樋を介して第一の主パチンコ島台の第一の下部タンクに供給されると共に、該第一の下部タンクから第一の供給樋を介して第一の島台ブロックを構成する第一の従パチンコ島台に供給される。その後、第一の主パチンコ島台又は第一の従パチンコ島台で溢れた第一のパチンコ玉は、第一の上部タンクから第一の返却樋を介してベースタンクの第一の玉貯留空間に返却される。同様に、第二の玉貯留空間に貯留された第二のパチンコ玉は、第二の流入樋を介して第二の主パチンコ島台の第二の下部タンクに供給されると共に、該第二の下部タンクから第二の供給樋を介して第二の島台ブロックを構成する第二の従パチンコ島台に供給される。その後、第二の主パチンコ島台又は第二の従パチンコ島台で溢れた第二のパチンコ玉は、第二の上部タンクから第二の返却樋を介してベースタンクの第二の玉貯留空間に返却される。これにより、既存の島交流式玉移送装置に対して大掛かりな改造を施すことなく、既存のベースタンクに仕切板を設けるという簡単な改造を施すだけで、2種類のパチンコ玉を混在させることなく個々に循環使用する島交流式玉移送装置を低コストで実現できる。
【0014】
また、請求項2の発明においては、ベースタンクの第一及び第二の玉貯留空間内にそれぞれ第一及び第二の圧抜板を設け、各玉貯留空間に所定の貯留量以上のパチンコ玉が貯留された場合、該所定の貯留量を上回る分の貯留量のパチンコ玉の圧力が仕切板にかからないようにする。これにより、第一及び第二の玉貯留空間内にそれぞれ所定の貯留量以上のパチンコ玉が貯留されるような場合でも、第一の玉貯留空間に貯留された第一のパチンコ玉が仕切板を押圧する圧力と、第二の玉貯留空間に貯留された第二のパチンコ玉が仕切板を押圧する圧力とをほぼ同等(所定の貯留量のパチンコ玉の圧力)にして、第一及び第二の玉貯留空間の間で殆ど圧力差が生じないようにすることができる。また、パチンコ玉の圧力が仕切板にかかっても当該仕切板が破損することのない程度の量に所定の貯留量を設定している。従って、第一及び第二の玉貯留空間内に貯留されるパチンコ玉の圧力によって仕切板が破損することを回避することができる。
【0015】
更に、請求項3の発明においては、長手方向の両端からそれぞれ中央に向って下り傾斜する底面を有して直方体状の玉貯留空間が形成されたベースタンクに対して、ベースタンクの長手方向のほぼ中央に当該ベースタンクの長手方向と直交するように仕切板を取り付ける。そして、ベースタンクの中央傾斜底面に凹状に形成された第一及び第二の樋部が個々に連通する第一の玉貯留空間と第二の玉貯留空間とに左右2分割する。これにより、第一及び第二の玉貯留空間を長細い空間とすることなく2分割できるので、第一の玉貯留空間内での第一のパチンコ玉の玉流れ、及び第二の玉貯留空間内での第二のパチンコ玉の玉流れに支障を来たすことなくスムーズにパチンコ玉を循環使用することができる。なお、長細い玉貯留空間とした場合では、玉貯留空間内のパチンコ玉を中央の第一及び第二の樋部に転動する傾斜底面の幅寸法が、パチンコ玉を転動する上で最適に設計された値よりも大幅に縮小されることになり、傾斜底面上でのパチンコ玉の玉流れに支障を来たす虞がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】同図(A)は複数のパチンコ島台とそれに関連して設けられるベースタンク及び交流樋との関係を示す側面から見た全体概略図であり、同図(B)は複数のパチンコ島台とそれに関連して設けられるベースタンク及び交流樋との関係を示す上面から見た全体概略図である。
【図2】パチンコ島台の内部構造を示す正面図である。
【図3】ベースタンクと該ベースタンクに隣接して設けられるパチンコ島台に設けられる上部タンク及び下部タンクを示す斜視図である。
【図4】ベースタンクと該ベースタンク内に取り付けられる仕切板とを示す分解斜視図である。
【図5】仕切板が取り付けられたベースタンクを示す斜視図である。
【図6】仕切板及び圧抜板が取り付けられたベースタンクを示す斜視図である。
【図7】同図(A)はベースタンクと該ベースタンクに隣接するパチンコ島台との関係を示す側面から見た概略図であり、同図(B)は同図(A)のA視平面図であり、同図(C)は同図(A)のB視平面図であり、同図(D)は同図(B)のC方向からベースタンクを見た説明図であり、同図(E)は同図(B)のD方向からベースタンクを見た説明図である。
【図8】同図(A)〜(D)はそれぞれ圧抜板を取り付けないベースタンク内でのパチンコ玉の貯留状態を示す説明図であり、同図(E)〜(H)はそれぞれ圧抜板を取り付けたベースタンク内でのパチンコ玉の貯留状態を示す説明図である。
【図9】同図(A)は従来の島交流式玉移送装置を示す全体概略図であり、同図(B)は2種類のパチンコ玉を個々に循環使用するシステムに変更した従来の島交流式玉移送装置を示す全体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、図1乃至図8を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1(A)は、複数のパチンコ島台A1〜A4とそれに関連して設けられるベースタンクB及び交流樋3a〜3dとの関係を示す側面から見た全体概略図であり、図1(B)は、複数のパチンコ島台A1〜A4とそれに関連して設けられるベースタンクB及び交流樋3a〜3dとの関係を示す上面から見た全体概略図である。図2は、パチンコ島台A1〜A4の内部構造を示す正面図である。図3は、ベースタンクBと該ベースタンクBに隣接して設けられるパチンコ島台A3に設けられる上部タンク22及び下部タンク13を示す斜視図である。図4は、ベースタンクBと該ベースタンクB内に取り付けられる仕切板34とを示す分解斜視図である。図5は、仕切板34が取り付けられたベースタンクBを示す斜視図である。図6は、仕切板34及び圧抜板41,42が取り付けられたベースタンクBを示す斜視図である。図7(A)は、ベースタンクBと該ベースタンクBに隣接するパチンコ島台A2,A3との関係を示す側面から見た概略図であり、図7(B)は、図7(A)のA視平面図であり、図7(C)は、図7(A)のB視平面図であり、図7(D)は、図7(B)のC方向からベースタンクBを見た説明図であり、図7(E)は、図7(B)のD方向からベースタンクBを見た説明図である。図8(A)〜(D)は、それぞれ圧抜板41,42を取り付けないベースタンクB内でのパチンコ玉の貯留状態を示す説明図であり、図8(E)〜(H)は、それぞれ圧抜板41,42を取り付けたベースタンクB内でのパチンコ玉の貯留状態を示す説明図である。
【0018】
まず、図1(A),(B)において、遊技場に設置される複数のパチンコ島台A1〜A4(遊技場によっては、それ以上又は以下のパチンコ島台が設置される)には、それぞれ内部に比較的少ないパチンコ玉を貯留する下部タンク13(約2万個前後貯留できる)が内蔵され、その下部タンク13に貯留されたパチンコ玉を玉揚送装置21(図2参照)で上部タンク22に揚送し、それぞれのパチンコ島台A1〜A4に設置されるパチンコ機10や玉貸機24(共に図2参照)に玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉は、アウト玉回収樋12(図2参照)に回収されて前記下部タンク13に導かれ、再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台A1〜A4内を循環する。
【0019】
但し、本実施形態では、貸玉料金が4円/個となる通常遊技用のパチンコ島台と、貸玉料金が1円/個となるイチパチ遊技用のパチンコ島台と、の2種類のパチンコ島台を設置するものであり、個々(通常遊技用とイチパチ遊技用)のパチンコ島台毎で使用するパチンコ玉の色を異ならせるようになっている。通常遊技用のパチンコ島台では、金色のパチンコ玉(以下、これを「金玉」ともいう)を使用する一方、イチパチ遊技用のパチンコ島台では、銀色のパチンコ玉(以下、これを「銀玉」ともいう)を使用する。このため、金玉は、通常遊技用の島台ブロックとなるパチンコ島台A3,A4間でのみ循環使用され、銀玉は、イチパチ遊技用の島台ブロックとなるパチンコ島台A2,A1間でのみ循環使用されるようになっている。
【0020】
また、パチンコ島台A1〜A4のうちの所定のパチンコ島台には、遊技客が獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置5がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている(図2参照)。玉返却装置5によって返却されるパチンコ玉数が極めて多量になって当該パチンコ島台における最大貯留量を超えると玉揚送装置21で揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22から返却樋4等を介して後に詳述するベースタンクBに返却されるようになっている。なお、玉返却装置5は、通常遊技用の島台ブロックとなるパチンコ島台A3,A4と、イチパチ遊技用の島台ブロックとなるパチンコ島台A2,A1と、にそれぞれ専用(金玉用と銀玉用)のものが個別に設けられる。返却樋4は、後述する第1の島台ブロックを構成する対向位置のパチンコ島台A2の上部タンク22からベースタンクBへ、後述する第2の島台ブロックを構成する対向位置のパチンコ島台A3の上部タンク22からベースタンクBへ向けて、それぞれ差し渡されている。
【0021】
図示のパチンコ島台A1〜A4においては、複数(本実施形態では、2つ)のパチンコ島台A1,A2とパチンコ島台A3,A4とをそれぞれ1つの島台ブロックとして考え、各島台ブロックの間に大型のベースタンクBが設けられている。即ち、第1の島台ブロックであるパチンコ島台A1,A2と、第2の島台ブロックであるパチンコ島台A3,A4との間で、ベースタンクBを挟んで対向する位置(以下、これを対向位置ともいう)にあるパチンコ島台A2及びパチンコ島台A3の間には、ベースタンクBが配置されている。また、第1の島台ブロックを構成するパチンコ島台A1,A2は、前述した貸玉料金が1円/個となるイチパチ遊技用のパチンコ島台であり、当該パチンコ島台A1,A2間で銀玉が循環使用される。一方、第2の島台ブロックを構成するパチンコ島台A3,A4は、前述した貸玉料金が4円/個となる通常遊技用のパチンコ島台であり、当該パチンコ島台A3,A4間で金玉が循環使用される。
【0022】
しかして、ベースタンクBには、各島台ブロックで必要とされるパチンコ玉量を貯留し得るようになっており、例えば、1つのパチンコ島台に必要な玉量が50万個であるとすれば、1つの島台ブロックを構成する2つのパチンコ島台A1,A2又はA3,A4に必要なパチンコ玉量は、各々100万個である。そして、ベースタンクBは、第1の島台ブロックを構成するパチンコ島台A1,A2で必要なパチンコ玉である銀玉100万個と、第2の島台ブロックを構成するパチンコ島台A3,A4で必要なパチンコ玉である金玉100万個と、をそれぞれ貯留し得る容量を有するように構成されている。
【0023】
また、上記した各島台ブロックに属する各パチンコ島台A1,A2又はA3,A4には、玉量が不足したとき又は玉量が充満したときに各島台ブロック間にあるベースタンクBから不足した玉を受け入れたり、ベースタンクBに過剰の玉を送り出したりするようになっている。このため、第1の島台ブロックを構成する各パチンコ島台A1,A2間、第2の島台ブロックを構成する各パチンコ島台A3,A4間には、それぞれパチンコ玉のやり取りを行うための交流樋3a〜3dが差し渡されている。具体的に、第1の島台ブロックを構成する各パチンコ島台A1,A2においては、パチンコ島台A1の上部タンク22からパチンコ島台A2の上部タンク22に向けて銀玉を送り込む交流樋3aと、パチンコ島台A2の上部タンク22からパチンコ島台A1の上部タンク22に向けて銀玉を送り込む交流樋3bと、が設けられ、第2の島台ブロックを構成する各パチンコ島台A3,A4においては、パチンコ島台A3の上部タンク22からパチンコ島台A4の上部タンク22に向けて金玉を送り込む交流樋3cと、パチンコ島台A4の上部タンク22からパチンコ島台A3の上部タンク22に向けて金玉を送り込む交流樋3dと、が設けられている。
【0024】
以上、複数のパチンコ島台A1〜A4の関係についての概略を説明したが、上記のように複数のパチンコ島台を1つの島台ブロックとし、島台ブロックを構成する複数のパチンコ島台間及び複数の島台ブロックの間に配置されるベースタンクBと該ベースタンクBを挟む対向位置にあるパチンコ島台との間を、交流樋3a〜3d及び返却樋4でパチンコ玉の搬送を行う形式を島交流と呼んでいる。そこで、次に島交流形式のパチンコ島台及びベースタンクの構造について説明する。まず、パチンコ島台の構造について図2を参照して説明する。
【0025】
図2において、各島台ブロックを構成する対向位置のパチンコ島台、言い換えればベースタンクBを挟むパチンコ島台A2,A3(以下、これを「主パチンコ島台」ともいう)においては、前述したように、それぞれ内部に比較的少ないパチンコ玉を貯留する下部タンク13が内蔵され、その下部タンク13に貯留されたパチンコ玉を主パチンコ島台A2,A3のほぼ中央に立設される玉揚送装置21で上部タンク22に揚送し、主パチンコ島台A2,A3に設置されるパチンコ機10や玉貸機24に補給樋23を介して玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉は、アウト玉箱11を介してアウト玉回収樋12に放出され、そのアウト玉回収樋12に回収されて前記下部タンク13に導かれた後に、再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉が主パチンコ島台A2,A3内を循環する。
【0026】
主パチンコ島台A2,A3に内蔵される下部タンク13は、直方体状に形成され、その底面に玉揚送装置21の導入樋16に向かって下り傾斜する底板14を有し、その内側上部に底板14と反対方向に傾斜する上部誘導樋15が設けられている。この上部誘導樋15の上流部には、交流樋3a〜3dから供給されたパチンコ玉が上部タンク22を介して誘導され、その誘導されたパチンコ玉を上部誘導樋15によって下部タンク13の上流側に搬送するようになっている。また、下部タンク13の上流側上部に流入口18が開設されているが、この流入口18は、ベースタンクBから流入するパチンコ玉を受け入れるための開口であり、このため、ベースタンクBと下部タンク13との間には、流入口18に接続される流入樋20a,20b(図1(A)参照)が差し渡されている。なお、ベースタンクBからパチンコ玉を流入する流入口18は、下部タンク13の上流側上部に開設されることで、下部タンク13の玉貯留空間を最大限に活用して下部タンク13内にパチンコ玉を貯留し得る構成となっている。また、流入口18が下部タンク13の上流側になればなるほど、底板14の高さ位置が高くなるため、流入口18と底板14との間の落差が小さくなり、流入口18から落下するパチンコ玉の衝撃で底板14が破損してしまう事態を軽減するようになっている。また、各ブロックを構成する対向位置以外のパチンコ島台、言い換えればベースタンクBを挟まないパチンコ島台A1,A4(以下、これを従パチンコ島台ともいう)は、ベースタンクBとの間で直接的にパチンコ玉のやり取りを行わないため、ベースタンクBとの間で流入樋20a,20bが差し渡されることはなく、下部タンク13にも流入口18は設けられない。
【0027】
また、下部タンク13は、主パチンコ島台A2,A3のほぼ中央に立設される玉揚送装置21の一側部位(図2において右側)に設置されているので、反対側に設置されたパチンコ機10からのアウト玉を回収するアウト玉回収樋12を流れるパチンコ玉を下部タンク13に導くために該アウト玉回収樋12と下部タンク13との間に連絡樋17が差し渡されている。この連絡樋17の末端は、前記導入樋16の接続位置のやや上部である。
【0028】
上記した下部タンク13に貯留されていたパチンコ玉は、導入樋16により複数列に整列されて玉揚送装置21の導入口に送り込まれる。玉揚送装置21は、図示の実施形態の場合、モータ内蔵プーリによって旋回駆動される揚送ベルトと該揚送ベルトに対面して設けられ且つ揚送ベルトとの間にパチンコ玉を挟持しながら研摩する研摩布とを有し、前記導入樋16から導かれたパチンコ玉を揚送ベルトの摩擦力によって研摩しながら上部に揚送するものである。玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22に排出される。
【0029】
上部タンク22は、パチンコ玉をパチンコ機10や玉貸機24に補給するための補給樋23、各パチンコ島台間でパチンコ玉をやり取りするための交流樋3a〜3d、あるいはパチンコ玉をベースタンクBに返却するための返却樋4が接続されており、受け入れたパチンコ玉を補給樋23、交流樋3a〜3d、あるいは返却樋4に振り分ける機能を有している。具体的に、第1の島台ブロックの主パチンコ島台A2の上部タンク22には、パチンコ玉(銀玉)をパチンコ機10や玉貸機24に補給するための補給樋23と、第1の島台ブロックの従パチンコ島台A1の上部タンク22との間でパチンコ玉(銀玉)をやり取りするための交流樋3a,3bと、パチンコ玉(銀玉)をベースタンクB(詳しくは、後述する銀玉貯留空間33b)側へ誘導するための返却樋4と、が接続されている。また、従パチンコ島台A1の上部タンク22には、パチンコ玉(銀玉)をパチンコ機10や玉貸機24に補給するための補給樋23と、主パチンコ島台A2の上部タンク22との間でパチンコ玉(銀玉)をやり取りするための交流樋3a,3bと、が接続されている。
【0030】
一方、第2の島台ブロックの主パチンコ島台A3の上部タンク22には、パチンコ玉(金玉)をパチンコ機10や玉貸機24に補給するための補給樋23と、第2の島台ブロックの従パチンコ島台A4の上部タンク22との間でパチンコ玉(金玉)をやり取りするための交流樋3c,3dと、パチンコ玉(金玉)をベースタンクB(詳しくは、後述する金玉貯留空間33a)側へ誘導するための返却樋4と、が接続されている。また、従パチンコ島台A4の上部タンク22には、パチンコ玉(金玉)をパチンコ機10や玉貸機24に補給するための補給樋23と、主パチンコ島台A3の上部タンク22との間でパチンコ玉(金玉)をやり取りするための交流樋3c,3dと、が接続されている。なお、主パチンコ島台A2,A3の上部タンク22には、それぞれ当該上部タンク22内のパチンコ玉を返却樋4を介してベースタンクB側へ流出するための流出口22aが開設されている(図3参照)。但し、従パチンコ島台A1,A4は、直接的にパチンコ玉をベースタンクB側へ流出することがない、言い換えれば、従パチンコ島台A1,A4の上部タンク22には返却樋4が接続されないため、流出口22aは開設されない。
【0031】
以上、島交流形式におけるパチンコ島台の構造について説明したが、次にこの島交流形式において重要な構成要素であるベースタンクBについて、図3乃至図8を参照して説明する。ベースタンクBは、図3に示すように、上面が開口した直方体状に合板又は金属板で形成され、その底板が中央に向かって下り傾斜している。即ち、横長方形状の上面開口30を有するベースタンクBは、長手方向における両端からそれぞれ中央に向って下り傾斜した左右一対の底板31,32を有しており、底板31,32の下流端部分となる中央傾斜底面には、ベースタンクBの横幅方向(長手方向と直交する方向)の中央から両端に向って個々に下り傾斜した樋部31a,32aが凹状に形成されている。一方の樋部31aは、ベースタンクBを挟む主パチンコ島台のうち金玉を使用するパチンコ島台A3の下部タンク13(流入口18)とベースタンクBとの間で差し渡される流入樋20bが接続される。一方、他方の樋部32aは、ベースタンクBを挟む主パチンコ島台のうち銀玉を使用するパチンコ島台A2の下部タンク13(流入口18)とベースタンクBとの間で差し渡される流入樋20aが接続される。
【0032】
ところで、本実施形態のベースタンクBは、前述したように第1の島台ブロックを構成するパチンコ島台A1,A2で必要なパチンコ玉である銀玉と、第2の島台ブロックを構成するパチンコ島台A3,A4で必要なパチンコ玉である金玉と、をそれぞれ貯留し得る構成となっているが、このような銀玉及び金玉は、それぞれ使用されるパチンコ島台(島台ブロック)が異なるため、ベースタンクB内で混在することなく個別に分けて貯留する必要がある。このため、本実施形態では、ベースタンクBの玉貯留空間33内に仕切板34を設けることで、第2の島台ブロック(パチンコ島台A3,A4)で使用される金玉を貯留するための金玉貯留空間33aと、第1の島台ブロック(パチンコ島台A1,A2)で使用される銀玉を貯留するための銀玉貯留空間33bと、に玉貯留空間33内を2分割している。具体的に、仕切板34は、図4に示すように、ベースタンクBの中央傾斜底面部における玉貯留空間33の高さ寸法とほぼ同一の高さ寸法に形成されてベースタンクBの長手方向と平行状に配置された基板部35と、該基板部35の両側端から個々に折曲して装着時にベースタンクBの横幅方向側壁内側に当接する位置まで延設される第1及び第2の折曲板部36,37と、基板部35の下側中央から下方に向かって凸状に突設される流入樋仕切部38と、を備えている。第1及び第2の折曲板部36,37は、それぞれ基板部35の各側端から相互に反対方向へ直角に折れ曲った状態で形成されると共に、玉貯留空間33の横幅寸法のほぼ半分の長さ寸法(延設寸法)と基板部35とほぼ同一の高さ寸法を有して形成されている。また、流入樋仕切部38は、凹状の樋部31a,32aの高さ寸法とほぼ同一の長さ寸法(突設寸法)に形成されている。
【0033】
しかして、仕切板34は、図5に示すように、ベースタンクBの横幅方向の両端に向って個々に下り傾斜した各樋部31a,32aの境界部分に流入樋仕切部38が挿入された状態で玉貯留空間33内に取り付けられ、この状態で、第1の折曲板部36は、樋部32aの側方位置となる底板31上にベースタンクBの横幅方向の一方の側壁内側に当接するように配される一方、第2の折曲板部37は、樋部31aの側方位置となる底板32上にベースタンクBの横幅方向の他方の側壁内側に当接するように配される。これにより、仕切板34は、底板31を空間底面とすると共に空間内に樋部31aを連通させた金玉貯留空間33aと、底板32を空間底面とすると共に空間内に樋部32aを連通させた銀玉貯留空間33bと、に玉貯留空間33内を2分割する。なお、本実施形態の構成によれば、仕切板34と流入樋仕切部38とが一体的に構成されているが、貯留空間を2分割できればよく、例えば、仕切板34と流入樋仕切部38とを別体にし、該流入樋仕切部38が各樋部31a、32aの境界部分を完全に塞ぐように取り付けた後、仕切板34を取り付けるようにしてもよい。このような構成を用いる場合は、流入樋仕切部38の上面に仕切板34の装着をガイドするガイド溝を設けるとよい、そのようにすることで、仕切板34の取付位置を容易に把握することができる。
【0034】
また、図6に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33bには、各貯留空間33a,33b間で生じるパチンコ玉による圧力差によって仕切板34が破損することを回避するための一対の圧抜板41,42がそれぞれ取り付けられている。一方の圧抜板41は、仕切板34を構成する第1の折曲板部36と隣接する位置にベースタンクBの横幅方向に差し渡された状態で取り付けられ、その下端は、金玉貯留空間33aの空間底面をなす底板31から所定間隔空けた位置に配される。同様に、他方の圧抜板42は、仕切板34を構成する第2の折曲板部37と隣接する位置にベースタンクBの横幅方向に差し渡された状態で取り付けられ、その下端は、銀玉貯留空間33bの空間底面をなす底板32から所定間隔空けた位置に配される。なお、圧抜板41,42の作用については後で詳述する。
【0035】
更に、ベースタンクBの金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33bには、それぞれ玉受板43,44が設けられている。玉受板43,44は、それぞれベースタンクBの長手方向に沿って伸びる長板形状に形成されると共に、その中央部分を頂点としてベースタンクBの長手方向の両側端に向って個々に下り傾斜した山型形状に形成されている。一方の玉受板43は、金玉貯留空間33aを構成するベースタンクB内壁の上側部分に釘やボルト等の固着手段で固着され、他方の玉受板44も、銀玉貯留空間33bを構成するベースタンクB内壁の上側部分に釘やボルト等の固着手段で固着されている。
【0036】
また、ベースタンクBの上面開口30において、玉受板43の山型形状の頂点部分と対向する部位には、図1及び図3に示すように、返却樋4を介して主パチンコ島台A3の上部タンク22と連通する導入樋45の玉排出口45aが配され、玉受板44の山型形状の頂点部分と対向する部位には、図1及び図7に示すように、返却樋4及び各誘導樋46,47を介して主パチンコ島台A2の上部タンク22と連通する導入樋48の玉排出口48aが配されている。
【0037】
次に、上記したベースタンクBと、該ベースタンクBを挟む主パチンコ島台(パチンコ島台A2,A3)との間でのパチンコ玉のやり取りについて、図7を参照して説明する。なお、主パチンコ島台(パチンコ島台A2,A3)に設けられる上部タンク22は、自島における各パチンコ機10へのパチンコ玉の補給を最優先に行い、その補給が必要なくなったときに交流樋3b,3cを介して従パチンコ島台(パチンコ島台A1,A4)へパチンコ玉を誘導し、さらにその誘導が必要なくなったときに余剰のパチンコ玉をベースタンクBに返却するように構成されている。
【0038】
まず、貸玉料金が1円/個となるイチパチ遊技用の主パチンコ島台(パチンコ島台A2)とベースタンクBとの間でのパチンコ玉(銀玉)のやり取りについて説明する。主パチンコ島台A2からベースタンクBへ銀玉を返却する際には、図7(B)に示すように、主パチンコ島台A2の上部タンク22から返却樋4を介してベースタンクB上に設けられた誘導樋46に銀玉を送り込む。誘導樋46に送り込まれた銀玉は、誘導樋47を通って導入樋48に導かれ、その後、図7(D)に示すように、導入樋48の玉排出口48aから玉受板44上に排出される。これにより、玉受板44上に排出された銀玉は、玉受板44によってその落下速度が軽減されると共に、山型形状に傾斜した玉受板44上で左右に振り分けられてベースタンクBの銀玉貯留空間33b内に送り込まれる。また、銀玉貯留空間33b内に送り込まれた銀玉は、図7(C)に示すように、銀玉貯留空間33bの底面を構成する底板32上を転動してベースタンクBの長手方向の中央側(流入樋20aが連通された樋部32a側)へ誘導される。そして、主パチンコ島台A2の下部タンク13内に充分な銀玉が貯留されている場合は、流入樋20aを介したベースタンクBの銀玉貯留空間33bから主パチンコ島台A2の下部タンク13への銀玉の補給が停止されることで、余剰の銀玉がベースタンクBの銀玉貯留空間33b内に貯留される。一方、主パチンコ島台A2の下部タンク13内に貯留される銀玉が不足している場合は、ベースタンクBの銀玉貯留空間33b内に貯留されている銀玉が流入樋20aを介して主パチンコ島台A2の下部タンク13に補給される。
【0039】
次に、貸玉料金が4円/個となる通常遊技用の主パチンコ島台(パチンコ島台A3)とベースタンクBとの間でのパチンコ玉(金玉)のやり取りについて説明する。主パチンコ島台A3からベースタンクBへ金玉を返却する際には、図7(B)に示すように、主パチンコ島台A3の上部タンク22から返却樋4を介してベースタンクB上に設けられた導入樋45に金玉を送り込む。導入樋45に送り込まれた金玉は、図7(E)に示すように、導入樋45の玉排出口45aから玉受板43上に排出される。これにより、玉受板43上に排出された金玉は、玉受板44上に排出される銀玉と同様に、玉受板43によってその落下速度が軽減されると共に、山型形状に傾斜した玉受板43上で左右に振り分けられてベースタンクBの金玉貯留空間33a内に送り込まれる。また、金玉貯留空間33a内に送り込まれた金玉は、図7(C)に示すように、金玉貯留空間33aの底面を構成する底板31上を転動してベースタンクBの長手方向の中央側(流入樋20bが連通された樋部31a側)へ誘導される。そして、主パチンコ島台A3の下部タンク13内に充分な金玉が貯留されている場合は、流入樋20bを介したベースタンクBの金玉貯留空間33aから主パチンコ島台A3の下部タンク13への金玉の補給が停止されることで、余剰の金玉がベースタンクBの金玉貯留空間33a内に貯留される。一方、主パチンコ島台A3の下部タンク13内に貯留される金玉が不足している場合は、ベースタンクBの金玉貯留空間33a内に貯留されている金玉が流入樋20bを介して主パチンコ島台A3の下部タンク13に補給される。
【0040】
ところで、上記したベースタンクBの金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33bにパチンコ玉を貯留する際、左右の貯留空間33a,33b内で貯留するパチンコ玉の貯留量に大差が生じるような場合には、左右の貯留空間33a,33b間でパチンコ玉による大きな圧力差が生じるものである。そして、このような大きな圧力差が生じた場合、左右の貯留空間33a,33bを分割する仕切板34に破損が生じる虞がある。そこで、本実施形態では、ベースタンクBの左右の貯留空間33a,33b内にそれぞれ圧抜板41,42を設けることで、このような大きな圧力差によって仕切板34に破損が生じることを回避するようになっている。以下、左右の貯留空間33a,33b内に設けられた圧抜板41,42の作用について図8を参照して説明する。
【0041】
まず、ベースタンクBの左右の貯留空間33a,33b内に圧抜板41,42を設けない構成について説明する。図8(A)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに少ない量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bにも金玉の貯留量とほぼ同等の少ない量の銀玉が貯留された場合では、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれ小さなものとなる。このとき、金玉が仕切板34を押す圧力と銀玉が仕切板34を押す圧力とは、ほぼ同等となり殆ど圧力差が生じることがなく、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれることで仕切板34に破損が生じる虞はない。
【0042】
また、図8(B)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに多い量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bに少ない量の銀玉が貯留された場合では、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力は大きなものとなる一方、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力は小さなものとなる。このとき、金玉が仕切板34を押す圧力と銀玉が仕切板34を押す圧力との間では大きな圧力差が生じることになり、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が崩れて金玉貯留空間33a内の金玉が一方的に仕切板34を押圧することで仕切板34に破損が生じ易くなる。
【0043】
また、図8(C)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに少ない量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bに多い量の銀玉が貯留された場合では、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力は小さなものとなる一方、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力は大きなものとなる。このとき、金玉が仕切板34を押す圧力と銀玉が仕切板34を押す圧力との間では大きな圧力差が生じることになり、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が崩れて銀玉貯留空間33b内の銀玉が一方的に仕切板34を押圧することで仕切板34に破損が生じ易くなる。
【0044】
また、図8(D)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに多い量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bにも金玉の貯留量とほぼ同等の多い量の銀玉が貯留された場合では、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれ大きなものとなる。但し、この場合、図8(A)に示した状態と同様に、金玉が仕切板34を押す圧力と銀玉が仕切板34を押す圧力とは、ほぼ同等となり殆ど圧力差が生じることがないので、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれて仕切板34に破損が生じる虞はない。
【0045】
即ち、左右の貯留空間33a,33b内に圧抜板41,42を設けない構成では、左右の貯留空間33a,33b内でのパチンコ玉の貯留量の大小に関わらず、金玉貯留空間33aに貯留される金玉の貯留量と銀玉貯留空間33bに貯留される銀玉の貯留量とがほぼ同等となる場合、左右の貯留空間33a,33b間で圧力差が生じることがないので仕切板34に破損が生じる虞はない。しかしながら、金玉貯留空間33aに貯留される金玉の貯留量と銀玉貯留空間33bに貯留される銀玉の貯留量との間で相当な差が生じるような場合には、左右の貯留空間33a,33b間で大きな圧力差が生じることになるので、貯留量の多い側のパチンコ玉が一方的に仕切板34を押圧することになり、結果として仕切板34に破損が生じ易くなる。
【0046】
次に、ベースタンクBの各貯留空間33a,33b内に圧抜板41,42を設けた本実施形態の構成について説明する。図8(E)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに少ない量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bにも金玉の貯留量とほぼ同等の少ない量の銀玉が貯留された場合、具体的に、金玉貯留空間33aにおいては底板31から圧抜板41の下端までの高さで金玉が貯留される一方、銀玉貯留空間33bにおいては底板32から圧抜板42の下端までの高さで銀玉が貯留された場合、底板31から圧抜板41の下端までの高さにある金玉は、圧抜板41を押圧することなく仕切板34を押圧する。一方、底板32から圧抜板42の下端までの高さにある銀玉についても同様に、圧抜板42を押圧することなく仕切板34を押圧する。即ち、図8(E)に示す状態は、圧抜板41,42が作用することなく、前記図8(A)に示した状態と同様に、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれ小さなものとなる。このとき、金玉が仕切板34を押す圧力と銀玉が仕切板34を押す圧力とは、ほぼ同等となり殆ど圧力差が生じることがなく、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれることで仕切板34に破損が生じる虞はない。なお、底板31から圧抜板41の下端までの高さにある金玉の貯留量、及び底板32から圧抜板42の下端までの高さにある銀玉の貯留量は、パチンコ玉の圧力が仕切板34にかかっても当該仕切板34が破損することのない程度の量(所定の貯留量)に設定されている。
【0047】
また、図8(F)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに多い量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bに少ない量の銀玉が貯留された場合、具体的に、金玉貯留空間33aにおいては底板31から圧抜板41の上側部分までの高さで金玉が貯留される一方、銀玉貯留空間33bにおいては底板32から圧抜板42の下端までの高さで銀玉が貯留された場合、金玉貯留空間33a内においては、底板31から圧抜板41の下端までの高さにある金玉は仕切板34を押圧し、圧抜板41の下端以上の高さにある金玉は圧抜板41を押圧する。一方、銀玉貯留空間33b内においては、前記図8(E)に示した状態と同様に、底板32から圧抜板42の下端までの高さにある銀玉は、圧抜板42を押圧することなく仕切板34を押圧する。これにより、金玉貯留空間33a内の圧抜板41は、圧抜板41の下端以上の高さにある金玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用する。そして、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれほぼ同等の小さなものとなり殆ど圧力差が生じることがないので、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれて仕切板34に破損が生じる虞がなくなる。
【0048】
また、図8(G)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに少ない量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bに多い量の銀玉が貯留された場合、具体的に、金玉貯留空間33aにおいては底板31から圧抜板41の下端までの高さで金玉が貯留される一方、銀玉貯留空間33bにおいては底板32から圧抜板42の上側部分までの高さで銀玉が貯留された場合、金玉貯留空間33a内においては、前記図8(E)に示した状態と同様に、底板31から圧抜板41の下端までの高さにある金玉は、圧抜板41を押圧することなく仕切板34を押圧する。一方、銀玉貯留空間33b内においては、底板32から圧抜板42の下端までの高さにある銀玉は仕切板34を押圧し、圧抜板42の下端以上の高さにある銀玉は圧抜板42を押圧する。これにより、銀玉貯留空間33b内の圧抜板42は、圧抜板42の下端以上の高さにある銀玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用する。そして、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれほぼ同等の小さなものとなり殆ど圧力差が生じることがないので、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれて仕切板34に破損が生じる虞がなくなる。
【0049】
また、図8(H)に示すように、ベースタンクBの金玉貯留空間33aに多い量の金玉が貯留される一方、ベースタンクBの銀玉貯留空間33bに多い量の銀玉が貯留された場合、具体的に、金玉貯留空間33aにおいては底板31から圧抜板41の上側部分までの高さで金玉が貯留される一方、銀玉貯留空間33bにおいても同様に、底板32から圧抜板42の上側部分までの高さで銀玉が貯留された場合、金玉貯留空間33a内においては、前記図8(F)に示した状態と同様に、底板31から圧抜板41の下端までの高さにある金玉は仕切板34を押圧し、圧抜板41の下端以上の高さにある金玉は圧抜板41を押圧する。一方、銀玉貯留空間33b内においては、前記図8(G)に示した状態と同様に、底板32から圧抜板42の下端までの高さにある銀玉は仕切板34を押圧し、圧抜板42の下端以上の高さにある銀玉は圧抜板42を押圧する。これにより、金玉貯留空間33a内の圧抜板41は、圧抜板41の下端以上の高さにある金玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用し、また、銀玉貯留空間33b内の圧抜板42は、圧抜板42の下端以上の高さにある銀玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用する。そして、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とは、それぞれほぼ同等の小さなものとなり殆ど圧力差が生じることがないので、左右の貯留空間33a,33b間で均衡が保たれて仕切板34に破損が生じる虞がなくなる。
【0050】
即ち、左右の貯留空間33a,33b内に圧抜板41,42を設けた本実施形態の構成では、金玉貯留空間33a内に大量の金玉が貯留された場合、金玉貯留空間33a内に設けられた圧抜板41は、該圧抜板41の下端以上の高さにある金玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用する。また、銀玉貯留空間33b内に大量の銀玉が貯留された場合、銀玉貯留空間33b内に設けられた圧抜板42は、該圧抜板42の下端以上の高さにある銀玉の圧力を受け止め、当該圧力が仕切板34にかからないように作用する。これにより、金玉貯留空間33aに貯留される金玉の貯留量と銀玉貯留空間33bに貯留される銀玉の貯留量との間で相当な差が生じるような場合でも、金玉貯留空間33a内の金玉が仕切板34を押す圧力と、銀玉貯留空間33b内の銀玉が仕切板34を押す圧力とをほぼ同等の小さなものとして圧力差が殆ど生じないようにすることで、左右の貯留空間33a,33b間で均衡を保ち仕切板34に破損が生じないようにしている。
【0051】
以上のように、本実施形態の構成によれば、第一の島台ブロックを構成する主パチンコ島台A2(第一の主パチンコ島台)と、第二の島台ブロックを構成する主パチンコ島台A3(第二の主パチンコ島台)との間に配置されるベースタンクBの玉貯留空間33内に仕切板34を設けることで、当該玉貯留空間33を、第一の島台ブロックで使用される銀玉(第一のパチンコ玉)を貯留する銀玉貯留空間33b(第一の玉貯留空間)と、第二の島台ブロックで使用される金玉(第二のパチンコ玉)を貯留する金玉貯留空間33a(第二の玉貯留空間)と、に分割する。そして、銀玉貯留空間33bに貯留された銀玉は、流入樋20a(第一の流入樋)を介して主パチンコ島台A2の下部タンク13(第一の下部タンク)に供給されると共に、該下部タンク13から交流樋3b(第一の供給樋)を介して第一の島台ブロックを構成する従パチンコ島台A1(第一の従パチンコ島台)に供給される。その後、主パチンコ島台A2又は従パチンコ島台A1で溢れた銀玉は、主パチンコ島台A2の上部タンク22(第一の上部タンク)から返却樋4(第一の返却樋)を介してベースタンクBの銀玉貯留空間33bに返却される。同様に、金玉貯留空間33aに貯留された金玉は、流入樋20b(第二の流入樋)を介して主パチンコ島台A3の下部タンク13(第二の下部タンク)に供給されると共に、該下部タンク13から交流樋3c(第二の供給樋)を介して第二の島台ブロックを構成する従パチンコ島台A4(第二の従パチンコ島台)に供給される。その後、主パチンコ島台A3又は従パチンコ島台A4で溢れた金玉は、主パチンコ島台A3の上部タンク22(第二の上部タンク)から返却樋4(第二の返却樋)を介してベースタンクBの金玉貯留空間33aに返却される。これにより、既存の島交流式玉移送装置に対して大掛かりな改造を施すことなく、既存のベースタンクBに仕切板34を設けるという簡単な改造を施すだけで、2種類のパチンコ玉(金玉と銀玉)を混在させることなく個々に循環使用する島交流式玉移送装置を低コストで実現できる。
【0052】
また、ベースタンクBの金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33b内にそれぞれ圧抜板41(第二の圧抜板)及び圧抜板42(第一の圧抜板)を設け、各玉貯留空間33a,33bに所定の貯留量以上のパチンコ玉が貯留された場合、該所定の貯留量を上回る分の貯留量のパチンコ玉の圧力が仕切板34にかからないようにしている。これにより、金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33b内にそれぞれ所定の貯留量以上のパチンコ玉が貯留されるような場合でも、銀玉貯留空間33bに貯留された銀玉が仕切板34を押圧する圧力と、金玉貯留空間33aに貯留された金玉が仕切板34を押圧する圧力とをほぼ同等(所定の貯留量のパチンコ玉の圧力)にして、各玉貯留空間33a,33b間で殆ど圧力差が生じないようにすることができる。また、パチンコ玉の圧力が仕切板34にかかっても当該仕切板34が破損することのない程度の量に所定の貯留量を設定している。従って、金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33b内に貯留されるパチンコ玉の圧力によって仕切板34が破損することを回避することができる。
【0053】
更に、長手方向の両端からそれぞれ中央に向って下り傾斜する底面31,32を有して直方体状の玉貯留空間33が形成されたベースタンクBに対して、ベースタンクBの長手方向のほぼ中央に仕切板34を取り付けることで、ベースタンクBの中央傾斜底面に形成された樋部32a(第一の樋部)及び樋部31a(第二の樋部)が個々に連通する銀玉貯留空間33bと金玉貯留空間33aとに左右2分割している。これにより、金玉貯留空間33a及び銀玉貯留空間33bを長細い空間とすることなく2分割できるので、銀玉貯留空間33b内での銀玉の玉流れ、及び金玉貯留空間33a内での金玉の玉流れに支障を来たすことなくスムーズにパチンコ玉を循環使用することができる。なお、長細い玉貯留空間とした場合では、玉貯留空間33内のパチンコ玉を中央の樋部31a,32aに転動する傾斜状の底面31,32の幅寸法が、パチンコ玉を転動する上で最適に設計された値よりも大幅に縮小されることになり、底面31,32上でのパチンコ玉の玉流れに支障を来たす虞がある。
【0054】
なお、上記した実施形態では、4つのパチンコ島台A1〜A4を列設して主パチンコ島台A2,A3間にベースタンクBを1つ設けたものを示したが、列設されるパチンコ島台及びベースタンクの数は、実施形態中の構成に限定するものではない。但し、ベースタンクを挟む左右の主パチンコ島台でそれぞれ使用するパチンコ玉の種類が同一となる場合には、当該ベースタンクに本発明に係る仕切板を設ける必要はなく(玉貯留空間を第一及び第二の玉貯留空間に2分割する必要はなく)、ベースタンクを挟む左右の主パチンコ島台でそれぞれ使用するパチンコ玉の種類が異なる場合には、本発明に係る仕切板によって当該ベースタンクの玉貯留空間を第一及び第二の玉貯留空間に2分割する必要がある。なお、遊技場が営業を行っていない状態において、2分割された各玉貯留空間に貯留されているパチンコ玉の高さがほぼ同じとなるように、仕切板の取り付け位置を調整して仕切るとよい。そのようにすることで、非営業時における仕切板の負担を最低限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0055】
A1 パチンコ島台(第一の従パチンコ島台)
A2 パチンコ島台(第一の主パチンコ島台)
A3 パチンコ島台(第二の主パチンコ島台)
A4 パチンコ島台(第二の従パチンコ島台)
B ベースタンク
3a,3d 交流樋
3b 交流樋(第一の供給樋)
3c 交流樋(第二の供給樋)
4 返却樋
5 玉返却装置
10 パチンコ機
12 アウト玉回収樋
13 下部タンク
20a 流入樋(第一の流入樋)
20b 流入樋(第二の流入樋)
21 玉揚送装置
22 上部タンク
23 補給樋
24 玉貸機
31,32 底面
31a 樋部(第二の樋部)
32a 樋部(第一の樋部)
33 玉貯留空間
33a 金玉貯留空間(第二の玉貯留空間)
33b 銀玉貯留空間(第一の玉貯留空間)
34 仕切板
41 圧抜板(第二の圧抜板)
42 圧抜板(第一の圧抜板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多量のパチンコ玉を貯留するベースタンクとの間でパチンコ玉のやり取りを行う主パチンコ島台と、該主パチンコ島台との間でパチンコ玉のやり取りを行う従パチンコ島台と、から構成される島台ブロックを、前記ベースタンクを挟んで複数配置し、その複数の島台ブロックの各島台ブロックにおける前記ベースタンクと主パチンコ島台と従パチンコ島台との間で相互にパチンコ玉のやり取りを行う島交流式玉移送装置において、
前記ベースタンクは、前記複数の島台ブロックのうち第一の島台ブロックを構成する第一の主パチンコ島台と、第二の島台ブロックを構成する第二の主パチンコ島台との間に配置されると共に、当該ベースタンクの玉貯留空間内には、該玉貯留空間を、前記第一の島台ブロックで使用される第一のパチンコ玉を貯留する第一の玉貯留空間と、前記第二の島台ブロックで使用される第二のパチンコ玉を貯留する第二の玉貯留空間と、に分割する仕切板が設けられ、
前記第一の主パチンコ島台は、前記第一の玉貯留空間から第一の流入樋を介して前記第一のパチンコ玉を受け入れる第一の下部タンクと、該第一の下部タンクから自島内の第一の玉揚送装置で揚送された第一のパチンコ玉を貯留する第一の上部タンクと、該第一の上部タンクに貯留された第一のパチンコ玉を自島内に設置されるパチンコ機に補給する第一の補給樋と、前記第一の上部タンクに貯留された第一のパチンコ玉を前記第一の島台ブロックを構成する第一の従パチンコ島台に供給する第一の供給樋と、前記第一の上部タンクで溢れた第一のパチンコ玉を前記ベースタンクの前記第一の玉貯留空間に返却する第一の返却樋と、を備え、
前記第二の主パチンコ島台は、前記第二の玉貯留空間から第二の流入樋を介して前記第二のパチンコ玉を受け入れる第二の下部タンクと、該第二の下部タンクから自島内の第二の玉揚送装置で揚送された第二のパチンコ玉を貯留する第二の上部タンクと、該第二の上部タンクに貯留された第二のパチンコ玉を自島内に設置されるパチンコ機に補給する第二の補給樋と、前記第二の上部タンクに貯留された第二のパチンコ玉を前記第二の島台ブロックを構成する第二の従パチンコ島台に供給する第二の供給樋と、前記第二の上部タンクで溢れた第二のパチンコ玉を前記ベースタンクの前記第二の玉貯留空間に返却する第二の返却樋と、を備えることを特徴とする島交流式玉移送装置。
【請求項2】
前記ベースタンクの前記第一の玉貯留空間内には、前記第一のパチンコ玉が所定の貯留量以上に貯留された場合、当該所定の貯留量を上回る分の貯留量の前記第一のパチンコ玉による圧力を受け止めて該圧力が前記仕切板にかからないようにする第一の圧抜板が設けられる一方、
前記ベースタンクの前記第二の玉貯留空間内には、前記第二のパチンコ玉が前記所定の貯留量以上に貯留された場合、当該所定の貯留量を上回る分の貯留量の前記第二のパチンコ玉による圧力を受け止めて該圧力が前記仕切板にかからないようにする第二の圧抜板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の島交流式玉移送装置。
【請求項3】
前記ベースタンクは、前記玉貯留空間が直方体状に形成されると共に、該玉貯留空間の底面が当該ベースタンクの長手方向の両端からそれぞれ中央に向って下り傾斜して形成され、その中央傾斜底面には、前記第一の流入樋と連通する第一の樋部と前記第二の流入樋と連通する第二の樋部とが凹状に形成され、
前記仕切板は、前記ベースタンクの長手方向のほぼ中央に当該ベースタンクの長手方向と直交するように配置されることで、前記直方体状の玉貯留空間と前記第一の樋部と前記第二の樋部とを、前記第一の樋部が連通する前記第一の玉貯留空間と、前記第二の樋部が連通する前記第二の玉貯留空間とに左右2分割することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の島交流式玉移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99689(P2013−99689A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−46124(P2013−46124)
【出願日】平成25年3月8日(2013.3.8)
【分割の表示】特願2008−296198(P2008−296198)の分割
【原出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】