説明

島状金属被覆及び合成方法

本発明は、種々の基材上で、調整可能な島状金属被覆及び形態を有する島状金属被覆の合成のための方法に関する。特に本発明は、1つ以上の島状金属で被覆された基材、及び該島状金属で被覆した基材の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、調整可能な島状金属被覆での島状金属被覆の合成のための方法、及び種々の基材上での形態学に関する。特に、本発明は、1つ以上の島状金属で被覆された基材及び該島状金属の被覆された基材の使用に関する。
【0002】
ミクロメートル又はナノメートルの大きさを有する小さい粒子は、顔料、化粧品、印刷システム、光電子材料及び装置、生物医学的な診断及び臨床治療システム、並びに触媒のような分野における広い範囲の適用を見出している。物理的機能、化学的及び熱的安定性、環境安全性等を含む何倍もの適用要求によって、複合材料の形態学を有する粒子が実現されている。かかる構造の例は、コア−シェル粒子(1つの材料構成成分が他によって被覆されている)、及び複合材料粒子(稠密な又は多孔質のマトリックスの内部の多量な1つ以上の材料構成成分のより小さい粒子)を含む。特に、粒子状の被覆の形成は、粒子の多機能性及び安定性に対して単純な経路を示す。多くのシステムは、粒子が、例えば、ゾル−ゲル技術、ポリマーもしくは機能性分子の吸収、又はガス相プロセス、例えば芳香族層堆積、エアロゾル熱分解もしくは物理蒸着法によって、それらの特性を改良又は伸長するために被覆されうることによって、公知である。
【0003】
ある場合において、そのトポロジー(物質の分布)の点から非対称的であることが、粒子又は粒子被覆のために特に望まれる。このために、隣接した2つ以上の物質の粒子を認識でき、又はコア粒子は、部分的に又は完全に、1つ以上の異なる物質によって被覆され、又はその被覆は、不均一な厚さである。表面特性が粒子のどちらかの側面上で実質的に異なる粒子の場合において、従来技術において、このタイプの粒子は、時に同様の名前の二面のRoman God of Changeの後に"Janus Particle"と言われる。しかしながら、より一般的な場合は、粒子が同一の又は異なるサイズの一定の物質の島状金属の任意の数によって覆われることによって、仮定されうる。本発明の記載内容において、"非対称粒子"とは、より一般的な場合にこれを言う。
【0004】
非対称粒子又は粒子被覆を形成するための理由は、続く粒子の適用、又はフィルムもしくは自立性構造中にそれらを分散、組立又は配置するために、非対称な表面機能性を提供することであってよい。このために、バイメタル被覆からなる粒子は、局所的なレドックス化学による電気化学的推進力を証明することを示している。磁気的Janus粒子を、レーザーピンセットによって捕らえることができ、通常の3次元の転移制御(translational control)に加えて、回転運動の2つの直交の程度が提供されることも報告されている。さらに、球状のコア上で磁気材料のキャップからなるJanus粒子を、双安定である直線状構造、例えばジグザグ鎖中への自己アセンブリのために使用することができ、それらは単粒子中に再分散する。それらは、調整可能なレオロジー特性を有する液体中での適用を有して良い。pH感受性の無機/有機Janus粒子を使用する小さいナノ粒子の可逆的なアグリゲーションも証明された。Janus粒子が、それらの改質された表面機能性によって、エマルションの安定化で従来の界面活性剤を置き換えることができる。
【0005】
Janus粒子のさらなる適用は、コアに分散するか、コアから離れるか、コアに吸着するか、もしくはコアから脱着する化学種の制限されたアクセス、又はさらに中空の空洞に又は中空の空洞からのアクセスを提供するためのコアの除去を提供することであってよい。このために、生物学的局在化した標的における適用が認識され、かつ単独の入口の穴を有する中空の生体適合性カプセルが報告されている。
【0006】
さらに、非対称的に被覆された粒子の適用は、被覆の非対称性に関連した新規の電磁気又は他の物理的機能を提供することであってよい。この分類に適合する例は、金属− Cu、Ag、Au、Al −ナノキャップに基づくIR消去顔料、及び金属半シェルでの表面強化したRamanばらつき効果を介した超高感度生体分子検出を含む。Janus粒子は、双安定表示装置− 電子ペーパー −のための期待でもあり、それによって種々に着色された側面を有する粒子を、電界又は磁界によって回転する。
【0007】
非対称粒子の有意な分類は、コア粒子上の非対称な被覆を含むことを評価している。非対称粒子被覆の最大の商業利益のために、制御された適用範囲で粒子を製造するための技術を開発するべきであることは、当業者の知識によって評価されている。言い換えれば、被覆方法は、非常に低い適用範囲から完全な適用範囲までのコア粒子の表面の割合を覆うための被覆を可能にする。さらに、重要な要求は、非対称粒子被覆を製造するための技術が計測できることである。
【0008】
均一な媒体で生じるほとんどの粒子被覆技術の欠点は、液相又はガス相における操作が、コア粒子上に無差別に作用する、すなわち粒子の周りにコンフォーマルシェルを形成するかどうかである。これは、被覆の範囲もその厚さのどちらも局部的に調整できないことを意味する。
【0009】
被覆の範囲及び厚さの不均一性を調整するための制限された可能性を有する単一の島状金属被覆を提供することができる被覆方法は、公知である。
【0010】
US 2002/0160195 A1は、部分的に覆われた金属のナノシェル及び同様のものを製造するための方法を開示している。この方法は、官能的リンカー分子を介して化学的にコア粒子と結合する基材を使用する。コアの残りのさらされた部分は、公知の技術を使用して金属で官能化及び被覆されうる。被覆範囲の制限された調整は、機能的リンカー分子を改質することによって可能である。部分被覆の範囲は、連続しており、すなわち粒子ごとに1つの島状金属のみを、この発明によって形成することができる。
【0011】
US 2003/0215638 A1は、コアの表面積10〜90%を被覆し、そしてさらされた部分に伝導しているシェルを適用することによって減少した対称のナノ粒子を製造するための方法を開示している。被覆範囲の領域は、連続しており、すなわち、1つの導電島状金属のみが、この方法によってコア粒子ごとに形成されうる。
【0012】
US 2008/0234394 A1は、10〜50%の範囲でのコア粒子上の分子被覆からなるJanus粒子を形成するための方法に関する。この方法は、相の境界も使用し、この場合においてエマルションの表面は液滴である。これは、さらされた表面の機能化を可能にする。被覆範囲の領域は、連続しており、すなわち、1つの分子被覆島状金属のみが、この方法によるコア粒子ごとに形成されうる。
【0013】
US 2006/0159921 A1は、高分子電解質アグリゲート上での不均質なナノ粒子被覆を記載している。対イオンの存在で高分子電解質分子を凝集することによって形成されたアグリゲートは、アグリゲート表面上のある部位に電荷したナノ粒子の引力を導く。
【0014】
被覆方法は、非金属コア上の実質的に連続した金属被覆を適用することも公知である。最も関連のある例は、非金属コアの範囲の10〜100%を覆う金属シェルで被覆された非金属コアを請求しているUS 6,344,272 B1である。コアの範囲及びシェルの厚さは、粒子上の放射入射の吸収及び散乱に強く影響を及ぼす。しかしながら、US 6,344,272 B1において開示されている好ましい実施態様から、100%未満の範囲の場合に、前記方法によって製造された島状金属が、均一に分布され、かつ任意の(調整されていない)トポロジーを有することを理解するべきである。さらに、これらの金属被覆を製造するための技術は、容易に、リンカー分子及びナノ粒子での粒子の官能化に必要であるスケールアップをすることができない。
【0015】
非対称粒子及び被覆は、文献から公知でもある。ほとんどの研究は、3つのカテゴリーの1つに起因してよい:
− コア粒子の一部を覆う又は隠すための相境界の使用、
− ムラのある又は完全な面粒子を形成するための競合的に相を分離する機能被覆分子の使用、
− 被覆材料が、コア粒子の一部上で優先的に核となる結晶材料の組合せの使用。
【0016】
前記の特許及び文献において開示された研究は、1つ以上の島状金属で被覆された基材を提供していない。さらに、1つの島状金属を提供する場合に、島状金属のサイズ及び形態学の同調性は限定され、かつ使用される技術は容易にスケールアップしない。
【0017】
技術が、平面な非金属基材上に連続した及び断続的な金属膜を製造することが公知であるにもかかわらず、調整された島状金属サイズ及び形態を有するかかる基材上での単離された島状金属を製造するための型ではない石版ではない技術は、公知ではない。
【0018】
従って、本発明の目的は、種々の基材上で調整可能な島状金属被覆及び形態学を有する島状金属被覆の合成方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、相境界、マスク、相を分離する分子又は適した金属対の必要性を避けた非金属基材上での島状金属被覆の合成方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、1つ以上の島状金属で被覆された基材を提供することである。
【0019】
本発明の根底にある問題は、
(a)基材を提供すること、
(b)少なくとも10分間極性溶剤で基材を処理すること、その際極性溶剤は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤及び金属錯体からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、
(c)工程(b)に続いて基材を1つ以上の還元剤で処理すること
を含む、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材の合成方法によって解決される。
【0020】
従って、本発明は、基材上で島状金属被覆を形成するための第一の方法を提供し、その際該基材は、均一な科学技術(すなわち故意のパターン形成の不在)によって官能化され、かつ溶液で処理される。
【0021】
本発明のこの第一の好ましい実施態様によって、5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を工程(a)において提供し、かつ金属イオン、金属イオン及び錯化剤及び金属錯体からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する極性溶剤で処理する。少なくとも10分間、有利には少なくとも20分間、より有利には少なくとも30分間、最も有利には少なくとも60分間の処理に続いて、還元剤、及び場合により添加剤を、工程(c)において添加する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0022】
本発明の他の側面によって、第二の実施態様は、
(a)基材を提供すること、
(a’)場合により少なくとも1つの金属錯化剤を含む極性溶剤で、少なくとも1分間基材を処理すること、
(b)少なくとも1分間極性溶剤で基材を処理すること、その際極性溶剤は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに金属ナノ粒子からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、
(c)工程(b)に続いて基材を1つ以上の還元剤で処理すること
を含む、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材の合成を提供する。
【0023】
本発明のこの方法によって、5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を、工程(a)において提供し、そして場合により工程(a’)において添加される金属錯化剤である極性溶剤で処理する。少なくとも1分間、有利には少なくとも10分間、より有利には少なくとも30分間、最も有利には少なくとも60分間の処理に続いて、非金属基材を、工程(b)において、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに金属ナノ粒子からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む極性溶剤中で処理する。少なくとも1分間、有利には少なくとも10分間、より有利には少なくとも30分間、最も有利には少なくとも60分間の処理に続いて、還元剤、及び場合により添加剤を、工程(c)において添加する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0024】
さらなる実施態様において、5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を、工程(a)において提供し、かつ工程(a)において第一の溶剤で処理する。この処理は、極性又は非極性溶剤で実施してよい。この処理は、あらゆる温度又は圧力で実施してよい。この処理の時間は、少なくとも1分、有利には少なくとも10分、より有利には30分、最も有利には少なくとも60分であるべきである。そして非金属基材を、工程(b)において、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに金属ナノ粒子からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む極性溶剤中で処理する。この処理は、あらゆる温度又は圧力で実施してよい。この処理の時間は、少なくとも1分、有利には少なくとも10分、より有利には30分、最も有利には少なくとも60分であるべきである。これに続いて、非金属基材を、工程(c)において、有利には金属イオン又は金属錯体、還元剤及び添加剤からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する第二の極性溶剤中で処理する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0025】
さらに他の本発明の実施態様において、5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を、工程(a)において提供し、かつ工程(b)において、金属イオン又は金属イオン及び錯化剤又は金属錯体又は金属ナノ粒子を含有する第一の極性溶剤中で処理する。この処理は、あらゆる温度又は圧力で実施してよい。この処理の時間は、少なくとも1分〜48時間、有利には少なくとも10分〜40時間、より有利には20分〜24時間であるべきである。これに続いて、非金属基材を、工程(c)において、有利には、金属イオン、金属錯体、還元剤及び添加剤からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する第二の極性溶剤中で処理する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0026】
あらゆる前記の好ましい実施態様における、しかし特に第一の実施態様における本発明の工程(b)のさらに好ましい実施態様は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、並びに金属錯体からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する極性溶剤で、35〜95℃、有利には40℃〜90℃、より有利には45℃〜80℃、及び特に50〜70℃の温度で、基材を処理することを含む。この処理の時間は、少なくとも1分〜120分、有利には少なくとも10分〜80分、及び最も有利には30分〜60分であるべきである。これに続いて、工程(b)における温度と同様の温度で、非金属基材を、工程(c)において、1つ以上の還元剤、並びに金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに添加剤からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する極性溶剤中で処理する。
【0027】
さらに好ましい本発明の実施態様によって、工程(b)において処理された基材を、工程(c)の前のあらゆる工程で、1つ以上の分子及び/又は高分子で被覆する。この実施態様によって、有利には5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を、工程(a)において提供し、そして金属イオンと反応可能な単位を含む少なくとも1つの分子又は高分子で被覆して、大きくても100nmよりも小さい直径を有する少なくとも1つの金属ナノ粒子を形成し、その際該金属は、非金属粒子の表面上で固定される。
【0028】
本発明のこの実施態様によって、1つ以上の分子及び/又は高分子での被覆を、工程(a’)又は工程(b)における非金属基材の処理前、処理時又は処理後に、あらゆる温度又は圧力で、少なくとも1分間、有利には少なくとも10分間実施してよい。さらに、この実施態様において、工程(b)は場合により省かれてよい。任意の工程(b)において、非金属基材を、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、又は金属錯体、又は金属ナノ粒子を含有する極性溶剤中で処理する。この処理を、あらゆる温度又は圧力で実施してよい。この処理の時間は、少なくとも1分、有利には少なくとも10分であるべきである。これに続いて、非金属基材を、工程(c)において、金属イオン又は金属錯体、還元剤、添加剤が添加される極性溶剤中で処理する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0029】
さらに本発明の好ましい実施態様によって、工程(b)において処理した基材を、工程(c)の前のあらゆる工程で、100nmより小さい平均粒子サイズを有するナノ粒子で被覆する。
【0030】
本発明のこの実施態様によって、5nm〜無限までのひずみの平均半径を有する好ましい非金属基材である基材を、工程(a)において提供し、そして100nmより小さい、より有利には50nmより小さい、さらにより有利には10nmより小さい、最も有利には5nmより小さい直径を有する少なくとも1つの金属ナノ粒子で被覆する。少なくとも1つの金属ナノ粒子での被覆を、工程(a’)又は工程(b)における非金属基材の処理前、処理時又は処理後に、あらゆる温度又は圧力で、少なくとも1分間、有利には少なくとも10分間実施してよい。さらに、この実施態様において、工程(b)は場合により省かれてよい。任意の工程(b)において、非金属基材を、金属イオン、又は金属イオン及び錯化剤、又は金属錯体、又は金属ナノ粒子を含有する極性溶剤中で処理する。この処理を、あらゆる温度又は圧力で実施してよい。この処理の時間は、少なくとも1分、有利には少なくとも10分であるべきである。これに続いて、非金属基材を、工程(c)において、金属イオン又は金属錯体、還元剤、添加剤が添加される極性溶剤中で処理する。金属のタイプ、非金属基材の合計表面積、金属イオン又は錯体の濃度、該金属又は錯体の存在におけるエージング時間、還元剤のタイプ、添加剤の性質、還元剤及び添加材の添加の順序に依存して島状金属被覆は、変動する表面被覆及び被覆厚さで形成される。
【0031】
さらに好ましい本発明の実施態様によって、あらゆる前記の好ましい実施態様における工程(a)は、有利には非金属基材である基材を提供し、そして該基材を非極性溶剤で処理することを含む。
【0032】
あらゆる前記の好ましい実施態様における、しかし特に第一の実施態様における本発明の工程(b)のさらに好ましい実施態様は、有利には、500〜1100℃、より有利には600℃〜100℃、最も有利には800℃〜1000℃での焼結によって最初に処理された非金属基材である基材を提供することを含む。
【0033】
本発明の第一の実施態様と、工程(a)における基材の焼結に関する実施態様及び工程(b)及び(c)における35℃〜95℃の温度での極性溶剤での処理に関する実施態様との組合せは、特に好ましい。
【0034】
特に好ましい実施態様は、
(a)500〜1100℃、より有利には600〜1000℃、最も有利には800〜1000℃での焼結によって最初に処理された基材を提供すること、
(b)少なくとも1分間極性溶剤で、35〜95℃、有利には40〜90℃、より有利には45〜80℃、及び特に50〜70℃の温度で基材を処理すること、その際極性溶剤は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに金属ナノ粒子からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、
(c)同様の温度で、工程(b)に続いて基材を他の極性溶剤で処理すること、その際他の極性溶剤は、1つ以上の還元剤、並びに金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに添加剤からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する
を含む、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材の合成方法を含む。
【0035】
工程(c)における全ての可能な添加の順序及び金属イオン又は錯体、還元剤及び添加剤の添加の時間は、本発明の他の実施態様に含まれることも評価されている。
【0036】
さらに他の好ましい本発明の実施態様において、あらゆる前記の好ましい実施態様において、基材は、工程(a’)及び/又は(b)及び/又は(c)の前に洗浄工程を受ける。処理及び被覆工程の間に、溶剤からの非金属基材の分離及び溶剤及び続いて使用される極性溶剤での洗浄が有利であることが当業者に評価されている。極性溶剤が異なる場合に、この分離及び洗浄は必要である。非金属基材が粒子である場合に、分離及び洗浄の技術は、沈殿、遠心分離、蒸発又は濾過を含む。
【0037】
本発明のさらに好ましい実施態様によって、あらゆる前記の好ましい実施態様において、工程(c)に続いて、基材を、化学処理又は熱処理によって取り出す。基材がシリカを基礎としている場合に、基材を、化学処理によって、特に水性フッ化ハロゲンでの酸溶解によって取り出す。基材がポリマーである場合に、基材を、適した溶剤での化学処理によって取り出すことができ、又は有利には、ポリマー基材を、熱処理によって取り出すことができる。ポリマーを溶解するために適している該溶剤は、ポリマーの性質に依存し、かつ当業者に公知である。ポリマー基材を分解又は蒸発することによるポリマーの取り出しに適している温度は、ポリマーのタイプに依存し、かつ当業者に公知である。この実施態様によって得られる島状金属は、それらの形状を維持している。該島状金属を、有利には、種々の適用のために、例えば薬デリバリーシステム、熱管理、診断において、表面強化したRaman顕微鏡剤として、顔料として、触媒として、光検出装置において、電子インクにおいて、又は化学物質感知装置として使用できる。
【0038】
ある金属イオン及び錯体が、あるリガンドの集合において、光化学反応を受けることが、当業者によって評価されている。本発明のいくつかの実施態様において、前記のいくつかの又は全ての処理を、光の存在又は不在で実施してよい。光は、ここに含んでよく、周囲態様又は部屋(蛍光又は白熱光)の光、又は例えば水銀ランプもしくはキセノンランプからのスペクトルを含む光を含んでよい。
【0039】
本発明の記載内容において、工程(a)において提供された非金属基材は、金属酸化物(例えばSiO2、TiO2、Al23、ZrO2、In23、Fe23、Fe34)、シリケート(例えば雲母)、フェライト、金属スルフィド、窒化金属、炭酸金属、金属ヒドロキシ炭酸塩、ポリペプチド、タンパク質、拡散、ガラス(例えばフューズドシリカ)、セラミック(例えばTiO2、Al23、ZrO2)、炭素(例えば炭素ナノ粒子、単層及び多層ナノチューブ)及びポリマー(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス、ポリアクリルアミド)からなる群から選択されてよい。
【0040】
これは、非金属であるべき基材の表面領域(少なくとも1nmの深さ)であることを理解すべきである。従って、基材は、金属の層又は多層で被覆された金属の下層を含んでよいことが評価されており、これによって外層は非金属である。
【0041】
基材は、種々の形状、例えば球状、楕円状、棒状、螺旋形、繊維状、扁円状等の1つを有してよい。基材は、固体又は中空であってよい。
【0042】
非金属基材は、場合により、ポリマー材料、オリゴマー材料又は分子材料での被覆で提供されてよい(例えば、安定化の目的のために、又はさらなる官能化のために)。非金属基材は、実質的に多孔質又は実質的に無孔であってよい。一般性の損失なしに、非金属基材は、10〜500nmの範囲の直径を有するナノ粒子、0.5〜100マイクロメートルの範囲での直径を有するマイクロ粒子、100マイクロメートルより大きい直径を有するマクロ粒子、又は実質的に平面の表面を含んでよい。
【0043】
好ましい一実施態様によって、非金属基材は、1000nm未満の平均直径を有し、有利には10〜500nmの範囲の直径を有するSiO2粒子を含む。これらの粒子は、有利には、加水分解及び塩基触媒(Stoeber法)によるテトラエトキシシランの濃縮によって合成され、そして分離され、そして乾燥される。
【0044】
さらに好ましい一実施態様によって、非金属基材は、1000nm未満の平均直径を有する多孔質のSiO2粒子を有する。これらの粒子は、有利には、加水分解、及び孔形成剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)の存在で塩基触媒によるテトラエトキシシランの濃縮によって合成される。さらなる好ましい一実施態様において、非金属基材は、1000nm未満のサイズを有する多孔質の非晶質チタン粒子、例えばCorpuscular Inc.によって提供されるものを有する。
【0045】
一般的に、工程(a)、(a’)、(b)及び(c)において使用される極性溶剤は、当業者に公知のあらゆる極性溶剤であってよい。本発明の好ましい一実施態様によって、極性溶剤は、水、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びC1〜C6アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール及びtert−ブタノール、又は前記溶剤の2以上、3以上、4以上の混合物からなる群から選択される。より好ましい一実施態様において、極性溶剤は水又は1,4ジオキサンである。
【0046】
一般的に、工程(a)において使用される極性溶剤は、当業者に公知のあらゆる非極性溶剤である。
【0047】
工程(b)及び/又は(c)における金属錯体又は金属ナノ粒子に存在する金属イオン又は金属は、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、Ru、Rh、Fe、Ti、Al、Ni、Co、Mg、Mn、Zn及びCrからなる群から選択される少なくとも1つの金属である。本発明の好ましい一実施態様において、金属は、Ag及びAuの群から選択される。工程(b)及び(c)において使用される溶液中の金属イオン又は金属錯体の割合は、広い範囲にわたって変動してよい。一般的に、金属の割合は、工程(b)及び(c)の方法において提供される溶液に対して、1×10-4〜10質量%、有利には5×10-4〜5質量%、及び最も有利には5×10-3〜1質量%の範囲である。
【0048】
処理工程(b)及び/又は(c)のための金属イオン又は金属錯体の源は、無機塩又は有機塩を含む。
【0049】
本発明の記載内容における無機塩は、例えば、塩化物、硫酸塩及び硝酸塩であり、無機アニオン及び特定の金カチオンとのこれらの組合せが存在する。本発明の記載内容における有機塩は、対応する金属塩を有する炭酸の塩、例えばホルメート、アセテート、シトレート、アルコキシド及びアセチルアセトネートであり、有機アニオン及び特定の金属カチオンとの組合せが存在する。
【0050】
金属イオン及び金属錯体の好ましい源は、制限されることなく、硝酸銀、硝酸アンモニウム銀Ag(NH32NO3、銀−アルカナルアミン錯体、炭酸銀、硫酸銀、銀トシレート、酢酸銀、銀メタンスルホネート、銀トリフルオロアセテート、銀ペンタフルオロプロピオネート、クロロ金酸、金(lll)クロリド、クロロ−白金酸、パラジウムアセタートを含む。工程(b)及び(c)における極性溶剤中での処理において存在する金属イオン又は金属錯体は、同様のタイプ及び濃度を有してよく、又は異なるタイプ及び濃度を有してよい。
【0051】
前記実施態様において、金属錯化剤又は錯化剤は、一般に、金属カチオンを錯化することができる有機又は無機化合物である。
【0052】
本発明の好ましい一実施態様によって、金属錯化剤は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1つのものである。他の可能な金属錯化剤は、第三級アミン及び次の公知の金属キレート群:フェノール、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ホスホリル、アミン、ニトロ、ニトロソ、アゾ、ジアゾ、ニトリル、アミド、チオール、チオールエーテル、チオカルバメート及びビスルフィットを含む分子を含む。錯化剤は、一般的に、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ケトカルボン酸、ジケトン、アミノ酸、アミノポリカルボン酸、ポリマーで結合したカルボン酸、アミン、ジアミン、アンモニア、ニトレートイオン、ニトリットイオン、ハロゲン化イオン及びヒドロキシドイオン、又は前記酸の塩から選択される。錯化剤は、有利には、モノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸及びプロピオン酸、ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸及び酒石酸、トリカルボン酸、例えばクエン酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば酒石酸、ケトカルボン酸、例えばピルビン酸、ジケトン、例えばアセチルアセトン、並びにアミノポリカルボン酸、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、又は前記酸の塩から選択される。さらに好ましい一実施態様において、錯化剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリエタノールアミン、ギ酸、酢酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン、アラキドン酸、マロン酸、α−アミノブチル酸、β−アミノブチル酸、γ−アミノブチル酸、グルタチオン、イソクエン酸、シス−及びトランス−アコニット酸、ヒドロキシクエン酸、ニコチン酸、安息香酸、シュウ酸、メソシュウ酸、オキサロ酢酸、コハク酸、ソルビン酸、プロパントリカルボン酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メサコン酸、フェニル酢酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、2−フランカルボン酸、アセト酢酸、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、グリセリン酸、グリコール酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、tet−ラデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メタクリル酸、ウロカン酸、ピロリドン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、2−及び3−ヒドロキシ安息香酸、乳酸並びにクエン酸、又は前記酸の塩から選択される化合物である。
【0053】
本発明の一実施態様において、工程(b)又は(c)において使用される溶液中の金属イオンと錯化剤との比は、1:0.1〜1:500の範囲、有利には1:0.5〜1:100の範囲である。
【0054】
工程(a’)における金属錯化剤の割合は、広い範囲にわたって変動してよい。一般に、その割合は、0.1〜20質量%の範囲、有利には0.5〜10質量%の範囲、及びより有利には1〜5質量%の範囲である。
【0055】
工程(c)の方法において、前処理した基材を、少なくとも1つの還元剤で処理する。典型的な還元剤は、制限されることなく、ホルムアルデヒド、水素化電子、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、ナトリウムボロヒドリド、カリウムボロヒドリド、ヒドロキノン、カテコール、Li(C25)H、グリオキサール、ギ酸、グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒドダイマー、ヒドロキシルアミン、水素ガス、グリオキサールトリメル酸無水物、又はそれらの混合物を含む。
【0056】
方法工程(c)における還元剤の割合は、広い範囲にわたって変動してよい。一般的に、その割合は、0.01〜10質量%の範囲、有利には0.1〜5質量%の範囲、及びより有利には0.5〜1質量%の範囲である。
【0057】
方法工程(c)において使用される溶剤は、さらに1つ以上の添加剤を含んでよい。0価の金属の形成を支持するための典型的な添加剤は、酸及び塩基、有機ポリマー、オリゴマー及び分子を含む。特定の一実施態様において、銀又はパラジウムの島状金属被覆を形成する場合に、これらの添加剤は、制限されることなく、水酸化ナトリウム、アンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミンを含んでよい。特定の一実施態様において、金の島状金属被覆を形成する場合に、これらの添加剤は、制限されることなく、炭酸カリウムを含んでよい。
【0058】
方法工程(c)における添加剤の割合は、広い範囲にわたって変動してよい。一般的に、その割合は、0.0001〜20質量%の範囲、有利には0.001〜10質量%の範囲、及びより有利には0.01〜5質量%の範囲である。
【0059】
前記実施態様の1つは、錯体又は大きくても100nmより小さい直径を有する少なくとも1つの金属ナノ粒子を形成するための有利には金属イオンと作用することができる単位を含む分子又は高分子で被覆されるべき方法工程(a)において提供される非金属基材を要求し、その際該金属は、非金属基材の表面上で固定される。
【0060】
かかる分子又は高分子は、制限されることなく、無水物、カルボン酸、ジカルボン酸、エチレングリコール基を含む官能単位を含んでよい。適した分子及び高分子は、制限されることなく、ポリ酸、及び高電解質、例えばポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ナトリウム、4−スチレンスルホナート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(塩化アンモニウムジアリルジメチル);コポリマー、例えばポリ(スチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(スチレン−コ−マレイン酸)、ポリ(マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(エチレン−マレイン酸無水物)、ポリ(エチレンマレイン酸)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン−コ−ビニルアセテート)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(酸化エチレン)−ポリ(酸化プロピレン)−ポリ(酸化エチレン)ブロックコポリマー(Pluronic)、ポリ(酸化プロピレン)−ポリ(酸化エチレン)−ポリ(酸化プロピレン)ブロックコポリマー、ポリ(酸化エチレン−酸化プロピレン)ブロックコポリマー、PDMS−グラフト−PEO、代わりのポリ酸化エチレン及び脂肪族単位からなる両親媒性マルチブロックコポリマーを含む。クラウンエーテル構造を形成することができるポリマー、オリゴマー及び分子も含む。
【0061】
前記実施態様において、金属ナノ粒子での処理又は被覆は、時として規定される。かかるナノ粒子は、大きくても100nm未満の直径を有する。金属ナノ粒子は、極性溶剤で処理される金属イオン又は錯体と同様の金属を含んでよい。ナノ粒子は、安定化/官能化する小さい分子、オリゴマー又はポリマーを有するか又はそれらで被覆されてよい。ナノ粒子のための典型的な材料は、制限されることなく、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ru、Fe、Ti、Zn、Al、Ni、Co、Mg、C、Si、Ge、In23、In23:Sn、Sn23及びSn23を含む。
【0062】
本発明は、さらに、あらゆる前記の方法による方法によって得られる1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材に関する。
【0063】
本発明は、さらに、あらゆる前記の方法による方法によって得られる1つ以上の島状金属で被覆し、続いてあらゆる方法によって、仕上層又はあらゆる材料で被覆された非金属基材に関する。
【0064】
本発明は、さらに、非金属粒子を含有する1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材に関し、その際粒子は、1つ以上の島状金属で被覆され、かつ該粒子は任意の形状を有し、かつ該粒子の最も長い面は、50μmより小さい。
【0065】
本発明は、さらに、非金属粒子を含有する1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材に関し、その際粒子は、1つ以上の島状金属及び仕上層又はあらゆる材料で被覆され、かつ該粒子は任意の形状を有し、かつ該粒子の最も長い面は、50μmより小さい。
【0066】
前記実施態様によって製造された島状金属の形態は、図49〜52において図式的に示されている1つ以上の島状金属特製の特徴を含む。さらに、島状金属のサイズ及び形状は、主に小さくてよく(単分散島状金属)、又は著しく分散されてよい(多分散島状金属)。一般性の損失なしに、前記実施態様によって製造された島状金属は、少なくとも5nm及び大きくても10マイクロメートルの最も長い大きさを有することを期待され、かつ最も薄い部分で少なくとも1nm及び最も厚い部分でも大きくても5マイクロメートルを有することを期待され、基材の大きさはこれを可能にする。前記実施態様によって達せられるべき期待される島状金属の表面被覆は、非金属基材が粒子である場合に、粒子上の単一の島状金属から完全な被覆の直線(島状金属のオーバーラップ)まで広がることができる。ひずみの大きい半径を有する基材の場合に、又は実質的に平面の基材のために、前記実施態様によって達せられる島状金属の平均分離は、100マイクロメートル〜0マイクロメートル(島状金属のオーバーラップ)の範囲である。
【0067】
本発明のさらなる側面は、5nm〜無限のひずみの半径を有する非金属基材を提供することである。この非金属基材は、少なくとも1つの島状金属によって覆われ、その際該島状金属は、その縁で大きくても島状金属の中心と同様の厚さを有する(図49)。本発明の一実施態様において、その厚さは、島状金属の中心から縁まで直線的に変動してよい(図50)。本発明の他の実施態様において、その厚さは、島状金属の中心から縁まで非直線的に変動してよい。本発明のさらなる実施態様において、その厚さは、島状金属の中心から階段関数のように(増加して)変動してよい(図51)。さらなる実施態様において、その厚さは、島状金属の中心で半円状の隆起を有し実質的に不均一であってよく、その際半円状の隆起は、島状金属の縁で膜の厚さの少なくとも半分のひずみの半径を有する(図52)。
【0068】
平面図において、島状金属は、円形(図53)、楕円形、角柱状(図54)又は樹枝状(図55及び56)に見えてよい。島状金属の円の等価直径は、大きくても1ミクロメートルである。容易に母島状金属から分離された少なくとも1つの周辺の島状金属によって覆われた基材上の少なくとも1つの島状金属(図57)も請求されている。該周囲島状金属は、あらゆる厚さ、有利には島状母金属の縁と同様の厚さを有してよい。
【0069】
1つ以上の島状金属が非金属基材上に存在する場合に、島状金属は、実質的に同様の形態及び同様の大きさを呈してよく、又は異なる形態もしくは異なる大きさを有してよく、又は双方である。島状金属は、それらの外側の縁で接触していてよく(図58)、又は物理的に分離してよい。それらを併合してもよく、その結果、それらの中心領域が、接触し、オーバーラップし、又は同等の直径の2つの島状金属の合計未満の分離を有する(図59)。
【0070】
島状金属は、対称の平面が存在するように基材上に分布してもよく、又は対称の平面が存在しないように分布してよい。
【0071】
本発明の他の側面は、金属イオンを放出することができる基材を提供することである。かかる実施態様において、前記で詳細に示したような全ての工程を実施する必要はない。一般的に、その方法は、工程(b)に続いて生じてよい。一実施態様において、提供される金属は、銀であり、及び銀イオンの放出は、例えば抗菌性適用に利益がある。
【0072】
本発明の他の側面は、近赤外線を著しく消す金属を提供することである。かかる実施態様において、被覆金属は、金、銀及び銅である。
【0073】
本発明を使用して、種々の可能性が、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材の製造のために生じる。得られた粒子は、多数の興味深い特性を有する。それらは、従って、薬デリバリーシステム、熱管理、温度管理において、診断において、顔料として、触媒として、光検出装置において、電子インクにおいて、又は化学物質感知装置として手術の適用のための新たな材料の見込みがある。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカのSEM画を示す図。
【図2】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカのSEM画を示す図。
【図3】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカのSEM画を示す図。
【図4】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図5】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図6】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図7】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図8】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図9】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図10】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図11】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図12】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図13】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図14】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図15】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図16】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図17】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図18】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図19】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図20】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図21】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図22】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図23】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図24】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像を示す図。
【図25】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図26】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図27】シードの100μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図28】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図29】シードの20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像を示す図。
【図30】シードの100μL又は20μLの添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカの吸収スペクトルを示す図。
【図31】試料1のSEM画像を示す図。
【図32】試料5のSEM画像を示す図。
【図33】試料11のSEM画像を示す図。
【図34】試料13のSEM画像を示す図。
【図35】試料17のSEM画像を示す図。
【図36】試料1及び試料5の光学吸収スペクトルを示す図。
【図37】試料080909−2のSEM画像を示す図。
【図38】PSMA及び銀ナノ粒子で予め処理されている非対称に被覆されたシリカ粒子の吸収スペクトルを示す図。
【図39】試料081009−31のSEM画像を示す図。
【図40】試料081009−31のSEM画像を示す図。
【図41】試料081009−32のSEM画像を示す図。
【図42】試料081009−32のSEM画像を示す図。
【図43】試料081009−33のSEM画像を示す図。
【図44】試料081009−33のSEM画像を示す図。
【図45】試料081009−34のSEM画像を示す図。
【図46】試料081009−34のSEM画像を示す図。
【図47】試料081009−31〜34のUV/VIS吸収曲線を示す図。
【図48】試料081009−31〜34のUV/VIS吸収曲線を示す図。
【図49】島状金属の縁において、大きくても島状金属の中心と同様の厚さを有することを示す図。
【図50】島状金属の厚さが、島状金属の中心から縁まで直線的に変動してよいことを示す図。
【図51】島状金属の厚さが、島状金属の中心から階段関数のように(増加して)変動してよいことを示す図。
【図52】半円状の隆起が、島状金属の縁で膜の厚さの少なくとも半分のひずみの半径を有することを示す図。
【図53】島状金属が、円形であることを示す図。
【図54】島状金属は、角柱状ことを示す図。
【図55】島状金属が、樹枝状であることを示す図。
【図56】島状金属が、樹枝状であることを示す図。
【図57】少なくとも1つの周辺の島状金属によって覆われた基材上の少なくとも1つの島状金属を示す図。
【図58】島状金属の外側の縁で接触している島状金属を示す図。
【図59】島状金属の中心領域が、接触し、オーバーラップし、又は同等の直径の2つの島状金属の合計未満の分離を有することを示す図。
【図60】反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングしていない、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度30℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図61】反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングした、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度30℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図62】反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングしていない、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図63】反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングした、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図64】反応温度及び前エージングの効果に関する完全なデータを示す図。
【図65】反応温度で硝酸銀中で30分間前エージングした、銀被覆反応を1000℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図66】反応温度で硝酸銀中で30分間前エージングした、銀被覆反応を1000℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図67】シリカをモノエタノールアミン又はアンモニアで前処理することなしに、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図68】シリカをアンモニアで前処理した、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図69】シリカをモノエタノールアミンで前処理した、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図70】図65に対応する条件によって合成したパッチのための前記方法によって製造した銀のケージのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【図71】図66に対応する条件によって合成したパッチのための前記方法によって製造した銀のケージのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す図。
【0075】
本発明を、以下で挙げられた及び開示された実施例によって詳細に説明する。
【0076】
実施例1 種々の溶剤で処理したシリカ粒子上の非対称の銀被覆
極性溶剤中の二酸化ケイ素粒子の処理
シリカ粒子(Monospher 500、Merck)を供給しながら及び24時間800℃で焼成後に使用した。
【0077】
続いて、シリカ懸濁液を製造した:
【表1】

【0078】
銀錯体でのシリカ粒子の処理
前記のように極性溶剤で10日間処理したシリカ懸濁液1mlアリコートを取り出し、そして3回、遠心及び高純水での再分散によって洗浄した。それぞれの場合における最終体積は1mLであった。エタノールアミン−銀錯体を、エタノールアミン250μLの液滴を2.8M硝酸銀水溶液の250μLアリコートに添加することによって得た。このエタノールアミン−銀錯体溶液60μLアリコートを、シリカ懸濁液1mLに添加した。1時間の撹拌後に、懸濁液を、3回、遠心及び高純水での再分散によって洗浄した。それぞれの場合における最終体積は1mLであった。
【0079】
シリカ粒子上での非対称銀被覆の形成
処理の前に、少量のシリカ懸濁液で処理した銀−エタノールアミン錯体(以後"シード"という)を、10倍に希釈した。被覆試験は、激しい撹拌下でこの希釈したシードのアリコート(100μL、50μL、又は20μL)を、100μM硝酸銀溶液5mLに添加し、続いて37%ホルムアルデヒド水溶液100μL及び8%アンモニア水溶液100μLを添加することを含んだ。
【0080】
新たに製造した非対称の銀−シリカ懸濁液の小アリコートを、シリコンウェハ上で乾燥した。これらを、SEMによって調査した。さらに、新たに製造した銀−シリカ懸濁液の光学吸収スペクトルを得た。
【0081】
図1〜5は、シードの100μL(図1及び2)又は20μL(図3及び4)の添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図5)を示す。
【0082】
図6〜10は、シードの100μL(図6及び7)又は20μL(図8及び9)の添加から得られる部分的な銀被覆の水で処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図10)を示す。
【0083】
図11〜15は、シードの100μL(図11及び12)又は20μL(図13及び14)の添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図15)を示す。
【0084】
図16〜20は、シードの100μL(図16及び17)又は20μL(図18及び19)の添加から得られる部分的な銀被覆の1,4−ジオキサンで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図20)を示す。
【0085】
図21〜25は、シードの100μL(図21及び22)又は20μL(図23及び24)の添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)未処理のシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図25)を示す。
【0086】
図26〜30は、シードの100μL(図26及び27)又は20μL(図28及び29)の添加から得られる部分的な銀被覆のテトラヒドロフランで処理した(1日)焼成したシリカのSEM画像、及び吸収スペクトル(図30)を示す。
【0087】
実施例2 両親媒性高分子で被覆したシリカ粒子上での非対称銀被覆
材料及び試薬
Monosphere 500(SiO2粒子)を、Merck chemical co.から購入した。硝酸銀(AgNO3、>99.9%)及びポリ(エチレングリコール)を、Sigma chemical co.から、水酸化ナトリウム(NaOH)、ホルムアルデヒド(HCHO、37%)及びトリエチルアミン(C6H15N、>99.5%)をROTH chemical coから、ポリ(スチレン−alt−無水マレイン酸)(PSMA)をACROS chemical co.から、他の試薬をMerck chemical co.から得た。全ての化学物質を、さらなる精製を受けることなしに使用した。両親媒性高分子(PEG−SA)は、ポリエチレングリコール(MW=600)及びC8アルキル鎖の代わりの順序であり、そして本発明の研究において合成した。
【0088】
シリカ粒子表面でのPSMAの吸着
1gのMonosphere 500及び2gのPSMAを、20mLの1,4−ジオキサン中で、6時間激しく撹拌しながら室温で混合した。そしてその懸濁液を遠心分離し、そして粒子を1,4−ジオキサンで洗浄した。この方法を3回繰り返し、最終的に粒子を、20mLの1,4−ジオキサン中で分散した。
【0089】
PSMAによって改質されたシリカ球体に対するPEG−SAの付着
PSMAによって改質された50mg/mLシリカ懸濁液2mLを、PEG−SA(S6)0.06gと。1,4−ジオキサン2mL中で、トリエチルアミンの触媒量(20μL)の存在で、60℃で4時間混合し、そして懸濁液を遠心分離し、そして粒子を1,4−ジオキサンで洗浄した。この方法を3回繰り返した。その後粒子を、3回水で洗浄し、そして最終的に水2mL中で分散した。
【0090】
銀クラスターの吸着
0.2gのNaOH及び0.12gのAgNO3を、1mLの水中でそれぞれ溶解し、そしてともに混合し、Ag2Oの黒い沈殿物を製造し、そして上澄みのpH値が約7になるまで水で洗浄した。300μLの32%水酸化アンモニウム(NH4OH)を添加してAg2Oを溶解し、そしてアンモニアの銀錯体([Ag(NH32]OH)を形成した。120μLの銀錯体の一部を、水1mLを添加しながら2mLの前記のシリカ−PSMA−PEG−SAに添加した。その混合物を、2日間室温で撹拌した。そしてその粒子を遠心分離して、付着していない銀ナノ粒子を取り出し、そして水で少なくとも3回洗浄した。改質されたシリカ懸濁液の最終体積は、2mLであった。
【0091】
銀被覆
10倍希釈した改質したシリカ懸濁液100μl、80μl、40μl、20μl、10μl及び5μLを、それぞれ硝酸銀溶液5mL(100μM)中に添加し、ホルムアルデヒド100μL(37%)を添加し、続いて、10秒未満の間に、激しく撹拌しながら8%水酸化アンモニウム100μLを添加した。同様の試験を繰り返し、アンモニア溶液100μLをホルムアルデヒド(100μL)を添加する前に添加した。
【0092】
異なる濃度(200μΜ、150μΜ、100μΜ、50μΜ、25μΜ及び15μΜ)の硝酸銀の同様の体積(5mL)を、希釈した粒子10μLと混合し、同量のホルムアルデヒドを添加し、続いてアンモニア水溶液100μLを添加した。
【表2】

【表3】

【0093】
図31は、試料1のSEM画像を示す(粒子は、低い範囲の薄い被覆を示す)。
【0094】
図32は、試料5のSEM画像を示す(粒子は、高い範囲の薄い/厚い被覆を示す)。
【0095】
図33は、試料11のSEM画像を示す(粒子は、低い範囲の厚い被覆を示す)。
【0096】
図34は、試料13のSEM画像を示す(粒子は、高い範囲の薄い被覆を示す)。
【0097】
図35は、試料17のSEM画像を示す(粒子は、低い範囲の薄い被覆を示す)。
【0098】
図36は、試料1及び試料5の光学吸収スペクトルを示す。
【0099】
実施例3 銀ナノ粒子で被覆したシリカ粒子上の非対称銀被覆
シリカ粒子表面でのPSMAの吸着
シリカ粉末(Monosphere 500、Merck)1g及びポリ(スチレン−alt−無水マレイン酸)(PSMA)2gを、1,4−ジオキサン20mL中で6時間撹拌した。そしてそのシリカ粒子を、3回遠心分離によって洗浄し、そして1,4−ジオキサンで再分散した。最終体積は20mLであり、シリカの濃度は50mg/mLであった。この懸濁液0.5mLを、高純粋に3回の遠心分離によって移し、そして水の再分散工程を実施した。
【0100】
銀ナノ粒子の合成(AgNP)
硝酸銀2mL(5mM)をセチルメチルアンモニウムブロミド(CTAB)の1mMエタノール溶液133μLと撹拌下で混合した。10分後に、新しいナトリウムボロヒドリド(1%)を、コロイド状懸濁液の色が黄緑になり、さらに変化しなくなるまで撹拌した。そのコロイドを、遠心分離及び降順水での再分散によって洗浄した。最終体積は500μLであった。
【0101】
PSMA−シリカへのAgNPの付着
銀コロイド500μLを、水性PSMA−シリカ懸濁液500μLに添加し、そして一昼夜撹拌した。その懸濁液を遠心分離によって洗浄し、そして洗浄して付着していない銀ナノ粒子を取り出した。最終体積は500μLであった。
【0102】
シリカ−PSMA−AgNP粒子上での非対称銀被覆の形成
処理前に、少量のシリカ−PSMA−AgNP懸濁液(以後"シード"という)を、10倍希釈した。被覆試験は、この希釈したシードのアリコート(表を参照)を、100μM硝酸銀水溶液5mLへ激しい撹拌下で添加し、続いて37%ホルムアルデヒド水溶液100μL及び8%アンモニア水溶液100μLを添加することを含んだ。
【表4】

【0103】
新たに製造した非対称銀−シリカ懸濁液の小アリコートをシリコンウェハ上で乾燥した。これらをSEMによって調査した。さらに、新たに製造した銀−シリカ懸濁液の光学吸収スペクトルを得た。
【0104】
図37は、試料080909−2のSEM画像を示す。
【0105】
図38は、PSMA及び銀ナノ粒子で予め処理されている非対称に被覆されたシリカ粒子の吸収スペクトルを示す。
【0106】
実施例4 光学特性に対する合成方法の効果
銀を含浸させたシリカ球体を、実施例1によって製造した:B1(500nmシリカ球体、未処理、1,4ジオキサン中で10日間貯蔵)。実施例1の全ての製造工程(洗浄を含む)を実施した。銀被覆を、銀を含浸させた球体上で、硝酸銀、ホルムアルデヒド(HCHO)及び8%水性アンモニア(NH3)を有する一定量を混合することによって製造した(以下の表を参照)。ホルムアルデヒド及びアンモニアの添加の順序を変え、そしてアンモニアを最初に添加した場合に、ホルムアルデヒドを添加する前の時間を変えた。
【表5】

【0107】
図39〜46は、4つの試料のSEM画像を示す。ホルムアルデヒドを最初に添加した場合に、半偏球の中心を含む銀キャップ及び薄い、平面の縁を形成することに注意する。反対に、アンモニアを最初に添加し、そして数秒後にホルムアルデヒドを添加した場合に、丸みを帯びた銀キャップを形成する。ホルムアルデヒドを添加するまでにより長い時間かけた場合に、キャップは、半偏球の中心及び薄い平面の縁の形態に戻る。図47は、これらの形態の差が、粒子の光学吸収特性に対して特定の影響を有することを示す。最も著しく、広い薄い縁での銀キャップ(試料081009−31)のために、近赤外線における吸収ピークがある。反対に、キャップが丸みを帯びている(試料081009−32)場合に、吸収ピークは、比べて200nmブルーシフトする。
【0108】
図39及び40は、試料081009−31のSEM画像を示す。
【0109】
図41及び42は、試料081009−32のSEM画像を示す。
【0110】
図43及び44は、試料081009−33のSEM画像を示す。
【0111】
図45及び46は、試料081009−34のSEM画像を示す。
【0112】
図47及び48は、試料081009−31〜34のUV/VIS吸収曲線を示す。
【0113】
実施例5 光学特性に対する照度の効果
銀を含浸させたシリカ球体を実施例1によって製造した:照度の条件を有するB1(500nmシリカ球体、未処理、1,4ジオキサン中で10日間貯蔵)は含浸工程中に変動した。1つの試料を、18時間暗所で貯蔵し、他の試料を、5時間は周囲光(太陽光、蛍光灯)下で、及び13時間は暗所で保持した。最終試料を、水銀灯の光が漏れない状態で2時間照らし、そして16時間暗所で貯蔵した。全ての試料を前記の実施例において記載されているように洗浄した。銀被覆を、実施例4の試料081009−31と同様の手法によって形成した。図48は、銀処理工程中の照度条件が、最終被覆粒子の光学特性に対して明らかな影響を有することを示す。
【0114】
図48は、銀で被覆したシリカ粒子の光学特性に対してエタノールアミン−銀錯体処理中の照度条件の効果を示すUV/VIS吸収曲線を示す。
【0115】
実施例6
非晶質のシリカ粒子を、公知のStoeber法によって合成した。テトラエチルオルトシリケート(VWRInternational GmbH、Germany)5.6gを、急速に、無水エタノール(VWRInternational GmbH、Germany)74mL、超純水10mL、及び水酸化アンモニウム(32%、MerckGmbH)3.2mLの激しく撹拌した混合物に添加した。撹拌を、10分後にやめ、そしてその反応を、3時間続行させた。これに続いて、懸濁液を3回遠心分離によって洗浄し、そして無水エタノールでの再分散した。そしてシリカ粒子を、真空下で60℃で少なくとも12時間乾燥した。得られた粉末の一部を、8000℃及び1000℃で6時間焼成した。
【0116】
シリカ粒子を、Millipore水中に50mg/mLの濃度で1日被覆工程前に分散した。このシリカ懸濁液の10μL部を、硝酸銀水溶液10mL(100μM)に添加し、そして30〜80℃の温度まで加熱した。エージング一定の期間に続いて、ホルムアルデヒド溶液100μL(37%水溶液、Carl Roth GmbH、Germany)を、激しい撹拌下で懸濁液中に添加した。これを、8%水性水酸化アンモニウム50μLに添加した。水酸化アンモニウムを、10秒環にわたって滴下した(特に明記しない限り)。図60〜66に関するそれぞれの試料のさらなる詳細を以下に挙げる。
【表6】

【0117】
図60及び図61は、反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングなし(図60)及び前エージングした(図61)、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度30℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。そのパッチの収率は小さく見える。
【0118】
図62及び図63は、反応温度で硝酸銀中で30分間の前エージングなし(図62)及び前エージングした(図63)、銀被覆反応を800℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。図62における収率は、30℃の反応温度の場合(図60)よりもわずかに良好に見え、かつ図63における収率は、30℃の反応温度の場合(図61)よりも著しく良好に見える。これは、より高い反応温度及び前エージングが好ましいことを示す。
【0119】
反応温度及び前エージングの効果に関する完全なデータを、以下の表において、及び図64におけるプロットで示す。温度が増加するためにパッチ収率も増加することを見出さる。50〜70℃の温度範囲が、高いパッチ収率を得るために好ましいことも見出すことができる。
【表7】

【0120】
図65は、反応温度で硝酸銀中で30分間前エージングした、銀被覆反応を1000℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。得られたパッチ収率は、100%に近く、これらの条件が好ましいことを示した。以下の表は、焼成温度及び硝酸銀中での30分の前エージングのパッチ収率に対する効果を要約する。
【表8】

【0121】
図66は、反応温度で硝酸銀中で30分間前エージングした、銀被覆反応を1000℃で実施し、反応温度50℃でシリカを焼成することによって形成したシリカ粒子上の銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。アンモニアを、25秒間にわたってこれに添加した(図65における資料に関する10秒間と比較)。
【0122】
これは、異なるパッチの形状、すなわちカップ様のパッチよりも木のようなパッチをもたらすことを見出すことができる。
【0123】
実施例7
非晶質のシリカ粒子を、よく知られているStoeber法によって合成した。テトラエチルオルトシリケート(VWRInternational GmbH、Germany)5.6gを、急速に、無水エタノール(VWRInternational GmbH、Germany)74mL、超純水10mL、及び水酸化アンモニウム(32%、MerckGmbH)3.2mLの激しく撹拌した混合物に添加した。撹拌を、10分後にやめ、そしてその反応を、3時間続行させた。これに続いて、懸濁液を3回遠心分離によって洗浄し、そして無水エタノールでの再分散した。そしてシリカ粒子を、真空下で60℃で少なくとも12時間乾燥した。得られた粉末の一部を、8000℃及び1000℃で6時間焼成した。そしてシリカ粒子を、60℃で少なくとも12時間真空下で乾燥した。
【0124】
シリカ粒子を、50mg/mLの濃度でMillipore水中に分散し、そして3回水中で遠心分離及び再分散によって洗浄した。この溶液の0.5mL部を、モノエタノールアミン(30μL)又はアンモニア(32%、30μL)と混合し、そして1時間撹拌した。これに続いて、分散液を3回水中で遠心分離及び再分散によって洗浄した。典型的な成長方法において、シリカ懸濁液10μL部を、硝酸銀水溶液10μL(100μL)中に添加し、そして50℃の温度まで加熱した。この温度での30分間のエージング後に、ホルムアルデヒド溶液100μL(37%水溶液、Carl Roth GmbH、Germany)を、激しい撹拌下で懸濁液中に添加した。これに、続いて8%水酸化アンモニウム50μLを添加した。水酸化アンモニウムを、10秒間にわたって滴下した。
【0125】
図67は、シリカをモノエタノールアミン又はアンモニアで前処理することなしに、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。
【0126】
図68は、シリカをアンモニアで前処理した、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。
【0127】
図69は、シリカをモノエタノールアミンで前処理した、シリカ球体上で形成した銀パッチのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。
【0128】
パッチ収率(少なくとも銀パッチ上で有する粒子の断片)は、より高く、かつパッチは、図68及び69において、図67と比較してより均一であり、アンモニア及びモノエタノールアミンでの前処理によって得られる利益を示す。
【0129】
実施例8 − コアシリカ粒子の取り出し
銀パッチを、実施例6(図65及び66)にいて使用した方法によってシリカ球体上で製造した。そしてその分散液を遠心分離し、そしてその上澄みを捨てた。固体を、水0.5mL中で再分散し、そして1%水性HF1mLを添加した。30分後に、その分散液を遠心分離及び再分散によって水中で3回洗浄した。
【0130】
図70は、図65に対応する条件によって合成したパッチのための前記方法によって製造した銀のケージのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。
【0131】
図71は、図66に対応する条件によって合成したパッチのための前記方法によって製造した銀のケージのSEM画像(スケールバー=500nm)を示す。
【0132】
図70及び71から、パッチの形態(図65及び66を参照)が、シリカコア粒子を溶解した場合にさらに維持されることを見出すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下、
(a)基材を提供すること、
(b)少なくとも10分間極性溶剤で基材を処理すること、その際極性溶剤は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、並びに金属錯体からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
(c)工程(b)に続いて基材を1つ以上の還元剤で処理すること
を含む、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材を合成するための方法。
【請求項2】
以下、
(a)基材を提供すること、
(a’)場合により少なくとも1つの金属錯化剤を含む極性溶剤で、少なくとも1分間基材を処理すること、
(b)少なくとも1分間極性溶剤で基材を処理すること、その際極性溶剤は、金属イオン、金属イオン及び錯化剤、金属錯体、並びに金属ナノ粒子からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
(c)工程(b)に続いて基材を1つ以上の還元剤で処理すること
を含む、1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材を合成するための方法。
【請求項3】
工程(a)が、基材を提供し、そして極性又は非極性溶剤で基材を処理することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(c)を、第二の極性溶剤中で実施し、その際第二の極性溶剤が、1つ以上の還元剤、並びに金属イオン、金属イオン及び錯化剤、及び金属錯体からなる群から選択される1つ以上の化合物を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程(c)において、基材を、塩基、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン及び炭酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の添加剤でさらに処理する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において処理される基材を、工程(c)の前のあらゆる工程で、平均粒子サイズ100nm未満を有する1つ以上の分子、高分子及び/又はナノ粒子で被覆する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
分子又は高分子が、無水物、カルボン酸、ジカルボン酸及びエチレングリコール基から選択される官能単位を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
基材が、工程(b)及び/又は(c)の前に洗浄工程を受ける、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
極性溶剤が、水、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、及びC1〜C6アルコールからなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
基材が、金属酸化物、シリケート、フェライト、金属スルフィド、金属ニトリド、金属カーボネート、金属ヒドロキシカーボネート、ポリペプチド、タンパク質、核酸、ガラス、セラミック、炭素及びポリマーからなる群から選択される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
金属イオン及び/又は金属錯体及び/又は金属ナノ粒子中の金属が、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、Ru、Rh、Fe、Ti、Al、Ni、Co、Mg、Mn、Zn及びCrからなる群から選択される1つ以上の金属である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
還元剤が、ホルムアルデヒド、水素化電子、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、ナトリウムボロヒドリド、カリウムボロヒドリド、ヒドロキノン、カテコール、Li(C25)H、グリオキサール、ギ酸、グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒドダイマー、ヒドロキシルアミン、水素ガス及びグリオキサールトリマー無水物からなる群から選択される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)において、最初に基材を、500〜1100℃、より有利には600〜1000℃、最も有利には800〜1000℃での焼成によって処理する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)及び(c)において、基材を、35〜95℃、有利には40℃〜90℃、より有利には45℃〜80℃、及び特に50℃〜70℃の温度でそれぞれ極性溶剤中で処理する、請求項4から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程(c)に続いて、基材を、化学処理又は熱処理によって取り出す、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法によって得られる1つ以上の島状金属で被覆された非金属基材。
【請求項17】
非金属粒子を含有する1つ以上の島状金属で被覆した非金属基材であって、その際該粒子を、1つ以上の島状金属で被覆し、かつ粒子が任意の形状を有し、粒子の最も長い大きさが50μmより小さい、非金属基材。
【請求項18】
さらに仕上層を有する、請求項17に記載の非金属基材。
【請求項19】
薬デリバリーシステムとして、熱管理、温度管理において、診断において、表面強化したRaman顕微鏡剤として、顔料として、触媒として、光検出装置において、電子インクにおいて、又は化学物質感知装置としての、請求項16、17、又は18に記載の1つ以上の島状金属で被覆された非金属材料の使用。
【請求項20】
金属イオンの放出のためのビヒクルとして、少なくとも工程(b)までに処理した、請求項1から14までのいずれか1項に記載の非金属基材の使用。
【請求項21】
薬デリバリーシステムとして、熱管理、温度管理において、診断において、表面強化したRaman顕微鏡剤として、顔料として、触媒として、光検出装置において、電子インクにおいて、又は化学物質感知装置としての、請求項15に記載の方法によって得られる島状金属の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【公表番号】特表2013−510953(P2013−510953A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539258(P2012−539258)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066788
【国際公開番号】WO2011/057937
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】