説明

崩壊地抽出方法、装置及びプログラム

【課題】
崩壊地を迅速正確に抽出する。
【解決手段】
ヘリコプタ10のレーザ測距装置12により対象地域を3次元計測する。3次元座標算出装置32が計測結果からDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを生成し、記憶装置34に格納する。裸地抽出装置36は、DSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータから裸地を抽出する。傾斜地抽出装置38は、DTMメッシュデータから傾斜地を抽出する。凹型地抽出装置40は、DTMメッシュデータから凹型地を抽出する。これらで絞り込まれた結果から、面積フィルタリング装置42で一定面積以上のものを抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、崩壊地を抽出する方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
崩壊地の判読は、特に、災害発生直後に緊急に必要である。崩壊地を早期に特定することで、崩壊地発生箇所の災害復旧や二次災害防止対策に対する迅速・的確な対応が可能になる。
【0003】
従来は、経験を有する熟練技術者が、ステレオペアの2枚の航空写真上で対象範囲を隅から隅まで立体視判読することにより、1つ1つ手作業で崩壊地を抽出していた。そして、抽出した崩壊地の位置・形状を、地形図等の紙地図に移写していた。
【0004】
近年では、空中レーザ計測技術の発達により、詳細かつ高精度な3次元地形情報を比較的容易に入手できるようになった(特許文献1参照)。特に、地上物による反射パルスと地表面からの反射パルスの両方を計測できるレーザ測距装置を使用することにより、樹木等の地物を含む表面と、地表面の3次元座標を1つのレーザパルスで同時に計測できる。本明細書では、建物や樹木などの地物を含めた地形データをDSM(Digital Surface Model)データと呼び、地物を除外した地形データ、即ち地表面の地形データをDTM(Digital Terrain Model)データと呼ぶ。また、一定間隔でメッシュ化されたDSMデータをDSMメッシュデータと呼び、一定間隔でメッシュ化されたDTMデータをDTMメッシュデータと呼ぶ。
【0005】
DSMデータからDTMデータを作成する技術が、特許文献2に記載されている。
【0006】
また、このようにして得られるDSMデータ又はDTMデータに既存の空中写真判読技術と併用することで、微地形を解析したり、渓流を調査できる(例えば、非特許文献1,2)。
【特許文献1】特開2004−170429号公報
【特許文献2】特開2005−202510号公報
【非特許文献1】「航空レーザー計測による出力図を用いた詳細微地地形解析」 鈴木隆司他(2003):平成15年度砂防学会研究発表会概要集,p318−319
【非特許文献2】「航空レーザー計測による出力図を用いた詳細微地地形解析その2」 深沢 浩他(2004):平成16年度砂防学会研究発表会概要集,p80−81
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、経験を有する熟練技術者が航空写真図を立体視判読することにより崩壊地を抽出する従来の方法では、判読精度及び判読に要する時間の点で、不十分であった。
【0008】
例えば、広範囲を対象とする場合に、膨大な労力を必要とし、崩壊地の判読に多大な時間を要する。技術者の経験の差によって崩壊地判読結果が異なる。崩壊地判読結果を地形図に移写する際、写真上の崩壊地位置と地形図の位置との対応が取りにくい。その結果、間違った位置に移写するといったミスが発生する。手作業で地形図上に移写しているので、形状を簡略化したり、規模を大きくして移写する傾向にあり、移写された崩壊地の形状・規模が正確でない可能性がある。
【0009】
本発明は、3次元地形情報に基づき崩壊地を抽出する方法、装置及びプログラムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る崩壊地抽出方法は、対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを記憶装置に格納するステップと、当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出ステップと、当該崩壊候補抽出ステップで抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリングステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る崩壊地抽出装置は、対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを記憶する記憶装置と、当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出装置と、当該崩壊候補抽出装置で抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリング装置とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る崩壊地抽出プログラムは、対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータDSMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出機能と、当該崩壊候補抽出機能で抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリング機能とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、DTM及びDSMの数値標高データから自動的に崩壊地を抽出できる。従って、技術者の判読時間を大幅に削減でき、崩壊地の抽出時間を短縮することができる。また、技術者がほとんど介在することがないので、技術者の経験による判読結果の違いが生じることが無く、誰が行っても同じ結果となり、客観性が向上する。さらに、自動抽出された崩壊地を正射影変換されたオルソ画像上で確認することで、更なる精度向上を図れ、判読結果の移写ミスがなくなる。最終的な崩壊地は地理座標で定義されるので、GIS(Geographical Information System)を利用し、他の地理情報と重ね合わせることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示し、図2は、本実施例の主要な動作のフローチャートを示す。図3は、崩壊地の模式図を示し、図4は、崩壊地の断面図を示す。図3及び図4から分かるように、典型的な崩壊は、傾斜地で起こり、崩壊後では、裸地になり、凹型地形、即ち窪みを形成する。本実施例は、これらに着目して、自動処理により崩壊地を抽出する。
【0016】
ヘリコプタ10に、地形を3次元計測するのに使用されるレーザ測距装置12、地表面及び地物を撮影するデジタルビデオカメラ14、ヘリコプタ10の方位を計測するジャイロ16,ヘリコプタ10の3次元位置を計測するGPS(Global Positioning System)受信装置18、及びこれらの計測データ及び撮影画像を記録する記録再生装置20を搭載し、対象地域上を飛行して、地表を3次元計測し、撮影する。記録再生装置20は、記録媒体22に計測データ及び撮影画像を記録再生する。
【0017】
レーザ測距装置12は、レーザビームを走査可能ないわゆるスキャン式レーザ測距装置であり、地上に照射したレーザパルスに対する最初の反射パルス(いわゆるファーストパルス)とこれに遅れる反射パルス(いわゆるラストパルス)でレーザ反射点までの距離を計測する能力を具備する。ファーストパルスは、半透過の地物、特に樹木による反射を示し、ラストパルスは、レーザを透過しない建物による反射と地表面の反射を示す。これにより、簡易的に、DSMデータの基礎となる距離データと、DTMデータの基礎になる距離データを収集できる。レーザ測距装置12は、計測される距離データとそのレーザ照射角度を、記録再生装置20に出力する。
【0018】
ジャイロ16は、ヘリコプタ10の姿勢(ロー角、ピッチ角及びヨー角)を計測し、計測角度を記録再生装置20に出力する。また、GPS受信装置18は、GPS衛星からの電波を受信して、地球座標系で見たヘリコプタの3次元位置データを記録再生装置20に出力する。ジャイロ16の計測データは、ヘリコプタ10の姿勢変動によるレーザ測距装置12の測定点(レーザ反射点)の計測位置誤差を補償するのに使用される。レーザ測距装置12及びジャイロ16の計測値、即ち、ヘリコプタ10からレーザ反射点迄の距離、レーザ測距装置12からのレーザ照射角度、及びヘリコプタ10の姿勢を演算することで、レーザ反射点をヘリコプタ10から見た相対的な3次元位置を算出できる。GPS受信装置18により計測されるヘリコプタ10の3次元位置を使うことで、レーザ測距装置12及びジャイロ16の測定結果から得られるレーザ反射点の3次元位置を、地球座標系等の一定の座標系に変換できるようになる。
【0019】
記録媒体22に記録された計測データ及び画像データは、地上で再生され、データ処理装置30に入力される。データ処理装置30の主要な機能は、コンピュータのソフトウエアで実現されるが、勿論、その一部又は全部をハードウエアで実現できることは明らかである。
【0020】
3次元座標算出装置32は、記録装置20の記録媒体22から再生された、レーザ測距装置12による計測データ(距離と照射角度、ファースト/ラストの区別)、ジャイロ16により計測されたヘリコプタ10の姿勢、及びGPS受信装置18によるヘリコプタ10の3次元位置データから、DSMデータとDTMデータを生成する。
【0021】
レーザ測距装置12によるレーザの反射点は、一般に、均等な間隔にならないので、3次元座標算出装置32は、レーザ反射点の3次元位置データを補間及び修整して、等間隔のメッシュ(例えば、1m×1m又は5m×5m等)上の3次元座標データ、いわゆるメッシュデータを生成する。3次元座標算出装置32の機能は、コンピュータソフトウエアのみで実現できる。
【0022】
3次元座標算出装置32によるDTMデータとDSMデータの生成では、ラストパルスからDTMデータを生成し、ファーストパルスからDSMデータを生成する。ファーストパルスとラストパルスの区別がない場合、計測点のデータは、DTMデータであり且つDSMデータである。また、3次元座標算出装置32は、DSMデータとDTMデータの分離に、例えば、特許文献2に記載の技術を利用してもよい。計測値から算出されたDTMデータ及びDSMデータを公知の手法でメッシュ化する。
【0023】
3次元座標算出装置32で生成されたDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータは、記憶装置34に格納される。記憶装置34は、代表的にはハードディスク装置である。
【0024】
裸地抽出装置36、傾斜地抽出装置38及び凹型地抽出装置40が、記憶装置34に格納されたDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを使って、崩壊候補地を絞り込む。図2は、裸地抽出装置36、傾斜地抽出装置38及び凹型地抽出装置40により処理の動作フローチャートを示す。先ず、注目メッシュを指定する変数nを1で初期化する(S1)。
【0025】
裸地抽出装置36は、記憶装置34に記憶されるDSMメッシュデータ34aとDTMメッシュデータ34bの差分を算出することで、地表面が露出している裸地、即ち、樹林に被われていない土地を抽出する。但し、DSMメッシュデータとDTMメッシュデータの誤差と、崩壊地上に多少の低層樹木が残存するケースを考慮し、同じ地点のDSMメッシュデータ34aとDTMメッシュデータ34bとの間の差絶対値が1.0m未満の地域を、裸地であるとしている(S2)。ステップS2で、DSM(n)は、メッシュnのDSMメッシュデータ34aの標高値を示し、DTM(n)は、メッシュnのDTMメッシュデータ34bの標高値を示す。DTMデータとDSMデータの誤差を考慮して、差絶対値で裸地かどうかを判定している。
【0026】
斜面地形抽出装置38は、裸地抽出装置36で抽出された裸地に対し、DTMメッシュデータ34bを使って、一定以上の傾斜度を持つ斜面を抽出する(S3〜S4)。即ち、斜面地形抽出装置38の抽出結果は、裸地で、且つ斜面になっている地域を示す。傾斜の程度は、次のように評価する。注目するDTMメッシュnに対し、隣接する8方向(0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度及び315度)のメッシュとの間で傾斜を算定する(S3)。そして、その8個の傾斜値の内の最大傾斜値が閾値(例えば、10度)以上の場合、注目メッシュnは、傾斜地であると判定する(S4)。
【0027】
凹型地抽出装置40は、傾斜地形抽出装置26で絞り込まれたメッシュの中で、窪地、即ち周囲に比べて鉛直下方向に凹んでいる地域を抽出する(S5〜S7)。凹型地の評価のために、地上開度を使用する。具体的には、注目メッシュnから8方向(0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度及び315度)について、距離L(ここでは100m)だけ離れたメッシュの標高値(存在しなければ、周囲のメッシュの標高値から補間する)と注目メッシュnの標高値との差のアークコサイン値φ〜φを算出し(S5)、これら8個の角度φ〜φの平均値φaveを注目メッシュnの開度とする(S6)。そして、注目メッシュnの開度φaveが所定値以上(この実施例では、85度以上)の場合(S7)、注目メッシュnは、凹地であると判定する。
【0028】
最終的に、装置36,38,40により裸地で、傾斜面で且つ窪地であると判定されたメッシュnには、崩壊候補を示すフラグ(崩壊地フラグ)34cを立て、記憶装置34に記憶する(S8)。全メッシュが終了していなければ(S9)、メッシュ変数nをインクリメントし(S10)、ステップS2以降を繰り返す。ステップS2〜S9の処理を全メッシュに対して実行したら(S10)、装置36,38,40による絞り込みを終了する。
【0029】
ここでは、装置36,38,40により逐次的に崩壊候補地を絞り込むようにしたが、装置36,38,40を並列に動作させ、これらの抽出結果の重複するメッシュに、崩壊値フラグを立ててもよい。並列演算を利用できる場合に、特に有効である。
【0030】
面積フィルタリング装置42は、凹型地抽出装置40により記憶装置34に書き込まれた崩壊地フラグ34cを読み込み、隣接メッシュ間で崩壊地フラグが立っているメッシュをグループ化し、そのグループ単位で面積を算定する。面積は、1グループに属するメッシュの個数と、1メッシュの面積の積で算定される。5m×5mのメッシュの場合、1メッシュの面積は25mである。そして、算定した面積が一定値未満のメッシュ群に対しては、記憶装置34の崩壊地フラグ34cをクリアする。これにより、崩壊地フラグが立っているのは、ある程度以上の面積を有する、裸地で、傾斜面で且つ窪地を示すメッシュ群である。
【0031】
この段階で、装置36,38,40,42によるソフトウエア又はハードウエアを使った崩壊地の抽出が終了する。このような一律の処理では、人間の目で見て崩壊地でない地域を崩壊地と評価してしまうことがある。このような間違いを修正する目的で、本実施例では、カメラ14による画像を利用する。
【0032】
正射投影装置44が、カメラ14による撮影画像を記録媒体22から読み出し、正射投影してオルソ画像データを生成する。カメラ14の撮影地域の全てについてオルソ画像を生成しても良いが、面積フィルタリング装置42の処理後に崩壊地フラグが立っている地域のオルソ画像を選択的に生成するのが効率的である。生成されたオルソ画像データは、記憶装置46に格納される。このオルソ画像は、DSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを使って装置36〜42により抽出された崩壊候補地を最終判定する際に、現場の撮影画像と照合するために使用される。カメラ14及び正射投影装置44を設けることで、崩壊地判定の精度を上げることができる。記憶装置46は、物理的には、記憶装置34としても使用されるハードディスク装置からなる。
【0033】
オルソ航空写真を入手できる場合、カメラ14及び正射投影装置44は不要である。入手したオルソ航空写真の画像データを記憶装置46に格納すれば良い。そのようなオルソ航空写真等には、地理座標を現すデータが付随しているか、ファイル名等で位置が特定できるようになっている。
【0034】
画像化装置48は、崩壊地フラグ34cが立っている地域を特定する崩壊地特定画像を生成する。崩壊地特定画像は、例えば、崩壊地フラグ34cが立っている地域を、他の地域とは異なる色等で区別して表示する画像、例えば、半透明の画像である。合成装置50は、画像化装置48からの崩壊地特定画像データと同じ地域のオルソ画像データを記憶装置46から読み出して、崩壊地特定画像と重畳する。画像表示装置53が、合成装置50からの画像、即ち、オルソ画像上に崩壊地特定画像を重畳した画像を、画面上に表示する。
【0035】
データ処理装置30のオペレータは、表示装置52に表示される画像を見て、装置36〜42により抽出された崩壊地が妥当かどうかを判定し、必要であれば、崩壊地修整装置56を使って崩壊地フラグ34cを修整する。崩壊地修整装置56は、コンピュータに接続するキーボード、マウス又は座標入力装置からなる。
【0036】
本実施例では、DSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを利用することで、傾斜地の抽出及び凹型地の抽出が容易になる。メッシュ化したDSMデータ及びDTMデータを利用することで、傾斜地及び凹型地の抽出時間を短縮できる。メッシュ化されていない3次元位置データを利用した場合には、傾斜地及び凹型地の抽出に時間を要する。
【0037】
空中写真の判読結果(マーキング)を地形図に移写する時、崩壊地の形を簡略化したり、大きめに表記したり、位置がずれたりすることがあったが、本実施例では、自動抽出による崩壊地とオルソ画像を重ねて表示し、崩壊地を確認するので、形や大きさの不整合や位置のずれが大幅に低減された。
【0038】
また、技術者の経験と知識の差によって生じる判読結果のばらつきが低減する。経験と知識に頼らざるをえなかった視覚的に判別しにくい部分も、崩壊地として抽出されてくるので、判読の標準化と客観性が向上する。
【0039】
広範囲を対象とした崩壊地分布図の作成にかかる膨大な時間と労力を短縮でき、省力化できる。
【0040】
航空レーザ測量によりDSMデータ及びDTMデータを取得する例を説明したが、航空写真測量により取得したDSMデータ及びDTMデータを使っても、上記実施例と同様に崩壊地を抽出できる。軽飛行機にレーザ測距装置を搭載して、地上を3次元計測してもよい。
【0041】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】本実施例の主要部の動作フローチャートである。
【図3】崩壊地を模式的に示す斜視図である。
【図4】崩壊地の断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10:ヘリコプタ
12:レーザ測距装置
14:デジタルビデオカメラ
16:ジャイロ
18:GPS受信装置
20:記録再生装置
22:記録媒体
30:データ処理装置
32:3次元座標算出装置
34:記憶装置
34a:DSMメッシュデータ
34b:DTMメッシュデータ
34c:崩壊地フラグ
36:裸地抽出装置
38:傾斜地抽出装置
40:凹型地抽出装置
42:面積フィルタリング装置
44:正射投影装置
46:記憶装置
48:画像化装置
50:合成装置
52:表示装置
56:崩壊地修整装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを記憶装置(34)に格納するステップと、
当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出ステップと、
当該崩壊候補抽出ステップで抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリングステップ
とを具備することを特徴とする崩壊地抽出方法。
【請求項2】
当該崩壊候補抽出ステップが、
当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから裸地を抽出する裸地抽出ステップと、
当該DTMメッシュデータから傾斜地を抽出する傾斜地抽出ステップと、
当該DTMメッシュデータから凹型地を抽出する凹型地抽出ステップ
とを具備する請求項1に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項3】
当該裸地抽出ステップが、当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータの標高値の絶対値差が所定値以下か否かにより、裸地か否かを判定する請求項2に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項4】
当該傾斜地抽出ステップが、注目するメッシュの複数の方向の傾斜の内の最大値が所定値以上か否かにより、傾斜地か否かを判定する請求項2又は3に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項5】
当該凹型地抽出ステップが、注目するメッシュの複数の方向の開度の平均値が所定値以上か否かにより、凹型地か否かを判別する請求項2、3又は4に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項6】
当該裸地抽出ステップ、傾斜地抽出ステップ及び当該凹型地抽出ステップを逐次的に実行して、絞り込むことを特徴とする請求項2に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項7】
当該崩壊候補抽出ステップが更に、当該裸地抽出ステップ、傾斜地抽出ステップ及び当該凹型地抽出ステップで重複して抽出される地域を選別し、崩壊候補地とする重複地域抽出ステップを具備することを特徴とする請求項2に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項8】
更に、当該面積フィルタリングステップで抽出された地域を示す画像を、当該地域を含むオルソ画像に重ねて表示する画像表示ステップを具備することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項9】
更に、当該対象地域を3次元計測する3次元計測ステップと、当該3次元計測ステップの計測結果から当該DTMメッシュデータ及び当該DSMメッシュデータを生成するステップとを具備することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項10】
更に、当該対象地域をカメラで撮影する撮影ステップと、当該カメラの画像をオルソ画像に変換する変換ステップとを具備することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の崩壊地抽出方法。
【請求項11】
対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータを記憶する記憶装置(34)と、
当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出装置(36,38,40)と、
当該崩壊候補抽出装置で抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリング装置(42)
とを具備することを特徴とする崩壊地抽出装置。
【請求項12】
当該崩壊候補抽出装置が、
当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから裸地を抽出する裸地抽出装置(36)と、
当該DTMメッシュデータから傾斜地を抽出する傾斜地抽出装置(38)と、
当該DTMメッシュデータから凹型地を抽出する凹型地抽出ステップ(40)
とを具備する請求項11に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項13】
当該裸地抽出装置(36)が、当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータの標高値の絶対値差が所定値以下か否かにより、裸地か否かを判定する請求項12に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項14】
当該傾斜地抽出装置(38)が、注目するメッシュの複数の方向の傾斜の内の最大値が所定値以上か否かにより、傾斜地か否かを判定する請求項12又は13に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項15】
当該凹型地抽出装置(40)が、注目するメッシュの複数の方向の開度の平均値が所定値以上か否かにより、凹型地か否かを判別する請求項12、13又は14に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項16】
当該傾斜地抽出装置(38)が、当該裸地抽出装置(36)により抽出された地域から傾斜地を抽出し、当該凹型地抽出装置(40)が、当該傾斜地抽出装置(38)により抽出された地域から凹型地を抽出することを特徴とする請求項12に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項17】
当該崩壊候補抽出装置が更に、当該裸地抽出装置、傾斜地抽出装置及び当該凹型地抽出装置で重複して抽出される地域を選別し、崩壊候補地とする重複地域抽出装置を具備することを特徴とする請求項12に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項18】
更に、当該面積フィルタリング装置(42)で抽出された地域を示す画像を、当該地域を含むオルソ画像に重ねて表示する表示装置(48,50,52)を具備することを特徴とする請求項11乃至17の何れか1項に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項19】
更に、当該対象地域を3次元計測する3次元計測装置(12,16,18)と、当該3次元計測装置の計測結果から当該DTMメッシュデータ及び当該DSMメッシュデータを生成する3次元座標算出装置(32)とを具備することを特徴とする請求項11乃至18の何れか1項に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項20】
更に、当該対象地域を撮影するカメラと、当該カメラの撮影画像をオルソ画像に変換する正射投影装置(44)とを具備することを特徴とする請求項11乃至19の何れか1項に記載の崩壊地抽出装置。
【請求項21】
対象地域のDSMメッシュデータ及びDTMメッシュデータDSMメッシュデータから、裸地で傾斜地で凹型地である地域を抽出する崩壊候補抽出機能(36,38,40)と、
当該崩壊候補抽出機能で抽出された地域から所定面積以上の地域を抽出する面積フィルタリング機能(42)
とを具備することを特徴とする崩壊地抽出プログラム。
【請求項22】
当該崩壊候補抽出機能が、
当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータから裸地を抽出する裸地抽出機能(36)と、
当該DTMメッシュデータから傾斜地を抽出する傾斜地抽出機能(38)と、
当該DTMメッシュデータから凹型地を抽出する凹型地抽出機能(40)
とを具備する請求項21に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項23】
当該裸地抽出機能(36)が、当該DSMメッシュデータ及び当該DTMメッシュデータの標高値の絶対値差が所定値以下か否かにより、裸地か否かを判定する請求項22に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項24】
当該傾斜地抽出機能(38)が、注目するメッシュの複数の方向の傾斜の内の最大値が所定値以上か否かにより、傾斜地か否かを判定する請求項22又は23に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項25】
当該凹型地抽出機能(40)が、注目するメッシュの複数の方向の開度の平均値が所定値以上か否かにより、凹型地か否かを判別する請求項22、23又は24に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項26】
当該裸地抽出機能(36)、当該傾斜地抽出機能(38)及び当該凹型地抽出機能(40)を逐次的に実行して、絞り込むことを特徴とする請求項22に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項27】
当該崩壊候補抽出機能が更に、当該裸地抽出機能、当該傾斜地抽出機能及び当該凹型地抽出ステップで重複して抽出される地域を選別し、崩壊候補地とする重複地域抽出機能を具備することを特徴とする請求項22に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項28】
更に、当該面積フィルタリングステップで抽出された地域を示す画像を、当該地域を含むオルソ画像に重畳する合成機能(50)を具備することを特徴とする請求項21乃至27の何れか1項に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項29】
更に、当該対象地域を3次元計測した結果から当該DTMメッシュデータ及び当該DSMメッシュデータを生成する3次元座標算出機能(32)を具備することを特徴とする請求項21乃至28の何れか1項に記載の崩壊地抽出プログラム。
【請求項30】
更に、当該対象地域の撮影画像をオルソ画像に変換する正射投影機能(44)を具備することを特徴とする請求項21乃至29の何れか1項に記載の崩壊地抽出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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