工事現場の労務管理システム及びサーバ
【課題】工事施工者の労務管理を簡易に、かつ、正確に実行することができるシステムを提供する。
【解決手段】デジタルカメラ10で工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影し、ASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し管理端末18,20に送信する。
【解決手段】デジタルカメラ10で工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影し、ASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し管理端末18,20に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工事現場の労務管理システムに関し、特にデジタルカメラ等の撮像手段を用いた労務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場において工事の進捗状況を記録する、工事の進捗状況を管理することを目的として、多数の現場写真を撮影し、これらを建設会社がそれぞれ所定のフォーマットに編集あるいは加工している。
【0003】
一方、建設の事業計画、調査・設計、施工、維持管理までの施設のライフサイクル全般にわたる各種情報を電子化し、技術情報や取引情報をネットワークを介して交換及び共有して生産性の向上を図るシステムが提案されており、デジタルカメラの技術進歩とあいまって現場写真をデジタルカメラで取得してデジタル画像データ(デジタル写真データ)として効率的に管理、編集、加工しようとの要望が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−15054号公報
【特許文献2】特許第4121017号
【特許文献3】特許第4174299号
【特許文献4】特許第4318446号
【特許文献5】特許第4330327号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、デジタルカメラなどの撮像手段で撮影した画像データをサーバコンピュータに送信し、サーバコンピュータにおいて画像データを受信して編集し、工事の進捗状況を記録あるいは管理する建設会社の管理端末に送信することで工事管理者は容易に工事の進捗状況をリアルタイムで把握することができるが、その一方で、工事管理者は、現場で作業している作業者の労務管理をこれとは別に行う必要がある。
【0006】
労務管理には、少なくとも、工事施工者の氏名、現場への入場時刻、現場からの退場時刻、工事現場名(例えば邸宅の建設であれば邸名)、作業内容が必要であり、従来においては、現場作業者あるいは現場監督者が現場に工事日報を据え付けて毎日これらの事項を記入し、毎日、工事管理者に提供するか、あるいは工事日報を月次でまとめて工事月報として工事管理者に提供している。
【0007】
しかしながら、これら工事日報や工事月報を作成するのは煩雑であり、現場作業者あるいは現場監督者にとっては面倒な手続である。また、入場時刻や退場時刻は労災保険料の算出等にとって極めて重要であり、正確さが求められるところであるが、かなり曖昧であり、正確とは言い難いのが現状である。特に、何らかの悪意をもって入場時刻や退場時刻、あるいは現場作業者の人数等が改ざんされたとしても、工事管理者側でこれを把握することは困難である。
【0008】
一方、会社においては、タイムカードを入社時刻と退社時刻を管理することが一般的に行われているが、このようなタイムカードを現場に設置して管理するのは現実的ではない。また、現場は比較的短期間に変わり得るものであり、現場作業者も同様に変わり得るものであることを考慮すると、タイムカードに変わるシステム、例えば作業者全員にIDカードを携帯させ、セキュリティゲートでIDカードの情報を読み取ることで入場時刻、退場時刻を管理することも現実的とはいえない。
【0009】
本発明の目的は、工事管理者が工事施工者を管理する場合において、工事施工者の労務管理を簡易に、かつ、正確に実行することができるシステム及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、工事現場の労務管理システムであって、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末とを備え、前記サーバは、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記サーバの前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、工事現場の労務管理システムであって、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末とを備え、前記サーバは、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記サーバの前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、工事管理者が工事施工者を管理する場合において、工事施工者の労務管理を簡易に、かつ、正確に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のシステム構成図である。
【図2】デジタルカメラの構成図である。
【図3】ASPサーバの構成図である。
【図4】メールサーバ及びASPサーバの基本処理フローチャートである。
【図5】KY(危険予知)日誌の説明図である。
【図6】入退場管理カードの説明図である。
【図7】実施形態の動作説明図である。
【図8】ASPサーバの労務管理処理フローチャートである。
【図9】入退場管理カードの他の説明図である。
【図10】変形例の処理フローチャートである。
【図11】QRコードの貼付例を示す説明図である。
【図12】労務管理データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0017】
1.システムの基本構成
まず、本実施形態における工事現場管理システムのシステム構成図を示す。システムは、デジタルカメラ10、メールサーバ(メールサーバコンピュータ)14、ASPサーバ(ASPサーバコンピュータ)16、管理端末(端末装置)18,20を含んで構成される。デジタルカメラ10、メールサーバ14、ASPサーバ16、管理端末18,20はそれぞれ無線あるいは有線でインターネット12に接続される。
【0018】
撮像手段としてのデジタルカメラ10は、工事現場の作業者により操作される。作業者は、デジタルカメラ10を操作して工事現場の現場写真を撮影する。デジタルカメラ10は、無線によりインターネット12に接続される。作業者は、デジタルカメラ10で撮影した現場写真の画像データその他の画像データをインターネット12を介してメールサーバ14に送信する。すなわち、作業者は、撮影した現場写真の画像データを電子メール形式でメールサーバ14に送信する。現場写真以外の画像データとは、具体的には危険予知シートとしてのKY(危険予知)日誌の画像データと入退場管理カードの画像データであるが、これらについては後述する。デジタルカメラ10から電子メール形式で現場写真の画像データ等を送信する際の宛先、すなわちメールアドレスは、予めデジタルカメラ10内のメモリに記憶されており、作業者はデジタルカメラ10の送信ボタンを操作するのみで所望の宛先に電子メールを送信することができる。現場写真の画像データ等の画像データは、電子メールの添付ファイルとしてメールサーバ14に送信される。現場写真の画像データ等がJPEGフォーマットの場合、JPEGフォーマットをBase64等のエンコーダを用いてテキストデータに変換する。
【0019】
メールサーバ14は、デジタルカメラ10から送信された電子メールを受信し、電子メールに添付された現場写真の画像データ等を抽出する。メールサーバ14は、抽出した現場写真の画像データ等をASPサーバ16に送信する。メールサーバ14は、インターネット12を介して現場写真の画像データ等をASPサーバ16に送信するが、インターネット12の代わりに専用回線を介してASPサーバ16に送信することもできる。専用回線は公衆回線あるいは非公衆回線のいずれかである。デジタルカメラ10において複数の現場写真を撮影し、これら複数の現場写真の画像データを1通ずつ電子メール形式でメールサーバ14に送信した場合、メールサーバ14は複数の電子メールを受信する。この場合、メールサーバ14は、各電子メールのサブジェクト(件名)内のデータに基づいて現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する。サブジェクト内のデータは、プロジェクト番号であり、フォルダプロジェクト番号である。デジタルカメラ10においては、送信先毎にフォルダが形成されており、撮影した現場写真の画像データはデジタルカメラ10内の各フォルダにまとめて記憶される。同一送信先に異なる複数の現場写真の画像データを送信する場合、単一のフォルダではこれら複数の画像データを互いに区別することはできない。そこで、デジタルカメラ10では、これら複数の画像データを各フォルダに付されたプロジェクト番号で管理する。プロジェクト番号は、デジタルカメラ10のプロセッサによって電子メールのサブジェクト(件名)に自動的に挿入される。メールサーバ14は、サブジェクト内のプロジェクト番号を用いて現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する。
【0020】
ASPサーバ16は、メールサーバ14から送信されたプロジェクト番号毎の現場写真の画像データをデータベースに記憶し、各プロジェクト番号毎に記憶された現場写真の画像データを用いて所定のフォーマットに編集あるいは加工してファイルデータを生成する。ASPサーバ16は、また、メールサーバ14から現場写真の画像データを受信したときに、電子メールのサブジェクトに含まれるデジタルカメラ10のIDに基づいて、そのデジタルカメラ10を管理する管理端末を特定し、特定した管理端末にインターネット12を介して受信通知を送信する。例えば、管理会社Aが管理端末18のユーザであり、デジタルカメラ10を操作する作業者を管理するものとする。ASPサーバ16は、デジタルカメラ10のIDに基づいてデジタルカメラ10を管理するのが管理会社Aであり、管理会社Aは管理端末18のユーザであるから、デジタルカメラ10を管理する管理端末として管理端末18を特定する。また、デジタルカメラ10以外に他のデジタルカメラが存在するものとし、管理会社Bが管理端末20のユーザであり、当該他のデジタルカメラを操作する作業者を管理するものとすると、ASPサーバ16は、当該他のデジタルカメラのIDに基づいて当該他のデジタルカメラを管理するのが管理会社Bであり、管理会社Bは管理端末20のユーザであるから、当該他のデジタルカメラを管理する管理端末として管理端末20を特定する。
【0021】
また、ASPサーバ16は、メールサーバ14から送信された現場写真以外の画像データ、具体的にはKY日誌の画像データと入退場管理カードの画像データをデータベースに記憶する。そして、KY日誌の画像データに含まれる工事現場名と工事名を抽出してデータベースに記憶する。また、入退場管理カードの画像データに含まれる工事施工者名と入退場のデータを抽出してデータベースに記憶する。さらに、ASPサーバ16は、入退場管理カードの画像データに付加されている時刻データを抽出してデータベースに記憶する。ASPサーバ16は、KY日誌の画像データから抽出した工事現場名と工事名、及び入退場管理カードの画像データから抽出した工事施工者名、入退場の区別、時刻をまとめて労務管理ファイルデータを作成する。
【0022】
ユーザである管理会社の管理者は、現場写真の画像データファイルが必要な場合には、管理端末18あるいは管理端末20を用いてASPサーバ16にアクセスし、ASPサーバ16にて編集あるいは加工されたファイルデータを取得して管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示させる。管理者は、管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示されたファイルデータを視認することで、工事現場においてデジタルカメラ10あるいは他のデジタルカメラで撮影された現場写真の画像データを確認し、工事の状況を確認することができる。また、管理者は、管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示された労務管理ファイルデータを視認することで、工事施工者の労務を管理することができる。
【0023】
2.デジタルカメラの構成
図2に、デジタルカメラ10の構成ブロック図を示す。デジタルカメラ10は、CMOSやCCD等のセンサ(イメージセンサ)10a、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)10b、CPU10c、メモリインタフェース(I/F)10d、JPEGコーデック10e、メモリ10f及び通信インタフェース(I/F)10gを備える。なお、公知であるために図には示していないが、デジタルカメラ10は焦点レンズやズームレンズ、シャッタ、絞り等の光学系も備えており、光学系によって被写体像をセンサ10aに結像する。
【0024】
センサ10aは、被写体である工事現場の像を電気信号に変換する。電気信号はデジタル画像信号に変換され、DSP10bに供給される。
【0025】
DSP10bは、デジタル画像データに対し、ゲイン補正(ホワイトバランス感度設定)、ガンマ補正、同時化処理、RGB−YC変換処理、ノイズ低減処理、輪郭補正等の各種処理を実行する。
【0026】
JPEGコーデック10eは、DSP10bで処理されたデジタル画像データをJPEGフォーマットに変換圧縮し、現場写真の画像データとしてメモリ10fに格納する。メモリ10fは、例えばフラッシュメモリである。
【0027】
CPU10cは、現場写真の画像データ等をメモリ10fに格納する際に、送信先毎に作成されたフォルダにて一括管理する。例えば、送信先が2箇所ある場合、それぞれの送信先番号を有するフォルダが作成される。CPU10cは、各送信先フォルダにプロジェクト番号を初期値から順に付与していく。撮影日時も同時にメモリ10fに格納される。さらに、現場写真の画像データについての基本的なデータ、例えば撮影時の状況や撮影部位のデータもメモリ10fに格納される。CPU10cは、現場写真の画像データ等をメールサーバ14に送信する場合、送信先フォルダ内に格納されている現場写真の画像データ等を電子メールの添付ファイルとしてテキストデータに変換して送信する。また、電子メールのサブジェクト(件名)にプロジェクト番号等のデータをメモリ10fから読み出して自動的に挿入する。なお、複数の現場写真の画像データのそれぞれには、初期値からインクリメントしたユニークなファイル名が付される。
【0028】
送信先フォルダのプロジェクト番号は、1から順次インクリメントされるが、その上限は例えば10と固定することができる。プロジェクト番号が10までいくと、プロジェクト番号は再び1に戻る。プロジェクト番号に加え、プロジェクト名を入力してもよい。プロジェクト名は、具体的には工事現場の名称や工事対象の建築物の名称等であって、少なくとも工事現場を特定する文字情報である。従って、送信先フォルダには、プロジェクト番号とプロジェクト名がセットとして付される。プロジェクト名はデジタルカメラ10の作業者が入力することができる。あるいは、デジタルカメラ10を管理する管理会社がデジタルカメラ10を現在の作業者に配布する前に入力することができる。あるいは、USBメモリにプロジェクト名を自動入力するプログラムを格納し、デジタルカメラ10にUSBメモリを挿入することで、そのプログラムが実行を開始し、プロジェクト名を自動入力することもできる。あるいは、ASPサーバ16からインターネット12を介してプロジェクト名のデータをデジタルカメラ10に送信してもよい。
【0029】
プロジェクト番号に加え、プロジェクト名を付加する技術的理由は以下の通りである。すなわち、工事現場の作業者は、時間に応じて工事現場を移動する場合が少なくない。例えば、午前中はある工事現場で特定の作業を行い、午後は別の工事現場で特定の作業を行う等である。この場合、その作業者が撮影する現場写真の画像データは、午前と午後で工事現場が異なるため、これらが互いに区別しなければならない。送信先フォルダのプロジェクト番号を午前と午後で異なる番号とすることで互いに区別することは可能であるが、プロジェクト番号だけでは工事現場が異なることを認識するのは困難である。同一工事現場でも、多少異なる部位の現場写真を撮影する際にもプロジェクト番号を変更する必要が生じる場合もあるからである。そこで、プロジェクト番号に加え、工事現場の名称等をプロジェクト名として付加することで、工事現場が変化した事実を容易に把握することが可能となる。
【0030】
デジタルカメラ10からメールサーバ14に送信される電子メールのサブジェクトには、デジタルカメラ10にユニークに割り当てられた固有の識別番号であるID、送信先番号、フォルダプロジェクト番号、フォルダプロジェクト名、ファイル番号、撮影日時、フォルダ内番号、フォルダ内ファイル総数が含まれる。例えば、電子メールのサブジェクトのフォーマットは、A−B−C−D−E−F−Gである。ここで、Aはデジタルカメラ10のID、Bは送信先番号、Cはフォルダプロジェクト番号及びフォルダプロジェクト名、Dはファイル番号、Eは撮影日時、Fはフォルダ内番号、Gはフォルダ内ファイル総数を示す。
【0031】
デジタルカメラ10からKY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データを送信する場合も、同様に電子メール形式で送信する。電子メールのサブジェクトには、デジタルカメラ10にユニークに割り当てられたID、送信先番号、フォルダプロジェクト番号、フォルダプロジェクト名、撮影日時が含まれる。
【0032】
なお、入退場管理カードの画像データを送信する場合、撮影日時については画像データをEXIF規格で送信すれば、画像データにTIFF形式で自動的に撮影日時のデータが付加されるため、電子メールのサブジェクトに撮影日時を付加する必要はない。重要なことは、デジタルカメラ10側で入退場管理カードを撮影した日時を自動的に取得してその画像データに付加することにある。入退場管理カードの画像データから抽出する時刻データは、労務管理の入場時刻と退場データを基礎付けるデータであるから正確であるとともに恣意的な改ざんを防ぐ必要がある。本実施形態におけるデジタルカメラ10は、ユーザである工事施工者(現場作業者及び現場監督者をともに含む)による日時の設定及び修正が不可能な構成とし、撮影日時が自動的に画像に付加される構成とすることで、正確性と改ざん防止が図られる。
【0033】
3.ASPサーバの構成
図3に、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)サーバ16の構成ブロック図を示す。ASPサーバ16は、通信インタフェース(I/F)16a、CPU16b、ROMやRAM等のメモリ16c、ユーザ属性を記憶するユーザ属性データベース(DB)16d、現場写真の画像データ等を記憶する画像データベース(DB)16e、画像データを所定のファイルフォーマットに編集、加工して得られたファイルデータを記憶するファイルデータベース(DB)16fを備える。
【0034】
ユーザ属性データベース16dは、ユーザである管理会社(あるいは管理会社の担当者)の基本情報、具体的には名称、住所、管理端末18(あるいは管理端末20)のIPアドレス、管理会社が管理するデジタルカメラ10のIDを対応付けてテーブルとして記憶する。例えば、デジタルカメラ10として、デジタルカメラA,デジタルカメラB,デジタルカメラC,デジタルカメラD,デジタルカメラEの5個のデジタルカメラがあり、これらが全てある管理者により管理されるものとすると、管理者の名称と管理端末18とデジタルカメラA〜デジタルカメラEのそれぞれのIDが対応付けてテーブルとして記憶される。このテーブルを参照することで、管理者が管理するデジタルカメラがどれかを特定することができる。また、ユーザ属性データベース16dは、さらにユーザである管理会社毎のユーザIDやパスワードを記憶する。
【0035】
CPU16bは、ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルを用いてどのデジタルカメラから現場写真の画像データ等が送信され、どの管理端末に対して受信完了通知を送信するかを決定する。また、管理端末18(あるいは管理端末20)からの要求に応じ、現場写真の画像データ等を前記画像データベース16eあるいはファイルデータベース16fから読み出して管理端末18(あるいは管理端末20)に送信する。ASPサーバ16の各種処理は、基本的にCPU16bで実行される。
【0036】
4.メールサーバ及びASPサーバの基本処理内容
図4に、メールサーバ14及びASPサーバ16の基本処理フローチャートを示す。メールサーバ14のCPU及びASPサーバ16のCPU16bの処理である。まず、メールサーバ14は、デジタルカメラ10から送信された電子メールを順次受信する(S101)。電子メールには、現場写真の画像データが添付されている。
【0037】
次に、メールサーバ14は、受信した電子メールのサブジェクトに含まれるプロジェクト番号毎に現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する(S102)。ASPサーバ16は、メールサーバ14からの現場写真の画像データを受信し、プロジェクト番号とプロジェクト名毎に仕分けして画像データベース16eに記憶する。
【0038】
次に、ASPサーバ16は、電子メールのサブジェクト内のIDから、そのIDに対応するデジタルカメラ10を管理する管理会社の管理端末を、ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルを用いて識別あるいは特定する(S103)。ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルでは、複数のデジタルカメラのそれぞれにIDが割り当てられ、複数のデジタルカメラのそれぞれのID毎に管理端末が割り当てられているので、たとえ複数のデジタルカメラから電子メールが送信されたとしても、ASPサーバ16は電子メールのサブジェクトに含まれるIDから管理端末を特定することができる。
【0039】
次に、ASPサーバ16は、識別あるいは特定した管理端末に対して電子メールの受信完了を通知する(S104)。受信完了通知には、デジタルカメラのID、受信した画像枚数、撮影日時の各データが含まれる。これらはいずれも受信した電子メールのサブジェクトに含まれるデータである。また、ASPサーバ16は、データベースからプロジェクト番号毎に記憶されている現場写真の画像データを画像データベース16eから読み出し、所定のファイルフォーマットに編集してファイルデータベース16fに記憶する(S105)。なお、図では管理端末に受信完了を通知した後に画像データを所定のフォーマットに編集しているが、画像データを所定のフォーマットに編集した後に管理端末に受信完了を通知することもできる。
【0040】
ファイルフォーマットは、ユーザ属性データベース16dに記憶されるユーザ属性に基づいて決定される。但し、受信した電子メールの本文にファイルフォーマットに関するデータが含まれている場合には、このフォーマットデータに基づいて編集することもできる。
【0041】
受信完了通知を受信した管理端末は、ASPサーバ16に対して現場写真の画像データを要求する。例えば、ASPサーバ16が特定した管理端末が管理端末18であり、ASPサーバ16が受信完了通知を管理端末18に送信すると、管理端末18のユーザである管理会社の担当者は、管理端末18を用いて受信完了通知を確認する。そして、管理会社の担当者は、この受信完了通知を確認した後、管理端末18からインターネット12を介してASPサーバ16に対して現場写真の画像データの送信を要求する。ASPサーバ16は、管理端末から画像データ送信の要求を受信すると、ファイルデータベース16fに記憶されている編集済みの画像データを当該管理端末に送信する(S106)。
【0042】
より詳細に説明すると、以下のとおりである。すなわち、管理端末18のユーザは、ASPサーバ16から受信完了通知を受信すると、管理端末18を用いてASPサーバ16にアクセスする。ASPサーバ16は、管理端末18からアクセス要求があると、ユーザ名及びパスワードの入力を要求する。管理端末18のユーザは、この要求に応じてASPサーバ16に対してユーザ名及びパスワードを入力して送信する。ASPサーバ16は、管理端末18からユーザ名及びパスワードを受信すると、ユーザ属性データベース16dに記憶されたユーザ名及びパスワードと受信したユーザ名及びパスワードとを照合し、正しいユーザであるか否かを確認する(ユーザ認証)。ユーザ認証が完了すると、次に管理端末18のユーザは必要なファイルを要求する処理に移行する。ファイルの種類としては、デジタルカメラ毎の表示、写真一覧、スライドショー、マトリクスがある。
【0043】
5.KY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データの処理内容
次に、本実施形態において、工事施工者の労務管理に用いられるKY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データの処理について説明する。
【0044】
図5に、KY日誌100の一例を示す。KY(危険予知)日誌とは、工事安全管理に用いられる日誌であり、工事における危険ポイントを予め抽出し、これらについて危険の度合いを評価するとともに、危険を取り除くための方策について記載するものである。KY日誌には、工事現場名として邸名、及び工事名としての作業名(あるいは作業内容)、今日の作業における危険のポイント、危険のポイントに対する対策、自主的に解決できない危険ポイント、自主的に改善できない品質美化のポイント等を記載する項目が設けられており、毎日の作業に先立って工事施工者(例えば現場監督者)が記入する。最も重要な項目の一つは、自主的に解決できない危険ポイントであり、このような危険ポイントがあれば、直ちに工事管理者に連絡し、工事管理者は当該危険ポイントを取り除くために適切な対策を迅速にとることが要求される。
【0045】
KY日誌100は毎日記入されて工事管理者に提供されるが、工事管理者に届くまでにタイムラグがあると、その分だけ危険ポイントの除去に時間がかかり、作業効率が低下する。
【0046】
そこで、工事施工者は、KY日誌100をデジタルカメラ10で撮影し、画像データとして撮影直後にASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、KY日誌100を画像データベース16eに記憶するとともに、管理端末18あるいは管理端末20からの要求に応じて管理端末18あるいは管理端末20にKY日誌の画像データを送信する。また、ASPサーバ16は、KY日誌の画像データに含まれるデータのうち、邸名や工事名を抽出して画像データベース16eに別途記憶しておく。KY日誌の画像データから邸名や工事名の部分を画像処理により文字認識してもよく、当該部分のみをトリミングして画像データのまま抽出してもよい。あるいは、KY日誌100にQRコード100aを付加し、このQRコードに邸名や工事名をコードとして埋め込んでおくこともできる。QRコード100aを受信したASPサーバ16では、QRコードをデコードし、邸名や工事名を取得してもよい。
【0047】
なお、KY日誌100には、日付や天候、入場時刻や退場時刻を記載する場合もあるが、これらは統一的に、かつ、正確に記載されているとは言い難く、あくまで危険を未然に予知し防止することを主眼として記載されていることに留意されたい。従来においても、KY日誌は工事現場で用いられているが、これとは別に作業日報、作業月報を作成して労務管理を行っている所以である。すなわち、KY日誌は労務管理用として用いられていない。本実施形態では、KY日誌のうちの一部のデータを労務管理の基礎データとして援用したところに特徴の一つがある。
【0048】
一方、図6に、入退場管理カード200の一例を示す。入退場管理カード200には、工事施工者名が記入された欄と、入場欄、退場欄が存在する。工事施工者の入場時には、入場欄に印(図では丸印)が付される。また、退場時には退場欄に印が付される。工事施工者は、現場入場時に、入場欄に印が付された入退場管理カードをデジタルカメラ10で撮影し、入退場管理カードの画像データをASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、受信した画像データを画像データベース16eに記憶する。入退場管理カード200には、工事施工者名及び入退場の区別が記入されているから、ASPサーバ16は画像データから工事施工者名及び入退場を抽出して画像データとは別個に画像データベース16eに記憶する。工事施工者名及び入退場は画像データから文字認識してもよく、あるいは画像データから当該部分をトリミングして抽出してもよい。また、ASPサーバ16は、入退場管理データの画像データにEXIFデータとして付加されている撮影日時データを抽出し、画像データベース16eに記憶する。撮影日時データは、工事施工者が設定したのではなく、撮影時にデジタルカメラ10が自動的に付加したデータである。入場時の撮影日時は入場時刻に相当し、退場時の撮影日時は退場時刻に相当する。
【0049】
以上のようにして、ASPサーバ16の画像データベース16eには、KY日誌100の画像データ、入退場管理カードの画像データに加え、工事現場名、工事名、工事施工者名、入場/退場、入場時刻/退場時刻の各データが記憶される。
【0050】
図7に、本実施形態におけるデジタルカメラ10での撮影動作を模式的に示す。工事施工者は、記入済のKY日誌100をデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、KY日誌100の画像データを送信する。KY日誌100の撮影と相前後して、入場時には入場欄に印が付された入退場管理カードをデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、入退場管理カードの画像データを送信する。また、退場時には退場欄に印が付された入退場管理カード200をデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、入退場管理カードの画像データを送信する。工事日報に入場時の時刻や退場時の時刻を記入して工事管理者に提出することは煩雑であり、正確性にも欠けるが、このように単に入退場管理カード200を撮影して送信するだけでよいのであれば、工事施工者も極めて容易にこれを実行することができる。しかも、入退場時刻はデジタルカメラ10が自動的に付加するのであるから、正確性が担保され改ざんのおそれも少ない。
【0051】
多くの工事施工者にとり、工事自体がメインであって、これに伴う事務的な作業は二次的なものであり、煩雑で面倒と感じることが多い。本実施形態では、デジタルカメラ10を操作して特定の書類を撮影し、特定のボタンを操作してサーバに送信するだけでよいので、工事施工者の事務作業の軽減効果は極めて大きいといえる。このことは、労務管理の実効性が担保されることも意味する。
【0052】
図8に、ASPサーバ16における労務管理処理のフローチャートを示す。まず、ASPサーバ16は、デジタルカメラ10から電子メールを受信する(S201)。受信した電子メールにはKY日誌の画像データが添付されているので、この画像データを画像データベース16eに記憶するとともに、この画像データから工事現場名としての邸名、工事名(工事内容)としての作業名を抽出して画像データベース16eに記憶する(図5を併せて参照されたい:S202)。QRコード100aに工事現場名や工事名が含まれている場合には、QRコードをデコードしてこれらのデータを抽出する。
【0053】
また、この処理と相前後して、受信した電子メールには入退場管理カードの画像データが添付されているので、この画像データを画像データベース16eに記憶するとともに、この画像データから工事施工者名としての工務店名、入場/退場を抽出する。また、画像データに付加されている撮影日時のデータを入場時刻あるいは退場時刻として抽出し、画像データベース16eに記憶する(S203)。
【0054】
そして、抽出した工事現場名、工事名、工事施工者名、入場時刻、退場時刻を画像データベース16eから抽出し、これらを互いに関連づけて労務管理ファイルを作成し、ファイルデータベース16fに記憶する。労務管理ファイルは、工事管理者からの要求に応じて、管理端末18あるいは管理端末20に送信する(S204)。
【0055】
ASPサーバ16のCPU16bが作成する労務管理ファイルのフォーマットは任意であり、少なくとも、工事現場名、工事名、工事施工者名、入場時刻、退場時刻が含まれていればよい。一例としては、既存の作業日報あるいは作業月報に準じたフォーマットとすることができる。労務管理ファイルのフォーマットは、ASPサーバ16側で独自に設定してもよく、あるいは管理端末を管理する工事管理者が設定してもよい。
【0056】
以上のように、工事施工者は、デジタルカメラ10を操作して所定の書類を撮影するのみで労務管理が行われるので、従来のような工事日報や工事月報は不要化される。また、入場時刻や退場時刻はデジタルカメラ10で自動で設定するため正確性が担保され、工事管理者は労務管理を正確に実行することができる。
【0057】
本実施形態では、現場写真の画像データ、KY日誌の画像データ、入退場管理カードの画像データを画像データベース16eに記憶しているが、画像データベース16eは物理的に1個のストレージである必要はなく、複数のストレージから構成されていてもよい。そして、現場写真の画像データをあるストレージに記憶し、KY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データを異なるストレージに記憶してもよい。
【0058】
また、本実施形態では、危険予知シートの例としてKY日誌を挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、その名称は問わない。要するに、工事現場において危険予知活動あるいは工事安全管理活動において、工事に先立って記入するシートあるいは日誌であれば任意のものが該当し得る。
【0059】
また、本実施形態では、危険予知シートの画像データから工事現場名、工事名を抽出しているが、入退場管理カードに工事現場名及び工事名を記載すれば、入退場管理データの画像データのみで労務管理ファイルを作成するために必要なデータである、工事現場名、工事名、工事施工者名、入退場時刻を得ることができる。このような場合の入退場管理カードの一例を図9に示す。
【0060】
本実施形態の変形例として、工事施工者がある会社に属する、あるいは雇用関係にある複数の作業者ないし職人である場合、工事施工者の労務管理としては、工事施工者の個々の作業者ないし職人の労務管理まで行うことができれば好適である。以下では、工事施工者の個々の作業者ないし職人(以下では、簡略のため職人と統一する)の労務管理を行う場合について説明する。
【0061】
図10に、変形例の処理フローチャートを示す。まず、工事施工者は、工事に従事する職人の住所や氏名等の職人情報を工事施工者の会社名や工事現場名と関連づけて端末からサーバに送信してサーバに登録する(S301)。職人情報を登録すべきサーバは、ASPサーバ16と同一でもよく、あるいはこれと異なるサーバであってもよい。
【0062】
職人情報を登録すると、サーバ側では、この職人情報に基づいて、職人の氏名を含むQRコードを生成して記憶する。工事施工者は、記憶されたQRコードをダウンロードするとともに、プリンタ等の印刷装置から印刷する(S302)。QRコードに含まれる情報は、具体的には、工事現場名、工事名、工事施工者、職人名である。そして、工事施工者は、印刷装置で印刷したQRコードを、そのQRコードに対応する職人に配布する(S303)。
【0063】
職人は、配布を受けたQRコードを所定部位、例えば工事現場で作業する際に着用が義務付けられている安全ヘルメットに貼付する。そして、工事現場に入る際及び工事現場から出る際に、安全ヘルメットに貼付されたQRコードをデジタルカメラ10で撮影する(S304)。この処理は、図7においてデジタルカメラ10でKY日誌100と入退場管理カード200を撮影することと並行して、あるいはこれらと相前後して行われる。なお、配布を受けたQRコードをヘルメットではなく首からさげる、あるいは作業着の所定部位に貼付する等も可能であり、この場合には着用品のこれらの部位のQRコードを撮影する。QRコードを工事現場の看板に貼付することもあり得る。
【0064】
デジタルカメラ10は、QRコードを撮影してその画像データを取得すると、公知のQRコードデコードプログラムを実行してQRコードに含まれるテキスト情報を抽出する。QRコードを撮影してテキスト情報を抽出する技術は、携帯電話等で周知であるからその詳細については省略する。デジタルカメラ10は、QRコードを解析して得られたテキスト情報をASPサーバ16に送信する。QRコードに含まれるテキスト情報を例示すると、例えば以下のようである。
【0065】
corp:aaa工務店,project:bb,project no.:0123456,name:dddd
ここで、corpは工事施工者、projectは工事現場(邸名)、project noは工事現場のコード番号、nameは職人の氏名を意味する。これらのテキストデータは、デジタルカメラ10からASPサーバ16に送信される。
【0066】
ASPサーバ16では、デジタルカメラ10から送信されたテキスト情報を受信し、データベースに登録する(S305)。一方、ASPサーバ16は、図8の処理フローチャートで示したように、KY日誌データから工事現場(邸名)、工事名を抽出して記憶し、カードデータから作業者名(工事施工者)、入場時刻、退場時刻を抽出して記憶しているから、これらのデータを用いて、個々の職人を特定した労務管理データを作成して管理端末に送信する(S204)。すなわち、テキスト情報には、職人の氏名の他に、この職人の氏名に関連づけて工事施工者や工事現場が含まれているから、これらを用いてKY日誌データ及びカードデータとの関連付けを行い、労務管理データを作成する。
【0067】
図11に、職人の安全ヘルメットに貼付されたQRコード300の一例を示す。QRコード300は、安全ヘルメットの所定位置、例えば側面に貼付される。職人がこの安全ヘルメットを着用して工事現場に入る際に、デジタルカメラ10で安全ヘルメットのQRコードが撮影される。このとき、入退場管理カード200も撮影されるので、例えば入退場カード200を持った職人を撮影する際に、その職人の安全ヘルメットも同時に撮影してQRコードを撮影する。なお、上記のようにQRコードの貼付部位はヘルメットに限定されるわけではなく、職人の任意の着用品に貼付することができる。
【0068】
図12に、労務管理データの一例を示す。図12に示す労務管理データは、いわゆる工事月報のフォーマットで作成されており、月毎の工事施工者及び職人の入退場時刻を記録したものである。なお、図では工事名を省略している。
【0069】
このように、QRコードに工事を行う作業者ないし職人の氏名あるいは個人を特定する情報を含ませてデジタルカメラ10で撮影する構成とすることで、作業者ないし職人まで特定した労務管理データを容易に作成することができる。本実施形態では、工事現場でデジタルカメラ10を用いて所定の対象物を撮影するだけで労務管理データが作成される点に着目すべきである。
【0070】
一般に、労務管理に携帯電話を用いる場合も提案されている。すなわち、現場に入場する際に携帯電話から所定の番号に電話をかけることで労務管理を行うものである。携帯電話は本来的に任意の場所から電話をかけることができるから、電話をかけた当事者が真にその現場にいることを保証するものではない。また、職人が毎日きちんと電話をかけないことも想定され、電話番号のかけ間違いもあり得る。これらのシステムと対比すれば、本実施形態の有効性は明らかであろう。
【0071】
なお、本実施形態では、QRコード300に工事施工者や工事現場が含まれており、これらのデータはKY日誌のデータや入退場カードのデータと重複していることから、これらの重複データを補完用に用いることもできる。
【0072】
例えば、入退場管理カード200には、図6に示されるように「○△工務店」と工事施工者名が含まれているが、工事現場によっては入退場管理カード200に工事施工者が含まれていない場合もあり得る。この場合、入退場管理カード200から抽出された工事施工者をメインデータ、QRコード300に含まれる工事施工者をサブデータとし、メインデータが存在する場合にはそのメインデータを使用し、メインデータが存在しないもののサブデータが存在する場合にはそのサブデータを使用するようにしてもよい。
【0073】
あるいは、QRコード300を撮影する場合にも、デジタルカメラ10でその撮影時刻を自動取得するので、入退場管理カード200を撮影したときの時刻をメインデータとし、QRコードを撮影したときの時刻をサブデータとしてもよい。入退場管理カード200を撮影したときの時刻と、QRコードを撮影したときの時刻との差が所定時間以内である場合のみ、入退場管理カード200を撮影したときの時刻、すなわち入退場時刻を真正なものとみなして労務管理データを作成することもできる。
【符号の説明】
【0074】
10 デジタルカメラ、14 メールサーバ、16 ASPサーバ、18,20 管理端末、100 危険予知シート(KY日誌)、200 入退場管理カード。
【技術分野】
【0001】
本発明は工事現場の労務管理システムに関し、特にデジタルカメラ等の撮像手段を用いた労務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場において工事の進捗状況を記録する、工事の進捗状況を管理することを目的として、多数の現場写真を撮影し、これらを建設会社がそれぞれ所定のフォーマットに編集あるいは加工している。
【0003】
一方、建設の事業計画、調査・設計、施工、維持管理までの施設のライフサイクル全般にわたる各種情報を電子化し、技術情報や取引情報をネットワークを介して交換及び共有して生産性の向上を図るシステムが提案されており、デジタルカメラの技術進歩とあいまって現場写真をデジタルカメラで取得してデジタル画像データ(デジタル写真データ)として効率的に管理、編集、加工しようとの要望が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−15054号公報
【特許文献2】特許第4121017号
【特許文献3】特許第4174299号
【特許文献4】特許第4318446号
【特許文献5】特許第4330327号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、デジタルカメラなどの撮像手段で撮影した画像データをサーバコンピュータに送信し、サーバコンピュータにおいて画像データを受信して編集し、工事の進捗状況を記録あるいは管理する建設会社の管理端末に送信することで工事管理者は容易に工事の進捗状況をリアルタイムで把握することができるが、その一方で、工事管理者は、現場で作業している作業者の労務管理をこれとは別に行う必要がある。
【0006】
労務管理には、少なくとも、工事施工者の氏名、現場への入場時刻、現場からの退場時刻、工事現場名(例えば邸宅の建設であれば邸名)、作業内容が必要であり、従来においては、現場作業者あるいは現場監督者が現場に工事日報を据え付けて毎日これらの事項を記入し、毎日、工事管理者に提供するか、あるいは工事日報を月次でまとめて工事月報として工事管理者に提供している。
【0007】
しかしながら、これら工事日報や工事月報を作成するのは煩雑であり、現場作業者あるいは現場監督者にとっては面倒な手続である。また、入場時刻や退場時刻は労災保険料の算出等にとって極めて重要であり、正確さが求められるところであるが、かなり曖昧であり、正確とは言い難いのが現状である。特に、何らかの悪意をもって入場時刻や退場時刻、あるいは現場作業者の人数等が改ざんされたとしても、工事管理者側でこれを把握することは困難である。
【0008】
一方、会社においては、タイムカードを入社時刻と退社時刻を管理することが一般的に行われているが、このようなタイムカードを現場に設置して管理するのは現実的ではない。また、現場は比較的短期間に変わり得るものであり、現場作業者も同様に変わり得るものであることを考慮すると、タイムカードに変わるシステム、例えば作業者全員にIDカードを携帯させ、セキュリティゲートでIDカードの情報を読み取ることで入場時刻、退場時刻を管理することも現実的とはいえない。
【0009】
本発明の目的は、工事管理者が工事施工者を管理する場合において、工事施工者の労務管理を簡易に、かつ、正確に実行することができるシステム及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、工事現場の労務管理システムであって、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末とを備え、前記サーバは、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記サーバの前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、工事現場の労務管理システムであって、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末とを備え、前記サーバは、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記サーバの前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、プロセッサと、前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースとを備え、前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、工事管理者が工事施工者を管理する場合において、工事施工者の労務管理を簡易に、かつ、正確に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のシステム構成図である。
【図2】デジタルカメラの構成図である。
【図3】ASPサーバの構成図である。
【図4】メールサーバ及びASPサーバの基本処理フローチャートである。
【図5】KY(危険予知)日誌の説明図である。
【図6】入退場管理カードの説明図である。
【図7】実施形態の動作説明図である。
【図8】ASPサーバの労務管理処理フローチャートである。
【図9】入退場管理カードの他の説明図である。
【図10】変形例の処理フローチャートである。
【図11】QRコードの貼付例を示す説明図である。
【図12】労務管理データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0017】
1.システムの基本構成
まず、本実施形態における工事現場管理システムのシステム構成図を示す。システムは、デジタルカメラ10、メールサーバ(メールサーバコンピュータ)14、ASPサーバ(ASPサーバコンピュータ)16、管理端末(端末装置)18,20を含んで構成される。デジタルカメラ10、メールサーバ14、ASPサーバ16、管理端末18,20はそれぞれ無線あるいは有線でインターネット12に接続される。
【0018】
撮像手段としてのデジタルカメラ10は、工事現場の作業者により操作される。作業者は、デジタルカメラ10を操作して工事現場の現場写真を撮影する。デジタルカメラ10は、無線によりインターネット12に接続される。作業者は、デジタルカメラ10で撮影した現場写真の画像データその他の画像データをインターネット12を介してメールサーバ14に送信する。すなわち、作業者は、撮影した現場写真の画像データを電子メール形式でメールサーバ14に送信する。現場写真以外の画像データとは、具体的には危険予知シートとしてのKY(危険予知)日誌の画像データと入退場管理カードの画像データであるが、これらについては後述する。デジタルカメラ10から電子メール形式で現場写真の画像データ等を送信する際の宛先、すなわちメールアドレスは、予めデジタルカメラ10内のメモリに記憶されており、作業者はデジタルカメラ10の送信ボタンを操作するのみで所望の宛先に電子メールを送信することができる。現場写真の画像データ等の画像データは、電子メールの添付ファイルとしてメールサーバ14に送信される。現場写真の画像データ等がJPEGフォーマットの場合、JPEGフォーマットをBase64等のエンコーダを用いてテキストデータに変換する。
【0019】
メールサーバ14は、デジタルカメラ10から送信された電子メールを受信し、電子メールに添付された現場写真の画像データ等を抽出する。メールサーバ14は、抽出した現場写真の画像データ等をASPサーバ16に送信する。メールサーバ14は、インターネット12を介して現場写真の画像データ等をASPサーバ16に送信するが、インターネット12の代わりに専用回線を介してASPサーバ16に送信することもできる。専用回線は公衆回線あるいは非公衆回線のいずれかである。デジタルカメラ10において複数の現場写真を撮影し、これら複数の現場写真の画像データを1通ずつ電子メール形式でメールサーバ14に送信した場合、メールサーバ14は複数の電子メールを受信する。この場合、メールサーバ14は、各電子メールのサブジェクト(件名)内のデータに基づいて現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する。サブジェクト内のデータは、プロジェクト番号であり、フォルダプロジェクト番号である。デジタルカメラ10においては、送信先毎にフォルダが形成されており、撮影した現場写真の画像データはデジタルカメラ10内の各フォルダにまとめて記憶される。同一送信先に異なる複数の現場写真の画像データを送信する場合、単一のフォルダではこれら複数の画像データを互いに区別することはできない。そこで、デジタルカメラ10では、これら複数の画像データを各フォルダに付されたプロジェクト番号で管理する。プロジェクト番号は、デジタルカメラ10のプロセッサによって電子メールのサブジェクト(件名)に自動的に挿入される。メールサーバ14は、サブジェクト内のプロジェクト番号を用いて現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する。
【0020】
ASPサーバ16は、メールサーバ14から送信されたプロジェクト番号毎の現場写真の画像データをデータベースに記憶し、各プロジェクト番号毎に記憶された現場写真の画像データを用いて所定のフォーマットに編集あるいは加工してファイルデータを生成する。ASPサーバ16は、また、メールサーバ14から現場写真の画像データを受信したときに、電子メールのサブジェクトに含まれるデジタルカメラ10のIDに基づいて、そのデジタルカメラ10を管理する管理端末を特定し、特定した管理端末にインターネット12を介して受信通知を送信する。例えば、管理会社Aが管理端末18のユーザであり、デジタルカメラ10を操作する作業者を管理するものとする。ASPサーバ16は、デジタルカメラ10のIDに基づいてデジタルカメラ10を管理するのが管理会社Aであり、管理会社Aは管理端末18のユーザであるから、デジタルカメラ10を管理する管理端末として管理端末18を特定する。また、デジタルカメラ10以外に他のデジタルカメラが存在するものとし、管理会社Bが管理端末20のユーザであり、当該他のデジタルカメラを操作する作業者を管理するものとすると、ASPサーバ16は、当該他のデジタルカメラのIDに基づいて当該他のデジタルカメラを管理するのが管理会社Bであり、管理会社Bは管理端末20のユーザであるから、当該他のデジタルカメラを管理する管理端末として管理端末20を特定する。
【0021】
また、ASPサーバ16は、メールサーバ14から送信された現場写真以外の画像データ、具体的にはKY日誌の画像データと入退場管理カードの画像データをデータベースに記憶する。そして、KY日誌の画像データに含まれる工事現場名と工事名を抽出してデータベースに記憶する。また、入退場管理カードの画像データに含まれる工事施工者名と入退場のデータを抽出してデータベースに記憶する。さらに、ASPサーバ16は、入退場管理カードの画像データに付加されている時刻データを抽出してデータベースに記憶する。ASPサーバ16は、KY日誌の画像データから抽出した工事現場名と工事名、及び入退場管理カードの画像データから抽出した工事施工者名、入退場の区別、時刻をまとめて労務管理ファイルデータを作成する。
【0022】
ユーザである管理会社の管理者は、現場写真の画像データファイルが必要な場合には、管理端末18あるいは管理端末20を用いてASPサーバ16にアクセスし、ASPサーバ16にて編集あるいは加工されたファイルデータを取得して管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示させる。管理者は、管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示されたファイルデータを視認することで、工事現場においてデジタルカメラ10あるいは他のデジタルカメラで撮影された現場写真の画像データを確認し、工事の状況を確認することができる。また、管理者は、管理端末18あるいは管理端末20の表示装置に表示された労務管理ファイルデータを視認することで、工事施工者の労務を管理することができる。
【0023】
2.デジタルカメラの構成
図2に、デジタルカメラ10の構成ブロック図を示す。デジタルカメラ10は、CMOSやCCD等のセンサ(イメージセンサ)10a、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)10b、CPU10c、メモリインタフェース(I/F)10d、JPEGコーデック10e、メモリ10f及び通信インタフェース(I/F)10gを備える。なお、公知であるために図には示していないが、デジタルカメラ10は焦点レンズやズームレンズ、シャッタ、絞り等の光学系も備えており、光学系によって被写体像をセンサ10aに結像する。
【0024】
センサ10aは、被写体である工事現場の像を電気信号に変換する。電気信号はデジタル画像信号に変換され、DSP10bに供給される。
【0025】
DSP10bは、デジタル画像データに対し、ゲイン補正(ホワイトバランス感度設定)、ガンマ補正、同時化処理、RGB−YC変換処理、ノイズ低減処理、輪郭補正等の各種処理を実行する。
【0026】
JPEGコーデック10eは、DSP10bで処理されたデジタル画像データをJPEGフォーマットに変換圧縮し、現場写真の画像データとしてメモリ10fに格納する。メモリ10fは、例えばフラッシュメモリである。
【0027】
CPU10cは、現場写真の画像データ等をメモリ10fに格納する際に、送信先毎に作成されたフォルダにて一括管理する。例えば、送信先が2箇所ある場合、それぞれの送信先番号を有するフォルダが作成される。CPU10cは、各送信先フォルダにプロジェクト番号を初期値から順に付与していく。撮影日時も同時にメモリ10fに格納される。さらに、現場写真の画像データについての基本的なデータ、例えば撮影時の状況や撮影部位のデータもメモリ10fに格納される。CPU10cは、現場写真の画像データ等をメールサーバ14に送信する場合、送信先フォルダ内に格納されている現場写真の画像データ等を電子メールの添付ファイルとしてテキストデータに変換して送信する。また、電子メールのサブジェクト(件名)にプロジェクト番号等のデータをメモリ10fから読み出して自動的に挿入する。なお、複数の現場写真の画像データのそれぞれには、初期値からインクリメントしたユニークなファイル名が付される。
【0028】
送信先フォルダのプロジェクト番号は、1から順次インクリメントされるが、その上限は例えば10と固定することができる。プロジェクト番号が10までいくと、プロジェクト番号は再び1に戻る。プロジェクト番号に加え、プロジェクト名を入力してもよい。プロジェクト名は、具体的には工事現場の名称や工事対象の建築物の名称等であって、少なくとも工事現場を特定する文字情報である。従って、送信先フォルダには、プロジェクト番号とプロジェクト名がセットとして付される。プロジェクト名はデジタルカメラ10の作業者が入力することができる。あるいは、デジタルカメラ10を管理する管理会社がデジタルカメラ10を現在の作業者に配布する前に入力することができる。あるいは、USBメモリにプロジェクト名を自動入力するプログラムを格納し、デジタルカメラ10にUSBメモリを挿入することで、そのプログラムが実行を開始し、プロジェクト名を自動入力することもできる。あるいは、ASPサーバ16からインターネット12を介してプロジェクト名のデータをデジタルカメラ10に送信してもよい。
【0029】
プロジェクト番号に加え、プロジェクト名を付加する技術的理由は以下の通りである。すなわち、工事現場の作業者は、時間に応じて工事現場を移動する場合が少なくない。例えば、午前中はある工事現場で特定の作業を行い、午後は別の工事現場で特定の作業を行う等である。この場合、その作業者が撮影する現場写真の画像データは、午前と午後で工事現場が異なるため、これらが互いに区別しなければならない。送信先フォルダのプロジェクト番号を午前と午後で異なる番号とすることで互いに区別することは可能であるが、プロジェクト番号だけでは工事現場が異なることを認識するのは困難である。同一工事現場でも、多少異なる部位の現場写真を撮影する際にもプロジェクト番号を変更する必要が生じる場合もあるからである。そこで、プロジェクト番号に加え、工事現場の名称等をプロジェクト名として付加することで、工事現場が変化した事実を容易に把握することが可能となる。
【0030】
デジタルカメラ10からメールサーバ14に送信される電子メールのサブジェクトには、デジタルカメラ10にユニークに割り当てられた固有の識別番号であるID、送信先番号、フォルダプロジェクト番号、フォルダプロジェクト名、ファイル番号、撮影日時、フォルダ内番号、フォルダ内ファイル総数が含まれる。例えば、電子メールのサブジェクトのフォーマットは、A−B−C−D−E−F−Gである。ここで、Aはデジタルカメラ10のID、Bは送信先番号、Cはフォルダプロジェクト番号及びフォルダプロジェクト名、Dはファイル番号、Eは撮影日時、Fはフォルダ内番号、Gはフォルダ内ファイル総数を示す。
【0031】
デジタルカメラ10からKY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データを送信する場合も、同様に電子メール形式で送信する。電子メールのサブジェクトには、デジタルカメラ10にユニークに割り当てられたID、送信先番号、フォルダプロジェクト番号、フォルダプロジェクト名、撮影日時が含まれる。
【0032】
なお、入退場管理カードの画像データを送信する場合、撮影日時については画像データをEXIF規格で送信すれば、画像データにTIFF形式で自動的に撮影日時のデータが付加されるため、電子メールのサブジェクトに撮影日時を付加する必要はない。重要なことは、デジタルカメラ10側で入退場管理カードを撮影した日時を自動的に取得してその画像データに付加することにある。入退場管理カードの画像データから抽出する時刻データは、労務管理の入場時刻と退場データを基礎付けるデータであるから正確であるとともに恣意的な改ざんを防ぐ必要がある。本実施形態におけるデジタルカメラ10は、ユーザである工事施工者(現場作業者及び現場監督者をともに含む)による日時の設定及び修正が不可能な構成とし、撮影日時が自動的に画像に付加される構成とすることで、正確性と改ざん防止が図られる。
【0033】
3.ASPサーバの構成
図3に、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)サーバ16の構成ブロック図を示す。ASPサーバ16は、通信インタフェース(I/F)16a、CPU16b、ROMやRAM等のメモリ16c、ユーザ属性を記憶するユーザ属性データベース(DB)16d、現場写真の画像データ等を記憶する画像データベース(DB)16e、画像データを所定のファイルフォーマットに編集、加工して得られたファイルデータを記憶するファイルデータベース(DB)16fを備える。
【0034】
ユーザ属性データベース16dは、ユーザである管理会社(あるいは管理会社の担当者)の基本情報、具体的には名称、住所、管理端末18(あるいは管理端末20)のIPアドレス、管理会社が管理するデジタルカメラ10のIDを対応付けてテーブルとして記憶する。例えば、デジタルカメラ10として、デジタルカメラA,デジタルカメラB,デジタルカメラC,デジタルカメラD,デジタルカメラEの5個のデジタルカメラがあり、これらが全てある管理者により管理されるものとすると、管理者の名称と管理端末18とデジタルカメラA〜デジタルカメラEのそれぞれのIDが対応付けてテーブルとして記憶される。このテーブルを参照することで、管理者が管理するデジタルカメラがどれかを特定することができる。また、ユーザ属性データベース16dは、さらにユーザである管理会社毎のユーザIDやパスワードを記憶する。
【0035】
CPU16bは、ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルを用いてどのデジタルカメラから現場写真の画像データ等が送信され、どの管理端末に対して受信完了通知を送信するかを決定する。また、管理端末18(あるいは管理端末20)からの要求に応じ、現場写真の画像データ等を前記画像データベース16eあるいはファイルデータベース16fから読み出して管理端末18(あるいは管理端末20)に送信する。ASPサーバ16の各種処理は、基本的にCPU16bで実行される。
【0036】
4.メールサーバ及びASPサーバの基本処理内容
図4に、メールサーバ14及びASPサーバ16の基本処理フローチャートを示す。メールサーバ14のCPU及びASPサーバ16のCPU16bの処理である。まず、メールサーバ14は、デジタルカメラ10から送信された電子メールを順次受信する(S101)。電子メールには、現場写真の画像データが添付されている。
【0037】
次に、メールサーバ14は、受信した電子メールのサブジェクトに含まれるプロジェクト番号毎に現場写真の画像データを仕分けしてASPサーバ16に送信する(S102)。ASPサーバ16は、メールサーバ14からの現場写真の画像データを受信し、プロジェクト番号とプロジェクト名毎に仕分けして画像データベース16eに記憶する。
【0038】
次に、ASPサーバ16は、電子メールのサブジェクト内のIDから、そのIDに対応するデジタルカメラ10を管理する管理会社の管理端末を、ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルを用いて識別あるいは特定する(S103)。ユーザ属性データベース16dに記憶されたテーブルでは、複数のデジタルカメラのそれぞれにIDが割り当てられ、複数のデジタルカメラのそれぞれのID毎に管理端末が割り当てられているので、たとえ複数のデジタルカメラから電子メールが送信されたとしても、ASPサーバ16は電子メールのサブジェクトに含まれるIDから管理端末を特定することができる。
【0039】
次に、ASPサーバ16は、識別あるいは特定した管理端末に対して電子メールの受信完了を通知する(S104)。受信完了通知には、デジタルカメラのID、受信した画像枚数、撮影日時の各データが含まれる。これらはいずれも受信した電子メールのサブジェクトに含まれるデータである。また、ASPサーバ16は、データベースからプロジェクト番号毎に記憶されている現場写真の画像データを画像データベース16eから読み出し、所定のファイルフォーマットに編集してファイルデータベース16fに記憶する(S105)。なお、図では管理端末に受信完了を通知した後に画像データを所定のフォーマットに編集しているが、画像データを所定のフォーマットに編集した後に管理端末に受信完了を通知することもできる。
【0040】
ファイルフォーマットは、ユーザ属性データベース16dに記憶されるユーザ属性に基づいて決定される。但し、受信した電子メールの本文にファイルフォーマットに関するデータが含まれている場合には、このフォーマットデータに基づいて編集することもできる。
【0041】
受信完了通知を受信した管理端末は、ASPサーバ16に対して現場写真の画像データを要求する。例えば、ASPサーバ16が特定した管理端末が管理端末18であり、ASPサーバ16が受信完了通知を管理端末18に送信すると、管理端末18のユーザである管理会社の担当者は、管理端末18を用いて受信完了通知を確認する。そして、管理会社の担当者は、この受信完了通知を確認した後、管理端末18からインターネット12を介してASPサーバ16に対して現場写真の画像データの送信を要求する。ASPサーバ16は、管理端末から画像データ送信の要求を受信すると、ファイルデータベース16fに記憶されている編集済みの画像データを当該管理端末に送信する(S106)。
【0042】
より詳細に説明すると、以下のとおりである。すなわち、管理端末18のユーザは、ASPサーバ16から受信完了通知を受信すると、管理端末18を用いてASPサーバ16にアクセスする。ASPサーバ16は、管理端末18からアクセス要求があると、ユーザ名及びパスワードの入力を要求する。管理端末18のユーザは、この要求に応じてASPサーバ16に対してユーザ名及びパスワードを入力して送信する。ASPサーバ16は、管理端末18からユーザ名及びパスワードを受信すると、ユーザ属性データベース16dに記憶されたユーザ名及びパスワードと受信したユーザ名及びパスワードとを照合し、正しいユーザであるか否かを確認する(ユーザ認証)。ユーザ認証が完了すると、次に管理端末18のユーザは必要なファイルを要求する処理に移行する。ファイルの種類としては、デジタルカメラ毎の表示、写真一覧、スライドショー、マトリクスがある。
【0043】
5.KY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データの処理内容
次に、本実施形態において、工事施工者の労務管理に用いられるKY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データの処理について説明する。
【0044】
図5に、KY日誌100の一例を示す。KY(危険予知)日誌とは、工事安全管理に用いられる日誌であり、工事における危険ポイントを予め抽出し、これらについて危険の度合いを評価するとともに、危険を取り除くための方策について記載するものである。KY日誌には、工事現場名として邸名、及び工事名としての作業名(あるいは作業内容)、今日の作業における危険のポイント、危険のポイントに対する対策、自主的に解決できない危険ポイント、自主的に改善できない品質美化のポイント等を記載する項目が設けられており、毎日の作業に先立って工事施工者(例えば現場監督者)が記入する。最も重要な項目の一つは、自主的に解決できない危険ポイントであり、このような危険ポイントがあれば、直ちに工事管理者に連絡し、工事管理者は当該危険ポイントを取り除くために適切な対策を迅速にとることが要求される。
【0045】
KY日誌100は毎日記入されて工事管理者に提供されるが、工事管理者に届くまでにタイムラグがあると、その分だけ危険ポイントの除去に時間がかかり、作業効率が低下する。
【0046】
そこで、工事施工者は、KY日誌100をデジタルカメラ10で撮影し、画像データとして撮影直後にASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、KY日誌100を画像データベース16eに記憶するとともに、管理端末18あるいは管理端末20からの要求に応じて管理端末18あるいは管理端末20にKY日誌の画像データを送信する。また、ASPサーバ16は、KY日誌の画像データに含まれるデータのうち、邸名や工事名を抽出して画像データベース16eに別途記憶しておく。KY日誌の画像データから邸名や工事名の部分を画像処理により文字認識してもよく、当該部分のみをトリミングして画像データのまま抽出してもよい。あるいは、KY日誌100にQRコード100aを付加し、このQRコードに邸名や工事名をコードとして埋め込んでおくこともできる。QRコード100aを受信したASPサーバ16では、QRコードをデコードし、邸名や工事名を取得してもよい。
【0047】
なお、KY日誌100には、日付や天候、入場時刻や退場時刻を記載する場合もあるが、これらは統一的に、かつ、正確に記載されているとは言い難く、あくまで危険を未然に予知し防止することを主眼として記載されていることに留意されたい。従来においても、KY日誌は工事現場で用いられているが、これとは別に作業日報、作業月報を作成して労務管理を行っている所以である。すなわち、KY日誌は労務管理用として用いられていない。本実施形態では、KY日誌のうちの一部のデータを労務管理の基礎データとして援用したところに特徴の一つがある。
【0048】
一方、図6に、入退場管理カード200の一例を示す。入退場管理カード200には、工事施工者名が記入された欄と、入場欄、退場欄が存在する。工事施工者の入場時には、入場欄に印(図では丸印)が付される。また、退場時には退場欄に印が付される。工事施工者は、現場入場時に、入場欄に印が付された入退場管理カードをデジタルカメラ10で撮影し、入退場管理カードの画像データをASPサーバ16に送信する。ASPサーバ16は、受信した画像データを画像データベース16eに記憶する。入退場管理カード200には、工事施工者名及び入退場の区別が記入されているから、ASPサーバ16は画像データから工事施工者名及び入退場を抽出して画像データとは別個に画像データベース16eに記憶する。工事施工者名及び入退場は画像データから文字認識してもよく、あるいは画像データから当該部分をトリミングして抽出してもよい。また、ASPサーバ16は、入退場管理データの画像データにEXIFデータとして付加されている撮影日時データを抽出し、画像データベース16eに記憶する。撮影日時データは、工事施工者が設定したのではなく、撮影時にデジタルカメラ10が自動的に付加したデータである。入場時の撮影日時は入場時刻に相当し、退場時の撮影日時は退場時刻に相当する。
【0049】
以上のようにして、ASPサーバ16の画像データベース16eには、KY日誌100の画像データ、入退場管理カードの画像データに加え、工事現場名、工事名、工事施工者名、入場/退場、入場時刻/退場時刻の各データが記憶される。
【0050】
図7に、本実施形態におけるデジタルカメラ10での撮影動作を模式的に示す。工事施工者は、記入済のKY日誌100をデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、KY日誌100の画像データを送信する。KY日誌100の撮影と相前後して、入場時には入場欄に印が付された入退場管理カードをデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、入退場管理カードの画像データを送信する。また、退場時には退場欄に印が付された入退場管理カード200をデジタルカメラ10で撮影してASPサーバ16に送信することで、入退場管理カードの画像データを送信する。工事日報に入場時の時刻や退場時の時刻を記入して工事管理者に提出することは煩雑であり、正確性にも欠けるが、このように単に入退場管理カード200を撮影して送信するだけでよいのであれば、工事施工者も極めて容易にこれを実行することができる。しかも、入退場時刻はデジタルカメラ10が自動的に付加するのであるから、正確性が担保され改ざんのおそれも少ない。
【0051】
多くの工事施工者にとり、工事自体がメインであって、これに伴う事務的な作業は二次的なものであり、煩雑で面倒と感じることが多い。本実施形態では、デジタルカメラ10を操作して特定の書類を撮影し、特定のボタンを操作してサーバに送信するだけでよいので、工事施工者の事務作業の軽減効果は極めて大きいといえる。このことは、労務管理の実効性が担保されることも意味する。
【0052】
図8に、ASPサーバ16における労務管理処理のフローチャートを示す。まず、ASPサーバ16は、デジタルカメラ10から電子メールを受信する(S201)。受信した電子メールにはKY日誌の画像データが添付されているので、この画像データを画像データベース16eに記憶するとともに、この画像データから工事現場名としての邸名、工事名(工事内容)としての作業名を抽出して画像データベース16eに記憶する(図5を併せて参照されたい:S202)。QRコード100aに工事現場名や工事名が含まれている場合には、QRコードをデコードしてこれらのデータを抽出する。
【0053】
また、この処理と相前後して、受信した電子メールには入退場管理カードの画像データが添付されているので、この画像データを画像データベース16eに記憶するとともに、この画像データから工事施工者名としての工務店名、入場/退場を抽出する。また、画像データに付加されている撮影日時のデータを入場時刻あるいは退場時刻として抽出し、画像データベース16eに記憶する(S203)。
【0054】
そして、抽出した工事現場名、工事名、工事施工者名、入場時刻、退場時刻を画像データベース16eから抽出し、これらを互いに関連づけて労務管理ファイルを作成し、ファイルデータベース16fに記憶する。労務管理ファイルは、工事管理者からの要求に応じて、管理端末18あるいは管理端末20に送信する(S204)。
【0055】
ASPサーバ16のCPU16bが作成する労務管理ファイルのフォーマットは任意であり、少なくとも、工事現場名、工事名、工事施工者名、入場時刻、退場時刻が含まれていればよい。一例としては、既存の作業日報あるいは作業月報に準じたフォーマットとすることができる。労務管理ファイルのフォーマットは、ASPサーバ16側で独自に設定してもよく、あるいは管理端末を管理する工事管理者が設定してもよい。
【0056】
以上のように、工事施工者は、デジタルカメラ10を操作して所定の書類を撮影するのみで労務管理が行われるので、従来のような工事日報や工事月報は不要化される。また、入場時刻や退場時刻はデジタルカメラ10で自動で設定するため正確性が担保され、工事管理者は労務管理を正確に実行することができる。
【0057】
本実施形態では、現場写真の画像データ、KY日誌の画像データ、入退場管理カードの画像データを画像データベース16eに記憶しているが、画像データベース16eは物理的に1個のストレージである必要はなく、複数のストレージから構成されていてもよい。そして、現場写真の画像データをあるストレージに記憶し、KY日誌の画像データ及び入退場管理カードの画像データを異なるストレージに記憶してもよい。
【0058】
また、本実施形態では、危険予知シートの例としてKY日誌を挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、その名称は問わない。要するに、工事現場において危険予知活動あるいは工事安全管理活動において、工事に先立って記入するシートあるいは日誌であれば任意のものが該当し得る。
【0059】
また、本実施形態では、危険予知シートの画像データから工事現場名、工事名を抽出しているが、入退場管理カードに工事現場名及び工事名を記載すれば、入退場管理データの画像データのみで労務管理ファイルを作成するために必要なデータである、工事現場名、工事名、工事施工者名、入退場時刻を得ることができる。このような場合の入退場管理カードの一例を図9に示す。
【0060】
本実施形態の変形例として、工事施工者がある会社に属する、あるいは雇用関係にある複数の作業者ないし職人である場合、工事施工者の労務管理としては、工事施工者の個々の作業者ないし職人の労務管理まで行うことができれば好適である。以下では、工事施工者の個々の作業者ないし職人(以下では、簡略のため職人と統一する)の労務管理を行う場合について説明する。
【0061】
図10に、変形例の処理フローチャートを示す。まず、工事施工者は、工事に従事する職人の住所や氏名等の職人情報を工事施工者の会社名や工事現場名と関連づけて端末からサーバに送信してサーバに登録する(S301)。職人情報を登録すべきサーバは、ASPサーバ16と同一でもよく、あるいはこれと異なるサーバであってもよい。
【0062】
職人情報を登録すると、サーバ側では、この職人情報に基づいて、職人の氏名を含むQRコードを生成して記憶する。工事施工者は、記憶されたQRコードをダウンロードするとともに、プリンタ等の印刷装置から印刷する(S302)。QRコードに含まれる情報は、具体的には、工事現場名、工事名、工事施工者、職人名である。そして、工事施工者は、印刷装置で印刷したQRコードを、そのQRコードに対応する職人に配布する(S303)。
【0063】
職人は、配布を受けたQRコードを所定部位、例えば工事現場で作業する際に着用が義務付けられている安全ヘルメットに貼付する。そして、工事現場に入る際及び工事現場から出る際に、安全ヘルメットに貼付されたQRコードをデジタルカメラ10で撮影する(S304)。この処理は、図7においてデジタルカメラ10でKY日誌100と入退場管理カード200を撮影することと並行して、あるいはこれらと相前後して行われる。なお、配布を受けたQRコードをヘルメットではなく首からさげる、あるいは作業着の所定部位に貼付する等も可能であり、この場合には着用品のこれらの部位のQRコードを撮影する。QRコードを工事現場の看板に貼付することもあり得る。
【0064】
デジタルカメラ10は、QRコードを撮影してその画像データを取得すると、公知のQRコードデコードプログラムを実行してQRコードに含まれるテキスト情報を抽出する。QRコードを撮影してテキスト情報を抽出する技術は、携帯電話等で周知であるからその詳細については省略する。デジタルカメラ10は、QRコードを解析して得られたテキスト情報をASPサーバ16に送信する。QRコードに含まれるテキスト情報を例示すると、例えば以下のようである。
【0065】
corp:aaa工務店,project:bb,project no.:0123456,name:dddd
ここで、corpは工事施工者、projectは工事現場(邸名)、project noは工事現場のコード番号、nameは職人の氏名を意味する。これらのテキストデータは、デジタルカメラ10からASPサーバ16に送信される。
【0066】
ASPサーバ16では、デジタルカメラ10から送信されたテキスト情報を受信し、データベースに登録する(S305)。一方、ASPサーバ16は、図8の処理フローチャートで示したように、KY日誌データから工事現場(邸名)、工事名を抽出して記憶し、カードデータから作業者名(工事施工者)、入場時刻、退場時刻を抽出して記憶しているから、これらのデータを用いて、個々の職人を特定した労務管理データを作成して管理端末に送信する(S204)。すなわち、テキスト情報には、職人の氏名の他に、この職人の氏名に関連づけて工事施工者や工事現場が含まれているから、これらを用いてKY日誌データ及びカードデータとの関連付けを行い、労務管理データを作成する。
【0067】
図11に、職人の安全ヘルメットに貼付されたQRコード300の一例を示す。QRコード300は、安全ヘルメットの所定位置、例えば側面に貼付される。職人がこの安全ヘルメットを着用して工事現場に入る際に、デジタルカメラ10で安全ヘルメットのQRコードが撮影される。このとき、入退場管理カード200も撮影されるので、例えば入退場カード200を持った職人を撮影する際に、その職人の安全ヘルメットも同時に撮影してQRコードを撮影する。なお、上記のようにQRコードの貼付部位はヘルメットに限定されるわけではなく、職人の任意の着用品に貼付することができる。
【0068】
図12に、労務管理データの一例を示す。図12に示す労務管理データは、いわゆる工事月報のフォーマットで作成されており、月毎の工事施工者及び職人の入退場時刻を記録したものである。なお、図では工事名を省略している。
【0069】
このように、QRコードに工事を行う作業者ないし職人の氏名あるいは個人を特定する情報を含ませてデジタルカメラ10で撮影する構成とすることで、作業者ないし職人まで特定した労務管理データを容易に作成することができる。本実施形態では、工事現場でデジタルカメラ10を用いて所定の対象物を撮影するだけで労務管理データが作成される点に着目すべきである。
【0070】
一般に、労務管理に携帯電話を用いる場合も提案されている。すなわち、現場に入場する際に携帯電話から所定の番号に電話をかけることで労務管理を行うものである。携帯電話は本来的に任意の場所から電話をかけることができるから、電話をかけた当事者が真にその現場にいることを保証するものではない。また、職人が毎日きちんと電話をかけないことも想定され、電話番号のかけ間違いもあり得る。これらのシステムと対比すれば、本実施形態の有効性は明らかであろう。
【0071】
なお、本実施形態では、QRコード300に工事施工者や工事現場が含まれており、これらのデータはKY日誌のデータや入退場カードのデータと重複していることから、これらの重複データを補完用に用いることもできる。
【0072】
例えば、入退場管理カード200には、図6に示されるように「○△工務店」と工事施工者名が含まれているが、工事現場によっては入退場管理カード200に工事施工者が含まれていない場合もあり得る。この場合、入退場管理カード200から抽出された工事施工者をメインデータ、QRコード300に含まれる工事施工者をサブデータとし、メインデータが存在する場合にはそのメインデータを使用し、メインデータが存在しないもののサブデータが存在する場合にはそのサブデータを使用するようにしてもよい。
【0073】
あるいは、QRコード300を撮影する場合にも、デジタルカメラ10でその撮影時刻を自動取得するので、入退場管理カード200を撮影したときの時刻をメインデータとし、QRコードを撮影したときの時刻をサブデータとしてもよい。入退場管理カード200を撮影したときの時刻と、QRコードを撮影したときの時刻との差が所定時間以内である場合のみ、入退場管理カード200を撮影したときの時刻、すなわち入退場時刻を真正なものとみなして労務管理データを作成することもできる。
【符号の説明】
【0074】
10 デジタルカメラ、14 メールサーバ、16 ASPサーバ、18,20 管理端末、100 危険予知シート(KY日誌)、200 入退場管理カード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場の労務管理システムであって、
工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、
前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、
前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末と、
を備え、
前記サーバは、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、
前記サーバの前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【請求項2】
工事現場の労務管理システムであって、
工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、
前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、
前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末と、
を備え、
前記サーバは、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、
前記サーバの前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【請求項3】
工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、
前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする工事現場の労務管理システム用のサーバ。
【請求項4】
工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、
前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする工事現場の労務管理システム用のサーバ。
【請求項5】
請求項1,2のいずれかに記載の工事現場の労務管理システムにおいて、さらに、
前記サーバは、工事現場への入退場時に現場作業者の着用品に付され、前記現場作業者を特定する個人情報を含むQRコードを前記デジタルカメラで撮影して得られる前記個人情報を受信し、前記個人情報を含む前記労務管理ファイルを作成して前記管理端末に送信する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【請求項1】
工事現場の労務管理システムであって、
工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、
前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、
前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末と、
を備え、
前記サーバは、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、
前記サーバの前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【請求項2】
工事現場の労務管理システムであって、
工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラと、
前記デジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを受信するサーバと、
前記サーバから送信された前記現場写真の画像データを受信して表示する管理端末と、
を備え、
前記サーバは、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、
前記サーバの前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信し、
前記管理端末は、前記サーバから送信された前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを表示する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【請求項3】
工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、
前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場における危険ポイントが記載された危険予知シートを撮影し、かつ工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ、危険予知シートの画像データ、入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、前記プロセッサは、前記危険予知シートの画像データから工事現場名を表すデータ及び工事名を表すデータを抽出し、前記入退場管理カードの画像データから工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする工事現場の労務管理システム用のサーバ。
【請求項4】
工事現場の労務を管理する労務管理システム用のサーバであって、
前記サーバは、工事現場の現場写真を撮影するとともに、工事現場への入退場時に入退場管理カードを撮影するデジタルカメラであって、少なくとも前記入退場管理カードを撮影する際にその撮影時刻のデータを画像データに自動付加するデジタルカメラから送信された前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを受信して管理端末に送信するものであり、
プロセッサと、
前記管理端末のユーザである管理者と、前記管理者が管理する前記デジタルカメラとの対応関係を記憶するユーザ属性データベースと、
前記現場写真の画像データ及び入退場管理カードの画像データを記憶する画像データベースと、
を備え、前記プロセッサは、前記入退場管理カードの画像データから工事現場名を表すデータ、工事名を表すデータ、工事施工者を表すデータを抽出し、前記撮影時刻のデータから入退場時刻を表すデータを抽出して労務管理ファイルを作成し、前記管理端末からの要求に応じ、前記ユーザ属性データベースにアクセスすることで前記管理者が管理するデジタルカメラを特定し、対応する前記現場写真の画像データ及び前記労務管理ファイルを前記管理端末に送信することを特徴とする工事現場の労務管理システム用のサーバ。
【請求項5】
請求項1,2のいずれかに記載の工事現場の労務管理システムにおいて、さらに、
前記サーバは、工事現場への入退場時に現場作業者の着用品に付され、前記現場作業者を特定する個人情報を含むQRコードを前記デジタルカメラで撮影して得られる前記個人情報を受信し、前記個人情報を含む前記労務管理ファイルを作成して前記管理端末に送信する
ことを特徴とする工事現場の労務管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−84110(P2012−84110A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3111(P2011−3111)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【特許番号】特許第4850973号(P4850973)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506045705)ギアヌーヴ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【特許番号】特許第4850973号(P4850973)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506045705)ギアヌーヴ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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