説明

工作機械

【課題】 モータビルトイン型の主軸を備えた工作機械において高発熱部を効果的に冷却することができる工作機械を提供すること。
【解決手段】 スピンドル10を回転自在に支持するための主軸部2を備え、スピンドル10に被加工物又は加工工具が取り付けられる工作機械。主軸部2は、軸受手段6,8を介してスピンドル10を回転自在に支持する主軸ハウジング4と、主軸ハウジング4の内周面に取り付けられた駆動用ステータ32と、スピンドル10の外周面に駆動用ステータ32に対向して取り付けられた駆動用ロータ34とを備えている。主軸ハウジング14には、駆動用ステータ32を冷却するための冷却媒体が流れる冷却用流路22が設けられ、冷却用流路22は、駆動用ステータ32の高発熱部(例えば、軸方向中央部)に対応してその幅が広くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を加工するための工作機械、更に詳しくはモータビルトイン型の主軸を冷却するための主軸冷却構造を備えた工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
加工工具を取り付けるための主軸を冷却するための冷却構造を備えた工作機械として、ハウジングとスピンドル冷却筒との間に冷却用流路が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この公知の工作機械では、スピンドル冷却筒の外周面に螺旋状に冷却用流路が設けられ、この冷却用流路の流入側にエアー供給源が設けられ、冷却媒体としてのエアーがエアー供給源から冷却用流路に供給されるように構成されている。
【0003】
この工作機械の冷却構造においては、エアー流入部からエアー流出部に向けて、冷却用流路の隣接する間隔が除々に狭くなるように、また冷却用流路の幅が除々に広くなるように構成され、このように構成することによって、エアーの流入側においては、冷却用流路の幅は狭いが、冷却エアーの温度が低くなり、またエアーの流出側においては、暖まったエアーで冷却するが、冷却用流路の幅が広くなり、このようなことから主軸をほぼ均一に冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−245285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、工作機械の主軸部においては、その全体にわたって温度が均一に上昇するのではなく、その一部に高発熱部(即ち、温度が高くなる部位)が存在し、例えばモータビルトイン型の主軸(即ち、駆動用モータが主軸部に内蔵され直接的にスピンドルを駆動する形態のもの)を備えた工作機械(例えば、NC旋盤)では、駆動用モータでの発熱が多く、この駆動モータを内蔵する部位が高発熱部となる。
【0006】
そして、このような工作機械の主軸部に高発熱部が生じると、加工時に被加工物(又は加工工具)が取り付けられる主軸を高精度に回転駆動することが難しくなり、主軸の回転精度の低下に起因して被加工物を高精度に加工することが難しくなる。また、この高発熱部が高温に上昇すると、駆動用モータが焼き付いたり、軸受けが破損したりするという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、モータビルトイン型の主軸を備えた工作機械において高発熱部を効果的に冷却することができる工作機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の工作機械は、スピンドルを回転自在に支持するための主軸部を備え、前記スピンドルに被加工物又は加工工具が取り付けられる工作機械において、
前記主軸部は、軸受手段を介して前記スピンドルを回転自在に支持する主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内周面に取り付けられた駆動用ステータと、前記スピンドルの外周面に前記駆動用ステータに対向して取り付けられた駆動用ロータとを備え、前記主軸ハウジングには、前記駆動用ステータを冷却するための冷却媒体が流れる冷却用流路が設けられ、前記冷却用流路は、前記駆動用ステータの高発熱部に対応してその幅が広くなっていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械では、前記駆動用ステータの軸方向中央部に対応して前記冷却用流路の流入部が設けられ、その軸方向両端部に対応して前記冷却用流路の流出部が設けられ、前記冷却用流路の前記流入部の幅が他の部位よりも広くなっており、前記冷却用流路の前記中央部から軸方向片側に一方の流出部まで第1流路部が延び、その中央部から軸方向他側に他方の流出部まで第2流路部が延びていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械では、前記冷却用流路の流れ方向の少なくとも一部は、前記駆動用ロータ側の径方向内側部の幅が径方向外側部の幅よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の請求項4に記載の工作機械は、スピンドルを回転自在に支持するための主軸部を備え、前記スピンドルに被加工物又は加工工具が取り付けられる工作機械において、
前記主軸部は、軸受手段を介して前記スピンドルを回転自在に支持する主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内周面に取り付けられた駆動用ステータと、前記スピンドルの外周面に前記駆動用ステータに対向して取り付けられた駆動用ロータとを備え、前記主軸ハウジングには、前記駆動用ステータを冷却するための冷却媒体が流れる冷却用流路が設けられ、前記冷却用流路の径方向内側周面の少なくとも一部には、冷却媒体が流れる多孔質金属材が配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の工作機械によれば、主軸ハウジングに冷却用流路が設けられ、この冷却用流路は駆動用ステータの高発熱部に対応してその幅が広くなっているので、この高発熱部に対応する部位おける冷却媒体の量が多く、多量の冷却媒体でもって高発熱部を冷却することができ、これによって、高発熱部の温度上昇を抑えてスピンドルを高精度に回転駆動することができる。尚、冷却媒体としては水、オイルなどの液体、空気などの気体を用いることができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械によれば、駆動用ステータの軸方向中央部に対応して冷却用流路の流入部が設けられ、その軸方向両端部に対応して冷却用流路の流出部が設けられているので、冷却された冷却媒体が駆動用ステータの軸方向中央部に対応する冷却用流路の流入部に流入し、またかく流入した冷却媒体は、第1流路部を通して一方の流出部に流れるとともに、第2流路部を通して他方の流出部に流れ、このような冷却媒体の流れによって駆動用ステータの軸方向中央部、即ち駆動用ステータの高発熱部を効果的に冷却することができる。加えて、冷却用流路の流入部の幅が他の部位よりも広くなっているので、この流入部における冷却媒体の量が多く、多量の冷却媒体でもって駆動用ステータの軸方向中央部を一層効果的に冷却することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械によれば、冷却用流路の流れ方向の少なくとも一部は、駆動用ロータ側の径方向内側部の幅が径方向外側部の幅よりも大きくなっているので、この冷却用流路の上記一部においては、主軸ハウジングと冷却媒体との接触面積が大きく、主軸ハウジングの上記一部を効果的に冷却することができる。尚、このような冷却用流路の構成は、その大部分乃至ほぼ全体にわたって採用するのが好ましい。
【0015】
更に、本発明の請求項4に記載の工作機械によれば、駆動用ステータを冷却するための冷却用流路が設けられ、この冷却用流路の径方向内側周面の少なくとも一部に多孔質金属材が配設されているので、冷却用流路を流れる冷却媒体の一部が多孔質金属材を通して流れ、この多孔質金属材において冷却媒体との接触面積が大きく、従って、この多孔質金属材の配設部位に対応して駆動用ステータを効果的に冷却することができる。尚、この多孔質金属材は、冷却用流路に間隔を置いて配設するようにしてもよく、或いは駆動用ステータの軸方向中央部、即ちその高発熱部対応して配設するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従う工作機械の一例としてのNC旋盤における主軸部の一部を示す断面図。
【図2】第1の変形形態のNC旋盤における主軸部の一部を拡大して示す部分拡大断面図。
【図3】第2の変形形態のNC旋盤における主軸部の一部を拡大して示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う工作機械の一例としてのNC旋盤に適用して説明する。工作機械の一例としてのNC旋盤の一部を示す図1において、図示のNC旋盤の主軸部2は、図示しない旋盤本体の一端部に上部に取り付けられる。この主軸部2は、旋盤本体に取り付けられる主軸ハウジング4と、この主軸ハウジング4に軸受手段6,8を介して回転自在に支持されたスピンドル10とを備え、このスピンドル10がビルトインモータ12により所定方向に回転駆動される。
【0018】
主軸ハウジング4は、スピンドル10及びビルトインモータ12を覆うハウジング本体14と、このハウジング本体14の両端部に配設された支持壁16,18と、ハウジング本体14の内周面に取り付けられた筒状取付壁20とを備え、この筒状取付壁20に後述する冷却用流路22が設けられている。片方(図1において右側)の支持壁16はハウジング本体14の一端部に取り付けられ、軸受手段6を介してスピンドル10の一端側(図1において右側)を回転自在に支持し、また他方(図1において左側)の支持壁18はハウジング本体14の他端部に取り付けられ、軸受手段8を介してスピンドル10の他端側(図1において左側)を回転自在に支持する。この実施形態では、片方の軸受手段6は一対のラジアル軸受24,26及びラジアル・アキシャル軸受28から構成され、他方の軸受手段8はラジアル・アキシャル軸受30から構成されている。
【0019】
ビルトインモータ12は、スピンドル10とハウジング本体14との間の環状空間に内蔵されている。このビルトインモータ12は、それ自体周知の構成のものであり、駆動用ステータ32及び駆動用ロータ34から構成されている。駆動用ステータ32は、筒状取付壁20の内周面に取り付けられ、またスピンドル10の外周面には支持スリーブ36が装着され、この支持スリーブ36の外周面に駆動用ロータ34が取り付けられ、この駆動用ロータ34は、駆動用ステータ32の径方向内側に配設される。
【0020】
スピンドル10には、図示していないが、チャック手段が取り付けられ、このチャック手段に、NC旋盤によって加工すべき被加工物(図示せず)が取り付けられる。このように構成されているので、ビルトインモータ12が作動すると、駆動用ステータ32と駆動用ロータ34との磁気的作用によって、この駆動用ロータ34が回動され、これによって、スピンドル10(及びこれに装着されたチャック手段及び被加工物)が所定方向に回転される。
【0021】
このNC旋盤では、ビルトインモータ12の駆動用ステータ32に関連して、冷却媒体を流すための冷却用流路22が設けられている。図示の形態では、冷却用流路22は、駆動用ステータ32の取付部位に対応して筒状取付壁20の外周面(ハウジング本体14と接触する周面)に設けられ、その断面形状が矩形状に形成されている。この冷却用流路22は、駆動用ステータ32の軸方向(図1において左右方向)中央部に対応して設けられた流入部42と、駆動用ステータ32の軸方向両端部に対応して設けられた流出部44,46とを有し、流入部42と片方(図1において右方)の流出部44とが第1流路部48によって接続され、またこの流入部42と他方(図1において左方)の流出部46とが第2流路部50によって接続され、第1及び第2流路部48,50が筒状取付壁20の外周部を螺旋状に延びている。
【0022】
この形態では、ハウジング本体14には、冷却用流路22の流入部42に連通する流入貫通口52が設けられているとともに、その一方の流出部44に連通する流出貫通口54と、その他方の流出部46に連通する流出貫通口56とが設けられている。流入貫通口52には、冷却媒体を冷却するための冷却装置(例えば、ラジエタ)(図示せず)からの供給ライン(図示せず)が接続され、流出貫通口54,56には冷却装置への戻りラインが接続される。
【0023】
この形態では、更に、図1に示すように、冷却用流路22の流入部42の幅が冷却用流路22のその他の部位の幅よりも大きく形成されている。ビルトインモータ12を備えた主軸構造では、駆動用ステータ32の軸方向中央部における発熱が大きく、この軸方向中央部が高発熱部となって温度が高くなるが、このように流入部42(即ち、高発熱部に対応する部位)の幅を広くすることによって、流入部42を流れる冷却媒体の流量が多くなり、この冷却媒体によって、駆動用ステータ32の軸方向中央部、即ち高発熱部に対応する部位を効果的に冷却することができ、この高発熱部の温度上昇を抑えることができる。また、この高発熱部に対応する部位に冷却用流路22の流入部42を配置することによって、冷却装置(図示せず)にて冷却された冷却媒体が流入部42に送給され、これによって、この高発熱部に対応する部位を一層効果的に冷却することができる。尚、冷却媒体としては、水、オイルなどの液体を用いることができるが、空気などの気体などを用いるようにしてもよい。
【0024】
この主軸冷却構造を備えたNC旋盤では、冷却装置にて冷却された冷却媒体は、供給ライン(図示せず)を通して供給され、矢印58で示すように、ハウジング本体14の流入貫通口52を通して冷却用流路22の流入部42に流入する。そして、流入した冷却媒体の一部は、第1流路部48を通して図1において右側に流出部44に流れ、この流出部44からハウジング本体14の流出貫通口54を通して矢印60で示すように流出し、また冷却媒体の残部は、第2流路部50を通して図1において左側に流出部46に流れ、この流出部46からハウジング本体14の他方の流出貫通口54を通して矢印62で示すように流出し、かく流出した冷却媒体が戻りライン(図示せず)を通して冷却装置に戻され、このようにして冷却媒体が冷却用流路22を通して循環される。冷却用流路22の流入部42、第1流路部48及び流出部44を通して流れる間、冷却媒体は駆動用ステータ32の軸方向中央部から片側部(図1において右側部)を冷却し、またその流入部42、第2流路部50及び流出部46を通して流れる間、冷却媒体は駆動用ステータ32の軸方向中央部から他側部(図1において左側部)を冷却し、このようにして駆動用ステータ32に対応する部位が冷却媒体により冷却され、駆動用ステータ32の温度上昇が抑えられる。
【0025】
この実施形態では、駆動用ステータ32の軸方向中央部に対応して冷却用流路22の流入部42を配設し、駆動用ステータ32の軸方向両端部に対応して冷却用流路22の流出部44,46を配設しているが、このような構成に限定されず、駆動用ステータ32の軸方向一端部に対応して流入部を配設し、その軸方向他端部に対応して流出部を配設するようにしてもよく、この場合においても、高発熱部(例えば、駆動用ステータ32の軸方向中央部)に対応して冷却用流路22の幅を広げて冷却媒体の流量を多くするようにすることができる。
【0026】
主軸冷却構造として、図2に示すように構成することができる。図2は、第1の変形形態のNC旋盤における主軸部の一部を拡大して示し、以下の実施形態において、図1に示す実施形態と実質上同一の部材は同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0027】
図2において、この変形形態では、主軸冷却構造としての冷却用流路に修正が施されている。即ち、主軸ハウジング4Aの筒状取付部20Aの外流部に設けられた冷却用流路22Aは、その全長にわたって、その径方向内側部(即ち、駆動用ステータ32側の底部)の幅がその径方向外側部の幅よりも大きく、その断面形状が台形状に形成されている。この変形形態のその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0028】
このような主軸冷却構造を備えたNC旋盤においては、冷却用流路22Aの径方向内側部の幅が広くなっているので、筒状取付部20Aと冷却用流路22Aを流れる冷却媒体との接触面積が大きくなり、これによって、主軸ハウジングを効果的に冷却することができる。
【0029】
この実施形態では、冷却用流路22Aの全体にわたって断面形状を台形状にしているが、その少なくとも一部(例えば、高発熱部に対応する部位に設けられた流路部)の断面形状を台形状にすればよく、このように構成することによって、上述した所望の効果が達成される。
【0030】
主軸冷却構造として、図3に示すように構成することができる。図3は、第2の変形形態のNC旋盤における主軸部の一部を拡大して示している。
【0031】
図3において、この変形形態でも、主軸冷却構造としての冷却用流路に修正が施されている。即ち、主軸ハウジング4Bの筒状取付部20Bの外周部に設けられた冷却用流路22Bの底部に多孔質金属材72が配設されている。多孔質金属材72(例えば、富山住友電工株式会社から商品名「セルメット」として販売されているもの)はプレート状に形成され、冷却用流路22Bの底部にその全体にわたって、又は所定の間隔をおいて設けられる。この第2の変形形態のその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0032】
このような主軸冷却構造を備えたNC旋盤においては、冷却用流路22Bの底部に多孔質金属材72が設けられているので、冷却用流路22Bを流れる冷却媒体の一部が多孔質金属材72を通して流れる。この多孔質金属材72においては、冷却媒体との接触面積が大きく、従って、多孔質金属材72から冷却媒体への熱伝導が効率的に行われ、ビルトインモータ12の駆動用ステータ32を効果的に冷却してその温度上昇を抑えることができる。
【0033】
この第2の変形形態では、冷却用流路22Bの断面形状を矩形状に形成しているが、この断面形状を第1の変形形態と同様に台形状に形成するようにしてもよい。尚、この多孔質金属材72は従来の冷却用流路(換言すると、流路幅が全長にわたって均一なもの)に組み合わせて用いることもできるが、図1に示す実施形態の冷却用流路(換言すると、高発熱部に対応して流路幅が広くなっているもの)に組み合わせて用いることもできる。
【0034】
以上、本発明に従う工作機械の一例としてのNC旋盤に適用し、このNC旋盤においてはスピンドルに被加工物が取り付けられるが、このような工作機械に限定されず、マシニングセンタなどの工作機械にも同様に適用することができ、このマシニングセンタにおいてはスピンドルに、被加工物に加工を施す加工工具が取り付けられる。
【0035】
また、上述した実施形態では、冷却用流路を主軸ハウジングの筒状取付壁の外周部に設けているが、筒状取付壁に代えて、ハウジング本体の内周部に設けるようにしてもよく、或いはハウジング本体及び筒状取付壁に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
2 主軸部
4,4A,4B 主軸ハウジング
6,8 軸受手段
10 スピンドル
12 ビルトインモータ
14 ハウジング本体
16,18 支持壁
20,20A,20B 筒状取付壁
22,22A,22B 冷却用流路
32 駆動用ステータ
34 駆動用ロータ
42 流入部
44,46 流出部
48 第1流路部
50 第2流路部
72 多孔質金属材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルを回転自在に支持するための主軸部を備え、前記スピンドルに被加工物又は加工工具が取り付けられる工作機械において、
前記主軸部は、軸受手段を介して前記スピンドルを回転自在に支持する主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内周面に取り付けられた駆動用ステータと、前記スピンドルの外周面に前記駆動用ステータに対向して取り付けられた駆動用ロータとを備え、前記主軸ハウジングには、前記駆動用ステータを冷却するための冷却媒体が流れる冷却用流路が設けられ、前記冷却用流路は、前記駆動用ステータの高発熱部に対応してその幅が広くなっていることを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記駆動用ステータの軸方向中央部に対応して前記冷却用流路の流入部が設けられ、その軸方向両端部に対応して前記冷却用流路の流出部が設けられ、前記冷却用流路の前記流入部の幅が他の部位よりも広くなっており、前記冷却用流路の前記中央部から軸方向片側に一方の流出部まで第1流路部が延び、その中央部から軸方向他側に他方の流出部まで第2流路部が延びていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記冷却用流路の流れ方向の少なくとも一部は、前記駆動用ロータ側の径方向内側部の幅が径方向外側部の幅よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
【請求項4】
スピンドルを回転自在に支持するための主軸部を備え、前記スピンドルに被加工物又は加工工具が取り付けられる工作機械において、
前記主軸部は、軸受手段を介して前記スピンドルを回転自在に支持する主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内周面に取り付けられた駆動用ステータと、前記スピンドルの外周面に前記駆動用ステータに対向して取り付けられた駆動用ロータとを備え、前記主軸ハウジングには、前記駆動用ステータを冷却するための冷却媒体が流れる冷却用流路が設けられ、前記冷却用流路の径方向内側周面の少なくとも一部には、冷却媒体が流れる多孔質金属材が配設されていることを特徴とする工作機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate