工作機械
【課題】閉塞カバーとパレット交換装置の仕切カバーとの干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現する。
【解決手段】マシニングセンタ1において、パレット交換装置2の中心軸17の内部に、中心軸17から突出させた上端に閉塞カバー24と係合するカムフォロア20を備えて中心軸17の上下動のみと連動して上下動し、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動させる第2中心軸18を設けた。
【解決手段】マシニングセンタ1において、パレット交換装置2の中心軸17の内部に、中心軸17から突出させた上端に閉塞カバー24と係合するカムフォロア20を備えて中心軸17の上下動のみと連動して上下動し、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動させる第2中心軸18を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット交換装置を備えたマシニングセンタ等の工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
マシニングセンタ等の工作機械には、加工室側のパレットと、段取室側のパレットとを交換するパレット交換装置が設けられる。このパレット交換装置100は、図13に示すように、ベース101上に、図示しないモータによる回転及び油圧による上下動が可能で、両端が加工室と段取室とに突出するアーム102を備える。このアーム102上には、加工室と段取室との間で鉛直方向に立設された中心軸103と、加工室と段取室との間を仕切る仕切カバー104とが設けられている。すなわち、アーム102が上昇してパレットPを持ち上げた後、アーム102が中心軸103及び仕切カバー104と共に180°回転して各パレットPを反対側へ旋回させた後、アーム102が下降することで、パレットPの交換を行うものである。
【0003】
105は、加工室の上部に設けられる全体カバーで、仕切カバー104と全体カバー105との間には、中心軸103と共に上昇した仕切カバー104との干渉を防ぐために所定の隙間が設けられているが、この隙間から段取室への切削液や切粉の侵入を防止するために、全体カバー105の下縁には、ヒンジ106を介して閉塞カバー107,107が連結されて、常態では隙間を閉塞カバー107で塞ぐようにしている。この閉塞カバー107,107の間で中心軸103の上端には、中心軸円盤108が同心で固着されて、その中心軸円盤108上に、閉塞カバー107の側方でヒンジ106よりも加工室側に配置したカムフォロア109が転動可能に設けられている。すなわち、中心軸103と共に中心軸円盤108が上昇すると、カムフォロア109を介して閉塞カバー107が自動的に上方へ跳ね上がり、中心軸103と共に中心軸円盤108が回転しても、カムフォロア109が中心軸円盤108上を相対的に転動することで跳ね上げ姿勢は維持される。よって、中心軸103と共に回転する仕切カバー104と閉塞カバー107との干渉を回避することができる。
【0004】
一方、同様に閉塞カバーと仕切カバーとの干渉を回避するパレット交換装置として、特許文献1には、パレットチェンジャと共に上下動し、垂直仕切カバーを備えた縦支持桿に、リンク機構を介してスプラッシュガードの上被板(閉塞カバー)を連結して、パレットチェンジャの上昇に連動して上被板を上昇させて垂直仕切カバーとの干渉を回避させる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−44348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図13で説明したパレット交換装置においては、カムフォロア109の取り付け位置が中心軸円盤108の中心からずれると、中心軸103の回転時に閉塞カバー107が傾いたり、上昇時にカムフォロア109が中心軸円盤108から脱落したりするおそれが生じる。よって、カムフォロア109の設置位置に制約を受ける上、中心軸円盤108も大径のものを使用することとなって大きなスペースが必要となる。
また、特許文献1のパレット交換装置は、リンク機構を採用することで、部品点数が多くなってコストアップに繋がる上、やはり大きなスペースが必要となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、閉塞カバーとパレット交換装置の仕切カバーとの干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる工作機械を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、前記中心軸の内部に、前記中心軸から突出させた上端に前記閉塞カバーと係合する係合手段を備えて前記中心軸の上下動のみと連動して上下動し、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動させる第2中心軸を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記第2中心軸側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、前記中心軸の上端に、軸受を介して前記中心軸へ回転可能に連結される連結部材と、その連結部材に設けられて前記閉塞カバーと係合する係合手段と、前記連結部材を前記全体カバーとの間で回転規制する規制手段とを設けて、前記係合手段を前記中心軸の上下動のみと連動して上下動させて、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動可能としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記連結部材側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とするものである。
なお、本発明において「中心軸側」とは、中心軸に直接保護管を固定する場合の他、中心軸に設けた他の部材を介して間接的に保護管を固定する場合も含む趣旨である。これは「第2中心軸側」や「連結部材側」も同様で、直接或いは間接的に保護管を固定する場合を指す。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び3に記載の発明によれば、大きな円盤を用いなくても閉塞カバーの開閉が可能となる。よって、仕切カバーと閉塞カバーとの干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、第2中心軸を省略できるため、中心軸を細く形成でき、パレットと干渉しにくくなって積載可能なワークサイズを大きくできる利点がある。
請求項2及び4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、保護管を仕切カバーの回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでケーブル及び/又はホースを配管可能となる。また、ケーブル及び/又はホースの配管本数が多くなっても、パレット交換装置の動作速度に影響が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】形態1のマシニングセンタの説明図である。
【図2】形態1の閉塞カバー部分の右側面図である。
【図3】形態2のマシニングセンタの説明図である。
【図4】形態2の閉塞カバー部分の右側面図である。
【図5】形態3のマシニングセンタの説明図である。
【図6】形態3のホース保護管部分の平面図である(巻き取り状態)。
【図7】形態3のホース保護管部分の平面図である(引き出し状態)。
【図8】形態3の外部配管接続口とホース保護管との間でのフレキシブルホースの引き回し状態を示す説明図である(下降位置)。
【図9】形態3の外部配管接続口とホース保護管との間でのフレキシブルホースの引き回し状態を示す説明図である(上昇位置)。
【図10】形態4のマシニングセンタの説明図である。
【図11】形態4の回り止め部分の右側面図である。
【図12】形態4のマシニングセンタの斜視図である。
【図13】従来のマシニングセンタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、工作機械の一例であるマシニングセンタ1において、パレット交換装置2を加工室側から見た正面図を示している。このパレット交換装置2は、ベース3内に、モータ4を出力軸5を上向きにして収容しており、出力軸5には駆動ギヤ6が取り付けられている。また、ベース3には、ピストン7が上向きに固定されると共に、そのピストン7を上方から収容するシリンダ8が、上下に分離されたシリンダ室9,10への流体の供給によって上下動可能に設けられている。11は、ピストン7に設けられてシリンダ8に遊挿する回り止めピンで、これによりシリンダ8は回転規制された状態で上下動のみが可能となる。
【0012】
シリンダ8には、軸受12を介して従動ギヤ13が回転可能に外装されて、駆動ギヤ6と噛合している。この従動ギヤ13の歯部は、シリンダ8と共に従動ギヤ13が上下動するストローク分だけ上下に長く形成されている。また、従動ギヤ13には、両端が相反する前後方向へ突出するアーム14が取り付けられて、端部の一方を加工室に、他方を段取室にそれぞれ突出させている。
15は、アーム14の間に設けられるアームカバーで、アームカバー15の上方には、加工室と段取室との間を仕切る仕切カバー16が設けられている。この仕切カバー16の左右の中心には、アーム14と一体回転する中空の中心軸17が設けられて、中心軸17の内部には、シリンダ8上に設置される第2中心軸18が、中心軸17と同軸で配置されている。この第2中心軸18は、中心軸17の上端を貫通して上端を中心軸17より上方へ突出させており、その突出端部上には、支持部材19を介して係合手段としてのローラ形状のカムフォロア20が横向きに支持されている。
【0013】
一方、加工室の上部には、全体カバー21が設けられているが、中心軸17と一体に上昇する仕切カバー16との干渉を回避するために、下限位置の仕切カバー16と全体カバー21に設けた下向きの取付板22との間には、図2に示すように隙間23が設けられている。また、取付板22の下縁には、加工室側へ突出して隙間23を加工室側から閉塞する閉塞カバー24が、ヒンジ25,25によって加工室側へ回転可能に蝶着されている。この閉塞カバー24は、取付板22と連続状となる下向きの上板部26と、その上板部26の下端から下方へ行くに従って加工室側へ突出する傾斜板部27と、その傾斜板部27の下端から下向きに突出して正面視で仕切カバー16とオーバーラップする下板部28とを有する折れ板状で、常態では、カムフォロア20がヒンジ25よりも加工室側に位置して傾斜板部27の下面に当接するようになっている。
【0014】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1においては、パレットの交換を行う場合、シリンダ室9への流体の供給により、シリンダ8が上昇し、これと一体のアーム14及び仕切カバー16も上昇してパレットを持ち上げる。すると、第2中心軸18も上昇してカムフォロア20が閉塞カバー24の傾斜板部27を下方から押し上げることになるため、閉塞カバー24は、図2に示す矢印方向へヒンジ25の軸を中心として加工室側へ跳ね上がり、仕切カバー16よりも上方の開放位置へ退避する。
【0015】
この状態でモータ4が駆動して駆動ギヤ6が回転すると、従動ギヤ13も回転してこれと一体のアーム14及び中心軸17、仕切カバー16を図1に示す矢印方向へ回転させるため、パレットもアーム14と共に旋回する。アーム14が180°旋回すると、パレットが互いに逆の室側へ到達する。このとき、閉塞カバー24は、中心軸17と一体に回転しない第2中心軸18のカムフォロア20によって開放位置が維持されているため、仕切カバー16が回転してもこれと干渉することはない。
そして、シリンダ室10への流体の供給により、シリンダ8が下降し、これと一体のアーム14及び中心軸17、仕切カバー16も下降してパレットを下降させる。このとき、シリンダ8と共に第2中心軸18も下降するため、カムフォロア20の下降と共に閉塞カバー24も下降して隙間23を覆う閉塞位置に復帰することになる。
【0016】
このように、上記形態1のマシニングセンタ1によれば、中心軸17の内部に、中心軸17から突出させた上端に閉塞カバー24と係合するカムフォロア20を備えて中心軸17の上下動のみと連動して上下動し、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動させる第2中心軸18を設けたことで、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
【0017】
[形態2]
次に、他の形態を説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図3に示すマシニングセンタ1Aにおいては、第2中心軸が設けられておらず、中心軸17の上端面には、図4にも示すように、同軸の軸部30が上向きへ一体に突設されて、軸部30に、軸受31を介して中心軸17より小径の連結部材としてのキャップ32が回転可能に被着されている。キャップ32の上部には、支持部材33を介してカムフォロア20が配置されて、閉塞カバー24の傾斜板部27に当接している。
また、支持部材33上でカムフォロア20の後方(段取室側)にも、カムフォロア20を挟んだ左右対称に位置する一対のガイドカムフォロア34,34が設けられている。このガイドカムフォロア34,34は、全体カバー21において取付板22の後方で平行に垂下されたガイド板35の前面に当接するものである。このガイドカムフォロア34及びガイド板35が規制手段となる。
【0018】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Aにおいては、パレットの交換に伴うモータ4及びシリンダ8の動作は形態1と同じで、シリンダ8が上昇すると、中心軸17が上昇してカムフォロア20によって閉塞カバー24が開放位置へ回転する。次に、モータ4が駆動して中心軸17及び仕切カバー16が回転することになるが、軸部30とキャップ32との間の軸受31と、ガイド板35に沿って上方へ転動した後そのまま当接状態を維持してキャップ32の回転を規制するガイドカムフォロア34,34とにより、中心軸17の回転はキャップ32に伝わらないため、カムフォロア20も回転せず、閉塞カバー24の開放位置は維持される。
そして、シリンダ8が下降すると、仕切カバー16と共に中心軸17も下降するため、カムフォロア20の下降と共に閉塞カバー24も閉塞位置に復帰する。ガイドカムフォロア34,34はガイド板35に沿って下方へ転動する。
【0019】
このように、上記形態2のマシニングセンタ1Aにおいても、中心軸17の上端の軸部30に、軸受31を介して軸部30へ回転可能に連結されるキャップ32と、そのキャップ32に設けられて閉塞カバー24と係合するカムフォロア20と、キャップ32を全体カバー21との間で回転規制するガイドカムフォロア34及びガイド板35とを設けて、カムフォロア20を中心軸17の上下動のみと連動して上下動させて、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動可能としたことで、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特にここでは、第2中心軸を省略できるため、中心軸17を細く形成でき、パレットと干渉しにくくなって積載可能なワークサイズを大きくできる利点がある。
【0020】
[形態3]
次の形態3は、配管機構を考慮した形態である。段取室でのパレットへのワークの固定に油圧・空圧の締付装置が利用される場合、パレットの動きに追従して油空圧を供給する配管機構が設けられるが、本形態3では、この配管機構が設けられても第2中心軸による閉塞カバーの開閉がなされる。
図5に示すマシニングセンタ1Bにおいて、まず中心軸17の上端には、中心軸円盤40が同軸で固定されて、その中心軸円盤40上には、チェーン型のホース保護管41が設けられている。このホース保護管41は、図6にも示すように、後述するフレキシブルホース50を貫通させて保持する四角枠状の複数のリンク体42,42・・を、隣接するリンク体42,42同士で上下方向の軸43,43・・によって回転可能に連結して、水平方向にのみ可撓性を持たせたもので、ホース保護管41の一端は、中心軸円盤40上で外周寄りに立設された内固定板44に固定されている。45は、内固定板44の近傍で中心軸円盤40に形成された貫通孔である。
【0021】
一方、第2中心軸18は、中心軸17の上端及び中心軸円盤40を貫通して上方へ突出しており、第2中心軸18の上端には、中心軸円盤40及びホース保護管41を上方から覆うカバー体46が設けられている。このカバー体46の右側面には、ホース保護管41をカバー体46の外部へ引き出し可能な引き出し孔47が形成されて、カバー体46の外周には、中心軸円盤40と同じ高さの延設部48が形成されている。延設部48におけるカバー体46の後方側には、中心軸円盤40上で第2中心軸18の周囲を周回させて引き出し孔48から引き出したホース保護管41の他端が固定される外固定板49が設けられている。
【0022】
50,50・・は、油空圧を供給するためのフレキシブルホースで、中間部がホース保護管41を貫通して保持され、上端は、全体カバー21の上方に設けられた外部配管接続口51にそれぞれ接続される一方、下端は、中心軸円盤40の貫通孔45から下方へ引き回され、中心軸17に設けられた内部配管接続口52にそれぞれ接続されている。
ここで、外部配管接続口51側で各フレキシブルホース50を固定する外部側配管押さえ53と、ホース保護管41側で各フレキシブルホース50を固定する内部側配管押さえ54との間では、フレキシブルホース50は弛んだ状態で引き回されて、ホース保護管41の上下動作に追従するようになっている。
【0023】
そして、ここでの閉塞カバー24は、カバー体46を挟んで左右に分割される格好で設けられており、カバー体46の左右には、垂下板55を介してカムフォロア20がそれぞれ設けられて、閉塞カバー24の傾斜板部27に当接している。すなわち、第2中心軸18の上下動により、カバー体46及び垂下板55を介してカムフォロア20,20を上下動させて閉塞カバー24,24を開閉動作させるようにしたものである。この形態3ではカバー体46、垂下板55、カムフォロア20が係合手段となる。
【0024】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Bにおいては、モータ4及びシリンダ8の動作は形態1,2と同じで、シリンダ8が上昇すると、第2中心軸18が上昇してカムフォロア20,20によって閉塞カバー24,24が開放位置へ回転する。次に、モータ4が駆動して中心軸17及び仕切カバー16が回転することになるが、回転しない第2中心軸18にカバー体46及び垂下板55を介して支持されるカムフォロア20は回転しないため、閉塞カバー24,24の開放位置は維持される。
【0025】
そして、中心軸17の上昇と回転に伴い、中心軸円盤40も上昇して図6に示すように平面視で左回転するため、ホース保護管41の一端がこれに追従して回転し、図7に示すように引き出し孔47から引き出される。このとき、第2中心軸18と一体のカバー体46及び延設部48は回転せず、ホース保護管41は鉛直方向へは折曲しないので、ホース保護管41は、水平方向で屈曲しながら延設部48を越えて外側へ膨らむように引き出される。180°回転すると、中心軸17及び第2中心軸18が下降して中心軸円盤40及びカバー体46、延設部48がそれぞれ下降するため、ホース保護管41も下降する。
【0026】
再びパレットを交換する際には、上昇した中心軸17が逆方向へ180°回転することになるが、このときは図7に示すように、中心軸円盤40は平面視で右回転するため、ホース保護管41は巻き取られる格好でカバー体46の内部へ再び収容される。なお、図8,9に示すように、中心軸17及び第2中心軸18の上下動に伴ってホース保護管41が上下動しても、外部側配管押さえ53と内部側配管押さえ54との間でフレキシブルホース50には弛みが設けられているため、上下動を吸収できてフレキシブルホース50には過大な負荷が加わらない。
【0027】
このように、上記形態3のマシニングセンタ1Bにおいても、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特にここでは、中心軸17側の中心軸円盤40に、加工室の外部に設けた外部配管接続口51と加工室の内部に設けた内部配管接続口52との間に接続されるフレキシブルホース50を貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型のホース保護管41の一端を固定する一方、当該一端と同じ高さ且つ当該一端の固定位置よりも外側で第2中心軸18側の延設部48に、ホース保護管41の他端を固定して、フレキシブルホース50を、ホース保護管41を貫通させた状態で外部配管接続口51と内部配管接続口52との間に接続しているので、ホース保護管41を仕切カバー16の回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでフレキシブルホース50を配管可能となる。また、フレキシブルホース50の配管本数が多くなっても、パレット交換装置2の動作速度に影響が生じることがない。
【0028】
なお、上記形態3では、ホース保護管の一端を中心軸円盤を介して中心軸に固定しているが、中心軸円盤を省略して中心軸の外周にホース保護管の一端を直接固定することもできる。
【0029】
[形態4]
この形態4も配管機構を考慮した形態であるが、ここでは第2中心軸がない場合の形態となっている。
図10〜12に示すマシニングセンタ1Cにおいて、中心軸17の上面には、中心軸円盤40が固着され、中心軸円盤40の上面に、支軸60が同軸且つ一体で上向きに突設されている。支軸60の上部には、軸受61を介して連結部材としての保持リング62が外装されると共に、保持リング62にカバー体46が固定されて、カバー体46の上面後部に、左右両端を上向きに突出させた上下方向の回り止め板63が立設されている。一方、全体カバー21には、回り止め板63の左右両端に向けて前向きの保持部65,65を突出させた平面視コ字状の支持板64が固着されて、左右の保持部65,65にそれぞれ取り付けた上下一対の横向きのガイドカムフォロア34,34を、回り止め板63の後面へ転動可能に当接させている。この回り止め板63、支持板64、ガイドカムフォロア34が規制手段となる。
【0030】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Cにおいては、モータ4及びシリンダ8の動作は形態3と同じで、シリンダ8が上昇して中心軸17が上昇すると、中心軸円盤40及び支軸60も上昇してカバー体46を上昇させる。よって、カムフォロア20,20も上昇して閉塞カバー24,24を開放位置へ回転させる。次に、モータ4が駆動すると中心軸17及び支軸60が回転し、仕切カバー16も回転することになるが、軸受61を介して支軸60に連結される保持リング62及びカバー体46は、回り止め板63の左右が支持板64のガイドカムフォロア34,34に当接しているため、支軸60が回転しても回転しない。よって、閉塞カバー24の開放位置は維持される。
【0031】
そして、中心軸17及び中心軸円盤40の上昇と回転に伴い、形態3と同様にホース保護管41が回転して引き出し孔47から引き出される。180°回転すると、中心軸17と共に支軸60及びカバー体46も下降するため、カムフォロア20,20の下降に伴って閉塞カバー24は閉塞位置へ復帰する。同時に中心軸円盤40及びホース保護管41も下降し、回り止め板63もガイドカムフォロア34,34を相対的に転動させながら下降する。
【0032】
このように、上記形態4のマシニングセンタ1Cにおいても、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
また、ホース保護管41を仕切カバー16の回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでフレキシブルホース50を配管可能となる。また、フレキシブルホース50の配管本数が多くなっても、パレット交換装置2の動作速度に影響が生じることがない。
【0033】
なお、形態4において、左右のガイドカムフォロアは1つずつにしたり、回り止め板と支持板とを逆にして、カバー体側に支持板を、全体カバー側に回り止め板を設けたりしてもよい。回り止め板を省略してガイドカムフォロアを直接相手側に当接させることも可能である。
また、上記形態3,4では保護管にホースのみを引き回すようにしているが、ケーブルのみであってもよいし、ホース及びケーブルを引き回すようにしてもよい。
【0034】
そして、各形態に共通して、係合手段としては転動するカムフォロアに限らず、閉塞カバーへ単純に当接して押し上げる係合部材を採用することもできる。また、形態1,2では、第2中心軸の上端や支持部材を直接閉塞カバーに当接させて押し上げる構成も採用可能である。すなわち、第2中心軸や支持部材を係合手段として兼用する趣旨である。
さらに、中心軸や第2中心軸の上下動にボールネジ等の他のアクチュエータを採用することもできる。中心軸の回転においてもピストンとラックピニオンなど他のアクチュエータを採用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B,1C・・マシニングセンタ、2・・パレット交換装置、3・・ベース、4・・モータ、6・・駆動ギヤ、7・・ピストン、8・・シリンダ、12,31,61・・軸受、13・・従動ギヤ、14・・アーム、16・・仕切カバー、17・・中心軸、18・・第2中心軸、19,33・・支持部材、20・・カムフォロア、21・・全体カバー、23・・隙間、24・・閉塞カバー、25・・ヒンジ、27・・傾斜板部、30・・軸部、32・・キャップ、34・・ガイドカムフォロア、35・・ガイド板、40・・中心軸円盤、41・・ホース保護管、44・・内固定板、45・・貫通孔、46・・カバー体、48・・延設部、49・・外固定板、50・・フレキシブルホース、51・・外部配管接続口、52・・内部配管接続口、55・・垂下板、60・・支軸、62・・保持リング、63・・回り止め板、64・・支持板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット交換装置を備えたマシニングセンタ等の工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
マシニングセンタ等の工作機械には、加工室側のパレットと、段取室側のパレットとを交換するパレット交換装置が設けられる。このパレット交換装置100は、図13に示すように、ベース101上に、図示しないモータによる回転及び油圧による上下動が可能で、両端が加工室と段取室とに突出するアーム102を備える。このアーム102上には、加工室と段取室との間で鉛直方向に立設された中心軸103と、加工室と段取室との間を仕切る仕切カバー104とが設けられている。すなわち、アーム102が上昇してパレットPを持ち上げた後、アーム102が中心軸103及び仕切カバー104と共に180°回転して各パレットPを反対側へ旋回させた後、アーム102が下降することで、パレットPの交換を行うものである。
【0003】
105は、加工室の上部に設けられる全体カバーで、仕切カバー104と全体カバー105との間には、中心軸103と共に上昇した仕切カバー104との干渉を防ぐために所定の隙間が設けられているが、この隙間から段取室への切削液や切粉の侵入を防止するために、全体カバー105の下縁には、ヒンジ106を介して閉塞カバー107,107が連結されて、常態では隙間を閉塞カバー107で塞ぐようにしている。この閉塞カバー107,107の間で中心軸103の上端には、中心軸円盤108が同心で固着されて、その中心軸円盤108上に、閉塞カバー107の側方でヒンジ106よりも加工室側に配置したカムフォロア109が転動可能に設けられている。すなわち、中心軸103と共に中心軸円盤108が上昇すると、カムフォロア109を介して閉塞カバー107が自動的に上方へ跳ね上がり、中心軸103と共に中心軸円盤108が回転しても、カムフォロア109が中心軸円盤108上を相対的に転動することで跳ね上げ姿勢は維持される。よって、中心軸103と共に回転する仕切カバー104と閉塞カバー107との干渉を回避することができる。
【0004】
一方、同様に閉塞カバーと仕切カバーとの干渉を回避するパレット交換装置として、特許文献1には、パレットチェンジャと共に上下動し、垂直仕切カバーを備えた縦支持桿に、リンク機構を介してスプラッシュガードの上被板(閉塞カバー)を連結して、パレットチェンジャの上昇に連動して上被板を上昇させて垂直仕切カバーとの干渉を回避させる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−44348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図13で説明したパレット交換装置においては、カムフォロア109の取り付け位置が中心軸円盤108の中心からずれると、中心軸103の回転時に閉塞カバー107が傾いたり、上昇時にカムフォロア109が中心軸円盤108から脱落したりするおそれが生じる。よって、カムフォロア109の設置位置に制約を受ける上、中心軸円盤108も大径のものを使用することとなって大きなスペースが必要となる。
また、特許文献1のパレット交換装置は、リンク機構を採用することで、部品点数が多くなってコストアップに繋がる上、やはり大きなスペースが必要となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、閉塞カバーとパレット交換装置の仕切カバーとの干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる工作機械を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、前記中心軸の内部に、前記中心軸から突出させた上端に前記閉塞カバーと係合する係合手段を備えて前記中心軸の上下動のみと連動して上下動し、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動させる第2中心軸を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記第2中心軸側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、前記中心軸の上端に、軸受を介して前記中心軸へ回転可能に連結される連結部材と、その連結部材に設けられて前記閉塞カバーと係合する係合手段と、前記連結部材を前記全体カバーとの間で回転規制する規制手段とを設けて、前記係合手段を前記中心軸の上下動のみと連動して上下動させて、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動可能としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記連結部材側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とするものである。
なお、本発明において「中心軸側」とは、中心軸に直接保護管を固定する場合の他、中心軸に設けた他の部材を介して間接的に保護管を固定する場合も含む趣旨である。これは「第2中心軸側」や「連結部材側」も同様で、直接或いは間接的に保護管を固定する場合を指す。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び3に記載の発明によれば、大きな円盤を用いなくても閉塞カバーの開閉が可能となる。よって、仕切カバーと閉塞カバーとの干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、第2中心軸を省略できるため、中心軸を細く形成でき、パレットと干渉しにくくなって積載可能なワークサイズを大きくできる利点がある。
請求項2及び4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、保護管を仕切カバーの回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでケーブル及び/又はホースを配管可能となる。また、ケーブル及び/又はホースの配管本数が多くなっても、パレット交換装置の動作速度に影響が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】形態1のマシニングセンタの説明図である。
【図2】形態1の閉塞カバー部分の右側面図である。
【図3】形態2のマシニングセンタの説明図である。
【図4】形態2の閉塞カバー部分の右側面図である。
【図5】形態3のマシニングセンタの説明図である。
【図6】形態3のホース保護管部分の平面図である(巻き取り状態)。
【図7】形態3のホース保護管部分の平面図である(引き出し状態)。
【図8】形態3の外部配管接続口とホース保護管との間でのフレキシブルホースの引き回し状態を示す説明図である(下降位置)。
【図9】形態3の外部配管接続口とホース保護管との間でのフレキシブルホースの引き回し状態を示す説明図である(上昇位置)。
【図10】形態4のマシニングセンタの説明図である。
【図11】形態4の回り止め部分の右側面図である。
【図12】形態4のマシニングセンタの斜視図である。
【図13】従来のマシニングセンタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、工作機械の一例であるマシニングセンタ1において、パレット交換装置2を加工室側から見た正面図を示している。このパレット交換装置2は、ベース3内に、モータ4を出力軸5を上向きにして収容しており、出力軸5には駆動ギヤ6が取り付けられている。また、ベース3には、ピストン7が上向きに固定されると共に、そのピストン7を上方から収容するシリンダ8が、上下に分離されたシリンダ室9,10への流体の供給によって上下動可能に設けられている。11は、ピストン7に設けられてシリンダ8に遊挿する回り止めピンで、これによりシリンダ8は回転規制された状態で上下動のみが可能となる。
【0012】
シリンダ8には、軸受12を介して従動ギヤ13が回転可能に外装されて、駆動ギヤ6と噛合している。この従動ギヤ13の歯部は、シリンダ8と共に従動ギヤ13が上下動するストローク分だけ上下に長く形成されている。また、従動ギヤ13には、両端が相反する前後方向へ突出するアーム14が取り付けられて、端部の一方を加工室に、他方を段取室にそれぞれ突出させている。
15は、アーム14の間に設けられるアームカバーで、アームカバー15の上方には、加工室と段取室との間を仕切る仕切カバー16が設けられている。この仕切カバー16の左右の中心には、アーム14と一体回転する中空の中心軸17が設けられて、中心軸17の内部には、シリンダ8上に設置される第2中心軸18が、中心軸17と同軸で配置されている。この第2中心軸18は、中心軸17の上端を貫通して上端を中心軸17より上方へ突出させており、その突出端部上には、支持部材19を介して係合手段としてのローラ形状のカムフォロア20が横向きに支持されている。
【0013】
一方、加工室の上部には、全体カバー21が設けられているが、中心軸17と一体に上昇する仕切カバー16との干渉を回避するために、下限位置の仕切カバー16と全体カバー21に設けた下向きの取付板22との間には、図2に示すように隙間23が設けられている。また、取付板22の下縁には、加工室側へ突出して隙間23を加工室側から閉塞する閉塞カバー24が、ヒンジ25,25によって加工室側へ回転可能に蝶着されている。この閉塞カバー24は、取付板22と連続状となる下向きの上板部26と、その上板部26の下端から下方へ行くに従って加工室側へ突出する傾斜板部27と、その傾斜板部27の下端から下向きに突出して正面視で仕切カバー16とオーバーラップする下板部28とを有する折れ板状で、常態では、カムフォロア20がヒンジ25よりも加工室側に位置して傾斜板部27の下面に当接するようになっている。
【0014】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1においては、パレットの交換を行う場合、シリンダ室9への流体の供給により、シリンダ8が上昇し、これと一体のアーム14及び仕切カバー16も上昇してパレットを持ち上げる。すると、第2中心軸18も上昇してカムフォロア20が閉塞カバー24の傾斜板部27を下方から押し上げることになるため、閉塞カバー24は、図2に示す矢印方向へヒンジ25の軸を中心として加工室側へ跳ね上がり、仕切カバー16よりも上方の開放位置へ退避する。
【0015】
この状態でモータ4が駆動して駆動ギヤ6が回転すると、従動ギヤ13も回転してこれと一体のアーム14及び中心軸17、仕切カバー16を図1に示す矢印方向へ回転させるため、パレットもアーム14と共に旋回する。アーム14が180°旋回すると、パレットが互いに逆の室側へ到達する。このとき、閉塞カバー24は、中心軸17と一体に回転しない第2中心軸18のカムフォロア20によって開放位置が維持されているため、仕切カバー16が回転してもこれと干渉することはない。
そして、シリンダ室10への流体の供給により、シリンダ8が下降し、これと一体のアーム14及び中心軸17、仕切カバー16も下降してパレットを下降させる。このとき、シリンダ8と共に第2中心軸18も下降するため、カムフォロア20の下降と共に閉塞カバー24も下降して隙間23を覆う閉塞位置に復帰することになる。
【0016】
このように、上記形態1のマシニングセンタ1によれば、中心軸17の内部に、中心軸17から突出させた上端に閉塞カバー24と係合するカムフォロア20を備えて中心軸17の上下動のみと連動して上下動し、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動させる第2中心軸18を設けたことで、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
【0017】
[形態2]
次に、他の形態を説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図3に示すマシニングセンタ1Aにおいては、第2中心軸が設けられておらず、中心軸17の上端面には、図4にも示すように、同軸の軸部30が上向きへ一体に突設されて、軸部30に、軸受31を介して中心軸17より小径の連結部材としてのキャップ32が回転可能に被着されている。キャップ32の上部には、支持部材33を介してカムフォロア20が配置されて、閉塞カバー24の傾斜板部27に当接している。
また、支持部材33上でカムフォロア20の後方(段取室側)にも、カムフォロア20を挟んだ左右対称に位置する一対のガイドカムフォロア34,34が設けられている。このガイドカムフォロア34,34は、全体カバー21において取付板22の後方で平行に垂下されたガイド板35の前面に当接するものである。このガイドカムフォロア34及びガイド板35が規制手段となる。
【0018】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Aにおいては、パレットの交換に伴うモータ4及びシリンダ8の動作は形態1と同じで、シリンダ8が上昇すると、中心軸17が上昇してカムフォロア20によって閉塞カバー24が開放位置へ回転する。次に、モータ4が駆動して中心軸17及び仕切カバー16が回転することになるが、軸部30とキャップ32との間の軸受31と、ガイド板35に沿って上方へ転動した後そのまま当接状態を維持してキャップ32の回転を規制するガイドカムフォロア34,34とにより、中心軸17の回転はキャップ32に伝わらないため、カムフォロア20も回転せず、閉塞カバー24の開放位置は維持される。
そして、シリンダ8が下降すると、仕切カバー16と共に中心軸17も下降するため、カムフォロア20の下降と共に閉塞カバー24も閉塞位置に復帰する。ガイドカムフォロア34,34はガイド板35に沿って下方へ転動する。
【0019】
このように、上記形態2のマシニングセンタ1Aにおいても、中心軸17の上端の軸部30に、軸受31を介して軸部30へ回転可能に連結されるキャップ32と、そのキャップ32に設けられて閉塞カバー24と係合するカムフォロア20と、キャップ32を全体カバー21との間で回転規制するガイドカムフォロア34及びガイド板35とを設けて、カムフォロア20を中心軸17の上下動のみと連動して上下動させて、中心軸17の上下動に伴って閉塞カバー24を閉塞位置と開放位置との間で移動可能としたことで、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特にここでは、第2中心軸を省略できるため、中心軸17を細く形成でき、パレットと干渉しにくくなって積載可能なワークサイズを大きくできる利点がある。
【0020】
[形態3]
次の形態3は、配管機構を考慮した形態である。段取室でのパレットへのワークの固定に油圧・空圧の締付装置が利用される場合、パレットの動きに追従して油空圧を供給する配管機構が設けられるが、本形態3では、この配管機構が設けられても第2中心軸による閉塞カバーの開閉がなされる。
図5に示すマシニングセンタ1Bにおいて、まず中心軸17の上端には、中心軸円盤40が同軸で固定されて、その中心軸円盤40上には、チェーン型のホース保護管41が設けられている。このホース保護管41は、図6にも示すように、後述するフレキシブルホース50を貫通させて保持する四角枠状の複数のリンク体42,42・・を、隣接するリンク体42,42同士で上下方向の軸43,43・・によって回転可能に連結して、水平方向にのみ可撓性を持たせたもので、ホース保護管41の一端は、中心軸円盤40上で外周寄りに立設された内固定板44に固定されている。45は、内固定板44の近傍で中心軸円盤40に形成された貫通孔である。
【0021】
一方、第2中心軸18は、中心軸17の上端及び中心軸円盤40を貫通して上方へ突出しており、第2中心軸18の上端には、中心軸円盤40及びホース保護管41を上方から覆うカバー体46が設けられている。このカバー体46の右側面には、ホース保護管41をカバー体46の外部へ引き出し可能な引き出し孔47が形成されて、カバー体46の外周には、中心軸円盤40と同じ高さの延設部48が形成されている。延設部48におけるカバー体46の後方側には、中心軸円盤40上で第2中心軸18の周囲を周回させて引き出し孔48から引き出したホース保護管41の他端が固定される外固定板49が設けられている。
【0022】
50,50・・は、油空圧を供給するためのフレキシブルホースで、中間部がホース保護管41を貫通して保持され、上端は、全体カバー21の上方に設けられた外部配管接続口51にそれぞれ接続される一方、下端は、中心軸円盤40の貫通孔45から下方へ引き回され、中心軸17に設けられた内部配管接続口52にそれぞれ接続されている。
ここで、外部配管接続口51側で各フレキシブルホース50を固定する外部側配管押さえ53と、ホース保護管41側で各フレキシブルホース50を固定する内部側配管押さえ54との間では、フレキシブルホース50は弛んだ状態で引き回されて、ホース保護管41の上下動作に追従するようになっている。
【0023】
そして、ここでの閉塞カバー24は、カバー体46を挟んで左右に分割される格好で設けられており、カバー体46の左右には、垂下板55を介してカムフォロア20がそれぞれ設けられて、閉塞カバー24の傾斜板部27に当接している。すなわち、第2中心軸18の上下動により、カバー体46及び垂下板55を介してカムフォロア20,20を上下動させて閉塞カバー24,24を開閉動作させるようにしたものである。この形態3ではカバー体46、垂下板55、カムフォロア20が係合手段となる。
【0024】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Bにおいては、モータ4及びシリンダ8の動作は形態1,2と同じで、シリンダ8が上昇すると、第2中心軸18が上昇してカムフォロア20,20によって閉塞カバー24,24が開放位置へ回転する。次に、モータ4が駆動して中心軸17及び仕切カバー16が回転することになるが、回転しない第2中心軸18にカバー体46及び垂下板55を介して支持されるカムフォロア20は回転しないため、閉塞カバー24,24の開放位置は維持される。
【0025】
そして、中心軸17の上昇と回転に伴い、中心軸円盤40も上昇して図6に示すように平面視で左回転するため、ホース保護管41の一端がこれに追従して回転し、図7に示すように引き出し孔47から引き出される。このとき、第2中心軸18と一体のカバー体46及び延設部48は回転せず、ホース保護管41は鉛直方向へは折曲しないので、ホース保護管41は、水平方向で屈曲しながら延設部48を越えて外側へ膨らむように引き出される。180°回転すると、中心軸17及び第2中心軸18が下降して中心軸円盤40及びカバー体46、延設部48がそれぞれ下降するため、ホース保護管41も下降する。
【0026】
再びパレットを交換する際には、上昇した中心軸17が逆方向へ180°回転することになるが、このときは図7に示すように、中心軸円盤40は平面視で右回転するため、ホース保護管41は巻き取られる格好でカバー体46の内部へ再び収容される。なお、図8,9に示すように、中心軸17及び第2中心軸18の上下動に伴ってホース保護管41が上下動しても、外部側配管押さえ53と内部側配管押さえ54との間でフレキシブルホース50には弛みが設けられているため、上下動を吸収できてフレキシブルホース50には過大な負荷が加わらない。
【0027】
このように、上記形態3のマシニングセンタ1Bにおいても、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
特にここでは、中心軸17側の中心軸円盤40に、加工室の外部に設けた外部配管接続口51と加工室の内部に設けた内部配管接続口52との間に接続されるフレキシブルホース50を貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型のホース保護管41の一端を固定する一方、当該一端と同じ高さ且つ当該一端の固定位置よりも外側で第2中心軸18側の延設部48に、ホース保護管41の他端を固定して、フレキシブルホース50を、ホース保護管41を貫通させた状態で外部配管接続口51と内部配管接続口52との間に接続しているので、ホース保護管41を仕切カバー16の回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでフレキシブルホース50を配管可能となる。また、フレキシブルホース50の配管本数が多くなっても、パレット交換装置2の動作速度に影響が生じることがない。
【0028】
なお、上記形態3では、ホース保護管の一端を中心軸円盤を介して中心軸に固定しているが、中心軸円盤を省略して中心軸の外周にホース保護管の一端を直接固定することもできる。
【0029】
[形態4]
この形態4も配管機構を考慮した形態であるが、ここでは第2中心軸がない場合の形態となっている。
図10〜12に示すマシニングセンタ1Cにおいて、中心軸17の上面には、中心軸円盤40が固着され、中心軸円盤40の上面に、支軸60が同軸且つ一体で上向きに突設されている。支軸60の上部には、軸受61を介して連結部材としての保持リング62が外装されると共に、保持リング62にカバー体46が固定されて、カバー体46の上面後部に、左右両端を上向きに突出させた上下方向の回り止め板63が立設されている。一方、全体カバー21には、回り止め板63の左右両端に向けて前向きの保持部65,65を突出させた平面視コ字状の支持板64が固着されて、左右の保持部65,65にそれぞれ取り付けた上下一対の横向きのガイドカムフォロア34,34を、回り止め板63の後面へ転動可能に当接させている。この回り止め板63、支持板64、ガイドカムフォロア34が規制手段となる。
【0030】
以上の如く構成されたマシニングセンタ1Cにおいては、モータ4及びシリンダ8の動作は形態3と同じで、シリンダ8が上昇して中心軸17が上昇すると、中心軸円盤40及び支軸60も上昇してカバー体46を上昇させる。よって、カムフォロア20,20も上昇して閉塞カバー24,24を開放位置へ回転させる。次に、モータ4が駆動すると中心軸17及び支軸60が回転し、仕切カバー16も回転することになるが、軸受61を介して支軸60に連結される保持リング62及びカバー体46は、回り止め板63の左右が支持板64のガイドカムフォロア34,34に当接しているため、支軸60が回転しても回転しない。よって、閉塞カバー24の開放位置は維持される。
【0031】
そして、中心軸17及び中心軸円盤40の上昇と回転に伴い、形態3と同様にホース保護管41が回転して引き出し孔47から引き出される。180°回転すると、中心軸17と共に支軸60及びカバー体46も下降するため、カムフォロア20,20の下降に伴って閉塞カバー24は閉塞位置へ復帰する。同時に中心軸円盤40及びホース保護管41も下降し、回り止め板63もガイドカムフォロア34,34を相対的に転動させながら下降する。
【0032】
このように、上記形態4のマシニングセンタ1Cにおいても、大きな円盤を用いなくても閉塞カバー24の開閉が可能となる。よって、仕切カバー16と閉塞カバー24との干渉の回避を、設計的制約を受けることなく、低コスト且つ省スペースで実現することができる。
また、ホース保護管41を仕切カバー16の回転中心に設置する必要がないため、配管本数の多少にかかわらず、省スペースでフレキシブルホース50を配管可能となる。また、フレキシブルホース50の配管本数が多くなっても、パレット交換装置2の動作速度に影響が生じることがない。
【0033】
なお、形態4において、左右のガイドカムフォロアは1つずつにしたり、回り止め板と支持板とを逆にして、カバー体側に支持板を、全体カバー側に回り止め板を設けたりしてもよい。回り止め板を省略してガイドカムフォロアを直接相手側に当接させることも可能である。
また、上記形態3,4では保護管にホースのみを引き回すようにしているが、ケーブルのみであってもよいし、ホース及びケーブルを引き回すようにしてもよい。
【0034】
そして、各形態に共通して、係合手段としては転動するカムフォロアに限らず、閉塞カバーへ単純に当接して押し上げる係合部材を採用することもできる。また、形態1,2では、第2中心軸の上端や支持部材を直接閉塞カバーに当接させて押し上げる構成も採用可能である。すなわち、第2中心軸や支持部材を係合手段として兼用する趣旨である。
さらに、中心軸や第2中心軸の上下動にボールネジ等の他のアクチュエータを採用することもできる。中心軸の回転においてもピストンとラックピニオンなど他のアクチュエータを採用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B,1C・・マシニングセンタ、2・・パレット交換装置、3・・ベース、4・・モータ、6・・駆動ギヤ、7・・ピストン、8・・シリンダ、12,31,61・・軸受、13・・従動ギヤ、14・・アーム、16・・仕切カバー、17・・中心軸、18・・第2中心軸、19,33・・支持部材、20・・カムフォロア、21・・全体カバー、23・・隙間、24・・閉塞カバー、25・・ヒンジ、27・・傾斜板部、30・・軸部、32・・キャップ、34・・ガイドカムフォロア、35・・ガイド板、40・・中心軸円盤、41・・ホース保護管、44・・内固定板、45・・貫通孔、46・・カバー体、48・・延設部、49・・外固定板、50・・フレキシブルホース、51・・外部配管接続口、52・・内部配管接続口、55・・垂下板、60・・支軸、62・・保持リング、63・・回り止め板、64・・支持板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、
前記中心軸の内部に、前記中心軸から突出させた上端に前記閉塞カバーと係合する係合手段を備えて前記中心軸の上下動のみと連動して上下動し、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動させる第2中心軸を設けたことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記第2中心軸側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、
前記中心軸の上端に、軸受を介して前記中心軸へ回転可能に連結される連結部材と、その連結部材に設けられて前記閉塞カバーと係合する係合手段と、前記連結部材を前記全体カバーとの間で回転規制する規制手段とを設けて、前記係合手段を前記中心軸の上下動のみと連動して上下動させて、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動可能としたことを特徴とする工作機械。
【請求項4】
前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記連結部材側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項1】
加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、
前記中心軸の内部に、前記中心軸から突出させた上端に前記閉塞カバーと係合する係合手段を備えて前記中心軸の上下動のみと連動して上下動し、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動させる第2中心軸を設けたことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記第2中心軸側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
加工室を覆う全体カバーの下方に、回転且つ上下動可能に設けられ、両端が相反方向へ突出してパレットを支持可能なアームと、そのアームの回転中心上で一体に立設される中心軸と、その中心軸と一体に設けられて前記アームの両端間を仕切る仕切カバーとを備えたパレット交換装置を設ける一方、前記全体カバーと前記仕切カバーとの間に、前記仕切カバーの上昇を許容する隙間を形成し、前記全体カバーに、下方へ垂下して前記隙間を閉塞する閉塞位置と、上方へ回転して前記隙間を開放する開放位置との間で回転可能な閉塞カバーを設けた工作機械であって、
前記中心軸の上端に、軸受を介して前記中心軸へ回転可能に連結される連結部材と、その連結部材に設けられて前記閉塞カバーと係合する係合手段と、前記連結部材を前記全体カバーとの間で回転規制する規制手段とを設けて、前記係合手段を前記中心軸の上下動のみと連動して上下動させて、前記中心軸の上下動に伴って前記閉塞カバーを前記閉塞位置と前記開放位置との間で移動可能としたことを特徴とする工作機械。
【請求項4】
前記中心軸側に、前記加工室の外部に設けた外部配管接続口と前記加工室の内部に設けた内部配管接続口との間に接続されるケーブル及び/又はホースを貫通させて保持可能で、水平方向にのみ可撓性を有するチェーン型の保護管の一端を固定する一方、前記一端と同じ高さ且つ前記一端の固定位置よりも外側で前記連結部材側に、前記保護管の他端を固定して、前記ケーブル及び/又はホースを、前記保護管を貫通させた状態で前記外部配管接続口と前記内部配管接続口との間に接続したことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−111731(P2013−111731A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262502(P2011−262502)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000149066)オークマ株式会社 (476)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000149066)オークマ株式会社 (476)
【Fターム(参考)】
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