説明

工作機械

【課題】加工中の熱変形量を簡単な構成及び制御でもって効果的に抑えることができる工作機械を提供すること。
【解決手段】主軸構造体4を支持するための第1ベッド部と、工具取付構造体8を支持するための第2ベッド部と、これらベッド部とを接続する第3ベッド部とを備え、第3ベッド部が接続パイプフレーム構造により構成された工作機械。工具取付構造体8の一端部は、接続パイプフレーム構造の上接続フレーム56の一端側における一対の第1上連結ブロック68,70間に支持され、主軸構造体4の一端部は、この上接続フレーム56の他端側における一対の第2上連結ブロック72,74間に支持されている。一対の第1上連結ブロック68,70には熱変形補正手段86が設けられ、熱変形補正手段86は、一対の第1上連結ブロック68,70の温度差に基づいてこの熱変形を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NC旋盤などの工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械として代表的なNC旋盤においては、主軸部及び刃物台などを支持するベッド本体は、鋳鉄による鋳物構造か、鋼板溶接による板金構造が一般的である。近年のNC旋盤などの分野においては、高速加工の要求に伴うスライド移動物の高速化のための剛性向上のために、また高精度加工の要求に伴う振動対策、熱変形対策などのために、ベッド本体の鋳物構造(又は板金構造)に補強用リブを設けたり、ベッド本体の板厚を厚くしたりし、ベッド本体が大型化、大重量化する傾向にある。
【0003】
一方、NC旋盤などの分野では、設置面積を小さくするなどのために小型化の要求も高まっており、高剛性を確保しながらベッド本体を小型化、軽量化するための条件を満足するには相反することとなり、これらの問題を全て解消することは難しい。
【0004】
そこで、このような問題を解消する一つの手段として、ベッド本体をパイプフレーム構造体としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この工作機械のベッド本体は、主軸構造体を支持するための第1ベッド部と、工具取付構造体を支持するための第2ベッド部と、第1ベッド部及び第2ベッド部を接続するための第3ベッド部とを備え、少なくとも第3ベッド部がパイプフレーム構造から構成されている(第1〜第3ベッド部がパイプフレーム構造から構成されたものも開示されている)。第3ベッド部のパイプフレーム構造は、4本の上連結パイプを4個の上連結ブロックでもって矩形状に連結した上フレームと、4本の下連結パイプを4個の下連結ブロックでもって矩形状に連結した下フレームと、上フレームの各上連結ブロックと下接続フレームの対応する下連結ブロックとを接続する接続パイプとを有し、上フレームの一端側の一対の上連結ブロックと、これら一対の上連結ブロック間を接続する上連結パイプに設けられた中間ブロック状部材とに、工具取付構造体の一端部が支持され、また上フレームの他端側の一対の上連結ブロックと、これら一対の上連結ブロック間を接続する上連結パイプに設けられた中間ブロック状部材とに、主軸構造体の一端部が支持されている。
【0005】
そして、第3ベッド部の熱変形による歪みを補正するために、工具取付構造体側においては、上フレームの一端側の一対の上連結ブロックを接続する上連結パイプに一対の加熱・冷却手段(例えば、ペルチェ素子)が設けられ(具体的には、一方の連結ブロックと中間ブロック状部材との間に一方の加熱・冷却手段が設けられ、他方の連結ブロックと中間ブロック状部材との間に他方の加熱・冷却手段が設けられている)、また、主軸構造体側においては、上フレームの他端側の一対の上連結ブロックを接続する上連結パイプに一対の加熱・冷却手段(例えば、ペルチェ素子)が設けられている(具体的には、一方の連結ブロックと中間ブロック状部材との間に一方の加熱・冷却手段が設けられ、他方の連結ブロックと中間ブロック状部材との間に他方の加熱・冷却手段が設けられている)。
【0006】
また、加工時の振動による影響を抑えるために、工具取付構造体側においては、上フレームの一端側の各上連結ブロックに加振手段が設けられているとともに、主軸構造体側においては、上フレームの他端側の各上連結ブロックに加振手段が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−296312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した工作機械では、次の通りの改善すべき問題がある。第1に、熱変形量を補正するために、工具取付構造体側の上連結パイプに一対の加熱・冷却手段を設け、主軸構造体側の上接続パイプに一対の加熱・冷却手段を設け、合計4つの加熱・冷却手段を設けているので、その構造が複雑になるとともに、その制御が複雑になり、更なる改良が望まれていた。
【0009】
第2に、加工中の振動を抑えるために、第3ベッド部のパイプフレーム構造の各上連結ブロックに加振手段を設けているが、このような構造では、振動を充分に抑えることができず、更なる改良が望まれていた。
【0010】
本発明の目的は、加工中の熱変形量を簡単な構成及び制御でもって効果的に抑えることができる工作機械を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、加工中の振動を抑えて高精度に加工することができる工作機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の工作機械は、所定方向に回動される主軸を備えた主軸構造体と、加工工具が取り付けられる工具取付構造体と、前記主軸構造体及び工具取付構造体を支持するためのベッド構造体と、を具備し、前記ベッド構造体は、前記主軸構造体を支持するための第1ベッド部と、前記工具取付構造体を支持するための第2ベッド部と、前記第1ベッド部と前記第2ベッド部とを接続する第3ベッド部とを備え、少なくとも前記第3ベッド部が接続パイプフレーム構造により構成された工作機械において、
前記接続パイプフレーム構造は、4本の上連結パイプを4個の上連結ブロックでもって矩形状に連結した上接続フレームと、4本の下連結パイプを4個の下連結ブロックでもって矩形状に連結した下接続フレームと、前記上接続フレームの各上連結ブロックと前記下接続フレームの対応する下連結ブロックとを接続する接続パイプとを有しており、
前記工具取付構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、前記主軸構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されており、
前記一対の第1上連結ブロックの少なくとも一方には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための第1熱変形補正手段が設けられ、前記第1熱変形補正手段は、前記一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械では、前記接続パイプフレーム構造の前記一対の第2上連結ブロックの少なくとも一方には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための第2熱変形補正手段が設けられ、前記第2熱変形補正手段は、前記一対の第2上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械は、所定方向に回動される主軸を備えた主軸構造体と、加工工具が取り付けられる工具取付構造体と、前記主軸構造体及び工具取付構造体を支持するためのベッド構造体と、を具備し、前記ベッド構造体は、前記主軸構造体を支持するための第1ベッド部と、前記工具取付構造体を支持するための第2ベッド部と、前記第1ベッド部と前記第2ベッド部とを接続する第3ベッド部とを備え、少なくとも前記第3ベッド部が接続パイプフレーム構造により構成された工作機械において、
前記接続パイプフレーム構造は、4本の上連結パイプを4個の上連結ブロックでもって矩形状に連結した上接続フレームと、4本の下連結パイプを4個の下連結ブロックでもって矩形状に連結した下接続フレームと、前記上接続フレームの各上連結ブロックと前記下接続フレームの対応する下連結ブロックとを接続する接続パイプとを有しており、
前記工具取付構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、前記主軸構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されており、
前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームと前記下接続フレームとの間には、前記上接続フレームの前記一対の第1上連結ブロック間と前記一対の第2上連結ブロック間との間の相対振動を抑えるための振動抑制手段が介在されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の工作機械では、前記振動抑制手段は、振動を加えるための加振制御ユニットから構成され、前記加振制御ユニットが、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの第1上連結ブロックと前記下接続フレームにおける前記主軸構造体側の下連結ブロックとの間に、又は前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの第2上連結ブロックと前記下接続フレームにおける前記工具取付構造体側の下連結ブロックとの間に介在されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載の工作機械では、前記接続パイプフレーム構造の前記一対の第1上連結ブロックの各々には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための熱変形補正手段が設けられ、前記熱変形補正手段は、前記一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に記載の工作機械では、前記工具取付構造体は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの前記一対の上連結ブロックと前記下接続フレームの一対の第1連結ブロックとの間に取り付けられ、前記第3ベッド部の前記一対の第1上連結ブロック及び前記一対の下連結ブロックが前記第2ベッド部を構成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に記載の工作機械では、前記第2ベッド部は、支持パイプフレーム構造から構成され、前記支持パイプフレーム構造は、前記接続フレーム構造の前記一端側に接続され、前記工具取付構造体は、前記支持パイプフレーム構造の上支持フレームの一対の上連結ブロックと前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの前記一対の上連結ブロックとの間に支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の工作機械によれば、主軸構造体は第1ベッド部に支持され、工具取付構造体は第2ベッド部に支持され、第1ベッド部及び第2ベッド部は第3ベッドを介して接続され、少なくとも第3ベッド部が接続パイプフレーム構造から構成され、工具取付構造体の一端部は、この接続パイプフレーム構造の上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、主軸構造体の一端部は、この接続パイプフレーム構造の上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されているので、工具取付構造体及び主軸構造体はこの接続パイプフレーム構造を介して取り付けられる。そして、このような構造において、一対の第1上連結ブロックの少なくとも一方に第1熱変形補正手段が設けられ、これら第1熱変形補正手段は、一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて第3ベッド部の熱変形を補正するので、第3ベッド部における工具取付構造体側の熱変形を簡単な構成及び制御でもって補正し、これによって、接続パイプフレーム構造の熱変形を抑える(換言すると、工具取付構造体と主軸構造体との熱変形による相対的ズレを少なくする)ことができ、その結果、熱変形の影響を少なくして加工物を高精度に加工することができる。
【0020】
また、本発明の請求項2に記載の工作機械によれば、接続パイプフレーム構造の一対の第2上連結ブロックの少なくとも一方に第2熱変形補正手段が設けられ、これら第2熱変形補正手段は、一対の第2上連結ブロックの温度差に基づいて第3ベッド部の熱変形を補正するので、第3ベッド部における主軸構造体側の熱変形をも簡単な構成及び制御でもって補正し、これによって、接続パイプフレーム構造の熱変形をより効果的に抑えることができる。
【0021】
また、本発明の請求項3に記載の工作機械によれば、主軸構造体は第1ベッド部に支持され、工具取付構造体は第2ベッド部に支持され、第1ベッド部及び第2ベッド部は第3ベッドを介して接続され、少なくとも第3ベッド部が接続パイプフレーム構造から構成され、工具取付構造体の一端部は、この接続パイプフレーム構造の上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、主軸構造体の一端部は、この接続パイプフレーム構造の上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されているので、工具取付構造体及び主軸構造体はこの接続パイプフレーム構造を介して取り付けられる。そして、このような構造において、接続パイプフレーム構造の上接続フレームと下接続パイプフレームとの間に振動抑制手段が介在されているので、加工時に発生する相対振動(即ち、上接続フレームの一対の第1上連結ブロック間と一対の第2上連結ブロック間との間の相対振動)を振動抑制手段によって抑えることができ、その結果、振動の影響を少なくして加工物を高精度に加工することができる。
【0022】
また、本発明の請求項4に記載の工作機械によれば、振動抑制手段は、加振制御ユニットから構成され、この加振制御ユニットが、接続パイプフレーム構造の上接続フレームの第1上連結ブロックと下接続フレームにおける主軸構造体側の下連結ブロックとの間に介在されているので、加工時に発生する上述した相対振動をより効果的に抑えることができる。尚、発生する振動によっては、この加振制御ユニットは、接続パイプフレーム構造の上接続フレームの第2上連結ブロックと下接続フレームにおける工具取付構造体側の下連結ブロックとの間に介在することができる。
【0023】
また、本発明の請求項5に記載の工作機械によれば、接続パイプフレーム構造の一対の第1上連結ブロックの各々に熱変形補正手段が設けられ、熱変形補正手段は、一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて第3ベッド部の熱変形を補正するので、加工中に発生する振動を抑えることができるとともに、加工中の熱変形による歪みの発生も抑えることができ、加工物のより高精度の加工が可能となる。
【0024】
また、本発明の請求項6に記載の工作機械によれば、接続パイプフレーム構造の上接続フレームの一対の上連結ブロックと下接続フレームの一対の第1連結ブロックとの間に工具取付構造体を取り付けた形態のものに好都合に適用でき、これによって、工作機械の小型化を図ることができる。
【0025】
また、本発明の請求項7に記載の工作機械によれば、第2ベッド部が支持パイプフレーム構造から構成され、この支持パイプフレーム構造が接続フレーム構造の一端側に接続された形態のものに好都合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従う工作機械の第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の工作機械の工具取付構造体側を示す部分斜視図。
【図3】図1の工作機械における加振制御ユニットを示す断面図。
【図4】図1の工作機械における接続パイプフレーム構造の上接続フレーム及びこれに関連する構成を模式的に示す簡略図。
【図5】図1の工作機械の制御系を示すブロック図。
【図6】図1の工作機械における接続パイプフレーム構造の熱変形補正を説明するための簡略説明図。
【図7】図5の制御系による熱変形量補正の制御を示すフローチャート。
【図8】図5の制御系による振動抑制の制御を示すフローチャート。
【図9】図9(a)は、第1加速度センサの検知信号を示す図であり、図9(b)は、第2加速度センサの検知信号を示す図であり、図9(c)は、第1及び第2加速度センサの検知信号に基づく加速度差信号を示す図であり、図9(d)は、加振制御ユニットを加振制御するための加振制御信号を示す図。
【図10】図5の制御系による振動抑制制御(左側への相対振動の抑制)を説明するための簡略説明図。
【図11】図5の制御系による振動抑制制御(右側への相対振動の抑制)を説明するための簡略説明図。
【図12】接続パイプフレーム構造における熱変形補正の他の例を示す簡略図。
【図13】図12の熱変形補正の他の例における熱変形補正を説明するための簡略説明図。
【図14】本発明に従う工作機械の第2の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う工作機械の実施形態について説明する。まず、図1〜図11を参照して、第1の実施形態の工作機械について説明する。
【0028】
図1において、工作機械の一例としてのNC旋盤は、工場の床面などに設置されるベッド構造体2を備え、このベッド構造体2が、主軸構造体4を支持するための第1ベッド部6と、工具取付構造体8を支持するための第2ベッド部10と、第1ベッド部6と第2ベッド部10を接続する第3ベッド部12とを備えている。この形態では、第1及び第3ベッド部6,12が、複数本の連結パイプを複数個の連結ブロックを用いて連結した支持パイプフレーム構造14及び接続パイプフレーム構造16から構成され、第2ベッド10が、第3ベッド部12の接続パイプフレーム構造16の一部から構成されている。少なくとも第3ベッド部12は接続パイプフレーム構造16から構成することが重要であるが、第1ベッド部6については、ブロック状の支持構造を採用するようにしてもよい。尚、第3ベッド部12の接続パイプフレーム構造16については、後述する。
【0029】
主軸構造体4は、ベッド構造体2の第1ベッド部6(支持パイプフレーム構造14)の上面に後述する如く取り付けられる。この主軸構造体4は、第1ベッド部6に取り付けられた主軸支持部18と、主軸(図示せず)を備えた主軸部20とを備えている。主軸支持部18の左右方向(図1において右下から左上の方向)中央部には凹部22が設けられ、この凹部22を設けることによって、主軸支持部18の右側部24及び左側部26は上方に突出している。主軸部20は、主軸支持部18の凹部22にその下部が収容されるように配置され、第1スライド機構28を介して主軸支持部18にZ軸方向(図2参照)に移動自在に支持されている。
【0030】
この形態では、第1スライド機構28は、右案内部材30及び左案内部材32を有し、右案内部材30及び左案内部材32が、主軸支持部18の右側部24及び左側部26の上端部に設けられ、また主軸部20の右側部及び左側部には、図1において左下から右上の方向である第1方向(即ち、主軸の軸方向)に間隔をおいて一対の支持ブロック34が設けられ(図1において、主軸部20の右側部に設けたもののみを示す)、かかる支持ブロック34が右案内部材30及び左案内部材32に移動自在に装着されており、従って、この主軸部20は上記第1方向に、即ちZ軸方向に移動自在に主軸支持部18に支持され、電動モータの如き第1駆動源(図示せず)によってこのZ軸方向に往復移動される。
【0031】
主軸部20には主軸(図示せず)が回転自在に支持され、この主軸にはチャック手段36が装着され、加工すべき被加工物がチャック手段36に着脱自在に取り付けられる。また、この主軸には電動モータの如き駆動源(図示せず)が駆動連結され、この駆動源の作用によって、主軸(これと一体にチャック手段36及び加工物)が所定方向に回転駆動される。
【0032】
また、工具取付構造体8は、第2ベッド部10に後述する如く取り付けられている。この工具取付構造体8は、支持ベース38と、工具取付台40を備えたスライド部材42とを備えている。支持ベース38は、矩形状の薄いブロック状部材から構成され、この支持ベース38に第2スライド機構44を介してスライド部材42がX軸方向(図2参照)に移動自在に支持されている。
【0033】
この形態では、第2スライド機構44は、案内部材46,48を有し、かかる案内部材一46,48が支持ベース38に上下方向に間隔をおいて配設され、またスライド部材42の両側部には、案内部材46,48に対応して、上記第2の方向に間隔をおいて一対の支持ブロック50,52が設けられ(図2参照)、かかる支持ブロック50,52が案内部材46,48に移動自在に装着されており、従って、スライド部材42は第2方向(即ち、図1において右下から左上の方向であって、図2においてX軸方向)に移動自在に支持ベース38に支持され、電動モータの如き第2駆動源54によってX軸方向に往復移動される。
【0034】
工具取付台40は刃物台として機能し、スライド部材42の上端部に取り付けられている。この工具取付台40には、加工物を加工するための加工工具(図示せず)が取り付けられ、主軸構造体4側のチャック手段36に取り付けられた加工物が、この加工工具によって所要の通り加工される。
【0035】
次に、図1とともに図2及び図3を参照して、ベッド構造体2の第3ベッド部12、即ち接続パイプフレーム構造16及びそれに関連する構成について説明する。図示の接続パイプフレーム構造16は、上下方向に間隔をおいて配設された上接続フレーム56及び下接続フレーム58を備えている。上接続フレーム56及び下接続フレーム58は実質上同一の構成であり、以下、上接続フレーム56について説明する。上接続フレーム56は、図4に簡略的に示すように、4本の上連結パイプ60,62,64,66を備え、これら4本の上連結パイプ60,62,64,66が4個の上連結ブロック68,70,72,74にボルト、ナット及び接着剤などを用いて連結されて矩形状の上接続フレーム56を構成している。例えば、上連結パイプ60の両端部は、工具取付構造体8側の上連結ブロック68,70(第1上連結ブロックを構成する)に連結され、上連結パイプ62の両端部は、上連結ブロック68,72に連結され、上連結パイプ64は、主軸構造体4側の上連結ブロック72,74(第2上連結ブロックを構成する)に連結され、残りの上連結パイプ66の両端部は、上連結ブロック70,74に連結されている。
【0036】
尚、下接続フレーム58については、図番を付していないが、4本の下連結パイプが4個の下連結ブロックにボルト、ナット及び接着剤などを用いて矩形状に連結されて構成され、工具取付構造体8側の一対の下連結ブロックが第1下連結ブロックを構成し、主軸構造体4側の一対の下連結ブロックが第2下連結ブロックを構成する。上述の上接続フレーム56の4個の上連結ブロック68,70,72,74とこの下接続フレーム58の4個の下連結ブロックとは、4本の接続パイプ75により連結されている。
【0037】
この形態においては、工具取付構造体8の支持ベース38は、図1及び図2から理解される如く、この接続パイプフレーム構造16の一端部(この形態では、上端部)は、上接続フレーム56の一対の第1上連結ブロック68,70に支持固定され、その他端部(この形態では、下端部)が下接続フレーム58の一対の第1下連結ブロックに支持固定されており、従って、第3ベッド部12(接続パイプフレーム構造16)の一対の上連結ブロック68,70及び一対の下連結ブロックが第2ベッド部10を構成している。
【0038】
また、第1ベッド部6の支持パイプフレーム構造14は、第3ベッド部12の接続パイプフレーム構造16と実質上同様の構成を有し、参照番号を付していないが、その上支持フレーム76が、4本の上連結パイプが4個の上連結ブロックにボルト、ナット及び接着剤などを用いて矩形状に連結されて構成され、また、その下支持フレーム78が、4本の下連結パイプが4個の下連結ブロックにボルト、ナット及び接着剤などを用いて矩形状に連結されて構成され、上支持フレーム76の上連結ブロックと下支持フレーム78の下連結ブロックとが接続パイプにより連結されている。
【0039】
図1及び図2から理解される如く、第1ベッド6の一部(具体的には、上支持フレーム76における工具取付構造体8側の一対の上連結ブロック及び下支持フレーム78における工具取付構造体8側の一対の下連結ブロック並びにこれらに関連する部材)が、第3ベッド部12の接続パイプフレーム構造16の一部を構成している。そして、主軸構造体4の一端部は、第1ベッド部6(支持パイプフレーム構造14)の上支持フレーム76における工具取付構造体8側の一対の上連結ブロック(換言すると、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における一対の第2上連結ブロック72,74)に支持固定され、その他端部は、第1ベッド部6(支持パイプフレーム構造14)の上支持フレーム76における工具取付構造体8側と反対側の一対の上連結ブロックに支持固定される。
【0040】
この形態では、ベッド構造体2の第1ベッド部6は、上述した支持パイプフレーム構造14の下側に配設された下側支持パイプフレーム構造80を含み、また第3ベッド部12は、上述した接続パイプフレーム構造16の下側に配設された下側接続パイプフレーム構造82を含み、下側支持パイプフレーム構造80及び下側接続パイプフレーム構造82が設置ベース体84に取り付けられている。尚、下側パイプフレーム構造80及び下側接続パイプフレーム構造82は、省略することも可能である。
【0041】
この形態では、接続パイプフレーム構造16に関連して、ベッド構造体2、特に第3ベッド部12の熱変形を補正するための熱変形補正手段86(第1熱変形補正手段を構成する)が設けられている。図4及び図5を参照して、熱変形補正手段86は、加熱・冷却によって熱変形を補正するための加熱・冷却手段としての熱電変換素子(例えば、ペルチェ素子)から構成され、この形態では、一つのペルチェ素子、即ち第1ペルチェ素子88aが、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における一方の第1上連結ブロック68に取り付けられ、もう一つのペルチェ素子、即ち第2ペルチェ素子88bが、この上接続フレーム56における他方の第1上連結ブロック70に取り付けられている。尚、この形態では、二つのペルチェ素子(即ち、第1及び第2ペルチェ素子88a,88b)によって熱変形補正を後述する如く行っているが、これらペルチェ素子のいずれか一方を省略することもできる。
【0042】
この第1及び第2ペルチェ素子88a,88bに関連して、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における一対の第1上連結ブロック68,70に、第1及び第2温度センサ90,92が設けられている。第1温度センサ90は、上接続フレーム56の一方の第1上連結ブロック68に設けられ、一方の上連結ブロック68の温度を検知する。また、第2温度センサ92は、上接続フレーム56の他方の第1上連結ブロック70に設けられ、この他方の上連結ブロック70の温度を検知する。第1及び第2温度センサ90,92からの検知信号は、工作機械を制御するためのコントローラ94に送られる。
【0043】
この形態の工作機械では、接続パイプフレーム構造16に関連して、更に、ベッド構造体2(特に、第3ベッド部12)の振動を抑制するための振動抑制手段96が配設されている。図2及び図3を参照して、図示の振動抑制手段96は、発生する振動を打ち消すように振動を加える加振制御ユニット98から構成され、この加振制御ユニット98が、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56と下接続フレーム58との間に介在される。
【0044】
図示の加振制御ユニット98は、ユニット本体100を備え、このユニット本体100の一端部に圧電素子102が内蔵され、その他端部内に流体収容室104が規定され、この流体収容室104に作動流体が充填されている。流体収容室104の一端側(圧電素子102が作用する側)の断面積は、流体収容室104の他端側(出力ロッド106側)の断面積よりも小さく、例えば1/2〜1/6程度に設定され、このように設定することによって、圧電素子102の出力を2〜6倍に増幅させて出力ロッド106に作用させることができる。
【0045】
図示の形態では、加振制御ユニット98は、接続パイプフレーム構造16の左右に設けられている。右側の加振制御ユニット、即ち第1加振制御ユニット98a(第1圧電素子102aが内蔵されている)は、その出力ロッド106aが、接続パイプフレーム構造16の下接続フレーム58における主軸構造体4側の下連結ブロック105(図2、図10及び図11参照)に連結ボルトを介して旋回自在に連結され、ユニット本体100側の連結部108aが、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における工具取付構造体8側の上連結ブロック68に取付ボルトを介して旋回自在に連結されている。また、左側の加振制御ユニット、即ち第2加振制御ユニット98b(第1圧電素子102bが内蔵されている)は、その出力ロッド106bが、接続パイプフレーム構造16の下接続フレーム58における主軸構造体4側の下連結ブロック107(図2、図10及び図11参照)に連結ボルトを介して旋回自在に連結され、ユニット本体100側の連結部108bが、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における工具取付構造体8側の上連結ブロック70に取付ボルトを介して旋回自在に連結されている。
【0046】
このように構成されているので、第1及び第2加振制御ユニット98a,98bは、主軸構造体4側から工具取付構造体8側に向けて斜め上方に且つ左右方向に相互に平行となるように配設されている。加工中に起こる第3ベッド部12(接続パイプフレーム構造16)の振動は、左右方向のねじり振動として発生するので、第1及び第2加振制御ユニット98a,98bをこのように配設することによって、発生するねじり振動を後述する如くして効果的に抑えることができる。
【0047】
尚、一対の加振制御ユニット98a,98bの配置については、発生する振動モードによって、第1加振制御ユニット98aの出力ロッド106aを接続パイプフレーム構造16の下接続フレーム58における工具取付構造体8側の下連結ブロック(右側のもの)に連結ボルトを介して旋回自在に連結し、ユニット本体100側の連結部108aを接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における主軸構造体4側の上連結ブロック72に取付ボルトを介して旋回自在に連結するとともに、第2加振制御ユニット98bの出力ロッド106bを接続パイプフレーム構造16の下接続フレーム58における工具取付構造体8側の下連結ブロック(左側のもの)に連結ボルトを介して旋回自在に連結し、ユニット本体100側の連結部108bを接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56における主軸構造体4側の上連結ブロック74に取付ボルトを介して旋回自在に連結し、第1及び第2加振制御ユニット98a,98bを工具取付構造体8側から主軸構造体4側に向けて斜め上方に且つ左右方向に相互に平行となるように配設するようにしてもよい。また、接続パイプフレーム構造16の左右に加振制御ユニット98a,98bを設けているが、必ずしも二つ必要なものではなく、左右の加振制御ユニット98a,98bのいずれか一方を省略しても所望の振動抑制効果を得ることができる。
【0048】
第1及び第2加振制御ユニット98a,98bに関連して、第1及び第2加速度センサ110,112が設けられている(図2参照)。第1加速度センサ110は、主軸構造体4の主軸部20に配設され、この主軸部20(換言すると、加工物)に発生する振動によるX軸方向(図2参照)の加速度を検知し、また第2加速度センサ112は、工具取付構造体8の工具取付台40に配設され、工具取付台40(換言すると、加工工具)に発生する振動によるX軸方向(図2参照)の加速度を検知する。第1及び第2加速度センサ110,112からの検知−信号は、コントローラ94に送給される。
【0049】
次に、主として図5を参照して、この工作機械の制御系について説明すると、マイクロプロセッサなどから構成されるコントローラ94は、熱変形の補正制御を行うための第1制御部122と、振動を抑制制御するための第2制御部124とを含んでいる。この第1制御部122は、温度差演算手段126、加熱信号生成手段128、冷却信号生成手段130及びメモリ手段140を含んでいる。温度差演算手段126は、例えば基準温度側となる第2温度センサ92の検知温度(T2)を基準として第1温度センサ90の検知温度(T1)との温度差(T2−T1)を演算し、加熱信号生成手段122は、この検知温度差に基づいて加熱信号を生成し、冷却信号生成手段124は、この検知温度差に基づいて冷却信号を生成する。メモリ手段140には、検知温度の温度差(T2−T1)と第1及び第2ペルチェ素子88a,88bに供給する電力の供給時間との関係を示すマップが登録されている。
【0050】
一般に、ペルチェ素子は、所定方向(又は所定方向と反対方向)に流れる電力の大きさが大きいほど発熱(又は冷却)効果が大きい。このようなことから、上述のマップには、検知温度の温度差が大きくなるほど供給される供給電力も大きくなる関係、この実施形態では、電力供給の1サイクルにおける供給時間の比率が大きくなる関係のデータ(温度差−供給比率マップ)が登録されている。
【0051】
また、第2制御部124は、加速度差演算手段142、速度成分演算手段144、変位成分演算手段145、制御信号合成手段146、伸張信号生成手段148及び収縮信号生成手段150及びメモリ手段152を含んでいる。加速度差演算手段142は、第1加速度センサ110の検知加速度(α1)を基準にして第2加速度センサ112の検知加速度(α2)との加速度差(α1−α2)(換言すると、主軸構造体4に対する工具取付構造体8の相対的加速度)を演算し、速度成分演算手段144は、加速度差演算手段142による加速度差(α2−α1)に基づいて速度成分を演算し、変位成分演算手段145は速度成分演算手段144による速度成分に基づいて変位成分を演算し、制御信号合成手段146は、速度成分演算手段144による速度成分及び変位成分演算手段145による変位成分に基づいて制御信号を生成し、伸張信号生成手段148は、この制御信号に基づいて伸張信号を生成し、主縮信号生成手段150は、この制御信号に基づいて収縮信号を生成する。メモリ手段152には、検知加速度の加速度差(α2−α1)に基づく相対変位及び相対速度と第1及び第2圧電素子102a,102bに印加する電圧の大きさとの関係を示すマップが登録されている。
【0052】
一般に、圧電素子は、正電圧(又は負電圧)を印加すれば伸張(又は収縮)し、印加する電圧の大きさが大きいほど伸張量(又は収縮量)も大きくなる。このようなことから、上述のマップには、検知加速度の加速度差から算出した相対速度及び相対変位が大きくなるほど印加される電圧も大きくなる関係のデータ(速度・変位−電圧マップ)が登録されている。
【0053】
次に、主として、図4〜図7を参照して、熱変形補正手段86による熱変形量の補正制御について説明する。熱変形量の補正制御を開始すると、ステップS1からステップS2に進み、第1温度センサ90は、接続パイプフレーム構造16の一方の第1上連結ブロック68の温度を検知し、第2温度センサ92は、接続パイプフレーム構造16の他方の第1上連結ブロック70の温度を検知し、第1及び第2温度センサ90,92からの検知信号がコントローラ94に送給される。このように検知信号が送給されると、ステップS3に進み、第1制御部94の温度差演算手段126は、第2温度センサ92の検知温度(第2検知温度)を基準にして第1温度センサ90の検知温度(第1検知温度)との温度差(T2−T1)を演算する。
【0054】
そして、この温度差が負の値である(換言すると、第1検知温度>第2検知温度である)と、ステップS4からステップS5に進み、加熱信号生成手段128は、この検知温度差に基づいて加熱信号を生成し、この加熱信号が第2ペルチェ素子88bに送給され、第2ペルチェ素子88bが加熱され、第2ペルチェ素子88bからの熱が第1上連結ブロック70を介して上連結パイプ60に伝達される。また、冷却信号生成手段130は、この検知温度差に基づいて冷却信号を生成し、この冷却信号が第1ペルチェ素子88aに送給され、第1ペルチェ素子88aが冷却され、第1ペルチェ素子88aからの冷熱が第1上連結ブロック68を介して上連結パイプ60に伝達される。
【0055】
例えば、図6に示すように、工具取付構造体8の駆動源54が一方の第1上連結ブロック68側に配置されている場合、この駆動源54からの熱は、他方の第1上連結ブロック70よりも一方の第1上連結ブロック68に伝達され易くなり、一方の第1上連結ブロック68の温度が他方の第1上連結ブロック70の温度よりも高くなる傾向にある。この場合、上連結パイプ60の一端側(第1上連結ブロック68に連結された側)が、その他端側(他方の第1上連結パイプ70に連結された側)よりも熱膨張が大きくなり、工具取付構造体8の中心軸P2が主軸構造体4の中心軸P1に対して一方の第1上連結ブロック68側に幾分ずれるようになり、このことが原因となって加工物の加工精度が低下する。
【0056】
このような場合、上述したように、加熱信号生成手段128からの加熱信号が第2ペルチェ素子88bに送給されて第1上連結ブロック70が加熱されるとともに、冷却信号生成手段130からの冷却信号が第1ペルチェ素子88aに送給されて第1ペルチェ素子88aが冷却され、一対の第1上連結ブロック68,70の温度差がなくなるように制御される。従って、上連結パイプ60の一端側が幾分収縮される一方、その他端側が幾分伸張され、このように熱変形量の補正制御を行うことによって、工具取付構造体8の中心軸P2が主軸構造体4の中心軸P1側にズレを解消する方向に戻り、かくして、熱変形の影響を抑えて加工物を高精度に加工することが可能となる。
【0057】
一方、この温度差が正の値である(換言すると、第2検知温度>第1検知温度である)と、ステップS4からステップS7を経てステップS8に移り、加熱信号生成手段128は、この検知温度差に基づいて加熱信号を生成し、この加熱信号が第1ペルチェ素子88aに送給され、第1ペルチェ素子88aが加熱され、第1ペルチェ素子88aからの熱が一方の第1上連結ブロック68を介して上連結パイプ60に伝達される。また、冷却信号生成手段130は、この検知温度差に基づいて冷却信号を生成し、この冷却信号が第2ペルチェ素子88bに送給され、第2ペルチェ素子88bが冷却され、第2ペルチェ素子88bからの冷熱が他方の第1上連結ブロック70を介して上連結パイプ60に伝達される。従って、第1及び第2ベルチェ素子88a,88bによって一対の第1上連結ブロック68,70の温度が等しくなるように制御され、これによって、上連結パイプ60の一端側が幾分伸張される一方、その他端側が幾分収縮され、主軸構造体4の中心軸P1と工具取付構造体8の中心軸P2とのズレが解消されるように補正される。
【0058】
尚、この温度差が零(ゼロ)である(換言すると、第2検知温度=第1検知温度である)と、加熱信号生成手段128が加熱信号を生成することがなく、また冷却信号生成手段130が冷却信号を生成することがなく、ステップS4からステップS7を経てステップS6に移る。そして、上述した熱変形の補正制御は、その制御が終了するまで行われる。
【0059】
この実施形態では、一対の上連結ブロック68,70の温度(第1及び第2温度センサ90,92の第1及び第2検知温度)が等しくなる(換言すると、第1及び第2検知温度の温度差が零(ゼロ)になる)ように構成しているが、例えば、一方の上連結ブロック68の温度(第1温度センサ90の第1検知温度)が他方の第1上連結ブロック70の温度(第2温度センサ92の第2検知温度)よりも所定温度高くなる(又は低くなる)(換言すると、第1及び第2検知温度の温度差が所定温度差となる)ように構成してもよい。
【0060】
また、これらの制御に代えて、一対の上連結ブロック68,70の温度(第1及び第2温度センサ90,92の第1及び第2検知温度)の温度差が許容温度範囲内となるように構成してもよい。この場合、例えば、第2温度センサ92の検知温度を基準として第1温度センサとの温度差が許容温度範囲であるときには、加熱信号生成手段128が加熱信号を生成することがなく、また冷却信号生成手段130が冷却信号を生成することがなく、図7においてステップS4からステップS7を経てステップS6に移るようになるが、この温度差が許容温度範囲より低い(即ち、第1温度センサ90の検知温度が第2温度センサ92の検知温度よりも上記許容温度範囲を超えて高い)ときには、冷却信号生成手段130は、この検知温度差に基づいて冷却信号を生成し、この冷却信号が第1ペルチェ素子88aに送給され、また加熱信号生成手段128は、この検知温度差に基づいて加熱信号を生成し、この加熱信号が第2ペルチェ素子88bに送給され、図7においてステップS4からステップS5に進むようになり、またこの温度差が許容温度範囲より高い(即ち、第2温度センサ92の検知温度が第1温度センサ90の検知温度よりも上記許容温度範囲を超えて高い)ときには、冷却信号生成手段130にて生成された冷却信号が第2ペルチェ素子88bに送給され、また加熱信号生成手段128にて生成された加熱信号が第1ペルチェ素子88aに送給され、図7においてステップS4からステップS7を経てステップS8に進むようになる。
【0061】
次に、主として、図2及び図5とともに、図8〜図11を参照して、振動抑制手段96による振動抑制の制御について説明する。振動抑制の制御を開始すると、ステップS11からステップS12に進み、第1加速度センサ110が主軸構造体4側(具体的には、主軸部20)のX軸方向(図2、図10及び図11参照)の加速度を検知し、第2加速度センサ112が工具取付構造体8側(具体的には、工具取付台40)の上記X軸方向の加速度を検知し、第1及び第2加速度センサ110,112からの検知信号がコントローラ94に送給される。
【0062】
このように検知信号が送給されると、ステップS13に進み、第2制御部124の加速度差演算手段142は、第1加速度センサ110の第1検知加速度(α1)を基準として第2加速度センサ112の第2加速度値(α2)との加速度差を演算する。例えば、第1加速度センサ110の第1検知加速度(α1)の波形が図9(a)で示す通りであり、第2加速度センサ112の第2検知加速度(α2)の波形が図9(b)であるとすると、加速度差演算手段142による加速度差(α1−α2)の波形は、図9(c)に示すように、図9(a)の波形と図9(b)の波形(反転波形)とを合成した波形となる。
【0063】
次に、ステップS14に進み、速度成分演算手段144は、加速度差演算手段142の演算加速度差(α1−α2)に基づいて相対速度成分を演算する。速度成分演算手段114による速度成分は、この演算加速度差を積分することによって演算され、演算した相対速度成分の波形は、例えば、図9(d)で示すようになる。その後、変位成分演算手段145は、この相対速度成分を積分して相対変位を演算し(ステップS15)、演算した相対変位は、例えば、図9(e)で示す通りとなる。
【0064】
その後、ステップS16に進み、制御信号合成手段146は、加速度差演算手段142により演算した加速度差及び速度成分演算手段114により演算した相対速度成分に基づいて、振動抑制手段96(加振制御ユニット98)を制御するための制御信号を生成する。このとき、演算した相対変位については重み係数(Kd)を掛け、また演算した相対速度成分については重み係数(Kv)を掛け、これらを加えて制御信号を生成する。例えば、相対速度成分の波形が図9(d)で示す通りであり、相対変位の波形が図9(e)であるとるとすると、制御信号合成手段146は、この相対速度の波形については重み係数(Kv)倍し、この相対変位の波形については重み係数(Kd)倍して合成し、このようにして制御信号が生成される。
【0065】
次に、ステップS17に進み、伸張信号生成手段148がこの制御信号に基づいて伸張信号を生成し、この伸張信号が第1加振制御ユニット98a(又は第2加振制御ユニット98b)に送給され、この伸張信号によって第1圧電素子102a(又は第2圧電素子102b)が伸張される。また、収縮信号生成手段150がこの制御信号に基づいて収縮信号を生成し、この収縮信号が第2加振制御ユニット98b(又は第1加振制御ユニット98a)に送給され、この収縮信号によって第2圧電素子102b(又は第1圧電素子102a)が収縮される。そして、このような制御が、振動抑制の制御が終了するまで行われる。
【0066】
例えば、図10に示すように、工具取付構造体8の中心軸P2が右側に傾斜するように第1上連結ブロック70側に相対振動が発生した場合、第1加振制御ユニット98aに収縮信号生成手段150からの収縮信号が送給され、この収縮信号に基づいて第1圧電素子102a(即ち、第1加振制御ユニット98a)が収縮され、これによって、接続パイプフレーム構造16における下接続フレーム58の下連結ブロック105と上接続フレーム56の上連結ブロック68との間隔が縮み側に修正され、また第2加振制御ユニット98bに伸張信号生成手段148からの伸張信号が送給され、この伸張信号に基づいて第2圧電素子102b(即ち、第2加振制御ユニット102b)が伸張され、これによって、接続パイプフレーム構造16における下接続フレーム58の下連結ブロック107と上接続フレーム56の上連結ブロック70との間隔が延び側に修正される。従って、第1及び第2加振制御ユニット98a,98bによって接続パイプフレーム構造16に、工具取付構造体8を元の状態(図10に一点鎖線で示す状態)に戻す力、即ち接続パイプフレーム構造16に生じた相対振動を打ち消す力が作用し、かくして、接続パイプフレーム構造16に生じた相対振動を抑え、加工物を高精度に加工することが可能となる。
【0067】
また、上述とは反対に、図11に示すように、工具取付構造体8の中心軸P2が左側に傾斜するように第1上連結ブロック68側に相対振動が発生した場合、第1加振制御ユニット98aに伸張信号生成手段148からの伸張信号が送給され、この伸張信号に基づいて第1圧電素子102a(即ち、第1加振制御ユニット98a)が伸張され、これによって、接続パイプフレーム構造16における下接続フレーム58の下連結ブロック105と上接続フレーム56の上連結ブロック68との間隔が延び側に修正され、また第2加振制御ユニット98bに収縮信号生成手段150からの収縮信号が送給され、この収縮信号に基づいて第2圧電素子102b(即ち、第2加振制御ユニット102b)が収縮され、これによって、接続パイプフレーム構造16における下接続フレーム58の下連結ブロック107と上接続フレーム56の上連結ブロック70との間隔が縮み側に修正される。従って、このときにも第1及び第2加振制御ユニット98a,98bによって接続パイプフレーム構造16に、工具取付構造体8を元の状態(図11に一点鎖線で示す状態)に戻す力、即ち接続パイプフレーム構造16に生じた相対振動を打ち消す力が作用し、かくして、接続パイプフレーム構造16に生じた相対振動を抑えることができる。
【0068】
上述した実施形態では、接続パイプフレーム構造16の第1上連結ブロック68,70(即ち、工具取付構造体8側の一対の上連結ブロック)に熱変形補正手段86(第1及び第2ペルチェ素子88a,88b)を設けているが、接続パイプフレーム構造16の第2上連結ブロック72,74にも熱変形補正手段(第2熱変形補正手段を構成する)を設けるようにしてもよい。尚、以下の実施形態においては、上述した実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0069】
図12及び図13において、この形態では、第1上連結ブロック68,70に第1熱変形補正手段86が設けられていることに加え、第2上連結ブロック72,74に第2熱変形補正手段202が設けられている。第2熱変形補正手段202は、第1熱変形補正手段86と同様に、熱電変換素子(例えば、ペルチェ素子)から構成され、一つのペルチェ素子、即ち第3ペルチェ素子204aが一方の第2上連結ブロック72に設けられ、もう一つのペルチェ素子、即ち第4ペルチェ素子204bが他方の第2上連結ブロック74に設けられている。
【0070】
また、第3及び第4ペルチェ素子204a,204bに関連して、上述した第1及び第2ペルチェ素子88a,88bと同様に、一対の第2上連結ブロック72,74に、第3及び第4温度センサ206,208が設けられている。第3温度センサ206は、一方の第2上連結ブロック72に設けられ、この第2上連結ブロック72の温度を検知する。また、第4温度センサ208は、他方の第2上連結ブロック74に設けられ、この第2上連結ブロック74の温度を検知する。
【0071】
この形態では、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56の工具取付構造体8側の接続パイプ60における熱変形補正制御については、第1制御系統210によって制御され、この第1制御系統210による制御は、上述したと同様に、第1上連結ブロック68,70の温度差(即ち、第1及び第2温度センサ90,92の第1及び第2検知温度の温度差)が零(ゼロ)となるように、第1及び第2ペルチェ素子88a,88bが制御される。また、接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56の主軸構造体4側の接続パイプ64における熱変形補正制御については、第2制御系統212によって制御され、この第2制御系統212による制御は、第1制御系統210と同様に、第2上連結ブロック72,74の温度差(即ち、第3及び第4温度センサ206,208の第3及び第4検知温度の温度差)が零(ゼロ)となるように、第3及び第4ペルチェ素子204a,204bが制御される。この形態におけるその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一でよい。
【0072】
この形態では、接続パイプフレーム構造16の工具取付構造体8側については、主として第2駆動源54からの熱による熱変形を第1制御系統210によって熱変形補正することができ、またその主軸構造体4側については、主として主軸構造体4の駆動源214からの熱による熱変形を第2制御系統212によって熱変形補正するので、比較的簡単な構成で、また比較的簡単な制御でもって、より効果的に接続パイプフレーム構造16の熱補正を行うことができる。
【0073】
また、上述した実施形態では、工具取付構造体8を接続パイプフレーム構造16の上接続フレーム56の一対の上連結ブロック68,70及び下接続フレーム58の一対の下連結ブロック(工具取付構造体8側の下連結ブロック)に取り付けて第3ベッド部12の一部を、工具取付構造体8を支持するための第2ベッド部10として機能させているが、このような構成に代えて、第2ベッド部10を第1ベッド部8と同様の構成となるようにしてもよい。
【0074】
工作機械の第2の実施形態を示す図14において、この形態では、ベッド構造体2Aは、主軸構造体4を支持するための第1ベッド部6と、工具取付構造体8を支持するための第2ベッド部10と、第1ベッド部6と第2ベッド部10を接続する第3ベッド部12とを備えている。第1ベッド部6及び第3ベッド部12は、上述したと略同様の構成であり、支持パイプフレーム構造14A及び接続パイプフレーム構造16Aから構成されている。また、第2ベッド部10は、接続パイプフレーム構造16Aと実質上同様の構成である第2支持パイプフレーム構造220から構成され、この第2支持パイプフレーム構造220は、接続パイプフレーム構造16Aの一端側に接続されている。
【0075】
図14から理解されるように、この形態においては、支持パイプフレーム構造14A、接続パイプフレーム構造16A及び第2支持パイプフレーム構造220が上下一段に構成されている。また、第2支持パイプフレーム構造220の主軸構造体4側の一部が接続パイプフレーム構造16Aの工具取付構造体8側の一部を構成する構造となっており、工具取付支持構造体8は、接続パイプフレーム構造16Aの上接フレーム56の一対の第1上連結ブロック70(図14において第1上連結ブロック70のみ示す)と第2支持パイプフレーム構造220の上支持フレーム222の一対の上連結ブロック224,226に支持固定される。本発明における熱変形補正の制御及び振動抑制の制御は、このような形態のベッド構造体2Aを備える工作機械にも同様に適用することができる。
【0076】
以上、本発明に従う工作機械の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0077】
例えば、上述した実施形態では、主軸構造体側に第1加速度センサを設け、工具取付構造体側の第2加速度センサを設け、これら加速度センサの検知加速度を用いて相対速度及び変位を演算し、これら相対速度及び変位に重み係数が掛けて制御信号を生成しているが、このような制御に代えて、例えば、主軸構造体側にそのX方向の変位を計測する第1変位計を設け、工具取付構造体側にそのX軸方向の変位を計測する第2変位計を設け、第1及び第2変位計の計測変位から相対変位を演算し、またこれら測定変位を微分して相対速度を演算し、これら相対速度及び相対変位に重み係数を掛けて制御信号を生成し、かかる制御信号を用いて一対の加振制御ユニットを制御しても相対振動を抑制することができる。
【0078】
また、例えば、上述した実施形態では、一つの工作機械に熱変形補正の制御及び振動抑制の制御の双方を適用しているが、これらの双方を組み合わせて適用する必要はなく、熱変形補正の制御又は振動抑制の制御を単独で適用することもできる。
【符号の説明】
【0079】
2,2A ベッド構造体
4 主軸構造体
6 第1ベッド部
8 工具取付構造体
10 第2ベッド部
12 第3ベッド部
14,14A 支持パイプフレーム構造
16,16A 接続パイプフレーム構造
56 上接続フレーム
58 下接続フレーム
68,70 第1上連結ブロック
72,74 第2上連結ブロック
86 熱変形補正手段
88a,88b ペルチェ素子
96 振動抑制手段
98,98a,98b 加振制御ユニット
102a,102b 圧電素子
210 第1制御系統
212 第2制御系統
220 第2支持パイプフレーム構造






















【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に回動される主軸を備えた主軸構造体と、加工工具が取り付けられる工具取付構造体と、前記主軸構造体及び工具取付構造体を支持するためのベッド構造体と、を具備し、前記ベッド構造体は、前記主軸構造体を支持するための第1ベッド部と、前記工具取付構造体を支持するための第2ベッド部と、前記第1ベッド部と前記第2ベッド部とを接続する第3ベッド部とを備え、少なくとも前記第3ベッド部が接続パイプフレーム構造により構成された工作機械において、
前記接続パイプフレーム構造は、4本の上連結パイプを4個の上連結ブロックでもって矩形状に連結した上接続フレームと、4本の下連結パイプを4個の下連結ブロックでもって矩形状に連結した下接続フレームと、前記上接続フレームの各上連結ブロックと前記下接続フレームの対応する下連結ブロックとを接続する接続パイプとを有しており、
前記工具取付構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、前記主軸構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されており、
前記一対の第1上連結ブロックの少なくとも一方には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための第1熱変形補正手段が設けられ、前記第1熱変形補正手段は、前記一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記接続パイプフレーム構造の前記一対の第2上連結ブロックの少なくとも一方には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための第2熱変形補正手段が設けられ、前記第2熱変形補正手段は、前記一対の第2上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
所定方向に回動される主軸を備えた主軸構造体と、加工工具が取り付けられる工具取付構造体と、前記主軸構造体及び工具取付構造体を支持するためのベッド構造体と、を具備し、前記ベッド構造体は、前記主軸構造体を支持するための第1ベッド部と、前記工具取付構造体を支持するための第2ベッド部と、前記第1ベッド部と前記第2ベッド部とを接続する第3ベッド部とを備え、少なくとも前記第3ベッド部が接続パイプフレーム構造により構成された工作機械において、
前記接続パイプフレーム構造は、4本の上連結パイプを4個の上連結ブロックでもって矩形状に連結した上接続フレームと、4本の下連結パイプを4個の下連結ブロックでもって矩形状に連結した下接続フレームと、前記上接続フレームの各上連結ブロックと前記下接続フレームの対応する下連結ブロックとを接続する接続パイプとを有しており、
前記工具取付構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの一端側の一対の第1上連結ブロック間に支持され、前記主軸構造体の一端部は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの他端側の一対の第2上連結ブロック間に支持されており、
前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームと前記下接続フレームとの間には、前記上接続フレームの前記一対の第1上連結ブロック間と前記一対の第2上連結ブロック間との間の相対振動を抑えるための振動抑制手段が介在されていることを特徴とする工作機械。
【請求項4】
前記振動抑制手段は、振動を加えるための加振制御ユニットから構成され、前記加振制御ユニットが、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの第1上連結ブロックと前記下接続フレームにおける前記主軸構造体側の下連結ブロックとの間に、又は前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの第2上連結ブロックと前記下接続フレームにおける前記工具取付構造体側の下連結ブロックとの間に介在されていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記接続パイプフレーム構造の前記一対の第1上連結ブロックの各々には、前記第3ベッド部の熱変形を補正するための熱変形補正手段が設けられ、前記熱変形補正手段は、前記一対の第1上連結ブロックの温度差に基づいて前記第3ベッド部の熱変形を補正することを特徴とする請求項3又は4に記載の工作機械。
【請求項6】
前記工具取付構造体は、前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの前記一対の上連結ブロックと前記下接続フレームの一対の第1連結ブロックとの間に取り付けられ、前記第3ベッド部の前記一対の第1上連結ブロック及び前記一対の下連結ブロックが前記第2ベッド部を構成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の工作機械。
【請求項7】
前記第2ベッド部は、支持パイプフレーム構造から構成され、前記支持パイプフレーム構造は、前記接続フレーム構造の前記一端側に接続され、前記工具取付構造体は、前記支持パイプフレーム構造の上支持フレームの一対の上連結ブロックと前記接続パイプフレーム構造の前記上接続フレームの前記一対の上連結ブロックとの間に支持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の工作機械。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−52489(P2013−52489A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193906(P2011−193906)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(593165487)学校法人金沢工業大学 (202)
【出願人】(591014835)高松機械工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】