説明

工作機械

【課題】工作機械において、プローブの取り付けられた主軸を回転させてワークの計測を行う際の主軸の回転微振動を抑制し、計測精度を向上させる。
【解決手段】タッチプローブ17の取り付けられる主軸30と、主軸30を回転駆動するモータ15と、モータ15の回転角度位置を検出する回転角度位置検出器16と、制御装置20とを含み、制御装置20は、タッチプローブ17によってワークの測定を行う測定モード指令が入力された際に、d軸電流指令補正部4によってd軸電流指令値Idcに1より小さいd軸電流補正係数Kを乗じてd軸電流指令値Idcをd軸電流指令補正値Idc‘に低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの位置や寸法の計測を行う工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械において、主軸にタッチプローブ(タッチセンサ)を取り付け、段取り時などのワークの位置決めのための位置計測やワークの寸法測定などを行うことが行われている。タッチプローブは測定子としてのスライタスを有しており、このタッチプローブには、スライタスが測定面との接触によって傾斜することにより機械的な接点が変化する接点信号式のものと、スライタスが測定面との接触によってスライタスと測定面とが電気的に導通関係になることを検出する接触信号式のものとがある。何れの方式のタッチプローブによる計測でも、スライタスが測定面に接近する方向へタッチプローブとワークとを相対的に移動させることによりスライタスをワークの測定面に接触させ、この接触時のNC座標を読み取ることによってワークの位置の計測や寸法測定を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された様なタッチプローブによってワークの位置や寸法の測定を行う方法は、タッチプローブが直線的な移動をするため、曲率半径が小さなワーク表面や球体状のワーク表面の形状計測ができない場合があった。そこで、タッチプローブを、例えば、主軸に取り付け、直動軸と回転軸を含む同時多軸計測で行い、タッチプローブの同一先端点でワークの表面と接触して計測を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−313242号公報
【特許文献2】特開2010−32373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載された従来技術のように、主軸等にタッチプローブを取り付け、直動軸と回転軸を含む同時多軸計測によってワークの位置や寸法の計測を行う場合には、主軸の回転角度位置を高い精度で計測することが必要となる。しかし、主軸の回転角度位置を検出する位置検出器に微小なノイズが入力された場合には、その影響により主軸に回転方向の振動が発生してしまう場合がある。
【0006】
このため、位置検出器の出力をフィルタでフィルタリングした値を位置検出値として使用することで、主軸を駆動するモータの微振動を抑制し、高い精度でワークの計測を行う方法が考えられる。しかし、フィルタリングの定数を大きくしてしまうと、通常の主軸回転時、位置決め動作においては角度位置の検出精度が低くなってしまうので、位置検出値のフィルタ定数を大きくするには限界がある。このため、フィルタ定数より高い周波数の微小ノイズが位置検出器に入力された場合は、フィルタによって微小ノイズを除去できず、微小ノイズ成分のトルクがモータに発生し、位置検出値の微小ノイズ成分に追従するように主軸が回転方向に微振動してしまい、高精度でワークの位置や寸法の測定ができないという問題がある。
【0007】
本発明は、工作機械において、プローブの取り付けられた主軸を回転させてワークの計測を行う際の主軸の回転微振動を抑制し、ワークの計測精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の工作機械は、プローブの取り付けられる主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、前記モータの回転角度位置を検出する回転角度位置検出器と、前記回転角度位置検出器によって検出したモータの回転角度位置に基づいて前記モータに供給する電力を調整する制御装置と、を含む工作機械であって、前記制御装置は、前記プローブによってワークの測定を行う測定モード指令が入力された際に、前記回転角度位置検出器の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替える切り替え手段を有すること、を特徴とする。
【0009】
本発明の工作機械において、前記制御装置の前記切り替え手段は、前記モータへのd軸電流指令値を通常指令値よりも低い測定モード指令値に切り替えること、としても好適である。
【0010】
本発明の工作機械において、前記モータに供給する電流を検出する電流検出器を備え、前記制御装置は、回転速度指令に基づくd軸電流指令値とq軸電流指令値に前記回転角度位置検出器の出力と前記電流検出器の出力とから計算したd軸電流検出値とq軸電流検出値をそれぞれフィードバックして前記モータに供給する電流を調整し、前記切り替え手段は、前記フィードバックのゲインを通常ゲインよりも小さい測定モードゲインに切り替えること、としても好適である。
【0011】
本発明の工作機械において、前記回転角度位置検出器は、前記モータの回転軸に結合される被検出体と、前記被検出体の角度位置を検出する位置検出センサとを含むこと、としても好適である。
【0012】
本発明の工作機械において、前記モータは、直流電源から供給された直流電力を変換した三相交流電力により駆動され、前記制御装置は、回転速度指令と前記回転角度位置検出器より得られる回転速度検出値よりq軸電流指令値とd軸電流指令値からなる二相の指令値を出力する電流指令演算部と、前記モータの三相の電流を検出しq軸電流検出値とd軸電流検出値からなる二相の検出値に変換する第1の座標変換部と、前記q軸電流指令値とq軸電流検出値よりq軸電圧指令を出力するq軸電圧誤差演算部と、前記d軸電流指令値とd軸電流検出値よりd軸電圧指令を出力するd軸電圧誤差演算部と、前記q軸電圧指令と前記d軸電圧指令からなる二相指令を前記モータの電流を制御するための三相電圧指令に変換する第2の座標変換部とを備え、前記切り替え手段は、前記q軸電圧誤差演算部と前記d軸電圧誤差演算部において前記q軸電圧指令と前記d軸電圧指令を演算する際の各ゲインをそれぞれ低減すること、としても好適である。
【0013】
本発明の工作機械のモータ制御方法は、プローブの取り付けられる主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、前記モータの回転角度位置を検出する回転角度位置検出器と、を含む工作機械のモータ制御方法であって、前記回転角度位置検出器によってモータの回転角度位置を検出し、前記プローブによってワークの測定を行う測定モード指令が入力された際に、検出した前記回転角度位置検出器の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、工作機械において、プローブの取り付けられた主軸を回転させてワークの計測を行う際の主軸の回転微振動を抑制し、計測精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における工作機械のモータ制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における工作機械のモータ制御装置の電圧誤差検出器のブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例における工作機械のモータ制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、本発明の実施形態の工作機械100は、タッチプローブ17が取り付けられる主軸30と、主軸30を回転駆動するモータ15と、モータ15の回転軸31に直結された被検出体である検出用歯車16aと検出用歯車16aによって変化する磁束密度を検出する位置検出センサである磁気抵抗センサ16bとによって構成される回転角度位置検出器16と、直流電源23から供給される直流電力を三相交流電力に変換してモータ15を駆動するインバータ22と、モータ15に供給される三相交流電力のU相電流を検出するU相電流検出器13と、V相電流を検出するV相電流検出器14と、回転角度位置検出器16、U相電流検出器13、V相電流検出器14の各検出器の出力が入力され、U,V,W各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを出力する制御装置20と、制御装置20から出力されたU,V,W各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwをインバータ22の各スイッチング素子のオンオフ信号とするPWM部21とを含んでいる。また、工作機械100は、制御装置20に回転速度指令Rcと測定モード指令とを出力する上位制御装置1を備えている。
【0017】
制御装置20は、第1の座標変換部18と、微分器19と、減算器2と、電流指令演算部3と、d軸電流指令補正部4と、減算器5,7と、q軸電圧誤差演算部6と、d軸電圧誤差演算部8と、電圧フィードフォワード値演算部9と、加算器10,11と、第2の座標変換部12と、微分器19を含んでいる。
【0018】
第1の座標変換部18は、U相電流検出器13で検出したU相電流Iuと、V相電流検出器14で検出したV相電流Ivと、回転角度位置検出器16によって検出した回転角度位置検出値Pdに基づき、三相電流検出値を二相電流検出値であるd軸電流検出値Iddとq軸電流検出値Iqdに変換する。
【0019】
微分器19は、回転位置検出値Pdを微分してモータの回転速度検出値Rdを出力し、
減算器2は、回転速度指令Rcと回転速度検出値Rdの偏差を求め、速度偏差Rdifとして出力する。電流指令演算部3は、該速度偏差Rdifより二相電流指令値であるd軸電流指令値Idcとq軸電流指令値Iqcを出力する。
【0020】
d軸電流指令補正部4は、上位制御装置1から入力される測定中信号Modeによりd軸電流指令値Idcを通常指令値と測定モード指令値との間で切り替え、d軸電流指令補正値Idc‘として出力する。図2に示すように、d軸電流指令補正部4は、測定モード判定部41とd軸電流補正値切換部42を含み、測定モード判定部41は、測定中信号Modeが入力された場合には、d軸電流補正値切換部42のスイッチを測定モード側に切替え、d軸電流補正係数Kを1以下の値とする。また、測定中信号Modeが入力されていない場合には、d軸電流補正値切換部42のスイッチを通常側に切替え、通常のd軸電流補正係数Kを1としてd軸電流指令補正値Idc‘を出力する。
【0021】
減算器5は、q軸電流指令値Iqcとq軸電流検出値Iqdの偏差を求め、q軸電流偏差として出力し、q軸電圧誤差演算部6は、q軸電流偏差と比例ゲインKpと積分ゲインKiに基づきq軸電流電圧誤差ΔVqcを出力する。また、減算器7は、d軸電流指令補正値Idc‘とd軸電流検出値Iddの偏差を求め、d軸電流偏差として出力し、d軸電圧誤差演算部8は、d軸電流偏差と比例ゲインKpと積分ゲインKiに基づきd軸電流電圧誤差ΔVdcを出力する。
【0022】
電圧フィードフォワード値演算部9は、回転速度検出値Rdとd軸電流指令値Idcとq軸電流指令値Iqcに基づき、d軸電流電圧フィードフォワード値Vdff及びq軸電流電圧フィードフォワード値Vqffを出力する。加算器11は、d軸電流電圧フィードフォワード値Vdffとd軸電流電圧誤差ΔVdcよりd軸電圧指令Vdcを出力し、加算器10は、q軸電流電圧フィードフォワード値Vqffとq軸電流電圧誤差ΔVqcよりq軸電圧指令Vqcを出力する。第2の座標変換部12は、d軸電圧指令Vdcとq軸電圧指令Vqcと回転角度位置検出値PdよりU、V、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを出力する。
【0023】
測定中信号ModeがOFFの場合は、すなわち、通常の主軸回転時の場合は、d軸電流指令値Idcに1を乗じるため、d軸電流指令補正値Idc‘とd軸電流指令値Idcは同値となり、工作機械100の動作に変化はない。測定中信号ModeがONの場合は、すなわち、加工中以外のタッチプローブ17でワークの位置、寸法を測定する測定モード中では、d軸電流指令値Idcに1より小さいd軸電流補正係数Kを乗じるため、d軸電流指令値Idcが低減される。つまり、回転角度位置検出器16の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替える。モータ15では、d軸電流指令値Idcを低減することで、その低減量に比例して、出力トルクが低下する。よって、加工中以外のタッチプローブ17での測定モード中に、d軸電流指令値Idcを低減してd軸電流指令補正値Idc‘とすることで、回転角度位置検出値Pdに微小ノイズが入っている場合においても、微小ノイズに基づく出力トルクが低減されるため、回転角度位置検出値Pdのノイズ成分に追従するようにモータ15、主軸30の回転振動が抑制され、タッチプローブ17で高精度にワークの位置や寸法の測定を行うことができる。
【0024】
本発明の他の実施例について説明する。先に図1を参照して説明した実施形態と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。図3に示すように、本実施形態では、図1で説明した実施形態のd軸電流指令補正部4を設けず、上位制御装置1から入力される測定中信号Modeをq軸電圧誤差演算部6、d軸電圧誤差演算部8に入力するように構成したものである。
【0025】
q軸電圧誤差演算部6、d軸電圧誤差演算部8は、測定中信号ModeがOFFの場合は、すなわち、通常の主軸回転時の場合は、比例ゲインKpと積分ゲインKiを通常のゲインとしてq軸電流電圧誤差ΔVqc、d軸電流電圧誤差ΔVdcを演算して出力するので工作機械100の動作に変化はない。測定中信号ModeがONの場合は、すなわち、加工中以外のタッチプローブ17でワークの位置、寸法を測定する測定モード中では、比例ゲインKpと積分ゲインKiを通常のゲインより低減した測定モード比例ゲインKp´と測定モード積分ゲインKi´としてq軸電流電圧誤差ΔVqc、d軸電流電圧誤差ΔVdcを演算して出力する。つまり、回転角度位置検出器16の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替える。すると、モータ15に供給される交流電力のU,V,W各相の電流Iu,Iv,Iwが低減され、モータ15の出力トルクが低減する。よって、加工中以外のタッチプローブ17での測定モード中に、回転角度位置検出値Pdに微小ノイズが入っている場合においても、微小ノイズに基づく出力トルクが低減されるため、回転角度位置検出値Pdのノイズ成分に追従するようにモータ15、主軸30の回転振動が抑制され、タッチプローブ17で高精度にワークの位置や寸法の測定を行うことができる。
【0026】
以上、図1を参照して説明した実施形態では、d軸電流指令補正部4において、上位制御装置1から測定中信号Modeが入力された場合には、d軸電流補正値切換部42のスイッチを測定モード側に切替え、d軸電流補正係数Kを1以下の値としてモータの出力トルクを低減することによって、回転角度位置検出値Pdに微小ノイズが入っている場合においても、主軸30の回転振動を抑制して、タッチプローブ17で高精度にワークの位置や寸法の測定を行うようにすることとして説明し、図2に記載した実施形態では、測定中信号ModeがONの場合は、q軸電圧誤差演算部6、d軸電圧誤差演算部8の比例ゲインKpと積分ゲインKiを通常のゲインより低減した測定モード比例ゲインKp´と測定モード積分ゲインKi´としてq軸電流電圧誤差ΔVqc、d軸電流電圧誤差ΔVdcを演算して出力することにより、モータの出力トルクを低減し、回転角度位置検出値Pdに微小ノイズが入っている場合においても、主軸30の回転振動を抑制して、タッチプローブ17で高精度にワークの位置や寸法の測定を行うようにすることとして説明したが、更に他の実施形態として図1に示した実施形態のd軸電流指令補正部4を備えると共に、図2に示した実施形態のように測定中信号Modeをq軸電圧誤差演算部6、d軸電圧誤差演算部8に入力して比例ゲインKpと積分ゲインKiの低減を行うように構成し、測定中信号ModeがONの場合には、d軸電流補正係数Kを1以下の値とするともに、各ゲインKp,Kiの低減を行うように構成しても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 上位制御装置、2,5,7 減算器、3 電流指令演算部、4 d軸電流指令補正部、6 q軸電圧誤差演算部、8 d軸電圧誤差演算部、9 電圧フィードフォワード値演算部、10,11 加算器、12 第2の座標変換部、13 U相電流検出器、14 V相電流検出器、15 モータ、16 回転角度位置検出器、16a 検出用歯車、16b 磁気抵抗センサ、17 タッチプローブ、18 第1の座標変換部、19 微分器、20 制御装置、21 PWM部、22 インバータ、23 直流電源、30 主軸、31 モータ回転軸、41 測定モード判定部、42 d軸電流補正値切換部、100 工作機械。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブの取り付けられる主軸と、
前記主軸を回転駆動するモータと、
前記モータの回転角度位置を検出する回転角度位置検出器と、
前記回転角度位置検出器によって検出したモータの回転角度位置に基づいて前記モータに供給する電力を調整する制御装置と、を含む工作機械であって、
前記制御装置は、前記プローブによってワークの測定を行う測定モード指令が入力された際に、前記回転角度位置検出器の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替える切り替え手段を有すること、
を特徴とする工作機械。
【請求項2】
請求項1に記載の工作機械であって、
前記制御装置の前記切り替え手段は、
前記モータへのd軸電流指令値を通常指令値よりも低い測定モード指令値に切り替えること、
を特徴とする工作機械。
【請求項3】
請求項1または2に記載の工作機械であって、
前記モータに供給する電流を検出する電流検出器を備え、
前記制御装置は、回転速度指令に基づくd軸電流指令値とq軸電流指令値に前記回転角度位置検出器の出力と前記電流検出器の出力とから計算したd軸電流検出値とq軸電流検出値をそれぞれフィードバックして前記モータに供給する電流を調整し、
前記切り替え手段は、前記フィードバックのゲインを通常ゲインよりも小さい測定モードゲインに切り替えること、
を特徴とする工作機械。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械であって、
前記回転角度位置検出器は、前記モータの回転軸に結合される被検出体と、前記被検出体の角度位置を検出する位置検出センサとを含むこと、
を特徴とする工作機械。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械であって、
前記モータは、直流電源から供給された直流電力を変換した三相交流電力により駆動され、
前記制御装置は、
回転速度指令と前記回転角度位置検出器より得られる回転速度検出値よりq軸電流指令値とd軸電流指令値からなる二相の指令値を出力する電流指令演算部と、
前記モータの三相の電流を検出しq軸電流検出値とd軸電流検出値からなる二相の検出値に変換する第1の座標変換部と、
前記q軸電流指令値とq軸電流検出値よりq軸電圧指令を出力するq軸電圧誤差演算部と、
前記d軸電流指令値とd軸電流検出値よりd軸電圧指令を出力するd軸電圧誤差演算部と、
前記q軸電圧指令と前記d軸電圧指令からなる二相指令を前記モータの電流を制御するための三相電圧指令に変換する第2の座標変換部とを備え、
前記切り替え手段は、前記q軸電圧誤差演算部と前記d軸電圧誤差演算部において前記q軸電圧指令と前記d軸電圧指令を演算する際の各ゲインをそれぞれ低減すること、
を特徴とする工作機械。
【請求項6】
プローブの取り付けられる主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、前記モータの回転角度位置を検出する回転角度位置検出器と、を含む工作機械のモータ制御方法であって、
前記回転角度位置検出器によってモータの回転角度位置を検出し、
前記プローブによってワークの測定を行う測定モード指令が入力された際に、検出した前記回転角度位置検出器の出力変化割合に応じた前記モータへの供給電力の変化割合を通常の変化割合から測定モード変化割合に切り替えること、
を特徴とする工作機械のモータ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−86242(P2013−86242A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231534(P2011−231534)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000149066)オークマ株式会社 (476)
【Fターム(参考)】