説明

工程管理環境における資産追跡管理

【課題】工程管理環境下の資産の追跡管理の提供。
【解決手段】工程管理環境内で使用するための資産追跡管理システムは、1つ又は複数の資産追跡管理デバイス及び資産追跡管理ホストを含む。資産追跡管理デバイスは、追跡管理される資産の位置又はロケーションに対応する信号を受信し、無線HARTのような工業オートメーションプロトコルを使用して、位置の指示を資産追跡管理ホストに通信する。信号は工程管理環境内に再放射されるGPS信号であり得る。環境データのような他の情報が資産の位置とともに通信されてもよい。資産追跡管理ホストは、メッセージ内に含まれるデータ又は情報を記憶及び/又は表示することができ、異なるメッセージを資産追跡管理デバイスに送信できる。資産追跡管理デバイスは、工程管理環境内で使用される野外装置、ネットワークデバイス又はポータブル通信デバイス内に含まれてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には工程管理環境における資産の追跡管理に関し、より詳細には、工程管理環境の工業オートメーションプロトコルを使用することによる資産の追跡管理に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な製造プラントまたは工場では、物的および/または人的資産を追跡管理することは、効率、生産性および安全性にとって非常に重要である。人的資産または職員の所在を知っていると、職員に非常事態を通知し、予期せぬ化学物質の漏洩または切迫した気象状態のような危険な状態に反応する時間を低減することができる。物的資産(例えば、部品、デバイス、機器など)の所在を知っていると、特定の資産の物理的な位置を指示することを可能にし、従って、操作者および/または他の職員の生産性を向上させることができる。しかしながら、人的および/または物的資産を位置特定するための現在既知の技法には、位置精度に乏しく、インフラ要求が高いという課題がある。さらに、いくつかの既知の技法は、建造物、大量の金属、および、工場内で使用される干渉する技術のような厳しい産業環境によって妨害される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記問題点を解消した課工程管理環境における資産の追跡管理を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、資産追跡管理デバイスによって実行される資産追跡管理方法は、資産追跡管理デバイスによって、位置データ、または、資産追跡管理デバイスに対応する、もしくは追跡管理されることが望まれる資産に対応する空間ロケーションを示す他の情報を取得することを含むことができる。資産追跡管理デバイスは、工業オートメーションプロトコルに従って動作する通信ネットワークに通信可能に結合されることができる。一実施形態では、工業オートメーションプロトコルは、無線HART(登録商標)(ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ)プロトコルである。資産追跡管理方法は、工業オートメーションプロトコルに従うとともに、資産または資産追跡管理デバイスの空間位置を指示するための位置指示フィールドを含むメッセージを生成することを含むことができる。位置指示フィールドは、位置データ、または、空間ロケーションを示す情報の少なくとも一部をデータ投入されることができる。本方法は、メッセージが、工業オートメーションプロトコルを使用して資産追跡管理デバイスから通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストに送信されるようにすることを含むことができる。
【0005】
資産追跡管理デバイスの実施形態が開示される。資産追跡管理デバイスは、無線HARTプロトコルのような工業オートメーションプロトコルに従って動作する工程管理環境の通信ネットワークに結合されることができる。資産追跡管理デバイスは、通信ネットワークを介してメッセージを送信および受信するネットワークインタフェースと、通信ネットワークにおいてノードとして動作する資産追跡管理デバイスまたはターゲットデバイスの空間ロケーションまたは位置を求める位置決定モジュールと、空間ロケーションまたは位置の指示をデータ投入される位置指示フィールドを含むメッセージを生成するためのメッセージ生成ユニットとを含むことができる。メッセージ生成ユニットは、メッセージが、工業オートメーションプロトコルを使用して資産追跡管理デバイスから通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストに送信されるようにすることができる。
【0006】
一実施形態では、資産追跡管理ホストによって実行される資産追跡管理方法は、通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストにおいて、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを受信することを含むことができる。一実施形態では、工業オートメーションプロトコルは、無線HARTプロトコルである。メッセージは、資産追跡管理デバイスの空間位置または追跡管理されることが望まれる資産の空間位置に対応する位置データ(またはそれを示す情報)を含むことができる。本方法は、資産追跡管理デバイスに関連付けられる、または追跡管理されることが望まれる資産に関連付けられる資産デバイス記述を取り出すことと、位置データおよび資産デバイス記述に基づいて資産追跡管理情報を生成することとを含むことができる。資産追跡管理情報は、データ記憶デバイス内に記憶されることができ、ユーザインタフェース上で提示されることができる。
【0007】
資産追跡管理ホストの実施形態は、無線HARTプロトコルのような工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境において動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるネットワークインタフェースを含むことができる。工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境における工程変数の管理または監視に関連するデータを通信するために特に定義されるメッセージを含むことができる。資産追跡管理ホストは、資産の空間位置を示す位置データまたは情報を含むメッセージを受信するように構成される資産追跡管理ユニットを含むことができる。資産追跡管理ユニットは、対応する資産デバイス記述を取り出し、その資産デバイス記述および位置データまたは情報に基づいて資産追跡管理情報を生成することができる。
【0008】
工程管理環境において動作する資産追跡管理システムの実施形態は、複数のノードを有し、無線HARTプロトコルのような工業オートメーションプロトコルを使用して通信する通信ネットワークを含むことができる。資産追跡管理システムは、資産追跡管理ホスト、複数の野外装置、および資産追跡管理デバイスを含むことができる。資産追跡管理デバイスは、資産追跡管理デバイスの空間位置を示す位置情報または位置データを生成するとともに、その位置情報またはデータを複数の野外装置のうちの1つに提供するように構成されることができる。受信野外装置は、資産追跡管理ホストに、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージ内の位置情報またはデータの少なくとも一部を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の技法が機能することができる例示的なシステムを示すブロック図である。
【図2】本明細書において説明される実施形態のうちの1つに従って実装される無線HARTプロトコルのあり得る層の概略表現図である。
【図3】資産追跡管理システムの一実施形態の図である。
【図4A】資産追跡管理デバイスの一実施形態のブロック図である。
【図4B】資産追跡管理デバイスの別の実施形態のブロック図である。
【図5】工程管理環境において構成可能であり得るデバイスタイプの例示的な図解である。
【図6A】資産の空間ロケーションの指示を含む工程管理環境のディスプレイ表示である。
【図6B】図6Aのディスプレイ表示を続いて個別に拡大した図である。
【図6C】図6Aのディスプレイ表示を続いて個別に拡大した図である。
【図7】資産追跡管理デバイスによって実行されることができる資産追跡管理の例示的な方法の図である。
【図8】資産追跡管理ホストによって実行されることができる資産追跡管理の例示的な方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図1は、本明細書において記載される資産追跡管理デバイス、方法、装置、システムおよび/または技法が機能することができる例示的なシステム5を示す。システム5は、工程管理プラントの工程管理環境、センサネットワーク、工場または製造プラント、製造所、または工程管理技法または戦略が使用される任意の他の環境を含むことができる。「資産」という用語は、本明細書において使用される場合、工程管理環境に関連付けられる生物学的または物理的実体を指す。例えば、生物学的資産は、操作者、保守要員、または、工程管理環境に対応する職務を実行する任意の従業員もしくは請負業者のような人間であってもよい。別の例では、生物学的資産は、危険物または不法物質を見つけるように訓練されている犬または他の動物(通常、必須ではないが、人間と同一ロケーションに配置される)であってもよい。事実、生物学的資産は工程管理関連職務をまったく実行する必要はなく、検査官、学生、または訪問者のような、物理的に工程管理環境の範囲または境界内にある任意の人または動物であってもよい。一般的に、生物学的資産は、工程管理環境102内のその所在を知ることまたは追跡管理することが望ましい場合がある任意の生物学的実体であり得る。
【0011】
物理的資産は、工程管理環境に関連付けられるかまたはその中で使用される、デバイス、一個の機器、またはその従属部品であることができる。物理的資産は、工程管理環境内へ製造に必要な材料として提供される原料、工程管理環境によって生産または生成される中間材料、工程管理環境内で生産または生成される束または他の産出物質などであってもよい。物理的資産は固定または可変のロケーションを有することができる。例えば、物理的資産は、センサ、バルブ、ポンプ、タンクなどのような、一般的に固定ロケーションにある野外装置であってもよい。物理的資産は、特定の固定ロケーション、例えば、例えば一続きのパイプに沿った接合、溶接、または「Y」字状接続に対応することができる。物理的資産は、例えば、冷却ファン、空気吸い込み口もしくは吹き出し口、スプリンクラヘッド、または床排水のような、工場設備特性に対応することができる。いくつかの事例において、物理的資産は、物理的資産が、検査機器、コンピューティングデバイスなどのような可搬の機器に対応する場合などは、可変のロケーションを有することができる。一般的に、物理的資産は、その工程管理環境102内の所在またはロケーションを知るかまたは追跡管理することが望ましい場合がある、工程管理環境によって使用される任意の物理的実体である。
【0012】
図1に示されるように、システム5は、1つまたは複数の工業オートメーションプロトコルによって動作する通信ネットワーク10を含むことができる。特に、ネットワーク10は、工業オートメーションプロトコル(例えば、HART(登録商標)(ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ)、プロフィバスDP(分散周辺機器)など)または何らかの他の通信プロトコル(例えば、イーサネット(登録商標))、RS−485など)を利用するかまたはそれに従って動作する工場オートメーションネットワーク12を含むことができる。ネットワーク10は、無線HART通信プロトコル、ZigBee(登録商標)、ISA(国際計測制御学会)標準規格、または、工場オートメーションネットワーク12の野外装置またはセンサ間の直接の通信をサポートする何らかの他の無線ネットワークプロトコルのような無線工業オートメーションプロトコルを利用するかまたはそれに従って動作する無線工場オートメーションネットワーク14も含むことができる。明確にするために、本明細書の論述は、無線HART通信プロトコルに言及するが、本明細書に記載される技法および原理は、無線HARTに加えてまたはその代わりの無線工業オートメーションプロトコルを利用するかまたはそれに従って動作する無線工場オートメーションネットワークに適用されることができる。
【0013】
図1は通信ネットワーク10を、ゲートウェイ22を介して接続される、工場オートメーションネットワーク12(すなわち、その大部分は有線)および無線通信ネットワーク14の両方を含むものとして示しているが、いくつかの実施形態では、ネットワーク10は、工場オートメーションネットワーク12のみ、または無線通信ネットワーク14のみを含んでもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、無線通信ネットワーク14は、無線メッシュ通信ネットワークであってもよく、その一例が、2008年8月29日に出願された、「無線メッシュ通信ネットワークの構成および最適化(CONFIGURING AND OPTIMIZING A WIRELESS MESH NETWORK)」と題する米国特許出願第12/201,734号明細書に記載されており、その開示全体がここに明示的に参照により組み込まれる。
【0014】
工場オートメーションネットワーク12は、通信バックボーン20を介して接続される1つまたは複数の固定ワークステーション16および1つまたは複数の携帯用ワークステーション18を含むことができる。ゲートウェイ22は、有線でバックボーン20に接続されることができ、適切なプロトコルを使用して工場オートメーションネットワーク12と通信することができる。ゲートウェイ22は、独立型デバイスとして、ホストまたはワークステーション16もしくは18の拡張スロット内に挿入可能なカードとして、PLCベースまたはDCSベースのシステムのIOサブシステムの一部として、あるいは任意の他の様式で実装されることができる。ゲートウェイ22は、ネットワーク12上で実行しているアプリケーションに対して、無線通信ネットワーク14のさまざまなデバイスに対するアクセスを提供することができる。プロトコルおよびコマンド変換に加えて、ゲートウェイ22は、無線通信ネットワーク14のスケジューリング方式のタイムスロットおよびスーパーフレーム(時間的に等間隔に離間される通信タイムスロットのセット)によって使用される同期クロッキングを提供することができる。
【0015】
いくつかの状況では、システム5は、2つ以上のゲートウェイ22を有してもよい。これらの複数のゲートウェイは、無線HARTネットワークおよび工場オートメーションネットワーク12または外界の間の通信のための追加の帯域幅を提供することによって、ネットワークの実効スループットおよび信頼性を向上させるために使用されることができる。他方、ゲートウェイ22デバイスは、無線通信ネットワーク14内のゲートウェイ通信要求に従って、適切なネットワークサービスに帯域幅を要求する場合がある。ゲートウェイ22はさらに、システムが動作している間に必要な帯域幅を再び割り当てる場合がある。例えば、ゲートウェイ22は、大容量のデータを取り出すための、無線通信ネットワーク14の外側に存在するホストからの要求を受信する場合がある。ゲートウェイデバイス22は、その場合、このトランザクションに対応するために、ネットワークマネージャのような専用サービスに追加の帯域幅を要求することができる。ゲートウェイ22はその後、トランザクションの完了時に不要な帯域幅の解放を要求することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ゲートウェイ22は、仮想ゲートウェイ24と、1つまたは複数のネットワーク・アクセス・ポイント25に機能的に分割される。ネットワーク・アクセス・ポイント25は、無線通信ネットワーク14の帯域幅および全体的な信頼性を向上させるために、ゲートウェイ22との有線通信内の別個の物理デバイスとすることができる。しかしながら、図1は物理的に別個のゲートウェイ22とアクセスポイント25との間の有線接続26を示しているが、要素22〜26は、統合デバイスとして提供されてもよく、かつ/または接続26は無線接続であってもよいことは理解されよう。ネットワーク・アクセス・ポイント25は、ゲートウェイデバイス22から物理的に別個であることができるため、アクセスポイント25は戦略的に、いくつかの異なるロケーションに配置されることができる。帯域幅の向上に加えて、複数のアクセスポイント25は、1つのアクセスポイントにおける、乏しい可能性がある信号品質を、1つまたは複数の他のアクセスポイントにおいて補償することによって、ネットワークの全体的な信頼性を向上させることができる。複数のアクセスポイント25を有することは、アクセスポイント25のうちの1つまたは複数の故障の場合における冗長性も提供する。
【0017】
ゲートウェイデバイス22は付加的に、ネットワークマネージャソフトウェアモジュール27およびセキュリティマネージャソフトウェアモジュール28を含むことができる。別の実施形態では、ネットワークマネージャ27および/またはセキュリティマネージャ28は、工場オートメーションネットワーク12上のホストのうちの1つの上で実行することができる。例えば、ネットワークマネージャ27はホスト16上で実行することができ、セキュリティマネージャ28はホスト18上で実行することができる。ネットワークマネージャ27は、ネットワークの構成、無線HARTデバイス間の通信のスケジューリング(例えば、スーパーフレームの構成)、経路指定テーブルの管理、ならびに無線通信ネットワーク14の調子の監視および報告の役割を担うことができる、冗長ネットワークマネージャ27がサポートされるが、例示的な実施形態では、無線通信ネットワーク14ごとにただ1つのアクティブなネットワークマネージャ27があり得ることが企図される。
【0018】
再び図1を参照すると、無線通信ネットワーク14は1つまたは複数の野外装置30〜40を含むことができる。一般的に、化学、石油または他の処理工場において使用されるもののような工程管理システムがこのような野外装置30〜40を含む。野外装置30〜40の各々は、例えば、バルブ、バルブ保定装置、スイッチ、センサ(例えば、温度、圧力または流量センサ)、ポンプ、ファンなどとすることができる。野外装置は、バルブの開閉および工程パラメータの測定を行うなどの工程または工程管理ループ内の管理および/または物理的機能を実行する。無線通信ネットワーク14では、野外装置30〜40は、無線HARTパケットのような無線通信パケットの生成者かつ消費者である。
【0019】
図1に示される実施形態では、資産追跡管理ホスト41は、ネットワーク43に接続されることができ、そのネットワークは、ルータ44を介して工場オートメーションネットワーク12に接続されることができる。ネットワーク43は、例えば、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)のような公衆ネットワーク、私的LANのような私的ネットワーク、または1つもしくは複数の私的ネットワークおよび公衆ネットワークの何らかの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理ホスト41へのアクセスは、ウェブサービスを介してネットワーク43を通じて取得されることができる。資産追跡管理ホスト41はそれ自体が、サーバ、ピアツーピアネットワーク内でリンクされるコンピューティングデバイスのセット、クラウド・コンピューティング・ネットワークを介してリンクされるコンピューティングデバイスのセット、または別の様式でリンクされるコンピューティングデバイスのセットのような1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むことができ、それによって、資産追跡管理ホスト41は、ネットワーク12、14にとっては、仮想的な単一のアドレス指定可能なコンピューティングデバイスに見える。図1において、資産追跡管理ホスト41は、工場オートメーションネットワーク12または無線通信ネットワーク14のいずれかに属するものとして示されてはいないが、代わりに、ルータ44を介して両方のネットワーク12、14上のデバイスにアクセスする。
【0020】
しかしながら、他の実施形態では、資産追跡管理ホスト41は、工場オートメーションネットワーク12または無線通信ネットワーク14に属する資産追跡管理ホスト41であってもよい。これらの実施形態では、ネットワーク43およびルータ44は省かれてもよい。例えば、資産追跡管理ホスト41は、バックボーン20に直接接続されてもよく、または資産追跡管理ホストはワークステーション16の1つまたは複数のうちに含まれてもよい。別の例では、資産追跡管理ホスト41は無線通信ネットワーク14のノードであってもよい。資産追跡管理ホスト41は、工程管理環境の資産を追跡管理するように構成されることができ、後続の節においてより詳細に説明される。
【0021】
無線通信ネットワーク14は、有線デバイスによって得られるものと同様の動作性能を提供する無線工業オートメーションプロトコルを使用することができる。このプロトコルの用途は、工程データ監視、重要データ監視(より厳密な性能要件による)、較正、デバイスステータスおよび診断監視、野外装置トラブルシューティング、試運転、および監督工程管理を含むことができる。これらの用途は、無線通信ネットワーク14が、必要なときに高速の更新を提供することができ、必要なときに大容量のデータを移動させることができるとともに、試運転および保守作業のために一時的にのみ無線通信ネットワーク14に接続するネットワークデバイスをサポートすることができるプロトコルを使用することを必要とする。
【0022】
1つの実施形態では、無線通信ネットワーク14のネットワークデバイスをサポートする無線プロトコルは、HART工業オートメーションプロトコル、すなわち、有線環境の単純なワークフローおよび実務を維持するとともに、工程変数の管理または監視に関連するデータを通信(例えば、送信および/または受信)するために特に定義されるメッセージを含む、広く一般に受け入れられている工業規格の拡張機能である。この実施形態によれば、有線HARTデバイスに使用されるものと同じツールが、単純に新たなデバイス記述ファイルを加えることによって、無線デバイスに容易に適応されることができる。このようにして、無線HARTプロトコルは、HARTを使用して得られた経験および知識を活用して、トレーニングを最小限にし、保守管理およびサポートを単純化する。一般的に言えば、プロトコルを無線使用に適応させ、それによって、デバイス上で実行しているほとんどのアプリケーションが有線ネットワークから無線ネットワークへの遷移に「気づかない」ことが簡便であり得る。明らかに、このような透明性は、ネットワークのアップグレード、ならびに、より一般的には、このようなネットワークとともに使用され得るデバイスの開発およびサポートのコストを大幅に低減する。
【0023】
再び図1を参照すると、野外装置30〜36は、無線HARTデバイスであることができる。換言すれば、野外装置30、32、34、または36は、無線HARTプロトコルスタックのすべての階層をサポートする統合ユニットとして提供されることができる。ネットワーク10において、野外装置30は無線HART流量計とすることができ、野外装置32は無線HART圧力センサとすることができ、野外装置34は無線HARTバルブ保定装置とすることができ、野外装置36は無線HART振動センサとすることができる。重要なことには、無線HARTデバイス30〜36は、ユーザが有線HARTプロトコルに期待するすべてをサポートするHARTデバイスである。当業者には認識されるように、HARTプロトコルの中心的な長所の1つは、その厳密な相互運用性要件である。いくつかの実施形態では、システム動作を危険にさらすことなく均等なデバイスタイプが交換されることを可能にするために、すべての無線HART機器が、中核的な強制的機能を備える。さらに、無線HARTプロトコルは、装置記述言語(DDL)のようなHART中核技術との下位互換性を有する。好ましい実施形態では、すべてのHARTデバイスがDDLをサポートすべきであり、これは、エンドユーザが無線HARTプロトコルの利用を開始するためのツールを直ちに有することを確実にする。
【0024】
他方、野外装置38は、レガシ4−20mAデバイスであることができ、野外装置40は有線HARTデバイスであることができる。野外装置38および40は、無線HARTアダプタ(WHA)50を介して無線HARTネットワーク13に接続されることができる。付加的に、WHA50は、Foundation Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNetなどのような他の通信プロトコルをサポートすることができる。これらの実施形態では、WHA50は、プロトコルスタックのより低い階層へのプロトコル変換をサポートする。加えて、単一のWHA50がマルチプレクサとしても機能することができ、複数のHARTまたは非HARTデバイスをサポートすることができることが企図される。
【0025】
工場職員は付加的に、ネットワークデバイスおよび他の工場機器の設置、管理、監視、および保守管理のために、ハンドヘルドまたはポータブル通信デバイスを使用することができる。一般的に言えば、ハンドヘルドデバイスは、無線通信ネットワーク14に直接、または工場オートメーションネットワーク12上のホストとしてゲートウェイ22を介して接続することが可能であり得るポータブル機器である。図1に示されるように、無線HART接続ハンドヘルドデバイス55は、無線通信ネットワーク14と直接通信する。形成された無線通信ネットワーク14とともに動作する場合、このデバイス55は、単に別の無線HART野外装置としてネットワーク14に接続することができる。無線HARTネットワークに接続されていないターゲット・ネットワーク・デバイスとともに動作する場合、ハンドヘルドデバイス55は、ターゲット・ネットワーク・デバイスとの、それ自体の無線HARTネットワークを形成することによってゲートウェイデバイス22とネットワークマネージャ27との組み合わせとして動作することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、工場オートメーションネットワーク接続ハンドヘルドデバイス(例えば、デバイス55)は、ネットワーク14のノードでない場合があり、代わりに、Wi−Fi(商標)、Bluetooth(登録商標)、または何らかの他の標準化された、もしくは標準規格ベースの通信プロトコル(図示せず)のような、既知のネットワーク接続または汎用通信プロトコルを使用することによって、代わりに工場オートメーションネットワーク12と通信または接続することができる。デバイス55は、外部工場オートメーションサーバ(図示せず)またはワークステーション16および18と同じ様式で、ゲートウェイ22を通じてネットワークデバイス30〜40と通信することができる。このようなハンドヘルドデバイスの例は、2010年4月6日に出願された、「ポータブルデバイスを工程管理システム内の工程管理デバイスに通信可能に結合するための方法および装置(Methods and Apparatus to Communicatively Couple a Portable Device to Process Control Devices in a Process Control System)」と題する米国特許出願第12/755,169号明細書に記載されており、その開示全体が、ここに明示的に参照により組み込まれる。
【0027】
加えて、無線通信ネットワーク14はルータデバイス60を含むことができる。ルータデバイス60は、パケットを或るネットワークデバイスから別のネットワークデバイスへと転送するネットワークデバイスである。ルータデバイスとして作動しているネットワークデバイスは、特定のパケットをいずれのネットワークデバイスに転送すべきかを判断するために内部経路指定テーブルを使用する。ルータ60のような独立型ルータは、無線通信ネットワーク14上のすべてのデバイスがルーティングをサポートする実施形態では必要とされない場合がある。しかしながら、ネットワークに専用ルータ60を追加することは(例えば、ネットワークを拡張するために、またはネットワーク内の野外装置の電力を節約するために)有益であり得る。
【0028】
無線通信ネットワーク14に直接接続されるすべてのデバイスがネットワークデバイス、または無線通信ネットワーク14のノードと称されることができる。特に、無線HART野外装置30〜36、アダプタ50、ルータ60、ゲートウェイ22、アクセスポイント25、および無線HART接続ハンドヘルドデバイス55は、ルーティングおよびスケジューリングを目的とする、無線通信ネットワーク14のネットワークデバイスまたはノードである。非常にロバストかつ容易に拡張可能なネットワークを提供するために、すべてのネットワークデバイスがルーティングをサポートすることができ、各ネットワークデバイスがそのHARTアドレスによって大域的に識別されることができることが企図される。ネットワークマネージャ27は、ネットワークデバイスの完全なリストを含むことができ、各デバイスに短い、ネットワークにおいて一意の16ビットのニックネームを割り当てることができる。付加的に、各ネットワークデバイスは、更新レート、接続セッション、およびデバイス資源に関連する情報を記憶することができる。端的に言えば、各ネットワークデバイスはルーティングおよびスケジューリングに関連する最新の情報を保持する。ネットワークマネージャ27は、新たなデバイスがネットワークに接続するときはいつでも、または、ネットワークマネージャが無線通信ネットワーク14のトポロジまたはスケジューリングの変更を検出するかまたは発生させるときはいつでも、この情報をネットワークデバイスに通信する。
【0029】
さらに、各ネットワークデバイスは、そのネットワークデバイスがリスニング動作中に識別した近隣のデバイスのリストを記憶および保持することができる。一般的に言えば、ネットワークデバイスの近隣にあるものは、対応するネットワークによって与えられる標準規格に従ってそのネットワークデバイスとの接続を確立することが潜在的に可能な任意のタイプの別のネットワークデバイスである。無線通信ネットワーク14の場合、接続は無線接続である。しかしながら、近隣にあるデバイスは、特定のデバイスに有線で接続されるネットワークデバイスであることもできることが認識されよう。後述されるように、ネットワークデバイスは、指定されるタイムスロットの間に送出される広告または特別なメッセージを通じて、他のネットワークデバイスによってそれらが発見されるよう働きかける。無線通信ネットワーク14に動作可能に接続されるネットワークデバイスは、それらが広告信号の強度または何らかの他の原則に従って選択することができる1つまたは複数の隣接デバイスを有する。再び図1を参照すると、直接無線接続65によって接続される一対のネットワークデバイスにおいて、各デバイスは、他方を隣接デバイスとして認識する。従って、無線通信ネットワーク14のネットワークデバイスは、多数の接続65を形成することができる。2つのネットワークデバイス間で直接無線接続65を確立することの可能性および望ましさは、ノード間の物理的距離、ノード間の障害物、2つのノードの各々における信号強度などのようないくつかの要因によって決定される。さらに、2つ以上の直接無線接続65が、直接無線接続65を形成することができないノード間の経路を形成することができる。例えば、無線HARTハンドヘルドデバイス55と無線HARTデバイス36との間の直接無線接続65は、無線HARTデバイス36とルータ60との間の第2の直接無線接続65とともに、デバイス55と60との間の通信経路を形成する。
【0030】
1つの実施形態では、無線通信ネットワーク14をサポートするプロトコルは、無線HARTプロトコル70である。より具体的には、直接無線接続65の各々は、無線HARTプロトコル70の物理的要件および論理的要件に従ってデータを転送することができる。図2は、プロトコル70および既存の「有線」HARTプロトコル72の実施形態のうちの1つの構造を概略的に示す。無線HARTプロトコル70は、2.4GHz ISM無線帯域(ブロック74)において動作するセキュアな無線メッシュネットワーク接続技術であることができる。1つの実施形態では、無線HARTプロトコル70は、トランザクションごとにトランザクション上でチャネルホッピングするIEEE802.15.4互換直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)無線を利用することができる。この無線HART通信は、リンク活動をスケジューリングするために、時分割多重アクセスまたはTDMAを使用して調停されることができる(ブロック76)。すべての通信は好ましくは、指定されるタイムスロット内で実行される。1つまたは複数のソースデバイスおよび1つまたは複数の宛先デバイスは、所与のタイムスロット内で通信するようにスケジューリングされることができ、各スロットは、単一のソースデバイスからの通信、または複数のソースデバイス間の、CSMA/CA(キャリア検知多重アクセス/衝突回避)のような共有通信アクセスモードに専用とされることができる。ソースデバイスは、特定のターゲットデバイスにメッセージを送信してもよいし、またはスロットに割り当てられる宛先デバイスのすべてにメッセージをブロードキャストしてもよい。
【0031】
信頼性を増強するために、無線HARTプロトコル70は、TDMAを、複数の無線周波数を単一の通信資源に関連付ける方法またはチャネルホッピングと組み合わせることができる。チャネルホッピングは、干渉を最小限に抑えるとともにマルチパスフェージング効果を低減する周波数ダイバーシティを提供する。特に、データリンク76は、単一のスーパーフレームと、データリンク76が管理された所定の様式で循環する複数のキャリア周波数との間の関連性を作成することができる。例えば、無線通信ネットワーク14の特定のインスタンスの利用可能な周波数帯域は、キャリア周波数F、F、...Fを有することができる。スーパーフレームSの相対的フレームRは、サイクルCにおいて周波数Fで、後続のサイクルCn+1において周波数Fで、サイクルCn+2において周波数Fで、などで現れるようにスケジューリングされることができる。ネットワークマネージャ27は、関連ネットワークデバイスをこの情報を用いて構成することができ、それによって、スーパーフレームS内で通信するネットワークデバイスは、スーパーフレームSの現在のサイクルに従って送信または受信の周波数を調整することができる。
【0032】
1つの実施形態では、ネットワークマネージャ27は、データリンク層76に関連付けられるタイムスロット資源を配分、割り当て、および調整する役割を担う。ネットワークマネージャ27の単一のインスタンスが複数の無線HARTネットワーク14をサポートする場合、ネットワークマネージャ27は、無線通信ネットワーク14の各インスタンスに関する全体のスケジュールを作成することができる。このスケジュールは、スーパーフレームの開始に対してナンバリングされるタイムスロットを含むスーパーフレームに編成されることができる。加えて、ネットワークマネージャ27は、無線通信ネットワーク14の開始からスケジューリングされるタイムスロットの数の合計を反映することができる、大域的な絶対スロットカウントを維持することができる。この絶対スロットカウントは、同期を目的として使用されることができる。
【0033】
無線HARTプロトコル70はさらに、スケジューリングおよびルーティングを論理的に融合するために、リンクまたはリンクオブジェクトを定義することができる。特に、リンクは、特定のネットワークデバイス、特定のスーパーフレーム、相対スロット番号、1つまたは複数のリンクオプション(送信、受信、共有など)、およびリンクタイプ(通常、広告、発見、接続など)に関連付けられることができる。図2に示されるように、データリンク76は周波数可変であることができる。より具体的には、通信の実行に使用される特定の無線周波数を計算するためにチャネルオフセットが使用されることができる。ネットワークマネージャ27は、各ネットワークデバイスにおける通信要件を考慮してリンクのセットを定義することができる。各ネットワークデバイスはその後、定義されたリンクのセットを用いて構成されることができる。定義されたリンクのセットは、ネットワークデバイスがウェークアップする必要があるとき、および、ネットワークデバイスがウェークアップ時に送信、受信、または送信/受信の両方をすべきであるかを判定することができる。
【0034】
無線HARTプロトコル70の他の層も図2に示されている。既存のHARTプロトコル72および無線HARTプロトコル70の両方が、およそ通信プロトコルのための既知のISO/OSI7層モデルで漠然と編成される。HART技術の無線拡張において、3つの物理層および2つのデータリンク層、有線および無線メッシュがサポートされることができる。本明細書に記載の無線HARTプロトコルはメッシュトポロジの展開を可能にするため、重要なネットワーク層78も同様に指定されることができる。
【0035】
上記で示されたように、スーパーフレームは、時間的に反復するタイムスロットの集合として理解されることができる。所与のスーパーフレーム内のタイムスロットの数(スーパーフレームサイズ)は、各スロットが反復する回数を決定し、従って、そのスロットを使用するネットワークデバイスに関する通信スケジュールをセットする。各スーパーフレームは、特定のグラフ識別子に関連付けられることができる。いくつかの実施形態では、無線通信ネットワーク14は、サイズが異なるいくつかの同時のスーパーフレームを含むことができる。その上、スーパーフレームは、複数の無線チャネル、または無線周波数を含むことができる。
【0036】
さらに、無線HARTプロトコル70のトランスポート層80は、効率的なベストエフォートの通信、および、信頼性のある、終端間確認通信を可能にする。当業者が認識するであろうように、ベストエフォートの通信は、デバイスが終端間確認なしに、かつ宛先デバイスにおけるデータ順序付けの保証なしにデータパケットを送信することを可能にする。ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)は、この通信戦略の1つの既知の例である。工程管理産業では、この方法は工程データを発行するのに有用である場合がある。特に、デバイスは工程データを定期的に伝搬させるため、終端間確認および再試行が、特に新たなデータが定期的に生成されることを考慮すると、ユーティリティを制限してきた。
【0037】
対照的に、信頼性のある通信は、デバイスが確認パケットを送信することを可能にする。データ送達の保証に加えて、トランスポート層80は、ネットワークデバイス間で送信されたパケットを順序付けることができる。この手法は、要求/応答トラフィックに対して、またはイベント通知を送信するときに好ましい場合がある。トランスポート層80の高信頼性モードが使用されるとき、通信は同期的になることができる。
【0038】
高信頼性トランザクションは、要求パケットを発行するマスタ、および、応答パケットを用いて返答する1つまたは複数のスレーブとしてモデル化されることができる。例えば、マスタは特定の要求を生成することができ、この要求をネットワーク全体にブロードキャストすることが可能である。いくつかの実施形態では、ネットワークマネージャ27は、無線通信ネットワーク14内の各ネットワークデバイスに、新たなスーパーフレームを起動するように伝えるために、高信頼性ブロードキャストを使用することができる。代替的には、センサ30のような野外装置は、パケットを生成して、要求をポータブルHART通信機55のような別の野外装置に伝搬させることができる。別の例として、34の野外装置によって生成される警告またはイベントが、ゲートウェイ22に向けられる要求として送信されることができる。この要求の受信に成功したことに応答して、ゲートウェイ22は、応答パケットを生成して、それをアラーム通知の受信を確認としてデバイス34に送信することができる。
【0039】
再び図2を参照すると、セッション層82は、ネットワークデバイス間のセッションベースの通信を提供することができる。セッションによってネットワーク層上で終端間通信が管理されることができる。ネットワークデバイスは、所与のピア・ネットワーク・デバイスに対して定義される2つ以上のセッションを有することができる。いくつかの実施形態において、ほぼすべてのネットワークデバイスが、ネットワークマネージャ27によって確立される、対での通信のための1つ、および、ネットワークマネージャ27からのネットワークブロードキャスト通信のための1つの、少なくとも2つのセッションを有することができることが企図される。さらに、すべてのネットワークデバイスはゲートウェイ・セッション・キーを有することができる。セッションは、それらに割り当てられるネットワーク・デバイス・アドレスによって区別されることができる。各ネットワークデバイスは、そのデバイスが関与するセッションごとに、セキュリティ情報(暗号化鍵、ノンスカウンタ)およびトランスポート情報(信頼性のあるトランスポートシーケンス番号、再試行カウンタなど)を追跡することができる。
【0040】
最終的に、無線HARTプロトコル70および有線HARTプロトコル72の両方が共通のHARTアプリケーション層84をサポートすることができる。無線HARTプロトコル70のアプリケーション層は、付加的に、大規模なデータセットの自動セグメント化転送をサポートする副層86を含むことができる。アプリケーション層84を共有することによって、プロトコル70および72は、HARTおよびデータの共通のカプセル化を可能にし、プロトコルスタックの最上位層におけるプロトコル変換の必要をなくす。
【0041】
図3は、図1のシステム5とともに使用されることができる例示的な資産追跡管理システム100を示す。例えば、資産追跡管理システム100は、図1のシステム5に含まれる工程管理環境102において使用されることができる。
【0042】
資産追跡管理システム100は、地理的測位放射システム105(図3において波線によって示される、例えば、GPS(全地球測位システム)もしくは他の地理的測位技術、または、Time Domain(登録商標)システムによって生成されるもののような他の位置決定技術を使用するシステム)と、1つまたは複数の通信ネットワーク107(図3において斜線によって示される)とを含むことができる。資産追跡管理システム100のサブシステム105および107が下記により詳細に説明される。
【0043】
資産追跡管理システム100の1つまたは複数の通信ネットワーク107は、一実施形態では、図1の通信ネットワーク10であることができる。例えば、1つまたは複数の通信ネットワーク107は、図1の工場オートメーションネットワーク12のような、実質的に有線である1つまたは複数の工場オートメーションネットワークを含むことができる。1つまたは複数の通信ネットワークは付加的にまたは代替的に、図1の無線工場オートメーションネットワーク14のような、1つまたは複数の無線工場オートメーションネットワークを含んでもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の無線ネットワーク107が工程管理環境102内に含まれてもよく、かつ/または2つ以上の工場オートメーションネットワーク12が工程管理環境102内に含まれてもよい。図3では、限定としてではなく明瞭にするために、工程管理環境102は、無線工場オートメーションネットワーク107を含むものとして示されており、一方でネットワークの有線部分は省かれている。
【0044】
一実施形態では、デバイス110a〜110fは無線ネットワーク107に接続されることができる。すなわち、デバイス110a〜110fは、ネットワーク107のノードであることができ、無線HARTプロトコルのような工業オートメーションプロトコルを使用して無線ネットワーク107にわたって通信することができる。工業オートメーションプロトコルは、デバイス110a〜110f、および、既に論じたもののようなネットワーク107上の他のノードの間で工程データを通信するために特に定義される1つまたは複数のメッセージを含むことができる。
【0045】
工業オートメーションプロトコルを介して通信される工程データは、工程管理環境102内で実行している1つまたは複数の管理ループに対応することができる。一実施形態では、デバイス110a〜110fのうちの少なくとも1つは、管理ループのうちの少なくとも1つに対応する機能を実行することができる野外装置であることができ、従って、そのそれぞれの管理ループに対応する工程データを送信または受信することができる。例えば、野外装置110bは、特定の管理ループ内で使用される工程変数を監視および/または管理することができる。従って、野外装置110bは、一実施形態では、工程変数に対応する定期更新データを生成することができる。野外装置110bは、一実施形態では、野外装置110bによって遭遇される異常状態を報告するためのアラームデータを生成することができる。いくつかの事例において、野外装置110bは、工程変数に対応する、かつ/または特定の管理ループに対応する、バルブの調整、測定の実施、または信号の送信のような、1つまたは複数の物理的機能を実行することができる。野外装置110a〜110fは、一実施形態では、図1に関連して記載した野外装置30〜40に対応することができる。
【0046】
1つまたは複数のポータブル通信デバイス112a、112bは、図1のデバイス55に関して既に論じたもののような様式で、通信リンク109a〜109c(図3において破線によって示される)を介して無線ネットワーク107と通信することができる。いくつかの実施形態では、リンク109a〜109cのうちの1つまたは複数は、無線通信リンクであることができ、ポータブル通信デバイス112a、112bのうちの1つまたは複数は、無線工業オートメーションプロトコル(例えば、無線HART)を使用して無線通信リンクをわたって無線ネットワーク107と通信することができる。これらの実施形態では、ポータブル通信デバイスのうちの1つまたは複数(例えば、デバイス112aまたは112b)は通信ネットワーク107内のそれぞれのノードであることができ、従って、無線HART準拠の無線通信を使用することによって無線ネットワーク107のノード(例えば、ノード110c、110eまたは110b)と通信することができる。いくつかの実施形態では、ポータブル通信デバイス112a、112bのうちの1つまたは複数は、無線通信リンク上で標準的な汎用無線通信プロトコル(例えば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)など)を使用することによって、無線ネットワーク107のノード(例えば、ノード110c、110eまたは110b)と通信することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリンク109a〜109cは、物理的な有形のリンク(例えば、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)接続、ケーブルなど)である有線通信リンクであることができる。物理的な有形のリンク109a〜109cに物理的に接続されるポータブル通信デバイス112a、112bは、FSK(周波数偏移変調)によってEthernet(登録商標)プロトコルまたは有線HARTプロトコルのような物理接続に適したプロトコルを使用して無線ネットワーク107内のノードと通信することができる。
【0048】
資産追跡管理システム100において、ネットワーク107に結合されるデバイスの少なくとも1つは、図1に示される資産追跡ホスト41であることができる。図3において、デバイス110gは、資産追跡管理ホスト41の一実施形態として描かれている。資産追跡管理ホスト110gは、一実施形態では、ゲートウェイ115を通じてネットワーク107に結合されることができる。ゲートウェイ115は、例えば、図1に示されるゲートウェイ22であることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理ホスト110gは、ゲートウェイ22と同じコンピューティングデバイス(複数の場合もあり)または物理的実体(複数の場合もあり)に組み込まれてもよい。他の実施形態(図示せず)では、資産追跡管理ホスト110gは、ネットワーク107に直接結合されることができ、実際に、ネットワーク107のノードとして動作することができる。
【0049】
資産追跡管理システム100において、野外装置110a〜110fのうちの少なくとも1つおよび/またはポータブル通信デバイス112a、112bのうちの少なくとも1つは、資産追跡管理デバイスを含むことができる。資産追跡管理デバイス120aおよび120bの可能な実施形態の例示的なブロック図がそれぞれ図4Aおよび図4Bに示される。
【0050】
図4Aに示される資産追跡管理デバイス120aの実施形態は、野外装置110a〜110fのうちの1つのような野外装置と同一ロケーションに配置されるか、またはその中に含まれることができる。資産追跡管理デバイス120aは、工程管理機能を実行するように構成される野外機能モジュール122を含むことができる。例えば、野外機能モジュール122は、工程変数の監視または管理のうちの少なくとも1つを実行するように構成されることができ、かつ/または、工程変数に基づいて、かつ/もしくは工程変数に関連付けられる1つまたは複数の管理ループに基づいて1つまたは複数の物理的機能(例えば、バルブ位置の変更、測定の実施、信号の送信など)を実行するように構成されることができる。
【0051】
資産追跡管理デバイス120aは、資産または資産追跡管理デバイス120aに対応する位置データを受信するとともに、位置データによって指示される資産または資産追跡管理デバイス120aの空間位置または空間ロケーションを求めるように構成される位置決定モジュール125を含むことができる。一実施形態では、位置決定モジュール125の少なくとも一部は、資産追跡管理デバイス120aのメモリ上に記憶されるとともに資産追跡管理デバイス120aのプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を含むことができる。位置決定モジュール125は、1つまたは複数のGPS衛星によって発信される1つまたは複数のGPS信号を受信するGPS受信機128と通信接続することができ、GPS信号の指示を位置決定モジュール125に通信する。位置決定モジュール125は、三角測量、マッピング、および/または別の適切な技法を使用することによって、GPS信号に基づいて資産追跡管理デバイス120aの空間位置(例えば、地理的位置または三次元座標のセットに対応する位置)を求めることができる。図4Aは資産追跡管理デバイス120aを、GPS技術の受信機(符号128)を含むものとして示しているが、他の実施形態では、資産追跡管理デバイス120aは、GPS受信機128を省いて、代わりにGPS以外の別の地理的測位技術を利用する空間位置決定受信機またはデバイスを含むことができる。実際、資産追跡管理デバイス120aは、空間座標または地理空間位置を求めるための任意の適切な技術による受信機またはデバイスを含むことができる。
【0052】
資産追跡管理デバイス120aは、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを生成するとともに、そのメッセージ内に位置指示フィールドを生成するように構成されるメッセージ生成ユニット130を含むことができる。メッセージ生成ユニット130は、位置決定モジュール125によって求められる空間位置またはロケーションに基づいて位置指示フィールドにデータ投入することができる。例えば、メッセージ生成ユニット130は、位置決定モジュール125によって得られた位置データの少なくとも一部を位置指示フィールドにデータ投入することができる。一実施形態では、メッセージ生成ユニット130の少なくとも一部は、資産追跡管理デバイス120aのメモリ上に記憶されるとともに資産追跡管理デバイス120aのプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を含むことができる。位置指示フィールドに加えて、工業オートメーションプロトコルメッセージは、追跡管理されることが望まれる資産の指示または資産追跡管理デバイス120aの指示も含むことができる。メッセージは、メッセージの宛先として、資産追跡管理ホスト110gの指示を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置指示フィールド、資産または資産追跡管理デバイス識別情報の指示、および/または資産追跡管理ホストの指示が、工業オートメーションプロトコルメッセージの1つまたは複数のユーザ定義フィールド内に含まれることができる。位置指示フィールド、資産または資産追跡管理デバイス120bの指示、および/または資産追跡管理ホスト110gの指示が、いくつかの実施形態では、工業オートメーションプロトコルメッセージのアプリケーションおよび/またはプレゼンテーション層86に含まれることができる。メッセージ生成ユニット130は、生成されたメッセージが、工業オートメーションプロトコルを使用してネットワークインタフェース132およびネットワーク107を介して資産追跡管理ホスト110gに送信されるようにすることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理ホスト110gに宛てられるメッセージの生成に加えて、メッセージ生成ユニット130は、他の工業オートメーションプロトコルメッセージ、例えば、工程変数(例えば、野外機能モジュール122によって提供される工程データ)の管理または監視に関連するデータを送信するためのメッセージ、を生成して、それらを、通信ネットワーク10内の他のノードに送信されるようにすることもできる。
【0053】
ネットワークインタフェース132は、一実施形態では、資産追跡管理デバイス120a内に含まれることができる。ネットワークインタフェース132は、無線インタフェース、有線インタフェース、または有線および無線インタフェースの何らかの組み合わせであることができる。1つの実施形態では、ネットワークインタフェース132は、無線HART準拠無線機であることができる。資産追跡管理デバイス120aが、ネットワーク107に通信可能に結合される野外装置110a〜110f内に含まれ得る場合、ネットワークインタフェース132は、ネットワーク107を介して、野外装置110a〜110fとメッセージをやり取りして通信することができる。従って、ネットワークインタフェース132は、野外装置110a〜110fと同一ロケーションに配置されるか、またはその中に含まれる資産追跡管理デバイス120aとメッセージをやり取りして通信することができる。特に、ネットワークインタフェース132は、メッセージ生成ユニット130によって生成されるメッセージをネットワーク107に送達することができる。
【0054】
図4Aは野外装置110a〜110fと同一ロケーションに配置されるか、またはその中に含まれる資産追跡管理デバイス120aの一実施形態を描いているが、図4Bは、図3のデバイス112aまたは112bのようなポータブル通信またはコンピューティングデバイスと同一ロケーションに配置されるか、またはその中に含まれる資産追跡管理デバイス120bの一実施形態を描いている。特に、資産追跡管理デバイス120bは、野外装置110a〜110fのいずれとも別個の実体(例えば、物理的に別個)であることができるが、1つまたは複数の野外装置110a〜110fに通信可能に結合されることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、タブレットもしくはラップトップコンピュータ、スマートフォンもしくはデバイス、送受信兼用ラジオ、ページングユニット、または、メモリと、メモリ上に記憶される実行可能命令と、記憶される命令を実行するように構成されるプロセッサとを含む何らかの他のタイプのデバイスのような通信またはコンピューティングデバイスの内に含まれることができる。
【0055】
資産追跡管理デバイス120bは、位置決定モジュール135を含むことができる。一実施形態では、位置決定モジュール135の少なくとも一部は、一実施形態では資産追跡管理デバイス120bのプロセッサによって実行されると、資産または資産追跡管理デバイス120bに対応する位置データを受信するとともにその位置データによって指示される資産または資産追跡管理デバイス120bの空間位置を求めることができる、資産追跡管理デバイス120bのメモリ上に記憶されるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。図4Bに示される実施形態120bにおいて、位置決定モジュール135は、1つまたは複数のGPS衛星によって発信される1つまたは複数のGPS信号を受信し、GPS信号の指示を位置決定モジュール135に通信するGPS受信機138に通信可能に結合されることができる。GPS信号に基づいて、位置決定モジュール135は、一実施形態では、三角測量、マッピング、および/または別の適切な技法を使用することによって、GPS信号に基づいて資産追跡管理デバイス120bの空間位置(例えば、地理的な位置または三次元座標のセットに対応する位置)を求めることができる。図4Bは受信機138を、GPS技術を利用するものとして示しているが、他の実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、GPS受信機138を省いて、代わりに別の適切な地理的測位技術を利用する空間位置決定受信機またはデバイスを含むことができる。実際、資産追跡管理デバイス120bは、空間座標または地理空間位置を求めるための任意の適切な技術による受信機またはデバイスを含むことができる。
【0056】
資産追跡管理デバイス120bは、メッセージ生成ユニット140を含むことができる。一実施形態では、メッセージ生成ユニット140の少なくとも一部は、一実施形態では資産追跡管理デバイス120bのプロセッサによって実行されると、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを生成することができるとともに、そのメッセージ内に位置指示フィールドを生成することができる、資産追跡管理デバイス120bのメモリ上に記憶されるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。メッセージ生成ユニット140は、位置決定モジュール135によって求められる空間位置またはロケーションに基づいて位置指示フィールドにデータ投入することができる。例えば、メッセージ生成ユニット130は、位置指示フィールドに、位置決定モジュール135によって得られた位置データの少なくとも一部をデータ投入することができる。位置指示フィールドに加えて、工業オートメーションプロトコルメッセージは、追跡管理されることが望まれる資産の識別情報の指示も含むことができる。いくつかの事例において、資産は資産追跡管理デバイス120bに対応することができる。いくつかの事例において、資産は、例えば、人が追跡管理されることが望まれる資産に近いポータブル資産追跡管理デバイス120bを保持している場合、資産追跡管理デバイス120bに最も近い、工程管理環境102内のデバイス、ロケーションまたは他の実体であることができる。メッセージは、メッセージの宛先として、資産追跡管理ホスト110gの指示を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置指示フィールド、資産追跡管理デバイス120bの指示、および/または資産追跡管理ホスト110gの指示は、工業オートメーションプロトコルメッセージの1つまたは複数のユーザ定義フィールド内に含まれることができる。位置指示フィールド、資産追跡管理デバイス識別情報の指示、および/または資産追跡管理ホストの指示は、いくつかの実施形態では、工業オートメーションプロトコルメッセージのアプリケーションおよび/またはプレゼンテーション層86に含まれることができる。メッセージ生成ユニット140は、生成されたメッセージが、工業オートメーションプロトコルを使用してネットワークインタフェース142およびネットワーク107を介して資産追跡管理ホスト110gに送信されるようにすることができる。
【0057】
ネットワークインタフェース142は、資産追跡管理デバイス120b内に含まれることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120bのネットワークインタフェース142は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)または無線HART準拠無線機のような無線インタフェースであることができる。具体的には、ネットワークインタフェース142は、図3のデバイス112aおよび112bに関連して既に記載したような様式で、メッセージ生成ユニット140によって生成されるメッセージを、通信リンク145を介してネットワーク107に送達することができる。通常、通信リンク145は無線通信リンクであることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、通信リンク145は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)または何らかの他の物理的な有形接続のような有線通信リンクであってもよい。いくつかの実施形態では、通信リンク145は図3に示されるリンク109a〜109cのうちの1つであってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、ユーザインタフェース148を含むことができる。ユーザインタフェース148は、例えば、キーパッドもしくはボタン、タッチスクリーン、またはユーザから情報を受け取るための何らかの他の適切なユーザ入力インタフェースを有する入力デバイスを含むことができる。ユーザインタフェース148は、例えば、スクリーン、ディスプレイ、または情報を提示するための何らかの他の適切なユーザ出力インタフェースを有する出力デバイスを含むことができる。一実施形態では、資産追跡管理デバイス120bのユーザは、ユーザインタフェース148を介してデータまたは情報を入力することができ、入力されたデータまたは情報は、空間位置指示とともに資産追跡管理ホスト110gに送信されることができる。例えば、データまたは情報は、気体または他の物質の局所測定値のような、環境データまたは環境情報を含むことができる。別の例では、データまたは情報は、操作者によって提供されるコメントまたは注記、例えば、「パイプラインに漏れは見られない」を含むことができる。他のデータまたは情報が、代替的にまたは付加的に、資産追跡管理デバイス120bによって資産追跡管理ホスト110gに、空間位置情報とともに送信されることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース148を使用して環境および/または他の情報を得るのではなく、環境および/または他の情報は、デバイス120bのネットワークインタフェース142を介して、または何らかの他のデバイス間インタフェースを介してなどで、別のデバイス(図示せず)からのダウンロードまたはデータ転送を介して資産追跡管理デバイス120bによって得られることができる。これらの実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、環境および/または他の情報を空間位置情報とともに、1つまたは複数の工業オートメーションプロトコルメッセージを使用して、ネットワークインタフェース142、通信リンク145、およびネットワーク107を介して資産追跡管理ホスト110bに転送することができる。
【0060】
工程管理環境102のいくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120a、120bは、デバイス120a、120bが工程管理環境102の構成アプリケーションによって構成されることができるようにモデル化されることができる。例えば、工程プラントの構成環境は、資産追跡管理デバイス120a、120bが位置特定または追跡管理能力を有することを指示するために、オブジェクト指向プログラミング方式において使用されるオブジェクトを含むことができる。本明細書において使用される場合、上記オブジェクトは「ロケータ」と称されるが、任意の適切な呼称が使用される場合もある。図5は、工程管理環境102の構成環境内のデバイスモデルを、ロケータに対応するオブジェクトまたはテンプレート152を含むように拡張する方式150の一実施形態を示す。方式150は、例えば、ノードの識別情報、更新レート、セッション識別情報、ネットワーク識別情報などのようなパラメータを含むことができるネットワークデバイスオブジェクトまたはテンプレート155を含むことができる。
【0061】
当業者には理解されるように、ネットワークデバイスオブジェクトに対応するネットワークデバイスは、過渡デバイス、野外装置、アダプタ、ハンドヘルドまたはポータブルデバイスまたはゲートウェイデバイスであることができる。従って、ネットワークデバイスモデル155は、それぞれのデバイスタイプモデル158〜168を含むように拡張されることができる。過渡デバイスモデル158、野外装置モデル160、アダプタモデル162、ハンドヘルドまたはポータブルデバイスモデル165、またはゲートウェイデバイスモデル168の各々は、それ自体がロケータ152を含むように拡張されることができ、従って、過渡デバイス、野外装置、アダプタ、ハンドヘルドまたはポータブルデバイスまたはゲートウェイデバイスが資産追跡管理デバイスとして構成されるための能力を提供する。いくつかの実施形態では、すべてのデバイスモデル158〜168がロケータオブジェクト152を含むように拡張されなくてもよい。いくつかの実施形態では、モデル158〜168以外の別のデバイスモデルがロケータオブジェクト152を含むように拡張されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスに対応するもの以外のモデルがロケータオブジェクト152を含むように拡張されてもよい。
【0062】
ロケータモデルまたはオブジェクト152はそれ自体が、スマートロケータオブジェクト170または受動ロケータオブジェクト172を含むように拡張されることができ、従って、資産追跡管理デバイスがスマートロケータまたは受動ロケータとして構成される能力を提供する。スマートロケータは、例えば、絶対空間位置からの相対空間位置を求めるとともに、その相対空間位置を資産追跡管理ホスト110gのような資産追跡管理ホストに通信するように構成される資産追跡管理デバイスであることができる。受動ロケータは、例えば、絶対空間位置を指示する信号(例えば、GPS信号)を受信するとともに、その受信された信号を一切さらに処理することなく、資産追跡管理デバイス110gに転送する資産追跡管理デバイスであることができる。本明細書において使用される場合、「相対空間位置」または「相対空間ロケーション」は、既知の陸標、中間地点、または他の基準点に関して定義される空間位置であることができる。本明細書において使用される場合、「絶対空間位置」または「絶対空間ロケーション」は、空間内の正確なロケーション、例えば、三次元座標のセット、すなわち、緯度、経度、および高度の交差点などに関して定義される空間位置であることができる。
【0063】
再び図3に戻って、資産追跡管理デバイス100は、地理的測位放射システム105を含むことができる。図3では、地理的測位放射システム105はGPS放射システムとして描かれているが、地理的測位放射システム105は、任意の適切な地理的測位技術を利用することができる。GPS放射システム105は、工程管理環境102の外部、例えば、屋根もしくは天井185の外装面上、または、工程管理環境の他の機器よりも高い高度にある何らかのロケーションに配置または位置付けられる1つまたは複数の外部アンテナ180を含むことができ、それによって、外部アンテナ(複数の場合もあり)180によって受信される信号の工程管理環境102による妨害が、たとえあるにしても最小限に抑えられる。図3では、限定としてではなく明瞭にするために、工程管理環境102は、1つまたは複数の外部アンテナ180を支持する1つまたは複数の屋根もしくは天井185によって被覆または垂直に境界されるものとして示されているが、外部アンテナ(複数の場合もあり)180(および、実際にはGPS放射システム105)が1つまたは複数の屋根もしくは天井によって部分的にのみ被覆される工程管理環境、または屋根または天井をまったく有しない工程管理環境とともに使用されることができることが理解される。
【0064】
GPS放射システム105において、1つまたは複数の外部アンテナ180は、地球を周回する衛星160のセットからの1つまたは複数の衛星信号158を受信することができる。最適には、空間位置を求めるために3つの衛星信号のセットが必要とされるが、1つの信号、2つの信号、または3つを超える信号のような他の数の衛星信号が使用されてもよい。外部アンテナ180は、工程管理環境の内部、例えば、屋根または天井185が存在する場合には、そのような屋根または天井の内面上に配置または位置付けられることができる1つまたは複数の初期送信機182に接続されることができる。1つまたは複数の初期送信機182は、アンテナ(複数の場合もあり)180によって受信されるオリジナルの衛星信号158を、工程管理環境102の全体を通じて戦略的なロケーションに配置される1つまたは複数の再放射アンテナ160a〜160cに放射することができる。
【0065】
オリジナルの衛星信号158は増幅されることができ、1つまたは複数の再放射アンテナ160a〜160cは、増幅されたGPS信号を工程管理環境102内に再放射することができる。いくつかの実施形態では、初期送信機(複数の場合もあり)182は、オリジナルの衛星信号158を、その信号を再放射アンテナ160a〜160cに送信する前に増幅することができる。いくつかの実施形態では、初期送信機(複数の場合もあり)182は、オリジナルのGPS信号158を1つまたは複数の再放射アンテナ160a〜160cに送信することができ、1つまたは複数の再放射アンテナ160a〜160cは、オリジナルのGPS信号158を、その信号を工程管理環境102内に再放射する前に増幅することができる。他の実施形態では、初期送信機182および再放射アンテナ160a〜160cとは別個であり区別される1つまたは複数の増幅器(図示せず)が、オリジナルのGPS信号158を増幅してもよい。
【0066】
図3に示されるように、1つまたは複数の再放射アンテナ160a〜160cは、工程管理環境102内に配置または位置付けられることができる。例えば、工程管理環境が屋根または天井に少なくとも部分的に被覆される場合には、1つまたは複数の内部送信機160a〜160cが、工程管理プラントまたは環境102の屋根または天井185の内面上に配置または位置付けられることができる。しかしながら、屋根158があってもなくても、1つまたは複数の内部アンテナ160a〜160cは、増幅された再放射GPS信号が、工程管理環境102内の複数のロケーションにおいて受信されることが可能であるように、適切に配置されることができる。必須ではないが最適には、1つまたは複数の内部アンテナ160a〜160cは、増幅された再放射GPS信号が、工程管理環境102内の任意のロケーションにおいて受信されることができるように、適切に配置されることができる。
【0067】
一実施形態では、増幅された再放射GPS信号は、図4Aの資産追跡管理デバイス120aのような、野外装置と同一ロケーションに配置されるか、またはその中に組み込まれる資産追跡管理デバイスにおいて受信されることができる。増幅された再放射GPS信号はGPS受信機128において受信されることができ、既に論じられたような様式で、GPS受信機128は、増幅された再放射GPS信号の指示を位置決定モジュール125に提供することができ、位置決定モジュール125は資産追跡管理デバイス120aの空間位置を求めることができる。資産追跡管理デバイス120aは、工業オートメーションプロトコルメッセージを使用して、資産追跡管理デバイス120aの空間位置の指示を、ネットワークインタフェース132およびネットワーク107を介して資産追跡管理ホスト110gに通信することができる。
【0068】
一実施形態では、増幅された再放射GPS信号は、図4Bの資産追跡管理デバイス120bのような、ポータブルデバイスである資産追跡管理デバイスにおいて受信されることができる。増幅された再放射GPS信号はGPS受信機138において受信されることができ、GPS受信機138は、すでに論じられたような様式で、増幅された再放射GPS信号の指示を位置決定モジュール135に提供することができる。位置決定モジュール135は、資産追跡管理デバイス120bまたは資産追跡管理デバイス120bに近接して位置する資産の空間位置を求めることができる。空間位置は、絶対的であろうと相対的であろうと、三角測量、マッピング、および/または別の適切な技法を使用して位置決定モジュール135によって求められることができる。
【0069】
資産追跡管理デバイス120bは、ネットワークインタフェース142および通信リンク145を介して、資産追跡管理デバイス120bの空間位置の指示を、ノード110e、110c、または110bのような、通信ネットワーク107内のノードに通信することができる。資産追跡管理デバイス120b自体がネットワーク107のノードである実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、工業オートメーションプロトコルメッセージを使用して、ネットワークインタフェース142および通信リンク145を介して、空間位置の指示を資産追跡管理デバイス120bに通信することができる。資産追跡管理デバイス120bがネットワーク107のノードでない実施形態では、資産追跡管理デバイス120bは、リンク145上での使用に適したプロトコルを使用して、ネットワークインタフェース142および通信リンク145を介して、空間位置の指示を隣接するノード(例えば、ノード110e、110cまたは110b)に通信することができる。隣接するノード110e、110cまたは110bは、工業オートメーションプロトコルメッセージを使用して、空間位置の指示を、ネットワーク107を介して資産追跡管理ホスト110gに転送することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、空間位置の指示は、追跡管理されるべき資産または資産追跡管理デバイス120bのそれぞれの絶対位置またはロケーションの指示を含むことができる。例えば、絶対空間位置の指示は、三次元空間座標のセット(例えば、x、y、z座標、すなわち、経度、緯度および高度座標)であることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120a、120bのうちの1つまたは複数は、絶対空間位置(相対空間位置ではない)の指示を資産追跡管理ホスト110gに送信することができ、資産追跡管理ホスト110gは、この絶対空間位置の指示に基づいて対応する相対空間位置を求めることができる。これらの実施形態では、1つまたは複数の資産追跡管理デバイス120a、120bは、それらが絶対空間位置指示を転送するのみであるため、受動追跡管理デバイスであるとみなされることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイス120a、120bによって資産追跡管理ホスト110gに送信される空間位置の指示は、それぞれの、相対空間位置またはロケーションの指示を含むことができる。これらの実施形態では、1つまたは複数の資産追跡管理デバイス120a、120bは、それらが絶対空間位置指示から相対空間位置指示を求めるため、能動追跡管理デバイスであるとみなされることができる。例えば、工程プラントまたは環境は、各々1m×1m×1mを区画する複数の立方体から成る仮想空間格子として論理的に表現されることができる。資産追跡管理デバイス120a、120bは、GPS受信機128、138から特定の絶対空間指示を受信することができ、資産追跡管理デバイス120a、120bは、特定の絶対空間指示を、仮想空間格子内の対応する特定の論理立方体にマッピングすることができる。資産追跡管理デバイス120a、120bはその後、対応する特定の論理立方体の指示を資産追跡管理ホスト110gに送信することができる。
【0072】
相対空間位置の別の例では、資産追跡管理デバイス120a、120bは、GPS受信機128、138から受信された特定の空間指示を、工程管理環境内の既知の陸標、中間点、または基準点に基づく相対ロケーションとして表現することができる(例えば、「ボイラ#1234の3.5m南、5.25m西、かつその上端の上の高度15メートル」または「工場の北端のオークの木から15メートル」)。すなわち、相対ロケーションは、既知の陸標、中間点、または基準点に関して定義されることができる。資産追跡管理デバイス120a、120bは、相対空間位置の指示を資産追跡管理ホスト110gに送信することができる。
【0073】
この例では、ストレージデバイスもしくはデータベース190および/または資産追跡管理デバイスに陸標、中間点、または基準点のロケーションを最初にデータ投入するために、ポータブル通信デバイスまたは資産追跡管理デバイス120bは、陸標、中間点、または基準枠の絶対ロケーションを求めるために使用されることができる。資産追跡管理デバイス120bは、陸標、中間点、または基準枠の絶対ロケーションまたは位置を資産追跡管理ホスト110gに通信することができ、資産追跡管理ホスト110gは、その絶対ロケーションに基づいて、陸標、中間点、または基準枠の対応する相対ロケーションを求めることができる。求められた相対ロケーションは一実施形態では、その後、資産追跡管理ホスト110gによって、ネットワーク107を介して、その相対ロケーションまたは位置に隣接して位置する資産追跡管理デバイスに通信されることができる。代替的にまたは付加的に、求められた相対ロケーションはストレージデバイス190内に記憶されることができる。無論、相対空間ロケーションの他の例は、資産追跡管理デバイス120a、120bによって使用されることができ、資産追跡管理デバイス120a、120bに、および/またはストレージデバイス190内に記憶されることができる。
【0074】
引き続き図3を参照して、資産追跡管理ホスト110gは、資産追跡管理ユニット188において、資産追跡管理デバイス120a、120bからメッセージを受信することができる。資産追跡管理ユニット188は、メモリ上に記憶され、資産の空間位置情報を含むメッセージを受信するために実行可能であるコンピュータ実行可能命令のセットを備えることができ、資産ロケーションのインスタンスを追跡管理することができる。資産追跡管理ユニット188は、受信された空間位置情報に基づいて資産ロケーションを求めることができ、求められた資産ロケーションを、資産追跡管理ユニット188に結合されるデータストレージデバイス190内に記憶することができる。データストレージデバイス190は、1つまたは複数の物理ストレージデバイスを含むことができ、資産追跡管理ユニット188からローカルにまたは遠隔して配置されることができる。いくつかの実施形態では、データストレージデバイス190は、資産追跡管理ユニット188によって、公衆ネットワーク、私的ネットワーク、またはその2つの何らかの組み合わせを介してアクセスされることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、資産追跡管理ユニット188は、絶対空間指示を受信してストレージデバイス190内に記憶することができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理ユニット188は絶対空間指示を受信して、その絶対空間指示を相対空間指示に変換して、絶対指示または相対空間指示のうちの少なくとも一方をストレージデバイス190内に記憶することができる。いくつかの実施形態では、他の情報またはデータが、絶対または相対空間ロケーションとともに記憶されることができる。例えば、空間位置の確定に対応する時刻の指示(例えば、時間同期ネットワーク107によって容易に求められ得るタイムスタンプ)が記憶されることができる。送信資産追跡管理デバイスの識別情報、資産追跡管理デバイスのユーザの識別情報の指示、および/または、空間位置指示とともに送信される任意の追加のデータまたは情報(例えば、環境データまたは情報、操作者の注記など)がストレージデバイス190に記憶されることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、或る期間にわたって複数のメッセージを介して受信される、1つの特定の資産の複数のロケーションが、工程管理環境全体を通じてのその特定の資産の移動の履歴記録を提供するために、追跡管理、または、データベース190内に記憶されることができる。特に、履歴記録は、或る時間長にわたる特定の資産または対応するバッチ(例えば、製剤バッチ)に対応する位置データおよび/または他の情報を含むことができる。例えば、各メッセージ(またはその中の内容の少なくとも或る部分)は、メッセージに対応するタイムスタンプの指示とともにデータベース190内に記憶されることができる。ユーザまたは別のコンピューティングデバイスは、特定の時間間隔にわたる1つまたは複数の資産に対応する特定の履歴記録を要求することができ、1つまたは複数の資産および特定の時間間隔に対応するメッセージまたはメッセージ内容の部分(またはいくつかの実施形態では、メッセージ全体)が取り出されることができる(例えば、「履歴記録」が取り出されることができる)。要求された履歴記録は、ユーザインタフェース上に表示されることができ、かつ/またはコンピューティングデバイスに送信されることができる。
【0077】
履歴記録は、工程管理環境内で特に有用である。例えば、工場全体を通じての危険な状態(例えば、有害ガスの拡散)の進行の経時的記録が、それらが空間ロケーション指示および対応するタイムスタンプとともに報告されるため、危険な状態に対応する環境メッセージを追跡管理および記憶することによって、求められることができる。このような履歴追跡管理記録は、管理機関にとって、資産移動および/または環境状態に関する報告を作成する上で、またはバッチもしくは危険事象に関する法医学的解析を実行する上で特に有用であり得る。他の例では、経時的な工程管理環境内のバッチまたは経時的な工程管理環境内の職員移動の追跡管理が特に有用であり得、本明細書に記載の技法によって達成されることができる。
【0078】
資産追跡管理ホスト110gは、ユーザインタフェース192を含むことができ、これは、ディスプレイおよびユーザデータ入力機構(例えば、タッチスクリーン、キーボード、マウス、キーパッド、ボタンなど)を含むことができる。ユーザインタフェース192は、資産追跡管理デバイスから受信される空間指示に基づいて資産のロケーションを、その指示が資産追跡管理ユニット188において受信されるときにリアルタイムで、またはストレージデバイス190から取り出されるときにのいずれかで表示することができる。資産ロケーションは、ユーザインタフェース192上で、英数字文字列および/またはグラフィックもしくは絵図表現として表示されることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース192は地図上で資産のロケーションを表示することができる。図6Aは、資産「TIC_8620−03」(符号222)のロケーションの指示、および、工場または施設の場所または対応する領域を取り囲む、その周辺を含むディスプレイ表示200の例を示す。資産ロケーション222の指示は、英数字指示として示されているが、グラフィックまたは絵図表現、動的指示(例えば、表示200上で資産「TIC_8620−03」を表すグラフィックが点滅することができ、強調表示されることができ、または他の様態で強調されることができる)、および/または何らかの他の適切な指示のような、他の指示も使用されてもよい。いくつかの実施形態では、資産ロケーション222の指示が選択されるかまたはその上にカーソルを乗せられると、その資産に関連する追加の情報が提示されることができる(図示せず)。追加の情報は、例えば、絶対空間位置座標、相対空間位置座標、資産の空間位置とともに資産追跡管理デバイス120a、120bによって送信されている場合があるデータまたは情報(例えば、環境情報、操作者の注記など)、資産の構成情報、資産デバイス記述、工程データなどを含むことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ200は、ユーザに資産のロケーションのより良好な表示を提供するために拡大されることができる。図6Bは、資産ロケーション222の指示を含む、図6Aに示されるディスプレイ表示200の拡大バージョン225を示す。図6Cは、資産ロケーション222の指示を含む、ディスプレイ表示200のまたさらなる拡大バージョン228を示す。
【0081】
再び図3に戻って、いくつかの実施形態では、資産追跡管理ホスト110gは、通知ユニット240を含むことができる。通知ユニット240は、メモリ上に記憶されるとともに、メッセージを生成して、そのメッセージが資産追跡管理ホスト110gから1つまたは複数の資産追跡管理デバイスに送信されるようにするために実行可能である、コンピュータ実行可能命令のセットを備えることができる。いくつかの実施形態では、通知ユニット240は、ネットワーク107を使用して、工業オートメーションプロトコルに従うフォーマットにおいてメッセージを送信することができる。いくつかの実施形態では、通知ユニット240によって生成されたメッセージは、資産追跡管理ホスト110gからネットワーク107へ直接送信されてもよい。いくつかの実施形態では、通知ユニット240によって生成されたメッセージは、ゲートウェイ115がシステム102内に含まれる場合には、ゲートウェイ115を介してネットワーク107へ送信されてもよい。受信側資産追跡管理デバイスは、ネットワーク107のノードであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク107のノードである資産追跡管理デバイスについて、ノード資産追跡管理デバイスへのメッセージは、ネットワーク107にわたって送信され、その後、例えば、無線HARTプロトコルを使用することによって、完全イネーブルリンク(例えば、リンク109a〜109cは、無線完全イネーブルリンクのような完全イネーブルリンクであることができる)を介してノード資産追跡管理デバイスに送信されることができる。ネットワーク107のノードでない資産追跡管理デバイスについて、非ノード資産追跡管理デバイスへのメッセージは、ネットワーク107にわたって送信され、その後、例えば、無線HARTプロトコルを使用することによって、接続リンク(例えば、リンク109a〜109cは、無線接続リンクのような接続リンクであることができる)を介して非ノード資産追跡管理デバイスに送信されることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、資産追跡管理ユニット188において資産追跡管理デバイス120bから受信されたメッセージに基づいて、通知ユニット240は、工業オートメーションプロトコルメッセージを生成することができ、生成されたメッセージをネットワーク107を介してポータブル資産追跡管理デバイス120bに送信することができる。通知ユニット240によって生成される工業オートメーションプロトコルメッセージは、工程管理環境102内の特定の他のデバイスまたは項目を位置特定する方法に関する詳細な指示、最も近い出口への道順またはそのロケーション、危険な場所を出る安全な通路への道順、負傷した作業員までの道順のような、デバイス120bを保持する人のためのデータまたは情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、工業オートメーションプロトコルメッセージの内容は、資産追跡管理ホスト110gのユーザインタフェース192において受け取られる入力を介してなどで、手動で生成されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、受信されたメッセージに基づいてポータブル資産追跡管理デバイス120bまたは他の資産追跡管理デバイスへのメッセージを生成する通知ユニット240の代わりに、工業オートメーションプロトコルメッセージは、別のタイプのトリガに起因して生成されてもよい。例えば、第1の資産追跡管理デバイスによって工程プラント内の特定のロケーションにおいて危険な状態が検出され、危険な状態およびロケーションが第1の追跡管理デバイスによって資産追跡管理ユニット188に報告された場合、資産追跡管理ユニット188は、データベース190を自動的に検索して、危険な状態のロケーションの求められた周辺内に位置する任意のポータブル資産追跡管理/通信デバイス120bを特定することができる。通知ユニット240は、危険な状態および/またはそのロケーションをデバイスを持ち運んでいる人に通知するために、危険な状態の求められた周辺内のそれらのデバイスへのメッセージを自動的に生成することができる。一実施形態では、通知ユニット240からポータブル資産追跡管理/通信デバイス120bに送信される工業オートメーションプロトコルメッセージは、ポータブル資産追跡管理/通信デバイス120bのユーザインタフェース148上に少なくとも部分的に表示されることができる。
【0084】
資産追跡管理システム100は、資産位置特定の現在既知の技法にまさる多数の利点を提供する。例えば、空間位置情報を既存のネットワーク107にわたって送信するために工業オートメーションプロトコルメッセージを活用することによって、工程管理環境内102で、いたるところに行き渡る広範な第2のネットワーク(例えば、Wi−Fiネットワーク全体またはそれに類するもの)の必要性がなくなり、従って大幅なコスト節約が提供される。付加的に、工程管理環境102内のデバイスは既存の構成アプリケーションを使用して資産追跡管理デバイスとして構成されることができるため、資産ロケーションデバイスを識別および追跡管理するとともに情報を工程管理システムに転送するように特に設計される別途のソフトウェアおよび他の資源の必要もなくなる。工程管理環境102内のGPS信号の再放射は、高度に正確な資産ロケーションが提供されることを可能にし、システムマップ上に資産ロケーションが重なることによって、職員が工場またはシステム内でより迅速に資産を発見するように自身を適応させることが可能になる。さらに、資産追跡管理システム100を使用することによって、非常事態の間などに、工場またはシステムの特定の場所を目標とされる他の情報が送達されることができる。
【0085】
図7は、資産追跡管理のための例示的な方法300を示す。方法300は、資産追跡管理デバイス120aまたは資産追跡管理デバイス120bのような資産追跡管理デバイスによって使用されることができる。いくつかの実施形態では、方法300の少なくとも一部は、資産追跡管理デバイスのメモリ上に記憶されるコンピュータ実行可能命令が資産追跡管理デバイスのプロセッサによって実行されるときに実行されることができる。方法300は、図3の資産追跡管理システム100、および/または本明細書に記載のシステム、デバイスおよび装置と併せて実行されることができる。他の実施形態では、方法300は他のシステム、デバイスおよび装置と併せて使用されてもよい。
【0086】
ブロック302において、資産追跡管理デバイスに対応するかそれを指示する位置データが取得されることができる。いくつかの実施形態では、取得される位置データは、GPSデータまたは別の地理的測位技術によって提供されるデータのような絶対位置データであってもよい。例えば、特定の地理空間ロケーションまたは絶対空間位置が取得されることができる(例えば、三次元座標x、yおよびzのセット、または緯度/経度/高度の指示)。
【0087】
方法300のいくつかの実施形態では、相対空間ロケーションまたは位置が、絶対位置データに基づいて求められることができる(ブロック305)。例えば、絶対位置データは、既知の陸標、中間点、もしくは基準点に基づいて、または工程管理環境の仮想格子に基づいて相対地理空間ロケーションまたは相対空間位置に変換されることができる。ブロック305は任意選択であり、受動資産追跡管理デバイスが方法300を実行するときなど、方法300のいくつかの実施形態では省かれてもよい。
【0088】
ブロック308において、工業オートメーションプロトコルメッセージが生成されることができる。工業オートメーションプロトコルメッセージは、HART、無線HART、または別の工業オートメーションプロトコルのような任意の既知の工業オートメーションプロトコルに従うことができる。メッセージは、位置指示フィールドを含むことができる。位置指示フィールドは、資産追跡管理デバイスの絶対空間位置もしくはロケーションの指示、資産追跡管理デバイスの相対空間位置もしくはロケーションの指示、または、絶対空間位置もしくはロケーションおよび相対空間位置もしくはロケーションの両方の指示をデータ投入されることができる。いくつかの実施形態では、生成されるメッセージは、資産追跡管理デバイスまたはメッセージ源の識別情報の指示を含むことができる。いくつかの実施形態では、生成されるメッセージは、いくつかの事例では資産追跡管理デバイスであってもよい、追跡管理される資産の識別情報を含んでもよい。生成されるメッセージは、図3の資産追跡管理ホスト110gの図1の資産追跡管理ホスト41のような資産追跡管理ホストまたはメッセージ宛先の指示を含むことができる。一実施形態では、位置指示フィールド、資産追跡管理デバイスの識別情報の指示、および/または資産追跡管理ホストの指示は、生成された工業オートメーションプロトコルメッセージの1つまたは複数のユーザ定義フィールド内に含まれることができる。
【0089】
ブロック310において、生成されたメッセージは、通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストに送信されることができる。例えば、生成されたメッセージは、図1のネットワーク12のような工場オートメーションネットワークを介して送信されることができ、または、生成されたメッセージは、図3のネットワーク107のような無線通信ネットワークを介して送信されることができる。
【0090】
方法300のいくつかの実施形態では、任意選択のブロック312において、異なる工業オートメーションプロトコルメッセージが、資産追跡管理ホストから通信ネットワークを介して資産追跡管理デバイスにおいて受信されてもよい。資産追跡管理デバイスにおいて受信されるメッセージの内容の少なくとも一部は、資産追跡管理デバイスのユーザインタフェース上に提示されることができ、かつ/または資産追跡管理デバイスのローカルメモリ内に記憶されることができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理デバイスがユーザインタフェースを含まないときなどは、ブロック312は省かれてもよい。
【0091】
図8は、資産追跡管理のための例示的な方法330を示す。方法330は、図1の資産追跡管理ホスト41または図3の資産追跡管理ホスト110gのような資産追跡管理ホストによって使用されることができる。いくつかの実施形態では、方法330の少なくとも一部は、資産追跡管理ホストのメモリ上に記憶されるコンピュータ実行可能命令が資産追跡管理ホストのプロセッサによって実行されるときに実行されることができる。方法330は、図3の資産追跡管理システム100、および/または本明細書に記載のシステム、デバイスおよび装置と併せて実行されることができる。他の実施形態では、方法330は他のシステム、デバイスおよび装置と併せて使用されてもよい。
【0092】
ブロック332において、資産追跡管理デバイスにおいて発信される工業オートメーションプロトコルメッセージは、資産追跡管理ホストにおいて受信されることができる。工業オートメーションプロトコルメッセージは、図1の工場オートメーションネットワーク12のような工場オートメーションネットワークを介して、または、図3のネットワーク107のような無線通信ネットワークを介して受信されることができる。受信されるメッセージは、資産または資産追跡管理デバイスの空間位置またはロケーションの指示を含むことができる。空間位置またはロケーションの指示は、資産または資産追跡管理デバイスの絶対ロケーション、相対ロケーション、または絶対ロケーションおよび相対ロケーションの両方を指示することができる。空間位置の指示はブロック332において、例えば、工業オートメーションプロトコルメッセージ内の1つまたは複数のユーザ定義フィールドから抽出されることができる。
【0093】
ブロック335において、受信されたメッセージ内で指示される資産または資産追跡管理デバイスに対応する資産デバイス記述の少なくとも一部が、図3のストレージデバイス190のような、データベースまたはデータストレージデバイスから取り出されることができる。資産デバイス記述は、固有の名称または固有の識別子、対応するパラメータなどを含む、資産または資産追跡管理デバイスを記述している情報を含むことができる。一実施形態では、資産デバイス記述は、資産または資産追跡管理デバイスに対応する、一団の構成されたネットワークデバイスモデル155および拡張に対応することができる。
【0094】
ブロック338において、資産または資産追跡管理デバイスに対応し受信されたメッセージに基づく資産追跡管理情報が生成されることができる。例えば、資産追跡管理情報は、資産または資産追跡管理デバイスのロケーションの指示、および対応するタイムスタンプを含むことができる。資産追跡管理情報は、環境情報、ロケーション情報とともに送信された文字列またはグラフィックなどのような、メッセージとともに送信された他の情報を含むことができる。
【0095】
任意選択のブロック340において、資産追跡管理デバイスがユーザに所有されているポータブル通信デバイスであるときなどは、資産追跡管理デバイスのユーザの身元が特定され、資産追跡管理情報内に含まれることができる。一例では、ユーザの身元の指示は、ロケーション情報とともに資産追跡管理デバイスから送信されることができる。別の例では、資産追跡管理ユニット188は、特定の資産追跡管理デバイスとユーザ識別子との間の対応、例えば、ログイン/パスワードの組み合わせ、または機器割り当て記録の記憶されている指示に基づいてユーザの身元を特定するために、特定の資産追跡管理デバイスの識別情報を使用することができる。
【0096】
ブロック342において、ブロック338において(および、利用可能な場合にはブロック342において)生成された情報が、ストレージエンティティ190のような、データベースまたはストレージエンティティ内に記憶されることができる。例えば、ブロック338において生成された情報の少なくとも一部は、ブロック335において取り出された資産記述とともに、またはこれに関連付けられて記憶されることができる。いくつかの実施形態では、ブロック338において生成された情報の少なくとも一部は、ユーザインタフェース192上のように、資産追跡管理ホストにあるユーザインタフェース上で提示されることができる(ブロック342)。いくつかの実施形態では、ブロック338において生成された情報の部分(複数の場合もあり)は、システムマップまたは他の履歴データのような、データベース192からの他のデータとともに、ユーザインタフェース192上で提示されることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、任意選択のブロック345において、1つまたは複数の工業オートメーションプロトコルメッセージが資産追跡管理ホストによって生成されてもよく、1つまたは複数の資産追跡管理デバイスに送信されてもよい。例えば、ブロック332において、受信されたメッセージが特定のロケーションにおいて危険な状態を指示した場合、資産追跡管理ホストはデータストレージエンティティ192から、危険な状態の周辺内の追跡管理される資産の識別情報を取り出すことができ、危険な状態を指示するメッセージを、危険な状態に隣接して(例えば、その定義される距離内に)位置する、追跡管理される資産に送信することができる。別の例では、危険な気象状態が予測される場合(例えば、竜巻、強風など)、気象警報を含む工業オートメーションプロトコルメッセージが資産追跡管理ホストによって生成されることができ、荒天が差し迫っていることを職員に警告するために、工程管理環境内のすべてのポータブル通信資産追跡管理デバイスにブロードキャストされることができる。ブロック345において生成および送信されるメッセージはデータ、情報、および/または命令を含むことができる。いくつかの実施形態では、資産追跡管理ホストによって送信されたメッセージの記録が、データベース192内に記憶されることができる。
【0098】
本開示は、例示の方法、および、他のコンポーネントの中でも、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含むシステムを記載しているが、これらの例は例示に過ぎず、限定とみなされるべきではないことが留意されるべきである。例えば、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアコンポーネントのいずれかまたはすべてが、排他的にハードウェア内で、排他的にソフトウェア内で、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせにおいて具現化され得ることが企図される。従って、本開示は例示的な方法および装置を記載しているが、当業者は、提供される例がこのような方法および装置を実装するための唯一の方法ではないことを容易に認識しよう。
【0099】
実装されると、本明細書に記載のコンピュータ可読命令またはソフトウェアは、磁気ディスク、レーザーディスク(登録商標)、または他の記憶媒体上、コンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROM、ポータブルメモリ内などのような、任意のコンピュータ可読記憶媒体またはメモリ内に記憶されることができる。同様に、このソフトウェアは、例えば、コンピュータ可読ディスクまたは他の可搬コンピュータ記憶機構上でのもの、または、電話回線、インターネット、ワールド・ワイド・ウェブ、任意の他のローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークなどのような通信チャネルをわたるものを含む、任意の既知のまたは所望の送達方法を使用してユーザ、工程プラントまたは操作者ワークステーションに送達されることができる(この送達は、可搬記憶媒体を介するこのようなソフトウェアの提供と同じかまたは交換可能であるものとみなされる)。さらに、このソフトウェアは、変更もしくは暗号化されることなく直接提供されることができ、または、通信チャネルを介して送信される前に、任意の適切な変調搬送波および/もしくは暗号化技法を使用して変調および/もしくは暗号化されることができる。
【0100】
上記の文章は多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載しているが、本件特許の範囲は本件特許の最後に記載されている特許請求の範囲の文言およびそれらの均等物によって画定されることが理解されるべきである。詳細な説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、すべての可能な実施形態を記載することは不可能ではないにしても実際的ではないため、すべての可能な実施形態を記載してはいない。現行の技術または本件特許の出願日後に開発される技術のいずれかを使用して多数の代替的な実施形態が実施され得るが、これらは依然として特許請求の範囲およびそれらのすべての均等物の範囲内に入るものである。限定としてではなく例として、本明細書における開示は少なくとも以下の態様を企図している。
【0101】
1. 工業オートメーションプロトコルに従って動作する通信ネットワークに通信可能に結合される資産追跡管理デバイスによって使用される資産追跡管理方法であって、その方法は、
【0102】
資産追跡管理デバイスによって、資産追跡管理デバイスに対応する位置データを取得することであって、その位置データは資産追跡管理デバイスの空間位置を指示する、取得することと、
【0103】
資産追跡管理デバイスによって、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを生成することであって、資産追跡管理デバイスの空間位置を指示するための位置指示フィールドを生成すること、メッセージ内に位置指示フィールドを含めること、および、位置指示フィールドに位置データの少なくとも一部をデータ投入することを含む、メッセージを生成することと、
【0104】
工業オートメーションプロトコルを使用して、メッセージが、資産追跡管理デバイスから通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストに送信されるようにすることであって、工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の工程変数の管理または監視に対応する情報を通信するために定義されるメッセージを含む、送信されるようにすることとを含む、方法。
【0105】
2. 資産追跡管理デバイスによってメッセージを生成することは、資産追跡管理デバイスの空間位置を指示するための位置指示フィールドを生成すること、メッセージ内に位置指示フィールドを含めること、および、位置指示フィールドに位置データの少なくとも一部をデータ投入することを含む、先行する態様の方法。
【0106】
3. 資産追跡管理デバイスは、工程管理環境において管理ループ内で使用される工程変数の管理または監視の少なくとも一方を実行する野外装置であり、資産追跡管理デバイスは、通信ネットワーク内のノードとして動作するために、完全イネーブルリンクを介して通信ネットワークに結合される、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0107】
4. 野外装置が動作中に遭遇する異常状態を報告するためのアラームデータを生成することであって、メッセージはアラームデータをさらに含む、アラームデータを生成すること、または、野外装置によって監視される工程変数の定期測定値を報告するための定期更新データを生成することであって、メッセージは定期更新データをさらに含む、定期更新データを生成することの少なくとも一方をさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0108】
5. 資産追跡管理デバイスは、工程管理環境内で動作する野外装置と通信するように構成されるポータブル通信デバイスであり、野外装置は各々、工程管理環境内の管理ループ内で使用される工程変数の管理および監視のうちの少なくとも一方を実行する、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0109】
6. メッセージを通信ネットワークを介して送信されるようにすることは、メッセージを、無線接続リンクをわたって、通信ネットワーク内で動作する野外装置に送信されるようにすることを含み、無線接続リンクは、通信ネットワーク内のノードとして動作するデバイスと通信ネットワーク内のノードとして動作しないデバイスとの間の通信をサポートするように構成される、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0110】
7. 位置データを取得することは、全地球測位システム(GPS)に関連付けられる絶対位置情報を取得することを含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0111】
8. 空間位置は相対空間位置であり、方法は、絶対位置情報に基づいて相対空間位置を求めることであって、相対空間位置は、通信ネットワークにおいて基準点に関して定義される、求めることをさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0112】
9. 工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを生成することは、無線工業オートメーションプロトコルに従ってメッセージを生成することを含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0113】
10. 無線工業オートメーションプロトコルは無線HARTである、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0114】
11. 工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを生成することは、位置指示フィールドを含むとともに、測定値または環境情報のうちの少なくとも一方をさらに含むメッセージを生成することを含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0115】
12. 工程管理環境に結合される通信ネットワーク内で動作する資産追跡管理デバイスであって、通信ネットワークは工業オートメーションプロトコルに従って動作し、資産追跡管理デバイスは、
【0116】
工業オートメーションプロトコルに従って通信ネットワークと通信するためのネットワークインタフェースであって、工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータを通信するために特に定義されるメッセージを含む、ネットワークインタフェースと、
【0117】
資産追跡管理デバイス、または、通信ネットワーク内の第1のノードとして動作し、資産追跡管理デバイスに通信可能に結合されるターゲットデバイスの少なくとも一方の空間位置を求めるための位置決定モジュールと、
【0118】
メッセージ生成ユニットであって、求められた空間位置の指示をデータ投入される位置指示フィールドを生成し、工業オートメーションプロトコルに従う、位置指示フィールドを含むメッセージを生成するとともに、メッセージが、工業オートメーションプロトコルを使用して、かつネットワークインタフェースを介して、通信ネットワーク内の第2のノードとして動作するホストに送信されるようにするように構成される、メッセージ生成ユニットとを備える、資産追跡管理デバイス。
【0119】
13. メッセージ生成ユニットは、メッセージ内に位置指示フィールドを生成するとともに、位置指示フィールドに求められた空間位置の指示をデータ投入するようにさらに構成される、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0120】
14. 位置決定モジュールは全地球測位システム(GPS)受信機に結合され、位置決定モジュールは、空間位置を、GPS受信機において受信される複数の衛星信号に基づいて空間座標のセットとして求める、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0121】
15. ターゲットデバイスは、資産追跡管理デバイスとは物理的に別個であり、ターゲットデバイスおよび資産追跡管理デバイスは通信リンクを介して結合され、メッセージ生成ユニットは、メッセージが、ネットワークインタフェース、通信リンク、およびターゲットデバイスを介してホストに送信されるようにするように構成される、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0122】
16. 通信リンクは無線通信リンクである、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0123】
17. ネットワークインタフェースは無線インタフェースである、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0124】
18. 資産追跡管理デバイスは、工程管理環境内で物理的機能を実行するための野外機能モジュールを含む工程管理環境内の野外装置であり、物理的機能は、工程変数の監視または管理のうちの少なくとも一方に対応する、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0125】
19. 資産追跡管理デバイスは、操作者からコマンドを受け取るための入力デバイス、および、情報を操作者に対して表示するための出力デバイスを備えるポータブル通信デバイスであり、
【0126】
ターゲットデバイスは、工程管理環境内で物理的機能を実行するための野外機能モジュールを含む工程管理環境内の野外装置であり、物理的機能は、工程変数の測定または管理のうちの少なくとも一方に対応する、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理デバイス。
【0127】
20. 工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるホストによって実行される資産追跡管理方法であって、その方法は、
【0128】
ホストにおいて、通信ネットワークを介して工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを受信することであって、工業オートメーションプロトコルは工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータの送信のために定義されるメッセージを含み、メッセージは、工程管理環境に関連付けられる資産の空間位置を示す位置データを含む、受信することと、
【0129】
ホストを使用して、データベースから資産デバイス記述を自動的に取り出すことであって、資産デバイス記述は資産のデータ記述を含む、自動的に取り出すことと、
【0130】
ホストによって、位置データおよび資産デバイス記述に基づいて資産追跡管理情報を生成することと、
【0131】
ホストによって、資産追跡管理情報をデータストレージデバイス内に記憶すること、または、ホストによって、資産追跡管理情報をユーザインタフェースを介して提示することのうちの少なくとも1つとを含む、方法。
【0132】
21. 資産は、工程管理環境において物理的機能を実行する野外装置であり、物理的機能は、工程管理環境の管理ループ内で使用される工程変数の位置決め、管理、測定または監視のうちの少なくとも1つを含み、資産デバイス記述は、野外装置のタイプまたは野外装置の固有の識別子のうちの少なくとも一方を含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0133】
22. メッセージは工程管理環境内の野外装置の監視および/または管理のためにポータブル通信デバイスから発信されたものであり、メッセージは資産の識別情報の指示をさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0134】
23. 位置データを考慮して命令を生成すること、および、命令を、工業オートメーションプロトコルを使用して、通信ネットワークを介してポータブル通信デバイスに送信することをさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0135】
24. ポータブル通信デバイスのユーザの身元を特定することをさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0136】
25. 位置データは、全地球測位システム(GPS)座標を含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0137】
26. 工業オートメーションプロトコルは無線通信プロトコルである、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0138】
27. ユーザインタフェースを介して、空間位置に対応する領域の地図を表示することをさらに含み、ユーザインタフェースを介して資産追跡管理情報を提示することは、領域の地図上に資産の空間位置の指示を表示することを含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0139】
28. 資産の空間位置の指示は、資産の概略表現、資産の絵図表現、または資産の固有の識別子のうちの少なくとも1つを含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0140】
29. ウェブサービスを介してユーザインタフェースを提供することをさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0141】
30. 資産に対応する複数のメッセージを受信することであって、複数のメッセージの各メッセージはそれぞれの位置データを含む、受信すること、および、資産に対応する履歴位置データを生成するために、それぞれの位置データをデータベース内に記憶することをさらに含む、先行する諸態様のいずれかの方法。
【0142】
31. 資産追跡管理ホストであって、
【0143】
工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるネットワークインタフェースであって、工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータを通信するために特に定義されるメッセージを含む、ネットワークインタフェースと、
【0144】
通信ネットワークに結合される資産追跡管理ユニットであって、ネットワークインタフェースを介して工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを受信し、ここで、メッセージは資産の空間位置を示す位置データを含み、データベースから資産デバイス記述を取り出し、ここで、資産デバイス記述は資産を記述するデータを含み、資産デバイス記述および位置データに基づいて資産追跡管理情報を生成するように構成される、資産追跡管理ユニットとを備える、資産追跡管理ホスト。
【0145】
32. 資産追跡管理情報、位置データ、空間位置、または資産デバイス記述のうちの少なくとも1つを表示するように構成されるユーザインタフェースに対する接続をさらに備える、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理ホスト。
【0146】
33. ストレージデバイスに対する接続をさらに備え、資産追跡管理ユニットは、資産追跡管理情報、位置データ、または空間位置のうちの少なくとも1つをストレージデバイス内に記憶するようにさらに構成される、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理ホスト。
【0147】
34. 通信ネットワークは無線メッシュ通信ネットワークであり、ネットワークインタフェースはゲートウェイデバイスを介して通信ネットワークに結合され、ネットワークインタフェースは有線通信リンクをわたってゲートウェイデバイスと通信し、ゲートウェイデバイスは、無線通信リンクを介して無線メッシュ通信ネットワークの少なくとも1つのノードと通信する、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理ホスト。
【0148】
35. 資産の位置データを考慮して資産への通知を生成し、その通知が、ネットワークインタフェースを介して通信ネットワークをわたって資産に送信されるようにするための通知ユニットをさらに備える、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理ホスト。
【0149】
36. 工程管理環境内で動作する資産追跡管理システムであって、この資産追跡管理システムは、
【0150】
工業オートメーションプロトコルを使用して通信する複数のノードを含む通信ネットワークであって、工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の1つまたは複数の管理ループの1つまたは複数のそれぞれの物理的機能に対応する工程データを通信するために特に定義されるメッセージを含み、通信ネットワーク内の複数のノードは、
【0151】
資産追跡管理ホスト、および
【0152】
複数の野外装置であって、各野外装置は、工程管理環境内の1つまたは複数の管理ループに対応する1つまたは複数のそれぞれの物理的機能を実行する、複数の野外装置を含む、通信ネットワークと、
【0153】
資産追跡管理デバイスであって、資産追跡管理デバイスの空間位置を示す位置データを生成するとともに、その位置データを複数の野外装置のうちの1つに提供するように構成される、資産追跡管理デバイスとを備え、
【0154】
複数の野外装置のうちの1つは、資産追跡管理ホストに、工業オートメーションプロトコルに従うメッセージ内の位置データを送信する、資産追跡管理システム。
【0155】
37. 資産追跡管理デバイスは、全地球測位システム(GPS)信号に基づいて位置データを生成する、先行する諸態様のいずれかの通信ネットワーク。
【0156】
38. GPS信号を受信するとともにそのGPS信号を資産追跡管理デバイスに再放射するための再放射アンテナのセットをさらに備える、先行する諸態様のいずれかの通信ネットワーク。
【0157】
39. 工業オートメーションプロトコルは無線通信プロトコルである、先行する諸態様のいずれかの通信ネットワーク。
【0158】
40. メッセージは、空間位置に対応する環境情報、または複数の野外装置のうちの1つに対応する工程管理データのうちの少なくとも一方をさらに含む、先行する諸態様の資産追跡管理システム。
【0159】
41. 工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるホストによって実行される資産追跡管理方法であって、その方法は、
【0160】
ホストにおいて通信ネットワークを介して、工程管理環境の特定の資産に対応するメッセージを受信することであって、メッセージは工業オートメーションプロトコルに従い、工業オートメーションプロトコルは工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータの送信のために定義されるメッセージを含み、メッセージは、特定の資産の空間位置を示す位置データを含む、受信することと、
【0161】
メッセージ、および、タイムスタンプのそれぞれの指示の各々の内容をデータストレージデバイス内に記憶することと、要求に応答して、記憶されている内容の少なくとも一部を提示することとを含む、資産追跡管理方法。
【0162】
42. 特定の資産に対応するメッセージを受信することは、工程管理環境に関連付けられる物理的または生物学的実体に対応するメッセージを受信することを含む、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理方法。
【0163】
43. 工程管理環境に関連付けられる物理的実体は、工程管理環境内の管理ループ内で使用される工程変数の管理または監視の少なくとも一方を実行する野外装置、工程管理環境内の物理ロケーション、工程管理環境の一個の機器、工程管理環境内で使用もしくは製造される材料、または工程管理環境に対応するバッチのうちの1つであり、工程管理環境に関連付けられる生物学的実体は人または動物である、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理方法。
【0164】
44. 記憶されている内容の少なくとも一部を提示することは、記憶されている内容の少なくとも一部をユーザインタフェース上で提示することを含む、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理方法。
【0165】
45. 記憶されている内容の少なくとも一部を提示することは、記憶されている内容の少なくとも一部をコンピューティングデバイスに送信することを含む、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理方法。
【0166】
46. 要求に応答して記憶されている内容の少なくとも一部を提示することは、時間間隔を含む要求に応答して記憶されている内容の少なくとも一部を提示することを含む、先行する諸態様のいずれかの資産追跡管理方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業オートメーションプロトコルに従って動作する通信ネットワークに通信可能に結合される資産追跡管理デバイスによって使用される資産追跡管理方法であって、前記方法は、
前記資産追跡管理デバイスによって、前記資産追跡管理デバイスに対応する位置データを取得することであって、前記位置データは前記資産追跡管理デバイスの空間位置を指示する、取得することと、
前記資産追跡管理デバイスによって、前記工業オートメーションプロトコルに従うとともに前記位置データの少なくとも一部に対応する内容を含むメッセージを生成することと、
前記工業オートメーションプロトコルを使用して、前記メッセージが、前記資産追跡管理デバイスから前記通信ネットワークを介して資産追跡管理ホストに送信されるようにすることであって、前記工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の工程変数の管理または監視に対応する情報を通信するために定義されるメッセージを含む、送信されるようにすることとを含む、方法。
【請求項2】
前記資産追跡管理デバイスによって前記メッセージを生成することは、
前記資産追跡管理デバイスの前記空間位置を指示するための位置指示フィールドを生成することと、
前記位置指示フィールドを前記メッセージ内に含めることと、
前記位置指示フィールドに、前記位置データの前記少なくとも一部をデータ投入することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記資産追跡管理デバイスは、前記工程管理環境内の管理ループ内で使用される工程変数の管理または監視の少なくとも一方を実行する野外装置であり、
前記資産追跡管理デバイスは、前記通信ネットワーク内のノードとして動作するために、完全イネーブルリンクを介して前記通信ネットワークに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記野外装置が動作中に遭遇する異常状態を報告するためのアラームデータを生成することであって、前記メッセージは前記アラームデータをさらに含む、アラームデータを生成すること、または、
前記野外装置によって監視される前記工程変数の定期測定値を報告するための定期更新データを生成することであって、前記メッセージは前記定期更新データをさらに含む、定期更新データを生成することの少なくとも一方をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記資産追跡管理デバイスは、前記工程管理環境内で動作する野外装置と通信するように構成されるポータブル通信デバイスであり、前記野外装置は各々、前記工程管理環境内の管理ループ内で使用される工程変数の管理および監視のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージが前記通信ネットワークを介して送信されるようにすることは、前記メッセージを、無線接続リンクをわたって、前記通信ネットワーク内で動作する野外装置に送信されるようにすることを含み、
前記無線接続リンクは、前記通信ネットワーク内でノードとして動作するデバイスと前記通信ネットワーク内でノードとして動作しないデバイスとの間の通信をサポートするように構成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記位置データを取得することは、全地球測位システム(GPS)に関連付けられる絶対位置情報を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記空間位置は相対空間位置であり、前記方法は、前記絶対位置情報に基づいて前記相対空間位置を求めることであって、前記相対空間位置は、前記通信ネットワークにおいて基準点に関して定義される、求めることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工業オートメーションプロトコルに従う前記メッセージを生成することは、無線工業オートメーションプロトコルに従って前記メッセージを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記無線工業オートメーションプロトコルは無線HARTである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記工業オートメーションプロトコルに従う前記メッセージを生成することは、前記位置指示フィールドを含み、測定値または環境情報のうちの少なくとも一方をさらに含む前記メッセージを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
工程管理環境に結合される通信ネットワーク内で動作する資産追跡管理デバイスであって、前記通信ネットワークは工業オートメーションプロトコルに従って動作し、前記資産追跡管理デバイスは、
前記工業オートメーションプロトコルに従って前記通信ネットワークと通信するためのネットワークインタフェースであって、前記工業オートメーションプロトコルは、工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータを通信するために特に定義されるメッセージを含む、ネットワークインタフェースと、
前記資産追跡管理デバイス、または
前記通信ネットワーク内の第1のノードとして動作し、前記資産追跡管理デバイスに通信可能に結合されるターゲットデバイスの少なくとも一方の空間位置を求めるための位置決定モジュールと、
メッセージ生成ユニットであって、
前記工業オートメーションプロトコルに従うとともに、前記求められた空間位置の指示を含むメッセージを生成するとともに、
前記メッセージが、前記工業オートメーションプロトコルを使用して、かつ前記ネットワークインタフェースを介して、前記通信ネットワーク内の第2のノードとして動作するホストに送信されるようにするように構成される、メッセージ生成ユニットとを備える、資産追跡管理デバイス。
【請求項13】
前記メッセージ生成ユニットは、
前記メッセージ内に位置指示フィールドを生成するとともに、
前記位置指示フィールドに、前記求められた空間位置の前記指示をデータ投入するようにさらに構成される、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項14】
前記位置決定モジュールは全地球測位システム(GPS)受信機に結合され、前記位置決定モジュールは、前記空間位置を、前記GPS受信機において受信される複数の衛星信号に基づいて空間座標のセットとして求める、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項15】
前記ターゲットデバイスは、前記資産追跡管理デバイスとは物理的に別個であり、
前記ターゲットデバイスおよび前記資産追跡管理デバイスは通信リンクを介して結合され、
前記メッセージ生成ユニットは、前記メッセージが、前記ネットワークインタフェース、前記通信リンク、および前記ターゲットデバイスを介して前記ホストに送信されるようにするように構成される、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項16】
前記通信リンクは無線通信リンクである、請求項15に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項17】
前記ネットワークインタフェースは無線インタフェースである、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項18】
前記資産追跡管理デバイスは、前記工程管理環境内で物理的機能を実行するための野外機能モジュールを含む前記工程管理環境内の野外装置であり、前記物理的機能は、工程変数の監視または管理のうちの少なくとも一方に対応する、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項19】
前記資産追跡管理デバイスはポータブル通信デバイスであり、前記ポータブル通信デバイスは、
操作者からコマンドを受け取るための入力デバイスと、
情報を前記操作者に対して表示するための出力デバイスとをさらに備え、
前記ターゲットデバイスは、前記工程管理環境内で物理的機能を実行するための野外機能モジュールを含む前記工程管理環境内の野外装置であり、前記物理的機能は、工程変数の測定または管理のうちの少なくとも一方に対応する、請求項12に記載の資産追跡管理デバイス。
【請求項20】
工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるホストによって実行される資産追跡管理方法であって、前記方法は、
前記ホストにおいて、前記通信ネットワークを介して前記工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを受信することであって、前記工業オートメーションプロトコルは前記工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータの送信のために定義されるメッセージを含み、前記メッセージは、前記工程管理環境に関連付けられる資産の空間位置を示す位置データを含む、受信することと、
前記ホストを使用して、データベースから資産デバイス記述を自動的に取り出すことであって、前記資産デバイス記述は前記資産を記述するデータを含む、自動的に取り出すことと、
前記ホストによって、前記位置データおよび前記資産デバイス記述に基づいて資産追跡管理情報を生成することと、
前記ホストによって、前記資産追跡管理情報をデータストレージデバイス内に記憶すること、または
前記ホストによって、前記資産追跡管理情報をユーザインタフェースを介して提示することのうちの少なくとも1つとを含む、方法。
【請求項21】
前記資産は、前記工程管理環境において物理的機能を実行する野外装置であり、前記物理的機能は、前記工程管理環境の管理ループ内で使用される工程変数の位置決め、管理、測定または監視のうちの少なくとも1つを含み、
前記資産デバイス記述は、前記野外装置のタイプまたは前記野外装置の固有の識別子のうちの少なくとも一方を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記メッセージは前記工程管理環境内の野外装置の監視および/または管理のためにポータブル通信デバイスから発信されたものであり、前記メッセージは前記資産の識別情報の指示をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記位置データを考慮して命令を生成すること、および
前記命令を、前記工業オートメーションプロトコルを使用して、前記通信ネットワークを介して前記ポータブル通信デバイスに送信することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポータブル通信デバイスのユーザの身元を特定することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記位置データは、全地球測位システム(GPS)座標を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記工業オートメーションプロトコルは無線通信プロトコルである、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記ユーザインタフェースを介して、前記空間位置に対応する領域の地図を表示することをさらに含み、
前記ユーザインタフェースを介して前記資産追跡管理情報を提示することは、前記領域の前記地図上に前記資産の前記空間位置の指示を表示することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記資産の前記空間位置の前記指示は、前記資産の概略表現、前記資産の絵図、または前記資産の固有の識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ウェブサービスを介して前記ユーザインタフェースを提供することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記資産に対応する複数のメッセージを受信することであって、前記複数のメッセージの各メッセージはそれぞれの位置データを含む、受信すること、および
前記資産に対応する履歴位置データを生成するために、前記それぞれの位置データを前記データベース内に記憶すること
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
資産追跡管理ホストであって、
工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるネットワークインタフェースであって、前記工業オートメーションプロトコルは、前記工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータを通信するために特に定義されるメッセージを含む、ネットワークインタフェースと、
前記通信ネットワークに結合される資産追跡管理ユニットであって、
前記ネットワークインタフェースを介して前記工業オートメーションプロトコルに従うメッセージを受信し、ここで、前記メッセージは資産の空間位置を示す位置データを含み、
データベースから資産デバイス記述を取り出し、ここで、前記資産デバイス記述は前記資産を記述するデータを含み、
前記資産デバイス記述および前記位置データに基づいて資産追跡管理情報を生成するように構成される、資産追跡管理ユニットとを備える、資産追跡管理ホスト。
【請求項32】
前記資産追跡管理情報、前記位置データ、前記空間位置、または前記資産デバイス記述のうちの少なくとも1つを表示するように構成されるユーザインタフェースに対する接続をさらに備える、請求項31に記載の資産追跡管理ホスト。
【請求項33】
ストレージデバイスに対する接続をさらに備え、前記資産追跡管理ユニットは、前記資産追跡管理情報、前記位置データ、または前記空間位置のうちの少なくとも1つを前記ストレージデバイス内に記憶するようにさらに構成される、請求項31に記載の資産追跡管理ホスト。
【請求項34】
前記通信ネットワークは無線メッシュ通信ネットワークであり、
前記ネットワークインタフェースはゲートウェイデバイスを介して前記通信ネットワークに結合され、前記ネットワークインタフェースは有線通信リンクをわたって前記ゲートウェイデバイスと通信し、
前記ゲートウェイデバイスは、無線通信リンクを介して前記無線メッシュ通信ネットワークの少なくとも1つのノードと通信する、請求項31に記載の資産追跡管理ホスト。
【請求項35】
前記資産の前記位置データを考慮して前記資産に対する通知を生成するとともに、前記通知が、前記ネットワークインタフェースを介して前記通信ネットワークをわたって前記資産に送信されるようにするための通知ユニットをさらに備える、請求項31に記載の資産追跡管理ホスト。
【請求項36】
工程管理環境内で動作する資産追跡管理システムであって、前記資産追跡管理システムは、
工業オートメーションプロトコルを使用して通信する複数のノードを含む通信ネットワークであって、前記工業オートメーションプロトコルは、前記工程管理環境内の1つまたは複数の管理ループの1つまたは複数のそれぞれの物理的機能に対応する工程データを通信するために特に定義されるメッセージを含み、前記通信ネットワーク内の前記複数のノードは、
資産追跡管理ホスト、および
複数の野外装置であって、各野外装置は、前記工程管理環境内の1つまたは複数の管理ループに対応する1つまたは複数のそれぞれの物理的機能を実行する、複数の野外装置を含む、通信ネットワークと、
資産追跡管理デバイスであって、
前記資産追跡管理デバイスの空間位置を示す位置データを生成するとともに、
前記位置データを前記複数の野外装置のうちの1つに提供するように構成される、資産追跡管理デバイスとを備え、
前記複数の野外装置のうちの前記1つは、前記資産追跡管理ホストに、前記工業オートメーションプロトコルに従うメッセージ内の前記位置データを送信する、資産追跡管理システム。
【請求項37】
前記資産追跡管理デバイスは、全地球測位システム(GPS)信号に基づいて前記位置データを生成する、請求項36に記載の通信ネットワーク。
【請求項38】
前記GPS信号を受信するとともに前記GPS信号を前記資産追跡管理デバイスに再放射するための再放射アンテナのセットをさらに備える、請求項37に記載の通信ネットワーク。
【請求項39】
前記工業オートメーションプロトコルは無線通信プロトコルである、請求項36に記載の通信ネットワーク。
【請求項40】
前記メッセージは、前記空間位置に対応する環境情報、または前記複数の野外装置のうちの前記1つに対応する工程管理データのうちの少なくとも一方をさらに含む、請求項36に記載の資産追跡管理システム。
【請求項41】
工業オートメーションプロトコルに従って工程管理環境内で動作する通信ネットワークに通信可能に結合されるホストによって実行される資産追跡管理方法であって、前記方法は、
前記ホストにおいて前記通信ネットワークを介して、前記工程管理環境の特定の資産に対応するメッセージを受信することであって、前記メッセージは前記工業オートメーションプロトコルに従い、前記工業オートメーションプロトコルは前記工程管理環境内の工程変数の管理または監視に関連するデータの送信のために定義されるメッセージを含み、前記メッセージは、前記特定の資産の空間位置を示す位置データを含む、受信することと、
前記メッセージ、および、タイムスタンプのそれぞれの指示の各々の内容をデータストレージデバイス内に記憶することと、
要求に応答して、前記記憶されている内容の少なくとも一部を提示することとを含む、資産追跡管理方法。
【請求項42】
前記特定の資産に対応する前記メッセージを受信することは、前記工程管理環境に関連付けられる物理的または生物学的実体に対応するメッセージを受信することを含む、請求項41に記載の資産追跡管理方法。
【請求項43】
前記工程管理環境に関連付けられる前記物理的実体は、
前記工程管理環境内の管理ループ内で使用される工程変数の管理または監視の少なくとも一方を実行する野外装置、
前記工程管理環境内の物理ロケーション、
前記工程管理環境の一個の機器、
前記工程管理環境内で使用もしくは製造される材料、または
前記工程管理環境に対応するバッチのうちの1つであり、
前記工程管理環境に関連付けられる前記生物学的実体は人である、請求項42に記載の資産追跡管理方法。
【請求項44】
前記記憶されている内容の前記少なくとも一部を提示することは、前記記憶されている内容の前記少なくとも一部をユーザインタフェース上で提示することを含む、請求項41に記載の資産追跡管理方法。
【請求項45】
前記記憶されている内容の前記少なくとも一部を提示することは、前記記憶されている内容の前記少なくとも一部をコンピューティングデバイスに送信することを含む、請求項41に記載の資産追跡管理方法。
【請求項46】
前記要求に応答して前記記憶されている内容の前記少なくとも一部を提示することは、時間間隔を含む要求に応答して前記記憶されている内容の前記少なくとも一部を提示することを含む、請求項41に記載の資産追跡管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−55662(P2013−55662A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−192963(P2012−192963)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【出願人】(512132022)フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】