説明

差動トランス型角度センサ

【課題】コアとヨークとの軸方向のセンタリング精度と1対のヨークとの角度位置精度を向上して組付できる差動トランス型角度センサを提供する。
【解決手段】角度センサ10は、回転自在なコア11と、コア11に対して磁路を形成するヨーク部152a、162aを備えた第1のヨーク15、第2のヨーク16を備えている。第1のヨーク15と第2のヨーク16とは、120°の位相差を有して位置決めピン22で角度位置決めされて配置されている。第1のヨーク15、第2のヨーク16は、いずれも円環状の外環部151、161を有して形成されている。第1のヨーク15と、第2のヨーク16とは、パイプ部材21で連結されるとともに、両端部でコア11に軸受17を介して支持される第1のヨーク支持キャップ18、第2のヨーク支持キャップ19で嵌合支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアの角度を差動トランスの作用により検出するための差動トランス型角度センサに関し、さらに詳しくは、回転するコアとコアに対向するように配置する第1、第2のヨークとの組付の際の芯出し精度を向上できる差動トランス型角度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の差動トランス型角度センサは、特許文献1によって開示されている。特許文献1による差動トランス型角度センサは、回転するコアと、コアに外装される励磁コイルと、励磁コイルを挟んで一対配置された第1、第2の検出コイルとを備えている。励磁コイルと第1検出コイルとの間には第1のヨークが挟持され、励磁コイルと第2の検出コイルとの間には第2のヨークが挟持されている。第1の検出コイルの出力電圧と第2の検出コイルの出力電圧との差電圧に基づいて、コアの回転角度を検出するものである。この際、第1のヨークと第2のヨークとを120°の位相差を有して組付け、コアと第1、第2のヨークとの芯出し精度を上げるために、励磁コイル、第1、第2の検出コイル及び第1、第2のヨークを、Oリングを介して樹脂製のボビンに組付けるように構成している。そのため、樹脂製のボビンとコアとの間で正確なセンタリングに対する芯出しが得られ、差動トランス型角度センサの測定精度を向上することができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−240372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年、各種の機械の高精度化が求められてくると、差動トランス型角度センサを含めて各種の測定器も測定精度を向上できるように要望されてきた。特許文献1の差動トランス型角度センサの場合、コアと第1、第2のヨークとの組み付け精度を向上するために樹脂製ボビンにOリングを介してセンタリングに対する芯出しを行っていたものの、Oリング自体が樹脂製で弾性を有しているから、芯出しの不安定さがあった。つまり、弾性状のOリングではボビンへの安定した固定が期待されず第1のヨークと第2のヨークとのコアとヨークとのセンタリング精度の向上を維持することが難しくなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、組付の際におけるコアとヨークとのセンタリング精度の向上や第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置決め精度を更に向上した差動トランス型角度センサを提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る差動トランス型角度センサは、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明は、軸方向に沿って外周面の一部に平面状の切り欠き部を有して円柱状に形成される回転可能なコアと、前記コアに外装される励磁コイルと、前記コアに外装されるとともに前記励磁コイルを間にして配設される第1の検出コイル及び第2の検出コイルと、前記励磁コイルと前記第1の検出コイルとの間に配設されて前記コアの中心軸に対して同心円上に形成されるとともに前記コアの中心軸に対して120°の円弧角度で形成された第1の弧面と前記第1の弧面から外周に広がる扇形状の胴体部とを有するヨーク部を備える第1のヨークと、前記励磁コイルと前記第2の検出コイルとの間に配設されて前記コアの中心軸に対して同心円上に形成されるとともに前記コアの中心軸に対して120°の円弧角度で形成された第2の弧面と前記第2の弧面から外周に広がる扇形状の胴体部とを有するヨーク部を備える第2のヨークと、を備え、前記第1のヨークと前記第2のヨークとが所定角度の位相差を有して配設されるとともに前記コアが回転することにより、前記第1の検出コイルの出力電圧と前記第2の検出コイルの出力電圧との差電圧に基づいて前記コアの回転角度を検出する差動トランス型角度センサであって、
前記第1のヨークと前記第2のヨークは、それぞれ前記ヨーク部と一体的に形成する外筒部を備えるとともに、前記第1のヨークと前記第2のヨークとはそれぞれの前記外筒部に嵌合するパイプ部材により連結され、
前記第1のヨークが、前記コアに軸受を介して支持される第1のヨーク支持キャップに、前記コアとの同心度を一致するように規制されて配設され、前記第2のヨークが、前記コアに軸受を介して支持される第2のヨーク支持キャップに前記コアとの同心度を一致するように規制されて配設され、
前記第1のヨークと前記第2のヨークとが、角度位置決め手段により所定角度の位相差を有して、前記コアに組み付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記第1のヨークには、前記第1のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第2のヨークには、前記第2のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第1のヨークの外周面と前記第2のヨークの外周面とに跨るように、前記パイプ部材が外嵌されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記第1のヨーク支持キャップと前記第2のヨーク支持キャップの外周面に前記パイプ部材が外嵌され、前記パイプ部材に、前記第1のヨークと前記第2のヨークが内嵌されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記第1のヨークには、前記第1のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第2のヨークには、前記第2のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第1のヨークの内周面と前記第2のヨークの内周面とに跨るように、前記パイプ部材が内嵌されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3又は4の発明に係るものであって、前記第1のヨークと前記第2のヨークとは、前記第1のヨーク及び第2のヨークを軸方向に連通する位置決めピンで角度位置決めされていることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3又は4の発明に係るものであって、前記第1のヨークと前記第2のヨークとは、測定した特性グラフに沿って前記第1のヨークまたは第2のヨークを回転させる調整手段を使用して現合作業で位置決めすることを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1,2,3,4,5または6の発明に係るものであって、それぞれの前記ヨーク部の外周部には、それぞれの前記胴体部の外周面を含めた全周にわたってリング状の外環部が形成され、それぞれの前記外環部とそれぞれの前記胴体部とが別体で形成され、それぞれの前記外環部とそれぞれの前記胴体部とを溶接で接合することにより前記ヨーク部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項3の発明に係るものであって、前記パイプの内周面が平面視正六角形に形成され、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの外周面が平面視正六角形に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項3の発明に係るものであって、前記パイプが円筒状に形成され、前記パイプの内周面には、全周の3等分された位置に円弧状突起部が形成され、前記第1のヨークの外周面及び前記第2のヨークの外周面には、全周の3等分された位置に前記円弧状突起部に嵌合する円弧状凹部が形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の発明に係るものであって、前記コアには薄肉円筒状の樹脂製スペーサが外嵌されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1の発明によれば、第1のヨークと第2のヨークとは回転するコアの周りで所定角度の位相差を有して配設されパイプ部材に嵌合して連結されている。また、第1のヨーク、第2のヨークは、それぞれ第1、第2のヨーク支持キャップに嵌合されている。第1、第2のヨーク支持キャップは、通常、コアに軸受を介して支持されているからコアの回転中心に対して同心円上に配設されることになる。第1のヨーク、第2のヨークが第1、第2のヨーク支持キャップに規制されて配設されることによって、第1のヨーク、第2のヨークがコアと同心円上に配設されることになりセンタリングされる。
【0017】
さらに、第1のヨークと第2のヨークとを所定角度の位相差を維持して、角度位置決め手段で位置決めすることにより、第1のヨークと第2のヨークとの角度位置を精度良く行うことができる。したがって、コアが第1のヨークと第2のヨークの第1の弧面、第2の弧面内を回転する際、コアの外周面とヨーク部の弧面とのギャップを均一にすることができコアの角度測定の精度を向上することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、第1、第2のヨークにはそれぞれ第1、第2のヨーク支持キャップが内嵌され、外周面がパイプ部材に嵌合されているから、第1のヨークと第2のヨークとはコアと同心円上に配設されることとなって、コアに第1、第2のヨーク支持部材とヨークを組み付けることによって軸方向の芯出し精度(センタリング精度)を向上することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、第1、第2のヨーク支持部材を連結するようにパイプ部材が外嵌され、パイプ部材に第1、第2のヨークを内嵌すれば、第1のヨークと第2のヨークとはコアと同心円上に配設されることとなって、コアに第1、第2のヨーク支持部材とヨークを組み付けることによって軸方向の芯出し精度(センタリング精度)を向上することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、第1のヨーク、第2のヨークにはそれぞれ第1のヨーク支持キャップ、第2のヨーク支持キャップ、が内嵌され、それぞれの内周面がパイプ部材に嵌合されているから、第1のヨークと第2のヨークとはコアと同心円上に配設されることとなって、コアに第1、第2のヨーク支持部材とヨークを組み付けることによって軸方向の芯出し精度(センタリング精度)を向上することができる。
【0021】
請求項5の発明の差動トランス型角度センサは、第1のヨークと第2のヨークとの位置決め手段の一実施形態を示すものであり、所定角度の位相差で配置された第1のヨークと第2のヨークとを、位置決めピンを連通して位置決めを行なうことから、第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置精度を向上することができる。
【0022】
請求項6の発明の差動トランス型角度センサは、第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置決め手段の別の実施形態を示すものであり、請求項5における差動トランス型角度センサにおける位置決めピンを使用しないで角度位置決めを行なう場合には、位置決め調整部材を使用して、第1、第2のヨークの角度位置を測定結果の特性グラフに合わせて現合で行うことになる。これによって第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置精度を向上することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、それぞれのヨークにおけるヨーク部を形成する外環部と胴体部とを別体で製作して、両者を溶接して接合することによって、マシニングセンタでの加工をせずに、旋盤やフライス盤等の設備で加工することができ、第1のヨークや第2のヨークを廉価にすることができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、第1のヨークと第2のヨークとを、正六角形に形成されたパイプの内周面における6面のうち、120°に向かい合う2面に第1のヨークの第1の弧面、第2のヨークの第2の弧面の位置をずらして差し込むことによって、第1のヨークと第2のヨークとが120°の位相差を有して位置決めされる。また、第1のヨークと第2のヨークは、パイプに内嵌することによって第1のヨーク支持キャップ、第2のヨーク支持キャップを介してコアの軸心に対して芯出しされることから、位置決めピンを使用することなく第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置決め精度を向上できるとともに、軸方向の芯出し精度を向上することができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、パイプの内周面全周に対して3等分となる位置に形成された円弧状突起部に、それぞれ嵌合する円弧状凹部を第1のヨークと第2のヨークとの外周面全周の3等分となる位置に形成すれば、第1のヨークと第2のヨークとのそれぞれの弧面(第1の弧面と第2の弧面)の位置をずらすように、第1のヨークと第2のヨークのそれぞれの円弧状凹部を、パイプの円弧状突起部に差し込むことによって、位置決めピンを使用することなく第1のヨークと第2のヨークとが120°の位相差を有して位置決めされる。また、第1のヨークと第2のヨークは、パイプに内嵌することによって第1のヨーク支持キャップ、第2のヨーク支持キャップを介してコアの軸心に対して芯出しされることから、第1のヨークと第2のヨークとの角度位置の位置決め精度を向上できるとともに、軸方向の芯出し精度を向上することができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、コアと第1のヨーク、第2のヨークのそれぞれの弧面(第1の弧面と第2の弧面)との間に、コアに外嵌する薄肉樹脂製のスペーサを配設すれば、第1のヨークと第2のヨークとに対して、コアが回転する際に、コアに外圧が付加されても、第1のヨークの第1の弧面と第2のヨークの第2の弧面とコアの外周面とのギャップを均一に保つことができる。そのため、精度の高い角度測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による角度センサを示す断面図である。
【図2】コアと一対のヨークとの配置関係を示す斜視図である。
【図3】図1におけるIII-III断面図である。
【図4】1サイクルにおけるコアとヨークとの関係を示す簡略図である。
【図5】角度センサの理想的な特性グラフを示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態による角度センサを示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による角度センサを示す断面図である。
【図8】別体で形成された部位を溶接してヨーク部を形成する一実施形態を示す斜視図である。
【図9】正六角形の内周面に形成されたパイプと正六角形の外周面に形成された第1のヨークと第2のヨークとを使用する実施形態を示す斜視図である。
【図10】内周面に円弧状突起部を形成したパイプと外周面に円弧状凹部を形成した第1のヨークと第2のヨークとを使用する実施形態を示す斜視図である。
【図11】コアに薄肉円筒状の樹脂製スペーサを外嵌した実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の差動トランス型角度センサ(以下、角度センサという。)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、第1実施形態の角度センサ10の断面図であり、図2は、コアとヨークとの配置関係を示す斜視図であり、図3は図1の断面を示すものである。角度センサ10は、図1に示すように、磁性体で回転可能に形成されるコア11と、コア11に同心円上に外装されて交流電圧が印加される励磁コイル12と、コア11に同心円上に外装されて励磁コイル12を間にして配置される第1の検出コイル13と第2の検出コイル14とを有している。励磁コイル12と第1の検出コイル13との間には磁性体で形成される第1のヨーク15が挟持され、励磁コイル12と第2の検出コイル14との間には磁性体で形成される第2のヨーク16が配置されている。
【0030】
コア11は円柱状に形成されるとともに、第1のヨーク15、第2のヨーク16が対向する中央部位には平面状の切り欠き部111が形成されている。コア11の両端部には軸受17、17が装着され、軸受17、17に外嵌するとともに、第1のヨーク15、第2のヨーク16を軸方向の内方に押える金属製の第1のヨーク支持キャップ18、金属製の第2のヨーク支持キャップ19がそれぞれ配置されている。第2のヨーク支持キャップ19には角度センサ10を測定したい場所に取付けるための取付けフランジ20が装着されている。
【0031】
励磁コイル12は樹脂製のボビン12aに嵌め込まれてコア11に外装され、第1の検出コイル13は樹脂製のボビン13aに嵌め込まれてコア11に外装され、第2の検出コイル14は樹脂製のボビン14aに嵌め込まれてコア11に外装されている。
【0032】
第1のヨーク15は、図1〜3に示すように、円筒状に形成され、外周面全周にわたって配置される外筒部151と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面152aを有して弧面152aから外周に広がる扇形状の胴体部152bと胴体部152bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部152cとを有する板状のヨーク部152と、を備え、ヨーク部152が外筒部151の一端に配置されて外筒部151と一体的に形成されている。
【0033】
第2のヨーク16は、図1〜3に示すように、円筒状に形成され、外周面全周にわたって配置される外筒部161と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面162aを有して弧面162aから外周に広がる扇形状の胴体部162bと胴体部162bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部162cとを有する板状のヨーク部162と、を備え、ヨーク部162が外筒部161の一端に配置されて外筒部161と一体的に形成されている。第1のヨーク15と第2のヨーク16とは、励磁コイル12を間にして軸方向に対して逆向きに配置されている。
【0034】
第1のヨーク15におけるヨーク部152と軸方向に対する反対側の端面には第1のヨーク支持キャップ18が配置されている。第1のヨーク支持キャップ18は、大径部181と小径部182とを有する段付き円筒状に形成されるとともに、段差面183は第1のヨーク15の端面と当接するように配置されている。第1のヨーク支持キャップ18の内周面は軸受17に外嵌され、小径部182の外周面は第1のヨーク15の端部に内嵌されている。
【0035】
第2のヨーク16のヨーク部162と反対側の端面には第2のヨーク支持キャップ19が配置されている。第2のヨーク支持キャップ19は、大径部191とその両端に配置される小径部192、延長筒部194を有する段付き円筒状に形成されるとともに、段差面193は第2のヨーク16の端面と当接するように配置されている。第2のヨーク支持キャップ19の内周面は軸受17に外嵌され、小径部192の外周面は第2のヨーク16の端部に内嵌されている。延長筒部194は、小径部192と反対側の端部に形成され取付けフランジ20を装着している。
【0036】
また、第1のヨーク15と第2のヨーク16とは、それぞれの外筒部151、161側端部外周面に小径部151a、161aを形成して金属製のパイプ部材21を外嵌することにより連結されている。
【0037】
コア11と第1のヨーク15、第2のヨーク16との配置関係を詳細に説明する。なお、図2において、第1のヨーク15(第2のヨーク16)は外筒部151(161)を削除したヨーク部152(162)のみを示している。また、弧面152a(162a)と胴体部152b(162b)とを実線で示し、外環部152c(162c)を二点鎖線で示している。
【0038】
図2〜3に示すように、第1のヨーク15、第2のヨーク16はコア11の周りに配置されて120°の位相差を有して配置されている。コア11と第1のヨーク15、第2のヨーク16とは同心円上の位置に配置され、第1のヨーク15のヨーク部152の弧面152aは、コア11と同心円上に形成されている。また、第1のヨーク15の弧面152a、第2のヨーク16の弧面162aは、コア11が弧面152a、162a内で回転するために、コア11の外周面より僅かに大きく形成されコア11の外周面との間にギャップを形成している。
【0039】
第1のヨーク15と第2のヨーク16とは、1本または複数本の位置決めピン22を連通することによって位置決めされ、第1のヨーク支持キャップ18から第2のヨーク支持キャップ19を挿通する複数本のボルト23で固定されている。
【0040】
なお、第1のヨーク15と第2のヨーク16とで形成される位相差は、120°に限定するものではなく、角度センサで測定できる範囲において、設定しやすい角度にすることができる。
【0041】
次に上述のように構成された角度センサ10の組付手順について説明する。
【0042】
まず、ボビン12aに嵌め込まれた励磁コイル12周りにパイプ部材21を配置して、第1のヨーク15と第2のヨーク16とを装着する。この際、パイプ部材21の両端部を第1のヨーク15の外周面の小径部151a、第2のヨーク16の外周面の小径部161aに外嵌するように装着する。次に、第1の検出コイル13と第2の検出コイル14とを第1のヨーク15、第2のヨーク16の外筒部151、161の内周面に挿入する。
【0043】
次に、軸受17を内嵌した第1のヨーク支持キャップ18と軸受17を内嵌した第2のヨーク支持キャップ19とを、それぞれ第1のヨーク15、第2のヨーク16の内周面に挿入する。この際、第1のヨーク支持キャップ18(第2のヨーク支持キャップ19)の外周面における小径部182(192)が第1のヨーク15(第2のヨーク16)の外筒部151(161)の内周面に内嵌されることにより、第1のヨーク15、第2のヨーク16と、第1のヨーク支持キャップ18、第2のヨーク支持キャップ19とが軸方向に沿って芯出しされることになる。
【0044】
第1のヨーク15、第2のヨーク16には、予め、120°の位相差が形成できるように、それぞれの外筒部151、161における軸方向に沿って1箇所または複数箇所の位置決めピン孔151c、161cが形成されている。そして、第1のヨーク15と第2のヨーク16とが120°の位相差で配置されると、第1のヨーク15の位置決めピン孔151cと第2のヨーク16の位置決めピン孔161cとに位置決めピン22が挿通される。第1のヨーク15と第2のヨーク16はボルト23を締め込むことによって固定される。これにより、第1のヨーク15と第2のヨーク16との中心軸に対する角度位置を精度良く位置決めすることができる。
【0045】
最後にコア11を第1のヨーク支持キャップ18、第2のヨーク支持キャップ19内の軸受17内を挿通して切り欠き部111内に第1のヨーク15の弧面152a、第2のヨーク16の弧面162aが配置されていることを確認して角度センサ10が組付けられる。コア11が第1のヨーク支持キャップ18(第2のヨーク支持キャップ19)の軸受17に支持されることにより、第1のヨーク15(第2のヨーク16)とコア11との軸方向の芯出しを精度良く行うことができる。
【0046】
次に、上述のように組みつけられた角度センサ10の動作について説明する。以下の説明において、第1のヨーク15と第2のヨーク16に関しては120°の位相差を有しているものの、磁路断面積の説明は同様であることから、第1のヨーク15とコア11との関係で説明し、第2のヨーク16については、図5に示すようにその合成された出力電圧で説明する。
【0047】
図4(a)に示すように、コア11の切り欠き部111の切欠面が第1のヨーク15の胴体部152bの端面に対して平行にあるときをコア11の0°位置として、順にコア11を矢印方向に沿って回転させる。図4(a)のように、コア11が第1のヨーク15のヨーク部152の弧面152aに対してギャップが大きい場合に、コア11と第1のヨーク15は離隔して磁気的な結合が弱くなる。したがって、第1のヨーク15とコア11との間において、磁路断面積は最小となり、言い換えれば、磁気抵抗は最大値となる。
【0048】
第1の検出コイル13(図1参照)の出力電圧は、励磁コイル12(図1参照)の発生磁束から第1のヨーク15に漏れる磁束を減算した磁束に比例するため、上記のように第1のヨーク15とコア11との間の磁気抵抗が最大であるとき、第1の検出コイル13の電圧は最大となる(図5(a)位置)。
【0049】
その後、コア11が図4における矢印方向へ回転して、図4(b)の位置(コア11の60°)に達すると、第1のヨーク15とコア11との間の磁路断面積は増大していくため、第1の検出コイル13(図1参照)の出力電圧は減少する。図4(c)に示すようにコア11が120°回転したとき、第1のヨーク15とコア11との間の磁路断面積は最大値となり、このため、第1の検出コイル13の出力電圧は最小値となる。
【0050】
その後、コア11が矢印方向へさらに回転して、図4(c)の位置から、コア11がさらに120°(コア11の240°位置)、つまり、図4(e)に示す位置に回転するまでの間においては、第1のヨーク15とコア11との間の磁路断面積は最大値に維持されるため、第1の検出コイル13(図1参照)の出力電圧は最小値に維持される。
【0051】
その後、コア1がさらに回転して、図4(e)の位置に達すると第1のヨーク15とコア11との間に磁路断面積は、今度は減少するため、第1の検出コイル13の出力電圧は増大し、コア11がさらに120°回転したとき、図4(a)と同じ状態となり、第1のヨーク15とコア11との間の磁路断面積は最小値となる。このため、第1の検出コイル13(図1参照)の出力電圧は最大値となる。
【0052】
上記のように、第1のヨーク15と第2のヨーク16とは、互いに120°の位相差を持って配置されている。このため、コア11の角度位置に対する第1の検出コイル13の出力電圧を図5(A)の波形Xで表したとき、第2の検出コイル14の出力電圧は、波形Yで表すことができる。したがって第1の検出コイル13の出力電圧と第2の検出コイル14との差電圧は、図5(B)で表すことができる。これによると、コア11の240°の回転範囲内で直線性を有するため、この回転範囲においてコア11の角度位置を第1の検出コイル13と第2の検出コイル14との差電圧で検出することができる。
【0053】
なお、第1のヨーク15、第2のヨーク16のヨーク部152、162における、胴体部152b、162bと外環部152c、162cとは一体的に形成されるものであるが、製作する際に、1枚の円板から孔部分を削って胴体部152b、162bと外環部152c、162cとを残すように形成してもよく、また、図8に示すように、それぞれ胴体部152b、162bと外環部152c、162cとを別体で形成して点づけ溶接またはその他の溶接方法にて接合してもよい。それぞれ別体で形成することにより、マシニングセンタを使用せずに、汎用の旋盤やフライス盤等の設備機械で加工することができ、製作費を廉価にすることができる。なお、わかりやすく説明するために図8における第1のヨーク15(または第2のヨーク16)を、一体的に形成した外筒部151(または161)から外した状態で描いている。
【0054】
次に第2実施形態の角度センサ30について図6に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同様の部位は同符号を付記するものとする。
【0055】
図6に示すように、回転可能なコア11と、コア11に同心円上に外装されて交流電圧が印加される励磁コイル12と、コア11に同心円上に外装されて励磁コイル12を間にして配置される第1の検出コイル13と第2の検出コイル14とを有している。励磁コイル12と第1の検出コイル13との間には第1のヨーク35が配置され、励磁コイル12と第2の検出コイル14との間には第2のヨーク36が配置されている。
【0056】
コア11は円柱状に形成されるとともに、第1のヨーク35、第2のヨーク36が対向する中央部位には平面状の切り欠き部111が形成されている。コア11の両端部には軸受17が装着され、軸受17に外嵌するとともに、第1のヨーク35、第2のヨーク36とを軸方向の移動を規制する第1のヨーク支持キャップ38、第2のヨーク支持キャップ39がそれぞれ配置されている。第2のヨーク支持キャップ39には角度センサ30を測定したい場所に装着するための取付けフランジ20が配置されている。
【0057】
励磁コイル12はボビン12aに嵌め込まれてコア11に外装され、第1の検出コイル13はボビン13aに嵌め込まれてコア11に外装され、第2の検出コイル14はボビン14aに嵌め込まれてコア11に外装されている。
【0058】
図6に示すように、第1のヨーク35は、第1実施形態における第1のヨーク15に比べて軸方向に沿って短尺の円筒状に形成されている。外周面全周にわたって配置される外筒部351と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面352aを有して弧面352aから外周に広がる扇形状の胴体部352bと胴体部352bの外周周りで全周にわたってリング状に形成される外環部352cとを有する板状のヨーク部352と、を備え、ヨーク部352が外筒部351の一端に配置されて外筒部351と一体的に形成されている。
【0059】
第2のヨーク36は、第1実施形態の第2のヨーク16より軸方向に沿って短尺の円筒状に形成され、外周面に配置される外筒部361と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面362aを有して弧面362aから外周に広がる扇形状の胴体部362bと胴体部362bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部362cとを有する板状のヨーク部362と、を備え、ヨーク部362が外筒部361の一端に配置されて外筒部361と一体的に形成されている。
【0060】
第1のヨーク35と第2のヨーク36とは、励磁コイル12を間にして軸方向に沿って対称位置に配置されている。つまり、第1のヨーク35と第2のヨーク36は、それぞれ軸方向に沿って外筒部351の端面と外筒部361の端面とを当接させた状態で逆向きに配置されている。
【0061】
コア11の一方の端部には金属製の第1のヨーク支持キャップ38が第1の検出コイル13を介して第1のヨーク35軸方向への移動を規制するように配置されている。第1のヨーク支持キャップ38は、その内周面が軸受17に外嵌されるとともに外周面が大径部381と小径部382とを有して段付き円筒状に形成されている。コア11の他方の端部には金属製の第2のヨーク支持キャップ39が配置されている。第2のヨーク支持キャップ39が第2の検出コイル14を介して第2のヨーク36の軸方向への移動を規制するように配置されている。第2のヨーク支持キャップ39は、その内周面が軸受17に外嵌されるとともに大径部391とその両端に配置される小径部392、延長筒部394を有して段付き円筒状に形成されている。第1のヨーク支持キャップ38と第2のヨーク支持キャップ39との間には、第1のヨーク支持キャップ38と第2のヨーク支持キャップ39とを連結する金属製のパイプ部材41が配置されている。パイプ部材41は第1のヨーク支持キャップ38の小径部382及び第2のヨーク支持キャップ39の小径部392に外嵌されている。延長筒部394は、小径部392と反対側の端部に形成され取付けフランジ20を装着している。
【0062】
コア11と第1のヨーク35、第2のヨーク36との配置関係を詳細に説明すれば、図2〜3に示すように、第1のヨーク35、第2のヨーク36はコア11の周りに配置されて120°の位相差を有して配置されている。コア11と第1のヨーク35、第2のヨーク36とは同心円状の位置に配置され、第1のヨーク35のヨーク部352の弧面352aは、コア11と同心円上に形成されている。また、第1のヨーク35の弧面352a、第2のヨーク36の弧面362aは、コア11が弧面352a、362a内で回転するために、コア11の外周面より僅かに大きく形成されコア11の外周面との間にギャップを形成している。
【0063】
第1のヨーク35と第2のヨーク36とは、その外筒部351、352どうしを1本または複数本の位置決めピン42を連通することによって位置決めされ、第1のヨーク支持キャップ38から第2のヨーク支持キャップ39を挿通する複数本のボルト43で固定されている。なお、第1の検出コイル13(第2の検出コイル14)には軸方向の位置決めをするためのカラー部材44(45)がそれぞれ配置されている。
【0064】
次に上述のように構成された角度センサ30の組付手順について説明する。
【0065】
ボビン12aに嵌め込んだ励磁コイル12の両端面に第1のヨーク35と第2のヨーク36とを当接させパイプ部材41を外嵌するように挿入する。その後、一方の側からボビン13aに嵌め込まれた状態の第1の検出コイル13にカラー部材44を外嵌してパイプ部材41内に挿入する。他方の側からボビン14aに嵌め込まれた状態の第2の検出コイル14にカラー部材45を外嵌してパイプ部材41内に挿入する。
【0066】
コア11と第1のヨーク35、第2のヨーク36には、予め、120°の位相差が形成できるように、それぞれの外筒部351、361における軸方向に沿って1箇所または複数箇所の位置決めピン孔351c、361cが形成されている。そして、第1のヨーク35と第2のヨーク36とが120°の位相差で配置されると、第1のヨーク35の位置決めピン孔351cと第2のヨーク16の位置決めピン孔361cとに位置決めピン42が挿通される。
【0067】
次に、軸受17を内嵌した第1のヨーク支持キャップ38と軸受17を内嵌した第2のヨーク支持キャップ39とを、それぞれパイプ部材41の内周面に挿入する。この際、第1のヨーク支持キャップ38(第2のヨーク支持キャップ39)の外周面における小径部382(392)がパイプ部材41の内周面に嵌合されることにより、第1のヨーク35、第2のヨーク36と、第1のヨーク支持キャップ38、第2のヨーク支持キャップ39とが軸方向に沿って芯出しされることになる。
【0068】
第1のヨーク35と第2のヨーク36は第1のヨーク支持キャップ38から第2のヨーク支持キャップ39を挿通するボルト43を締め込むことによって固定される。そして、第2のヨーク支持キャップ39の延長筒部394に取付けフランジ20を取付ける。
【0069】
最後にコア11を第1のヨーク支持キャップ38、第2のヨーク支持キャップ39内の軸受17内を挿通して切り欠き部111内に第1のヨーク35の弧面352a、第2のヨーク36の弧面362aが配置されていることを確認して角度センサ30が組付けられる。コア11が第1のヨーク支持キャップ38(第2のヨーク支持キャップ39)の軸受17に支持されることにより、第1のヨーク35(第2のヨーク36)とコア11との軸方向の芯出しを精度良く行うことができる。
【0070】
なお、第2実施形態において、コア11に対して第1のヨーク35と第2のヨーク36との120°の位相差で組付ける際、第1のヨーク35と第2のヨーク36に位置決めピン22を連通する位置決めピン孔351c、361cが形成されていない場合には、円筒状に形成された第1のヨーク35と、第2のヨーク36を現合で位置調整をすることができる。この場合、例えば、第1のヨーク35の外筒部351の外周面または第2のヨーク36の外筒部361の外周面にボルトまたはピンを半径方向に取り付け、パイプ部材41に取付けたボルトまたはピンを円周方向に沿ってスライドさせるための長溝を形成しておく。ボルトやピンは、パイプ部材41の長溝から外方に突出しておく。このボルトやピンを移動することによって第1のヨーク35または第2のヨーク36をいずれかのヨークに対して微小移動させて第1のヨーク35と第2のヨーク36の角度位置を調整する。この現合調整は、図5(B)に示すグラフにおいて240°の範囲で示す斜め線が直線を形成するように調整する。この現合調整は、第1のヨーク35または第2のヨーク36を、図5(B)における直線を形成しながら微小角度移動できるものであれば、上述に限定するものではない。
【0071】
また、角度センサ30における第1のヨーク35、第2のヨーク36に対するコア11の回転による磁路断面積の変位に関する動作説明は、第1実施形態の動作説明と同様である。
【0072】
さらに、第1のヨーク35(第2のヨーク36)におけるヨーク部352(362)の製作については、第1実施形態と同様、1枚の円板から孔部分を削って胴体部352b(362b)と外環部352c(362c)とを残すように形成してもよく、また、それぞれ胴体部352b(362b)と外環部352c(362c)とを別体で形成して点づけ溶接にて接合してもよい。
【0073】
次に第3実施形態の角度センサ50について図7に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同様の部位は同符号を付記するものとする。
【0074】
図7に示すように、回転可能なコア11と、コア11に同心円上に外装されて交流電圧が印加される励磁コイル12と、コア11に同心円上に外装されて励磁コイル2を間にして配置される第1の検出コイル13と第2の検出コイル14とを有している。励磁コイル12と第1の検出コイル13との間には第1のヨーク55が挟持され、励磁コイル12と第2の検出コイル14との間には第2のヨーク56が挟持されている。
【0075】
コア11は円柱状に形成されるとともに、第1のヨーク55、第2のヨーク56が対向する中央部位には平面状の切り欠き部111が形成されている。コア11の両端部には軸受17が装着され、軸受17に外嵌するとともに、第1のヨーク55、第2のヨーク56とを軸方向の移動を規制する金属製の第1のヨーク支持キャップ58、第2のヨーク支持キャップ59がそれぞれ配置されている。第2のヨーク支持キャップ59には角度センサ50を測定したい場所に装着するための取付けフランジ20が配置されている。
【0076】
励磁コイル12は樹脂製のボビン12aに嵌め込まれてコア11に外装され、第1の検出コイル13は樹脂製のボビン13aに嵌め込まれてコア11に外装され、第2の検出コイル14は樹脂製のボビン14aに嵌め込まれてコア11に外装されている。
【0077】
図7に示すように、第1のヨーク55は、第1実施形態における第1のヨーク15に比べて軸方向に沿って短尺の円筒状に形成され、断面H状に形成されている。つまり、外周面全周にわたって配置される外筒部551と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面552aを有して弧面552aから外周に広がる扇形状の胴体部552bと胴体部552bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部552cとを有する板状のヨーク部552と、を備え、ヨーク部552が外筒部551の軸方向中央付近に配置されて外筒部551と一体的に形成されている。
【0078】
第2のヨーク56は、第1実施形態の第2のヨーク16より軸方向に沿って短尺の円筒状に形成され、断面H状に形成されている。つまり、外周面に配置される外筒部561と、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面562aを有して弧面562aから外周に広がる扇形状の胴体部562bと胴体部562bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部562cとを有する板状のヨーク部562と、を備え、ヨーク部562が外筒部561の軸方向中央付近に配置されて外筒部561と一体的に形成されている。
【0079】
第1のヨーク55と第2のヨーク56における、第1のヨーク55の外筒部551と第2のヨーク56の外筒部561とは、それぞれの端面どうしが当接するように配置されている。第1のヨーク55の外筒部551の内周面と第2のヨーク56の外筒部561の内周面とには、外筒部551と外筒部561とを跨ぐようにパイプ部材61が内嵌されて、両者が連結されている。
【0080】
コア11の一方の端部には第1のヨーク支持キャップ58が第1の検出コイル13を介して第1のヨーク55軸方向への移動を規制するように配置されている。第1のヨーク支持キャップ58は、その内周面に軸受17が内嵌されるとともに外周面の先端に突出外環部581が形成されている。突出外環部581の外周面581aは第1のヨーク55の外筒部441の内周面に嵌合され、突出外環部581の内周面581bには第1の検出コイル13が内装されている。コア11の他方の端部には第2のヨーク支持キャップ59が配置されている。第2のヨーク支持キャップ59が第2の検出コイル14を介して第2のヨーク56の軸方向への移動を規制するように配置されている。第2のヨーク支持キャップ59は、その内周面が軸受17に内嵌されるとともに外周面の先端に突出外環部591が形成されている。突出外環部591の外周面591aは第2のヨーク56の外筒部561内周面に嵌合され、突出外環部591の内周面591bには第2の検出コイル14が内装されている。延長筒部594は、突出外環部591と反対側の端部に形成され取付けフランジ20を装着している。
【0081】
コア11と第1のヨーク55、第2のヨーク56との配置関係を詳細に説明すれば、図2〜3に示すように、第1のヨーク55、第2のヨーク56はコア11の周りに配置されて120°の位相差を有して配置されている。コア11と第1のヨーク55、第2のヨーク56とは同心円状の位置に配置され、第1のヨーク55のヨーク部552の弧面552aは、コア11と略同心円上に形成されている。また、第1のヨーク55の弧面552a、第2のヨーク56の弧面562aは、コア11が弧面552a、562a内で回転するために、コア11の外周面より僅かに大きく形成されコア11の外周面との間にギャップを形成している。
【0082】
第1のヨーク55と第2のヨーク56とは、その外筒部551、552どうしを1本または複数本の位置決めピン62を連通することによって位置決めされ、第1のヨーク支持キャップ58から第2のヨーク支持キャップ59を挿通する複数本のボルト63で固定されている。
【0083】
なお、第3実施形態においては、1個のパイプ部材61を励磁コイル12の外周面に沿って挿入しているが、第1のヨーク支持キャップ58の突出外環部581、第2のヨーク支持キャップ59の突出外環部591を削除してその代わりに第1の検出コイル13及び第2の検出コイル14の外周面に沿って挿入し、第1のヨーク55、第2のヨーク56の内周面に嵌合するようにパイプ部材を2個追加して装着してもよい。
【0084】
次に上述のように構成された角度センサ50の組付手順について説明する。
【0085】
ボビン12aに嵌め込んだ励磁コイル12の外周面にパイプ部材61を装着し、ボビン12aの両端面に第1のヨーク55と第2のヨーク56とを当接させるとともにパイプ部材61の外周面に第1のヨーク55の外筒部551と第2のヨークの外筒部561との内周面を嵌合するように挿入する。第1のヨーク55、第2のヨーク56には、予め、120°の位相差が形成できるように、それぞれの外筒部551、561における軸方向に沿って1箇所または複数箇所の位置決めピン孔551c、561cが形成されている。そして、第1のヨーク55と第2のヨーク56とが120°の位相差で配置されると、第1のヨーク55の位置決めピン孔551cと第2のヨーク56の位置決めピン孔561cとに位置決めピン62を挿通する。
【0086】
その後、一方の側からボビン13aに嵌め込まれた状態の第1の検出コイル13を第1のヨーク55内に挿入する。他方の側からボビン14aに嵌め込まれた状態の第2の検出コイル14を第2のヨーク56内に挿入する。
【0087】
次に、軸受17を内嵌した第1のヨーク支持キャップ58と軸受17を内嵌した第2のヨーク支持キャップ59とを、第1のヨーク55、第2のヨーク56に押し付けるように装着する。この際、この際、第1のヨーク支持キャップ58(第2のヨーク支持キャップ59)の突出外環部581(591)が第1の検出コイル13(第2の検出コイル14)に外嵌するとともに第1のヨーク55(第2のヨーク56)の外筒部551(561)に内嵌する。ことにより、第1のヨーク55、第2のヨーク56と、第1のヨーク支持キャップ58、第2のヨーク支持キャップ59とが軸方向に沿って芯出しされることになる。
【0088】
第1のヨーク55と第2のヨーク56は第1のヨーク支持キャップ58から第2のヨーク支持キャップ59を挿通するボルト43を締め込むことによって固定される。そして、第2のヨーク支持キャップ59の延長筒部594に取付けフランジ20を取付けたる。
【0089】
最後にコア11を第1のヨーク支持キャップ58、第2のヨーク支持キャップ59内の軸受17内を挿通する。切り欠き部111内に第1のヨーク55の弧面552a、第2のヨーク56の弧面562aが配置されていることを確認して角度センサ50が組付けられる。コア11が第1のヨーク支持キャップ58(第2のヨーク支持キャップ59)の軸受17に支持されることにより、第1のヨーク55(第2のヨーク56)とコア11との軸方向の芯出しを精度良く行うことができる。
【0090】
なお、第3実施形態において、コア11に対して第1のヨーク55と第2のヨーク56との120°の位相差で組付ける際、第1のヨーク55と第2のヨーク56に位置決めピン62を連通する位置決めピン孔551c、561cが形成されていない場合には、円筒状に形成された第1のヨーク55と、第2のヨーク56を現合で位置調整をすることができる。この場合、第1のヨーク55の外筒部551の外周面または第2のヨーク56の外筒部561にボルトまたはピンを軸に直交する方向に取り付ける。第1のヨーク55に取付けたボルトやピンまたは第2のヨーク56に取付けたボルトやピンを第2のヨーク56または第1のヨーク55に対して微小移動させて第1のヨーク55と第2のヨーク56の角度位置を調整する。この現合調整は、第2実施形態と同様に、図5(B)に示すグラフにおいて240°の範囲で示す斜め線が直線を形成するように調整する。この現合調整は、第1のヨーク55または第2のヨーク56を、図5(B)における直線を形成しながら微小角度移動できるものであれば、上述に限定するものではない。
【0091】
また、角度センサ50における第1のヨーク55、第2のヨーク56に対するコア11の回転による磁路断面積の変位に関する動作説明は、第1実施形態の動作説明と同様である。
【0092】
さらに、第1のヨーク55、第2のヨーク56における外筒部551、561は、ヨーク部552、562と一体的に形成されるものであるが、製作する際に、外筒部551、561とヨーク部552、562とを一体成型してもよく、またそれぞれ別体で形成して溶接にて接合してもよい。それぞれ別体で形成することにより、加工を容易にすることができ、製作費を廉価にすることができる。
【0093】
上述のように、実施形態の角度センサ10、30、50では、コア11に対する第1のヨーク15、35、55と第2のヨーク16、36、56とを、金属製のパイプ部材と第1のヨーク支持キャップ、第2のヨーク支持キャップで同心度を精度よく組付けることから、センタリング精度を向上することができるとともに、第1のヨーク15、35、55と第2のヨーク16、36、56との角度位置の芯出し精度を向上することができる。
【0094】
さらに別の実施形態としては、図6に示す第2の実施形態におけるパイプ部材41の代わりに、図9に示すように、内周面71を平面視正六角形孔に形成した金属製のパイプ部材70を使用することができる。この場合、図6における第1のヨーク35の代りに正六角形板状に形成された第1のヨーク75、第2のヨーク36の代りに正六角形板状に形成された第2のヨーク76を形成する。そしてパイプ部材70の内周面71を第1のヨーク75、第2のヨーク76の外周面に嵌合できるように形成する。
【0095】
第1のヨーク75は、コア11(図3参照)の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面75aを有して弧面75aから外周に広がる扇形状の胴体部75bと胴体部75bの外周部を含んで全周にわたって外周が正六角形のリング状に形成される外環部75cとを有している。
【0096】
第2のヨーク76は、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面76aを有して弧面76aから外周に広がる扇形状の胴体部76bと胴体部76bの外周部を含んで全周にわたって外周が正六角形のリング状に形成される外環部76cとを有している。
【0097】
第1のヨーク75と第2のヨーク76とは、平面視正六角形に形成されたパイプ部材70の内周面の6面のうち、120°に向かい合う2面を使用して、第1のヨーク75の弧面75aと第2のヨーク76の弧面76aとの位置をずらしてパイプ部材70の内周面71に嵌め込まれる。これにより第1のヨーク75と第2のヨーク76とは、120°の位相差を有して位置決めされる。
【0098】
また、第1のヨーク75は図示しない励磁コイル(図6における励磁コイル12に相当)と第1の検出コイル(図6における第1の検出コイル13に相当)との間に配置され、第2のヨーク76が図示しない励磁コイル(図6における励磁コイル12に相当)と第2の検出コイル(図6における第2の検出コイル14に相当)との間に配置されていればよい。
【0099】
この実施形態の場合、第1のヨーク75と第2のヨーク76とは、パイプ部材70に内嵌されることから、図示しない第1のヨーク支持キャップ(図6における第1のヨーク支持キャップ38に相当)、第2のヨーク支持キャップ(図6における第2のヨーク支持キャップ39に相当)を介してコア11との間で軸方向に芯出しされる。また、第1のヨーク75の弧面75aと第2のヨーク76の弧面76aとの位置が平面視正六角形孔に形成されたパイプ部材70の内周面71に120°の位相差を有しているから、第1のヨーク75と第2のヨーク76とはその角度位置が位置決めされる。従って、図6に示すような位置決めピン42を削除することができる。
【0100】
さらに、パイプ部材70に代わって、図10に示すようなパイプ部材80を使用してもよい。このパイプ部材80は、円筒状に形成され、内周面81の全周を3等分する位置(軸心に対して120°ピッチ)となるように形成された円弧状突起部82を有している。円弧状突起部82はパイプ部材80の長さ方向の全長にわたって形成されている。
【0101】
第1のヨーク85は、コア11(図3参照)の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面85aを有して弧面85aから外周に広がる扇形状の胴体部85bと胴体部85bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部85cとを有している。外環部85cの外周面には外周面の全周を3等分の位置となるように形成された円弧状凹部85dを形成している。円弧状凹部85dはパイプ部材80の円弧状突起部82に係合可能に形成されている。
【0102】
第2のヨーク86は、コア11の外周面に対向するとともにコア11と同心円上に形成されて円弧角度がコア11の中心軸に対して120°に形成される弧面86aを有して弧面86aから外周に広がる扇形状の胴体部86bと胴体部86bの外周部を含んで全周にわたってリング状に形成される外環部86cとを有している。外環部86cの外周面には外周面の全周を3等分の位置となるように形成された円弧状凹部86dを形成している。円弧状凹部86dはパイプ部材80の円弧状突起部82に係合可能に形成されている。
【0103】
第1のヨーク85と第2のヨーク86とは、第1のヨーク85の弧面85aと第2のヨーク86の弧面86aとの位置が平面視120°の位相差となるように第1のヨーク85の円弧状凹部85dがパイプ部材80の円弧状突起部82に嵌め込まれる。これにより第1のヨーク85と第2のヨーク86とは、120°の位相差を有して位置決めされる。
【0104】
また、第1のヨーク85は図示しない励磁コイル(図6における励磁コイル12に相当)と第1の検出コイル(図6における第1の検出コイル13に相当)との間に配置され、第2のヨーク86が図示しない励磁コイル(図6における励磁コイル12に相当)と第2の検出コイル(図6における第2の検出コイル14に相当)との間に配置されていればよい。
【0105】
この実施形態の場合、第1のヨーク85と第2のヨーク86とは、パイプ部材80に内嵌されることから、図示しない第1のヨーク支持キャップ(図6における第1のヨーク支持キャップ38に相当)、第2のヨーク支持キャップ(図6における第2のヨーク支持キャップ39に相当)を介してコア11との間で軸方向に芯出しされる。また、第1のヨーク85の弧面85aと第2のヨーク86の弧面86aとの位置が全周を3等分とする位置に形成されたパイプ部材80の内周面81に120°の位相差を有しているから、第1のヨーク85と第2のヨーク86とはその角度位置が位置決めされる。従って、図9に示す前述の実施形態と同様に図6に示すような位置決めピン42を削除することができる。
【0106】
なお、前述した全ての実施形態において、図11に示すように、コア11に薄肉円筒状のパイプを外嵌することができる。つまり、コア11の外周面と、例えば第1のヨーク15の弧面152a、第2のヨーク16の弧面162aとの間に合成樹脂製の円筒状スペーサ90を外嵌する。円筒状スペーサ90は、コア11と弧面152a、162aとの隙間内に挿入されるものであり、この円筒状スペーサ90をコア11に外嵌することにより、コア11と弧面152a、162aとのギャップを確実に確保することができる。これにより、コア11が第1のヨーク15の弧面152a及び第2のヨーク16の弧面162a内を回転する際に、外圧が加わっても、コア11と弧面152a、162aとのギャップを均一にすることができ、コアの角度測定を精度よく行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
10、30、50(差動トランス型)角度センサ
11、コア
111、切り欠き部
12、励磁コイル
13、第1の検出コイル
14、第2の検出コイル
15、35、55第1のヨーク
151、351、551、外筒部
152、352、552、ヨーク部
152a、352a、552a弧面
152b、352b、552b、胴体部
16、36、56、第2のヨーク
161、361、561、外筒部
162、362、562、ヨーク部
162a、362a、562a、弧面
162b、362b、562b、胴体部
18、38、58、第1のヨーク支持キャップ
19、39、59、第2のヨーク支持キャップ
21、41、61、パイプ部材
22、42、62、位置決めピン
70、パイプ部材
71、内周面
75、第1のヨーク
76、第2のヨーク
80、パイプ部材
81、内周面
82、円弧状突起部
85、第1のヨーク
85d、円弧状凹部
86、第2のヨーク
86d、円弧状凹部
90、円筒状スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って外周面の一部に平面状の切り欠き部を有して円柱状に形成される回転可能なコアと、前記コアに外装される励磁コイルと、前記コアに外装されるとともに前記励磁コイルを間にして配設される第1の検出コイル及び第2の検出コイルと、前記励磁コイルと前記第1の検出コイルとの間に配設されて前記コアの中心軸に対して同心円上に形成されるとともに前記コアの中心軸に対して120°の円弧角度で形成された第1の弧面と前記第1の弧面から外周に広がる扇形状の胴体部とを有するヨーク部を備える第1のヨークと、前記励磁コイルと前記第2の検出コイルとの間に配設されて前記コアの中心軸に対して同心円上に形成されるとともに前記コアの中心軸に対して120°の円弧角度で形成された第2の弧面と前記第2の弧面から外周に広がる扇形状の胴体部とを有するヨーク部を備える第2のヨークと、を備え、前記第1のヨークと前記第2のヨークとが所定角度の位相差を有して配設されるとともに前記コアが回転することにより、前記第1の検出コイルの出力電圧と前記第2の検出コイルの出力電圧との差電圧に基づいて前記コアの回転角度を検出する差動トランス型角度センサであって、
前記第1のヨークと前記第2のヨークは、それぞれ前記ヨーク部と一体的に形成する外筒部を備えるとともに、前記第1のヨークと前記第2のヨークとはそれぞれの前記外筒部に嵌合するパイプ部材により連結され、
前記第1のヨークが、前記コアに軸受を介して支持される第1のヨーク支持キャップに、前記コアとの同心度を一致するように規制されて配設され、前記第2のヨークが、前記コアに軸受を介して支持される第2のヨーク支持キャップに前記コアとの同心度を一致するように規制されて配設され、
前記第1のヨークと前記第2のヨークとが、角度位置決め手段により所定角度の位相差を有して、前記コアに組み付けられていることを特徴とする差動トランス型角度センサ。
【請求項2】
前記第1のヨークには、前記第1のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第2のヨークには、前記第2のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第1のヨークの外周面と前記第2のヨークの外周面とに跨るように、前記パイプ部材が外嵌されていることを特徴とする請求項1記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項3】
前記第1のヨーク支持キャップと前記第2のヨーク支持キャップの外周面に前記パイプ部材が外嵌され、前記パイプ部材に、前記第1のヨークと前記第2のヨークが内嵌されていることを特徴とする請求項1記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項4】
前記第1のヨークには、前記第1のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第2のヨークには、前記第2のヨーク支持キャップが内嵌され、前記第1のヨークの内周面と前記第2のヨークの内周面とに跨るように、前記パイプ部材が内嵌されていることを特徴とする請求項1記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項5】
前記第1のヨークと前記第2のヨークとは、前記第1のヨーク及び第2のヨークを軸方向に連通する位置決めピンで位置決めされていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項6】
前記第1のヨークと前記第2のヨークとは、測定した特性グラフに沿って前記第1のヨークまたは第2のヨークを回転させる調整手段を使用して現合作業で位置決めすることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項7】
それぞれの前記ヨーク部の外周部には、それぞれの前記胴体部の外周面を含めた全周にわたってリング状の外環部が形成され、それぞれの前記外環部とそれぞれの前記胴体部とが別体で形成され、それぞれの前記外環部とそれぞれの前記胴体部とを溶接で接合することにより前記ヨーク部が形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項8】
前記パイプ部材の内周面が平面視正六角形に形成され、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの外周面が平面視正六角形に形成されていることを特徴とする請求項3記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項9】
前記パイプ部材が円筒状に形成され、前記パイプ部材の内周面には、全周の3等分された位置に円弧状突起部が形成され、前記第1のヨークの外周面及び前記第2のヨークの外周面には、全周の3等分された位置に前記円弧状突起部に嵌合する円弧状凹部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の差動トランス型角度センサ。
【請求項10】
前記コアには薄肉円筒状の樹脂製スペーサが外嵌されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9のいずれかに記載の差動トランス型角度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−150091(P2012−150091A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54182(P2011−54182)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】