説明

差込フィルタホルダ

【課題】ゼラチンフィルタをその厚みに関係なく好適に挟着保持してゼラチンフィルタの安定性を保つことができる差込フィルタホルダを提供すること。
【解決手段】フィルタ押さえ枠20は、一端部がホルダ本体10にそれぞれ固定され光束通過開口12の両側に沿って延びる一対の弾性脚部21と、この一対の弾性脚部21の内側に位置していて光束通過開口12の外囲に延びる矩形内側枠22と、この一対の弾性脚部21と矩形内側枠22とを接続する接続部23とを有しており、矩形内側枠22に、ホルダ本体10とフィルタ押さえ枠20との間に保持するゼラチンフィルタGFに当接する4つの当接凸部22A、22B、22C、22Dが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒に挿脱可能な差込フィルタホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
図8、図9は従来の差込フィルタホルダ1を示している。この従来の差込フィルタホルダ1は、レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口2と、この開口2の周囲に位置するフィルタ保持凹部3とを有するホルダ本体4、及び開口2を閉塞するゼラチンフィルタ(光学フィルタ)GFをフィルタ保持凹部3上に挟着保持するフィルタ押さえ枠5を有している。
【0003】
フィルタ押さえ枠5は、略コの字形状の単一のばね部材からなり、その両端部がホルダ本体4に固定ねじPで固定されている。コの字形状の各辺にはそれぞれ、ホルダ本体4とフィルタ押さえ枠5の間に保持するゼラチンフィルタGFに当接する当接凸部5A、5B、5Cが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−298228号公報
【特許文献2】実開昭61−124026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゼラチンフィルタGFは、使用態様(色合い、明るさの調整)に応じて複数枚重ねて使用するのが普通であり、その重ねる枚数により厚みdが異なる。このため、ゼラチンフィルタGFをその厚みdに関係なく好適に挟着保持するのが難しい。
【0006】
すなわち、図9に示すように、ゼラチンフィルタGFの厚みdが大きいと(多数枚使用すると)、フィルタ押さえ枠5のうち固定ねじPから最も離れて位置する一辺が浮き上がり、この一辺に形成された当接凸部5CがゼラチンフィルタGFに当接できず、ゼラチンフィルタGFを挟着する強度が低下して、ゼラチンフィルタGFの安定性が保てない。
【0007】
一方、当接凸部5Cを当接凸部5A、5Bよりも高くすることで当接凸部5CとゼラチンフィルタGFの当接を確保することも考えられるが、ゼラチンフィルタGFの厚みdが小さいと(例えば1枚だけで使用すると)、当接凸部5Cを高くした分だけ当接凸部5A、5Bが形成された二辺が浮き上がり、これら当接凸部5A、5BがゼラチンフィルタGFに当接できず、ゼラチンフィルタGFを挟着する強度が低下して、ゼラチンフィルタGFの安定性が保てない。
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、ゼラチンフィルタをその厚みに関係なく好適に挟着保持してゼラチンフィルタの安定性を保つことができる差込フィルタホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の差込フィルタホルダは、レンズ鏡筒に挿脱可能で、該レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口と、該開口の周囲に位置するフィルタ保持凹部とを有するホルダ本体;及び上記光束通過開口を閉塞する光学フィルタを上記フィルタ保持凹部上に挟着保持する、単一のばね部材からなるフィルタ押さえ枠;を有する差込フィルタホルダにおいて、上記フィルタ押さえ枠は、一端部がホルダ本体にそれぞれ固定され上記光束通過開口の両側に沿って延びる一対の弾性脚部と、上記一対の弾性脚部の内側に位置していて上記光束通過開口の外囲に延びる内側枠と、この一対の弾性脚部と内側枠とを接続する接続部とを有しており、上記内側枠に、上記ホルダ本体とフィルタ押さえ枠との間に保持する光学フィルタに当接する少なくとも3つ以上の当接凸部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
上記接続部は、上記一対の弾性脚部の自由端部間を接続する、該フィルタ押さえ枠をフィルタ保持凹部から離間させる方向に弾性変形させるための着力部を有する着力枠の延長上に設けることができ、この着力枠は同時に、上記内側枠の一部を兼ねている兼用枠とすることができる。
【0011】
上記兼用枠にも、上記ホルダ本体とフィルタ押さえ枠との間に保持する光学フィルタに当接する少なくとも1つ以上の当接凸部を形成することができる。
【0012】
上記兼用枠以外の内側枠のばね定数は、上記一対の弾性脚部と着力枠のばね定数より小さく設定することが好ましい。この場合、上記フィルタ押さえ枠を同一厚さの板ばね材料から構成し、上記ばね定数の大小は、該板ばね材料の幅の大小で設定することができる。
【0013】
上記当接凸部のうちの少なくとも2つは、上記一対の弾性脚部の延長線に略直交する直線上に並列して配置することが好ましい。
【0014】
別の態様では、上記接続部は、上記内側枠を含む平面を、上記一対の弾性脚部を含む平面に対して揺動可能に支持する回動(捩れ)接続部から構成することができる。
【0015】
この場合、上記フィルタ押さえ枠を同一厚さの板ばね材料から構成し、上記回動接続部のばね材料の幅を、一対の弾性脚部及び内側枠を構成するばね材料の幅より小さく設定することが好ましい。
【0016】
本発明の差込フィルタホルダは、さらに別の態様では、レンズ鏡筒に挿脱可能で、該レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口と、該開口の周囲に位置するフィルタ保持凹部とを有するホルダ本体;及び上記光束通過開口を閉塞する光学フィルタを上記フィルタ保持凹部上に挟着保持する、単一のばね部材からなるフィルタ押さえ枠;を有する差込フィルタホルダにおいて、上記フィルタ押さえ枠は、一端部がホルダ本体にそれぞれ固定され上記光束通過開口の両側に沿って延びる一対の弾性脚部と、上記一対の弾性脚部を接続する兼用接続部とからなる第1のコの字状またはU字状押さえ枠と、上記第1のコの字状またはU字状押さえ枠の兼用接続部から上記一対の弾性脚部の内側に向かって上記光束通過開口の外囲に延びる第2のコの字状またはU字状押さえ枠とを有し、上記第2のコの字状またはU字状押さえ枠のばね定数は、上記第1のコの字状またはU字状押さえ枠のばね定数よりも小さく設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゼラチンフィルタをその厚みに関係なく好適に挟着保持してゼラチンフィルタの安定性を保つことができる差込フィルタホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る差込フィルタホルダの構成を示す正面図である。
【図2】図1の差込フィルタホルダのフィルタ押さえ枠の単独構成を示す正面図である。
【図3】図1の差込フィルタホルダに光学フィルタを挟み込んで保持した状態を示す概略断面図である。
【図4】図1の差込フィルタホルダの第1の変形例の構成を示す正面図である。
【図5】図1の差込フィルタホルダの第2の変形例の構成を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る差込フィルタホルダのフィルタ押さえ枠の単独構成を示す正面図である。
【図7】図6のフィルタ押さえ枠を有する差込フィルタホルダに光学フィルタを挟み込んで保持した状態を示す概略断面図である。
【図8】従来の差込フィルタホルダの構成を示す正面図である。
【図9】従来の差込フィルタホルダの問題点を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1乃至図3は、本発明の実施の形態1に係る差込フィルタホルダ100を示している。差込フィルタホルダ100は、ホルダ本体10と、このホルダ本体10に一対の固定ねじPで固定されたフィルタ押さえ枠20とを有している。
【0020】
ホルダ本体10は、レンズ鏡筒(図示せず)の外周面に沿う部分円筒状の外装板11を有しており、この外装板11に設けたつまみ部11aを介して、レンズ鏡筒に形成された切欠部(図示せず)に挿脱可能である。
【0021】
ホルダ本体10には、レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口(光束透過開口)12と、この開口12の周囲に位置するフィルタ保持凹部13とを有している。符号Oは、レンズ鏡筒の撮影光軸(つまり円形の開口12の中心)を示している。フィルタ保持凹部13には、開口12を閉塞しかつ光軸直交方向への移動が規制された状態でゼラチンフィルタGFが収納される。ゼラチンフィルタGFは、画像の色合い、明るさを調整するため、光の透過率を変化させるゼラチン質の材料からなる光学フィルタである。
【0022】
フィルタ押さえ枠20は、単一のばね部材(板ばね材料)からなり、一端部がホルダ本体10に固定ねじPでそれぞれ固定され開口12の両側に沿って延びる一対の弾性脚部21と、この一対の弾性脚部21の内側に位置していて開口12の外囲に位置する矩形の内側枠22と、この一対の弾性脚部21と矩形内側枠22を接続する接続部23とを有している。矩形内側枠22の固定ねじPから離れた側の端部は、接続部23の延長上に延びる着力枠24を構成しており、この着力枠24には、フィルタ押さえ枠20をフィルタ保持凹部13から離間させる方向に弾性変形させるための着力つまみ(着力部)24aが形成されている。着力枠24は、矩形内側枠22の一部(一対の弾性脚部21の固定部から離れた側の一辺部)を兼ねている兼用枠である。
【0023】
また、矩形内側枠22は、着力枠(下辺部)24を除く左右辺部22a及び上辺部22bのばね定数が、一対の弾性脚部21と着力枠24(接続部23)のばね定数よりも小さく設定されている。すなわち、フィルタ押さえ枠20は、同一厚さの板ばね材料からなっていて、着力枠24以外の矩形内側枠22は、一対の弾性脚部21と着力枠24(接続部23)よりも板ばね材料の幅が小さくなっている。
【0024】
矩形内側枠22には、着力枠(下辺部)24、左右辺部22a及び上辺部22bの四隅に位置させて、4つの当接凸部22A、22B、22C、22Dが形成されている。当接凸部22Aと22D、及び当接凸部22Bと22Cは、それぞれ、一対の弾性脚部21の延長線に略直交する直線上(図中左右方向)に並列して配置されている。
【0025】
以上の構成の差込フィルタホルダ100にゼラチンフィルタGFを挟着するには、着力つまみ24aを持ち上げてフィルタ押さえ枠20をフィルタ保持凹部13から離間させる方向に弾性変形させた状態で、フィルタ保持凹部13にゼラチンフィルタGFを挿入する。これにより、ゼラチンフィルタGFが開口12を閉塞するとともに、ゼラチンフィルタGFの光軸直交方向への移動が規制される。そして、着力つまみ24aを離すとフィルタ押さえ枠20が弾性復帰して、まず固定ねじPに近い側で並列配置された当接凸部22A、22DがゼラチンフィルタGFに当接し、次いでゼラチンフィルタGFの厚みdに応じた量だけ接続部23が捩れた状態で、固定ねじPから遠い側で並列配置された当接凸部22B、22CがゼラチンフィルタGFに当接する。このようにして、4つの当接凸部22A−22DがゼラチンフィルタGFに当接して、ゼラチンフィルタGFがホルダ本体10(フィルタ保持凹部13)とフィルタ押さえ枠20の間に挟着保持される。すなわち、ゼラチンフィルタGFの光軸方向への移動が規制される。レンズ鏡筒への装着は、差し込みフィルタホルダ100を、外装板11に設けたつまみ部11aを介して、レンズ鏡筒に形成された切欠部(図示せず)に挿入して行う。
【0026】
ここで、上述した通り、ゼラチンフィルタGFは、使用態様(色合い、明るさの調整)に応じて複数枚重ねて使用するのが普通であり、その重ねる枚数により厚みdが異なる。このため、従来品では、ゼラチンフィルタGFをその厚みdに関係なく好適に挟着保持するのが難しかった。
【0027】
これに対し、本実施形態では、フィルタ押さえ枠20が、一端部がホルダ本体10にそれぞれ固定され開口12の両側に沿って延びる一対の弾性脚部21と、この一対の弾性脚部21の内側に位置していて開口12の外囲に延びる矩形内側枠22と、この一対の弾性脚部21と矩形内側枠22とを接続する接続部23とを有しており、矩形内側枠22に、ホルダ本体10とフィルタ押さえ枠20との間に保持するゼラチンフィルタGFに当接する4つの当接凸部22A−22Dを形成したので、ゼラチンフィルタGFの厚みdに応じた量だけ接続部23が捩れ、ゼラチンフィルタGFをその厚みdに関係なく好適に挟着保持することができる。
【0028】
すなわち、図3に示すように、一対の弾性脚部21と矩形内側枠22のなす角度がゼラチンフィルタGFの厚みdに応じて変化し得るので、ゼラチンフィルタGFの厚みが大きいときには一対の弾性脚部21と矩形内側枠22のなす角度が大きくなり(接続部23の捩れ量が大きくなり)、ゼラチンフィルタGFの厚みが小さいときには一対の弾性脚部21と矩形内側枠22のなす角度が小さくなる(接続部23の捩れ量が小さくなる)結果、ゼラチンフィルタGFと4つの当接凸部22A−22Dとを常に好適に当接させることができる。
【0029】
別言すると、一対の弾性脚部21と着力枠24(接続部23)により形成されたコの字状押さえ枠(第1押さえ枠)と、着力枠24(接続部23)から一対の弾性脚部21の内側に向かって延びる辺部22aと22bからなるコの字状押さえ枠(第2押さえ枠)とが、ゼラチンフィルタGFの面をバランスよく押さえて、4つの当接凸部22A−22Dを当接させることができる。
【0030】
特に、着力枠(兼用枠)24以外の矩形内側枠22(辺部22a、22b)のばね定数を、一対の弾性脚部21と着力枠24(接続部23)のばね定数より小さく設定したので、一対の弾性脚部21と着力枠24(接続部23)によりゼラチンフィルタGFを強固に押さえる一方、着力枠(兼用枠)24以外の矩形内側枠22(辺部22a、22b)により補強的にゼラチンフィルタGFを押さえることができる結果、ゼラチンフィルタGFの面を均一に押さえることができる。
【0031】
図4は、差込フィルタホルダ100の第1の変形例を示しており、一対の弾性脚部21の内側に位置していて開口12の外囲に延びるU字状内側枠25と、直線状の着力枠(兼用枠)24によって閉じられた内側枠22’を形成している。この実施形態では、U字状内側枠25のばね定数は、他の部分のばね定数より低く(幅を狭く)設定されている。図4(A)の変形例では、U字状内側枠25に、3つの当接凸部25A、25B、25Cが形成されている。図4(B)の変形例では、U字状内側枠25に2つの当接凸部25D、25Eが形成され、兼用枠としての着力枠24に1つの当接凸部24Aが形成されている。本変形例においても、3つの当接凸部(25Aと25Bと25C、又は25Dと25Eと24A)のすべてがゼラチンフィルタGFに好適に当接でき、ゼラチンフィルタGFを安定して挟着保持することができる。特に、並列配置された当接凸部25Bと25C、当接凸部25Dと25Eが同時にゼラチンフィルタGFに当接する(一方の当接凸部だけが浮き上がることがない)ので、ゼラチンフィルタGFの安定性が高い。
【0032】
図5は、差込フィルタホルダ100の第2の変形例を示している。この変形例では、一対の弾性脚部21の内側に位置していて開口12の外囲に延びるU字状内側枠26と、逆U字状着力枠27によって閉じられた内側枠22’’を構成している。この実施形態では、U字状内側枠26のばね定数は、他の部分のばね定数より低く(幅を狭く)設定されている。また、フィルタ保持凹部13’は逆U字状着力枠27に合わせたU字形状となっている。図5(A)の変形例では、U字状内側枠26に1つの当接凸部26Aが形成され、逆U字状着力枠27に2つの当接凸部27A、27Bが形成されている。図5(B)の変形例では、U字状内側枠26に2つの当接凸部26B、26Cが形成され、逆U字状着力枠27に1つの当接凸部27Cが形成されている。本変形例においても、3つの当接凸部(26Aと27Aと27B、又は26Bと26Cと27C)のすべてがゼラチンフィルタGFに好適に当接でき、ゼラチンフィルタGFを安定して挟着保持することができる。特に、並列配置された当接凸部27Aと27B、当接凸部26Bと26Cが同時にゼラチンフィルタGFに当接する(一方の当接凸部だけが浮き上がることがない)ので、ゼラチンフィルタGFの安定性が高い。
【0033】
(実施の形態2)
図6及び図7は、本発明の実施の形態2に係る差込フィルタホルダ200を示している。本実施の形態2の差込フィルタホルダ200は、実施の形態1のフィルタ押さえ枠20に代えてフィルタ押さえ枠30を有している。ホルダ本体10の構成は実施の形態1と同一なので、図示及びその説明を省略する。
【0034】
フィルタ押さえ枠30は、一端部がホルダ本体10にそれぞれ固定され開口12の両側に沿って延びる一対の弾性脚部31と、この一対の弾性脚部31の内側に位置していて開口12の外囲に延びる中空四角状内側枠32と、この一対の弾性脚部31と中空四角状内側枠32を接続する回動接続部(捩れ接続部)33とを有している。回動接続部33は、中空四角状内側枠32を含む平面(面)を、一対の弾性脚部31を含む平面(面)に対して揺動可能に支持している。
【0035】
回動接続部33のばね定数は、一対の弾性脚部31と中空四角状内側枠32のばね定数より小さく設定されている。すなわち、フィルタ押さえ板30は、同一厚さの板ばね材料からなっていて、回動接続部33は、一対の弾性脚部31と中空四角状内側枠32よりも板ばね材料の幅が小さくなっている。また、本実施形態では、中空四角状内側枠32のばね定数は一対の弾性脚部31のばね定数よりも小さく設定されている(中空四角状内側枠32は一対の弾性脚部31よりも幅が小さくなっている)。中空四角状内側枠32の四隅には、4つの当接凸部32A、32B、32C、32Dが形成されている。中空四角状内側枠32の固定ねじPから最も離れた一辺には、着力つまみ(着力部)32aが形成されている。
【0036】
本実施形態によれば、図7に示すように、回動接続部33がゼラチンフィルタGFの厚みdに応じて捩れることにより、中空四角状内側枠32が一対の弾性脚部31に対して揺動するので、中空四角状内側枠32をゼラチンフィルタGFに対して平行に維持できる結果、ゼラチンフィルタGFと4つの当接凸部32A−32Dとを常に好適に当接させることができる。
【0037】
以上の実施形態では、光学フィルタとしてゼラチンフィルタを用いる場合を例示して説明したが、それ以外の光学フィルタを用いる場合についても本発明は同様に適用可能である。
【0038】
また、以上の実施形態において、内側枠及び着力枠に形成する当接凸部の数、位置、大きさ等は、本発明の技術思想の範囲内で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
100 差込フィルタホルダ
10 ホルダ本体
11 外装板
11a つまみ部
12 開口(光束透過開口)
13 13’ フィルタ保持凹部
20 フィルタ押さえ枠
21 一対の弾性脚部
22 矩形内側枠
22’ 22’’ 内側枠
22a、22b 辺部
22A、22B、22C、22D 当接凸部
23 接続部
24 着力枠(兼用枠)
24a 着力つまみ(着力部)
24A 当接凸部
25 U字状内側枠
25A、25B、25C、25D、25E 当接凸部
26 U字状内側枠
26A、26B、26C 当接凸部
27 逆U字状着力枠(兼用枠)
27A、27B、27C 当接凸部
200 差込フィルタホルダ
30 フィルタ押さえ枠
31 一対の弾性脚部
32 中空四角状内側枠
32a 着力つまみ(着力部)
33 回動(捩れ)接続部
GF ゼラチンフィルタ(光学フィルタ)
O 光軸
P 固定ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒に挿脱可能で、該レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口と、該開口の周囲に位置するフィルタ保持凹部とを有するホルダ本体;及び
上記光束通過開口を閉塞する光学フィルタを上記フィルタ保持凹部上に挟着保持する、単一のばね部材からなるフィルタ押さえ枠;を有する差込フィルタホルダにおいて、
上記フィルタ押さえ枠は、一端部がホルダ本体にそれぞれ固定され上記光束通過開口の両側に沿って延びる一対の弾性脚部と、この一対の弾性脚部の内側に位置していて上記光束通過開口の外囲に延びる内側枠と、上記一対の弾性脚部と内側枠とを接続する接続部とを有しており、
上記内側枠に、上記ホルダ本体とフィルタ押さえ枠との間に保持する光学フィルタに当接する少なくとも3つ以上の当接凸部が形成されていることを特徴とする差込フィルタホルダ。
【請求項2】
請求項1記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記接続部は、上記一対の弾性脚部の自由端部間を接続する、該フィルタ押さえ枠をフィルタ保持凹部から離間させる方向に弾性変形させるための着力部を有する着力枠の延長上に設けられており、この着力枠は同時に、上記内側枠の一部を兼ねている兼用枠である差込フィルタホルダ。
【請求項3】
請求項2記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記兼用枠に、上記ホルダ本体とフィルタ押さえ枠との間に保持する光学フィルタに当接する少なくとも1つ以上の当接凸部が形成されている差込フィルタホルダ。
【請求項4】
請求項2または3記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記兼用枠以外の内側枠のばね定数は、上記一対の弾性脚部と着力枠のばね定数より小さく設定されている差込フィルタホルダ。
【請求項5】
請求項4記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記フィルタ押さえ枠は、同一厚さの板ばね材料からなっていて、上記ばね定数の大小は、該板ばね材料の幅の大小で設定されている差込フィルタホルダ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記当接凸部のうちの少なくとも2つは、上記一対の弾性脚部の延長線に略直交する直線上に並列して配置されている差込フィルタホルダ。
【請求項7】
請求項1記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記接続部は、上記内側枠を含む平面を、上記一対の弾性脚部を含む平面に対して揺動可能に支持する回動接続部からなっている差込フィルタホルダ。
【請求項8】
請求項7記載の差込フィルタホルダにおいて、
上記フィルタ押さえ枠は、同一厚さの板ばね材料からなっていて、上記回動接続部のばね材料の幅は、一対の弾性脚部及び内側枠を構成するばね材料の幅より、小さく設定されている差込フィルタホルダ。
【請求項9】
レンズ鏡筒に挿脱可能で、該レンズ鏡筒への挿入状態で光束を通す開口と、該開口の周囲に位置するフィルタ保持凹部とを有するホルダ本体;及び
上記光束通過開口を閉塞する光学フィルタを上記フィルタ保持凹部上に挟着保持する、単一のばね部材からなるフィルタ押さえ枠;を有する差込フィルタホルダにおいて、
上記フィルタ押さえ枠は、
一端部がホルダ本体にそれぞれ固定され上記光束通過開口の両側に沿って延びる一対の弾性脚部と、上記一対の弾性脚部を接続する兼用接続部とからなる第1のコの字状またはU字状押さえ枠と、
上記第1のコの字状またはU字状押さえ枠の兼用接続部から上記一対の弾性脚部の内側に向かって上記光束通過開口の外囲に延びる第2のコの字状またはU字状押さえ枠とを有し、
上記第2のコの字状またはU字状押さえ枠のばね定数は、上記第1のコの字状またはU字状押さえ枠のばね定数よりも小さく設定されていることを特徴とする差込フィルタホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−81050(P2011−81050A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231180(P2009−231180)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】