巻き芯
【課題】 巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる巻き芯を提供する。
【解決手段】 芯本体1の第1側部接合面21と第2側部接合面22とを接合することより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯10において、第1側部接合面21に、縦方向に離れて第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が設けられ、第2側部接合面22に、前記第1側部接合面21の位置決め凸部を入れる位置決め凹部が設けられ、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合され、第1位置決め凸部31を位置決め凹部から外した際に、第2位置決め凸部32が位置決め凹部内に入った状態で第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるように構成されている。
【解決手段】 芯本体1の第1側部接合面21と第2側部接合面22とを接合することより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯10において、第1側部接合面21に、縦方向に離れて第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が設けられ、第2側部接合面22に、前記第1側部接合面21の位置決め凸部を入れる位置決め凹部が設けられ、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合され、第1位置決め凸部31を位置決め凹部から外した際に、第2位置決め凸部32が位置決め凹部内に入った状態で第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状ラベル連続体やテープなどの長状材を巻き付けるために用いられる巻き芯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、飲料容器などに被せて熱収縮装着される、熱収縮性筒状ラベルが知られている。かかる熱収縮性筒状ラベルにおいては、通常、その複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体の形態でラベラーに供給される。かかる筒状ラベル連続体は、長尺状であるので、通常、巻き芯の周囲に巻き付けた状態(ロール品)として保管・運搬に供される。
そして、使用時には、前記ロール品から筒状ラベル連続体を引き出し、所定長さで切断して個々の熱収縮性筒状ラベルを得た後、それを容器などの被着体に順次装着していく。
【0003】
機械的連続工程にて熱収縮性筒状ラベルを装着する場合、前記ロール品の複数個をロールフィーダに装填し、ロールフィーダによって引き出された筒状ラベル連続体をラベラーに供給し、ラベラーにて熱収縮性筒状ラベルの装着作業が順次連続的に行われる。
このロールフィーダにロール品を装填する際、全てのロール品の筒状ラベル連続体を1本に繋ぐ場合がある。具体的には、個々のロール品について、その巻き芯を引き抜くことによって巻き状態の筒状ラベル連続体のみを取り出す。そして、1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の外側端部(引出し端部)ともう1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の内側端部(巻取り端部)とを繋ぎ合わせていき、複数の巻き状態の筒状ラベル連続体が長手方向に繋がった1本の長尺物を形成する。
この長尺物をロールフィーダに装填し、ロールフィーダから前記1本の長尺物がラベラーに供給されることによって、個々の熱収縮性筒状ラベルを順次連続的且つ効率的に被着体に装着できるようになる。
【0004】
ところで、前記ロール品においては、巻き芯に筒状ラベル連続体が巻き付いているので、その巻き芯のみを引き抜くことは困難である。
この点、特許文献1の[0047]〜[0057]には、帯状材Tが巻回された円筒状の巻芯体1であって、複数の湾曲体3,4,5,6が可撓性を有する薄肉部8を介して連設され、湾曲体3,6の左右側部の上下端部2箇所に上方視略L字状の係合部3d,6dが形成され、両係合部3d,6dを係止させることにより筒状を成す巻芯体1が開示されている。
この巻芯体1は、一方の湾曲体3を内側に引き込んで係合部3d,6dの係合を解除することにより、筒状が崩れる。このため、ロール品から巻芯体のみを引き抜くことができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の巻芯体は、湾曲体を内側に引き込んでも、上下端部の各係合部の係合を同時に解除することが困難であり、ロール品の状態では、巻芯体の筒状を容易に崩すことができない。
具体的には、帯状材が巻かれた状態の巻芯体の周囲には、外側から中心方向に向かって巻き圧が作用している。かかる巻き圧によって、上記上下端部の各係合部は、互いに強く接する結果、強固に噛み合っている。このため、湾曲体の上端部を内側に引き込んで上端部における係合部の係合を解除しても、下端部における係合部が強固に噛み合った状態なので、その係合を解除できない。このため、上記巻芯体の筒状を崩すためには、湾曲体の上端部及び下端部を同時に内側に引き込まなければならないが、この作業は人手では困難である。特に、巻芯体の周囲に帯状材が巻かれている状態で、湾曲体の上端部及び下端部を同時に内側に引き込むことが極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−226470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、長状材を巻付けた状態で、筒状を成す芯本体の接合を解除し、巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる巻き芯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の巻き芯は、芯本体の第1側部外面又は第1側部内面に形成された第1側部接合面と芯本体の第2側部内面又は第2側部外面に形成された第2側部接合面とを接合することにより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯において、前記第1側部接合面には、位置決め凸部又は位置決め凹部の少なくとも何れか一方が設けられ、前記第2側部接合面には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられ、前記位置決め凸部が、芯本体の縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合され、前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれることを特徴とする。
【0009】
本発明の巻き芯は、縦方向に離れた第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合されるので、安定的な筒状を成している。
第1側部接合面と第2側部接合面を離反させるように引張ることによって第1位置決め凸部を位置決め凹部から外すと、第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれるため、第2位置決め凸部の位置決め凹部に対する係合が解除される。
このように第1位置決め凸部の位置決め凹部に対する係合を解除するだけで、第2位置決め凸部の係合も解除されるので、芯本体の筒状を容易に崩すことができる。
芯本体の筒状が崩れた巻き芯は、ロール状の長状材から容易に引き抜くことができる。
【0010】
本発明の好ましい巻き芯は、前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第1位置決め凸部が第1側部接合面の縦方向一方側の端部から離れて設けられ且つ前記第2位置決め凸部が第1側部接合面の縦方向他方側の端部から離れて設けられている。
【0011】
一般に、長状材を巻いた巻き芯を搬送中、側部接合面の端部が異物に接触し、第1側部接合面の端部と第2側部接合面の端部が離反するような外力が加わる場合がある。この場合、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が第1側部接合面の端部に設けられていると、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が位置決め凹部から不用意に外れ、芯本体の筒状が崩れるおそれがある。
この点、上記好ましい巻き芯は、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部がそれぞれ第1側部接合面の端部から離れたところに設けられている。このため、第1側部接合面の端部が異物に接触しても、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が位置決め凹部から不用意に外れることを防止できる。
【0012】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記第1位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合することにより、前記第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合される。
【0013】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第2側部接合面に、前記第1位置決め凸部を入れる第1位置決め凹部及び前記第2位置決め凸部を入れる第2位置決め凹部がそれぞれ設けられており、前記第2位置決め凹部は、前記第2位置決め凸部が縦方向に動き得る大きさに形成されており、第1側部接合面と第2側部接合面とを接合した際に、前記第1位置決め凸部の縁部が前記第1位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が前記第2位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合する。
【0014】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記芯本体が、複数の壁体から構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の巻き芯は、長状材を巻付けた状態で、筒状を成す芯本体の接合部における第1位置決め凸部を位置決め凹部から外すと、接合部の接合を容易に解除できる。
このため、巻き付けた長状材から巻き芯を簡単に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図2】同巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図3】同巻き芯の接合部の拡大正面図。
【図4】本発明の壁体(芯本体を構成する壁体)の斜視図。
【図5】同壁体の中央部省略拡大正面図。
【図6】筒状の巻き芯の接合部において、第2位置決め凸部が第1位置決め凹部から外れた状態の斜視図。
【図7】図6のVII−VII線で切断した部分断面図。
【図8】同接合部において、第2位置決め凸部と第2位置決め凹部の係合が解除された状態の部分断面図。
【図9】筒状が崩れた巻き芯の斜視図。
【図10】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図11】図10の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図12】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図13】図12の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図14】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図15】図14の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図16】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図17】他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図18】他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図19】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図20】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図21】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、本明細書において、「縦方向」は、筒状とされた芯本体の軸長方向であり、「周方向」は、筒状とされた芯本体の周方向である。なお、壁体の説明においての「縦方向」は、壁体を組み合わせて芯本体としたときに、その軸長方向となる方向であり、壁体の説明においての「周方向」は、壁体を組み合わせて芯本体としたときに、その周方向となる方向である。
各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。
また、本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。
【0018】
図1乃至図3において、本発明の巻き芯10は、着脱可能な第1側部接合面21と第2側部接合面22が接合された接合部2を少なくとも1箇所有し、第1側部接合面21と第2側部接合面22とを接合することにより筒状を成し且つ前記接合を解除することにより筒状が崩れる芯本体1を有する。
【0019】
この巻き芯10の外周面には、長状材(図示せず)が巻き付け可能である。
長状材は、特に限定されず、例えば、粘着ラベルの複数が長尺状の離型紙上に並んで仮貼付されたラベル連続体、ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々のラベルに切断されるラベル連続体、熱収縮性筒状ラベル又はストレッチ性筒状ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体、長尺状のテープ、長尺状の紐などが挙げられる。
【0020】
巻き芯10は、軸芯部分が空洞となった筒状であれば、その具体的形状は特に限定されず、図1に示すような、円筒状でもよいし、或いは、特に図示しないが、四角筒状や六角筒状などの多角筒状、楕円筒状などに形成されていてもよい。
円筒状の巻き芯10の外周面は、上面視(縦方向一方側T1から他方側T2に向かって巻き芯10を見たとき)で円を成しており、好ましくは、その内周面も上面視で円を成している。なお、前記円は、厳密な真円という意味ではなく、概ね円形と認められるという意味である。
【0021】
本発明の巻き芯10が円筒状又は楕円筒状である場合には、芯本体1及びこれを構成する複数の壁体51,52,53は、その外面が湾曲面とされる。
また、巻き芯10が円筒状である場合、その半径は長状材に応じて適宜設計されるが、例えば、長状材として上記ラベル連続体や筒状ラベル連続体を巻き付ける場合には、その半径(中心点から外周面の一点までの直線長さ)は、3cm〜20cmである。また、巻き芯10の縦方向の長さは、特に限定されないが、例えば、3cm〜40cmである。
【0022】
巻き芯10は、上述の芯本体1を有しており、本発明の効果を損ねないことを条件にして、芯本体以外の構成を有していてもよい。
芯本体1は、少なくとも1箇所の接合部2において縦方向に沿って分断可能である。
前記接合部2は、互いに連結でき且つそれを解除できる、前記第1側部接合面21と第2側部接合面22から構成されている。
【0023】
前記芯本体1の第1側部接合面21は、芯本体1の周方向第1側S1の側部外面又は側部内面に形成されており、前記芯本体1の第2側部接合面22は、芯本体1の周方向第2側S2の側部内面又は側部外面に形成されている。例えば、前記第1側部接合面21が側部外面に形成される場合には、第2側部接合面22は側部内面に形成され、一方、前記第1側部接合面21が側部内面に形成される場合には、第2側部接合面22は側部外面に形成される。
第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、それぞれ周方向に所定幅で且つ縦方向に延びる領域である。
なお、第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、縦方向と略平行に延びていることが好ましい。
【0024】
前記第1側部接合面21には、位置決め凸部又は位置決め凹部が設けられ、前記第2側部接合面22には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられている。
位置決め凸部は、芯本体1の径方向から位置決め凹部に挿入脱可能である。
【0025】
位置決め凸部は、第1側部接合面21又は第2側部接合面22に、縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、一方、位置決め凹部は、1つ以上設けられる。
以下、複数の位置決め凸部を区別する必要がある場合には、第1位置決め凸部、第2位置決め凸部などのように接頭語を付する。同様に、位置決め凹部が複数設けられ且つそれら位置決め凹部を区別する必要がある場合には、第1位置決め凹部、第2位置決め凹部などのように接頭語を付する。
【0026】
例えば、前記第1側部接合面21に少なくとも2つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部)が設けられている場合には、前記第2側部接合面22にそれらが入れられる少なくとも1つの位置決め凹部が設けられ、一方、前記第2側部接合面22に少なくとも2つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部)が設けられている場合には、前記第1側部接合面21にそれらが入れられる少なくとも1つの位置決め凹部が設けられる。
【0027】
なお、位置決め凹部が2つ以上設けられる場合には、前記第1側部接合面21に少なくとも1つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部)が設けられ且つ第2側部接合面22に少なくとも1つの位置決め凸部(少なくとも第2位置決め凸部)が設けられ、さらに、前記第1側部接合面21に前記第2側部接合面22の位置決め凸部(第2位置決め凸部)が入れられる少なくとも1つの位置決め凹部(少なくとも第2位置決め凹部)が設けられ、且つ、前記第2側部接合面22に前記第1側部接合面21の位置決め凸部(第1位置決め凸部)が入れられる少なくとも1つの位置決め凹部(少なくとも第1位置決め凹部)が設けられてもよい。
【0028】
接合部2において、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れて係合させることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合される。一方、接合部2において、前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるようになっている。
【0029】
芯本体1は、1つの部材から構成されていてもよいし、複数の部材を組み合わせて構成されていてもよい。
本実施形態では、芯本体1は、複数の部材(壁体51,52,53)の組み合わせから構成されている。
巻き芯10を構成する複数の壁体51,52,53は、周方向両側(周方向第1側S1及び周方向第2側S2)において、縦方向に延びる第1側部接合面21及び第2側部接合面22をそれぞれ有する。そして、隣接する壁体の側部接合面21,22同士を接合して接合部2を形成することにより、筒状の芯本体1が構成される。
【0030】
芯本体1の形成材料は、特に限定されず、合成樹脂、金属、木などが挙げられる。成形容易で且つコスト的に優れていることから、芯本体1は、好ましくは合成樹脂から形成される。
芯本体1は、例えば、図1に示すように、3つの壁体(第1壁体51、第2壁体52及び第3壁体53)から構成されている。3つの壁体51,52,53は、同一形状でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
本実施形態では、前記3つの壁体51,52,53は同一形状とされている。以下、第1壁体51、第2壁体52及び第3壁体53の構成を纏めて説明する。
【0031】
図4は、第1壁体、第2壁体及び第3壁体の斜視図であり、図5は、その一部を拡大し且つ中央部を省略した部分正面図である。
図4及び図5において、壁体51,52,53は、湾曲状に形成された壁面部61と、壁面部61の周方向第1側S1に形成された第1側部接合面21と、壁面部61の周方向第2側S2に形成された第2側部接合面22と、を有する。
壁面部61の内面には、複数のリブ62が突設されている。複数のリブ62は、壁面部61の縦方向一方側T1の端縁及び縦方向他方側T2の端縁において、周方向に延びて形成された枠リブ621と、壁面部61の面内において、周方向に所定間隔を開けて縦方向に延びて形成された補強リブ622と、からなる。
【0032】
図示例では、第1側部接合面21は、内側に向かって(側部内面に)形成され、第2側部接合面22は、外側に向かって(側部外面に)形成されている。
第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、それぞれ平坦状に形成されている。もっとも、第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、平坦状に限定されない。
第1側部接合面21は、枠リブ621よりも低く、従って、第1側部接合面21の周方向第2側S2に、枠リブ621の端縁621aが位置している。また、壁面部61の内面には、前記枠リブ621の端縁621aの縦方向延長線上に、係止面63aを有するストッパー部63が複数設けられている。
一方、第2側部接合面22は、壁面部61の外面よりも内側に凹んでおり、従って、第2側部接合面22の周方向第1側S1に、係止面を有する段部64が形成されている。
【0033】
第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記ストッパー部63の係止面63aに第2側部接合面22の周方向第2側S2の端縁22aが当たり、且つ、前記段部64の係止面に第1側部接合面21の周方向第1側S1の端縁21aが当たる。
かかるストッパー部63及び段部64は、第1側部接合面21と第2側部接合面22を接合したときにそれらの周方向への位置ずれを防止する周方向位置決め手段に相当する。
なお、前記周方向位置決め手段は、第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、第1壁体51と第2壁体52が周方向に全く動き得ないような精密に設計されているわけではなく、第1壁体51と第2壁体52が周方向に少し動き得る、遊びを有するように設計されている。
【0034】
第1側部接合面21には、少なくとも2つの位置決め凸部31,32が設けられ、且つ第2側部接合面22には、この位置決め凸部31,32に対応して少なくとも2つの位置決め凹部41,42が設けられている。
本実施形態では、位置決め凸部は3つ設けられ、位置決め凹部も3つ設けられている。
第1位置決め凸部31は、第1側部接合面21の縦方向一方側T1の端部21b(以下、第1側部接合面21の一端部という)から離れた位置に設けられ、第2位置決め凸部32は、第1側部接合面21の縦方向他方側T2の端部21c(以下、第1側部接合面21の他端部という)から離れた位置に設けられている。
【0035】
第1位置決め凸部31の重心と第1側部接合面21の縦方向一方側T1の端縁との間隔H1及び第2位置決め凸部32の重心と第1側部接合面21の縦方向他方側T2の端縁との間隔H2(図5参照)は、特に限定されないが、例えば、5mm〜20mm程度である。
第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32とは、縦方向と略平行な仮想直線上に並んで設けられている。
第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32の形成間隔は、特に限定されないが、余りに近いと、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32と位置決め凹部の係合による、第1側部接合面21と第2側部接合面22をしっかりと接合できないおそれがある。かかる観点から、第1位置決め凸部31の重心と第2位置決め凸部32の重心の間隔は、5cm以上が好ましく、10cm以上がより好ましい。
【0036】
さらに、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32の間には、第3位置決め凸部33が設けられている。
第1乃至第3位置決め凸部31,32,33は、図示したような、同一方向に突出した2つの係合頂部311,311と互いに反対方向に突出した2つの角部312,312とを有する正面視略V字状に形成されている。
なお、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の先端部の周囲は、傾斜状に切り欠かれている(角取りされている)。
【0037】
第1位置決め凸部31は、前記2つの係合頂部311,311を第1側部接合面21の一端部21b側に向けて配置され、第2位置決め凸部32は、前記2つの係合頂部311,311を第1側部接合面21の他端部21c側に向けて配置され、第3位置決め凸部33は、前記2つの係合頂部311,311を壁面部61側に向けて配置されている。
【0038】
第1位置決め凹部41は、第2側部接合面22の縦方向一方側T1の端部22b(以下、第2側部接合面22の一端部という)から離れた位置に設けられ、第2位置決め凹部42は、第2側部接合面22の縦方向他方側T2の端部22c(以下、第2側部接合面22の他端部という)から離れた位置に設けられている。
第1位置決め凹部41と第2位置決め凹部42の間には、第3位置決め凹部43が設けられている。
なお、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の開口周縁は、傾斜状に切り欠かれている(角取りされている)。
【0039】
第1位置決め凸部31の係合頂部311,311から周方向と平行な仮想直線を引いたときに、その仮想直線上に第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1が位置するように、第1位置決め凹部41が配置されている。
第2位置決め凸部32の係合頂部311,311から周方向と平行な仮想直線を引いたときに、その仮想直線上に第2位置決め凹部42の内面の縦方向他方側T2が位置するように、第2位置決め凹部42が配置されている。
【0040】
図3に示すように、第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記第1位置決め凸部31の2つの係合頂部311,311(縁部)が位置決め凹部の内面の縦方向一方側T1に係合し、且つ前記第2位置決め凸部32の2つの係合頂部311,311(縁部)が位置決め凹部の内面の縦方向他方側T2に係合する。従って、接合部2において、前記第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合される。
【0041】
第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記第3位置決め凸部33の2つの係合頂部311,311は第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に係合するように、第3位置決め凹部43が配置されている。
【0042】
第1乃至第3位置決め凹部41,42,43は、何れも、正面視略円形状であり、第2側部接合面22の内外面に貫通する貫通孔からなる。もっとも、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43は、正面視略円形状に限られず、適宜な形状を採用してもよい。
この第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の正面視形状は、何れも、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の正面視形状よりも大きい。そして、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33は、各2つの角部312,312の先端間が最も長く、それぞれ2つの角部312,312の先端間の長さが、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の各直径よりも小さい。つまり、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の最大長さは、対応する第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の最大径よりも小さい。
【0043】
従って、第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41に挿入した際、第1位置決め凹部41は、第1位置決め凸部31が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。同様に、第2位置決め凹部42は、第2位置決め凸部32が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。第3位置決め凹部43は、第3位置決め凸部33が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。
【0044】
上記第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合し、第2壁体52の第1側部接合面21を第3壁体53の第2側部接合面22に接合し、第3壁体53の第1側部接合面21を第1壁体51の第2側部接合面22に接合することにより、図1乃至図3に示すような、巻き芯10(芯本体1)が得られる。
3つの壁体51,52,53からなる本実施形態の巻き芯10は、3つの接合部2を有する。
【0045】
具体的には、第1壁体51の第1側部接合面21の第1乃至第3位置決め凸部31,32,33を、第2壁体52の第2側部接合面22の第1乃至第3位置決め凹部41,42,43にそれぞれ挿入しつつ、その第1側部接合面21と第2側部接合面22を接合する。
第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の先端部の周囲及び第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の開口周縁は、傾斜状に切り欠かれているので、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33を第1乃至第3位置決め凹部41,42,43に比較的簡単に嵌め入れることができる。
【0046】
すると、図3に示すように、第1位置決め凸部31の2つの係合頂部311,311が、第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1に当たってそれに係合し、且つ、第2位置決め凸部32の2つの係合頂部311,311が、第2位置決め凹部42の縦方向他方側T2の内面に当たってそれに係合すると共に、第3位置決め凸部33の2つの係合頂部311,311が、第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に当たってそれに係合する。
【0047】
第1位置決め凸部31が縦方向一方側T1に係合し且つ第2位置決め凸部32が縦方向他方側T2に係合することにより、接合部2において、第1側部接合面21と第2側部接合面22は、縦方向にずれなくなる。
第1側部接合面21のストッパー部63の係止面63aに第2側部接合面22の周方向第2側S2の端縁22aが当たり、且つ、前記段部64の係止面に第1側部接合面21の周方向第1側S1の端縁21aが当たると共に、第3位置決め凸部33が第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に係合することにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22は、周方向にもずれなくなる。
よって、第1乃至第3壁体51,52,53が各接合部2において接合され、図1に示すような、筒状の巻き芯10(芯本体1)が得られる。
【0048】
上記巻き芯10は、その外周面に長状材を巻き付けたロール品の形態で使用される。
上記巻き芯10は、接合部2において位置決め凸部と位置決め凹部が係合しているので、これに長状材を巻き付けても筒状を維持できる。
【0049】
ロール品から巻き芯10のみを引き抜く場合には、1つの接合部2の接合を解除すると、芯本体1の筒状が崩れるので、巻き芯10とロール状の長状材とを容易に分離できる。
具体的には、例えば、第1壁体51の第1側部接合面21の一端部21bと第2壁体52の第2側部接合面22の一端部22bが離反するように、第2壁体52の第2側部接合面22の一端部22bを内側に引き込む。すると、図6及び図7に示すように、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41から外れる。第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合が解除されると、第2壁体52の第2側部接合面22は縦方向他方側T2にずれ得るようになる。そして、図8に示すように、第2位置決め凹部42の縦方向他方側T2の内面に係合されていた第2位置決め凸部32がその内面から離れ、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。
【0050】
なお、図3の接合部において、第3位置決め凸部33の角部312,312が第3位置決め凹部43の内面に当たっているので、第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合が解除されたとしても、第3位置決め凸部33と第3位置決め凹部43の係合によって、第2壁体52が縦方向他方側T2にずれないと誤解されるかもしれない。しかし、上述のように、周方向位置決め手段は、第1壁体51と第2壁体52が周方向に少し動き得る遊びを有するように設計されており、且つ、第3位置決め凸部33の2つの角部312,312の先端間は、第3位置決め凹部43の直径よりも小さいので、第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合を解除すると、第2壁体52が僅かに周方向にずれつつ縦方向他方側T2にずれ得るようになる。第2壁体2の第2側部接合面22が少し縦方向他方側T2にずれると、第2位置決め凸部32がその内面から離れ、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。
【0051】
このように、第1壁体51の第1側部接合面21と第2壁体52の第2側部接合面22との接合が解除され、第1壁体51と第2壁体52の接合部2において、両壁体51,52を分離できる。前記接合部2の接合が解除された芯本体1は、図9に示すように、筒状が崩れるので、ロール状とされた長状材から巻き芯10を容易に引き抜くことができる。
【0052】
一端部21bにおける位置決め凸部(第1位置決め凸部31)を位置決め凹部から抜いても、側部接合面が湾曲するので、他端部21cにおける位置決め凸部(第2位置決め凸部32)は位置決め凹部から抜けないが、本発明の巻き芯10は、第2位置決め凸部32が位置決め凹部内に入った状態で、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。このため、第1位置決め凸部31の第1位置決め凹部41に対する係合を解除すると、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれ、筒状の芯本体1を容易に崩すことができる。
【0053】
また、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32がそれぞれ第1側部接合面21の端部から離れたところに設けられている。このため、第1側部接合面21の端部が異物に接触した際に、不用意に第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32が位置決め凹部41,42から外れることを防止できる。
一般に、長状材を巻いた巻き芯10を搬送中、第1側部接合面21の端部が異物に接触し、第1側部接合面21の端部と第2側部接合面22の端部が離反するような外力が加わる場合がある。この場合、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が第1側部接合面21の端部に設けられていると、第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32が位置決め凹部から不用意に外れ、芯本体1の筒状が崩れるおそれがある。上記実施形態の巻き芯10では、予期せぬ第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32の係合解除を防止できる。
【0054】
次に、本発明の巻き芯の様々な他の実施形態を説明する。ただし、下記他の実施形態の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態及び既に説明した他の実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、(それを説明したものとして)用語及び符号を援用する。
【0055】
上記実施形態において、巻き芯10は、3つの位置決め凸部31,32,33が設けられているが、例えば、図10に示すように、4つの位置決め凸部31,32,33,34が設けられていてもよいし、特に図示しないが、5つ以上の位置決め凸部が設けられていてもよい。或いは、図12に示すように、2つの位置決め凸部(第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32)のみが設けられていれていてもよい。
本発明においては、位置決め凸部は2つ以上設けられ、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が位置決め凹部に係合して第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように構成されていればよい。また、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32は、第1側部接合面21の端部又は第2側部接合面22の端部を含む位置に設けてもよいが、好ましくは、上記実施形態のように、側部接合面の端部から離れて設けられる。
【0056】
第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が位置決め凹部に係合する場合としては、上記実施形態のように、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1に係合し、且つ第2位置決め凸部32が第2位置決め凹部42の内面の縦方向他方側T2に係合する場合に限られない。例えば、図13に示す巻き芯10は、第1壁体51の第1位置決め凸部31が第2壁体52の第1位置決め凹部41の内面の縦方向他方側T2に係合し且つ第2位置決め凸部32が第2位置決め凹部42の内面の縦方向一方側T1に係合している。かかる場合でも、接合部2において、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれることはない。
【0057】
また、上記実施形態においては、位置決め凸部の数に対応した位置決め凹部が設けられているが、位置決め凹部の数は1つでもよい。例えば、図10の壁体51,52,53においては、第2側部接合面22に縦方向に延びる細長い形状の位置決め凹部4が1つ設けられている。
かかる壁体51,52,53からなる巻き芯10は、図11に示すように、この1つの位置決め凹部4の内面の縦方向一方側T1に第1位置決め凸部31が係合し、且つその内面の縦方向他方側T2に第2位置決め凸部32が係合する。
【0058】
なお、図10の壁体51,52,53は、さらに、第3位置決め凸部33と第4位置決め凸部34が設けられているが、図11に示すように、この第3位置決め凸部33は、位置決め凹部4の周方向第2側S2に係合し、且つ第4位置決め凸部34は、位置決め凹部4の周方向第1側S1に係合する。
位置決め凹部4が1つの場合でも、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32をそれぞれ位置決め凹部4に入れることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合され、第1位置決め凸部31を位置決め凹部4から外した際に、前記第2位置決め凸部32が位置決め凹部4内に入った状態で、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるようになる。
【0059】
さらに、上記実施形態において、位置決め凸部51,52,53は、2つの係合頂部311,311と2つの角部312,312とを有する正面視略V字状に形成されているが、位置決め凸部の形状はこれに限定されず、本発明の意図する範囲で様々な形状(例えば、図10に示すような略円形状でもよいし、図12に示すような略三角形状でもよいし、図10に示すような細長い略長方形状など)に形成することもできる。
【0060】
上記実施形態において、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32は、何れも位置決め凹部に対して縦方向及び周方向に動き得る遊びを有するが、図14に示すように、第1位置決め凸部31が、第1位置決め凹部41に嵌合するように形成されていてもよい(つまり、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41に対して縦方向に動かないように嵌め合わされる形状に形成されていてもよい)。
かかる壁体51,52,53からなる巻き芯10であっても、図15に示すように、第2位置決め凸部32は第2位置決め凹部42に対して縦方向に動き得る大きさに形成されているので、第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41から外した際に、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が容易に解除される。
【0061】
上記実施形態において、第1側部接合面21に位置決め凸部が設けられ且つ第2側部接合面22に位置決め凹部が設けられているが、これに限られず、第1側部接合面21に位置決め凹部が設けられ且つ第2側部接合面22に位置決め凸部が設けられていてもよいし、或いは、第1側部接合面21に第1位置決め凸部31と第2位置決め凹部42が設けられ且つ第2側部接合面22にこれらに対応する第1位置決め凹部41と第2位置決め凸部32が設けられていてもよい。
【0062】
上記実施形態において、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32とは、縦方向と略平行な仮想直線上に並んで設けられているが、これに限られず、例えば、図16に示すように、第1位置決め凸部31が、第2位置決め凸部32よりも周方向の何れか一方側に偏って設けられていてもよい(つまり、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32は、縦方向に略平行に設けられていなくてもよい)。この場合、第1位置決め凸部31に対応して、第1位置決め凹部41も周方向の何れか一方側に偏って設けられる。
【0063】
さらに、上記実施形態において、巻き芯10(芯本体1)は、3つの壁体51,52,53を組み合わせて構成されているが、特に図示しないが、2つの壁体から構成されていてもよいし、或いは、特に図示しないが、4つ以上の壁体から構成されていてもよい。
また、巻き芯10が複数の壁体から構成される場合、全ての壁体が着脱可能な接合部2を介して連結されていなくてもよい。例えば、図17に示す巻き芯10(芯本体1)は、第1乃至第4壁体51,52,53,54からなるが、第1壁体51の第1側部接合面21と第2壁体52の第2側部接合面22において1つ接合部2が設けられ、その他の壁体の側部は、薄肉のヒンジ部7を介して連結されている。
【0064】
また、巻き芯10(芯本体1)は複数の壁体から構成される場合に限られず、図18に示すように、1つの接合部2を有する1つの部材で構成することもできる。
芯本体1は、ある程度の可撓性を有するので、着脱可能な接合部2を少なくとも1つ有していれば、その接合部2を接合することにより筒状を成し、且つ、その接合を解除することにより筒状を崩すことができる。
【0065】
なお、上記実施形態において、位置決め凹部は、側部接合面を貫通する貫通孔からなるが、位置決め凹部は、貫通孔に限られず、有底穴状であってもよい。もっとも、位置決め凹部が貫通孔であれば、外部から位置決め凸部を視認できるので、接合部の接合及びその解除を行い易くなるので好ましい。
【0066】
また、上記実施形態において、各位置決め凸部は、その高さが同一であったが、各位置決め凸部の突出高さが異なっていてもよい。特に、第1及び第2位置決め凸部31,32以外の位置決め凸部(上記実施形態の例示では、第3及び第4位置決め凸部33,34)の突出高さは、第1及び第2位置決め凸部31,32の突出高さよりも低くしておくことが好ましい。第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41から外す(抜く)と、第3及び第4位置決め凸部33,34が位置決め凹部から容易に外れ(抜け)易くなる。
【0067】
また、上記実施形態の巻き芯10の接合部2の接合を解除し易くするために、下記のような、接合部離反用の補助部が設けられていてもよい。
図19に示す接合部離反用の補助部は、第1側部接合面21と第2側部接合面22の間に介装された帯状の薄層部81からなる。特に、薄層部81は、図示したように、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bの間に介装されていることが好ましい。
この薄層部81の形成材料としては、特に限定されないが、例えば、引張っても破断し難い強度と接合面21,22間に折れ曲がって介在できる柔軟性を有する合成樹脂シートなどを用いることができる。
【0068】
薄層部81は、その大部分が第1側部接合面21と第2側部接合面22の間に介在され且つその一端部81aが巻き芯10の内側へ延出されている。
かかる薄層部81の一端部81aを摘んで巻き芯10の中心方向に引くと、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bが開いて両部21b,22bの間に隙間が生じるので、事後、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0069】
なお、前記介装された薄層部81の他端部81bが、第1側部接合面21又は第2側部接合面22の何れかに連結されていることが好ましく、さらに、薄層部81の他端部81bが、第1側部接合面21に連結されていることがより好ましい。薄層部81の他端部81bが第1側部接合面21又は第2側部接合面22に連結されていることにより、薄層部81の一端部81aを摘んで引き出した際に、薄層部81のみが抜けてしまう事態を防止できる。
【0070】
また、特に図示しないが、薄層部81の他端部81bを第2側部接合面22に連結し、薄層部81を第1位置決め凹部41に通し、薄層部81の一端部81aを巻き芯81の内側に延出させるようにして、薄層部81を介装してもよい。
【0071】
図20に示す接合部離反用の補助部は、巻き芯10の内側から第2側部接合面22に対して螺合されたネジ部82からなる。特に、ネジ部82は、図示したように、第2側部接合面22の一端部22bに取り付けられていることが好ましい。
このネジ部82は、第2側部接合面22の厚み方向に貫通してネジ螺合され、ネジ部82の頭部82a(摘み回し用の頭部)は、巻き芯10の中心方向に突出されている。
ネジ部82の先端部は、第1側部接合面21に螺合していない。
【0072】
かかるネジ部82の頭部82aを回して螺合していくと、ネジ部82の先端部が第1側部接合面21に当たりこれを外側へ押し出していくため、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bが開いて両部21b,22bの間に隙間が生じる。事後、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0073】
図21に示す接合部離反用の補助部は、第1側部接合面21の一端縁及び第2側部接合面22の一端縁の少なくとも何れか一方から縦方向に突設された舌状の延出片部83からなる。
延出片部83は、例えば、第1側部接合面21の一端縁から突設されている。
【0074】
なお、第1側部接合面21の一端縁及び第2側部接合面22の一端縁の双方からそれぞれ延出片部を突設する場合には(図示せず)、両延出片部を周方向にずらしておくことが好ましい。
延出片部83は、第1側部接合面21の一端縁から一体的に設けられていてもよいし、別に成形したものを第1側部接合面21の一端縁に強固に固着してもよい。
【0075】
かかる延出片部83の内面を指で外側に押し出すと、第1側部接合面21の一端部と第2側部接合面22の一端部が開き、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0076】
また、特に図示しないが、第2側部接合面22の一端部を巻き芯81の中心方向に引っ張るために、例えば、プルタブのような引っ張り構造を第2側部接合面22の一端部22bに設けてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…巻き芯、1…芯本体、2…接合部、21…第1側部接合面、22…第2側部接合面、31…第1位置決め凸部、32…第2位置決め凸部、41…第1位置決め凹部、42…第2位置決め凹部、51,52,53…壁体、T1…縦方向一方側、T2…縦方向他方側、S1…周方向第1側、S2…周方向第2側
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状ラベル連続体やテープなどの長状材を巻き付けるために用いられる巻き芯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、飲料容器などに被せて熱収縮装着される、熱収縮性筒状ラベルが知られている。かかる熱収縮性筒状ラベルにおいては、通常、その複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体の形態でラベラーに供給される。かかる筒状ラベル連続体は、長尺状であるので、通常、巻き芯の周囲に巻き付けた状態(ロール品)として保管・運搬に供される。
そして、使用時には、前記ロール品から筒状ラベル連続体を引き出し、所定長さで切断して個々の熱収縮性筒状ラベルを得た後、それを容器などの被着体に順次装着していく。
【0003】
機械的連続工程にて熱収縮性筒状ラベルを装着する場合、前記ロール品の複数個をロールフィーダに装填し、ロールフィーダによって引き出された筒状ラベル連続体をラベラーに供給し、ラベラーにて熱収縮性筒状ラベルの装着作業が順次連続的に行われる。
このロールフィーダにロール品を装填する際、全てのロール品の筒状ラベル連続体を1本に繋ぐ場合がある。具体的には、個々のロール品について、その巻き芯を引き抜くことによって巻き状態の筒状ラベル連続体のみを取り出す。そして、1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の外側端部(引出し端部)ともう1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の内側端部(巻取り端部)とを繋ぎ合わせていき、複数の巻き状態の筒状ラベル連続体が長手方向に繋がった1本の長尺物を形成する。
この長尺物をロールフィーダに装填し、ロールフィーダから前記1本の長尺物がラベラーに供給されることによって、個々の熱収縮性筒状ラベルを順次連続的且つ効率的に被着体に装着できるようになる。
【0004】
ところで、前記ロール品においては、巻き芯に筒状ラベル連続体が巻き付いているので、その巻き芯のみを引き抜くことは困難である。
この点、特許文献1の[0047]〜[0057]には、帯状材Tが巻回された円筒状の巻芯体1であって、複数の湾曲体3,4,5,6が可撓性を有する薄肉部8を介して連設され、湾曲体3,6の左右側部の上下端部2箇所に上方視略L字状の係合部3d,6dが形成され、両係合部3d,6dを係止させることにより筒状を成す巻芯体1が開示されている。
この巻芯体1は、一方の湾曲体3を内側に引き込んで係合部3d,6dの係合を解除することにより、筒状が崩れる。このため、ロール品から巻芯体のみを引き抜くことができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の巻芯体は、湾曲体を内側に引き込んでも、上下端部の各係合部の係合を同時に解除することが困難であり、ロール品の状態では、巻芯体の筒状を容易に崩すことができない。
具体的には、帯状材が巻かれた状態の巻芯体の周囲には、外側から中心方向に向かって巻き圧が作用している。かかる巻き圧によって、上記上下端部の各係合部は、互いに強く接する結果、強固に噛み合っている。このため、湾曲体の上端部を内側に引き込んで上端部における係合部の係合を解除しても、下端部における係合部が強固に噛み合った状態なので、その係合を解除できない。このため、上記巻芯体の筒状を崩すためには、湾曲体の上端部及び下端部を同時に内側に引き込まなければならないが、この作業は人手では困難である。特に、巻芯体の周囲に帯状材が巻かれている状態で、湾曲体の上端部及び下端部を同時に内側に引き込むことが極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−226470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、長状材を巻付けた状態で、筒状を成す芯本体の接合を解除し、巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる巻き芯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の巻き芯は、芯本体の第1側部外面又は第1側部内面に形成された第1側部接合面と芯本体の第2側部内面又は第2側部外面に形成された第2側部接合面とを接合することにより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯において、前記第1側部接合面には、位置決め凸部又は位置決め凹部の少なくとも何れか一方が設けられ、前記第2側部接合面には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられ、前記位置決め凸部が、芯本体の縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合され、前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれることを特徴とする。
【0009】
本発明の巻き芯は、縦方向に離れた第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合されるので、安定的な筒状を成している。
第1側部接合面と第2側部接合面を離反させるように引張ることによって第1位置決め凸部を位置決め凹部から外すと、第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれるため、第2位置決め凸部の位置決め凹部に対する係合が解除される。
このように第1位置決め凸部の位置決め凹部に対する係合を解除するだけで、第2位置決め凸部の係合も解除されるので、芯本体の筒状を容易に崩すことができる。
芯本体の筒状が崩れた巻き芯は、ロール状の長状材から容易に引き抜くことができる。
【0010】
本発明の好ましい巻き芯は、前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第1位置決め凸部が第1側部接合面の縦方向一方側の端部から離れて設けられ且つ前記第2位置決め凸部が第1側部接合面の縦方向他方側の端部から離れて設けられている。
【0011】
一般に、長状材を巻いた巻き芯を搬送中、側部接合面の端部が異物に接触し、第1側部接合面の端部と第2側部接合面の端部が離反するような外力が加わる場合がある。この場合、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が第1側部接合面の端部に設けられていると、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が位置決め凹部から不用意に外れ、芯本体の筒状が崩れるおそれがある。
この点、上記好ましい巻き芯は、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部がそれぞれ第1側部接合面の端部から離れたところに設けられている。このため、第1側部接合面の端部が異物に接触しても、第1位置決め凸部又は第2位置決め凸部が位置決め凹部から不用意に外れることを防止できる。
【0012】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記第1位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合することにより、前記第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合される。
【0013】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第2側部接合面に、前記第1位置決め凸部を入れる第1位置決め凹部及び前記第2位置決め凸部を入れる第2位置決め凹部がそれぞれ設けられており、前記第2位置決め凹部は、前記第2位置決め凸部が縦方向に動き得る大きさに形成されており、第1側部接合面と第2側部接合面とを接合した際に、前記第1位置決め凸部の縁部が前記第1位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が前記第2位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合する。
【0014】
本発明の他の好ましい巻き芯は、前記芯本体が、複数の壁体から構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の巻き芯は、長状材を巻付けた状態で、筒状を成す芯本体の接合部における第1位置決め凸部を位置決め凹部から外すと、接合部の接合を容易に解除できる。
このため、巻き付けた長状材から巻き芯を簡単に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図2】同巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図3】同巻き芯の接合部の拡大正面図。
【図4】本発明の壁体(芯本体を構成する壁体)の斜視図。
【図5】同壁体の中央部省略拡大正面図。
【図6】筒状の巻き芯の接合部において、第2位置決め凸部が第1位置決め凹部から外れた状態の斜視図。
【図7】図6のVII−VII線で切断した部分断面図。
【図8】同接合部において、第2位置決め凸部と第2位置決め凹部の係合が解除された状態の部分断面図。
【図9】筒状が崩れた巻き芯の斜視図。
【図10】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図11】図10の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図12】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図13】図12の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図14】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図15】図14の壁体を組み合わせた巻き芯の接合部の拡大正面図。ただし、第2壁体を二点鎖線で示している。
【図16】他の実施形態に係る壁体の中央部省略拡大正面図。
【図17】他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図18】他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。
【図19】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図20】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【図21】他の実施形態に係る巻き芯の接合部の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、本明細書において、「縦方向」は、筒状とされた芯本体の軸長方向であり、「周方向」は、筒状とされた芯本体の周方向である。なお、壁体の説明においての「縦方向」は、壁体を組み合わせて芯本体としたときに、その軸長方向となる方向であり、壁体の説明においての「周方向」は、壁体を組み合わせて芯本体としたときに、その周方向となる方向である。
各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。
また、本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。
【0018】
図1乃至図3において、本発明の巻き芯10は、着脱可能な第1側部接合面21と第2側部接合面22が接合された接合部2を少なくとも1箇所有し、第1側部接合面21と第2側部接合面22とを接合することにより筒状を成し且つ前記接合を解除することにより筒状が崩れる芯本体1を有する。
【0019】
この巻き芯10の外周面には、長状材(図示せず)が巻き付け可能である。
長状材は、特に限定されず、例えば、粘着ラベルの複数が長尺状の離型紙上に並んで仮貼付されたラベル連続体、ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々のラベルに切断されるラベル連続体、熱収縮性筒状ラベル又はストレッチ性筒状ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体、長尺状のテープ、長尺状の紐などが挙げられる。
【0020】
巻き芯10は、軸芯部分が空洞となった筒状であれば、その具体的形状は特に限定されず、図1に示すような、円筒状でもよいし、或いは、特に図示しないが、四角筒状や六角筒状などの多角筒状、楕円筒状などに形成されていてもよい。
円筒状の巻き芯10の外周面は、上面視(縦方向一方側T1から他方側T2に向かって巻き芯10を見たとき)で円を成しており、好ましくは、その内周面も上面視で円を成している。なお、前記円は、厳密な真円という意味ではなく、概ね円形と認められるという意味である。
【0021】
本発明の巻き芯10が円筒状又は楕円筒状である場合には、芯本体1及びこれを構成する複数の壁体51,52,53は、その外面が湾曲面とされる。
また、巻き芯10が円筒状である場合、その半径は長状材に応じて適宜設計されるが、例えば、長状材として上記ラベル連続体や筒状ラベル連続体を巻き付ける場合には、その半径(中心点から外周面の一点までの直線長さ)は、3cm〜20cmである。また、巻き芯10の縦方向の長さは、特に限定されないが、例えば、3cm〜40cmである。
【0022】
巻き芯10は、上述の芯本体1を有しており、本発明の効果を損ねないことを条件にして、芯本体以外の構成を有していてもよい。
芯本体1は、少なくとも1箇所の接合部2において縦方向に沿って分断可能である。
前記接合部2は、互いに連結でき且つそれを解除できる、前記第1側部接合面21と第2側部接合面22から構成されている。
【0023】
前記芯本体1の第1側部接合面21は、芯本体1の周方向第1側S1の側部外面又は側部内面に形成されており、前記芯本体1の第2側部接合面22は、芯本体1の周方向第2側S2の側部内面又は側部外面に形成されている。例えば、前記第1側部接合面21が側部外面に形成される場合には、第2側部接合面22は側部内面に形成され、一方、前記第1側部接合面21が側部内面に形成される場合には、第2側部接合面22は側部外面に形成される。
第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、それぞれ周方向に所定幅で且つ縦方向に延びる領域である。
なお、第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、縦方向と略平行に延びていることが好ましい。
【0024】
前記第1側部接合面21には、位置決め凸部又は位置決め凹部が設けられ、前記第2側部接合面22には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられている。
位置決め凸部は、芯本体1の径方向から位置決め凹部に挿入脱可能である。
【0025】
位置決め凸部は、第1側部接合面21又は第2側部接合面22に、縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、一方、位置決め凹部は、1つ以上設けられる。
以下、複数の位置決め凸部を区別する必要がある場合には、第1位置決め凸部、第2位置決め凸部などのように接頭語を付する。同様に、位置決め凹部が複数設けられ且つそれら位置決め凹部を区別する必要がある場合には、第1位置決め凹部、第2位置決め凹部などのように接頭語を付する。
【0026】
例えば、前記第1側部接合面21に少なくとも2つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部)が設けられている場合には、前記第2側部接合面22にそれらが入れられる少なくとも1つの位置決め凹部が設けられ、一方、前記第2側部接合面22に少なくとも2つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部)が設けられている場合には、前記第1側部接合面21にそれらが入れられる少なくとも1つの位置決め凹部が設けられる。
【0027】
なお、位置決め凹部が2つ以上設けられる場合には、前記第1側部接合面21に少なくとも1つの位置決め凸部(少なくとも第1位置決め凸部)が設けられ且つ第2側部接合面22に少なくとも1つの位置決め凸部(少なくとも第2位置決め凸部)が設けられ、さらに、前記第1側部接合面21に前記第2側部接合面22の位置決め凸部(第2位置決め凸部)が入れられる少なくとも1つの位置決め凹部(少なくとも第2位置決め凹部)が設けられ、且つ、前記第2側部接合面22に前記第1側部接合面21の位置決め凸部(第1位置決め凸部)が入れられる少なくとも1つの位置決め凹部(少なくとも第1位置決め凹部)が設けられてもよい。
【0028】
接合部2において、第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れて係合させることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合される。一方、接合部2において、前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるようになっている。
【0029】
芯本体1は、1つの部材から構成されていてもよいし、複数の部材を組み合わせて構成されていてもよい。
本実施形態では、芯本体1は、複数の部材(壁体51,52,53)の組み合わせから構成されている。
巻き芯10を構成する複数の壁体51,52,53は、周方向両側(周方向第1側S1及び周方向第2側S2)において、縦方向に延びる第1側部接合面21及び第2側部接合面22をそれぞれ有する。そして、隣接する壁体の側部接合面21,22同士を接合して接合部2を形成することにより、筒状の芯本体1が構成される。
【0030】
芯本体1の形成材料は、特に限定されず、合成樹脂、金属、木などが挙げられる。成形容易で且つコスト的に優れていることから、芯本体1は、好ましくは合成樹脂から形成される。
芯本体1は、例えば、図1に示すように、3つの壁体(第1壁体51、第2壁体52及び第3壁体53)から構成されている。3つの壁体51,52,53は、同一形状でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
本実施形態では、前記3つの壁体51,52,53は同一形状とされている。以下、第1壁体51、第2壁体52及び第3壁体53の構成を纏めて説明する。
【0031】
図4は、第1壁体、第2壁体及び第3壁体の斜視図であり、図5は、その一部を拡大し且つ中央部を省略した部分正面図である。
図4及び図5において、壁体51,52,53は、湾曲状に形成された壁面部61と、壁面部61の周方向第1側S1に形成された第1側部接合面21と、壁面部61の周方向第2側S2に形成された第2側部接合面22と、を有する。
壁面部61の内面には、複数のリブ62が突設されている。複数のリブ62は、壁面部61の縦方向一方側T1の端縁及び縦方向他方側T2の端縁において、周方向に延びて形成された枠リブ621と、壁面部61の面内において、周方向に所定間隔を開けて縦方向に延びて形成された補強リブ622と、からなる。
【0032】
図示例では、第1側部接合面21は、内側に向かって(側部内面に)形成され、第2側部接合面22は、外側に向かって(側部外面に)形成されている。
第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、それぞれ平坦状に形成されている。もっとも、第1側部接合面21及び第2側部接合面22は、平坦状に限定されない。
第1側部接合面21は、枠リブ621よりも低く、従って、第1側部接合面21の周方向第2側S2に、枠リブ621の端縁621aが位置している。また、壁面部61の内面には、前記枠リブ621の端縁621aの縦方向延長線上に、係止面63aを有するストッパー部63が複数設けられている。
一方、第2側部接合面22は、壁面部61の外面よりも内側に凹んでおり、従って、第2側部接合面22の周方向第1側S1に、係止面を有する段部64が形成されている。
【0033】
第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記ストッパー部63の係止面63aに第2側部接合面22の周方向第2側S2の端縁22aが当たり、且つ、前記段部64の係止面に第1側部接合面21の周方向第1側S1の端縁21aが当たる。
かかるストッパー部63及び段部64は、第1側部接合面21と第2側部接合面22を接合したときにそれらの周方向への位置ずれを防止する周方向位置決め手段に相当する。
なお、前記周方向位置決め手段は、第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、第1壁体51と第2壁体52が周方向に全く動き得ないような精密に設計されているわけではなく、第1壁体51と第2壁体52が周方向に少し動き得る、遊びを有するように設計されている。
【0034】
第1側部接合面21には、少なくとも2つの位置決め凸部31,32が設けられ、且つ第2側部接合面22には、この位置決め凸部31,32に対応して少なくとも2つの位置決め凹部41,42が設けられている。
本実施形態では、位置決め凸部は3つ設けられ、位置決め凹部も3つ設けられている。
第1位置決め凸部31は、第1側部接合面21の縦方向一方側T1の端部21b(以下、第1側部接合面21の一端部という)から離れた位置に設けられ、第2位置決め凸部32は、第1側部接合面21の縦方向他方側T2の端部21c(以下、第1側部接合面21の他端部という)から離れた位置に設けられている。
【0035】
第1位置決め凸部31の重心と第1側部接合面21の縦方向一方側T1の端縁との間隔H1及び第2位置決め凸部32の重心と第1側部接合面21の縦方向他方側T2の端縁との間隔H2(図5参照)は、特に限定されないが、例えば、5mm〜20mm程度である。
第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32とは、縦方向と略平行な仮想直線上に並んで設けられている。
第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32の形成間隔は、特に限定されないが、余りに近いと、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32と位置決め凹部の係合による、第1側部接合面21と第2側部接合面22をしっかりと接合できないおそれがある。かかる観点から、第1位置決め凸部31の重心と第2位置決め凸部32の重心の間隔は、5cm以上が好ましく、10cm以上がより好ましい。
【0036】
さらに、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32の間には、第3位置決め凸部33が設けられている。
第1乃至第3位置決め凸部31,32,33は、図示したような、同一方向に突出した2つの係合頂部311,311と互いに反対方向に突出した2つの角部312,312とを有する正面視略V字状に形成されている。
なお、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の先端部の周囲は、傾斜状に切り欠かれている(角取りされている)。
【0037】
第1位置決め凸部31は、前記2つの係合頂部311,311を第1側部接合面21の一端部21b側に向けて配置され、第2位置決め凸部32は、前記2つの係合頂部311,311を第1側部接合面21の他端部21c側に向けて配置され、第3位置決め凸部33は、前記2つの係合頂部311,311を壁面部61側に向けて配置されている。
【0038】
第1位置決め凹部41は、第2側部接合面22の縦方向一方側T1の端部22b(以下、第2側部接合面22の一端部という)から離れた位置に設けられ、第2位置決め凹部42は、第2側部接合面22の縦方向他方側T2の端部22c(以下、第2側部接合面22の他端部という)から離れた位置に設けられている。
第1位置決め凹部41と第2位置決め凹部42の間には、第3位置決め凹部43が設けられている。
なお、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の開口周縁は、傾斜状に切り欠かれている(角取りされている)。
【0039】
第1位置決め凸部31の係合頂部311,311から周方向と平行な仮想直線を引いたときに、その仮想直線上に第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1が位置するように、第1位置決め凹部41が配置されている。
第2位置決め凸部32の係合頂部311,311から周方向と平行な仮想直線を引いたときに、その仮想直線上に第2位置決め凹部42の内面の縦方向他方側T2が位置するように、第2位置決め凹部42が配置されている。
【0040】
図3に示すように、第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記第1位置決め凸部31の2つの係合頂部311,311(縁部)が位置決め凹部の内面の縦方向一方側T1に係合し、且つ前記第2位置決め凸部32の2つの係合頂部311,311(縁部)が位置決め凹部の内面の縦方向他方側T2に係合する。従って、接合部2において、前記第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合される。
【0041】
第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合した際、前記第3位置決め凸部33の2つの係合頂部311,311は第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に係合するように、第3位置決め凹部43が配置されている。
【0042】
第1乃至第3位置決め凹部41,42,43は、何れも、正面視略円形状であり、第2側部接合面22の内外面に貫通する貫通孔からなる。もっとも、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43は、正面視略円形状に限られず、適宜な形状を採用してもよい。
この第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の正面視形状は、何れも、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の正面視形状よりも大きい。そして、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33は、各2つの角部312,312の先端間が最も長く、それぞれ2つの角部312,312の先端間の長さが、第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の各直径よりも小さい。つまり、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の最大長さは、対応する第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の最大径よりも小さい。
【0043】
従って、第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41に挿入した際、第1位置決め凹部41は、第1位置決め凸部31が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。同様に、第2位置決め凹部42は、第2位置決め凸部32が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。第3位置決め凹部43は、第3位置決め凸部33が縦方向及び周方向に動き得る遊びを有する。
【0044】
上記第1壁体51の第1側部接合面21を第2壁体52の第2側部接合面22に接合し、第2壁体52の第1側部接合面21を第3壁体53の第2側部接合面22に接合し、第3壁体53の第1側部接合面21を第1壁体51の第2側部接合面22に接合することにより、図1乃至図3に示すような、巻き芯10(芯本体1)が得られる。
3つの壁体51,52,53からなる本実施形態の巻き芯10は、3つの接合部2を有する。
【0045】
具体的には、第1壁体51の第1側部接合面21の第1乃至第3位置決め凸部31,32,33を、第2壁体52の第2側部接合面22の第1乃至第3位置決め凹部41,42,43にそれぞれ挿入しつつ、その第1側部接合面21と第2側部接合面22を接合する。
第1乃至第3位置決め凸部31,32,33の先端部の周囲及び第1乃至第3位置決め凹部41,42,43の開口周縁は、傾斜状に切り欠かれているので、第1乃至第3位置決め凸部31,32,33を第1乃至第3位置決め凹部41,42,43に比較的簡単に嵌め入れることができる。
【0046】
すると、図3に示すように、第1位置決め凸部31の2つの係合頂部311,311が、第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1に当たってそれに係合し、且つ、第2位置決め凸部32の2つの係合頂部311,311が、第2位置決め凹部42の縦方向他方側T2の内面に当たってそれに係合すると共に、第3位置決め凸部33の2つの係合頂部311,311が、第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に当たってそれに係合する。
【0047】
第1位置決め凸部31が縦方向一方側T1に係合し且つ第2位置決め凸部32が縦方向他方側T2に係合することにより、接合部2において、第1側部接合面21と第2側部接合面22は、縦方向にずれなくなる。
第1側部接合面21のストッパー部63の係止面63aに第2側部接合面22の周方向第2側S2の端縁22aが当たり、且つ、前記段部64の係止面に第1側部接合面21の周方向第1側S1の端縁21aが当たると共に、第3位置決め凸部33が第3位置決め凹部43の内面の周方向第2側S2に係合することにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22は、周方向にもずれなくなる。
よって、第1乃至第3壁体51,52,53が各接合部2において接合され、図1に示すような、筒状の巻き芯10(芯本体1)が得られる。
【0048】
上記巻き芯10は、その外周面に長状材を巻き付けたロール品の形態で使用される。
上記巻き芯10は、接合部2において位置決め凸部と位置決め凹部が係合しているので、これに長状材を巻き付けても筒状を維持できる。
【0049】
ロール品から巻き芯10のみを引き抜く場合には、1つの接合部2の接合を解除すると、芯本体1の筒状が崩れるので、巻き芯10とロール状の長状材とを容易に分離できる。
具体的には、例えば、第1壁体51の第1側部接合面21の一端部21bと第2壁体52の第2側部接合面22の一端部22bが離反するように、第2壁体52の第2側部接合面22の一端部22bを内側に引き込む。すると、図6及び図7に示すように、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41から外れる。第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合が解除されると、第2壁体52の第2側部接合面22は縦方向他方側T2にずれ得るようになる。そして、図8に示すように、第2位置決め凹部42の縦方向他方側T2の内面に係合されていた第2位置決め凸部32がその内面から離れ、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。
【0050】
なお、図3の接合部において、第3位置決め凸部33の角部312,312が第3位置決め凹部43の内面に当たっているので、第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合が解除されたとしても、第3位置決め凸部33と第3位置決め凹部43の係合によって、第2壁体52が縦方向他方側T2にずれないと誤解されるかもしれない。しかし、上述のように、周方向位置決め手段は、第1壁体51と第2壁体52が周方向に少し動き得る遊びを有するように設計されており、且つ、第3位置決め凸部33の2つの角部312,312の先端間は、第3位置決め凹部43の直径よりも小さいので、第1位置決め凸部31と第1位置決め凹部41の係合を解除すると、第2壁体52が僅かに周方向にずれつつ縦方向他方側T2にずれ得るようになる。第2壁体2の第2側部接合面22が少し縦方向他方側T2にずれると、第2位置決め凸部32がその内面から離れ、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。
【0051】
このように、第1壁体51の第1側部接合面21と第2壁体52の第2側部接合面22との接合が解除され、第1壁体51と第2壁体52の接合部2において、両壁体51,52を分離できる。前記接合部2の接合が解除された芯本体1は、図9に示すように、筒状が崩れるので、ロール状とされた長状材から巻き芯10を容易に引き抜くことができる。
【0052】
一端部21bにおける位置決め凸部(第1位置決め凸部31)を位置決め凹部から抜いても、側部接合面が湾曲するので、他端部21cにおける位置決め凸部(第2位置決め凸部32)は位置決め凹部から抜けないが、本発明の巻き芯10は、第2位置決め凸部32が位置決め凹部内に入った状態で、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が解除される。このため、第1位置決め凸部31の第1位置決め凹部41に対する係合を解除すると、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれ、筒状の芯本体1を容易に崩すことができる。
【0053】
また、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32がそれぞれ第1側部接合面21の端部から離れたところに設けられている。このため、第1側部接合面21の端部が異物に接触した際に、不用意に第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32が位置決め凹部41,42から外れることを防止できる。
一般に、長状材を巻いた巻き芯10を搬送中、第1側部接合面21の端部が異物に接触し、第1側部接合面21の端部と第2側部接合面22の端部が離反するような外力が加わる場合がある。この場合、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が第1側部接合面21の端部に設けられていると、第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32が位置決め凹部から不用意に外れ、芯本体1の筒状が崩れるおそれがある。上記実施形態の巻き芯10では、予期せぬ第1位置決め凸部31又は第2位置決め凸部32の係合解除を防止できる。
【0054】
次に、本発明の巻き芯の様々な他の実施形態を説明する。ただし、下記他の実施形態の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態及び既に説明した他の実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、(それを説明したものとして)用語及び符号を援用する。
【0055】
上記実施形態において、巻き芯10は、3つの位置決め凸部31,32,33が設けられているが、例えば、図10に示すように、4つの位置決め凸部31,32,33,34が設けられていてもよいし、特に図示しないが、5つ以上の位置決め凸部が設けられていてもよい。或いは、図12に示すように、2つの位置決め凸部(第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32)のみが設けられていれていてもよい。
本発明においては、位置決め凸部は2つ以上設けられ、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が位置決め凹部に係合して第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように構成されていればよい。また、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32は、第1側部接合面21の端部又は第2側部接合面22の端部を含む位置に設けてもよいが、好ましくは、上記実施形態のように、側部接合面の端部から離れて設けられる。
【0056】
第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32が位置決め凹部に係合する場合としては、上記実施形態のように、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41の内面の縦方向一方側T1に係合し、且つ第2位置決め凸部32が第2位置決め凹部42の内面の縦方向他方側T2に係合する場合に限られない。例えば、図13に示す巻き芯10は、第1壁体51の第1位置決め凸部31が第2壁体52の第1位置決め凹部41の内面の縦方向他方側T2に係合し且つ第2位置決め凸部32が第2位置決め凹部42の内面の縦方向一方側T1に係合している。かかる場合でも、接合部2において、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれることはない。
【0057】
また、上記実施形態においては、位置決め凸部の数に対応した位置決め凹部が設けられているが、位置決め凹部の数は1つでもよい。例えば、図10の壁体51,52,53においては、第2側部接合面22に縦方向に延びる細長い形状の位置決め凹部4が1つ設けられている。
かかる壁体51,52,53からなる巻き芯10は、図11に示すように、この1つの位置決め凹部4の内面の縦方向一方側T1に第1位置決め凸部31が係合し、且つその内面の縦方向他方側T2に第2位置決め凸部32が係合する。
【0058】
なお、図10の壁体51,52,53は、さらに、第3位置決め凸部33と第4位置決め凸部34が設けられているが、図11に示すように、この第3位置決め凸部33は、位置決め凹部4の周方向第2側S2に係合し、且つ第4位置決め凸部34は、位置決め凹部4の周方向第1側S1に係合する。
位置決め凹部4が1つの場合でも、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32をそれぞれ位置決め凹部4に入れることにより、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれないように接合され、第1位置決め凸部31を位置決め凹部4から外した際に、前記第2位置決め凸部32が位置決め凹部4内に入った状態で、第1側部接合面21と第2側部接合面22が縦方向にずれるようになる。
【0059】
さらに、上記実施形態において、位置決め凸部51,52,53は、2つの係合頂部311,311と2つの角部312,312とを有する正面視略V字状に形成されているが、位置決め凸部の形状はこれに限定されず、本発明の意図する範囲で様々な形状(例えば、図10に示すような略円形状でもよいし、図12に示すような略三角形状でもよいし、図10に示すような細長い略長方形状など)に形成することもできる。
【0060】
上記実施形態において、第1位置決め凸部31及び第2位置決め凸部32は、何れも位置決め凹部に対して縦方向及び周方向に動き得る遊びを有するが、図14に示すように、第1位置決め凸部31が、第1位置決め凹部41に嵌合するように形成されていてもよい(つまり、第1位置決め凸部31が第1位置決め凹部41に対して縦方向に動かないように嵌め合わされる形状に形成されていてもよい)。
かかる壁体51,52,53からなる巻き芯10であっても、図15に示すように、第2位置決め凸部32は第2位置決め凹部42に対して縦方向に動き得る大きさに形成されているので、第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41から外した際に、第2位置決め凸部32と第2位置決め凹部42の係合が容易に解除される。
【0061】
上記実施形態において、第1側部接合面21に位置決め凸部が設けられ且つ第2側部接合面22に位置決め凹部が設けられているが、これに限られず、第1側部接合面21に位置決め凹部が設けられ且つ第2側部接合面22に位置決め凸部が設けられていてもよいし、或いは、第1側部接合面21に第1位置決め凸部31と第2位置決め凹部42が設けられ且つ第2側部接合面22にこれらに対応する第1位置決め凹部41と第2位置決め凸部32が設けられていてもよい。
【0062】
上記実施形態において、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32とは、縦方向と略平行な仮想直線上に並んで設けられているが、これに限られず、例えば、図16に示すように、第1位置決め凸部31が、第2位置決め凸部32よりも周方向の何れか一方側に偏って設けられていてもよい(つまり、第1位置決め凸部31と第2位置決め凸部32は、縦方向に略平行に設けられていなくてもよい)。この場合、第1位置決め凸部31に対応して、第1位置決め凹部41も周方向の何れか一方側に偏って設けられる。
【0063】
さらに、上記実施形態において、巻き芯10(芯本体1)は、3つの壁体51,52,53を組み合わせて構成されているが、特に図示しないが、2つの壁体から構成されていてもよいし、或いは、特に図示しないが、4つ以上の壁体から構成されていてもよい。
また、巻き芯10が複数の壁体から構成される場合、全ての壁体が着脱可能な接合部2を介して連結されていなくてもよい。例えば、図17に示す巻き芯10(芯本体1)は、第1乃至第4壁体51,52,53,54からなるが、第1壁体51の第1側部接合面21と第2壁体52の第2側部接合面22において1つ接合部2が設けられ、その他の壁体の側部は、薄肉のヒンジ部7を介して連結されている。
【0064】
また、巻き芯10(芯本体1)は複数の壁体から構成される場合に限られず、図18に示すように、1つの接合部2を有する1つの部材で構成することもできる。
芯本体1は、ある程度の可撓性を有するので、着脱可能な接合部2を少なくとも1つ有していれば、その接合部2を接合することにより筒状を成し、且つ、その接合を解除することにより筒状を崩すことができる。
【0065】
なお、上記実施形態において、位置決め凹部は、側部接合面を貫通する貫通孔からなるが、位置決め凹部は、貫通孔に限られず、有底穴状であってもよい。もっとも、位置決め凹部が貫通孔であれば、外部から位置決め凸部を視認できるので、接合部の接合及びその解除を行い易くなるので好ましい。
【0066】
また、上記実施形態において、各位置決め凸部は、その高さが同一であったが、各位置決め凸部の突出高さが異なっていてもよい。特に、第1及び第2位置決め凸部31,32以外の位置決め凸部(上記実施形態の例示では、第3及び第4位置決め凸部33,34)の突出高さは、第1及び第2位置決め凸部31,32の突出高さよりも低くしておくことが好ましい。第1位置決め凸部31を第1位置決め凹部41から外す(抜く)と、第3及び第4位置決め凸部33,34が位置決め凹部から容易に外れ(抜け)易くなる。
【0067】
また、上記実施形態の巻き芯10の接合部2の接合を解除し易くするために、下記のような、接合部離反用の補助部が設けられていてもよい。
図19に示す接合部離反用の補助部は、第1側部接合面21と第2側部接合面22の間に介装された帯状の薄層部81からなる。特に、薄層部81は、図示したように、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bの間に介装されていることが好ましい。
この薄層部81の形成材料としては、特に限定されないが、例えば、引張っても破断し難い強度と接合面21,22間に折れ曲がって介在できる柔軟性を有する合成樹脂シートなどを用いることができる。
【0068】
薄層部81は、その大部分が第1側部接合面21と第2側部接合面22の間に介在され且つその一端部81aが巻き芯10の内側へ延出されている。
かかる薄層部81の一端部81aを摘んで巻き芯10の中心方向に引くと、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bが開いて両部21b,22bの間に隙間が生じるので、事後、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0069】
なお、前記介装された薄層部81の他端部81bが、第1側部接合面21又は第2側部接合面22の何れかに連結されていることが好ましく、さらに、薄層部81の他端部81bが、第1側部接合面21に連結されていることがより好ましい。薄層部81の他端部81bが第1側部接合面21又は第2側部接合面22に連結されていることにより、薄層部81の一端部81aを摘んで引き出した際に、薄層部81のみが抜けてしまう事態を防止できる。
【0070】
また、特に図示しないが、薄層部81の他端部81bを第2側部接合面22に連結し、薄層部81を第1位置決め凹部41に通し、薄層部81の一端部81aを巻き芯81の内側に延出させるようにして、薄層部81を介装してもよい。
【0071】
図20に示す接合部離反用の補助部は、巻き芯10の内側から第2側部接合面22に対して螺合されたネジ部82からなる。特に、ネジ部82は、図示したように、第2側部接合面22の一端部22bに取り付けられていることが好ましい。
このネジ部82は、第2側部接合面22の厚み方向に貫通してネジ螺合され、ネジ部82の頭部82a(摘み回し用の頭部)は、巻き芯10の中心方向に突出されている。
ネジ部82の先端部は、第1側部接合面21に螺合していない。
【0072】
かかるネジ部82の頭部82aを回して螺合していくと、ネジ部82の先端部が第1側部接合面21に当たりこれを外側へ押し出していくため、第1側部接合面21の一端部21bと第2側部接合面22の一端部22bが開いて両部21b,22bの間に隙間が生じる。事後、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0073】
図21に示す接合部離反用の補助部は、第1側部接合面21の一端縁及び第2側部接合面22の一端縁の少なくとも何れか一方から縦方向に突設された舌状の延出片部83からなる。
延出片部83は、例えば、第1側部接合面21の一端縁から突設されている。
【0074】
なお、第1側部接合面21の一端縁及び第2側部接合面22の一端縁の双方からそれぞれ延出片部を突設する場合には(図示せず)、両延出片部を周方向にずらしておくことが好ましい。
延出片部83は、第1側部接合面21の一端縁から一体的に設けられていてもよいし、別に成形したものを第1側部接合面21の一端縁に強固に固着してもよい。
【0075】
かかる延出片部83の内面を指で外側に押し出すと、第1側部接合面21の一端部と第2側部接合面22の一端部が開き、その隙間に指を入れて接合部2の接合を容易に解除できる。
【0076】
また、特に図示しないが、第2側部接合面22の一端部を巻き芯81の中心方向に引っ張るために、例えば、プルタブのような引っ張り構造を第2側部接合面22の一端部22bに設けてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…巻き芯、1…芯本体、2…接合部、21…第1側部接合面、22…第2側部接合面、31…第1位置決め凸部、32…第2位置決め凸部、41…第1位置決め凹部、42…第2位置決め凹部、51,52,53…壁体、T1…縦方向一方側、T2…縦方向他方側、S1…周方向第1側、S2…周方向第2側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯本体の第1側部外面又は第1側部内面に形成された第1側部接合面と芯本体の第2側部内面又は第2側部外面に形成された第2側部接合面とを接合することにより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯において、
前記第1側部接合面には、位置決め凸部又は位置決め凹部の少なくとも何れか一方が設けられ、
前記第2側部接合面には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられ、
前記位置決め凸部が、芯本体の縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、
第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合され、
前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれることを特徴とする巻き芯。
【請求項2】
前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第1位置決め凸部が、第1側部接合面の縦方向一方側の端部から離れて設けられ、且つ前記第2位置決め凸部が、第1側部接合面の縦方向他方側の端部から離れて設けられている、請求項1に記載の巻き芯。
【請求項3】
前記第1位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合することにより、前記第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合される、請求項1又は2に記載の巻き芯。
【請求項4】
前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、
前記第2側部接合面に、前記第1位置決め凸部を入れる第1位置決め凹部及び前記第2位置決め凸部を入れる第2位置決め凹部がそれぞれ設けられており、
前記第2位置決め凹部は、前記第2位置決め凸部が縦方向に動き得る大きさに形成されており、
第1側部接合面と第2側部接合面とを接合した際に、前記第1位置決め凸部の縁部が前記第1位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が前記第2位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻き芯。
【請求項5】
前記芯本体が、複数の壁体から構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻き芯。
【請求項1】
芯本体の第1側部外面又は第1側部内面に形成された第1側部接合面と芯本体の第2側部内面又は第2側部外面に形成された第2側部接合面とを接合することにより筒状を成し、前記接合を解除することにより筒状が崩れる巻き芯において、
前記第1側部接合面には、位置決め凸部又は位置決め凹部の少なくとも何れか一方が設けられ、
前記第2側部接合面には、前記第1側部接合面の位置決め凸部を入れる位置決め凹部又は前記第1側部接合面の位置決め凹部に入れる位置決め凸部が設けられ、
前記位置決め凸部が、芯本体の縦方向に離れて少なくとも2つ設けられ、
第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部をそれぞれ位置決め凹部に入れることにより、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合され、
前記第1位置決め凸部を位置決め凹部から外した際に、前記第2位置決め凸部が位置決め凹部内に入った状態で、第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれることを特徴とする巻き芯。
【請求項2】
前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、前記第1位置決め凸部が、第1側部接合面の縦方向一方側の端部から離れて設けられ、且つ前記第2位置決め凸部が、第1側部接合面の縦方向他方側の端部から離れて設けられている、請求項1に記載の巻き芯。
【請求項3】
前記第1位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合することにより、前記第1側部接合面と第2側部接合面が縦方向にずれないように接合される、請求項1又は2に記載の巻き芯。
【請求項4】
前記第1側部接合面に、前記第1位置決め凸部及び第2位置決め凸部が設けられ、
前記第2側部接合面に、前記第1位置決め凸部を入れる第1位置決め凹部及び前記第2位置決め凸部を入れる第2位置決め凹部がそれぞれ設けられており、
前記第2位置決め凹部は、前記第2位置決め凸部が縦方向に動き得る大きさに形成されており、
第1側部接合面と第2側部接合面とを接合した際に、前記第1位置決め凸部の縁部が前記第1位置決め凹部の内面の縦方向一方側に係合し、且つ前記第2位置決め凸部の縁部が前記第2位置決め凹部の内面の縦方向他方側に係合する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻き芯。
【請求項5】
前記芯本体が、複数の壁体から構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻き芯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−71808(P2013−71808A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211929(P2011−211929)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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