説明

巻付けラベル、及び巻付けラベル連続体

【課題】端縁からラベルを剥離除去することができ、しかも、装着時に於ける皺の発生を防止できる巻付けラベルを提供する。
【解決手段】基材2の一端部2a裏面を容器胴部8に貼着し、基材2を容器胴部の周りに巻きけ、基材2の他端部2b裏面を基材2の一端部2a表面に重ね合わせて両面を接着することにより、容器胴部に装着される巻付けラベルであって、基材2の一端部2a裏面及び他端部2b裏面には、帯状の接着部4,5が設けられ、基材2の一端部2a表面には、少なくとも他端部2bの端縁が重なる部分に、弱接着部又は非接着部6が設けられている巻付けラベル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材を容器胴部に巻き且つ基材の両端部を接着することにより容器胴部に装着される巻付けラベル、及び該巻付けラベルが連続的に繋がった巻付けラベル連続体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料容器、調味料容器、化粧品容器などの各種容器の胴部に、基材の一端部裏面を貼着し、この基材を胴部周りに巻き付けた後、基材の他端部裏面を基材の一端部表面に重ね合わせて両面を接着することにより、容器胴部に巻付け装着される巻付けラベルが知られている。
ところで、巻付けラベルと同様に、容器胴部の周りに装着されるラベルとして、熱収縮性筒状ラベル(シュリンクラベル)や自己伸縮性筒状ラベル(ストレッチラベル)などが知られている。かかる熱収縮性筒状ラベル等は、容器をリサイクルする際に筒状ラベルを容易に除去できるようにするため、一般に、上下方向(容器胴部に装着時に、容器胴部の周方向と直交する方向。以下同じ)にミシン目が形成されている。
【0003】
この点、巻付けラベルに於いても上下方向にミシン目を形成すれば、巻付けラベルを容器から容易に除去できるが、巻付けラベルは、装着工程の関係上、上下方向にミシン目を形成することが難しい。
すなわち、巻付けラベルを容器に機械的に且つ連続的に装着する場合、長尺状の基材原反の裏面に帯状の接着部が長手方向に所定間隔をあけて複数並設された巻付けラベル連続体が用いられる。この巻付けラベル連続体を長手方向に送り出しながら、接着部の塗布幅を2つに分断するように、接着部の中央の切断予定線に於いて上下方向に順次切断することにより、一の巻付けラベルが得られる。この巻付けラベルの長手方向を容器胴部の周方向へと送り出し、基材の一端部裏面を容器胴部に貼着した後、容器を回転させることにより、該巻付けラベルは容器胴部に巻き付けられる。
このようにラベル装着工程に於いて、基材の長手方向(送り出し方向)が、容器胴部の周方向となるので、基材の上下方向にミシン目を形成するためには、ミシン目を刻設する毎に基材の送り出しを断続的に止めなければならない。このような理由から、従来の巻き付けラベルは、一般的に開封用のミシン目が形成されていない。
【0004】
そこで、特開2004−177466公報には、ラベルの前端部2aの裏面に強接着領域15が設けられ、この前端部2aの表面に重ね合わされて接着されるラベルの後端部2bの裏面に、強接着領域17が設けられていると共に、この強接着領域17の幅方向(本明細書では上下方向)中央部に、弱接着又は非接着領域18が設けられた巻付けラベルが開示されている。
この巻付けラベルは、ラベルの前端部2aの裏面を容器に接着し、ラベルを引張りながら容器胴部にこれを巻付け、該前端部2aの表面にラベルの後端部2bの裏面を接着することにより容器に装着される。かかる巻付けラベルによれば、後端部2bの裏面に設けられた強接着領域17の幅方向中央部に、弱接着又は非接着領域18を有するので、ラベルの後端部2bの裏面を前端部2aの表面に接着した際、弱接着又は非接着領域18は、後端部2bからラベルを剥離させるための初期操作をアシストする。従って、ミシン目を形成していなくても、装着した巻付けラベルを容易に剥離除去することができる。
【0005】
しかしながら、上記公報記載の巻付けラベルは、ラベルの前端部2aを容器に接着し、ラベルを引張りながら容器胴部へ巻き付ける際、該ラベルの前端部2aに皺が発生する虞がある。
すなわち、該ラベルの前端部2aに設けられた強接着領域15の幅方向中央部には、同公報の図7、図9〜図12に示すように、弱接着又は非接着領域16が形成されるので、この領域16に於いてラベルが容器に接着せず、前端部2aの中央部に於いて浮き上がる。このように前端部2aが浮き上がった状態でラベルを容器に巻き付けるべく引っ張ると、前端部2aは未だ十分に容器胴部に接着していないことも相俟って、前端部2aの中央部に於いて皺が発生するのである。特に、前端部2aの強接着領域15に設けられた弱接着又は非接着領域16が広い(長手方向に広がっている)と、皺がより生じ易くなる。
具体的には、巻付けラベルは、上記の通り、長尺状の基材原反の裏面に帯状の接着部が設けられた巻付けラベル連続体を、長手方向に送り出しながら、接着部の中央の切断予定線に於いて上下方向に順次切断することにより、一の巻付けラベルが形成される。このようにして形成される巻付けラベルは、その切断線に於いて、前方の巻付けラベルの端縁と後方の巻付けラベルの端縁に分離される。
しかしながら、基材の伸びや送り出しタイミングなどに起因して、実際上、切断予定線にて於いて精度良く基材を切断することはできない。従って、実際の切断線は、接着部の中央に設定された切断予定線よりも前後に位置ズレしうる。このように切断線が位置ズレすると、前端部2aの強接着領域15に設けられた弱接着又は非接着領域16が広くなった巻付けラベルが得られる場合がある。その結果、ラベルを引張った際に皺が発生するのである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−177466公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、端縁からラベルを剥離除去することができ、しかも、装着時に於ける皺の発生を防止できる巻付けラベルを提供することを課題とする。さらに、本発明は、端縁からラベルを剥離除去することができ、装着時に於ける皺の発生を防止できる巻付けラベルを機械的に且つ確実に作製することができる巻付けラベル連続体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記問題に鑑みて、鋭意研究した結果、上記公報記載の巻付けラベルは、ラベルの後端部2bの裏面に、強接着領域17と、弱接着又は非接着領域18と、を設けてなる構成であるが故に、製造上、前端部2aの裏面に弱接着又は非接着領域16が生じ、これが皺発生の原因であることに着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の手段は、基材の一端部裏面を容器胴部に貼着し、基材を容器胴部の周りに巻き付け、基材の他端部裏面を基材の一端部表面に重ね合わせて両面を接着することにより、容器胴部に装着される巻付けラベルであって、基材の一端部裏面及び他端部裏面には、帯状の接着部が設けられ、基材の一端部表面には、少なくとも他端部の端縁が重なる部分に、弱接着部又は非接着部が設けられている巻付けラベルを提供する。
【0009】
上記巻付けラベルは、基材の一端部裏面に、帯状の接着部が設けられているので、基材の一端部裏面に於ける接着部の幅は略均等となる。従って、この基材の一端部裏面を容器胴部に接着し且つ基材を容器胴部に巻き付けた際、基材の一端部には均一な引張力が加わるため、皺の発生を防止できる。
一方、基材の一端部表面には、他端部の端縁が重なる部分に、非接着部又は弱接着部が設けられているので、該一端部表面に他端部裏面を重ね合わせた際、他端部の端縁の一部が、一端部表面に対して弱接着又は非接着となる。
従って、装着された巻付けラベルの他端部の端縁に、爪などを入れ、これを引き剥がすことにより、巻付けラベルを容易に剥離除去することができる。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様では、上記接着部が、基材の上縁から下縁にかけて帯状に設けられていると共に、前記弱接着部又は非接着部が、少なくとも前記他端部の端縁の上下方向中途部が重なる部分に設けられている上記巻付けラベルである。かかる巻付けラベルは、接着部が、基材の上縁から下縁にかけて設けられているので、一端部及び他端部の角部が捲れたりする虞もなく、又、一端部表面に他端部裏面を重ね合わせた際、他端部の端縁の上下方向中途部に、弱接着又は非接着となる部分が形成されるので好ましい態様である。
【0011】
さらに、本発明の第2の手段は、長尺状の基材原反の裏面に、基材原反の上縁から下縁にかけて帯状の接着部が長手方向に所定間隔をあけて並設され、接着部を2つに分ける切断予定線に於いて基材原反を上下方向に切断することにより、個々の巻付けラベルを得ることができるラベル連続体であって、長尺状の基材原反の表面には、切断予定線を含む範囲又は切断予定線の近傍に、弱接着部又は非接着部が設けられている巻付けラベル連続体を提供する。
【0012】
上記巻付けラベル連続体は、接着部が基材原反の上縁から下縁にかけて帯状に設けられ、且つ非接着部又は弱接着部が切断予定線を含む範囲又は切断予定線の近傍に設けられているので、実際の切断線が切断予定線の前後に多少位置ズレしても、基材の一端部の裏面に、上下方向に略均等幅の接着部が形成され、且つ一端部の表面に、他端部の裏面を弱接着又は非接着とするための弱接着部又非接着部が形成された上記巻付けラベルを得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る巻付けラベルは、容器装着時、容器胴部に接着した一端部に於ける皺発生を防止でき、容器装着後、他端部の端縁を開封起点として、ラベルを容易に剥離除去することができる。
さらに、本発明に係る巻付けラベル連続体は、切断予定線を基準にして基材原反を切断した際、実際の切断線が多少位置ズレしても、上記巻付けラベルを確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1に於いて、1は、基材2の裏面のうち一端部2aの裏面及び他端部2bの裏面に接着部4,5が設けられ、一端部2aの表面の上下方向略中央部に弱接着部又は非接着部6(以下、弱接着部と非接着部を纏めて「非接着部」という場合がある)が設けられた巻付けラベルを示す。
この巻付けラベル1は、図2及び図3に示すように、基材2の一端部2a裏面の接着部4を容器胴部8に貼着し、基材2を容器胴部8の周りに巻き付け、基材2の他端部2b裏面の接着部5を基材2の一端部2a表面に重ね合わせて両面を接着する(この重ね合わせ接着部分をオーバーラップ部という場合がある)ことにより、容器胴部8に巻付け装着される。
尚、オーバーラップ部に於いて、他端部2b裏面の接着部5は、一端部2aの表面以外に、一端部2aの端縁2dから出て、容器胴部8にまで接着する場合もある。
【0015】
巻付けラベル1の基材2は、従来公知のものを使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂などの合成樹脂の2軸延伸フィルム、合成樹脂フィルムの積層フィルム、紙、和紙、合成紙、発泡樹脂シート、不織布など、又はこれらの積層フィルムなどを用いることができる。
特に、ポリエチレンテレフタレート製容器(PETボトル)に本発明の巻付けラベル1を用いる場合には、装着性やリサイクル時の比重差分別等により、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが好ましく、フィルム厚みとしては20〜60μmが好ましい。
尚、基材2には、商品名、絵柄などの所望の意匠印刷が施されている。
【0016】
接着部4,5は、例えば、感熱性接着剤を基材2の一端部2aの裏面及び他端部2bの裏面に塗布することにより設けられる。尚、感熱性接着剤以外に、感圧型接着剤などを用いることもできる。
感熱性接着剤は、室温では接着性を示さず且つ加熱されることによって接着性を発現しうる接着剤が用いられる。このような感熱性接着剤としては、例えば、ホットメルト型接着剤、パートコート型感熱接着剤、ディレードタック型感熱接着剤などを適宜用いることができる。
【0017】
ホットメルト型接着剤は、常温で接着性を示さず、加熱することによって接着可能となるものであり、加熱溶融することによって塗工可能な接着剤である。ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが例示される。
パートコート型感熱接着剤は、室温で接着性を示さず、加熱によって接着性を示し、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを有機溶剤などに溶解又は分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤であり、塗工後乾燥して使用するものである。
ディレードタック型感熱接着剤は、室温で接着性を示さず、加熱することによって活性化して接着性を示し且つ冷却後長時間に亘ってそれが持続するものであり、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤である。ディレードタック型感熱接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤が配合されたエマルジョン型のものなどが例示される。
【0018】
この接着部4,5は、一端部2a及び他端部2bの双方ともに、一端部2aの端縁2d及び他端部2bの端縁2eにまで設けられ、且つ基材2の上縁2cから下縁2cにかけて帯状に設けられている。従って、両接着部4,5の幅は、上下方向に亘って略均等となっている。接着部4,5の具体的な幅は、特に限定されないが、余りに狭いと十分な接着力を確保できないので、一般には、一端部2a裏面に於ける接着部4の幅W1は、1mm〜30mm程度、他端部2b裏面に於ける接着部5の幅W2は、1mm〜30mm程度に形成される。
【0019】
弱接着部又は非接着部6は、一端部2aの表面の上下方向中途部の所定範囲であって、巻付けラベル1を装着した際、他端部2bの端縁2dの上下方向中途部が重なる部分に少なくとも設けられている。
具体的には、弱接着部又は非接着部6は、基材の一端部2aの端縁2dの上下方向中央部から長手方向(他端部2b方向)に伸びる所定範囲に設けられている。非接着部6の高さHとしては、基材2の上下長さよりも十分に短く且つ爪などを差し込むことができる程度が好ましい。また、非接着部6の幅W3は、他端部2bの重ね合わせ代などに応じて設計されるものであるが、切断予定線にて精度良く切断できない場合があることを考慮すると、他端部2bの接着部5の幅W2よりも長く形成することが好ましい。
ここで、弱接着部又は非接着部のうち弱接着部6とは、他端部2b裏面の接着部5が一端部2a表面に弱く接着するように処理された部分であり、弱接着部又は非接着部のうち非接着部6とは、他端部2b裏面の接着部5が一端部2a表面に接着しないように処理された部分である。この弱接着部6は、例えば、基材2の表面に、シリコーン樹脂などの剥離剤を含む液(例えば紫外線硬化型インキなど)を、点状、網状、ストライプ状などのように部分的に塗工したり、或いは、該剥離剤を含む液を非常に薄くベタ状に塗工する方法などで形成することができる。また、微粒子を含む塗工液(例えば艶消しインキなど)を塗工し、表面に微細な凹凸を形成することにより、弱接着部6を形成することもできる。また、基材2が二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの場合、非表面改質のポリプロピレンフィルムに印刷可能な液(インキ)であって、ワックス、シリコーンオイルなどの離型性を向上できる添加剤を混合した液を、上記のように塗工することにより、弱接着部6を形成することもできる。尚、弱接着部6を設ける範囲に部分的に表面改質処理(例えばコロナ放電処理など)を施した場合には、上記紫外線硬化型インキなどを塗工することもできる。
非接着部6は、例えば、上記剥離剤を含む液などを比較的厚くベタ状に塗工する方法などで形成することができる。
尚、9は、他端部2bの表面に形成された弱接着部又は非接着部である。この弱接着部又は非接着部61は特に機能上有意性はなく、巻付けラベル1の製造上形成される部分である。
【0020】
次に、図4は、上記巻付けラベル1の複数が長手方向に連続的に繋がった巻付けラベル連続体7を示す。この巻付けラベル連続体7を、切断予定線Xで上下方向に切断することにより、個々の巻付けラベル1を得ることができる。従って、該巻付けラベル連続体7は、前方の巻付けラベル1’の他端部2bの側縁2eが、後方の巻付けラベル1”の一端部2aの側縁2dに順次繋がったものと言える。
【0021】
具体的には、巻付けラベル連続体7は、長尺状の基材原反21の裏面に、基材原反21の上縁から下縁にかけて帯状の接着部51が長手方向に所定間隔をあけて複数並設されている。この接着部51の幅を2分するような切断予定線Xに於いて基材原反21を切断することにより、一の巻付けラベル1が得られる。従って、巻付けラベル連続体7に於ける接着部51の幅は、前方の巻付けラベル1’の他端部2b裏面の接着部5の幅W2と後方の巻付けラベル1”の一端部2a裏面の接着部4の幅W1の和に等しい。
この長尺状の基材原反21の表面の上下方向中途部には、少なくとも切断予定線Xを含む範囲に、非接着部61が設けられている。すなわち、非接着部61は、基材原反21の表面の上下方向中途部であって切断予定線Xに跨り、且つ後方の巻付けラベル1”側に広がるように形成されている。
【0022】
上記巻付けラベル連続体7及び巻付けラベル1は、公知の製法に従い製造することができる。
例えば、一列分の長尺状の基材原反21を長手方向に送り出しながら、基材原反21の表面の上下方向中央部に、所定間隔をあけて(切断予定線X毎に)、非接着部61を設け、これを一旦、ロール状に巻き取る。次に、この基材原反21を送り出しながら、基材原反21の裏面に、前記非接着部61と同様に所定間隔をあけて、接着部51を設けていくことにより、巻付けラベル連続体7を製造することができる。
尚、通常、一時に複数列を製造するため、基材原反21は、上記一列分の基材原反21の複数列分の幅を有する幅広のものが用いられ、この原反を長手方向に沿って複数列に切断することにより、個々の巻付けラベル連続体7が製造される。
また、非接着部61を設けた後、ロール状に巻き取らず、接着部51を設けた後にロール状に巻き取ることもできる。更に、接着部51を設けた後に非接着部61を設けることも可能である。
この巻付けラベル連続体7は、一旦ロール状に巻取られ、ラベリング装置に装填し、切断予定線Xにて切断されることで、一の巻付けラベル1が得られる。この巻付けラベル1は、加熱して接着剤を活性化した後、順次供給される容器胴部に、その一端部2a裏面の接着部4を貼着させ、基材2に張力を加えながら容器を回転させることにより容器胴部に巻き付けられる。最後に、他端部2b裏面の接着部5を一端部2a表面に重ね合わせて接着することにより、図2及び図3に示すような、容器に巻付けラベル1が巻き付けられた包装体を連続的に製造できる。
【0023】
上記巻付けラベル1は、基材2の一端部2a裏面に、上下方向に亘って均等幅の接着部4が設けられているので、この一端部2a裏面を容器胴部8に接着し且つ基材2を容器胴部に巻き付けた際、該一端部2aには均一な引張力が加わる。従って、容器胴部8に接着される基材2の一端部2aに於いて、皺の発生を防止できる。また、接着部4は、基材2の上下縁2cにまで設けられているので、巻付けラベル1の装着開始時、一端部2aの上下角部が捲れたりする虞もない。
また、この巻付けラベル1の一端部2a表面には、他端部2bの端縁2dの上下方向中途部が重なる部分に非接着部6が設けられているので、他端部2b裏面を一端部2a表面に重ね合わせてオーバーラップ部を形成した際、図3(b)に示すように、端縁2eを含む他端部2bの上下方向中途部が、一端部2a表面に対して弱接着又は非接着となる。
このオーバーラップ部に於ける非接着部分、すなわち、他端部2bの端縁2eに爪などを入れ、これを起点として基材2の他端部2bを引き剥がすことにより、巻付けラベル1を容器から容易に剥離除去することができる。
尚、巻付けラベル1のオーバーラップ部に於いて、基材2の一端部2aと他端部2bは、その上下縁2cを含む範囲に於いて、接着部5を介して強く接着しているので、装着された巻付けラベル1が不用意に捲れ上がる虞はない。
【0024】
さらに、上記巻付けラベル連続体7は、接着部51が基材原反21の上縁から下縁にかけて帯状に設けられているので、該接着部51は、上下方向に略均等幅となっている。従って、巻付けラベル1を得るために切断予定線Xに於いて基材原反21を切断する際、基材原反21の送り出しタイミングなどに起因して、実際の切断線が切断予定線Xの前後に多少位置ズレしても、得られる巻付けラベル1の一端部2a及び他端部2bの裏面には、上下方向に略均等幅の接着部4,5が形成されている。また、基上記巻付けラベル連続体7は、その表面の上下方向中途部であって少なくとも切断予定線Xを含む範囲に、非接着部61が設けられているので、同様に実際の切断線が切断予定線Xに対して位置ズレしても、得られる巻付けラベル1の一端部2aの表面の上下方向中途部には、端縁2eを含む他端部2bの裏面を弱接着又は非接着とするための非接着部6が形成されている。
このように上記巻付けラベル連続体7によれば、巻付けラベル1を機械的に且つ連続的に製造でき、特に、切断予定線X通りに精度良く切断できない場合であっても、装着時に皺発生を防止でき且つ装着後に容易に剥離除去できる巻付けラベル1を確実に得ることができる。
【0025】
次に、本発明の変形例を示す。以下、主として上記各実施形態と異なる構成及び作用効果について説明し、同様の構成などについては、その説明を省略し、図番を援用することがある。
上記実施形態に於ける巻付けラベル1は、非接着部6が、一端部2aの表面の上下方向中途部の所定範囲に形成されているが、例えば、図5(a)に示すように、基材2の上下方向中途部に於いて、長手方向全体に帯状(所定高さH)に伸びるように、非接着部6が設けられていてもよい。
この変形例に係る巻付けラベル1は、図5(b)に示すような巻付けラベル連続体7から得られる。かかる変形例の巻付けラベル連続体7では、実際の切断線が大きく位置ズレても、基材2の他端部2bの端縁2eが重なる範囲には必ず非接着部6が位置することとなる。
尚、以下、各種変形例を説明する際、巻付けラベル1についてのみ説明し、巻付けラベル連続体7は、その変形例に係る巻付けラベル1が連続的に繋がったものとして説明を省略する。
【0026】
次に、図6に示す変形例に係る巻付けラベル1は、非接着部6が複数に分割されているものである。具体的には、図6(a)に示す巻付けラベル1は、基材2の表面に形成される非接着部6が、上下方向に多段帯状に形成されているものであり、同(b)は、非接着部6が長手方向に多段帯状に形成されているものであり、同(c)は、非接着部6が、ブロック状に形成されているものである。その他、図示しないが、非接着部6を傾斜ストライプ状、格子状などに形成することもできる。このように非接着部6は、上記実施形態のように所定範囲にベタ状に設ける以外に、任意に分割して形成することもできる。中でも、同図(a)や(c)などのように、非接着部6が、上下方向に多段状に分割されている態様は、巻付けラベル1を容器胴部8に装着した際、オーバーラップ部に於ける非接着部分(端縁2eを含む他端部2bのうち、一端部2aに弱接着又は非接着な部分)が、上下多段状に形成される。従って、巻付けラベル1のオーバーラップ部の接着性を十分に確保しつつ、非接着部から爪などを入れて容易に開封することができる巻付けラベル1を提供できる。
但し、上記のように分割して非接着部6を設ける場合でも、非接着部6は、基材2の一端部2a表面の上下方向中途部であって、基材2の他端部2bの端縁2eが重なる範囲に少なくとも設けられる。また、分割して非接着部6を設ける場合も、図5と同様に、非接着部6を長手方向全体に帯状に伸びるように形成してもよい。
【0027】
さらに、上記実施形態では、非接着部6は、他端部2bの端縁が重なる部分であって、一端部2aの表面の上下方向中途部に設けられているが、例えば、図7に示すように、非接着部6は、他端部2bの端縁が重なる部分であって、一端部2aの表面の上縁2c又は/及び下縁2cを含む範囲に設けられていてもよい。もっとも、非接着部6を、一端部2aの表面の上縁2c又は/及び下縁2cを含む範囲に設けた場合には、オーバーラップ部に於いて、上下縁が捲れて外観不良を生じるる虞があるので、非接着部6は、一端部2aの表面の上下方向中途部に設けることが好ましい。
【0028】
また、上記実施形態では、基材2の一端部2a及び他端部2bの裏面に設けられる接着部4,5は、同一の接着剤を塗工することにより形成されているが、一端部2a及び他端部2bの接着部4,5は、それぞれ異なる接着剤を塗工することにより形成されていてもよい。例えば、基材2の一端部2a裏面の接着部4として、容器胴部に接着可能な接着剤であって、経時的に容器胴部に対する接着力が低下し且つ容器胴部から引き剥がし可能となる感熱性接着剤(例えば、上記ディレードタック型感熱接着剤等)を用い、基材2の他端部2b裏面の接着部5として、基材2の表面に接着可能な接着剤であって経時的に接着力が低下しない感熱性接着剤(例えば、上記ホットメルト型接着剤やパートコート型感熱接着剤等)を用いることなどが例示される。
このように構成すれば、巻付けラベル1を剥離除去する際、基材の一端部2a裏面に設けられた接着剤(接着部4)が、容器胴部8に付着残存せず、巻付けラベル1と共に除去できる。従って、容器リサイクルに便益な巻付けラベル1を提供できる。
さらに、上記実施形態では、基材2の一端部2aの裏面に設けられる接着部4は、1本の帯状部で形成されているが、図8に示すように、内側(基材2の中心寄り)に上下帯状に接着剤を塗工することにより、補助的な接着部4’を設けることも可能である。また、基材2の他端部2bの裏面についても同様に、補助的な接着部を設けることも可能である。
【0029】
また、上記実施形態では、巻付けラベル連続体7は、長尺状の基材原反21の表面のうち、切断予定線Xを含む範囲に、非接着部61が設けられているが、例えば、図9に示すように、非接着部61は、切断予定線Xの近傍範囲に設けられていてもよい。このように設けられていても、切断予定線Xにて切断した場合、他端部2bの端縁が重なる部分に、弱接着部又は非接着部6が設けられた巻付けラベル1を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は、本発明の巻付けラベルを裏面側から見た平面図、(b)は、同ラベルを表面側から見た背面図、(c)は、A−A線断面図。但し、(a)(b)に於いて、便宜上、網掛け表示部分は接着部が設けられた範囲を、薄墨塗り表示部分は弱接着部又は非接着部が設けられた範囲を示す。他の図に於いても同様。
【図2】巻付けラベルが容器胴部に装着された状態を示す正面図。
【図3】(a)は、図2のB−B線で切断した一部省略端面図、(b)は、図2のC−C線で切断した一部省略端面図。
【図4】(a)は、本発明の巻付けラベル連続体を裏面側から見た一部省略平面図、(b)は、同ラベル連続体を表面側から見た一部省略背面図。
【図5】(a)は、変形例に係る巻付けラベルを表面側から見た背面図、(b)は、同巻付けラベルが連続的に繋がった巻付けラベル連続体を表面側から見た一部省略背面図。
【図6】(a)〜(c)共に、変形例に係る巻付けラベルを表面側から見た背面図。
【図7】変形例に係る巻付けラベルを表面側から見た背面図。
【図8】変形例に係る巻付けラベルを裏面側から見た平面図。
【図9】巻付けラベル連続体を表面側から見た一部省略背面図。
【符号の説明】
【0031】
1…巻付けラベル、2…基材、2a…一端部、2b…他端部、2c…上縁,下縁、2d…一端部の端縁、2e…他端部の端縁、4…一端部裏面の接着部、5…他端部裏面の接着部、6…弱接着部又は非接着部、7…巻付けラベル連続体、8…容器胴部、X…切断予定線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一端部裏面を容器胴部に貼着し、基材を容器胴部の周りに巻き付け、基材の他端部裏面を前記基材の一端部表面に重ね合わせて両面を接着することにより、容器胴部に装着される巻付けラベルであって、
前記基材の一端部裏面及び他端部裏面には、帯状の接着部が設けられ、
前記基材の一端部表面には、少なくとも前記他端部の端縁が重なる部分に、弱接着部又は非接着部が設けられていることを特徴とする巻付けラベル。
【請求項2】
前記接着部が、基材の上縁から下縁にかけて帯状に設けられていると共に、前記弱接着部又は非接着部が、少なくとも前記他端部の端縁の上下方向中途部が重なる部分に設けられている請求項1記載の巻付けラベル。
【請求項3】
長尺状の基材原反の裏面に、基材原反の上縁から下縁にかけて帯状の接着部が長手方向に所定間隔をあけて並設され、前記接着部を2つに分ける切断予定線に於いて前記基材原反を上下方向に切断することにより、個々の巻付けラベルを得ることができるラベル連続体であって、
前記長尺状の基材原反の表面には、前記切断予定線を含む範囲又は切断予定線の近傍に、弱接着部又は非接着部が設けられていることを特徴とする巻付けラベル連続体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−3724(P2007−3724A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182507(P2005−182507)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】