説明

巻取ユニット及びこれを備える糸巻取機

【課題】給糸ボビンの形状及び種類に応じて解舒位置における当該給糸ボビンの姿勢を容易かつ正確に調整可能な巻取ユニットを提供する。
【解決手段】本実施形態のワインダユニット(巻取ユニット)4は、主芯部材80と、駆動部200と、ステッピングモータ制御部と、を備える。主芯部材80は、給糸ボビンの姿勢を規定する。駆動部200は、給糸ボビンの糸の解舒を行う解舒位置における主芯部材80の姿勢を調整するために駆動する。ステッピングモータ制御部は、駆動部200のステッピングモータ100を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、給糸ボビンの位置を変更可能な巻取ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
給糸部において給糸ボビンから糸を解舒し、給糸ボビンから解舒された糸を巻取部において巻取管に巻き返して、巻取パッケージを形成する巻取ユニットを多数並べて配置した糸巻取機が知られている。この種の巻取ユニットは、給糸ボビンを保持するボビン保持部と、前記給糸ボビンに巻かれている糸の解舒が終了したときに新たに給糸ボビンを供給するボビン供給機構と、を備える。このボビン供給機構としては、複数の供給ボビンを収容可能であって所定ピッチで間欠的に回転させられることで給糸ボビンを一つずつ給糸部のボビン保持部へと供給するマガジンを用いたマガジン機構が知られている。
【0003】
特許文献1は、糸巻取機において、ボビン保持部の位置を変更可能な構成を開示する。特許文献1が開示するボビン保持ペッグ(ボビン保持部)は、給糸ボビンの芯管の内部に入り込むシャフトを備え、このシャフトを回動させることで、給糸ボビンの位置を変更可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−124230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、給糸ボビンから糸を解舒するときには、当該給糸ボビンの糸の解舒側端部(通常は上側)の位置を調整する必要がある。しかし、給糸ボビンの内径及び内側の形状は、給糸ボビンに巻かれている糸の種類によって異なるので、巻取ユニットに供給される給糸ボビンの種類が変更されると、巻取ユニットのボビン保持部の設定を変更する必要がある。そのため、特許文献1で示すボビン保持ペッグ等は、頻繁に設定を変更しなければならない場合があり、作業に時間が掛かっていた。更に、巻取ユニットのボビン保持部の設定変更は巻取ユニット毎に手動で行われていたため、オペレータの負担となっていた。また、同種の給糸ボビンであっても内径及び形状等において個体差があることが一般的であるため、解舒位置における給糸ボビンの姿勢を精度よく調整することは事実上極めて困難であった。
【0006】
また、ボビン保持部を揺動することで給糸ボビンの角度を変えて当該給糸ボビンの姿勢を調整する構成において、給糸ボビンの下側を基準として給糸ボビンの位置を調整する場合は、以下の課題がある。即ち、給糸ボビンの下側における目標位置からのズレが僅かであっても、給糸ボビンの上側(解舒側端部)では目標位置からのズレ量が大きくなってしまう。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、給糸ボビンの形状及び種類に応じて解舒位置における当該給糸ボビンの姿勢を容易かつ正確に調整可能な巻取ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の巻取ユニットが提供される。即ち、この巻取ユニットは、規定部材と、駆動部と、制御部と、を備える。前記規定部材は、給糸ボビンの姿勢を規定する。前記駆動部は、給糸ボビンの糸の解舒を行う解舒位置における前記規定部材の姿勢を調整するために駆動する。前記制御部は、前記駆動部を制御する。
【0009】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、解舒位置における規定部材の姿勢の調整が制御部によって自動で実行できるため、規定部材の姿勢の調整を手動で行う構成に比べてオペレータの負担を軽減することができる。
【0010】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この巻取ユニットは、前記規定部材に対する姿勢を変更することで、給糸ボビンを前記規定部材に保持させる保持部材を備える。前記駆動部は、モータと、動力伝達部と、を有する。前記動力伝達部は、前記モータの動力を前記規定部材と前記保持部材とに伝える。
【0011】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、規定部材の姿勢と保持部材の動作を共通のモータの動力で制御することができるため、構成をコンパクトにすることができる。
【0012】
前記の巻取ユニットにおいては、前記動力伝達部は、前記規定部材の姿勢を変化させる規定カムを備えることが好ましい。
【0013】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、規定部材の動作を規定カムの形状に基づいて定めることができる。また、本発明の巻取ユニットでは、規定カムが取り付けられる軸を回転させるだけで規定部材の姿勢を変化させることができるため、動力伝達機構の構成を簡単にできる。
【0014】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記動力伝達部は、規定連動部材と、規定弾性部材と、を備える。前記規定連動部材は、前記規定部材と連動している。前記規定弾性部材は、前記規定連動部材に対して弾性力を作用させる。前記規定連動部材は前記規定弾性部材の弾性力によって、前記規定カムに押し付けられる。
【0015】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、規定弾性部材と規定カムという簡易な機構で規制部材の姿勢の調整を行うことができる。
【0016】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記動力伝達部は、前記保持部材の姿勢を変化させる保持カムを備える。前記保持カムの動作に応じて前記保持部材の姿勢が変化することで、前記規定部材の姿勢は、給糸ボビンの受取りを行う受取姿勢と、前記解舒位置における解舒姿勢と、給糸ボビンの排出を行う排出姿勢と、に切り替えられる。
【0017】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、保持カムが取り付けられる軸を回転させるだけで、保持部材の姿勢を変化させることができるため、規定部材の姿勢を容易に変化させることができる。更に、本発明の巻取ユニットでは、解舒位置において規定部材に給糸ボビンを保持させる部材と、規定部材の姿勢の切替えを行う部材と、を共通にできるので、部品点数を減少させることができる。従って、本発明の巻取ユニットでは、構成をコンパクトにするとともに、製造コストを低減させることができる。
【0018】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記動力伝達部は、保持連動部材と、保持弾性部材と、を備える。前記保持連動部材は、前記保持部材と連動している。前記保持弾性部材は、前記保持連動部材に対して弾性力を作用させる。前記保持連動部材は、前記保持弾性部材の弾性力によって、前記保持カムに押し付けられる。
【0019】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、保持弾性部材と保持カムという簡易な機構で保持部材の姿勢調整を行うことができる。また、保持カムの形状に従って、保持部材を確実に動作させることができる。
【0020】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記規定部材及び前記保持部材は回動可能に支持される。前記規定弾性部材の弾性力によって前記規定部材が回動する方向と、前記保持弾性部材の弾性力によって前記保持部材が回動する方向と、が同一方向である。
【0021】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、それぞれのカム及び弾性部材の配置を単純にすることができるので、構成をコンパクトにすることができる。
【0022】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この巻取ユニットは、前記ボビン保持部が前記排出姿勢にあるときに給糸ボビンを排出する排出部材を備える。前記動力伝達部は、排出カムと、排出連動部材と、を備える。前記排出カムは、前記排出部材の姿勢を変化させる。前記排出連動部材は、前記排出部材と連動している。
【0023】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、排出カムが取り付けられる軸を回転させるだけで、排出部材の姿勢を変化させることができるため、排出部材の姿勢を容易に変化させることができる。
【0024】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この巻取ユニットは、前記排出連動部材に対して弾性力を作用させる排出弾性部材を備える。前記排出連動部材は、前記排出弾性部材の弾性力によって前記排出カムに押し付けられている。
【0025】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、排出弾性部材と排出カムという簡易な構成で排出部材の姿勢の変更を行うことができる。また、排出カムの形状に従って、排出部材を確実に動作させることができる。
【0026】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、共通の駆動軸を介して一体的に駆動するカム連結機構である。前記規定カムが前記規定部材の姿勢調整を行う規定カム動作領域が、前記保持カムが前記保持部材の姿勢を変更する保持カム動作領域と、前記排出カムが前記排出部材の姿勢を変更する排出カム動作領域とは異なるように構成されている。
【0027】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、簡易な構成で規定部材の動作を保持部材と排出部材の動作と切り離すことができる。よって、簡易な構成で、確実に規制部材の姿勢の調整を行うことができる。
【0028】
前記の巻取ユニットにおいては、前記駆動軸が前記モータに連接されていることが好ましい。
【0029】
これにより、本発明の巻取ユニットでは、それぞれのカムに対してモータを備える構成に比べて、巻取ユニットの製造コストを大幅に低減することができる。
【0030】
前記の巻取ユニットにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、各巻取ユニットは、給糸ボビンに関する情報を入力可能なユニット入力部を備える。前記制御部は、前記ユニット入力部に入力された情報に基づいて、前記駆動部を制御する。
【0031】
これにより、本発明の巻取ユニットは、ユニット入力部に入力を行うだけで、給糸ボビンの姿勢を給糸ボビンの種類に応じた適切な姿勢に調整をすることができる。そのため、本発明の巻取ユニットでは、給糸ボビンの姿勢を手動で調整する構成と比べて、作業効率を上げることができる。
【0032】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の糸巻取機が提供される。即ち、この糸巻取機は、前記巻取ユニットと、機台制御装置と、機台入力部と、を備える。前記機台制御装置は、各巻取ユニットを制御する。前記機台入力部は、前記機台制御装置に配置され、給糸ボビンに関する情報を入力可能である。そして、前記制御部は、前記機台入力部から受信した情報に基づいて、前記駆動部を制御する。
【0033】
これにより、本発明の糸巻取機では、機台入力部に入力を行うだけで、各巻取ユニットにおいて給糸ボビンの姿勢の調整を複数の巻取ユニットに対して一括して実行させることができる。従って、糸巻取機が備える各巻取ユニットに対して、それぞれ巻取ユニットに供給される給糸ボビンの種類等の設定を実行する構成に比べて、作業効率をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動ワインダの全体的な構成を示す外観斜視図。
【図2】ワインダユニットの模式的な側面図。
【図3】ワインダユニットの主要な構成を示すブロック図。
【図4】解舒補助装置の構成を示す拡大斜視図。
【図5】ボビンセット部の構成を示す斜視図。
【図6】動力伝達部が備えるカムの形状を示す側面図。
【図7】主芯部材が受取姿勢にあるときの調整部の構成を示す側面図。
【図8】主芯部材が解舒姿勢にあるときの調整部の構成を示す側面図。
【図9】主芯部材が排出姿勢にあるときの調整部の構成を示す側面図。
【図10】糸切れ等が発生したときにワインダユニットが行う処理を示すフローチャート。
【図11】給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図。
【図12】給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図。
【図13】機台制御装置の変更例を示すブロック図。
【図14】給糸ボビンの解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャート。
【図15】第1変形例及び第2変形例に係る、ワインダユニットの主要な構成を示すブロック図。
【図16】第1変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャート。
【図17】第1変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図。
【図18】第1変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図。
【図19】第2変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャート。
【図20】第2変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図。
【図21】第2変形例に係る、給糸ボビンの解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。初めに、本実施形態の自動ワインダ1の概要について図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動ワインダ1の外観斜視図である。なお、以下の説明において、ワインダユニット4の正面側を単に「正面側」、ワインダユニット4の背面側を単に「背面側」と称することがある。
【0036】
本実施形態の自動ワインダ(糸巻取機)1は、並べて配置された複数のワインダユニット(巻取ユニット)4と、複数のワインダユニット4の並べられた方向の一端に配置された機台制御装置7と、を備えている。
【0037】
各ワインダユニット4は、正面視で左右一側に設けられたユニットフレーム5と、このユニットフレーム5の側方に設けられた巻取ユニット本体6と、を備えている。ユニットフレーム5の内部には、巻取ユニット本体6の各部を制御するユニット制御部50(図3を参照)が配置されている。このユニット制御部50は、判断部51と、記憶部52と、演算部53と、を備えている。なお、このユニット制御部50が備える各構成の詳細な機能は後述する。また、ユニットフレーム5は、巻取ユニット本体6の設定等を入力可能なユニット入力部18と、巻取作業の状況等を表示可能なユニット表示部19と、を備えている。このユニット入力部18は、例えばキーやボタンとして構成することができる。
【0038】
機台制御装置7はこのユニット制御部50と通信可能に構成されているため、機台制御装置7によって複数のワインダユニット4の動作を集中的に管理することが可能となっている。また、機台制御装置7は、各ワインダユニット4に対して様々な設定(各ワインダユニット4の巻取作業に用いられる給糸ボビンの種類の入力等)を行うための機台入力部8と、各ワインダユニット4の巻取作業の状況等を表示可能な機台表示部9と、を備えている。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、ワインダユニット4について詳細に説明する。図2は、ワインダユニット4の模式的な側面図である。図3は、ワインダユニット4の主要な構成を示すブロック図である。ワインダユニット4は、給糸ボビン21の糸を巻取ボビン22に巻き取ってパッケージ29を形成するための装置である。以下、このワインダユニット4の各部について説明する。
【0040】
図1及び図2に示すように、ワインダユニット4の正面側には、オペレータが給糸ボビン21を供給するためのボビン供給装置60が配置されている。ボビン供給装置60は、ワインダユニット4の下部から正面上方向に延出されたマガジン保持部61と、このマガジン保持部61の先端に取り付けられているマガジンカン62と、マガジンカン62の下方に設置された給糸ボビン案内部64と、開閉部68と、を備えている。
【0041】
マガジンカン62には複数の収納孔が円状に並べて形成されており、それぞれの収納孔には、給糸ボビン21を傾斜姿勢でセットすることができる。また、このマガジンカン62は、図略のモータによって間欠的な回転送り駆動が可能であるように構成されている。そして、このマガジンカン62の間欠駆動と、マガジンカン62が備える図略の制御弁の開閉動作とによって、所定の給糸ボビン21を斜め下方へ落下させることができる。
【0042】
給糸ボビン案内部64は、マガジンカン62から落下してきた給糸ボビン21を斜めに滑落させて、ボビンセット部10のボビン保持部110まで案内するように構成されている。なお、ボビンセット部10は、図5に示すように、ボビン保持部110に加え、糸の解舒が完了した給糸ボビン21(芯管21a)を排出するための跳ね板40と、ボビン保持部110及び跳ね板40を動作させる駆動部200と、を備えている。なお、ボビンセット部10の詳細は後述する。
【0043】
開閉部68は、正面側(図2における手前側)と背面側(図2における奥側)との間で揺動可能な一対の開閉部材68a,68bで構成されており、一対の開閉部材68a,68bが、閉じた状態(図2で示す状態)と開いた状態とを切替可能になっている。開閉部68が閉じた状態においては、当該開閉部68の内面は給糸ボビン案内部64の一部分を構成する。つまり、開閉部68の内面は、マガジンカン62から落下してくる給糸ボビン21と接触して、当該給糸ボビン21を斜め下方のボビンセット部10まで案内する。一方、開閉部68が開いた状態においては、巻取りが完了した糸が巻かれていない状態の給糸ボビン21を正面側に排出することができる。なお、開閉部68の正面側にはコンベア3(図1を参照)が配設されているので、自動ワインダ1は、開閉部68から排出された給糸ボビン21をコンベア3によってコンベア3の搬送方向端部に配置された図示しない給糸ボビン回収ボックスまで搬送することができる。
【0044】
また、ボビン保持部110は、図2及び図3に示すステッピングモータ(モータ)100が駆動することによって、正面側及び背面側に揺動可能に構成されている。なお、このステッピングモータ100は、図3に示すように、ステッピングモータ制御部(制御部)102によって制御されている。また、ボビンセット部10の適宜の位置には原点センサ101が取り付けられており、この原点センサ101が検出したステッピングモータ100の回転状態を基準として、当該ステッピングモータ100の回転制御が行われる。なお、この原点センサ101を取り付ける場所及び部材については後述する。
【0045】
また、ボビン保持部110は、背面側から正面側へ揺動することにより、給糸ボビン案内部64によって案内される給糸ボビン21を受取可能となっている。そして、ボビン保持部110は、背面側に揺動することにより、受け取った給糸ボビン21を略直立状態にすることができる。なお、ステッピングモータ100の駆動によってボビン保持部110を揺動させる機構、及びステッピングモータ制御部102が行う制御等の詳細は後述する。
【0046】
上記のようにボビンセット部10のボビン保持部110にセットされた給糸ボビン21は、巻取部16によって巻き取られる。この巻取部16は、図2に示すように、巻取ボビン22を装着可能に構成されたクレードル23と、糸20をトラバースさせるとともに前記巻取ボビン22を駆動するための綾振ドラム24と、を備えている。
【0047】
また、前記巻取ユニット本体6は、ボビンセット部10と綾振ドラム24との間の糸走行経路中に各種の装置を備えている。具体的に説明すると、前記糸走行経路に配置される主要な装置として、ボビンセット部10側から綾振ドラム24側へ向かって順に、糸縮れ発生防止装置11と、解舒補助装置12と、テンション付与装置13と、糸継装置14と、クリアラ(糸品質測定器)15と、が配置されている。
【0048】
解舒補助装置12は、図4に示すように、固定部材71と、可動部材72と、昇降部材73と、チェース部検出センサ74と、を備える。図4は、解舒補助装置12の構成を示した拡大斜視図である。
【0049】
固定部材71は、適宜の部材を介してユニットフレーム5に固定されている。この固定部材71の下部には、バルーンを制御するための絞り部(図略)が形成されている。可動部材72は、筒状に形成されており、固定部材71の外側を覆うように配置されている。なお、以下の説明において、この筒状に構成された可動部材72の中心軸線及び当該中心軸線を延長した線を仮想線L1と称する。
【0050】
昇降部材73はこの可動部材72と一体的に形成されている。そして、昇降部材73は鉛直方向に移動可能に構成されているため、当該可動部材72を鉛直方向に移動させることができる。この昇降部材73は、給糸ボビン21のチェース部21b(図4を参照)を検出するためのチェース部検出センサ74を備えている。なお、チェース部21bとは、巻取動作の進行に伴う給糸ボビン21の糸層端部である。また、チェース部検出センサ74は、投光部74aと受光部74bとを有する透過式のフォトセンサとして構成されている。なお、図3に示すように、チェース部検出センサ74が検出した検出信号は、ユニット制御部50に入力される。
【0051】
この構成により、チェース部検出センサ74の検出信号に基づいて昇降部材73を動作させることで、チェース部21bから所定の距離に可動部材72を位置させることができる。そして、給糸ボビン21が解舒されてチェース部21bの位置が下降するに従って昇降部材73を下降させることで、チェース部21bと可動部材72との距離を常に一定にすることができる。これにより、給糸ボビン21が解舒される際にチェース部21bから糸が解離する位置で発生するバルーンを適切に規制することができ、給糸ボビン21から解舒された糸の張力を一定に保ちながら巻取作業を行うことができる。なお、このような適切な解舒補助作業を行うためには、給糸ボビン21の解舒側端部を仮想線L1上の位置(解舒基準位置)に合わせる必要がある。なお、この給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する制御等の詳細については後述する。
【0052】
また、解舒補助装置12の背面側には、糸の縮れの発生を防止するための糸縮れ発生防止装置11が配置されている。ここで糸縮れとは、糸に生じる不具合の1つであり、糸が縮れ、螺旋状に絡み合っている状態である。前記糸縮れ発生防止装置11は、ブラシアーム11aと、ブラシアーム11aの先端に形成されたブラシ部11bと、を備えている。このブラシアーム11aは回動可能に構成されており、回動させることで、ブラシ部11bを給糸ボビン21の上端部分に接触させることができる。これにより、糸継作業時等において糸20に適切なテンションを付与し、糸縮れの発生を防止することができる。
【0053】
テンション付与装置13は、走行する糸20に所定のテンションを付与するものである。本実施形態のテンション付与装置13は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式に構成されている。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛合せ状態又は解放状態になるように、ロータリ式のソレノイドにより回動可能に構成されている。
【0054】
また、解舒補助装置12とテンション付与装置13との間には下糸検出センサ31が配置されている。下糸検出センサ31は、配置される位置において糸が走行しているか否かを検出可能に構成されている。
【0055】
クリアラ15は、糸20の糸太さを監視することにより、スラブ等の糸欠陥(糸欠点)を検出するように構成されている。また、クリアラ15よりも糸道の上流側(下方)には、当該クリアラ15が糸欠陥を検出したときに直ちに糸20を切断するためのカッタ39が配置されている。
【0056】
糸継装置14は、クリアラ15が糸欠陥を検出してカッタ39で糸を切断する糸切断時、給糸ボビン21からの解舒中の糸の糸切れ時、又は給糸ボビン21の交換時等に、給糸ボビン21側の下糸と、パッケージ29側の上糸とを糸継ぎするものである。このような糸継装置14としては、圧縮空気等の流体を用いるものや、機械式のものを使用することができる。
【0057】
糸継装置14の下側及び上側には、給糸ボビン21側の下糸を捕捉して案内する下糸案内パイプ25と、パッケージ29側の上糸を捕捉して案内する上糸案内パイプ26と、が設けられている。下糸案内パイプ25の先端には吸引口32が形成され、上糸案内パイプ26の先端にはサクションマウス34が備えられている。下糸案内パイプ25及び上糸案内パイプ26には適宜の負圧源がそれぞれ接続されており、前記吸引口32及びサクションマウス34に吸引力を生じさせることができる。
【0058】
この構成で、給糸ボビンの交換時等においては、下糸案内パイプ25の吸引口32が下方へ回動して下糸を吸引捕捉し、その後、軸33を中心にして上方へ回動することで糸継装置14まで下糸を案内する。また、これとほぼ同時に、ワインダユニット4は、上糸案内パイプ26を図2の位置から軸35を中心として上方へ回動させるとともにパッケージ29を逆回転させ、当該パッケージ29から解舒される上糸をサクションマウス34によって捕捉する。続いて、ワインダユニット4は、軸35を中心として上糸案内パイプ26を下方へ回動させることで、糸継装置14に上糸を案内するようになっている。そして、糸継装置14において、下糸と上糸の糸継が行われる。
【0059】
また、ユニットフレーム5には、図2及び図3に示すように報知ランプ56が配置されている。この報知ランプ56は、図3に示すようにユニット制御部50と接続されており、巻取ユニット本体6の各部に発生した異常をオペレータに知らせることができる。なお、この報知ランプ56は、光を用いてオペレータに異常の発生を知らせる構成であるが、この構成に代えて、ブザー等によって報知する構成にしても良い。
【0060】
以上の構成で、自動ワインダ1の各ワインダユニット4は、給糸ボビン21から解舒された糸20を巻取ボビン22に巻き取って所定長のパッケージ29を形成することができる。
【0061】
次に、図5から図9までを参照して、ボビンセット部10について詳細に説明する。図5は、ボビンセット部10の構成を示す斜視図である。図6は、動力伝達部120が備えるカムの形状を示す側面図である。図7は、主芯部材80が受取姿勢にあるときの動力伝達部120の構成を示す側面図である。図8は、主芯部材80が解舒姿勢にあるときの動力伝達部120の構成を示す側面図である。図9は、主芯部材80が排出姿勢にあるときの動力伝達部120の構成を示す側面図である。
【0062】
前述のように、ボビンセット部10は、供給された給糸ボビン21を保持するためのボビン保持部110と、糸の解舒が完了した給糸ボビン21(芯管21a)を排出するための跳ね板40と、ボビン保持部110及び跳ね板40を動作させる駆動部200と、を備えている。また、駆動部200は、ステッピングモータ100と、このステッピングモータ100の動力を跳ね板40及びボビン保持部110に伝達する動力伝達部120と、で構成されている。
【0063】
ボビン保持部110は、図7から図9に示すように揺動して、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を変更させることができる。また、ボビン保持部110は、主芯部材(規定部材)80と、補助芯部材(固定部材)90と、で構成されている。この主芯部材80及び補助芯部材90は、図7に示すように、給糸ボビン21が供給されたときには閉じた状態となっており、芯管21aの内部に入り込むようになっている。そして、この状態で補助芯部材90が主芯部材80から離れる方向に揺動することで、給糸ボビン21を保持することができる(図8を参照)。また、このボビン保持部110による給糸ボビン21の保持が解除された状態で、跳ね板40を揺動させることにより、芯管21aの底部を押し出して主芯部材80及び補助芯部材90から抜き、給糸ボビン21を排出することができる(図9を参照)。
【0064】
次に、動力伝達部120について説明する。動力伝達部120は、主芯部材80を揺動させるための構成として、主芯部材駆動カム(規定カム)81と、ベアリング82と、揺動アーム83と、位置決めアーム84aと、接触アーム84bと、伝達軸(規定連動部材)85と、押当てバネ(規定弾性部材)86と、を備えている。また、動力伝達部120は、ステッピングモータ100の動力を主芯部材駆動カム81等に伝えるための構成として、伝達ベルト103と、プーリ104と、カム軸105と、を備えている。
【0065】
プーリ104はカム軸105に固定されており、このプーリ104は、ステッピングモータ100の出力軸に対し伝達ベルト103を介して連結されている。伝達ベルト103は図5では簡略的に描かれているが、歯付きのタイミングベルトとして構成されており、ステッピングモータ100の出力軸の回転を滑りなくカム軸105に伝達することができる。
【0066】
前記プーリ104には原点センサ101(図5には示していない)が取り付けられており、この原点センサ101は、プーリ104ないしカム軸105が所定の回転位相であるときに検知信号を送るように構成されている。そして、この原点センサ101が検知信号を送信するときの回転状態がステッピングモータ100の原点とされており、ステッピングモータ100の回転制御はこの原点を基準として行われるようになっている。
【0067】
主芯部材駆動カム81は前記カム軸105に固定されており、当該カム軸105と一体的に回転する。また、主芯部材駆動カム81よりも背面側には揺動アーム83が配置されており、この揺動アーム83の中途部には回転可能なベアリング82が取り付けられている。このベアリング82は、主芯部材駆動カム81の外周面に接触しながら適宜回転できるように構成されている。
【0068】
揺動アーム83の先端部は、動力伝達部120の適宜の位置に揺動可能に支持された位置決めアーム84aの下端部に、棒状のリンクを介して連結されている。位置決めアーム84aの上端部には回転可能な回転部材87が支持されている。
【0069】
位置決めアーム84aよりも正面側には、接触アーム84bが配置されている。この接触アーム84bの先端は、前記位置決めアーム84aに取り付けられた前記回転部材87に対して接触可能に構成されている。接触アーム84bの基部には伝達軸85の一端が固定されており、伝達軸85の他端は主芯部材80に固定されている。つまり、伝達軸85と主芯部材80とは連動するように構成されている。従って、主芯部材80は接触アーム84bと一体的に回転するようになっている。また、前記接触アーム84bには捩りコイルバネ状の押当てバネ86が取り付けられており、接触アーム84bを図5の矢印方向に付勢している。
【0070】
以上の構成で、接触アーム84bには押当てバネ86の弾性力が作用するため、その突出部が回転部材87に接触し、位置決めアーム84aを押す。更に、位置決めアーム84aの下端部がリンクを介して揺動アーム83を引っ張るので、揺動アーム83のベアリング82が主芯部材駆動カム81に押し当てられる。このように、押当てバネ86は、主芯部材駆動カム81とベアリング82とを接触させるとともに、接触アーム84bを位置決めアーム84aに接触させるためのバネ力を発生させている。
【0071】
この状態で主芯部材駆動カム81が回転し、主芯部材駆動カム81の周縁部(後述の膨らみ部)がベアリング82を押すと、揺動アーム83がカム軸105から離れる方向に回動し、当該揺動アーム83の先端がリンクを介して位置決めアーム84aの下端部を引っ張る。その結果、位置決めアーム84aの上端の回転部材87が接触アーム84bを押すので、主芯部材80を接触アーム84bとともに正面側へ揺動させることができる(図8を参照)。
【0072】
また、動力伝達部120は、ステッピングモータ100の動力を補助芯部材90に伝えるための構成として、補助芯部材駆動カム(固定カム)91と、ベアリング92と、揺動アーム93と、伝達アーム94と、伝達軸(保持連動部材)95と、保持バネ(保持弾性部材)96と、を備えている。
【0073】
補助芯部材駆動カム91は、主芯部材駆動カム81と同様に、前記カム軸105に固定されている。補助芯部材駆動カム91よりも背面側には揺動アーム93が配置されており、この揺動アーム93の中途部には回転可能なベアリング92が取り付けられている。このベアリング92は、補助芯部材駆動カム91の外周面に接触しながら適宜回転できるように構成されている。
【0074】
揺動アーム93の先端部は、動力伝達部120の適宜の位置に揺動可能に支持された伝達アーム94の下端部に、棒状のリンクを介して連結されている。伝達アーム94の基部には伝達軸95の一端が取り付けられており、伝達軸95の他端は補助芯部材90に固定されている。つまり、伝達軸95と補助芯部材90とは連動するように構成されている。従って、補助芯部材90は伝達アーム94と一体的に回転するようになっている。また、前記伝達アーム94には捩りコイルバネ状の保持バネ96が取り付けられており、伝達アーム94を図5の点線矢印方向に付勢している。
【0075】
以上の構成で、保持バネ96は、補助芯部材90が背面側に揺動する方向(主芯部材80から離れる方向)のバネ力を、伝達アーム94及び伝達軸95を介して当該補助芯部材90に作用させている。同時に、保持バネ96の弾性力が作用する伝達アーム94の先端部が、リンクを介して揺動アーム93を引っ張るので、揺動アーム93のベアリング92が補助芯部材駆動カム91に押し当てられる。このように、保持バネ96は、補助芯部材駆動カム91とベアリング92とを接触させるためのバネ力を発生させている。
【0076】
この状態で補助芯部材駆動カム91が回転し、補助芯部材駆動カム91の周縁部(後述の膨らみ部)がベアリング92を押すと、揺動アーム93がカム軸105から離れる方向に揺動し、当該揺動アーム93の先端がリンクを介して伝達アーム94の下端部を引っ張る。その結果、補助芯部材90を正面側(主芯部材80に近づく方向)に揺動させることができる。
【0077】
なお、所定の角度を超えて補助芯部材90を正面側に揺動させた場合、当該補助芯部材90が主芯部材80の図略の部分と接触し、それ以後は補助芯部材90が主芯部材80を押すようにして一体的に揺動するように構成されている(この場合、接触アーム84bの先端部と回転部材87とが適宜離間することになる)。即ち、補助芯部材90が所定の角度を超えて正面側に揺動している状態では、主芯部材80は主芯部材駆動カム81ではなく補助芯部材駆動カム91によって駆動されることになる。
【0078】
次に、跳ね板40を駆動するための構成について説明する。動力伝達部120は、ステッピングモータ100の動力を跳ね板40に伝えるための構成として、跳ね板駆動カム(排出カム)41と、ベアリング42と、揺動アーム43と、伝動アーム44と、伝達軸(排出連動部材)45と、戻しバネ(排出弾性部材)46と、を備えている。
【0079】
跳ね板駆動カム41は、補助芯部材駆動カム91及び主芯部材駆動カム81と同様に、前記カム軸105に固定されている。跳ね板駆動カム41よりも背面側には揺動アーム43が配置されており、この揺動アーム43の中途部には回転可能なベアリング42が取り付けられている。このベアリング42は、跳ね板駆動カム41の外周面に接触しながら適宜回転できるように構成されている。
【0080】
揺動アーム43の先端部は、動力伝達部120の適宜の位置に揺動可能に支持された伝動アーム44の下端部に、棒状のリンクを介して連結されている。伝動アーム44の基部には伝達軸45の一端が固定されており、伝達軸45の他端は跳ね板40に固定されている。つまり、伝達軸45と跳ね板40とは連動するように構成されている。従って、跳ね板40は伝動アーム44と一体的に回転するようになっている。また、前記伝動アーム44には捩りコイルバネ状の戻しバネ46が取り付けられており、伝動アーム44を図5の矢印方向に付勢している。
【0081】
以上の構成で、戻しバネ46の弾性力が作用する伝動アーム44の先端部が、リンクを介して揺動アーム43を引っ張るので、揺動アーム43のベアリング42が跳ね板駆動カム41に押し当てられる。このように、戻しバネ46は、跳ね板駆動カム41とベアリング42とを接触させるためのバネ力を発生させている。
【0082】
この状態で跳ね板駆動カム41が回転し、跳ね板駆動カム41の周縁部(後述の膨らみ部)がベアリング42を押すと、揺動アーム43がカム軸105から離れる方向に移動し、当該揺動アーム43の先端がリンクを介して伝動アーム44の下端部を引っ張る。その結果、跳ね板40を正面側へ跳ね上げることができる(図9を参照)。
【0083】
次に、ワインダユニット4が、給糸ボビン21の受取り、給糸ボビン21の糸20が解舒される所定の位置での保持、及び排出を行う構成について説明する。前述のように、本実施形態において跳ね板駆動カム41、主芯部材駆動カム81及び補助芯部材駆動カム91は、共通のカム軸105に固定されたカム連結機構130として構成されており、3つのカム41,81,91が一体的に駆動するようになっている。また、図6に示すように、3つのカム41,81,91にはそれぞれ膨らみ部が形成されており、この膨らみによって跳ね板40、主芯部材80、補助芯部材90の姿勢を変更させることができる。補助芯部材駆動カム91の膨らみ部(保持カム動作領域)及び跳ね板駆動カム41の膨らみ部(排出カム動作領域)は緩やかに形成されているが、主芯部材駆動カム81の膨らみ部(規定カム動作領域)はやや鋭く形成されている。また、補助芯部材駆動カム91の膨らみ部と跳ね板駆動カム41の膨らみ部とはほぼ同じ位相で形成される一方、それらとほぼ180°異なる位相において主芯部材駆動カム81の膨らみ部が形成されている。
【0084】
以上の構成において、給糸ボビン21の受取りを行うときは、ステッピングモータ100を適宜駆動して3つのカム41,81,91を回転させ、揺動アーム93が有するベアリング92が、補助芯部材駆動カム91において膨らみ部のピーク部分を若干通り過ぎた箇所に接触した状態とし、この状態でカム41,81,91の回転を停止させる。これにより、図7に示すように、補助芯部材90は、直立状態から正面側に若干倒れた姿勢となる。
【0085】
この状態においては、補助芯部材90が所定の角度を超えて揺動しているため、前述のように主芯部材80も補助芯部材90に押される形で正面側に揺動しており、その姿勢は、補助芯部材90と同様に、直立状態から正面側に若干倒れている。そして、この状態で給糸ボビン21がマガジン保持部61から供給されると、ボビン保持部110(主芯部材80及び補助芯部材90)が芯管21aの内部に入り込む。なお、本明細書において、給糸ボビン21の受取りを行うときの主芯部材80の姿勢(図7の姿勢)を受取姿勢と称する。
【0086】
そして、受け取った給糸ボビン21について糸の解舒を行うときは、ステッピングモータ100を再び駆動し、カム軸105を図7の矢印で示す方向に回転させる。これにより、揺動アーム43,93が有するベアリング42,92が、跳ね板駆動カム41及び補助芯部材駆動カム91において膨らみ部を完全に通り過ぎ、非膨らみ部に接触するようになる。また、揺動アーム83が有するベアリング82は、主芯部材駆動カム81において膨らみ部に接触するようになる。
【0087】
これに伴って、図8に示すように、跳ね板40は図7の状態から背面側に揺動して水平となるとともに、補助芯部材90が背面側へ若干倒れるように揺動する。また、前述したように補助芯部材90によって正面側に押されていた主芯部材80も、補助芯部材90の背面側への揺動に伴って同様に背面側に揺動していくが、やがて接触アーム84bが位置決めアーム84aの回転部材87に接触することで主芯部材80の揺動が止められ、以後は補助芯部材90のみが、保持バネ96のバネ力によって背面側へ揺動することになる。即ち、補助芯部材90が主芯部材80から相対的に離れるように変位するため、給糸ボビン21の芯管21aをボビン保持部110によって内側から保持することができる。
【0088】
このときの主芯部材80の揺動が止められる姿勢は、位置決めアーム84aが有する回転部材87の位置によって定まる。また、この位置決めアーム84aはリンクを介して揺動アーム83に連結されているので、主芯部材80の姿勢は、前記揺動アーム83のベアリング82が前記主芯部材駆動カム81の膨らみ部におけるどの部分に接触しているか(膨らみ部の立ち上がり部分に接触しているのか、ピーク部分に接触しているのか等)によって変更することができる。即ち、主芯部材駆動カム81の回転位相を変更することで、主芯部材80の姿勢を調整することができるのである。なお、このように主芯部材80の姿勢が変更される場合でも、補助芯部材90は保持バネ96の弾性力によって、給糸ボビン21の保持状態を問題なく維持することができる。
【0089】
なお、本明細書において、給糸ボビン21の解舒を行うときの主芯部材80の姿勢を解舒姿勢と称する。また、前記原点センサ101は、図8のように主芯部材80がほぼ直立した姿勢となっている状態でのプーリ104の回転位相を検出することとし、この状態がステッピングモータ100の回転制御における原点となるように設定されている。なお、主芯部材80の解舒姿勢は給糸ボビン21の種類等によって変化するものであるので、原点センサ101が検出する原点と前記解舒姿勢とは必ずしも一致しない。
【0090】
次に、給糸ボビン21の排出を行うときは、ステッピングモータ100を適宜駆動して3つのカム41,81,91を回転させる。これにより、揺動アーム43,93が有するベアリング42,92が、跳ね板駆動カム41及び補助芯部材駆動カム91の膨らみ部に接触する。従って、図9に示すように、跳ね板40は正面側に大きく揺動する。また、これと連動して、補助芯部材90が正面側に揺動することで給糸ボビン21の保持が解除されるとともに、当該補助芯部材90が主芯部材80を押しながら正面側に大きく揺動する。これにより、跳ね板40が給糸ボビン21の芯管21aの下端を押し上げて、当該給糸ボビン21を排出することができる。なお、本明細書において、給糸ボビン21の排出を行うときの主芯部材80の姿勢を排出姿勢と称する。
【0091】
以上のように、本実施形態では、単一の駆動源であるステッピングモータ100を駆動するだけで、給糸ボビン21の受取り、解舒姿勢での給糸ボビン21の保持(及び当該解舒姿勢の調整)、及び給糸ボビン21の排出を行うことができる。
【0092】
次に、図10から図12までを参照して、自動ワインダ1が給糸ボビン21を交換しつつ巻取りを行うときの一連の流れについて説明する。図10は、糸切れ等が発生したときにワインダユニット4が行う処理を示すフローチャートである。図11は、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図である。図12は、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図である。なお、このフローチャート及び以下で示すフローチャートで示す処理は一例であって、処理内容の変更や、処理順序を前後させることによって本発明の効果が得られることがある。
【0093】
ワインダユニット4による巻取動作中において、クリアラ15が糸欠陥を検出してカッタ39で糸を切断したり、給糸ボビン21からの解舒中の糸の糸切れが発生したり、給糸ボビン21の糸を解舒し終わって糸20が無くなったりすることがある。ワインダユニット4はこの糸切れ等を監視しており(S101)、糸切れ等が発生したときには、巻取動作を停止させる(S102)。
【0094】
そして、巻取動作が停止すると、下方に位置している下糸案内パイプ25の吸引口32による下糸の吸引捕捉と、上糸案内パイプ26による上糸の吸引捕捉と、が行われ、糸継ぎが開始される(S102)。その後、ユニット制御部50は、下糸検出センサ31の検出結果に基づいて、糸継ぎ後に下糸があるか否かを判断している(S103)。
【0095】
カッタ39による糸の切断又は解舒中の糸20の糸切れが発生していた場合は、給糸ボビン21に糸が残っており、機械的なミス等が起こらなければ糸継ぎが完了する。従って、下糸検出センサ31によって下糸が検出される。このとき、ユニット制御部50は、巻取ユニット本体6の各構成を制御して糸の巻取りを再開させる。
【0096】
一方、給糸ボビン21の糸を全て解舒し終わって糸20が無くなった場合は、糸継ぎができないので、下糸検出センサ31によって下糸が検出されない。このとき、ユニット制御部50は、給糸ボビン21の糸の解舒が完了したと判断し、ボビン保持部110及び跳ね板40を動作させて芯管21aの排出処理を行わせる(S104)。その後、ユニット制御部50は、ボビン供給装置60に給糸ボビン21の供給を新たに行わせる(S105)。このとき、ステッピングモータ制御部102はステッピングモータ100を駆動させ、主芯部材80を受取姿勢まで予め移動させておく。
【0097】
新たに供給された給糸ボビン21は、図11(a)に示すように、ボビンセット部10に案内される。そして、ステッピングモータ制御部102は、ボビン保持部110を背面側へ揺動する。
【0098】
なお、本実施形態のワインダユニット4は、ボビン保持部110を背面側に揺動させるときに、給糸ボビン21がチェース部検出センサ74の検出範囲を横切るように、ボビン保持部110のレイアウト等が考慮されている。そして、ユニット制御部50が備える判断部51は、このチェース部検出センサ74の検出結果に基づいて、給糸ボビン21が新たに供給されたか否かを判断している(S106)。具体的には、ユニット制御部50が給糸ボビン21の供給を新たに行うように指示した後にチェース部検出センサ74によって給糸ボビン21が検出された場合は、判断部51は、給糸ボビン21が新たに供給されたと判断する。一方、所定時間以内にチェース部検出センサ74によって給糸ボビン21が検出されなかった場合は、判断部51は、給糸ボビン21が新たに供給されていないと判断する。
【0099】
判断部51によって給糸ボビン21が新たに供給されたと判断されると、ユニット制御部50は、その判断結果をユニット制御部50が備える記憶部52に記憶する。そして、ユニット制御部50は、新しく供給された給糸ボビン21の糸端とパッケージ側の糸端とを捕捉させて、糸継ぎを開始させる(S110)。
【0100】
一方、判断部51によって給糸ボビン21が新たに供給されていないと判断されると、ユニット制御部50は、その判断結果を記憶部52に記憶する。そして、ユニット制御部50は、糸継作業を開始することなく、報知ランプ56に対して適宜の信号を送るように構成されている。この信号を受信した報知ランプ56は、予め設定された表示色等を用いて、給糸ボビン21が新たに供給されていない旨をオペレータに通知する(S107)。
【0101】
そして、本実施形態のユニット制御部50は、給糸ボビン21が新たに供給されていないと判断して報知ランプ56に適宜の信号を送ってから、この不具合が解消されるまで、下糸の捕捉動作、上糸の捕捉動作、及び糸継ぎを行わないように構成されている。また、オペレータは、報知ランプ56の通知によってボビン供給装置60に給糸ボビン21が供給されていない旨を知ることができる。そして、オペレータが、ボビン供給装置60に給糸ボビン21を供給して(S108)、エラー解除ボタンを操作(S109)することにより、報知ランプ56の通知を止めることができる。その後、ユニット制御部50の指示により、ボビン供給装置60が給糸ボビン21の供給を新たに行う(S105)。そして、判断部51によって給糸ボビン21が供給されたと判断されると、ユニット制御部50は、新しく供給された給糸ボビン21の糸端とパッケージ側の糸端とを捕捉させて、糸継ぎを開始させる(S110)。なお、ここでの判断部51の判断結果は記憶部52に記憶されないように構成されている。
【0102】
なお、従来の構成では給糸ボビン21の有無を検出するセンサがないため、下糸検出センサの検出結果に基づいて糸継ぎを行うか否かを判断していたが、この構成では、給糸ボビン21の供給に失敗したときに、以下の問題が生じる。即ち、従来の構成では、給糸ボビンの供給がなされないという時点で下糸の捕捉が不可能なことは明らかであるのに、糸継作業を試み、糸継作業終了後に下糸検出センサで下糸が検出されなかった時点で初めてエラーになっていた。従って、従来の糸巻取機では、下糸の捕捉を試みるときに上糸の捕捉も行い、その捕捉された上糸はエラー発生により最終的に廃棄されることになるため、糸を無駄に消費してしまう。また、下糸検出センサで下糸が検出されないことでエラーを発生させる構成では、エラーが発生した原因が、下糸捕捉手段による捕捉ミスが生じたためなのか(機械的ミス)、そもそも給糸ボビン21が供給されていないためなのか(人的ミス)を装置側で判別できない。
【0103】
この点、本実施形態では、給糸ボビン21が無いことをチェース部検出センサ74によって検出した時点で、下糸の捕捉動作を中止することができる。従って、上記のような上糸の無駄を防止できる。また、給糸ボビン21の有無をチェース部検出センサ74で検出しているので、エラーの発生原因を明確に切り分けることができる。
【0104】
更に、本実施形態では、機械的ミスが生じた時刻や人的ミスが生じた時刻等を記憶部52に毎回記憶しており、ユニット制御部50が備える演算部53は、この記憶内容に基づいて、所定の時間帯における人的ミスの回数や、所定の時間帯における機械的ミスの回数等を算出することができる。なお、この算出結果は、ユニット表示部19に表示することができる。
【0105】
以上により、本実施形態では、上記エラーに対してより適切な処置を行うことができる。具体的には、給糸ボビン21の供給なしによるエラーが多発している場合は、オペレータが給糸ボビン21をマガジンカン62へ供給する作業に問題があることが疑われるので、オペレータに対して指導を行う等の対策を適切に行うことができる。また、人的ミスが機械的ミスにカウントされないので、純粋な機械的ミスを検出でき、的確な保全作業を行うことができる。
【0106】
なお、上記記憶部52及び演算部53の機能をワインダユニット4に持たせることに代えて又は加えて、図13に示すように機台制御装置7に持たせても良い。図13は、機台制御装置7の変更例を示すブロック図である。この構成では、ユニット制御部50は、機械的ミスが生じた時刻や人的ミスが生じた時刻等を機台制御装置7に出力する。そして、機台制御装置7が備える記憶部252にこれらを記憶させる。そして、オペレータが機台入力部8を操作して適当な時間帯を指定することにより、機台制御装置7が備える演算部253は、当該時間帯における人的ミス及び機械的ミスの回数を算出する。そして、この算出結果は、機台表示部9に表示させることができる。
【0107】
そして、ユニット制御部50は、糸継ぎと並行して給糸ボビン21の解舒側端部の位置の調整を行う(S111)。以下、この給糸ボビン21の解舒側端部の位置の調整について図11、図12及び図14を参照して詳細に説明する。図14は、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャートである。
【0108】
即ち、本実施形態では、解舒補助装置12の可動部材72が移動することで給糸ボビン21に被さる構成となっているため、可動部材72と給糸ボビン21との接触を確実に防止する。この構成により、本実施形態のワインダユニット4は、給糸ボビン21の解舒側端部を解舒基準位置に精度良く位置決めできる構成となっている。本実施形態のワインダユニット4は、解舒補助装置12が備えるチェース部検出センサ74を用いて給糸ボビン21の位置を調整している。
【0109】
以下、具体的に説明する。即ち、ステッピングモータ制御部102は、ステッピングモータ100を制御することにより、受取姿勢にある主芯部材80を背面側に回動して給糸ボビン21を一度直立させる。このとき、ユニット制御部50は、糸縮れ発生防止装置11のブラシ部11bを給糸ボビン21の上端部分に接触させて(図11(b)を参照)糸20に適切なテンションを付与し、糸縮れの発生を防止させる(S201)。その後、ステッピングモータ制御部102は、給糸ボビン21を再び正面側へ若干倒すようにボビン保持部110を揺動させる(S202)。そして、ユニット制御部50は、チェース部検出センサ74によって給糸ボビン21が検出されたときにボビン保持部110の揺動を停止させる(S203,図12(a))。
【0110】
また、ユニット制御部50が備える記憶部52は、チェース部検出センサ74によって給糸ボビン21が検出され始めた位置から何パルス分だけステッピングモータ100を駆動させれば給糸ボビン21を適切な位置にできるか(調整距離)を、用いる給糸ボビン21の種類等と対応付けて記憶している。また、オペレータは、巻取作業を始める前に、用いる給糸ボビン21の種類をユニット入力部18に入力している。これにより、ユニット制御部50には、現在の巻取作業において用いるべき調整距離が設定されている。そして、ユニット制御部50は、この設定された調整距離に基づいて、ステッピングモータ100に所定のパルス数を出力して、ボビン保持部110を背面側に揺動する(S204,図12(b))。
【0111】
これにより、給糸ボビン21の解舒側端部を解舒基準位置に合わせることができる。従って、解舒補助装置12の機能を適正に発揮させつつ、可動部材72と給糸ボビン21との接触を防止することができる。
【0112】
なお、用いる給糸ボビン21の種類が変更された場合は、ユニット入力部18に適宜の入力を行うことにより、適切な調整距離をユニット制御部50に設定することができる。また、この入力は、ユニット入力部18に行うことに代えて、機台入力部8に行うこともできる。この場合、機台制御装置7は、機台入力部8に入力された内容を各ワインダユニット4に送信する。これにより、各ワインダユニット4のユニット制御部50に対して、一括して適切な調整距離を設定することができる。
【0113】
以上に説明したように、本実施形態のワインダユニット4は、主芯部材80と、駆動部200と、ステッピングモータ制御部102と、を備える。主芯部材80は、給糸ボビン21の姿勢を規定する。駆動部200は、給糸ボビン21の糸の解舒を行う解舒位置における主芯部材80の姿勢を調整するために駆動する。ステッピングモータ制御部102は、駆動部200のステッピングモータ100を制御する。
【0114】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、解舒位置における主芯部材80の姿勢の調整がステッピングモータ制御部102によって自動で実行できるため、主芯部材80の姿勢の調整を手動で行う構成に比べてオペレータの負担を軽減することができる。
【0115】
また、本実施形態のワインダユニット4において、このワインダユニット4は、主芯部材80に対する姿勢を変更することで、給糸ボビン21を主芯部材80に保持させる補助芯部材90を備える。駆動部200は、ステッピングモータ100と、動力伝達部120と、を有する。動力伝達部120は、ステッピングモータ100の動力を主芯部材80と補助芯部材90とに伝える。
【0116】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、主芯部材80の姿勢と補助芯部材90の動作を共通のステッピングモータ100の動力で制御することができるため、構成をコンパクトにすることができる。
【0117】
また、本実施形態のワインダユニット4において、動力伝達部120は、主芯部材80の姿勢を変化させる主芯部材駆動カム81を備える。
【0118】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、主芯部材80の動作を主芯部材駆動カム81の形状に基づいて定めることができる。また、本実施形態のワインダユニット4では、主芯部材駆動カム81が取り付けられるカム軸105を回転させるだけで主芯部材80の姿勢を変化させることができるため、動力伝達部120の構成を簡単にできる。
【0119】
また、本実施形態のワインダユニット4において、動力伝達部120は、伝達軸85と、押当てバネ86と、を備える。伝達軸85は、主芯部材80と連動している。押当てバネ86は、伝達軸85に対して弾性力を作用させる。伝達軸85は押当てバネ86の弾性力によって、主芯部材駆動カム81に押し付けられる。
【0120】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、押当てバネ86と主芯部材駆動カム81という簡易な機構で規制部材の姿勢の調整を行うことができる。
【0121】
また、本実施形態のワインダユニット4において、動力伝達部120は、補助芯部材90の姿勢を変化させる補助芯部材駆動カム91を備える。補助芯部材駆動カム91の動作に応じて補助芯部材90の姿勢が変化することで、主芯部材80の姿勢は、給糸ボビン21の受取りを行う受取姿勢と、解舒位置における解舒姿勢と、給糸ボビン21の排出を行う排出姿勢と、に切り替えられる。
【0122】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、補助芯部材駆動カム91が取り付けられるカム軸105を回転させるだけで、補助芯部材90の姿勢を変化させることができるため、主芯部材80の姿勢を容易に変化させることができる。更に、本実施形態のワインダユニット4では、解舒位置において主芯部材80に給糸ボビン21を保持させる部材と、主芯部材80の姿勢の切替えを行う部材と、を共通にできるので、部品点数を減少させることができる。従って、本実施形態のワインダユニット4では、構成をコンパクトにするとともに、製造コストを低減させることができる。
【0123】
また、本実施形態のワインダユニット4において、動力伝達部120は、伝達軸95と、保持バネ96と、を備える。伝達軸95は、補助芯部材90と連動している。保持バネ96は、伝達軸95に対して弾性力を作用させる。伝達軸95は、保持バネ96の弾性力によって、補助芯部材駆動カム91に押し付けられる。
【0124】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、保持バネ96と補助芯部材駆動カム91という簡易な機構で補助芯部材90の姿勢調整を行うことができる。また、補助芯部材駆動カム91の形状に従って、補助芯部材90を確実に動作させることができる。
【0125】
また、本実施形態のワインダユニット4において、主芯部材80及び補助芯部材90は回動可能に支持される。押当てバネ86の弾性力によって主芯部材80が回動する方向と、保持バネ96の弾性力によって補助芯部材90が回動する方向と、が同一方向である。
【0126】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、それぞれのカム81,91及びバネ86,96の配置を単純にすることができるので、構成をコンパクトにすることができる。
【0127】
また、本実施形態のワインダユニット4において、このワインダユニット4は、ボビン保持部が排出姿勢にあるときに給糸ボビン21を排出する跳ね板40を備える。動力伝達部120は、跳ね板駆動カム41と、伝達軸45と、を備える。跳ね板駆動カム41は、跳ね板40の姿勢を変化させる。伝達軸45は、跳ね板40と連動している。
【0128】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、跳ね板駆動カム41が取り付けられるカム軸105を回転させるだけで、跳ね板40の姿勢を変化させることができるため、跳ね板40の姿勢を容易に変化させることができる。
【0129】
また、本実施形態のワインダユニット4において、このワインダユニット4は、伝達軸45に対して弾性力を作用させる戻しバネ46を備える。伝達軸45は、戻しバネ46の弾性力によって跳ね板駆動カム41に押し付けられている。
【0130】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、戻しバネ46と跳ね板駆動カム41という簡易な構成で跳ね板40の姿勢の変更を行うことができる。また、跳ね板駆動カム41の形状に従って、跳ね板40を確実に動作させることができる。
【0131】
また、本実施形態のワインダユニット4において、共通のカム軸105を介して一体的に駆動するカム連結機構130である。主芯部材駆動カム81が主芯部材80の姿勢調整を行う主芯部材駆動カム81動作領域が、補助芯部材駆動カム91が補助芯部材90の姿勢を変更する補助芯部材駆動カム91動作領域と、跳ね板駆動カム41が跳ね板40の姿勢を変更する跳ね板駆動カム41動作領域とは異なるように構成されている。
【0132】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、簡易な構成で主芯部材80の動作を補助芯部材90と跳ね板40の動作と切り離すことができる。よって、簡易な構成で、確実に規制部材の姿勢の調整を行うことができる。
【0133】
また、本実施形態のワインダユニット4において、カム軸105がステッピングモータ100に連接されている。
【0134】
これにより、本実施形態のワインダユニット4では、それぞれのカム41,81,91に対してステッピングモータ100を備える構成に比べて、ワインダユニット4の製造コストを大幅に低減することができる。
【0135】
また、本実施形態のワインダユニット4は、給糸ボビン21に関する情報を入力可能なユニット入力部18を備える。ステッピングモータ制御部102は、ユニット入力部18に入力された情報に基づいて、駆動部200を制御する。
【0136】
これにより、本実施形態のワインダユニット4は、ユニット入力部18に入力を行うだけで、給糸ボビン21の姿勢を給糸ボビン21の種類に応じた適切な姿勢に調整をすることができる。そのため、本実施形態のワインダユニット4では、給糸ボビン21の姿勢を手動で調整する構成と比べて、作業効率を上げることができる。
【0137】
本実施形態の第2の観点によれば、以下の構成の自動ワインダ1が提供される。即ち、この自動ワインダ1は、ワインダユニット4と、機台制御装置7と、機台入力部8と、を備える。機台制御装置7は、各ワインダユニット4を制御する。機台入力部8は、機台制御装置7に配置され、給糸ボビン21に関する情報を入力可能である。そして、ステッピングモータ制御部102は、機台入力部8から受信した情報に基づいて、駆動部200を制御する。
【0138】
これにより、本実施形態の自動ワインダ1では、機台入力部8に入力を行うだけで、各ワインダユニット4において給糸ボビン21の姿勢の調整を複数のワインダユニット4に対して一括して実行させることができる。従って、自動ワインダ1が備える各ワインダユニット4に対して、それぞれワインダユニット4に供給される給糸ボビン21の種類等の設定を実行する構成に比べて、作業効率をより一層向上させることができる。
【0139】
次に、図15から図18までを参照して、上記実施形態の第1変形例を説明する。図15は、第1変形例及び第2変形例に係る、ワインダユニット4の主要な構成を示すブロック図である。図16は、第1変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャートである。図17は、第1変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図である。図18は、第1変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図である。
【0140】
なお、本変形例においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。また、本変形例においては、給糸ボビン21の周囲を見易くするために、糸縮れ発生防止装置11及びチェース部検出センサ74の図示を省略している。
【0141】
上記実施形態では、解舒補助装置12のチェース部検出センサ74によって給糸ボビン21が新たに供給されたか否かを検出しているが、本変形例では、開閉部68の内側に備えたボビン検出センサ58によって給糸ボビン21の検出を行っている。また、本変形例では、チェース部検出センサ74ではなく位置検出センサ59の検出結果に基づいて、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整している。また、本変形例のワインダユニット4のユニット制御部50は、図15に示すように算出部54を備えた構成となっている。以下、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する処理を具体的に説明する。
【0142】
ボビン検出センサ58は開閉部68の内側に配置されているため、給糸ボビン21が新たに供給されると(S301)、当該給糸ボビン21はボビン検出センサ58の検出範囲に入る(図17(a)を参照)。ユニット制御部50の判断部51は、このボビン検出センサ58の検出結果に基づいて、給糸ボビン21が新たに供給されたか否かを判断している(S302)。なお、給糸ボビン21が新たに供給されたか否かを判断する方法及び給糸ボビン21の有無が判断された後にユニット制御部50が行う制御は、上記実施形態と同様に行うことができる。
【0143】
ユニット制御部50は、判断部51による給糸ボビン21が新たに供給されたか否かの判断の前後において、ステッピングモータ100を駆動することでボビン保持部110を背面側に揺動させる(S303)。そして、給糸ボビン21を背面側に起こしていくと、当該給糸ボビン21の解舒側端部が位置検出センサ59に検出される(図17(b)を参照)。なお、この位置検出センサ59は、直線状の検出範囲を有しており、当該検出範囲が前述の仮想線L1と交わるように配置されている。そして、ユニット制御部50が備える算出部54は、給糸ボビン21の解舒側端部が位置検出センサ59によって検出される瞬間の位置(第1の位置)にあるときの原点からのパルス数を算出する(S304)。
【0144】
そして、ボビン保持部110を更に背面側に揺動させていくと、当該給糸ボビン21の解舒側端部が位置検出センサ59によって検出されなくなる(図18(a)を参照)。このとき、算出部54は、給糸ボビン21の解舒側端部が位置検出センサ59によって検出されなくなった瞬間の位置(第2の位置)にあるときの原点からのパルス数を算出する(S305)。その後、算出部54は、第1の位置と第2の位置の中間の位置である第3の位置における原点からのパルス数を算出する(S306)。
【0145】
そして、ステッピングモータ制御部102は、算出した第3の位置のときのパルス数に基づいてステッピングモータ100を駆動し、ボビン保持部110を正面側に揺動する(S307,図18(b))。
【0146】
これにより、給糸ボビン21の解舒側端部を解舒基準位置に合わせることができる。従って、解舒補助装置12の機能を適正に発揮させつつ、可動部材72と給糸ボビン21との接触を防止することができる。
【0147】
なお、この中間の位置は、例えば第1位置と第2位置との間を2等分する位置とすることが考えられるが、これに限らず、レイアウトに応じて様々な位置を採用することができる。また、パルス数のカウントは、ステッピングモータ制御部102がステッピングモータ100に出力するパルスをカウントすることで求められる。
【0148】
また、この第1変形例では、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置を算出しているが、これに代えて、以下の方法を用いることもできる。即ち、第1の位置を算出し、この第1の位置から給糸ボビン21の解舒側端部が検出されなくなる瞬間までに、ステッピングモータ制御部102がステッピングモータ100に出力するパルスをカウントする。そして、カウントしたパルス数の半分に相当する距離だけボビン保持部110を戻す(正面側に回動する)ことで、位置合わせを行う方法等が考えられる。
【0149】
次に、図15、及び図19から図21までを参照して、上記実施形態の第2変形例を説明する。図19は、第2変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する処理を示すフローチャートである。図20は、第2変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の前半部を示す側面図である。図21は、第2変形例に係る、給糸ボビン21の解舒側端部の位置が調整される様子の後半部を示す側面図である。
【0150】
なお、本変形例においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。また、本変形例においては、給糸ボビン21の周囲を見易くするために、糸縮れ発生防止装置11の図示を省略している。また、本変形例のワインダユニット4も図15に示すように算出部54を備えている。本変形例においては、チェース部検出センサ74を用いて給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整している。以下、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を調整する処理を具体的に説明する。
【0151】
ユニット制御部50は、給糸ボビン21が新たに供給されると(S401,図20(a))、ボビン保持部110背面側へ揺動する(S402)。このとき、算出部54は、給糸ボビン21の解舒側端部がチェース部検出センサ74に検出され始めるときの位置(第1の位置,図20(b))にあるときの原点からのパルス数を算出する(S403)。そして、給糸ボビン21が更に背面側へ揺動していき、当該給糸ボビン21がチェース部検出センサ74に検出されなくなったときの位置(第2の位置,図21(a))にあるときの原点からのパルス数を算出する(S404)。
【0152】
そして、算出部54は、第1の位置と第2の位置の中間の位置である第3の位置における原点からのパルス数を算出する(S405)。その後、ステッピングモータ制御部102は、第3の位置と、記憶部52の記憶内容に基づいて設定された調整距離と、に基づいて、最終調整距離を算出する(S406)。そして、当該最終調整距離に基づいて、ステッピングモータ100に出力するパルス数を決定する。
【0153】
そして、ステッピングモータ制御部102は、決定したパルス数だけステッピングモータ100を駆動し、それによってボビン保持部110が背面側に回転する(S407,図21(b))。
【0154】
これにより、給糸ボビン21の解舒側端部を解舒基準位置に合わせることができる。従って、解舒補助装置12の機能を適正に発揮させつつ、可動部材72と給糸ボビン21との接触を防止することができる。
【0155】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0156】
上記実施形態及び変形例では、給糸ボビン21が供給されていないと判断したときに、エラーが解消されるまで他の処理を行わない構成であるが、これに代えて、例えば所定の回数だけ給糸ボビン21の再供給を行う構成にすることができる。
【0157】
上記実施形態及び変形例では、解舒補助装置12において筒状の可動部材72が用いられているが、これに代えて、ガイド穴を有する板部材や針金等で成形された線状ガイド部材や多角柱部材等、様々な形状の可動部材72を用いることができる。
【0158】
上記実施形態及び変形例では、解舒基準位置は、解舒補助装置12の基として設定されているが、解舒基準位置は、予め設定された目標位置であればよく、解舒基準位置の設定の基となる部材は解舒補助装置12に限られない。解舒基準位置は、例えば、解舒補助装置12を有しないタイプのワインダユニット4に設定されることも考えられる。解舒補助装置12を基として設定される以外にも、解舒基準位置は、例えば、糸20が巻取ボビン22に対してトラバースさせられるセンター位置の延長線上の位置や、給糸ボビン21から解舒された糸をガイドするガイド部材の鉛直線上の位置としてもよい。
【0159】
上記実施形態及び変形例では、ステッピングモータ100を用いて跳ね板40及びボビン保持部110等を駆動する構成であるが、これに代えて、例えばサーボモータ若しくはリニアモータ若しくはボイスコイルモータ等を用いて動力伝達部120を駆動する構成にしても良い。
【0160】
上記実施形態及び変形例では、チェース部検出センサ74、位置検出センサ59、及びボビン検出センサ58には透過式のフォトセンサを用いたが、これに代えて、例えば反射式フォトセンサ等を用いる構成にしても良い。又、センサによって給糸ボビン21を検出する構成に代えて、カメラで画像として給糸ボビン21を検出することで、給糸ボビン21のチェース部の移動又は状態を検出する構成としても良い。
【0161】
上記実施形態及び変形例では、テンション付与装置13にはゲート式のテンション付与装置を用いたが、これに代えて、例えば公知のディスク式のテンション付与装置を用いて、走行する糸に所定のテンションを付与する構成にしても良い。
【0162】
上記実施形態及び変形例では、ボビン保持部110の位置検出にはステッピングモータ100を制御するパルスを用いたが、サーボモータをフィードバック制御することによって位置検出しても良い。また、角度センサを用いてボビン保持部110の角度を検出しても良い。
【0163】
上記実施形態及び変形例では、マガジンカン62を備えたボビン供給装置60が記載されているが、ボビン供給装置60は給糸ボビン21を糸20が解舒される所定の位置に供給するものであればこの構成に限られない。例えば、給糸ボビン21を複数積載して収納可能な柱形状の収納部材を備え、前記収納部材から給糸ボビン21を供給する構成としてもよい。
【0164】
上記実施形態及び変形例では、マガジンカン62を備えたボビン供給装置60が記載されているが、ボビン供給装置60の構成はこれに限られない。例えば、ボビン供給装置60は、給糸ボビン21を積載したトレーをコンベアベルトによって搬送することで解舒位置へと供給するトレータイプの給糸ボビン供給装置60であってもよい。トレータイプの給糸ボビン供給装置60を備えるワインダユニット4では、コンベアの搬送方向を切替えることにより、給糸ボビン21の解舒側端部の位置を前後方向に移動させて給糸ボビン21の解舒側端部の位置を目標位置に合わせることができる。また、解舒位置にトレーを揺動させる揺動部材を設け、解舒位置において給糸ボビン21を揺動させることで給糸ボビン21の解舒側端部の位置を目標位置に合わせることも考えられる。
【符号の説明】
【0165】
1 自動ワインダ(糸巻取機)
4 ワインダユニット(巻取ユニット)
7 機台制御装置
8 機台入力部
18 ユニット入力部
40 跳ね板(排出部材)
41 跳ね板駆動カム(排出カム)
45 伝達軸(排出連動部材)
46 戻しバネ(排出弾性部材)
81 主芯部材駆動カム(規定カム)
85 伝達軸(規定連動部材)
86 押当てバネ(規定弾性部材)
80 主芯部材(規定部材)
90 補助芯部材(保持部材)
91 補助芯部材駆動カム(保持カム)
95 伝達軸(保持連動部材)
96 保持バネ(保持弾性部材)
100 ステッピングモータ(モータ)
102 ステッピングモータ制御部(制御部)
105 カム軸(駆動軸)
120 動力伝達部
130 カム連結機構
200 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給糸ボビンの姿勢を規定する規定部材と、
給糸ボビンの糸の解舒を行う解舒位置における前記規定部材の姿勢を調整するために駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の巻取ユニットであって、
前記規定部材に対する姿勢を変更することで、給糸ボビンを前記規定部材に保持させる保持部材を備え、
前記駆動部は、
モータと、
前記モータの動力を前記規定部材と前記保持部材とに伝える動力伝達部と、
を有することを特徴とする巻取ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の巻取ユニットであって、
前記動力伝達部は、前記規定部材の姿勢を変化させる規定カムを備えることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の巻取ユニットであって、
前記動力伝達部は、
前記規定部材と連動している規定連動部材と、
前記規定連動部材に対して弾性力を作用させる規定弾性部材と、
を備え、
前記規定連動部材は前記規定弾性部材の弾性力によって、前記規定カムに押し付けられることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の巻取ユニットであって、
前記動力伝達部は、前記保持部材の姿勢を変化させる保持カムを備え、
前記保持カムの動作に応じて前記保持部材の姿勢が変化することで、前記規定部材の姿勢は、給糸ボビンの受取りを行う受取姿勢と、前記解舒位置における解舒姿勢と、給糸ボビンの排出を行う排出姿勢と、に切り替えられることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の巻取ユニットであって、
前記動力伝達部は、
前記保持部材と連動している保持連動部材と、
前記保持連動部材に対して弾性力を作用させる保持弾性部材と、
を備え、
前記保持連動部材は、前記保持弾性部材の弾性力によって、前記保持カムに押し付けられることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の巻取ユニットであって、
前記規定部材及び前記保持部材は回動可能に支持され、
前記規定弾性部材の弾性力によって前記規定部材が回動する方向と、前記保持弾性部材の弾性力によって前記保持部材が回動する方向と、が同一方向であることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項8】
請求項5から7までの何れか一項に記載の巻取ユニットであって、
前記規定部材が前記排出姿勢にあるときに給糸ボビンを排出する排出部材を備え、
前記動力伝達部は、
前記排出部材の姿勢を変化させるための排出カムと、
前記排出部材と連動している排出連動部材と、
を備えることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の巻取ユニットであって、
前記排出連動部材に対して弾性力を作用させる排出弾性部材を備え、
前記排出連動部材は、前記排出弾性部材の弾性力によって前記排出カムに押し付けられていることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の巻取ユニットであって
前記規定カムと、前記保持カムと、前記排出カムと、は、
共通の駆動軸を介して一体的に駆動するカム連結機構であって、
前記カム連結機構は、
前記規定カムが前記規定部材の姿勢調整を行う規定カム動作領域が、前記保持カムが前記保持部材の姿勢を変更する保持カム動作領域と、前記排出カムが前記排出部材の姿勢を変更する排出カム動作領域とは異なるように構成されていることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の巻取ユニットであって、
前記駆動軸が前記モータに連接されていることを特徴とする巻取ユニット。
【請求項12】
請求項1から11までの何れか一項に記載の巻取ユニットであって、
各巻取ユニットは、給糸ボビンに関する情報を入力可能なユニット入力部を備え、
前記制御部は、前記ユニット入力部に入力された情報に基づいて、前記駆動部を制御することを特徴とする巻取ユニット。
【請求項13】
請求項1から12までの何れか一項に記載の巻取ユニットを複数備える糸巻取機であって、
各巻取ユニットを制御する機台制御装置と、
前記機台制御装置に配置され、給糸ボビンに関する情報を入力可能な機台入力部と、
を備え、
前記制御部は、前記機台入力部から受信した情報に基づいて、前記駆動部を制御することを特徴とする糸巻取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−241032(P2011−241032A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113586(P2010−113586)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】