説明

巻回体支持構造体

【課題】シート巻回体の搬送工程を短縮することができる巻回体支持構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】円管状の紙管11及び塩ビ管13にセパレータ12が巻回されたセパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の支持体20と、を備えた巻回体支持構造体1であって、支持体20は、セパレータ巻回体10を支持する支持位置の上側が切り欠かれた切り欠きが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円管状の支持管にシート状物が巻回されたシート巻回体を支持する巻回体支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、リチウムイオン電池用のセパレータは、円管状の支持管に巻回されたセパレータ巻回体として構成されており、このセパレータ巻回体を搬送する際は、セパレータが汚れないようにセパレータ巻回体を梱包体に収納し(例えば、特許文献1参照)、この梱包体をパレット上に積み上げて搬送している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189379号公報
【特許文献2】特開2006−168745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、セパレータの汚染及び破損を防止するために、セパレータ巻回体の両端部を支持体で支持するとともに、搬送装置のアームをセパレータ巻回体の支持管に挿入して搬送している。
【0005】
しかしながら、従来は、搬送装置のアームをセパレータ巻回体の支持管から抜去しなければ、セパレータ巻回体の両端部に対して支持体を着脱することができなかったため、セパレータ巻回体を搬送する工程の短縮には限界があった。
【0006】
そこで、本発明はシート巻回体の搬送工程を短縮することができる巻回体支持構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る巻回体支持構造体は、円管状の支持管にシート状物が巻回されたシート巻回体と、シート巻回体の両端部を支持する一対の支持体と、を備えた巻回体支持構造体であって、支持体は、少なくとも一部が切り欠かれた切り欠きが形成されている。
【0008】
本発明に係る巻回体支持構造体によれば、支持体の少なくとも一部が切り欠かれているため、支持管に搬送装置のアームを挿入したまま、シート巻回体に対して支持体を着脱させることができる。これにより、シート巻回体の搬送工程を短縮することができる。なお、切り欠きの位置は、シート巻回体を支持する支持位置の上側であることが好ましいが、このような位置に限らず、支持体の如何なる位置であってもよい。
【0009】
この場合、支持体は、矩形の平板状に形成された支持板部と、支持板部から突出されて支持管に挿入される挿入部と、を備えており、挿入部は、少なくとも一部が切り欠かれた形状に形成されており、支持板部は、少なくとも挿入部の切り欠きに対応する部分が切り欠かれているものとすることができる。ここで、挿入部の切り欠きに対応する部分とは、挿入部の切り欠きに接続される部分を言う。
【0010】
このように構成すれば、支持体の挿入部をシート巻回体の支持管に挿入することで、シート巻回体を容易に支持することができる。なお、挿入部の切り欠き位置は、上側であることが好ましいが、このような位置に限定しなくても、同様の作用効果を奏することができる。例えば、挿入部の切り欠きがシート巻回体の下側になるように支持体を配置してもよい。支持体をこのように配置すると、荷重を支える方向に連続して挿入部が延在するため、支持体の強度が確保される。また、支持板部の切り欠き位置は、挿入部の上部であることが好ましいが、このような位置に限定しなくても、同様の作用効果を奏することができる。例えば、支持板部の切り欠きが挿入部の下側になるように支持体を配置してもよい。支持体をこのように配置すると、荷重を支える方向に連続して支持板部が延在するため、支持体の強度が確保される。
【0011】
また、支持体は、支持管が載置される載置部を備えており、載置部の上側が切り欠かれているものとすることができる。
【0012】
このように構成すれば、シート巻回体の支持管を支持体の載置部に載置することで、シート巻回体を容易に支持することができる。
【0013】
また、支持体は、周面において他の支持体と連結する連結部を備えているものとすることができる。
【0014】
このように構成すれば、隣接する巻回体支持構造体の支持体に形成されている連結部を連結することで、複数の巻回体支持構造体を1ユニット化することができるため、収容性及び搬送容易性が向上する。
【0015】
また、シート巻回体及び一対の支持体が収納され、シート巻回体の軸線方向において対向する一対の第一側板と、シート巻回体の軸線と直交する方向において対向する一対の第二側板と、一対の第一側板及び一対の第二側板に隣接する底板と、を備える容器を更に有し、容器は、第一側板が開閉可能であるものとすることができる。
【0016】
このように構成すれば、容器の第一側板が開閉可能であることから、シート巻回体を容器に収納する際に、シート巻回体の軸線方向両端部に作業スペースを確保することができため、シート巻回体を容易に出し入れすることができる。例えば、シート巻回体の両端部や一対の支持体を保持してシート巻回体を搬送する搬送装置によっても、容器に対してシート巻回体を出し入れすることができる。
【0017】
この場合、第一側板は、一方の第二側板に接続される第一側板一方部と、他方の第二側板に接続される第一側板他方部と、底板に接続されて第一側板一方部及び第一側板一方部と脱着可能に接合される補強板部と、を備えるものとすることができる。
【0018】
このように構成すれば、第一側板を容易に開閉することができるとともに、第一側板の強度を向上させることができる。
【0019】
一方、第一側板は、一対の第二側板及び底板の何れか一方と接続されており、少なくとも接続されていない一対の第二側板及び底板の一方と脱着可能に接合される接合部を備えるものとすることもできる。
【0020】
このように構成すれば、第一側板の開閉作業を簡略化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シート巻回体の搬送工程を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態に係る巻回体支持構造体の正面図である。
【図2】支持体の斜視図である。
【図3】支持体でセパレータ巻回体を支持した状態を示す側面図である。
【図4】図3に示すIV−IV線における断面図である。
【図5】第2の管が取り外されたセパレータ巻回体を支持部材に連結した状態を示す側面図である。
【図6】図5に示すVI−VI線における断面図である。
【図7】第2の実施形態の支持体の斜視図である。
【図8】支持体でセパレータ巻回体を支持した状態を示す側面図である。
【図9】セパレータ巻回体の梱包例の側面図である。
【図10】ユニット構造体を固定バンドで固定した状態を示す斜視図である。
【図11】ユニット構造体をパレットに載置した状態を示す正面図である。
【図12】パレットの斜視図である。
【図13】第3の実施形態に係る巻回体支持構造体の正面図である。
【図14】図13に示す巻回体支持構造体の断面図である。
【図15】枕部材の斜視図である。
【図16】第4の実施形態に係る巻回体支持構造体を示す正面図である。
【図17】図16に示す巻回体支持構造体の側面図である。
【図18】枕部材の斜視図である。
【図19】第5の実施形態に係る巻回体支持構造体の分解斜視図である。
【図20】図19に示す容器の拡大斜視図である。
【図21】容器の展開斜視図である。
【図22】容器の展開斜視図である。
【図23】梱包体にセパレータ巻回体を収納した状態を示す斜視図である。
【図24】第2の管が取り外されたセパレータ巻回体を梱包体に収納した状態を示す斜視図である。
【図25】第6の実施形態に係る巻回体支持構造体の分解斜視図である。
【図26】梱包体の蓋を取り外した状態を示す平面図である。
【図27】図26に示す梱包体の部分拡大斜視図である。
【図28】図26に示す梱包体の断面図である。
【図29】載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。
【図30】図29に示すXXX−XXX線における断面図である。
【図31】図29の状態を示す斜視図である。
【図32】載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。
【図33】セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
【図34】図33の状態を示す斜視図である。
【図35】容器の他の例を示す斜視図である。
【図36】容器の他の例を示す斜視図である。
【図37】容器の他の例を示す斜視図である。
【図38】容器の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る巻回体支持構造体の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る巻回体支持構造体を、リチウムイオン電池用のセパレータが巻回されたセパレータ巻回体を支持する巻回体支持構造体に適用したものである。なお、以下の説明では、セパレータ巻回体の縦方向をX方向、セパレータ巻回体の幅方向であってX方向と直交するY方向、セパレータ巻回体の高さ方向をZ方向という。また、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る巻回体支持構造体の正面図である。図1に示すように、本実施形態に係る巻回体支持構造体1は、セパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の支持体20と、を備えている。
【0025】
セパレータ巻回体10は、円管状に形成された第一の管11と、第一の管11の外周面に巻回されたリチウムイオン電池用のセパレータ12と、第一の管11の内側に嵌め込まれて円管状に形成された第二の管13と、を備えており、セパレータ12の軸線方向両端から第一の管11が突出するとともに、第一の管11の軸線方向両端から第二の管13が突出している。なお、セパレータ巻回体10は、第二の管13が脱着可能であるものであってもよく、第二の管13が無いものであってもよい。そして、セパレータ12の周りには、防汚用のエアパックが巻かれている。なお、本実施形態では、第一の管11及び第二の管13は、それぞれ紙及び塩化ビニルで形成されたもの(以下、それぞれ「紙管11」、「塩ビ管13」ともいう。)として説明するが、その素材は特に限定されるものではない。これらの素材としては、例えば、紙、プラスチック、金属が挙げられる。第一の管11を形成する素材としては、金属が混入する可能性の低い紙またはプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、FRP、ベークライト(フェノ−ル樹脂)等が挙げられる。また、第二の管13を形成する素材としては、繰り返し使用する際の耐久性からプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、塩化ビニル、ポリエチレンが挙げられ、規格品が入手容易なことから塩化ビニルが更に好ましい。また、本実施形態では、紙管11の内側に塩ビ管13が挿入された二重管構造であるものとして説明するが、紙管11のみの一重管構造であるものとしてもよい。また、図面では、第一の管11の内径と第二の管13の外径とが一致するように図示しているが、これらの径は必ずしも一致する必要はない。
【0026】
図2は、支持体の斜視図である。図3は、支持体でセパレータ巻回体を支持した状態を示す側面図である。図4は、図3に示すIV−IV線における断面図である。図2〜図4に示すように、支持体20は、セパレータ巻回体10の両端部を支持するものであり、セパレータ巻回体10を支持する支持位置の上側が切り欠かれた(開放された)切り欠きが形成されている。
【0027】
具体的に説明すると、支持体20は、矩形の平板状に形成された支持板部21と、支持板部21の中央部から突出して塩ビ管13に挿入される挿入部22と、を備えている。
【0028】
挿入部22は、円筒の上部が切り欠かれた(開放された)略C字状の断面円弧状に形成されており、挿入部22の外径は、塩ビ管13の内径と略同じ寸法となっている。挿入部22の断面を形成する円弧の中心角は、塩ビ管13に挿入部22を挿入した際に、塩ビ管13が挿入部22に対してZ方向(上下方向)にずれることなく固定されるように、180°以上であることが好ましく、225°以上であることが更に好ましく、270°以上であることが更に好ましい。
【0029】
支持板部21は、略同一断面でX方向に所定の厚みを有する矩形の平板状に形成されており、Y方向における幅及びZ方向における高さが、セパレータ巻回体10の直径よりも大きい寸法となっている。このため、紙管11に挿入部22を挿入した際に、X方向視において、セパレータ12が支持板部21内に収まるようになっている。この支持板部21には、挿入部22の中空内部を通って支持板部21を貫通する貫通口23が形成されている。また、支持板部21は、挿入部22の上側がZ方向に切り欠かれており、貫通口23の上部が開口している。
【0030】
なお、支持体は、図5及び図6に示すように、塩ビ管が取り外されたセパレータ巻回体(又は、塩ビ管の無いセパレータ巻回体)を支持するものとしてもよい。図5は、第2の管が取り外されたセパレータ巻回体を支持部材に連結した状態を示す側面図であり、図3に対応する図である。図6は、図5に示すVI−VI線における断面図であり、図4に対応する図である。
【0031】
図5及び図6に示す支持体20’は、矩形の平板状に形成された支持板部21’と、支持板部21’の中央部から突出して紙管11に挿入される挿入部22’と、を備えている。つまり、支持体20’は、塩ビ管が抜去されたセパレータ巻回体10(又は、塩ビ管の無いセパレータ巻回体)を支持するため、挿入部22’は、紙管11に挿入されるものとなる。このため、挿入部22’は、紙管11の内径と略同じ外径を有する円筒状に形成されている。なお、支持体20’のそれ以外の形状は、上記の支持体20と同様である。
【0032】
挿入部22’は、紙管11の内径と略同じ外径を有する円筒状に形成されており、支持体20’には、上記の支持体20と同様に、挿入部22’の中空内部を通って支持板部21’を貫通する貫通口23’が形成されている。
【0033】
支持板部21’は、上記の支持板部21と同様に、略同一断面でX方向に所定の厚みを有する矩形の平板状に形成されており、Y方向における幅及びZ方向における高さが、セパレータ巻回体10の直径よりも大きい寸法となっている。このため、紙管11に挿入部22’を挿入した際に、X方向視において、セパレータ12が支持板部21’内に収まるようになっている。
【0034】
このように、本実施形態によれば、塩ビ管13に搬送装置のアームを挿入したまま、セパレータ巻回体10に支持体20を着脱させることができる。これにより、セパレータ巻回体10の搬送工程を短縮することができる。
【0035】
また、支持体20に挿入部22を設け、この挿入部22をセパレータ巻回体10の塩ビ管13に挿入することで、セパレータ巻回体10を容易に支持することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、隣接する巻回体支持構造体1同士が連結される点で、第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0037】
図7は、第2の実施形態の支持体の斜視図である。図8は、支持体でセパレータ巻回体を支持した状態を示す側面図である。図7及び図8に示すように、第2の実施形態の支持体20は、周面である上面、下面、右側面及び左側面に、他の巻回体支持構造体1の支持板部21と連結するための連結部25(25a〜25d)が形成されている。
【0038】
連結部25は、他の巻回体支持構造体1の支持板部21と連結することができれば、如何なる構造であってもよい。例えば、支持板部21の上面(図8における上面)に形成される上面連結部25aとして、支持板部21の上面から突出する凸部を形成する。支持板部21の下面(図8における下面)に形成される下面連結部25bとして、支持板部21の上面から窪む凹部を形成する。支持板部21の右側面(図8における右側面)に形成される右側面連結部25cとして、支持板部21の右側面から突出する凸部を形成する。支持板部21の左側面(図8における左側面)に形成される左側面連結部25dとして、支持板部21の左側面から窪む凹部を形成する。この場合、一対の巻回体支持構造体1を上下に配置し、下に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21に形成された上面連結部25aを上に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21に形成された下面連結部25bに嵌め込むことで、上下に配置される一対の巻回体支持構造体1の支持板部21を連結することができる。また、一対の巻回体支持構造体1を左右に配置し、左に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21に形成された右側面連結部25cを右に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21に形成された左側面連結部25dに嵌め込むことで、左右に配置される一対の巻回体支持構造体1の支持板部21を連結することができる。
【0039】
そして、このように構成される巻回体支持構造体1を上下左右に配置し、それぞれ、隣接する巻回体支持構造体1の支持板部21に形成された連結部25同士を連結することで、図9に示すように、複数の巻回体支持構造体1が1ユニット化されたユニット構造体30が構成される。図9は、セパレータ巻回体の梱包例の側面図である。なお、図9では、縦(上下)2組、横(左右)2組の巻回体支持構造体1で一つのユニット構造体30が構成されるものを示しているが、ユニット構造体30を構成する巻回体支持構造体1の数は特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0040】
このとき、図10に示すように、ユニット構造体30が散けるのを防止するため、ユニット構造体30を固定バンド31で固定することが好ましい。図10は、ユニット構造体を固定バンドで固定した状態を示す斜視図である。固定バンド31によるユニット構造体30の固定は、例えば、左右又は上下に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21に固定バンド31を巻き付けることにより行うことができる。
【0041】
そして、このように構成されるユニット構造体30を保管又は搬送する際は、図11に示すように、ユニット構造体30をパレット32に載置する。図11は、ユニット構造体をパレットに載置した状態を示す正面図である。このようにユニット構造体30をパレット32に載置することで、ユニット構造体30を保管する際は、セパレータ12が汚染されるのを防止することができ、ユニット構造体30を搬送する際は、搬送装置で直接ユニット構造体30を支持する必要が無いためセパレータ12が破損するのを防止することができる。
【0042】
このとき、ユニット構造体30が位置ずれしないように、図12に示すように、ユニット構造体30が載置されるパレット32の上面に、ユニット構造体30の最下層に配置される巻回体支持構造体1の支持板部21が嵌め込まれる溝33を形成することが好ましい。図12は、パレットの斜視図である。なお、溝33を形成する代わりに、又は、溝33の形成と併せて、ユニット構造体30が載置されるパレット32の上面に滑り止めシート(不図示)を貼り付けてもよい。
【0043】
このように、本実施形態によれば、複数の巻回体支持構造体1を1ユニット化することができるため、収容性及び搬送容易性が向上する。
【0044】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。
【0045】
図13は、第3の実施形態に係る巻回体支持構造体の正面図である。図14は、図13に示す巻回体支持構造体の断面図である。図15は、枕部材の斜視図である。図13〜図15に示すように、本実施形態に係る巻回体支持構造体3は、セパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の枕部材40と、を備えている。
【0046】
枕部材40は、セパレータ巻回体10の両端部を支持するものであり、セパレータ巻回体10を支持する支持位置の上側が切り欠かれた(開放された)切り欠きが形成されている。
【0047】
具体的に説明すると、枕部材40は、X方向に所定の厚みを有する矩形の平板状に形成されている。また、枕部材40は、Y方向及びZ方向における中央部に、セパレータ巻回体10の塩ビ管13及び紙管11が載置される載置部41が形成されており、載置部41の上側が切り欠かれている。載置部41は、下方に向けて凹状に窪んだ2段構造の略U字状断面に形成されており、枕部材40の中央部に、塩ビ管13が載置される塩ビ管載置部41aと、紙管11が載置される紙管載置部41bと、が形成されている。なお、載置部41は、塩ビ管載置部41a及び紙管載置部41bの何れか一方のみであってもよい。
【0048】
枕部材40の素材としては、特に制限されるものではないが、輸送時の振動から巻回体を守る緩衝性能、および積み重ねた際上部の荷重を支える強度の観点から、紙又はプラスチックの成型物を用いることが好ましい。これらの中でも、軽量で細部の加工が精密にできるプラスチック発泡体またはプラスチックダンボールの成型物が好ましく用いられる。プラスチック発泡体としては、高い圧縮強度を有するポリエチレン、ポリプロピレンの発泡ビーズ成型物が更に好ましい。これらの発泡体は圧縮強度が0.05〜0.5MPaであることが好ましく、0.1〜0.3MPaであることがさらに好ましい。
【0049】
なお、図13及び図14において、枕部材40は、塩ビ管13が取り付けられたセパレータ巻回体10を支持するものとして説明したが、枕部材40は、塩ビ管13が取り外されたセパレータ巻回体10(又は、塩ビ管13の無いセパレータ巻回体10)を支持するものであってもよい。この場合、枕部材40の紙管載置部41bに紙管11が載置されるのみとなるため、枕部材40には、紙管載置部41bのみを設け、塩ビ管載置部41aを設けなくてもよい。
【0050】
このように、本実施形態によれば、セパレータ巻回体10の紙管11又は塩ビ管13を枕部材40の載置部41に載置することで、セパレータ巻回体10を容易に支持することができる。
【0051】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。
【0052】
図16は、第4の実施形態に係る巻回体支持構造体を示す正面図である。図17は、図16に示す巻回体支持構造体の側面図である。図18は、枕部材の斜視図である。図16〜図18に示すように、本実施形態に係る巻回体支持構造体4は、セパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の枕部材50と、を備えている。
【0053】
枕部材50は、セパレータ巻回体10の両端部を支持するものであり、セパレータ巻回体10を支持する支持位置の上側が切り欠かれた(開放された)切り欠きが形成されている。
【0054】
具体的に説明すると、枕部材50は、略同一断面でX方向に所定の厚みだけ延びており、Y方向における幅が、一対の長側板64の間隔とほぼ同じ寸法となっている。
【0055】
この枕部材50には、Y方向における中央部に、下方に向けて凹状に窪んだ略U字状断面の載置部51が形成されている。
【0056】
載置部51は、上方に開口されており、セパレータ巻回体10の塩ビ管13を宙吊り状態で載置支持する部材である。載置部51には、セパレータ巻回体10の塩ビ管13の外径と略同じ幅に形成された矩形凹部52と、矩形凹部52の上側に配置されて、上方に向けて拡径された傾斜凹部53と、が形成されている。矩形凹部52は、セパレータ巻回体10の塩ビ管13が載置される部位である。矩形凹部52は、塩ビ管13が載置された際にセパレータ巻回体10のセパレータ12が外部に接触しないように、セパレータ巻回体10の塩ビ管13をY方向及びZ方向における中心に配置する位置に形成されている。
【0057】
載置部51のX方向中央部には、ストッパー54が嵌め込まれている。ストッパー54は、セパレータ巻回体10のX方向への移動を規制する部材である。ストッパー54は、上方に開口した凹状に形成された薄板であり、載置部51にセパレータ巻回体10が載置された際に、塩ビ管13の中空内部を開口させつつ、塩ビ管13の端面を係止することができるように、載置部51の矩形凹部52及び傾斜凹部53から突出している。
【0058】
このように、本実施形態によれば、塩ビ管13の両端部を枕部材50の載置部51に挿入するだけで、セパレータ巻回体10を一対の枕部材50で支持することができる。
【0059】
しかも、載置部51の傾斜凹部53が上方に向けて拡径された傾斜面となっていることから、載置部51の間口が広く、傾斜凹部53に挿入された塩ビ管13が矩形凹部52にガイドされるため、容易に、塩ビ管13を載置部51に挿入することができる。また、ストッパー54が上方に開口した凹状に形成されていることから、ストッパー54と短側板63との間に作業者の手や搬送装置のアームを挿入しながら塩ビ管13を載置部51に挿入することができるため、容易に、塩ビ管13を載置部51に挿入することができる。
【0060】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。
【0061】
第5の実施形態は、第1の実施形態に係る巻回体支持構造体を容器に梱包したものである。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0062】
図19は、第5の実施形態に係る巻回体支持構造体の分解斜視図である。図19に示すように、本実施形態に係る巻回体支持構造体5は、セパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の支持体20と、一対の支持体20に支持されたセパレータ巻回体10を梱包する梱包体60と、を備えている。
【0063】
梱包体60は、上方が開口された箱型に形成された容器61と、容器61の開口を塞ぐ蓋62と、を備えている。
【0064】
容器61は、セパレータ巻回体10の軸線方向がX方向に配置されるようにセパレータ巻回体10を収納するものであり、X方向に長い直方体に形成されている。この容器61は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板63と、Y方向両端部において対向配置される一対の長側板64と、一対の短側板63及び一対の長側板64に隣接する底板65とを、備えている。一対の長側板64は、底板65に固定的に接続されており、一対の短側板63は、開閉可能となっている。そして、セパレータ12が一対の長側板64、底板65及び蓋62に接触しないように、容器61の内寸法が、セパレータ巻回体10の外寸法よりも大きくなっている。容器61を形成する素材としては、軽量、高強度、成形性の観点から紙製のダンボール、プラスチック製のダンボールが好ましく用いられる。特に、繰り返し使用時の耐久性からプラスチックダンボールが更に好ましい。
【0065】
図20は、図19に示す容器の拡大斜視図である。図21は、容器の展開斜視図である。図22は、容器の展開斜視図である。図20〜図22に示すように、短側板63は、外側短側板66と、外側短側板66の内側に配置される内側短側板67と、の二重構造となっている。
【0066】
外側短側板66は、一方の長側板64に接続される短側板一方部66aと、他方の長側板64に接続される短側板他方部66bと、に分割されており、短側板一方部66a及び短側板他方部66bは、それぞれ長側板64側の基端を軸として開閉することが可能となっている。また、短側板一方部66a及び短側板他方部66bの先端は、互いに嵌め合わされる凹凸状に形成されており、この先端を嵌め合わせることで、外側短側板66を閉じた状態で保持することが可能となっている。そして、短側板一方部66a及び短側板他方部66bの内側面には、内側短側板67と接合させるための面ファスナー68が取り付けられている。
【0067】
内側短側板67は、底板65に接続されており、底板65側の基端を軸として開閉することが可能となっている。そして、内側短側板67の外側面には、短側板一方部66a及び短側板他方部66bの内側面に取り付けられた面ファスナー68と接合させるための面ファスナー69が取り付けられている。
【0068】
このため、内側短側板67を閉じた後に、外側短側板66の短側板一方部66a及び短側板他方部66bを閉じると、内側短側板67の面ファスナー69と短側板一方部66a及び短側板他方部66bの面ファスナー68とが接合されて、内側短側板67と外側短側板66とが接合された状態に保持され、更に、短側板一方部66aと短側板他方部66bとの先端が嵌め合わされて、短側板一方部66aと短側板他方部66bとが強固に連結される。これにより、短側板63を完全に閉じることができる。
【0069】
一方、内側短側板67に対して外側短側板66の短側板一方部66a及び短側板他方部66bを外側に引っ張ると、内側短側板67の面ファスナー69と短側板一方部66a及び短側板他方部66bの面ファスナー68との接合が解除されるとともに、短側板一方部66aと短側板他方部66bとの先端の嵌め合わせが解除され、外側短側板66の短側板一方部66a及び短側板他方部66bが開く。その後、内側短側板67を開くことで、短側板63を完全に開くことができる。
【0070】
また、長側板64の短側板63側端部には、内側短側板67の短側板一方部66a及び短側板他方部66bが容器61の外側から当接されるとともに、支持体20が容器61の内側から当接される係止部70が取り付けられている。
【0071】
次に、梱包体60にセパレータ巻回体10を収納する方法について説明する。
【0072】
まず、容器61から蓋62を取り外して、容器61の短側板63を開いておく(図20〜図22参照)。短側板63の開き方は、まず、内側短側板67に対して外側短側板66の短側板一方部66a及び短側板他方部66bを容器61の外側に引っ張り、長側板64側の基端を軸として短側板一方部66a及び短側板他方部66bを左右に開く。すると、内側短側板67の面ファスナー69と短側板一方部66a及び短側板他方部66bの面ファスナー68との接合が解除されるとともに、短側板一方部66aの先端と短側板他方部66bの先端との嵌め合わせが解除され、外側短側板66の短側板一方部66a及び短側板他方部66bが開く。そして、底板65側の基端を軸として内側短側板67を外側に引き下げて、内側短側板67を開く。これにより、短側板63が完全に開かれる。
【0073】
次に、セパレータ巻回体10の塩ビ管13の両端に、一対の支持体20の挿入部22を挿入する(図3及び図4参照)。これにより、セパレータ巻回体10は、一対の支持体20に支持されて宙吊り状態となる。このとき、セパレータ12の周りには、防汚用のエアパックを巻いておく。
【0074】
なお、支持体20の代わりに図5及び図6に示す支持体20’を用いる場合は、まず、セパレータ巻回体10から塩ビ管13を取り外しておく。その後、セパレータ巻回体10の紙管11の両端に、一対の支持体20’の挿入部22’を挿入する(図5及び図6参照)。これにより、セパレータ巻回体10は、一対の支持体20’に支持されて宙吊り状態となる。なお、この場合も、セパレータ12の周りには、防汚用のエアパックを巻いておく。
【0075】
次に、図23に示すように、一対の支持体20に支持されたセパレータ巻回体10を容器61に挿入する。なお、支持体20の代わりに支持体20’を用いる場合は、図24に示すように、一対の支持体20’に支持されたセパレータ巻回体10を容器61に挿入する。セパレータ巻回体10の容器61への挿入は、作業者により行うこともできるが、短側板63が開かれているため、支持体20の貫通口23(支持体20’の貫通口23’)にアームを挿入してセパレータ巻回体10を搬送する搬送装置(不図示)により行うこともできる。その際、支持体20の支持板部21(支持体20’の貫通口23’)を係止部70に当接させて、セパレータ巻回体10のX方向における位置決めを行う。
【0076】
次に、容器61の短側板63を閉じる(図20〜図22参照)。短側板63の閉じ方は、まず、底板65側の基端を軸として内側短側板67を内側に押し上げて、内側短側板67を閉じる。このとき、押し上げた内側短側板67を係止部70に当接させた状態で保持しておく。そして、長側板64側の基端を軸として短側板一方部66a及び短側板他方部66bを左右から閉じ、内側短側板67の面ファスナー69と短側板一方部66a及び短側板他方部66bの面ファスナー68とを接合させるとともに、短側板一方部66aの先端と短側板他方部66bの先端とを嵌め合わせる。これにより、短側板63が完全に閉じられる。
【0077】
その後、容器61に蓋62を被せることで、巻回体支持構造体5に対するセパレータ巻回体10の収納が完了する。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る巻回体支持構造体5によれば、容器61の短側板63が開閉可能であることから、セパレータ巻回体10を容器に収納する際に、セパレータ巻回体10の軸線方向両端部に作業スペースを確保することができため、セパレータ巻回体10を容易に出し入れすることができる。
【0079】
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態について説明する。
【0080】
第6の実施形態は、第4の実施形態に係る巻回体支持構造体を第5の実施形態に係る梱包体に収容したものである。このため、以下の説明では、第4及び第5の実施形態と相違する点のみを説明し、第4の実施形態と同様の説明を省略する。
【0081】
図25に示すように、本実施形態に係る巻回体支持構造体6は、セパレータ巻回体10と、セパレータ巻回体10の両端部を支持する一対の枕部材50と、各枕部材50に取り付けられる枕部材用蓋72と、一対の枕部材50に支持されたセパレータ巻回体10を梱包する梱包体60と、を備えている。
【0082】
枕部材50および枕部材用蓋72としては、輸送時の振動からセパレータ巻回体10を守る緩衝性能、および積み重ねた際上部の荷重を支える強度の観点から、紙又はプラスチックの成型物を用いることが好ましい。これらの中でも、軽量で細部の加工が精密にできるプラスチック発泡体またはプラスチックダンボールの成型物が好ましく用いられる。プラスチック発泡体としては、高い圧縮強度を有するポリエチレン、ポリプロピレンの発泡ビーズ成型物が更に好ましい。これらの発泡体は圧縮強度が0.05〜0.5MPaであることが好ましく、0.1〜0.3MPaであることがさらに好ましい。
【0083】
容器61は、セパレータ巻回体10の軸線方向がX方向に配置されるように、セパレータ巻回体10を収納するものであり、X方向に長い直方体に形成されている。この容器61は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板63と、Y方向両端部において対向配置されて一対の短側板63と接続される一対の長側板64と、一対の短側板63及び一対の長側板64に接続される底板65と、を備えている。なお、容器61の構成は、第5の実施形態と同様であり、一対の短側板63が開閉可能になっているが、図面ではその細部を省略して図示している。そして、セパレータ12が一対の長側板64、底板65及び蓋62に接触しないように、容器61の内寸法が、セパレータ巻回体10の外寸法よりも大きくなっている。容器61を形成する素材としては、軽量、高強度、成形性の観点から紙製のダンボール、プラスチック製のダンボールが好ましく用いられる。特に、繰り返し使用時の耐久性からプラスチックダンボールが更に好ましい。
【0084】
図26は、梱包体の蓋を取り外した状態を示す平面図である。図26は、梱包体の蓋を取り外した状態を示す平面図である。図27は、図26に示す梱包体の部分拡大斜視図である。図28は、図26に示す梱包体の断面図である。図26〜図28に示すように、枕部材50は、略同一断面でX方向に所定の厚みだけ延びており、Y方向における幅が、一対の長側板64の間隔とほぼ同じ寸法となっている。
【0085】
枕部材用蓋72は、矩形凹部52を正方形の開口とするように載置部51を塞いで、セパレータ巻回体10のZ方向への移動を規制する部材である。枕部材用蓋72は、載置部51の傾斜凹部53と、蓋62と、に接触する形状となっている。枕部材用蓋72のX方向における厚みは、少なくとも、載置部51の内側端縁からストッパー54に至る寸法であればよく、例えば、載置部51と同じ厚みであってもよい。
【0086】
次に、梱包体60にセパレータ巻回体10を収納する方法について説明する。
【0087】
図29は、載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。図30は、図29に示すXXX−XXX線における断面図である。図31は、図29の状態を示す斜視図である。
【0088】
まず、図29〜図31に示すように、第5の実施形態と同様に、容器61から蓋62を取り外して、容器61の短側板63を開いておく。そして、容器61から一対の枕部材用蓋72を取り外して、容器61の両端部に一対の枕部材50が設置された状態にし、セパレータ巻回体10を容器61に挿入して塩ビ管13の両端部を枕部材50の載置部51に挿入する。
【0089】
そして、塩ビ管13が矩形凹部52まで挿入されると、塩ビ管13の側面が三方から矩形凹部52に当接されるとともに、塩ビ管13の両端縁がストッパー54に当接される。これにより、セパレータ巻回体10のY方向の移動が規制されるとともに、セパレータ巻回体10のX方向の移動が規制される。
【0090】
図32は、載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。図33は、セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。図34は、図33の状態を示す斜視図である。図32〜図34に示すように、セパレータ巻回体10が載置部51に載置されると、枕部材用蓋72を載置部51に取り付け、塩ビ管13に枕部材用蓋72を当接させる。そして、上記実施形態と同様に、容器61の短側板63を閉じて、容器61に蓋62を被せる。これにより、セパレータ巻回体10のZ方向の移動が規制される。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係る巻回体支持構造体6によれば、第5の実施形態に係る巻回体支持構造体5と同様に、容器61の短側板63が開閉可能であることから、セパレータ巻回体10を容器に収納する際に、セパレータ巻回体10の軸線方向両端部に作業スペースを確保することができため、セパレータ巻回体10を容易に出し入れすることができる。
【0092】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施形態において、支持体は、シート巻回体を支持する支持位置の上側が切り欠かれた切り欠きが形成されているものとして説明したが、この切り欠きの位置は、支持体の少なくとも一部であれば、如何なる位置であってもよく、例えば、シート巻回体を支持する支持位置の側方が切り欠かれていてもよい。切り欠きが如何なる位置に形成されても、支持体やシート巻回体を回転させることで、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0094】
同様に、第1〜第5の実施形態において、支持体の挿入部は、上部が切り欠かれた断面円弧状に形成され、支持体の支持板部は、挿入部の上側が切り欠かれているものとして説明したが、挿入部の切り欠きの位置、挿入部の形状、支持板部の切り欠きの位置等は、これに限定されるものではない。つまり、挿入部は、少なくとも一部が切り欠かれた形状であれば、如何なる形状であってもよく、支持板部は、少なくとも挿入部の切り欠きに対応する部分が切り欠かれていれば、如何なる形状であってもよい。例えば、挿入部の切り欠きがシート巻回体の下側に、かつ、支持板部の切り欠きが挿入部の下側になるように支持体を配置すると、荷重を支える方向に連続して挿入部および支持板部が延在するため、支持体の強度が確保される。挿入部及び支持板部をこのように変形させたとしても、支持体やシート巻回体を回転させることで、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0095】
また、第1〜第4の実施形態において支持体の切り欠きの形状及び構造を具体的に説明したが、支持体の切り欠きは、シート巻回体を支持する支持位置の上側が切り欠かれていれば、如何なる形状及び構造であってもよい。
【0096】
また、第2の実施形態では複数の巻回体支持構造体を1ユニット化するものとして説明したが、第3及び第4の実施形態の巻回体支持構造体も、第2の実施形態と同様に、複数の巻回体支持構造体を1ユニット化するものとしてもよい。
【0097】
また、第5及び第6の実施形態において、容器の第一側板は、図35に示す容器80の短側板81や図36に示す容器90の短側板91のように、第二側板又は底板のみに接続されたものであってもよい。
【0098】
図35に示す容器80は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板81と、Y方向両端部において対向配置される一対の長側板82と、一対の短側板81及び一対の長側板82に隣接する底板83とを、備えている。短側板81は、底板83と接続されており、Y方向両端縁に、短側板81が閉じた際に一対の長側板82と接合される一対の接合板84が接続されている。そして、一対の接合板84の内側面には、面ファスナー85が取り付けられており、長側板82の外側面には、面ファスナー85と接合させるための面ファスナー86が取り付けられている。これにより、短側板81の底板83側の基端を軸として短側板81を上下に開閉し、面ファスナー85と面ファスナー86とを脱着することで、短側板81を開閉することが可能となる。
【0099】
図36に示す容器90は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板91と、Y方向両端部において対向配置される一対の長側板92と、一対の短側板91及び一対の長側板92に隣接する底板93とを、備えている。短側板91は、一方の長側板92と接続されており、Y方向先端縁に、短側板91が閉じた際に他方の長側板92と接合される接合板94が接続されている。そして、接合板94の内側面には、面ファスナー95が取り付けられており、他方の長側板92の外側面には、面ファスナー95と接合させるための面ファスナー96が取り付けられている。これにより、短側板91の一方の長側板92側の基端を軸として短側板91を左右に開閉し、面ファスナー95と面ファスナー96とを脱着することで、短側板91を開閉することが可能となる。
【0100】
また、第5及び第6の実施形態の容器は、図37に示す容器100や図38に示す容器110のように、短側板が、固定された固定短側板と開閉可能な開閉短側板との二重構造であるものとしてもよい。
【0101】
図37に示す容器100は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板101と、Y方向両端部において対向配置される一対の長側板102と、一対の短側板101及び一対の長側板102に隣接する底板103と、を備えている。短側板101は、一対の長側板102及び底板103に固定された固定短側板101aと、固定短側板101aに対して開閉可能に底板103と接続された開閉短側板101bと、の二重構造となっている。固定短側板101aは、Y方向中央部が下方に向けて凹状に窪んだ略U字状に形成されており、X方向視において、セパレータ巻回体10が容器100に収納される際に塩ビ管13の軌道となる位置が開口している。一方、開閉短側板101bは、少なくとも固定短側板101aの開口を塞ぐ形状となっている。そして、開閉短側板101bの内側面には、面ファスナー104が取り付けられており、固定短側板101aの外側面には、面ファスナー104と接合させるための面ファスナー105が取り付けられている。これにより、開閉短側板101bの底板103側の基端を軸として開閉短側板101bを上下に開閉し、面ファスナー104と面ファスナー105とを脱着することで、開閉短側板101bを開閉することが可能となる。そして、固定短側板101aが開口していることから、開閉短側板101bを開閉することで、短側板101の一部を開閉することができる。
【0102】
図38に示す容器110は、X方向両端部において対向配置される一対の短側板111と、Y方向両端部において対向配置される一対の長側板112と、一対の短側板111及び一対の長側板112に隣接する底板113と、を備えている。短側板111は、一対の長側板112及び底板113に固定された固定短側板111aと、一対の長側板112及び底板113から分離されて固定短側板111aに対して脱着可能な脱着短側板111bとの、二重構造となっている。固定短側板111aは、Y方向中央部が下方に向けて凹状に窪んだ略U字状に形成されており、X方向視において、セパレータ巻回体10が容器110に収納される際に塩ビ管13の軌道となる位置が開口している。一方、脱着短側板111bは、少なくとも固定短側板111aの開口を塞ぐ形状となっている。そして、脱着短側板111bの内側面には、面ファスナー114が取り付けられており、固定短側板111aの外側面には、面ファスナー114と接合させるための面ファスナー115が取り付けられている。これにより、面ファスナー114と面ファスナー115とを脱着することで、脱着短側板111bを固定短側板111aに対して脱着することが可能となる。そして、固定短側板111aが開口していることから、脱着短側板111bを脱着することで、短側板111の一部を開閉することができる。
【0103】
また、第5及び第6の実施形態では、開閉される第一側板を面ファスナーにより接合するものとして説明したが、例えば、点ファスナーなど、様々な接合手段を用いて接合することができる。
【0104】
また、第5及び第6の実施形態では、セパレータが紙管及び塩ビ管に巻回されて当該塩ビ管が支持部材に載置支持されるものとして説明したが、セパレータが紙管のみに巻回されて当該紙管が支持部材に載置支持されるものであってもよい。
【0105】
また、第6の実施形態において、枕部材50の代わりに、第3の実施形態の枕部材40を用いてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…巻回体支持構造体、3…巻回体支持構造体、4…巻回体支持構造体、5…巻回体支持構造体、6…巻回体支持構造体、10…セパレータ巻回体(シート巻回体)、11…第一の管/紙管(支持管)、12…セパレータ(シート状物)、13…第二の管/塩ビ管(支持管)、20…支持体、21…支持板部、22…挿入部、23…貫通口、25…連結部、25a…上面連結部、25b…下面連結部、25c…右側面連結部、25d…左側面連結部、30…ユニット構造体、31…固定バンド、32…パレット、33…溝、40…枕部材(支持体)、41…載置部、41a…塩ビ管載置部、41b…紙管載置部、50…枕部材(支持体)、51…載置部、52…矩形凹部、53…傾斜凹部、54…ストッパー、60…梱包体、61…容器、62…蓋、63…短側板(第一側板)、64…長側板(第二側板)、65…底板、66…外側短側板、66a…短側板一方部(第一側板一方部)、66b…短側板他方部(第一側板他方部)、67…内側短側板(補強板部)、68…面ファスナー、69…面ファスナー、70…係止部、72…枕部材用蓋、80…容器、81…短側板(第一側板)、82…長側板(第二側板)、83…底板、84…接合板(接合部)、85…面ファスナー、86…面ファスナー、90…容器、91…短側板(第一側板)、92…長側板(第二側板)、93…底板、94…接合板(接合部)、95…面ファスナー、96…面ファスナー、100…容器、101…短側板(第一側板)、101a…固定短側板、101b…開閉短側板、102…長側板(第二側板)、103…底板、104…面ファスナー、105…面ファスナー、110…容器、111…短側板(第一側板)、111a…固定短側板、111b…脱着短側板、112…長側板(第二側板)、113…底板、114…面ファスナー、115…面ファスナー。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円管状の支持管にシート状物が巻回されたシート巻回体と、
前記シート巻回体の両端部を支持する一対の支持体と、
を備えた巻回体支持構造体であって、
前記支持体は、少なくとも一部が切り欠かれた切り欠きが形成されている、
巻回体支持構造体。
【請求項2】
前記支持体は、
矩形の平板状に形成された支持板部と、
前記支持板部から突出されて前記支持管に挿入される挿入部と、
を備えており、
前記挿入部は、少なくとも一部が切り欠かれた形状に形成されており、
前記支持板部は、少なくとも前記挿入部の切り欠きに対応する部分が切り欠かれている、
請求項1に記載の巻回体支持構造体。
【請求項3】
前記支持体は、前記支持管が載置される載置部を備えており、前記載置部の上側が切り欠かれている、
請求項1に記載の巻回体支持構造体。
【請求項4】
前記支持体は、周面において他の前記支持体と連結する連結部を備えている、
請求項1〜3の何れか一項に記載の巻回体支持構造体。
【請求項5】
前記シート巻回体及び前記一対の支持体が収納され、前記シート巻回体の軸線方向において対向する一対の第一側板と、前記シート巻回体の軸線と直交する方向において対向する一対の第二側板と、前記一対の第一側板及び前記一対の第二側板に隣接する底板と、を備える容器を更に有し、
前記容器は、前記第一側板が開閉可能である、
請求項1〜4の何れか一項に記載の巻回体支持構造体。
【請求項6】
前記第一側板は、一方の前記第二側板に接続される第一側板一方部と、他方の前記第二側板に接続される第一側板他方部と、前記底板に接続されて前記第一側板一方部及び前記第一側板一方部と脱着可能に接合される補強板部と、を備える、
請求項5に記載の巻回体支持構造体。
【請求項7】
前記第一側板は、前記一対の第二側板及び前記底板の何れか一方と接続されており、少なくとも接続されていない前記一対の第二側板及び前記底板の一方と脱着可能に接合される接合部を備える、
請求項5に記載の巻回体支持構造体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2013−100133(P2013−100133A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−276930(P2012−276930)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】