説明

巻筒体包装容器及びその製造方法

【課題】芯体に巻回された内容物が飛び出しにくく、内容物が引き出しやすく、異物の混入がない、係止力を有する蓋を備える巻筒体包装容器とその製造方法を提供する。
【解決手段】巻筒体包装容器21は、側板8に連接する折込み片12とこれに連接する係合突起13を有し、係合突起13は蓋体23を閉じたときにその内側に備える係合部20に係合する。折込み片12の奥行きD4、幅W、前板高さ(内寸)H、芯体の外径S、が所定の関係式(1)〜(6)を満たす。更に、巻筒体包装容器21は、平面紙板50を折り畳んだ折畳紙板51を整列させる整列工程101と、折畳紙板51を組立送路に供給する送出工程102と、折畳紙板51を稜線の両側から押圧して角筒状にして開口部53を形成する形成工程103と、巻筒体26を開口部53から収納する収納工程104と、角筒状折畳紙板52の開口部53を折り畳んで封止する封止工程105を経て製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム箔、食品包装用ラップ、またはシート状の部材を巻いた巻筒体の巻筒体包装容器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用アルミニウム箔や食品包装ラップは、一般的に円筒状の芯体に巻回されたものが直方体形状の紙製包装容器に収納されている。
例えば、これらアルミニウム箔等の使用時において使用者は、円筒状の芯体に巻回されたアルミニウム箔等の内容物を包装容器本体と蓋体の間の空間から必要量引き出して、当該容器本体または蓋体などに備え付けられたノコ刃を用いてアルミニウム箔等内容物を切断する。
【0003】
従前の包装容器においてはアルミニウム箔等の使用後に包装容器の蓋が開いた状態となりやすく、異物の混入や侵入などの衛生面から問題が生ずる恐れがあった。この問題を解消する手段となり得るものとして、蓋が開いた状態にならないようにする側壁上端に設けた係止突起と当該係止突起が係合する段差部が、包装容器側面および蓋側面に設けられたものが知られている(特許文献1)。
【0004】
また、包装容器の蓋の係止効果を有するものとして、包装容器本体上面開口部に包装容器本体側面に連なる折込み片とこの折込み片に連なる突起が設けられた包装容器が知られている(特許文献2)。このような折込み片に連なる突起は、当該包装容器の蓋の係止手段になると共に、異物の侵入や混入を防止するという初期の目的を達成し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−35620号公報
【特許文献2】特開2005−22743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような折込み片を設けた包装容器は、次のような問題を有していた。
すなわち、使用者が使用時に円筒状の芯体に巻回されたアルミニウム箔等内容物を包装容器本体から引き出す際に、この内容物たるアルミニウム箔等が包装容器に設けられた係止突起又は折込み片に接触したり、挟まったりする場合があった。その結果として、内容物たるアルミニウム箔等が包装容器から引き出しにくい、場合によってはアルミニウム箔等の内容物が破けるなどの問題を有していた。
【0007】
前記のような包装容器が有する問題を解消すべく、本発明は創案されたものであり、芯体に巻回された内容物が芯体ごと飛び出しにくく、異物の侵入や混入もなく、しかも、芯体に巻回された内容物が引き出しやすい、適度な係止力を有する蓋を備えた巻筒体包装容器及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意努力した結果、本発明をするに至った。
すなわち、本発明の巻筒体包装容器は、その形状が長方形である前板と、前記前板の長辺に連接して形成した長方形の底板と、前記底板の長辺に連接すると共に、前記前板に対向する位置に形成した長方形の後板と、前記後板の長辺に連接すると共に、前記底板に対向する位置に形成した長方形の蓋板と、前記蓋板の長辺に連接し、前記前板に対向すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した長方形の前蓋板と、前記前蓋板の長辺で連接し、前記前板に対向すると共に、前記前蓋板から下垂する位置に形成した長方形の仮止め片と、前記前板の左右の各短辺に連接して形成した第一補助側板と、前記底板の左右の各短辺に連接して形成した正方形若しくは長方形の側板と、前記後板の左右の各短辺に連接して形成した第二補助側板と、前記蓋板の左右の各短辺に連接し、前記側板に対面すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した側蓋板と、前記前蓋板の左右の各短辺に連接する位置に形成される長方形もしくは正方形の補助側蓋板と、前記左右の各側板の上辺に連接すると共に、前記左右の各側板の上辺に沿って折り込まれることで、前記底板に対向する位置に形成される折込み片と、を有する巻筒体包装容器において、前記折込み片は、前記側板側の一部をその上辺を越えて含むように形成した切込み線により形成される係合突起を備え、前記係合突起は、前記折込み片が上辺に沿って折り込まれることで前記左右の各側板の上辺から当該包装容器外側へ突出し、前記蓋板と前記前蓋板と前記側蓋板と前記補助側蓋板からなる蓋体を閉じたときに蓋体内部の前記側蓋板と前記補助側蓋板とが重なることで板厚みにより形成される係合部に係合するものであり、前記折込み片の奥行きをD4(mm)、折込み片の幅をW(mm)、前記前板の高さ(内寸)をH(mm)、としたときに下記関係式(1)ないし関係式(3)を満たすことを特徴とする。
W>0.011(D4)2+0.53(D4)−0.016H2+1.24H−23.05 式(1)
17.3(H/38)≦D4≦19(H/38) 式(2)
30≦H≦50 式(3)
【0009】
かかる構成により、巻筒体包装容器は、折込み片の奥行きをD4、折込み片の幅をW、としたときに、前記式(1)ないし式(3)を満たすことにより、前板の上端と巻筒体包装容器本体の側板に連接する折込み片の前板側の端との間に長方形状の空間部を設けて、前板の上端と折込み片の前板側の端を離すことができる。
また、巻筒体包装容器は、折込み片の前板側の端と側板の上端の接合部の角度が略90度となる。
【0010】
また、本発明のシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器は、その形状が長方形である前板と、前記前板の長辺に連接して形成した長方形の底板と、前記底板の長辺に連接すると共に、前記前板に対向する位置に形成した長方形の後板と、前記後板の長辺に連接すると共に、前記底板に対向する位置に形成した長方形の蓋板と、前記蓋板の長辺に連接し、前記前板に対向すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した長方形の前蓋板と、前記前蓋板の長辺で連接し、前記前板に対向すると共に、前記前蓋板から下垂する位置に形成した長方形の仮止め片と、前記前板の左右の各短辺に連接して形成した第一補助側板と、前記底板の左右の各短辺に連接して形成した正方形若しくは長方形の側板と、前記後板の左右の各短辺に連接して形成した第二補助側板と、前記蓋板の左右の各短辺に連接し、前記側板に対面すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した側蓋板と、前記前蓋板の左右の各短辺に連接する位置に形成される長方形もしくは正方形の補助側蓋板と、前記左右の各側板の上辺に連接すると共に、前記左右の各側板の上辺に沿って折り込むことで、前記底板に対向する位置に形成される折込み片と、を有し、シート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器において、前記折込み片は、前記側板側の一部をその上辺を越えて含むように形成した切込み線により形成される係合突起を備え、前記係合突起は前記折込み片が上辺に沿って折り込まれることで前記左右の各側板の上辺から当該包装容器外側へ突出し、前記蓋板と前記前蓋板と前記側蓋板と前記補助側蓋板からなる蓋体を閉じたときに蓋体内部の前記側蓋板と前記補助側蓋板とが重なることで板厚みにより形成される係合部に係合するものであり、前記折込み片の奥行きをD4(mm)、折込み片の幅をW(mm)、前記前板の高さ(内寸)をH(mm)、前記巻筒体の芯体の外径をS(mm)、としたときに下記関係式(1)ないし関係式(6)を満たすことを特徴とする。
W>0.011(D4)2+0.53(D4)−0.016H2+1.24H−23.05 式(1)
17.3(H/38)≦D4≦19(H/38) 式(2)
30≦H≦50 式(3)
W>(−0.76S+37.91)(H/38) 式(4)
26≦S≦45 式(5)
S<H 式(6)
【0011】
かかる構成により、巻筒体包装容器本体は折込み片の奥行きをD4、折込み片の幅をW、巻筒体の芯体の外径をS、としたときに、前記式(1)ないし式(6)を満たすことにより、前板の上端と巻筒体包装容器本体の側板に連接する折込み片の前板側の端との間に長方形状の空間部を設けて、前板の上端と折込み片の前板側の端を離すことができる。また、芯体の外径に即した適切な折込み片の大きさとすることができる。
更に、巻筒体包装容器本体は、折込み片の前板側の端と側板の上端の接合部の角度が略90度となる。
【0012】
また、本発明のシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器の製造方法は、請求項2に係る巻筒体包装容器の製造方法であって、折畳まれた折畳紙板を搬送する組立送路と、内部に収納する巻筒体を搬送する巻筒体搬送路とを並列して設け、前記組立送路に設置した整列機構と、前記整列機構で整列された前記折畳紙板を送り出す送出機構と、送り出された前記折畳紙板を受け取り角筒状とするコンベア機構と、このコンベア機構に沿って設けた折畳機構若しくは折畳ガイドと、前記巻筒体搬送路に沿って設けられ、前記角筒状にした折畳紙板に前記巻筒体を収納するアーム機構と、を用いた巻筒体包装容器の製造方法において、前記巻筒体包装容器の前板と蓋板が対面し底板と後板とが対面すると共に、前蓋板及び仮止め片が前板に対面するように折畳んだ折畳紙板について前記整列機構により前記折畳紙板の外面が重なるように整列させる整列工程と、前記送出機構を介して、整列した前記折畳紙板を前記コンベア機構の搬送ベルトから所定間隔で突出する突出片の間に一つずつ送り出す送出工程と、前記コンベア機構において前記折畳紙板の稜線を両側から前記突出片、前記搬送ベルト及び前記搬送ベルトに対向して所定間隔で設けたガイドのいずれかにより押圧して左右両端側が開口する角筒状に形成する形成工程と、前記組立送路に並列する巻筒体搬送路により搬送されている巻筒体を前記アーム機構により、前記角筒状に形成した折畳紙板の一方の開口から角筒内に収納する収納工程と、前記組立送路で搬送されながら前記折畳機構若しくは折畳ガイドにより前記開口している折畳紙板の両端を折り畳んで封止し前記巻筒体包装容器とする封止工程と、を行うことを特徴とする。
【0013】
前記のような工程により、シート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器の製造方法は、整列工程で巻筒体包装容器を折畳んだ折畳紙板を整列させ、形成工程で包装容器の立体形状とする際にその立体形状を安定して搬送ベルト、ガイド、及び突出片により保持しつつ包装容器が製造可能となると共に、包装時に包装容器側面の開口部の形状を保持することができる。また、巻筒体を包装容器側面の開口部からアーム機構により収納することで、包装容器の蓋板から巻筒体を収納する構成に比べて、搬送方向における距離が短くてよく、収納効率も高くなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る巻筒体包装容器並びにシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器及びその製造方法は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明に係る巻筒体包装容器は、所定の関係式を満たす折込み片を有することにより、内容物を芯体に巻回した巻筒体を収容して使用する際に、内容物が折込み片に接触したり、挟まったりすることがなく内容物の巻筒体包装容器からの引き出しにくさを解消することができる。同時に使用者が、本願巻筒体包装容器から内容物を引き出す際のアルミニウム箔等内容物の破損も防止できる。
本発明に係る巻筒体包装容器は、当該係合突起が側蓋板と補助側蓋板とからなる係合部に係合することが可能となり、蓋体が確実に閉じられる。その結果、使用時および使用後に巻筒体包装容器の蓋が開きにくく、異物の混入や侵入を防止できる。
更に、本発明に係る巻筒体包装容器は、所定の関係式を満たす折込み片に連接する前記係合突起が蓋体を係止することで、使用時において円筒状の芯体に巻回された内容物を巻筒体包装容器から引き出す際に内容物が巻回された芯体ごと飛び出しにくい。しかも前記巻筒体包装容器は、所定の関係式を満たす折込み片に連接する係合突起を有する構成により内容物が芯体に巻き戻った時に内容物が巻回された芯体を取り出しやすい、という相反する性能を有する。
【0015】
また、本発明に係るシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器の製造方法によれば、包装容器の折畳紙板が角筒状にしてその角筒状の一方の開口から巻筒体を収納するので、巻筒体の包装速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)本発明に係る巻筒体包装容器の蓋体が開いた状態の斜視図であり、(b)本発明に係る巻筒体包装容器の蓋体が閉じた状態の拡大図である。
【図2】本発明に係る巻筒体包装容器の展開図である。
【図3】本発明に係る巻筒体包装容器の側面の説明図(折込み片および係合突起を側板と同一平面にした状態)である。
【図4】本発明に係る巻筒体包装容器の折込み片、係合突起等の比率の説明図である。
【図5】本発明に係る巻筒体包装容器のA−A線の断面図である。
【図6】本発明に係る巻筒体包装容器のB−B線の断面図である。
【図7】本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法の製造工程を示す図である。
【図8】(a) 本発明に係る巻筒体包装容器の製造時において折畳まれた状態を示す図であり、(b)本発明に係る巻筒体包装容器の製造時において折畳まれた状態から開口部を設けた状態を示す図である。
【図9】(a)本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法における平面紙板の変形前の状態を示す模式図、(b)本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法の整列工程における折畳まれた紙板の状態を示す模式図、(c)本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法の送出工程及び形成工程において折畳紙板から角筒状折畳紙板とする状態を示す模式図、(d)本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法の収納工程において角筒状折畳紙板の開口部から巻筒体を収納する状態を示す模式図、(e)本発明に係る巻筒体包装容器の製造方法の封止工程における角筒状折畳紙板の封止の一動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<巻筒体包装容器>
図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1(a)に示すように、本発明に係る巻筒体包装容器21は、左右方向に長い直方体で、上部が開口した巻筒体包装容器本体22と、その上部の長辺の一辺に連接した蓋体23と、からなる。したがって、巻筒体包装容器21は蓋体23をあけて、巻筒体包装容器本体22の開口した上部から巻筒体26を出し入れできるように構成されている。
更に、巻筒体包装容器21は、巻筒体包装容器本体22の上部左右端それぞれに折込み片12と、各折込み片12に連接する係合突起13を有し、蓋体23の内側に係合部20が形成されている。このような構成により、巻筒体包装容器21は図1(b)に示すように、左右端で係合部20に係合突起13が係合することで蓋体23が巻筒体包装容器本体22の上部を覆った(閉じた)状態で固定維持できるように構成されている。
巻筒体包装容器21は、巻筒体26を収容しない状態においては、折込み片12の奥行きD4と前板1の高さ(内寸)Hに対して折込み片12の幅Wが所定の前記関係式(1)ないし関係式(3)を満足するように構成されている。同時に、折込み片12の奥行きD4は、前板1の比率が0.789<H/38<1.32であるときに17.3≦D4≦19を満足するように構成されている(前記関係式(2))。また、巻筒体26を収容した状態においては、折込み片の奥行きD4に対して折込み片12の幅Wが所定の前記関係式(1)ないし関係式(3)を満足するように構成されているだけでなく、折込み片12の幅Wが巻筒体の芯体26aの外径Sに対して所定の関係式(4)ないし関係式(6)を満足するように構成されている。
以下、図に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
[巻筒体包装容器本体]
図1、図2に示すように、巻筒体包装容器本体22は、その形状が長方形である前板1と、前記前板1の長辺で連接するその形状が長方形である底板2と、前記底板2の長辺で連接すると共に、前記前板1に対向する、その形状が長方形である後板3と、前記底板2の左右短辺で連接するその形状が正方形若しくは長方形である側板8と、前記前板1の左右短辺で連接する第一補助側板7と、前記後板3の左右短辺で連接する第二補助側板9の各面で形成される。巻筒体包装容器本体22は、底板2に対向する上部が開口しており、その開口させた状態で巻筒体包装容器本体22の内部の巻筒体26を手指で操作する構成となっている。
【0019】
具体的には巻筒体包装容器本体22の側面視における大きさ(側板8の大きさ)は、巻筒体包装容器22の内寸にも依存するものであり、巻筒体26を収容して内容物を引き出し可能とするため、巻筒体26を収容したときに内側に隙間を有するような大きさに構成することが最低限必要である。巻筒体26の大きさは芯体26aの大きさ及び内容物の量にも依存するものであり、巻筒体包装容器本体22の左右方向における長さ(長手方向における長さ)は巻筒体26の軸の長さ、すなわち、芯体26aの軸の長さに対して、わずかに(収容可能な程度に)長いものとする(図1(a)参照)。巻筒体包装容器本体22が芯体26aの軸の長さに対して長すぎると、巻筒体26を収容したときに、左右両端の隙間が広すぎて、巻筒体包装容器21の飛び出し防止手段45が芯体26aの両端の中空部分に届かないために巻筒体26を固定することができなくなる。
【0020】
具体的には、包装する巻筒体26の一般的な外径との関係上、巻筒体包装容器本体22の側板8の一辺の内寸が30〜50mmの正方形であり、巻筒体包装容器21の形状が直方体のものが好ましい。特に、巻筒体包装容器21の使いやすさや包装対象である巻筒体26の外形を考慮すると、巻筒体包装容器本体22の側板8の外寸が一辺40mm前後の正方形であって、巻筒体包装容器本体22の形状は直方体のものがより好ましい。
【0021】
このような巻筒体包装容器21は、薄板状の材料で形成することができ、図2に示す平面視形状に切断したものを、前板1と底板2、底板2と後板3等の連接した辺でそれぞれ略90度に折り曲げて、図1に示す直方体に形成される。
【0022】
特に、巻筒体包装容器本体22の側面は、第二補助側板9が折り込まれて最内面に位置し、次に第一補助側板7が折り込まれて中面に位置すると共に、側板8が最後に折り込まれて最外面に位置した状態で前記各板が接着等されて形成される。ただし、前記側面の構成は前記折り込みの順序に制限されるものではない。
【0023】
巻筒体包装容器21に使用される材質は、各種ダンボール、紙板等特に制限はないが、近年の環境保護の機運の高まりを考慮して、内容物使用後の当該巻筒体包装容器21の廃棄やリサイクルが容易な紙板等の紙製であることが好ましい。
【0024】
[巻筒体包装容器本体付属部分]
(折込み片)
図1ないし図3に示すように、巻筒体包装容器21を確実に閉じられるように蓋体23が巻筒体包装容器本体22に固定されるとともに、必要に応じて巻筒体26が取り出しやすくするための係合突起13を設けるために、巻筒体包装容器21は左右両端に長方形もしくは正方形に形成された折込み片12を有する。
加えてこの折込み片12は、蓋体23を開けて使用者が内容物を巻回した芯体26aを操作する際に、落下防止手段となり得るものである。
【0025】
折込み片12は、係合突起13を設ける位置との関係、および折込み片12の強度の観点から巻筒体包装容器本体22の外面を形成する側板8に所定の大きさで連接して設けた。そして折込み片12は、側板8側の一部をその上辺18を越えて含むように形成した切込み線19により形成される係合突起13を備えている。係合突起13は、ここでは、台形に形成されている。
【0026】
この折込み片12は左右の各側板8の上辺18を折込み線37として各側板8の外面側から巻筒体包装容器本体22の内部側へ略90度に折り込まれて、底板2に対向する。折込み片12を上辺18の位置で底板2に対向するように折り込むことで、係合突起13は巻筒体包装容器本体22の左右外側に突出する様になり、後記するように巻筒体包装容器21内で蓋体23を係止することができる状態になる。
【0027】
図4に示すように、巻筒体包装容器本体22(側板8)の奥行きDに対して、折込み片12の奥行き(巻筒体包装容器本体22の奥行き方向の長さ)をD4、その折込み片12の幅(巻筒体包装容器本体22の左右方向の長さ)をWで表すと、折込み片12は巻筒体26を収容しない状態においては、前記関係式(1)ないし関係式(3)を満たす様に形成される。また、巻筒体26を収容した状態においては、前記関係式(1)ないし関係式(3)に加えて関係式(4)ないし関係式(6)を満たすように形成される。折込み片12はD:D4:W=40:19:15の比を満足するように形成されるのが係合力や使いやすさの点から好ましい。
【0028】
巻筒体包装容器21の高さ(内寸)Hが38の状態に換算した場合において、D4>19(H/38)では、折込み片12が大きくなることから芯体26aに巻回された内容物を引き出す際に内容物が折込み片12に接触することになり、本発明の効果たる目的物の引き出しやすさが得られなくなる。前記同様に換算した場合においてD4<17.3(H/38)では、折込み片12が小さくなり連接する係合突起13も小さくなることからその性能、形状および強度を維持できず、前記本発明の効果が得られなくなる。
又、巻筒体包装容器21の高さ(内寸)Hが大きく(高く)なるほど相対的に巻筒体包装容器21と巻筒体26の間に空間(隙間)が生じやすくなること。この場合、折込み片12の幅は大きい方が巻筒体26の飛び出しを防止する観点から好ましい。このため、式(1)において変数Hからなる二次式の項を設けて、折込み片12の奥行きD4からなる二次式の項の値が適切となるよう補正をしている。
【0029】
高さ(内寸)H=38のときW>20では、蓋体23を閉じる初期段階から折込み片12が蓋体23に接触して巻筒体包装容器本体22の内側に折り込まれ、同時に、折込み片12に連接する係合突起13が巻筒体包装容器本体22の外側へ突出することになる。その結果、蓋体23が閉じ難くなり、使用者は本発明の効果が得られなくなる。このため、高さ(内寸)H=38のときW≦18が好ましい。また、Wの値が前記関係式(1)並びに関係式(4)の値より小さいときは、折込み片12と側板8のなす角度、即ち、係合突起13と側板8のなす角度が略90度となり難く、係合突起13が係合部20に係合して蓋体23を係止するという係合突起13の機能を確保できなくなる。同時に、折り込み片12の幅が短すぎて巻筒体包装容器21は巻筒体26の飛び出し防止効果が得られなくなる。
さらに、折込み片12の幅Wは、芯体26aの外径Sが大きくなるほど芯体26aが折込み片12に近づくことになりやすいため、小さくしても巻筒体26の飛び出しを防止することができる。このため、式(4)において変数Sの係数は負の値とし、芯体の外径が大きくなるほど折込み片12の幅Wの値が小さくなるように式(1)とは別の観点から規定している。反対に、芯体26aの外径Sが小さくなるほど芯体26aが折込み片12から離れることになりやすいため、大きくして巻筒体26の飛び出しを防止することが好ましい。このため、式(4)において芯体の外径が小さくなるほど折込み片12の幅Wの値が大きくなるように式(1)とは別の観点から規定している。
【0030】
(係合突起)
巻筒体包装容器21は蓋体23を巻筒体包装容器本体22に係止する手段として、折込み片12に連なる係合突起13を採用した。これにより本発明は、巻筒体包装容器本体22の係合突起13が蓋体23に所定の大きさで係合できる状態となるため、通常の使用において蓋体23が開くことはない。また、使用者が、何らかの理由で巻筒体26(内容物が巻回された芯体26a)を巻筒体包装容器21から取り出す際においても、所定の大きさに形成されているので使用者が巻筒体26等を巻筒体包装容器21から取り出し難くなることはない。
【0031】
巻筒体包装容器本体22の左右外側に突出した係合突起の設け方は各種方法が考えられる。その中でも本発明においては、係合突起13は図3に示すように、側板8と折込み片12との境界である折込み線37上に形成した切込み線19により形成される。図1(a)(b)、図5に示すように、折込み片12を図3に示す折込み線37に従って巻筒体包装容器本体22の内部側に折り曲げると側板8側の一部を含むように形成されている係合突起13が巻筒体包装容器本体22の左右側板8から突出する状態となる。蓋体23の開閉しやすさと係合突起13による係止力を考慮して、係合突起13の形状は延出端16に向けて幅狭とした台形が好ましい。より好ましくは等脚台形である。
【0032】
具体的には図4に示すように、係合突起13の延出端16をD2、係合突起13の基部の長さをD3、折込み片12の奥行きをD4と表すと、下記関係式(7)、関係式(8)を満たすのが好ましい。
(1/3)D4≦D2≦(1/2)D4 式(7)
(1/2)D4≦D3≦(2/3)D4 式(8)
【0033】
係合突起13の比率は、巻筒体包装容器本体22の奥行きDが40である場合においてD:D2:D3=40:7:11となるようにしてもよい。
【0034】
D3>(2/3)D4では、折込み片12の奥行きD4との関係から側板8と折込み片12の連接部の幅が短くなるため折込み片12の強度が保てなくなると同時に、係合突起13の強度が保てなくなる。D3<(1/2)D4では、係合突起13の基部の長さD3が短くなり、係合突起13の強度が保てなくなる。
【0035】
D2>(1/2)D4では、係合突起13の形状が正方形に近くなりやすく、また、係合突起13の延出端16と係合突起13の斜辺のなす角の角度が鋭角に近づき、蓋体23の開けやすさを得られなくなる。D2<(1/3)D4では、係合突起13の延出端16と補助側蓋板11の上端17の係合面積が小さくなり、蓋体23の係合力が減少することになる。
【0036】
係合突起13の高さH2は、係合突起13の高さ(巻筒体包装容器本体22の長手方向の長さ)をH2、巻筒体包装容器21の紙板の厚さをT2とすると、係合突起13の強度、突出量、および巻筒体包装容器本体22の側板8の厚さを考慮してH2≦7T2であることが好ましい。また、係合突起13の高さH2は、D:H2=40:3とするのがより好ましい。さらに、前記強度等の理由から係合突起13の高さH2を折込み線37で分割した場合の比率は、係合突起13の延出端16側:係合突起13の基部側=2:1とするのがより好ましい。
【0037】
係合突起13の側板8に対する配置は図3、図4に示すように、係合突起13の垂直2等分線が側板8の垂直2等分線Lと一致するのが好ましい。更に、芯体26aの中心が側板8の垂直2等分線Lを通るようにする。
そして、係合突起13の側板8からの突出する長さは1〜3mmが好ましい。
【0038】
係合突起13が後板3側に偏って配置されると係合突起13の蓋体23に対する係止力が弱くなり、使用時および使用後に巻筒体包装容器21の蓋体23が一定の係止力で開きにくくなるという状態が得られなくなる。
逆に、係合突起13の配置が前板1側に偏って配置されると係合突起13の蓋体23に対する係止力が過剰に強くなり、内容物が芯体26aに巻き戻った時に蓋体23を開け難くなる。
【0039】
[蓋体]
図1(a)(b)に示すように、巻筒体包装容器21の蓋体23は、巻筒体包装容器本体22の後板3の長辺で連接すると共に、底板2に対向する、その形状が長方形である蓋板4と、蓋板4の長辺で連接し、前板1に対向すると共に、蓋板4から下垂する、その形状が長方形である前蓋板5と、蓋板4の左右短辺で連接し、側板8に対向すると共に、蓋板4から下垂する、その形状が長方形若しくは正方形である側蓋板10と、前蓋板5の左右短辺で連接する、その形状が長方形若しくは正方形である補助側蓋板11の各面で形成される。蓋体23は、巻筒体包装容器本体22の底板2に対向する上部開口部を開閉可能に覆うものである。
【0040】
蓋体23は、内容物出荷時において、前蓋板5の蓋板4と連接した長辺と対向する長辺に、更に仮止め片6が連接して設けられる(図2、図8(a)参照)。仮止め片6は、巻筒体包装容器21の内容物(製品)の出荷、流通時等において当該巻筒体包装容器21を封止するため、ならびに前蓋板5の内面(裏面)又は前板1の外面(表面)に備えられる切断具25を露出させないために設けられ、巻筒体包装容器本体22の前板1の外面に接着等されて、蓋体23を巻筒体包装容器本体22に固定する。この仮止め片6は、前蓋板5との連接した長辺では折り曲げられず、当該仮止め片6を前蓋板5や前板1など巻筒体包装容器21の他の部分から切り離し容易とするため、この長辺に沿って破線状等の切込みが形成される。
【0041】
蓋体23は、蓋板4の後側の長辺で巻筒体包装容器本体22に連接し、この長辺を蝶番として巻筒体包装容器本体22の開口部を開閉可能に構成される。詳しくは、巻筒体包装容器21の蓋体23が閉じられたとき(図1(b)参照)、巻筒体包装容器21の外形が直方体となるように、蓋体23は巻筒体包装容器本体22の上部を覆って一体となり、巻筒体包装容器21が開けられたとき(図1(a)参照)、巻筒体包装容器本体22の上部が完全に開口して、巻筒体26の操作、収容又は取出しが可能となるようにする。
【0042】
蓋体23の形状は巻筒体包装容器本体22の上部開口部を覆うことができること、使用者が後述する円筒状芯体26aに巻回された内容物を巻筒体包装容器21から引き出して切断具25で切断する際に支障を生じない形状であること、および、蓋体23と前記した巻筒体包装容器本体22の係合突起13が係合する部位(係合部20)を設けることができる、という要件を満たす。
【0043】
蓋体23を構成する前蓋板5と、側蓋板10及び補助側蓋板11のなす角度は、蓋体23と係合突起13が係合すること、内容物を巻筒体包装容器21から引き出して切断具25で切断すること、および、巻筒体包装容器本体22の形状を考慮すると、相互に略90度であることが好ましい。
また、前蓋板5と蓋板4、側蓋板10及び補助側蓋板11と蓋板4のなす角度は、それぞれ略90度であることが好ましい。
【0044】
さらに、蓋体23が巻筒体包装容器本体22の蓋としての機能を確保するため、および、前蓋板5の下端裏面に切断具25を設けた場合に切断具25が内容物を好適に切断するために、前蓋板5の高さ(短辺方向の長さ)は巻筒体包装容器本体22の高さH2(巻筒体包装容器21の高さ)の約1/2H2以上H2以下とすることが好ましい。
【0045】
(係合部)
係合突起13と蓋体23との係合手段は各種構成が考えられるが、係合突起13の蓋体23に対する係止力との関係から、補助側蓋板11と側蓋板10との貼り合わせにより形成される係合部20が採用された。
【0046】
図1(b)、図5、図6に示すように、蓋体23の側面においては、前記したとおり、側蓋板10と補助側蓋板11は、側蓋板10が巻筒体包装容器21の外側になり、前蓋板5に連接する補助側蓋板11が巻筒体包装容器21の内側に位置するように折込まれた状態で張り合わされる。補助側蓋板11はこのとき、蓋体23の内側において、当該補助側蓋板11の上端17が蓋板4と側蓋板10との稜線(蓋板4の短辺)から間隔をあけて配置される形状に形成される。この間隔は補助側蓋板11(巻筒体包装容器21)の板厚T2分の深さの凹みを有し、係合部20として巻筒体包装容器本体22の係合突起13を係合する。係合部20が係合突起13を係合、離脱可能なように、補助側蓋板11の上端17と、蓋板4と側蓋板10との稜線からの間隔(隙間の大きさ)は、係合突起13の板厚T2(巻筒体包装容器21の板厚T2)超とする。さらに補助側蓋板11は、その上端17が蓋板4と側蓋板10との稜線に略並行であることが好ましい。
また、係止力確保の観点から、係合突起13の延出端16と補助側蓋板11の上端17は、同一直線上にあることが好ましい。
【0047】
[巻筒体]
次に、巻筒体包装容器21の内部に収容される巻筒体26について説明する。
巻筒体包装容器21の内容物はアルミニウム箔等の金属箔、各種樹脂製ラップ、調理用紙等のシート状のものであれば種類は限定されず、中空の円筒形(円管形)の芯体26aの周面に巻回した巻筒体26として巻筒体包装容器21に収容される。したがって、巻筒体26の外形も円筒形であり、軸の長さは芯体26aと略一致し、側面視における外径は、内容物の厚さ及び巻回した長さに応じて芯体26aの外径Sよりも大きくなる。巻筒体26に巻回した内容物の厚さをTとすると、巻筒体26の外径は(S+2T)で表される(図4参照)。
【0048】
巻筒体26の大きさは、巻筒体包装容器21(巻筒体包装容器本体22)に収まる範囲であることが最低限の要件となる。その上で、前記巻筒体26の外径が巻筒体包装容器本体22に対して小さくなりすぎると巻筒体包装容器21が変形しやすくなり、使い勝手が悪くなる。このため、巻筒体26は適度な大きさが必要である。また、巻筒体26の外径が小さいと前記折込み片12に圧力がかかることにより、係合突起13の蓋体23に対する係合力が弱くなる可能性がある。反対に前記巻筒体26の外径が巻筒体包装容器本体22の高さ(内寸)Hまたは奥行き(内寸)D1の少なくとも一方に対して大きくなり過ぎると、内容物引き出しの際に巻筒体包装容器21の内面に接触して巻筒体26の回転が悪くなり、内容物が取り出しにくくなる。このため、巻筒体包装容器21の高さ(内寸)H及び奥行き(内寸)D1が38mmである場合における巻筒体26の外径は34mm以下が好ましい。
【0049】
(芯体)
本発明に係る巻筒体包装容器21に内容物を収容するための芯体26aは、その周面にシート状の内容物を巻回して固定するため、厚紙やプラスチック板等のある程度の強度を有する材料で形成されることが好ましく、その材質に制限はないが、特に廃棄やリサイクルの容易な紙製であることが好ましい。
巻筒体26は芯体26aに内容物を巻回したものであるため、巻筒体26それ自体の大きさのみならず、芯体26aの大きさが重要となる。
芯体26aの外径Sが小さいと、結果的に、芯体26aの内径が小さくなるため、後述する巻筒体包装容器21の巻筒体包装容器本体22の左右両端に設けられる飛び出し防止手段45を物理的に設けることができなくなる。反対に、芯体26aの外径Sが大きくなると巻筒体包装容器21へ巻筒体26の収容可能な大きさとするため、結果として内容物量(長さ)が減少するという好ましくない結果となる。
【0050】
また、芯体26aに巻回する内容物の長さは物理的、技術的に限度がある。更に、内容物たるアルミニウム箔等の厚さは使用目的や製造技術、物性によりある一定の厚さとなる。そのため、芯体26aに巻回した状態の内容物はある一定の厚さTを有する。
巻筒体26の外径は(S+2T)で表される。ここで、内容物を過大に芯体26aに巻回して確保した場合(厚さTが過大である場合)は、巻筒体26の外径(S+2T)が大きくなって巻筒体包装容器21の内面に接触し、内容物を引き出し難くなる。
【0051】
芯体26aの外径Sの巻筒体包装容器本体22高さ(内寸)Hに対する比(S/H)が大きいと、具体的には比率(S/H)>0.9であると、内容物を十分に芯体26aに巻回して収容することができない。
一方、巻筒体包装容器本体22高さ(内寸)Hに対して芯体26aの外径Sが小さすぎると、具体的には比率(S/H)≦0.625であると、巻筒体包装容器21と収容した巻筒体26との隙間が広すぎて、巻筒体包装容器21が変形し易くなり、本発明の目的を達成することができない。更に芯体26aの内形が小さすぎて、前記したように巻筒体包装容器21の飛び出し防止手段45で巻筒体26を固定することができなくなる。
したがって、芯体26aの外径Sの巻筒体包装容器本体22の高さ(内寸)Hに対する比(S/H)は、0.625<(S/H)≦0.9が好ましく、0.7≦(S/H)≦0.8の範囲が更に好ましく、この様な比となるように芯体26aの外径Sを決定する。
なお、奥行き(内寸)D1が長すぎると、高さ(内寸)Hの場合と同様に巻筒体包装容器21と収容した巻筒体26との隙間が広すぎて、巻筒体包装容器21が変形し易くなる。このため、巻筒体包装容器本体22の奥行き(内寸)D1についても、0.625<(S/D1)≦0.9が好ましく、0.7≦(S/D1)≦0.8の範囲が更に好ましく、この様な比となるように芯体26aの外径Sを決定する。
【0052】
(内容物)
巻筒体包装容器21に収容される芯体26aに巻回された内容物は、アルミニウム箔等の金属箔、各種樹脂製ラップ、調理用紙等特に制限はない。
【0053】
[切断具]
図1、図2に示すように、巻筒体包装容器21には、芯体26aに巻回されたアルミニウム箔等の内容物を巻筒体包装容器21から必要量引き出した後、切断するための切断具25と、飛び出し防止手段45が備えられていることが好ましい。
切断具25の形状は、直線、V字状等、その目的を達する限り任意の形状が可能である。切断具25の材質は、金属、紙、樹脂含浸紙等、その目的を達する限り任意の材質を用いることができる。使用後の巻筒体包装容器21の廃棄やリサイクルを考慮すると、切断具25は紙製もしくは樹脂含浸紙製が好ましい。特に、内容物たるアルミニウム箔等の切断性能まで考慮すると、切断具25はアクリル樹脂をパルプに含浸させた樹脂含浸紙製が好ましい。
【0054】
また、切断具25は前蓋板5の下端、前板1の上端14、前板1と底板2の稜線部等いずれの場所に備えられていても問題ない。巻筒体包装容器21からアルミニウム箔等内容物を引き出す際に内容物が切断具25に接触することによる傷つき防止、および、内容物切断後における内容物の芯体26aへの巻き戻り防止を考慮すると、切断具25は前蓋板5の下端裏面、もしくは前板1と底板2との稜線に沿って備えられるのが好ましい。内容物の汚損防止と蓋体23の大きさの兼ね合いを考慮すると、切断具25は前蓋板5の下端裏面に備えられているのがより好ましい。
【0055】
[飛び出し防止手段]
巻筒体包装容器21は、収容された内容物を引き出す際に、アルミニウム箔等内容物が巻回した芯体26a(巻筒体26)ごと巻筒体包装容器本体22から飛び出しを防止するため、飛び出し防止手段45を備えているのが好ましい(図1(a)(b)参照)。この飛び出し防止手段45は、巻筒体包装容器本体22の左右両端から内側に向けて突出させて設けられ、芯体26aの左右両側から芯体26aの中空部分に係合させて、巻筒体26が回転自由な程度に巻筒体包装容器本体22に固定する。図2においては、飛び出し防止手段45は、巻筒体包装容器本体22の側面視略中央、即ち側面を形成する側板8の略中央に略U字型の切込み線41を形成し、折込み線43で巻筒体包装容器本体22の内側に折り曲げることにより形成される。
【0056】
また、側板8と重ね合わされる第二補助側板9にも、同じ位置及び形状に切込み線42及び折込み線44を形成する。一方、側板8と第二補助側板9に挟まれる第一補助側板7については、飛び出し防止手段45の位置を除いた形状に形成される。このように構成されることで、飛び出し防止手段45は、後記するように、巻筒体包装容器本体22の外側から側面(側板8)を押し込むことにより、容易に形成される。なお、飛び出し防止手段45は、これに限定されず、たとえば巻筒体包装容器本体22の側面の最内側に配置される第二補助側板9のみに形成されてもよい。
【0057】
以上、巻筒体包装容器21について、巻筒体包装容器本体22(側板8)の高さ(内寸)及び奥行きと、折込み片12ならびに係合突起13の大きさ等について具体的な式および数値を挙げて本発明を説明したが、本発明は巻筒体包装容器本体22(側板8)の高さ(内寸)及び奥行きが少なくとも各50mmまでの相似形についても適用が可能である。
【0058】
<巻筒体包装容器の動作>
次に、巻筒体包装容器21に収容された内容物を取り出す動作を説明する。
巻筒体包装容器21により包装されたアルミニウム箔等を購入した使用者(消費者)は、まず初回の使用時に、初めに仮止め片6を前蓋板5から切り離すと同時に、前板1から剥がし取って巻筒体包装容器21を開封する。仮止め片6が切り離されるとことにより、前蓋板5裏面下端又は前板1に備えられた切断具25が露出する。この時点では、蓋体23は、その内側の係合部20で巻筒体包装容器本体22の係合突起13が係止されていることで巻筒体包装容器本体22に固定されている。
【0059】
次に、使用者は手で蓋体23を巻筒体包装容器本体22との連接部(蓋板4と後板3との稜線)を回転軸として引き起こす。この引き起こす力により、係合突起13が係合部20から離脱して、蓋体23の巻筒体包装容器本体22への固定が外れて巻筒体包装容器21が開けられる。
【0060】
そして、使用者は、巻筒体包装容器本体22に収容された巻筒体26の表面から内容物の末端を剥がして、巻筒体26から内容物が巻筒体包装容器本体22の前板1の外面に沿わせて引き出し、内容物の取り出そうとする量(長さ)が巻筒体26から剥がされて巻筒体包装容器本体22の外に引き出された状態にする。
【0061】
更に、使用者は、蓋体23を巻筒体包装容器本体22に被せて巻筒体包装容器21を閉じる。蓋体23の動きにより、巻筒体包装容器本体22の係合突起13の延出端16が蓋体23の内側の側面(補助側蓋板11の内面及び側蓋板10の内面)を摺動してその後、係合部20に係合し、このとき、使用者にいわゆる軽い手ごたえが感じられる。係合突起13が係合部20で係止されることにより、蓋体23は、再び巻筒体包装容器本体22に固定された状態となる。
【0062】
最後に、使用者は、巻筒体包装容器本体22の前板1と蓋体23の前蓋板5の隙間に内容物を挟みこんだ状態を維持しつつ、前蓋板5裏面下端に備える切断具25により内容物を押さえつつ内容物を切断する。切断後、係合突起13が係合部20に係合して係止力を保持しているため、使用者が蓋体23から手を離しても蓋体23が開くことはない。このため、使用後において巻筒体包装容器21により包装されたアルミニウム箔等内容物が汚損されることはない。
【0063】
使用者が2回目以降巻筒体包装容器21により包装されたアルミニウム箔等を使用する場合の動作を説明する。
【0064】
係合突起13が補助側蓋板11と側蓋板10からなる係合部20(補助側蓋板11の上端17)に適度な係止力により蓋体23と係合しているため、前回使用後の内容物が巻筒体包装容器本体22の前板1と蓋体23の前蓋板5の隙間に残っていることが多い。
この前板1と前蓋板5の隙間から内容物を引き出せる場合は、使用者は蓋体23を開けずにその隙間から内容物を必要量だけ引き出す。そして、使用者は、巻筒体包装容器本体22の前板1と蓋体23の前蓋板5の隙間に内容物を挟みこんだ状態を維持しつつ、前蓋板5裏面下端に備える切断具25により内容物を押さえつつ内容物を切断する。
【0065】
一方、前回使用後、内容物が芯体26aに巻き戻っている場合や、内容物が巻筒体包装容器本体22の前板1と蓋体23の前蓋板5の隙間に残っているものの、その隙間から内容物を引き出せない場合は、使用者が手で蓋体23を巻筒体包装容器本体22との連接部を回転軸として引き起こすことから動作を行えばよい。
その後、前記初回使用時の手順と同様の手順により巻筒体包装容器21を使用して内容物を切断して使用する。
この場合においても、係合突起13は蓋体23に対して適度な係止力を有するため、使用者が蓋体23を開け難くなることはない。また、使用者が蓋体23を閉じ難くなることもない。
【0066】
<巻筒体包装容器の製造方法>
本発明に係るシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器の製造方法を実施するための工程を説明する。
巻筒体包装容器の製造方法は、図7に示すように大きく分けて、巻筒体包装容器21を展開した形状に切断した平面紙板50を折り畳んだ折畳紙板51を整列させる整列工程101と、折畳紙板51を送出機構61により組立送路に供給する送出工程102と、突出片71を有するコンベア機構70等により折畳紙板51の稜線を押圧して角筒状にして開口部53を形成する形成工程103と、巻筒体26をアーム機構により角筒状折畳紙板52(開口部53を有する折畳紙板51)内部に収納する収納工程104と、折畳機構62、折畳ガイド63により角筒状折畳紙板52の開口している両端を折り畳んで封止し前記巻筒体包装容器21とする封止工程105とからなる。
【0067】
(整列工程)
整列工程101は、図9(a)に示すように巻筒体包装容器21を展開した形状に切断した平面紙板50を、図8(a)や図9(b)に示すように仮止め片6を仮止めした後に長辺を対面させた状態に折り畳んで折畳紙板51にしたものを、その折り畳まれた状態で面を重ねて整列する工程である。
具体的には、巻筒体包装容器21を展開した形状に切断した平面紙板50(図9(a))を図8(a)に示すように、仮止め片6を仮止めして前記巻筒体包装容器21の前板1の内面側と蓋板4の内面側が対面し底板2の内面側と後板3の内面側とが対面するように折畳まれた折畳紙板51とし、折畳んだ面(外面)を合わせて(図9(b))コンベア等の整列機構60により整列させる工程である。
このように折畳板紙51を整列させることで、折畳紙板51を速く正確に送出工程102に送り出すことができると共に、形成工程103においてこの折畳紙板51をすばやく角筒状に形成することが可能となる。
【0068】
前記整列工程を行う際には、コンベア等の整列機構60を用いる。整列機構60は、折畳紙板51を載置する載置面を有すると共に、前記載置面は重力にしたがって下方へ移動するように傾斜を有する。そして、前記載置面の上方には、最低限折畳紙板51の長軸方向の長さの間隔を有し折畳紙板51を整列するためのガイドと、最低限折畳紙板51の高さを有する折畳紙板51を整列するためのガイドを備える。さらに、前記載置面の下端(末端)には、折畳紙板51の送出機構61を備える。
【0069】
(送出工程)
送出工程102は、図9(c)に示すように、整列された折畳紙板51を送出機構61の回転により折畳紙板51が一枚ずつ送り出されることで折畳紙板51を組立送路上のコンベア機構70の上方に受け渡す工程である。
具体的には、整列工程101において整列された折畳紙板51を送出機構61に当接させる位置に送ると、送出機構61が回転して、折畳紙板51を一枚組立送路上のコンベア機構70の上方から送り出す。送出機構61は、折畳紙板51の前蓋板5及び底板2からなる稜線側を、搬送ベルト72から所定間隔で突出する複数の突出片71を有する前記コンベア機構70の当該突出片71の間に送り出すように動作する。
【0070】
送出工程102で使用される送出機構61は、動作回転軸を有して、回転体を回転させ、整列機構60から送られる折畳紙板51を、その回転体に当接すると動作回転軸を回転させてコンベア機構70の上方から折畳紙板51を前記コンベア機構70の突出片71の間の位置に送り出す動作を行う。
【0071】
(形成工程)
形成工程103は、図9(c)に示すように、折畳紙板51を角筒状にする工程である。形成工程103は、折畳紙板51の上下両端の稜線をコンベア機構70の搬送ベルト72とコンベア機構70の上方に所定間隔で設置されたガイド73により押圧してその折畳紙板51の板紙の間隔を拡げて角筒状にすると共に開口部53を形成する工程である。
【0072】
この形成工程103で用いるコンベア機構70は、折畳紙板51等の下面の支持および移動を行う搬送ベルト72を備え、搬送ベルト72には所定間隔で突出片71が設置され、搬送ベルト72に対向する位置にガイド73が設けられている。突出片71は、折畳紙板51を移動させると共に、折畳紙板51に開口部53を形成し、かつ、その際の支持を行うものとして進行方向に沿って折畳紙板51の進行方向前後両側に位置する。突出片71は、左右に一本ずつ折畳紙板51の前後となる位置に設置されている。
【0073】
形成工程103における具体的動作は、コンベア機構70の突出片71の間に送出された折畳紙板51は、コンベア機構70により進行方向に向けて組立送路上を移動させられる。そして、折畳紙板51は、プーリーの曲面での搬送ベルト72の位置における突出片71に受け渡されることで、搬送ベルト72、ガイド73及び突出片71により保持されつつ、突出片71が直線位置に移動したときに、組立送路の上部に設置されたガイド73と、コンベア機構70の搬送ベルト72により上下稜線が両側から押圧される。折畳紙板51の上下稜線が押圧されることにより、折畳紙板51の紙板の接触面間隔が広がると共に、折畳紙板51側面に開口部53が形成されて、角筒状折畳紙板52となる。そして、角筒状折畳紙板52の底面がコンベア機構70の搬送ベルト72に接すると共に、角筒状折畳紙板52の前蓋板5及び仮止め片6、並びに後板3がコンベア機構70の突出片71にそれぞれ接することになる。
【0074】
(収納工程)
収納工程104は、図9(d)に示すように角筒状折畳紙板52の側面の開口部53から巻筒体26を収納する工程である。収納工程104は、組立送路に並列する巻筒体搬送路76上の巻筒体26をアーム機構のアーム74により押し出し、角筒状折畳紙板52の一方の開口部53から角筒状折畳紙板52内に収納している。
【0075】
角筒状折畳紙板52の開口部53は、図8(b)に示すように前記角筒状折畳紙板52において製造後の巻筒体包装容器21の前板1、底板2、後板3、蓋板4、前蓋板5、仮止め片6に相当する部分と、これらに連接する第一補助側板7、側板8、第二補助側板9、側蓋板10、補助側蓋板11に相当する部分からなる。
【0076】
巻筒体26は、コンベア機構70に並列して配置されると共にこれに同期連動して動作する巻筒体搬送路76へ図示しない供給手段により供給される。巻筒体26の巻筒体搬送路76とコンベア機構70(折畳紙板51の組立送路)との間には、例えばガイド台75が設置されアーム74で押された巻筒体26がスムーズに角筒状折畳紙板52に収納できるようになっている。
【0077】
また、収納工程104で用いられるアーム機構はアーム74、を有し巻筒体26を巻筒体搬送路76から角筒状折畳紙板52に収容することを目的とするものである。
その動作は、巻筒体搬送路76、コンベア機構70、および、巻筒体26の移動速度に同期してアーム74が略等速で平行移動すると共に、前記巻筒体26の中心軸方向と前記巻筒体包装容器21の長手方向に一致する方向に移動するものである。アーム機構は巻筒体搬送路76の横幅以上の長さのアーム74を有し、アーム74は巻筒体搬送路76上を進行方向に直交する方向であってその一端から角筒状折畳紙板52を搬送する組立送路に対向する他端に向けて動作する。前記アーム74の巻筒体26収容時の伸縮速度はコンベア機構70等の移動速度に合わせて適宜設定する。アーム74は組立送路に沿って複数備えられていてもよい。
【0078】
さらに、収納工程104において、コンベア機構70に並列して設けられる角筒状折畳紙板52の側面の開口部53を拡大する目的とするガイド、アーム、ガイド台等ガイド手段を設けてもよい。
これらガイド手段は、角筒状折畳紙板52が移動することに伴って、開口部53を押し広げるように設置され、開口部53の面積を広げた状態を維持するように構成されている。更にこれらガイド手段は、コンベア機構70上を搬送されている開口部53を有する角筒状折畳紙板52が巻筒体26を収納する位置に到来したときに、アーム74により押し出される動作を確実にするために設置される。
【0079】
(封止工程)
封止工程105は、角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の側板8等に相当する部分を折畳んで角筒状折畳紙板52の側面の開口部53を封止することにより、巻筒体包装容器21とする工程である。なお、後記する角筒状折畳紙板52の側面の開口部53を封止する動作は、角筒状折畳紙板52の左右両側面に対して同時に行ってもよいし、一方側面に対して封止動作を行った後他方側面に対して封止動作を行ってもよい。
【0080】
まず、角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の左右両側面それぞれの第一補助側板7と第二補助側板9に相当する部分を巻筒体包装容器21に収納された巻筒体26の封止のために折畳機構62により折畳む。
【0081】
次に、角筒状折畳紙板52の側面の開口部53封止後の巻筒体包装容器21の側板8の接着の準備として、前記側板8裏面の飛び出し防止手段45よりも上部にホットメルト接着剤を塗布する。
その上で、角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の折込み片12に相当する部分を折畳ガイド63を用いて巻筒体包装容器21の側板8の内面に相当する側へ折込み線37に沿って折り込む。同時に、角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の側板8に相当する部分を折畳ガイド63を用いて巻筒体包装容器21の内部側へ折り込む。
また、前記折込み片12に相当する部分を巻筒体26が収容された角筒状折畳紙板52の側面の開口部53から巻筒体26と角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の蓋板4に相当する部分との間に収納して、角筒状折畳紙板52の側面の開口部53を塞ぐ。
【0082】
前記手順により、巻筒体包装容器21の折込み片12が折り込まれることで、折込み片12に連接する係合突起13が側板8の上辺18を越えて含むように形成した切込み線19に沿って前記折込み片12及び側板8から切り離されて、左右側板8の上辺18から巻筒体包装容器21の外側に突出して形成されることになる。
【0083】
さらに、巻筒体包装容器21の蓋体23の形成の準備として角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の補助側蓋板11に相当する部分を折畳ガイド63により折り曲げる。この際、補助側蓋板11の上端17に前記係合突起13の下面が係合させるのが好ましい。
【0084】
そして、角筒状折畳紙板52の巻筒体包装容器21の側蓋板10に相当する部分の裏面の上部にホットメルト接着剤を塗布する。
その上で、前記側蓋板10を折畳ガイド63により折り曲げる。これにより、巻筒体包装容器21の係合部20を形成すると共に、巻筒体包装容器21を完成させる。
【0085】
最後に、平面紙板50を折畳んだ折畳紙板51を経て成形された巻筒体包装容器21の側板8と、前記第一補助側板7及び前記第二補助側板9並びに側蓋板10と補助側蓋板11を接着することにより、巻筒体26の包装を完了させる。
前記塗布したホットメルト接着剤による接着は、公知の方法により行う。
接着剤は、ホットメルト接着剤に限らず、巻筒体包装容器21の各部材を接着することができるものであれば、その種類は問わない。
また、アーム機構は、巻筒体26を押し出すことで収納したが、アーム74が巻筒体26を引き込むことで収納するように構成してもかまわない。
【0086】
以上、巻筒体包装容器およびその製造方法について説明してきたが、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種容器及び各種容器の製造方法に適用が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 前板
2 底板
3 後板
4 蓋板
5 前蓋板
6 仮止め片
7 第一補助側板
8 側板
9 第二補助側板
10 側蓋板
11 補助側蓋板
12 折込み片
13 係合突起
14 上端
15 端部
16 延出端
17 上端
18 上辺
19 切込み線
20 係合部
21 巻筒体包装容器
22 巻筒体包装容器本体
23 蓋体
24 空間部
25 切断具
26 巻筒体
26a 芯体
37 折込み線
45 飛び出し防止手段
50 平面紙板
51 折畳紙板
52 角筒状折畳紙板
53 開口部
60 整列機構
61 送出機構
62 折畳機構
63 折畳ガイド
70 コンベア機構
71 突出片
72 搬送ベルト
73 ガイド
74 アーム
75 ガイド台
76 巻筒体搬送路
L 垂線
W 幅
D 奥行き
D1 奥行き(内寸)
D2 長さ
D3 長さ
D4 奥行き
H 高さ(内寸)
H2 高さ
S 外径
T 厚さ
T2 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その形状が長方形である前板と、
前記前板の長辺に連接して形成した長方形の底板と、
前記底板の長辺に連接すると共に、前記前板に対向する位置に形成した長方形の後板と、
前記後板の長辺に連接すると共に、前記底板に対向する位置に形成した長方形の蓋板と、
前記蓋板の長辺に連接し、前記前板に対向すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した長方形の前蓋板と、
前記前蓋板の長辺で連接し、前記前板に対向すると共に、前記前蓋板から下垂する位置に形成した長方形の仮止め片と、
前記前板の左右の各短辺に連接して形成した第一補助側板と、
前記底板の左右の各短辺に連接して形成した正方形若しくは長方形の側板と、
前記後板の左右の各短辺に連接して形成した第二補助側板と、
前記蓋板の左右の各短辺に連接し、前記側板に対面すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した側蓋板と、
前記前蓋板の左右の各短辺に連接する位置に形成される長方形もしくは正方形の補助側蓋板と、
前記左右の各側板の上辺に連接すると共に、前記左右の各側板の上辺に沿って折り込まれることで、前記底板に対向する位置に形成される折込み片と、を有する巻筒体包装容器において、
前記折込み片は、前記側板側の一部をその上辺を越えて含むように形成した切込み線により形成される係合突起を備え、
前記係合突起は、前記折込み片が上辺に沿って折り込まれることで前記左右の各側板の上辺から当該包装容器外側へ突出し、
前記蓋板と前記前蓋板と前記側蓋板と前記補助側蓋板からなる蓋体を閉じたときに蓋体内部の前記側蓋板と前記補助側蓋板とが重なることで板厚みにより形成される係合部に係合するものであり、
前記折込み片の奥行きをD4(mm)、折込み片の幅をW(mm)、前記前板の高さ(内寸)をH(mm)、としたときに下記関係式(1)ないし関係式(3)を満たすことを特徴とする巻筒体包装容器。

W>0.011(D4)+0.53(D4)−0.016H+1.24H−23.05 式(1)
17.3(H/38)≦D4≦19(H/38) 式(2)
30≦H≦50 式(3)
【請求項2】
その形状が長方形である前板と、
前記前板の長辺に連接して形成した長方形の底板と、
前記底板の長辺に連接すると共に、前記前板に対向する位置に形成した長方形の後板と、
前記後板の長辺に連接すると共に、前記底板に対向する位置に形成した長方形の蓋板と、
前記蓋板の長辺に連接し、前記前板に対向すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した長方形の前蓋板と、
前記前蓋板の長辺で連接し、前記前板に対向すると共に、前記前蓋板から下垂する位置に形成した長方形の仮止め片と、
前記前板の左右の各短辺に連接して形成した第一補助側板と、
前記底板の左右の各短辺に連接して形成した正方形若しくは長方形の側板と、
前記後板の左右の各短辺に連接して形成した第二補助側板と、
前記蓋板の左右の各短辺に連接し、前記側板に対面すると共に、前記蓋板から下垂する位置に形成した側蓋板と、
前記前蓋板の左右の各短辺に連接する位置に形成される長方形もしくは正方形の補助側蓋板と、
前記左右の各側板の上辺に連接すると共に、前記左右の各側板の上辺に沿って折り込むことで、前記底板に対向する位置に形成される折込み片と、を有し、シート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器において、
前記折込み片は、前記側板側の一部をその上辺を越えて含むように形成した切込み線により形成される係合突起を備え、
前記係合突起は前記折込み片が上辺に沿って折り込まれることで前記左右の各側板の上辺から当該包装容器外側へ突出し、
前記蓋板と前記前蓋板と前記側蓋板と前記補助側蓋板からなる蓋体を閉じたときに蓋体内部の前記側蓋板と前記補助側蓋板とが重なることで板厚みにより形成される係合部に係合するものであり、
前記折込み片の奥行きをD4(mm)、折込み片の幅をW(mm)、前記前板の高さ(内寸)をH(mm)、前記巻筒体の芯体の外径をS、としたときに下記関係式(1)ないし関係式(6)を満たすことを特徴とするシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器。

W>0.011(D4)+0.53(D4)−0.016H+1.24H−23.05 式(1)
17.3(H/38)≦D4≦19(H/38) 式(2)
30≦H≦50 式(3)
W>(−0.76S+37.91)(H/38) 式(4)
26≦S≦45 式(5)
S<H 式(6)
【請求項3】
請求項2に係る巻筒体包装容器の製造方法であって、折畳まれた折畳紙板を搬送する組立送路と、内部に収納する巻筒体を搬送する巻筒体搬送路とを並列して設け、前記組立送路に設置した整列機構と、前記整列機構で整列された前記折畳紙板を送り出す送出機構と、送り出された前記折畳紙板を受け取り角筒状とするコンベア機構と、このコンベア機構に沿って設けた折畳機構若しくは折畳ガイドと、前記巻筒体搬送路に沿って設けられ、前記角筒状にした折畳紙板に前記巻筒体を収納するアーム機構と、を用いた巻筒体包装容器の製造方法において、
前記巻筒体包装容器の前板と蓋板が対面し底板と後板とが対面すると共に、前蓋板及び仮止め片が前板に対面するように折畳んだ折畳紙板について前記整列機構により前記折畳紙板の外面が重なるように整列させる整列工程と、
前記送出機構を介して、整列した前記折畳紙板を前記コンベア機構の搬送ベルトから所定間隔で突出する突出片の間に一つずつ送り出す送出工程と、
前記コンベア機構において前記折畳紙板の稜線を両側から前記突出片、前記搬送ベルト及び前記搬送ベルトに対向して所定間隔で設けたガイドのいずれかにより押圧して左右両端側が開口する角筒状に形成する形成工程と、
前記組立送路に並列する巻筒体搬送路により搬送されている巻筒体を前記アーム機構により、前記角筒状に形成した折畳紙板の一方の開口から角筒内に収納する収納工程と、
前記組立送路で搬送されながら前記折畳機構若しくは折畳ガイドにより前記開口している折畳紙板の両端を折り畳んで封止し前記巻筒体包装容器とする封止工程と、を行うことを特徴とするシート状の部材を巻いた巻筒体を内部に収容した巻筒体包装容器の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−63785(P2013−63785A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202108(P2011−202108)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(390030786)東洋アルミ千葉株式会社 (7)
【Fターム(参考)】