説明

布地物品処理システム及び方法

ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含む組成物で布地物品を処理するのに有用なシステム及び方法である。分散媒質は、室温で液状であり、約65℃超過の引火点を有する。特定的には、当該組成物は、分配され、布地物品乾燥プロセス中に器具内にて布地物品を処理してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含む組成物で布地物品を処理するのに有用なシステム及び方法に関する。分散媒質は、室温で液状であり、約65℃超過の引火点を有する。特定的には、当該組成物は、布地物品乾燥プロセス中に分配され、器具内にて布地物品を処理してもよい。
【背景技術】
【0002】
布地物品処理方法及び/又は装置は、過去20年以上にわたって発展している。例えば、混転乾燥機で使用するのに好適な布地処理組成物及び/又は分配装置に関する技術は、米国特許第4,207,683号、米国特許公報番号2003/0200674A1、米国特許公報番号2003/0213145A1及びPCT国際公開特許WO03/087286A1に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
布地物品処理方法及び/又はシステムの開発は、特に、処理されるべき布地物品上への布地物品活性物質の付着を改善及び/又は向上する乾燥サイクルにおける家庭用布地物品処理用途に、継続して必要とされている。それら布地物品処理方法及び/又はシステムで使用するのに好適な特徴(粘度−温度プロファイル、引火点、臭いなど)を有する布地処理組成物の開発も、継続して必要とされている。さらに、皮膚に接触しても快適で、繰り返し使用しても黄変しない布地処理組成物の開発も、継続して必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、布地物品処理システムに関し、当該システムは、
(a)布地物品乾燥器具と、
(b)前記乾燥器具に取り外し可能に取り付けられた布地物品処理装置であって、前記処理装置は布地処理組成物を収容するための供給源及び前記乾燥器具に前記組成物を分配するための手段を備え、前記手段は前記供給源と液体連通している布地物品処理装置とを備え、
前記組成物は、ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含む。
【0005】
本発明の別の態様では、布地物品乾燥器具内にてポリオール系布地ケア物質を含む組成物で布地物品を処理するための方法も提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書に組み込まれてその一部を成す添付図面は、本発明の幾つかの態様を図示しており、本説明及び特許請求の範囲と相まって、本発明の原理を説明する働きをする。図面は以下の通りである。
【0007】
(定義)
本明細書で使用する時、「布地物品」は、布地及び/又は繊維から成る物品を意味する。このような物品としては、限定するものではないが、衣類、タオル及び他のバスリネン、ベッドリネン、テーブルクロス、カーペット、カーテン、室内装飾用品用カバー、寝袋、テント、靴、並びに車内装飾(車座席カバー、車床マットなど)が挙げられる。
【0008】
本明細書で使用する時、「乾燥サイクルの間」は、乾燥機が運転している期間を意味する。
【0009】
本明細書で使用する時、「布地ケア物質」は、次の利益:柔軟化、パリっとした感じ、撥水性及び/若しくは染みをはじく性質、リフレッシュ、静電気防止、縮み防止、抗菌、パーマネントプレス、防皺性、臭い防止、磨耗耐性、フェルト化防止、毛羽立ち防止、外観の向上、及びこれらの混合のうちの1以上を布地物品に供給することができる物質又は物質の組み合わせを意味する。
【0010】
本明細書で使用する時、「布地処理組成物」は、1以上の布地ケア物質、若しくは1以上の香料物質、又はこれらの組み合わせを含む組成物を意味する。処理組成物の好適な形態としては、これらに限定するものではないが、液体又は気体のような流動性の物質、及び粒子又は粉末のような固体化合物が挙げられる。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「処理組成物」、「布地処理組成物」及び「有益組成物」は、同義である。
【0012】
本明細書で使用する時、冠詞「a」及び「an」は、特許請求の範囲で使用される時には、請求又は記載される1以上の物質を意味するものと理解される。
【0013】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度はすべて、当該構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0014】
特に指示のない限り、パーセンテージ及び割合は、すべて組成物の総重量に基づいて計算される。
【0015】
(処理システム及び供給方法)
本出願人らの発明の一態様では、これに限定するものではないが噴霧を含む方法によって布地物品に適用される布地処理組成物は、1以上のポリオール系布地ケア物質を含む。
【0016】
本出願人らの発明の一態様では、これに限定するものではないが噴霧を含む方法によって布地物品に適用される処理組成物は、ポリオール系布地ケア物質と、分散媒質と、任意には布地ケア物質又は他の補助剤などの1以上の補助剤物質とを含む組成物であり得る。
【0017】
本出願人らの発明の更なる態様では、当該処理組成物は、衣類乾燥器具のドラム(又は他のチャンバー)であり得る受容容積内に、噴霧などによりこの処理組成物を供給するか、又は別の方法で放出するように構成される処理システムによって布地物品に適用される。
【0018】
当該処理システムは、布地物品が置かれて処理されるドラムを備える乾燥器具と;布地処理組成物の供給源を含有するか、又は布地処理組成物の外部供給源と連通しているリザーバなどのハウジング又はエンクロージャと;布地処理組成物を放出又は分配するためのノズルなどの手段を提供する分配装置と;処理回路及び入出力回路を有する電子制御装置などの制御装置と;温度センサ又は蒸気及び/若しくはガスセンサなどの1以上のセンサと;開始スイッチ及び/又はキーパッドなどの1以上の入力装置と;色灯又はLEDなどの1以上の指示装置と;布地処理組成物が供給される前(又はその間)に静電気的に帯電される場合には、任意に、帯電システムとを典型的に備える。静電気的に帯電した噴霧装置及び方法の詳細は、米国特許公報番号2004/0025368A1(2003年4月17日出願)に開示されている。
【0019】
ここで、添付図面にその一例が示されている、布地処理を行うための処理システムの好適な非限定的実施形態について詳細に言及するが、図全体を通じて、類似の番号は、同一の要素を示す。本発明で使用するのに好適な他の処理システムは、米国特許第4,207,683号、米国特許公報番号2003/0200674A1、米国特許公報番号2003/0213145A1、米国特許公報番号2004/0025368A1、並びに米国特許出願番号10/697,685及び米国特許出願番号10/697,736に開示されている。
【0020】
図1〜4は、本発明で使用するための代表的な布地物品処理システムの一実施形態を示し、図5は、本発明で使用するための好適な制御装置並びに他の電気及び電子デバイスの一実施形態を描写する。
【0021】
ここで図1の実施形態を参照すると、全体が参照番号10によって表された「独立型」制御装置及びディスペンサ・ユニット(すなわち、自蔵型デバイスとして)が、2つの主要エンクロージャ(又はハウジング)20及び50を有するものとして示されている。この実施形態では、エンクロージャ20は、布地物品乾燥器具(例えば、衣類乾燥機)の内部に配置される「内側ハウジング」の働きをし、エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」の働きをする。エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の扉の外部表面上に取り付けられてよいが、代わりにどの外部表面上に取り付けられてもよく、そのような外部表面の非限定例としては、布地物品乾燥器具から離れた壁面又は他の家庭内の構造を含め、側壁、上壁、上開き蓋の外表面などが挙げられる。さらに、エンクロージャ20は、布地物品乾燥器具のどの内部表面上に取り付けられてもよく、そのような内部表面の例としては、これらに限定するものではないが、扉の内部表面、布地物品乾燥器具のドラム、後壁、上開き蓋の内表面などが挙げられる。
【0022】
エンクロージャ50は、外部表面に永久的に取り付けられてよく、又は好ましくは外部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。同様に、エンクロージャ20は、内部表面に永久的に取り付けられてもよく、又は内部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。そのような取り付けの一構成が図6に示されており、図6では乾燥器具の扉が全体を参照番号15によって表されている。
【0023】
例えば、扉の内部表面上に取り付けられる時には、エンクロージャ20を、「永久的に」取り付けられた外観をもつように構築して、実際には本当に布地物品乾燥器具の一部として構築することなく、乾燥機ユニット(又は他のタイプの布地物品乾燥器具)の扉に「組み込まれた」ものに見えるようにしてもよい。他方では、エンクロージャ20を、器具の垂直扉に沿って「掛ける」図1〜4に描かれた諸実施形態10のものとごく同様に、扉の付近又は扉の内表面と平行してより緩く取り付けてもよい。本明細書で使用する時、用語「扉」が、人の乾燥機装置の内部容積への接触を可能にする可動クロージャ構造を表しており、そのような接触を可能にする実質的にいかなる物理形態にすることもできることが理解されよう。扉「クロージャ構造」は、乾燥機装置の上面にある蓋、又は何らかの形のハッチなどにすることができる。
【0024】
処理装置10を、ばね、パッチ、磁石、ねじ、若しくは他の取り付け手段、及び/又はアークコロナ放電などによる布地物品乾燥器具の接地部品との接触を通じて、あるいは残留電荷の放散を通じて接地してよいことに留意すべきである。電荷を放散させるための好適な方法の非限定例は、米国特許公報番号2004/0025368に開示されている。
【0025】
図1では、内側ハウジング20上に、放出ノズル24及び「扉センサ」22を見ることができ、当該内側ハウジングには、また、内側ハウジング20の内部容積内にある有益組成物保持リザーバ26も含まれる。リザーバ26は、有益組成物を保持するために使用してよい。放出ノズル24は、加圧噴霧を使用して流体噴霧ノズルの働きをすることができるか、又は任意の高圧電源(図1には図示せず)と相まって静電ノズルとして機能できる。流体噴霧ノズルの1つの好適な例は、圧力スワール噴霧ノズルである。好適なノズルの非限定例としては、ジョージア州マリエッタ(Marietta)にあるプレジション・バルブ・コーポレーション(Precision Valve Corporation)製のコスモス13NBUノズル(Cosmos 13 NBU nozzle)、カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリー(City of Industry)にあるセント−ゴバイン・カルマーUSA社(Saint-Gobain Calmar USA,Inc.)製のWX12及びWD32ノズル(WX12 and WD32 nozzles)、並びにイリノイ州ケアリー(Cary)にあるシークイスト・ディスペンシング(Seaquist Dispensing)製のシークイストモデル番号DU−3813(Seaquist Model No.DU-3813)が挙げられる。ノズルは、処理装置に永久的に取り付けられていても、取り外し可能に取り付けられていてもよい。取り外し可能に取り付けられているノズルの1つの非限定例は、容易に処理装置から取り外せる、又は処理装置に配置可能であるようなねじ付きノズルである。ノズルは使い捨てであってもよい。
【0026】
スプレーノズル又は流体噴霧ノズルは、約1000ミクロン未満、典型的には約100ミクロン〜約1000ミクロン、又は約120ミクロン〜約500ミクロン、又は約150ミクロン〜約300ミクロンの平均液滴直径を典型的に提供する。この平均液滴直径は、モールバーン(Malvern)の粒子分析器によって測定される。スプレーノズルは、微細な格子又は膜で覆われ、100ミクロンの平均粒子直径を有する液滴のより微細なミストを生成する。
【0027】
ネブライザ、アトマイザなどのデバイスは、当業者に周知である。本発明で使用するのに適切な装置は、少なくとも1つの超音波ソノトロード、又は超音波振動セルを有する噴霧器である。このようなネブライザの典型は、アクミスト(Acu Mist)(登録商標)の商標名で、ニューヨーク州ミルトン(Milton New York)のソノテック社(Sono Tek Corporation)から市販されている。そのようなデバイスのさらに別の例は、ドイツのオムロン・ヘルス・ケア社(Omron Health Care,GmbH)、又はイタリアのフリーム・ノーバ社(Flaem Nuove,S.P.A)から入手可能である。同様に、当該技術分野で周知のエアゾール放出システムを使用して、洗剤及び/又は仕上げ組成物を放出することができる。有益組成物は、液体若しくはガス状化合物のような流動性の物質を含むことができ、又は粉末のような粒子の形態若しくは液体との溶液中の固体粒子の形態をした固体化合物を含むことができる。
【0028】
レザーバ26は、本質的にはあらゆる大きさ及び形状のものであることができ、例えば、パウチ又はカートリッジの形状を取ることができ、又はレザーバは、恐らくは、レザーバ内の有益組成物が所望の粘度及び/又は表面張力を得るまで希釈され得るように分散媒質の供給源(例えば、有益組成物が水道水を含む場合には家庭用水道など)に接続され得る。
【0029】
内側ハウジング20及び外側ハウジング50は、通常、電気連通している。図1の実施形態では、フラットケーブル40(時に、「リボンケーブル」とも呼ばれる)が、2つのハウジング20と50との間を通っており、布地物品乾燥器具の扉15(例えば図6参照)の内表面に沿って進み、扉15の最上部を越えて、扉15の外表面を下降する。
【0030】
図2は、同一の布地物品処理装置10を反対角から示しており、外側ハウジング50には、56のところにON−OFFスイッチが設けられている。フラットケーブル40は、やはり図2でも見ることができ、図2で見ることのできる内側ハウジング20の表面に沿って、扉取り付けストラップ21を見ることができる。取り付けストラップの端部は、図1でも見ることができる。確実に、内側ハウジング20を乾燥機の扉15(又は他の内部表面)に取り付けるための他の配置が、本発明の原理から逸脱することなく利用可能である。
【0031】
ここで図3を参照すると、リザーバ26が内側ハウジング20の内部容積として見えるように、布地物品処理装置10が示されている。外側ハウジング50では、1組のバッテリ52に加えて、54の個所に電子コンポーネントを備えたプリント基板を見ることができる。一実施形態の電子コンポーネントについては、以下でさらに詳細に説明する。標準的な家庭用線間電圧、又は太陽エネルギーまでも含めて、いかなる種類の電力源も本発明で使用できることが理解されよう。装置10を容易に携帯可能なものにすることが望ましい場合にはバッテリを使用してよいが、任意の適切なパワーアダプタを設けて、AC電源をPC基板54上の電子コンポーネントで使用される適切な(1つ若しくは複数の)DC電圧に変換、又はDC電源(バッテリ若しくは太陽電池パネルを含める)をPC基板54上の電子コンポーネントで使用される適切な(1つ若しくは複数の)DC電圧に変換することができる。
【0032】
ここで図4を参照すると、他の幾つかのハードウェアデバイスが、内側ハウジング20に関して示されている。図4の実施形態では、放出ノズル24は、静電ノズルの働きをしており、したがって、この図には示されていない導電体を用いて高圧電源28に連結される。安全の目的で急速切断スイッチ34が含まれているので、必要ならば、高圧電源28を瞬時に切ることができる。図4では、ポンプ30及び対応する電動モータ32を見ることができる。放出ノズル24が加圧噴霧だけを作り出しているのか、又は高圧電源28を使用する静電噴霧を作り出しているのかに関わらず、何らかのタイプのポンプ装置が使用される。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態によって構築された布地物品処理装置10に含まれる、幾つかの電気及び機械コンポーネントのブロック図を提供する。この実施例の実施形態では、内側ハウジング20内に、放出ノズル24を通じて分配される流体を帯電させるために使用される高圧電源28が設けられているので、これが静電ノズルシステムになっている。内側ハウジング20は、乾燥器具内で必要とされるデバイスを収容するための一般的な本体又はエンクロージャを使用しており、そのようなコンポーネントが、一般に、乾燥器具の処理サイクルの間、比較的高い温度に曝されることが理解されよう。それゆえに、より繊細な電子コンポーネントは、一般に(常にそうとは限らないが)、外側ハウジング50内のような異なる場所に取り付けられる。
【0034】
フラットケーブル40は、特定の指令信号及び電力を内側ハウジング20へと運び、またさらに、内側ハウジング20内に取り付けられたセンサから電気信号を受け取り、それらのセンサ信号を外側ハウジング50へと戻して伝える。電源制御信号は、配線70に従って進み、急速切断スイッチ34を通過し、高圧電源28に到達する。この信号は、布地物品処理装置10の設計者によって選択された制御方法のタイプに応じて、一定DC電圧、一定AC電圧、可変DC電圧、可変AC電圧、又は何らかのタイプのパルス電圧を含むことができる。
【0035】
一実施形態では、70における信号は、可変DC電圧であり、この電圧が増大するにつれて、ノズル24に、又はリザーバ26内に高電圧を伝える、電極38に取り付けられた導体39(例えば、配線)に沿って、高圧電源28の出力電圧の大きさも増大する。次いで、電極38に印加される電圧が、有益組成物へと移動する。代表的な実施形態の可変出力電圧電源28の代わりに、任意で、一定出力電圧DC高圧電源を使用することができる。
【0036】
有益組成物がリザーバ26内で帯電されると、チューブ又は通路42を通ってポンプ30の入口へと進み、その後、有益組成物は加圧され、ポンプの出口を通り、別のチューブ(又は通路)44に沿って放出ノズル24へと進む。本発明で使用する場合、使用される配管のタイプ、ポンプ30のタイプ、及びポンプを駆動する電動モータ32のタイプの実際の詳細を、ほぼすべてのタイプの圧力及び流量の要件について、容易に構成することができる。また、ポンプ30の出口に所望の圧力及び流量を提供するための、電動モータ32の電圧及び電流要件も、本発明での使用のために容易に構成することができる。本発明の教示の範囲内に入る有用なデバイスを作り出すために、実質的にいかなるタイプのポンプ及び電動モータの組み合わせも、多種多様な形態で使用することができ、又は、後述するように、独立型ポンプを(すなわち、関連した電動モータなしに)使用することができる。
【0037】
ポンプの入口開口部を通って延び、続いてポンプの放出開口部を通る連続チューブにポンプが作用を及ぼす、蠕動ポンプのような一部のタイプのポンプは、別個の入力及び出力ライン又はチューブがそれに接続される必要がないことに留意すべきである。配管が、帯電した有益組成物からポンプを電気的に絶縁させることができるので、この配置は、放出ノズル24に向けて送り出される静電的に帯電した流体又は粒子と共に使用するのに特に有益である。また、望むなら、ばね作動式ポンプ機構のような代替的なポンプデバイスを使用できることに留意すべきである。好適な蠕動ポンプの非限定例は、ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のトーマス・インダストリーズ(Thomas Industries)から得ることができる、モデル10/30蠕動ポンプである。
【0038】
電動モータ32を制御するために使用される制御信号のタイプは、装置10の設計要件に従って変更することができ、そのような信号は、フラットケーブル40を介し、導電体72に沿って伝わって、モータ32を制御する。モータ32がDC可変速モータである場合、可変の「安定した」DC電圧を印加することができ、電圧の大きさが大きくなるほどモータの回転速度が大きくなる。一実施形態では、導体72に沿って伝わる電気信号を、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラによって制御されるパルス幅変調(PWM)信号にすることができる。言うまでもなく、このようなパルス幅変調信号も、アナログ電子コンポーネントを含めたディスクリート論理によって制御することができる。
【0039】
布地物品処理装置10は、特定のセンサを用いて向上させることができ、そのようなセンサの例には、これらに限定するものではないが、扉(若しくは蓋)センサ22、動作センサ36、湿度センサ46、及び/又は温度センサ48が含まれる。アナログ出力温度センサを使用して、外側ハウジング50内の制御装置へと戻る導電体86に沿ってアナログ信号を提供することができる。
【0040】
外部ハウジング50の主要コンポーネントは、通常、電子部品54及び電源52を含む。例えば、電源52が、直列に接続された4つの単1電池を含む場合、全体が参照番号58によって表された1組のDC電源に+6ボルトのDC電圧が供給される。外部ハウジング50内の制御回路によって2つ以上のDC電源電圧が必要とされることが推測される。DC電源電圧の1つは、フラットケーブル40内を通る導電体70を介して、高圧電源28のためのエネルギーを供給する。マイクロコントローラ60には別の出力電圧が供給されており、これは、代表的な実施形態では、+3.3ボルトのDC電源を必要とする。代表的な実施形態では、デジタル・アナログ変換器(DAC)62が使用されており、マサチューセッツ州ノーウッド(Norwood)のアナログ・デバイシズ(Analog Devices)によって提供される装置(部品番号AD5301)は、+5ボルトのDC電源を必要とする。これらの電源すべてが、「1組の」DC電源58によって提供される。
【0041】
外部ハウジング50の一部分には、マイクロコントローラ60への入力部が含まれる。マイクロコントローラ60へのユーザインターフェースとして使用できる重要な要素の1つは、数字0〜9並びに「入力(ENTER)」キーを有する1組のバブル若しくはメンブレンスイッチのような、キーパッド66である。「取消(CANCEL)」キー、あるいは小数点キーを含めた他のキーを、キーパッド66の一部として含めることができる。
【0042】
図6は、本発明の布地物品処理装置10の独立型実施形態の1つの、幾つかのコンポーネントの全体的な配置を図式的に示す。前述のように、電子部品54及びバッテリ52は、外側ハウジング50内に配置されており、当該外側ハウジング50は、外側ハウジング50と内側ハウジング20との間で電源及び入力/出力信号を伝えるフラットケーブル40に電気的に接続されている。
【0043】
内側ハウジング20内には、リザーバ26、ポンプ30、電動モータ32、任意の高圧電源28、放出ノズル24、及び特定の種類の処理装置10に含まれることもあれば含まれないこともある様々なセンサが収容される。ノズル24へと高電圧を伝える導電体39が描かれており、これは、高電圧をリザーバ26へ伝える代わりに代替的に使用できる一構成である。ポンプの入口への配管42に加えて、有益組成物をノズル24へと提供するポンプの出口からの配管44が示されている。高圧電源28が、本発明の教示の範囲内で完全に任意であることに留意すべきであり、ノズル24から放たれる噴霧液滴/粒子が静電的に帯電されない場合、内側ハウジング20内に高圧電源は必要ない。
【0044】
図7は、全体が参照番号110によって表された布地物品乾燥器具を描く、本発明と共に使用される代替的な一実施形態を示す。本発明のこの様式では、これまでの独立型実施形態の図に描かれた制御装置が、ここでは乾燥器具110の電子制御システムに組み込まれている。図7には扉15が示されており、これは、乾燥器具110の内部のドラム容積に人間のユーザが接触する標準的な地点である。ノズル24は、有益組成物をドラム領域内に導くために使用されており、ドラムは、全体的に参照番号114によって表されている。供給管44は、制御弁120を通じて有益組成物をノズル24へと運び、当該制御弁には、望むならON/OFF押しボタン56を設けることができる。
【0045】
図10〜図14において、同様の参照番号は同様の要素を示しており、本発明の第3実施形態に従って構成された有益組成物分配装置1100が示されている。装置1100は、2つのエンクロージャ又はハウジング1120及び1150を備える。エンクロージャ1120は、例えば、衣類乾燥機(図10〜図14には図示せず)などの布地物品乾燥器具のような布地向上装置の内部に配置される「内側ハウジング」を画定し、エンクロージャ1150は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」を画定する。布地向上装置はまた、洗濯装置又は洗濯及び乾燥装置を備えてもよい。エンクロージャ1150は、例えば感圧、熱安定接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などによって、布地向上装置の扉(図示せず)の外表面上に設置されてもよい。あるいは、エンクロージャ1150は、布地向上装置のその他の外表面上に設置されてもよく、その非限定例としては、側壁、上壁、上開き蓋の外表面などが挙げられる。エンクロージャ1150はまた、布地向上装置から離れた壁又は他の住居構造体の上に設置されてもよい。さらに、エンクロージャ1120は、感圧、熱安定性接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などにより、布地向上装置のあらゆる内表面上に設置されてもよく、その例としては、扉の内表面、装置のドラム、背壁、上開き蓋の内表面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
図8及び図9に例証されるように、内側ハウジング・エンクロージャ1120は、前部/側部一体型主要部分1122と、ねじ、接着剤、スナップ嵌め要素などを介してこの主要部分1122に固定されたバックプレート部分1123とを含む本体1121を含む。部分1122及び1123は、好ましくはポリマー物質から成形される。本体1121内に収容されているのは、以下の要素である:排出ノズル24;布地向上装置の扉が開放し、それによりセンサ22が周囲光に曝露されるときに周囲光を感知するための扉センサ22;(本体1121内に収容され、本体1121の外側からは見えない)動作センサ36;湿度センサ46;及び温度センサ48。この実施形態では、ノズル24を、高圧電源とは組み合わせない。ノズル24は、流体噴霧ノズルとして機能し、加圧スプレーを生成する。
【0047】
エンクロージャ1150は、背壁1151aと、以下に述べる様々な長さの未使用ケーブル1140を保管するための第1内側区画1151b(図8参照)と、流体ポンプ1130と、このポンプ1130を駆動するためのモータ1132と、バッテリ52と、チューブ1142(以下に述べる)と、チューブ1144(以下に述べる)の一部を保管するための第2区画1151c(図9参照)とを有する本体1151を備える。エンクロージャ1150は、さらに、ピン1152a(そのうちの1つのだけが図10に例証される)などによって本体1151に旋回可能に連結されたカセット扉1152と、プリント回路基板1160aと、フェースプレート1162とを備える。プリント回路基板1160aは、本体1151及びフェースプレート1162の間に収容されている。フェースプレート1162は、ねじ、接着剤、スナップ嵌め要素又は同様の連結要素を介して本体1151に連結される。旋回可能な扉1152は、有益組成物で充填された取り外し可能な容器1170によって画定される流体レザーバを受容するためのポケット1152bを備え、この組成物は、本書又は本書に記載される文書において論じられる有益組成物のいずれか1つを含んでいてもよい。ポリマー物質、紙、ホイル、これらの物質の組み合わせ、又は同様の物質から、容器1170を形成してもよい。扉1152は、第1及び第2屈曲腕部1153を介して本体1151内の閉鎖位置に取り外し可能に保持され、これら腕部は本体1151に連結されている。
【0048】
フェースプレート1162における対応開口部を通るのは、ON−OFFスイッチ1266c、「レフラフ(refluff)」キー又はスイッチ266d、及びダイヤル266aであり、このダイヤル266aは電位計を備えていてもよく、ユーザはこのダイヤル266aを回転させて、乾燥プロセス中に有益組成物によって付与されるべき強い、普通、又は弱いという利益レベルに相当する、強い、普通、又は弱い設定の所望の1つにダイヤルする。
【0049】
ケーブル1140は、エンクロージャ1120及び1150に連結され、その間に延在する。ケーブル1140は、布地向上装置の扉の内表面に沿って延び、扉の最上部を越えて、扉の外表面を下降する。あらゆる未使用の長さのケーブル1140も、第1区画1151b内に手で挿入して保管することができる。
【0050】
ケーブル1140は、外側エンクロージャ1150内の流体ポンプ1130から内側エンクロージャ1120のノズル24へと有益組成物を運び(図14参照)、電気信号を内側エンクロージャ1120内に設置されたセンサ36、22、46及び48から外側エンクロージャ1150内のプリント回路基板1160aに設置されたマイクロコントローラ1160へと伝える。
【0051】
第1金具1172は、第1及び第2設置棚1155a及び1155bを介して本体1151へ設置され(図10及び図11参照)、チューブ又は通路1142(図11には図示せず)へと連結され、次いでポンプ1130に連結される。第1及び第2棚1155a及び1155bは、第1金具1172のフランジ1172aの両側に配置され、共にスナップ嵌め、接着固定又はボルト締めされ、フランジ1172aを包囲する。棚1155a及び1155bと、金具1172とを含むアセンブリは本体1151に設置され、それにより、棚1155a及び1155bは、本体1151内に画定されたスロット1151d内に受容される。金具1172は、扉1152がその閉鎖位置まで旋回されるときに流体容器1170の一部を形成する第2金具1170a内に挿入され、容器1170を穿孔するか、又は別の方法で貫通させるように機能し、有益組成物が容器1170からチューブ1142へ移動するための経路を提供する。チューブ1142から、有益組成物はポンプ1130の入口へと進み、その後、有益組成物は加圧され、チューブ又は通路1144を介して運ばれ、このチューブ又は通路1144はケーブル1140を通って排出ノズル24まで延び、ここで有益組成物は排出される。例証された実施形態では、ポンプ1130及びモータ1132は、単一アセンブリ、即ち、圧電ポンプを備えており、その1つがパー・テクノロジーズ社(Par Technologies,LLC)から製品名称LPD−30Sとして市販されている。
【0052】
電動モータ1132を制御するために使用される制御信号のタイプは、装置1100の設計要件に従って変更することができ、そのような信号は、導電体1172を介してモータ1132に伝わる。例証された実施形態では、導体1172に沿って伝わる電気信号は、マイクロコントローラ1160によって制御されるパルス幅変調(PWM)信号を含む。勿論、このようなパルス幅変調信号はまた、あらゆる適切な制御装置若しくは処理装置、又は適切なディスクリート論理によって生成可能である。
【0053】
前述のように、エンクロージャ1150は、バッテリ52を保管するための第2区画1151cを備え、このバッテリ52は2つのAAバッテリであってもよい。
【0054】
好適なマイクロコントローラ1160は、アトメル・コーポレーション(Atmel Corporation)によって製造され、製品名称アトメガ48−16Al(Atmega48-16Al)として販売されるマイクロプロセッサである。あるいは、マイクロコントローラ1160は、アトメル・コーポレーション(Atmel Corporation)によって製造され、製品名称アトメガ48−16AJ(Atmega48-16AJ)として販売されるマイクロプロセッサを含んでよい。勿論、異なる製造業者によって作成された他のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、制御装置若しくは処理装置、又はディスクリートデジタル論理も代替的に使用可能である。
【0055】
マイクロコントローラ1160は、オンボードメモリと、アナログ及びデジタル信号用の入出力線とを包含する。また、マイクロコントローラ1160は、RS−232通信リンクを使用して任意のプログラマインターフェースに連動できる、シリアルポートを有する。前述のように、ON−OFFスイッチ1266c及びレフラフキー266dは、マイクロコントローラ1160に連結される(図12参照)。また、上述のように、動作センサ36、扉センサ22、湿度センサ46及び温度センサ48は、マイクロコントローラ1160に信号を発する。さらに、上述のように、マイクロコントローラ60は、導体1172を介してパルス幅変調(PWM)信号をポンプモータ1132に発する。オーディオインジケータ1300は、さらにマイクロコントローラ1160に連結され、乾燥サイクルが完了したこと、衣類が有益組成物で処理されたこと、有益組成物投与サイクル中に失敗が生じたこと、又は有益組成物分配装置が流体切れであることを示すよう機能する。オーディオインジケータ1300は、プリント回路基板1160に設置されている(図10参照)。
【0056】
マイクロコントローラ1160にさらに連結されているのは、第1、第2、第3、第4及び第5の発光ダイオード1400a−1400eである(図9〜図11参照)。ダイオードは、フェースプレート1162に連結されており、故に、起動時には操作者に見える(図9参照)。第1ダイオード1400aは、装置1100がON−OFFスイッチ1266cを介して起動されると、マイクロコントローラ1160によって起動される。第2ダイオード1400bは、ポンプ1130が有益組成物をノズル24に送り出しているときに、マイクロコントローラ1160によって起動される。第3ダイオード1400cは、レフラフキー266dが起動されたときに、マイクロコントローラ1160によって起動される。第4ダイオード1400dは、相当する布地向上操作サイクル中、噴霧操作が完了したときに、マイクロコントローラ1160によって起動される。第5ダイオード1400eは、容器が流体切れであるとき、又は布地向上サイクルが中断されたときにマイクロコントローラ1160によって起動され、警告信号を発する。後者の事象は、扉センサ22が光を感知するか、又は動作センサ36が動作を感知しないことによって検出され得る。マイクロコントローラ1160は、ポンプモータ1132によって取り込まれた電流の変化を感知することによって、容器1170が流体切れであることを感知し得る。
【0057】
さらに、本発明に従って構成された有益組成物分配装置が、「不揮発性物質の供給方法(Volatile Material Delivery Method)」という名称の米国特許出願番号10/762,152号に開示されているものと同様の「単一ハウジング」の独立型ユニットを備えていてもよいことが想定される。このような実施形態においては、装置は、全ての電気、電子及び機械コンポーネントが収容されている単一ハウジングを備える。例えば、このような単一ハウジングの独立型ユニットは、本出願の図5に例証されたコンポーネント又は図12に例証されたコンポーネントを備えていてもよく、これらコンポーネントは全て単一ハウジング内に収容されている。単一ハウジングは、布地向上操作を達成するための装置内に配置されるように適合されている。
【0058】
ほとんどの従来型の乾燥機では、家庭用にせよ商業用にせよ、加熱素子は、バイナリデバイスであるので、フル出力では常にオンになり、ゼロ出力では完全にオフになる。より高価な乾燥装置は、例えば、電熱素子の制御に比例制御装置を使用している場合があるが、それでも比例制御の通常の結果は、温度設定点の周りでアンダーシュート及びオーバーシュートを示すことになる。本発明の原理は、そのような比例制御装置で使用することができる。
【0059】
この実施例について、加熱素子がバイナリデバイスであると仮定すると、当該加熱素子にエネルギーが供給されている間、温度は、乾燥チャンバー内で継続的に上昇する傾向にある。加熱素子がオフにされると、温度は、低下し始める(ただし、いくらかオーバーシュートする可能性がある)。単一の乾燥サイクルの間、加熱素子のオン/オフが何度も切り替えられることがあり、その場合、温度対時間のグラフが鋸歯状の波形の外観をもつことになり、上昇勾配(温度をY軸、時間をX軸とする)は、加熱素子がオンにされた時に起こり、下降勾配は、加熱素子がオフにされた時に起こる。この鋸歯状の波形の区間では、温度対時間の全体的なチャートは、プラトーの外観を有しており、その際、チャートが乾燥サイクルの始めに比較的長い上昇勾配を示し、次いでプラトー領域(鋸歯状の波形を示す)に達し、乾燥サイクルの終わりに勾配がプラトーの「向こう」側で継続的に下降する。
【0060】
布地処理組成物が揮発性物質(ある種の香料など)を含有する場合、通常、その乾燥チャンバーの温度が、加熱サイクルが完了するまで起こり得ない可能性がある特定のレベル未満になるまで、そのような揮発性物質を乾燥チャンバー内に放出しない方がよい。これを検出する1つの方法は、いつ加熱素子が実際にエネルギーを供給されるか又は供給されていないかを知ることであり、乾燥機の加熱素子制御装置につながれた一体型の制御デバイスが、加熱素子についてのその状態を認識することになり、したがって、加熱サイクルの終わりに加熱素子へのエネルギー供給が停止されるまで(加熱素子をオフにすることができるが、後でオンに戻すこともできる、加熱サイクルのプラトー領域の間ではなく)、布地処理組成物の分配又は適用を容易に阻止することができる。
【0061】
しかし、加熱素子の制御状態が布地処理組成物の分配制御装置に知られていないとすると、これは、分配装置が乾燥機の制御装置と連通していない自蔵型ユニットである場合に起こり得るが、加熱サイクルの終わりを判定する他の手段が必要になる。加熱サイクル(又は「加熱事象」)の終わりを決定する1つの方法は、当該加熱サイクルの鋸歯状の波形部分(上述のように「プラトー領域」とも呼ばれる)中に生じる最低及び最高温度を測定することである。例えば、乾燥機チャンバーの内部温度が最大温度TMAXまで上昇し、TMAXよりも低い約10〜15℃である瞬間的な「最低」温度まで低下すると、分配装置用の制御装置は、布地処理組成物を適用し始めるべきとき(これは、乾燥機の内部温度が最高温度TMAXよりも低く、10〜15℃の「最低」温度未満まで低下した後である)を判定することができる。これらの鋸歯状の最低及び最高温度値は、単一の温度差値と見なすことができ、その種の温度差を本明細書では変数「TDIFF」と呼ぶ。TDIFF値にはいくらか余分の許容範囲を設けることができ、結果として、例えば、ほとんどの家庭用乾燥機が乾燥サイクルのプラトー領域の間に約15℃上下する場合、TDIFFの値を20℃に設定することができる。
【0062】
本発明の1つの任意態様は、同一出願人による同時係属出願である米国特許出願番号10/762,152(2004年1月21日出願)に記載されているように、乾燥サイクル中、2つの異なる時間間隔で布地処理組成物を提供することである。
【0063】
(布地処理組成物)
本出願人の一態様は、ポリオール系布地ケア物質と、分散媒質と、任意には1以上の補助剤物質とを含み得る布地処理組成物である。
【0064】
一実施形態では、布地処理組成物は、スクロースエステルなどのポリオール系布地ケア物質と;水、アルコール、ジオールなどの分散媒質と;任意には、柔軟化剤、香料、湿潤剤、乳化剤、乳化安定剤、粘度調整剤、pH緩衝剤、抗菌剤、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート剤、消泡剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される1以上の補助剤物質(布地ケア剤及び補助剤物質)とを含む。
【0065】
別の実施形態では、布地処理組成物は、その約0.1重量%〜約95重量%のポリオール系布地ケア物質の処理組成物と、その約1重量%〜約99重量%の分散媒質の処理組成物とを含む。
【0066】
別の実施形態では、布地処理組成物は、ポリオール系布地ケア物質と分散媒質とを約1:1000〜約90:1、又は約1:40〜約1:4の重量比で含む。
【0067】
別の実施形態では、布地処理組成物は、その約0.1重量%〜約95重量%のポリオール系布地ケア物質の処理組成物と、その約1重量%〜約99重量%の分散媒質の処理組成物と、残部として1以上の補助剤物質とを含む。
【0068】
本発明の別の態様は、布地物品に適用される処理組成物は、101kPa(1気圧)での沸点が250℃以下であるポリオール系布地ケア物質を含む。好適なポリオール系布地ケア物質及びこのような物質を得るための供給源は、本明細書中の以下の部分に記載されている。
【0069】
本発明の別の態様では、布地物品に適用される処理組成物は、米国材料試験協会(ASTM)の方法D93−02aに従って測定した時に、少なくとも約65℃、又は少なくとも約75℃、又は少なくとも約95℃、又は約65℃〜約400℃、又は約80℃〜約300℃、又は約90℃〜約232℃の引火点を有する分散媒質を含む。
【0070】
本発明の別の態様では、本発明の処理システムで使用するのに好適な処理組成物の粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計モデル番号LVDVII+によって20℃で測定するとき、0.001〜0.20Pa・s(約1〜約200cps)又は0.002〜0.15Pa・s(約5〜約150cps)又は0.01〜0.1Pa・s(約10〜約100cps)である。これらの測定に使用されるスピンドルは、異なる粘度の組成物を測定するために適切な回転速度をもったLV1である;例えば0.5Pa・s(500cps)〜1Pa・s(1000cps)の粘度を有する組成物を測定するためには3.14rad/s(30rpm);0.5Pa・s(500cps)未満の粘度を有する組成物を測定するためには6.28rad/s(60rpm)である。
【0071】
本発明の別の態様では、本発明の処理システムで使用するのに好適な処理組成物の静電表面張力は、ウィルヘミー(Wilhemy)試験方法を用いてクルスK12処理装置・張力計(Kruss K12 Processor Tensiometer)によって室温で測定する時、室温で0.03〜0.7mN/cm(約3〜約70ダイン/cm)又は0.05〜0.5mN/cm(約5〜約50ダイン/cm)、又は0.1〜0.4mN/cm(約10〜約40ダイン/cm)である。
【0072】
(ポリオール系布地ケア物質)
本明細書で使用する時、用語「ポリオール」は、少なくとも2つの遊離のヒドロキシル基を含有する脂肪族又は芳香族化合物を意味する。本明細書に開示される方法を実施する際に、好適なポリオールの選別は単に選択の問題である。例えば、好適なポリオール類は、以下の部類から選択される主鎖を有していてもよい:飽和及び不飽和の、直鎖及び分枝鎖の、環状(複素環式を含む)、脂肪族又は芳香族(単核若しくは多核性芳香族を含む)。代表的なポリオールとしては、炭水化物(例えば、糖類)、グリコール(例えば、グリセリン)及びこれらの誘導体(例えば糖アルコール)が挙げられる。本明細書に用いるのに使用に好適な単糖類は、マンノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、リボース、アピオース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タジトース(tagitose)、リブロース、キシルロース、グルコース、及びエリスルロースを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いるのに好適なオリゴ糖類は、マルトース、コージビオース、ニゲロース、セロビオース、ラクトース、メリビオース、ゲンチオビオース、ツラノース、ルチノース、トレハロース、スクロース、及びラフィノースを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いるのに好適な多糖類は、例えば、アミロース、グリコーゲン、セルロース、キチン、イヌリン、アガロース、キシラン類、マンナン、及びガラクタン類を含むが、これらに限定されない。本明細書に用いるのに好適な糖アルコールは、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、マンニトール及びガラクチトールを含むが、これらに限定されない。
【0073】
また、本明細書での使用に好適であるのは、糖エーテル、アルコキシル化ポリオール、例えばポリエトキシグリセロール、ペンタエリスリトール、及びグルコサミンなどのアミンを含有する他のポリオールを含む別の種類のポリオール系物質である。
【0074】
これらのポリオール系物質は、布地表面を改質し、布地ケア利益を付与する能力を有する。ポリオールの誘導体化又は官能化は、異なる布地ケア用途に有効であるように設計される。官能化手法の例としては、限定するものではないが、エステル化、エーテル化、アルキル化、アミド化、アミン化、及びその他の連結化学が挙げられる。
【0075】
典型的な布地ケア利益としては、限定するものではないが、柔軟性、手触り及び快適性などの布地の感触の向上;皺の低減又は防皺性;アイロンのかけやすさ;布地の色の向上;磨耗耐性;布地形状保持(弾性、非収縮性;非伸長性);静電気低減;リント低減;より早い乾燥;増白;染みをはじく性質が挙げられる。
【0076】
本明細書で使用するのに好適なポリオール系物質は、以下の一般式を有する:
P(OH)w−s(OC(O)R(OR(LR
式中、P(OH)は、先に定義したようなポリオールであり、
、R、R及びRは、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は未置換のC1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシから独立して選択される部分であり、
Lは、O、S、N、Pから選択される原子の連結であり、
Xはヘテロ原子含有官能基であり、ヘテロ原子はO、N、S、P、Si及びFから独立して選択され、
wは、2〜20から選択される整数であり、
x、y、z、u及びvは、0〜wから独立して選択される整数であり、
sは、x、y、z、u及びvの和であり、w以下であるべきであり、
s=x+y+z+u+v≦wである。
【0077】
一実施形態では、ポリオール系布地ケア物質は、エステル化により誘導体化されたスクロースであり、以下の式を有する:
P(OH)8−x、(OC(O)Rx、
式中、P(OH)はスクロースであり、
xは、1〜8、又は2〜8、又は3〜8、又は4〜8から選択される整数であり、
は、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換のC1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシから独立して選択される。
【0078】
一実施形態では、R部分の中には、様々な鎖長を有する直鎖アルキル又はアルコキシ部分を含むものがあってもよい。例えば、Rは、直鎖の約20%超過がC18であり、又は直鎖の約50%がC18であり、又は直鎖の約80%超過がC18である直鎖アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含んでもよい。
【0079】
別の実施形態では、R部分の中には、飽和及び不飽和アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含むものがあってもよく、不飽和度は、「ヨウ素価」(以下「IV」と称し、標準のAOCS方法によって測定される)によって測定することができる。本明細書に用いるのに好適なポリオール系布地ケア物質のIVは、約1〜約150、又は約2〜約100、又は約5〜約85の範囲である。不飽和度を低減するべく、R部分を水素化してもよい。
【0080】
更なる実施形態では、R部分の中には、不飽和アルキル又はアルコキシ部分を含むものがあってもよく、不飽和部分は、不飽和部位の周りに「シス」及び「トランス」体の混合物を含んでいてもよい。「シス」/「トランス」比は、約1:1〜約50:1、又は約2:1〜約40:1、又は約3:1〜約30:1、又は約4:1〜約20:1の範囲であってもよい。
【0081】
ポリオール系布地ケア物質は、本発明の処理組成物中に、組成物の約0.1重量%〜約95重量%、又は約1重量%〜約50重量%、又は約2重量%〜約30重量%の濃度で存在する。
【0082】
(分散媒質)
また、本発明の布地処理組成物は分散媒質を含む。好適な分散媒質としては、限定するものではないが、水、C4〜C10グリコールエーテル、C2〜C7グリコール、グリセリンなどのポリエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性溶媒が挙げられる。
【0083】
処理組成物は、その重量パーセントに基づいて、約1重量%〜約99重量%、約10重量%〜約95重量%、又は約30重量%〜約90重量%の分散媒質を含んでよい。典型的には、水は、処理組成物の約40重量%超過、又は約60重量%超過、又は約80重量%超過、又は約90重量%超過を、残部の分散媒質は、水溶性溶媒を含む。
【0084】
布地処理組成物が水を含む時には、前記組成物のpHは、約2〜約10、約3〜約9、約4〜約8、又は約5.5〜約7.5の範囲内にあってよい。組成物のpHを調節及び/又は制御するために、以下の「補助剤物質」に記載されているものなどの一般的に既知のpH緩衝剤を使用することができる。
【0085】
(補助剤物質)
処理組成物はまた、任意の補助剤物質を含んでもよい。補助剤物質としては、限定するものではないが、湿潤剤、乳化剤、乳化安定剤、粘度調整剤、pH緩衝剤、抗菌剤、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート剤、消泡剤、柔軟化剤などの布地ケア剤、香料、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
存在する場合、各補助剤物質は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約2重量%、約4重量%〜約90重量%、約4重量%〜約50重量%、又は約4重量%〜約10重量%のうちの1つの濃度で存在する。
【0087】
本発明の組成物は、任意に1以上の布地ケア物質を含んでよい。これらの布地ケア物質は、限定するものではないが、柔軟性、香り、汚れの再付着防止、染みをはじく性質若しくは撥水性、色若しくは白さの向上、吸収力の向上、静電気防止性、抗菌性、又は布地の磨耗耐性を含めた1以上の布地利益を提供する。柔軟化剤などの代表的ではあるが非限定的な布地ケア物質の幾つかの例が以下に記載されている。
【0088】
代表的な柔軟化剤としては、これらに限定するものではないが、ジエステル四級アンモニウム化合物(DEQA);ポリ四級アンモニウム化合物;カルボン酸でエステル化され、且つ四級化されたトリエタノールアミン(いわゆる「エステルクアット(esterquat)」;アミノエステルクアット;カチオン性ジエステル;ベタインエステル;ベタイン;アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、クアット/シリコーン混合物を含む、シリコーン又はシリコーンエマルション;官能化PDMS;アミンオキシド;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
第四級アンモニウムタイプの柔軟化剤の非限定例は、N,N−ジメチル−N,N−ジ(タロウイルオキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−N,N−ジ(カノイルオキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジタローN,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジタローイルエタノールN,N−ジメチルアンモニウムクロライド及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。
【0090】
非シリコーン布地柔軟化剤及び付着助剤の更なる例は、EP902009;PCT国際公開特許WO99/58492;米国特許第4,137,180号;PCT国際公開特許WO97/08284;PCT国際公開特許WO00/70004;PCT国際公開特許WO00/70005;PCT国際公開特許WO01/46361;PCT国際公開特許WO01/46363;PCT国際公開特許WO99/64661;PCT国際公開特許WO99/64660;JP11−350349;JP11−081134;及びJP11−043863に記載されている。シリコーン布地柔軟化剤及び付着助剤の更なる例は、米国特許第4,448,810号;米国特許第4,800,026号;米国特許第4,891,166号;米国特許第5,593,611号;EP459821;EP530974;PCT国際公開特許WO92/01773;PCT国際公開特許WO97/32917;PCT国際公開特許WO00/71806;PCT国際公開特許WO00/71807;PCT国際公開特許WO01/07546;PCT国際公開特許WO01/23394;JP2000−64180;JP2000−144199;JP2000−178583;及びJP2000−192075に記載されている。
【0091】
柔軟化剤のうちのいくつかが以下に詳細に記載されている。好適なプロトン化可能なアミンとしては、以下の式Iを有するプロトン化可能なアミンが挙げられ:
【化1】

式中、添字mは0、1、2、又は3であり;添字nは1、2、3、又は4であり、好ましくはnは2又は3であり、より好ましくはnは2であり、各Rは、C〜C22アルキル、C〜C22ヒドロキシアルキル又はベンジル基から独立して選択され;各Rは、C11〜C22の直鎖アルキル、C11〜C22の分枝状アルキル、C11〜C22の直鎖アルケニル、又はC11〜C22の分枝状アルケニルから独立して選択され;各Qは、カルボニル、カルボキシル、又はアミド部分を含んでよい。
【0092】
アルキル化した好適な第四級アンモニウム化合物(quats)としては、モノ−アルキルquats、ジ−アルキルquats、トリ−アルキルquats、及びテトラ−アルキルquats、並びにある種のカチオン性界面活性剤が挙げられる。好適なモノ−アルキルquats、ジ−アルキルquats、トリ−アルキルquats、及びテトラ−アルキルquatsは、通常、以下の式IIを有しており:
【化2】

式中、添字mは0、1、2、3、又は4であり;添字nは1、2、3、又は4であり、好ましくはnは2又は3であり、より好ましくはnは2であり、各Rは、C〜C22アルキル、C〜C22ヒドロキシアルキル又はベンジル基から独立して選択され;各Rは、C11〜C22の直鎖アルキル、C11〜C22の分枝状アルキル、C11〜C22の直鎖アルケニル、又はC11〜C22の分枝状アルケニルから独立して選択され;Xは、クロライド、ブロミド又はメチルサルフェートのような水溶性のアニオン種であり、Qは、カルボニル、カルボキシル、又はアミド部分を含んでよい。
【0093】
好適なカチオン性界面活性剤としては、モノC〜C16、好ましくはC〜C10のN−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤から成る群から選択される第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、残っているN位置は、メチル、ヒドロキシエチル(hydroxyehthyl)又はヒドロキシプロピル基で置換される。別の好ましいカチオン性界面活性剤は、第四級コリンエステルのような、第四級アンモニウムアルコールのC〜C18アルキル又はアルケニルエステルである。より好ましくは、カチオン性界面活性剤は、以下の式IIIを有し:
【化3】

式中、Rは、C〜C18ヒドロカルビル、好ましくはC8〜14アルキル、より好ましくはC、C10又はC12のアルキルであり、Xは、クロライド、ブロミド又はメチルサルフェートのような水溶性のアニオン種である。
【0094】
好適なカチオン性シリコーンとしては、アミン誘導化合物によって官能化されたシリコーン、及びカチオン性シリコーンポリマーが挙げられる。アミン誘導化合物によって官能化された好適なシリコーンとしては、以下の式IVを有するアミノシリコーンが挙げられ:
(RSiO1/2(RSiO2/2[RSi(L−NR)O2/2[Si(K−NR)O3/2[RSiO3/2
式IV
式中、m、a、b、及びcは、0〜6000の整数から独立して選択され;pは2+b+cであり;R、R、R、R、R、R、R、R、L、Kは、分子内のシリコーン又は窒素原子に結合した様々な側鎖である。上述の式IVにおいて、R、R、R、Rは、独立して以下から選択される:
1)C〜C22直鎖又は分岐鎖、置換又は未置換ヒドロカルビル部分;又は
2)−O−R11、−O−R12、−O−R13及び−O−R14、式中、R11、R12、R13及びR14は、H、又はC〜C22の直鎖又は分岐鎖、置換又は未置換ヒドロカルビル部分から独立して選択される。
【0095】
以上の式IVでは、L及びKは、C〜C22の直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分から、独立して選択される。好ましくは、L及びKは、C〜C12の直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分から独立して選択される。より好ましくは、L及びKは、C〜Cの直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分から独立して選択される。最も好ましくは、L及びKは、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、オクタデシレン、又は3−(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−オキシ−ピペリジル)プロピルから独立して選択される。以上の式IVでは、R、R、R、及びRは、H、又はC〜C22の直鎖若しくは分枝鎖の置換若しくは非置換ヒドロカルビル部分から独立して選択される。
【0096】
以上の式IVで使用する時、「SiOn/2」は、酸素原子とケイ素原子との比率を意味しており、すなわち、SiO1/2は、1つの酸素原子が2つのケイ素原子の間で共有されることを意味する。
【0097】
好適なカチオン性シリコーンポリマーとしては、以下の式Vを有するカチオン性シリコーンポリマーが挙げられ:
【化4】

式中、[CAP]は、主鎖の末端又はトランケーション(truncation)ユニットであり;mは、1〜50の整数であり、各Zユニットは、以下の式VIを有しており:
【化5】

ここで、式VIにおいて:
xは、0又は1であり;
Wは、以下の式VIIを有するシロキサンユニットであり:
【化6】

ここで、式VIIにおいて、各Rユニットは、C〜C22の直鎖又は分枝鎖の置換又は非置換ヒドロカルビル部分であり;
ここで、式VIにおいて、上記Rは、以下の式VIIIを有しており:
−[(L)−(R−(L)]−B−[(L)−(R−(L)]−
式VIII
上式VIIIにおいて:
yは、0又は1であり;
Lは、連結ユニットを含有する好適な炭素であり、好適な連結ユニットとしては、これらに限定するものではないが、アルキレン部分、アクリレート部分、及びアミド含有部分が挙げられ;
各Bは、少なくとも1つの第二級、第三級、又は第四級アミノ部分を含むユニットであり;
は、以下の式IXを有する連結ユニットであり:
【化7】

上式IXにおいて:
各Rは、C〜C12の直鎖又は分枝鎖アルキレン部分から独立して選択され、好ましくは各Rは、独立して、エチレン、1,3−プロピレン、又は1,2−プロピレンであり;
各Rは、水素、又はC〜C22の直鎖若しくは分枝鎖の置換若しくは非置換ヒドロカルビル部分から独立して選択され、好ましくは各Rは、水素、又はC〜C22の直鎖若しくは分枝鎖アルキル部分;C〜C22シクロアルキル部分;C〜C22の直鎖若しくは分枝鎖フルオロアルキル部分;C〜C22の直鎖若しくは分枝鎖アルケニル部分;C〜C22アリール部分;又はC〜C22アルキレンアリール部分から独立して選択され;最も好ましくは、各Rは、水素、又はC〜C10の直鎖若しくは分枝鎖アルキル部分であり;
zは、0〜50の整数である。
【0098】
他の好適な布地物質は、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及び前述の物質の誘導体又はコポリマーなどのポリマー物質であってもよい。
【0099】
好適なシリコーンコポリオールの非限定例は、以下の式Xを有するシリコーンコポリオールである:
−(CHSiO−[(CHSiO]−[(CH)(R)SiO]−Si(CH−R
式X
上式Xにおいて、a+bは、1〜約50の整数であり、好ましくはa+bは、約3〜約30の整数であり、より好ましくはa+bは、約10〜約25の整数であり;少なくとも1つのRは、以下の式XIを有するポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)コポリマー基であり、残りのR部分は、メチル及び以下の式XIを有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基から成る群から独立して選択され:
−(CHO(CO)(CO)
式XI
上式XIにおいて、nは3又は4であり、好ましくはnは3であり;cは1〜約100の整数であり、好ましくはcは約6〜約100の整数であり;dは1〜約14の整数であり、好ましくはdは1〜約3の整数であり;c+dの合計は約5〜約150の整数であり、好ましくはc+dの合計は約9〜約100の整数であり;各Rは、水素、4個までの炭素原子を含むアルキル部分又はアセチル基から成る群から独立して選択される。
【0100】
乳化剤の非限定例としては、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエトキシレート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0101】
乳化安定剤の非限定例は、エトキシル化テレフタレート、アラビノガラクタン、エトキシル化ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物から選択される。
【0102】
粘度調整剤の非限定例としては、CaCl、MgCl、NaClなどの塩、グアーガム、多糖類、これらの混合物が挙げられる。含有する他の塩及び他のアルカリ又はアルカリ土類金属カチオン及びハロゲン化アニオンなども好適である。
【0103】
pH緩衝剤の非限定例としては、クエン酸、乳酸、コハク酸、リン酸、重炭酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0104】
抗菌剤としては、商品名ユニクアット(Uniquat)(登録商標)として(ロンザ(Lonza)から)入手可能なジデシルジメチルアンモニウムクロライド、商品名プロクセル(Proxel)(登録商標)として(ゼネカ社(Zeneca Inc.)から)入手可能な1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、商品名ダントガード(Dantoguard)(登録商標)として(ロンザ(Lonza)から)入手可能なジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、及び商品名カトン(Kathon)(登録商標)として(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)から)入手可能な5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。
【0105】
酸化防止剤としては、酢酸トコフェロール(tocopherol acetatersd)、キニーネ、ポリフェノール及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
ラジカルスカベンジャーとしては、没食子酸プロピル、ポリイミン、トリメトキシ安息香酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
キレート剤としては、ジエチレントリアミン五酢酸(pentacetic acid)、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチルエチレンリン酸(phosphomic acid)、クエン酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
消泡剤としては、シリコーンオイル、エトキシル化界面活性剤、テトロニクス(Tetronics)(登録商標)(BASFから入手可能)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
エトキシル化界面活性剤のその他の例には、カルボキシル化アルコールエトキシレート、エトキシル化第四級アンモニウム界面活性剤、及びエトキシル化アルキルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。以下のエトキシル化界面活性剤の非限定例が提供される:
a)シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC〜C18アルキルエトキシレート;
b)アルコキシレート単位がエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物である、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート、
c)BASFからのプルロニック(PLURONIC)(登録商標)のような、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合物、
d)米国特許第6,150,322号で論じられているようなC14〜C22中鎖分岐状アルコール、BA、
e)米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号、及び米国特許第6,093,856号で論じられているような、C14〜C22中鎖分岐状アルキルアルコキシレート、BAEで、xが1〜30であるもの、
f)米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許WO01/42408及びPCT国際公開特許01/42408に論じられるようなエーテル末端封鎖されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、
g)脂肪酸(C12〜18)ソルビタンエステル、スパン(Span)(登録商標)、及びそれらのエトキシル化(EO5−100)誘導体、ポリソルビン酸;例えば、スパン(Span)(登録商標)20、トゥイーン(Tween)(登録商標)20、トゥイーン(Tween)(登録商標)60、トゥイーン(Tween)(登録商標)80(ユニケマ(Uniqema)から市販)。
【0110】
エトキシル化界面活性剤のその他の例には、カルボキシル化アルコールエトキシレート、エトキシル化第四級アンモニウム界面活性剤、及びエトキシル化アルキルアミンが挙げられる。
【0111】
好適な非イオン性物質としては、アルキレンオキシド基と有機の疎水性部分(脂肪族又はアルキル芳香族の性質であることができる)との縮合によって生成される特定の界面活性剤;シリコーンコポリオール;及びこれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、脂肪族アルコール及び脂肪酸エトキシレート、長鎖第三級アミンオキシド、アルキル多糖、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセリル脂肪酸エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0112】
香料物質は、以下の香料物質の供給元である、フィルメニッヒ(Firmenich)(スイス、ジュネーブ)、ジボダン(Givaudan)(フランス、アルジャントゥーユ(Argenteuil))、IFF(ニュージャージー州ヘーズレット(Hazlet))、クエスト(Quest)(ニュージャージー州マウントオリーブ(Mount Olive))、ベドーキアン(Bedoukian)(コネチカット州ダンベリー)、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)(ミズーリ州セントルイス)、ミレニアム・スペシャルティ・ケミカルズ(Millennium Specialty Chemicals)(イリノイ州オリンピアフィールズ)、ポラロン・インターナショナル(Polarone International)(ニュージャージー州ジャージーシティ)、フレグランス・リソーシズ(Fragrance Resources)(ニュージャージー州キーポート)、及びアロマ&フレーバー・スペシャルティーズ(Aroma & Flavor Specialties)(コネチカット州ダンベリー)のうちの1つ以上から得ることができる。
【0113】
好適な粒子状物質としては、ポリマー粒子、粘土、タルク、ゼオライト及びこれらの混合物のような無機又は有機の微粒子が挙げられる。好適なポリマー粒子は、通常、平均粒径が約10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満、より好ましくは約1ミクロン未満である。このような粒子は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、及びこれらの混合物を含んでよい。好適な粘土物質としては、スメクタイト粘土、例えば、葉蝋石、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト及びバーミキュライト、及び雲母のような、2:1層構造をもつフィロシリケート粘土が挙げられる。特に好適な粘土物質としては、米国特許第4,062,647号に記載のスメクタイト粘土が挙げられる。布地柔軟化の目的に好適な粘土物質の他の開示としては、欧州特許明細書EP26528−A1、米国特許第3,959,155号、及び米国特許第3,936,537号が挙げられる。
【0114】
他の好適な補助剤物質としては、これらに限定するものではないが、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素のような防腐剤;マグネシウム/アルミニウムシリケートのような懸濁剤;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどの金属イオン封鎖剤;及び、幾つかのトリグリセリド、鉱油のような幾つかの合成又は天然由来の油及び/又は脂肪、並びにこれらの混合物が挙げられる。補助剤物質として本明細書に用いるのに好適な油脂の具体例としては、これらに限定するものではないが;牛脂、パーム油、綿実油、キャノーラ油及び大豆油からのトリグリセリド(すべて様々な水素化レベルをもつ);パラフィン油、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0115】
追加の補助剤物質としては、限定するものではないが、皺軽減剤/防止剤、静電気防止剤、結晶調節剤、汚れ放出剤/防止剤、着色剤、光沢剤、臭い低減剤/除去剤、脱臭剤/清涼剤、染みはじき剤(stain repellent)、色向上剤、香料放出剤及び/又は供給剤、形状保持剤、繊維再構築剤、繊維補修剤、及びこれらの混合物がさらに挙げられる。
【0116】
好適な補助剤の更なる例及び使用濃度は、米国特許第6,653,275号に見出される。
【0117】
好適な補助剤物質は、メイザー・ケミカルズ(Mazer Chemicals)(米国イリノイ州ガーニー(Gurnee))、クラリアント社(Clariant Corporation)(スイス、グラットブルグ(Glattbrugg))、ローディア社(Rhodia Incorporated)(米国ニュージャージー州クランベリー)、スケア・ケミカルズ社(Scher Chemicals,Inc.)(米国ニュージャージー州クリフトン)、ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)(米国ミシガン州ミッドランド)、及びゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)(米国コネチカット州フェアフィールド)、ウイトコ社(Witco Corporation)(米国コネチカット州ミドルベリ)、デグサ−ヒュルズ(Degussa-Huls)(ドイツ、マール(Marl))、BASF(米国ニュージャージー州マウントオリーブ)、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(米国ミズーリ州セントルイス)、20ミクロンズ社(Microns Ltd.)(インド、バローダ(Baroda))、及びツイン・リバーズ・テクノロジーズ(Twin Rivers Technologies)(米国マサチューセッツ州クインシー(Quincy))から市販されている。
【0118】
(布地処理組成物の製造方法)
本発明の布地処理組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択された任意の方法によって調製することができ、その非限定例が米国特許第6,653,275号に記載されている。
【実施例】
【0119】
以下の組成物は、本発明で有用な布地処理組成物の実施例である:
【表1】

a.DTDMAC=ジ−タロージメチルアンモニウムクロライド
b.DTDMAMS=ジ−タロージメチルアンモニウムメチルサルフェート
c.DEEHMAMS=ジ−(タローオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート
d.CTMAC=セチルトリメチルアンモニウムクロライド
e.プロクセル(Proxel)(登録商標)=1,2−ベンズイソチオゾリン−3−オン
f.ダントガード(Dantoguard)(登録商標)=ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン
g.TMBA=トリメトキシ安息香酸
h.DTPA=ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム
【0120】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0121】
すべての引用された文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれる;いずれの任意の文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈されるべきではない。
【0122】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の原理によって構築された独立型布地物品処理装置の一実施形態の斜視図。
【図2】図1の布地物品処理装置を反対の角度から見た斜視図。
【図3】フラットケーブルによって1つに接合された内部ハウジング及び外部ハウジングを示す、図1の布地物品処理装置の部分断面を一端から見た立面図。
【図4】図1の布地物品処理装置の内部ハウジング部分の部分断面を片側から見た立面図。
【図5】図1の布地物品処理装置で使用される幾つかの電気及び機械コンポーネントのブロック図。
【図6】衣類乾燥機装置の扉に取り付けられている時の、図1の布地物品処理装置の部分断面線図。
【図7】本発明の原理によって構築された時の、乾燥機のドラム部分内に有益組成物を噴霧するノズルを有する布地物品乾燥器具の斜視図。
【図8】本発明の原理によって構築された有益組成物を分配するための独立型ユニットの別の実施形態の斜視図。
【図9】図8の装置の反対角からの斜視図。
【図10】図8及び図9に例証されるユニットの分解図。
【図11】流体容器の分解図であり、第1及び第2の金具並びに第1及び第2の設置棚。
【図12】図8〜図10のユニットに利用される電気的及び機械的構成要素の少なくとも一部のブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地物品処理システムであって、
(a)布地物品乾燥器具と、
(b)前記乾燥器具に取り外し可能に取り付けられた布地物品処理装置であって、前記処理装置が布地処理組成物を収容するための供給源及び前記乾燥器具に前記組成物を分配するための手段を備え、前記手段が前記供給源と液体連通しており、好ましくは前記分配手段がノズルを含む布地物品処理装置とを備え、
前記組成物は、ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含み、好ましくは、前記分散媒質は、水、又はC4〜C10グリコールエーテル、C2〜C7グリコール、ポリエーテル及びこれらの混合物から選択される水溶性溶媒であり、好ましくは、前記分散媒質は室温で液状であり、好ましくは、前記分散媒質の引火点は少なくとも約65℃であることを特徴とする、布地物品処理システム。
【請求項2】
前記ポリオール系布地ケア物質は、以下の式:
P(OH)w−s(OC(O)R(OR(LR
を有し、式中、P(OH)はポリオールであり、
、R、R及びRは、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は未置換のC1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシから独立して選択される部分であり、
Lは、O、S、N、Pから選択される原子の連結であり、
Xはヘテロ原子含有官能基であり、前記ヘテロ原子はO、N、S、P、Si及びFから独立して選択され、
wは、2〜20から選択される整数であり、
x、y、z、u及びvは、0〜wから独立して選択される整数であり、
sは、x+y+z+u+vの和であり、s≦wであり、好ましくは、前記ポリオール系布地ケア物質は、以下の式を有するスクロースエステルであり、
P(OH)8−x、(OC(O)R
式中、P(OH)はスクロースであり、
xは、1〜8から選択される整数であり、
は直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は未置換のC1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシから独立して選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記組成物は、
(a)湿潤剤、好ましくは、シリコーンコポリオール、ジオクチルスルホスクシネート、アセチレン界面活性剤及びこれらの混合物から成る群から選択される湿潤剤、
(b)乳化剤、好ましくは、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエトキシレート、アルキルエトキシサルフェート及びこれらの混合物から成る群から選択される乳化剤、
(c)乳化安定剤、好ましくは、エトキシル化テレフタレート、アラビノガラクタン、エトキシル化ポリエチレンイミン及びこれらの混合物から成る群から選択される乳化安定剤、
(d)粘度調整剤、好ましくは、CaCl2、MgCl、NaCl、グアーガム、多糖類及びこれらの混合物から成る群から選択される粘度調整剤、
(e)pH緩衝剤、好ましくは、クエン酸、乳酸、コハク酸、リン酸、重炭酸ナトリウム及びこれらの混合物から成る群から選択されるpH緩衝剤、
(f)抗菌剤、好ましくはジデシルジメチルアンモニウムクロライド、1,2−ベンズイソチオゾリン−3−オン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、5−クロロ−2メチル−4イソチアゾリン−3−オン及びこれらの混合物から成る群から選択される抗菌剤、
(g)酸化防止剤、好ましくは、酢酸トコフェロール、キニーネ、ポリフェノール及びこれらの混合物から成る群から選択される酸化防止剤、
(h)ラジカルスカベンジャー、好ましくは、没食子酸プロピル、トリメトキシ安息香酸(TMBA)、ポリイミン及びこれらの混合物から成る群から選択されるラジカルスカベンジャー、
(i)キレート剤、好ましくは、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸及びこれらの混合物から成る群から選択されるキレート剤、
(j)消泡剤、好ましくは、シリコーンオイル、エトキシル化界面活性剤、エチレンジアミンポリグリコールエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びこれらの混合物から成る群から選択される消泡剤、
(k)柔軟化剤、好ましくは、N,N−ジタローN,N−ジメチルアンモニウムクロライド及びN,N−ジ−タロイルエタノールエステルN,N−ジメチルアンモニウムクロライド並びにこれらの混合物から成る群から選択されるジアルキル第四級アンモニウム化合物である柔軟化剤、
(l)香料、及び
(m)これらの混合物、
から成る群から選択される1以上の補助剤物質をさらに含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記組成物は、前記組成物の約0.1重量%〜約95重量%の前記ポリオール系布地ケア物質と、前記組成物の約1重量%〜約99重量%の前記分散媒質と、残部として1以上の補助剤物質とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記組成物は、さらに、皺軽減剤/防皺剤、静電気防止剤、結晶調節剤、汚れ放出剤/防止剤、着色剤、光沢剤、臭い低減剤/除去剤、脱臭剤/清涼剤、染みはじき剤、色向上剤、香料放出剤及び/又は供給剤、形状保持剤、繊維再構築剤、繊維補修剤及びこれらの混合物から成る群から選択される補助剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記組成物が、室温で0.001〜0.2Pa・s(約1〜約200cps)の粘度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記組成物の静電表面張力は、室温で0.03〜0.7mN/cm(約3〜約70ダイン/cm)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記組成物は液滴の形状で分配され、好ましくは、前記液滴の平均粒子直径は、約0.1〜約1000ミクロンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
布地物品乾燥器具内で布地処理組成物を布地物品に適用するための方法であって、
(a)処理チャンバー及び布地物品処理装置を備える乾燥器具を提供する工程、
(b)ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含む布地処理組成物を提供する工程であって、好ましくは、前記分散媒質は、室温では液状であり、約65℃超過の引火点を有する工程、
(c)前記処理チャンバー内に布地物品を置く工程、及び
(d)前記組成物を前記処理チャンバー内に分配し、それにより前記分配された組成物が前記布地物品と接触し、好ましくは、前記組成物は、平均粒子直径が約0.1〜約1000ミクロンである液滴の形状で分配される工程
とを含み、前記布地処理装置は、前記乾燥器具に取り外し可能に取り付けられ、前記組成物を前記チャンバー内に分配するように構成されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記分散媒質は、水、又はC4〜C7グリコールエーテル、C2〜C7グリコール、ポリエーテル及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性溶媒であり、前記ポリオール系布地ケア物質は、以下の式:
P(OH)w−s(OC(O)R(OR(LR
を有し、式中、P(OH)wはポリオールであり、
、R、R及びRは、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は未置換のC1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシから独立して選択される部分であり;
Lは、O、S、N、Pから選択される連結であり、
Xはヘテロ原子含有官能基であって、前記へテロ原子はO、N、S、P、Si及びFから独立して選択され、
wは、2〜20から選択される整数であり、
x、y、z、u及びvは、0〜wから独立して選択される整数であり、
sは、x+y+z+u+vの和であり、s≦wである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、室温で0.001〜0.2Pa・s(約1〜約200cps)の粘度を有する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
布地処理組成物を布地物品に適用する方法であって、
(a)ポリオール系布地ケア物質及び分散媒質を含む布地処理組成物の供給源を提供する工程、
(b)処理チャンバーを備える乾燥器具を提供する工程、
(c)前記乾燥器具に取り外し可能に取り付けられ、前記供給源と流体連通するように構成される分配装置を提供する工程、
(d)前記処理チャンバー内に布地物品を置く工程、及び
(e)前記組成物を前記処理チャンバー内に分配し、それにより前記分配された組成物が前記布地物品と接触する工程
とを含むことを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−510813(P2007−510813A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535467(P2006−535467)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035566
【国際公開番号】WO2005/045120
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】