布帛裁断装置及び方法
【課題】本発明は、布帛に表示された柄模様に対応して裁断ラインを補正して裁断することができる布帛裁断装置及び方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】布帛裁断装置は、撮影部12から得られた布帛の撮影画像データ及び裁断する各パーツに対応するパーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出するとともに撮影画像データの特徴点及びパーツ画像データの特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出するマッチング処理部103と、抽出されたマッチングポイントに重み付けする重み付け処理部104と、重み付けされたマッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて裁断ラインデータを補正する補正処理部105と、補正された裁断ラインデータに基づいて布帛を裁断するように裁断手段を制御する裁断制御部106を備えている。
【解決手段】布帛裁断装置は、撮影部12から得られた布帛の撮影画像データ及び裁断する各パーツに対応するパーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出するとともに撮影画像データの特徴点及びパーツ画像データの特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出するマッチング処理部103と、抽出されたマッチングポイントに重み付けする重み付け処理部104と、重み付けされたマッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて裁断ラインデータを補正する補正処理部105と、補正された裁断ラインデータに基づいて布帛を裁断するように裁断手段を制御する裁断制御部106を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄模様が表示された布帛を予め設定された裁断ラインに沿って裁断する布帛裁断装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品等の製品を作製する場合、織物、編物、不織布等からなる布帛を裁断して製品の元となるパーツを作成し、作成されたパーツを縫製等により接合するといった工程を経て製品を仕上げることが一般的である。さらに、裁断する前の布帛に予め柄模様が表示されている場合には、一般に、表示された柄模様に合わせて裁断してパーツを作成する。なお、従来、布帛に表示される柄模様は染色処理により形成されていたが、近年では、インクジェット方式の記録装置により柄模様を形成することも提案されている。
【0003】
柄模様が作成された布帛を裁断する手段としては、従来の手作業による裁断のほか、自動裁断機による裁断が知られている。自動裁断機で裁断する場合には、通常、CAD等の画像処理装置によって設定された所定の裁断データに従って裁断される。
【0004】
しかしながら、柄模様が表示された布帛を実際に裁断する場合、布帛を裁断ステージにセットする際に布帛が歪みやすく、設定された裁断データに対応する柄模様の位置とは異なった位置に布帛の柄模様が表示されていることがある。この場合、実際の柄模様の位置に合わせて裁断データを補正する必要がある。
【0005】
これに対処するため、例えば、特許文献1では、理論上の柄に対して柄合せパターンを配置した柄入りシート材から柄合せパターンを裁断するための自動裁断機における柄合せ方法において、理論上の柄配置に対して選択した識別容易な特徴点の位置データと、延反された柄入りシート材上で検出した特徴点の位置データとの偏差を算出し、算出された偏差だけ柄合わせパターンを補正するようにした柄合せ方法が記載されている。また、特許文献2では、各パーツの位置情報に関連付けられた位置補正用ポイントマークを予め生地にプリントし、裁断ステージに搬入後、ポイントマークをカメラにより検出し設計値との位置のズレ量を算出することで位置補正を行うようにした裁断位置補正方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2538514号公報
【特許文献2】特許第4054556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された方法では、設計値と実際の裁断対象物上の特徴点を用いて位置データの偏差により補正しているが、柄模様全体ではなく特徴点のみに着目して補正しているため、柄模様全体の位置ずれを補正するには十分ではない。例えば、伸縮性の高い布帛の場合には、セットする際に局所的に布帛が歪むことがあり、特徴点の近傍領域では歪みが少なくてもそれ以外の領域で生じた歪みについては補正することが難しくなる。また、特許文献2に記載された方法では、各パーツの近傍にポイントマークをプリントするスペースを設ける必要があり、パーツの形状を設定する際に制約を受けることになる。そして、ポイントマークのズレ量のみで裁断位置の補正を行っているため、特許文献1に記載の方法と同様にプリントされた絵柄の歪みや生地の局所的な歪みを補正することは難しい。
【0008】
衣料品では、胸や腰に対応する位置に特定の柄模様を表示するデザインを用いる場合があるが、こうしたデザインでは胸や腰の位置からずれた位置に特定の柄模様が表示されると、デザインとしての意味がなくなる。例えば、胸や腰の位置にポケットをイメージさせる柄模様を表示するようなデザインでは、胸や腰の位置に正確に位置合せして表示しないとデザインとして無意味なものとなってしまう。
【0009】
こうした柄模様の位置合せは、例えば、顧客の体格に対応した位置合せや顧客の選択した柄模様に対応した位置合せ、といったように、顧客の要望にきめ細かく対応していく場合に重要となってくる。
【0010】
そこで、本発明は、布帛に表示された柄模様に対応して裁断ラインを補正して裁断することができる布帛裁断装置及び方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る布帛裁断装置は、柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットする布帛セット手段と、セットされた前記布帛をパーツの形状に裁断する裁断手段と、前記柄模様に対応する表示画像データ及び前記パーツの形状に対応する裁断ラインデータを記憶する記憶手段と、セットされた前記布帛に表示された前記柄模様を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された前記柄模様の撮影画像データを作成する撮影処理手段と、前記表示画像データ及び前記裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出する画像抽出手段と、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出する特徴点抽出手段と、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出して重み付け処理するマッチング処理手段と、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正する補正処理手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断するように前記裁断手段を制御する裁断制御手段とを備えている。さらに、セットされた前記布帛に裁断ラインを投影する投影手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛に前記裁断ラインを投影するように処理する投影処理手段とを備えている。
【0012】
本発明に係る布帛裁断方法は、柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットして当該布帛をパーツの形状に裁断する布帛裁断方法であって、セットされた布帛に表示された柄模様を撮影して当該柄模様の撮影画像データを作成し、前記柄模様に対応する表示画像データ及びパーツの形状に対応する裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出し、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出し、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出して重み付けし、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出し、算出された前記補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正し、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記の構成を有することで、布帛に表示された柄模様に対応して裁断ラインを補正して裁断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る布帛裁断装置に関する概略構成図である。
【図2】本発明に係る布帛裁断装置に関するブロック構成図である。
【図3】布帛の裁断処理に関する処理フローである。
【図4】布帛の撮影画像データに関する模式図である。
【図5】設定された裁断ライン及び柄模様に関する模式図である。
【図6】パーツ画像データに関する模式図である。
【図7】パーツ画像データ及び撮影画像データにおいて抽出された特徴点を示す模式図である。
【図8】マッチングポイントを示す模式図である。
【図9】柄模様に重み付けを設定する場合の模式図である。
【図10】柄模様に重み付けを設定する場合の模式図である。
【図11】補正された裁断ラインを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る布帛裁断装置に関する概略構成図である。布帛裁断装置は、柄模様Mが表示された布帛Fが裁断ステージ1上に送りローラ2により搬送されてセットされ、裁断ヘッド3により所定のパーツ形状に裁断されるようになっている。裁断ヘッド3は、キャリッジ4に搭載されて布帛Fの幅方向に移動可能に設けられており、キャリッジ4はガイドレール5に摺動可能に取り付けられている。そして、裁断ヘッド3及びキャリッジ4を図示せぬ駆動モータによりそれぞれ布帛Fの幅方向及び長手方向に移動させることで、布帛F上の所定の位置に位置決めしながら裁断ヘッド3により裁断動作を行って所定のパーツの形状に裁断することができる。
【0017】
裁断ヘッド3は、レーザ照射装置7からミラー6を介して裁断ヘッド3にレーザが照射されており、裁断ヘッド3からレーザが布帛Fに向かって照射することで布帛Fが熱溶断されるようになる。
【0018】
裁断ステージ1には、布帛Fの載置面全面にハニカム状の貫通孔1aが多数形成されており、裁断ステージ1の下面に配置された吸気装置(図示せず)により載置面上に布帛Fが吸引されて密着することで布帛Fがセットされる。
【0019】
裁断ステージ1の載置面の上方には、布帛Fに表示された柄模様Mを撮影する撮影装置8及び布帛F上に裁断ラインを投影して表示する投影装置9が設置されている。
【0020】
この例では、裁断手段としてレーザを用いているが、切断刃による裁断手段を用いてもよい。また、布帛Fは、織物、編物、不織布等のシート材に柄模様Mが表示されたものであり、柄模様Mは、インクジェット記録装置や印刷装置によるプリント方法や染色処理による形成方法等の公知の方法により表示されたものであればよい。柄模様Mは、異なる複数の色の糸を用いて布帛Fに織り込まれるか編み込まれて表示されたものや、シール等を布帛Fに接着して表示されたものであってもかまわない。
【0021】
図2は、布帛裁断装置に関するブロック構成図である。布帛裁断装置は、制御部10、投影部11、撮影部12、入力部13、記憶部14、レーザ照射部15、裁断ヘッド移動部16、布帛送り部17及び布帛セット部18を備えている。
【0022】
制御部10は、装置全体の動作を制御し、投影部11は、投影装置9を動作させて布帛Fの表面に裁断ラインを投影して表示させる。撮影部12は、裁断ステージ1の載置面にセットされた布帛F全体を撮影装置8により撮影して布帛Fに表示された柄模様Mに関する撮影画像データを作成する。入力部13は、裁断動作を行う際に設定するパラメータ等の操作入力を行ったり、投影した裁断ラインを確認して修正が必要な場合の修正データの入力を行う。
【0023】
記憶部14は、布帛Fにプリントした際に用いた柄模様の画像データ、裁断ラインデータ、撮影画像データ等の裁断処理に必要なデータを記憶しており、装置の動作制御に必要なプログラム及びデータについても記憶している。レーザ照射部15は、レーザ照射装置7を動作させてレーザを裁断ヘッド3に向けて照射させる。裁断ヘッド移動部16は、裁断ヘッド3及びキャリッジ4を移動させる駆動モータを動作させ、裁断ヘッド3を布帛F上の所定位置に移動させて位置決めする。布帛送り部17は、送りローラ2を駆動する駆動モータを動作させて布帛Fを裁断ステージの載置面に搬送する。布帛セット部18は、裁断ステージの下面に配置された吸気装置を動作させて載置面に布帛Fを吸着させてセットする。
【0024】
制御部10、入力部13及び記憶部14は、コンピュータ等の公知の情報処理装置を用いて構成することができる。制御部10としてCPUを用い、入力部13としてキーボードやマウス等の入力機器を用い、記憶部14として内蔵ハードディスク及び外付けハードディスクを用い、記憶部14に記憶されたプログラムをCPUに読み出して処理することで裁断動作に必要な機能を実現することができる。また、投影部11、撮影部12、レーザ照射部15、裁断ヘッド移動部16、布帛送り部17及び布帛セット部18は、それに対応する装置を情報処理装置に接続して用いることでその機能を実現することができる。
【0025】
制御部10は、撮影処理部100、投影処理部101、画像抽出部102、マッチング処理部103、重み付け処理部104、補正処理部105及び裁断制御部106を備えている。撮影処理部100は、撮影部12から入力された布帛Fの撮影画像を処理して撮影画像データを生成する。投影処理部101は、後述するように、補正処理部105で補正された裁断ラインデータを処理して投影部11から布帛Fの表面に投影して表示するように制御する。
【0026】
画像抽出部102は、記憶部14に記憶された柄模様の画像データ及び裁断ラインデータに基づいて、裁断ラインデータにより画定される各パーツの形状に対応する領域に含まれる柄模様の画像データを抽出して各パーツのパーツ画像データを生成する。
【0027】
マッチング処理部103は、パーツ画像データ及び撮影画像データからそれぞれ複数の特徴点を抽出し、パーツ画像データの特徴点と撮影画像データの特徴点との間の特徴量のマッチングを行い、特徴量の近い両画像データの特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。
【0028】
画像データの特徴点の抽出には、公知のマッチング処理方法が用いられる。例えば、SURF(Speed-Up Robust Features)又はSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)といった局所特徴量を画像データに基づいて算出して行えばよい。SURFでは、画像データの画素毎のデータに基づいてヘッセ行列の行列値が極大となる領域を特徴点として抽出する。そして、選択された特徴点を中心とする円領域を設定し、Haar-wavelet変換により円領域の画素毎の勾配方向(画素の濃度データの変化の方向)を求める。求められた勾配方向をベクトルで表わすことで、ベクトルの総和を選択された特徴点の勾配方向とする。そして、スケール値により設定された円領域を4×4の16個のブロックに分割し、各ブロックにおいてサンプルとして選択した特徴点の勾配方向の総和に基づいて4次元の特徴ベクトルを求め、16×4の64次元の局所特徴量を設定する。
【0029】
設定された局所特徴量は、パーツ画像データ及び撮影画像データの間で比較して対応点検索を行う。対応点検索では、例えば、一方の画像データの1つの特徴点の局所特徴量と他方の画像データの全特徴点の局所特徴量との間でユークリッド距離を比較して、距離が最小となる特徴点同士を対応点とすればよい。
【0030】
対応点とされた特徴点同士が誤って設定される場合があることから、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)といった公知の手法を用いて、誤って設定された特徴点をできるだけ排除した特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。こうした処理を行うことで、画像データ中のノイズ、影、明るさの変動といった不安定要因の影響を受けにくい安定した処理結果を得ることができる。
【0031】
以上説明した手法以外にも、画像データの一般的なマッチング処理として公知の手法を用いることもできる。
【0032】
重み付け処理部104は、パーツ画像データにおいて柄合せの際に重要となる一部の柄模様や裁断ライン部分に対応する領域のマッチングポイントが、後述する補正処理部で優先的に使用されるように、抽出されたマッチングポイントに対して重み付け処理を行う。
例えば、特徴量が最も大きいマッチングポイントやマッチングポイントが集中している領域のものが優位となるよう、重み付け処理を行うようにすればよい。
また、例えば、位置決めを正確に行いたい柄模様に対して重み付け処理を行うこともできる。位置決めを正確に行いたい柄模様としては、例えば、胸や腰の位置にワンポイントで表示された柄模様が挙げられる。また、ポケット、ネックレス、ネクタイ、ベルト、ベスト、ボタンなどをイメージさせる柄模様(いわゆるフェイク柄)は、特定の位置に表示させることによってそれを着用しているような印象を与えるため、位置決めを正確に行なう必要がある。その他、縫製の際の縫い合わせの位置近傍に来る柄模様や、縫い合わせの位置を跨ぐ柄模様などにおいても、それらから抽出されたマッチングポイントが優位となるよう、重み付け処理を行うのが好ましい。
重み付け処理を行うことにより、後述する補正部105で補正量を算出する際に、重み付け処理によって優位とされた柄模様のマッチングポイントを優先的に使用して補正量を算出することになり、位置決めを正確に行いたい柄模様の柄合わせが優先的に行われる。
また、重み付け処理を行うことにより、位置決めを正確に行いたい柄模様から抽出されたマッチングポイントが、他の柄模様と比較して少ない場合であっても、他の柄模様のマッチングポイントに大きく左右されることなく、位置決めを正確に行いたい柄模様の柄合わせ優先的に行うことができる。
【0033】
重み付け処理によって優先的に柄合わせする領域を設定する方法としては、特徴量の分布に応じて自動的に設定してもよいが、予めデザイナーやユーザが柄模様の画像データを見ながら重み付けマップを作成して設定することもできる。また、撮影画像を表示しながら重み付け処理する領域を着色処理するといった手法で設定するようにしてもよい。
また、各マッチングポイントに重み付け処理を行う方法としては、例えば、優先的に柄合わせする領域内にあるマッチングポイントの特徴量には大きい係数をかけ、領域設定していない領域のマッチングポイントには小さい係数をかけるなどして、後述する補正処理部での補正の際に、優先的に柄合わせする領域内のマッチングポイントの特徴量が、領域設定していない領域のマッチングポイントの特徴量より大きくなるように操作する方法がある。前記係数は、適宜設定してもよく、重み付けマップに関連付けられた値(例えば着色濃度など)を使用してもよい。
また、前記重み付け処理を行った後で、全てのマッチングポイントから、閾値を設定するなどによって特徴量の大きいものから選定し、補正処理部では、選定したマッチングポイントで補正量を算出することも可能である。
【0034】
補正処理部105は、マッチング処理部103で抽出したマッチングポイントを用いて裁断位置の補正量を算出する。抽出された複数のマッチングポイントでは、布帛の歪み等によりマッチングポイントの間の座標位置の差分は一定とならないため、単純に偏差値を求めて補正量とすることはできない。そのため、複数のマッチングポイントから射影変換行列を推定して算出し、得られた射影変換行列に基づいて平行移動量及び回転角度を決定して裁断位置の補正量とする。この場合、射影変換行列を用いているが、それ以外の公知の手法(例えば、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、など)により補正量を算出するようにしてもよい。そして、得られた裁断位置の補正量に基づいて裁断ラインデータの補正を行う。
【0035】
裁断制御部106は、補正された裁断ラインデータに基づいて裁断ヘッド3を移動させて位置決めしながらレーザを照射するようにレーザ照射部15及び裁断ヘッド移動部16を制御し、布帛Fをレーザで裁断して各パーツを切り出す。
【0036】
図3は、布帛の裁断処理に関する処理フローである。まず、裁断ステージにセットされた布帛に対して上方から撮影カメラにより布帛全体に表示された柄模様を撮影して撮影画像データを得る(S101)。図4は、撮影された布帛F全体の柄模様に関する模式図である。この例では、4つのパーツP1〜P4について、柄模様M1〜M8がそれぞれ2つずつワンポイントで表示されている。なお、図4では、理解を容易にするため、パーツP1〜P4の形状に対応させてハッチング表示しているが、実際の布帛では柄模様のみが表示されている。
【0037】
次に、柄模様に関する画像データ及び裁断ラインデータに基づいて1つのパーツに対応するパーツ画像データを抽出する(S102)。図5は、裁断ラインに関する模式図(図5(a))及び柄模様に関する模式図(図5(b))である。裁断ラインデータp1〜p4は、図5(a)に示すように、4つのパーツの形状に対応する裁断ラインデータとして設定されており、柄模様に関する画像データm1〜m8は、図5(b)に示すように、パーツの形状に合わせて各画像の位置が設定されている。なお、図5(b)では、理解を容易にするため、裁断ラインデータp1〜p4のラインに対応させてハッチング表示しているが、柄模様のみの画像データとなっている。
【0038】
パーツ画像データを抽出する場合には、裁断ラインデータで囲まれるパーツ領域を柄模様に関する画像データに重ね合わせてパーツ領域に対応する画像データを抽出してパーツ画像データを得る。図6は、パーツP1に関するパーツ画像データに関する模式図である。図5(a)に示す裁断ラインデータp1と柄模様に関する画像データを重ね合わせてパーツP1の領域に含まれる柄模様に関する画像データm1及びm2を抽出してパーツ画像データを生成する。
【0039】
次に、得られた撮影画像データ及び1つのパーツ画像データについて特徴点を抽出する(S103)。ここでは、特徴点は、例えば、上述したSURFのような局所特徴量を算出して抽出する。図7は、パーツ画像データ及び撮影画像データにおいて抽出された特徴点を示す模式図であり、特徴点を白抜きの○印で表示している。この例では、図6に示すパーツ画像データから柄模様に対応して複数の特徴点si(i=1,・・・,n)が抽出され、撮影画像データから柄模様に対応して複数の特徴点Sj(j=1,・・・,m)が抽出される。
【0040】
そして、パーツ画像データの特徴点siと撮影画像データの特徴点Sjとの間で特徴量を比較して、特徴点同士をマッチングして特徴点の対を抽出し、誤った対応関係のものを排除してマッチングポイントを抽出する(S104)。両画像データの特徴点の特徴量を比較する場合には、上述したように、特徴量のユークリッド距離を最小とする組み合せの特徴点を対として抽出し、抽出した特徴点の対の中に誤った対応関係にあるものが存在する場合には、上述したRANSACといった手法を用いて、誤った対応関係にあるものを排除し、排除されなかった特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。図8は、マッチングポイントを示す模式図である。この例では、パーツ画像データの画像データm1に関する特徴点s1〜s3が、撮影画像データの画像データM1に関する特徴点S1〜S3に対応付けられたマッチングポイントとして抽出され、画像データm2に関する特徴点s4及びs5が、画像データM2に関する特徴点S4及びS5に対応付けられたマッチングポイントとして抽出される。
【0041】
次に、抽出されたマッチングポイントに重み付け処理を行う(S105)。重み付けするマッチングポイントは、1つだけ選択してもよいし複数選択することもできる。重み付けによって優位とするマッチングポイントの選択は、例えば、図9に示すように、予め各パーツにおいて柄合せに重要な柄模様を選択しておき(この例では点線の円Wで表示)、選択された柄模様に関する画像データに関するマッチングポイントが優位となるように重み付け処理すればよい。また、図10に示すように、柄模様に関する画像データを表示して、優先的に柄合わせを行う領域をブラシツール等の着色処理の方法により選択するようにしてもよい(この例では、ハッチング表示した円W’で表示)。この例では、柄模様に関する画像データを用いて、優先的に柄合わせを行う領域を選択しているが、撮影画像データを表示して選択するようにしてもよい。このように、着色処理で優先的に柄合わせを行う領域を選択すれば、デザイナーだけでなく一般の消費者も画面表示された画像データを見ながら簡単に選択することができる。
【0042】
次に、重み付けされたマッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出する(S106)。裁断位置の補正量は、上述したように、抽出したマッチングポイントから射影変換行列を算出し、算出された射影変換行列に基づいて平行移動量及び回転角度を決定して補正量とする。
【0043】
1つのパーツについて裁断位置の補正量が求められた後、次のパーツに対応する裁断ラインデータがあるかチェックし(S107)、次のパーツがある場合には、ステップS101に戻り、布帛を撮影した後次のパーツに対応するパーツ画像データを抽出して、上述した特徴点及びマッチングポイントの抽出、重み付け処理並びに補正処理と同様の処理を行う。すべてのパーツについて裁断位置の補正量が求められた後ステップS108に進み、求められた補正量に基づいて各パーツの裁断ラインを平行移動又は回転させるように裁断ラインデータを補正する(S108)。図11は、補正された裁断ラインデータp1’〜p4’を布帛Fの撮影画像データと重ね合わせた場合の模式図である。各裁断ラインデータは、一点鎖線の円Wで囲まれる柄模様に対して重み付けされて補正されており、そのため重み付けされた柄模様の柄合せが正確に行われるように裁断ラインが設定されている。
【0044】
そして、補正された裁断ラインデータに基づいて実際に布帛Fの表面に裁断ラインが投影されて表示され(S109)、最終的に作業者が肉眼で裁断ラインを確認した後、裁断ラインに沿って裁断ヘッドを移動させてレーザを照射して裁断処理が行われる(S110)。
【0045】
以上説明したように、布帛を裁断ステージに搬入する際に局所的に歪んだ状態でセットされた場合や柄模様を布帛に形成する際に布帛の伸縮性等により柄模様自体が歪んだ状態となる場合においても、パーツ画像データ及び撮影画像データに基づいて複数の特徴点のマッチングを行い複数のマッチングポイントを設定し、マッチングポイントから裁断位置の補正量を設定することで、裁断ラインを実際の布帛の柄模様に合わせて最適な位置に補正することができる。
【0046】
また、胸や腰の位置に配置された特定の柄模様のように柄合せに重要な柄模様がある場合や縫製箇所との関係で柄模様を正確に位置合せしたい場合には、対象となる領域のマッチングポイントへの重み付け処理によって裁断位置の補正量に反映させることができ、より厳密に柄合せを行うことができる。
【0047】
そして、顧客の体格に個別対応した裁断ラインや顧客の好みで選択した柄模様に対応して1枚1枚異なった柄模様の布帛を裁断する場合でも、それぞれの布帛の柄模様に合わせて裁断ラインをきめ細かく補正してパーツの裁断を行うことができ、多品種少量生産に対応可能な布帛裁断装置が得られる。
【符号の説明】
【0048】
1・・・裁断ステージ 2・・・送りローラ 3・・・裁断ヘッド 4・・・キャリッジ 5・・・ガイドレール 6・・・ミラー 7・・・レーザ照射装置 8・・・撮影装置 9・・・投影装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄模様が表示された布帛を予め設定された裁断ラインに沿って裁断する布帛裁断装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品等の製品を作製する場合、織物、編物、不織布等からなる布帛を裁断して製品の元となるパーツを作成し、作成されたパーツを縫製等により接合するといった工程を経て製品を仕上げることが一般的である。さらに、裁断する前の布帛に予め柄模様が表示されている場合には、一般に、表示された柄模様に合わせて裁断してパーツを作成する。なお、従来、布帛に表示される柄模様は染色処理により形成されていたが、近年では、インクジェット方式の記録装置により柄模様を形成することも提案されている。
【0003】
柄模様が作成された布帛を裁断する手段としては、従来の手作業による裁断のほか、自動裁断機による裁断が知られている。自動裁断機で裁断する場合には、通常、CAD等の画像処理装置によって設定された所定の裁断データに従って裁断される。
【0004】
しかしながら、柄模様が表示された布帛を実際に裁断する場合、布帛を裁断ステージにセットする際に布帛が歪みやすく、設定された裁断データに対応する柄模様の位置とは異なった位置に布帛の柄模様が表示されていることがある。この場合、実際の柄模様の位置に合わせて裁断データを補正する必要がある。
【0005】
これに対処するため、例えば、特許文献1では、理論上の柄に対して柄合せパターンを配置した柄入りシート材から柄合せパターンを裁断するための自動裁断機における柄合せ方法において、理論上の柄配置に対して選択した識別容易な特徴点の位置データと、延反された柄入りシート材上で検出した特徴点の位置データとの偏差を算出し、算出された偏差だけ柄合わせパターンを補正するようにした柄合せ方法が記載されている。また、特許文献2では、各パーツの位置情報に関連付けられた位置補正用ポイントマークを予め生地にプリントし、裁断ステージに搬入後、ポイントマークをカメラにより検出し設計値との位置のズレ量を算出することで位置補正を行うようにした裁断位置補正方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2538514号公報
【特許文献2】特許第4054556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された方法では、設計値と実際の裁断対象物上の特徴点を用いて位置データの偏差により補正しているが、柄模様全体ではなく特徴点のみに着目して補正しているため、柄模様全体の位置ずれを補正するには十分ではない。例えば、伸縮性の高い布帛の場合には、セットする際に局所的に布帛が歪むことがあり、特徴点の近傍領域では歪みが少なくてもそれ以外の領域で生じた歪みについては補正することが難しくなる。また、特許文献2に記載された方法では、各パーツの近傍にポイントマークをプリントするスペースを設ける必要があり、パーツの形状を設定する際に制約を受けることになる。そして、ポイントマークのズレ量のみで裁断位置の補正を行っているため、特許文献1に記載の方法と同様にプリントされた絵柄の歪みや生地の局所的な歪みを補正することは難しい。
【0008】
衣料品では、胸や腰に対応する位置に特定の柄模様を表示するデザインを用いる場合があるが、こうしたデザインでは胸や腰の位置からずれた位置に特定の柄模様が表示されると、デザインとしての意味がなくなる。例えば、胸や腰の位置にポケットをイメージさせる柄模様を表示するようなデザインでは、胸や腰の位置に正確に位置合せして表示しないとデザインとして無意味なものとなってしまう。
【0009】
こうした柄模様の位置合せは、例えば、顧客の体格に対応した位置合せや顧客の選択した柄模様に対応した位置合せ、といったように、顧客の要望にきめ細かく対応していく場合に重要となってくる。
【0010】
そこで、本発明は、布帛に表示された柄模様に対応して裁断ラインを補正して裁断することができる布帛裁断装置及び方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る布帛裁断装置は、柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットする布帛セット手段と、セットされた前記布帛をパーツの形状に裁断する裁断手段と、前記柄模様に対応する表示画像データ及び前記パーツの形状に対応する裁断ラインデータを記憶する記憶手段と、セットされた前記布帛に表示された前記柄模様を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された前記柄模様の撮影画像データを作成する撮影処理手段と、前記表示画像データ及び前記裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出する画像抽出手段と、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出する特徴点抽出手段と、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出して重み付け処理するマッチング処理手段と、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正する補正処理手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断するように前記裁断手段を制御する裁断制御手段とを備えている。さらに、セットされた前記布帛に裁断ラインを投影する投影手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛に前記裁断ラインを投影するように処理する投影処理手段とを備えている。
【0012】
本発明に係る布帛裁断方法は、柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットして当該布帛をパーツの形状に裁断する布帛裁断方法であって、セットされた布帛に表示された柄模様を撮影して当該柄模様の撮影画像データを作成し、前記柄模様に対応する表示画像データ及びパーツの形状に対応する裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出し、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出し、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出して重み付けし、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出し、算出された前記補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正し、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記の構成を有することで、布帛に表示された柄模様に対応して裁断ラインを補正して裁断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る布帛裁断装置に関する概略構成図である。
【図2】本発明に係る布帛裁断装置に関するブロック構成図である。
【図3】布帛の裁断処理に関する処理フローである。
【図4】布帛の撮影画像データに関する模式図である。
【図5】設定された裁断ライン及び柄模様に関する模式図である。
【図6】パーツ画像データに関する模式図である。
【図7】パーツ画像データ及び撮影画像データにおいて抽出された特徴点を示す模式図である。
【図8】マッチングポイントを示す模式図である。
【図9】柄模様に重み付けを設定する場合の模式図である。
【図10】柄模様に重み付けを設定する場合の模式図である。
【図11】補正された裁断ラインを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る布帛裁断装置に関する概略構成図である。布帛裁断装置は、柄模様Mが表示された布帛Fが裁断ステージ1上に送りローラ2により搬送されてセットされ、裁断ヘッド3により所定のパーツ形状に裁断されるようになっている。裁断ヘッド3は、キャリッジ4に搭載されて布帛Fの幅方向に移動可能に設けられており、キャリッジ4はガイドレール5に摺動可能に取り付けられている。そして、裁断ヘッド3及びキャリッジ4を図示せぬ駆動モータによりそれぞれ布帛Fの幅方向及び長手方向に移動させることで、布帛F上の所定の位置に位置決めしながら裁断ヘッド3により裁断動作を行って所定のパーツの形状に裁断することができる。
【0017】
裁断ヘッド3は、レーザ照射装置7からミラー6を介して裁断ヘッド3にレーザが照射されており、裁断ヘッド3からレーザが布帛Fに向かって照射することで布帛Fが熱溶断されるようになる。
【0018】
裁断ステージ1には、布帛Fの載置面全面にハニカム状の貫通孔1aが多数形成されており、裁断ステージ1の下面に配置された吸気装置(図示せず)により載置面上に布帛Fが吸引されて密着することで布帛Fがセットされる。
【0019】
裁断ステージ1の載置面の上方には、布帛Fに表示された柄模様Mを撮影する撮影装置8及び布帛F上に裁断ラインを投影して表示する投影装置9が設置されている。
【0020】
この例では、裁断手段としてレーザを用いているが、切断刃による裁断手段を用いてもよい。また、布帛Fは、織物、編物、不織布等のシート材に柄模様Mが表示されたものであり、柄模様Mは、インクジェット記録装置や印刷装置によるプリント方法や染色処理による形成方法等の公知の方法により表示されたものであればよい。柄模様Mは、異なる複数の色の糸を用いて布帛Fに織り込まれるか編み込まれて表示されたものや、シール等を布帛Fに接着して表示されたものであってもかまわない。
【0021】
図2は、布帛裁断装置に関するブロック構成図である。布帛裁断装置は、制御部10、投影部11、撮影部12、入力部13、記憶部14、レーザ照射部15、裁断ヘッド移動部16、布帛送り部17及び布帛セット部18を備えている。
【0022】
制御部10は、装置全体の動作を制御し、投影部11は、投影装置9を動作させて布帛Fの表面に裁断ラインを投影して表示させる。撮影部12は、裁断ステージ1の載置面にセットされた布帛F全体を撮影装置8により撮影して布帛Fに表示された柄模様Mに関する撮影画像データを作成する。入力部13は、裁断動作を行う際に設定するパラメータ等の操作入力を行ったり、投影した裁断ラインを確認して修正が必要な場合の修正データの入力を行う。
【0023】
記憶部14は、布帛Fにプリントした際に用いた柄模様の画像データ、裁断ラインデータ、撮影画像データ等の裁断処理に必要なデータを記憶しており、装置の動作制御に必要なプログラム及びデータについても記憶している。レーザ照射部15は、レーザ照射装置7を動作させてレーザを裁断ヘッド3に向けて照射させる。裁断ヘッド移動部16は、裁断ヘッド3及びキャリッジ4を移動させる駆動モータを動作させ、裁断ヘッド3を布帛F上の所定位置に移動させて位置決めする。布帛送り部17は、送りローラ2を駆動する駆動モータを動作させて布帛Fを裁断ステージの載置面に搬送する。布帛セット部18は、裁断ステージの下面に配置された吸気装置を動作させて載置面に布帛Fを吸着させてセットする。
【0024】
制御部10、入力部13及び記憶部14は、コンピュータ等の公知の情報処理装置を用いて構成することができる。制御部10としてCPUを用い、入力部13としてキーボードやマウス等の入力機器を用い、記憶部14として内蔵ハードディスク及び外付けハードディスクを用い、記憶部14に記憶されたプログラムをCPUに読み出して処理することで裁断動作に必要な機能を実現することができる。また、投影部11、撮影部12、レーザ照射部15、裁断ヘッド移動部16、布帛送り部17及び布帛セット部18は、それに対応する装置を情報処理装置に接続して用いることでその機能を実現することができる。
【0025】
制御部10は、撮影処理部100、投影処理部101、画像抽出部102、マッチング処理部103、重み付け処理部104、補正処理部105及び裁断制御部106を備えている。撮影処理部100は、撮影部12から入力された布帛Fの撮影画像を処理して撮影画像データを生成する。投影処理部101は、後述するように、補正処理部105で補正された裁断ラインデータを処理して投影部11から布帛Fの表面に投影して表示するように制御する。
【0026】
画像抽出部102は、記憶部14に記憶された柄模様の画像データ及び裁断ラインデータに基づいて、裁断ラインデータにより画定される各パーツの形状に対応する領域に含まれる柄模様の画像データを抽出して各パーツのパーツ画像データを生成する。
【0027】
マッチング処理部103は、パーツ画像データ及び撮影画像データからそれぞれ複数の特徴点を抽出し、パーツ画像データの特徴点と撮影画像データの特徴点との間の特徴量のマッチングを行い、特徴量の近い両画像データの特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。
【0028】
画像データの特徴点の抽出には、公知のマッチング処理方法が用いられる。例えば、SURF(Speed-Up Robust Features)又はSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)といった局所特徴量を画像データに基づいて算出して行えばよい。SURFでは、画像データの画素毎のデータに基づいてヘッセ行列の行列値が極大となる領域を特徴点として抽出する。そして、選択された特徴点を中心とする円領域を設定し、Haar-wavelet変換により円領域の画素毎の勾配方向(画素の濃度データの変化の方向)を求める。求められた勾配方向をベクトルで表わすことで、ベクトルの総和を選択された特徴点の勾配方向とする。そして、スケール値により設定された円領域を4×4の16個のブロックに分割し、各ブロックにおいてサンプルとして選択した特徴点の勾配方向の総和に基づいて4次元の特徴ベクトルを求め、16×4の64次元の局所特徴量を設定する。
【0029】
設定された局所特徴量は、パーツ画像データ及び撮影画像データの間で比較して対応点検索を行う。対応点検索では、例えば、一方の画像データの1つの特徴点の局所特徴量と他方の画像データの全特徴点の局所特徴量との間でユークリッド距離を比較して、距離が最小となる特徴点同士を対応点とすればよい。
【0030】
対応点とされた特徴点同士が誤って設定される場合があることから、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)といった公知の手法を用いて、誤って設定された特徴点をできるだけ排除した特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。こうした処理を行うことで、画像データ中のノイズ、影、明るさの変動といった不安定要因の影響を受けにくい安定した処理結果を得ることができる。
【0031】
以上説明した手法以外にも、画像データの一般的なマッチング処理として公知の手法を用いることもできる。
【0032】
重み付け処理部104は、パーツ画像データにおいて柄合せの際に重要となる一部の柄模様や裁断ライン部分に対応する領域のマッチングポイントが、後述する補正処理部で優先的に使用されるように、抽出されたマッチングポイントに対して重み付け処理を行う。
例えば、特徴量が最も大きいマッチングポイントやマッチングポイントが集中している領域のものが優位となるよう、重み付け処理を行うようにすればよい。
また、例えば、位置決めを正確に行いたい柄模様に対して重み付け処理を行うこともできる。位置決めを正確に行いたい柄模様としては、例えば、胸や腰の位置にワンポイントで表示された柄模様が挙げられる。また、ポケット、ネックレス、ネクタイ、ベルト、ベスト、ボタンなどをイメージさせる柄模様(いわゆるフェイク柄)は、特定の位置に表示させることによってそれを着用しているような印象を与えるため、位置決めを正確に行なう必要がある。その他、縫製の際の縫い合わせの位置近傍に来る柄模様や、縫い合わせの位置を跨ぐ柄模様などにおいても、それらから抽出されたマッチングポイントが優位となるよう、重み付け処理を行うのが好ましい。
重み付け処理を行うことにより、後述する補正部105で補正量を算出する際に、重み付け処理によって優位とされた柄模様のマッチングポイントを優先的に使用して補正量を算出することになり、位置決めを正確に行いたい柄模様の柄合わせが優先的に行われる。
また、重み付け処理を行うことにより、位置決めを正確に行いたい柄模様から抽出されたマッチングポイントが、他の柄模様と比較して少ない場合であっても、他の柄模様のマッチングポイントに大きく左右されることなく、位置決めを正確に行いたい柄模様の柄合わせ優先的に行うことができる。
【0033】
重み付け処理によって優先的に柄合わせする領域を設定する方法としては、特徴量の分布に応じて自動的に設定してもよいが、予めデザイナーやユーザが柄模様の画像データを見ながら重み付けマップを作成して設定することもできる。また、撮影画像を表示しながら重み付け処理する領域を着色処理するといった手法で設定するようにしてもよい。
また、各マッチングポイントに重み付け処理を行う方法としては、例えば、優先的に柄合わせする領域内にあるマッチングポイントの特徴量には大きい係数をかけ、領域設定していない領域のマッチングポイントには小さい係数をかけるなどして、後述する補正処理部での補正の際に、優先的に柄合わせする領域内のマッチングポイントの特徴量が、領域設定していない領域のマッチングポイントの特徴量より大きくなるように操作する方法がある。前記係数は、適宜設定してもよく、重み付けマップに関連付けられた値(例えば着色濃度など)を使用してもよい。
また、前記重み付け処理を行った後で、全てのマッチングポイントから、閾値を設定するなどによって特徴量の大きいものから選定し、補正処理部では、選定したマッチングポイントで補正量を算出することも可能である。
【0034】
補正処理部105は、マッチング処理部103で抽出したマッチングポイントを用いて裁断位置の補正量を算出する。抽出された複数のマッチングポイントでは、布帛の歪み等によりマッチングポイントの間の座標位置の差分は一定とならないため、単純に偏差値を求めて補正量とすることはできない。そのため、複数のマッチングポイントから射影変換行列を推定して算出し、得られた射影変換行列に基づいて平行移動量及び回転角度を決定して裁断位置の補正量とする。この場合、射影変換行列を用いているが、それ以外の公知の手法(例えば、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、など)により補正量を算出するようにしてもよい。そして、得られた裁断位置の補正量に基づいて裁断ラインデータの補正を行う。
【0035】
裁断制御部106は、補正された裁断ラインデータに基づいて裁断ヘッド3を移動させて位置決めしながらレーザを照射するようにレーザ照射部15及び裁断ヘッド移動部16を制御し、布帛Fをレーザで裁断して各パーツを切り出す。
【0036】
図3は、布帛の裁断処理に関する処理フローである。まず、裁断ステージにセットされた布帛に対して上方から撮影カメラにより布帛全体に表示された柄模様を撮影して撮影画像データを得る(S101)。図4は、撮影された布帛F全体の柄模様に関する模式図である。この例では、4つのパーツP1〜P4について、柄模様M1〜M8がそれぞれ2つずつワンポイントで表示されている。なお、図4では、理解を容易にするため、パーツP1〜P4の形状に対応させてハッチング表示しているが、実際の布帛では柄模様のみが表示されている。
【0037】
次に、柄模様に関する画像データ及び裁断ラインデータに基づいて1つのパーツに対応するパーツ画像データを抽出する(S102)。図5は、裁断ラインに関する模式図(図5(a))及び柄模様に関する模式図(図5(b))である。裁断ラインデータp1〜p4は、図5(a)に示すように、4つのパーツの形状に対応する裁断ラインデータとして設定されており、柄模様に関する画像データm1〜m8は、図5(b)に示すように、パーツの形状に合わせて各画像の位置が設定されている。なお、図5(b)では、理解を容易にするため、裁断ラインデータp1〜p4のラインに対応させてハッチング表示しているが、柄模様のみの画像データとなっている。
【0038】
パーツ画像データを抽出する場合には、裁断ラインデータで囲まれるパーツ領域を柄模様に関する画像データに重ね合わせてパーツ領域に対応する画像データを抽出してパーツ画像データを得る。図6は、パーツP1に関するパーツ画像データに関する模式図である。図5(a)に示す裁断ラインデータp1と柄模様に関する画像データを重ね合わせてパーツP1の領域に含まれる柄模様に関する画像データm1及びm2を抽出してパーツ画像データを生成する。
【0039】
次に、得られた撮影画像データ及び1つのパーツ画像データについて特徴点を抽出する(S103)。ここでは、特徴点は、例えば、上述したSURFのような局所特徴量を算出して抽出する。図7は、パーツ画像データ及び撮影画像データにおいて抽出された特徴点を示す模式図であり、特徴点を白抜きの○印で表示している。この例では、図6に示すパーツ画像データから柄模様に対応して複数の特徴点si(i=1,・・・,n)が抽出され、撮影画像データから柄模様に対応して複数の特徴点Sj(j=1,・・・,m)が抽出される。
【0040】
そして、パーツ画像データの特徴点siと撮影画像データの特徴点Sjとの間で特徴量を比較して、特徴点同士をマッチングして特徴点の対を抽出し、誤った対応関係のものを排除してマッチングポイントを抽出する(S104)。両画像データの特徴点の特徴量を比較する場合には、上述したように、特徴量のユークリッド距離を最小とする組み合せの特徴点を対として抽出し、抽出した特徴点の対の中に誤った対応関係にあるものが存在する場合には、上述したRANSACといった手法を用いて、誤った対応関係にあるものを排除し、排除されなかった特徴点の対をマッチングポイントとして抽出する。図8は、マッチングポイントを示す模式図である。この例では、パーツ画像データの画像データm1に関する特徴点s1〜s3が、撮影画像データの画像データM1に関する特徴点S1〜S3に対応付けられたマッチングポイントとして抽出され、画像データm2に関する特徴点s4及びs5が、画像データM2に関する特徴点S4及びS5に対応付けられたマッチングポイントとして抽出される。
【0041】
次に、抽出されたマッチングポイントに重み付け処理を行う(S105)。重み付けするマッチングポイントは、1つだけ選択してもよいし複数選択することもできる。重み付けによって優位とするマッチングポイントの選択は、例えば、図9に示すように、予め各パーツにおいて柄合せに重要な柄模様を選択しておき(この例では点線の円Wで表示)、選択された柄模様に関する画像データに関するマッチングポイントが優位となるように重み付け処理すればよい。また、図10に示すように、柄模様に関する画像データを表示して、優先的に柄合わせを行う領域をブラシツール等の着色処理の方法により選択するようにしてもよい(この例では、ハッチング表示した円W’で表示)。この例では、柄模様に関する画像データを用いて、優先的に柄合わせを行う領域を選択しているが、撮影画像データを表示して選択するようにしてもよい。このように、着色処理で優先的に柄合わせを行う領域を選択すれば、デザイナーだけでなく一般の消費者も画面表示された画像データを見ながら簡単に選択することができる。
【0042】
次に、重み付けされたマッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出する(S106)。裁断位置の補正量は、上述したように、抽出したマッチングポイントから射影変換行列を算出し、算出された射影変換行列に基づいて平行移動量及び回転角度を決定して補正量とする。
【0043】
1つのパーツについて裁断位置の補正量が求められた後、次のパーツに対応する裁断ラインデータがあるかチェックし(S107)、次のパーツがある場合には、ステップS101に戻り、布帛を撮影した後次のパーツに対応するパーツ画像データを抽出して、上述した特徴点及びマッチングポイントの抽出、重み付け処理並びに補正処理と同様の処理を行う。すべてのパーツについて裁断位置の補正量が求められた後ステップS108に進み、求められた補正量に基づいて各パーツの裁断ラインを平行移動又は回転させるように裁断ラインデータを補正する(S108)。図11は、補正された裁断ラインデータp1’〜p4’を布帛Fの撮影画像データと重ね合わせた場合の模式図である。各裁断ラインデータは、一点鎖線の円Wで囲まれる柄模様に対して重み付けされて補正されており、そのため重み付けされた柄模様の柄合せが正確に行われるように裁断ラインが設定されている。
【0044】
そして、補正された裁断ラインデータに基づいて実際に布帛Fの表面に裁断ラインが投影されて表示され(S109)、最終的に作業者が肉眼で裁断ラインを確認した後、裁断ラインに沿って裁断ヘッドを移動させてレーザを照射して裁断処理が行われる(S110)。
【0045】
以上説明したように、布帛を裁断ステージに搬入する際に局所的に歪んだ状態でセットされた場合や柄模様を布帛に形成する際に布帛の伸縮性等により柄模様自体が歪んだ状態となる場合においても、パーツ画像データ及び撮影画像データに基づいて複数の特徴点のマッチングを行い複数のマッチングポイントを設定し、マッチングポイントから裁断位置の補正量を設定することで、裁断ラインを実際の布帛の柄模様に合わせて最適な位置に補正することができる。
【0046】
また、胸や腰の位置に配置された特定の柄模様のように柄合せに重要な柄模様がある場合や縫製箇所との関係で柄模様を正確に位置合せしたい場合には、対象となる領域のマッチングポイントへの重み付け処理によって裁断位置の補正量に反映させることができ、より厳密に柄合せを行うことができる。
【0047】
そして、顧客の体格に個別対応した裁断ラインや顧客の好みで選択した柄模様に対応して1枚1枚異なった柄模様の布帛を裁断する場合でも、それぞれの布帛の柄模様に合わせて裁断ラインをきめ細かく補正してパーツの裁断を行うことができ、多品種少量生産に対応可能な布帛裁断装置が得られる。
【符号の説明】
【0048】
1・・・裁断ステージ 2・・・送りローラ 3・・・裁断ヘッド 4・・・キャリッジ 5・・・ガイドレール 6・・・ミラー 7・・・レーザ照射装置 8・・・撮影装置 9・・・投影装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットする布帛セット手段と、セットされた前記布帛をパーツの形状に裁断する裁断手段と、前記柄模様に対応する表示画像データ及び前記パーツの形状に対応する裁断ラインデータを記憶する記憶手段と、セットされた前記布帛に表示された前記柄模様を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された前記柄模様の撮影画像データを作成する撮影処理手段と、前記表示画像データ及び前記裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出する画像抽出手段と、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出するとともに前記撮影画像データの当該特徴点及び前記パーツ画像データの当該特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出するマッチング処理手段と、抽出された前記マッチングポイントに重み付けする重み付け処理手段と、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正する補正処理手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断するように前記裁断手段を制御する裁断制御手段とを備えている布帛裁断装置。
【請求項2】
セットされた前記布帛に裁断ラインを投影する投影手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛に前記裁断ラインを投影するように処理する投影処理手段とを備えている請求項1に記載の布帛裁断装置。
【請求項3】
柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットして当該布帛をパーツの形状に裁断する布帛裁断方法であって、セットされた布帛に表示された柄模様を撮影して当該柄模様の撮影画像データを作成し、前記柄模様に対応する表示画像データ及びパーツの形状に対応する裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出し、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出し、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出し、抽出された前記マッチングポイントに重み付けし、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出し、算出された前記補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正し、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断する布帛裁断方法。
【請求項1】
柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットする布帛セット手段と、セットされた前記布帛をパーツの形状に裁断する裁断手段と、前記柄模様に対応する表示画像データ及び前記パーツの形状に対応する裁断ラインデータを記憶する記憶手段と、セットされた前記布帛に表示された前記柄模様を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された前記柄模様の撮影画像データを作成する撮影処理手段と、前記表示画像データ及び前記裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出する画像抽出手段と、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出するとともに前記撮影画像データの当該特徴点及び前記パーツ画像データの当該特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出するマッチング処理手段と、抽出された前記マッチングポイントに重み付けする重み付け処理手段と、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出するとともに算出された当該補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正する補正処理手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断するように前記裁断手段を制御する裁断制御手段とを備えている布帛裁断装置。
【請求項2】
セットされた前記布帛に裁断ラインを投影する投影手段と、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛に前記裁断ラインを投影するように処理する投影処理手段とを備えている請求項1に記載の布帛裁断装置。
【請求項3】
柄模様が表示された布帛を裁断ステージにセットして当該布帛をパーツの形状に裁断する布帛裁断方法であって、セットされた布帛に表示された柄模様を撮影して当該柄模様の撮影画像データを作成し、前記柄模様に対応する表示画像データ及びパーツの形状に対応する裁断ラインデータに基づいて各パーツに対応するパーツ画像データを抽出し、前記撮影画像データ及び前記パーツ画像データの特徴点をそれぞれ抽出し、前記撮影画像データの前記特徴点及び前記パーツ画像データの前記特徴点を対応付けたマッチングポイントを抽出し、抽出された前記マッチングポイントに重み付けし、重み付けされた前記マッチングポイントに基づいて裁断位置の補正量を算出し、算出された前記補正量に基づいて前記裁断ラインデータを補正し、補正された前記裁断ラインデータに基づいて前記布帛を裁断する布帛裁断方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−193473(P2012−193473A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58570(P2011−58570)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】
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