説明

布状のパーソナルケア用品

当該用品は、繊維性不織布ウェブを含み、このウェブに関連付けられたパーソナルケア組成物を有する。本発明は、皮膚、毛髪、若しくは他の同様のケラチン含有表面をクレンジング且つ/又は処置するのに有用な、使い捨てパーソナルケア用品に関する。これらの用品は、乾燥した状態の用品を水で濡らし、次いで当該用品を皮膚、毛髪、若しくは他の同様のケラチン含有表面に擦り付けることによって、又は、濡れた状態の使い捨てパーソナルケア用品を取り、皮膚、毛髪、若しくは他の同様のケラチン含有表面に擦り付けることによって、又は、湿った状態の使い捨てパーソナルケア用品を取り、皮膚、毛髪、若しくは他の同様のケラチン含有表面に擦り付けることによって、消費者に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その処置が必要な皮膚、毛髪、及び体表面の同様のケラチン含有組織をクレンジング且つ/又は処置するのに有用な、布状の使い捨てパーソナルケア用品に関し、より詳細には、繊維性不織布ウェブと共に、前記不織布繊維ウェブに適用された処置組成物及び/又はクレンジング組成物を含む、使い捨てクレンジング用品に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア製品は、従来、固形石鹸、クリーム、ローション、及びジェルのような様々な形態で販売されてきた。これらのパーソナルケア製品は、消費者に許容可能となるための多くの基準を満たすことが試みられている。これらの基準には、クレンジングの有効性、肌触り、皮膚、毛髪、及び眼の粘膜に対する低刺激性、並びに十分な泡体積が含まれる。理想的なパーソナルケア製品は、皮膚若しくは毛髪を穏やかにクレンジング、処置、又はコンディショニングし、ほとんど又は全く炎症を引き起こさず、頻繁に使用した後で皮膚若しくは毛髪を過度に乾燥させないものでなければならない。パーソナルケア製品は、しばしば、クレンジング配合物を保持する、又は皮膚若しくは毛髪に別個のクレンジング、処置、若しくはコンディショニング配合物を与えるために使用される、繊維性不織布ウェブ若しくは他の用具(例えば、洗い布、ヘチマ、擦り洗いタオル、網目状のメッシュなど)を用いた用品と共に使用され、或いはそのような用品の形態で販売される。
【0003】
パーソナルケアクレンジング製品及び用品の従来型の形態は、効果的なクレンジング及び泡立ちを提供するのに非常に有用な場合がある。しかし、そのような従来の製品及び用品は、皮膚若しくは毛髪の利益をもたらす他の望ましい薬剤を同時には提供しない。この問題の解決策の1つは、別個のクレンジング製品/用品及び処置製品/用品を使用することである。しかし、これは、必ずしも便利又は実用的ではなく、多くの消費者は、皮膚若しくは毛髪をクレンジング且つ処置できる単一の用品の使用を好む。典型的なパーソナルケア用品製品では、皮膚コンディショナーのような処置剤は、しばしばクレンジング界面活性剤と適合性がなく、結果的に望ましくない不均質な混合物の原因となるので、配合が困難である。配合者は、コンディショナーのような処置生成物と界面活性剤との均質な混合物を得るために、乳化剤、増粘剤、及びゲル化剤を添加して、コンディショニング成分を界面活性剤混合物中に懸濁させる。得られる組成物は、見た目の良い均質な混合物であるが、コンディショナーが乳化してクレンジングの間に効率的に放出されないので、コンディショナーは、皮膚又は毛髪上に効果的に付着しない。また、多くの処置剤には、泡の発生を抑制するという欠点がある。多くの消費者が上質なクリーム状の豊かな泡を提供するクレンジング用品を求めるので、抑泡性は問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、界面活性剤と他の皮膚及び毛髪処置剤とを組み合わせようと試みる従来のパーソナルケア製品及び用品に、界面活性剤とそのような処置剤との不適合性に本質的に起因した欠点があることがわかる。単一の用品で、効果的なクレンジング、効果的な泡性を提供し、またさらに常に十分な毛髪及び皮膚処置を提供できるパーソナルケアシステムの開発が、明らかに必要とされている。加えて、個人の洗浄場所を散乱させないような形で取り扱うことのできる、単位用量、角質除去、及び柔軟性を提供するパーソナルケア用品が必要とされている。
【0005】
本発明のパーソナルケア用品は、クレンジング並びに治療的若しくは審美的有益剤の適用に有用な、1回使い捨てパーソナルケア用品又は多数回使い捨て用品のいずれかの形態であるので、使用が便利である。使い捨て用品は、クレンジング用品、処置用品、及びコンディショニング用品の、厄介なボトル、固形物、広口瓶、チューブ、並びに他の形態を運ぶ必要がないので、便利である。また、何度も再使用することが意図されたスポンジ、洗い布、又は他のクレンジング用具は、繰り返し使用に関連して細菌を増殖させ、不快な臭気を発し、また他の望ましくない特徴を生じさせるので、使い捨て用品は、このような用具の使用に代わる、より衛生的な代替品でもある。繊維ウェブは、当該技術分野において周知である。例えば、ポリマー繊維から形成されるウェブのような繊維性不織布ウェブは、例えばおむつのような吸収性用品上の表層のような使い捨て製品に有用な材料として周知である。本発明の好ましい実施形態では、当該用品は、パーソナルケア用途に適しており、そのような処置が必要な皮膚、毛髪、及び同様のケラチン含有表面をクレンジングし、且つ/又は治療的に処置するのに有用である。
【0006】
多くの用途では、繊維ウェブが嵩高な外見及び/又は柔軟性を有することが望ましい。例えば、テリー織の布として知られる織物は、嵩高な外見及び柔軟性を有し、しばしば、バスタオル、拭き取り布、よだれかけ、衣料品、及び室内装飾用の布地に使用される。テリー織の布は、レーピア織機のような特製の織機で織られる。テリー織の布は、糸の房状のループを特徴としており、タフトのループ数及びループ密度を変化させることができる。しかし、テリー織の布は、その製造に比較的複雑で高価な織機を必要とするので、比較的高価である。テリー織の布は、その費用ゆえに、多くの用途、特に使い捨て吸収性用品のような限られた使用が意図される用品には商業化不可能である。
【0007】
テリー織の布の外観を有する繊維性不織布ウェブ布地の生産が試みられてきた。例えば、米国特許第4,465,726号及び米国特許第4,379,799号(共にホルムズ(Holmes)ら)は、特別の成形ベルト上で繊維を流体交絡させることによって生産される、有孔でリブ付きの、テリー織の布状の繊維性不織布ウェブ布地を記載している。ホルムズ(Holmes)らの特許に開示の方法で孔を回避できるとしても、流体交絡は、繊維性不織布ウェブ、特に使い捨て用品用のウェブの製造には、比較的高価な処理であることが周知である。さらに、流体交絡によって形成されたウェブは、通常、ウェブのすべての領域で流体の力に曝されているので、ウェブ全体が、加えられた流体力の機械的エネルギーを受ける。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、そのような処置が必要な皮膚、毛髪、及び同様のケラチン含有組織、又は他の体表面をクレンジング且つ/又は処置するのに特に有用な、使い捨てパーソナルケア用品に関する。このような各用品は、第1表面及び第2表面を有し、第1領域と、複数の不連続な一体的第2領域とを含む繊維性不織布ウェブを含んでおり、当該第2領域は、直線的な配向を示す不連続部と、第1領域に一体的であるが当該第1領域から延びる複数の房状の繊維を含む変形部とを有しており、各用品は、さらに、ウェブに関連付けられたパーソナルケア組成物を含む。
【0009】
さらに、これらの用品は、より広範な用途で設計された別のパーソナルケア用具内で、又は当該パーソナルケア用具と併せて使用するのに適している。この場合、本発明の用品は、容易に使い捨てできない別個のパーソナルケア用具、例えばバスタオル若しくは洗い布の内部に配置され、又は当該パーソナルケア用具に取り付けられる。加えて、本発明の使い捨て用品は、クレンジング且つ/又は処置すべき表面上で用品を動かすのに適したハンドル若しくはグリップに着脱式に取り付けてもよい。本発明の用品は、好ましい実施形態ではパーソナルケア用途に適しているが、また同様に、表面若しくは領域が、クレンジングを必要とする、且つ/又は、有益剤、例えばワックス、コンディショナー、UV保護剤、及び他の同様の応用製品の適用を必要とする、自動車の手入れ、海洋輸送手段の手入れ、家庭内の手入れ、動物の世話などのような他の様々な産業でも有用な場合がある。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、用品は、パーソナルケア用途に適しており、十分な泡を生成しながら、皮膚、毛髪、及び身体の同様のケラチン含有表面、主に皮膚及び毛髪をクレンジング且つ/又は処置するのに有用である。
本発明は、また、低泡性〜非泡性の、皮膚、毛髪、及び身体の同様のケラチン含有表面、主に皮膚及び毛髪をクレンジング且つ/又は処置するのに有用なパーソナルケア用品に関する。
加えて、本発明は、また、皮膚、毛髪、及び身体の同様のケラチン含有表面、主に皮膚及び毛髪に有益剤を放出することによって当該ケラチン含有表面を治療的に処置するのに有用なパーソナルケア用品に関する。
【0011】
本発明は、また、本明細書に記載の構成のパーソナルケア用品を製造する方法に関する。また、本発明は、本明細書に記載の用品を使用して、皮膚若しくは毛髪及び身体の類似のケラチン含有表面、主に皮膚及び毛髪をクレンジング且つ処置する方法を提供する。
本発明は、また、パーソナルケア組成物がそれに関連付けられた複数の繊維性不織布ウェブを含んだキットを対象とする。加えて、本発明は、また、その上に処置及び/又はクレンジング組成物を持たない複数の繊維性不織布ウェブを含んだキットであって、当該ウェブが、使用時に皮膚、毛髪、及び身体の同様のケラチン含有表面のクレンジング及び/又は処置を達成する特定のタイプの組成物と共に包装される、キットを対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のパーソナルケア用品の必須要素、すなわち、第1表面及び第2表面を有する前駆体ウェブの選択的機械変形によって形成される繊維性不織布ウェブ、並びにパーソナルケア組成物について、以下の通り詳細に説明する。特に指示がない限り、本明細書で使用されるすべてのパーセンテージ及び比率は、特に指示がない限り組成物の総重量によるものであり、すべての測定は、特に指定がない限り25℃で実施される。本発明は、本明細書に記載の必須成分及び必須構成要素、並びに任意成分及び任意構成要素を含み、それらから成り、又はそれらから本質的に成ることができる。
【0013】
本明細書で使用する時、「ウェブに関連付けられた組成物」とは、ウェブの形成前に個々の繊維若しくは繊維内部に適用された組成物、ウェブに染み込んだ組成物、ウェブの露出した表面上、表面内、若しくは表面に隣接してコーティングされた組成物、又はウェブに放出可能に関連付けられた組成物を意味する。「ウェブに関連付けられた組成物」の存在は、タフトの可視性に干渉することがあるので、「ウェブに関連付けられた組成物」を機械的に又は溶媒(水、アルコール、イソドデカン)で除去し、ウェブを乾燥させてから、「ウェブに関連付けられた組成物」が除去されたタフトを評価しなければならない。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「ランダムに」とは、例えば、糸の中の繊維並びに織の中の糸の明確な配向と比べたときのカードウェブ内の繊維のような、平面内の配向の全体的欠如を示すことを意味する。CDウェブ強度に比べてMDウェブ強度を向上させる少量の配向のように、いくらかの非対称性をもつ繊維ウェブは、糸が織の中に置かれているようには繊維がウェブ内の特定の場所に置かれていないという点で、やはり本質的にランダムと見なされる。
【0015】
本明細書で使用する時、「流体」とは、粘性を有する、水、一価及び多価アルコール類(グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、イソプロパノールなど)、鉱油のような炭化水素油類、シリコーン油類を意味しており、それらの中に溶解若しくは分散した、又はそれらに添加された他の構成成分を含有することができる。
【0016】
「泡性界面活性剤」とは、流体と合わせて機械的に攪拌した時にフォーム又は泡を発生させる界面活性剤を意味する。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「身体用クレンジング組成物」は、製品又は用品が、本明細書の定常的泡体積試験に記載の定常的総泡体積を少なくとも1400ml発生できるような、十分な量の本明細書に記載の界面活性剤を含有することを意味する。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「顔用クレンジング組成物」は、組成物が、機械的泡体積試験に記載の機械的泡体積を少なくとも約85ml発生できるような、十分な量の本明細書に記載の界面活性剤を含有することを意味する。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「低泡性」又は「非泡性」は、組成物が、定常的泡体積試験に記載の定常的瞬間泡体積を最大でも700mlしか発生させないことを意味する。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「処置剤又は組成物」は、身体のケラチン含有表面、主に皮膚及び毛髪に、美容的及び治療的利益を与えるための配合物を意味する。
【0021】
用語「使い捨て」は、本明細書では通常の意味で使用されており、限られた回数使用された後、好ましくは5回未満、より好ましくは約3回未満、さらに好ましくは約2回未満の完全使用後に処分又は廃棄される用品を意味する。
【0022】
本明細書で使用する時、用語「皮膚コンディショニング組成物」は、水溶性コンディショニング剤、油溶性コンディショニング剤、コンディショニングエマルション、又はこれら3つのいずれかの組み合わせ若しくは順列を含むことのできる、コンディショニング剤の組み合わせを意味する。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「水で活性化される」は、本発明の用品に、流体で濡らされてから使用される形態で消費者に提供されるものがあることを意味する。これらの用品を流体と接触させ、若しくはこれらの用品を流体と共に生産し、さらに擦過のような機械的な力に曝すことによって、これらの用品が泡を生成し、又は「活性化される」ことがわかる。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「実質的に乾燥した」は、使用前に、用品が流体を実質的に含まず、触ると全体的に乾燥した感触であることを意味する。本明細書で使用する時、「実質的に乾燥した」は、本発明の用品が、約0.95g未満、好ましくは約0.75g未満、より好ましくは約0.5g未満、さらに好ましくは約0.25g未満、さらに好ましくは約0.15g未満、最も好ましくは約0.1g未満の水分保持量を示すことを意味する。水分保持量の決定については後述する。ゆえに、本発明の「実質的に乾燥した」用品は、一般に、約20重量%未満の流体、好ましくは4重量%〜約20重量%の流体、より好ましくは約4重量%〜約16重量%の流体を含む。
【0025】
本明細書で使用する時、用語「湿った」は、使用前に、用品が、触ると比較的乾燥した感触を与えることができ、それでも流体含有量が多いことを意味する。ゆえに、本発明の「湿った」用品は、一般に約20重量%〜約40重量%の流体を含む。
【0026】
用語「濡れた」は、使用前に、用品が、触ると濡れた感触を与えることができ、且つ流体含有量が多いことを意味する。「濡れた」用品中の流体の重量パーセントは、組成物の総重量に基づく。重量は、全組成物の重量として表される。ゆえに、本発明の「濡れた」用品は、一般に、約40重量%より多くの流体、好ましくは40重量%〜約95重量%の流体、より好ましくは約50重量%〜約80重量%の流体を含む。
【0027】
(房状の繊維ウェブ)
図1は、本発明のウェブ1を示す。ウェブ1は、第1表面12と第2表面14とを有し、且つ繊維性不織布ウェブの技術分野で一般に知られている機械方向(MD)と機械横方向(CD)とを有する、概ね平面的且つ2次元的な繊維性の不織の前駆体ウェブ20(図7参照)から形成される。第1表面12は、ウェブ1の第1「側部」に対応し、第2表面14は、ウェブ1の第2「側部」に対応しており、用語「側部」は、紙及びフィルムのような概ね2次元的なウェブの一般的な用法で使用されている。すべての実施形態において、前駆体ウェブ20は、繊維性不織布ウェブであり、ランダムに配向した繊維、すなわち少なくともMD及びCDに対して本質的にランダムに配向した繊維で構成される。
【0028】
繊維性不織布ウェブの前駆体ウェブ20は、より詳細に後述するように、ウェブ1へと成形されるのに十分な繊維伸長性及び移動性を有する繊維を含む、いずれか公知の繊維性不織布ウェブにすることができる。ウェブ1は、前駆体ウェブ20の概ね平面的且つ2次元的な構成によってウェブ1の両側に画定される第1領域2と、前駆体ウェブ20の繊維の一体的な拡張部である離隔された変形部6及び不連続部16によって画定される、複数の不連続な第2領域4とを有する。第2領域4の構造は、ウェブ1のどちら側が考慮されるかによって異なる。図1及び図2に示したウェブ1の実施形態の場合は、ウェブ1の第1表面12に関連付けられたウェブ1の側部では、第2領域4が変形部6を含んでおり、各変形部6が、第1表面12から外側に延びる複数のタフト状・ループ状の整列した繊維8を含む。変形部6は、繊維の「タフト」として記述することができ、各変形部6は、図3に示したように、第1表面12の近位にある基部5と、第1表面12から最大の距離にある遠位部分3とを有する。第2表面14に関連付けられたウェブ1の側部では、第2領域4は、ウェブ1の第2表面14上の繊維配向の不連続部によって画定される、表面12の前記変形部6に対応する不連続部16を含む。以下で示すように、ウェブ1の他の実施形態では、変形部6は、タフト又は房状のとして記述されることがあるが、ループ状又は整列した繊維を含まない場合もある。加えて、前記変形部を、ループ又は非ループ状領域を含むことのできるタフトにすることもできる。
【0029】
本明細書で使用する時、用語「繊維性不織布ウェブ」は、個々の繊維又は糸が中に組み込まれているが、配向した繊維を有する織られた又は編まれた布地の場合のような繰り返しパターンではない構造を有するウェブを指す。繊維性不織布ウェブ又は布地は、必ずしもこれらに限定するものではないが、メルトブローイング法、スパンボンディング法、エアレイイング法、水流交絡法、スパンレーシング法、及びボンデッドカードウェブ法を含めた多くの方法によって形成されてきた。不織布ウェブ布地の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表され、繊維の直径は、通常、μmで表される。繊維のサイズは、また、デニールで表すこともできる。前駆体ウェブ20(図7参照)の坪量は、10gsm〜500gsm、好ましくは約16gsm〜150gsm、より好ましくは約25gsm〜約120gsm、さらに好ましくは約35gsm〜約100gsmの範囲にすることができる。バスタオルとして使用する場合、125gsm〜250gsmの坪量が適切な可能性がある。繊維性不織布ウェブの前駆体ウェブ20の構成繊維は、ポリマーで構成することができ、単成分繊維、多成分繊維、及び/又は多組成繊維、毛管路繊維、中空繊維、スプリット繊維、成形繊維若しくはローブ形繊維にすることができ、0.1〜500μmの範囲の主要断面寸法(例えば、円形繊維では直径)を有することができる。例えば、不織布ウェブに適したタイプの繊維の1つには、ナノ繊維が含まれる。ナノ繊維は、平均直径が1μm未満の繊維として記述される。ナノ繊維は、不織布ウェブ内のすべての繊維、又は不織布ウェブ内の一部の繊維を構成することができる。また、前駆体ウェブの構成繊維は、化学的性質、構成成分、直径、形状などの特徴が異なる、異なったタイプの繊維の混合物であってもよい。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。クレープ不織布層は、様々な天然及び合成の繊維若しくは材料を含んでよい。本明細書で使用する時、「天然」は、材料が、植物、動物、及び昆虫由来であること、又は植物、動物、及び昆虫の副産物由来であることを意味する。従来の基礎出発物質は、通常、任意の一般的な合成又は天然の織物長の繊維、又はそれらの組み合わせを含む、繊維ウェブである。本発明で有用な天然材料の非限定例としては、これらに限定するものではないが、レーヨン繊維、絹繊維、ケラチン繊維、及びセルロース繊維が挙げられる。ケラチン繊維の非限定例としては、羊毛繊維、ラクダの毛繊維などから成る群から選択されるものが挙げられる。セルロース繊維の非限定例としては、木材パルプ繊維、綿繊維、大麻繊維、黄麻繊維、亜麻繊維、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。本発明では、テンシル(商標)のようなセルロース繊維材料が好ましい。本発明で有用な合成材料の非限定例としては、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン泡体、ポリウレタン泡体、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。適した合成材料の例としては、アクリラン(商標)、クレスラン(商標)、及びアクリロニトリル性繊維、オーロン(商標)のようなアクリル類、セルロースアセテート、アーネル(商標)、及びアーセル(商標)のようなセルロースエステル繊維、ナイロン類(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など)のようなポリアミド類、フォートレル(商標)、コデル(商標)、及びポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ダクロン(商標)のようなポリエステル類、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン類、ポリビニルアセテート繊維、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これら及び他の適した繊維、並びにそれらから調製される不織布については、リーデル(Riedel)、「不織布結合方法及び材料(Nonwoven Bonding Methods and Materials)」、不織布の世界(Nonwoven World)(1987)、アメリカ百科事典(The Encyclopedia Americana)、第11巻147〜153頁及び第26巻566〜581頁(1984)に概ね記載されている。
【0030】
本明細書で使用する時、「スパンボンド繊維」は、押し出されるフィラメントの直径をもったスピナレットの通常は円形の複数の微細な毛管から、溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、次いで急速に縮小させることによって形成される、直径の小さい繊維を指す。スパンボンド繊維は、一般に、収集面上に付着する時には粘着性がない。スパンボンド繊維は、一般に連続的で、7μmより大きい、より具体的には約10〜40μmの平均直径(少なくとも10の試料から)を有する。
【0031】
本明細書で使用する時、用語「メルトブローイング」は、溶融した熱可塑性材料を通常は円形の複数の微細な金型の毛管内に通し、溶融した糸若しくはフィラメントとして、高速の、通常は加熱された集束するガス(例えば空気)流へと押し出し、このガス流が溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細くしてその直径を縮小させることによって、繊維が形成されるプロセスを指しており、その直径は、マイクロ繊維の直径になることもある。その後、メルトブロー繊維が、高速ガス流によって運ばれ、しばしばまだ粘着性のある状態で収集面上に付着されて、ランダムに分散したメルトブロー繊維のウェブを形成する。メルトブロー繊維は、連続又は不連続な場合のあるマイクロ繊維であり、一般に、平均直径が10μmよりも小さい。
【0032】
本明細書で使用する時、用語「ポリマー」には、一般に、これらに限定するものではないが、ホモポリマー類、コポリマー類、例えば、ブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマー類、ターポリマー類など、並びにこれらのブレンド及び修飾物が含まれる。加えて、特に限定しない限り、用語「ポリマー」には、その物質の可能な幾何学的配置すべてが含まれる。この配置には、これらに限定するものではないが、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が含まれる。
【0033】
本明細書で使用する時、用語「単成分」繊維は、1つのポリマーだけを使用して1つ以上の押出成形機から形成される繊維を指す。これは、着色、帯電防止特性、潤滑、親水性などのために少量の添加剤が添加された1つのポリマーから形成される繊維を除外しようとするものではない。これらの添加剤、例えば着色のための二酸化チタンは、一般に、約5重量%未満、より典型的には約2重量%未満の量で存在する。
【0034】
本明細書で使用する時、用語「2成分繊維」は、少なくとも2つの異なるポリマーが別々の押出成形機から押し出され、合わせて紡がれて1つの繊維を形成することによって形成された繊維を指す。ポリマー類は、2成分繊維の断面にわたってほぼ一定に位置決めされた別個の領域内に配置され、2成分繊維の長さに沿って途切れずに延びている。このような2成分繊維の構成は、例えば、一方のポリマーが他方のポリマーによって囲まれた鞘/芯の配置であってよく、又は、横に並んだ配置、パイ型配置、若しくは「海島型」配置であってよい。2成分繊維をスプリット繊維にすることができ、このような繊維は、それぞれ元の2成分繊維よりも断面寸法の小さい多数の繊維へと加工する前若しくは加工する時に、縦方向に裂くことが可能である。スプリット繊維は、それらの断面寸法が減少しているので、より柔らかい不織布ウェブを作り出すことが示されている。本発明で有用な代表的なスプリット繊維には、すべてテネシー州ジョンソンシティ(Johnson City)のファイバー・イノベーション・テクノロジー(Fiber Innovation Technology)から入手可能な、タイプT−502及びT−512 16セグメントPET/ナイロン6、2.5デニール繊維、並びにタイプT−522 16セグメントPET/PPスプリット繊維が含まれる。
【0035】
本明細書で使用する時、用語「コンジュゲート繊維」は、少なくとも2つのポリマーが別々の押出成形機から押し出され、合わせて紡がれて1つの繊維を形成することによって形成された繊維を指す。コンジュゲート繊維は、また、多成分若しくは2成分繊維と呼ばれることもある。コンジュゲート繊維は、単成分繊維であってもよいが、ポリマー類は、通常、互いに異なるものである。ポリマー類は、コンジュゲート繊維の断面にわたってほぼ一定に位置決めされた別個の区域内に配置され、コンジュゲート繊維の長さに沿って途切れずに延びている。このようなコンジュゲート繊維の構成は、例えば、一方のポリマーが他方のポリマーによって囲まれた鞘/芯の配置であってよく、又は、横に並んだ配置、セグメント化された構成、若しくは「海島型」配置であってよい。2成分繊維の場合、ポリマー類は、75/25、50/50、25/75、又は他の任意の所望の比率で存在してよい。
【0036】
本明細書で使用する時、用語「多組成繊維」は、本明細書では、用語「ドメイン」と同様に、当該技術分野で認められた意味に従って使用される。多組成繊維は、連続相の形態で与えられた別のポリマー全体にわたり、少なくとも1つの不連続相としてドメイン内に分散した少なくとも2つのポリマー類を含む繊維を包含するものとして理解される。多組成繊維は、さらに、ドメイン内に分散した少なくとも2つ以上のポリマー類を含む繊維を包含するものとして理解され、そのような分散は、ランダムであってよい。
【0037】
本明細書で使用する時、用語「2組成繊維」は、ブレンドとして2つのポリマーが同一の押出成形機から押し出されることによって形成された繊維を指す。2組成繊維は、繊維の断面領域にわたって比較的一定に位置決めされた別個の領域内に配置される様々なポリマー成分をもたず、様々なポリマー類は、通常、繊維の長さ全体に沿って連続的でなく、代わりに、通常はランダムに始まって終わるフィブリルを形成している。2組成繊維は、また、多組成繊維とも呼ばれることもある。
【0038】
本明細書で使用する時、用語「毛管路繊維」は、毛管路を有する繊維を指す。このような繊維は、例えば中空繊維であることもできるが、好ましくは、その外表面上に毛管路を有する繊維である。毛管路は、「U形」、「H形」、「C形」、及び「V形」のような様々な断面形状にすることができる。
【0039】
本明細書で使用する時、第2領域4について使用される時の「一体的な拡張部」のような用語「一体的」は、第2領域4の繊維が前駆体ウェブ20の繊維を起点としていることを指しており、ウェブは、1平方センチメートル当たり少なくとも4つの一体的な不連続な第2領域を含む。したがって、例えば変形部6のループ状繊維8は、前駆体ウェブ20の塑性変形且つ拡張した繊維であることができ、したがってウェブ1の第1領域2に一体的である。本明細書で使用する時、「一体的」は、例えば従来のカーペット製造で一般に実施されているような、タフトを作製する目的で別個の前駆体ウェブに導入又は追加された繊維とは区別されるべきである。適した不織布ウェブ20は、ループ状繊維8が形成されるように、十分な塑性変形及び引張伸びを起こすことが可能な繊維を含むべきであり、又は繊維の十分な移動が可能であることを理解することができる。ただし、前駆体ウェブ20の第1表面12の平面から飛び出た特定のパーセンテージの繊維が、ループを形成せず、代わりに、破断して、解けた端部を形成することが認識される。このような繊維は、本明細書では、図3に示したような「解けた」若しくは「破断した」繊維18と呼ばれる。解けた繊維端18は、また、切れた短繊維から成る又は切れた短繊維を含んだ不織布ウェブから変形部6を形成した結果として生じる可能性もある。解けた繊維端18は、必ずしも本発明に望ましくないものではないが、変形部6が主にループ状繊維8を約100重量%まで含む時に、ウェブ1が、より容易にその嵩高で柔らかい特性を保持できると考えられている。好ましい実施形態では、Z方向に飛び出た繊維の少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは70重量%、さらに好ましくは90重量%が、ループ状繊維8である。
【0040】
図1に示したウェブ1の実施形態の代表的な変形部6が、図2に、領域2のさらなる拡大図で示されている。図のように、変形部6は、ほぼ整列した複数のループ状繊維8を含んでおり、結果として変形部6が明確な長手方向の配向及び長手軸Lを有する。本明細書で使用する時、用語「長手方向」は、変形部6の最も長い寸法に位置合わせされた、変形部6の平面内の線、軸、又は方向を指す。変形部6は、また、MD−CD平面内で長手軸Lに概ね直交する横軸Tも有する(図4参照)。図1及び図2に示した実施形態では、長手軸Lは、MDに平行である。一実施形態では、離隔された変形部6すべてが、概ね平行な長手軸Lを有する。ウェブ1の単位面積当たりの変形部6の数、すなわち、変形部6の面密度は、1平方センチメートル当たり少なくとも1個の変形部6、好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも4個の変形部6、より好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも10個の変形部6、さらに好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも20個の変形部6、さらに好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも30個の変形部6を含むことができる。一般に、変形部6の面密度がウェブ1の面積全体にわたって均一である必要はないが、変形部6を、線、ストライプ、バンド、円などのような所定の形状を有する領域のように、ウェブ1の特定の領域だけに配置することができる。
【0041】
図2に示したように、また図3及び図4でより明らかにわかるように、ウェブ1の一実施形態における変形部6の繊維8の特徴の1つは、ループ内にあるループ状繊維8の顕著な方向性を持った整列である。図3及び図4に示したように、ループ状繊維8は、図4のような平面図で見たときに、横軸Tに対してほぼ均一に整列している。「ループ状」繊維8とは、ウェブ1内で始まって終わる繊維8を意味する。変形部6のループ状繊維8に関して「整列した」とは、図4のような平面図で見たときに各ループ状繊維8が横軸Tに平行な有意なベクトル成分を有し、好ましくは横軸Tに平行な主ベクトル成分を有するように、ループ状繊維8すべてが概ね配向していることを意味する。本明細書で使用する時、図4のような平面図で見たときに長手軸Lから45度より大きな角度に配向したループ状繊維8は、横軸Tに平行な有意なベクトル成分を有する。本明細書で使用する時、図4のような平面図で見たときに長手軸Lから60度より大きな角度に配向したループ状繊維8は、横軸Tに平行な主ベクトル成分を有する。変形部は、横軸Tに平行な主ベクトル成分を約100%まで含むことができる。好ましい実施形態では、変形部6の繊維8の少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらに好ましくは少なくとも20重量%、さらに好ましくは少なくとも30重量%、さらに好ましくは少なくとも40重量%、さらに好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも70重量%、さらに好ましくは少なくとも90重量%が、横軸Tに平行な、有意なベクトル成分、より好ましくは主ベクトル成分を有する。繊維の配向は、必要ならば、適した測定スケール付きの顕微鏡のような拡大手段を用いて決定することができる。一般に、平面図で見た繊維の非直線的部分では、長手軸Lからのループ状繊維8の角度の決定に、長手軸L及びループ状繊維8の両方についての直線近似を使用することができる。
【0042】
第2領域4の変形部6内のループ状繊維8の配向を、第1領域2の繊維の組成及び配向と対比すると、この第1領域2が、繊維性不織布ウェブの前駆体ウェブ20の場合、本質的にランダムに配向した繊維アラインメントを有するものとして最もよく表される。
【0043】
図1に示した実施形態では、変形部6の長手軸Lは、概ねMDに整列している。変形部6、したがって長手軸Lは、原理的には、MD又はCDに対して任意の配向に整列することができる。したがって、一般的には、各変形部6について、ループ状の整列した繊維8が横軸Tに平行な有意なベクトル成分、より好ましくは横軸Tに平行な主ベクトル成分を有するように、当該繊維8が長手軸Lに対して概ね直角に整列していると言うことができる。
【0044】
図5は、図1に関して記載したのに類似のウェブ1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図5のウェブ1は、ポリエチレン/ポリプロピレン(鞘/芯)2成分繊維を含む、70gsmスパンボンド繊維性不織布ウェブである。図5の視点は、基本的にウェブ1の第1表面2及び変形部6の側面図である。「側面図」とは、図5の写真が、概ね図1〜4に示したCD方向で取られていて、MD及び各変形部6の長手軸Lが図5を(例えば、右から左に)横切って配向していることを意味する。図5に示したように、ループ状の整列した繊維8を含む変形部6は、長手軸Lに対して概ね直角に整列し、少なくとも横軸Tに平行な有意なベクトル成分を有する。
【0045】
一部の実施形態では、変形部6のもう1つの特徴は、後述するような変形部6を形成する好ましい方法に起因した、変形部6の内部に画定される開いた空洞領域10(図2及び図3参照)によって特徴付けられる、変形部6の概ね開いた構造である。空洞領域10は、変形部6の遠位3端部でより幅広く若しくは大きく、且つ変形部6の基部5でより狭い形状であってよい。この形状は、変形部6を形成するのに使用される歯の形状の反対の形状である。「空洞領域」とは、繊維を全く含まないことを意味するのではなく、その全体的な外観の一般的な記述が意図されている。したがって、一部の変形部6では、1つ又は複数の解けた繊維8が空洞領域10内に存在することがある。「開いた」空洞領域とは、変形部6の2つの長手方向端部が概ね開いていて繊維を含まず、結果として変形部6が図3に示したような「トンネル」構造状のものを形成することを意味する。例えば、図6は、図5に示したウェブ1の1つの変形部6の拡大SEM図である。図のように、ループ状の整列した繊維8に加えて、ループ状の整列した複数の繊維8によって画定される明確な開いた空洞領域10が存在する。ほんの少数の破断した繊維18を見ることができる。図からわかるように、変形部6の基部5は、閉じていてもよく(例えば変形部6を形成する繊維が十分に接近し合って接触するなど)、又は開いたままでもよい。一般に、基部6のところの開口は、いずれも狭い。
【0046】
加えて、ウェブ1を作製する好ましい方法の結果として、第2表面14に関連付けられた第2領域4は、以下で詳述する成形構造の歯群によって方向的に変形部6へと(すなわち、繊維性不織布ウェブの技術分野で一般に理解されている、図1及び図3に示したMD−CD平面に概ね直交する「面外」方向を示す「Z方向」に)飛び出た第2表面14の元々ランダムな繊維によって画定される概ね直線的な凹みによって特徴付けられる、不連続部16になる。前駆体ウェブ20の予めランダムに配向した繊維によって示される配向の急激な変化は、変形部6の長手軸Lに概ね平行な長手軸を有するものとして記述できるような直線性を示す、不連続部16を画定する。前駆体ウェブ20として有用な多くの繊維性不織布ウェブの性質により、不連続部16は、例えば変形部6として明確にわからない場合がある。この理由から、ウェブ1の第2の側部上の不連続部16は、気付かれずに終わる可能性があり、一般に、ウェブ1が厳密に検査されない限り検出されないことがある。ゆえに、一部の実施形態では、ウェブ1は、テリー織の布の見た目及び感触を有しており、一部の実施形態では、ウェブ1は、第1の側部ではテリー織の布の見た目及び感触を有し、第2の側部では比較的滑らかで柔らかい見た目及び感触を有する。
【0047】
さらに、ウェブ1を作製する好ましい方法の結果として、第2領域4がループ状の整列した繊維8を有するかどうかに関わらず、各前駆体ウェブは、ウェブ1の第1表面12及び第2表面14それぞれに、若しくはその付近で、顕著な直線性を示す。作製方法に関して以下でより詳細に開示するように、図7のロール104の歯群110の幾何学的構造により、前駆体ウェブ20の第2領域4の変形部6及びそれらに対応する不連続部16が、それぞれそれらに関連付けられた直線的な配向を有することを理解することができる。この直線的な配向は、本明細書に記載のウェブ1の作製方法の必然的な結果である。この直線的な配向を理解する一方法は、ウェブ1の第2表面14上の不連続部16の直線的な配向を考慮することである。同様に、変形部6が第1表面12のところでウェブ1から切り取られると、第2領域4は、例えば変形部6の場所で前駆体ウェブ20に直線的なスリット又は切れ目が作られたかのように、ウェブ1の第1表面12上に直線的な不連続部として現れることになる。この直線的なウェブ不連続部は、方向的に長手軸Lに一致する。
【0048】
ウェブ1の説明から、変形部6のループ状繊維8が、ウェブ1の第1表面12又は第2表面14のいずれかを起点として延びることができることがわかる。言うまでもなく、変形部6の繊維8は、また、ウェブ1の内部18から延びることもできる。変形部6の繊維8は、前駆体ウェブ20の概ね2次元的な平面から飛び出た(すなわち、図3に示したように「Z方向」に飛び出た)結果として延びている。一般に、第2領域4の繊維は、繊維ウェブの第1領域2の繊維に一体的な、当該第1領域2の繊維から延びる繊維を含む。
【0049】
したがって、前述の説明から、一実施形態では、ウェブ1を、第1表面12及び第2表面14を有する繊維ウェブ1として記述することができ、繊維ウェブ1が、第1領域2と、複数の不連続な一体的第2領域4とを含んでおり、第2領域4が、直線的な配向を示し、且つ長手軸Lを画定する不連続部16である、少なくとも1つの部分と、第1領域2に一体的であって当該第1領域2から延びる複数の房状の繊維を含む変形部6である、少なくとももう1つの部分とを有することが理解される。
【0050】
ループ状繊維8の拡張部は、繊維の塑性変形及びポアソン比の影響に起因した繊維断面寸法(例えば、丸い繊維の直径)の全体的な減少を伴うことがある。したがって、変形部6の繊維8は、前駆体ウェブ20の繊維並びに第1領域2の繊維の平均繊維直径よりも小さい平均繊維直径を有することがあり、具体的にはそれは、繊維直径の減少を示す、遠位部分と近位部分との間の繊維のループの部分である。同一の繊維は、また第1領域にも存在し、その地点では元の繊維直径を有する。この繊維直径の減少が、ウェブ1の知覚される柔軟性又は質感に寄与でき、前駆体ウェブ20の材料特性によっては、テリー織の綿布に匹敵し得る柔軟性に寄与できると考えられている。繊維断面寸法の減少は、基部5と遠位部分3との中間で最大になることが判明している。これは、以下でより詳細に開示するように、作製方法に起因したものと考えられている。簡潔に言えば、変形部6の基部5及び遠位部分3のところの繊維の部分は、より詳細に後述するように、ロール104の歯群110の先端に隣接しており、加工の間、摩擦で固定されて動かなくなる。ゆえに、変形部6の中間部分は、より伸張若しくは伸長しやすく、したがって対応する繊維断面寸法の減少を起こしやすい。
【0051】
本発明のウェブ1に適した好ましい前駆体ウェブ20が、ループ状繊維8が形成されるように、十分な塑性変形及び引張伸びを起こすことが可能な繊維を含むべきであることを理解することができる。ただし、前駆体ウェブ20の第1表面12の平面から飛び出た特定のパーセンテージの繊維が、ループを形成せず、代わりに破断して解けた端部を形成することが認識される。このような繊維は、図2及び図3に解けた繊維端18として示されている。図7を参照すると、本発明のウェブ1を作製する装置及び方法が示されている。装置100は、噛み合う1対の、軸Aを中心に回転するロール102と、軸Bを中心に回転するロール104とを含んでおり、軸Aは、同一平面内で平行である。ロール102は、ロール102の周囲全体を途切れずに延びる、複数の隆起部106と、それに対応する溝群108とを含む。ロール104は、ロール102に類似しているが、周囲全体を途切れずに延びる隆起部を有するのではなく、ロール104の少なくとも一部分の周りを離隔された関係で延びる周囲方向に離隔された歯群110の列になるように変更された、周囲方向に延びる隆起部の複数の列を含む。ロール104の歯群110の個々の列は、対応する溝群112によって隔てられている。運転時には、ロール102の隆起部群106がロール104の溝群112内に延び、ロール104の歯群110がロール102の溝群108内に延びるように、ロール102と104とが噛み合う。噛み合いは、図8の断面図にさらに詳細に示されており、これについては後述する。ロール102及び104の両方若しくはいずれかを、高温油充填ローラのような当該技術分野において公知の手段を用いて加熱することができ、又はローラを電気的に加熱することができる。
【0052】
図7では、装置100は、1つのパターン付きロール、例えばロール104と、1つのパターンなし・溝付きロール102とを有する好ましい構成で示されている。しかし、特定の実施形態では、各ロールの同一又は異なる対応領域に同一又は異なるパターンを有する、2つのパターン付きロール104を使用することが好ましい場合がある。そのような装置は、ウェブ1の両側から変形部が突き出ているウェブを生産することができる。
【0053】
商業的に実現可能な連続プロセスで本発明のウェブ1を作製する方法は、図7に描かれている。ウェブ1は、概ね平面的且つ2次元的なものとして記載できる前駆体ウェブ20を機械変形させることによって作製される。「平面的」及び「2次元的」とは、単純に、第2領域4の形成に起因して明確な平面外、すなわちZ方向の3次元性を付与された完成ウェブ1に比べて、当該ウェブが平坦であることを意味する。「平面的」及び「2次元的」は、いずれか特定の平坦性、平滑性、又は次元を付与することを意図してはいない。
【0054】
前駆体ウェブ20は、ウェブ作製プロセスから直接的に、又は供給ロールから間接的に提供され(いずれも図示せず)、逆回転している噛み合うロール102及び104のニップ116へと機械方向に移動される。理論に束縛されるものではないが、前駆体ウェブは、単成分繊維、2成分繊維、及び/又は2組成繊維、毛管路繊維、中空繊維、成形繊維若しくはローブ形繊維を含め、公知のタイプの繊維のいずれかを含む不織布ウェブであることができ、5〜500μmの範囲の主要断面寸法(例えば、円形繊維では直径)を有することができる。前駆体ウェブ20は、油加熱式ローラ上での加熱など、当該技術分野において公知の手段によって予熱することができる。さらに、前駆体ウェブは、メルトブローン法、スパンボンド法、ボンデッドカードウェブ法のような公知の方法によって作製された繊維性不織布ウェブであることもできる。前駆体ウェブ20がニップ116を通過するにつれて、ロール104の歯群110は、ロール102の溝群108に進入し、同時に繊維を前駆体ウェブ20の平面から面外に飛び出させて、変形部6を形成する。実際には、歯群110は、前駆体ウェブ20を「押し」又は「打ち」抜く。歯群110の先端が前駆体ウェブ20を押し抜くにつれて、繊維が伸張若しくは塑性変形し、又は破断して、ウェブ1の変形部6のループ状繊維8を含めた第2領域4を形成することになるまで、主にCDに配向した歯群110をまたぐ繊維の部分が、歯群110によってZ方向で前駆体ウェブ20の面外に押し出される。主に長手軸Lに概ね平行に配向した、すなわち図1に示した前駆体ウェブ20の機械方向に配向した繊維は、歯群110によって単純に広げられ、実質的にウェブ1の第1領域2に残る。より詳細に後述するように、変形部6の形成速度が、一般に、少なくとも遅い形成速度においては、繊維の配向に影響を及ぼすことが判明しているが、図3及び図4に関して前述したように、ループ状繊維8が、変形部6の横軸Tに平行な有意なベクトル成分又は主ベクトル成分を有する繊維のパーセンテージの高い独特の繊維配向を示すことができる理由を理解することができる。一般に、変形部6の少なくとも一部の繊維は、横軸Tに直交するZ方向に配向した平面に平行な、有意なベクトル成分若しくは主ベクトル成分を有するものとして記述できる、ループ状の整列した繊維8である。
【0055】
変形部6の数、間隔、及びサイズは、歯群110の数、間隔、及びサイズを変更し、それに対応してロール104及び/又はロール102に必要な寸法変更を実施することによって、変化させることができる。この変更と、前駆体ウェブ20及びライン速度の可能な変更とによって、多種多様なウェブ1を多くの目的で作製できるようになる。
【0056】
図8は、噛み合うロール102及び104並びに隆起部106及び歯群110の一部の断面を示す。図のように、歯群110は、歯の高さTH(THを隆起部の高さにも適用できることに留意する。好ましい実施形態では、歯の高さと隆起部の高さとが等しい)、並びにピッチPと呼ばれる歯と歯の間隔(又は隆起部と隆起部の間隔)を有する。図のように、係合深さEは、ロール102と104の噛み合いの程度の指標であり、隆起部106の先端から歯110の先端まで測定される。係合深さE、歯の高さTH、及びピッチPは、前駆体ウェブ20の特性及びウェブ1の所望の特徴に応じて、所望通りに変化させることができる。例えば、一般に、係合Eの程度が大きいほど、主にループ状の変形部が望ましい場合に前駆体ウェブ20の繊維がもつべき必要な伸長特性が大きくなる。また、所望の第2領域4の密度(ウェブ1の単位面積当たりの第2領域4の密度)が大きいほど、ピッチを小さくすべきであり、後述するように歯の長さTL及び歯の距離TDを小さくすべきである。
【0057】
図9は、坪量約60gsm〜100gsm、好ましくは約80gsmを有する前駆体ウェブ20からスパンボンド繊維性不織布ウェブ材料のテリー織の布状のウェブ1を作製するのに有用な複数の歯110を有するロール104の一実施形態を示す。歯群110の拡大図が図10に示されている。ロール104のこの実施形態では、歯群110は、概ね歯の先端111で前縁LEから後縁TEまで測定した均一な周方向長さ寸法TL約1.25mmを有しており、互いに周方向に約1.5mmの距離TDで均一に離隔されている。約60〜100gsmの範囲の坪量を有する前駆体ウェブ20からテリー織の布ウェブ1を作製するには、ロール104の歯群110は、好ましくは、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL、約0.5mm〜約3mmの間隔TD、約0.5mm〜約10mmの範囲の歯の高さTH、約1mm(0.040インチ)〜2.54mm(0.100インチ)のピッチPを有する。係合深さEは、約0.5mm〜約5mm(最高で歯の高さTHに等しい)にすることができる。言うまでもなく、E、P、TH、TD、及びTLは、変形部6の所望のサイズ、間隔、及び面密度(ウェブ1の単位面積当たりの変形部6の数)を達成するために互いに独立して変化させることができる。
【0058】
図10に示したように、各歯110は、先端111、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯の先端111は、細長く、第2領域4の長手軸Lに対応する概ね長手方向の配向を有する。テリー織の布状として記述できるウェブ1のタフト状・ループ状の変形部6を得るには、LE及びTEがロール104の局所的な周辺表面120に対してほぼ直交すべきであると考えられている。さらに、歯群110がLE及びTEのところで前駆体ウェブ20を押し抜くように、先端111からLE又はTEの遷移部を、曲率半径が十分に小さい直角などの鋭角にすべきである。理論に束縛されるものではないが、歯110の先端とLE及びTEとの間に比較的鋭い角度の先端遷移部があると、歯群110が「きれいに」、すなわち限局的且つ明確に、前駆体ウェブ20を打ち抜くことができ、その結果、得られるウェブ1を、第2領域4で、例えば「エンボスド」ではなく、「房状の」として記述できるようになると考えられている。そのように加工された時には、ウェブ1に、前駆体ウェブ20がもともと持っていた可能性のある弾性を上回る特定の弾性は付与されない。
【0059】
ライン速度、すなわち回転しているロール102及び104のニップを通って前駆体ウェブ20が加工される速度、並びにその結果得られる変形部6の形成速度が、得られる変形部6の構造に影響を及ぼすことが判明している。例えば、図5及び図6に示した変形部6は、1分当たり約3メートル(m/分)(1分当たり約10フィート)の比較的遅い速度で作製された。3m/分は、多くの消費者用途のための商業生産には比較的遅い速度と考えられるが、図5及び図6に示した繊維性不織布ウェブで使用されるスパンボンド2成分繊維では、この比較的遅い速度が、変形部6において非常に均一なループ状の整列した繊維をもたらす。
【0060】
より速いライン速度、すなわち回転しているロール102及び104のニップを通じた比較的速い加工速度では、類似材料は、変形部6、すなわちタフトについて、非常に異なる構造を示すことができる。例えば、図11及び図12は、同一の材料から同一の加工条件で作製されたウェブ1についての代表的な変形部6を示しており、唯一の相違が、ロール102及び104の回転速度、すなわち、前駆体ウェブ20がウェブ1へと加工されるライン速度(単位:長さ/時間)である。図11及び図12に示したウェブは、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴン・ウェブズ(BBA Fibrous,non-woven webs)から入手可能な25gsmであり、商品名ソフトスパン200(登録商標)として販売される。図11に示したウェブは、係合深さEが約3.4mm(約0.135インチ)、ピッチPが1.524mm(0.060インチ)、歯の高さTHが3.912mm(0.154インチ)、歯の距離TDが1.588mm(0.0625インチ)、歯の長さTLが1.270mm(0.050インチ)のロール102及び104のニップ116を通って加工された。ウェブは、約15メートル/分(1分当たり約50フィート)のライン速度で進められた。図12に示したウェブは、図11に示したウェブと同一であり、1分当たり約150メートル(1分当たり約500フィート)のライン速度を除いて同一の条件下で加工された。
【0061】
図11及び図12を調べればわかるように、図示された変形部6は、著しく異なる。図11に示した変形部6は、図1〜6に示した変形部と構造が類似している。すなわち、それは、破断した繊維、例えば図3に示した繊維18がほとんど存在しない、実質的に整列したループ状繊維8を示す。しかし、図12に示した変形部6は、非常に異なる構造、すなわち、比較的高速で変形部6を形成するように加工されたスパンボンド繊維性不織布ウェブ材料に典型的と思われる構造を示す。この構造に典型的であるのは、変形部6の近位部分、すなわち基部5と、変形部6の遠位部分、すなわち頂部との間にある破断した繊維、並びに、変形部6の頂部における繊維の「もつれ」7と思われるものである。もつれ7は、破断していないループ状繊維8を含み、当該繊維8によって変形部6の頂部で支持されており、またさらに、もはや前駆体ウェブ20に一体的ではない破断した繊維11の部分も含む。すなわち、もつれ7は、元々は前駆体ウェブ20に一体的であったが、図7及び図8に関して記載したプロセスにおいて十分に速いライン速度で加工された後には前駆体ウェブ20から完全に引き離される、繊維の部分を含む。
【0062】
したがって、前述の説明から、一実施形態では、ウェブ1を、第1表面12及び第2表面14を有する繊維ウェブ1として記述することができ、繊維ウェブ1が、第1領域2と、複数の不連続な第2領域4とを含んでおり、第2領域4が、直線的な配向を示し、且つ長手軸Lを画定する不連続部16である、少なくとも1つの部分と、変形部6である少なくとももう1つの部分とを有しており、変形部6が、第1領域2に一体的であって当該第1領域2から延びる繊維と、第1領域2に一体的でなく当該第1領域2から延びてもいない繊維とを含むことが理解される。
【0063】
ライン速度を除いて材料及び加工が同一であるウェブ1のもう1つの例が、図13及び図14に関して示されている。図13及び図14に示した各ウェブ1についての前駆体ウェブ20は、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴン・ウェブズ(BBA Fibrous,non-woven webs)から入手可能な、商品名ソフトスパン200(登録商標)として販売される、60gsm DAPP(延性配向ポリプロピレン)であった。図13に示したウェブは、係合深さEが約3.4mm(約0.135インチ)、ピッチPが1.524mm(0.060インチ)、歯の高さTHが3.683mm(0.145インチ)、歯の距離TDが1.588mm(0.0625インチ)、歯の長さTLが1.270mm(0.050インチ)のロール102及び104のニップ116を通って加工された。ウェブは、約15メートル/分(1分当たり約50フィート)のライン速度で進められた。図14に示したウェブは、図13に示したウェブと同一であり、1分当たり約150メートル(1分当たり約500フィート)のライン速度を除いて同一の条件下で加工された。
【0064】
図13に示したウェブ1は、1分当たり約15メートル(1分当たり約50フィート)のライン速度で加工された。図のように、この比較的穏やかなライン速度でさえ、変形部6の遠位端のところにいくらかの量のもつれ形成が見られる。このもつれ形成は、扁平な圧縮された繊維のより高密度の部分であるように見え、変形部6の、ロール104の歯110の先端に関連付けられた部分で生じる。ライン速度が増大するにつれて、このもつれ形成、すなわちもつれ7は、図14に示したように、より明確になっていき、図14は、図13に示したウェブと同一の条件で、ただし1分当たり約150メートル(1分当たり約500フィート)のライン速度で加工されたウェブを示している。図14に示した変形部6は、より明確なもつれ7を示しており、第1領域2に一体的であって当該第1領域2から延びる繊維と、第1領域2に一体的でなく当該第1領域2から延びてもいない繊維とを含むものとして記述することができる。
【0065】
変形部6の遠位部分で観察される明確な繊維配向、例えばもつれ7は、主に加工速度に起因すると考えられており、また、繊維のタイプ、前駆体ウェブ20の坪量、並びに繊維間結合に影響し得る加工温度のような他のパラメータによる影響を受けるとも考えられている。例えば、上記で観察されたように、繊維のもつれ形成は、ロール104の歯110の先端に関連付けられた変形部6の部分で生じる。歯群の先端での繊維の摩擦係合が、繊維を所定の場所に「固定」し、それによって繊維の伸長及び/又は繊維の移動性を制限すると考えられており、2つのメカニズムが変形部6の形成を可能にすると考えられている。したがって、言わば所定の位置に固定された後には、歯110の先端に隣接した繊維を破断することができ、前駆体ウェブのランダムな交絡並びに圧力及び摩擦による繊維の可能な低温溶融によって、破断した繊維が、変形部6の遠位端のところでもつれ7に入り込んだままになる。
【0066】
比較的高い坪量を有する前駆体ウェブ20は、一般に、もつれ7に比較的多くの繊維の部分を有する。ある意味では、前駆体ウェブに含まれるほとんどの繊維が単純に変形部6の遠位部分へとZ方向に変位して、もつれ7をもたらしているように見える。比較的伸長の少ない繊維、又は繊維間の移動性が比較的低い繊維(例えば、繊維レプテーション)を含む前駆体ウェブ20は、変形部6の遠位端でもつれ7に入り込んだままになる繊維が比較的わずかであるように思われる。繊維間の移動性は、繊維間結合を低減させ、又はなくすことで、増大させることができる。特定の不織布ウェブでは、熱結合を完全になくし、又は大幅に低減させて、繊維間の移動性を増大させることができる。同様に、水流交絡ウェブの交絡の程度を低減させて、繊維間の移動性を増大させることもできる。いずれの前駆体ウェブ20でも、本明細書に開示した加工の前に潤滑剤を適用すると、やはり繊維間の移動性を増大させることができる。例えば、界面活性剤又は鉱油の潤滑剤を、ロール102及び104のニップ116に進入する前の前駆体ウェブ20に適用することができる。
【0067】
もつれ7が存在する結果として、例えば、より擦り洗い的な質感が望ましい拭き取り用品に有用な、わずかに粗い質感をもつウェブ1が得られる。ある意味では、比較的低速で加工された柔らかいテリー織の布状の触感を有するウェブは、同一の条件で、ただし比較的高速で加工された時には、安物のホテルのタオルの感触になる可能性がある。この粗い質感の感触は、硬質表面洗浄用の拭き取り用品、顔の角質除去用の拭き取り用品、及び皮膚クレンジング用の拭き取り用品のような一部の用途では有用な可能性がある。
【0068】
長さの短い繊維を含む特定のボンデッドカードウェブは、変形部4にループ状繊維8をごくわずかしか作り出さないので、これらのウェブに作り出された変形部6を、図1〜6に関して前述したような複数のループ状の整列した繊維8を含むものとしては記述できないことが判明した。その代わりに、図15のSEM写真に示されるように、カード処理された繊維性不織布ウェブは、あるとしてもごくわずかなループ状の整列した繊維8と、すべてではないが多くの整列していない繊維及び/又は破断した繊維18とを有する変形部6を生み出すことができる。図15に示したウェブ1を作製するために使用される前駆体ウェブ20は、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAノンウーヴンズ(BBA Nonwovens)から高伸長カードウェブ(HEC(登録商標))として入手可能な40gsmカードウェブであり、係合深さEが約3.4mm(約0.135インチ)、ピッチPが約1.5mm(約0.060インチ)、歯の高さTHが約3.7mm(約0.145インチ)、歯の距離TDが約1.6mm(約0.063インチ)、歯の長さTLが約1.25mm(約0.050インチ)のロール102及び104のニップ116を通じて加工された。ウェブは、約15メートル/分(1分当たり約50フィート)のライン速度で進められた。カードウェブから作製された変形部6内の繊維が整列していないのは、1つには、カードウェブに含まれる繊維の性質に起因すると考えられている。短繊維は、「エンドレス」ではなく、代わりに、25mm〜約400mm程度、より典型的には約40mm〜約80mmの予め定められた長さを有する。したがって、図7に関して記載した装置によってカードウェブが加工される時には、解けた繊維端が変形部6付近にあり、ゆえに変形部6内にループ状でない繊維端を作り出す可能性がはるかに大きくなると考えられている。
【0069】
したがって、前述の説明から、本発明のウェブがループ状の整列した繊維を有する必要がなく、一実施形態では、本発明のウェブを、第1表面12及び第2表面14とを有し、且つ実質的にランダムに配向した繊維を含む、前駆体ウェブ20の選択的機械変形によって形成された繊維ウェブ1であるものとして記述することができ、繊維ウェブが、選択的機械変形による変形部を実質的に含まない実質的にランダムに配向した繊維の第1領域と、複数の不連続な一体的第2領域とを含んでおり、第2領域4が、前駆体ウェブ20の離隔された変形部6を含んでおり、各第2領域4が、直線性を示し長手軸Lを画定する不連続部16である少なくとも1つの部分と、前記第1領域に一体的であるが前記第1領域から延びる複数の房状の繊維を含む少なくとももう1つの部分とを有することが理解される。
【0070】
本発明のウェブ1は、選ばれた特徴を有する工業用材料を生産する多くの機会を提示する。例えば、変形部6内に露出した繊維端を有する確率を確実に予測できるように、カード処理された前駆体ウェブ20内の短繊維の長さを選択することによって、ウェブ1を作製することができる。また、第2領域4の変形部6が主にループ状のスパンボンド繊維を含み、第1領域2がカード繊維及びスパンボンド繊維の両方を含むように、短繊維のカードウェブをスパンボンド繊維性不織布ウェブとブレンドし、又は積層化して、混成物を作り出すこともできる。前駆体ウェブ20の繊維のタイプ、短繊維の長さ、繊維の層化、及び他の変量は、ウェブ1の所望の機能的特徴をもたらすのに望ましいように変化させることができる。
【0071】
好ましい実施形態では、前駆体ウェブ20は、最小限の繊維間結合が存在する繊維性不織布ウェブである。例えば、前駆体ウェブを、繊維性不織布ウェブの技術分野において一般に知られているように、あるパターンの不連続な熱的点結合を有する繊維性不織布ウェブにすることができる。本発明に好ましいカード処理された熱結合ウェブは、軽度に結合している。本明細書で使用する時、用語「軽度に結合した」は、不織布ウェブが、可融性繊維を溶融させ、容易な取り扱い及び運搬のためのウェブの完全性を与えるには十分に熱結合しているが、ウェブがその柔軟性及び可撓性を失うほど重度にはウェブを結合させないことを意味する。カード処理された熱結合ウェブの中では、タフト及びループを作製するには軽度の結合が好ましい。
【0072】
ただし、一般的には、ウェブ1の第2領域4において最大の繊維移動性及び位置移動が可能になるように、結合点の数及び間隔を最小限に抑えることが望ましい。一般に、比較的大きな直径、及び/又は破断するまでの比較的大きな拡張、及び/又は比較的大きな繊維移動性を有する繊維を使用すると、より良好且つより明確に形成された第2領域4、具体的には変形部6がもたらされる。
【0073】
ウェブ1は、好ましい実施形態では単層の前駆体ウェブ20から作製される単層ウェブとして開示されるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、2つ若しくはそれ以上の層又はプライを有する、積層体又は複合体の前駆体ウェブ20を使用することができる。一般に、例えば積層体の前駆体ウェブから形成されたループ状の整列した繊維8が、積層体の両方(又はすべての)層からの繊維で構成され得ることを認識すると、ウェブ1に関する前述の説明が当てはまる。したがって、そのようなウェブ構造では、すべての層のすべての繊維が、拡張及び変形の前に破断しないように、十分な直径、伸長特性、及び繊維移動性をもつことが重要である。この方法では、積層体のすべての層からの繊維が、房状の変形部6に寄与することがある。多層ウェブでは、異なるウェブの繊維が変形部6で混合され又は混じり合うことがある。繊維は、隣接したウェブを通って突き出るのではなく、隣接したウェブの繊維と結合する。これは、ウェブが非常に高速で加工される時に、しばしば観察される。
【0074】
多層ウェブ1は、単層ウェブ1に勝る重要な利点を有する可能性がある。例えば、2つの前駆体ウェブ20A及び20Bを使用した多層ウェブ1から得られる変形部6が、図16〜18に図式的に示されている。図のように、両方の前駆体ウェブ20A及び20Bが、2つの前駆体ウェブを合わせて「固定」する「入れ子」の関係で変形部6に繊維を与えて、層間の接着剤若しくは熱結合の使用又は必要なしに積層体ウェブを形成する。ただし、望むなら、層間の接着剤、化学結合、樹脂若しくは粉末結合、又は熱結合を、前駆体ウェブの特定の領域又はすべてに、選択的に使用することができる。好ましい実施形態では、変形部6が、図16に示したように積層体の前駆体ウェブの層状の関係を保持しており、すべての好ましい実施形態では、上側の層(具体的には図16〜18の層20Aであるが、一般的には図16〜18に示したZ方向に関する最上層)が、実質的に損なわれていない状態を維持し、図2に示したループ状繊維8を形成する。
【0075】
多層ウェブ1では、各前駆体ウェブが異なる特性を有することができる。例えば、ウェブ1は、2つ(又はそれ以上)の前駆体ウェブ、例えば、第1の前駆体ウェブ20A及び第2の前駆体ウェブ20Bを含むことができる。第1の前駆体ウェブ20Aは、ウェブ20Aを跳ね戻らせることが可能な高伸長及び大きな弾性回復を示す、上側の層を形成することができる。跳ね戻りは、図16に示したような両方のウェブの変形部6の基部部分5を横方向に絞るのに役立つ。また、跳ね戻り又は横方向の絞りは、変形部6内のZ方向に配向した繊維を固定して安定化させるのにも役立つ。また、前駆体ウェブ20Aによってもたらされる横方向の絞りは、第2の前駆体ウェブ20Bの安定性を増大させることもできる。多層ウェブ1の一例には、ワシントン州ワショーガル(Washougal)のBBAによって製造されるスパンボンドPE/PP(鞘/芯)の不織布ウェブで構成される、第1の前駆体ウェブ20Aが含まれる。第2の前駆体ウェブ20Bは、熱的点結合されたカード処理済みPET/Co−PET不織布ウェブ(ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)で製造される50% 6dpf PETウェルマンタイプ204、及びノースカロライナ州ガストニア(Gastonia)で製造される50% 6dpf Co−PETカネマツタイプLM651)で構成される。第2の前駆体ウェブ20Bは、タフト加工を可能にするようにゆるく結合できるので、第1の前駆体ウェブ20Aを横方向に絞ると、やはり第2の前駆体ウェブ20Bの安定性を増大させることができる。多層ウェブ1は、使い捨て吸収性用品上のトップシートとして使用される時には身体に接触する層として使用することができ、又は、トップシートと吸収性コアとの間に配置された下側の層として使用することができる。また、多層ウェブを吸収性コアとして使用することもできる。
【0076】
多層ウェブ1では、各前駆体ウェブが異なる材料特性を有し、それによってウェブ1に有益な特性を与えることができる。例えば、2つ(又はそれ以上)の前駆体ウェブ、例えば第1の前駆体ウェブ20A及び第2の前駆体ウェブ20Bを含むウェブ1は、より詳細に後述するように、使い捨て吸収性用品上のトップシートとして使用するのに有益な流体取り扱い特性を有することができる。優れた流体取り扱い性のために、例えば、第1の前駆体ウェブ20Aが、上側の層(すなわち、使い捨て吸収性用品上のトップシートとして使用される時には身体に接触する層)を形成することができ、また、当該ウェブ20Aを比較的疎水性のある繊維で構成することができる。第2の前駆体ウェブ20Bは、比較的親水性のある繊維で構成される、下側の層(すなわち、使い捨て吸収性用品上で使用される時にはトップシートと吸収性コアとの間に配置される層)を形成することができる。上側の比較的疎水性のある層上に付着した流体は、すぐに、下側の比較的親水性のある層へと運ばれる。急速な流体輸送が観察される理由の1つは、変形部6の概ね整列した繊維8、18によって形成された毛管構造である。繊維8、18は、隣接した繊維間に方向性をもって整列した毛管を形成し、毛管作用は、変形部6の近位部分5の付近の繊維が全体的に集まることによって向上する。
【0077】
急速な流体輸送は、さらに、変形部6によって生み出された空洞10を通って流体がウェブ1に進入できることによって増大すると考えられている。この「横から進入する」能力、及び/又は毛管作用、及び/又はウェブ1の構造によってもたらされる親水性勾配が、ウェブ1を、使い捨て吸収性用品に最適な流体取り扱いについて理想的な材料にする。具体的には、多層ウェブ1は、流体取り扱い特性のさらに大きな改善をもたらすことができる。
【0078】
他の実施形態では、第1の前駆体ウェブ20Aを比較的柔らかい繊維(例えば、ポリエチレン)で構成することができ、他方、第2の前駆体ウェブ20Bを比較的堅い繊維(例えば、ポリエステル)で構成することができる。このような多層ウェブ1では、変形部6は、圧力が加わった後でも、特定の量の高さhを保持又は回復することができる。
【0079】
使用される前駆体ウェブ20、並びに歯群110を含めたロール102及び104の寸法パラメータに応じて、本発明のウェブ1は、広範な物理特性を示すことができる。ウェブ1は、主観的に感じる柔らかさから粗さまでに及ぶ一連の質感、非吸収性から高い吸収性までに及ぶ吸収性、比較的低い嵩から比較的高い嵩までに及ぶ嵩高性、低い引裂き強度から高い引裂き強度までに及ぶ引裂き強度、非弾性から少なくとも100%の弾性的延伸性までに及ぶ弾性、考慮される化学物質に応じた比較的低い耐性から比較的高い耐性までに及ぶ耐化学性、並びに、遮蔽能力、耐アルカリ性、不透明度、拭き取り能力、吸水性、吸油性、透湿性、断熱特性、耐候性、高い強度、高い引裂き力、耐磨耗性、静電的制御性、風合い、染料親和性、安全性などとして一般に記述される他の多種多様なパラメータを示すことができる。一般に、前駆体ウェブ20の繊維の伸長特性に応じて、装置100の寸法を変化させて、高さh(図20に示す)及び間隔(不連続な第2領域4の面密度を含める)を含め、第2領域4に関連付けられた広範な寸法を有するウェブ1を作り出すことができる。
【0080】
図19は、図9及び図10に示したロール104を使用して本発明のプロセスによって作製される、使い捨て吸収性用品の構成要素として有用な、テリー織の布状の繊維性不織布ウェブ布地ウェブ1の顕微鏡写真である。図19に示したウェブ1に使用される前駆体ウェブ20は、坪量約80gsmを有し、平均直径約33μmのポリエチレン/ポリプロピレン(鞘/芯)ポリエチレン/ポリプロピレン(鞘/芯)ポリエチレン/ポリプロピレン(鞘/芯)2成分繊維を含む、スパンボンド繊維性不織布ウェブであった。図19のウェブ1は、1平方センチメートル当たり約24個の変形部6を有し、複数のループ状の整列した繊維8を有する、離隔された複数のタフト状・ループ状の変形部6をより明らかに示すために目で見える折り畳まれた縁部で折り畳まれており、各繊維8は、平均繊維直径約18μmを有する。
【0081】
寸法の示された単一の変形部6が、図20に示されている。図10に示したように、図20に関して記載されるウェブでは、タフト状・ループ状の変形部6の空洞領域10は、通常、概ね円形又は楕円形であり、高さhと呼ばれる主要寸法を有しており、この高さhを少なくとも1mmにすることができる。一般に、高さは、ウェブの働きに重要とは考えられていないが、ウェブ1の所望の最終用途に応じて変化させることができる。高さhは、0.1mm〜約10mm又はそれ以上にすることができる。繊維性不織布ウェブの前駆体ウェブ20から形成され、テリー織の布の見た目及び感触を有するウェブ1は、約1mm〜約3mmの高さhを有するべきである。
【0082】
図21に示したウェブ1のさらなる実施形態では、ウェブ1の第1表面12に関連付けられたウェブ1の側部に、第2領域4は、変形部6を含むことができ、各変形部6が、第1表面12から外側に向かって延びる、複数のタフト状の整列した繊維8を含む。変形部6は、繊維の「タフト」として記述することができ、各変形部6は、第1表面12の近位にある基部5と、第1表面12から最大の距離にある遠位部分3とを有する。ウェブ1の第1表面12上に、第2領域4は、ウェブ1の第1表面12上の繊維配向の不連続部によって画定される不連続部16を含むことができる。第2表面14に関連付けられたウェブ1の側部に、第2領域4は、変形部6を含むことができ、各変形部6が、第2表面14から外側に向かって延びる、複数のタフト状・ループ状の整列した繊維8を含む。変形部6は、繊維の「タフト」として記述することができ、各変形部6は、第2表面14の近位にある基部5と、第2表面14から最大の距離にある遠位部分3とを有する。ウェブ1の第2表面14上に、第2領域は、ウェブ1の第2表面14上の繊維配向の不連続部によって画定される不連続部16を含むことができる。したがって、ウェブ1は、第1表面12及び第2表面14上に変形部6及び不連続部16を含むことができる。
【0083】
以下の表1は、代表的な装置及びその上で作製されるウェブについての代表的な寸法を示す。
【0084】
【表1】

上記表1では、すべての試料は、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴン・ウェブズ(BBA Fibrous,non-woven webs)から入手可能である。試料1及び2は、商品名ソフテックス(登録商標)として販売される。試料3及び4は、商品名ソフトスパン200(登録商標)として販売される。
【0085】
(タフトの特性評価方法)
ウェブ側部の代表的な部分を選択し、当業者に周知の標準的な手順によって、画像又は顕微鏡写真を作成する走査型電子顕微鏡(SEM)撮像による評価に適するように、ウェブの試料を調製する。初めは約10倍の比較的低い倍率で撮像し、タフトを含んだ視野を選択する。視野内で、代表的なタフトをいくつか選択し、選択されたタフトに含まれる繊維を計数する能力を高めるためにいくつかの視角で画像を取得する。機械方向を向く選択されたタフトそれぞれから、表面から低い角度で、タフトの開口した端部を通して見ている少なくとも第1の画像を取得する。第1の画像から90度近く回転した角度で、少なくとも第2の画像を得る。タフト中の繊維を精確に計数し、当該繊維の直径を測定する能力を高めるように、倍率を選択する。既に得た画像でバルクの代表的な部分が見られない場合、比較のために、タフトから離れたバルク表面の画像も得る。画像が20mm×25mm(8インチ×10インチ)で印刷され、測定値が15cm(6インチ)キャリパーによって取得される時には、適した倍率は、通常、約10倍〜約100倍の範囲である。画像を20mm×25mm(8インチ×10インチ)以上のサイズで印刷する。これが顕微鏡写真になる。印刷される画像それぞれにスケールバーを含める。
【0086】
(繊維の計数)
計数すべきタフトの顕微鏡写真を調査する。タフトの開いた領域を通して見ている、タフトの顕微鏡写真を選択する。タフトの開いた領域が明らかでない場合、繊維を計数できる画像を選択する。タフトは、一点でウェブ表面から立ち上がっている繊維で構成されており、一部の繊維は、ループを形成して別の地点で表面に再び進入することもある。同一繊維の上向き部分と下向き部分とを容易に区別可能なタフトの領域を探して、不明瞭な繊維をできる限り少なくする。
【0087】
鉛筆、ペン、又はマーカーを使用して、繊維の数を計数する。タフトの中心から開始して、ほぼ直線上を移動して縁部に向かって(又はその逆に)外側へと計数する。これが、同一の繊維を2回以上計数する危険を最小限に抑える。タフトを慎重に調査して、計数し忘れた、又は2回計数された繊維を探す。一部の繊維は、破断している。破断した繊維の2つの半体を2つの別個の繊維として計数していないことを慎重に確認する。それに応じて総計を調整する。第1回の計数とは異なる方向の第2の線上で、繊維を再び計数する。計数された繊維の最大の数が、そのタフトにおける「タフト当たりの繊維の総数」になる。異なる角度からの、同一のタフトの画像を選択する。一方の側から他方の側へと(例えば、左から右へと)横切って、又はタフトの頂部に沿って計数して、第2の視角からタフト中の繊維を計数することによって、得られた総計の確度を検証する。1つの視角からは繊維が不明瞭で、異なる角度から得られた総計がより大きな数を与える場合、大きい方の数をタフト中の繊維の数として選択する。個別の繊維だけを計数し、タフト若しくはループの頂部の熱溶融又は低温溶着のような任意の加工を含めた加工の結果として生じ得るような、もつれを生じた又は溶融した領域を計数していないことを確かめる。
【0088】
(繊維端部の計数)
タフト中に見ることのできる繊維端部すべてを計数する。鉛筆、ペン、又はマーカーを使用して、計数された端部それぞれを識別する。これが、同一の端部を2回以上計数する危険を最小限に抑える。タフト画像を慎重に調査して、計数し忘れた端部を探す。それに応じて総計を調整する。得られる結果が、「タフト当たりの繊維端部の数」になる。一部の繊維は、ウェブ表面から引き出されて、一端だけを露出していることがあり、その場合、「タフト当たりの繊維端部の数」が偶数値ではなく奇数値になり得ることに留意する。それは、得られた値が奇数であるか偶数であるかに関わらず、計数された値として報告される。
少なくとももう1つのタフトで、「タフト当たりの繊維の総数」及び「タフト当たりの繊維端部の数」を計数するプロセスを繰り返す。平均した結果を報告する。
【0089】
(破断していないタフト当たりの繊維の数)
式1によって、「破断していないタフト当たりの繊維の数(N)」を算出する。
(1)N=タフト当たりの繊維の総数−(タフト当たりの繊維端部の数)/2
式2に従って、「破断していないタフト当たりの繊維の数」を、パーセンテージで表す。
(2)N/%=100×N/タフト当たりの繊維の総数
【0090】
(繊維直径)
個々の繊維の幅を測定するのに適した倍率で、タフトの顕微鏡写真を目で見て調べる。繊維直径の一様性についてタフトを調べる。繊維直径がかなり一貫したものに思われる場合、代表的と思われる1つの繊維を選択し、キャリパーの間隔をその繊維の幅に設定する。キャリパーの間隔をタフト中のさらに5〜10個の繊維と比較して、選択された繊維が代表的であったことを確認する。ほとんどの繊維がキャリパーの設定よりも大きく(又は小さく)見える場合、ギャップを調整して比較を繰り返す。取得された6〜11個の平均キャリパー読み値として実際の直径を算出し、スケールバーを使用して結果を補正し、実際の直径を結果として平均値で報告する。その結果が、「タフト中の繊維の平均直径」になる。同様に、バルクウェブに焦点を合わせ、一様性について目で見て調べる。タフト繊維に関するのと同一の手順を使用して、代表的なバルクの繊維直径を決定する。結果を平均し、スケールバーを使用して結果を実際の寸法に補正する。その結果が、「タフト外の繊維の平均直径」になる。繊維の引き出し程度の目安として、直径の比を容易に決定することができる。
【0091】
(タフトの高さ、タフトの最大幅、及びタフトの最小幅)
タフト(ループであってもよい)の開いた部分を通して見ている、繊維の計数に使用した第1のものと同一の顕微鏡写真を選択する。図22に示した顕微鏡写真では、タフトの高さがH、タフトの最大幅がW、タフトの最小幅がBである。測定されるタフト寸法の一様性について、顕微鏡写真を目で見て調べる。タフトの最大幅を測定するには、キャリパーの間隔を、最も幅の広い地点におけるそのタフトの幅に設定する。ほとんどのタフトは、タフトのバルクから劇的に突き出るランダムな外れ繊維をいくらか有する。これらの繊維は、キャリパーのギャップ内には含めない。キャリパーの間隔を、さらにいくつか(5〜10個)のタフトと比較する。結果を平均し、スケールバーを使用して結果を実際の寸法に調整する。タフトの高さ及びタフトの最小幅について、これと同一の手順に従う。
【0092】
(パーソナルケア用品)
本発明のパーソナルケア用品は、本発明の繊維ウェブに加えて、皮膚、毛髪、及び身体の同様のケラチン性表面をクレンジング且つ/又は処置するのに有用な、繊維性不織布ウェブに関連付けられた少なくとも1つのクレンジング及び/又は処置組成物を必要とする。本発明者らは、房状のウェブと、本発明のウェブに関連付けられた処置/クレンジング成分(すなわち、他の組成の一部としての組成物)との複合作用が、パーソナルケア用品において予期せぬレベルの利益をもたらすことを発見した。理論に制限されるものではないが、ウェブの平面に対して直角に配向した多数の繊維が、本発明の処置組成物と組み合わされた時に、有利に柔らかい又は凹凸のある感触を与えることのできる表面をもたらすことに加えて、独特のクレンジング、角質除去、処置、及び/又は泡利益をもたらすと考えられている。本発明者らは、ウェブの平面、すなわちMD−CD平面に対して直角に配向した繊維が、毛穴若しくは皺のような皮膚の特徴的構造を深く掻き取って関連した汚れを除去することによって洗浄作用を向上させ、皮膚表面からの複合的な掻き取りと吸い上げとによって皮膚に関連した汚れを布へと吸い上げ、汚染物質(すなわち「埃」)又は単純に一時的な皮膚処置の残留物(すなわち顔用ファンデーションのような化粧品に関連した粒子)のことがある皮膚表面上に存在する粒子を取り込み、皮膚表面を洗浄剤に露出させることによって、且つ/又は本発明の用品から皮膚へと処置組成物を吸い上げることによって、皮膚に処置を適用し、泡性界面活性剤成分と組み合わせて機械的に攪拌した時に泡の発生を促進するタフト内/タフト周りの空気の空洞を与えることによって、泡用品に泡利益の向上をもたらすと考えている。
【0093】
本発明のパーソナルケア用品は、水、一価及び多価アルコール類(グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、イソプロパノールなど)、鉱油のような炭化水素油類、シリコーン流体、またトリグリセリド油類、またシリコーンMQ樹脂類のような流体樹脂類、炭化水素類のエステル類及びエーテル類、アルコール類、香料、芳香油類、テルペン類のような天然油類、様々な樹木及び植物油類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される揮発性及び不揮発性流体を含んでよく、また、それらの中に溶解若しくは分散された、又はそれらに加えて、他の構成成分を含有することができる。
【0094】
当該用品は、また、流体の添加なしでも有用なことがあり、流体を活性化させてもよく、又はその両方でもよい。房状のウェブと処置組成物との相互作用の理由から、低濃度の処置成分が、大きな利益をもたらすことができる。例えば、ウェブ表面積1平方メートル当たりわずか約0.25g〜約10g(0.25〜10.0gsm)の乾燥界面活性剤成分が、顔のクレンジングに有用な泡利益をもたらすことができる。房状のウェブが低密度の性質であるので、当該ウェブは、また、指定された表面を拭き取るのに有用な、又は指定された表面に処置組成物を放出するのに有用な、繊維性不織布ウェブの少なくとも約10倍の重量の液体処置成分を保持することが可能である。本発明の用品の他の用途は、本明細書に開示の実施例から明らかになる。
【0095】
特定の状況では、例えば、本発明のパーソナルケア用品上に処置組成物が含まれている状態で、本発明のウェブに不透明な組成物が多量に添加されていて変形部の存在を隠している場合、本発明のパーソナルケア用品は、変形部を含まないように見えることがある。例えば、折り畳んで交互に配置された本発明のパーソナルケア用品30個の積み重ね体であって、各用品が基材の500重量%の粘稠で不透明な治療的半固体エマルションを含んでいる積み重ね体は、その中に含まれるタフト及びループをすぐには現さないことがある。変形部の存在を隠しても、それによって得られる利益が全く損なわれず、変形部、すなわちタフト及び/又はループの存在は、初めに本発明のウェブからパーソナルケア組成物を除去することによって証明することができる。
【0096】
(パーソナルケア組成物)
本発明は、皮膚、毛髪、並びに指及び足指の爪を含め、皮膚、毛髪、若しくは他の同様のケラチン含有表面を主にクレンジング且つ/又は処置するために個人によって使用されるパーソナルケア用品のためのものである。これらのパーソナルケア用品は、本発明の繊維性不織布ウェブの表面に組み込まれた又は含浸されたパーソナルケア組成物の使用を包含する。本発明のパーソナルケア組成物は、クレンジング組成物、及び処置剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。本発明は、クレンジング組成物と処置剤の両方を単一の用品に組み合わせる用品を含むことができる。
【0097】
I.(クレンジング組成物)
A.(泡性クレンジング組成物)
繊維性不織布ウェブに加えて、本発明の用品は、また、繊維性不織布ウェブ又は基材の繊維性不織布ウェブに関連付けられた1つ以上の泡性界面活性剤を含む。ゆえに、泡性界面活性剤を繊維性不織布ウェブ上に添加することができ、又は当該ウェブに含浸させることができる。これは一般に、用品の使用時点よりも前に実施されることになり、すなわち、界面活性剤が用品と組み合わされてから、最後に用品が使用のために濡らされる。本発明の身体用クレンジング組成物は、当該用品が後述する定常的泡体積試験に従って少なくとも1400mlの総定常的泡体積を発生できるような、十分な量の1つ以上の泡性界面活性剤を含む。本発明の顔用クレンジング組成物は、当該組成物が後述する機械的泡体積試験に記載の機械的泡体積を少なくとも85ml発生させるような、十分な濃度の本明細書に記載の界面活性剤を含む。本発明のシャンプー用品は、繊維性不織布ウェブ上で乾燥された十分なレベルのシャンプー組成物を含む。
【0098】
1)身体用クレンジング組成物
身体用クレンジング組成物は、長時間持続する泡を有することを特徴とし、より大きな表面、すなわち、例えばシャワーを浴びる間に全身を洗うのに最も有用である。一般に身体用クレンジング組成物は、好ましくは、ウェブの約1600重量%以下の泡性界面活性剤を含み、好ましくはウェブの約1000重量%以下、より好ましくは約800重量%以下、さらに好ましくは約600重量%以下の泡性界面活性剤を含む。一般に身体用クレンジング組成物は、好ましくは、ウェブの少なくとも15重量%の泡性界面活性剤を含み、好ましくはウェブの少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも60重量%の泡性界面活性剤を含む。
【0099】
本発明の身体用クレンジング組成物は、当該組成物が後述する定常的泡体積試験に従って少なくとも1400mlの定常的総泡体積を発生できるような、十分な量の1つ以上の泡性界面活性剤を含む。好ましくは、身体用クレンジング組成物は、少なくとも1900mlの定常的総泡体積、さらに好ましくは少なくとも2500mlの定常的総泡体積、さらに好ましくは少なくとも3000mlの定常的総泡体積、さらに好ましくは少なくとも3500mlの総定常的泡体積を発生させる。本願の状況では、泡性界面活性剤とは、流体と合わせて機械的に攪拌すると、それが関連付けられた用品に泡を形成させる十分なフォーム又は泡を発生させる、界面活性剤を意味する。好ましくは、これらの泡性界面活性剤及び/又はそれらと他の界面活性剤との組み合わせは、低刺激性であるべきであり、これは、これらの界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄利益をもたらすが皮膚又は毛髪を過度に乾燥させないことを意味しており、さらに、前記界面活性剤及び/又はそれらと他の界面活性剤との組み合わせは、定常的泡体積試験に記載の泡基準を満たすべきである。
【0100】
2)顔用クレンジング組成物
顔用クレンジング組成物は、一般に、より少量の流体を使用して、皮膚の小さな部分を洗うために使用される泡を作り出す。顔用クレンジング組成物は、洗面台で顔をクレンジングするのに特に有用である。一般に顔用クレンジング組成物は、好ましくは、ウェブの約250重量%以下の泡性界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は、ウェブの約100重量%以下、より好ましくは約75重量%以下、さらに好ましくは約50重量%以下の泡性界面活性剤を含む。一般に顔用クレンジング組成物は、好ましくはウェブの少なくとも0.5重量%の泡性界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は、ウェブの少なくとも0.6重量%、より好ましくは少なくとも0.75重量%、さらに好ましくは少なくとも1重量%の泡性界面活性剤を含む。
【0101】
本発明の顔用クレンジング組成物は、当該組成物が後述する機械的泡体積試験に従って少なくとも85mlの機械的泡体積を発生できるような、十分な量の1つ以上の泡性界面活性剤を含む。好ましくは、顔用クレンジング組成物は、少なくとも150mlの機械的泡体積、さらに好ましくは少なくとも220mlの機械的泡体積、さらに好ましくは少なくとも350mlの機械的泡体積を発生させる。泡性界面活性剤とは、流体と合わせて機械的に攪拌すると、用品に全体として泡させる、十分なフォーム又は泡を発生させる界面活性剤を意味する。好ましくは、これらの界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせは、低刺激性であるべきであり、これは、これらの界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄効果をもたらすが皮膚又は毛髪を過度に乾燥させないことを意味しており、さらに、前記界面活性剤は、前述の泡基準を満たすべきである。
【0102】
多種多様な泡性界面活性剤が、本明細書に記載の身体用クレンジング組成物及び顔用クレンジング組成物の両方に有用であり、それらには、陰イオン性泡性界面活性剤、非イオン性泡界面活性剤、両性泡性界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが含まれる。本発明の組成物で有用な泡性界面活性剤の非限定例は、米国特許第6,280,757号(マクエイティ(McAtee)ら、2001年8月28日発行)に開示されている。一般に、泡性界面活性剤は、存在するコンディショニング剤、例えば、かなり水溶性の高い、通常はHLB値が10を超える、いずれのコンディショニング剤の付着も、さほど強くは妨げない。また、陽イオン性界面活性剤も、必要な泡性界面活性剤の全体的な泡特性に悪影響を与えないのであれば、任意成分として使用することができる。
【0103】
3)シャンプー組成物
シャンプー用品は、繊維性不織布ウェブに適用されるシャンプー組成物を含む。前記用品は、上記で開示したように、乾燥した用品、湿った用品、又は濡れた用品であってよい。この用品は、洗髪及び身体に適している。
【0104】
前述の泡性クレンジング組成物に適した界面活性剤には、以下の界面活性剤が含まれる。
【0105】
(陰イオン性泡性界面活性剤)
本発明の組成物に有用な陰イオン性泡性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版、マカッチャンの「機能性材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992)、及び米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に開示されている。
【0106】
本明細書では、多種多様な陰イオン性泡性界面活性剤が有用である。陰イオン性泡性界面活性剤の非限定例としては、サルコシネート類、サルフェート類、イセチオネート類、タウレート類、ホスフェート類、ラクチレート類、グルタメート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。イセチオネート類の中では、アルコイルイセチオネート類が好ましく、サルフェート類の中では、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類が好ましい。
【0107】
本明細書で有用な他の陰イオン性物質には、脂肪酸石鹸類(すなわち、アルカリ金属塩類、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)が挙げられ、通常は約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪酸を有する。石鹸類を製造する際に使用されるこれらの脂肪酸類は、例えば、植物若しくは動物由来のグリセリド類(例えば、パーム油、ココヤシ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸類は、また、合成的に調製することもできる。石鹸類及びそれらの調製については、米国特許第4,557,853号に詳細に記載されている。
【0108】
他の陰イオン性物質には、モノアルキルリン酸塩、ジアルキルリン酸塩、及びトリアルキルリン酸塩のようなホスフェート類が含まれる。本明細書で有用な好ましい陰イオン性泡性界面活性剤の非限定例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0109】
本明細書に用いるのに特に好ましいのは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、及びラウロイル乳酸トリエタノールアミンである。
【0110】
(非イオン性泡性界面活性剤)
本発明の組成物で使用される非イオン性泡性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版、及びマカッチャンの「機能性材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992)に開示されている。
【0111】
本明細書で有用な非イオン性泡性界面活性剤には、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、泡性スクロースエステル類、アミンオキシド類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
本明細書に用いるのに好ましい非イオン性界面活性剤の非限定例は、C8〜C14グルコースアミド類、C8〜C14アルキルポリグルコシド類、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0112】
(両性泡性界面活性剤)
本明細書で使用する時、用語「両性泡性界面活性剤」は、また、両性界面活性剤のサブセットとして当該技術分野の配合者に周知の双極性界面活性剤を包含することが意図されている。
【0113】
多種多様な両性泡性界面活性剤を、本発明の組成物で使用することができる。特に有用であるのは、脂肪族二級及び三級アミン類の誘導体類として広く記述されるものであり、好ましくは、窒素が陽イオン状態で、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であることができ、ラジカルの1つが、イオン性の水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有するものである。
【0114】
本発明の組成物に有用な両性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版、及びマカッチャンの「機能性材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992)に開示されている。
【0115】
双極性界面活性剤の非限定例は、ベタイン類、スルタイン類、ヒドロキシスルタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0116】
本明細書に用いるのに好ましい泡性界面活性剤は、次の通りである。陰イオン性泡性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、及びこれらの混合物から成る群から選択され、非イオン性泡性界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、C12〜14グルコサミド類、スクロースラウレート、及びこれらの混合物から成る群から選択され、両性泡性界面活性剤は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0117】
B.(非泡性クレンジング組成物)
繊維性不織布ウェブに加えて、本発明の組成物は、また、繊維性不織布ウェブに関連付けられた1つ以上の非泡性界面活性剤を含む。本発明の好ましい用品は、濡れた又は湿った状態であり、組成物は、当該組成物が定常的泡体積試験に開示される泡を発生させないような、十分な量の1つ以上の非泡性界面活性剤を含む。本発明の非泡性クレンジング組成物は、当該組成物が後述する定常的泡体積試験に従って最大でも700mlの定常的瞬間泡体積しか発生できないような、十分な量の1つ以上の非泡性界面活性剤を含む。好ましくは、非泡性クレンジング組成物は、400ml未満の定常的瞬間泡体積、さらに好ましくは300ml未満の定常的瞬間泡体積、さらに好ましくは250ml未満の定常的瞬間泡体積を発生させる。
【0118】
一般に非泡性クレンジング組成物は、好ましくは、ウェブの約1600重量%以下の非泡性界面活性剤を含み、好ましくはウェブの約1000重量%以下、より好ましくは約800重量%以下、さらに好ましくは約600重量%以下の非泡性界面活性剤を含む。一般に非泡性クレンジング組成物は、好ましくは、ウェブの少なくとも15重量%の非泡性界面活性剤を含み、好ましくはウェブの少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも60重量%の非泡性界面活性剤を含む。
非泡性の用品は、皮膚上に泡が存在することが望ましくない角質除去用の拭き取り布(例えば、ウェットワイプ、リフレッシュメントワイプ)に使用される。これらの非限定例は、皮膚拭き取り組成物及びリフレッシング組成物である。
【0119】
これら非泡性界面活性剤の非限定例は、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、セチルリン酸カリウム、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物である。
【0120】
1)皮膚拭き取り組成物
皮膚、爪、又は毛髪拭き取り用品は、顔のメークアップ除去、ベビー用拭き取り用品、皮膚リフレッシング拭き取り用品、失禁症状のある患者の入浴拭き取り用品、マスク、及び手の洗浄用拭き取り用品を含めた用品から成る。
【0121】
2)リフレッシング組成物
非泡性洗浄に有用な他の用品には、ペットシャンプー用の拭き取り用品及び乳牛の乳房洗浄用の拭き取り用品が含まれる。
【0122】
II.(処置組成物)
繊維性不織布ウェブに加えて、本発明の用品は、また、繊維性不織布ウェブに関連付けられた1つ以上の処置組成物を含む。処置に使用されるので、これらの用品は、一般に非泡性と見なされ、このような用品は、上記で定義したように、濡れた、湿った、又は乾燥したものにすることができる。本発明の繊維性不織布ウェブに関連付けられた処置組成物の中には、皮膚、毛髪、及び同様のケラチン性領域用の皮膚コンディショニング剤及び皮膚処置剤がある。本発明の処置組成物は、当該組成物が後述する定常的泡体積試験に従って最大でも700mlの定常的瞬間泡体積しか発生できないような、十分な量の1つ以上の非泡性界面活性剤を含む。好ましくは、処置組成物は、400ml未満の定常的瞬間泡体積、さらに好ましくは300ml未満の定常的瞬間泡体積、さらに好ましくは250ml未満の定常的瞬間泡体積を発生させる。
【0123】
A.(皮膚コンディショニング剤)
本発明の用品は、皮膚、毛髪、及びケラチン含有組織を含む身体の他の部分にコンディショニング利益をもたらすのに有用な皮膚コンディショニング剤を含むことができる。皮膚コンディショニング剤は、ウェブの約1600重量%以下、好ましくは約1000重量%以下、より好ましくは約800重量%以下、最も好ましくは約600重量%以下の皮膚コンディショニング剤を含むことができる。皮膚コンディショニング剤は、ウェブの少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、最も好ましくは約60重量%以下の皮膚コンディショニング剤を含むことができる。
【0124】
本発明で有用な皮膚コンディショニング剤は、水溶性コンディショニング剤、油溶性コンディショニング剤、コンディショニングエマルション、又はこれら3つの組み合わせ若しくは順列を含むことができる。油溶性コンディショニング剤は、当該油溶性コンディショニング剤の加重算術平均溶解度パラメータが10.5以下になるような、1つ以上の油溶性コンディショニング剤から選択される。水溶性コンディショニング剤は、当該水溶性コンディショニング剤の加重算術平均溶解度パラメータが10.5より大きくなるような、1つ以上の水溶性コンディショニング剤から選択される。溶解度パラメータのこの数学的定義に基づけば、例えば、化合物の1つが10.5より大きい個別の溶解度パラメータを有する場合、必要な加重算術平均溶解度パラメータ、すなわち10.5以下は、2つ以上の化合物を含む油溶性コンディショニング剤について達成可能なことが認識される。反対に、化合物の1つが10.5以下の個別の溶解度パラメータを有する場合、適切な加重算術平均溶解度パラメータ、すなわち10.5より大きい値は、2つ以上の化合物を含む水溶性コンディショニング剤について達成可能である。
【0125】
溶解度パラメータは、当該技術分野の配合化学者には周知であり、配合過程において物質の適合性及び溶解度を決定する指針として日常的に使用されている。「製品、包装、浸透、及び保存における溶解度の効果(Solubility Effects in Product,Package,Penetration,and Preservation)」、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics and Toiletries)、第103巻、47〜69頁(1988年10月)を参照のこと。
【0126】
有用なコンディショニング剤の非限定例としては、ワセリン、脂肪酸類、脂肪酸類のエステル類、脂肪アルコール類、エトキシル化アルコール類、ポリオールポリエステル類、グリセリン、グリセリンモノエステル類、グリセリンポリエステル類、表皮性及び皮脂性炭化水素、ラノリン、直鎖及び分岐状炭化水素、シリコーン油、シリコーンガム、植物油、植物油付加物、水素化植物油類、非イオン性ポリマー類、天然蝋類、合成蝋類、ポリオレフィン性グリコール類、ポリオレフィン性モノエステル、ポリオレフィン性ポリエステル類、コレステロール類、コレステロールエステル類、トリグリセリド類、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0127】
より具体的には、コンディショニング剤は、パラフィン、鉱油、ワセリン、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、スクロースのC10〜C30ポリエステル類、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ステアレス−1〜100、セテアレス1〜100、コレステロール類、コレステロールエステル類、グリセリルトリベヘネート、グリセリルジパルミテート、グリセリルモノステアレート、トリヒドロキシステアリン、オゾケライト蝋、ホホバ蝋、ラノリン蝋、エチレングリコールジステアレート、キャンデリラ蝋、カルナウバ蝋、蜜蝋、及びシリコーン蝋類から成る群から選択してよい。
【0128】
鉱油は、液状ワセリンとしても知られ、石油から得られる液状炭化水素の混合物である。ザ・メルク・インデックス(The Merck Index)、第10版、エントリー7048、1033頁(1983)、及び国際化粧品成分事典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、第1巻、415〜417頁(1993)を参照のこと。
ワセリンは、石油ゼリーとしても知られ、非直鎖の固体炭化水素と沸点の高い液状炭化水素とを含むコロイド系である。ザ・メルク・インデックス(The Merck Index)、第10版、エントリー7047、1033頁(1983)、シンドラー(Schindler)、薬品・化粧品産業(Drug.Cosmet.Ind.)、89、36〜37、76、78〜80、82頁(1961)、及び国際化粧品成分事典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、第1巻、537頁(1993)を参照のこと。
また、ポリジアルキルシロキサン類、ポリジアリールシロキサン類、及びポリアルカリールシロキサン類のような不揮発性シリコーン類も、有用な皮膚コンディショニング剤である。これらのシリコーン類は、米国特許第5,069,897号(オール(Orr)、1991年12月3日発行)に開示されている。
【0129】
本発明で好ましくは使用される皮膚コンディショニング剤は、また、用品使用時に皮膚、毛髪、及び同様のケラチン含有表面にコンディショニング利益をもたらすのに有用なコンディショニングエマルションも含んでよい。本明細書で使用する時、用語「コンディショニングエマルション」は、油溶性剤を含む外相によって内包される、水溶性コンディショニング剤を含む内相の組み合わせを意味することができ、或いは、本発明で使用する時、用語「コンディショニングエマルション」は、水溶性剤を含む外相によって内包される、油溶性剤を含む内相の組み合わせを意味する。好ましい実施形態では、コンディショニングエマルションは、乳化剤をさらに含む。コンディショニングエマルションは、前記非水溶性繊維性不織布ウェブの約15重量%〜約1600重量%、好ましくは約25重量%〜約1000重量%、より好ましくは約50重量%〜約800重量%、最も好ましくは約60重量%〜約600重量%含まれる。好ましい実施形態では、コンディショニングエマルションは、(i)前述した水溶性コンディショニング剤を含む内相と、(ii)油溶性コンディショニング剤の項で前述した、又は「脂質硬度値を増大させるために使用される材料」の項で後述する油溶性剤を含む外相とを含む。他の実施形態では、コンディショニングエマルションは、前記内相及び外相を有するエマルションを形成可能な乳化剤をさらに含む。本発明では内相及び外相を有するエマルションを形成可能な乳化剤が好ましいが、スキンケア配合の技術分野では、水溶性コンディショニング剤を乳化剤なしで油溶性剤によって内包できることが認識される。水溶性コンディショニング剤が油溶性剤によって内包され、それによってクレンジング過程ですすぎ落とされないように保護されているのであれば、その組成物は、本発明の範囲内にある。
【0130】
B.(皮膚処置剤)
本発明の用品は、用品使用時に皮膚、毛髪、及び同様のケラチン含有表面に治療的利益及び/又は美容的利益をもたらすのに有用な皮膚処置剤を含むことができる。皮膚処置剤は、ケラチン含有組織への適用に適しており、すなわち、適切な医療的判断の範囲内で、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などなしに、ヒトのケラチン含有組織に接触させて使用するのに適している。
【0131】
「CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)は、本発明の組成物で使用するのに適した、パーソナルケア業界で一般に使用される多種多様な非限定的化粧品及び医薬品成分を記載している。皮膚処置剤は、ウェブの約1600重量%以下、好ましくは約1000重量%以下、より好ましくは約800重量%以下、最も好ましくは約600重量%以下の皮膚処置剤を含むことができる。皮膚処置剤は、ウェブの少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、最も好ましくは約60重量%以下の皮膚処置剤を含むことができる。
本発明で有用な皮膚処置剤は、本明細書に記載の組成物を含むことができる。
【0132】
(ビタミン類)
本発明の用品は、ビタミン化合物類、前駆体類、及びそれらの誘導体類を含むことができる。このようなビタミン化合物類は、天然形態又は合成形態のいずれかであってよい。適したビタミン化合物類には、これらに限定するものではないが、ビタミンA(例えば、ベータカロチン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド類、レチニルパルミテート、レチニルプロプリオネートなど)、ビタミンB(例えば、ナイアシン、ナイアシンアミド、リボフラビン、パントテン酸など)、ビタミンC(例えば、アスコルビン酸など)、ビタミンD(例えば、エルゴステロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなど)、ビタミンE(例えば、トコフェロールアセテートなど)、及びビタミンK(例えば、フィトナジオン、メナジオン、フチオコールなど)の化合物類が挙げられる。
【0133】
具体的には、本発明の用品は、安全且つ有効な量のビタミンB3化合物を含んでよい。ビタミンB3化合物は、同時係属米国特許出願第08/834,010号(1997年4月11日出願)(PCT国際公開特許WO97/39733A1(1997年10月30日公開)の対応特許)に記載のように、皮膚の状態を調節するのに特に有用であり、その特許文献の全体を本明細書に参考として組み込む。本発明の治療的成分は、好ましくは、約0.0001%〜約50%、より好ましくは約0.1%〜約10%、さらに好ましくは約0.5%〜約10%、さらに好ましくは約1%〜約5%、最も好ましくは約2%〜約5%のビタミンB3化合物を含む。
【0134】
本明細書で使用する時、「ビタミンB3化合物」は、次式を有する化合物を意味し、
【0135】
【化1】

式中、Rは、−CONH2(すなわち、ナイアシンアミド)、−COOH(すなわち、ニコチン酸)、又は−CH2OH(すなわち、ニコチニルアルコール)、これらの誘導体類、及びこれらのいずれかの塩類である。
【0136】
上記ビタミンB3化合物の代表的な誘導体類には、ニコチン酸の非血管拡張性エステル類、ニコチニルアミノ酸類、カルボン酸類のニコチニルアルコールエステル類、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドを含めた、ニコチン酸エステル類が挙げられる。
【0137】
適したビタミンB3化合物の例は、当該分野において周知であり、多数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス(St.Louis))、ICNバイオメディカルズ・インコーポレーテッド(ICN Biomedicals,Inc.)(カリフォルニア州アーヴィン(Irvin))、及びアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から市販されている。
ビタミン化合物は、ほぼ純粋な物質として含めてよく、又は、天然源(例えば、植物)から適した物理的且つ/若しくは化学的単離によって得られる抽出物として含めてよい。
【0138】
(ゼオライト類)
本明細書で有用なゼオライト類の非限定例としては、方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイトのような天然ゼオライト類、並びに、ゼオライトが添加されるマトリックスを形成するゲル法(ケイ酸ナトリウム及びアルミナ)又はクレイ法(カオリン)によって製造されるような合成ゼオライト類が挙げられる。
【0139】
(ペプチド類)
これらに限定するものではないが、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタ−ペプチド類並びにそれらの誘導体類を含めたペプチド類を、本発明の組成物に安全且つ有効な量で含めてよい。本明細書で有用なペプチド類及びペプチド誘導体類の非限定例としては、カルノシン(登録商標)(β−ala−his)、gly−his−lys、arg−lys−arg、his−gly−gly、パルミトイル−gly−his−lys(フランスのセダーマ(Sederma)から市販されるバイオペプチドCL(登録商標)、100ppmとして購入可)、ペプチドCK(arg−lys−arg)、ペプチドCK+(ac−arg−lys−arg−NH2)、及びシグマ(Sigma)(ミズーリ州セントルイス(St.Louis))からアイアミンとして市販されるhis−gly−glyの銅誘導体が挙げられる。また、テトラペプチド類及びペンタペプチド類(フランスのセダーマ(Sederma)から市販されるパルミトイル−lys−thr−thr−lys−ser)も、本明細書に用いるのに適している。
本組成物に含まれる時には、ペプチド類は、好ましくは、当該組成物の約1×10-6重量%〜約10重量%、より好ましくは約1×10-6重量%〜約0.1重量%の量で含まれる。
【0140】
(日焼け止め活性物質)
主題発明の組成物は、日焼け止め活性物質を含有してよい。本明細書で使用する時、「日焼け止め活性物質」には、日焼け止め剤及び物理的日焼け防止剤の両方が含まれる。
【0141】
本明細書で有用な無機日焼け止め剤には、次の金属酸化物、平均一次粒径約15nm〜約100nmの二酸化チタン、平均一次粒径約15nm〜約150nmの酸化亜鉛、平均一次粒径約15nm〜約500nmを有する酸化鉄、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用される時には、無機日焼け止め剤は、当該組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0142】
多種多様な従来の有機日焼け止め活性物質が、本明細書に用いるのに好適である。サガリン(Sagarin)の化粧品及びトイレタリー(Cosmetics and Toiletries)(1987年)の第102巻、21頁以下に、多数の適した活性物質が開示されている。本明細書で有用な有機日焼け止め活性物質の非限定例としては、オクチルサリチレート、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩類、テレフタリリデンジカンファースルホン酸の塩類、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、アボベンゾン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0143】
本発明の組成物中に存在する時には、典型的には当該組成物の約1重量%〜約20重量%、より典型的には約2重量%〜約10重量%の、安全且つ有効な量の有機日焼け止め活性物質が使用される。
【0144】
(テルペンアルコール類)
本発明の局所適用組成物は、一部の実施形態では、ファルネソール、ファルネソール誘導体類、及びこれらの混合物のようなテルペンアルコールを安全且つ有効な量で含有してよい。本発明の組成物に含まれる時には、テルペンアルコールは、好ましくは当該組成物の約0.001重量%〜約50重量%、より好ましくは当該組成物の約0.01重量%〜約20重量%の量で含まれる。
【0145】
(落屑活性物質)
本発明の組成物には、安全且つ有効な量の、好ましくは当該組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%の落屑活性物質を添加してよい。本明細書で有用な落屑システムの非限定例としては、スルフヒドリル化合物と双極性界面活性剤との組み合わせ、及びサリチル酸と双極性界面活性剤との組み合わせが挙げられる。
【0146】
(抗ニキビ活性物質)
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗ニキビ活性物質を含有してよい。有用な抗ニキビ活性物質の例としては、レゾルシノール、イオウ、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン、亜鉛などが挙げられる。
【0147】
(抗しわ活性物質/抗萎縮活性物質)
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗しわ活性物質又は抗萎縮活性物質をさらに含有してよい。本発明の組成物で使用するのに適した抗しわ活性物質/抗萎縮活性物質の非限定例としては、ヒドロキシ酸(例えば、乳酸及びグリコール酸のようなα−ヒドロキシ酸、又はサリチル酸及びサリチル酸誘導体、例えばオクタノイル誘導体のようなβヒドロキシ酸)、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸、並びに皮膚剥離剤が挙げられる。
【0148】
(酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー)
主題発明の組成物には、安全且つ有効な量の、好ましくは当該組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを添加してよい。
【0149】
本明細書で有用な酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーの非限定例としては、アスコルビン酸(ビタミンC)及びその誘導体類、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体類(例えば、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール)、ブチル化ヒドロキシ安息香酸類及びその塩類、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸、ソルビン酸及びその塩類、リポ酸、アミン類(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、紅茶抽出物、ブドウ果皮/ブドウ種抽出物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0150】
(フラボノイド類)
本発明の組成物は、任意でフラボノイド化合物を含有してよい。フラボノイド類は、米国特許第5,686,082号及び同第5,686,367号に広く開示されている。本明細書で有用なフラボノイド類の非限定例としては、非置換フラボン、7,2’−ジヒドロキシフラボン、3’,4’−ジヒドロキシナフトフラボン、4’−ヒドロキシフラボン、5,6−ベンゾフラボン、及び7,8−ベンゾフラボン、非置換イソフラボン、ダイゼイン(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン)、5,7−ジヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、大豆イソフラボン類(大豆から抽出される混合物)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0151】
フラボノイド化合物は、存在する場合、好ましくは組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の濃度で存在する。
【0152】
(抗炎症剤)
本発明の組成物には、安全且つ有効な量の、好ましくは当該組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%の抗炎症剤を添加してよい。
【0153】
本明細書で有用な「天然の」抗炎症剤の非限定例としては、キャンデリラ蝋、ビサボロール(例えば、αビサボロール)、アロエベラ、植物ステロール類(例えば、フィトステロール)、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で有用なその他の抗炎症剤には、グリチルリチン酸二カリウムのようなグリチルリチン酸塩化合物が挙げられる。
【0154】
(抗セルライト剤)
本発明の組成物は、また、安全且つ有効な量の抗セルライト剤を含有してよい。本明細書で有用な抗セルライト剤の非限定例としては、キサンチン化合物(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、及びアミノフィリン)が挙げられる。
【0155】
(局所麻酔剤)
本発明の組成物は、また、安全且つ有効な量の局所麻酔剤を含有してよい。局所麻酔薬の例としては、ベンゾカイン、リドカイン、製薬上許容可能なそれらの塩類、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0156】
(日焼け用活性物質)
本発明の組成物は、日焼け用活性物質を含有してよい。存在する場合、組成物が、当該組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約2重量%〜約7重量%の人工日焼け用活性物質を含有することが好ましい。
本明細書で有用な日焼け用活性物質の非限定例は、ジヒドロキシアセトンである。
【0157】
(キレート化剤類)
本明細書で使用する時、「キレート化剤」又は「キレート剤」は、金属イオンが容易に化学反応に加わらないように、又は化学反応を触媒しないように、錯体を形成することによって系から金属イオンを除去可能な活性剤を意味する。キレート剤を含めることは、過剰な鱗屑又は皮膚のきめの変化の原因になり得る紫外線に対する防護、並びに皮膚の損傷を引き起こし得る他の環境物質からの防護を提供するのに特に有用である。
【0158】
本明細書で有用な代表的な油溶性キレート化剤類は、米国特許第5,487,884号(ビセット(Bissett)ら、1996年1月30日発行)、国際特許公開91/16035号(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日公開)、及び国際特許公開91/16034号(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日公開)に開示されている。主題発明の組成物中で有用な好ましい油溶性キレート化剤類は、フリルジオキシム、フリルモノキシム、及びそれらの誘導体類である。
【0159】
(美白剤)
本発明の組成物は、美白剤を含有してよい。使用される時には、組成物は、好ましくは、当該組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%の美白剤を含有する。本明細書で有用な美白剤の非限定例としては、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体類、フィトステロール誘導体類(例えば、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、ルペノール、α−スピナステロール、スチグマステロール、これらの誘導体類、及びこれらの組み合わせ)、アスコルビン酸及びその誘導体類(例えば、アスコルビルリン酸ナトリウム)、並びに抽出物(例えば、クワ抽出物、胎盤抽出物)を含めた、当該技術分野で公知のものが挙げられる。
【0160】
(抗菌活性物質及び抗カビ活性物質)
本発明の組成物は、抗菌又は抗カビ活性物質を含有してよい。本発明の組成物には、安全且つ有効な量の、好ましくは約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約5%、さらに好ましくは約0.05%〜約2%の抗菌又は抗カビ活性物質を添加してよい。
本明細書で有用な活性物質の好ましい例としては、グリコール酸、乳酸、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。
【0161】
(皮膚鎮静活性物質及び皮膚回復活性物質)
本発明の組成物には、皮膚鎮静又は皮膚回復活性物質を含めてよい。本明細書に用いるのに適した皮膚鎮静又は皮膚回復活性物質には、パンテノール酸誘導体類(パンテノール、デクスパンテノール、エチルパンテノールを含む)、アロエベラ、アラントイン、ビサボロール、及びグリチルリチン酸二カリウムが挙げられる。本組成物には、安全且つ有効な量の、好ましくは当該組成物の約0.1重量%〜約30重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約20重量%の皮膚鎮静又は皮膚回復活性物質を添加してよい。
好ましい実施形態には、治療的処置(例えば、ニキビ用用品)、日焼け止め剤適用用品、抗セルライト用品、抗しわ用品、マスク、人工日焼け用用品、足の擦り洗い用用品、化粧品適用用品、及び香水/芳香剤用品が挙げられる。
【0162】
III.(複合的クレンジング及び処置組成物)
これらの用品は、単一の布上でクレンジング組成物と併せた処置を例示する。組成物を別々に添加することができ、又は組成物を混合してから繊維性不織布ウェブに関連付けることができる。
【0163】
(追加成分)
本発明の用品は、多種多様な他の任意成分を含むことができる。これらの追加成分は、製薬上許容可能なものでなければならない。CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年(その全体を本明細書に参考として組み込む)は、本発明の組成物で使用するのに適した、スキンケア業界で一般に使用される多種多様な非限定的化粧品及び薬品成分を記載している。成分の機能的部類の非限定例が、この参照文献の537頁に記載されている。これら及び他の機能的部類の例としては、研磨材、吸収剤、固化防止剤、酸化防止剤、ビタミン類、結合剤、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学的添加物、着色剤、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、芳香剤成分、保湿剤、不透明化剤、pH調整剤、防腐剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、及び日焼け止め剤が挙げられる。
同様に本明細書に有用であるのは、芳香剤、顔料、染料、精油、皮膚感覚剤、収斂剤、皮膚鎮静剤、及び皮膚回復剤のような、審美的成分である。
【0164】
本発明で使用される組成物は、また、粘性を有する、水、一価及び多価アルコール類(グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、イソプロパノールなど)、鉱油のような炭化水素油類、シリコーン油類のような「流体」を含有してもよく、それらの中に溶解若しくは分散した、又はそれらに添加された他の構成成分を含有することもできる。
【0165】
(陽イオン性ポリマー類)
本発明で使用される組成物は、また、有機陽イオン沈着ポリマーを含有してよい。陽イオン沈着ポリマーの濃度は、好ましくはパーソナルケア組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、さらに好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0166】
本発明で使用するのに適した陽イオン沈着ポリマー類は、四級アンモニウムのような陽イオン性窒素含有部分、又は陽イオン性プロトン化アミノ部分を含有する。陽イオン性プロトン化アミン類は、パーソナルクレンジング組成物の特定の種及び選択されるpHに応じて、一級アミン、二級アミン、又は三級アミン(好ましくは二級又は三級)であることができる。陽イオン沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマー類は、また、パーソナルクレンジング組成物の目的用途のpH(一般に、pH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲になる)において、約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gの陽イオン電荷密度を有する。
【0167】
パーソナルケア組成物で使用される陽イオン沈着ポリマー類の非限定例としては、陽イオン性セルロース誘導体類のような多糖類ポリマー類が挙げられる。好ましい陽イオン性セルロースポリマー類は、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩類であり、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、アマコール・コーポレーション(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン(Edison))からポリマーKG、JR、及びLRシリーズのポリマーとして入手可能であり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0168】
他の適した陽イオン沈着ポリマー類としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのような陽イオン性グアーガム誘導体類が挙げられ、その具体例としては、ローディア・インコーポレーテッド(Rhodia Inc.)から市販されるジャガーシリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)から市販されるN−ハンスポリマーシリーズが挙げられる。
【0169】
他の適した陽イオン沈着ポリマー類には、合成の陽イオン性ポリマー類が挙げられる。本明細書のクレンジング組成物で使用するのに適した陽イオン性ポリマー類は、約4meq/g〜約7meq/g、好ましくは約4meq/g〜約6meq/g、より好ましくは約4.2meq/g〜約5.5meq/gの陽イオン電荷密度を有する、水溶性又は水分散性の非架橋陽イオン性ポリマー類である。選ばれたポリマー類は、また、平均分子量が約1,000〜約1,000,000、好ましくは約10,000〜約500,000、より好ましくは約75,000〜約250,000でなければならない。
【0170】
パーソナルケア組成物中の陽イオン性ポリマーの濃度は、当該組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
クレンジング組成物で使用される市販の合成陽イオン性ポリマーの非限定例は、米国ニュージャージー州クランベリー(Cranberry)のローディア(Rhodia)から商品名ポリケア(商標)133として入手可能なポリメチアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドである。
【0171】
(定常的泡体積試験)
本発明の用品は、後述する定常的泡プロファイルを提供することができる。身体用クレンジング組成物は、高い総定常的泡体積を有し、他方、非泡性用品は、低い定常的瞬間泡体積を有する。パーソナルケア用品は、クレンジング用品又は非クレンジング用品にすることができ、後述するような異なる泡プロファイルをもった泡性用品又は非泡性用品にすることができる。定常的泡体積試験は、水が新たに供給される状態、すなわち入浴時又はシャワーを浴びる時に当然存在するような状態における、用品の泡プロファイルの指標を与える。
【0172】
本明細書に記載の泡プロファイルは、定常的瞬間泡体積と定常的総泡体積との組み合わせであり、これら両方が以下の定常的泡体積試験に従って決定される。10mL間隔で印が付けられた、基部の内側から1,000mLの印までの高さが368.3mm(14.5インチ)の、1,000mLメスシリンダー(例えば、パイレックス2982号)を8個選択する。各メスシリンダーに100gの蒸留水(23℃で±0.3g)を加える。シリンダーに最初のシリンダー(シリンダー1)から最後のシリンダー(シリンダー8)まで順に番号を付け、シリンダーが直立した状態でメスシリンダーの中心を地面に平行な軸で横切る回転軸でシリンダーをクランプ固定する回転装置内に、これらのシリンダーをクランプ固定する。シリンダー2〜シリンダー8にはストップコックを追加する。
【0173】
最も長い寸法で4つの等幅ストリップに切り分けることによって用品を調製する。用品に内容物が取り込まれていて、用品をストリップに切り分けるとそれらがこぼれる場合、代わりに用品を4つの均等なストリップに折り畳む。用品のサイズが原因で、折り畳んでメスシリンダー内に入れることが不可能な場合、用品を、挿入できるストリップに切り分け、この手順の間にこぼれた内容物があれば、受けておいて、後述する第1のメスシリンダーに別々に加える。これらのストリップを積み重ね、その一端を、メスシリンダー頚部の内側に嵌まる十分に細いものとして選択された単純なバインダークリップで挟む。細い釣り糸のような細いポリマー糸をクリップに縛り付けて、糸が高い位置に保持されている時に、ストリップがクリップ及び糸から垂直に垂れ下がるようにする。ストリップの積み重ね体の上端が第1のメスシリンダー(シリンダー1)側部の1,000mlの印と同じ高さに垂れ下がった状態で、ストリップがメスシリンダー内部で垂直に垂れ下がるように、ストリップをシリンダー1内に入れる。
【0174】
次いで、シリンダー1の頚部にストップコックを挿入し、用品のストリップをメスシリンダーに対して固定する。必要ならば、ストップコックを挿入する前に、上に懸かった糸をテープでシリンダー1の外側に貼ることができる。また、漏れを防ぐために、テフロン(登録商標)テープを使用して耐水シールを設けることもできる。シリンダーを回転装置によって88秒で50回転という安定した速度で50回転させて、フォームセルで構成される泡を発生させ、垂直位置で停止させて、第1の回転シーケンスを完了する。
【0175】
タイマーを設定し、こうして発生した泡を30秒間水切りする。このような30秒の水切りの後、シリンダー1において基部からの泡の高さをmlで記録することによって、シリンダー1の泡量として表される第1の泡体積を、四捨五入して10ml単位で測定する(前記高さには、上に泡が浮いている、底部へと水切りされた水が含まれる)。泡の上面が均一でない場合、最初のメスシリンダーの半分までが見える最も低い高さがシリンダー1の泡量(ml)になる。泡が粗く、単一又はほんの数個のフォームセルだけがシリンダー全体に広がっている場合、直径を埋めるのに少なくとも5個のフォームセルが必要な高さがシリンダー1の泡量になる(やはり基部からのmL)。直径が25.4mm(1インチ)よりも大きいフォームセルは、それらが泡の上面で発生する時には、泡ではなく、空洞の空気として表される。また、メスシリンダーの最上部に集まるがメスシリンダーの底部に移動しない泡も、定規を使用して層の厚さを測定し、それを体積mlに変換して、そこに集まったフォームのmLを基部から上方に測定された泡のmLに加えることによって、それ自体の連続層にあるものとして最上部の泡の測定値に組み込まれる。かなりの量の泡(例えば、体積約60ml以上)がメスシリンダーの側部に垂れ下がり、総泡量の測定を不精確又は困難にしている場合、棒に取り付けられた半円形の可撓性プラウ、例えば、スポンジから切り取った直径50.8mm(2インチ)の栓をもう1度半分に切って長いねじ山付き棒に固定したものを使用して(30秒の水切りの間に)、最上部及び側部の泡をメスシリンダーの底部へと移動させて他の泡と合わせてから、体積を測定する。生じ得る最大泡体積は、(フォームの全高がメスシリンダー上の1,000mLの印を超える場合でも)1,000mLである。生じ得る最小泡体積は、(フォームが存在せず、メスシリンダー内の水の高さが泡の最上部で示され、シリンダー1の泡量として測定される場合でも)100mlである。
【0176】
シリンダー1の泡量を記録した後、糸を持ってストップコックを除去し、第1のメスシリンダーからストリップを取り外し、次いでこのメスシリンダーに再びコックを付ける。用品のストリップを糸だけで保持し、ストリップを吸収性のあるペーパータオルの積み重ね体に数秒間軽く触れさせて、ストリップの底部から水滴を除去する。次いで、前述したのと同一のやり方で、用品のストリップを、前述でシリンダー2として番号が付けられた第2のメスシリンダーの内側に固定し、そのストップコックを追加し、第2の回転シーケンスを完了して、第1のメスシリンダーについて記載したのと同一のやり方で第2のシリンダーにおいて泡体積を測定し、シリンダー2の泡量として記録する。このシーケンスを合計8回続け、各メスシリンダーにおける泡体積を、そのシリンダーの泡体積として記録する。すなわち、シリンダー1、シリンダー2、シリンダー3、シリンダー4、シリンダー5、シリンダー6、シリンダー7、及びシリンダー8における泡体積は、それぞれ、シリンダー1の泡量、シリンダー2の泡量、シリンダー3の泡量、シリンダー4の泡量、シリンダー5の泡量、シリンダー6の泡量、シリンダー7の泡量、及びシリンダー8の泡量として表される。定常的瞬間泡体積は、シリンダー1の泡量とシリンダー2の泡量とを合算することによって得られる。定常的総泡体積は、8個のメスシリンダーすべてにおいて得られた泡を合算することによって得られる。
【0177】
(機械的泡体積試験)
本発明のパーソナルケア用品は、後述する機械的泡体積を提供する。パーソナルケア用品は、クレンジング用品又は非クレンジング用品にすることができ、後述するような異なる機械的泡体積をもった泡性用品又は非泡性用品にすることができる。機械的泡体積試験は、水の供給が限られている状態、すなわち、洗面台で洗う時、例えば洗面台で顔を洗う時、特に、泡性の布、布状用品、又は繊維性不織布ウェブを使用して洗面台でメークアップを除去する時に当然存在するような状態での、用品の機械的な泡の指標を与える。
【0178】
10mL間隔で印が付けられた、基部の内側から1,000mLの印までの高さが368.3mm(14.5インチ)の、1,000mLメスシリンダー(例えば、パイレックス2982号)を選択する。メスシリンダーに25gの蒸留水(23℃で±0.1g)を加える。
【0179】
最も長い寸法で縦方向に切断することによって4つの等幅ストリップに切り分けることにより、用品を調製する。ストリップを積み重ね、その一端を、メスシリンダー頚部の内側に嵌まる十分に細いものとして選択されたバインダークリップ(上部クリップとして指定する)で挟む。用品に内容物が取り込まれていて、用品をストリップに切り分けるとそれらがこぼれる場合、代わりに用品を4つの均等なストリップに折り畳む。用品のサイズが原因で、折り畳んでメスシリンダー内に入れることが不可能な場合、用品を、挿入できるストリップに切り分け、この手順の間にこぼれた内容物があれば、受けておいて、後述する第1のメスシリンダーに別々に加える。
【0180】
各ストリップの底部に、それぞれ上部クリップとは反対の方向に向けてバインダークリップを取り付ける。各ストリップの中心に、上部クリップ及び各底部クリップの方向から90度の角度に向けてバインダークリップを取り付ける。各クリップは、平均2.7gの重さがある。クリップは、シリンダーが回転する間に、ストリップが短い長さへの収縮と完全長への膨張とを交互に起こして、泡性界面活性剤成分の存在下で泡を発生できる機械的動作を引き起こすように、重量を与えるためのものである。細い釣り糸のような細いポリマー糸を上部クリップに縛り付けて、糸が高い位置に保持されている時に、ストリップが上部クリップ及び糸から垂直に垂れ下がるようにする。
【0181】
ストリップの積み重ね体の上端がシリンダー側部の1,000mlの印と同じ高さに垂れ下がった状態で、ストリップがメスシリンダー内部で垂直に垂れ下がるように、ストリップをシリンダー内に入れる。頚部にストップコックを挿入し、用品のストリップをメスシリンダーに対して固定する。シリンダーを44秒で25回転という安定した速度で25回転させて、フォームセルで構成される機械的泡を発生させ、垂直位置で停止させる。回転の間ストリップを観察すると、各回転が、ストリップに、最大圧縮を起こしてから逆転して元の垂直位置で最大拡張を起こすというサイクルを繰り返させる。圧縮の程度は、濡れた状態でのストリップのコンプライアンスに基づいており、したがって様々である。(1)速すぎるシリンダーの回転速度、(2)生成された泡による干渉、(3)シリンダー壁面へのストリップの貼り付き、又は(4)これらの因子の組み合わせのような干渉因子が原因で、回転の逆転相の間にコンプライアントな(すなわち、長さ方向に圧縮を比較的起こしやすい)ストリップの圧縮が観察されない場合、ストリップが反転のたびに圧縮を起こし、垂直位置で拡張を起こすことが観察されるまで、装置の回転速度を減速させる。ストリップのコンプライアンスに基づいてストリップが圧縮及び拡張を起こす範囲で、ストリップの完全な圧縮−拡張サイクルを25回を完了させることが重要である。ストリップが圧縮及び拡張を起こさない場合、ストリップの意図される圧縮−拡張を達成するために回転速度を1分当たり15回転(rpm)程度まで減速させる。それでもなお、前述した干渉因子が原因でストリップが圧縮及び/又は拡張を起こさない場合、各回転の間、シリンダーを各垂直位置において瞬間的にその場所で保持して手で振盪させて、ストリップに圧縮及び拡張を起こさせる。
【0182】
次いで、回転装置を再始動させることによって、2回目の25回転について測定を続ける。停止してから5秒以内に回転装置を再始動させるべきである。停止してから5秒以内に再び回転装置を再始動させ、3回目の25回転を完了する。ストップコックを除去し、取り付けられた糸を使用して、それに集まった泡と共に用品を底部へと下降させる。定常的泡体積試験で記載したのと同一のプラウ(plow)を使用して、メスシリンダーの側部及び最上部に残っている泡をメスシリンダーの底部へと移動させる。プラウを使用して、泡の最上面が確実に均一になるようにする。泡表面の最上部が圧潰した用品を超えて延びる場合、泡体積を読み取る前に、やはりプラウを使用して、下降される時に圧潰した繊維性不織布ウェブ内の大きな(>25.4mm(1インチ))の空気の空洞が確実に泡で満たされるようにする。泡表面の最上部が用品を超えて延びない場合、泡を壊す、又は圧縮することなく、泡をプラウによってシリンダー内の可能な最低位置へと移動させる。
【0183】
泡の高さが繊維性不織布ウェブの最上部の高さを上回る場合、機械的泡体積は、その下にある繊維性不織布ウェブを含めた泡の高さになる。停止してから15秒以内に泡の高さを測定する。高さが繊維性不織布ウェブの最上部の高さを下回る場合、機械的泡体積は、メスシリンダーに広がる泡表面の最も高い部分の高さになる。初めて濡らされたときにスポンジが膨張するように、試験の間に用品が膨張する場合、プラウを使用して膨張した繊維性不織布ウェブの表面から泡を押しのけるが、これは、シリンダー底部に下降されず、泡の高さに含められない。風船が空気で膨らむように試験の間に用品が膨らむ場合、膨らまないように、同じタイプの新しい用品に傷を付け且つ/又は穴をあけることによってその用品を調製し、試験を繰り返し、機械的泡体積は、傷を付けられた又は穴があけられた用品での泡の高さになる。生じ得る最大泡体積は、(フォームの全高がメスシリンダー上の1,000mLの印を超える場合でも)1,000mLである。生じ得る最小泡体積は、0mlである(水の高さであるが、これは用品に吸収されることがある)。メスシリンダーの内側に泡が見えない場合、用品を下降させて高さを測定する必要はなく、機械的泡体積は、メスシリンダーの底部にある水の高さとして表される。
【0184】
(水分保持量測定法)
前述のように、本発明の用品は、「実質的に乾燥した」ものにすることができる。本明細書で使用する時、「実質的に乾燥した」は、本発明の用品が、約0.95g未満、好ましくは約0.75g未満、より好ましくは約0.5g未満、さらに好ましくは約0.25g未満、さらに好ましくは約0.15g未満、最も好ましくは約0.1g未満の水分保持量を示すことを意味する。水分保持量は、本発明の用品に触れたときにユーザーが知覚する、「濡れた」拭き取り用品の感触とは対照的な、乾燥した感触の指標である。
【0185】
本用品及び他の使い捨て繊維性不織布ウェブを主体とした製品の水分保持量を測定するには、以下の機器及び材料が必要である。
【0186】
【表2】

次に、2枚のペーパータオルの重量を別々に測定し、各重量を記録する。1枚のペーパータオルを平らな表面(例えば、実験室の作業台)上に置く。そのペーパータオルの上に試料用品を置く。試料用品の上にもう一枚のペーパータオルを置く。次に、間に挟まれた試料用品上に、レキサンを置き、次いで2000gのおもりを置く。1分待つ。1分後、おもり(1つ又は複数)及びレキサンを取り除く。上部及び底部のペーパータオルの重量を測定し、重量を記録する。
【0187】
上部及び底部のペーパータオル両方について、最終重量(1分後)から初めのペーパータオル重量を引くことによって、水分保持量を算出する。上部及び底部のペーパータオルについて得られた重量差を加算する。多数の用品が試験されると仮定して、総重量差を平均して水分保持量を得る。
【0188】
前述のように、本発明の用品は、使用前に「実質的に乾燥した」、「湿った」、又は「濡れた」ものにすることができる。用品は、触ると乾燥した感触を与えることができ、それでもなお水分含有量が高い。水分保持量は、本発明の用品に触れたときにユーザーが知覚する、「濡れた」用品の感触とは対照的な、乾燥した感触の指標である。ゆえに、触ると乾燥した感触がする本発明の用品は、それに含まれている流体の量とは比較的関係なく、乾燥した感触を与えることができる。乾燥した感触を有する本発明の用品は、約0.95g未満、好ましくは約0.75g未満、より好ましくは約0.5g未満、さらに好ましくは約0.25g未満、さらに好ましくは約0.15g未満、最も好ましくは約0.1g未満の水分保持量を示す。
【0189】
前述のように、本発明の用品は、使用前に「濡れた」ものにすることができる。用品は、触ると濡れた感触を与えることができ、水分含有量が高い。「濡れた」用品中の流体の重量パーセントは、ウェブの乾燥重量に基づく。重量は、全組成物の重量として表される。ゆえに、本発明の「濡れた」用品は、一般に、約40重量%より多くの流体、好ましくは40重量%〜約95重量%の流体、より好ましくは約50重量%〜約80重量%の流体を含む。
【0190】
(製造方法)
本発明の用品は、前記ウェブが選択的機械変形を受ける前又は後に、クレンジング及び/若しくは処置組成物を、別々に又は同時に、前記ウェブの表面上に添加し、且つ/又は前記ウェブに含浸させることによって、製造することができる。「別々に」とは、クレンジング組成物及び処置組成物を、初めに組み合わせずに、任意の順序で順次添加できることを意味する。「同時に」とは、クレンジング組成物及び処置組成物を、初めに組み合わせて又は組み合わせずに添加できることを意味する。
【0191】
クレンジング及び/又は処置組成物は、当業者に公知の任意の手段を使用して、繊維性不織布ウェブ上に組み込み、又は繊維性不織布ウェブに含浸させることができる。これらの構成成分は、様々な噴霧法、浸透法、コーティング法、又は浸漬法を使用して適用することができる。過剰な界面活性剤及び/又はコンディショニング成分は、(例えば、ニッピング法によって)除去することができる。得られる用品は、濡れた状態のままにすることができ、或いは、当該技術分野において公知の従来方法を使用してさらに加工し、湿った若しくは乾燥した状態にすることができる。
【0192】
(用品の使用方法)
本発明は、また、繊維性不織布ウェブの構造ゆえに柔らかい本発明のパーソナルケア用品によって、皮膚、毛髪、若しくは身体の他のケラチン含有組織をクレンジング且つ/又は処置する方法に関する。これらの方法は、繊維性不織布ウェブを含む使い捨てパーソナルケア用品を流体で濡らす工程と、クレンジング及び/又は処置組成物でクレンジング且つ/又は処置すべき領域を用品で拭き取る工程とを含む。本発明の用品は、使用前に流体で濡らすことができ、使用前に既に流体を含んでいることができ、又は用品を使用するために流体を必要としないものにすることができる。実質的に乾燥した用品は、流体に浸すことによって、又は流体の流れの下に置くことによって濡らされる。用品を皮膚、毛髪、若しくは他のケラチン含有表面と接触させる前又は接触させている間に、当該用品を機械的に攪拌し、且つ/又は変形させることによって、当該用品から泡が発生する。
【0193】
得られる泡は、皮膚、毛髪、若しくは他のケラチン含有表面をクレンジング且つ/又は処置するのに有用である。クレンジング/処置過程並びにその後の水によるすすぎの間、処置剤及び活性成分が皮膚、毛髪、若しくは他のケラチン含有表面と接触する。処置組成物及び活性成分の付着は、繊維性不織布ウェブと、皮膚、毛髪、若しくは身体の他のケラチン含有組織との物理的接触によって向上する。
【0194】
理論に制限されるものではないが、繊維性不織布ウェブは、泡の発生並びに処置組成物及び他の任意の活性成分の付着に大きく寄与すると考えられている。この泡及び付着は、繊維性不織布ウェブの表面作用の結果であると考えられている。結果として、より低刺激性の、きわめて少量の界面活性剤を使用することができる。必要な界面活性剤の量の減少は、界面活性剤による皮膚又は毛髪の乾燥効果の低減に関連すると考えられている。さらに、界面活性剤の量が減ると、界面活性剤が処置組成物の付着に対して示す妨害作用(例えば、界面活性剤による乳化又は直接的な除去による妨害作用)が低減される。さらに、理論に制限されるものではないが、繊維性不織布ウェブは、また、処置組成物及び活性成分の付着を向上させると考えられている。さらに、処置組成物及び活性成分が繊維性不織布ウェブ上に組み込まれ、又は当該ウェブ内に含浸されるので、濡れた、湿った、又は濡らされた用品を皮膚、毛髪、若しくは他のケラチン含有表面に表面接触させることによって、処置組成物及び活性成分がその皮膚へと直接移動する。
【実施例】
【0195】
以下の諸実施例は、本発明の範囲内にある諸実施形態をさらに記載し、実証する。諸実施例は、単に説明を目的として与えられるにすぎず、その多くの変形形態が本発明の精神及び範囲を逸脱することなく可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。特に指定のない限り、例示されるすべての量は、全クレンジング、処置組成物の重量に基づいた濃度である。
【0196】
(実施例1)
ループ状でもある、房状の不織布ウェブを調製する。不織布の前駆体不織布ウェブは、100%ポリプロピレンスパンボンド繊維で構成され、1平方メートル当たり約17g(gsm)の坪量を有しており、柔軟性添加剤を含有する親水性PHOB+C1,2,3として指定されて、米国ペンシルベニア州ヘーズルトン(Hazleton)のファースト・クオリティ・フィブラス・ノンウーヴンズ(First Quality Fibrous Nonwovens)によって販売される。ピッチ(P)が1.524mm(0.060インチ)、歯の高さ(TH)が3.683mm(0.145インチ)、歯の間隔(TD)が1.588mm(0.0625インチ)、歯の長さ(TL)が1.270mm(0.050インチ)の歯付きロールを使用して、前駆体不織布ウェブをタフト加工する。歯付きロール及び溝付きロールは、3.429mm(0.135インチ)の係合(E)に設定した。歯付きロール及び溝付きロールの直径は、それぞれ約15cm(6インチ)である。前駆体不織布ウェブは、ライン速度7.6m/m(1分当たり25フィート(fpm))でニップ内に送り込まれる。房状のウェブを、ウェブの第1側(すなわち、タフト加工された側)の変形部の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を作成することによって調査し、本明細書に記載の手順によって評価する。代表的な変形部は、平均23本の繊維で構成され、その約83%が、破断していないループ状の房状の繊維であった。個々のループ状繊維の直径は、近位部分と遠位部分との中間では約12μm、バルクでは約15μmである(直径比0.80)。ループの高さ×最大幅は、約0.80mm×1.1mmであり、ループは、ウェブ表面近くで約0.60mmの最小幅を有する。楕円寸法を仮定すると、ループの平面的な突出は、1つの軸がループの高さに等しく、第2の軸がループの最大幅に等しい楕円によって表され、ループの面積は、楕円の面積についての標準的な式(=πab/4(a及びbは楕円の軸))に従って0.69mm2と算出される。
【0197】
(実施例2)
房状の繊維性不織布ウェブを調製する。実施例1と同一のポリプロピレン繊維性不織布ウェブを使用し、ライン速度を1分当たり約150メートル(1分当たり500フィート)に増大させることを除いて同一の歯付きロール及び設定を使用する。変形部があまりループ状ではない様子が観察される。
【0198】
(実施例3)
房状の部分と非房状の部分とを有する2ゾーン型の(すなわち、ウェブの1つの領域がタフトを有するゾーンを画定し、同一のウェブの第2の領域がタフトを持たない第2のゾーンを画定する)、房状の繊維性不織布ウェブを調製する。房状の部分は、ほとんどがループ状に見える。実施例1と同一のポリプロピレン繊維性不織布ウェブを使用する。前述の実施例と同一のパターンを有する、ただし手動クランク式である歯付きロールを使用する(ライン速度は、歯付きロールに取り付けられたアームを使用して1分当たりわずか約1メートル(数フィート)であり、歯付きロールは、溝付きロールに噛み合っていて、手で力を加えてアームを回転させると、ロールが回転してウェブをロール間のニップ内に引き込み、そこでタフト加工が起こる)。歯付きロールは、歯群を持たずに空隙群を有するロールの部分を有しており、空隙群は、機械方向及び機械横方向の両方に配向した列を成しており、これらの列は、約0.85cmの幅を有しており、両方向で列の間隔(中心間の距離)7.5cmで離隔されている。房状のウェブの第1領域内の部分は、タフト加工されている。列を成す、歯群を含まない歯付きロールの部分に対応する第2領域内のウェブの他の部分は、変化しない。ミツトヨ(Mitutoyo)モデルID−C112CEBマイクロメータを使用して、ウェブの厚さを測定する。第1領域内の房状の部分の厚さは、約0.39mmである。第2の非房状の領域内の房状のウェブの厚さは、約0.14mmである。
【0199】
(実施例4)
房状の繊維性不織布ウェブを調製する。繊維性不織布ウェブは、DAPP繊維(強活性化ポリプロピレン)である繊維で構成され、これは、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び少なくとももう1つのコポリマーを含む多組成繊維である。繊維性不織布ウェブの坪量は、約30gsm+/5gsmである。繊維性不織布ウェブは、ノースカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA Fibrous Nonwovens)から得られ、フランスのファイバーウェブ・インコーポレーテッド(Fiberweb,Inc)によって生産され、ソフスパン200(登録商標)として販売されている。実施例1の歯付きロール及び設定を使用してライン速度1,524cm/m(50fpm)でウェブをタフト加工し、房状のウェブを同一の方式で調査する。代表的なタフトは、平均20本の繊維を含んでおり、その約90%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約22μm、バルクでは約24μmである(直径比0.92)。ループの高さ×最大幅は、約1.30mm×0.90mmであり、ループは、約0.55mmの最小幅を有する。実施例1で前述したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.92mm2と算出される。
【0200】
(実施例5)
ライン速度を15,240cm/m(500fpm)に増大させることを除き、同一の材料、プロセス、及び条件を使用して、房状の繊維性不織布ウェブを調製する。代表的なタフトは、平均20本の繊維で構成され、その約70%が破断していないループ状繊維であった。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約16.5μm、バルクでは約20μmである(直径比0.83)。ループの高さ×最大幅は、約0.95mm×0.85mmであり、ループは、約0.55mmの最小幅を有する。実施例1で前述したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.63mm2と算出される。
【0201】
(実施例6)
実施例4と同一のポリプロピレン繊維性不織布ウェブを使用して、房状の繊維性不織布ウェブを調製する。前述の実施例と同一のパターンを有する、ただし実施例3に記載したように手動クランク式である、歯付きロールを使用する(ライン速度は、1分当たりわずか約1メートル(数フィート))。歯付きロールは、歯群を持たずに空隙群を有するロールの部分を有しており、空隙群は、歯の存在しない部分によって画定され、MD及びCDに延びる列を成している。房状のウェブの第1領域内の部分は、タフト加工されている。実施例3で定義したように、列を成し、縁部の周りにもある、第2領域内のウェブの他の部分は、変化しない。ミツトヨ(Mitutoyo)モデルID−C112CEBマイクロメータを使用して、ウェブの厚さを測定する。第1領域内の房状のウェブの厚さは、約0.92mmである。第2の非房状の領域内の房状のウェブの厚さは、約0.21mmである。
【0202】
(実施例7)
実施例4と同一の歯付きロール及び機器設定並びにライン速度を用い、実施例4と同一の供給元から得られるのと同一の、ただし60gsmと坪量が大きい材料を使用して、繊維性不織布ウェブをタフト加工する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均32本の繊維を含んでおり、その約75%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約13μm、バルクでは約18μmである(直径比0.72)。ループの高さ×最大幅は、約1.35mm×1.03mmであり、ループは、約0.45mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、1.09mm2と算出される。
【0203】
(実施例8)
前述の実施例と同一の材料及び歯付きロールを使用して、他の変更は行わずにライン速度を15,240cm/m(500fpm)に増大させる。ウェブを顕微鏡的に評価する。個々のループ状繊維の直径は、形成されたループでは約17.5μm、バルクでは約21μmである(直径比0.83)。ループの高さ×最大幅は、約1.20mm×1.20mmであり、ループは、約0.60mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、1.13mm2と算出される。代表的なタフトは、平均約25本の繊維を含んでおり、その約68%が破断していないループ状繊維である。
【0204】
(実施例9)
繊維性不織布ウェブをタフト加工する。ウェブは、T260HEC(高伸長カード処理済み)であり、これは、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴン・ウェブズ(BBA Fibrous,non-woven webs)によって製造される、100%ポリプロピレンカード処理繊維で構成された軽度に結合された高伸長カード処理繊維ウェブであり、坪量40gsmを有する。実施例4と同一の方式でウェブを加工する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均18本の繊維を含んでおり、その約44%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約18.5μm、バルクでは約20μmである(直径比0.93)。ループの高さ×最大幅は、約1.30mm×1.15mmであり、ループは、約0.55mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、1.17mm2と算出される。
【0205】
(実施例10)
前述の実施例と同一の材料及び歯付きロールを使用して、他の変更は行わずにライン速度を15,240cm/m(500fpm)に増大させる。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均22本の繊維を含んでおり、その約36%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約15μm、バルクでは約15μmである。ループの高さ×最大幅は、約1.20mm×0.85mmであり、ループは、約0.60mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.80mm2と算出される。
【0206】
(実施例11)
繊維性不織布ウェブをタフト加工する。ウェブは、スパンボンド/スパンレース加工によって調製される100%ポリプロピレンであり、坪量50gsmを有し、ノースカロライナ州グリーンズバラ(Greensboro)のアヴゴル・ノンウーヴンズ(Avgol Nonwovens)によって製造される。前述の実施例と同一の歯付きロールを、ライン速度305cm/m(10fpm)で使用した。歯付きロール及び溝付きロールの係合の深さを、2.54mm(0.100インチ)の係合(E)に設定する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均約29本の繊維を含んでおり、その約50%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約16μm、バルクでは約16μmである。ループの高さ×最大幅は、約0.90mm×0.70mmであり、ループは、約0.60mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.49mm2と算出される。
【0207】
(実施例12)
加熱プレスを使用して、繊維性不織布ウェブをタフト加工する。ウェブは、実施例11と同一である。上部及び底部の金属プレートが実施例1のロールと同一の歯及び溝の測定寸法を有する、空気圧式の歯付きロールを使用する。これらのプレートは、厚さ1.5cm、x及びy寸法が30平方cmであり、歯付きの上部プレート及び溝付きの底部プレートは、前述した歯及び溝の寸法仕様に工作されている。上部プレート上の2つのピンは、底部プレート上の2つの穴と位置合わせされているので、歯が溝の間の凹部と位置合わせされ、実施例1のロールと同一の方式で係合するように、プレートを空気圧式タフト加工ロール上に精密に据え付けることができる。シムは、精密な厚さを有する金属スペーサであるが、これを使用して、歯付きプレートと溝付きプレートとの間の係合深さ(E)1.270mm(0.050インチ)を達成する。空気圧式歯付きロールは、米国サウスカロライナ州エーケン(Aiken)のアイラム・インコーポレーテッド(Airam,Inc)によって作製されるアイラムATP−1585空気圧式プレスである。1秒の滞留時間(接触時間)を使用してウェブをタフト加工する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均約50本の繊維を含んでおり、その約100%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約7μm、バルクでは約15μmである。ループの高さ×最大幅は、約0.55mm×0.50mmであり、ループは、約0.50mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.22mm2と算出される。
【0208】
(実施例13)
実施例1に記載した歯付きロールを同一の3.429mm(0.135インチ)の係合(E)で使用して、ライン速度305cm/m(10fpm)で繊維性不織布ウェブをタフト加工する。ウェブは、芯−鞘構成の5デニールスパンボンドポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)2成分繊維で構成され、坪量70gsmを有し、米国サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAノンウーヴンズ(BBA Nonwovens)によって商品名ソフテックス(登録商標)として製造且つ販売される。タフト状・ループ状ウェブは、ミツトヨ(Mitutoyo)マイクロメータによって測定される厚さ1.09mmを有する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均約44本の繊維を含んでおり、その約100%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約17μm、バルクでは約27μmである。ループの高さ×最大幅は、約1.55mm×1.20mmであり、ループは、約0.65mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、1.46mm2と算出される。
【0209】
(実施例14)
坪量が80gsmと大きい、実施例13と同一の材料を、実施例13に記載したのと同一の方式でタフト加工する。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均約61本の繊維を含んでおり、その約100%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約19μm、バルクでは約32μmである。ループの高さ×最大幅は、約1.05mm×1.25mmであり、ループは、約0.625mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、1.03mm2と算出される。
【0210】
(実施例15)
実施例13と同一のプロセス及び材料を使用して、ライン速度を9,144cm/m(300fpm)に増大させる。ウェブを顕微鏡的に評価する。代表的なタフトは、平均約67本の繊維を含んでおり、その約100%が破断していないループ状繊維である。個々のループ状繊維の直径は、ループでは約16μm、バルクでは約26μmである。ループの高さ×最大幅は、約1.00mm×1.10mmであり、ループは、約0.60mmの最小幅を有する。実施例1に記載したように楕円寸法を仮定すると、ループの面積は、0.86mm2と算出される。
【0211】
(実施例16)
ベビー用拭き取り用品を調製する。以下の成分から、均質になるまで混合し、pH5.5に緩衝処理することによって、化学的構成成分を調製する。
【0212】
【表3】

実施例7のループ状ウェブを、寸法18cm×20cmの個別の拭き取り用品に切り分け、重複部分をもつ交互配置構成でZ折りにし、タフト側を外に向けて拭き取り用品40個の群に積み重ねる。布の重量を基準にして添加割合350%で積み重ね体に化学的構成成分を添加し、小型容器から拭き取り用品を引き出すと新しい拭き取り用品の縁部が現れて容易に取り出せる「ポップアップ式」拭き取り用品ディスペンサーに布を包装する。
【0213】
(実施例17)
坪量約18gsmを有するスパンボンドウェブから、房状の繊維性不織布ウェブを調製する。ウェブは、100%白色ポリエステル(PET)である繊維で構成され、ノースカロライナ州27704ダラム(Durham)インダストリアル通り(Industrial Dr.)3440のフロイデンベルグ・フィブラス・ノンウーヴンズ(Freudenberg Fibrous Nonwovens)によって製造される。実施例6のような機器及び設定並びに手動クランク手順を使用して、ウェブをタフト加工する。作り出されるウェブは、ループ状繊維の割合が少ない房状のウェブである。ウェブは、房状のゾーンでは厚さ0.36mmを有し、非房状のゾーンでは厚さ0.13mmを有する。
【0214】
(実施例18)
タフト加工された、ループ状繊維の割合が大きい繊維性不織布ウェブを調製する。ウェブは、BBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA Fibrous Nonwovens)によって製造される、坪量46gsmを有する、芯/鞘2成分繊維(PE/PP)スパンボンドウェブである。TLが6.35mm(0.25インチ)、ピッチ(P)が6.35mm(0.25インチ)の歯群を有する歯付きロールを使用して、タフトを作成する。歯群は、列で配置され、1列おきに1/2ピッチずつずれて、ジグザグ模様を創り出す。係合深さ(E)は、3.429mm(0.135インチ)である。装置は、前述したように手でクランク回転される。ウェブは、慎重に調査すると2つの端部で開いて見える、トンネル状ループのように見えるタフトを有しており、その寸法は、長さ約6mm×幅1.25mmである。ウェブは、房状の領域では厚さ0.91mm、非房状の領域では厚さ0.37mmを有する。
【0215】
(実施例19)
実施例18の装置及び手順を用いて繊維性不織布ウェブを調製する。ウェブは、実施例11と同一である。トンネル状のタフトが明らかであり、これらは、ループ状繊維を有する。
【0216】
(実施例20)
実施例18の装置及び手順を用いて繊維性不織布ウェブを調製する。ウェブは、実施例1と同一である。トンネル状のタフトが明らかであり、これらは、ループ状繊維を有する。
【0217】
(実施例21)
2つの前駆体ウェブから、ループ状繊維を有する房状の繊維性不織布ウェブを調製する。濃青色の芯−鞘2成分繊維を含む34gsmウェブである、同一の2つのウェブを物理的につなぎ合わせる。つなぎ合わされたウェブを、歯付きロールへと送り込み、実施例3の条件を使用して、両方の前駆体ウェブで始まり且つ終わる繊維を有する、タフトを作り出す。2つのウェブによるタフト加工手順は、タフトのところでウェブを噛み合わせることによって実質的に単一のウェブであるものを作り出す。房状のウェブは、房状の領域では厚さ1.18mm、非房状の領域では厚さ0.42mmを有する。長さ212.725mm(8.375インチ)×幅171.45mm(6.75インチ)の寸法の布では、3つの房状の領域と、布の幅をまたいで延びる4つの非房状の列(縁部の非房状の列を含む)と、縁部のところで布の長さを延びる2つの非房状の列とが存在する。非房状の列は、つながっている。布は、へり縫いされた、上質のテリー織の布の洗い布又は小さなタオルの外観及び感触を有する。
【0218】
(実施例22〜28)
多数の(順次式)スピナレットによるプロセスを使用し、PPとPE/PP2成分繊維との混合物を有するウェブを作り出して、スパンボンドウェブを調製する。一部のウェブは、編成されていない繊維の混合物によって調製される。他のウェブは、異なる繊維を使用してウェブの上部から底部へと繊維を層状化させる順次式スピナレットによって調製される。実施例4のプロセス及び条件を使用し、各ウェブをタフト加工して、房状のウェブを調製する。ウェブは、以下の組成に従って調製される。
【0219】
【表4】

タフト加工されていないが、前述の実施例のウェブと組み合わせることによって後出の実施例の構成要素として使用される、以下の繊維性不織布ウェブ又は成形フィルムを調製する。
【0220】
(実施例29)
米国インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・コーポレーション(Tredegar Corp.)から、ポリエチレンのブレンド(HDPE/LDPE)を含む大きな六角模様(8.75hex)成形フィルムであるウェブを得る。このウェブは、坪量約36gsm、厚さ1.016mm(0.04インチ)を有する。成形フィルムは、形成スクリーンの表面上でフィルムを引くことによって前駆体フィルムから形成される、六角形の孔を含んだフィルムであり、この形成スクリーンは、ドラムの表面上にスクリーンが置かれたドラム形の中空フレームであり、このスクリーンは、フィルムの得られるランド領域に対応する六角形模様と、孔に対応する開いた領域とを有する。成形フィルムは、フィルムがドラムに接触した状態でドラムを回転させ、圧力約20,684kPa(3,000psi)でフィルムに衝突するウォータージェットを適用することによって、前駆体フィルムから形成され、前記ジェットが、スクリーンの開いた領域でフィルムを破って、フィルムに孔を創り出す。
【0221】
(実施例30)
米国インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・コーポレーション(Tredegar Corp.)から、低密度ポリエチレンポリマーを含む、坪量25gsm、厚さ約0.432mm(0.017インチ)を有する成形フィルムであるウェブを得る。
【0222】
(実施例31)
ラテックス接着剤と、接着剤で満たされたトラフ内に結合していないウェブを浸漬させ、ニップを備える2つのゴム製ロールを使用して過剰な接着剤を搾るディップ&ニッププロセスとを使用して、接着剤で結合された100%ポリエステルである市販のウェブを得るが、このウェブは、米国オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のスターンズ・テキスタイルズ(Stearns Textiles)のような多くの製造業者によって市販されており、坪量2oz/yd2(68gsm)を有する。ウェブは、詰め物されており、厚さ約5.8mmを有する。
【0223】
(実施例32)
独立起泡ポリエチレン泡体であるウェブを得る。ウェブは、厚さ約3.175mm(1/8インチ)、坪量93gsm、密度約30kg/m3である。ウェブは、機械方向に幾列にもスリット群が形成されていて、これらスリット群は、長さ19.05mm(3/4インチ)、1列の中のスリット間隔6.35mm(1/4インチ)、スリット列の間隔3.175mm(1/8インチ)である。スリット群は、1列おきにスリットの長さの1/2だけMD方向にずれており、したがって、スリットが形成されたウェブをCD方向に引いて広げると、ウェブが格子模様に開く。このようなウェブは、米国オレゴン州ポートランド(Portland)のケブロンLLC(Kevron LLC)によって供給される。
【0224】
(実施例33)
ベルギーのリベルテックスNV(Libeltex NV)から、坪量65gsm及び厚さ2.7mmを有する、カード繊維(50%PET、50%PE/PP(芯−鞘)2成分)のエアレイドブレンドである詰綿を得る。
【0225】
(実施例34)
2つの前駆体ウェブから形成されるウェブである、複合ウェブを調製する。単プライシートのセルロース吸収性ペーパータオル(米国オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のプロクター&ギャンブル・カンパニー(Procter & Gamble Co.)によって販売されるバウンティ・タオル)を、ずれた列の点の間が約5mm離隔された超音波溶接である点結合を使用して、0.25oz/yd2スパンボンドポリプロピレンのシートに取り付ける。ポリプロピレンウェブは、BBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA Fibrous Nonwovens)から市販され、セレストラ(登録商標)として販売される。
【0226】
(実施例35)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布又は用品(これらの用語はこれらの実施例では同一のものを意味するために置き換え可能に使用されている)を調製する。以下の成分から、泡性界面活性剤成分を調製する。
【0227】
【表5】

塊の形成を避けるために継続的に攪拌し、熱を加えながら、陽イオン性ポリマーとグリコール及び界面活性剤とを混合することによって、成分を調製する。冷却の間に香料を添加する。泡性界面活性剤成分は、約60℃以上に加熱すると溶融し、冷却すると凝固して硬質の固体になる。この実施例及び後出の実施例で添加されるパーセンテージは、成分が含有し得る水を含めた、当該成分のパーセンテージである。
【0228】
変形部が布の内部から離れる方向(以下の実施例すべても同じ方向)に向いた実施例20の房状のウェブの2つの層と、実施例33の詰綿の2つの層とを使用して、層状化された積層用品を調製する。泡性界面活性剤成分を、液体になるまで加熱し、完成用品当たり4gの割合で詰綿層の間に3列でスロットコーティングする。3cm間隔で用品全体にわたって均等に離隔された直径4mmのシーリング点のグリッドを含むドットパターンをシールする、ブランソン・モデル9000超音波シーラーのような超音波シーラーを使用して、層をシールする。シールされたウェブを11.9cm×9.0cmの長方形に切り分けて、完成用品を作り出す。
【0229】
(実施例36)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。以下の成分から、泡性界面活性剤成分を調製する:
【0230】
【表6】

1(クロンプトン・ウイトコ・リファインド・プロダクツ(Crompton Witco Refined Products)、米国コネチカット州ミドルベリ(Middlebury))、ワセリン
【0231】
実施例35と同一の方式で成分を処理する。実施例19の房状のウェブの第1の層と、オス側が詰綿層を向いた実施例30の成形フィルムである内部層と、実施例33の詰綿の層とを使用して、層状化された積層用品を調製する。完成用品当たり5.0gの割合で、第1の層と内側の詰綿層との間に薄い層で泡性界面活性剤成分をスロットコーティングし、実施例35と同一の方式で完成する。
【0232】
(実施例37)
入浴時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。以下の成分から、泡性界面活性剤成分を調製する。
【0233】
【表7】

構成成分量によって示される相対比率で、過剰な量のタロー脂肪酸、ココヤシ脂肪酸類、リシノール酸と、最終構成成分バッチで必要なグリセリン及び水の半量とから、別々にナトリウム石鹸を調製する。過剰分なしに脂肪酸類を中和するのに必要な化学量論的量で水酸化ナトリウムを加えて、石鹸を製造する。やはり別々に、同一の方式でステアリン酸及びオレイン酸を用いてトリエタノールアミン(TEA)石鹸を調製し、TEAの10%過剰量で中和する。ナトリウム及びTEA石鹸を、芳香剤を除いた他の成分とブレンドし、85℃に加熱する。均質になったら、混合物を冷却し、冷却中に芳香剤を添加する。混合物は、室温では硬質の石鹸であり、80℃を超えると液体になり、コーン&プレート粘度計上で2.51/秒の剪断速度で、85℃における粘度がわずか約0.019Pa・s(19cP)である。
【0234】
実施例18の房状のウェブの第1層と、実施例33のウェブである内層と、実施例30のクレープ加工ウェブの2つの層とを使用して、層状化された積層用品を調製する。層を合わせてシールする前に、泡性界面活性剤成分を80℃に加熱し、詰綿に面している側に完成用品当たり3gの割合で中央の層上に噴霧する。次いで、界面活性剤成分を通じてこれらの層をシールして、約150cm2の正方形に切り分けて用品を完成する。
【0235】
(実施例38)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。以下の成分から、泡性界面活性剤成分を調製する。
【0236】
【表8】

実施例35と同一の方式で成分を処理する。実施例19の房状のウェブの第1層と、実施例37の詰綿である内層と、同一の詰綿の外層とを使用して、層状化された積層用品を調製する。完成用品当たり4.0gの割合で詰綿層の間に縞状に泡性界面活性剤をスロットコーティングし、実施例35と同一の方式で完成する。
【0237】
(実施例39)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。以下の成分から、33.1%活性界面活性剤を含む泡性界面活性剤成分を調製する。
【0238】
【表9】

最も高い温度で形成された側部を布の内側から離れる方向に向けて、実施例20の房状のウェブの2つの層と実施例33のウェブの層とを合わせてシールすることによって、ウェブを調製する。低粘度の泡性界面活性剤成分を、完成用品当たり12gの割合でウェブ上に噴霧し、高温の強制空気を使用してウェブを水分含有量約5%まで乾燥させる。ウェブを面積約270cm2の長方形に切り分けて、完成用品を作り出す。
【0239】
(実施例40〜43)
実施例40〜43について、以下のパーセンテージを有する泡性界面活性剤成分を調製する。
【0240】
【表10】

次に、界面活性剤成分なしに、以下の表に従ってウェブを積層化する。マサチューセッツ州ハイアニス(Hyannis)のセンコープ(Sencorp)から入手可能なセンチネル・モデル808ヒートシーラーのような圧プラテン・ヒートシールデバイスを用いるヒートシール・ダイによって、グリッドパターンの点結合を使用して層を合わせてシールする。点結合は、それぞれ直径約4mmの寸法であり、2cm間隔で離隔されて、六角形配列に配置される。積層体を面積約270cm2の長方形に切り分ける。
【0241】
【表11】

積層化されたウェブ上に界面活性剤成分をコーティングすることによって実施例を完了する。界面活性剤成分を加熱して粘度を低下させ、シリンジ内に引き入れて、完成用品当たり3.8gの割合で、ウェブの粗い側を通じてコーティングし(実施例40〜42)、又は粗い側の表面上にコーティングする(実施例43)。
【0242】
(実施例44〜47)
以下の化学的構成成分を調製して、洗面台で顔をクレンジングする、特にメークアップを除去するのに有用な、実施例44〜47の用品に使用する。水中で構成成分相Bを調製し、75℃で構成成分相B中にワセリンを乳化させて、これらの実施例についての界面活性剤成分である相A+Bの25%固体水性混合物を製造する。ここに示した配合には、添加される水は含まれない。成分を別々に混合することによって、構成成分相Cを調製する。
【0243】
【表12】

ウェブを界面活性剤成分のトラフに浸漬させ、ウェブをニップロール内に通過させて界面活性剤を適切な添加割合に調整し、構成成分相C上に噴霧し、強制空気式オーブン内で布を湿分含有量約11%まで乾燥させることによって、用品を調製する。界面活性剤成分は、ウェブ1平方メートル当たり86g(gsm)の割合で添加される。構成成分Cは、6.6gsmの割合で添加される。実施例44〜47に使用されるウェブは、以下の通りである。
【0244】
【表13】

ウェブを、角の丸い、表面積約275cm2の長方形に切り分ける。
【0245】
(実施例48〜50)
泡性の顔用クレンジング用品を調製する。ワセリンを除外し、界面活性剤成分を25%固体で調製することを除いて、同一の方式で、実施例44〜47の界面活性剤成分を調製する。界面活性剤成分をウェブ上に39gsmの割合で噴霧し、ウェブを湿分含有量約11%まで乾燥させ、ワセリンをウェブ上に4.5gsm(実施例48)、9.1gsm(実施例49)、及び13.5gsm(実施例50)の割合で噴霧することによって、用品を調製する。構成成分Cは、実施例46〜49と同一の割合で添加される。実施例48〜50に使用されるウェブは、以下の通りである。
【0246】
【表14】

ウェブを、角の丸い、表面積約275cm2の長方形に切り分ける。
【0247】
(実施例51)
顔を洗い、メークアップを除去するのに有用な、芳香剤を含まない布を調製する。実施例48〜50の界面活性剤成分を調製し、30gsm(すなわち、化学物質約7.5gsm)の割合でウェブ上に噴霧する。ワセリン又は芳香剤は、ウェブに添加しない。使用されるウェブは、実施例28のウェブである。前述の実施例の方式で、ウェブを乾燥させて切り分ける。
【0248】
(実施例52)
顔を洗い、メークアップを除去するのに有用な、濡れた泡布を調製する。表面積約365cm2を有する実施例21の布を調製する。実施例48の界面活性剤成分(25%固体)を63gsmの割合で布上に噴霧する。同じように30枚の布を調製し、半分に折り、積み重ね、良好な防湿特性を有する密閉包み内に包装する。その包みをスナップ式の蓋を備えた小型容器内に入れる。この用品は、拭き取り用品として使用することができ、又は、流体を加えて活性化させて泡を発生させることができる。
【0249】
(実施例53)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。初めに、泡性界面活性剤成分を調製する。以下の構成成分を含んだ固形石鹸53.0gを削る。
【0250】
【表15】

削った固形石鹸を、37.0gのグリセリン(99.7%純粋)、9.5gの水、及び0.5gの香料と混合する。連続的に攪拌しながら混合物を93℃(200°F)に加熱する。標準的な3ロール・ミルで混合物を低温粉砕して、均質な界面活性剤ペーストを作製する。一方の側部に実施例15のウェブを使用し、中央の2つのウェブに実施例30のウェブを使用し、もう一方の外側の側部に実施例11のウェブを使用して、本発明の用品を調製する。この実施例の界面活性剤ペースト3.5gを、実施例30のウェブの間に3本の縞状に押し出す。センチネル・モデル808シーラーを使用して、界面活性剤の縞を避けた列内にある点結合で、用品をシールする。
【0251】
(実施例54)
シャワーを浴びる時に身体をクレンジングする、2重テクスチャ付きの泡布を調製する。初めに、高速剪断ミキサー内で以下の成分を乾式ブレンドすることによって、乾燥粉末状の泡性界面活性剤成分を調製する。粉末が均質になったら、最後に香料を粉末上に噴霧して添加する。
【0252】
【表16】

実施例14及び実施例12の房状のウェブを、150cm2楕円に合致するように切断し、中心に3.0gの界面活性剤成分を置き、センコープ・モデル808ヒートシーラーを使用して縁部及び中心点で結合させ、密封容器内で保管する。
【0253】
(実施例55)
実施例7及び実施例13のスパンボンド・房状のウェブを、前述の実施例と同一の方式で、中心に同一の界面活性剤成分3gを置いて結合させる。実施例7のウェブの片側に、布当たり2gの割合でワセリンを噴霧する。
【0254】
(実施例56)
顔をクレンジングするのに有用なクレンジング用品を調製する。実施例8及び実施例11の房状のウェブを、前述の実施例と同一の方式で、中心に同一の界面活性剤成分0.5gを置いて結合させる。実施例11のウェブの片側に、布当たり2gの割合でラノリン蝋(リタ・コーポレーション(Rita Corp))を噴霧する。
【0255】
(実施例57)
実施例54の界面活性剤成分を調製する。ラノリン蝋とワセリンとの50/50混合物を溶融させ、高剪断ミキサー内で攪拌しながら界面活性剤成分に添加することによって、界面活性剤成分2部と脂質混合物1部という比率で、界面活性剤成分と脂質混合物とを混合する。一方の側部に実施例4のウェブを用い、もう一方の外側の側部に実施例17のウェブ用い、中央に実施例5及び実施例9のウェブを層状に配置して、層状用品を調製する。界面活性剤成分5gを中央の2つのウェブの間に広げ、センコープシーラーを使用してウェブを縁部及び中心で結合させる。添加される脂質成分は、乾燥成分が布の周りに移動するのを防ぐのに役立ち、また、界面活性剤成分の泡活性の持続時間を延長する働きもする。
【0256】
(実施例58)
約16%活性界面活性剤を有する市販の身体洗浄剤を得る。身体洗浄剤は、バス&ボディワークス(Bath & Body Works)によって流通されており、水、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウラミンドDEA、TEAココイルグルタメート、コカミドプロピルベタイン、芳香剤、PCAナトリウム、アロエ葉汁、カリカ・パパイヤ果実抽出物、プロピレングリコール、ポリクオタニウム−10、防腐剤、芳香剤、PEG−150ジステアレート、塩化ナトリウム、及び染料を含む。片側に実施例6のウェブ、中央に実施例32のフォーム、底部に実施例33の詰綿を配置して超音波点結合で結合させることによって、層状用品を調製する。結合したウェブを市販の身体洗浄剤に浸し、この身体洗浄剤を1100gsmの割合でウェブに添加する。ウェブを強制空気式オーブン内で乾燥させ、部分的に乾いたらウェブをひっくり返し、ひっくり返す時に過剰な身体洗浄剤を拭き取ってウェブ上に戻す。湿分約16%まで乾燥させた後、ウェブを11.9cm×9.0cmの寸法の長方形に切り分ける。
【0257】
(実施例59)
複合型のシャンプー及び皮膚クレンジング用品を調製する。以下の成分を合わせてブレンドし、60℃に加熱し、pHを6.5に調整して、混合物を室温まで冷却する。
【0258】
【表17】

点結合を使用して実施例5のウェブを実施例33のウェブに結合させ、192cm2の長方形に切り分ける。成分の混合物14gを用品に添加し、用品を水分含有量10%未満まで乾燥させる。この用品は、毛髪及び皮膚のクレンジングに有用であり、非催涙組成物で、眼及び粘膜に対する刺激性がない。
【0259】
(実施例60)
以下の化学的構成成分を含む、日焼け止め剤を含んだ皮膚コンディショニング用品を調製する。
【0260】
【表18】

セピゲル(Sepigel)を均質になるまでCD9040と混合する。二酸化チタンを粉砕して水に入れ、次いで攪拌しながらセピゲル相にゆっくり加える。別々に、日焼け止め剤を合わせて均質になるまで40℃で混合し、攪拌しながら他の成分に加える。芳香剤を加え、混合物を周囲温度まで冷却する。
【0261】
ウェブの両側に変形部を有する布を調製する。ウェブは、芯−鞘構成の5デニールスパンボンドポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)2成分繊維で構成され、坪量80gsmを有し、米国サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA Fibrous Nonwovens)によって商品名ソフテックス(登録商標)として製造且つ販売される。噛み合う歯群を有する上部プレート及び底部プレートを使用して、ウェブの両側に同時に変形部を作製する。歯の高さ(TH)が3.683mm(0.145インチ)、歯の長さ(TL)が1.270mm(0.050インチ)、列内の歯の間隔(TD)が1.588mm(0.0625インチ)、ピッチ(P)が1.524mm(0.060インチ)の歯群の列を有する上部プレートを準備する。上部プレートと噛み合う位置のずれた列群を有する底部プレートであって、底部列の歯群がTL6.35mm(0.25インチ)を有する、底部プレートを準備する。底部列の歯群は、肉眼で見える長方形配列のパターンを形成するように配置されており、3つの平行な配列が正方形を形成し、隣接した正方形が配列の長軸に交互に直交する方向を有していて、用品に刺繍を施された布の外観を与える。化学的構成成分を400gsmの割合で布上に取り込む。布を積み重ねて包装する。この用品は、日焼け止め組成物を皮膚へと移動させるのに有用であり、皮膚に柔らかい感触を与える。
【0262】
(実施例61)
皮膚軟化物質を乾燥した皮膚に適用するコンディショニング用品を調製する。センコープ(Sencorp)のセンチネル・モデル808ヒートシーラーを使用し、点結合を用いて、実施例9及び実施例10のウェブを熱的に結合させる。ワセリンを90℃に加熱し、塗料噴霧器を用いて添加割合280gsmで実施例9のウェブの側部に噴霧する。面積124cm2の寸法の長方形用品を切断する。この用品は、乾燥した皮膚に潤いを与えるのに有用であり、シャワーを浴びる際に使用することができ、又は乾燥した皮膚上に使用することができる。
【0263】
(実施例62)
以下の成分を含む、皮膚に潤いを与え、皮膚をクレンジングするのに有用な非含水エマルション成分を含む、非含水の皮膚拭き取り用品を調製する。
【0264】
【表19】

実施例14のウェブを調製し、エマルション成分を添加割合240gsmでウェブに添加する。ウェブをサイズ275cm2の長方形用品に切り分ける。
【0265】
(実施例63)
顔用処置マスクであり、これは、ウエット又はドライタイプである。ドライマスクの場合、ウェブを乾燥させる。ウエットマスクの場合、ウェブを濡らす。顔用処置マスクは、相Aを均質になるまで混合し、次いで相Bを組み合わせ、組み合わせたものを相Aに添加し、さらに防腐剤を添加することによって調製される。攪拌しながらサルケアをゆっくり加え、均質になるまで混合する。
【0266】
【表20】

混合物を添加割合800gsmでウェブ上にコーティングし、このウェブは、坪量80gsmの、芯−鞘構成の5デニールスパンボンドポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)2成分繊維で構成され、米国サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA Fibrous Nonwovens)によって商品名ソフテックス(登録商標)として製造且つ販売される。対流によってウェブを水分含有量8%まで乾燥させる。実施例1に記載した歯付きロール及びロールを同一の3.429mm(0.135インチ)の係合(E)で使用して、ライン速度305cm/m(10fpm)で、コーティングされたウェブをタフト加工する。用品を15平方cmの寸法に切断する。この用品は、温水で濡らし、ループ側を皮膚に当てて顔の上にマスクとして置くことによって使用される。
【0267】
(実施例64)
以下の化学的構成成分からリキッドファンデーション適用パッドを調製する。
【0268】
【表21】

第1工程として、標準的な乳化手順を使用し、顔料を粉砕してポリソルベート80と共に水相に入れて、構成成分を調製する(構成成分に空気を含ませないように注意する)。最終工程としてpHを7.5に調整する。ファンデーション成分を400gsmの割合で実施例14のウェブに適用し、直径63.5mm(2.5インチ)の円に切り分け、密閉包装内に包装する。この用品は、色の付いた化粧品を皮膚に適用するために使用され、抗しわ処置として使用される。
【0269】
(実施例65)
以下の化学的構成成分から、ベビー用拭き取り用品を調製する。化学的構成成分500gを調製する。
【0270】
【表22】

混合物を、添加割合600%で実施例14のループ状ウェブ上に噴霧する。処理された布は、蓋付きの従来式のプラスチック小型容器内に包装され、皮膚の拭き取りに有用であり、拭き取りの間、皮膚に対して非常に柔らかいものでありながら、乳幼児の尻から汚れを効果的に除去する。
【0271】
(実施例66)
メークアップを除去するのに有用な、追加的な水を必要としない拭き取り用品を調製する。以下の成分から、化学的構成成分を調製する。
【0272】
【表23】

この化学的構成成分を、添加割合300%で実施例14のループ状ウェブ上に噴霧する。この実施例の処理済み拭き取り用品を、スナップ開閉式の嵌着密閉手段を備えた密封可撓性包装内に包装する。
【0273】
(実施例67)
皮膚消毒用拭き取り用品を調製する。カーボポールを水中に分散させ、攪拌して均質な混合物を維持しながら各成分を順次添加することによって、以下の成分から化学的構成成分を調製する。pHを6.5に調整する。
【0274】
【表24】

この化学的構成成分を添加割合550%で実施例7のループ状ウェブに添加し、布を可撓性の拭き取り用品包装内に包装する。この用品は、皮膚をクレンジング且つ消毒するのに有用である。
【0275】
(実施例68)
以下の成分から調製される化学的構成成分を含む、人工日焼け用のスキンケア組成物であるアプリケータ拭き取り用品を調製する。
【0276】
【表25】

相Aを75℃に加熱し、相Bを別個に加熱して、均質になるまで混合しながら相Aに加える。冷却の間に芳香剤を加える。この化学的構成成分を添加割合600%で実施例7のループ状ウェブに添加し、布を可撓性の拭き取り用品包装内に包装する。
【0277】
(実施例69)
失禁症状のある患者の入浴に有用な、すすぎを必要としない拭き取り用品を調製する。以下の成分を含む化学的構成成分を調製する。
【0278】
【表26】

第1材料からのほとんどの繊維のループが第2材料の側にある、2層繊維性不織布ウェブを調製する。第1の層である100%レーヨンウェブ(70gsm、例えば、ウェブプロ・コーポレーション(Web-pro Corporation)(タワン、ユナヌン・カオヒュン(Yun-anm Kaohiung))から得られるBR070−P15拭き取り用品)を、第2ウェブである80gsmPE/PP2成分層(実施例14のBBAフィブラス・ノンウーヴンズ(BBA FibrousNonwovens)出発材料)と層状化させる。実施例1の設定で歯付きロール及び溝付きロールを使用し、主に2成分繊維を含むループがレーヨンウェブを貫通して形成されるように、歯の付いた側に2成分繊維ウェブを配置して、材料をタフト加工する。400cm2ウェブ表面当たり22mlの割合で、化学的構成成分を2層ループ状ウェブに添加する。ウェブを400cm2サイズの布に切断し、折り畳んで包装する。
【0279】
(実施例70)
身体用クレンジングキットを調製する。実施例14の房状のウェブを調製し、角の丸い300cm2の正方形の布に切り分ける。布を積み重ね、布30枚の群で収縮包装する。市販の身体洗浄剤、例えば、米国オハイオ州シンシナティのプロクター&ギャンブル・カンパニー(The Procter & Gamble Co)によって製造且つ流通される、700mlサイズのオイル・オブ・オーレイ・モイスチャライジング・ボディ・ウォッシュを得る。布の積み重ね体3つを身体洗浄剤の単一ボトルと共にもう1度収縮包装して、使い捨ての洗い布を備えた約3ヶ月供給分の身体洗浄剤を含むキットを構成する。
【0280】
(実施例71)
顔用クレンジングキットを調製する。実施例7の房状のウェブを調製し、270cm2の正方形の布に切り分ける。布30枚の群に縛られたコールドクリームの200ml瓶を含むキットを調製する。キットを使用して顔からメークアップをクレンジングする時に、水は必要ない。
【0281】
(実施例72)
身体用クレンジングキットを調製する。実施例7の房状のウェブを調製し、275cm2の布に切り分ける。1つの単位として合わせて収縮包装された石鹸1個と布30枚の群とを含む、キットを調製する。このキットは、個々の使い捨て洗い布と石鹸との約1ヶ月供給分を構成する。
【0282】
(実施例73)
ペットケア用のキットを調製する。実施例60で開示した房状のウェブを調製し、270cm2のサイズに切断する。15枚の布を合わせて縛り、次の成分を含むペット用シャンプーの350mlボトルに収縮包装する:水、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、デシルグルコシド、ポリクオタニウム−7、芳香剤、DMDMヒダントイン、EDTA四ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、ベンゾフェノン−4、D&C緑色5号、FD&C黄色5号。このキットは、泡立ててペットを洗浄するのに有用であり、外部の給水源と共に使用される。
【0283】
(実施例74)
顔用処置キットを調製する。実施例7の房状のウェブを調製し、290cm2の布に切り分ける。布30枚の群に縛られたフェースクリームの50ml瓶を含むキットを調製する。キットを使用して顔を処置する時に、水は必要ない。
【0284】
(実施例75)
実施例39のウェブ及び実施例36の界面活性剤成分を使用して、2重テクスチャ付きの泡用品を調製する。界面活性剤成分5gを溶融させ、層の中心に4本の縞状に適用してから、FQNウェブ層をアヴゴルポリプロピレン層にシールする。寸法270cm2の長方形用品を切断する。この用品は、定常的瞬間泡値約1,330ml、定常的総泡値約4,020mlを有する。この用品は、水の供給が安定している環境、すなわちシャワーで使用する時に、安定した泡の流れを生み出すのに有用である。
【0285】
(実施例76)
実施例39のウェブを使用し、それらを化学的構成成分なしに合わせて結合させ、前述の実施例と同一のサイズに切断して、2重テクスチャ付きの泡用品を調製する。以下の成分を含む化学的構成成分を調製する。
【0286】
【表27】

1(アクアロン−ハーキュレス(Aqualon-Hercules)、米国カリフォルニア州アーヴィン(Irvine))、陽イオン性グアー又はグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
成分を攪拌し、最後に陽イオン性ポリマーを添加して、塊が存在せず均質になるまで攪拌する。結合されたウェブに、用品当たり12.4gの割合で化学的構成成分を添加する。用品当たり6.3gの水を失うまで、用品を52℃(125°F)の静止空気中で一晩乾燥させる。この用品は、定常的瞬間泡値約1,530ml及び定常的総泡値約3,570mlを有する。
【0287】
(実施例77)
実施例39のウェブ及び実施例36の界面活性剤成分を使用して、2重テクスチャ付きの泡用品を調製する。界面活性剤成分5gを溶融させ、層の中心に4本の縞状に適用してから、FQNウェブ層をアヴゴルポリプロピレン層にシールする。寸法270cm2の長方形用品を切断する。この用品は、定常的瞬間泡値約1,330ml、定常的総泡値約4,020mlを有する。この用品は、水の供給が安定している環境、すなわちシャワーで使用する時に、安定した泡の流れを生み出すのに有用である。
【0288】
(実施例78)
実施例39のウェブを使用し、それらを化学的構成成分なしに合わせて結合させ、前述の実施例と同一のサイズに切断して、2重テクスチャ付きの泡用品を調製する。以下の成分を含む化学的構成成分を調製する。
【0289】
【表28】

成分を攪拌し、最後に陽イオン性ポリマーを添加して、塊が存在せず均質になるまで攪拌する。結合されたウェブに、用品当たり12.4gの割合で化学的構成成分を添加する。用品当たり6.3gの水を失うまで、用品を52℃(125°F)の静止空気中で一晩乾燥させる。この用品は、定常的瞬間泡値1,530ml及び定常的総泡値3,570mlを有する。
【0290】
(実施例79〜84)
顔用クレンジング布を調製する。初めに、界面活性剤中で25%活性である以下の成分から、界面活性剤成分を調製する。
【0291】
【表29】

前述の実施例のウェブと、指示された量でウェブ上に噴霧される界面活性剤成分とを使用して、以下に示すウェブを調製する。
【0292】
【表30】

触ると乾いており、総重量に基づいた湿分含有量が約5%になるまで、強制空気を使用してウェブを乾燥させる。ワセリンを、幅25.4mm(1インチ)の2本の縞状に、縞当たり1リニアmm当たり4.242g(1リニアインチ当たり0.167g(gli)の割合でウェブ上に適用する。ポリエチレングリコール4600、βシクロデキストリン、芳香剤、メントール、水及びナトリウムMA/ジイソブチレンコポリマーの混合物を含む芳香剤相を、6.6gsmの割合でウェブに添加する。ウェブを19.1cm×15.9cm(7.5インチ×6.25インチ)の布に切り分け、包装する。この布は、以下の機械的泡体積を有する。
【0293】
【表31】

「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれており、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0294】
【図1】本発明のウェブの斜視図。
【図2】図1に示したウェブの一部分の拡大図。
【図3】図2の切断面3−3の断面図。
【図4】図3に4−4によって示したウェブの一部分の平面図。
【図5】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図6】図5のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図7】本発明のウェブを形成する装置の斜視図。
【図8】図7に示した装置の一部分の断面図。
【図9】本発明のウェブの一実施形態を形成する装置の一部分の斜視図。
【図10】本発明のウェブを形成する装置の一部分の拡大斜視図。
【図11】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図12】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図13】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図14】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図15】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図16】本発明のウェブの一部分の略図。
【図17】本発明のウェブの一部分のもう1つの略図。
【図18】本発明のウェブの一部分のもう1つの略図。
【図19】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。
【図20】図16に示したウェブの一部分の拡大写真。
【図21】本発明のウェブの斜視図。
【図22】本発明のウェブの一部分の顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てパーソナルケア用品であって、これが
(A)第1表面及び第2表面を有し、且つ
(i)第1領域、
(ii)直線的な配向を示す不連続部と、前記第1領域に一体的であるが、前記第1領域から延びる複数の房状の繊維を含む変形部とを有する複数の不連続な一体的第2領域
を含む繊維性不織布ウェブと、
(B)パーソナルケア組成物とを含むことを特徴とする、パーソナルケア用品。
【請求項2】
使い捨てパーソナルケア用品であって、これが
(A)第1表面及び第2表面を有し、且つ
(i)第1領域、
(ii)複数の不連続な第2領域であって、この第2領域のそれぞれが、直線的な配向を示す不連続部と変形部とを有しており、該変形部は、前記第1領域に一体的であるが前記第1領域から延びる房状の繊維と、前記第1領域に一体的でなく前記第1領域からも延びていない繊維とを含む第2領域、
を含む房状の繊維性不織布ウェブと、
(B)パーソナルケア組成物とを含むことを特徴とする、パーソナルケア用品。
【請求項3】
使い捨てパーソナルケア用品であって、これが
(A)第1表面及び第2表面を有する前駆体ウェブの選択的機械変形によって形成される繊維性不織布ウェブであって、前記ウェブが
(i)実質的にランダムに配向した繊維の第1領域と、
(ii)直線的な配向を示す不連続部と、前記第1領域に一体的であるが、前記第1領域から延びる複数の繊維を含む変形部とを有する複数の不連続な一体的第2領域とを含み、
前記ウェブが、前記第1表面及び前記第2表面上に前記不連続部と前記変形部とを有している繊維性不織布ウェブと、
(B)パーソナルケア組成物とを含むことを特徴とする、パーソナルケア用品。
【請求項4】
前記繊維性不織布ウェブは、ランダムに配向した繊維で構成され、前記繊維は、天然繊維及び合成繊維から成る群から選択され、ここで、前記繊維は、単成分繊維、多成分繊維、多組成繊維、毛管路繊維、中空繊維、成形繊維若しくはローブ形繊維、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、好ましくは、前記繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲を有しており、より好ましくは、前記繊維は、セルロース、ポリオレフィン類、ポリエステル類、レーヨン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリマー類を含んでおり、さらに好ましくは、前記繊維は、セルロース、ポリオレフィン類、ポリエステル類、レーヨン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリマーから作製される個々の繊維の混合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア用品。
【請求項5】
前記ウェブは、1平方センチメートル当たり少なくとも4つの変形部を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア用品。
【請求項6】
前記パーソナルケア組成物は、前記ウェブに関連付けられており、好ましくは前記パーソナルケア組成物は、処置組成物、クレンジング組成物、及びこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは前記処置組成物は、皮膚処置剤、皮膚コンディショニング剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される薬剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア用品。
【請求項7】
前記皮膚処置剤は、ビタミン類、ゼオライト類、ペプチド類、日焼け止め活性物質、テルペンアルコール類、落屑活性物質、抗ニキビ活性物質、抗しわ活性物質、抗萎縮活性物質、酸化防止剤、フラバノイド類、抗炎症剤、抗セルライト剤、局所麻酔剤、日焼け用活性物質、キレート化剤、美白剤、抗菌活性物質、抗カビ活性物質、皮膚鎮静活性物質、皮膚回復活性物質、皮膚保湿活性物質、化粧品活性物質、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項6に記載のパーソナルケア用品。
【請求項8】
前記ウェブの0.05重量%〜1600重量%の前記皮膚処置組成物を含む、請求項7に記載のパーソナルケア用品。
【請求項9】
前記皮膚コンディショニング剤は、ワセリン、脂肪酸類、脂肪酸類のエステル類、脂肪アルコール類、エトキシル化アルコール類、ポリオールポリエステル類、グリセリン、グリセリンモノエステル類、グリセリンポリエステル類、表皮性及び皮脂性炭化水素、ラノリン、直鎖及び分岐鎖状炭化水素、シリコーン油、シリコーンガム、植物油、植物油付加物、水素化植物油類、非イオン性ポリマー類、天然蝋類、合成蝋類、ポリオレフィン性グリコール類、ポリオレフィン性モノエステル、ポリオレフィン性ポリエステル類、コレステロール類、コレステロールエステル類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項6に記載のパーソナルケア用品。
【請求項10】
前記ウェブの0.05重量%〜1600重量%の前記皮膚コンディショニング剤を含む、請求項9に記載のパーソナルケア用品。
【請求項11】
前記クレンジング組成物は、サルコシネート類、サルフェート類、イセチオネート類、ホスフェート類、タウレート類、ラクチレート類、グルタメート類、石鹸類、及びこれらの混合物から成る群から選択される陰イオン性界面活性剤、アミンオキシド類、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、スクロースエステル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される非イオン性界面活性剤、ベタイン類、スルタイン類、ヒドロキシスルタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される両性界面活性剤、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、セチルリン酸カリウム、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物から成る群から選択される非泡性界面活性剤とから成る群から選択される、請求項6に記載のパーソナルケア用品。
【請求項12】
前記用品は、約20重量%未満の流体を含み、好ましくは前記用品は、約20重量%〜約40重量%の流体を含み、より好ましくは前記用品は、約40重量%〜約95重量%の流体を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナルケア用品。
【請求項13】
前記クレンジング組成物は、少なくとも約1400mlの定常的総泡体積、少なくとも85mlの機械的泡体積、又は約700ml未満の定常的瞬間泡体積を生み出す、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパーソナルケア用品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の使い捨てパーソナルケア用品の製造方法であって、
a.前記繊維性不織布ウェブを作製する工程と、
b.前記ウェブに少なくとも1つのパーソナルケア組成物を関連付ける工程とを含む方法。
【請求項15】
パーソナルケア用品を使用して、皮膚、毛髪、及び身体の他のケラチン性表面をクレンジングする方法であって、該方法が
i.請求項1〜13のいずれか一項に記載の前記パーソナルケア用品を流体で濡らす工程と、
ii.前記用品を操って泡を形成する工程と、
iii.皮膚、毛髪、及び身体の他のケラチン含有表面の所望の表面上を前記用品で拭く工程と、
iv.前記所望の表面を水ですすぐ工程を含む方法。
【請求項16】
パーソナルケア用品で、皮膚、毛髪、及び身体の他のケラチン性表面をクレンジングする方法であって、該方法が
1.請求項1〜13のいずれか一項に記載の前記パーソナルケア用品を操って泡を形成する工程と、
2.皮膚、毛髪、及び身体の他のケラチン含有表面の所望の表面上を前記用品で拭く工程と、
3.前記所望の表面を水ですすぐ工程を含む方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2006−520324(P2006−520324A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509994(P2005−509994)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/040232
【国際公開番号】WO2004/058214
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
パイレックス
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】