説明

布類展張搬送方法および装置

【課題】 従来技術と比べて高処理性能および高品質の布類展張搬送方法及び装置の提供。
【解決手段】 布類の一辺の両端角部を把持して上方に移送する投入装置と、投入装置から受け取った布類を左右に配置された第1のレールに沿って中央位置まで移動する横行チャックと、横行チャックから布類を受け取って展張装置に渡す受渡し装置と、左右に配置された第2のレールに沿って移動可能な一対のチャックから構成され、受渡し装置から布類を受け取って当該一対のチャックを離間せしめて左右に展張する展張装置と、左右に展張された布類を上下に展張する吸気装置と、展張装置から布類を受け取って搬送装置に受け渡す水平移動装置と、水平移動装置から布類を受け取って次工程に搬送する搬送装置とからなる布類展張搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布類のような大面積の布類を展張させるとともにその展張状態でプレス機や折畳み機のような次工程装置側に搬送させるための布類展張搬送方法および装置に関するものである。なお、本発明における布類とは、シーツ、タオル等に代表される方形の布類をいう。
【背景技術】
【0002】
多量の布類を洗濯する場合には、洗濯済みのものを一定のラインに沿って搬送しながら脱水、乾燥、プレス、折り畳み等の処理を行なうこととなる。特にプレスを行う際には、布類を予め展張させた状態でラインへ投入する必要があるが、大型の布類を拡げて乱れなく投入することは困難であり、人手で行うには身体的負荷が大きかった。
そこで、従来の展張搬送装置としては、布類の布類の両端角部をクランプによって掴み、昇降手段によって上方に移動させた後、布類の両端角部を掴んで横方向に展張するクランプに持ち替え、展張した布類を次工程に搬送するためのコンベアに受渡し、コンベアが回転して布類を次工程へと搬送するものが提言されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の装置においては、展張するクランプからコンベア上に移乗した布類の最下端部分がコンベアの始端部から送り出されるまで、投入装置および展張装置は次の布類を移動させる態勢に入ることができず、受渡しのタイミングを合わせるために待機した状態となるので、投入装置が次の布類を掴み展張装置によってコンベア前面に展張させるまでのタイムラグがあり、このタイムラグによって装置の処理能力が低下したり、このタイムラグは布類の巾によっても変化するため待機時間が変化したりするため制御が複雑になるといった問題点があった。
また、上記の様な布類を展張するクランプからコンベア上への受渡しでは、クランプによって布類の両端角部を吊下げた状態から吸引力よってコンベアベルト上に吸付けるために、布自体の重力と吸引力とのために吊り下がった布は中弛みの状態となり、この状態からコンベア上へ移動するので、布類の上辺部分が乱れコンベア上で布類の上辺が揃わない事態がしばしば起きるといった問題点があった。
【0004】
そこで、発明者は、上面に多数の吸引用小孔を形成した吸着ボックスを有する搬送装置を設けることでタイムラグの問題を解消し、併せてバキュームベルトを設けることにより布類の中弛みを解消する装置を発明した(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−71098号公報
【特許文献2】特開2001−159067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者は、上記特許文献2の装置の処理性能および品質を向上させるために、次の課題を解決することを目的とする。
第1の課題は、受取側チャックが布類を取りに行く工程と布類を展張する工程を行うため、展張工程が終了しなくては他の投入側チャックから布類を受け取ることができず、多くの待ち時間が生じることである。
第2の課題は、展張した布類をしわの無い状態で搬送装置に供給するために布類の裾部を吸引する際に、展張された上辺部分が吸引により垂れ下がり整形が崩れ、品質が劣化するおそれがあることである。
第3の課題は、展張装置から搬送装置へ布類を受け渡す際に、搬送装置における吸着が十分でないと布類にずれが生じることあり、最悪の場合には布類が落下するおそれがあることである。かかる課題を解決するためには、布類展張後に上辺部を押え固定する装置を設けることも考えられるが、受取側チャックが複数の投入側チャックとの対向位置で布類を受け取るため、該装置を設置するためのスペースをとることができなかった。
第4の課題は、布類が受渡し装置から搬送装置に乗り移る際に、受渡し装置と搬送装置の速度差が十分でないと、布類上辺部が乗り移りきれずにめくれ返るおそれがあることである。
【0007】
本発明は、上記課題を解決することで、従来技術と比べて高処理性能および高品質の布類展張搬送方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、上記目的を達成するための手段として次の(1)〜(6)の方法を要旨とする。
(1)投入装置により布類の一辺の両端角部を把持して上方に移送し、横行チャックにより投入装置から布類を受け取り、左右に配置された第1のレールに沿って中央位置まで移送し、受渡し装置により横行チャックから布類を受け取り、展張装置に渡し、左右に配置された第2のレールに沿って移動可能な一対のチャックから構成された展張装置により受渡し装置から受け取った布類を当該一対のチャックを離間せしめて左右に展張し、吸気装置により左右に展張された布類を上下に展張し、水平移動装置により展張装置から布類を受け取り、搬送装置に受け渡し、搬送装置により布類を次工程に搬送する布類展張搬送方法。
(2)前記水平移動装置は、前進移動位置にある上端固定バーとで布類の垂れ下がり部を固定し、布類の上辺部分に空気を吹き付けて展張装置から布類を受け取ることを特徴とする(1)の布類展張搬送装置。
(3)前記吸引装置は、前記水平移動装置が布類の垂れ下がり部を固定した際に、布類を上下に展張することを特徴とする(2)の布類展張搬送装置。
(4)前記受渡し装置は、外側チャックと内側チャックとからなる一対の掴持部を有し、横行チャックから布類を掴持部で受け取り、各外側チャックを外側へ回動して布類の両角端部を一定幅展張して展張装置に布類を渡すことを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかの布類展張搬送方法。
(5)前記搬送装置は、布類が最初に当接する箇所の回転速度を布類を搬送する箇所の回転速度よりも遅くすることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかの布類展張搬送方法。
(6)前記横行チャックは、受渡し装置に布類を渡すと直ちに他の投入装置の対向位置へ移動することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかの布類展張搬送方法。
【0009】
本発明の装置は、上記目的を達成するための手段として次の構成を有している。本発明の布類展張搬送機は、布類の一辺の両端角部を保持して人の背の高さより高位置まで移送する投入装置と、投入装置から布類を受け取り、左右方向に配設した第1のレールに沿って機枠中央位置まで移送する横行チャックと、横行チャックから布類を受け取り展張装置に渡す受渡し装置と、機枠中央位置で、受渡し装置から布類を受け取って左右方向に配設した第2のレールに沿って左右に展張する展張装置と、展張装置のほぼ直下方に設置され、布類を上下に展張する吸気装置と、展張装置から布類を受取り搬送装置に受け渡す水平移動装置と、水平移動装置から布類を受け取ってプレス機側に搬送する搬送装置を備えている。
【0010】
投入装置は、一対の掴持部を有する投入チャックと、投入チャックを人の背の高さより高位置まで移送する昇降スライドシリンダとから構成される。投入チャックの掴持部は、ばね付勢された一対のクリップから構成される。投入チャックの一方の一対のクリップには、布類の角部が一定幅展張した状態で投入され、他方の一対のクリップには同一辺上の他の角部が一定幅展張した状態で投入される。処理能力を高めるために投入装置は複数設けられる。
本発明では、投入チャック→横行チャック→センタチャック→広げチャックと布類をリレーする際に、受け渡す部分の上部辺を一対のチャックにより展張させる必要がある。布類の角部を展張した状態で受け渡しを行わないと、受渡し時に布が傾いた状態で受け渡されるおそれがあるからである。また、チャックからチャックへ布類を受け渡す際に、受け渡されたチャックの展張幅が狭くなるため、この幅を次のチャックに受け渡すことができる程度十分にとることができるよう投入チャックの掴持幅を設計する必要がある。
【0011】
横行チャックは、機枠の左右方向に配置された第1のレールに沿って左右動可能であり、投入装置に対向する位置に移動して投入チャックから布類を受け取り、機枠中央位置まで移送する。横行チャックの下辺両角部にはそれぞれ一対のクリップからなる一対の掴持部がある。横行チャックの掴持部は投入チャックの掴持部よりも幅狭であり、布類の受け渡し時には横行チャックの掴持部が投入チャックの掴持部の間に入り込み並列となる。
従来装置においては、受取り側チャックが受取り工程のみならず展張工程をも行っていたが、本発明の横行チャックは受取り工程のみを担当するものであり、受取り工程と展張工程とを並行して行うことを可能としている。横行チャックの掴持部も計4つのクリップから構成されるが、これはセンタチャックへ布類を受け渡す際に、布類の両端角部を展張させた状態で受け渡しを可能とするためである。また、計4つのクリップを設けることにより重い布類を高速で左右動する際にもずれが生じにくいという効果もある。
【0012】
受渡し装置は、機枠中央部に位置し、横行チャックの保持している布類を広げチャックに受け渡すものであり、機枠に枢着された一対のアームと、アームの先端に設けられた内側センタチャックと外側センタチャックと、アームを横行チャックに対向する位置から広げチャックに対向する位置に旋回移動させる一対のセンタチャック旋回シリンダと、各センタチャックを開閉するセンタチャック掴持シリンダと、内側センタチャックと外側センタチャックの開き具合を調整するセンタチャック展張シリンダとで構成されている。内側センタチャックは外側センタチャックと比べ把持力も強く、把持爪も大きい。
外側センタチャックが外側へ向けて広がることにより、外側センタチャックが布類の角部を掴み、内側センタチャックとの間で布類の両端角部がそれぞれ一定幅展張される。この際布類に過度の力がかからないように外側センタチャックの把持力は内側センタチャックと比べ弱くするのがよい。なお、センタチャック展張シリンダの駆動力を小さくするために、外側センタチャックの把持爪を内側センタチャックと比べて小さく構成するのが好ましい。
本発明では、投入チャック→横行チャック→センタチャック→広げチャックと布類をリレーする際に、掴持位置が徐々に内側にずれてしまうが、外側センタチャックを広げて布類の角部を掴持することで、広げチャックに角部を渡して布類の端から端まで展張することを可能としている。
また、受渡し装置を設けることで、横行チャックは布類の展張工程が終わるのを待つことなく他の投入装置の対向位置へ移動することが可能となる。
【0013】
展張装置は、機枠の左右方向に配置された第2のレールに設けられた一対の挟持具である広げチャックと、広げチャックを開閉する広げチャック掴持シリンダと、広げチャックを左右方向に移動させる左右の広げチャックスライドモータとから構成される。左右の広げチャックは、広げチャックスライドモータを正転側あるいは逆転側に作動させることにより第2のレールに沿って相互に離間方向あるいは近接方向に移動せしめることが可能である。上端固定バーは展張装置の直下で水平移動装置と対向する高さに位置し、中央部に布類が通過できる間隙を有する。広げチャックから水平移動体へ布類を受け渡す際には、上端固定バーと水平移動体により布類が挟持される。
展張装置は、布類を受け取って展張するという極めて単純な作動をのみ行うものであるため、複雑な動作制御不要である。また、展張工程と並行して横行チャックによる布類の受取り工程が行うことが可能となる。
【0014】
吸気装置は、展張装置の下方に設けられ、上部に吸引口を備えたバキュームボックスと、バキュームボックス内の空気を吸引する吸気ファンと、バキュームボックスの吸引口の近傍正面側(前側壁の上部)に設けられた送込みローラとから構成される。送込みローラは、バキュームボックスの吸気口の近傍正面側(前側壁の上部)に設けられている。広げチャックの直下で水平移動体と対向する高さに位置する上端部固定バーと水平移動体により布類の上辺部分が固定されると、吸気ファンが作動し、それとほぼ同時期に送込みローラモータにより送り込みローラが送込み方向に高速回転されることで、布類の下部がバキュームボックス内に吸い込まれ、上下方向に展張される。
本発明では、バキュームボックスによる吸引時に布類の上辺部分が固定されるため、展張された上辺部分が吸引により垂れ下がり整形が崩れるという問題を解消することができる。
【0015】
水平移動装置は、移送コンベヤ上方で上端部固定バーまで進退する水平移動体と、水平移動体の吸着ボックスに吸引力を作用させるバキュームモータと、水平移動体を水平移動させる水平移動体シリンダと、中央部にセンタチャックに把持された布類が通過できる間隙を設けており、上端部固定バーと隣接して設けられた左右のエアブローとで構成される。水平移動体は、処理される布類の最大幅程度の左右長さを有しており、前端部上面には多数の吸引用小孔からなる吸着ボックスが形成されており、バキュームモータで水平移動体内の空気を吸引することで、布類の上辺部を水平移動体の上面に吸着させることを可能としている。水平移動体シリンダの縮小状態では、水平移動体が広げチャックの直下近傍に位置し、該シリンダが伸長すると、水平移動体が高速で奥側に移動せしめるようになっている。
上端固定バーと水平移動体により布類が挟持された状態でエアブローから布類の上辺部分に空気を吹き付けて受け渡しを行うことにより、受け渡し時の布類の落下やずれ落ちを最小限とすることができる。
【0016】
搬送装置は、多数の小孔を形成した孔空きベルトである移送コンベヤと、移送コンベヤの手前に設けられ、水平移動体の水平移動速度および移送コンベヤの回転速度よりも回転速度が遅い剥離軸と、移送コンベヤの下側に設けられた吸気通路と、移送コンベヤと連設された排出コンベヤとから構成される。排出コンベヤの終端部は、プレス機側の投入コンベヤに連続される。
吸気通路は、バキュームボックスと連通しており、切換ダンパによりバキュームボックスと吸気通路のいずれかに吸引力を働かせることが可能である。搬送時には吸気通路内に負圧を発生させて移送コンベヤ上に供給された布類を吸引保持することで移送コンベヤによる布類の送りを確実にする。
剥離軸の回転速度を水平移動体の移動速度より遅くすることで、水平移動体から移送コンベヤに布類が乗り移る際に、水平移動体の移動速度と剥離軸の速度差により十分な摩擦力が生じるため、布類の上辺部がスムーズに剥離し、めくり返りが生じることなく搬送装置に乗り移ることができる。
また、剥離軸の回転速度を移送コンベヤの回転速度よりも遅くすることにより、剥離軸から移送コンベヤに乗り移る際に弱い摩擦力が働き、縦方向に適度に展張された状態で搬送されるため、しわが生じにくく高品質となる。
さらには、速度差を確保するために移送コンベヤの速度を落とす必要がないため、処理効率が向上する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来装置における受取側チャックを横行チャックと広げチャックに分離することにより、横行チャックによる受取り工程と広げチャックによる展張工程を並行して行うことが可能となり、これにより処理効率を向上させることができる。
【0018】
受渡し装置において、外側チャックを外側に回動させることにより、確実に布類の角部を掴持することができるため、布類の端から端まで展張することができる。
布類上辺部を上端部固定バーにより固定することで、布類の上辺部分が吸引により垂れ下がり整形が崩れるおそれがなくなり、常に高品質な仕上がりを得ることができる。特に、対象となる布類が大きく大重量のときに、顕著な効果を発揮する。
また、布類が上端部固定バーにより固定されるため、展張装置から水平移動装置へ布類を受け渡す際の布類のずれ落ちを解消することができる。
【0019】
剥離軸を移送コンベヤ前に設けることで、水平移動体と移送コンベヤとの速度差を十分に確保することができるため、水平移動体から移行コンベヤへ布類を受け渡す際の布類上辺部のめくり返りを解消することができる。
さらには、速度差を確保するために移送コンベヤの速度を落とす必要がないため、処理効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面にもとづいて本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは、処理対象物である布類の移送方向を、左右方向とは、布類の移送方向に直交する方向を意味する。
【0021】
本発明の布類展張搬送機は、図1および図2に示すとおり、布類の一辺の両端角部を保持して人の背の高さより高位置まで移送する投入装置100と、投入装置から布類を受け取り、左右方向に配設した第1のレール21に沿って機枠中央位置まで移送する横行チャック3と、横行チャック3から布類を受け取り展張装置300に渡す受渡し装置200と、機枠中央位置で、受渡し装置200から布類を受け取って展張する展張装置300と、展張装置300のほぼ直下方に設置された吸気装置400と、展張装置300から展張された布類を受取り搬送装置600に受け渡す水平移動装置500と、水平移動体で保持された布類を受け取ってプレス機側に搬送する搬送装置600とで構成されている。
【0022】
投入装置100は、一対の掴持部を有する投入チャック1と、投入チャックを人の背の高さより高位置まで移送する昇降スライドシリンダ2とから構成される。投入チャックの掴持部は、ばね付勢された一対のクリップ1a〜1dから構成される。投入チャックの一方の一対のクリップ1a,1bには、布類の角部が一定幅展張した状態で投入され、他方の一対のクリップ1c,1dには同一辺上の他の角部が一定幅展張した状態で投入される。昇降スライドシリンダ2の上方部には、開放板52が設けられており、布類の受け渡し時にクリップ1a〜1dと当接し布類を開放する。
本発明の布類展張搬送機では、投入装置100が前面に4つ設けられており、4人の作業員が各投入装置100の前で布類の投入作業を行うことができる。各作業員が投入装置100に設けられた上昇ボタンを押下すると(あるいは自動で)昇降スライドシリンダ2が作動し、投入チャック1が上昇する。なお、任意の投入チャック1が受け渡し作業を行っている場合には、他の投入チャック1は受け渡し高さより低い位置で待機することになる。
【0023】
横行チャック3は、機枠の左右方向に配置された第1のレール21に沿って左右動可能であり、投入装置100に対向する位置に移動して投入チャック1から布類を受け取り、機枠中央位置まで移送する。横行チャック3の下辺両角部にはそれぞれ一対のクリップからなる一対の掴持部がある。横行チャック3の掴持部は投入チャック1の掴持部よりも幅狭であり、布類の受け渡し時には横行チャック3の掴持部(クリップ3a〜3d)が投入チャック1の掴持部(クリップ1a〜1d)の間に入り込み並列となる。
各昇降スライドシリンダ2の上部および機枠中央部には、横行チャック開閉シリンダ29によって作動する開閉バー51が設けられており、開閉バー51を作動させることで横行チャック3の掴持部を開閉させることが可能である。
【0024】
受渡し装置200は、機枠中央部に位置し、横行チャック3の保持している布類を広げチャック8に受け渡すものであり、機枠に枢着された一対のアーム22と、アーム22の先端に設けられた内側センタチャック5と外側センタチャック6と、アーム22を横行チャック3に対向する位置から広げチャック8に対向する位置に旋回移動させる一対のセンタチャック旋回シリンダ7と、各センタチャックを開閉するセンタチャック掴持シリンダ26と、内側センタチャック5と外側センタチャック6の開き具合を調整するセンタチャック展張シリンダ27(図示せず)とで構成されている。内側センタチャック5は外側センタチャック6と比べ把持力も強く、把持爪も大きい。
内側センタチャック5と外側センタチャック6は、センタチャック掴持シリンダ26により開閉可能であり、横行チャック3が横移動して各センタチャック5,6に対向する位置に移動すると、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6が手前に旋回し、センタチャック掴持シリンダ20が作動して布類を掴持し、且つ横行チャック3の掴持部が横行チャック開閉シリンダ29によって作動される開閉バー51によって開放されることにより、布類は横行チャック3からセンタチャック5,6に受け渡される。
布類受け取ると、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6が元の旋回位置に戻され、センタチャック展張シリンダ27により外側センタチャック6が各々外側に広がることで布類の両端角部が数センチ張った状態とされる。その後、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6はさらに後方に旋回し、布類の展張された両端角部分を広げチャック8に掴ませて、布類を受け渡す。
【0025】
展張装置300は、機枠の左右方向に配置された第2のレール23に設けられた一対の挟持具である広げチャック8と、広げチャック8を開閉する広げチャック掴持シリンダ28と、広げチャック8を左右方向に移動させる左右の広げチャックスライドモータ9とから構成される。左右の広げチャック8は、広げチャックスライドモータ9を正転側あるいは逆転側に作動させることにより第2のレール23に沿って相互に離間方向あるいは近接方向に移動せしめることが可能である。
広げチャック8は、機枠中央部でセンタチャック5,6から布類を受け取り、第2のレール23に沿って互いに逆方向に移動して布類を展張する。より具体的には、左右の広げチャック8が近接状態にあるときに、前記センタチャック5,6が広げチャック8に対向する位置に移動すると、広げチャック掴持シリンダ28の作動によって広げチャック8が布類を掴持し、且つセンタチャック5,6はセンタチャック掴持シリンダ26によって布類を開放することにより、布類はセンタチャック5,6から広げチャック8に受け渡される。その後、布類の両端角部を受け取った状態で、広げチャック8を第2のレール23に沿って左右に離間することで、布類の上辺部を展張させることができる。
【0026】
吸気装置400は、展張装置300の下方に設けられ、上部に吸引口を備えたバキュームボックス24と、バキュームボックス24内の空気を吸引する吸気ファン16と、バキュームボックス24の吸引口の近傍正面側(前側壁の上部)に設けられた送込みローラ33とから構成される。展張装置300の直下で水平移動装置500と対向する高さに位置し、中央部に布類が通過できる間隙を有する上端部固定バー12と水平移動体11により布類の上辺部分が固定されると、吸引ファン16が作動し、それとほぼ同時期に送込みローラモータ13により送り込みローラ33が送込み方向に高速回転されることで、布類の下部がバキュームボックス24内に吸い込まれ、上下方向に展張される。
また、バキュームボックス24による吸引は、前記広げチャックで布類上辺部を展張させた直後のごく短時間だけ行わせるようになっており、バキューム切換ダンパ15によって吸気ファン16とバキュームボックス24内の通路とを連通・遮断するようになっている。
【0027】
水平移動装置500は、移送コンベヤ18上方で上端部固定バー12まで進退する水平移動体11と、水平移動体11の吸着ボックス31に吸引力を作用させるバキュームモータ17と、水平移動体11を水平移動させる水平移動体シリンダ32と、広げチャック8の直下で水平移動体11と対向する高さに位置し、中央部にセンタチャック5,6に把持された布類が通過できる間隙を有する左右の上端固定バー12と、中央部にセンタチャック5,6に把持された布類が通過できる間隙を設けており、上端部固定バー12と隣接して設けられた左右のエアブロー14とで構成される。水平移動体11は、処理される布類の最大幅程度の左右長さを有しており、前端部上面には多数の吸引用小孔からなる吸着ボックス31が形成されており、バキュームモータ17で水平移動体内11の空気を吸引することで、布類の上辺部を水平移動体11の上面に吸着させることを可能としている。水平移動体シリンダ32の縮小状態では、水平移動体11が広げチャック8の直下近傍に位置し、該シリンダが伸長すると、水平移動体11が高速で奥側に移動せしめるようになっている。
広げチャック8から水平移動体11へ布類を受け渡しは、水平移動体シリンダ32を縮小させて上端固定バー12と水平移動体11により布類が挟持し、広げチャック8を開放されると共にエアブロー14が空気を吹き付けて布類の上辺部を水平移動体11の上面に移載させることにより行う。
【0028】
搬送装置600は、多数の小孔を形成した孔空きベルトである移送コンベヤ18と、移送コンベヤの手前に設けられ、水平移動体11の水平移動速度および移送コンベヤ18の回転速度が遅い剥離軸19と、移送コンベヤ18の下側に設けられた吸気通路25と、移送コンベヤ18と連設された排出コンベヤ34とから構成される。排出コンベヤ34の終端部は、プレス機側の投入コンベヤ(図示せず)に連続される。
吸気通路25は、バキュームボックス24と連通しており、切換ダンパ15によりバキュームボックス24と吸気通路25のいずれかに吸引力を働かせることが可能である。搬送時には吸気通路25内に負圧を発生させて移送コンベヤ18上に供給された布類を吸引保持することで移送コンベヤ18による布類の送りを確実にする。
水平移動体11から布類を移送コンベヤ18へ受け渡す際には、切換ダンパ15により吸引力はバキュームボックス24から吸気通路25へ切り換えられる。水平移動体11が後ろ方向へ移動するとまず剥離軸19に布類が接触するが、水平移動体11の移動速度が剥離軸19の回転速度よりも高速であるため、剥離軸19と布類aの接触面には摩擦力が働く。更に水平移動体11が後ろ方向へ移動することにより、剥離軸19と布類の摩擦力が水平移動体11に設けられた吸着ボックス31による吸引力よりも大きくなり、布類の上辺部分が前後方向に展張された状態で水平移動体11から移送コンベヤ18の上面に移載される。この際、移送コンベヤ18には、吸気通路25からの吸引力により、布辺の上辺部は移送コンベヤ18の上面に密着する。
【0029】
本発明の布類展張搬送機の作動を、図3ないし図11を用いて、時系列に説明する。
図3は、作業員が正面側左から2番目の投入装置100に設けられた上昇ボタンを押下した際の作動を示しており、昇降スライドシリンダ2により、投入チャック1が布類aをクリップ1a〜1dで把持した状態で上昇する。この際、横行チャック3は、横行チャックスライドモータ4により上昇過程にある投入チャック1の対向位置に水平移動し、クリップ3a〜3dを開放した状態で待機する。投入チャック1が受け渡し位置まで上昇した際には、クリップ1a,1bの間にはクリップ3a,3bが、クリップ1c,1dの間にはクリップ3c,3dが入り込んだ状態となり、上昇位置にある開放板52と当接することでクリップ1a〜1dが開放されると共に、横行チャック開閉シリンダ29によって開閉バー51を作動させることでクリップ3a〜3dにより布類を掴持する。布類aの受け渡しが終わると投入チャック1は下降を開始し、その少し後に横行チャック3は機枠中央部に向かって水平移動を開始する。
【0030】
図4は、横行チャック3から受渡し装置200へ布類aを受け渡す際の作動を示している。布類aを掴んだ横行チャック3は機枠中央部まで移動すると、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6が手前に旋回し、クランプ3a,3b間および3c,3d間にセンタチャック5,6の把持爪が位置されると、センタチャック掴持シリンダ20が作動して布類を掴持し、且つ横行チャック3の掴持部が横行チャック開閉シリンダ29によって作動される開閉バー51によって開放されることにより、布類aは横行チャック3からセンタチャック5,6に受け渡される。布類aの受け渡しが終わると、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6は元の旋回位置に戻される。
受け渡しが終わった横行チャック3は、次の布類の上昇が始まるまで機枠中央部で待機する。
【0031】
図5は、受渡し装置200から布類aを展張装置300へ受け渡すための前工程の作動を示している。センタチャック展張シリンダ27により外側センタチャック6が各々外側に広がることで布類aの両端角部が数センチ張った状態とされる。この際、内側センタチャック5と比べ外側センタチャック6の把持力は弱く把持爪も小さいため、滑りながら両端角部の展張が行われる。その後、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6はさらに後方に旋回し、布類aの展張された両端角部分を広げチャック8に掴ませて、布類を受け渡す。布類aの受け渡しが終わると、センタチャック旋回シリンダ7によりセンタチャック5,6は元の旋回位置に戻される。
これとは別に、布類bを掴持した投入チャック1の上昇信号を検知した横行チャック3はその対向位置へ移動する。
【0032】
図6,7は、展張装置300により布類aを左右方向に展張する際の作動を示している。布類aを受け取った広げチャック8は広げチャックスライドモータ9により各々同期して左右に離間することで布類aを左右方向に展張する。水平移動体シリンダ32により水平移動体11が前方向への移動を開始する。
これとは別に、横行チャック3は布類bを投入チャック1から受け取り、機枠中央部に水平移動する。
【0033】
図8,9は、展張装置300から布類aを上下方向に展張し、水平移動体11へ受け渡す際の作動を示している。布類aが完全に展張された後、布類aは水平移動体11の前端部と上端固定バー12により挟持されると、回転を送込ローラ33が高速で回転するとともに、切換ダンパ15が切り替わりバキュームボックス24による吸引力が働き、広げチャック8により吊下げられている布類aがバキュームボックス24内に吸引され、空気の下方への流れと自重により展張される。その後、再び切換ダンパ15が切り替わりバキュームボックス24による吸引力が停止され、エアブロー14から布類aの上辺部に向けて空気を吹付けるとともに広げチャック8が開放され、バキュームモータ17により吸引力が働いた水平移動体11の吸着ボックス31上に布類aの上辺部が移載される。
これとは別に、横行チャック3から受渡し装置200に布類bの受け渡しが行われる。布類bを受け取ったセンタチャック5,6はセンタチャック旋回シリンダ7により元の旋回位置に戻り、広げチャック8が開放されるまで待機する。
【0034】
図10,11は、布類aが水平移動体11から搬送装置600へ受け渡される際の作動を示している。水平移動体11が水平移動体シリンダ32によりさらに後ろ方向へ移動すると、布類aはまず剥離軸19に接触する。剥離軸19の回転速度は水平移動体11よりも十分に遅いため摩擦力が働き、さらに水平移動体11が後ろ方向へ移動することでさらに摩擦力が大きくなり、布類aの上辺部が吸着ボックス31から外れる。この際、切換ダンパ15は既に切り換えされた状態にあることから吸気ファン16による吸引力が吸気通路25には働いており、吸気通路25の吸引作用と布類aの自重による自然落下とによって移送コンベヤ18の上面に載置される。その後移送コンベヤ18の回転によって、布類aは排出コンベヤ34搬送され、続いてプレス機側の投入コンベヤ(図示せず)に連続して搬送される。
これとは別に、布類bは、センタチャック5,6から展張装置300へ受け渡され、展張装置300による布類bの展張工程が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】布類展張搬送機の正面図である。
【図2】布類展張搬送機の側面側断面図である。
【図3】投入装置に設けられた上昇ボタンを押下した際の作動説明図である。
【図4】横行チャックから受渡し装置へ布類を受け渡す際の作動説明図である。
【図5】受渡し装置から布類を展張装置へ受け渡すための前工程の作動説明図である。
【図6】展張装置により布類を左右方向に展張する際の作動説明図(1/2)である。
【図7】展張装置により布類を左右方向に展張する際の作動説明図(2/2)である。
【図8】展張装置から布類を上下方向に展張し、水平移動体へ受け渡す際の作動説明図(1/2)である。
【図9】展張装置から布類を上下方向に展張し、水平移動体へ受け渡す際の作動説明図(2/2)である。
【図10】布類が水平移動体から搬送装置へ受け渡される際の作動説明図(1/2)である。
【図11】布類が水平移動体から搬送装置へ受け渡される際の作動説明図(2/2)である。
【符号の説明】
【0036】
1 投入チャック
2 昇降スライドシリンダ
3 横行チャック
4 横行チャックスライドモータ
5 内側センタチャック
6 外側センタチャック
7 センタチャック旋回シリンダ
8 広げチャック
9 広げチャックスライドモータ
11 水平移動体
12 上端部固定バー
13 送込みローラモータ
14 エアブロー
15 切換ダンパ
16 吸気ファン
17 バキュームモータ
18 移送コンベヤ
19 剥離軸
21 第1のレール
22 アーム
23 第2のレール
24 バキュームボックス
25 吸気通路
26 センタチャック掴持シリンダ
27 センタチャック展張シリンダ
28 広げチャック掴持シリンダ
29 横行チャック開閉シリンダ
31 吸着ボックス
32 水平移動体シリンダ
33 送込みローラ
34 排出コンベア
51 開閉バー
52 開放板
100 投入装置
200 受渡し装置
300 展張装置
400 吸気装置
500 水平移動装置
600 搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入装置により布類の一辺の両端角部を把持して上方に移送し、
横行チャックにより投入装置から布類を受け取り、左右に配置された第1のレールに沿って中央位置まで移送し、
受渡し装置により横行チャックから布類を受け取り、展張装置に渡し、
左右に配置された第2のレールに沿って移動可能な一対のチャックから構成された展張装置により受渡し装置から受け取った布類を当該一対のチャックを離間せしめて左右に展張し、
吸気装置により左右に展張された布類を上下に展張し、
水平移動装置により展張装置から布類を受け取り、搬送装置に受け渡し、
搬送装置により布類を次工程に搬送する布類展張搬送方法。
【請求項2】
前記水平移動装置は、前進移動位置にある上端固定バーとで布類の垂れ下がり部を固定し、布類の上辺部分に空気を吹き付けて展張装置から布類を受け取ることを特徴とする請求項1の布類展張搬送装置。
【請求項3】
前記吸引装置は、前記水平移動装置が布類の垂れ下がり部を固定した際に、布類を上下に展張することを特徴とする請求項2の布類展張搬送装置。
【請求項4】
前記受渡し装置は、外側チャックと内側チャックとからなる一対の掴持部を有し、横行チャックから布類を掴持部で受け取り、各外側チャックを外側へ回動して布類の両角端部を一定幅展張して展張装置に布類を渡すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの布類展張搬送方法。
【請求項5】
前記搬送装置は、布類が最初に当接する箇所の回転速度を布類を搬送する箇所の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの布類展張搬送方法。
【請求項6】
前記横行チャックは、受渡し装置に布類を渡すと直ちに他の投入装置の対向位置へ移動することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの布類展張搬送方法。
【請求項7】
布類の一辺の両端角部を把持して上方に移送する投入装置と、
投入装置から受け取った布類を左右に配置された第1のレールに沿って中央位置まで移動する横行チャックと、
横行チャックから布類を受け取って展張装置に渡す受渡し装置と、
左右に配置された第2のレールに沿って移動可能な一対のチャックから構成され、受渡し装置から布類を受け取って当該一対のチャックを離間せしめて左右に展張する展張装置と、
左右に展張された布類を上下に展張する吸気装置と、
展張装置から布類を受け取って搬送装置に受け渡す水平移動装置と、
水平移動装置から布類を受け取って次工程に搬送する搬送装置とからなる布類展張搬送装置。
【請求項8】
前記受渡し装置は、外側チャックと内側チャックとからなる一対の掴持部を有し、布類を掴持部で掴み、各外側チャックを外側へ回動して布類の両角端部を一定幅展張することを特徴とする請求項7の布類展張搬送装置。
【請求項9】
前記水平移動装置は、展張装置の下方に設けられた左右の上端部固定バーまで進退する水平移動体と、水平移動体の吸着ボックスに吸引力を作用させるバキュームモータと、水平移動体を水平移動させる水平移動体シリンダと、中央部に布類が通過できる間隙を有する左右のエアブローとで構成され、
上端固定バーと水平移動体により布類が挟持された状態でエアブローから布類の上辺部分に空気を吹き付けることを特徴とする請求項7または8の布類展張搬送装置。
【請求項10】
前記吸気装置は、展張装置の下方に設けられ、上部に吸引口を備えたバキュームボックスと、バキュームボックス内の空気を吸引する吸気ファンと、バキュームボックスの吸引口の近傍正面側に設けられた送込みローラとから構成され、
展張装置の下方に設けられた左右の上端部固定バーと水平移動装置により布類の上辺部分を挟持しながら布類を上下に展張することを特徴とする請求項7ないし9のいずれかの布類展張搬送装置。
【請求項11】
前記搬送装置は、布類を回転して次工程に搬送する移送コンベヤと、移送コンベヤの手前に設けられた剥離軸とから構成され、
前記剥離軸の回転速度は、前記水平移動装置の水平移動速度および移送コンベヤの回転速度よりも遅いことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかの布類展張搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−149491(P2006−149491A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341315(P2004−341315)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【特許番号】特許第3781376号(P3781376)
【特許公報発行日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(502407130)株式会社プレックス (75)
【Fターム(参考)】