説明

希土類アルミノホウケイ酸ガラス組成物

【課題】固体レーザー媒質としての使用に好適なアルミノホウケイ酸塩をベースとしたガラス組成物を提供する。
【解決手段】アルミノホウケイ酸塩をベースとしたガラスはレーザー発振イオン用の希土類イオンの発光帯域幅を示す。完全には分かっていないが、発光帯域幅を拡大することは、ガラスマトリックス中の有効量のランタニドイオンの存在によって達成されると考えられる。加えて、ヤング率、破壊靭性及び硬度の高い値のために、透明な防弾窓材料としても好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体レーザー媒質としてのアルミノホウケイ酸塩をベースとしたガラスの使用に関する。とりわけ、本発明は、アルミノホウケイ酸塩をベースとしたガラス組成物においてレーザー発振イオン(lasing ions)として用いられる希土類イオンの発光帯域幅を拡大することに関する。完全には分かっていないが、発光帯域幅を拡大することは、ガラスマトリックス中の有効量のランタニドイオンの存在によって達成されると考えられる。加えて、ヤング率、破壊靭性及び硬度の高い値のために、希土類アルミノホウケイ酸ガラス系はまた透明な防弾窓材料としても好適である。
【背景技術】
【0002】
レーザーガラスは、ホストガラス系を、レーザー発振能力を有する希土類元素、例えばネオジム及びイッテルビウムでドープすることによって製造される。これらの希土類でドープされたレーザーガラスのレーザー発振能力は、ガラス中の励起した希土類元素イオンの誘導発光による光増幅に起因する。
【0003】
リン酸レーザーガラスは、高平均パワー及び高ピークエネルギーのレーザーシステムのためのホストマトリックスとして使用されるものとして知られている。例えば、広い発光帯域幅を有するものとして記載される、Ndでドープされたリン酸レーザーガラスの使用を開示している特許文献1を参照されたい。特許文献2も、Ndでドープされたリン酸レーザーガラスを開示している。この場合、レーザーガラスは、抽出効率(extraction efficiency)を改善させる狭い発光帯域幅(26nm未満)を有することが望ましいといわれている。この典型的なタイプのレーザーにおいて、典型的なレーザーの発光はその発光帯域幅に比して狭いため、レーザーが機能する狭い帯域の外側の波長で放射された光が事実上無駄になってしまう。この理由から、狭い発光帯域幅が望ましいとされてきた。
【0004】
固体レーザーにおける一般的な傾向の一つとしては、パルスのパワーを極めて高い数値とするより短いパルス幅で、高エネルギーレーザーを発生させることである。例えば、10ナノ秒のパルス幅での10キロジュールのレーザーは、1TW(1TW=10ナノ秒当たり10000J)のパワーである。しかしながら、超短パルスを用いた高強度レーザー(high peak power lasers)(100未満のフェムト秒パルス)では、既知のリン酸レーザーガラスによりもたらされる発光帯域幅が、要求されるものと比して狭すぎる。この問題に対処するために、いわゆる「混合」レーザーガラスレーザー設計(“mixed”laser glass laser designs)が使用される。リン酸ガラス及びケイ酸ガラスを連続して使用すると、現行のペタワットレーザーシステムに必要な総帯域幅が達成される。しかし、混合ガラスを使用する技術は、将来のエクサワットレーザーシステムにとって不十分なものである。連続してケイ酸ガラスを使用しているか否かに関わらず、新たなより広い帯域のリン酸ガラスが要求されると考えられる。
【0005】
より短いパルス幅での高エネルギーレーザーの使用に向けた動きは、非特許文献1に記載されている。これらのレーザーは、チャープパルス増幅(CPA)と称される技法を使用して、超短レーザーパルスを発生させる。効率的に作用させるために、この技法は、可能な限り大きな発光帯域幅を有する利得媒体を必要とする。表1で、M.D. Perry及びG. Mourouは、幾つかの典型的な固体レーザーシステムについて、パルス幅及び理論ピーク値と共に発光帯域幅を記載している。
【0006】
リン酸ガラスに加えて、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ホウケイ酸塩、及びアルミン酸塩を、レーザー発振イオンのためのホストガラスマトリックス系として使用してきた。ケイ酸ガラス、ホウ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、及びアルミン酸ガラスは、リン酸ガラスに比べて、Ndレーザー発振イオンに関するより広い発光帯域幅を有する。
【0007】
しかしながら、これらのガラスの使用に関連する欠点が存在している。例えば、ケイ酸ガラスは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の有効量の改質剤を含有しない限り、通常極めて高い温度で溶融する。他方、ホウ酸ガラスは、低温溶融特徴を有するものの、周囲環境で安定となるためには実質的に高い濃度のアルカリ金属又はアルカリ土類金属を要する。ホウケイ酸ガラスは、周囲温度で耐性であり得る上、ソーダ石灰ガラス等の標準的な市販のガラスと同程度の温度で溶融する。しかしながら、典型的な市販のホウケイ酸ガラスは、ホウ酸塩の高揮発性を促す、溶融中にリン酸ガラスと同様の有効量のアルカリ金属を含有する。アルミン酸ガラスは、特に広い発光帯域幅を示し、短パルスレーザー操作にとって魅力的なものである。しかし、これらのガラスは、結晶化しようとする傾向が極めて高い。
【0008】
MgO−Al−SiO及びMgO−Al−Bの組成系は、高ヤング率値をもたらすことが知られている。しかしながら、両方の系とも、極めて高い、すなわち、1600℃以上の溶融温度を招く。さらに、MgO−Al−SiO系は、高結晶化速度を招く。例えば、組成物を1550℃から冷却させる場合、5×10℃/分を超える高速冷却速度でのみ、結晶のないガラスを得ることができる。その結果、この組成系は、レーザーガラス又は防弾窓等の用途のために応力の残留しないバルク形態を作製するのに実用的でない。
【0009】
短パルスを利用するレーザーシステムを設計する上で重要な要素は、レーザー遷移のために広い発光帯域幅を有する利得材料を見つけることである。発光帯域幅とパルス幅との関係は、帯域幅×パルス時間≧0.44である。さらに短いパルス時間を達成するためには、広い発光帯域幅を有するガラスを特定することが要件となることは明らかである。
【0010】
遷移金属でドープされた結晶は、広い発光帯域幅をもたらす。例えば、非特許文献2に記載されているHerculesレーザーは、Tiでドープされたサファイア結晶を使用する。
【0011】
超短パルス幅レーザーを発生させる別の方法は、希土類でドープされたガラスによるものである。結晶に対するこのようなガラスの利点としては、(ガラスは高光学特性を有する大きなサイズで製造され得るのに対し、Tiでドープされたサファイアは一定のサイズに限定されるため)より低いコスト、より高い有効エネルギーが挙げられ、また、ガラスによるアプローチは、フラッシュランプにより誘起され得る(Tiでドープされたサファイアの短パルスレーザーは、フラッシュランプにより励起されるガラスレーザーにより励起され、ガラスによるアプローチは、初めにポンプレーザーを構築する必要がない)ため、より単純な設計を実現することができる。
【0012】
上記で述べたように、特許文献1は広帯域ガラスの有用性を開示している。しかしながら、そこに記載されるNdでドープされたリン酸ガラスは、高収率で作製することが難しい。その上、さらに大きな発光帯域幅を有する材料に対する需要が依然として存在している。
【0013】
高弾性率、破壊靭性及び硬度等の所望の物理学的特性を有する、ガラス、ガラスセラミック、セラミック、及びそれらの複合体を、透明な装甲用途に使用してもよい。例えば、非特許文献3を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,663,972号
【特許文献2】米国特許第5,526,369号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】"Terrawatt to pettawatt subpicosecond lasers", M.D. Perry and G. Mourou, Science, Vol 264, 917-924 (1994)
【非特許文献2】Laser Focus World, April 2008, pp. 19-20
【非特許文献3】"Transparent Armor, "P.J. Patel et al., The AMPTIAC Newsletter, Vol. 4, No. 3, pp 1-21 (2000)
【非特許文献4】“Optical Spectroscopy of Neodymium in Sodium Alumino−Borosilicate Glasses,” Hong Li et al.
【非特許文献5】JJ Swab, ''Recommendations for Determining the Hardness of Armor Ceramics'', Int. J. Applied Ceram. Technol., Vol. 1 [3] (2004), pp 219-225
【非特許文献6】E. Desurvire, Erbium Doped Fiber Amplifiers, John Wiley and Sons (1994)
【非特許文献7】Miniscalco and Quimby, Optics Letters 16(4) pp 258-266 (1991)
【非特許文献8】Kassab, Journal of Non-Crystalline Solids 348 (2004) 103-107
【発明の概要】
【0016】
本発明の一態様によれば、レーザー発振イオンとして使用される希土類イオンの広い発光帯域幅を有する固体レーザー媒質として使用されるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が提供される。本発明の別の態様によれば、透明な防弾窓材料として適する希土類アルミノホウケイ酸ガラス系が提供される。透明な防弾窓材料として使用する場合、本発明によるガラス組成物は、如何なるレーザー発振イオンも含有する必要がない。本発明によるガラス系であるRE−Al−B−SiO(式中、「RE」は希土類を表す)は、系を、有効利得(レーザー)材料又は防弾窓材料として使用される、応力の残留しないバルク形態を作製するのに適したものとする、より少ない厳格な溶融及びアニール工程を提供する。
【0017】
明細書及び添付の特許請求の範囲のさらなる理解により、本発明のさらなる態様及び利点が当業者に明らかになるであろう。
【0018】
本発明によれば、高含有量のランタニドイオン(例えば、La)を含有するアルミノホウケイ酸ガラス組成物を、広い発光帯域幅のレーザーガラスとして使用する。
【0019】
本明細書中に開示されるガラスは、1000倍〜1000000倍高いパワー(ペタワット〜エクサワットレベル以上)で使用するのに好適である。開示されるガラスは、100フェムト秒未満のパルス幅を達成するのに使用することができ、100kJを超える出力エネルギーを得るという十分に高い利得を有すると考えられる。レーザーシステムにおいて、本発明によるガラスは、励起光源としてのフラッシュランプの使用により励起させることができる。レーザーダイオードによる励起も可能である。
【0020】
本発明によれば、アルミノホウケイ酸ガラスは、それらの包含物が乏しい溶融挙動を示さず、またアルミノホウケイ酸ガラスの所望特質を損なわせない限り、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属等の従来の改質剤酸化物を任意に一定量含有していてもよい。このような改質剤の総量は、27mol%未満の一価の改質剤、例えばNaO、及び30mol%未満の二価の改質剤、例えばMgOであることが望ましい。
【0021】
しかし、本発明による包括的なガラス組成物は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含んでいてもよく、本発明の別の態様によれば、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を全く含有しない。この場合、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が存在しないことにより、溶融中に極めて低い揮発性がもたらされる。
【0022】
特定の理論に縛られるものではないが、本発明によれば、帯域の拡大は、網目構造領域、Si−O−Si単位に富むもの、及びB−O−B単位に富む別のものの割合を制御することによって達成することができると考えられる。ケイ酸に富む網目構造領域とホウ酸に富む網目構造領域との割合を制御することによって、両領域におけるレーザー発振イオンの分割は制御することができるため、レーザー発振イオンの発光帯域幅を広くすることができる。加えて、一定量のAlを有する、ホウ酸に富む網目構造領域を調整することによって、レーザー発振イオンがその領域と関連付けられると考えられる。異なる領域におけるレーザー発振イオンは、異なる配位子場を経ると考えられ、それゆえ、各領域による発光帯域幅は、発光ピーク位置の観点から異なり、また発光幅の合計が異なる。その結果、発光帯域幅が拡大されると考えられる。
【0023】
さらに、AlとLaとの比及びLaとAlとの総濃度を調節して、両網目構造領域におけるレーザー発振イオンの分割に影響を与えることができる。レーザー発振イオンの濃度は、2つの網目構造領域間のレーザー発振イオンの分割を制御する上での要素でもあるため、帯域の拡大を制御する上での要素でもある。
【0024】
例えば、本発明によれば、レーザー発振イオンの幾つか(例えば、Nd又はYb)を、Laと置き換えることによって、発光帯域幅を拡大することができると考えられる。非特許文献4を参照されたい。アルミノホウケイ酸ガラス組成物中のレーザー発振イオン濃度の一部をLaと置き換えることにより、レーザー発振イオン濃度を低減させ、La3+が、レーザー発振イオンを互いに分離し、それにより、2つのレーザー発振イオン間のエネルギー移行(例えば、Nd3+→Nd3+)から起こる発光消光が低減される。
【0025】
加えて、本発明のガラスが、高品質光学ガラスを得るようにRO(R=Li、Na、K、Rb、Cs)を含有する場合、RO/(Al+RO)の比は、一方が低く一方が高い2つの範囲にあることが好ましい。詳細には、これらの比の値は、相分離及び結果として起こる関連する光学特性の低下を避けるように、0.40より大きく0.60より小さい。
【0026】
本発明の一態様によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 25.00〜57.00
5.00〜28.00
Al 2.00〜27.00
La 0.00〜28.00
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜27.00
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜30.00
Ln(Ln=Nd、Yb、又は他のレーザー発振用の希土類イオン)0.30より多く10.00まで、
LaとLnとの合計 0.30より多く30.00まで、
を含む。
【0027】
透明な防弾窓用途を目指した本発明の一態様によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 25.00〜57.00
5.00〜28.00
Al 2.00〜27.00
La 0.00〜28.00
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜27.00
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜30.00
を含む。
【0028】
本発明の別の態様によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 30.00〜55.00
5.00〜25.00
Al 3.00〜25.00
La 0.00〜25.00
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜20.00
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜27.00
Ln(Ln=Nd、Yb、又は他のレーザー発振用の希土類イオン) 0.30より多く9.00まで、
LaとLnとの合計 0.30より多く28.00まで、
を含む。
【0029】
透明な防弾窓用途を目指した本発明の一態様によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 30.00〜55.00
5.00〜25.00
Al 3.00〜25.00
La 0.00より多く25.00まで、
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜20.00
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜27.00
を含む。
【0030】
本発明によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 50.00〜57.00
10.00〜20.00
Al 3.00〜10.00
La 1.00〜10.00
Yb 0.00〜10.00
Nd 0.00〜 6.00
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 15.00〜20.00
を含み、このアルミノホウケイ酸ガラス組成物はアルカリ土類金属を本質的に含まない。
【0031】
本発明によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 40.00〜50.00
10.00〜15.00
Al 15.00〜25.00
La 0.00〜 5.00
Yb 0.00〜 5.00
Nd 0.00〜 5.00
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 15.00〜25.00
を含み、このアルミノホウケイ酸ガラス組成物はアルカリ金属を本質的に含まない。
【0032】
本発明によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 40.00〜50.00
5.00〜25.00
Al 15.00〜27.00
La 11.00〜25.00
Yb 0.00〜10.00
Nd 0.00〜 6.00
を含み、このアルミノホウケイ酸ガラス組成物がアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まない。
【0033】
本発明によると、アルミノホウケイ酸ガラス組成物は、mol%で、
SiO 40.00〜50.00
5.00〜18.00
Al 15.00〜27.00
La 11.00〜25.00
Yb 0.00〜10.00
Nd 0.00〜 6.00
を含み、このアルミノホウケイ酸ガラス組成物はアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まない。
【0034】
アルカリ金属を本質的に含まないとは、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が0.5mol%未満、特に0.1mol%未満のアルカリ金属(例えば、NaO、LiO及びKO)を含有することを意味する。アルカリ土類金属を本質的に含まないとは、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が、0.5mol%未満、特に0.1mol%未満のアルカリ土類金属(例えば、BaO、CaO及びMgO)を含有することを意味する。
【0035】
レーザーガラスの用途では、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が、十分量のLn(式中、Lnは希土類のレーザー発振イオンを表す)を含有することにより、レーザー発振能力がもたらされる。包括的に、Lnの量は、約0.3mol%〜10mol%、例えば、0.5mol%〜8mol%又は0.5mol%〜6mol%である。レーザー発振元素Lnは好ましくはNd又はYbであるが、例えば、Er又はPrであってもよい。Erは、目に安全なレーザー発振波長を有し、Prは、可視波長でレーザー発振し得る。Yb及びNdは両方とも、IR範囲でレーザー発振する。さらに他のレーザー発振イオンは、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho及びTmである。レーザー発振イオンは、単独で又は2つ以上の元素を組合せて使用することができる。
【0036】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、25.00mol%〜57.00mol%のSiO、例えば、27.00mol%〜57.00mol%のSiO、又は28.00mol%〜56.00mol%のSiO、又は29.00mol%〜55.00mol%のSiO、又は43.00mol%〜50.00mol%のSiO、又は44.00mol%〜49.00mol%のSiO、又は45.00mol%〜48.00mol%のSiOを含有する。
【0037】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、5.00mol%〜28.00mol%のB、例えば、6.00mol%〜27.00mol%のB、又は7.00mol%〜26.00mol%のB、又は8.00mol%〜25.00mol%のB、又は6.00mol%〜15.00mol%のB、又は7.50mol%〜14.00mol%のB、又8.00mol%〜13.00mol%のBを含有する。
【0038】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、2.00mol%〜27.00mol%のAl、例えば、2.00mol%〜25.00mol%のAl、又は3.00mol%〜24.00mol%のAl、又は4.00mol%〜23.00mol%のAl、又は16.00mol%〜25.00mol%のAl、又は16.50mol%〜24.00mol%のAl、又は17.00mol%〜23.00mol%のAlを含有する。
【0039】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、0.00mol%〜28.00mol%のLa、例えば、1.00mol%〜27.00mol%のLa、又は3.00mol%〜26.00mol%のLa、又は5.00mol%〜25.00mol%のLa、又は12.00mol%〜24.00mol%のLa、又は13.00mol%〜23.50mol%のLa、又は14.00mol%〜23.00mol%のLaを含有する。
【0040】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物中のLaとLnとの含有量の合計は、包括的に、Laの0.50mol%〜28.00mol%、例えば、8.00mol%〜26.00mol%若しくは9.00mol%〜25.00mol%であるか、又は20.00mol%〜26.00mol%である。
【0041】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、0.10mol%〜10.00mol%のYb及び/又は0.10mol%〜5.00mol%のNd、例えば、0.10mol%〜8.00mol%のYb、又は0.5mol%〜8.00mol%のYb及び/又は0.5mol%〜6.00mol%のYb、及び/又は0.50mol%〜4.00mol%のNdを含有する。
【0042】
別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物中のAlとLaとの比は、例えば、0.70〜5.00(0.70〜1.25、又は0.75〜3.50、又は0.75〜1.10、又は0.80〜1.05等)である。
【0043】
本発明の別の態様によれば、アルミノホウケイ酸ガラス組成物が、RO(R=Li、Na、K、Rb、Cs)を含有する場合、比RO/(Al+RO)は、例えば、0.40より大きく0.60より小さい(例えば、0.30より大きく0.70より小さい)である。
【0044】
ガラス組成物中、SiO及びBはそれぞれ、2つの網目構造領域(一方はSi−O−Si単位に富み、他方はB−O−B単位に富む)を形成する主な網目構造形成剤として作用する。ガラスを調製するのに使用されるSiOの量は、27.00mol%〜57.00mol%、例えば、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56又は57mol%である。ガラスを調製するのに使用されるBの量は、6.00mol%〜27.00mol%、例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26又は27mol%である。
【0045】
ガラス組成物中、Al及びLaは、中間ガラス形成剤として作用する。それらは、ガラス形成剤とガラス改質剤との両方の特徴を示し得る。ガラスを調製するのに使用されるAlの量は、2.00mol%〜25.00mol%、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25mol%である。ガラスを調製するのに使用されるLaの量は、1.00mol%〜27.00mol%、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26又は27mol%である。
【0046】
上記で述べたように、Yb及び/又はNdは、ガラス組成物に好ましいレーザー発振イオンをもたらす。代替的には、他の希土類又は希土類酸化物の組合せ、例えばEr及び/又はPrを、レーザー発振イオンとして使用してもよい。加えて、当業者に既知であるように、これらのレーザーガラスを、主なレーザー発振イオン(複数可)に対する増感剤として作用する、少量の遷移金属(例えばCr)又は他の希土類イオン(例えばYb及びCeO)でドープしてもよい。例えば、Crは、Ybの増感剤として機能することができ、CeO、Cr及びYbは、Erの増感剤として機能し得る。Crに関して、増感剤の量は、例えば、0.00wt%より多く0.40wt%まで、好ましくは0.01wt%〜0.20wt%であり、Ybに関して、増感剤の量は、例えば、0.00より多くガラス中におけるYbの溶解度の限界まで、好ましくは5wt%〜25wt%である。
【0047】
また、本発明によるガラスは一般に、レーザー発振イオンを含まずに調製することができる。上記で述べたように、このようなガラスは、透明な装甲用途、例えばガラス層/セラミック層複合体のガラス層に使用することができる。
【0048】
人員保護及び車両保護のための透明な装甲システムは典型的に、ポリマーにより互いに結合される、ガラス−、透明ガラス−セラミック及び/又はセラミック材料の複数の層を含む多層複合体である。得られる複合体は、十分に透明でなければならず、光学的ひずみを本質的に有してはならず、その上、様々な脅威からの適切な保護が最小重量及び最小コストで得られる必要がある。
【0049】
衝撃からの保護に現在使用されている透明な無機材料としては、(a)圧延法、フロート法、及び他の延伸法、例えば、オーバーフローヒュージョン法により典型的に製造される、ガラス、例えばホウケイ酸ガラス及びソーダ石灰シートガラス;(b)キャストシート、圧延シート、又は延伸シートをセラミック化することにより製造される、ガラス−セラミック材料、例えばGEC Alstom TransArm;並びに、(c)スピネル、サファイア及びアルミニウムオキシナイトライド(AlON)等の結晶性材料が挙げられる。
【0050】
透明な装甲システムの個々の層は、以下で中間層と称される接着材料によって互いに結合されていてもよい。接着中間層材料の形態としては、液体、ペースト、ゲル、及びシート又はフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。シート状又はフィルム状の中間層を使用する場合、結合は、典型的には熱及び/又は圧を利用して積層材料となるようにして達成される。空気の取込みを回避するために、典型的には層及び中間層の集合堆積を減圧バッグに入れる。液体、ペースト又はゲルの形態の接着剤を、噴霧、圧延又はキャスティング等の既知の技法を用いて、積層プロセス中、個々の層の表面に塗布してもよく、又は集合堆積の層の間隙内にキャストしてもよい。これらの接着剤の硬化は典型的には、塗布プロセス前又は塗布プロセス中の熱及び/又は放射物への曝露、及び/又は化学触媒の添加によって達成される。
【0051】
スピネル、サファイア及びAlON等の透明なセラミック材料は、他の透明材料を超える優れた衝撃性能を示す。しかしながら、これらの材料は現在、装甲用途を対象としたサイズで市販されていない。現在、1/4インチの厚みを有する装甲グレードの透明なセラミックプレートは典型的に1平方インチ当たり25ドルを超える。
【0052】
弾丸を止めるために、装甲システムは典型的に、弾丸の不安定化、破裂及び侵食を含む様々な無効機構を組み合わせると共に、標的に対する破損を遅らせ及び/又は標的内の破損の進展を抑える。
【0053】
包括的に、材料の硬度及び破壊靭性は、その衝撃性能に寄与すると考えられる。一般的な仮説の一つでは、弾丸をばらばらにするために、標的材料が十分な硬度を有していなければならないこと、及び、また或る特定の閾値を超えると、標的材料の硬度の増大によってはもはや衝撃性能の増大はもたらされないことを述べている。非特許文献5を参照されたい。
【0054】
透明なセラミックに対する衝撃性能のギャップを近づけるために、高い弾性率、硬度及び破壊靭性を有し、かつ比較的低いコストで大きなシートとして製造することができるガラスが、特段の関心を集めている。例えば、ガラスは、100GPa以上の弾性率、620以上の硬度(KH)、及び1.0MPaを超える破壊靭性(KIC)を有する。
【0055】
透明な装甲用途に加えて、レーザー発振イオンを含むことなく調製される本発明によるガラスはまた、レーザー導波装置におけるクラッディングガラスとして使用することができる。付加的に、本発明によるガラスを、レーザー発振波長における吸収を誘導する1つ又は複数の遷移金属でドープすることによって、得られる遷移金属でドープされたガラスは、或る特定のレーザーシステム設計において端面クラッディングガラスとしての役割を果たし得る。
【0056】
付加的な構成成分に関して、ガラスは、最大4重量パーセント、特に最大2重量パーセントの従来の添加剤又は不純物、例えば、清澄剤(例えば、As及びSb)及び太陽光遮蔽剤(antisolarant)(例えば、Nb)を含有する。加えて、ガラス組成物は、溶融物又は残留水を乾燥させるのを助け、またガラスの清澄を助けるハロゲン化物を含有していてもよい。例えば、ガラス組成物は、9wt%まで、好ましくは5wt%以下のF、及び5wt%までのClを含有していてもよいが、ClはFよりも好ましくない。
【0057】
本発明の別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物は、少なくとも33nm、好ましくは少なくとも35nm、特に少なくとも40nm、とりわけ少なくとも42nm、例えば33nm〜65nm又は35nm〜65nmの有効発光帯域幅(Δλeff)を有する。
【0058】
レーザー特性は、Judd−Ofelt理論、Fuchtbauer−Ladenburg理論、又はMcCumber法に従って測定することができる。Judd−Ofelt理論及びFuchtbauer−Ladenburg理論の考察は、非特許文献6に見ることができる。McCumber法は、例えば、非特許文献7に論じられている通りである。また、非特許文献8を参照されたい。Judd−Ofelt理論及びFuchtbauer−Ladenburg理論は、発光曲線からレーザー特性を評価するものであるのに対し、McCumber法は、ガラスの吸収曲線を使用するものである。
【0059】
発光帯域幅に関して、測定された発光曲線(例えば、Judd−Ofelt解析又はFuchtbauer−Ladenburg解析により集められたもの)、又は算出された発光曲線(McCumber解析により)があれば、2つの方法で発光帯域幅を得ることができる。第1の方法は、最大値の半値幅(いわゆる発光帯域幅の半値全幅、すなわちΔλFWHM)を単に測定することである。
【0060】
Ybの発光曲線は、約980nmの狭い特質を示す。この特質が顕著なものであれば、ΔλFWHM値は、この1つの特質の幅を反映しているに過ぎず、曲線の残りは役に立たないと考えられる。その結果、ΔλFWHM値が常に、Ybに関する発光帯域幅の信頼できる指標となるわけではない。
【0061】
第2の方法は、発光曲線上のあらゆる点を曲線下の全面積で除算するものである。線幅関数(linewidth function)と称されるこの結果は、有効帯域幅(Δλeff)の逆数として定義されるピーク値を有すると考えられる。この方法によって、全発光曲線は常に発光帯域幅の結果に寄与する。この数値が、発光帯域幅の最良の指標として、解析において本明細書中で使用される。
【0062】
本発明の別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が、少なくとも80GPa、好ましくは少なくとも90GPa、特に少なくとも100GPa、とりわけ少なくとも105GPa、例えば80GPa〜110GPa、又は105GPa〜110GPaのヤング率を有する。
【0063】
本発明の別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が、少なくとも0.80MPa・m1/2、好ましくは少なくとも0.90MPa・m1/2、特に少なくとも0.95MPa・m1/2、とりわけ少なくとも1.00MPa・m1/2、例えば0.80MPa・m1/2〜1.20MPa・m1/2、又は1.00MPa・m1/2〜1.20MPa・m1/2の、3.0Nの負荷に関する押込み破壊靭性(KIC)を有する。
【0064】
本発明の別の態様によれば、本発明によるアルミノホウケイ酸ガラス組成物が、少なくとも550、好ましくは少なくとも600、特に少なくとも620、とりわけ少なくとも630、例えば550〜690又は630〜700のヌープ硬度(HK)を有する。
【0065】
上述の物理学的特性(ヤング率、押込み破壊靭性及びヌープ硬度)は、本発明によるガラスを透明な装甲用途で使用する場合に、特に有用である。
【0066】
本発明及び本発明のさらなる詳細、例えば、特質及び付随的な利点を、図面に図式的に描かれる例示的な実施形態に基づき以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】Ndでドープされた市販のリン酸レーザーガラス(Nd:APG−1)と相対的に比較される、実施例8の発光帯域幅の改良を示す図である。
【図1B】Ybでドープされた市販のリン酸レーザーガラス(Yb:APG−1)と相対的に比較される、実施例7の発光帯域幅の改良を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
表1A及び表1Bは、本発明によるガラス組成物の例を挙げるものである。ガラスは全て、レーザーグレードの成分を用いて作製され、より良好な均質性のためにPt撹拌子を用いて撹拌しながら、乾燥酸素環境下で溶融される。
【0069】
発光スペクトルを求めるために、ガラスをモールドにキャストし、適宜、アニールして応力を取り除く。Ybでドープされたガラスをその後、タングステンカーバイド粉砕セルを用いて微粉に粉砕する。Ndでドープされたガラスを、少なくとも公称10mm×10mm×40mmサイズのバルクキュベットサンプルとして調製する。Ybでドープされた各ガラスの粉末サンプル及びNdでドープされた各ガラスのキュベットサンプルは、発光スペクトルを測定するのに使用し、これから、有効発光帯域幅(Δλeff)を式(1)に従って求める:
【0070】
【数1】

【0071】
ここで、Ybに関しては925nm〜1100nm、Ndに関しては1000nm〜1200nmの発光スペクトルの積分面積が作成され、最大発光強度(Imax)は、Ybに関しては975nmに近い波長、Ndに関しては1055nmに近い波長に見られる。
【0072】
表1A中、実施例1のガラスは、レーザー発振イオンを含有しないため、レーザーガラス態様に対する対照としての実施形態を表す。このガラスは、本発明の透明な装甲態様の実施形態でもある。
【0073】
表2A及び表2Bは、本発明によるアルミノホウケイ酸ランタンガラスの特性をまとめたものである。表2Cは、Ndでドープされた市販のリン酸レーザーガラスAPG−1(Nd:APG−l)、APG−2(Nd:APG−2)、及びIOG−1(Nd:IOG−1)、並びに、Ybでドープされたリン酸レーザーガラスAPG−1(Yb:APG−1)、APG−2(Yb:APG−2)、及びIOG−1(Yb:IOG−1)の特性をまとめたものである。これらのガラスはSchott North America, Inc.により販売されている。
【0074】
表から分かるように、本発明によるガラスは、1)高ヤング率、2)高熱伝導率、及び3)高破壊靭性及び微小硬度を示す。これらの物理学的特性の特質は、本発明のガラス組成物が、レーザーガラスとして使用されるのに好適であること、及び衝撃からの保護の用途で透明な防弾窓に使用されるのに好適であることを実証する。
【0075】
表3A及び表3Bは、本発明によるアルミノホウケイ酸ランタンガラスのレーザー特性をまとめたものである。表3C及び表3Dは、市販のリン酸レーザーガラスのレーザー特性をまとめたものである。表から分かるように、本発明によるガラスは、広い有効発光帯域幅を特徴とし、その大多数が、比較用の市販のリン酸レーザーガラスの全てではないが大半に比べて広い有効発光帯域幅を示す。
【0076】
図1中、発光強度は、Ndを含有するガラスの場合530nm、Ybを含有するガラスの場合918nmの光でサンプルを励起させる際の発光波長の関数としてグラフ化される。ガラスは全てモールドにキャストし、適宜、アニールして応力を取り除く。Ybを含有する実施例7を、タングステンカーバイド粉砕セルを用いて微粉に粉砕する。信頼できる発光スペクトルを得るために粉末状サンプルを使用し、励起状態吸収(ESA)を最小限に抑える。Ndを含有する実施例8では、ESAは、わずかであり、それゆえ、透明なガラスブロックを使用してNd発光スペクトルを測定した。
【0077】
図1は、実施例8のNd発光スペクトル及び実施例7のYb発光スペクトルと、Ybを含有するAPG−1ガラス及びNdを含有するAPG−1ガラス(Schott North America, Inc.により販売されている市販のレーザーガラス)との比較をそれぞれ図示している。結果から、本発明によるアルミノホウケイ酸ランタンガラスが、レーザー発振イオンの発光スペクトルを有効に拡大することが確認されるため、本発明によるガラス組成物がレーザーガラス用途に極めて好適であることがさらに実証される。
【0078】
本発明によるアルミノホウケイ酸ランタンガラスに関する帯域幅は、広い帯域のアルミン酸ガラスが有する帯域幅に匹敵する。しかも、広い帯域幅を有することに加えて、ランタンを含有する本発明によるアルミノホウケイ酸ガラスはまた、有意な製造上の利点を示す。それらの低いアルカリ金属含有量及びアルカリ土類金属含有量に起因して、ランタンを含有する本発明によるアルミノホウケイ酸ガラスは、アルミン酸ガラスと比べて溶融結晶化する傾向が低い。
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
【表6】

【0085】
【表7】

【0086】
【表8】

【0087】
【表9】

【0088】
本明細書中に引用される全ての出願、特許及び刊行物の開示は全体として、参照により本明細書中に援用される。
【0089】
これまでの実施例で使用したものの代わりに、包括的又は詳細に記載した本発明の反応物質及び/又は操作条件を使用することによって、これまでの実施例を同様に首尾よく繰り返すことができる。
【0090】
上述の記載から、当業者は、本発明の不可欠な特徴を容易に見極めることができ、その精神及び範囲を逸脱することなく、その特徴が様々な用法及び条件に適応するように本発明の様々な変更及び改良を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO 25.00〜57.00mol%
5.00〜28.00mol%
Al 2.00〜27.00mol%
La 0.00〜28.00mol%
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜27.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜30.00mol%
を含む、アルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項2】
レーザー発振用の希土類イオンを含有しない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項3】
SiO 25.00〜57.00mol%
5.00〜28.00mol%
Al 2.00〜27.00mol%
La 0.00〜28.00mol%
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜27.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜30.00mol%
を含む、請求項1又は2に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項4】
SiO 30.00〜55.00mol%
5.00〜25.00mol%
Al 3.00〜25.00mol%
La 0.00より多く25.00mol%まで、
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜20.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜27.00mol%
を含む、請求項1又は2に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項5】
レーザー発振用の希土類イオンを含有しない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項6】
SiO 25.00〜57.00mol%
5.00〜28.00mol%
Al 2.00〜27.00mol%
La 0.00〜28.00mol%
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜27.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜30.00mol%
Ln(Ln=Nd、Yb、又は他のレーザー発振用の希土類イオン) 0.30mol%より多く10.00mol%まで
を含む、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項7】
SiO 30.00〜55.00mol%
5.00〜25.00mol%
Al 3.00〜25.00mol%
La 0.00〜25.00mol%
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 0.00〜20.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 0.00〜27.00mol%
Ln(Ln=Nd、Yb、又は他のレーザー発振用の希土類イオン) 0.30mol%より多く9.0mol%まで
LaとLnとの合計 0.30mol%より多く28.00mol%まで
を含む、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項8】
前記ガラス組成物が、
SiO 50.00〜57.00mol%
10.00〜20.00mol%
Al 3.00〜10.00mol%
La 1.00〜10.00mol%
Yb 0.00〜10.00mol%
Nd 0.00〜 6.00mol%
O(R=Li、Na、K、Rb、Cs) 15.00〜20.00mol%
を含み、前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物がアルカリ土類金属を本質的に含まない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項9】
前記ガラス組成物が、
SiO 40.00〜50.0mol%
10.00〜15.00mol%
Al 15.00〜25.00mol%
La 0.00〜 5.00mol%
Yb 0.00〜 5.00mol%
Nd 0.00〜 5.00mol%
MO(M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn) 15.00〜25.00mol%
を含み、前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物がアルカリ金属を本質的に含まない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項10】
前記ガラス組成物が、
SiO 40.00〜50.00mol%
5.00〜25.00mol%
Al 15.00〜27.00mol%
La 11.00〜25.00mol%
Yb 0.00〜10.00mol%
Nd 0.00〜 6.00mol%
を含み、前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物がアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項11】
前記ガラス組成物が、
SiO 40.00〜50.00mol%
5.00〜18.00mol%
Al 15.00〜27.00mol%
La 11.00〜25.00mol%
Yb 0.00〜10.00mol%
Nd 0.00〜 6.00mol%
を含み、前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物がアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まない、請求項1に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項12】
Ln(式中、Lnは希土類のレーザー発振イオンを表す)の量が、0.5mol%〜8mol%である、請求項6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項13】
前記レーザー発振元素LnがNd又はYbである、請求項5〜12のいずれか1項に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項14】
27.00mol%〜57.00mol%のSiOを含有する、請求項1又は6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項15】
6.00mol%〜27.00mol%のBを含有する、請求項1又は6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項16】
2.00mol%〜25.00mol%のAlを含有する、請求項1又は6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項17】
1.00mol%〜27.00mol%のLaを含有する、請求項1又は6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項18】
前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物中の前記LaとLnとの含有量の合計が、0.50mol〜28.00molである、請求項6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項19】
0.10mol%〜10.00mol%のYb及び/又は0.10mol%〜5.00mol%のNdを含有する、請求項6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項20】
AlとLaとの比が0.70〜5.00である、請求項1又は6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項21】
前記アルミノホウケイ酸ガラス組成物が、RO(式中、R=Li、Na、K、Rb、Csである)を含有し、RO/(Al+RO)の比が0.40より大きく0.60より小さい、請求項6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項22】
少なくとも33nmの有効発光帯域幅(Δλeff)を示す、請求項6に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項23】
少なくとも80GPaのヤング率を有する、請求項1、2、5又は6のいずれか1項に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項24】
少なくとも0.80MPa・m1/2の3.0Nの負荷に関する押込み破壊靭性、KICを有する、請求項1、2、5又は6のいずれか1項に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項25】
少なくとも550のヌープ硬度(HK)を有する、請求項1、2、5又は6のいずれか1項に記載のアルミノホウケイ酸ガラス組成物。
【請求項26】
固体利得媒体と励起光源とを含む固体レーザーシステムにおいて、前記固体利得媒体が、請求項5〜25のいずれか1項に記載の組成物を有するガラスである、固体レーザーシステム。
【請求項27】
システムのパワー出力が、1パルス当たり少なくとも1ペタワット以上である、請求項26に記載のレーザーシステム。
【請求項28】
請求項5〜25のいずれか1項に記載のガラス組成物を、フラッシュランプにより励起させるか又はダイオードにより励起させる、レーザービームパルスを発生させる方法。
【請求項29】
少なくとも1つのガラス層を含む透明な装甲材料において、前記少なくとも1つのガラス層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス組成物であることである、透明な装甲材料。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate


【公開番号】特開2012−36081(P2012−36081A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−170072(P2011−170072)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(511189403)ショット コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】