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希釈用空気精製装置
説明

希釈用空気精製装置

【課題】希釈用空気中のNOを除去して、当該希釈用空気によって希釈された排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気のNO濃度の割合を可及的に小さくし、排ガス中のNO濃度の測定精度を向上させる。
【解決手段】エンジン排ガスを希釈用空気によって希釈した希釈排ガス中に含まれる成分を測定する排ガスサンプリング分析システム100に用いられる希釈用空気精製装置3であって、大気から採取した希釈用空気を加熱する加熱部33と、加熱された希釈用空気に含まれるNOをN又はNOに変換する触媒部34と、触媒部の下流に設けられ、希釈用空気に含まれるNOを除去するNO除去部38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスサンプリング分析システムに用いられる希釈用空気精製装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガスサンプリング分析システムに用いられる希釈用空気精製装置としては、特許文献1又は2に示すように、酸化触媒(Pd系、Pt系等)を用いて、CO、HC、NO等を酸化させるとともに、NO除去剤によりNOを吸着除去するものである。
【0003】
近年、一酸化二窒素(NO)が温室効果ガスとして注目されてきており、排ガス中に含まれるNOも例外ではなく、排ガス中に含まれるNOの濃度を分析する必要が生じてきている。
【0004】
そして、排ガスサンプリング分析システムにおける希釈サンプリング方式を用いた排ガス分析においては、希釈用空気中の成分濃度を測定すると共に、希釈された排ガス中の成分濃度を測定して、それら測定結果の差分を取ることによってバックグラウンド補正をし、排ガス中の成分濃度を算出するものである。そして、排ガス中のNO濃度を測定する場合においても同様の手法が用いられる。
【0005】
しかしながら、大気から採取される希釈用空気中には、既に約300ppb程度のNOが含まれており、排ガス中に含まれるNO濃度がそれに近い値又はそれ以下の場合には特に、希釈用空気のNO濃度の測定誤差が、バックグラウンド補正後の排ガス中のNO濃度に大きく影響してしまい、その結果、排ガス中のNO濃度の測定精度が悪くなるという問題がある。つまり、希釈された排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気のNO濃度の割合が大きいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−3232号公報
【特許文献2】特開平10−19744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、希釈用空気中のNOを除去して、当該希釈用空気によって希釈された排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気のNO濃度の割合を可及的に小さくし、排ガス中のNO濃度の測定精度を向上させることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る希釈用空気精製装置は、エンジン排ガスを希釈用空気によって希釈し、その希釈排ガス中に含まれる成分を測定する排ガスサンプリング分析システムに用いられる希釈用空気精製装置であって、大気から採取した希釈用空気を加熱する加熱器と、前記加熱器により加熱された希釈用空気に含まれるNOをN又はNOに変換する触媒部と、前記NO触媒部の下流に設けられ、前記希釈用空気に含まれるNOを除去するNO除去部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように構成した本発明によれば、希釈用空気中のNOを除去して、当該希釈用空気によって希釈された排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気のNO濃度の割合を可及的に小さくし、排ガス中のNO濃度の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に排ガスサンプリング分析システムの模式的斜視図である。
【図2】同実施形態の希釈用空気精製装置の構成を示す図である。
【図3】希釈用空気中のNO除去の有無における補正結果を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明に係る希釈用空気精製装置を用いた排ガスサンプリング分析システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る排ガスサンプリング分析システム100は、希釈サンプリング方式のものであり、自動車200から採取したエンジン排ガス(以下、「排ガス」という。)を大気から精製される希釈用空気で数倍に希釈して、濃度測定を行うものである。以下、本実施形態では、排ガス全量をサンプリングして、希釈用空気で希釈して一定の既知流量にする定容量定容量希釈サンプリング方式のものについて説明する。
【0013】
具体的にこのものは、図1に示すように、排ガス全量及び希釈用空気を装置に導入して、それらを合わせた総流量が常に一定となるように制御して、希釈された排ガス(以下、「希釈排ガス」という。)の一部を一定流量で採取バッグに採取する定容量サンプリング装置2と、大気中の不純物を除去して精製された希釈用空気を前記定容量サンプリング装置2に供給する希釈用空気精製装置3と、前記定容量サンプリング装置2の採取バッグにより採取された希釈排ガス中の所定成分(例えば、HC、COなど)の濃度を分析するガス分析計4と、を備えている。
【0014】
定容量サンプリング装置2は、シャシダイナモ300に乗載された自動車200の排気管200Hに接続されるとともに、希釈用空気精製装置3の希釈用空気供給管3Hが導入接続された排ガス導入ライン21と、排ガス導入ライン21の下流に設けられ、排ガス及び希釈用空気を攪拌混合させるサイクロン22と、当該サイクロン22により攪拌混合された希釈排ガスを一定流量で流す定流量機構231を有する希釈排ガス流通ライン23と、この希釈排ガス流通ライン23から希釈された排ガスを分取するための希釈排ガス採取ライン24と、希釈用空気精製装置3の希釈用空気供給管3Hから希釈用空気を分取するための希釈用空気採取ライン25と、を備えている。
【0015】
定流量機構231は、希釈排ガス流通ライン23上に設けられたベンチュリ管231aと当該ベンチュリ管231aの下流に設けられたターボブロア231bとから構成される。
【0016】
希釈排ガス採取ライン24は、一端が希釈排ガス流通ライン23内に設けられた希釈排ガス採取管241と、この希釈排ガス採取管241上に設けられた希釈排ガス採取ポンプ242と、この希釈排ガス採取ポンプ242により採取された希釈排ガスを収納する希釈排ガスバッグ243とを備えている。なお、希釈排ガス採取管241は、定流量機構231よりも上流側に設けられている。
【0017】
また、希釈用空気採取ライン25は、一端が希釈用空気供給管3H内に設けられた希釈用空気採取管251と、この希釈用空気採取管251上に設けられた希釈用空気採取ポンプ252と、この希釈用空気採取ポンプ252により採取された希釈用空気を収納する希釈用空気バッグ253とを備えている。
【0018】
そして、希釈排ガス採取ライン24の希釈排ガスバッグ243及び希釈用空気採取ライン25の希釈用空気バッグ253を用いてガス分析計4によりいわゆるバッグ測定が行われる。
【0019】
希釈用空気精製装置3は、排ガス分析におけるバックグラウンドの低濃度安定化を図るために、希釈用空気中のCO、HC、NO等を除去するものである。この希釈用空気精製装置3において、CO、HC、NOを除去する方法としては、希釈用空気中のCO、HC、NOをCOとHOとNOに変換する触媒酸化法を採用し、また、NOが酸化されて生じたNOをNO吸着剤を用いて吸着処理するものである。また、NO吸着剤にも酸化剤が含まれており、未変換のNOをNOに酸化させて吸着処理する。
【0020】
希釈用空気精製装置3の具体的な構成としては、図2に示すように、吸気フィルタ31を介して外部から希釈用空気を装置内部に導入する吸引ポンプ32と、当該吸引ポンプ32により導入された希釈用空気を約400度に加熱する加熱器33と、当該加熱器33により加熱された希釈用空気中のHC、COを燃焼させるPt、Pd系又はCu、Mn系を用いた触媒部34と、当該触媒部34及びその下流に設けられた熱交換器35及び三方電磁弁36を通過した希釈用空気を冷却する冷却器37と、当該冷却器37により例えば25度に冷却された希釈用空気中のNOを吸着除去するNO吸着器38と、を備えている。そして、NO吸着器38を通過した希釈用空気が希釈用空気供給管3Hにより定容量サンプリング装置2に供給される。
【0021】
しかして、本実施形態のガス分析計4は、希釈排ガス中のNO成分の濃度を分析するものであり、希釈用空気精製装置3は、希釈用空気中のNOを除去するNO除去部3Aを備えている。このNO除去部3Aは、NOを還元又は酸化によりN又はNOに変換するNO触媒部と、当該NO触媒部によって生じるNOを除去するNO除去部と、からなる。
【0022】
O触媒部は、前記の触媒部34に含まれており、例えばPtやPdをゼオライトに担持して構成されている。また、NO除去部3Aを構成するNO除去部は、前記のNO吸着器38を用いて構成される。
【0023】
次に、このように構成した排ガスサンプリング分析システム100を用いたNOの濃度測定について図3を参照して説明する。
【0024】
希釈用空気精製装置3にNO除去部3Aが無い場合、希釈用空気バッグ253により得られた希釈用空気中のNO濃度は約300[ppb](大気中に含まれるNO濃度の平均値)である。このとき希釈排ガスバッグ243により得られる希釈排ガス中のNO濃度が約560[ppb]であるとすると、バックグラウンド補正の結果、排ガス中に含まれるNO濃度は、約260[ppb]となる。しかしながら、希釈排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気中のNO濃度の割合が大きく、希釈用空気中のNO濃度の測定誤差が排ガス中のNO濃度に与える影響が大きくなってしまい、その結果、バックグラウンド補正により得られた排ガス中のNO濃度の測定精度が低下してしまう。
【0025】
一方で、本実施形態のようにNO除去部3Aを設けることによって、希釈用空気バッグ253により得られた希釈用空気中のNO濃度が例えば約30[ppb]に低減されると、希釈排ガスバッグ243により得られる希釈排ガス中のNO濃度が約290[ppb]となり、バックグラウンド補正の結果、排ガス中に含まれるNO濃度は、約260[ppb]となる。このとき、希釈排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気中のNO濃度の割合を小さくすることができ、希釈用空気中のNO濃度の測定誤差が排ガス中のNO濃度に与える影響を小さくすることができ、その結果、バックグラウンド補正により得られた排ガス中のNO濃度の測定精度を向上させることができる。
【0026】
このように構成した本実施形態に係る排ガスサンプリング分析システム100によれば、排ガスを希釈用空気で希釈させる前に、当該希釈用空気からNOを除去させることによって、希釈排ガス中のNO濃度に対する希釈用空気のNO濃度の割合を可及的に小さくすることができ、NO濃度のバックグラウンド変動を小さくして、排ガス中のNO濃度の測定精度を向上することができる。
【0027】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、定容量サンプリング装置を用いているが、その他、排ガスの一部を採取して一定比率で希釈する、バックミニダイリュータ装置を用いても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
100・・・排ガスサンプリング測定システム
2 ・・・定容量サンプリング装置
3 ・・・希釈用空気精製装置
3A ・・・NO除去部
33 ・・・加熱器
34 ・・・触媒部
38 ・・・NO除去部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン排ガスを希釈用空気によって希釈し、その希釈排ガス中に含まれる成分を測定する排ガスサンプリング分析システムに用いられる希釈用空気精製装置であって、
大気から採取した希釈用空気を加熱する加熱器と、
前記加熱器により加熱された希釈用空気に含まれるNOをN又はNOに変換するNO触媒部と、
前記NO触媒部の下流に設けられ、前記希釈用空気に含まれるNOを除去するNO除去部と、を備える希釈用空気精製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−95229(P2011−95229A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252365(P2009−252365)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】